JP2020106012A - 発電プラントのバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラント - Google Patents

発電プラントのバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラント Download PDF

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Abstract

【課題】復水器の損傷をより確実に防止することのできる発電プラントのバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラントを提供することを目的とする。【解決手段】再熱蒸気を出力する再熱器44、45と、再熱蒸気が供給される中圧タービン63と、中圧タービン63から排出された蒸気を復水する復水器64と、再熱蒸気の一部を復水器64へバイパスするバイパスラインL6と、バイパスラインL6の蒸気流量を調整するバイパス弁90とを備える発電プラント1の制御装置100あって、発電プラント1の運転状態に応じて、バイパス弁90の開度制御指令を出力する開度指令出力部と、開度制御指令が出力されている状態において、バイパスラインL6の蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、バイパス弁90の実開度を維持する弁制御部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、発電プラントのバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラントに関するものである。
発電プラントにおいて、例えば高圧タービンから排出された蒸気を再熱して中圧タービンや低圧タービンに供給する構成がある。このような再熱蒸気を利用する発電プラントでは、起動時等の負荷変動時において、余剰となった再熱蒸気の一部を中圧タービンや低圧タービンへ供給せずに復水器等にバイパスする場合がある。再熱蒸気をバイパスする場合には、復水器が損傷しないように、バイパスされる再熱蒸気をスプレー水等を用いて減温している。
特許文献1では、再熱蒸気を復水器にバイパスする構成を有した火力発電所が開示されている。また、特許文献1には、バイパスさせる蒸気流量を制御するバイパス弁に対して最大許容開度を設けることが開示されている。
特公昭62−17081号公報
再熱蒸気をバイパスしてスプレー水を供給してから復水器に導入するまでの配管が短い場合、再熱蒸気に対してスプレー水が十分にミキシングされず、急な負荷変化の際などでは、バイパスした再熱蒸気の減温が不完全となり、復水器内での許容温度を超えた再熱蒸気が供給されて復水器を損傷させる可能性がある。また、復水器へバイパスされる再熱蒸気は、温度分布状態が均一でないため、温度を正確に計測することが困難であり、復水器を損傷させる可能性がある。
また、バイパスされる再熱蒸気のエンタルピー状態に基づいてスプレー水の供給量を制御したとしても、起動時等の負荷変動時には蒸気条件が著しく変化し、正確にスプレー水の制御を行うことが困難であった。
また、特許文献1のようにバイパス弁に対して最大許容開度を設定する場合には、例えば開度計に経年劣化や故障が発生すると、バイパス弁の実開度が開度指令より大きな開度状態となる可能性がある。このような場合には、開度指令が最大許容開度以下であっても、バイパス弁の実開度が最大許容開度となり、復水器の損傷を招く可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、復水器の損傷をより確実に防止することのできる発電プラントのバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラントを提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記タービンをバイパスして前記復水器へ送給するバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁とを備える発電プラントのバイパス制御システムであって、前記発電プラントの運転状態に応じて、前記バイパス弁の開度制御指令を出力する開度指令出力部と、前記開度制御指令が出力されている状態において、前記バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、前記バイパス弁の実開度を維持する弁制御部と、を備える発電プラントのバイパス制御システムである。
再熱器から出力した再熱蒸気の一部を復水器へバイパスする場合、負荷変動等に応じてバイパス弁の開制御を行うと、温度の高い大量の再熱蒸気が復水器に流れ込み、復水器が損傷する可能性があった(例えば、減温器を用いたとしても、十分な減温がなされないまま再熱蒸気が復水器に流れ込む可能性があった)。このため、バイパスラインの蒸気流量に対して、許容蒸気流量を予め設定することとした。そして、開度制御指令が出力されている状態において、バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、バイパス弁の実開度を維持することとすることで、バイパスラインを流通する蒸気流量が許容蒸気流量以上とならないため、復水器の損傷をより確実に防止することが可能となる。
上記バイパス制御システムにおいて、前記弁制御部は、前記バイパスラインの蒸気流量が前記許容蒸気流量に達している期間において、前記バイパスラインの蒸気流量が前記許容蒸気流量に達した時点における前記バイパス弁の実開度を維持することとしてもよい。
上記のような構成によれば、バイパス弁の開制御によってバイパスラインの蒸気流量が許容蒸気流量に達した際には、バイパスラインの蒸気流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁の実開度を維持するため、蒸気流量が許容蒸気流量を超えることをより確実に防止することができる。
