JP2023025514A - アルカリ現像用感放射線性組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

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Ryuichi Nemoto
正之 三宅
Masayuki Miyake
倫広 三田
Michihiro Mita
甫 稲見
Hajime Inami
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Abstract

【課題】良好な感度を示し、かつLWR性能及びパターン矩形性に優れたレジスト膜を形成することができる感放射線性組成物を提供すること。【解決手段】式(1)で表される構造単位を有する重合体と、式(2)で表される化合物とを含有するアルカリ現像用感放射線性組成物とする。式(1)中、R1は、水素原子、フッ素原子、メチル基等である。A1は、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又はラクトン構造、環状カーボネート構造若しくはスルトン構造を有する炭素数6~20の2価の環状有機基である。X1は、-O-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-NHCO-又は-CONH-である。R2~R8は水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。kは0~2の整数、mは1~10の整数、nは1~4の整数である。TIFF2023025514000045.tif40170【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ現像用感放射線性組成物及びパターン形成方法に関する。
半導体素子における微細な回路形成にレジスト組成物を用いるフォトリソグラフィー技術が利用されている。代表的な手順として、例えばポジティブトーン現像(PTD)では、まず、レジスト組成物の被膜に対しマスクパターンを介して放射線照射による露光を行うことにより酸を発生させ、その発生した酸を触媒とする反応により、露光部と未露光部とに樹脂のアルカリ現像液に対する溶解度の差を生じさせ、これにより基板上にレジストパターンを形成する。
近年、ラクトン構造やカーボネート構造、スルトン構造等の環状構造を樹脂成分中に導入したレジスト組成物が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、特定のラクトン構造を側鎖に有する酸解離性基含有樹脂を用いたレジスト組成物が開示されている。
特開2005-2248号公報
レジスト組成物を用いるフォトリソグラフィー技術では、ArFエキシマレーザー等の短波長の放射線を利用したり、露光装置のレンズとレジスト膜との間の空間を液状媒体で満たした状態で露光を行う液浸露光法(リキッドイマージョンリソグラフィー)を用いたりすることによりパターンの微細化を進めている。また、次世代技術として、電子線、X線及び極端紫外線(EUV)等のより短波長の放射線を用いたリソグラフィーも検討されつつある。こうした次世代技術への取り組みの中において、放射線感度や、レジストパターンの線幅のバラつきを示すLWR(Line Width Roughness)性能、レジストパターンの断面形状の矩形性を示すパターン矩形性等の点では従来と同等以上の性能が要求されている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、良好な感度を示し、かつLWR性能及びパターン矩形性に優れたレジスト膜を形成することができる感放射線性組成物及びパターン形成方法を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、本課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、PTD現像において特定の組成の感放射線性組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。具体的には、本発明によれば以下の手段が提供される。
本発明は、一実施形態において、下記式(1)で表される構造単位を有する重合体と、下記式(2)で表される化合物と、を含有するアルカリ現像用感放射線性組成物を提供する。
Figure 2023025514000001
(式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。Aは、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又はラクトン構造、環状カーボネート構造若しくはスルトン構造を有する炭素数6~20の2価の環状有機基である。Xは、-O-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-NHCO-又は-CONH-である。R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。kは0~2の整数であり、mは1~10の整数であり、nは1~4の整数である。)
Figure 2023025514000002
(式(2)中、Wは、炭素数3~20の1価の環状有機基である。Lは、単結合又は2価の連結基である。R、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。Rは、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。aは0~8の整数である。Xは1価のカチオンである。)
本発明は、他の一つの実施形態において、上記アルカリ現像用感放射線性組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を露光する工程と、露光された前記レジスト膜をアルカリ現像液により現像する工程と、を含む、パターン形成方法を提供する。
本発明によれば、上記式(1)で表される構造単位を有する重合体と、上記式(2)で表される化合物とを含むアルカリ現像用感放射線性組成物とすることにより、レジストパターン形成の際に高い感度を示すとともに、優れたLWR性能及びパターン矩形性を発現することができる。
以下、本開示の実施に関連する事項について詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」を用いて記載された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味である。
≪アルカリ現像用感放射線性組成物≫
本開示のアルカリ現像用感放射線性組成物(以下、「本組成物」ともいう)は、[A]重合体と、[B]化合物とを含有する。また、本組成物は、本開示の効果を損なわない範囲において他の任意成分を含んでいてもよい。以下、各成分について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。ただし、飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。ただし、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。「有機基」とは、炭素を含む化合物(すなわち有機化合物)から任意の水素原子を取り除いてなる原子団をいう。
<[A]重合体>
[A]重合体は、下記式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体である。構造単位(I)中のラクトン構造は、重合体主鎖に対し、ラクトン構造中の酸素原子(-O-)に隣接する炭素原子の部位で結合している。このような構造単位(I)を重合体成分中に導入することにより、本組成物により形成されたレジスト被膜において、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を低くできると考えられる。その結果、LWR性能及びパターン矩形性に優れたレジスト膜を得ることができる。
Figure 2023025514000003
(式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。Aは、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又はラクトン構造、環状カーボネート構造若しくはスルトン構造を有する炭素数6~20の2価の環状有機基である。Xは、-O-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-NHCO-又は-CONH-である。R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。kは0~2の整数であり、mは1~10の整数であり、nは1~4の整数である。)
(構造単位(I))
上記式(1)において、Rは、構造単位(I)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
で表される炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
で表される2価の環状有機基としては、2価の単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基の炭素環を構成する任意のメチレン基が-COO-、-O-CO-O-又は-SO-O-で置き換えられてなる基が挙げられる。単環の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン又はシクロオクタンの環を構成する同一又は異なる炭素原子から2個の水素原子を除いた基等が挙げられる。多環の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナン)、ビシクロ[2.2.2]オクタン又はトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)の環を構成する同一又は異なる炭素原子から2個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
及びRで表される炭素数1~5のアルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。当該アルキル基は、好ましくは直鎖状である。アルカリ現像液に対する溶解性を調整しやすくできる点で、R及びRは、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましい。
、R、R、R及びRで表される炭素数1~5のアルキル基は、直鎖状及び分岐状のいずれであってもよい。当該アルキル基は、好ましくは直鎖状である。露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を良好にできる点で、Rは、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。また、R~Rは、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
kは、アルカリ現像液に対する適度な溶解性を付与するために、0又は1が好ましく、0がより好ましい。mは、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を良好にできる点で、1~5が好ましく、1~3がより好ましく、1が更に好ましい。nは1~3が好ましく、1又は2がより好ましい。
構造単位(I)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2023025514000004
(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。)
構造単位(I)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、15モル%以上が更に好ましい。また、構造単位(I)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、75モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、65モル%以下が更に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、本組成物を用いて形成されるレジスト膜におけるLWR性能及びパターン矩形性の改善効果を高くできる。
(その他の構造単位)
[A]重合体は、構造単位(I)と共に、構造単位(I)とは異なる構造単位(以下、「その他の構造単位」ともいう)を更に含んでいてもよい。その他の構造単位としては、例えば以下の構造単位(II)~(V)等が挙げられる。
・構造単位(II)
