JP2023025831A - 空調システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023025831000001
【課題】建物内の空調を効率的に行うことが可能な空調システムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る空調システム1は、廊下Cに配置され、同一階Fを空調する空調装置2と、仕切壁Wpに配置され、廊下Cの空気を部屋に取り込む吸気部Mと、仕切壁Wpに配置され、部屋Rの室内空気Arを廊下Cに排出する排気部Nとを備える。空調装置2は、廊下Cに空調された空調空気Aを吹き出す吹出部2aと、吹出部2aより鉛直上方D12に設けられ、空調空気の還気Abを吸い込む吸込部2bと、空調空気の還気Abに関する還気情報を取得するように設けられる環境検知部2cとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調システムに関する。
建物の内部を全体的に空調するために、いわゆる全館空調システムが採用されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されるように、従来の全館空調システムでは、一台の空調装置を使用し、空調装置に接続された主ダクトを通して、空調装置によって調整された空調空気を送風し、主ダクトから分岐された分岐ダクトを通して、空調空気が建物内の各部屋に送風される。
特開2019-178793号公報
しかし、特許文献1に記載されるような、従来の全館空調システムでは、空調空気が各部屋に送風されるように、分岐ダクトを部屋毎に設ける必要がある。加えて、従来の全館空調システムでは、主ダクトや分岐ダクトは、建物の床下や天井裏に設置される。そのため、全館空調システムの施工が大掛かりになり、施工費用が高くなってしまう。このような理由から、低コストで効率的に建物内を空調する手法が望まれている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、建物内の空調を効率的に行うことが可能な空調システムを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る空調システムは、廊下と、前記廊下に隣接する部屋と、前記廊下と前記部屋とを仕切る仕切壁とを同一階に有する建物に設けられる空調システムであって、前記空調システムは、前記廊下に配置され、前記同一階を空調する空調装置と、前記仕切壁に配置され、前記廊下の空気を前記部屋に取り込む吸気部と、前記仕切壁に配置され、前記部屋の室内空気を前記廊下に排出する排気部とを備え、前記空調装置は、前記廊下に空調された空調空気を吹き出す吹出部と、前記吹出部より鉛直上方に設けられ、前記空調空気の還気を吸い込む吸込部と、前記還気に関する還気情報を取得するように設けられる環境検知部とを備え、前記排気部は、前記空調装置の前記吹出部が吹き出す前記空調空気の空気流に対して鉛直上方に配置され、前記吸気部から前記部屋に前記空調空気として取り込まれ、前記排気部が前記廊下に排出する前記室内空気である前記還気の空気流が、前記吹出部が吹き出す前記空調空気の空気流に対して鉛直上方となるように、前記室内空気を前記廊下に強制的に排出する。
前記同一階は、前記部屋として複数の部屋を含み、前記複数の部屋のそれぞれの仕切壁が、前記吸気部および前記排気部を備えていてもよい。
前記環境検知部は、前記還気情報として前記還気の温度を取得する温度センサを含んでいてもよい。
前記空調装置および前記排気部は、前記同一階の天井の近傍に配置されてもよい。
前記排気部は、前記吸気部より前記空調装置に近い位置に配置されてもよい。
前記吹出部は、45°以上の俯角で、前記空調空気を吹き出してもよい。
前記排気部は、0°以上の仰角で、前記室内空気を前記廊下に排出してもよい。
前記排気部は、前記仕切壁の内部に排気ファンを備え、前記排気ファンによって、前記室内空気を前記廊下に排出してもよい。
前記排気部は、50m3/h以上であって、300m3/h以下の風量で、前記室内空気を前記廊下に排出してもよい。
本発明の一実施形態に係る空調システムによれば、建物内の空調を効率的に行うことができる。
本発明の第1実施形態の空調システムを示す、模式的な斜視図である。 図1の空調システムを紙面手前から見た断面図である。 本発明の第1実施形態に使用される排気部の一例を示す、部屋側から見た模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態に使用される排気部の他の例を示す、部屋側から見た模式的な斜視図である。 本発明の第1実施形態に使用される排気部の一例を示す、廊下側から見た模式的な斜視図である。 空調システムの参考例を示す、模式的な斜視図である。 図5の空調システムを紙面手前から見た断面図である。 本発明の第2実施形態の空調システムを示す、模式的な斜視図である。 本発明の第3実施形態の空調システムを示す、模式的な斜視図である。 市販の壁掛け式のエアコンディショナーによる、暖房時の部屋内の空気流を示す、断面図である。 市販の壁掛け式のエアコンディショナーによる、冷房時の部屋内の空気流を示す、断面図である。
本発明者は、建物内の空間を空調する空調装置の開発にあたり、簡便な手法で、いかに空調することができるかを検討した。たとえば、建物内の複数の部屋を同時に空調するには、部屋毎に空調装置を設置するか、または、上述のような主ダクトや分岐ダクトを用いて、一台の空調装置から暖冷気を主ダクトや分岐ダクトを介して各部屋に送風する手法などが考えられる。しかし、前者の手法では、部屋数に応じた空調装置が必要となり、後者の手法では、上述のように、ダクトの設置が大掛かりとなり、施工費用が高くなってしまう。さらに、後者の手法では、空調システムを長期間使用した場合に、ダクト内部が汚染され、ダクト内の清浄作業も大掛かりとなる。これらのことから、ダクトの設置や清掃が大掛かりならず、効率的に建物内を空調可能な空調システムへの要請は大きい。
他方、近年、住宅の断熱性や気密性が高まっているため、たとえば、空調装置として、市販の壁掛け式のエアコンディショナー1台の暖冷房能力で戸建住宅の全体を冷暖房することが可能になっている。しかし、壁掛け式のエアコンディショナーから送風される冷暖気は、戸建住宅内の各部屋のドアを全開としても、各部屋の内部まで拡散しない。そのため、単に、エアコンディショナー1台のみを運転させても、戸建住宅の全体を十分には冷暖房することはできない。エアコンディショナーを廊下の天井近くに設置し、各部屋のドアを全開状態とし、かつ、サーキュレータを廊下に配置すると、エアコンディショナーの空調空気は、サーキュレータにより拡散されるので、各部屋の冷暖房状態は、かなり向上する。しかし、この手法では、部屋のドアを常に開状態とする必要があり、廊下に配置されるサーキュレータが、人の歩行の支障となる。