上記バイパス制御システムにおいて、前記開度指令出力部は、前記発電プラントの起動時、または所定時間内に予め設定した閾値以上負荷が変動する負荷変動時において前記開度制御指令を出力することとしてもよい。
上記のような構成によれば、発電プラントの起動時または負荷遮断時など負荷変動時に開制御指令を出力するため、発電プラントの運転状態に応じて適切に開度制御指令を出力することができる。
上記バイパス制御システムにおいて、前記バイパスラインの蒸気を減温する減温器を制御する減温制御部を備え、前記弁制御部は、前記復水器におけるダンプチューブ温度が所定の規定値以上となった場合に前記バイパス弁を閉とすることとしてもよい。
上記のような構成によれば、バイパスラインの蒸気を減温器によって減温しても復水器におけるダンプチューブ温度が所定の規定値以上となった場合にはバイパス弁を閉とするため、より確実に復水器の損傷を抑制することが可能となる。
上記バイパス制御システムにおいて、前記許容蒸気流量は、前記復水器の仕様に基づいて設定することとしてもよい。
上記のような構成によれば、復水器の仕様に基づいて許容蒸気流量を設定することで、復水器の損傷を防止するための許容蒸気流量を効果的に算出することができる。
上記バイパス制御システムにおいて、前記弁制御部は、前記バイパスラインの蒸気流量が前記許容蒸気流量に達した時点における前記バイパス弁の開度指令を維持することとしてもよい。
上記のような構成によれば、バイパスラインの蒸気流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁の開度指令を維持することで、開度指令の変動によるバイパス弁の実開度の変動を抑制し、許容蒸気流量に達した時点における実開度を維持することができる。
本発明の第2態様は、再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記復水器へバイパスするバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気を減温する減温器と、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁と、上記の発電プラントのバイパス制御システムと、を備える発電プラントである。
本発明の第3態様は、再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記タービンをバイパスして前記復水器へ送給するバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁とを備える発電プラントのバイパス制御方法であって、前記発電プラントの運転状態に応じて、前記バイパス弁の開度制御指令を出力する開度指令出力工程と、前記開度制御指令が出力されている状態において、前記バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、前記バイパス弁の実開度を維持する弁制御工程と、を有する発電プラントのバイパス制御方法である。
本発明の第4態様は、再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記タービンをバイパスして前記復水器へ送給するバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁とを備える発電プラントのバイパス制御プログラムであって、前記発電プラントの運転状態に応じて、前記バイパス弁の開度制御指令を出力する開度指令出力処理と、前記開度制御指令が出力されている状態において、前記バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、前記バイパス弁の実開度を維持する弁制御処理と、をコンピュータに実行させるための発電プラントのバイパス制御プログラムである。
本発明によれば、復水器の損傷をより確実に防止することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るボイラの概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る発電プラントを示す概略図である。 図2における発電プラントにおいて、再熱蒸気の流通に係る構成を詳細に示した図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置が備える機能を示した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るバイパス弁制御処理のフローチャートを示した図である。 本発明の一実施形態に係るスプレー弁制御処理のフローチャートを示した図である。 本発明の一実施形態に係るバイパス弁制御の動作を示した図である。
以下に、本発明に係る発電プラントのバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラントの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における発電プラント1が備えるボイラ10の概略構成図である。
ボイラ10は、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料(炭素含有固体燃料)として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収して給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能な石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものである。
本実施形態において、図1に示すように、ボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と煙道13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁(伝熱管)は、複数の蒸発管とこれらを接続するフィンとで構成され、給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。