[A]重合体は、酸解離性基を有する構造単位(II)を更に含んでいることが好ましい。酸解離性基は、カルボキシ基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、スルホ基等の酸基が有する水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基である。[A]重合体が酸解離性基を有することにより、本組成物を露光することで発生した酸により酸解離性基が解離して酸性基が生じ、重合体成分の現像液への溶解性が変化する。その結果、本組成物に良好なリソグラフィー特性を付与することができる。
構造単位(II)は、酸解離性基を含む限り特に限定されない。構造単位(II)としては、例えば、第三級アルキルエステル部分を有する構造単位、フェノール性水酸基の水素原子が第三級アルキル基で置換された構造を有する構造単位、アセタール結合を有する構造単位等が挙げられる。本組成物のパターン形成性をより高くする観点から、構造単位(II)は中でも、第三級アルキルエステル部分を有する構造単位であることが好ましく、具体的には、下記式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(II-1)」ともいう)が好ましい。
Figure 2023025514000005
(式(3)中、R12は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。R13は、炭素数1~20の1価の炭化水素基である。R14及びR15は、それぞれ独立して、炭素数1~10の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~20の1価の脂環式基であるか、又はR14及びR15が互いに合わせられR14及びR15が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~20の2価の脂環式基を表す。)
上記式(3)において、R12は、構造単位(II-1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
13で表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1~10の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
13~R15で表される炭素数1~10の1価の鎖状炭化水素基としては、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基、及び炭素数1~10の直鎖状又は分岐状の不飽和炭化水素基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1~10の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基が好ましい。
13~R15で表される炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、炭素数3~20の飽和脂環式炭化水素、不飽和脂環式炭化水素又は脂環式多環炭化水素から水素原子1個を除いた基が挙げられる。これら脂環式炭化水素の具体例としては、飽和脂環式炭化水素として、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等を;不飽和脂環式炭化水素として、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン及びシクロデセン等を;脂環式多環炭化水素として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナン)、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)等を、それぞれ挙げることができる。
13で表される炭素数6~20の1価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデン及びフルオレン等の芳香環から水素原子1個を除いた基を挙げることができる。
現像残渣を十分に除去するとともに、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を高くする観点から、R13は中でも、炭素数1~8の1価の炭化水素基が好ましく、炭素数1~8の直鎖状若しくは分岐状の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数3~8の1価の脂環式炭化水素基がより好ましい。
14及びR15が互いに合わせられR14及びR15が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~20の2価の脂環式基は、上記炭素数の単環又は多環の脂環式炭化水素の炭素環を構成する同一炭素原子から2個の水素原子を除いた基であればよく、特に限定されない。R14及びR15が互いに合わせられて構成される2価の脂環式基は、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基のいずれでもよい。当該2価の脂環式基が多環式炭化水素基である場合、多環式炭化水素基は、有橋脂環式炭化水素基及び縮合脂環式炭化水素基のいずれでもよく、また飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基のいずれでもよい。なお、縮合脂環式炭化水素基とは、複数の脂環が辺(隣接する2つの炭素原子間の結合)を共有する形で構成された多環性の脂環式炭化水素基をいう。
単環の脂環式炭化水素基のうち飽和炭化水素基は、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロヘプタンジイル基及びシクロオクタンジイル基等が好ましく、不飽和炭化水素基は、シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基、シクロヘプテンジイル基及びシクロオクテンジイル基等が好ましい。多環の脂環式炭化水素基は、有橋脂環式飽和炭化水素基が好ましく、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,2-ジイル基(ノルボルナン-2,2-ジイル基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2,2-ジイル基、及びトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-2,2-ジイル基(アダマンタン-2,2-ジイル基)等が好ましい。
露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を高くする観点から、14及びR15は、炭素数1~8の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~8の1価の単環脂肪族炭化水素基であるか、又はR14及びR15が互いに合わせられR14及びR15が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~12の2価の脂環式炭化水素基を表すことが好ましく、炭素数1~8の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~8の1価の単環脂肪族炭化水素基であるか、又はR14及びR15が互いに合わせられR14及びR15が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の単環脂肪族炭化水素基を表すことがより好ましい。
構造単位(II-1)は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性をより高くでき、より微細なパターンを形成可能となる点で、下記式(4)で表される構造単位であることが特に好ましい。
Figure 2023025514000006
(式(4)中、R12は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。R16は、炭素数1~8の1価の炭化水素基である。R17及びR18は、それぞれ独立して、炭素数1~8の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~8の1価の単環脂肪族炭化水素基であるか、又はR17及びR18が互いに合わせられR17及びR18が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の単環脂肪族炭化水素基を表す。)
上記式(4)において、R12は、上記式(4)で表される構造単位を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
16、R17及びR18は、上記式(3)中のR13、R14及びR15の説明のうち、対応する炭素数の例示を採用することができる。これらのうち、R16は、炭素数1~5の直鎖状若しくは分岐状の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数3~8の1価の脂環式炭化水素基が好ましく、炭素数1~3の直鎖状若しくは分岐状の1価の飽和炭化水素基、又は炭素数3~5の1価の脂環式炭化水素基がより好ましい。R17及びR18は、炭素数1~4の1価の鎖状飽和炭化水素基であるか、又はR17及びR18が互いに合わせられR17及びR18が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の単環脂肪族炭化水素基を表すことが好ましい。
露光部のアルカリ現像液に対する溶解性をより高める一方、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を低くする観点から、これらの中でも特に、R16は炭素数1~4のアルキル基であり、かつR17及びR18は、R17及びR18が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~6の単環シクロアルカン構造であることが好ましい。
構造単位(II)の具体例としては、例えば、下記式(3-1)~(3-6)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2023025514000007
(式(3-1)~(3-6)中、R12~R15は上記式(3)と同義である。i及びjは、それぞれ独立して、1~4の整数である。h及びgは、それぞれ独立して、0又は1である。)
上記式(3-1)~(3-6)において、i及びjは1又は2が好ましく、1がより好ましい。R13は、メチル基、エチル基又はイソプロピル基が好ましい。R14及びR15は、メチル基又はエチル基が好ましい。
構造単位(II)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましく、35モル%以上がより更に好ましい。また、構造単位(II)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、80モル%以下が好ましく、75モル%以下がより好ましく、70モル%以下が更に好ましく、65モル%以下がより更に好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、本組成物のパターン形成性をより向上させることができる。なお、[A]重合体は、構造単位(II)を1種のみ有していてもよいし、2種以上組み合わせて含んでいてもよい。
・構造単位(III)
[A]重合体は、極性基を有する構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)を更に含んでいてもよい。[A]重合体が構造単位(III)を更に有することにより、アルカリ現像液への溶解性を更に調整しやすくすることができ、解像性等のリソグラフィー性能の向上を図ることが可能である。構造単位(III)が有する極性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシ基及びカルボキシ基が好ましく、ヒドロキシ基(特に、アルコール性水酸基)がより好ましい。なお、構造単位(III)は、以下において説明するフェノール性水酸基を有する構造単位(構造単位(IV))とは異なる構造単位である。
ここで、本明細書において「フェノール性水酸基」とは、芳香族炭化水素構造にヒドロキシ基が直接結合した基をいう。「アルコール性水酸基」とは、脂肪族炭化水素構造に水酸基が直接結合した基をいう。この脂肪族炭化水素構造は、鎖状炭化水素基でもよく、脂環式炭化水素基でもよい。
構造単位(III)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。ただし、構造単位(III)はこれらに限定されるものではない。
Figure 2023025514000008
(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。)
