JP2023023754A - 調光システム、調光シートおよびスクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】調光シートの面積の拡大と美観の向上との両立を図る。【解決手段】第1透明電極層12Aは、電気的に絶縁された第1絶縁部によって区切られた複数の第1電極要素を含み、第2透明電極層12Bは、電気的に絶縁された第2絶縁部によって区切られ、且つ第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bの少なくとも一方は連続する単一の層であって、第1電極要素および第2電極要素の各々には、駆動装置5に接続される端子部6A,6Bが設けられ、端子部6A,6Bに接続された駆動装置5は、第1電極要素、第1電極要素に向かい合う第2電極要素の組み合わせである調光領域20毎に1つずつ設けられ、第1電極要素および第2電極要素に電圧を印加する。【選択図】図3

Description

本発明は、調光システム、調光シートおよびスクリーンに関する。
調光シートは、液晶組成物を含む調光層と、調光層を挟む一対の透明電極層とを備えている。一対の透明電極層には電源に接続された端子が設けられ、それらの電極間には、駆動電圧が印加される。透明電極層間の電位差に応じて液晶分子の配向状態が変わることにより、調光シートの光透過率が変わる。例えば、液晶分子の長軸方向が調光層の厚さ方向に沿う状態であるとき、調光シートは透明状態であり、調光シートの光透過率は高い。また、液晶分子の長軸方向が調光層の厚さ方向と交差する状態であるとき、調光層内で光が散乱し、調光シートの光透過率は低くなる不透明状態となる(例えば、特許文献1参照)。
光透過率を変更可能な領域である調光領域は大面積化が要請されている。しかし、調光領域の面積を過度に拡大すると、端子から離れた領域では電圧勾配による不透明状態又は透明状態のムラが生じる可能性がある。このように液晶分子の配向を制御可能な面積には限界があるため、複数の調光シートを並べて対象物に取り付けて、見かけ上の調光領域の面積を拡大していた。
特開2018-45135号公報
しかし、短絡を防止するため複数の調光シートを互いに接しないように並べると、隣接する調光シートの間に数mm~十数mm程度の隙間が生じる。したがって、観察者が複数の調光シートが取り付けられた対象物を正面から見たとき、その隙間が視認されるが、調光シートの隙間は目立ちにくい方が美観上好ましい。また、調光シートを画像が投影されるスクリーンとして使用する場合においては、隙間には画像が投影されないことから、隙間が目立つ状態となる。このように、複数の調光シートを並べて配置する場合には隙間が目立つ外観になりやすいため、調光可能な領域の面積の拡大と美観の向上との両立が要請されている。
上記課題を解決する調光システムは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、前記第1透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第1透明支持層と、前記第2透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第2透明支持層と、を備える調光シートと、前記調光シートに電圧を印加する駆動装置と、を備え、前記第1透明電極層は、電気的に絶縁された第1絶縁部によって分離された複数の第1電極要素を含み、前記第2透明電極層は、電気的に絶縁された第2絶縁部によって分離され、且つ前記第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の少なくとも一方は連続する単一の層であって、前記第1電極要素および前記第2電極要素の各々には、前記駆動装置に接続される端子部が設けられ、前記端子部に接続された前記駆動装置は、前記第1電極要素、前記第1電極要素に向かい合う前記第2電極要素の組み合わせである調光領域毎に1つずつ設けられ、前記第1電極要素および前記第2電極要素に電圧を印加する。
上記課題を解決する調光シートは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、前記第1透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第1透明支持層と、前記第2透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第2透明支持層と、を備え、前記第1透明電極層は、電気的に絶縁された第1絶縁部によって分離された複数の第1電極要素を含み、前記第2透明電極層は、電気的に絶縁された第2絶縁部によって分離され、且つ前記第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の少なくとも一方は連続する単一の層であって、前記第1電極要素および前記第2電極要素の各々には、駆動装置に接続される端子部が設けられ、前記端子部には、前記第1電極要素、前記第1電極要素に向かい合う前記第2電極要素の組み合わせである調光領域毎に1つずつ設けられた前記駆動装置が接続される。
上記構成によれば、調光シートは複数の調光領域を含む。駆動装置は、調光領域毎に電圧の印加を制御するため、調光領域の光透過率を個別に制御できる。このため、調光領域およびその調光領域に対応する駆動装置の組み合わせを増やすことによって、調光シートを大面積化することができる。また、調光シートは、連続する単一の層である透明支持層によって複数の第1電極要素、および複数の第2電極要素を支持する構成であるため、取付対象物に複数の調光シートを手作業で並べて配置する場合に比べて、隣接する調光シートの隙間を小さくすることが可能となる。
上記構成によれば、調光シートは複数の調光領域を含む。駆動装置は、調光領域毎に電圧の印加を制御するため、調光領域の光透過率を個別に制御できる。このため、調光領域およびその調光領域に対応する駆動装置の組み合わせを増やすことによって、調光シートを大面積化することができる。また、調光シートは、連続する単一の層である透明支持層によって複数の第1電極要素、および複数の第2電極要素を支持する構成であるため、取付対象物に複数の調光シートを手作業で並べて配置する場合に比べて、隣接する調光シートの隙間を小さくすることが可能となる。
上記調光システムについて、前記第1絶縁部によって分離される複数の前記第1電極要素は、連続する単一の前記調光層と連続する単一の前記第1透明支持層との間に位置し、前記第2絶縁部によって分離される複数の前記第2電極要素は、連続する単一の前記調光層と連続する単一の前記第2透明支持層との間に位置してもよい。
上記構成によれば、第1透明電極層および第2透明電極層のみが絶縁部によって絶縁されることによって調光領域が構成される。つまり、第1透明支持層、第2透明支持層、および調光層には絶縁部が形成されない。このため、調光シートを大面積化しつつ、絶縁部が目立たない外観にすることができる。
上記調光システムについて、前記第1絶縁部および前記第2絶縁部は、前記第1透明支持層、前記第1透明電極層、前記調光層および前記第2透明電極層を貫通する溝部に含まれていてもよい。
上記構成によれば、第1絶縁部および第2絶縁部を含む溝部は、第1透明支持層を貫通する。この構成の調光シートは、第1透明支持層のうち、第1透明電極層を支持する面に対して反対側の面から切り込みを入れることにより溝部を形成することができる。
上記調光システムについて、前記溝部を埋める被覆層をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、溝部に導電性物質が入り込んで隣り合う複数の第1電極要素又は隣り合う複数の第2電極要素が導通することが抑えられる。また、調光シートの表面又は裏面から見て溝部が目立つことが抑えられる。