燃焼装置12は、火炉11を構成する火炉壁の下部側に設けられている。本実施形態では、燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ(例えば21,22,23,24,25)を有している。例えば燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭供給管26,27,28,29,30を介して粉砕機(ミル)31,32,33,34,35に連結されている。この粉砕機31,32,33,34,35は、図示しないが、例えばハウジング内に回転テーブルが駆動回転可能に支持され、この回転テーブルの上方に複数のローラが回転テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。石炭が複数のローラと回転テーブルとの間に投入されると、ここで所定の微粉炭の大きさに粉砕され、搬送用ガス(一次空気)により図示しない分級機に搬送されて分級された微粉炭を微粉炭供給管26,27,28,29,30から燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
また、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されている。空気ダクト37は、他端部に送風機38が設けられている。
更に、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置より上方にアディショナル空気ノズル39が設けられている。アディショナル空気ノズル39に空気ダクト37から分岐した分岐空気ダクト40の端部が連結されている。従って、送風機38により送られた燃焼用空気(燃料ガス燃焼用空気/二次空気)を空気ダクト37から風箱36に供給し、この風箱36から各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができると共に、送風機38により送られた燃焼用追加空気(アディショナル空気)を分岐空気ダクト40からアディショナル空気ノズル39に供給することができる。
煙道13は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。煙道13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した燃焼ガスと各熱交換器を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
煙道13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出されるガスダクト48が連結されている。ガスダクト48は、空気ダクト37との間にエアヒータ(空気予熱器)49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、ガスダクト48を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
また、煙道13は、エアヒータ49より上流側の位置に脱硝触媒50が設けられている。脱硝触媒50は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道13内に供給し、還元剤が供給された燃焼ガスを窒素酸化物と還元剤との反応を促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。そして、煙道13に連結されるガスダクト48は、エアヒータ49より下流側の位置に煤塵処理装置(電気集塵機、脱硫装置)51、誘引送風機52などが設けられ、下流端部に煙突53が設けられている。
一方、微粉炭燃料は、粉砕機31,32,33,34,35が駆動すると、生成された微粉炭が搬送用ガスと共に微粉炭供給管26,27,28,29,30を通して燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。また、加熱された燃焼用空気が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。すると、燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と搬送用ガス(一次空気)とが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。火炉11内の下部で火炎が生じ、燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、煙道13に排出される。
その後、燃焼ガスは、煙道13に配置される過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47で熱交換した後、脱硝触媒50により窒素酸化物が還元除去され、煤塵処理装置51で粒子状物質が除去されると共に硫黄分が除去された後、煙突53から大気中に排出される。
次に、発電プラント1のボイラ10における熱交換について詳細に説明する。図2は、発電プラント1におけるボイラ10に設けられた各熱交換器を表す概略図である。
図2に示すように、本実施形態において、煙道13は、内部に燃焼ガスが通過する燃焼ガス通路60が設けられており、この燃焼ガス通路60に過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47が配置されている。なお、過熱器41,42,43は、ヘッダを介して直列に設けられてもよいが、図2では、このヘッダを省略している。