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、2モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。また、構造単位(III)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、40モル%以下が好ましく、35モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、本組成物における解像性等のリソグラフィー性能を更に向上させることができる。
・構造単位(IV)
[A]重合体は、フェノール性水酸基を有する構造単位(以下、「構造単位(IV)」ともいう)を更に有していてもよい。[A]重合体が構造単位(IV)を有することにより、エッチング耐性の向上と、露光部と未露光部との間の現像液溶解性の差(溶解コントラスト)の向上とを図ることができる点で好ましい。特に、電子線やEUVといった波長50nm以下の放射線による露光を用いるパターン形成において、構造単位(IV)を有する[A]重合体を好ましく適用できる。この場合、[A]重合体は、構造単位(I)及び構造単位(IV)と共に構造単位(II)を有することが好ましい。
構造単位(IV)は、フェノール性水酸基を含む限り特に限定されないが、例えば、ヒドロキシスチレン又はその誘導体に由来する構造単位及びヒドロキシベンゼン構造を有する(メタ)アクリル化合物に由来する構造単位等が挙げられる。
[A]重合体として構造単位(IV)を有する重合体を得る場合、重合時にはアルカリ解離性基等の保護基によりフェノール性水酸基を保護した状態で重合し、その後加水分解を行って脱保護することにより構造単位(IV)を得るようにすることが好ましい。加水分解により構造単位(IV)を与える構造単位は、下記式(4-1)で表される構造単位及び下記式(4-2)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2023025514000009
(式(4-1)及び(4-2)中、RP1は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。RP2は、炭素数1~20の1価の炭化水素基又はアルコキシ基である。)
P2で表される炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、構造単位(II)におけるR13の炭素数1~20の1価の炭化水素基として例示した基が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基及びtert-ブトキシ基等が挙げられる。RP2は、これらのうちアルキル基又はアルコキシ基であることが好ましく、中でもメチル基又はtert-ブトキシ基であることが好ましい。
波長50nm以下の放射線による露光用の感放射線性組成物を得る場合、[A]重合体における構造単位(IV)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。また、[A]重合体における構造単位(IV)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。
・構造単位(V)
[A]重合体は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位であって、構造単位(I)とは異なる構造単位(以下、「構造単位(V)」ともいう)を更に有していてもよい。構造単位(V)の導入により、[A]重合体の現像液への溶解性を更に調整したり、レジスト膜の密着性を改善したり、エッチング耐性を更に向上させたりすることが可能である。
構造単位(V)としては、例えば、下記式(5-1)~(5-10)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2023025514000010
(式(5-1)~式(5-10)中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。RL2及びRL3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基又はジメチルアミノ基である。RL4及びRL5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~4のアルキル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基若しくはジメチルアミノ基であるか、又はRL4及びRL5が互いに合わせられRL4及びRL5が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の脂環式基である。Lは、単結合又は2価の連結基である。Xは、酸素原子又はメチレン基である。pは0~3の整数である。qは1~3の整数である。)
上記RL4及びRL5が互いに合わせられRL4及びRL5が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の脂環式基としては、上記式(3)中のR14及びR15で表される鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~20の2価の脂環式基のうち炭素数が3~8の基が挙げられる。この脂環式基上の1つ以上の水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~10の2価の直鎖状若しくは分岐状の炭化水素基、炭素数4~12の2価の脂環式炭化水素基、又はこれらの炭化水素基の1個以上と-CO-、-O-、-NH-及び-S-のうちの少なくとも1種の基とから構成される基等が挙げられる。
[A]重合体が構造単位(V)を有する場合、構造単位(V)の含有割合は、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、40モル%以下が好ましく、35モル%以下がより好ましく、30モル%以下が更に好ましい。構造単位(V)の含有割合を上記範囲とすることにより、本組成物における解像性等のリソグラフィー性能をより向上させることができる。
・[A]重合体の合成
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶剤中で重合することにより合成できる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’-アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶剤としては、例えば、アルカン類、シクロアルカン類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、飽和カルボン酸エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類等が挙げられる。これらの具体例としては、アルカン類として、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン等を;シクロアルカン類として、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等を;芳香族炭化水素類として、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等を;ハロゲン化炭化水素類として、クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等を;飽和カルボン酸エステル類として、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸i-ブチル、プロピオン酸メチル等を;ケトン類として、アセトン、メチルエチルケトン、4-メチル-2-ペンタノン、2-ヘプタノン等を;エーテル類として、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等を;アルコール類として、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、4-メチル-2-ペンタノール等を、それぞれ挙げることができる。上記重合に使用される溶剤は、1種単独でもよく、又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度は、通常40℃~150℃であり、50℃~120℃が好ましい。反応時間は、通常1時間~48時間であり、1時間~24時間が好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、3,000以上が更に好ましく、4,000以上がより更に好ましい。また、[A]重合体のMwは、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、20,000以下が更に好ましく、15,000以下がより更に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることにより、本組成物の塗工性を向上できる点、得られるレジスト膜の耐熱性を向上できる点、及び現像欠陥を十分に抑制できる点で好適である。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、5.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下が更に好ましい。また、Mw/Mnは、通常1以上である。
本組成物において、[A]重合体の含有割合は、本組成物に含まれる固形分の全量(すなわち、本組成物に含まれる溶剤成分以外の成分の合計質量)に対して、70質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。また、[A]重合体の含有量は、本組成物に含まれる固形分の全量に対して、99質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、95質量%以下が更に好ましい。なお、[A]重合体は、通常、本組成物のベース樹脂を構成している。ここで、本明細書において「ベース樹脂」とは、本組成物に含まれる固形分の全量のうち50質量以上を占める重合体成分を意味する。本組成物は、[A]重合体を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
<[B]化合物>
[B]化合物は、下記式(2)で表される化合物である。[B]化合物は、放射線の照射により酸を発生する感放射線性酸発生剤として機能するオニウム塩化合物である。
Figure 2023025514000011
(式(2)中、Wは、炭素数3~20の1価の環状有機基である。Lは、単結合又は2価の連結基である。R、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。Rは、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。aは0~8の整数である。Xは1価のカチオンである。)
上記式(2)において、Wで表される炭素数3~20の1価の環状有機基は、炭素数3~20の環状構造から1個の水素原子を除いた基であれば特に限定されない。当該環状構造としては、炭素数3~20の脂環式構造、炭素数3~20の脂肪族複素環構造、及び炭素数6~20の芳香環構造等が挙げられる。これらの環状構造は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、水酸基、シアノ基等が挙げられる。
炭素数3~20の脂環式構造としては、炭素数3~20の脂環式単環構造、及び炭素数6~20の脂環式多環構造が挙げられる。炭素数3~20の脂環式単環構造及び炭素数6~20の脂環式多環構造は、飽和炭化水素構造及び不飽和炭化水素構造のいずれでもよい。また、脂環式多環構造は、有橋脂環式炭化水素構造及び縮合脂環式炭化水素構造のいずれでもよい。ここで、「有橋脂環式炭化水素」とは、脂環を構成する炭素原子のうち互いに隣接しない2つの炭素原子間が1つ以上の炭素原子を含む結合連鎖で結合された多環性の脂環式炭化水素をいう。「縮合脂環式炭化水素」とは、複数の脂環が辺(隣接する2つの炭素原子間の結合)を共有する形で構成された多環性の脂環式炭化水素をいう。
脂環式単環構造のうち飽和炭化水素構造としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタン等が挙げられる。不飽和炭化水素構造としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン及びシクロデセン等が挙げられる。脂環式多環構造としては、有橋脂環式飽和炭化水素構造が好ましく、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナン)、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)等が挙げられる。