上記調光システムについて、前記第1絶縁部は、前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する溝部に含まれ、当該溝部の深さは、前記第1透明電極層の厚さおよび前記第1透明支持層の厚さの和よりも小さく、前記第2絶縁部は、前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する溝部に含まれ、当該溝部の深さは、前記第2透明電極層の厚さおよび前記第2透明支持層の厚さの和よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、第1絶縁部を含む溝部は、第1透明電極層を貫通し第1透明支持層を貫通しない深さを有する。つまり、溝部は第1透明電極層で開口するため、第1透明電極層の表面から切り込みを入れることで溝部を形成することが可能となる。また、第2透明電極層を貫通する溝部も、第2透明電極層で開口するため、第2透明電極層の表面から切り込みを入れることで溝部を形成することが可能となる。
上記調光システムについて、前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する前記溝部、および前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する溝部には、前記調光層の組成物の一部が充填されていてもよい。
上記構成によれば、溝部に調光層の組成物の一部を充填することにより、溝部が目立たない外観とすることができる。
上記調光システムについて、前記第1絶縁部および前記第2絶縁部の最大幅は、1mm以下であってもよい。
上記構成によれば、第1絶縁部および第2絶縁部が目立たない外観とすることができる。
上記調光システムについて、前記第1絶縁部および前記第2絶縁部の最大幅は、10μm以下であってもよい。
上記構成によれば、第1絶縁部および第2絶縁部が目立たない外観とすることができる。
上記調光システムについて、複数の前記第1電極要素および前記第2電極要素はそれぞれ矩形の同じ形状を有していてもよい。
上記構成によれば、円形状等の調光領域に比べ、隣接する調光領域の間に生じる隙間を小さくすることが可能となる。
上記調光システムについて、前記第1透明電極層および前記第2透明電極層の一辺が1m以上であってもよい。
上記構成によれば、調光シートを大面積化することができる。
上記調光システムについて、前記駆動装置は、対応する前記調光領域に対しそれぞれ独立して交流電圧を印加してもよい。
上記構成によれば、交流電圧を調光領域に独立して印加するため、制御の複雑化を抑制することができる。
上記調光システムについて、複数の前記駆動装置は、交流電圧を印加し、前記調光領域毎に印加される交流電圧の同期をとる同期制御部をさらに備えていてもよい。
上記構成によれば、隣接する調光領域が干渉して悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
上記調光システムについて、前記第1電極要素に設けられる前記端子部は、前記第1電極要素のうち他の前記第1電極要素に隣接する隣接部を除く端部の一つに設けられ、前記第2電極要素に設けられる前記端子部は、前記第2電極要素のうち他の前記第2電極要素に隣接する隣接部を除く領域に設けられていてもよい。
上記構成によれば、端子部は、隣接部を除く領域に設けられるため、端子部に接続する配線が調光領域と重ならず引き出しやすい。
上記調光システムについて、前記調光領域は矩形状の形状を有し、一方向に沿って並ぶ複数の前記調光領域に設けられた前記端子部は、前記調光領域の前記一方向と平行な第1側端部および第2側端部のうち、前記第1側端部に設けられていてもよい。
上記構成によれば、調光領域に接続された配線を、複数の調光領域でまとめて同じ方向に引き出すことが可能となる。
上記課題を解決するスクリーンは、第1透明電極層と、第2透明電極層と、前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、前記第1透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第1透明支持層と、前記第2透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第2透明支持層と、を備え、前記第1透明電極層は、電気的に絶縁された第1絶縁部によって分離された複数の第1電極要素を含み、前記第2透明電極層は、電気的に絶縁された第2絶縁部によって分離され、且つ前記第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の少なくとも一方は連続する単一の層であって、前記第1電極要素および前記第2電極要素の各々には、駆動装置に接続される端子部が設けられ、前記端子部には、前記第1電極要素、前記第1電極要素に向かい合う前記第2電極要素の組み合わせである調光領域毎に1つずつ設けられた前記駆動装置が接続され、前記駆動装置によって前記調光領域が不透明状態とされるときに、画像が投影される。
上記構成によれば、調光シートを、不透明状態であるときに画像が投影されるスクリーンとして用いる。調光シートは、複数の調光領域を含み、隣接する調光領域の隙間が小さいため、画像を表示する際に隙間を目立ち難くすることができる。
本発明によれば、調光可能な領域の面積の拡大と美観の向上とを両立することができる。
第1実施形態における調光システムおよび調光シートの正面図である。 同実施形態における調光システムおよび調光シートの正面図である。 図1中III‐III線で切断した調光シートの断面図である。 図1中IV‐IV線で切断した調光シートの断面図である。 同実施形態の調光シートの製造方法に含まれる一工程を説明する模式図。 第2実施形態における調光シートの断面図である。 第3実施形態における調光シートの断面図である。 第4実施形態における調光システムを画像表示システムとして例示した模式図である。 変形例における調光システムおよび調光シートの正面図である。 変形例における調光システムおよび調光シートの断面図である。
(第1実施形態)
図1~図5を参照して、調光システムおよび調光シートの第1実施形態を説明する。
調光シートの駆動型式は、ノーマル型、あるいはリバース型である。ノーマル型の調光シートは、電圧印加によって不透明状態から透明状態に遷移し、当該電圧印加の解除によって透明状態から不透明状態に戻る。リバース型の調光シートは、電圧印加によって透明状態から不透明状態に遷移し、当該電圧印加の解除によって不透明状態から透明状態に戻る。なお、ノーマル型とリバース型とは、2つの透明電極層と調光層とを備える点において共通する。第1実施形態では、調光シート10をノーマル型のものとして説明する。
[調光シートの構成]
図1に示すように、調光システム1は、調光シート10および駆動装置5を備えている。調光シート10は、取付対象物2に取り付けられている。取付対象物2は、ガラス基板や樹脂基板などの透明基材である。透明基材の一例は、屋内や車両に配置された間仕切り、建物に設置された窓ガラス、車両や航空機等の移動体が搭載する窓ガラスなどである。調光シートが貼り付けられる面は、平面状あるいは曲面状である。調光シート10は、取付対象物2の一面に接着剤を介して接着される。又は調光シート10は、溶着などの他の方法で取付対象物2に取り付けられてもよい。又は、調光シート10は、2つの透明基材によって挟まれてもよい。
調光シート10は、矩形状の形状を有するとともに、複数の調光領域20を含んでいる。これらの調光領域20は、横方向Xおよび縦方向Zに並んでいる。図1に例示する調光シート10は、6つの調光領域20を備え、2つの調光領域20が縦に並べられた列が横方向Xに3列設けられている。なお、調光領域20の数および配置パターンは図1に示すものに限らず、取付対象物2に合わせて適宜変更可能である。例えば、調光領域20を横方向Xのみに並べてもよい。また、調光領域20を縦方向Zのみに並べてもよい。又は、縦方向Zに調光領域20を3つ以上並べてもよく、横方向Xに調光領域20を3つ以上並べてもよい。
1つの調光領域20には、一組の第1端子部6Aおよび第2端子部6Bが設けられている。第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、調光シート10の第1面10Fと第1面10Fに対して反対側に位置する第2面とに設けられている。第1端子部6Aおよび第2端子部6Bには、配線7A,7Bを介して駆動装置5が設けられている(図1中、上段左端の調光領域20参照)。つまり、駆動装置5,配線7A,7B、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、調光領域20毎に設けられている。図1に示す調光シート10は、駆動装置5,配線7A,7B、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bの組み合わせを6組備えている。