ボイラ10で生成した蒸気により運転される蒸気タービン61は、例えば、高圧タービン62と中圧タービン63とから構成されている。なお、蒸気タービン61は、高圧タービン、中圧タービン、及び低圧タービンにより構成され、後述する再熱蒸気が中圧タービンに流入したのちに低圧タービンに流入することとしてもよい。ここでは中圧タービンと低圧タービンの区別の有無を合わせて便宜上、中圧タービンと記載する。中圧タービン63は、復水器64が連結されており、中圧タービン63を駆動した蒸気がこの復水器64で冷却水(例えば、海水)により冷却されて復水となる。復水器64は、給水ラインL1を介して第1節炭器47の入口ヘッダ65に連結されている。入口ヘッダ65は、燃焼ガス通路60に設けられており、給水ラインL1は、復水器64の下流側から復水ポンプ83、低圧給水ヒータ84、給水ポンプ66、高圧給水ヒータ85が設けられている。第2節炭器46は、第1節炭器47の上方に配置されており、各節炭器46,47の間に中間ヘッダ67が設けられている。第2節炭器46は、上部に出口ヘッダ68が連結されており、この出口ヘッダ68は、燃焼ガス通路60の外側に配置されている。
出口ヘッダ68は、給水ラインL2を介して燃焼ガス通路60の外側に配置される蒸気ドラム69に連結されている。蒸気ドラム69は、火炉壁の各伝熱管(図示略)に連結されると共に、過熱器41,42,43に連結されており、過熱器41,42,43は、蒸気ラインL3を介して高圧タービン62に連結されている。蒸気ラインL3には、主蒸気弁81が設けられており、主蒸気弁81の開度制御によって高圧タービン62に供給される蒸気の流量等が制御される。そして、高圧タービン62は、蒸気ラインL4を介して第1再熱器45の入口ヘッダ(管寄せ)70に連結されている。入口ヘッダ70は、燃焼ガス通路60に設けられており、第1再熱器45は、中間ヘッダ71を介して第2再熱器44に連結され、第2再熱器44は、上部に出口ヘッダ72が連結されており、この中間ヘッダ71及び出口ヘッダ72は、燃焼ガス通路60の外側に配置されている。そして、出口ヘッダ72は、蒸気ラインL5を介して中圧タービン63に連結され中圧タービン63を回転駆動している。このようにして、ボイラ10では第1再熱器45及び第2再熱器44によって再熱蒸気を生成している。蒸気ラインL5には、タービン蒸気弁82が設けられており、タービン蒸気弁82の制御によって、中圧タービン63に供給される再熱蒸気の流量が制御されている。なお、蒸気ラインL5において、排出弁86を設け、ボイラ10において生成した再熱蒸気の一部を系外へ排出可能としてもよい。また、蒸気ラインL3における主蒸気弁81の下流側(高圧タービン62の入口側)と蒸気ラインL4(高圧タービン62の出口側)にバイパスラインを設け、バイパスラインには制御弁87を備えることとしてもよい。
燃焼ガスが煙道13の燃焼ガス通路60を流れるとき、この燃焼ガスは、過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47の順に熱回収される。一方、給水ポンプ66から供給された水は、節炭器47,46によって予熱された後、蒸気ドラム69に供給され、図示しない火炉壁の各伝熱管に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、蒸気ドラム69に戻される。蒸気ドラム69の飽和蒸気は、過熱器41,42,43に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器41,42,43で生成された過熱蒸気は、高圧タービン62に供給され、この高圧タービン62を回転駆動する。高圧タービン62から排出された蒸気は、再熱器45,44に導入されて再度過熱された後、再熱蒸気として中圧タービン63に供給され、この中圧タービン63を回転駆動する。蒸気タービン61の回転軸には、発電機が接続されており、発電が行われる。中圧タービン63から排出された蒸気は、復水器64で冷却されることで復水となり、再び、節炭器47,46に送られる。
また、煙道13は、入口ヘッダ70と節炭器47との間にスーツブロワ(噴射装置)80が配置されていてもよい。スーツブロワ80は、入口ヘッダ70の長手方向と平行な方向に延在して入口ヘッダ70に対向する位置に配置される。スーツブロワ80は、入口ヘッダ70の長手方向を軸方向として、軸方向に直交する方向に蒸気(気体)を噴射し、また噴射方向も変動することができる噴射装置である。スーツブロワ80から節炭器47に向けて噴射された蒸気は、節炭器47の伝熱管の表面に堆積した燃焼灰を除去する。
次に、ボイラ10において生成した再熱蒸気の流通に係る発電プラント1の詳細構成を説明する。
図3は、図2における発電プラント1において、再熱蒸気の流通に係る構成を詳細に示した図である。図3では、図2における構成と同様に、ボイラ10と、高圧タービン62と、中圧タービン63と、復水器64等を示している。また、図3では、再熱蒸気の流通に係る詳細構成としてバイパス部BLと、再熱蒸気に係る制御を行う制御装置100とを示している。
バイパス部BLは、バイパスラインL6と、バイパス弁90と、減温器91と、スプレー水供給ラインL7と、スプレー弁92と、を有している。なお、バイパス部BLの構成については、再熱蒸気をバイパスすることができれば上記構成に限定されない。
バイパスラインL6は、再熱蒸気の一部を復水器64へバイパスする管である。このため、バイパスラインL6は、一端が蒸気ラインL5(タービン蒸気弁82の上流側)に接続されており、他端が復水器64へ接続されている。バイパスラインL6には、ボイラ10で生成した再熱蒸気の一部がバイパス蒸気として流通する。
バイパス弁90は、バイパスラインL6を流通するバイパス蒸気の流量を調整する。このため、バイパス弁90は、バイパスラインL6上に設けられている。バイパス弁90は、後述する制御装置100によって開度が制御される。なお、バイパス弁90は、再熱蒸気の圧力を制御する役割も担う。
減温器91は、バイパスラインL6の蒸気を減温する。減温器91は、バイパスラインL6におけるバイパス弁90の下流側に設けられている。減温器91では、後述するスプレー水供給ラインL7から供給されたスプレー水を用いてバイパス蒸気を減温する。具体的には、減温器91では、バイパス蒸気に対してスプレー水を散布し、バイパス蒸気とスプレー水をミキシングさせ、バイパス蒸気を減温している。なお、スプレー水は、バイパス蒸気とミキシング後、蒸発することでスプレー水の潜熱分も減温に利用できるので好ましい。
