JP2023016065A - アンモニア燃料供給ユニット、発電プラント、及びボイラの運転方法 - Google Patents

アンモニア燃料供給ユニット、発電プラント、及びボイラの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制したアンモニア燃料供給ユニット、発電プラント、及びボイラの運転方法を提供する。【解決手段】ボイラ10にアンモニア燃料を供給するためのアンモニア燃料供給ユニット60は、第1気化器81と第2気化器82とを備える。第1気化器81は、液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源を用いて燃料としての液体アンモニアを気化処理するように構成される。第2気化器82は、第1気化器81とボイラ10との間に設けられ、ボイラ10の排熱を用いて生成された熱空気を直接または間接的な熱源として、第1気化器81での気化処理において残存した液体アンモニアを気化処理するように構成される。【選択図】図3A

Description

本開示は、アンモニア燃料供給ユニット、発電プラント、及びボイラの運転方法に関する。
従来、ボイラにアンモニア燃料を供給する発電プラントが知られている。例えば、特許文献1で開示される発電プラントは、液体アンモニアを気化処理してアンモニアガスを生成する気化器を備える。気化器によって生成されたアンモニアガスは、ボイラに燃料として供給される。気化器は、排熱回収ボイラから送られる温水を熱源とする。液体アンモニアとの熱交換を終えた温水は、循環流路を経由して排熱回収ボイラに戻る。
特許第6245404号公報
上記特許文献では、液体アンモニアを気化処理する熱源として、排熱回収ボイラと気化器との間で循環する温水が利用されるので、発電プラントのタービン及び復水器などによって構成される熱サイクルの効率に影響を与えるおそれがある。また、上記特許文献では、温水を間接的な熱源とした気化処理が1回実行されるだけであり、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保できないおそれがある。
本開示の目的は、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制したアンモニア燃料供給ユニット、発電プラント、及びボイラの運転方法を提供することである。
本開示の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニットは、
ボイラにアンモニア燃料を供給するためのアンモニア燃料供給ユニットであって、
燃料としての液体アンモニアを、当該液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源により気化処理するための第1気化器と、
前記第1気化器と前記ボイラとの間に設けられ、前記ボイラの排熱を用いて生成された熱空気を直接または間接的な熱源として、前記第1気化器での気化処理において残存した前記液体アンモニアを気化処理するための第2気化器と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係る発電プラントは、
前記アンモニア燃料供給ユニットと、
前記アンモニア燃料供給ユニットから供給される燃料の燃焼により生じる燃焼ガスを熱源として蒸気を生成する前記ボイラと、
前記ボイラからの前記蒸気を駆動源として回転するためのタービンと、
前記タービンの回転により発電するための発電機と、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラの運転方法は、
アンモニア燃料が供給されるボイラの運転方法であって、
燃料としての液体アンモニアを、当該液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源により気化処理するための第1気化処理工程と、
ボイラの排熱を用いて生成された熱空気を直接又は間接的な熱源として、前記第1気化処理工程において残存した前記液体アンモニアを気化処理するための第2気化処理工程と、
を備える。
本開示によれば、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制したアンモニア燃料供給ユニット、発電プラント、及びボイラの運転方法を提供できる。
本開示の一実施形態に係るボイラを表す概略図である。 本開示の一実施形態に係る発電プラントの概略図である。 本開示の一実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニットを示す概略図である。 本開示の一実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニットを示す概略図である。 本開示の一実施形態に係るボイラの運転方法を示すフローチャートである。
以下、本開示に係る好適な実施形態を図面を参照して説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
また、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
<ボイラ10及び発電プラント1の概要>
図1は、本開示の一実施形態に係るボイラを表す概略図である。
本開示の一実施形態に係るボイラ10は、石炭(炭素含有固体燃料)を粉砕した微粉炭を微粉燃料として用い、この微粉燃料をバーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能な石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。本実施形態のボイラ10は、微粉燃料の他に、液体アンモニアを気化処理することで生成されるアンモニアガスをバーナにより燃焼させる。従って、本実施形態のボイラ10では、微粉炭とアンモニアガスとの混焼が行われる。
以下の説明では、液体アンモニア及びアンモニアガスを総称する場合または区別しない場合には、アンモニア燃料と称すことがある。なお、液体アンモニアは、純物質としての液相のアンモニアであってもよいし、液相のアンモニアに水が微小比率で混合された混合液であってもよい。
本実施形態において、図1に示すように、ボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と燃焼ガス通路13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁101は、複数の伝熱管とこれらを接続するフィンとで構成され、微粉燃料またはアンモニアガスの少なくとも一方の燃焼により発生した熱を伝熱管の内部を流通する水や蒸気と熱交換して、火炉壁101の温度上昇を抑制している。
燃焼装置12は、火炉11を構成する火炉壁101の下部側に設けられている。本実施形態では、燃焼装置12は、火炉壁101に装着された複数のバーナ(例えば21,22,23,24,25)を有している。例えばバーナ21,22,23,24,25は、火炉11の周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って複数段(例えば、図1では5段)配置されている。但し、火炉の形状や一つの段におけるバーナの数、段数、配置などはこの実施形態に限定されるものではない。