複数の調光領域20は、矩形状の形状を有する。調光領域20は、矩形の各辺にそれぞれ対応する第1端部20A、第2端部20B、第3端部20Cおよび第4端部20Dを有する(図1中、上段左端の調光領域20参照)。図1に示す3列の調光領域20のうち、左端の列に位置する調光領域20は、第3端部20Cおよび第4端部20Dが他の調光領域20に隣接する。この場合、第3端部20Cおよび第4端部20Dが隣接部である。右端の列に位置する調光領域20は、第1端部20Aおよび第4端部20Dが他の調光領域20に隣接する。この場合、第1端部20Aおよび第4端部20Dが隣接部である。中央の列に位置する調光領域20は、第2端部20B以外は他の調光領域20に隣接する。
図1の例では、配線7A,7Bの配置スペースを縮小するため、配線7A,7Bの引き出し方向を一致させている。つまり、図1中上段の調光領域20には、他の調光領域20に隣接しない第2端部20Bに第1端子部6Aおよび第2端子部6Bが設けられ、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bから配線7A,7Bが引き出されている。換言すると、一方向である横方向Xに並ぶ調光領域20の第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、調光シート10の横方向Xと平行な一辺に対応する側端部10Bに設けられる。側端部10Bは第1側端部に対応し、複数の第4端部20Dにより構成される側端部は第2側端部に対応する。また、図1中下段の調光領域20には、他の調光領域20に隣接しない第4端部20Dに第1端子部6Aおよび第2端子部6Bが設けられる。換言すると、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、矩形状の調光シート10の一辺に対応する側端部10Dに設けられ、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bから配線7A,7Bが引き出されている。側端部10Dは、第1側端部に対応し、複数の第4端部20Dにより構成される側端部は第2側端部に対応する。
調光シート10は、調光領域20毎に光透過率を制御することが可能である。図1に示すように、全ての調光領域20に対し電圧を印加して、全ての調光領域20を透明状態にすることもできる。また、全ての調光領域20に電圧を印加せず、全ての調光領域20を光透過率が低下した不透明状態とすることも可能である。
また図2に示すように、複数の調光領域20のうち、選択的に調光領域20に電圧を印加して、一部の調光領域20を透明状態とし、残りの調光領域20を不透明状態としてもよい。これによれば、例えば、調光シート10のうちプライバシーの保護が求められる領域のみを不透明状態にすることができる。又は、調光シート10に不透明状態の部分および透明状態の部分を生じさせることによって、調光シート10に模様を浮かび上がらせることができる。なお、図1に示す、調光領域20は、調光シート10の側端部10A~10Dに接していれば、矩形状以外の形状を有していてもよい。調光領域20の一部が側端部10A~10Dに接することで、側端部10A~10Dに接した部分から配線7A,7Bを引き出すことができる。
図3~図5を参照して、調光シート10の断面構造について説明する。
図3は、図1におけるIII‐III線に沿った断面図である。なお、調光シート10の断面図にて示す各層の厚さの比は、説明のため便宜的に示すものであり、それらの図に示す厚さの比に限定されない。
図3が示すように、調光シート10は、第1面10Fおよび第2面10Rを有する。調光シート10は、調光層11、第1透明電極層12A、第2透明電極層12B、第1透明支持層13A、および、第2透明支持層13Bを有する。調光層11は、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとに挟まれている。第1透明支持層13Aは、支持面130で第1透明電極層12Aを支持している。第2透明支持層13Bは、支持面131で第2透明電極層12Bを支持している。第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの一辺は1m以上である。なお、調光層11は、単層構造でもよいし多層構造でもよい。多層構造の調光層11は、調光機能を有する機能層と、機能層と第1透明電極層12Aとの間、機能層と第2透明電極層12Bとの間の密着性を高める薄層とを備えていてもよい。第2面10Rは、図示しない粘着層等を介して、取付対象物2に貼り付けられる。
調光領域20は、第1接続領域15Aを含む。第1接続領域15Aは、調光層11、第2透明電極層12B、および第2透明支持層13Bが無く、第1透明電極層12Aが露出した領域である。第1接続領域15Aにおいて露出した第1透明電極層12Aに、第1端子部6Aが接続されている。すなわち、第1接続領域15Aへは、第1透明電極層12Aが延びており、第1接続領域15Aでは、第1透明電極層12Aに第1端子部6Aが接続されている。
調光領域20は、第2接続領域15Bを含む。第2接続領域15Bは、調光層11、第1透明電極層12A、および第1透明支持層13Aが無く、第2透明電極層12Bが露出した領域である。第2接続領域15Bにおいて露出した第2透明電極層12Bに、第2端子部6Bが接続されている。すなわち、第2接続領域15Bへは、第2透明電極層12Bが延びており、第2接続領域15Bでは、第2透明電極層12Bに第2端子部6Bが接続されている。
駆動装置5は、調光領域20に交流電圧を印加する。駆動装置5は、光透過率を変更するための駆動電圧信号を生成し、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bに印加する。これにより、駆動装置5は、調光領域20における第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間の電位差を制御する。第2透明電極層12Bは、例えば、グランド電位に制御される。
調光層11は、透明高分子層、液晶組成物および図示しないスペーサを含んでいる。透明高分子層は、光重合性化合物の硬化体である。光重合性化合物は、紫外線硬化性化合物でもよいし、電子線硬化性化合物でもよい。光重合性化合物は、液晶組成物と相溶性を有する。透明高分子層は調光層11内で空隙を区画する。液晶組成物は、液晶分子を含み、透明高分子層の空隙を埋める。空隙の大きさは2種類以上であり、空隙の形状は、球形状、楕円体状、あるいは不定形状である。空隙における寸法の制御性を高めることを要する場合、光重合性化合物は、紫外線硬化性化合物であることが好ましい。紫外線硬化性化合物の一例は、分子構造の末端に重合性不飽和結合を含む。あるいは、紫外線硬化性化合物は、分子構造の末端以外に重合性の不飽和結合を含む。光重合性化合物は、1種の重合性化合物、あるいは2種以上の重合性化合物の組み合わせである。紫外線硬化性化合物は、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、スチレン化合物、チオール化合物、および、各化合物のオリゴマーからなる群から選択される少なくとも一種である。アクリレート化合物は、ジアクリレート化合物、トリアクリレート化合物、テトラアクリレート化合物を含む。アクリレート化合物の一例は、ブチルエチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートである。メタクリレート化合物の一例は、ジメタクリレート化合物、トリメタクリレート化合物、テトラメタクリレート化合物である。メタクリレート化合物の一例は、N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートである。チオール化合物の一例は、1,3-プロパンジチオール、1,6-ヘキサンジチオールである。スチレン化合物の一例は、スチレン、メチルスチレンである。スペーサは、ジビニルベンゼン等を主材料とし、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの間で調光層11の厚さを規定する。
