JP2023023952A - コークス炉熱間補修時の断熱材挿入方法 - Google Patents

コークス炉熱間補修時の断熱材挿入方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間でコークス炉を全面補修する際、炉壁及び炉底の損傷を抑制できる断熱材挿入方法を提供する。【解決手段】断熱材挿入方法は、準備工程(#5)、仮設工程(#10)、配置工程(#15)、接続工程(#20)、設置工程(#25)及び挿入工程(#30)を含む。準備工程(#5)では、仮吊りレール(13)とガイド部材(15)とを備える台車(10)を準備し、断熱材(18)と吊り下げレール(14)とを準備する。仮設工程(#10)では、吊り下げレール(14)を台車(10)上に載置する。ガイド部材(15)は吊り下げレール(14)の幅方向の移動を制限する。設置工程(#25)では、第1ワイヤ(20)及び複数の第2ワイヤ(21)を引っ張り、吊り下げレール(14)を仮吊りレール(13)と同じ高さに固定する。挿入工程(#30)では、断熱材(18)を仮吊りレール(13)から吊り下げレール(14)に受け渡す。【選択図】図6A

Description

本開示は、コークス炉熱間補修時の断熱材挿入方法に関する。
製鉄に用いるコークスを製造するためのコークス炉は、石炭をコークス化する炭化室と、炭化室に熱を供給する燃焼室とが交互に並列した構造を有する。炭化室と燃焼室とは、煉瓦で構成された炉壁で区切られている。この炉壁の熱伝導により、燃焼室から炭化室への熱の供給が行われる。炭化室には、常温の石炭が投入される。投入された石炭は、燃焼室からの熱により、炭化室内で乾留されてコークスとなる。コークスは、押出機により、炭化室の一方の端から他方の端に押し出される。炭化室及び燃焼室は、それぞれ押出し側からコークス排出側に向かって延在する。
炉壁は、隣接する燃焼室より常時加熱され、1000℃を超える高温状態に保たれている。さらに、炉壁は、乾留されたコークスが押出機によって炭化室から押し出されるたびに、コークスからの摩擦を繰り返し受ける。そのため、コークス炉を長年使用すると、炉壁にき裂や角欠け等の損傷が発生する。炉壁が損傷すると、損傷した炉壁の煉瓦を積み替えることにより補修を行う。補修は、例えば、1つの燃焼室を対象として行う。その場合、当該燃焼室を区画する2つの炉壁を補修する。
炉壁を補修する際、作業者が炭化室に入って損傷した煉瓦を積み替える。作業者による煉瓦の積み替え作業のために、コークス炉中の全ての燃焼室の温度を低下させれば、温度変化に伴い炉壁の煉瓦の体積変化が発生する。煉瓦の体積変化は、煉瓦にき裂が発生する要因となる。そのため、コークス炉の補修は、熱間で行われる。要するに、補修の際には、補修の対象となる燃焼室以外の燃焼室の温度は低下させない。一方、炉壁を補修するためには、作業者が炭化室内に入って煉瓦の積み替え作業を行う必要がある。そのため、炭化室内の作業空間を、作業者が立ち入ることができる程度に冷却する必要がある。
補修作業空間を確保する方法として、従来、補修の対象となる燃焼室に隣接する炭化室内に断熱材を挿入することが知られている。この断熱材は、補修の対象となる燃焼室以外の燃焼室からの熱を遮断する役割を担う。そのため、断熱材と補修の対象となる燃焼室との間の空間の温度が下がり、作業者が立ち入ることができるようになる。
例えば、特許文献1には、コークス炉の熱間補修時における断熱材取付方法が開示されている。特許文献1では、炭化室の天井部に、断熱材を吊り下げるためのレール(以下、吊り下げレールと言う。)を予め設置する。また、補修するコークス炉前に台車を配置する。台車は、吊り下げレールに対応する仮吊りレールを有する。仮吊りレールには、断熱材がローラー等を介して吊り下げられている。補修時において、台車の吊り下げレールと仮吊りレールとを接続する。接続後、断熱材を仮吊りレールから吊り下げレールに受け渡す。特許文献1に記載の断熱材取付方法によれば、炭化室内に断熱材を挿入することができる。