バーナ21,22,23には、ボイラ10にアンモニア燃料を供給するためのアンモニア燃料供給ユニット60がアンモニアガス供給管69を介して連結されている。アンモニア燃料供給ユニット60は、海水と、ボイラ10の排熱を用いて生成された熱空気とを用いて、燃料としての液体アンモニアを気化処理するように構成される。本実施形態では、気化処理により生成されたアンモニアガスがバーナ21,22,23に供給される。なお、熱空気は液体アンモニアを気化処理するための直接的な熱源になってもよいし、間接的な熱源となってもよい。アンモニア燃料供給ユニット60の詳細は後述する。
バーナ24,25は、微粉炭供給管29,33を介して複数の粉砕機(ミル)34,35に連結されている(以下、粉砕機34,35を総称して、粉砕機3という場合がある)。この粉砕機3では、例えば、ハウジング内に粉砕テーブル(図示省略)が駆動回転可能に支持され、この粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラ(図示省略)が粉砕テーブルの回転に連動回転可能に支持されて構成されている。石炭が、複数の粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に投入されると、粉砕され、搬送用ガス(1次空気、酸化性ガス)により粉砕機3のハウジング内の分級機(図示省略)に搬送されて、所定の粒径範囲内に分級された微粉燃料を、微粉炭供給管29,33からバーナ24,25に供給することができる。なお、搬送用ガスは微粉燃料を乾燥させる役割も併せて担う。
上述の搬送用ガスは、外気を取り込む1次空気通風機31(PAF:Primary Air Fan)から空気管30を介して粉砕機3に送出される。空気管30は、1次空気通風機31から送出された空気のうちエアヒータ42で加熱された熱空気が流れる熱空気誘導管30Aと、1次空気通風機31から送出された空気のうちエアヒータ42を経由しない常温に近い冷空気が流れる冷空気誘導管30Bと、熱空気と冷空気が合流して流れるための搬送用ガス流路30Cとを備える。熱空気誘導管30Aと冷空気誘導管30Bにはそれぞれ、熱空気ダンパ30Dと冷空気ダンパ30Eが設けられる。これらダンパの各々の開度が、微粉炭燃料の供給条件に応じて調整されることで、搬送用ガス流路30Cを流れる搬送用ガスの流量及び温度が調整される。なお、本実施形態では、搬送用ガス流路30Cを流れる搬送用ガスには、熱空気誘導管30Aからの熱空気が含まれる。つまり、熱空気誘導管30Aと搬送用ガス流路30Cは、燃料としての石炭を粉砕する粉砕機3にエアヒータ42で加熱された熱空気を導くように構成される。以下の説明では、熱空気誘導管30Aと搬送用ガス流路30Cを総称する場合に粉砕機用熱空気管39という場合がある。
エアヒータ42と粉砕機3とに接続される粉砕機用熱空気管39は、アンモニア燃料供給ユニット60の構成要素である熱空気管62と接続する部分である分岐部63を含む。分岐部63と粉砕機3との間における粉砕機用熱空気管39には粉砕機用調整ダンパ49が設けられ、熱空気管62には熱源調整ダンパ68が設けられる。粉砕機用調整ダンパ49は粉砕機3に供給される搬送用ガスの流量(即ち熱空気の流量)を調整するように構成され、熱源調整ダンパ68はアンモニア燃料供給ユニット60に供給される熱空気の流量を調整するように構成される。本実施形態の粉砕機用調整ダンパ49と熱源調整ダンパ68はいずれも、開度を調整できるダンパである。詳細は後述するが、アンモニア混焼率などボイラ10の燃焼条件に応じて粉砕機用調整ダンパ49と熱源調整ダンパ68の各々の開度が調整されることにより、粉砕機3に供給する必要のない余剰分の熱空気がアンモニア燃料供給ユニット60に供給される。これにより、アンモニア燃料供給ユニット60が液体アンモニアを気化処理するための熱源が確保される。なお、図1で例示される実施形態では、熱空気管62が搬送用ガス流路30Cに接続されるが、他の実施形態では、熱空気管62が熱空気誘導管30Aに接続されてもよいし、エアヒータ42の出口に接続されてもよい。
また、火炉11は、バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト(風道)37の一端部が連結されている。空気ダクト37は、他端部に押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)38が設けられている。
燃焼ガス通路13は、図1に示すように、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。燃焼ガス通路13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器102,103,104、再熱器105,106、節炭器107が設けられており、火炉11で発生した燃焼ガスと各熱交換器の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
燃焼ガス通路13は、図1に示すように、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出される煙道14が連結されている。煙道14には、空気ダクト37と空気管30の各々を流れる空気を加熱するためのエアヒータ42が設けられる。エアヒータ42において、空気ダクト37を流れる外気と、煙道14を流れる燃焼ガスとの間で熱交換が行われ、バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。また、エアヒータ42において、熱空気誘導管30Aに向けて流れる外気と、煙道14を流れる燃焼ガスとの間で熱交換が行われ、外気は熱空気に変化することができる。従って、エアヒータ42はボイラ10の排熱を用いて外気を加熱するように構成されていると了解される。
また、煙道14は、エアヒータ42より上流側の位置に脱硝装置43が設けられている。脱硝装置43は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道14内に供給し、還元剤が供給された燃焼ガス中の窒素酸化物と還元剤との反応を、脱硝装置43内に設置された脱硝触媒の触媒作用により促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。煙道14に連結されるガスダクト41は、エアヒータ42より下流側の位置に、電気集塵機などの集塵装置44、誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)45、脱硫装置46などが設けられ、下流端部に煙突50が設けられている。
一方、複数の粉砕機34,35(3)が駆動すると、生成された微粉燃料が搬送用ガス(1次空気、酸化性ガス)と共に微粉炭供給管29,33を通してバーナ24,25に供給される。また、煙道14から排出された排ガスとエアヒータ42で熱交換することで、加熱された燃焼用空気(2次空気、酸化性ガス)が、空気ダクト37から風箱36を介してバーナ21,22,23,24,25に供給される。バーナ24,25は、微粉燃料と搬送用ガスとが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに微粉燃料混合気が着火することで火炎を形成することができる。火炉11内の下部で火炎が生じ、高温の燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、燃焼ガス通路13に排出される。微粉燃料混合気の吹込み開始と同時に(あるいは微粉燃料混合気の着火後)、バーナ21,22,23がアンモニアガスを火炉11に吹き込むことで、アンモニアガスの燃焼が起こり、微粉炭とアンモニアの混焼が行われる。なお、酸化性ガスとして、本実施形態では空気を用いる。空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、燃料流量との適正化を図ることで使用可能になる。