液晶組成物の保持型式は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、および、カプセル型のいずれか一つ又はそれらの組み合わせである。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明高分子層の一例である。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明高分子層のなかに保持する。なお、液晶組成物は、上述した液晶分子以外に、透明高分子層を形成するためのモノマー、および、二色性色素などを含んでもよい。調光層11の厚さは0.5μm以上460μm以下である。
第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの各々は、導電性を有し、可視領域の光に対して透明である。第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの材料は公知のものを用いることができる。第1透明電極層12A、第2透明電極層12Bを形成するための材料は、例えば、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)等である。第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの厚さは、それぞれ5nm以上100nmである。
第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bの各々は、可視領域の光に対して透明な基材である。第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bの材料は公知のものを用いることができる。第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bを形成するための材料の一例は、合成樹脂、または、無機化合物であってよい。合成樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン等である。ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等である。ポリアクリレートは、例えば、ポリメチルメタクリレート等である。無機化合物は、例えば、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等である。第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bの厚さは、それぞれ20μm以上200μm以下である。
第1端子部6A、および、第2端子部6Bの各々は、例えば、導電性接着層と、配線基板とを備える。導電性接着層は、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)、等方性導電フィルム(ICF:Isotropic Conductive Film)、等方性導電ペースト(ICP:Isotropic Conductive Paste)等から形成される。配線基板は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)である。あるいは、第1端子部6A、および、第2端子部6Bの各々は、導電性テープ等の導電性材料と配線7A,7Bとがはんだ付け等によって接合された構造を有していてもよい。
調光領域20において、調光層11は、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの間において生じる電圧の変化を受けて、液晶分子の配向を変える。液晶分子における配向の変化は、調光層11に入る可視光の散乱度合い、吸収度合い、および、透過度合いを変える。具体的には、調光領域20の第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bに電圧信号が印加されていないとき、液晶分子の長軸方向の向きは不規則である。そのため、調光層11に入射した光の散乱度合いは大きくなり、調光領域20は白濁して見える不透明状態となる。一方、電圧信号が印加され、第1透明電極層12Aと第2透明電極層12Bとの間に所定値以上の電位差が生じると、液晶分子が配向され、液晶分子の長軸方向が第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12B間の電界方向に沿った向きとなる。その結果、調光層11を光が透過しやすくなり、調光領域20は透明状態となる。
図4は、図1におけるIV-IV線に沿った断面図である。調光シート10の第1透明電極層12Aは、複数の第1電極要素30を有する。第2透明電極層12Bは、複数の第2電極要素40を有する。言い換えれば、第1電極要素30は、第1透明支持層13Aの支持面130に沿って並ぶ別々の層状体であり、第2電極要素40は、第2透明支持層13Bの支持面131に沿って並ぶ別々の層状体である。図1に示す調光シート10は、6つの第1電極要素30と、6つの第2電極要素40とを有する。第1電極要素30および第2電極要素40は同じ矩形状の形状を有し、同じ大きさを有する。
複数の第1電極要素30は、第1絶縁部31によって分離され、互いに電気的に絶縁されている。第1絶縁部31は、レーザー光を照射することにより形成された溝である。絶縁部31は、第1透明電極層12Aを絶縁できる深さを有していればよいが、第1透明電極層12Aを貫通していることが好ましい。換言すると、絶縁部31の深さは、第1透明電極層12Aの厚さD1と同じであることが好ましい。絶縁部31は、第1透明電極層12Aのうち第1透明支持層13Aに対向する面と、第1透明電極層12Aのうち調光層11に対向する面とで開口している。これらの開口は、第1透明支持層13Aおよび調光層11によって閉塞されている。
第1電極要素30と同様に、第2電極要素40も第2絶縁部41によって分離され、互いに絶縁されている。第2絶縁部41は、第1電極要素30を分離する絶縁部31と同じ方法によって形成され、同様な構造を有している。第2絶縁部41は、第2透明電極層12Bを絶縁できる深さを有していればよいが、第2透明電極層12Bを貫通していることが好ましい。換言すると、第2絶縁部41の深さは、第2透明電極層12Bの厚さD2と同じであることが好ましい。第1絶縁部31および第2絶縁部41は、第1面10F又は第2面10R側から見たとき、つまり平面視においてほぼ同じ位置に形成されている。つまり、第1絶縁部31および第2絶縁部41の位置は、高さ方向Yにおいては異なるが、横方向X、縦方向Zにおいては同じである。
第1絶縁部31および第2絶縁部41の幅Wの最大値(最大幅)は、1mm以下であることが好ましい。第1絶縁部31および第2絶縁部41の幅Wが1mm以下である場合には、第1絶縁部31および第2絶縁部41が目立ちにくい外観とすることができる。このため、観察者が調光シート10の第1面10F若しくは取付対象物2を介して第2面10Rを見た場合に、第1絶縁部31および第2絶縁部41を視認しにくい。第1絶縁部31および第2絶縁部41の幅Wは、複数の第1電極要素30、および複数の第2電極要素40をそれぞれ絶縁可能な大きさであることが必須であるが、可能な限り小さいことが好ましい。本実施形態では第1絶縁部31および第2絶縁部41を、レーザー光を照射して形成することで、その幅Wを10μm以下とすることができる。第1絶縁部31および第2絶縁部41を10μm以下とすることにより、例えば観察者が1m~数m程度離れた位置から調光シート10を見たときに第1絶縁部31および第2絶縁部41を視認できない程度に、第1絶縁部31および第2絶縁部41を目立ちにくくすることができる。
図5を参照して、調光シート10の製造方法の一例について説明する。
まず、第1透明電極層12Aおよび第1透明支持層13Aを備えたフィルム50Aおよび第2透明電極層12Bおよび第2透明支持層13Bを備えたフィルム50Bを準備する。また、光重合性化合物、液晶組成物、および重合開始剤を含む塗液を準備する。