特願昭56-125481号公報
ところで、コークス炉の補修は、端フリュー補修と、全面補修(スルーウォール補修)の2種類に大別される。端フリュー補修では、コークス炉の炉壁のうち、端部のみを補修する。全面補修では、コークス炉の炉壁全域を一度に補修する。コークス炉を全面補修する際には、コークス炉の長手方向(炭化室及び燃焼室の延在方向)において、コークス炉と同じ寸法を有する断熱材を取付ける。コークス炉の長手方向における寸法は、約16mである。特許文献1の断熱材の挿入方法をコークス炉の全面補修に適用するためには、全長が16m前後の極めて長い吊り下げレールをコークス炉内に設置する必要がある。このようなレールを設置するためには、レッカー等の設備を用いる必要がある。しかしながら、レッカーを用いると、横揺れによってレールが炉壁と衝突し、炉壁が損傷する恐れがある。また、レッカーによるレールの運搬中、レールが炉底に対する水平度を保てない場合がある。この場合、レールが炉底を引きずることにより、炉底が損傷する。
本開示の目的は、熱間でコークス炉を全面補修する際、炉壁及び炉底の損傷を抑制できる断熱材挿入方法を提供することである。
本開示に係るコークス炉の熱間補修時の断熱材挿入方法は、準備工程と、仮設工程と、配置工程と、接続工程と、設置工程と、挿入工程と、を含む。準備工程では、仮吊りレールと、ガイド部材と、を備える台車を準備するとともに、コークス炉の長手方向の寸法と同じ寸法を有する断熱材と、仮吊りレールに対応する吊り下げレールと、を準備する。仮設工程では、断熱材を仮吊りレールに吊り下げるとともに、吊り下げレールを長手方向に沿って台車上に載置する。ガイド部材は吊り下げレールの幅方向の移動を制限する。配置工程では、熱間補修を行うコークス炉の押出機側に台車を配置する。接続工程では、第1ワイヤを吊り下げレールに接続するとともに、複数の第2ワイヤを長手方向に間隔を空けて吊り下げレールに接続する。第1ワイヤは、コークス炉のコークス排出側から吊り下げレールに向かって伸びる。複数の第2ワイヤは、コークス炉の上部から吊り下げレールに向かって伸びる。設置工程では、第1ワイヤ及び複数の第2ワイヤをそれぞれ引っ張り、吊り下げレールをコークス炉内に引き上げて、仮吊りレールと同じ高さに固定する。挿入工程では、吊り下げレールと仮吊りレールとを接続し、断熱材を仮吊りレールから吊り下げレールに受け渡す。
本開示に係る断熱材挿入方法によれば、熱間でコークス炉を全面補修する際、炉壁及び炉底の損傷を抑制できる。
図1は、コークス炉の全体構成を示す模式図である。 図2は、図1の線II-IIにおける断面図である。 図3は、第1実施形態に係る断熱材挿入方法で用いられる台車の正面図である。 図4は、図3に示す台車の側面図である。 図5は、本実施形態に係る断熱材挿入方法を示すフロー図である。 図6Aは、配置工程終了時の様子を示す模式図である。 図6Bは、接続工程の様子を示す模式図である。 図6Cは、設置工程の途中の様子を示す模式図である。 図6Dは、設置工程終了時の様子を示す模式図である。 図6Eは、挿入工程の途中の様子を示す模式図である。 図6Fは、挿入工程終了時の様子を示す模式図である。 図7は、第2実施形態に係る断熱材挿入方法で用いられる吊り下げレールの側面図である。 図8Aは、引き込み工程の様子を示す模式図である。 図8Bは、引き上げ工程の様子を示す模式図である。
本開示の実施形態に係るコークス炉の熱間補修時の断熱材挿入方法は、準備工程と、仮設工程と、配置工程と、接続工程と、設置工程と、挿入工程と、を含む。準備工程では、仮吊りレールと、ガイド部材と、を備える台車を準備するとともに、コークス炉の長手方向の寸法と同じ寸法を有する断熱材と、仮吊りレールに対応する吊り下げレールと、を準備する。仮設工程では、断熱材を仮吊りレールに吊り下げるとともに、吊り下げレールを長手方向に沿って台車上に載置する。ガイド部材は吊り下げレールの幅方向の移動を制限する。配置工程では、熱間補修を行うコークス炉の押出機側に台車を配置する。