その後、燃焼ガスは、図1に示すように、燃焼ガス通路13に配置される第2過熱器103、第3過熱器104、第1過熱器102、(以下単に過熱器と記載する場合もある)、第2再熱器106、第1再熱器105(以下単に再熱器と記載する場合もある)、節炭器107で熱交換した後、脱硝装置43により窒素酸化物が還元除去され、集塵装置44で粒子状物質が除去され、脱硫装置46にて硫黄酸化物が除去された後、煙突50から大気中に排出される。なお、各熱交換器は燃焼ガス流れに対して、必ずしも前記記載順に配置されなくともよい。
なお、図1では燃焼ガス通路13内の各熱交換器(過熱器102,103,104、再熱器105,106、節炭器107)の位置を正確に示しているものではなく、各熱交換器の燃焼ガス流れに対する配置順も図1の記載に限定されるものではない。
図2は、本開示の一実施形態に係る発電プラントの概略図である。本実施形態の発電プラント1は、一例として上述の各熱交換器を含むボイラ10と、ボイラ10からの蒸気を動力源として回転するためのタービン110と、タービン110の回転により発電するための発電機115と、タービン110から排出される蒸気を復水処理するための復水器114と、復水器114によって復水処理された凝縮水をボイラ10に送るためのボイラ給水ポンプ123と、アンモニア燃料供給ユニット60とを備える。ボイラ10、タービン110、復水器114、及びボイラ給水ポンプ123は、規定の熱サイクル(例えばランキンサイクル)を形成する。この熱サイクルでタービン110から取り出された仕事によって、発電機115は電力を生成する。この熱サイクルにおける循環熱媒体は、三重点以上の圧力と温度で循環する水である。
一実施形態では、アンモニア燃料供給ユニット60を除く発電プラント1の上述の構成要素はいずれも既存の設備であり、アンモニア燃料供給ユニット60はこれら既存の設備に対して追設される。
本実施形態のタービン110は、例えば、高圧タービン111と中圧タービン112と低圧タービン113とから構成され、燃焼ガス通路13(図1参照)を流れる燃焼ガスから熱回収する再熱器105,106を介して、高圧タービン111と中圧タービン112は互いに接続される。低圧タービン113には、復水器114が連結されている。復水器114は、冷却水が内部を流れるように構成された伝熱管117を収容する。冷却水は、例えば、海水、淡水、又は汽水などである。低圧タービン113を回転駆動した蒸気は、復水器114に流入して冷却水により冷却されて凝縮水となる。
復水器114は、給水ラインL1を介して節炭器107に連結されている。給水ラインL1には、例えば、復水ポンプ(CP)121、低圧給水ヒータ122、ボイラ給水ポンプ(BFP)123、高圧給水ヒータ124が設けられている。低圧給水ヒータ122と高圧給水ヒータ124には、タービン111,112,113(110)を駆動する蒸気の一部が抽気されて、抽気ライン(図示省略)を介して高圧給水ヒータ124と低圧給水ヒータ122に熱源として供給され、節炭器107へ供給される給水が加熱される。
ボイラ10で用いられる燃料としては、バイオマス燃料や石油精製時に発生するPC(石油コークス:Petroleum Coke)燃料、石油残渣などの固体燃料であってもよい。また、燃料として固体燃料に限らず、重油、軽油、重質油などの石油類や工場廃液などの液体燃料も使用することができ、更には、燃料として気体燃料(天然ガス、副生ガスなど)も使用することができる。さらに、これら燃料を組み合わせて使用する混焼焚きボイラにも適用することができる。
<一実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニット60の詳細の例示>
図3Aは、本開示の一実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニット60A(60)を示す概略図である。アンモニア燃料供給ユニット60Aは、上述した熱空気を直接的な熱源として液体アンモニアを気化処理するように構成される。なお、図3Aでは、図1で概念的に例示した熱空気ダンパ30D、冷空気誘導管30B、及び、冷空気ダンパ30Eの図示を省略する(図3Bも同様である)。
アンモニア燃料供給ユニット60Aは、海水を用いて燃料としての液体アンモニアを気化処理するための第1気化器81と、第1気化器81及びボイラ10との間に設けられた第2気化器82A(82)とを備える。海水は、液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源の一例である。該熱源は、ボイラ10を構成要素として含む熱サイクルの系外にある。本実施形態のアンモニア燃料供給ユニット60は、さらに、第1気化器81の上流側に設けられたアンモニアタンク71を備える。アンモニアタンク71に貯留される液体アンモニアは、アンモニア供給ポンプ75の駆動により第1気化器81に供給される。このときの供給圧は圧力調整弁109によって調整される。
本実施形態の第1気化器81は、上下に延在する複数の第1伝熱管(図示省略)を収容した第1容器91を含む。第1伝熱管の内部には、第1気化器81に流入した液体アンモニアが流れる。また、第1容器91には、図示外の海水ポンプによって海水が供給される。第1容器91に流入した海水は、第1伝熱管の内部を流れる液体アンモニアと熱交換する。これにより、液体アンモニアは気化処理されてアンモニアガスが生成される。但し、海水の温度は液体アンモニアの沸点を上回るものの、液体アンモニアの露点温度を下回る場合が、液体アンモニアに水分が混合した場合にはあるため、第1気化器81の気化処理では液体アンモニアが残存する。第1気化器81から排出されるアンモニア燃料(アンモニアガスと液体アンモニア)は、連結管89を経由して第2気化器82Aに供給される。なお、第1気化器81で残存する液体アンモニアには、第1伝熱管を流れる過程で気化しなかった液体アンモニアと、第1伝熱管を流れる過程で気化したのちに再凝縮した液体アンモニアとが含まれる。
なお、第1気化器81の熱源は液体アンモニアの沸点以上の温度であれば海水以外でもよく、例えば水(工業用水)や蒸気でもよい。こららも、ボイラ10を構成要素として含む熱サイクルの系外にある熱源であることが好ましい。
第2気化器82Aは、ボイラ10の排熱を用いて生成された熱空気を直接的な熱源として、第1気化器81の気化処理で残存した液体アンモニアを気化処理するように構成される。本実施形態の第2気化器82Aは、アンモニア燃料が流れるための第2伝熱管(図示省略)を収容した第2容器92を含む。第2気化器82Aには、アンモニア燃料供給ユニット60の構成要素である熱空気管62A(62)が接続されている。熱空気管62Aによって第2気化器82の内部に導かれた熱空気は、第2伝熱管を流れるアンモニア燃料と熱交換する。熱空気の温度は、液体アンモニアの蒸発温度及び露点温度よりも十分に高い。従って、第2気化器82Aに流入するアンモニア燃料のうちで、第1気化器81で残存していた液体アンモニアが気化処理されると共に、流入時に既に気化している残りのアンモニアガスは昇温する。本実施形態の第2気化器82Aをから排出されるアンモニアガスは、一定の過熱度を有する状態で、アンモニアガス供給管69を経由してボイラ10に供給される。なお、第2気化器82Aの第2容器92は、熱空気の流れを促進するためのファン(図示省略)を収容してもよい。これにより、熱空気とアンモニア燃料との熱交換は促進される。