炭素数3~20の脂肪族複素環構造としては、環状エーテル構造、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造、チオキサン構造等が挙げられる。当該脂肪族複素環構造は、単環構造及び多環構造のいずれでもよく、また有橋構造、縮合環式構造及びスピロ環構造のいずれでもよい。なお、Wで表される炭素数3~20の脂肪族複素環構造は、有橋構造、縮合環構造及びスピロ環構造のうち2つ以上の組み合わせであってもよい。「スピロ環構造」とは、2つの環が1つの原子を共有する形で構成された多環性の環状構造をいう。
炭素数6~20の芳香環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデン、フルオレン等が挙げられる。
本組成物により得られるレジスト膜の透明性を良好にしつつ膜の疎水性を高め、これにより露光部と未露光部とのアルカリ現像液に対する溶解性の差をより大きくする観点から、上記式(2)中のWは、脂環式構造又は脂肪族複素環構造を有する1価の基であることが好ましく、有橋脂環式飽和炭化水素構造又は有橋脂肪族複素環構造を有していることがより好ましい。また、Wは、感度の観点からフッ素原子を有しないことが好ましい。
で表される2価の連結基は、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-S-、-SO-、-CONH-又は-NHCO-が好ましい。
、R10、R11及びRで表されるフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル基、ヘプタフルオロn-プロピル基、ヘプタフルオロi-プロピル基、ノナフルオロn-ブチル基、ノナフルオロi-ブチル基、ノナフルオロt-ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロn-ペンチル基、トリデカフルオロn-ヘキシル基、5,5,5-トリフルオロ-1,1-ジエチルペンチル基等が挙げられる。これらのうち、R、R10、R11及びRで表されるフルオロアルキル基は、炭素数1~3のフルオロアルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基がより好ましい。
これらの中でも特に、R、R10、R11及びRは、感度をより良好にできる点でフッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが好ましい。
aは0~5が好ましく、0~2がより好ましい。
上記式(2)で表される化合物が有するアニオンの具体例としては、例えば下記式で表されるアニオン等が挙げられる。
Figure 2023025514000012
は1価のカチオンである。Xで表される1価のカチオンは、好ましくは1価の感放射線性オニウムカチオンであり、例えば、S、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む放射線分解性オニウムカチオンが挙げられる。当該元素を含む放射線分解性オニウムカチオンの具体例としては、スルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ジアゾニウムカチオン及びピリジニウムカチオン等が挙げられる。これらのうち、Xは、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンが好ましく、具体的には、下記式(X-1)~(X-6)のそれぞれで表されるカチオンが好ましい。
Figure 2023025514000013
上記式(X-1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは非置換の炭素数3~12の単環若しくは多環のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6~12の1価の芳香族炭化水素基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、-OSO-R、-SO-R、-S-Rであるか、又はRa1、Ra2及びRa3のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。当該環構造は、骨格を形成する炭素-炭素結合間にヘテロ原子(酸素原子や硫黄原子等)を含んでいてもよい。R、R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5~25の1価の脂環式炭化水素基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~12の1価の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して、0~5の整数である。Ra1~Ra3並びにR、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1~Ra3並びにR、R及びRはそれぞれ同一又は異なる。
上記式(X-2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数2~8のアシル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~8の1価の芳香族炭化水素基、又はヒドロキシ基である。nは0又は1である。nが0のとき、k4は0~4の整数であり、nが1のとき、k4は0~7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一又は異なり、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1~7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の1価の芳香族炭化水素基である。Lは、単結合又は2価の連結基である。k5は、0~4の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一又は異なり、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。qは0~3の整数である。式中、Sを含む環構造は骨格を形成する炭素-炭素結合間にヘテロ原子(酸素原子や硫黄原子等)を含んでいてもよい。
上記式(X-3)中、Rc1、Rc2及びRc3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
上記式(X-4)中、Rg1は、置換若しくは非置換の炭素数1~20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基若しくはアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数2~8のアシル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~8の芳香族炭化水素基、又はヒドロキシ基である。nは0又は1である。nk2が0のとき、k10は0~4の整数であり、nk2が1のとき、k10は0~7の整数である。Rg1が複数の場合、複数のRg1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRg1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rg2及びRg3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルコキシカルボニルオキシ基、置換若しくは非置換の炭素数3~12の単環若しくは多環のシクロアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子であるか、又はRg2及びRg3が互いに合わせられ構成される環構造を表す。k11及びk12は、それぞれ独立して0~4の整数である。Rg2は及びRg3がそれぞれ複数の場合、複数のRg2は及びRg3はそれぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記式(X-5)中、Rd1及びRd2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基若しくはアルコキシカルボニル基、置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、炭素数1~4のハロゲン化アルキル基、ニトロ基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。k6及びk7は、それぞれ独立して0~5の整数である。Rd1及びRd2がそれぞれ複数の場合、複数のRd1及びRd2はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X-6)中、Re1及びRe2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、置換若しくは非置換の炭素数1~12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。k8及びk9は、それぞれ独立して0~4の整数である。
で表される1価のカチオンの具体例としては、例えば、下記式で表される構造等が挙げられる。ただし、これらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2023025514000014
Figure 2023025514000015
Figure 2023025514000016
Figure 2023025514000017
[B]化合物の具体例としては、上記において、上記式(2)中のアニオンの具体例として例示したもののうちの任意の1種と、Xで表される1価のカチオンの具体例として例示したもののうちの任意の1種とを組み合わせてなるオニウム塩化合物等が挙げられる。ただし、[B]化合物は、これらの組み合わせに限定されるものではない。[B]化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[B]化合物の含有割合は、使用する[A]重合体の種類や、露光条件、求められる感度等に応じて適宜選択され得るが、[A]重合体100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、5質量部以上が更に好ましい。また、[B]化合物の含有割合は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下が更に好ましい。[B]化合物の含有割合を上記範囲とすることにより、レジストパターン形成の際に、高い感度や、良好なLWR性能及びパターン矩形性を発現することができる。
本組成物が含有していてもよい他の任意成分としては、[C]酸拡散制御剤、[D]溶剤、及び[E]高フッ素含有重合体等が挙げられる。
<[C]酸拡散制御剤>
[C]酸拡散制御剤は、露光により[B]化合物から生じた酸がレジスト膜中で拡散することを抑制することによって、未露光部における酸による化学反応を抑制することを目的として本組成物に配合される。[C]酸拡散制御剤を本組成物に配合することにより、本組成物のリソグラフィー特性をより向上できる点、及び本組成物の貯蔵安定性を向上できる点で好適である。さらに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性組成物を得ることができる。[C]酸拡散制御剤としては、例えば、窒素含有化合物及び光崩壊性塩基を挙げることができる。
・窒素含有化合物
窒素含有化合物としては、例えば、下記式(5)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物、酸解離性基を有する含窒素化合物等が挙げられる。
Figure 2023025514000018
(式(5)中、RN1、RN2及びRN3は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のシクロアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のアラルキル基である。)
窒素含有化合物の具体例として、含窒素化合物(I)としては、例えば、n-ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn-ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、2,6-ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1-ジメチルウレア、1,3-ジメチルウレア、1,1,3,3-テトラメチルウレア、1,3-ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、2-メチルピリジン等のピリジン類;N-プロピルモルホリン、N-(ウンデカン-1-イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えば、N-t-ブトキシカルボニルピペリジン、N-t-ブトキシカルボニルイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N-t-ブトキシカルボニル-2-フェニルベンズイミダゾール、N-(t-ブトキシカルボニル)ジ-n-オクチルアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N-(t-ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N-t-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン、N-t-アミルオキシカルボニル-4-ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