接続工程では、第1ワイヤを吊り下げレールに接続するとともに、複数の第2ワイヤを長手方向に間隔を空けて吊り下げレールに接続する。第1ワイヤは、コークス炉のコークス排出側から吊り下げレールに向かって伸びる。複数の第2ワイヤは、コークス炉の上部から吊り下げレールに向かって伸びる。設置工程では、第1ワイヤ及び複数の第2ワイヤをそれぞれ引っ張り、吊り下げレールをコークス炉内に引き上げて、仮吊りレールと同じ高さに固定する。挿入工程では、吊り下げレールと仮吊りレールとを接続し、断熱材を仮吊りレールから吊り下げレールに受け渡す(第1の構成)。
第1の構成に係る断熱材挿入方法では、配置工程において、コークス炉の押出機側に台車を配置する。台車上には、吊り下げレールが載置される。設置工程において第1ワイヤ及び第2ワイヤを引っ張り、吊り下げレールをコークス炉内に引き込みながら引き上げる。その際、ガイド部材によって吊り下げレールの幅方向の移動が制限される。そのため、吊り下げレールが炉壁と衝突することによって炉壁が損傷するのを抑制することができる。
また、接続工程において、複数の第2ワイヤの各々は、長手方向に間隔を空けて吊り下げレールに接続される。吊り下げレールを引き上げる際、吊り下げレールは、複数の第2ワイヤに支持される。この場合、一本のワイヤで支持される場合と比較して、吊り下げレールの水平度を保つことができる。そのため、吊り下げレールが炉底を引きずることによって炉底が損傷するのを抑制することができる。
第1の構成の断熱材挿入方法の仮設工程において、吊り下げレールの一端の下方に、吊り下げレールの端側の下面が丸みを帯びた治具を取り付けてもよい(第2の構成)。
第2の構成の断熱材挿入方法では、吊り下げレールの少なくとも一端の下方に治具が取り付けられる。設置工程において、吊り下げレールが傾いた場合、治具と炉底とが接触する。このとき、治具の吊り下げレールの端側の下面が丸みを帯びている。そのため、治具が角張っている場合と比較して炉底を傷つけずにすむ。よって、第2の構成によれば、炉底の損傷をさらに抑制することができる。
第1の構成又は第2の構成の断熱材挿入方法において、設置工程は、引き込み工程と、引き上げ工程と、を含んでいてもよい。引き込み工程では、吊り下げレールが炉底に対して水平になるように複数の第2ワイヤで支持した状態で第1ワイヤを引っ張ることにより吊り下げレールをコークス炉内に引き込む。引き上げ工程では、複数の第2ワイヤを引っ張ることにより吊り下げレールを引き上げる(第3の構成)。
第3の構成の断熱材挿入方法の設置工程は、引き込み工程と引き上げ工程とを含む。引き込み工程では、第1ワイヤを引っ張ることにより、吊り下げレールをコークス炉の長手方向に沿ってコークス炉内に引き込む。その際、吊り下げレールは複数の第2ワイヤによって水平に支持される。そのため、吊り下げレールを長手方向に移動させるときに、吊り下げレールの炉底に対する水平度を保つことができる。よって、第3の構成によれば、炉底の損傷をさらに抑制することができる。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
[コークス炉]
図1及び図2を参照して、コークス炉の全体構成を説明する。図1は、コークス炉の全体構成を示す模式図である。図2は、図1の線II-IIにおける断面図である。コークス炉は、炭化室80と燃焼室90とが交互に並列した構造を有する。炭化室80には、常温の石炭が投入される。燃焼室90は、炭化室80に熱を供給する。燃焼室90から供給された熱により、炭化室80内の石炭は乾留されてコークスとなる。コークスは、押出機60に押し出されることにより、炭化室80から排出される。排出されたコークスは、図示しないガイド車により消火車70に案内される。その後、コークスは消火車70で次工程に搬送される。
コークス炉では、押出機60側にレール61が敷かれており、コークス排出側にレール71が敷かれている。押出機60は、レール61上を移動することができる。また、消火車70は、レール71上を移動することができる。