図9および図10は、市販の壁掛け式のエアコンディショナー20による冷暖房時の空調空気A1の空気流を示している。エアコンディショナー20の冷暖房の空調能力は、エアコンディショナー20から吹き出される空調空気A1の温度と空調空気の還気A2の温度との温度差と、空調空気A1の風量によって規定される。エアコンディショナー20は、空調の対象となる空間(たとえば、建物内の部屋内の空間)Sの温度を設定温度に調節するために、空調空気の還気A2の温度が設定温度になるように、空調空気A1の吹出温度を調節する。つまり、エアコンディショナー20の空調能力を十分に発揮させるためには、エアコンディショナー20に内蔵される温度センサ20cに空調空気の還気A2の温度を正確に検出させることが必要とされる。そのためには、空調空気A1が、空調空気の還気A2と中途で混交することなく還流し、エアコンディショナー20に戻ることが必要とされる。一般的に、市販のエアコンディショナー20は、鉛直下方D11に空調空気A1を吹き出すための吹出口20aを有し、鉛直上方D12に空調空気の還気A2を吸い込むための吸込口20bを有している。そのため、上述のような空調空気A1の還流を促進させるために、一般的に、暖房時には、図9に示されるように、エアコンディショナー20は、空調空気(暖気)A1を吹出口20aから鉛直下方D11側に吹き出す。この場合、空調空気(暖気)A1は、比重が小さいため、空間S内で、鉛直下方D11から鉛直上方D12に弧を描くように還流し、空調空気の還気A2は、吸込口20bから吸い込まれる。また、一般的に、冷房時には、図10に示されるように、エアコンディショナー20は、空調空気(冷気)A1を吹出口20aから水平方向D2に吹き出す。この場合、空調空気(冷気)A1は、比重が大きいため、空間S内で、鉛直上方D12から鉛直下方D11に弧を描くように還流し、空調空気の還気A2は、吸込口20bから吸い込まれる。このようにして、暖房時および冷房時のいずれの場合も、空調空気A1の中途で混交を抑制している。
本発明者は、以上の点を考慮しつつ、鋭意検討を重ねた結果、空調装置を建物内の廊下に配置し、さらに、空調空気の空気流を適切に調整することで、空調装置として、市販のエアコンディショナーを1台のみを使用する場合であっても、建物内の同一階を十分に空調可能であることを見出した。以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る空調システムを説明する。なお、以下に示す実施形態は、あくまで一例であり、本発明の空調システムは、以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「水平方向」は、重力が作用する方向に垂直な方向を指す。また、本明細書において、「鉛直方向」は、重力が作用する方向と平行な方向を指し、「鉛直下方」は、鉛直方向のうち、重力が作用する側を向く方位を指し、「鉛直上方」は、重力が作用する側と反対側を向く方位を指す。なお、本明細書において、「Aに垂直」およびこれに類する表現は、Aに対して完全に垂直な方向のみを指すのではなく、Aに対して略垂直であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「Bに平行」およびこれに類する表現は、Bに対して完全に平行な方向のみを指すのではなく、Bに対して略平行であることを含んで指すものとする。また、本明細書において、「C形状」およびこれに類する表現は、完全なC形状のみを指すのではなく、C形状の角部が面取りされた形状など、見た目にC形状を連想させる形状(略C形状)を含んで指すものとする。
(第1実施形態に係る空調システム)
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る空調システム1を示している。本実施形態に係る空調システム1は、建物B内の空気を調整する。なお、本明細書において、「建物」は、人が居住するための住居用建物や、店舗または事務所などとして使用するためのテナント用建物や、物を保管するための倉庫用建物や、製品などの生産活動に使用される工場用建物などを含む概念であり、1つの階層のみを有する建物(いわゆる、平屋の建物)であるか、複数の階層を有する建物(2階建てや3階建てなどの多層建ての建物)かを問わない。空調システム1は、廊下Cと、廊下Cに隣接する部屋Rと、廊下Cと部屋Rとを仕切る仕切壁Wpとを同一階F(以下、空調システム1が空調する対象とする建物Bの階層を「対象階」とも呼ぶ)に有する建物Bに設けられる。ここで、本明細書において、「同一階(対象階)」は、ある建物Bにおいて、鉛直方向D1で同じ階層を構成する、水平方向D2に広がる空間を指し、典型的には、鉛直下方D11で床Wc、鉛直上方D12で天井Wd、水平方向D2で建物Bの外壁Wa(図1および図2では、説明の便宜のため、外壁を構成する外装壁(建物Bの外部を向く壁)および内装壁(建物Bの内部を向く壁)のうち、内装壁を外壁Waとして示している)によって区画される。本実施形態では、同一階Fでは、床Wc(床面)は、水平方向D2に広がる略同一平面である。しかし、廊下Cと部屋Rとの間で、床Wc(床面)に多少の段差や傾斜が存在するなど、同一階Fには、同一の階層と見なされる程度の高低差が存在してもよい。なお、本明細書において、「廊下」は、同一階Fへの出入口(たとえば、玄関、階段の昇降口、エレベータのドアなど)と部屋Rとの間などで、人が行き来し得るように構成される通路を指す。図1の例では、廊下Cは、水平方向D2の一方向に延伸する直線状に設けられているが、たとえば、L字状などのように、延伸方向の途中で、屈曲していてもよい。また、廊下Cは、全部または一部が、いわゆるリビングルームやダイニングルームなどの空間として機能してもよい。また、本明細書において、「部屋」は、対象階において、仕切壁Wpや、対象階(同一階)Fのその他の壁(たとえば、建物Bの外壁Waや、内壁Wb(隣接する部屋R、R1の間を間仕切る壁。図7参照))によって区画される空間を指す。図1の例では、対象階(同一階)Fは、1つの部屋Rを備えているが、後述する他の実施形態(図7および図8参照)のように、複数の部屋R、R1、R2を備えていてもよい。
空調システム1は、図1および図2に示されるように、廊下Cに配置され、対象階(同一階)Fを空調する空調装置2と、仕切壁Wpに配置され、廊下Cの空気を部屋Rに取り込む吸気部Mと、仕切壁Wpに配置され、部屋Rの室内空気Arを廊下Cに排出する排気部Nとを備えている。
空調装置2は、対象階Fの空気を所望の設定条件に調整するために設けられる。空調装置2による空調空気Aの設定条件は、特に限定されることはないが、空調空気Aの設定条件として、たとえば、空調空気Aの温度、風量、湿度などが挙げられる。空調装置2は、設定条件に近づくように、対象階(同一階)Fの空気を調整することで、冷房、暖房、除湿などの所望の運転を行う。空調装置2への空調空気Aの設定条件の入力は、たとえば、空調装置2と通信可能なリモートコントローラや、空調装置2に設けられるタッチパネルなどの、公知の空調装置の入力部(図示せず)によって行うことができる。