[C]酸拡散制御剤としての窒素含有化合物は、これらの中でも、含窒素化合物(I)、含窒素複素環化合物及び酸解離性基を有する含窒素化合物よりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、酸解離性基を有する含窒素化合物をより好ましく使用できる。
・光崩壊性塩基
光崩壊性塩基は、放射線の照射により酸を発生する化合物である。光崩壊性塩基が発生する酸は、通常の条件では酸解離性基の解離を誘発しない弱酸である。なお、ここでいう「通常の条件」とは、110℃で60秒間ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行う条件をいう。光崩壊性塩基としては、露光により[B]酸発生剤が発生する酸よりも弱い酸を発生する化合物が挙げられる。光崩壊性塩基としては中でも、放射線の照射により弱酸(好ましくはカルボン酸)を発生するオニウム塩を好ましく使用することができる。
光崩壊性塩基は、未露光部においては塩基性を有するため酸拡散制御剤として働くが、露光部においては、感放射線性オニウムカチオンが分解して生じるプロトンと、弱酸のアニオンとから弱酸が発生するため、酸拡散制御性が低下する。したがって、光崩壊性塩基を含むレジスト膜において露光部では、発生した酸が効率良く働いてレジスト膜中の酸解離性基が解離する。一方、未露光部では、酸によってはレジスト膜中の成分が変化しない。このため、露光部と未露光部との溶解性の差がより顕著になり、得られるレジスト膜は、LWR性能及びパターン矩形性が更に優れたものとなる。
光崩壊性塩基としては、例えば、下記式(6-1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(6-2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2023025514000019
(上記式(6-1)及び式(6-2)中、Jはスルホニウムカチオンである。Uはヨードニウムカチオンである。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rα-COO、Rα-SO 又はRα-N(SOf2)で表される1価のアニオンである。Rαは、1価の炭化水素基であるか、1価の炭化水素基における任意のメチレン基が-O-、-CO-、-COO-、-O-CO-O-、-S-、-SO-又は-CONRβ-で置き換えられてなる1価の基Aであるか、又は1価の炭化水素基若しくは前記基Aの任意の水素原子がフッ素原子若しくは水酸基により置き換えられてなる1価の基である。Rβは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Rf2は、パーフルオロアルキル基である。)
上記式(6-1)において、Jで表されるスルホニウムカチオンとしては、[B]化合物を構成するカチオンとして例示した上記式(X-1)~(X-4)で表されるスルホニウムカチオンが挙げられる。
上記式(6-2)において、Uで表されるヨードニウムカチオンとしては、[B]化合物を構成するカチオンとして例示した上記式(X-5)及び(X-6)で表されるヨードニウムカチオンが挙げられる。
光崩壊性塩基としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2023025514000020
Figure 2023025514000021
本組成物の調製に使用される光崩壊性塩基は、これらのうち、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましい。なお、光崩壊性塩基としては、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本組成物が[C]酸拡散制御剤を含有する場合、本組成物における[C]酸拡散制御剤の含有割合は、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましい。また、[C]酸拡散制御剤の含有割合は、[A]重合体100質量部に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有割合を上記範囲とすることで、本組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。
<[D]溶剤>
[D]溶剤は、本組成物に配合される成分を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。[D]溶剤としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、4-メチル-2-ペンタノール、n-ヘキサノール等の炭素数1~18の脂肪族モノアルコール系溶媒;シクロヘキサノール等の炭素数3~18の脂環式モノアルコール系溶媒;1,2-プロピレングリコール等の炭素数2~18の多価アルコール系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3~19の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル-iso-ブチルケトン、2-ヘプタノン、エチル-n-ブチルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、ジ-iso-ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸n-ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒;γ-ブチロラクトン等の環状エステル類等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン等の炭素数5~12の脂肪族炭化水素系溶媒;トルエン、キシレン等の炭素数6~16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[D]溶剤としては、これらのうち、エステル系溶媒及びケトン系溶媒よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒及び環状ケトン系溶媒よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル及びシクロヘキサノンのうち少なくともいずれかを含むことが更に好ましい。[D]溶剤としては、1種又は2種以上を使用することができる。
<[E]高フッ素含有重合体>
[E]高フッ素含有重合体(以下、単に「[E]重合体」ともいう)は、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体である。本組成物が[E]重合体を含有する場合、[A]重合体に対し[E]重合体をレジスト膜の表層に偏在させることができ、これにより、液浸露光時においてレジスト膜の表面の撥水性を高めることができる。
[E]重合体のフッ素原子含有率は、[A]重合体よりも大きければ特に限定されないが、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、4質量%以上が更に好ましく、7質量%以上が特に好ましい。また、[E]重合体のフッ素原子含有率は、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。重合体のフッ素原子含有率(質量%)は、13C-NMRスペクトル測定等により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[E]重合体が有する、フッ素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(F)」ともいう)としては、例えば、下記に示す構造単位(fa)及び構造単位(fb)等が挙げられる。[E]重合体は、構造単位(F)として構造単位(fa)及び構造単位(fb)のいずれかを有していてもよく、構造単位(fa)及び構造単位(fb)の両方を有していてもよい。
[構造単位(fa)]
構造単位(fa)は、下記式(7-1)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(fa)を有することによってフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 2023025514000022
(式(7-1)中、Rは、水素原子、フルオロ基、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、-COO-、-SO-O-NH-、-CONH-又は-O-CO-NH-である。Rは、炭素数1~20の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数3~20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。)
上記式(7-1)において、RC、構造単位(fa)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、Gは、構造単位(fa)を与える単量体の共重合性の観点から、単結合又は-COO-が好ましく、-COO-がより好ましい。
で表される炭素数1~20の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、炭素数1~20の直鎖状又は分岐状のアルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものが挙げられる。REで表される炭素数3~20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、炭素数3~20の単環又は多環の脂環式炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子により置換されたものが挙げられる。これらのうち、Rは、1価のフッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、1価のフッ素化アルキル基がより好ましく、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロピル基又は5,5,5-トリフルオロ-1,1-ジエチルペンチル基が更に好ましい。
[E]重合体が構造単位(fa)を有する場合、構造単位(fa)の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることが更に好ましい。また、構造単位(fa)の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下が更に好ましい。構造単位(fa)の含有割合を上記範囲とすることで、[E]重合体のフッ素原子の質量含有率をより適度に調整してレジスト膜の表層への偏在化を更に促進させることができ、これにより、液浸露光時のレジスト膜の撥水性をより向上させることができる。
[構造単位(fb)]
構造単位(fb)は、下記式(7-2)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(fb)を有することによりアルカリ現像液への溶解性が向上し、これにより現像欠陥の発生を更に抑制することができる。
Figure 2023025514000023
(式(7-2)中、Rは、水素原子、フルオロ基、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R59は、炭素数1~20の(s+1)価の炭化水素基であるか、又は、当該炭化水素基のR60側の末端に酸素原子、硫黄原子、-NR’-、カルボニル基、-CO-O-又は-CO-NH-が結合された基である。R’は、水素原子又は1価の有機基である。R60は、単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。X12は、単結合、炭素数1~20の炭化水素基又は炭素数1~20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基である。A11は、酸素原子、-NR”-、-CO-O-*又は-SO-O-*である。R”は、水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。「*」は、R61に結合する結合部位を示す。R61は、水素原子又は炭素数1~30の1価の有機基である。sは、1~3の整数である。ただし、sが2又は3の場合、複数のR60、X12、A11及びR61は、それぞれ同一又は異なる。)