スプレー水供給ラインL7は、復水器64において生成した復水の一部を、スプレー水として減温器91へ供給する管である。このためスプレー水供給ラインL7は、一端が給水ラインL1に接続されており、他端が減温器91へ接続されている。スプレー水供給ラインL7には、オリフィス93が設けられている。また、スプレー水供給ラインL7のオリフィス93には、流通するスプレー水の流量を計測する流量計108が設けられている。
スプレー弁92は、スプレー水供給ラインL7を流通するスプレー水の流量を調整する。このため、スプレー弁92は、スプレー水供給ラインL7に設けられている。スプレー弁92は、後述する制御装置100によって開度が制御される。
制御装置(バイパス制御システム)100は、バイパス蒸気の流量を制御する。また、制御装置100は、バイパスされる再熱蒸気を減温するスプレー水の流量を制御する。
制御装置100は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線または無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
図4は、制御装置100が備える機能を示した機能ブロック図である。図4に示されるように、制御装置100は、開度指令出力部101と、弁制御部102と、減温制御部103とを備えている。
開度指令出力部101は、発電プラント1の運転状態に応じて、バイパス弁90の開度制御指令を出力する。具体的には、開度指令出力部101は、発電プラント1の起動時、または負荷遮断時など所定時間内に予め設定した閾値以上負荷が変動する負荷変動時において開度制御指令(開制御指令)を出力する。
発電プラント1において、例えば負荷状態が低下すると、中圧タービン63に供給する蒸気に対してボイラ10で生成した再熱蒸気が余剰となり、生成した再熱蒸気をバイパスさせる必要がある。このように、発電プラント1の負荷状態が変動する場合には、バイパス弁90の制御が必要となる。特に、発電プラント1の起動時や負荷遮断時など、所定時間内に予め設定した閾値以上負荷が変動する大きな負荷変化率や負荷の急変となる負荷変動時において、バイパス弁90を大きく開制御する必要がある。このため、開度指令出力部101では、負荷変動によってバイパス弁90を開制御する必要がある場合に、開度制御指令を出力する。すなわち、開度制御指令とは、例えばバイパス弁90の開方向への制御を開始させる指令である。特に、起動時や負荷遮断時など所定時間内に予め設定した閾値以上負荷が変動する大きな負荷変化率や、負荷の急変となる負荷変動時における開度制御指令は、バイパス弁90を所定の変化率以上で開方向へ制御する指令(急開制御指令)であることが好ましい。所定の変化率とは、例えば、25(%/秒)以上である。開度制御指令は、後述する弁制御部102において用いられる。
弁制御部102は、バイパス弁90の開度の制御を行う。具体的には、弁制御部102は、ボイラ10から出力された再熱蒸気の温度Trと圧力Prを、計測器106、107から取得する。そして、ボイラ10において生成した再熱蒸気の一部をバイパス弁90を通じて復水器64へ送給してダンプし、再熱蒸気圧力を一定とするように制御を行う。また、取得した情報とバイパス弁90の開度から、ボイラ10において生成した再熱蒸気流量Frのうちバイパス弁90を通過する再熱蒸気流量であるバイパス蒸気流量Fstを算出する。
バイパス蒸気流量Fstが多すぎると、下流側の復水器64を損傷させる可能性がある。このため、弁制御部102では、算出したバイパス蒸気流量Fstと復水器の許容蒸気流量を比較し、許容蒸気流量を超えた場合は、バイパス弁90の開度指令を維持し開度を制限する。
具体的には、弁制御部102は、開度制御指令が出力されている状態において、バイパス蒸気の流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、バイパス弁90の実開度を維持する(固定とする)。許容蒸気流量とは、復水器64において許容されるバイパス蒸気の流量である。このため、許容蒸気流量は、復水器64の仕様(復水器64における容量や、設計温度、設計圧力などを含む設計仕様)に基づいて設定される。なお、許容蒸気流量については、復水器64の仕様に加えて、バイパス蒸気の計画流量を考慮して設定することとしてもよい。バイパス蒸気の計画流量とは、予定されている発電プラント1の運転状態において想定される最大バイパス蒸気の流量である。また、許容蒸気流量については、後述するスプレー水の流量を考慮して許容流量の精度を高くして設定することとしてもよい。なお、バイパス弁90などの制御弁の実開度は、例えば、LVDT(差動トランス式変位計)を用いることで検知することができる。
バイパス蒸気流量Fstは、計測器を用いて計測することとしてもよい。また、バイパス蒸気流量Fstを、ボイラ10において生成された再熱蒸気の圧力Pr、温度Tr、エンタルピー、バイパス弁90の開度に基づいて(すなわち、バイパス弁90の開度とバイパス弁90の前後におけるバイパス蒸気の圧力差に基づいて)推定することとしてもよい。なお、現運転状態におけるバイパス蒸気の流量を取得する方法については上記に限定されず適用することが可能である。なお、バイパス蒸気の流量については、ボイラ10において生成した再熱蒸気流量Frから中圧タービン63へ供給することが要求される再熱蒸気流量Flpを減算することにより算出することとしてもよい。