本実施形態では、図1および図2に示されるように、空調装置2は、対象階F(同一階)の廊下Cにおいて、天井Wdの近傍に配置される。具体的には、空調装置2は、建物Bの屋内に配置される室内機と、建物Bの屋外に配置される室外機を備え、室内機と室外機との間をダクトで接続する、市販のエアコンディショナーである(図1および図2では、説明の便宜のため、室内機のみを空調装置2として示し、室外機は図示していない)。図1および図2の例では、空調装置2は、市販の壁掛け型のエアコンディショナーであり、壁掛け型のエアコンディショナーの室内機が、天井Wdの近傍において、対象階Fの壁(図1および図2では、外壁Waのうちの内装壁)に取り付けられている。ここで、本明細書において、「天井の近傍」は、天井Wdから鉛直下方D11に50cm以内の領域、より好ましくは、40cm以内の領域、最も好ましくは、30cm以内の領域を指す。また、本明細書において、「天井の近傍」は、対象階Fの高さ(鉛直方向D1での天井Wdから床Wcまでの距離)に対する相対値で言えば、天井Wdから鉛直下方D11に25%以内の範囲に含まれる領域、より好ましくは、20%以内の範囲に含まれる領域、最も好ましくは、15%以内の範囲に含まれる領域を指す。
なお、空調装置2は、壁掛け型のエアコンディショナーに限定されることはなく、天井Wdから吊り下げられる、市販の天吊り式のエアコンディショナーであってもよい。また、空調装置2は、対象階Fの天井Wdの近傍に配置されるものに限定されることはなく、床Wc(床面)に設置される、市販の床置き型のエアコンディショナーなどの、その他の公知のエアコンディショナーであってもよい。
本実施形態では、図1に示されるように、空調装置2は、建物Bの内装壁(外壁Waのうち、建物Bの内側を向く壁)に取り付けられる。具体的には、空調装置2の室内機が、外壁Waの内装壁に取り付けられ、空調装置2の室外機は、外装壁(外壁Waのうち、建物Bの外側を向く壁)に沿うように配置される。この場合、空調装置2の設置の際に、外壁Waの内装壁から外装壁に貫通するようにダクトを通して、空調装置2の室内機と室外機とを接続すれば、ダクトを天井Wdの裏や床Wcの下に設置することもなく、ダクトの長さも最小限の長さとなるので、空調システム1の施工費用もさらに低コストとなる。廊下Cでの空調装置2の配置は、特に限定されることはない。本実施形態では、空調装置2は、廊下Cの延伸方向の端壁に取り付けられる。そうすることで、空調装置2による空調空気Aが、廊下Cの全長にわたって流れ易くなり、ひいては、対象階Fの全体にわたって拡散し易くなる。
空調装置2は、図1に示されるように、廊下Cに空調された空調空気Aを吹き出す吹出部2aと、空調空気の還気Abを吸い込む吸込部2bと、空調空気の還気Abに関する還気情報を取得するように設けられる環境検知部2cとを備えている。より具体的には、空調装置2(具体的には、空調装置2の室内機)は、空調空気Aの温度を調整する熱交換器と、空調空気Aの風量を調整する送風ファンをさらに備える(特に図示しないが、熱交換器および送風ファンは、室内機の内部に設けられる)。たとえば、空調装置2は、熱交換器および送風ファンによって、吸込部2bから吸い込まれる空調装置2周辺の空気(空調空気の還気Ab)の温度および風量をそれぞれ調整し、吸込部2bから空調空気Aとして吹き出すように構成されている。
空調装置2の吹出部2aは、図1に示されるように、具体的には、熱交換器によって調整された空調空気Aを送風ファンによって吹き出す、空調装置2の開口である。吹出部2aの態様は、特に限定されることはないが、本実施形態では、吹出部2aは、空調空気Aの吹出方向を調整可能に構成される。具体的には、吹出部2aは、特に図示しないが、翼状で方向可変の風向調整板(いわゆる、フラップなど)を開口に備える。吹出部2aの空調装置2での設置位置は、吸込部2bより鉛直下方D11であれば、特に限定されることはない。本実施形態では、吹出部2aは、室内機の底面(鉛直下方D11を向く面)に設けられている。しかし、吹出部2aは、たとえば、室内機の側面(水平方向D2を向く面)に設けられてもよい。吹出部2aから吹き出される空調空気Aの吹出角度は、空調装置2の設定条件などによって適宜変更され得る。本実施形態では、吹出部2aは、所定の範囲内の俯角αで、空調空気Aを吹き出す。ここで言う「俯角」は、吹出部2aを含む水平面と、空調空気Aの鉛直下方D11側への吹出方向とのなす角度α(図1参照)を指し、俯角αは、0°≦α≦90°の範囲内である。空調空気Aの吹出角度(俯角α)は、好ましくは、45°≦α≦90°であり、より好ましくは、45°≦α≦75°であり、最も好ましくは、45°≦α≦60°である。
空調装置2の吸込部2bは、具体的には、図1に示されるように、空調装置2の送風ファンによって周辺空気を吸い込む、空調装置2の開口である。吸込部2bの態様は、特に限定されることはないが、吸込部2bは、たとえば、送風ファンの上流側に、吸い込んだ空気中の塵埃などを取り除くための空気フィルタを備える。吸込部2bは、吹出部2aより鉛直上方D12に設けられる。本実施形態では、吸込部2bは、室内機の上面(鉛直上方D12を向く面)に設けられている。しかし、吸込部2bは、たとえば、室内機の側面(水平方向D2を向く面)に設けられてもよい。
空調装置2の環境検知部2cは、対象階Fの空調状態を検知する。環境検知部2cが検知する還気情報は、特に限定されないが、本実施形態では、環境検知部2cは、還気情報として還気の温度を取得する温度センサを含む。具体的には、環境検知部2cとしての温度センサは、市販のエアコンディショナーに内蔵される温度センサ(たとえば、サーミスタ)である。なお、環境検知部2cは、市販のエアコンディショナーに内蔵されるその他の環境センサであってもよい。たとえば、その他の環境センサとして、還気情報として還気の湿度を取得する湿度センサ(たとえば、抵抗式湿度センサや容量式湿度センサ)などが挙げられる。環境検知部2cは、温度センサおよび湿度センサの両方を含んでいてもよい。環境検知部2cの空調装置2での配置は、還気情報を検知可能であれば、特に限定されることはない。環境検知部2cは、概して、吸込部2bの空気フィルタの近傍や、空調装置2(室内機)の側面(水平方向D2を向く面)に設けられる。
仕切壁Wpの吸気部Mは、図1に示されるように、空調装置2から廊下Cに吹き出される空調空気Aを部屋Rに取り込む。本実施形態では、吸気部Mは、ドアGの鉛直下方D11に設けられる、ドア枠GfとドアGとの間のクリアランスである。しかし、吸気部Mは、ドアG内に設けられる貫通孔(たとえば、公知の換気グリル)であってもよい。また、吸気部Mは、ドア枠GfとドアGとの間の公差(意図しない隙間)によって形成されてもよい。さらに、吸気部Mは、ドアGとは別途に仕切壁Wpに設けられる、公知の換気口などであってもよい。本実施形態では、吸気部Mは、空調空気Aを廊下Cから部屋Rに自然に取り込むように設計されている。しかし、吸気部Mの吸気形態は、特に限定されることはなく、吸気部Mは、換気ファンなどを用いて、空調空気Aを廊下Cから部屋Rに強制的に取り込むように設計されてもよい。空調空気Aを取り込むための吸気部Mの開口の大きさは、空調空気Aの還流の妨げとならなければ、特に限定されることはない。たとえば、吸気部Mの開口の大きさは、50cm2以上、好ましくは、100cm2以上、より好ましくは、150cm2以上である。たとえば、吸気部Mの開口の大きさは、500cm2以下、好ましくは、400cm2以下、より好ましくは、300cm2以下である。このようにすれば、空調空気Aの還流は、よりスムーズに生じるようになる。なお、仕切壁Wpに隙間がある場合など、吸気部M以外においても、廊下Cから部屋Rへの空調空気Aの取り込みが想定される箇所が存在する場合には、吸気部Mの開口の大きさと当該箇所の開口の大きさの合計が、上記範囲内にあれば、同様の効果が得られる。