ジビニルベンゼン等を主材料とするスペーサと、スペーサを分散させるための分散媒とを含む液状体を、フィルム50Aの第1透明電極層12A、およびフィルム50Bの第2透明電極層12Bの少なくとも一方に塗工する。さらに、スペーサを散布したフィルムを加熱し、分散媒を除去する。また、塗液は、可塑剤、硬化助剤を含んでいてもよい。
次に、フィルム50Aの第1透明電極層12Aとフィルム50Bの第2透明電極層12Bに、透明高分子材料および液晶組成物を含む調光材を塗工し、塗膜を形成する。この塗膜に光を照射し、塗膜の光重合性化合物を重合させることによって液晶化合物を光重合性化合物から相分離させる。光重合性化合物は透明樹脂層を形成する。こうして得られた1対のフィルムを積層し、所定の大きさの圧力をかけながら貼合する。なお、塗膜が形成されたフィルム50A,50Bを重ねた後に光を照射させて塗膜の光重合性化合物を重合させてもよい。このようにして、フィルム50A,50Bの間に調光層11を有する積層体50を得る。
次に、第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bを透過し、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bを透過しないレーザー光を積層体50に照射することにより、第1電極要素30および第2電極要素40を形成する。
レーザー照射装置51は、所定の照射条件に基づいて、フィルム50A,50Bを重ねた積層体50にレーザー光100を照射する。レーザー光100は、連続波、パルス波のいずれであってもよいが、第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bに与える影響を最小限とする観点からはパルス波であってもよい。レーザー光100の照射により第1絶縁部31および第2絶縁部41を異なる照射工程で形成してもよいし、第1絶縁部31および第2絶縁部41を同時に形成してもよい。第1絶縁部31および第2絶縁部41を異なる照射工程で形成する場合、レーザー照射装置51は、レーザー光100を積層体50の表面50Dから第1絶縁部31を形成する予定の分離予定線に沿って照射する。レーザー光100は、第1透明電極層12Aで集光され、絶縁部31を形成する。同様に、レーザー照射装置51は、積層体50の裏面50Eからレーザー光100を照射し、第2絶縁部41を形成する。又は、第1絶縁部31および第2絶縁部41は、例えば積層体50の表面50Dおよび裏面50Eのいずれか一方からレーザー光100を照射されることにより、同時に形成されてもよい。
第1絶縁部31の深さは、第1電極要素30を絶縁できれば第1透明電極層12Aの厚さD1よりも小さくてもよく、第2絶縁部41の深さは、第2電極要素40を絶縁できれば第2透明電極層12Bの厚さD2よりも小さくてもよい。又は、第1絶縁部31の深さおよび第2絶縁部41の深さは、第1透明電極層12Aの厚さD1および第2透明電極層12Bの厚さD2よりもそれぞれ大きくてもよい。つまり、第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bに与える影響が小さければ、第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bの一部に僅かに窪みが形成されてもよい。
次に、調光シート10の第2面10Rの隅部に切り込みを入れ、第2透明支持層13Bおよび第2透明電極層12Bを剥離する。さらに、調光層11を除去し、第1透明電極層12Aを露出させて接続領域15Aを形成する。同様にして、第1面10Fの隅部にも、接続領域15Bを形成する。そして、接続領域15A,15Bに第1端子部6Aおよび第2端子部6Bを形成して、それらに配線7A,7Bを接続する。さらに接続領域15A,15Bをエポキシ樹脂等により封止する。
[作用]
次に本実施形態の作用について説明する。
調光領域20の各々に接続された駆動装置5は、調光領域20に対し独立して電圧信号を印加して、調光領域20の光透過率を変更する。
まず調光領域20を独立して制御することについて説明する。駆動装置5には、ユーザが手動操作する操作部(図示略)が接続されている。ユーザは、操作部により、調光領域20の各々を、光透過率が高められた透明状態と光透過率が低下し白濁した不透明状態とする。又は駆動装置5は、記憶部に記憶された制御プログラムを実行して、制御プログラムによって規定されるタイミングで調光領域20の透明状態および不透明状態を切り替えるようにしてもよい。駆動装置5は、操作部が出力した信号に基づいて、調光領域20に対し駆動電圧を印加すること又は駆動電圧の印加を解除することによって、調光領域20を透明状態又は不透明状態とする。例えば、操作部の操作により、全ての調光領域20のうちユーザにより選択された1乃至複数の調光領域20に駆動電圧が印加されると、選択された調光領域20のみが透明状態となり、残りの調光領域20が不透明状態になる。
以上説明したように、第1実施形態によれば以下に列挙する効果を得ることができる。
(1‐1)調光シート10は複数の調光領域20を含む。駆動装置5は、調光領域20毎に電圧の印加を制御するため、調光領域20の光透過率を個別に制御できる。このため、調光領域20およびその調光領域20に対応する駆動装置5の組み合わせを増やすことによって、調光シート10を大面積化することができる。また、調光シート10は、連続する単一の層である第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bによって複数の第1電極要素30、および複数の第2電極要素40を支持する構成であるため、取付対象物2に複数の調光シート10を手作業で並べて配置する場合に比べて、隣接する調光シート10の隙間を小さくすることが可能となる。このため、の面積の拡大と美観の向上とを両立させることができる。
(1‐2)第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bのみが第1絶縁部31および第2絶縁部41によってそれぞれ絶縁されることによって調光領域20が構成される。つまり、第1透明支持層13A、第2透明支持層13B、および調光層11には絶縁部が形成されない。このため、調光シート10を大面積化しつつ、第1絶縁部31および第2絶縁部41が目立たない外観にすることができる。
(1‐3)第1絶縁部31および第2絶縁部41の幅Wは、1mm以下、より好ましくは10μm以下である。このため、調光シート10を第1絶縁部31および第2絶縁部41が目立たない外観とすることができる。
(1‐4)第1電極要素30および第2電極要素40はそれぞれ矩形の同じ形状を有する円形状等の調光領域20に比べ、隣接する調光領域20の間に生じる隙間を小さくしやすい。
(1‐5)第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bの一辺が1m以上である。このため、調光シートを大面積化することができる。
(1‐6)駆動装置5は、交流電圧を調光領域20に独立して印加するため、調光領域20との間で同期をとる場合に比べ、制御の複雑化を抑制することができる。
(1‐7)調光領域20の第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、他の調光領域20に隣接する隣接部を除く端部の一つに設けられるため、第1端子部6Aおよび第2端子部6Bに接続する配線7A,7Bが隣接する他の調光領域20と重ならず引き出しやすい。
(1‐8)横方向Xに並ぶ上段の複数の調光領域20の第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、調光シート10の側端部10Bに設けられる。また、横方向Xに並ぶ下段の複数の調光領域20の第1端子部6Aおよび第2端子部6Bは、調光シート10の側端部10Bに設けられる。このため、調光領域20に接続された配線7A,7Bを、複数の調光領域20でまとめて同じ方向に引き出すことが可能となる。
(第2実施形態)
図6を参照して、調光システムおよび調光シートの第2実施形態を説明する。