炭化室80及び燃焼室90は、天井部92と、炉底93とにより構成される。隣接する炭化室80と燃焼室90とは、炉壁91で区切られている。これらの炉壁91は、それぞれ天井部92と炉底93とを接続する。炭化室80の各々の上方には、石炭を投入するための装炭口81が設けられる。装炭口81は天井部92を貫通する。
炭化室80及び燃焼室90は、押出機60と消火車70の間に延在する。本明細書において、炭化室80及び燃焼室90の延在方向をコークス炉の長手方向(以下、単に長手方向と言う)と称する。また、炭化室80及び燃焼室90が交互に並列する方向を、コークス炉の幅方向(以下、単に幅方向と言う)と称する。また、コークス炉の高さ方向を上下方向と称する。
[台車]
図3は、本実施形態に係る断熱材挿入方法で用いられる台車10の正面図である。後述する断熱材挿入方法において、台車10は、コークス炉の長手方向に沿って補修の対象となる燃焼室90と並んで配置される。図3は、台車10が燃焼室90に並んで配置されたとき、台車10を長手方向に沿って見たときの図である。図4は、図3に示す台車10の側面図である。
図3及び図4を参照して、台車10は、平板状の本体部11と、本体部11の四隅に設けられる脚部12と、を備える。4つの脚部12のそれぞれの下方には、図示しない車輪が設けられる。台車10は、車輪を介して押出機60側に敷かれたレール61上を移動することができる。
台車10は、仮吊りレール13と、幅方向に一対のガイド部材15と、をさらに備える。仮吊りレール13は、長手方向に延び、断熱材18を吊り下げる。
台車10上には、吊り下げレール14が載置される。台車10上に載置された吊り下げレール14は、長手方向に延びる。吊り下げレール14は、仮吊りレール13に対応する。言い換えると、吊り下げレール14は、仮吊りレール13と実質的に同じ形状を有する。仮吊りレール13及び吊り下げレール14は、断熱材18を吊り下げることができる長さを有していればよい。長手方向において、仮吊りレール13の寸法及び吊り下げレール14の寸法は、コークス炉(炭化室80及び燃焼室90)の寸法と同じであってもよく、例えば16mであってもよい。
断熱材18は、パネル状であり、燃焼室90の炉壁91を補修する際、燃焼室90の両隣の炭化室80内に配置される。その際、断熱材18は、補修対象の燃焼室90とは異なる燃焼室からの熱を遮断する役割を担う。断熱材18は、長手方向において、コークス炉と同じ寸法を有する。コークス炉の長手方向における寸法とは、炭化室80及び燃焼室90の長手方向における寸法であり、例えば16mである。断熱材18の上下方向における寸法は、典型的には炭化室80及び燃焼室90とほぼ同じであり、例えば5.0~6.5mである。断熱材18の材質は、例えばグラスウールであってもよい。
仮吊りレール13及び吊り下げレール14の形状は、特に限定されるものではないが、例えばH形鋼である。仮吊りレール13は、上側フランジ部131及び下側フランジ部132を含む。同様に、吊り下げレール14は、上側フランジ部141及び下側フランジ部142を含む。吊り下げレール14には、図示しない断熱材が巻かれている。
断熱材18は、長手方向に移動可能なように仮吊りレール13に吊り下げられる。例えば、断熱材18は、吊下げ治具17を介して仮吊りレール13に吊り下げられる。吊下げ治具17は、幅方向に一対であり、断熱材18の幅方向の両端部とそれぞれ固定される。吊下げ治具17は、上下方向に一対のローラー171を有する。吊下げ治具17は、仮吊りレール13の下側フランジ部132を一対のローラー171で挟持する。このような一対の吊下げ治具17が、長手方向に間隔を空けて複数設けられる。
仮吊りレール13は、複数の架台16によって支持される。架台16の各々は、2本の支柱161と、梁162とで構成される。支柱161は上下方向に延び、下端が本体部11に固定される。梁162は、幅方向に延び、2つの支柱161に接合される。本実施形態の例では、仮吊りレール13は、梁162の下方に配置され、梁162の幅方向中央部に固定される。仮吊りレール13と梁162との固定手段は特に限定されない。固定手段は、例えばボルトによる固定や、溶接による固定等である。