吸気部Mの位置は、空調空気Aの還流の妨げとならなければ、特に限定されることはない。よりスムーズに空調空気Aの還流を生じさせるために、吸気部Mの位置は、排気部Nの位置から可能な限り離間させるとよい。本実施形態では、図1に示されるように、吸気部Mは、水平方向D2および鉛直方向D1の両方向において、排気部Nから離間するように設けられている。具体的には、吸気部Mは、鉛直下方D11寄り(仕切壁Wpの鉛直下方D11の50%を占める領域内。好ましくは、仕切壁Wpの鉛直下方D11の25%を占める領域内、より好ましくは、仕切壁Wpの鉛直下方D11の10%を占める領域内)で、仕切壁Wp(ドアG)に設けられている。この場合、空調装置2が対象階Fの天井Wdの近傍に配置されるときに、鉛直方向D1での空調空気Aの還流が、対象階Fの全体に及び易くなる。さらに具体的には、吸気部Mは、空調装置2から見て、遠位寄り(空調装置2から見て、廊下Cの延伸方向での仕切壁Wpの全長に対して、仕切壁Wpの遠位端から近位側に向かって50%以内の範囲に含まれる領域、好ましくは、25%以内の範囲に含まれる領域、より好ましくは、20%以内の範囲に含まれる領域)で、仕切壁Wp(ドアG)に設けられている。この場合、水平方向D2での空調空気Aの還流が、対象階Fの全体に及び易くなる。なお、吸気部Mは、水平方向D2および鉛直方向D1の両方向のいずれか一方向において、排気部Nから離間するように設けられていてもよい。
仕切壁Wpの排気部Nは、図1に示されるように、部屋R内の室内空気Arを部屋Rから廊下Cに排出する。排気部Nは、室内空気Arを廊下Cに強制的に排出するように構成される。これにより、吸気部Mにより部屋Rに導入された空調空気Aである室内空気Arが、廊下Cへと排出されるので、対象階Fでの空調空気Aの還流を生じさせることができる。また、強制的に排出する室内空気Arの量(排出風量)を調整することで、室内空気Arの温度を調整することができる。本実施形態では、図3Aおよび図3Bに示されるように、排気部Nは、仕切壁Wpの内部に排気ファンNaを備え、排気ファンNaによって、室内空気Arを廊下Cに排出する。具体的には、図3A、図3B、および図4に示されるように、排気部Nは、室内空気Arを吸い込んで、所定の方向に送風する排気ファンNa(図3A、図3B参照)と、排気ファンNaから送風される室内空気Arを廊下Cに排出する排気口Nc(図4参照)と、排気ファンNaと排気口Ncとを連通させる壁内空間Nb(図3A、図3B参照)とを備える。しかし、排気部Nは、室内空気Arを所望の方向で廊下Cに強制的に排出可能であれば、特に限定されることはなく、公知の換気扇などの、その他の排気機構であってもよい。
排気部Nの排気ファンNaは、室内空気Arを取り込み可能であれば、特に限定されることはないが、排気ファンNaとして、公知のシロッコファン(図3A参照)やクロスフローファン(図3B参照)を採用することができる。具体的には、排気ファンNaがシロッコファンである場合には、図3Aに示されるように、排気ファンNaは、円筒形状の側面に複数の翼Na1を有し、円筒形状の中心軸Pが仕切壁Wpと垂直をなすように、仕切壁Wpに埋設される。排気ファンNaがクロスフローファンである場合には、図3Bに示されるように、排気ファンNaは、円筒形状の側面に複数の翼Na1を有し、円筒形状の中心軸Pが仕切壁Wpと平行となるように、仕切壁Wpに埋設される。本実施形態では、排気ファンNaは、複数の翼Na1を中心軸P周りに回転させることで、室内空気Arを部屋Rから吸い込み、吸い込んだ室内空気Arを仕切壁Wpの内部で鉛直上方D12に送風可能に構成されている。シロッコファンを採用する場合には、排気ファンNaの運転時の騒音が抑制され、クロスフローファンを採用する場合には、排気ファンNaを薄型化することができる。
排気部Nの壁内空間Nbの形状および配置は、排気ファンNaと排気口Ncとを連通させることができれば、特に限定されることはない。本実施形態では、図3Aおよび図3Bに示されるように、壁内空間Nbは、仕切壁Wpの内部で、排気ファンNaの鉛直上方D12であって、排気口Ncと鉛直方向D1で略同じ位置に配置される。しかし、壁内空間Nbは、排気ファンNaと排気口Ncとを直接連通させることが可能である場合には、必ずしも設けられなくてもよい。
排気部Nの排気口Ncの形態は、室内空気Arを所望の方向に排気可能であれば、特に限定されることはない。本実施形態では、図4に示されるように、室内空気Arを所望の方向に案内し、廊下Cに排出させるための羽根板Nc1を有する、公知の排気ルーバである。しかし、排気口Ncは、室内空気Arを所望の方向に排気可能であれば、その他の排気機構であってもよい。本実施形態では、後述するように、排気口Ncは、0°以上の仰角βで、室内空気Arを廊下Cに排出するように、羽根板Nc1の方向が調整される。
排気部Nは、図1に示されるように、空調装置2の吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して、鉛直上方D12に配置される。なお、ここで言う「鉛直上方」は、吹出部2aが吹き出す空調空気Aの主要な流れに対して、鉛直上方D12であれば足りる。排気部Nは、吸気部Mから部屋Rに空調空気Aとして取り込まれ、排気部Nが廊下Cに排出する室内空気Arである、空調空気の還気Abの空気流が、吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して鉛直上方D12となるように、室内空気Arを廊下Cに強制的に排出する。これにより、吹出部2aからの空調空気Aの空気流は、廊下Cの鉛直下方D11を流れ、排気部Nからの空調空気の還気Abの空気流は、廊下Cの鉛直上方D12を流れることになるので、空調装置2において、吹出部2aより鉛直上方に設けられる吸込部2bは、吹出部2aから吹き出される空調空気Aとの混交が抑制された状態で、廊下Cの鉛直下方D11を流れる空調空気の還気Abを吸い込むことができる。そのため、空調装置2の環境検知部2cは、空調空気の還気Abに関する正確な還気情報を取得することができる。なお、ここで言う「鉛直上方」は、排気部Nから排出される空調空気の還気Abの空気流の主要な流れが、吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流の主要な流れに対して、鉛直上方D12であれば足りる。本実施形態では、空調装置2と同様に、排気部Nは、対象階Fの天井Wdの近傍(「天井の近傍」については、上記参照。