第1実施形態では、第1透明支持層13A、第2透明支持層13Bおよび調光層11を透過するレーザー光100を照射することにより、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bのみを分離した。第2実施形態では、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bに加え、調光層11および第1透明支持層13Aを分離する点で第1実施形態と異なる。なお、第1透明支持層13Aの替わりに第2透明支持層13Bを分離してもよい。以下、第1実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6は、調光シート10の一部の断面図であって、図1のIV-IV線の位置に相当する。第1透明電極層12Aは、第1電極要素30を分離する第1絶縁部31を有する。また、第2透明電極層12Bは、第2電極要素40を分離する第2絶縁部41を有する。
調光層11は、第1絶縁部31および第2絶縁部41に連続する溝部11Bを有する。溝部11Bは、調光層11を貫通しており、調光層11の厚さと同じ深さを有している。なお、溝部11Bの深さは、調光層11の厚さ方向の長さである。
第1透明支持層13Aは、第1透明電極層12Aの絶縁部31に連続する溝部132を有する。溝部132は第1透明支持層13Aを貫通している。言い換えると、溝部132の深さは、第1透明支持層13Aの厚さと同じである。溝部132は、第1透明支持層13Aの支持面130と支持面130に対して反対側となる面とで開口している。
第1透明支持層13Aの溝部132、第1透明電極層12Aの第1絶縁部31、調光層11の溝部11B、第2透明電極層12Bの第2絶縁部41は、調光シート10の厚さ方向に延びる溝部21を構成する。
第2絶縁部41は、調光層11を支持する面と、第2透明電極層12Bのうち調光層11を支持する面に対して反対側となる面で開口する。調光層11を支持する面に対して反対側となる面における開口は、第2透明支持層13Bで閉塞される。
第1絶縁部31は、調光層11を支持する面と、第1透明電極層12Aのうち調光層11を支持する面に対して反対側となる面で開口する。調光層11を支持する面に対して反対側となる面の開口は被覆層16で閉塞される。被覆層16は、第1透明支持層13Aの被保護面13Dに接している。保護層17は、被覆層16に対して第2透明支持層13Bとは反対側で被覆層16に接している。被覆層16は、溝部132の開口を閉塞することに加え、溝部21全体に亘って充填されている。被覆層16のうち第1透明支持層13Aに接する面と反対側の面に、保護層17が接している。
被覆層16は、可視光に対する透過性を有し、透明且つ絶縁性を有する樹脂からなる。被覆層16の材料には、公知の材料を用いることができる。被覆層16は、保護層17を第1透明支持層13Aに接合させるために、粘着性を有していてもよい。例えば、被覆層16は、光学用透明粘着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)である。被覆層16は、特定の波長の光が照射されることにより硬化する光重合性化合物であってもよい。被覆層16が、調光シート10の表層として必要な耐候性や強度などの特性を備える場合には、保護層17は省略してもよい。
保護層17は、可視光に対する透過性を有する透明な層である。保護層17の材料には、公知の材料を用いることができる。保護層17の材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース等の合成樹脂である。保護層17は、反射防止機能を有していてもよい。
溝部21が目立つことをより好適に抑えるためには、第1透明電極層12A、第1透明支持層13A、被覆層16、および、保護層17の屈折率が互いに近いことが好ましい。これらの屈折率差が小さいほど、溝部21の付近での光の反射や屈折が抑えられるため、溝部21が視認されにくくなる。
例えば、第1透明電極層12Aとして広く用いられる酸化インジウムスズの屈折率は、2.1~2.2程度であり、第1透明支持層13Aとして広く用いられるポリエチレンテレフタレートやアクリル系樹脂の屈折率は、1.4~1.5程度である。したがって、被覆層16を構成する粘着剤の屈折率は、1.4以上1.5以下であることが好ましく、保護層17の屈折率は1.4以上2.2以下、又は1.4以上1.6以下であることが好ましい。
次に、第2実施形態の調光シート10の製造方法について説明する。第1実施形態と同様に、積層体50を作成する。そして、この積層体50の表面50Dから切り込みを入れて溝部21を形成する。具体的には、カッティングプロッターにより積層体50に切り込みを入れる。カッティングプロッターで溝部21を形成する場合には、溝部21の幅Wは1mm以下である。また、第1透明支持層13A、第1透明電極層12A、調光層11および第2透明電極層12Bを透過しない波長のレーザー光100を用いて、溝部21を形成するようにしてもよい。レーザーカッターにより溝部21を形成する場合には、溝部21の幅を10μm以下とすることができる。
続いて、積層体50における第1透明支持層13A上に被覆層16を形成する材料が配置されることによって被覆層16が形成される。被覆層16の形成によって溝部21内は埋められる。さらに、被覆層16の上から保護層17が貼り付けられる。
以上説明したように、第2実施形態によれば上記(1‐3)~(1‐8)に記載の効果に加え、以下に列挙する効果を得ることができる。
(2‐1)連続する単一の層である第2透明支持層13Bに、第1電極要素30、および複数の第2電極要素40が支持されているため、複数の調光シートを並べて取り付ける場合に比べて隣接する調光シート10の隙間を小さくすることが可能となる。
(2‐2)第1絶縁部31および第2絶縁部41は、第1透明支持層13A、第1透明電極層12A、調光層11および第2透明電極層12Bを貫通する溝部21に含まれる。この構成の調光シート10は、第1透明支持層13Aのうち、第1透明電極層12Aを支持する支持面130に対して反対側の面から切り込みを入れることにより溝部21を形成することが可能となる。このため、レーザー光照射により、積層体50の内側の第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bのみを絶縁することが難しい場合にも、第1電極要素30および第2電極要素40を形成することができる。
(2‐3)調光シート10は、溝部21を埋める被覆層16をさらに備える。このため、溝部21に導電性物質が入り込んで隣り合う複数の第1電極要素30又は隣り合う複数の第2電極要素40が導通することが抑えられる。また、調光シート10の第1面10Fから見て溝部21が目立つことが抑えられる。
(第3実施形態)
図7を参照して、調光システムおよび調光シートの第3実施形態を説明する。
第1実施形態では、積層体50にレーザー光100を照射することにより、第1絶縁部31および第2絶縁部41を形成した。第3実施形態では、第1透明電極層12Aに第1絶縁部31を形成したフィルム50Aと、第2透明電極層12Bに第2絶縁部41を形成したフィルム50Bとを、調光層11を形成する塗膜を介して貼り合わせる点で第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態と同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7は、調光シート10の一部の断面図であって、図1のIV-IV線の位置に相当する。第1透明電極層12Aは、第1電極要素30を分離する第1絶縁部31を有する。また、第2透明電極層12Bは、第2電極要素40を分離する第2絶縁部41を有する。
第1透明支持層13Aは、溝部133を有する。溝部133の深さは、第1透明支持層13Aの厚さ方向の長さであって、第1透明支持層13Aの厚さよりも小さい。つまり、溝部133は、第1透明支持層13Aを貫通していない。
同様に、第2透明支持層13Bは、溝部134を有する。溝部134の深さは、第2透明支持層13Bの厚さ方向の長さであって、第2透明支持層13Bの厚さよりも小さい。つまり、溝部134は、第2透明支持層13Bを貫通していない。
第1絶縁部31および溝部133は、調光シート10の厚さ方向に並び、互いに連通している。第2絶縁部41および溝部134は、調光シート10の厚さ方向に並び、互いに連通している。第1絶縁部31および溝部133は溝部22を構成し、第2絶縁部41および溝部134は溝部23を構成する。