一対のガイド部材15は、本体部11上に配置される。吊り下げレール14は、一対のガイド部材15の間に配置される。吊り下げレール14は、ガイド部材15により幅方向の移動を制限される。
ガイド部材15は、板部151と、板部151の内側に設けられたローラー152を有する。吊り下げレール14の上側フランジ部141は、ローラー152に下から支持される。吊り下げレール14は、ローラー152上を長手方向に沿って移動することができる。
本実施形態では、一対のガイド部材15は、長手方向に2つ並んで配置される。ガイド部材15が設けられる位置は、特に限定されるものではない。ガイド部材15は、好ましくは、補修の対象となる燃焼室90に極力近い位置に設けられる。
[断熱材挿入方法]
図5は、本実施形態に係る断熱材挿入方法を示すフロー図である。図5に示すように、本実施形態の断熱材挿入方法は、準備工程(#5)と、仮設工程(#10)と、配置工程(#15)と、接続工程(#20)と、設置工程(#25)と、挿入工程(#30)と、を含む。この断熱材挿入方法は、コークス炉のうち、燃焼室90を区画する2つの炉壁91を補修するのに用いられる。補修の際、燃焼室90に隣接する2つの炭化室80に断熱材18を挿入する。以下では、1つの炭化室80内に断熱材18を挿入する方法を説明するが、もう1つの炭化室80にも同様の方法で断熱材18を挿入することができる。
以下、図6A~図6Fを用いて本実施形態に係る断熱材挿入方法を説明する。説明の便宜上、図6A~図6Fでは、台車10の一部の構成の図示を省略する。
準備工程(#5)では、仮吊りレール13と、ガイド部材15と、を備える台車10を準備する。さらに、準備工程(#5)では、断熱材18と、吊り下げレール14と、を準備する。
仮設工程(#10)では、断熱材18を仮吊りレール13に吊り下げる。断熱材18は、仮吊りレール13に対して長手方向に移動可能である。さらに、仮設工程(#10)では、吊り下げレール14を長手方向に沿って台車10上に載置する。このとき、吊り下げレール14は、一対のガイド部材15の間に配置され、ガイド部材15により幅方向の移動を制限される。
配置工程(#15)では、熱間補修を行うコークス炉の押出機60側に台車を配置する。図6Aは、配置工程(#15)終了時の様子を示す模式図である。図6Aを参照して、燃焼室90の押出機60側に上述した台車10を配置する。燃焼室90の幅方向両隣には、図示しない炭化室80が並んでいる。台車10は、長手方向において断熱材18を挿入する炭化室80が吊り下げレール14の延長線上に位置するように配置される。
接続工程(#20)では、第1ワイヤ20を台車10上の吊り下げレール14に接続する。また、接続工程(#20)では、複数の第2ワイヤ21を長手方向に間隔を空けて吊り下げレール14に接続する。図6Bは、接続工程(#20)の様子を示す模式図である。
図6Bを参照して、第1ワイヤ20は、コークス炉のコークス排出側から吊り下げレール14に向かって伸びる。例えば、断熱材18を挿入する炭化室80のコークス排出側に、図示しないウインチが配置される。第1ワイヤ20は、そのウインチに接続されており、そのウインチから炭化室80内を通り、吊り下げレール14に向かって伸びる。第1ワイヤ20は、典型的には吊り下げレール14の先端に接続される。
複数の第2ワイヤ21は、それぞれコークス炉の上部から吊り下げレール14に向かって伸びる。例えば、吊り下げレール14を挿入する炭化室80の天井部92上に、図示しない複数のウインチが配置される。複数の第2ワイヤ21は、各々が対応するそれらのウインチに接続されており、例えば、それらのウインチから炭化室80の装炭口81を通じて吊り下げレール14に向かって伸びる。複数の第2ワイヤ21は、典型的には吊り下げレール14の上側フランジ部141に接続される。特に限定されるものではないが、複数の第2ワイヤ21は、等間隔に吊り下げレール14に接続されてもよい。
