JP7409864B2 - 蒸気発生装置、プラント、及び、蒸気発生装置の制御方法 - Google Patents

蒸気発生装置、プラント、及び、蒸気発生装置の制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、蒸気利用装置に供給される蒸気を発生可能な蒸気発生装置、蒸気発生装置を備えるプラント、及び、蒸気発生装置の制御方法に関する。
蒸気利用装置で利用される蒸気を発生させるための蒸気発生装置が知られている。例えば火力発電プラントでは、石炭焚きボイラ等の大型のボイラである蒸気発生装置で発生した蒸気を用いて蒸気タービンを回転させ、蒸気タービンに連結された発電機を駆動することで、発電が行われる。このようなプラントでは、需要電力への増加要求が発生した場合、蒸気発生装置の負荷(蒸気発生量)を増加することで、発電量を増加する。蒸気発生装置の負荷を増加させる場合には、蒸気発生装置への給水量を増加するとともに火炉での燃焼量を増加させるにあたり、固体燃料バーナ(微粉炭燃焼バーナ)に供給する固体燃料(微粉炭燃料)を増加させる。このとき粉砕機(ミル)で石炭を粉砕して固体燃料(微粉炭燃料)を生成する量を増加させて、搬送用空気である一次空気で固体燃料バーナへ搬送する。
需要電力の増加に対して、具体的には、以下の手順で発電量の増加が行われる。
(a)需要電力に基づいて発電機出力要求変化指令を出力し、発電機出力要求変化指令に基づいて主蒸気圧力設定値を設定するとともに、実際の主蒸気圧力を取得し比較して、主蒸気圧力の増減を行う。
(b)上記(a)に基づいて蒸気発生装置の負荷変化指令を出力して、固体燃料バーナの燃焼量(固体燃料供給量)、給水流量、空気流量など制御系統への増加指令を出力する。
(c)上記(b)に従って、粉砕機(ミル)への給炭量と搬送用空気となる一次空気流量を所定量まで増加させ、固体燃料バーナに供給する固体燃料(微粉炭燃料)を増加させる。
(d)蒸気発生装置の給水流量と各収熱部(火炉壁、過熱器、再熱器)における伝熱バランスを調整して、蒸気発生装置出口の主蒸気圧力を所定値まで増加させる。
以上の手順により、固体燃料バーナの燃焼量が所定量まで増加し、これに応答時間を伴いながら蒸気発生装置の負荷が所定値まで上昇して、必要な主蒸気流量の増加を完了する。そして、蒸気タービンへ供給する主蒸気流量が増加することで、蒸気タービンの回転力が増加し、発電機出力増加により発電量が所定値まで上昇して、発電機出力要求変化指令に対応する需要電力を満たすことができる。
ここで固体燃料バーナへの固体燃料(微粉炭燃料)の供給は、粉砕機(ミル)に給炭された石炭を粉砕・分級をして所定サイズ範囲の微粉炭とし、搬送用空気となる一次空気で固体燃料バーナへ搬送する方法で行うため、上記(b)と上記(c)との間で応答時間がかかってしまい、蒸気発生装置の負荷上昇時間に遅れが発生する。
特許文献1には、固体燃料バーナの一部が異常停止した場合に、異常停止した固体燃料バーナ以外に対応している起動用バーナを稼働して、不足する燃焼量を補う技術が開示されている。
特許第4979535号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された起動用バーナの使用方法は、停止した固体燃料バーナの燃焼量を補うものであり、蒸気発生装置の負荷増大時に用いることは想定されていない。
例えば、電力系統に石炭焚きボイラ発電プラントと太陽光発電のような再生可能エネルギ発電プラントとが併存している場合がある。このような場合、再生可能エネルギは天候に応じて発電量が変動するため、石炭焚きボイラ発電プラントで変動分を吸収する必要がある。例えば、太陽光発電は、昼間は発電するが夜間は発電しないため、石炭焚きボイラ発電プラントは昼間から夜間に移行するときに負荷を大幅に増大する必要がある。このような運用は、従来、ほぼ負荷一定や緩やかな負荷変化で運転を行っていた石炭焚きボイラのような蒸気発生装置では想定されていなかった運用である。従来の蒸気発生装置の運用では、例えば3~5%/min程度の負荷変化率が想定されていたが、前述のような事情によって、石炭焚きボイラ発電プラントに高い負荷変化率が要求されるようになってきている。
本開示の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、高い負荷変化率に対応可能な蒸気発生装置、蒸気発生装置を備えるプラント及び蒸気発生装置の制御方法を提供することを目的とする。
本開示の幾つかの実施形態に係る蒸気発生装置は、上記課題を解決するために、
蒸気利用装置に供給される蒸気を発生可能な蒸気発生装置であって、
火炉と、
固体燃料を用いて前記火炉内に火炎を形成可能な固体燃料バーナと、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な点火トーチとを含み、前記火炉を規定する火炉壁に設けられた複数のバーナユニットと、
前記複数のバーナユニットを制御可能な制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの少なくとも一部において前記点火トーチを着火操作する。