弁制御部102は、設定された許容蒸気流量と、算出したバイパス蒸気流量Fstとを比較し、バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流流量に達した場合に、これ以上の流量のバイパス蒸気流量が流通しないように、バイパス弁90の開度を固定とする。すなわち、弁制御部102は、バイパスラインL6の蒸気流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の開度指令を維持する。より具体的には、弁制御部102は、バイパスラインL6の蒸気流量が許容蒸気流量に達している期間において、バイパスラインL6の蒸気流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の実開度(開度指令)を維持する。弁制御部102では、例えば、バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流流量に達した場合に、弁制御部102の開度指令をバイパス弁90の実開度信号をトラッキングし、バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流流量を超えている間は、その時点におけるバイパス弁90の実開度を変更することなく維持する。ここで、バイパス弁90の実開度信号と弁制御部102からの開度指令の偏差によるバイパス弁の誤制御を防止するために、バイパス弁90の開度指令は連続信号を行わないようにして、1パルス信号の維持指令信号とし、維持指令信号によって、バイパス弁90の開度を制御することによりバイパス弁90の開度指令を固定化する。すなわち、バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流流量に達した場合に維持指令信号によって開度指令を実開度にトラッキングさせる。
弁制御部102によって、許容蒸気流量以上の流量のバイパス蒸気が復水器64へ流れ込まないため、復水器64の損傷をより確実に防止することが可能となる。
また、弁制御部102は、復水器64におけるダンプチューブ温度Teを計測器105から取得する。ダンプチューブ温度とは、復水器64に設けられたダンプチューブ内の蒸気の温度である。ダンプチューブとは、バイパスラインL6を介して供給されたバイパス蒸気を復水器64内において放出(フラッシュ)させ、復水するための管である。すなわち、ダンプチューブ温度とは、復水器64内におけるバイパス蒸気の温度であり、所定の規定値に達しないことが必用である。そして、弁制御部102は、ダンプチューブ温度Teが、所定の規定値以上となっているか否かを判定し、ダンプチューブ温度Teが所定の規定値以上となっている場合に、バイパス弁90を全閉とする制御を行う(インターロック)。所定の規定値とは、復水器64内に損傷を与えないように設定された復水器64のダンプチューブ内において許容可能な蒸気の最大温度であり、復水器64の仕様等から予め設定される。弁制御部102において、バイパス弁90を全閉とする非常停止機能を有することで、より確実に復水器64の損傷を防止することが可能となる。
減温制御部103は、バイパスラインL6を介して復水器64へ供給されるバイパス蒸気を減温する減温器91を制御する。具体的には、減温制御部103は、減温器91におけるスプレー水の流量に対してエンタルピー制御を行う。すなわち、減温制御部103では、バイパス蒸気のエンタルピー等を用いて、バイパス蒸気に散布するスプレー水の流量を設定する。
スプレー水の流量Fwsetは、例えば以下の式によって与えられる。
Figure 2020106012
(1)式において、Fstはバイパス蒸気の流量であり、hrはボイラ10において生成した再熱蒸気のエンタルピーであり、hdは復水器64へ供給されるバイパス蒸気(減温器91の下流側のバイパス蒸気)のエンタルピーであり、hwはスプレー水のエンタルピーである。ボイラ10において生成した再熱蒸気のエンタルピーhrは、ボイラ10において生成した再熱蒸気に対して計測した温度Trと圧力Prに基づいて設定される。なお、蒸気ラインL5(ボイラ10の下流側)において、再熱蒸気の温度Trを計測する計測器106、及び再熱蒸気の圧力Prを計測する計測器107が設けられている。復水器64のダンプチューブへ送給されるバイパス蒸気のエンタルピーhd、及びスプレー水のエンタルピーhwは、発電プラント1の運転状態において略一定と近似することができるため、固定値として予め設定されてもよい。バイパス蒸気流量Fstは、バイパス弁90の開度とバイパス弁90の前後におけるバイパス蒸気の圧力差に基づいて(すなわち、ボイラ10において生成された再熱蒸気の圧力Pr、温度Tr、バイパス弁90のエンタルピー差、バイパス弁90の開度による流量係数に基づいて)、設定される。バイパス蒸気流量Fstと、スプレー水の流量Fwsetとを加えた流量が、復水器64のダンプチューブへ送給される。
復水器64におけるダンプチューブ温度Teを計測器105から取得して、所定の規定値に達しないようスプレー水の流量Fwsetが設定される。これにあたり、減温制御部103では、エンタルピー制御として、(1)式を用いてスプレー水の流量Fwsetを算出し、算出したスプレー水の流量Fwsetに基づいてスプレー弁92の開度を制御する。
このようにして、減温制御部103では、スプレー水のエンタルピー制御が実行され、減温器91におけるバイパス蒸気とスプレー水との混合が十分に進んでいない状況であって、減温後のバイパス蒸気温度の計測が難しい場合でも、バイパス蒸気流量Fstに対応して必要なスプレー水の流量Fwsetを算出できる。すなわち、起動時や負荷遮断時など所定時間内に予め設定した閾値以上負荷が変動する大きな負荷変化率や、負荷の急変となる際に、バイパス蒸気流量Fstが急変する場合においても、ダンプチューブ温度Teが所定の規定値を超えないように、スプレー水の流量Fwsetを適切に設定することができる。
次に、上述の弁制御部102によるバイパス弁90制御処理について図5を参照して説明する。図5に示すフローは、発電プラント1が稼働中である場合において所定の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ボイラ10において生成した再熱蒸気の温度Tr及び圧力Prを取得する(S101)。温度Tr及び圧力Prについては、発電プラント1の設けた各計測器106、107から取得する。
次に、再熱蒸気の目標圧力値に合致するとともに、検出した圧力Prを一定とするようバイパス弁90の開度指令を出力する(S102)。
次に、バイパス蒸気流量Fstを、バイパス弁90の開度とバイパス弁90の前後におけるバイパス蒸気の圧力差に基づいて(すなわち、再熱蒸気の圧力Pr、温度Tr、バイパス弁90のエンタルピー差、バイパス弁90の開度による流量係数に基づいて)、算出する(S103)。