他の実施形態では、アンモニア燃料供給ユニット60Aは、アンモニアタンク71、アンモニア供給ポンプ75、及び圧力調整弁109を備えなくてもよい。例えば、アンモニアタンク71に代えて、液体アンモニアを貯留する大型タンクローリまたは船舶などから液体アンモニアが第1気化器81に供給されてもよい。また、第2気化器82から排出されるアンモニアガスにアンモニアミストなどの液体アンモニアが混入されてもよい。
上記構成によれば、液体アンモニアを気化処理するために複数の熱源である海水(又は液体アンモニアの沸点以上の温度のその他熱源)と熱空気が利用されるので、液体アンモニアを気化処理するための熱量が確保され易い。また、熱源としての海水と熱空気は、ボイラ10、タービン110、復水器114、及びボイラ給水ポンプ123などによって構成される規定の熱サイクルの系外にあるので、熱サイクルの熱効率に与える影響が抑制される。以上より、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制したアンモニア燃料供給ユニット60Aが実現する。
また、熱空気管62Aが第2気化器82Aに接続されることで、第2気化器82Aは、熱空気を直接的な熱源として液体アンモニアを気化処理する。熱空気に含まれる熱が第2気化器82Aにおいて直接的に液体アンモニアに伝わるので、液体アンモニアを気化処理するための熱量がさらに確保され易い。
本実施形態のアンモニアタンク71は、液相のアンモニアに水が規定比率で混合された液体アンモニアを貯留する。水は液相のアンモニアに対して例えば数mol%の比率で混合される。上記構成によれば、液体アンモニアが水を含むことで、アンモニアタンク71を構成する鋼材などの応力腐食割れを抑制できる。これにより、アンモニアタンク71から液体アンモニアが漏出することを抑制できる。また、水を含む液体アンモニアの露点温度は、例えば純物質としての液相のアンモニアに比べて高くなる傾向にあるが、第1気化器81と第2気化器82Aとによる十分な気化処理によって、第2気化器82Aから排出されるアンモニア燃料にアンモニアミストが含まれることを抑制できる。これにより、アンモニア混焼時におけるボイラ10での失火を抑制できる。
アンモニア燃料供給ユニット60Aは、エアヒータ42からの熱空気を第2気化器82Aに導く熱空気管62Aと、熱空気管62Aに設けられる熱源調整ダンパ68とを備える。熱源調整ダンパ68は、熱空気管62Aを流れる熱空気の流量(即ち、図3Aで例示される実施形態では第2気化器82Aの直接的な熱源)を調整するように構成される。熱空気量の調整は、熱源調整ダンパ68の開度の調整により実行される。この熱源調整ダンパ68の開度は、第2気化器82Aに供給されるアンモニア燃料の供給量に応じて変更されればよい。これにより、アンモニア燃料の気化処理を実行するために第2気化器82Aが必要とする熱源が確保される。なお、第2気化器82Aに供給されるアンモニア燃料の供給量はアンモニア混焼率と相関する。
他の実施形態では、供給されるアンモニア燃料の流量に加えて(あるいは供給されるアンモニア燃料の流量に代えて)、第2気化器82での圧力に応じて、熱源調整ダンパ68の開度が調整されてもよい。第2気化器82Aでの圧力に応じて、液体アンモニアの蒸発温度などは定まり、液体アンモニアの気化処理に必要な熱量が定まる。この第2気化器82Aでの圧力は、第2気化器82Aの入口または出口に設けられた圧力計(図示省略)によって特定されてもよいし、アンモニアタンク71の内部圧力と圧力調整弁109の開度とによって特定されてもよい。また、熱源調整ダンパ68の開度調整は後述のコントローラ90が実行してもよいし、作業者によって行われてもよい。
上記構成によれば、熱源調整ダンパ68の開度が調整されることで、供給されるアンモニア燃料の流量に応じた熱空気を第2気化器82Aは熱源として利用できる。また、熱空気管62Aはエアヒータ42からの熱空気を導くので、ボイラ10及びエアヒータ42を含む設備が例え既設であっても、この既設の設備に追設作業を行うことによって、第2気化器82Aが熱空気を熱源として利用するための構成を実現できる。
また、第2気化器82Aは、第1気化器81から排出されるアンモニア燃料を露点温度以上に加熱してアンモニアガスを生成するように構成される。具体的な一例として、粉砕機用熱空気管39に設けられた粉砕機用調整ダンパ49と、熱空気管62Aに設けられた熱源調整ダンパ68との各々の開度が調整されることで、熱空気管62Aを流れる熱空気の流量が調整され、第2気化器82Aが利用できる熱源を調整できる。このとき、図1で示される熱空気ダンパ30Dと冷空気ダンパ30Eの各々の開度があわせて調整され、熱空気の温度が制御されてもよい。
また、第2気化器82Aにおける圧力に応じて、粉砕機用調整ダンパ49と熱源調整ダンパ68の各々の開度が調整されてもよい(圧力の特定方法は上述した通りである)。さらに、粉砕機用調整ダンパ49と熱源調整ダンパ68の各々の開度調整は後述のコントローラ90が実行してもよいし、作業者によって行われてもよい。
上記構成によれば、第2気化器82Aから排出されるアンモニアガスにアンモニアミストが混入することを抑制できる。従って、ボイラ10での失火を抑制できる。
アンモニア燃料供給ユニット60は、第2気化器82Aに供給されるアンモニア燃料の流量に応じて、熱源調整ダンパ68の開度を制御するように構成されたコントローラ90を備える。第2気化器82に供給されるアンモニア燃料の流量はアンモニア混焼率に基づいて取得されてもよい。
コントローラ90は、各種演算処理を実行するプロセッサと、プロセッサによって処理される各種データを非一時的または一時的に記憶するメモリとを備える。プロセッサは、CPU、GPU、MPU、DSP、これら以外の各種演算装置、又はこれらの組み合わせなどによって実現される。メモリは、ROM、RAM、フラシュメモリ、またはこれらの組み合わせなどによって実現される。
本実施形態のコントローラ90は、アンモニア燃料供給ユニット60のみならず発電プラント1を制御するように構成されており、ボイラ10におけるアンモニア混焼率を示す指令を取得する。このアンモニア混焼率に基づき、ボイラ10へのアンモニア燃料の供給量をコントローラ90は特定する。特定したアンモニア燃料の供給量は、第2気化器82Aに供給すべきアンモニア燃料の流量とみなすことができる。このアンモニア燃料の流量に基づき、コントローラ90は、熱源調整ダンパ68の開度を調整する。
上記構成によれば、アンモニア燃料の供給量に応じて、第2気化器82Aの熱源として利用される熱空気の流量を自動的に調整することができる。
なお、コントローラ90は、熱源調整ダンパ68の開度を調整するときに、粉砕機用調整ダンパ49の開度もあわせて調整してもよい。この場合、エアヒータ42で生成される熱空気を、粉砕機3に供給する熱空気と第2気化器82Aで直接的に用いられる熱空気とに、アンモニア燃料の供給量に応じて適正且つ自動的に配分することができる。
本実施形態では、熱空気管62Aは粉砕機用熱空気管39から分岐して設けられる。上記構成によれば、ボイラ10、エアヒータ42、及び粉砕機3を含む設備が既設であっても、粉砕機用熱空気管39から熱空気管62Aが分岐するので、既設の設備にアンモニア燃料供給ユニット60Bを追設する作業を容易化できる。