構造単位(fb)は、アルカリ可溶性基を有する場合と、アルカリの作用により解離してアルカリ現像液への溶解性が増大する基(以下、単に「アルカリ解離性基」ともいう)を有する場合に分けられる。
構造単位(fb)がアルカリ可溶性基を有する場合、R61は水素原子であり、A11は、酸素原子、-COO-*又は-SOO-*である。「*」は、R61に結合する部位を示す。X12は、単結合、炭素数1~20の炭化水素基又は2価のフッ素化炭化水素基である。A11が酸素原子である場合、X12は、A11が結合する炭素原子にフッ素原子又はフルオロアルキル基を有するフッ素化炭化水素基である。R60は、単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。sが2又は3の場合、複数のR60、X12、A11及びR61はそれぞれ、互いに同一又は異なる。構造単位(fb)がアルカリ可溶性基を有することで、アルカリ現像液に対する親和性を高め、現像欠陥を抑制することができる。アルカリ可溶性基を有する構造単位(fb)としては、A11が酸素原子であり、X12が1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-メタンジイル基である場合が特に好ましい。
構造単位(fb)がアルカリ解離性基を有する場合、R61は炭素数1~30の1価の有機基であり、A11は酸素原子、-NR”-、-COO-*又は-SOO-*である。「*」はR61に結合する部位を示す。X12は、単結合又は炭素数1~20の2価のフッ素化炭化水素基である。R61は、単結合又は炭素数1~20の2価の有機基である。A11が-COO-*又は-SOO-*である場合、X12又はR61は、A11と結合する炭素原子又はこれに隣接する炭素原子上にフッ素原子を有する。A11が酸素原子である場合、X12又はR61は単結合であり、R59は炭素数1~20の炭化水素基のR60側の末端にカルボニル基が結合された構造であり、R61はフッ素原子を有する有機基である。sが2又は3の場合、複数のR60、X12、A11及びR61はそれぞれ、互いに同一又は異なる。構造単位(fb)がアルカリ解離性基を有することにより、アルカリ現像工程においてレジスト膜表面が疎水性から親水性へと変化する。これにより、現像液に対する親和性を高めることができ、より効率的に現像欠陥を抑制することができる。アルカリ解離性基を有する構造単位(fb)としては、A11が-COO-*であり、R61若しくはX12又はこれら両方がフッ素原子を有することが特に好ましい。
[E]重合体が構造単位(fb)を有する場合、構造単位(fb)の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、40モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、60モル%以上であることが更に好ましい。また、構造単位(fb)の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、95モル%以下であることが好ましく、90モル%以下であることがより好ましく、85モル%以下であることが更に好ましい。構造単位(fb)の含有割合を上記範囲とすることで、液浸露光時のレジスト膜の撥水性をより向上させることができる。
[E]重合体は、構造単位(fa)及び構造単位(fb)以外にも、酸解離性基を有する構造単位(II)や、下記式(8)で表される脂環式構造を有する構造単位(以下、「構造単位(G)」ともいう)を含んでいてもよい。
Figure 2023025514000024
(上記式(8)中、R1αは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R2αは、炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基である。)
上記式(8)において、R2αで表される炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基としては、上記式(3)のR13~R15で表される炭素数3~20の1価の脂環式炭化水素基として例示した基を挙げることができる。
[E]重合体が上記式(8)で表される構造単位を含む場合、当該構造単位の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上が更に好ましい。また、上記式(8)で表される構造単位の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下が更に好ましい。
[E]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましい。また、構造単位(II)の含有割合は、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、50モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることが更に好ましい。
[E]重合体のGPCによるMwは、1,000以上が好ましく、3,000以上がより好ましく、4,000以上が更に好ましい。また、[E]重合体のMwは、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、20,000以下が更に好ましい。[E]重合体のGPCによるMnとMwとの比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、1以上5以下が好ましく、1以上3以下がより好ましい。
本組成物が[E]重合体を含有する場合、本組成物における[E]重合体の含有割合は、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましい。また、[E]重合体の含有割合は、[A]重合体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。なお、本組成物は、[E]重合体を1種単独で含有していてもよく、又は2種以上組み合わせて含有していてもよい。
<その他の任意成分>
本組成物は、上記の[A]重合体、[B]化合物、[C]酸拡散制御剤、[D]溶剤及び[E]重合体とは異なる成分(以下、「その他の任意成分」ともいう)を更に含有していてもよい。その他の任意成分としては、[B]化合物とは異なる感放射線性酸発生剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物(例えば、1-アダマンタンカルボン酸、2-アダマンタノン、デオキシコール酸t-ブチル等)、増感剤、偏在化促進剤等が挙げられる。本組成物におけるその他の任意成分の含有割合は、本開示の効果を損なわない範囲において各成分に応じて適宜選択できる。
<感放射線性組成物の製造方法>
本組成物は、例えば、[A]重合体のほか、必要に応じて[D]溶剤等の成分を所望の割合で混合し、得られた混合物を、好ましくはフィルター(例えば、孔径0.2μm程度のフィルター)等を用いてろ過することにより製造することができる。本組成物の固形分濃度は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。また、本組成物の固形分濃度は、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。本組成物の固形分濃度を上記範囲とすることにより、塗布性を良好にでき、レジストパターンの形状を良好にできる点で好適である。
こうして得られる本組成物は、アルカリ現像液を用いてパターンを形成するポジ型パターン形成用組成物として好適に使用できる。
≪レジストパターン形成方法≫
本開示におけるレジストパターン形成方法は、基板の一方の面に本組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜をアルカリ現像液により現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)と、を含む。本開示のレジストパターンにより形成されるパターンとしては、例えば、ラインアンドスペースパターン、ホールパターン等が挙げられる。本開示のレジストパターン形成方法では本組成物を用いてレジスト膜を形成していることから、感度及びリソグラフィー特性が良好であり、かつ現像欠陥の少ないレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[塗工工程]
本工程では、基板の一方の面に本組成物を塗工することにより基板上にレジスト膜を形成する。レジスト膜を形成する基板としては従来公知のものを使用でき、例えば、シリコンウエハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウエハ等が挙げられる。また、例えば、特公平6-12452号公報や特開昭59-93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成して使用してもよい。本組成物の塗工方法としては、例えば、回転塗工(スピンコーティング)、流延塗工、ロール塗工等が挙げられる。塗工後には、塗膜中の溶媒を揮発させるためにプレベーク(PB)を行ってもよい。PBの温度は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、PBの温度は、140℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。PBの時間は、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましい。また、PBの時間は、600秒以下が好ましく、300秒以下がより好ましい。形成されるレジスト膜の平均厚みは、10~1,000nmが好ましく、20~500nmがより好ましい。
次の露光工程において液浸露光を行う場合、本組成物における[E]重合体等の撥水性重合体添加剤の有無にかかわらず、本組成物により形成されたレジスト膜上に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を避ける目的で、液浸液に不溶性の液浸用保護膜を更に設けてもよい。液浸用保護膜としては、現像工程の前に溶剤により剥離する溶剤剥離型保護膜(例えば、特開2006-227632号公報参照)、及び現像工程の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(例えば、国際公開第2005/069076号、国際公開第2006/035790号を参照)のいずれを用いてもよい。スループットの観点からすると、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
[露光工程]
本工程では、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する。この露光は、フォトマスクを介して、場合によっては水等の液浸媒体を介して、レジスト膜に対して放射線を照射することにより行う。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線、等が挙げられる。これらのうち、本組成物を用いて形成されたレジスト膜に対し照射する放射線は、遠紫外線、EUV又は電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV又は電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV又は電子線が更に好ましい。
上記露光の後はポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光部において、露光により[B]化合物から発生した酸による酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性の差を増大させることができる。PEBの温度は、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、PEBの温度は、180℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。PEBの時間は、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましい。また、PEBの時間は、600秒以下が好ましく、300秒以下がより好ましい。
[現像工程]
本工程では、上記露光されたレジスト膜をアルカリ現像液により現像するアルカリ現像を行う。これにより、所望のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