なお、排気部Nに対しては、「天井の近傍」は、好ましくは、天井Wdから鉛直下方D11に30cm以内の領域である)に配置される。この場合、排気部Nと空調装置2の吸込部2bとの鉛直方向D1の距離が短くなるので、排気部Nから吸込部2bに至るまでの、空調空気の還気Abの空気流の拡散が抑制され、空調空気Aの空気流と空調空気の還気Abの空気流との混交がさらに抑制される。本実施形態では、排気部Nは、吸気部Mより空調装置2に近い位置に配置される。この場合、吸気部Mから部屋Rに取り込まれる空調空気Aの空気流と、排気部Nから排出される空調空気の還気Abの空気流との混交がさらに抑制される。より具体的には、排気部Nは、空調装置2から見て近位寄り(空調装置2から見て、廊下Cの延伸方向での仕切壁Wpの全長に対して、仕切壁Wpの近位端から遠位側に向かって50%以内の範囲に含まれる領域、好ましくは、25%以内の範囲に含まれる領域、より好ましくは、20%以内の範囲に含まれる領域)で、仕切壁Wpに設けられている。この場合、排気部Nと空調装置2の吸込部2bとの水平方向D2の距離が短くなるので、排気部Nから吸込部2bに至るまでの、空調空気の還気Abの空気流の拡散が抑制され、空調空気Aの空気流と空調空気の還気Abの空気流との混交がさらに抑制される。しかし、排気部Nは、空調装置2の吹出部2aによる空調空気Aの空気流に対して鉛直上方D12であれば、水平方向D2および鉛直方向D1の両方向において、仕切壁Wpの任意の位置に設けられ得る。なお、図1の例では、排気部Nは、仕切壁Wpに1つ設けられているが、空調装置2の吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して、鉛直上方D12に配置されていれば、仕切壁Wpへの設置個数は、特に限定されない。たとえば、排気部Nは、仕切壁Wpにおいて、水平方向D2または鉛直方向D1に複数個(たとえば2つ)並置されるように設けられてもよい。
排気部Nから排出される室内空気Arの排出角度は、排気部Nの設置位置に応じて適宜変更され得る。本実施形態では、図4に示されるように、排気部Nは、所定の範囲内の仰角βで、室内空気Arを廊下Cに排出する。ここで言う「仰角」は、排気部Nを含む水平面と、室内空気Arの鉛直上方D12側への排出方向とのなす角度βを指し、仰角βは、0°≦β≦90°である。室内空気Arの排出角度(仰角β)は、好ましくは、0°≦β≦60°であり、さらに好ましくは、0°≦β≦45°であり、最も好ましくは、0°≦β≦30°である。室内空気Arの排出角度(仰角β)は、たとえば、排気口Ncの羽根板Nc1の方向を変更することで、調整することができる。排気部Nが室内空気Arを排出する風量は、空調装置2の設定条件などによって適宜変更され得る。本実施形態では、排気部Nは、50m3/h以上であって、300m3/h以下の風量で、室内空気Arを廊下Cに排出する。排気部Nによる室内空気Arの排出風量は、より好ましくは、75m3/h以上、最も好ましくは、100m3/h以上である。また、排気部Nによる室内空気Arの排出風量は、より好ましくは、250m3/h以下、最も好ましくは、200m3/h以下である。室内空気Arの排出風量は、たとえば、排気ファンNa(図3Aおよび図3B参照)の回転速度を変更することで、調整することができる。
(第1実施形態に係る空調システムによる空調空気の空気流)
次に、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る空調システム1による空調空気Aの空気流について説明する。なお、以下の説明は、あくまで一例であり、本発明の空調システム1による空調空気Aの空気流は、以下の説明に限定されるものではない。
図1および図2に示される空調システム1を運転させると、たとえば45°以上の俯角αで、空調装置2の吹出部2aから空調空気Aが吹き出される。吹き出された空調空気Aの空気流は、鉛直下方D11寄りで廊下Cの延伸方向(空調装置2から遠ざかる方向)に進行し、空調空気Aは、仕切壁Wp(ドアG)の吸気部Mから部屋Rの内部に導入される。この際、室内空気Arは、仕切壁Wpの排気部Nによって廊下Cに強制的に排気されているので、吸気部Mから部屋Rの内部への空調空気Aの導入が促進される。
部屋Rの内部に導入された空調空気Aである室内空気Arは、排気部Nの排気運転によって、排気部Nに向かって流れる。これにより、部屋R内に空調システム1による空調を及ばせることができる。この際、上述のように、空調装置2から見て、吸気部Mが仕切壁Wpの遠位寄りにあり、排気部Nが仕切壁Wpの近位寄りにある場合には、室内空気Arの空気流は、水平方向D2において、部屋Rの全域にわたって流れるので、部屋R内に空調システム1による空調をさらに及ばせることができる。さらに、吸気部Mが仕切壁Wpの鉛直下方D11寄りにあり、排気部Nが仕切壁Wpの鉛直上方D12寄りにある場合には、室内空気Arの空気流は、鉛直方向D1において、部屋Rの全域にわたって流れるので、部屋R内に空調システム1による空調をさらに及ばせることができる。
空調空気A(室内空気Ar)は、排気部Nに至ると、排気部Nの排気運転によって、部屋Rから廊下Cに排出され、空調空気の還気Abとなる。これにより、空調空気Aが、対象階Fの全体に及ぶように、対象階Fを循環するようになる。ここで、排気部Nは、排気部Nが吹き出す空調空気の還気Abの空気流が、空調装置2の吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して、鉛直上方D12を流れるように配置されているので、空調空気の還気Abの空気流は、廊下Cの鉛直上方D12寄りを流れ、空調空気Aの空気流は、廊下Cの鉛直下方D11寄りを流れる。そのため、空調空気の還気Abが吹出部2aより鉛直上方に設けられる吸込部2bに吸い込まれるまでに、排気部Nからの空調空気の還気Abが、吹出部2aからの空調空気Aと混交することが抑制される。これにより、空調装置2の環境検知部2cは、空調空気Aとの混じり合いが少ない空調空気の還気Abに関する正確な還気情報を取得するので、空調装置2は、正確な還気情報に応じて適切に空調を行うことができる。この際、排気部Nが、吸気部Mより空調装置2に近い位置に配置される場合には、室内空気Arを排出する排気部Nと、排出された室内空気Ar(空調空気の還気Ab)を吸い込む空調装置2の吸込部2bとの間の距離が短くなるので、空調空気Aと空調空気の還気Abとの混交をさらに抑制することができる。また、排気部Nが、0°以上の仰角βで、室内空気Arを廊下Cに排出する場合には、空調装置2の鉛直上方D12側に配置される吸込部2bが、空調空気の還気Abを吸い込みやすくなるので、空調空気の還気Abの拡散が抑制され、空調空気Aと空調空気の還気Abとの混交をさらに抑制することができる。さらに、排気部Nが、50m3/h以上であって、300m3/h以下の風量で、室内空気Arを廊下Cに排出する場合には、室内空気Arが適切な風量で廊下Cに排出されるので、空調装置2の吸込部2bが、空調空気の還気Ab(排出された室内空気Ar)を吸い込みやすくなる。そのため、この場合、空調空気の還気Abを吸い込み損ねることで、空調空気の還気Abが拡散することが抑制されるので、空調空気Aと空調空気の還気Abとの混交をさらに抑制することができる。