次に、バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流量に達したか否かを判定する(S104)。バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流量に達していない場合(S104のNO判定)には、処理を終了して、その後は、上記処理を最初(S101)から、所定の制御周期で繰り返し実行される。
バイパス蒸気流量Fstが許容蒸気流量に達した場合(S104のYES判定)には、バイパス蒸気の流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の開度指令を許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の実開度信号とトラッキングして維持することによって、バイパス弁90の実開度を維持(固定化)する(S105)。そして、S101からS105の上記処理は所定の制御周期で繰り返し実行される。
なお、バイパス蒸気流量Fstが推定された場合には、バイパス蒸気流量Fstの推定後、S105から処理を実行してもよい。
次に、上述の減温制御部103によるスプレー弁制御処理について図6を参照して説明する。図6に示すフローは、バイパス蒸気流量Fstに対応して、ダンプチューブ温度Teが所定の規定値を超えないように、スプレー水の流量Fwsetを設定するものであり、図5に示すバイパス弁90制御処理のフローと合わせて、発電プラント1が稼働中である場合において所定の制御周期で繰り返し実行される。
まず、ダンプチューブ温度Teを取得する(S201)。ダンプチューブ温度Teは、計測器105より取得される。
次に、ダンプチューブ温度Teが所定の規定値以上となっているか否かを判定する(S202)。ダンプチューブ温度Teが所定の規定値以上となっている場合(S202のYES判定)には、バイパス弁90を全閉とする制御を行う(S203)。処理を終了して、その後は、上記処理を最初(S201)から、所定の制御周期で繰り返し実行される。
ダンプチューブ温度Teが所定の規定値以上となっていない場合(S202のNO判定)には、スプレー水の流量を適正に設定し、スプレー弁92を制御する(S204)。スプレー水の流量設定については、エンタルピー制御を用いる。すなわち、(1)式を用いて、バイパス蒸気流量Fstに対応して、スプレー水の流量Fwsetを設定する。そして、上記処理は所定の制御周期で繰り返し実行される。このため、図5で設定するバイパス蒸気流量Fstの変化に対しても、安定してスプレー水の流量Fwsetを設定することができ、ダンプチューブ温度Teが所定の規定値を超えないようにすることができる。
次に、上述の制御装置100によるバイパス弁90の制御について図7を参照して説明する。図7には、上段に縦軸を負荷(ボイラ負荷)とし横軸を時間とした図を記載し、中段に縦軸を中圧タービン63の入口弁(図2におけるタービン蒸気弁82)の開度指令値とし横軸を時間とした図を記載し、下段に縦軸をバイパス弁90の開度とし横軸を時間とした図を記載している。図7において、それぞれの横軸(時間軸)のスケールは共通している。なお、図7は負荷を急変して下げた時を例示しており、負荷、入口弁の開度指令値、及びバイパス弁90の開度の時間変化が示されている。
時刻T1において、負荷が急変する(低下する)した場合に、該負荷急変にあわせてタービン蒸気弁82の開度が閉方向へ制御される。タービン蒸気弁82の開度が閉方向へ制御されると、中圧タービン63に供給される蒸気量が低下するため、バイパス蒸気の流量を増加させる必要がある。このため、時刻T1において、バイパス弁90の開制御(急開制御)が実行される。
バイパス弁90に開制御が行われ、開度が増加すると、バイパス蒸気の流量が増加する。そして、時刻T2のときに、バイパス蒸気の流量が許容蒸気流量に達する。このため、制御装置100は、バイパス蒸気の流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の開度αを保持し、これ以上バイパス弁90が開かないように(これ以上バイパス蒸気の流量が増加しないように)バイパス弁90の制限処理を行う。なお、バイパス弁90の制限処理を行わない場合には、破線で示したように、バイパス弁90の開度が開度αよりもさらに開いた角度となり、より多くの流量のバイパス蒸気が復水器64へ流入することとなる。
時刻T3において、中圧タービン63に供給される蒸気量の低下処理が終了し、時刻T4において、負荷を急変して低下させた処理が終了する。
負荷の低下処理が終了すると、ボイラ10において生成される再熱蒸気の流量が低下した状態で維持される。このため、バイパス蒸気流量を閉方向へ制御し、バイパス蒸気の流量を減少させる。時刻T5において、バイパス蒸気の流量は許容蒸気流量未満となり、バイパス弁90の開度維持処理は終了する。すなわち、期間ΔTの間において、バイパス弁90の開度αを超えることのないとした開制御によるバイパス蒸気の流量が許容蒸気流量を上回ることを確実に防止し、復水器64の損傷を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る発電プラント1のバイパス制御システム及びその制御方法並びに制御プログラム、発電プラント1によれば、急開制御指令が出力されている状態において、バイパスラインL6の蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、バイパス弁90の実開度を維持することとすることで、バイパスラインL6を流通する蒸気流量が許容蒸気流量以上とならないため、復水器64の損傷をより確実に防止することが可能となる。
また、バイパス弁90の急開制御によってバイパスラインL6の蒸気流量が許容蒸気流量に達した際は、バイパスラインL6の蒸気流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の実開度を維持するため、蒸気流量が許容蒸気流量を超えることをより確実に防止することができる。
また、バイパスラインL6の蒸気流量が許容蒸気流量に達した時点におけるバイパス弁90の開度指令を維持することで、開度指令の変動によるバイパス弁90の実開度の変動を抑制し、許容蒸気流量に達した時点における実開度を維持することができる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