アルカリ現像に用いる現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n-プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン等のアルカリ性化合物のうち少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
現像方法としては、例えば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出し続ける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
以上説明した本組成物は、[A]重合体及び[B]化合物を含むことにより、レジストパターン形成の際に高い感度を示すとともに、優れたLWR性能及びパターン矩形性を示すことができる。この理由としては、本発明を限定するものではないが以下のように推察される。ラクトン構造がγ-ブチロラクトン構造である場合を一例に挙げて説明すると、ラクトン構造がα位で重合体の主鎖に結合している場合や、ラクトン構造がβ位で重合体の主鎖に結合している場合には、ラクトン構造の開環により1級ヒドロキシ基を生成する(下記スキーム(A)及び(B)参照)。このため、重合体ではラクトン構造の開環反応がより進行しやすく、ラクトン構造の開環により未露光部の現像液に対する溶解性が過度に高くなり、その結果、レジストパターン上部の形状が過度に丸くなるため、LWR性能及びパターン矩形性の低下を招きやすいと考えられる。
Figure 2023025514000025
これに対し、ラクトン構造がγ位で重合体の主鎖に結合している場合には、ラクトン構造の開環により2級ヒドロキシ基が生成されるため(下記スキーム(C)参照)、ラクトン構造の開環反応が進行しにくいと考えられる。このため、上記式(1)で表される構造単位を有する[A]重合体は、未露光部の現像液に対する溶解性が低く、適度な溶解性の差が得られる。その結果、優れたLWR性能及びパターン矩形性を発現できたものと考えられる。
Figure 2023025514000026
また更に、本組成物は[A]重合体と共に[B]化合物を含むことにより、露光部では[B]化合物が感放射線光酸発生剤として作用し、[B]化合物から発生した酸により酸解離性基の解離を好適に促進でき、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を高めることができる。そのため、本組成物を用いて形成されたレジスト膜は、露光部と未露光部とでアルカリ現像液に対する溶解性の差がより顕著となり、LWR性能及びパターン矩形性が更に優れたレジスト膜を形成できたと考えられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。実施例及び比較例における各測定は下記の方法により行った。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
重合体のMw及びMnは、東ソー社製 GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本、G4000HXL:1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C-NMR分析]
重合体の13C-NMR分析では、核磁気共鳴装置(日本電子製、JNM-ECX400)を用い、測定溶媒としてDMSO-dを使用して、各重合体における各構造単位の含有割合(モル%)を求めた。
<化合物の合成>
[合成例1A]
(単量体(M-1)の合成)
反応容器に4-ペンテン酸20.0mmol、メタクロロ過安息香酸30.0mmol及びジクロロメタン50gを加えて室温で12時間撹拌した。その後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させたのち、ジクロロメタンを加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーで精製することで、アルコール体を良好な収率で得た。
上記アルコール体にトリエチルアミン30.0mmol、メタクリル酸クロリド30.0mmol及びテトラヒドロフラン50gを加えて80℃で1時間撹拌した。その後、反応溶液を30℃以下に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を終了させたのち、酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィーで精製することで、下記式(M-1)で表される化合物(以下、「単量体(M-1)」と記載する場合がある)を良好な収率で得た。以下に、単量体(M-1)の合成スキームを示す。
Figure 2023025514000027
[合成例2A~9A]
(単量体(M-2)~単量体(M-9)の合成)
原料及び前駆体を適宜変更したこと以外は合成例1Aと同様にして、下記式(M-2)~式(M-9)のそれぞれで表される化合物を合成した。下記式(M-2)~式(M-9)で表される化合物をそれぞれ「単量体(M-2)」~「単量体(M-9)」と記載する場合がある。
<重合体の合成>
重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。なお、以下の合成例においては特に断りのない限り、「質量部」は、各重合に使用した単量体の合計質量を100質量部とした場合の値を意味する。「モル%」は、各重合に使用した単量体又は各重合体を構成する全構造単位の合計モル数を100モル%とした場合の値を意味する。
(構造単位(I)を与える単量体)
Figure 2023025514000028
(構造単位(II)~(V)、(F)、(G)を与える単量体)
Figure 2023025514000029
Figure 2023025514000030
[合成例1]
(樹脂(A-1)の合成)
単量体(m-1)及び単量体(M-1)を、モル比率が50/50(モル%)となるよう2-ブタノン(200質量部)に溶解し、開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)(使用した単量体の合計100モル%に対して3モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に2-ブタノン(100質量部)を入れ、30分窒素パージした後、反応容器内を80℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。冷却した重合溶液をメタノール(2,000質量部)中に投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で24時間乾燥させて白色粉末状の樹脂(A-1)を得た(収率:83%)。樹脂(A-1)のMwは7,800であり、Mw/Mnは1.58であった。また、13C-NMR分析の結果、単量体(m-1)及び単量体(M-1)に由来する各構造単位の含有割合はそれぞれ、51.0モル%及び49.0モル%であった。
[合成例2~36]
(樹脂(A-2)~(A-36)の合成)
下記表1及び表2に示す種類及び配合割合の単量体を用いたこと以外は合成例1と同様にして、樹脂(A-2)~(A-36)を合成した。得られた各樹脂の構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)及び物性値(Mw、Mw/Mn)を表1及び表2に併せて示す。なお、表1及び表2における「-」は、該当する単量体を使用しなかったことを示す(以降の表についても同じ)。
Figure 2023025514000031
Figure 2023025514000032
[合成例37]
(樹脂(A-37)の合成)
単量体(m-2)、単量体(M-1)及び単量体(m-24)を、モル比率が50/10/40(モル%)となるよう1-メトキシ-2-プロパノール(200質量部)に溶解し、開始剤としてAIBN(5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に1-メトキシ-2-プロパノール(100質量部)を入れ、30分窒素パージした後、反応容器内を80℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。冷却した重合溶液をヘキサン(2,000質量部)中に投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をヘキサンで2回洗浄した後、ろ別し、1-メトキシ-2-プロパノール(300質量部)に溶解した。次いで、メタノール(500質量部)、トリエチルアミン(50質量部)及び超純水(10質量部)を加え、撹拌しながら70℃で6時間加水分解反応を実施した。反応終了後、残溶媒を留去し、得られた固体をアセトン(100質量部)に溶解し、水(500質量部)の中に滴下して樹脂を凝固させた。得られた固体をろ別し、50℃で13時間乾燥させて白色粉末状の樹脂(A-37)を得た(収率:79%)。樹脂(A-37)のMwは5,200であり、Mw/Mnは1.60であった。また、13C-NMR分析の結果、単量体(m-2)、単量体(M-1)及び単量体(m-24)に由来する各構造単位の含有割合はそれぞれ、51.3モル%、9.9モル%及び38.8モル%であった。
[合成例38~44]
(樹脂(A-38)~(A-44)の合成)
下記表3に示す種類及び配合割合の単量体を用いたこと以外は合成例37と同様にして、樹脂(A-38)~(A-44)を合成した。得られた各樹脂の構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)及び物性値(Mw、Mw/Mn)を下記表3に併せて示す。
Figure 2023025514000033
[合成例45]
(高フッ素含有樹脂(E-1)の合成)
単量体(m-2)及び単量体(m-26)を、モル比率が20/80(モル%)となるよう2-ブタノン(200質量部)に溶解し、開始剤としてAIBN(4モル%)を添加して単量体溶液を調製した。反応容器に2-ブタノン(100質量部)を入れ、30分窒素パージした後、反応容器内を80℃とし、撹拌しながら上記単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。溶媒をアセトニトリル(400質量部)に置換した後、ヘキサン(100質量部)を加えて撹拌しアセトニトリル層を回収する作業を3回繰り返した。溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、高フッ素含有樹脂(E-1)の溶液を得た(収率:69%)。高フッ素含有樹脂(E-1)のMwは6,000であり、Mw/Mnは1.62であった。また、13C-NMR分析の結果、単量体(m-1)及び単量体(m-26)に由来する各構造単位の含有割合はそれぞれ、19.9モル%及び80.1モル%であった。
[合成例46~49]
(高フッ素含有樹脂(E-2)~(E-5)の合成)
下記表4に示す種類及び配合割合の単量体を用いたこと以外は合成例45と同様にして、高フッ素含有樹脂(E-2)~(E-5)を合成した。得られた高フッ素含有樹脂の各構造単位の含有割合(モル%)、収率(%)及び物性値(Mw、Mw/Mn)を下記表4に合わせて示す。
Figure 2023025514000034
<感放射線性樹脂組成物の調製>
実施例1~51及び比較例1~25の感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]酸拡散制御剤、[D]溶剤及び[E]高フッ素含有樹脂を以下に示す。
・[B]酸発生剤
B-1~B-8:下記式(B-1)~式(B-8)で表される化合物
Figure 2023025514000035
・[C]酸拡散制御剤
C-1~C-5:下記式(C-1)~式(C-5)で表される化合物
Figure 2023025514000036
・[D]溶剤
D-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
D-2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
D-3:γ-ブチロラクトン
D-4:乳酸エチル
・ArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物の調製及び評価
[実施例1]
樹脂(A-1)100質量部、酸発生剤(B-1)12.0質量部、酸拡散制御剤(C-1)6.0質量部、高フッ素含有樹脂(E-1)3.0質量部(固形分)、及び溶剤(D-1)/溶剤(D-2)/溶剤(D-3)の混合溶剤3,230質量部(配合比:D-1/D-2/D-3=2240/960/30(質量部))を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-1)を調製した。
[実施例2~39及び比較例1~13]