ここで、空調装置を単に廊下に配置するだけでは、上記実施形態のように、空調空気の還気の情報を正確に取得することは困難であり、空調空気を適切に還流させる空調システムが必要となる。図5および図6は、参考例に係る空調システム10を示している。本参考例では、上記実施形態(図1および図2)と同様に、空調装置2は、市販の壁掛け型のエアコンディショナーであり、廊下Cに配置されている。しかし、本参考例では、上記実施形態における排気ファンNa(図3Aおよび図3B参照)を給気ファンとして機能させることで(たとえば、ファンの回転方向を逆方向とする)、排気部Nを吸気部M0とし、代わりに、上記実施形態における吸気部Mを排気口として機能させることで(ここでは、室内空気Ar0を自然に排出させる)、吸気部Mを排気部N0としている。この場合、空調装置2の吹出部2aから吹き出される空調空気A0は、空調装置2から見て、仕切壁Wpの近位寄りであって、天井Wdの近傍に配置される吸気部M0から部屋Rに強制的に導入される。その後、空調空気A0は、室内空気Ar0として部屋Rの内部を流れ、空調装置2から見て、近位寄りであって、仕切壁Wp(ドアG)の鉛直下方D11に配置される排気部Nから廊下Cに自然に排出され、空調空気の還気Ab0として、空調装置2の吸込部2bから吸い込まれる。この際、空調空気の還気Ab0は、廊下Cにおいて、空調装置2から見て、遠位側から近位側に進行する際に、鉛直下方D11から鉛直上方D12に向かうため、空調装置2の近傍で、空調装置2の吹出部2aから吹き出される空調空気A0の空気流と混交する。換言すれば、本参考例では、上記実施形態とは異なり、排気部N0は、廊下Cに排出する室内空気Ar0(空調空気の還気Ab0)による空気流が、吹出部2aが吹き出す空調空気A0の空気流に対して鉛直下方D11となるように、室内空気Ar0を廊下Cに排出している。そのため、空調装置2の環境検知部2cは、空調空気の還気Ab0に関する還気情報として、空調空気A0と混じり合った還気情報を取得することになり、正確な還気情報を取得することが難しい。
以上に説明されるように、本実施形態の空調システム1によれば、仕切壁Wpの排気部Nが、空調装置2の吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して鉛直上方D12に配置され、吸気部Mから部屋Rに空調空気Aとして取り込まれ、排気部Nが廊下Cに排出する空調空気の還気Abの空気流が、吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して鉛直上方D12となるように、室内空気Arを廊下Cに強制的に排出する。そうすると、空調空気の還気Abの空気流は、廊下Cの鉛直上方D12寄りを流れ、空調空気Aの空気流は、廊下Cの鉛直下方D11寄りを流れる。そのため、空調空気の還気Abが吹出部2aより鉛直上方D12に設けられる吸込部2bに吸い込まれるまでに、排気部Nからの空調空気の還気Abが、吹出部2aからの空調空気Aと混交することが抑制される。これにより、空調装置2の環境検知部2cは、空調空気Aとの混じり合いが少ない空調空気の還気Abに関する正確な還気情報を取得するので、空調装置2は、正確な還気情報に応じて適切に空調を行うことができる。したがって、空調装置2として市販のエアコンディショナー(たとえば、壁掛け式)を1台のみ用いる場合であっても、対象階Fの正確な還気情報を取得することができるので、より少ない空調装置2の台数で建物B内の空調を効率的に行うことができる。
空調装置2から見て、吸気部Mが仕切壁Wpの遠位寄りにあり、排気部Nが仕切壁Wpの近位寄りにある場合には、空調空気A(室内空気Ar)の空気流は、水平方向D2において、部屋Rの全域にわたって流れるので、部屋R内に空調システム1による空調をさらに及ばせることができる。
吸気部Mが仕切壁Wpの鉛直下方D11寄りにあり、排気部Nが仕切壁Wpの鉛直上方D12寄りにある場合には、空調空気A(室内空気Ar)の空気流は、鉛直方向D1において、部屋Rの全域にわたって流れるので、部屋R内に空調システム1による空調をさらに及ばせることができる。
排気部Nが、吸気部Mより空調装置2に近い位置に配置される場合には、室内空気Arを排出する排気部Nと、排出された室内空気Ar(空調空気の還気Ab)を吸い込む空調装置2の吸込部2bとの間の距離が短くなるので、空調空気の還気Abの拡散が抑制され、空調空気Aと空調空気の還気Abとの混交をさらに抑制することができる。
排気部Nが、0°以上の仰角βで、室内空気Arを廊下Cに排出する場合には、空調装置2の鉛直上方D12側に配置される吸込部2bが、空調空気の還気Abを吸い込みやすくなるので、空調空気の還気Abの拡散がさらに抑制され、空調空気Aと空調空気の還気Abとの混交をさらに抑制することができる。
排気部Nが、50m3/h以上であって、300m3/h以下の風量で、室内空気Arを廊下Cに排出する場合には、室内空気Arが適切な風量で廊下Cに排出されるので、空調装置2の吸込部2bが、排出された室内空気Ar(空調空気の還気Ab)を吸い込みやすくなり、空調空気の還気Abの拡散がさらに抑制される。そのため、この場合、空調空気Aと空調空気の還気Abとの混交をさらに抑制することができる。
(第2実施形態に係る空調システム)
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る空調システムについて説明する。第1実施形態に係る空調システム1の各構成において説明した点については、同様に、第2実施形態に係る空調システム11にも適用することができる。以下の説明では、第1実施形態で説明した点については省略し、相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態に係る空調システム11において、第1実施形態に係る空調システム1に含まれる部位と同じ機能を有する部位には、同じ符号を付している。
本実施形態では、図7に示されるように、対象階(同一階)Fは、複数の部屋R、R1を有し、複数の部屋R、R1のそれぞれが、吸気部M、M1および排気部N、N1を備えている。具体的には、対象階(同一階)Fは、第1実施形態において説明された部屋Rに加え、部屋R1を有している。本実施形態では、廊下Cは、空調装置2からさらに遠位側に直線状に延伸し、部屋R1は、空調装置2から遠位側で、内壁Wbによって部屋Rと仕切られ、仕切壁Wp1によって廊下Cと仕切られるように配置されている。換言すれば、本実施形態では、複数の部屋R、R1は、廊下Cの一側方で、空調装置2に対して近位側および遠位側で並ぶように配置されている。