1 :発電プラント
10 :ボイラ
11 :火炉
12 :燃焼装置
13 :煙道
21−25 :燃焼バーナ
26−30 :微粉炭供給管
31−35 :粉砕機
36 :風箱
37 :空気ダクト
38 :送風機
39 :アディショナル空気ノズル
40 :分岐空気ダクト
41−43 :過熱器
44 :再熱器(第2再熱器)
45 :再熱器(第1再熱器)
46 :節炭器(第2節炭器)
47 :節炭器(第1節炭器)
48 :ガスダクト
49 :エアヒータ
50 :脱硝触媒
51 :煤塵処理装置
52 :誘引送風機
53 :煙突
60 :燃焼ガス通路
61 :蒸気タービン
62 :高圧タービン
63 :中圧タービン
64 :復水器
65 :入口ヘッダ
66 :給水ポンプ
67 :中間ヘッダ
68 :出口ヘッダ
69 :蒸気ドラム
70 :入口ヘッダ
71 :中間ヘッダ
72 :出口ヘッダ
80 :スーツブロワ
81 :主蒸気弁
82 :タービン蒸気弁
83 :復水ポンプ
84 :低圧給水ヒータ
85 :高圧給水ヒータ
86 :排出弁
87 :制御弁
90 :バイパス弁
91 :減温器
92 :スプレー弁
93 :オリフィス
100 :制御装置
101 :開度指令出力部
102 :弁制御部
103 :減温制御部
105−107 :計測器
108 :流量計
BL :バイパス部
L1,L2 :給水ライン
L3,L4,L5 :蒸気ライン
L6 :バイパスライン
L7 :スプレー水供給ライン

Claims (9)

  1. 再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記タービンをバイパスして前記復水器へ送給するバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁とを備える発電プラントのバイパス制御システムであって、
    前記発電プラントの運転状態に応じて、前記バイパス弁の開度制御指令を出力する開度指令出力部と、
    前記開度制御指令が出力されている状態において、前記バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、前記バイパス弁の実開度を維持する弁制御部と、
    を備える発電プラントのバイパス制御システム。
  2. 前記弁制御部は、前記バイパスラインの蒸気流量が前記許容蒸気流量に達している期間において、前記バイパスラインの蒸気流量が前記許容蒸気流量に達した時点における前記バイパス弁の実開度を維持する請求項1に記載の発電プラントのバイパス制御システム。
  3. 前記開度指令出力部は、前記発電プラントの起動時、または所定時間内に予め設定した閾値以上負荷が変動する負荷変動時において前記開度制御指令を出力する請求項1または2に記載の発電プラントのバイパス制御システム。
  4. 前記バイパスラインの蒸気を減温する減温器を制御する減温制御部を備え、
    前記弁制御部は、前記復水器におけるダンプチューブ温度が所定の規定値以上となった場合に前記バイパス弁を閉とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発電プラントのバイパス制御システム。
  5. 前記許容蒸気流量は、前記復水器の仕様に基づいて設定する請求項1から4のいずれか1項に記載の発電プラントのバイパス制御システム。
  6. 前記弁制御部は、前記バイパスラインの蒸気流量が前記許容蒸気流量に達した時点における前記バイパス弁の開度指令を維持する請求項1から5のいずれか1項に記載の発電プラントのバイパス制御システム。
  7. 再熱蒸気を出力する再熱器と、
    前記再熱蒸気が供給されるタービンと、
    前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、
    前記再熱蒸気の一部を前記復水器へバイパスするバイパスラインと、
    前記バイパスラインの蒸気を減温する減温器と、
    前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁と、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の発電プラントのバイパス制御システムと、
    を備える発電プラント。
  8. 再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記タービンをバイパスして前記復水器へ送給するバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁とを備える発電プラントのバイパス制御方法であって、
    前記発電プラントの運転状態に応じて、前記バイパス弁の開度制御指令を出力する開度指令出力工程と、
    前記開度制御指令が出力されている状態において、前記バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、前記バイパス弁の実開度を維持する弁制御工程と、
    を有する発電プラントのバイパス制御方法。
  9. 再熱蒸気を出力する再熱器と、前記再熱蒸気が供給されるタービンと、前記タービンから排出された蒸気を復水する復水器と、前記再熱蒸気の一部を前記タービンをバイパスして前記復水器へ送給するバイパスラインと、前記バイパスラインの蒸気流量を調整するバイパス弁とを備える発電プラントのバイパス制御プログラムであって、
    前記発電プラントの運転状態に応じて、前記バイパス弁の開度制御指令を出力する開度指令出力処理と、
    前記開度制御指令が出力されている状態において、前記バイパスラインの蒸気流量が予め設定した許容蒸気流量に達した場合に、前記バイパス弁の実開度を維持する弁制御処理と、
    をコンピュータに実行させるための発電プラントのバイパス制御プログラム。

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