本開示の幾つかの実施形態に係るプラントは、上記課題を解決するために、
前述の蒸気発生装置と、
前記蒸気利用装置と、
を備える。
本開示の幾つかの実施形態に係る蒸気発生装置の制御方法は、上記課題を解決するために、
火炉と、
固体燃料を用いて前記火炉内に火炎を形成可能な固体燃料バーナと、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な点火トーチとを含み、前記火炉を規定する火炉壁に設けられた複数のバーナユニットと、
を備える蒸気発生装置の制御方法であって、
前記蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの少なくとも一部において前記点火トーチを着火操作する。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、高い負荷変化率に対応可能な蒸気発生装置、蒸気発生装置を備えるプラント及び蒸気発生装置の制御方法を提供できる。
幾つかの実施形態に係るプラントの全体構成図である。 図1の火炉におけるバーナユニットの構成を示す模式図である。 起動用バーナ燃料供給系統及び点火トーチ燃料供給系統を概略的に示す模式図である。 蒸気発生装置の起動時におけるバーナユニットの制御手順を示すフローチャートである。 負荷増加時における制御部による制御内容を工程毎に示すフローチャートである。 負荷指令値の増加時における各バーナユニットの点火トーチの動作状態を示すタイミングチャートである。 負荷増加時に点火トーチに加えて起動用バーナを着火操作する場合の制御部による制御内容を工程毎に示すフローチャートである。 負荷指令値の増加時における各バーナユニットの点火トーチ及び起動用バーナの動作状態を示すタイミングチャートである。 他の実施形態に係る火炉におけるバーナユニットの構成を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は幾つかの実施形態に係るプラント1の全体構成図である。プラント1は、蒸気発生装置2と、蒸気利用装置4と、を備えて構成される。蒸気発生装置2は蒸気を発生させ、蒸気利用装置4は、蒸気発生装置2で発生された蒸気を利用して動作する。以下の実施形態に示すプラント1は、ボイラである蒸気発生装置2と、蒸気タービン発電装置である蒸気利用装置4とを備える発電プラントである。
蒸気発生装置2は、例えば、固体燃料(炭素含有固体燃料)として石炭を用いる石炭焚きボイラである。蒸気発生装置2は、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料として用い、微粉炭を燃焼させることで発生した熱を回収して給水や蒸気と熱交換することで過熱蒸気を発生する。
蒸気発生装置2は、火炉6と、燃焼装置8と、煙道10とを備える。火炉6は所定形状の火炉壁によって規定され、例えば、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉6を構成する火炉壁(伝熱管)は、複数の蒸発管とこれらを接続するフィンとを含んで構成され、微粉炭を燃焼させることで発生した熱を複数の蒸発管内を流れる給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。
燃焼装置8は、火炉6を構成する火炉壁の下方側に設けられている。本実施形態の燃焼装置8は、複数のバーナユニット12を含む。各バーナユニット12は、後述するように、固体燃料を燃焼可能な固体燃料バーナ14(微粉炭燃焼バーナ)を含んでおり、火炉6の壁面に所定の数が所定の段数にわたって配設されている。但し、火炉6の形状やバーナユニット12の数、段数は限定されない。
バーナユニット12が有する固体燃料バーナ14は、固体燃料供給管16を介して粉砕機18(ミル)に連結されている。図1では粉砕機18の構成を省略して示しているが、粉砕機18は、例えば、ハウジング内に回転テーブルが回転可能に支持され、回転テーブルの上方に複数のローラが回転テーブルの回転運動に連動して回動可能に支持される。石炭が複数のローラと回転テーブルとの間に投入されると、粉砕により微粉炭化され、搬送用空気(一次空気)とともに搬送されて分級機(不図示)で所定サイズ範囲に分級される。分級された微粉炭は、固体燃料供給管16を介して固体燃料バーナ14に供給される。
火炉6は複数のバーナユニット12の装着位置に設けられる風箱20を備える。風箱20には不図示の空気ダクトの一端が連結されており、空気ダクトの他端には不図示の送風機が設けられている。
煙道10は、火炉6の鉛直方向上部に連結されている。煙道10には、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、一次過熱器22、二次過熱器24、三次過熱器26、一次再熱器28、二次再熱器29、節炭器30が設けられており、火炉6の燃焼で発生した燃焼ガスと各熱交換器を流通する給水や蒸気との間で熱交換を行うことで、蒸気を発生させる。