部屋R1の吸気部M1および排気部N1の構成および配置は、部屋Rの吸気部Mおよび排気部Nの構成および配置と同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する(図7では、吸気部M1は、ドアG1の鉛直下方D11に設けられる、ドア枠Gf1とドアG1との間のクリアランス。図7に示される排気部N1の詳細については、図3A~図4参照)。しかし、部屋R1の吸気部M1および排気部N1の構成および配置は、部屋Rの吸気部Mおよび排気部Nの構成および配置と異なっていてもよく、部屋R1に要求される空調条件などに応じて、適宜変更され得る。なお、図7の例では、対象階Fの部屋数は、2つであるが、特に限定されることはなく、対象階Fは、3つ以上の部屋を有していてもよい。
図7に示される空調システム11を運転させると、第1実施形態に係る空調システム1と同様に、たとえば45°以上の俯角αで、空調装置2の吹出部2aから空調空気Aが吹き出される。吹き出された空調空気Aの空気流は、鉛直下方D11寄りで廊下Cの延伸方向(空調装置2から遠ざかる方向)に進行する。その後、図7の例では、空調空気Aの空気流は、仕切壁Wp(ドアG)の吸気部Mから部屋Rの内部に導入される空気流と、空調装置2から見て、部屋Rの吸気部Mよりさらに遠位に進行する空気流に分流される。後者の空気流は、仕切壁Wp1(ドアG1)の吸気部M1から部屋R1の内部に導入される。この際、各部屋R、R1の室内空気Ar、Ar1は、仕切壁Wp、Wp1の排気部N、N1によって廊下Cに強制的に排気されているので、吸気部M、M1から部屋R、R1内への空調空気Aの導入が促進される。
各部屋R、R1に導入された空調空気Aである室内空気Ar、Ar1は、第1実施形態において説明したように、各部屋R、R1の排気部N、N1に向かって流れる。これにより、各部屋R、R1内に空調システム1による空調を及ばせることができる。各部屋R、R1の室内空気Ar、Ar1の流れは、第1実施形態において説明したものと同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する。
各部屋R、R1において、室内空気Ar、Ar1は、排気部N、N1に至ると、排気部N、N1の排気運転によって、各部屋R、R1から廊下Cに排出される。これにより、空調空気Aが、同一階Fの全体に及ぶように、同一階Fを循環するようになる。本実施形態においても、各部屋R、R1の排気部N、N1は、排気部N、N1が吹き出す空調空気の還気Ab、Ab1の空気流が、空調装置2の吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して、鉛直上方D12を流れるように配置されているので、空調空気の還気Ab、Ab1が空調装置2の吸込部2bに吸い込まれるまでに、各部屋R、R1の排気部N、N1からの空調空気の還気Ab、Ab1が、空調装置2の吹出部2aからの空調空気Aと混交することが抑制される。このように、対象階Fが、廊下Cの一方側に複数の部屋R、R1を有する場合であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
たとえば、上記実施形態に係る空調システム11を使用して、冬期に部屋R、R1の温度を22℃にしたい場合、空調装置2の入力部によって、空調装置2による空調空気Aの設定温度を22℃として入力する。空調装置2から吹き出される暖気(空調空気)Aの温度は、住宅の断熱や気密性能によるが、通常、空調装置2の設定温度より2℃~6℃程度、高い温度となる。この空調装置2の暖気(空調空気)Aは、たとえば、50°の俯角αで廊下Cに向けて吹き出される。廊下Cから各部屋R、R1の吸気部M、M1(各ドアG、G1の鉛直下方D11の開口部)より各部屋R、R1に導入される。各部屋R、R1に導入された暖気(空調空気)Aである室内空気Ar、Ar1は、各部屋R、R1を拡散および循環し、各部屋R、R1の排気部N、N1(排気ファンNa(図3Aおよび図3B参照))によって廊下Cの天井Wdに向けて吹き出され、暖気(空調空気)Aの還気Ab、Ab1となる。その後、この還気Ab、Ab1は、天井Wd近くを経路とし、廊下Cに配置される空調装置2の吸込部2bから空調装置2に吸い込まれる。空調装置2の暖房能力は、0.35×(空調空気Aの吹出温度-空調空気の還気Ab、Ab1の吸込温度)×空調装置2(送風ファン)の風量(m3/h)で推定することができる。たとえば、空調空気の還気Ab、Ab1の還気温度が22℃、空調空気Aの吹出温度が27℃、空調空気Aの風量が600m3/hの場合に、空調装置2の暖房能力は、0.35×(27-22)×600=1,050Wとなる。
部屋R、R1の暖房能力は、同様に、0.35×(吸気部M、M1での室内空気Ar、Ar1の温度(廊下Cから部屋R、R1への空調空気Aの取込温度)-排気部N、N1での室内空気Ar、Ar1の温度(部屋R、R1から廊下Cへの室内空気Ar、Ar1の排出温度)×排気部N(排気ファンNa(図3Aおよび図3B参照))の風量(m3/h)で推定することができる。たとえば、部屋Rにおいて、吸気部Mでの室内空気Arの温度が27℃、排気部Nの排気温度が22℃、排気部Nの風量が140m3/hである場合、排気部Nによる部屋Rの暖房能力は、245Wとなる。また、部屋R1において、吸気部M1での室内空気Ar1の温度が27℃、排気部N1の排気温度が23℃、排気部N1の風量が200m3/hである場合、排気部N1による部屋R1の暖房能力は、280Wとなる。このように、上記空調装置2(上記条件では、1,050W)を1台使用することで、各部屋R、R1(上記条件では、計525W(=245W(部屋R1)+280W(部屋R2)))を十分に暖房することができる。
本実施形態に係る空調システム11は、排気部N、N1の送風ファンの風量を変更とすることで、各部屋R、R1の暖房能力を変更することができる。同一階Fにおいて、各部屋R、R1で、日当たりが異なり、さらに、部屋R、R1内の発熱体(照明器具、パソコンなどの家庭用電気製品や、部屋R、R1内の人の人数)が異なることが想定される。このように、各部屋R、R1内の環境が異なる場合であっても、各部屋R、R1の排気部N、N1の風量を変更することで、各部屋R、R1での暖房度合いを同等にすることもできるし、各部屋R、R1によって暖房度合いを異ならせることもできる。
(第3実施形態に係る空調システム)
次に、図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る空調システムについて説明する。第1実施形態に係る空調システム1の各構成において説明した点については、同様に、第3実施形態に係る空調システム12にも適用することができる。以下の説明では、第1実施形態で説明した点については省略し、相違点を中心に説明する。なお、第3実施形態に係る空調システム12において、第1実施形態に係る空調システム1に含まれる部位と同じ機能を有する部位には、同じ符号を付している。
本実施形態では、図8に示されるように、対象階(同一階)Fは、第2実施形態と同様に、複数の部屋R、R2を有し、複数の部屋R、R2のそれぞれが、吸気部M、M2および排気部N、N2を備えている。具体的には、対象階(同一階)Fは、第1実施形態において説明された部屋Rに加え、部屋R2を有している。本実施形態では、部屋R2は、廊下Cを挟んで部屋R1と対向するように配置されている。換言すれば、本実施形態では、複数の部屋R、R2は、廊下Cの両側に配置されている。