溝部22,23には、調光層11の一部が充填されている。第1透明支持層13Aを構成する材料の屈折率は空気の屈折率に比べ調光層11の屈折率に近い。このため、本実施形態のように溝部22,23に調光層11が充填されると、調光シート10の外側からみて溝部22,23が視認されにくくなる。
また、溝部22,23の幅は、調光層11に含まれるスペーサ18の直径よりも小さいことが好ましい。溝部22,23の幅がスペーサ18の直径よりも小さいと、スペーサ18が溝部22,23に入りにくい。
次に第3実施形態の調光シート10の製造方法の一例について説明する。
まず、第1実施形態の調光シート10の製造方法と同様に、第1透明電極層12A及び第1透明支持層13Aを備えたフィルム50A及び第2透明電極層12B及び第2透明支持層13Bを備えたフィルム50Bを準備する。そして、フィルム50Aに対し、第1透明電極層12Aの表面からカッティングプロッターを用いて切り込みを入れる。また、フィルム50Bに対し、第2透明電極層12Bの表面からカッティングプロッターを用いて切り込みを入れる。COレーザーなど、レーザー光を照射して切り込みを入れてもよい。
スペーサ18と、スペーサ18を分散させるための分散媒とを含む液状体を、それらのフィルム50A,50Bのうち第1透明電極層12A及び第2透明電極層12Bの面に塗布する。さらに、スペーサ18を散布したフィルムを加熱し、分散媒を除去する。このとき、いずれか一方のフィルムのみにスペーサ18を散布するようにしてもよい。
そして、フィルム50A,50Bに、透明高分子材料及び液晶組成物を含む調光材を塗布し塗膜を形成する。塗膜を形成した後、フィルム50A,50Bを、圧力を加えながら貼り合わせ、紫外線を照射して調光層11を形成してもよい。又は、積層する前のフィルム50A,50Bに紫外線を照射して光重合性化合物を重合させた後に、それらのフィルム50A,50Bを、圧力を加えながら貼り合わせてもよい。
第3実施形態によれば、第1実施形態の(1-1),(1‐3)~(1‐8)に記載の効果に加え、以下に列挙する効果を得ることができる。
(3‐1)第1絶縁部31は、第1透明電極層12Aを貫通し第1透明支持層13A内に延出する溝部22に含まれ、溝部22の深さは、第1透明電極層12Aの厚さおよび第1透明支持層13Aの厚さの和よりも小さい。第2絶縁部41は、第2透明電極層12Bを貫通し第2透明支持層13B内に延出する溝部23に含まれ、溝部23の深さは、第2透明電極層12Bの厚さおよび第2透明支持層13Bの厚さの和よりも小さい。つまり、第1溝部22は第1透明電極層12Aで開口するため、第1透明電極層12Aの表面から切り込みを入れることで第1溝部22を形成することが可能となる。また、第2透明電極層12Bを貫通する第2溝部23も、第2透明電極層12Bで開口するため、第2透明電極層12Bの表面から切り込みを入れることで第2溝部23を形成することが可能となる。
(3-2)溝部22,23には、調光層11の組成物の一部が充填されている。この構成によれば、溝部22,23に導電性物質が入り込んで隣り合う複数の第1電極要素30又は隣り合う複数の第2電極要素40が導通することが抑えられる。また、調光シート10の第1面10F又は第2面10Rから見て溝部22,23が目立つことが抑えられる。
(第4実施形態)
図8を参照して、調光シート10を、画像を投影するスクリーンとして機能させる一実施形態を説明する。なお、調光シート10は、第1実施形態~第3実施形態のいずれの調光シートでもよい。
第1実施形態では、調光シート10を間仕切りや窓ガラスに適用したが、第4実施形態では調光シート10を画像が投影されるスクリーンとして用いる。投影方式としては、調光シート10の第2面10Rから光を投射するリア投影型と、調光シート10の第1面10Fから光を投射する反射型がある。本実施形態では、リア投影型について説明する。
第1透明支持層13Aおよび第2透明支持層13Bは、第1実施形態に列挙した材料又はその他の材料であって、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。なお、調光シート10を、透明な基材に貼り付けてもよい。
画像表示システム52は、調光シート10、プロジェクター53、駆動装置54、および、制御部55を備えている。プロジェクター53は、調光シート10の第2面10Rに光Lを投射する。駆動装置54は調光シート10に交流電圧を印加する。制御部55は、プロジェクター53の駆動と、駆動装置54の駆動とを制御する。
調光シート10がノーマル型である場合、制御部55は、駆動装置54を介して調光シート10を不透明状態にした状態で、プロジェクター53に調光シート10の第2面10Rに光Lを投射させる。これにより、調光シート10の第1面10Fから散乱光が射出する。観察者OBは、調光シート10の第1面10Fから射出される散乱光を観察する。
画像表示システム52がリバース型の調光シート10を備える場合には、制御部55は、駆動装置54を制御して、調光シート10に電圧を印加することにより不透明状態にした状態で、プロジェクター53に調光シート10の第2面10Rに光Lを投射させる。
こうした画像表示システムを用いれば、調光シート10に画像を投影しないときには、調光シート10を透明な状態とし、画像を投影する場合には不透明状態とすることができる。反射型の画像表示システム52では、不透明状態の調光シート10の第1面10Fに対し、プロジェクター53に光Lを投射させる。
第4実施形態によれば、第1実施形態~第3実施形態に記載の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(4‐1)調光シート10を、不透明状態であるときに画像が投影されるスクリーンとして用いる。調光シート10は、複数の調光領域20を含み、隣接する調光領域20の隙間が小さいため、画像を表示する際に隙間を目立ち難くすることができる。
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。また、以下の各変形例は、組み合わせて実施してもよい。
・図9を参照して、調光領域20に印加される電圧信号の同期をとることについて説明する。駆動装置5は、交流電圧を調光領域20に印加し、1つの調光領域20に対する他の調光領域20の電圧極性を反転させる。複数の駆動装置5は、同期制御部としての制御装置8に接続されている。制御装置8は、複数の駆動装置5に共通する反転制御信号を各駆動装置5に出力する。反転制御信号は、電圧極性の反転タイミングを1つの調光領域20と他の調光領域20との間で同期させるための同期用の信号である。駆動装置5は、受信した反転制御信号に基づいて電圧極性を反転させる。これによれば、相互に隣接する調光領域20の境界付近において、1つの調光領域20の電圧が他の調光領域20に作用するような、調光領域20の間での干渉を抑制することができる。
・上記実施形態では、調光シート10をノーマル型のものとして説明したが、リバース型のものであってもよい。図10は、リバース型の調光シート10である。リバース型の調光シート10は、調光層11と第1透明電極層12Aとの間に第1配向層14Aを備え、調光層11と第2透明電極層12Bとの間に第2配向層14Bを備える点で、ノーマル型の調光シート10と相違する。
第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12Bへの駆動電圧の印加が解除されているとき、液晶化合物は、第1配向層14Aと第2配向層14Bとから配向規制力を受け、液晶化合物の長軸方向は積層方向に沿う。これにより、調光シート10は、可視光全域にわたり調光層11での散乱を抑えて透明状態となる。
駆動電圧が印加されはじめると、液晶化合物は、電界による配向規制力を受ける。液晶化合物の長軸方向は、電界方向と直交する方向に向けて移動しはじめる。この際、液晶化合物の長軸方向は、液晶組成物での分子間の相互作用と空隙の大きさとによる制約を受け、十分に移動しきれず、無秩序になる。これにより、調光シート10は、可視光全域にわたり調光層11での散乱を生じ、不透明状態となる。