煙道10からの蒸気が供給される蒸気利用装置4は、高圧タービン32と、高圧タービン32に対して同軸に連結された中低圧タービン34と、中低圧タービン34に対して同軸に連結された発電機36とを備える蒸気タービン発電装置である。尚、高圧タービン32、中低圧タービン34及び発電機36は、同軸に連結されていなくともよく、例えば、ギアを介してそれぞれを別軸として構成してもよい。
高圧タービン32の上流側には、主蒸気弁38を備える主蒸気管40が接続されている。主蒸気管40の上流側には三次過熱器26が接続されており、蒸気発生装置2で発生した蒸気が供給される。高圧タービン32の下流側は高圧タービン排出配管42を介して、一次再熱器28の上流側に接続されている。一次再熱器28を通過した蒸気は、下流側に接続された二次再熱器29に供給される。
中低圧タービン34の上流側には、再熱蒸気弁44を備える再熱蒸気管46が接続されている。再熱蒸気管46の上流側は、二次再熱器29の下流側に接続されている。中低圧タービン34の下流側には、中低圧タービン排出配管48を介して、復水器50に接続されている。復水器50に導かれた蒸気は、海水等の冷却水によって冷却されて凝縮し、復水となる。
発電機36は、高圧タービン32及び中低圧タービン34によって回転駆動されることで発電を行う。発電機36で発生した電力は、不図示の配線を介して系統に送られる。
復水器50の下流側には給水配管52が接続されている。給水配管52の下流側は、節炭器30に接続されている。給水配管52の途中位置には給水ポンプ54が設けられており、給水ポンプ54によって復水が節炭器30へ供給される。
給水ポンプ54は、給水ポンプ駆動用蒸気タービン56によって回転駆動される。給水ポンプ駆動用蒸気タービン56には、高圧蒸気抽気配管58を介して高圧タービン32から高圧蒸気が導かれるとともに、中低圧蒸気抽気配管60を介して中低圧タービン34から中低圧蒸気が導かれる。高圧蒸気抽気配管58には高圧蒸気抽気弁62が設けられ、中低圧蒸気抽気配管60には中低圧蒸気抽気弁64が設けられる。高圧蒸気抽気弁62及び中低圧蒸気抽気弁64の開度制御により、高圧タービン32及び中低圧タービン34からの抽気量を調整可能に構成されている。
節炭器30と気水分離器66との間には、炉壁管68が設けられている。炉壁管68は、火炉6を取り囲むように設けられた複数の伝熱管として構成されている。給水は節炭器30を介して炉壁管68内を通過する際に、火炉6内の火炎から輻射を受けて加熱される。炉壁管68を通過することによって加熱された給水は、気水分離器66に導かれる。
気水分離器66で分離された蒸気は一次過熱器22に供給され、気水分離器66で分離されたドレン水は、ドレン水配管65を介して給水管52に導かれる。ドレン水配管65には、ドレン水を給水管52に導くことで再循環させるための再循環ポンプ67が設けられている。
主蒸気管40には、主蒸気弁38の上流側から分岐するようにタービンバイパス配管69が設けられている。タービンバイパス配管69の下流側は、復水器50に接続されている。タービンバイパス配管69には、タービンバイパス弁63が設けられている。タービンバイパス弁63を開閉制御することにより、タービンバイパス配管69を介して、主蒸気の一部が高圧タービン32及び中低圧タービン34をバイパス可能に構成されている。
制御部70は、複数のバーナユニット12を制御するための制御ユニットであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成される。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体に記憶されており、当該プログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。
尚、プログラムはROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される態様、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体等メモリを含む。
図2は、図1の火炉6におけるバーナユニット12の構成を示す模式図である。図2では、火炉6を構成する火炉壁に複数のバーナユニット12が設けられた様子が斜視方向から透過的に示されている。各バーナユニット12は、固体燃料バーナ14と、起動用バーナ15と、点火トーチ17と、を含む。固体燃料バーナ14は前述のように、固体燃料供給管16を介して供給される固体燃料(一次空気との混合物)を燃焼することで火炉6内に火炎を形成可能に構成される。
起動用バーナ15は燃料を燃焼することにより、蒸気発生装置2の起動時に火炉6内に火炎を形成することで、火炉6内を昇温可能に構成される。起動用バーナ15で燃焼される燃料は、固体燃料バーナ14で用いられる固体燃料より着火性がよい燃料が用いられ、例えばメタンガスのようなガス燃料であってもよいし、軽油や重油のような油燃料であってもよい。