第1ワイヤ20及び複数の第2ワイヤ21と吊り下げレール14との接続手段は、特に限定されるものではない。例えば吊り下げレール14の先端にリング状の取付け部を設け、第1ワイヤ20を取付け部に通すことにより接続してもよい。また、吊り下げレール14の上面に複数の取付け部を設け、複数の第2ワイヤ21を各取付け部に通すことにより接続してもよい。
設置工程(#25)では、第1ワイヤ20及び複数の第2ワイヤ21をそれぞれ引っ張り、吊り下げレール14をコークス炉の炭化室80内に引き上げて、仮吊りレール13と同じ高さに固定する。図6Cは、設置工程(#25)の途中の様子を示す模式図である。設置工程(#25)では、第1ワイヤ20及び複数の第2ワイヤ21をそれぞれ引っ張り、吊り下げレール14を炭化室80内に引き込みながら引き上げる。その際、吊り下げレール14は、複数のガイド部材15により、幅方向の移動を制限される。よって、吊り下げレール14は、長手方向に沿って炭化室80に挿入される。
図6Dは、設置工程(#25)終了時の様子を示す模式図である。設置工程(#25)において、吊り下げレール14は、仮吊りレール13と同じ高さまで引き上げられる。そして、吊り下げレール14は、仮吊りレール13と同じ高さで位置を固定される。吊り下げレール14の位置の固定は、複数の第2ワイヤ21と吊り下げレール14とを接続する際に使用したリング状の取付け部を利用してもよい。その場合、吊り下げレール14の位置の固定には、例えば両端が鉤状(フック状)の金物が用いられる。金物の一方の端は、吊り下げレール14のリング状の取付け部に引っ掛けられる。金物の他方の端は、装炭口81を通して、天井部92の枠を構成する部材等に溶接される。吊り下げレール14の固定が完了したら、第1ワイヤ20及び複数の第2ワイヤ21を吊り下げレール14から取り外す。
挿入工程(#30)では、吊り下げレール14と仮吊りレール13とを接続し、断熱材18を仮吊りレール13から吊り下げレール14に受け渡す。図6Eは、挿入工程(#30)の途中の様子を示す模式図である。挿入工程(#30)では、台車10を幅方向に移動させ、仮吊りレール13を吊り下げレール14と直列に配置する。言い換えると、長手方向において、仮吊りレール13を吊り下げレール14の延長線上に配置する。
次に、仮吊りレール13と吊り下げレール14とを接続する。仮吊りレール13と吊り下げレール14とを接続する手段は、特に限定されない。例えば仮吊りレール13と吊り下げレール14とを直接接続してもよいし、接続部材22を介して接続してもよい。
接続部材22は、板状であり、仮吊りレール13の下側フランジ部132及び吊り下げレール14の下側フランジ部142に固定される。接続部材22は、仮吊りレール13の下側フランジ部132及び吊り下げレール14の下側フランジ部142と同じ厚みの大きさを有する。仮吊りレール13と接続部材22との固定手段、及び吊り下げレール14と接続部材22との固定手段は、特に限定されない。例えばボルトによる固定や、溶接による固定等である。
図6Fは、挿入工程(#30)終了時の様子を示す模式図である。仮吊りレール13と吊り下げレール14とを接続した後、断熱材18を燃焼室90側に移動させる。断熱材18を移動させる手段は、例えば、燃焼室90の押出機側とは反対側に設置したウインチであってもよい。この場合、ウインチから伸びるワイヤを断熱材18に接続し、ワイヤを引っ張ることにより断熱材18を移動させる。このようにして、断熱材18を仮吊りレール13から吊り下げレール14に受け渡す。
このように、燃焼室90の炉壁91の外側、すなわち燃焼室90に隣接する炭化室内に断熱材18を挿入することができる。同様の作業を燃焼室90のもう一方の炉壁91に対しても行うことにより、燃焼室90の炉壁91全面を補修することができる。