以上、アンモニア燃料供給ユニット60Aの詳細を例示したが、第1気化器81、第2気化器82A(82)の各々の個数は単数または複数のいずれであってもよい(図3Bで例示される後述のアンモニア燃料供給ユニット60Bも同様である)。具体的な一例として、複数の第1気化器81が直列または並列に配置されてもよいし、複数の第2気化器82A(82)も直列または並列に配置されてもよい。これにより、より多くの液体アンモニアを気化処理できるので、ボイラ10へのアンモニアガスの供給量を増大させることができる。
<他の実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニット60Bの例示>
図3Bは、本開示の他の実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニット60B(60)を示す構成図である。アンモニア燃料供給ユニット60Bは、上述した熱空気を間接的な熱源として液体アンモニアを気化処理するように構成される。以下では、アンモニア燃料供給ユニット60Aと同様の構成については、図面中で同様の符号を付与し、その説明を一部又は全部を省略する。
アンモニア燃料供給ユニット60Bは、熱空気管62B(62)と、熱交換器65と、配管66と、第2気化器82B(82)とを備える。熱空気管62Bは、分岐部63と熱交換器65とに接続されており、熱空気管62Bは熱空気を熱交換器65の内部に導く。
熱交換器65の内部に導かれた熱空気は、熱交換器65及び第2気化器82の間を循環する熱媒体液との間で熱交換を行い、熱媒体液が加熱される。配管66は、熱媒体液の循環路77の一部を構成する。循環路77に設けられたポンプ55の駆動によって熱交換器65から排出される熱媒体液を、配管66は第2気化器82Bに導く。第2気化器82B(82)は、加熱された熱媒体液を直接的な熱源として、第1気化器81での気化処理において残存した液体アンモニアを気化処理するように構成される。即ち、第2気化器82Bは、ボイラ10の排熱を用いて生成される熱空気を間接的な熱源として、液体アンモニアを気化処理するように構成される。第2気化器82Bは一例として温水バス式気化器であり、第2気化器82Bに流入する熱媒体としての温水の温度は、液体アンモニアの蒸発温度及び露点温度よりも高い。第2気化器82Bから排出されるアンモニアガスはアンモニアガス供給管69を経由してボイラ10に供給される。
上記構成によれば、アンモニア燃料供給ユニット60Bは、アンモニア燃料供給ユニット60A同様、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ、熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制できる。
また、熱交換器65において熱空気によって加熱された熱媒体液が、配管66を経由して第2気化器82Bに流入する。第2気化器82Bは、加熱された熱媒体液を用いて、即ち、間接的な熱源としての熱空気を用いて、液体アンモニアを気化処理する。熱空気に比べて熱媒体液の比体積は小さいので、第2伝熱管を収容する第2気化器82を小型化できる。よって、第2気化器82Bを小型化できる。
熱空気管62Bに設けられた熱源調整ダンパ68は、熱空気管62Bを流れる熱空気の流量(即ち、図3Bで例示される実施形態では第2気化器82Aの間接的な熱源)を調整するように構成される。本実施形態では、コントローラ90が、第2気化器82Aに供給されるアンモニア燃料の流量に応じて(即ち、ボイラ10のアンモニア混焼率に応じて)、熱源調整ダンパ68の開度を調整する。このとき、本実施形態に係るコントローラ90は、粉砕機用熱空気管39に設けられた熱源調整ダンパ68の開度を併せて調整する。上記構成が採用されることによる利点は、図3Aを参照して既述した通りであるので、説明の重複を避けるために詳説を割愛する。
<ボイラ10の運転方法の例示>
図4は、本開示の一実施形態に係るボイラの運転方法を示すフローチャートである。図4で示されるフローチャートは、一例としてコントローラ90によって実行される。図4のフローチャートには、アンモニア燃料供給ユニット60A,60B(図3A参照、図3B参照)のいずれもが適用可能である。
はじめに、ボイラ10の石炭専焼が実行される(S11)。例えば、コントローラ90は、粉砕機3、熱空気ダンパ30D、冷空気ダンパ30E、粉砕機用調整ダンパ49、1次空気通風機31、及び押込通風機38等に制御信号を送信する。バーナ24,25は、微粉燃料と搬送用ガスとが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込む。微粉燃料混合気が着火し、ボイラ10内で火炎が形成される。なお、本実施形態ではこのとき、バーナ21,22,23は稼働せず、熱源調整ダンパ68は閉鎖されており、アンモニア燃料供給ユニット60に熱空気は供給されない。
続いて、アンモニア混焼を開始するか否かが判定される(S13)。例えば、コントローラ90は、混焼開始条件が充足されたか否かを判定する。混焼開始条件は、火炉11内の温度が一定温度以上になったこと、オペレータから混焼開始指令が入力されたこと、またはこれらの組み合わせなどである。本実施形態では、混焼開始条件が充足されるまで(S13:NO)、石炭の専焼が行われる。
混焼開始条件が充足されると(S13:YES)、アンモニア混焼率が取得される(S13)。混焼率は、プログラムに予め書き込まれた指令が示す値であってもよいし、オペレータが指令として入力する値であってもよい。
次に、海水を用いて液体アンモニアを気化処理するための第1気化処理工程が実行される(S17)。例えば、コントローラ90は、S13で取得されたアンモニア混焼率に基づき、アンモニアタンク71から供給すべき液体アンモニアの流量を特定する。特定された液体アンモニアが第1気化器81で気化処理されるよう、コントローラ90は、アンモニア供給ポンプ75、海水ポンプ、及び圧力調整弁109を制御する。海水が第1気化器81に流入するとともに、アンモニアタンク71から第1気化器81に液体アンモニアが流入し、液体アンモニアと海水とが熱交換を行う。これにより、第1気化処理工程は実行される。なお、第1気化処理工程における熱源としての海水が十分に確保されているのであれば、海水ポンプは、S13で取得されたアンモニア混焼率に関わらず一定流量の海水を第1気化器81に供給してもよい。
次に、ボイラ10の排熱を用いて生成された熱空気を直接または間接的な熱源として、第1気化処理工程において残存した液体アンモニアを気化処理するための第2気化処理工程が実行される(S19)。
本実施形態の第2気化処理工程(S19)では、S15で取得されたアンモニア混焼率に応じて(即ち、第2気化器82に供給されるアンモニア燃料に応じて)、熱源調整ダンパ68の開度をコントローラ90が制御する。これにより、アンモニア混焼率に応じた熱空気が熱源として第2気化器82によって利用される。この結果、第1気化器81で残存した液体アンモニアが気化されるとともに、第1気化器81において気化されたアンモニアガスが昇温する。第2気化器82から排出されるアンモニアガスはアンモニアガス供給管69を経由してバーナ21,22,23に供給される。これらバーナがアンモニアガスを火炉11に吹き込むことで、アンモニアガスの燃焼が起こり、石炭とアンモニアの混焼が開始される。
上記構成によれば、アンモニア混焼率に応じて第2気化処理工程の熱源として利用される熱空気量の流量を調整することができる。従って、アンモニア混焼率に応じたアンモニアガスをボイラ10に供給することができる。