・調光領域20の光透過率が、透明と不透明との間に対応する光透過率に制御されてもよい。液晶組成物を含む調光層11を備える調光シート10においては、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12B間の電位差が所定の範囲内である場合に、電位差の変化に伴って調光シート10の光透過率が徐々に変化する。そのため、第1領域あるいは第2領域において、第1透明電極層12Aおよび第2透明電極層12B間の電位差を、当該領域が透明となる電位差と当該領域が不透明となる電位差との間の値に制御することによって、当該領域を透明と不透明との間の光透過率を有する半透明に制御することができる。
10…調光シート
12A…第1透明電極層
12B…第2透明電極層
13A…第1透明支持層
13B…第2透明支持層
30…第1電極要素
31…第1絶縁部
40…第2電極要素
41…第2絶縁部

Claims (16)

  1. 第1透明電極層と、
    第2透明電極層と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、
    前記第1透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第1透明支持層と、
    前記第2透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第2透明支持層と、を備える調光シートと、
    前記調光シートに電圧を印加する駆動装置と、を備え、
    前記第1透明電極層は、電気的に絶縁された第1絶縁部によって分離された複数の第1電極要素を含み、
    前記第2透明電極層は、電気的に絶縁された第2絶縁部によって分離され、且つ前記第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、
    前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の少なくとも一方は連続する単一の層であって、
    前記第1電極要素および前記第2電極要素の各々には、前記駆動装置に接続される端子部が設けられ、
    前記端子部に接続された前記駆動装置は、前記第1電極要素、前記第1電極要素に向かい合う前記第2電極要素の組み合わせである調光領域毎に1つずつ設けられ、前記第1電極要素および前記第2電極要素に電圧を印加する
    調光システム。
  2. 前記第1絶縁部によって分離される複数の前記第1電極要素は、連続する単一の前記調光層と連続する単一の前記第1透明支持層との間に位置し、
    前記第2絶縁部によって分離される複数の前記第2電極要素は、連続する単一の前記調光層と連続する単一の前記第2透明支持層との間に位置する
    請求項1に記載の調光システム。
  3. 前記第1絶縁部および前記第2絶縁部は、前記第1透明支持層、前記第1透明電極層、前記調光層および前記第2透明電極層を貫通する溝部に含まれる
    請求項1に記載の調光システム。
  4. 前記溝部を埋める被覆層をさらに備える
    請求項3に記載の調光システム。
  5. 前記第1絶縁部は、前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する溝部に含まれ、当該溝部の深さは、前記第1透明電極層の厚さおよび前記第1透明支持層の厚さの和よりも小さく、
    前記第2絶縁部は、前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する溝部に含まれ、当該溝部の深さは、前記第2透明電極層の厚さおよび前記第2透明支持層の厚さの和よりも小さい
    請求項1に記載の調光システム。
  6. 前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する前記溝部、および前記第1透明電極層を貫通し前記第1透明支持層内に延出する溝部には、前記調光層の組成物の一部が充填されている
    請求項5に記載の調光システム。
  7. 前記第1絶縁部および前記第2絶縁部の最大幅は、1mm以下である
    請求項1~6のいずれか1項に記載の調光システム。
  8. 前記第1絶縁部および前記第2絶縁部の最大幅は、10μm以下である
    請求項1~7のいずれか1項に記載の調光システム。
  9. 複数の前記第1電極要素および前記第2電極要素はそれぞれ矩形の同じ形状を有する
    請求項1~8のいずれか1項に記載の調光システム。
  10. 前記第1透明電極層および前記第2透明電極層の一辺が1m以上である
    請求項1~9のいずれか1項に記載の調光システム。
  11. 前記駆動装置は、対応する前記調光領域に対しそれぞれ独立して交流電圧を印加する
    請求項1~10のいずれか1項に記載の調光システム。
  12. 複数の前記駆動装置は、交流電圧を印加し、
    前記調光領域毎に印加される交流電圧の同期をとる同期制御部をさらに備える
    請求項1~6のいずれか1項に記載の調光システム。
  13. 前記第1電極要素に設けられる前記端子部は、前記第1電極要素のうち他の前記第1電極要素に隣接する隣接部を除く端部の一つに設けられ、
    前記第2電極要素に設けられる前記端子部は、前記第2電極要素のうち他の前記第2電極要素に隣接する隣接部を除く端部の一つに設けられる
    請求項1~10のいずれか1項に記載の調光システム。
  14. 前記調光領域は矩形状の形状を有し、
    一方向に沿って並ぶ複数の前記調光領域に設けられた前記端子部は、前記調光領域の前記一方向と平行な第1側端部および第2側端部のうち、前記第1側端部に設けられる
    請求項1~11のいずれか1項に記載の調光システム。
  15. 第1透明電極層と、
    第2透明電極層と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、
    前記第1透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第1透明支持層と、
    前記第2透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第2透明支持層と、を備え、
    前記第1透明電極層は、電気的に絶縁された第1絶縁部によって分離された複数の第1電極要素を含み、
    前記第2透明電極層は、電気的に絶縁された第2絶縁部によって分離され、且つ前記第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、
    前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の少なくとも一方は連続する単一の層であって、
    前記第1電極要素および前記第2電極要素の各々には、駆動装置に接続される端子部が設けられ、
    前記端子部には、前記第1電極要素、前記第1電極要素に向かい合う前記第2電極要素の組み合わせである調光領域毎に1つずつ設けられた前記駆動装置が接続される
    調光シート。
  16. 第1透明電極層と、
    第2透明電極層と、
    前記第1透明電極層と前記第2透明電極層との間に位置する調光層と、
    前記第1透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第1透明支持層と、
    前記第2透明電極層に対して前記調光層とは反対側に位置する第2透明支持層と、を備え、
    前記第1透明電極層は、電気的に絶縁された第1絶縁部によって分離された複数の第1電極要素を含み、
    前記第2透明電極層は、電気的に絶縁された第2絶縁部によって分離され、且つ前記第1電極要素と同数の第2電極要素を含み、
    前記第1透明支持層および前記第2透明支持層の少なくとも一方は連続する単一の層であって、
    前記第1電極要素および前記第2電極要素の各々には、駆動装置に接続される端子部が設けられ、
    前記端子部には、前記第1電極要素、前記第1電極要素に向かい合う前記第2電極要素の組み合わせである調光領域毎に1つずつ設けられた前記駆動装置が接続され、
    前記駆動装置によって前記調光領域が不透明状態とされるときに、画像が投影される
    スクリーン。
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