炉壁91の補修作業完了後には、断熱材18及び吊り下げレール14はコークス炉内から撤去される。上述した断熱材挿入方法を逆の手順で行うことにより、断熱材18及び吊り下げレール14を撤去することができる。例えば台車10上にウインチを配置し、断熱材18を引っ張ることにより、断熱材18を吊り下げレール14から仮吊りレール13に受け渡す。また、複数の第2ワイヤ21を用いて吊り下げレール14を炉底まで下ろし、台車10上に配置されたウインチで引っ張ることにより、吊り下げレール14を回収する。
なお、本実施形態に係る断熱材挿入方法に用いた台車10は、押出機60側のレール61上を移動することができる。そのため、コークス炉の操業において、押出機60を使用するときには、台車10を簡単に退避させることができる。
[効果]
本実施形態に係る断熱材挿入方法は、配置工程(#15)において、コークス炉の押出機側に台車10を配置する。台車10上には、吊り下げレール14が載置される。設置工程(#25)において第1ワイヤ20及び第2ワイヤ21を引っ張り、吊り下げレール14を補修対象の燃焼室90に隣接する炭化室80内に引き込みながら引き上げる。その際、台車10上に設けられたガイド部材15によって吊り下げレール14の幅方向の移動が制限される。そのため、吊り下げレール14が燃焼室90の炉壁91と衝突することによって炉壁91が損傷するのを抑制することができる。
また、接続工程(#20)において、複数の第2ワイヤ21の各々は、長手方向に間隔を空けて吊り下げレール14に接続される。設置工程(#25)で吊り下げレール14を引き上げる際、吊り下げレール14は、複数の第2ワイヤ21に支持される。この場合、一本のワイヤで支持される場合と比較して、吊り下げレール14の水平度を保つことができる。そのため、吊り下げレール14が炉底93を引きずることによって炉底93が損傷するのを抑制することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係る断熱材挿入方法では、仮設工程(#10)において、吊り下げレール14の一端の下方に治具23を取り付ける。本実施形態の例では、治具23は、台車10上に配置された吊り下げレール14の先端側(燃焼室90側)に取り付けられる。しかしながら、治具23は、吊り下げレール14の後端側に取り付けられてもよいし、先端側と後端側の両方に取り付けられてもよい。
図7は、第2実施形態に係る断熱材挿入方法で用いられる吊り下げレール14の側面図である。図7では、吊り下げレール14のうち、治具23が取り付けられた先端側を示す。治具23は、吊り下げレール14の端側の下面が丸みを帯びている。本実施形態の例では、治具23の下面は、吊り下げレール14の先端側で丸みを帯びている。
図7を参照して、治具23は、上側フランジ部231と、下側フランジ部232と、本体部233と、を含む。上側フランジ部231及び下側フランジ部232は、それぞれ本体部233に接続する。
上側フランジ部231は、吊り下げレール14の下側フランジ部142と固定される。上側フランジ部231と下側フランジ部142との固定手段は特に限定されない。例えば、ボルトにより固定してもよい。
下側フランジ部232は、板状であり、吊り下げレール14の先端側で反り上がる。要するに、下側フランジ部232の形状は、ソリ状である。下側フランジ部232は、下面232aを有する。
設置工程(#25)において、吊り下げレール14が傾いた場合、治具23の下側フランジ部232と炉底93とが接触する。このとき、炉底93と接触する下側フランジ部232の下面232aは、丸みを帯びている。そのため、治具23が角張っている場合と比較して、炉底93を傷つけずにすむ。よって、炉底93の損傷をさらに抑制することができる。
[第3実施形態]
以下、図8A及び図8Bを参照して、第3実施形態に係る断熱材挿入方法を説明する。第3実施形態に係る断熱材挿入方法では、設置工程(#25)が、引き込み工程と、引き上げ工程と、を含む。図8Aは、引き込み工程の様子を示す模式図である。図8Bは、引き上げ工程の様子を示す模式図である。