さらに、本実施形態の第2気化処理工程(S19)では、S15で取得されたアンモニア混焼率に応じて熱源調整ダンパ68の開度をコントローラ90が制御する。アンモニア混焼率が上昇する程、ボイラ10への石炭の供給量は低減するので、粉砕機3に供給すべき熱空気量が低減し、熱源調整ダンパ68の開度を小さくできる。その結果、エアヒータ42によって生成される熱空気の少なくとも一部が余剰になる。本実施形態のコントローラ90は、この余剰分の熱空気が熱空気管62を流れるよう、熱源調整ダンパ68の開度の制御を実行する。つまり、エアヒータ42で生成された熱空気量から、粉砕機3に供給すべき熱空気量を差し引いた熱空気量が、熱空気管62を流れて第2気化器82の熱源として直接または間接的に利用される。このようなアンモニア混焼率に応じて定まる余剰分の熱空気量は、アンモニア燃料の供給量に基づき定まる第2気化器82で利用されるべき熱空気量の必要最低値を十分に上回る。つまり、第2気化処理工程に必要な熱空気が十分に確保され、第2気化器82から排出されるアンモニアガスにアンモニアミストが含まれることを抑制できる。
上記構成によれば、エアヒータ42で生成される熱空気を、粉砕機3に供給する熱空気と第2気化器82で直接または間接的に用いられる熱空気とに、アンモニア混焼率に応じて適正且つ自動的に配分することができる。
なお他の実施形態では、熱空気管62と粉砕機用熱空気管39とが別々にエアヒータ42に接続されてもよく、この場合、熱源調整ダンパ68の開度は、粉砕機用熱空気管39の開度とは無関係に設定されてもよい。
S19の実行後、アンモニア混焼率が変更されるか否かが判定される(S21)。例えば、コントローラ90は、実行するプログラムにアンモニア混焼率変更指令が含まれるか否か、または、オペレータによってアンモニア混焼率の変更指令が入力されたか否かなどを判定する。アンモニア混焼率が変更される場合(S21:YES)、コントローラ90はS15~S21を繰り返す。
アンモニア混焼率が変更されない場合(S21:NO)、ボイラ10に供給されるアンモニアガスの温度が規定値を下回ったか否かが判定される(S23)。例えば、コントローラ90は、アンモニアガス供給管69に設けられた温度センサ88(図3A、図3B参照)の検出結果に基づいてアンモニアガスの温度を取得し、取得された温度が規定値を下回ったか否かを判定する。規定値は、液体アンモニアの蒸発温度及び露点温度よりも高い値である。アンモニアガスの温度が規定値以上である場合(S23:NO)、後述のS27が実行される。
一方、アンモニアガスが規定値を下回る場合(S23:YES)、第2気化器82で利用される熱源が何らかの要因で将来的に不足し、第2気化器82からアンモニアミストが排出される可能性がある。この場合、報知処理が実行される(S25)。例えば、コントローラ90は、オペレータに向けてアンモニアガスの温度が規定値を下回ったことを報知する。オペレータはボイラ10の運転を終了させるか否かなどを判断することができる。
その後、ボイラ10の運転を終了するか否かが判定される(S27)。例えば、コントローラ90は、ボイラ10の運転の終了指令がオペレータから入力されたか否かを判定する。終了指令が入力されない場合(S27:NO)、コントローラ90は処理をS21に戻す。終了指令が入力された場合(S27:YES)、コントローラ90は規定の処理を実行した後、ボイラ10の運転を終了する。
なお、他の実施形態に係るS11では、石炭の専焼に代えて、例えば石炭と石油の燃焼が行われてもよい。あるいは、ボイラ10の運転開始時からアンモニアガスとその他の燃料との混焼が実行されてもよく、S11、S13が実行されなくてもよい。
<まとめ>
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
1)本開示の少なくとも一実施形態に係るアンモニア燃料供給ユニット(60)は、
ボイラ(10)にアンモニア燃料を供給するためのアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
燃料としての液体アンモニアを、当該液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源により気化処理するための第1気化器(81)と、
前記第1気化器(81)と前記ボイラ(10)との間に設けられ、前記ボイラ(10)の排熱を用いて生成された熱空気を直接または間接的な熱源として、前記第1気化器(81)での気化処理において残存した前記液体アンモニアを気化処理するための第2気化器(82)と、
を備える。
液体アンモニアがボイラ(10)の燃料として供給される場合の供給量は、例えばボイラ(10)から排出される窒素酸化物を除去または低減するための還元剤に液体アンモニアが用いられる場合に比べて、多くなる傾向にある。また、アンモニアにおける発熱量に対する蒸発潜熱の割合は約6%であり、例えばプロパン(発熱量に対する蒸発潜熱の割合は約0.8%)などの燃料と比較しても高い。従って、燃料として用いられる液体アンモニアを気化処理するために必要な熱量は大きくなる傾向にある。この点、上記1)の構成によれば、液体アンモニアを気化処理するために複数の熱源として、液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源と熱空気が利用されるので、液体アンモニアを気化処理するための熱量が確保され易い。また、上記熱源はいずれも、ボイラ(10)を構成要素として含む熱サイクルの系外にあるので、熱サイクルの熱効率に与える影響が抑制される。以上より、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制したアンモニア燃料供給ユニット(60)が実現する。
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記ボイラ(10)の前記排熱を用いて外気を加熱するエアヒータ(42)からの前記熱空気を導くための熱空気管(62)と、
前記熱空気管(62)に設けられ、前記第2気化器(82)の前記熱源としての前記熱空気の流量を調整するための熱源調整ダンパ(68)と、
をさらに備える。
上記2)の構成によれば、熱源調整ダンパ(68)の開度が調整されることで、供給されるアンモニア燃料の流量に応じた熱空気を熱源として利用することができる。また、熱空気管(62)はエアヒータ(42)からの熱空気を導くので、ボイラ(10)及びエアヒータ(42)を含む設備が例え既設であったとしても、この既設の設備を追設作業することによって、第2気化器(82)が熱空気を熱源として利用するための構成を実現できる。
3)幾つかの実施形態では、上記2)に記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記第2気化器(82)に供給されるアンモニア燃料の流量に応じて、前記熱源調整ダンパ(68)の開度を制御するように構成されたコントローラ(90)をさらに備える。
上記3)の構成によれば、アンモニア燃料の供給量に応じて、第2気化器(82)の熱源として利用される熱空気の流量を自動的に調整することができる。
4)幾つかの実施形態では、上記2)または3)に記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記熱空気管(62)は、燃料としての石炭を粉砕する粉砕機(3)に前記エアヒータ(42)で加熱された前記熱空気を導くための粉砕機用熱空気管(35)から分岐して設けられる。