部屋R2の吸気部M2および排気部N2の構成および配置は、部屋Rの吸気部Mおよび排気部Nの構成および配置と同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する(図7では、吸気部M2は、ドアG2の鉛直下方D11に設けられる、ドア枠Gf2とドアG2との間のクリアランス。図7に示される排気部N2の詳細については、図3A~図4参照)。しかし、部屋R2の吸気部M2および排気部N2の構成および配置は、部屋Rの吸気部Mおよび排気部Nの構成および配置と異なっていてもよく、部屋R2に要求される空調条件などに応じて、適宜変更され得る。なお、図8の例では、対象階Fの部屋数は、2つであるが、特に限定されることはなく、対象階Fは、3つ以上の部屋を有していてもよい。
図8に示される空調システム12を運転させると、第1実施形態に係る空調システム1と同様に、たとえば45°以上の俯角αで、空調装置2の吹出部2aから空調空気Aが吹き出される。吹き出された空調空気Aの空気流は、鉛直下方D11寄りで廊下Cの延伸方向(空調装置2から遠ざかる方向)に進行する。その後、図8の例では、空調空気Aの空気流は、仕切壁Wp(ドアG)の吸気部Mから部屋R内に導入される空気流と、仕切壁Wp2(ドアG2)の吸気部M2から部屋R2内に導入される空気流とに分流される。
各部屋R、R2に導入された空調空気Aである室内空気Ar、Ar2の流れについては、第1実施形態において説明したものと同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する。なお、本実施形態では、空調空気Aとして部屋R、R2に導入された室内空気Ar、Ar2の流れは、廊下を挟んで略対称となる。本実施形態においても、各部屋R、R2の排気部N、N2は、排気部N、N2が吹き出す空調空気の還気Ab、Ab2の空気流が、空調装置2の吹出部2aが吹き出す空調空気Aの空気流に対して、鉛直上方D12を流れるように配置されているので、空調空気の還気Ab、Ab2が空調装置2の吸込部2bに吸い込まれるまでに、各部屋R、R2の排気部N、N2からの空調空気の還気Ab、Ab2が、空調装置2の吹出部2aからの空調空気Aと混交することが抑制される。そのため、対象階Fが、廊下Cを挟むように複数の部屋R、R2を有する場合であっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、各部屋R、R2内の環境が異なる場合であっても、各部屋R、R2の排気部N、N2の風量を変更することで、各部屋R、R2での空調度合いを同等にすることもできるし、各部屋R、R2での空調度合いを異ならせることもできる。
(その他の実施形態に係る空調システム)
図7および図8の例では、対象階Fのすべての部屋R、R1、R2のすべての部屋が、吸気部M、M1、M2および排気部N、N1、N2を備えている。しかし、対象階Fの複数の部屋が、たとえば、納戸やトランクルームなど、空調が必ずしも必要とされない部屋を含む場合には、当該部屋を仕切る仕切壁は、吸気部および排気部を備えていなくてもよい。図7および図8の例では、対象階Fの複数の部屋R、R1、R2は、廊下Cの延伸方向に対して、一方側および他方側のいずれかに配置されているが、廊下の延伸端に配置されるなど、廊下に対して、その他の配置で配置されてもよい。
1、10、11、12 空調システム
2 空調装置
2a 吹出部
2b 吸込部
2c 環境検知部
20 エアコンディショナー
20a 吹出口
20b 吸込口
20c 温度センサ
A、A0、A1 空調空気
Ab、Ab0、Ab1、Ab2、A2 空調空気の還気
Ar、Ar0、Ar1、Ar2 室内空気
B 建物
C 廊下
D1 鉛直方向
D11 鉛直下方
D12 鉛直上方
D2 水平方向
F 同一階(対象階)
G、G1、G2 ドア
Gf、Gf1、Gf2 ドア枠
M、M0、M1、M2 吸気部
N、N0、N1、N2 排気部
Na 排気ファン
Na1 翼
Nb 壁内空間
Nc 排気口
Nc1 羽根板
P 中心軸
R、R1、R2 部屋
S 空間
Wa 外壁(内装壁)
Wb 内壁
Wc 床
Wd 天井
Wp、Wp1、Wp2 仕切壁
α 俯角
β 仰角

Claims (9)

  1. 廊下と、前記廊下に隣接する部屋と、前記廊下と前記部屋とを仕切る仕切壁とを同一階に有する建物に設けられる空調システムであって、
    前記空調システムは、
    前記廊下に配置され、前記同一階を空調する空調装置と、
    前記仕切壁に配置され、前記廊下の空気を前記部屋に取り込む吸気部と、
    前記仕切壁に配置され、前記部屋の室内空気を前記廊下に排出する排気部と
    を備え、
    前記空調装置は、
    前記廊下に空調された空調空気を吹き出す吹出部と、
    前記吹出部より鉛直上方に設けられ、前記空調空気の還気を吸い込む吸込部と、
    前記還気に関する還気情報を取得するように設けられる環境検知部と
    を備え、
    前記排気部は、前記空調装置の前記吹出部が吹き出す前記空調空気の空気流に対して鉛直上方に配置され、前記吸気部から前記部屋に前記空調空気として取り込まれ、前記排気部が前記廊下に排出する前記室内空気である前記還気の空気流が、前記吹出部が吹き出す前記空調空気の空気流に対して鉛直上方となるように、前記室内空気を前記廊下に強制的に排出する、空調システム。
  2. 前記同一階は、前記部屋として複数の部屋を含み、前記複数の部屋のそれぞれの仕切壁が、前記吸気部および前記排気部を備える、請求項1記載の空調システム。
  3. 前記環境検知部は、前記還気情報として前記還気の温度を取得する温度センサを含む、請求項1または2記載の空調システム。
  4. 前記空調装置および前記排気部は、前記同一階の天井の近傍に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載の空調システム。
  5. 前記排気部は、前記吸気部より前記空調装置に近い位置に配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の空調システム。
  6. 前記吹出部は、45°以上の俯角で、前記空調空気を吹き出す、請求項1~5のいずれか1項に記載の空調システム。
  7. 前記排気部は、0°以上の仰角で、前記室内空気を前記廊下に排出する、請求項1~6のいずれか1項に記載の空調システム。
  8. 前記排気部は、前記仕切壁の内部に排気ファンを備え、前記排気ファンによって、前記室内空気を前記廊下に排出する、請求項1~7のいずれか1項に記載の空調システム。
  9. 前記排気部は、50m3/h以上であって、300m3/h以下の風量で、前記室内空気を前記廊下に排出する、請求項1~8のいずれか1項に記載の空調システム。
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