図8Aを参照して、引き込み工程では、第1ワイヤ20を引っ張ることにより吊り下げレール14を炭化室80内に引き込む。要するに、引き込み工程では、吊り下げレール14を長手方向にのみ移動させ、上下方向には移動させない。ただし、引き込み工程では、吊り下げレール14が炉底93に対して水平になるように複数の第2ワイヤ21で支持する。
図8Bを参照して、引き上げ工程では、複数の第2ワイヤ21を引っ張ることにより吊り下げレール14を引き上げる。図8Bには、吊り下げレール14を引き上げている途中の様子を示す。引き上げ工程では、吊り下げレール14を上下方向にのみ移動させ、長手方向には移動させない。
引き込み工程の際、吊り下げレール14は複数の第2ワイヤ21によって水平に支持される。そのため、吊り下げレール14を長手方向に移動させるときに、吊り下げレール14の炉底93に対する水平度を保つことができる。よって、炉底93の損傷をさらに抑制することができる。
以上、本開示の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。したがって、本開示は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
上記各実施形態に係る断熱材挿入方法では、仮設工程(#10)の後に配置工程(#15)を行う。しかしながら、これらの工程の順番を逆にしてもよい。要するに、配置工程(#15)の後に仮設工程(#10)を行ってもよい。この場合、まず、熱間補修を行うコークス炉の押出機60側に台車10を配置する。その後、断熱材18を仮吊りレール13に吊り下げ、吊り下げレール14を台車10上に載置する。
10:台車
13:仮吊りレール
14:吊り下げレール
15:ガイド部材
18:断熱材
20:第1ワイヤ
21:第2ワイヤ
23:治具
232a:下面
60:押出機

Claims (3)

  1. コークス炉の熱間補修時の断熱材挿入方法であって、
    仮吊りレールと、ガイド部材と、を備える台車を準備するとともに、前記コークス炉の長手方向の寸法と同じ寸法を有する断熱材と、前記仮吊りレールに対応する吊り下げレールと、を準備する、準備工程と、
    前記断熱材を前記仮吊りレールに吊り下げるとともに、前記吊り下げレールを前記長手方向に沿って前記台車上に載置する、仮設工程であって、前記ガイド部材は前記吊り下げレールの幅方向の移動を制限する、前記仮設工程と、
    熱間補修を行う前記コークス炉の押出機側に前記台車を配置する、配置工程と、
    前記コークス炉のコークス排出側から前記吊り下げレールに向かって伸びる第1ワイヤを前記吊り下げレールに接続するとともに、前記コークス炉の上部から前記吊り下げレールに向かって伸びる複数の第2ワイヤを前記長手方向に間隔を空けて前記吊り下げレールに接続する、接続工程と、
    前記第1ワイヤ及び前記複数の第2ワイヤをそれぞれ引っ張り、前記吊り下げレールを前記コークス炉内に引き上げて、前記仮吊りレールと同じ高さに固定する、設置工程と、
    前記吊り下げレールと前記仮吊りレールとを接続し、前記断熱材を前記仮吊りレールから前記吊り下げレールに受け渡す、挿入工程と、
    を含む、断熱材挿入方法。
  2. 請求項1に記載の断熱材挿入方法であって、
    前記仮設工程において、前記吊り下げレールの一端の下方に、前記吊り下げレールの端側の下面が丸みを帯びた治具を取り付ける、断熱材挿入方法。
  3. 請求項1又は2に記載の断熱材挿入方法であって、
    前記設置工程は、前記吊り下げレールが炉底に対して水平になるように前記複数の第2ワイヤで支持した状態で前記第1ワイヤを引っ張ることにより前記吊り下げレールを前記コークス炉内に引き込む、引き込み工程と、
    前記複数の第2ワイヤを引っ張ることにより前記吊り下げレールを引き上げる、引き上げ工程と、を含む、断熱材挿入方法。
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