上記4)の構成によれば、ボイラ(10)、エアヒータ(42)、及び粉砕機(3)を含む設備が既存の設備であっても、粉砕機用熱空気管(35)から熱空気管(62)が分岐する。従って、既存の設備にアンモニア燃料供給ユニット(60)を追設する作業を容易化できる。
5)幾つかの実施形態では、上記2)から4)のいずれかに記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記熱空気管(62)は、前記第2気化器(82)に接続され、
前記第2気化器(82)は、前記熱空気を直接的な前記熱源として、前記液体アンモニアを気化処理するように構成される。
上記5)の構成によれば、熱空気に含まれる熱が直接的に液体アンモニアに伝わるので、液体アンモニアを気化処理するための熱量が更に確保され易い。
6)幾つかの実施形態では、上記2)から4)のいずれかに記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記熱空気管(62)によって導かれる前記熱空気と熱媒体液との熱交換により前記熱媒体液が加熱されるように構成された熱交換器(65)と、
前記熱交換器(65)から排出される前記熱媒体液を前記第2気化器(82)に導くための配管(66)と、
をさらに備え、
前記第2気化器(82)は、前記熱空気を間接的な前記熱源として前記液体アンモニアを気化処理するように構成される。
上記6)の構成によれば、熱交換器(65)において熱空気によって加熱された熱媒体液が、配管を経由して第2気化器(82)に流入する。第2気化器(82)は、加熱された熱媒体液を用いて液体アンモニアを気化処理する。熱空気に比べて熱媒体液の比体積は小さいので、第2気化器(82)を小型化できる。
7)幾つかの実施形態では、上記1)から6)のいずれかに記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記第1気化器(81)の上流側に設けられ、液相のアンモニアに水が規定比率で混合された前記液体アンモニアを貯留するアンモニアタンク(71)をさらに備える。
上記7)の構成によれば、液体アンモニアが水を含むことで、アンモニアタンク(71)での応力腐食割れを抑制でき、アンモニアタンク(71)から液体アンモニアが漏出するのを抑制できる。また、水を含む液体アンモニアの露点温度は、例えば純物質としての液相のアンモニアと比べて高くなる傾向にあるが、第1気化器(81)と第2気化器(82)とによる十分な気化処理によって、第2気化器(82)から排出されるアンモニア燃料にアンモニアミストが含まれることを抑制できる。
8)幾つかの実施形態では、上記1)から7)のいずれかに記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)であって、
前記第2気化器(82)は、前記第1気化器(81)から排出されるアンモニア燃料を露点温度以上まで加熱してアンモニアガスを生成するように構成される。
上記8)の構成によれば、第2気化器(82)から排出されるアンモニア燃料にアンモニアミストが含まれることを抑制できる。
9)本開示の少なくとも一実施形態に係る発電プラント(1)は、
上記1)から8)のいずれかに記載のアンモニア燃料供給ユニット(60)と、
前記アンモニア燃料供給ユニット(60)から供給される燃料の燃焼により生じる燃焼ガスを熱源として蒸気を生成する前記ボイラ(10)と、
前記ボイラ(10)からの前記蒸気を駆動源として回転するためのタービン(110)と、
前記タービン(110)の回転により発電するための発電機(115)と、
を備える。
上記9)の構成によれば、上記1)と同様の理由によって、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制した発煙プラントが実現する。
10)幾つかの実施形態では、上記9)に記載の発電プラント(1)であって、
前記ボイラ(10)の前記排熱を用いて外気を加熱するエアヒータ(42)と、
燃料としての石炭を粉砕するように構成されための粉砕機(3)と、
前記エアヒータ(42)で生成された前記熱空気を前記粉砕機(3)に導くための粉砕機用熱空気管(39)に設けられ、前記粉砕機(3)に供給される前記熱空気の流量を調整するための粉砕機用調整ダンパ(49)と、
をさらに備え、
前記アンモニア燃料供給ユニット(60)は、
前記粉砕機用調整ダンパ(49)よりも上流側で前記粉砕機用熱空気管(39)から分岐する熱空気管(62)に設けられ、前記第2気化器(82)の前記熱源としての前記熱空気の流量を調整するための熱源調整ダンパ(68)と、さらに含み、
前記発電プラント(1)は、
前記ボイラ(10)におけるアンモニア混焼率に基づいて前記粉砕機用熱空気管(39)と前記熱空気管(62)の各々における前記熱空気の流量が調整されるよう、前記粉砕機用調整ダンパ(49)と前記熱源調整ダンパ(68)の各々を制御するように構成されるコントローラ(90)をさらに備える。
上記10)の構成によれば、アンモニア混焼率が上昇するほど、ボイラ(10)への石炭の供給量は低減するので、粉砕機(3)が必要とする熱空気量は低減し、粉砕機用調整ダンパ(49)の開度は小さくなる。これにより、余剰分の熱空気が生じる。一方で、アンモニア混焼率が上昇する程、第2気化器(82)が必要とする熱量は増加するので、熱源調整ダンパ(68)の開度は大きくなる。これにより、上述の余剰分の熱空気が第2気化器(82)の熱源として有効に利用される。よって、エアヒータ(42)で生成される熱空気を、粉砕機(3)に供給する熱空気と、第2気化器(82)で用いられる熱空気とに、アンモニア混焼率に応じて適正且つ自動的に配分することができる。
11)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラ(10)の運転方法は、
アンモニア燃料が供給されるボイラ(10)の運転方法であって、
燃料としての液体アンモニアを、当該液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源により気化処理するための第1気化処理工程(S17)と、
ボイラ(10)の排熱を用いて生成された熱空気を直接又は間接的な熱源として、前記第1気化処理工程(S17)において残存した前記液体アンモニアを気化処理するための第2気化処理工程(S19)と、
を備える。
上記11)の構成によれば、上記1)と同様の理由によって、液体アンモニアを気化処理するための熱量を確保し、且つ熱サイクルの熱効率に与える影響を抑制したボイラ(10)の運転方法が実現する。
12)幾つかの実施形態では、上記11)に記載のボイラ(10)の運転方法であって、
前記第2気化処理工程(S19)では、
前記ボイラ(10)の前記排熱を用いて外気を加熱するエアヒータ(42)からの前記熱空気を導くための熱空気管(62)に設けられ、前記熱空気の流量を調整するための熱源調整ダンパ(68)の開度を、前記ボイラ(10)におけるアンモニア混焼率に応じて制御する。
上記12)の構成によれば、アンモニ混焼率に応じて、第2気化処理工程(S19)の熱源として利用される熱空気量の流量を調整することができる。従って、アンモニア混焼率に応じたアンモニア燃料をボイラ(10)に供給することができる。
13)幾つかの実施形態では、上記12)に記載のボイラ(10)の運転方法であって、
前記第2気化処理工程(S19)では、