下記表5,6に示す種類及び含有量の各成分を用いたこと以外は実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-2)~(J-39)及び(CJ-1)~(CJ-13)を調製した。
Figure 2023025514000037
Figure 2023025514000038
<ArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成>
12インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚さ100nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に上記スピンコーターを使用してArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間PB(プレベーク)を行った。その後、23℃で30秒間冷却することにより、平均厚さ90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対し、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT-1900i」)を用い、NA=1.35、Dipole(σ=0.9/0.7)の光学条件にて、40nmラインアンドスペースのマスクパターンを介して露光した。露光後、100℃で60秒間PEB(ポストエクスポージャーベーク)を行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いてレジスト膜をアルカリ現像し、現像後に水で洗浄し、更に乾燥させることでポジ型のレジストパターン(40nmラインアンドスペースパターン)を形成した。
<評価>
ArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、感度、LWR性能及びパターン矩形性を下記方法に従って評価した。その結果を下記表7に示す。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)の「CG-5000」)を用いた。
[感度]
上記ArF露光用ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成において、40nmラインアンドスペースパターンを形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。感度は、30mJ/cm以下の場合を「良好」と、30mJ/cmを超える場合を「不良」と評価した。
[LWR性能]
上記感度の評価で求めた最適露光量を照射して40nmラインアンドスペースのレジストパターンを形成した。形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、この3シグマ値をLWR(nm)とした。LWRは、その値が小さいほど、ラインのラフネスが小さく良好であることを示す。LWR性能は、2.5nm以下の場合を「良好」と、2.5nmを超える場合を「不良」と評価した。
[パターン矩形性]
上記感度の評価で求めた最適露光量を照射して形成された40nmラインアンドスペースのレジストパターンについて、上記走査型電子顕微鏡を用いて観察し、ラインアンドスペースパターンの断面形状を評価した。レジストパターンの矩形性は、断面形状における下辺の長さの上辺の長さに対する比が、1以上1.05以下であれば「A」(極めて良好)、1.05超1.10以下であれば「B」(良好)、1.10超であれば「C」(不良)と評価した。
Figure 2023025514000039
表7の結果から明らかなように、実施例1~39の感放射線性樹脂組成物は、ArF露光に用いた場合、感度、LWR性能及びパターン矩形性が良好であった。これに対し、比較例1~13では、各特性が実施例に比べて劣っていた。これらの結果から、上記式(1)で表される構造単位を有する重合体及び上記式(2)で表される化合物を含む実施例1~39の感放射線性樹脂組成物をArF露光に用いた場合、高い感度を示し、かつLWR性能及びパターン矩形性が良好なレジストパターンを形成できるといえる。
・極端紫外線(EUV)露光用感放射線性樹脂組成物の調製及び評価
[実施例40]
樹脂(A-37)100質量部、酸発生剤(B-1)17.0質量部、酸拡散制御剤(C-1)10.0質量部、高フッ素含有樹脂(E-5)3.0質量部(固形分)、及び溶剤(D-1)/溶剤(D-4)の混合溶媒6,110質量部(配合比:D-1/D-4=4280/1830(質量部))を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J-40)を調製した。
[実施例41~51及び比較例14~25]
下記表8に示す種類及び含有量の各成分を用いたこと以外は実施例40と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J-41)~(J-51)及び(CJ-14)~(CJ-25)を調製した。
Figure 2023025514000040
<EUV露光用感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成>
12インチのシリコンウエハ上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚さ105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に上記スピンコーターを使用してEUV露光用感放射線性樹脂組成物を塗布し、130℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却することにより、平均厚さ55nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に対し、EUV露光装置(ASML社の「NXE3300」)を用い、NA=0.33、照明条件:Conventional s=0.89、マスク:imecDEFECT32FFR02にて露光した。露光後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液として2.38質量%のTMAH水溶液を用いて上記レジスト膜をアルカリ現像し、現像後に水で洗浄し、更に乾燥させることでポジ型のレジストパターン(32nmラインアンドスペースパターン)を形成した。
<評価>
EUV露光用感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、感度、LWR性能及びパターン矩形性を下記方法に従って評価した。その結果を下記表9示す。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ(株)の「CG-5000」)を用いた。
[感度]
EUV露光用感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成において、32nmラインアンドスペースパターンを形成する露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。感度は、30mJ/cm以下の場合を「良好」と、30mJ/cmを超える場合を「不良」と評価した。
[LWR性能]
上記感度の評価で求めた最適露光量を照射して32nmラインアンドスペースのパターンを形成するようにマスクサイズを調整して、レジストパターンを形成した。形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、この3シグマ値をLWR(nm)とした。LWRは、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好であることを示す。LWR性能は、3.0nm以下の場合を「良好」と、3.0nmを超える場合を「不良」と評価した。
[パターン矩形性]
上記感度の評価で求めた最適露光量を照射して形成された32nmラインアンドスペースのレジストパターンについて、上記走査型電子顕微鏡を用いて観察し、ラインアンドスペースパターンの断面形状を評価した。レジストパターンの矩形性は、断面形状における下辺の長さの上辺の長さに対する比が、1以上1.05以下であれば「A」(極めて良好)、1.05超1.10以下であれば「B」(良好)、1.10超であれば「C」(不良)と評価した。
Figure 2023025514000041
表9の結果から明らかなように、実施例40~51の感放射線性樹脂組成物は、EUV露光に用いた場合、感度、LWR性能及びパターン矩形性が良好であった。これに対し、比較例14~25では、各特性が実施例40~51に比べて劣っていた。
上記で説明した感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、露光光に対する感度が良好であり、LWR性能及びパターン形状性能に優れるレジストパターンを形成することができる。したがって、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの加工プロセス等に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構造単位を有する重合体と、
    下記式(2)で表される化合物と、
    を含有する、アルカリ現像用感放射線性組成物。
    Figure 2023025514000042
    (式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。Aは、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又はラクトン構造、環状カーボネート構造若しくはスルトン構造を有する炭素数6~20の2価の環状有機基である。Xは、-O-、-COO-、-OCO-、-O-CO-O-、-NHCO-又は-CONH-である。R、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~5のアルキル基である。kは0~2の整数であり、mは1~10の整数であり、nは1~4の整数である。)
    Figure 2023025514000043
    (式(2)中、Wは、炭素数3~20の1価の環状有機基である。Lは、単結合又は2価の連結基である。R、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。Rは、フッ素原子又はフルオロアルキル基である。aは0~8の整数である。Xは1価のカチオンである。)
  2. 前記重合体は、酸解離性基を含む構造単位を更に有する、請求項1に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物。
  3. 前記酸解離性基を含む構造単位は、下記式(4)で表される構造単位である、請求項2に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物。
    Figure 2023025514000044
    (式(4)中、R12は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はアルコキシアルキル基である。R16は、炭素数1~8の1価の炭化水素基である。R17及びR18は、それぞれ独立して、炭素数1~8の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3~8の1価の単環脂肪族炭化水素基であるか、又はR17及びR18が互いに合わせられR17及びR18が結合する炭素原子と共に構成される炭素数3~8の2価の単環脂肪族炭化水素基を表す。)
  4. 上記式(1)中のmが1である、請求項1~3のいずれか一項に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物。
  5. 上記式(1)中のkが0である、請求項1~4のいずれか一項に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物。
  6. 上記式(2)中のWは、脂環式構造又は脂肪族複素環構造を有する1価の基である、請求項1~5のいずれか一項に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物。
  7. 上記式(2)中のWはフッ素原子を有しない、請求項1~6のいずれか一項に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載のアルカリ現像用感放射線性組成物を基板上に塗布してレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜を露光する工程と、
    露光された前記レジスト膜をアルカリ現像液により現像する工程と、
    を含む、パターン形成方法。
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