前記熱空気管(62)との接続部である分岐部(63)を含み、燃料としての石炭を粉砕するように構成されための粉砕機(3)と前記エアヒータ(42)とに接続される粉砕機用熱空気管(39)のうち、前記分岐部(63)と前記粉砕機(3)との間に設けられた粉砕機用調整ダンパ(49)の開度を、前記アンモニア混焼率に応じて制御する。
上記13)の構成によれば、アンモニア混焼率が上昇するほど、ボイラ(10)への石炭の供給量は低減するので、粉砕機(3)が必要とする熱空気量は低減し、粉砕機用調整ダンパ(49)の開度は小さくなる。これにより、余剰分の熱空気が生じる。一方で、アンモニア混焼率が上昇する程、第2気化器(82)が必要とする熱量は増加するので、熱源調整ダンパ(68)の開度は大きくなる。これにより、上述の余剰分の熱空気が第2気化器(82)の熱源として有効に利用される。よって、エアヒータ(42)で生成される熱空気を、粉砕機(3)に供給する熱空気と、第2気化器(82)で用いられる熱空気とに、アンモニア混焼率に応じて適正に配分することができる。
1 :発電プラント
3 :粉砕機
10 :ボイラ
30 :空気管
34 :粉砕機
39 :粉砕機用熱空気管
42 :エアヒータ
49 :粉砕機用調整ダンパ
60 :アンモニア燃料供給ユニット
62 :熱空気管
63 :分岐部
65 :熱交換器
66 :配管
68 :熱源調整ダンパ
71 :アンモニアタンク
81 :第1気化器
82 :第2気化器
90 :コントローラ
110 :タービン
115 :発電機

Claims (13)

  1. ボイラにアンモニア燃料を供給するためのアンモニア燃料供給ユニットであって、
    燃料としての液体アンモニアを、当該液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源により気化処理するための第1気化器と、
    前記第1気化器と前記ボイラとの間に設けられ、前記ボイラの排熱を用いて生成された熱空気を直接または間接的な熱源として、前記第1気化器での気化処理において残存した前記液体アンモニアを気化処理するための第2気化器と、
    を備えるアンモニア燃料供給ユニット。
  2. 前記ボイラの前記排熱を用いて外気を加熱するエアヒータからの前記熱空気を導くための熱空気管と、
    前記熱空気管に設けられ、前記第2気化器の前記熱源としての前記熱空気の流量を調整するための熱源調整ダンパと、
    をさらに備える請求項1に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  3. 前記第2気化器に供給されるアンモニア燃料の流量に応じて、前記熱源調整ダンパの開度を制御するように構成されたコントローラをさらに備える、
    請求項2に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  4. 前記熱空気管は、燃料としての石炭を粉砕する粉砕機に前記エアヒータで加熱された前記熱空気を導くための粉砕機用熱空気管から分岐して設けられる、
    請求項2または3に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  5. 前記熱空気管は、前記第2気化器に接続され、
    前記第2気化器は、前記熱空気を直接的な前記熱源として、前記液体アンモニアを気化処理するように構成される、
    請求項2乃至4の何れか1項に記載に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  6. 前記熱空気管によって導かれる前記熱空気と熱媒体液との熱交換により前記熱媒体液が加熱されるように構成された熱交換器と、
    前記熱交換器から排出される前記熱媒体液を前記第2気化器に導くための配管と、
    をさらに備え、
    前記第2気化器は、前記熱空気を間接的な前記熱源として前記液体アンモニアを気化処理するように構成される、
    請求項2乃至4の何れか1項に記載に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  7. 前記第1気化器の上流側に設けられ、液相のアンモニアに水が規定比率で混合された前記液体アンモニアを貯留するアンモニアタンクをさらに備える、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  8. 前記第2気化器は、前記第1気化器から排出されるアンモニア燃料を露点温度以上まで加熱してアンモニアガスを生成するように構成される、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載のアンモニア燃料供給ユニット。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載のアンモニア燃料供給ユニットと、
    前記アンモニア燃料供給ユニットから供給される燃料の燃焼により生じる燃焼ガスを熱源として蒸気を生成する前記ボイラと、
    前記ボイラからの前記蒸気を駆動源として回転するためのタービンと、
    前記タービンの回転により発電するための発電機と、
    を備える発電プラント。
  10. 前記ボイラの前記排熱を用いて外気を加熱するエアヒータと、
    燃料としての石炭を粉砕するように構成されための粉砕機と、
    前記エアヒータで生成された前記熱空気を前記粉砕機に導くための粉砕機用熱空気管に設けられ、前記粉砕機に供給される前記熱空気の流量を調整するための粉砕機用調整ダンパと、
    をさらに備え、
    前記アンモニア燃料供給ユニットは、
    前記粉砕機用調整ダンパよりも上流側で前記粉砕機用熱空気管から分岐する熱空気管に設けられ、前記第2気化器の前記熱源としての前記熱空気の流量を調整するための熱源調整ダンパと、さらに含み、
    前記発電プラントは、
    前記ボイラにおけるアンモニア混焼率に基づいて前記粉砕機用熱空気管と前記熱空気管の各々における前記熱空気の流量が調整されるよう、前記粉砕機用調整ダンパと前記熱源調整ダンパの各々を制御するように構成されるコントローラをさらに備える、
    請求項9に記載の発電プラント。
  11. アンモニア燃料が供給されるボイラの運転方法であって、
    燃料としての液体アンモニアを、当該液体アンモニアの沸点以上の温度の熱源により気化処理するための第1気化処理工程と、
    ボイラの排熱を用いて生成された熱空気を直接又は間接的な熱源として、前記第1気化処理工程において残存した前記液体アンモニアを気化処理するための第2気化処理工程と、
    を備えるボイラの運転方法。
  12. 前記第2気化処理工程では、
    前記ボイラの前記排熱を用いて外気を加熱するエアヒータからの前記熱空気を導くための熱空気管に設けられ、前記熱空気の流量を調整するための熱源調整ダンパの開度を、前記ボイラにおけるアンモニア混焼率に応じて制御する、
    請求項11に記載のボイラの運転方法。
  13. 前記第2気化処理工程では、
    前記熱空気管との接続部である分岐部を含み、燃料としての石炭を粉砕するように構成されための粉砕機と前記エアヒータとに接続される粉砕機用熱空気管のうち、前記分岐部と前記粉砕機との間に設けられた粉砕機用調整ダンパの開度を、前記アンモニア混焼率に応じて制御する、
    請求項12に記載のボイラの運転方法。

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