点火トーチ17は燃料を燃焼することにより、固体燃料バーナ14の点火用火炎を形成可能に構成される。点火トーチで燃焼される燃料は、起動用燃料と同様に、固体燃料バーナ14で用いられる固体燃料より着火性がよい燃料が用いられ、例えばメタンガスのようなガス燃料であってもよいし、軽油や重油のような油燃料であってもよい。
図2に示す実施形態では、各バーナユニット12では固体燃料バーナ14及び起動用バーナ15は、それぞれの中心軸が一致するように同心配置されている(より具体的には、起動用バーナ15を外側から取り囲むように固体燃料バーナ14が外側に設けられている)。また点火トーチ17は、互いに同心配置される固体燃料バーナ14及び起動用バーナ15に隣接するように配置されることで、点火トーチ17で形成される点火用火炎によって固体燃料バーナ14及び起動用バーナ15が着火可能に構成される。
このような構成を有するバーナユニット12は、鉛直方向に沿った火炉6の周方向(同一高さ)に沿って複数配置された一群であるバーナセットBS1、BS2、BS3、・・・が鉛直方向に沿って複数段にわたって配置される。各バーナセットBS1、BS2、BS3、・・・では、火炉6を構成する火炉壁のうち互いに対向する一対の表面6a、6b上に、互いに対向するように4つのバーナユニット12がそれぞれ配置される(すなわち各バーナセットは、同一高さに配置される8つのバーナユニット12を含む)。
尚、以下の説明では、上述のように同一高さにある8つのバーナユニット12を一つのバーナセットとして扱うが、同一高さに配置される8つのバーナユニット12のうち各表面6a、6b上にそれぞれ設けられる4つのバーナユニット12を互いに独立したバーナセットとして扱ってもよい。
各バーナユニット12の起動用バーナ15及び点火トーチ17には、起動用バーナ燃料供給系統72a及び点火トーチ燃料供給系統72bを介して、それぞれ共通の燃料が供給される。図3は起動用バーナ燃料供給系統72a及び点火トーチ燃料供給系統72bを概略的に示す模式図である。尚、図3では単一のバーナユニット12の起動用バーナ15及び点火トーチ17に対する起動用バーナ燃料供給系統72a及び点火トーチ燃料供給系統72bを代表的に示しているが、他のバーナユニット12の起動用バーナ15及び点火トーチ17に対する燃料供給系統も同様である。
起動用バーナ燃料供給系統72a及び点火トーチ燃料供給系統72bは、燃料が貯留される共通の燃料タンク74を有する。起動用バーナ燃料供給系統72aは、燃料タンク74と起動用バーナ15との間を接続する燃料供給主配管76を有し、燃料供給主配管76には燃料タンク74側から順に、ポンプ82、圧力計84、流量計86、流量調整弁88、遮断弁90及び起動用バーナ弁92が設けられる。また燃料供給主配管76には、遮断弁90をバイパスするように、リークチェック弁93を備えるリークチェック配管94が設けられている。
また燃料供給主配管76のうちポンプ82及び圧力計84の間には、圧力調整ライン96が設けられる。圧力調整ライン96の下流側は燃料タンク74に接続される。圧力調整ライン96には圧力調整弁98が設けられる。圧力調整弁98は、圧力計84の計測値に基づいて開度が制御される。
流量調整弁88は、流量計86の計測値に基づいて開度が制御される。また燃料供給主配管76のうち遮断弁90と起動用バーナ弁92との間から分岐して、圧力調整ライン96に接続される戻り配管100が設けられる。戻り配管100には循環弁102が設けられる。循環弁102の開度は制御部70によって制御される。
点火トーチ燃料供給系統72bは、燃料タンク74と点火トーチ17との間を接続する燃料供給主配管103を有し、燃料供給主配管103には燃料タンク74側から順に、ポンプ104、圧力計106、流量計108、流量調整弁110、点火トーチ用遮断弁113及び点火トーチ弁112が設けられる。
また燃料供給主配管103のうちポンプ104及び圧力計106の間には、圧力調整ライン114が設けられる。圧力調整ライン114の下流側は燃料タンク74に接続される。圧力調整ライン114には圧力調整弁116が設けられる。圧力調整弁116は、圧力計106の計測値に基づいて開度が制御される。
流量調整弁110は、流量計108の計測値に基づいて開度が制御される。また燃料供給主配管103のうち流量調整弁110と点火トーチ弁112との間から分岐して、圧力調整ライン114に接続される戻り配管118が設けられる。戻り配管118には循環弁120が設けられる。循環弁120の開度は制御部70によって制御される。
上記構成を有する蒸気発生装置2のバーナユニット12は、以下のように制御される。
<起動時>
図4は蒸気発生装置2の起動時におけるバーナユニット12の制御手順を示すフローチャートである。
バーナユニット12が停止している起動初期時において、制御部70はまず、起動用バーナ15の動作準備を行う(ステップS100)。具体的には、起動用バーナ燃料供給系統72aにおいてポンプ82を起動し、圧力調整弁98にて圧力制御を行う。続いて流量調整弁88及びリークチェック弁93を開状態にし、所定圧力到達にてリークチェック弁93を閉状態にする。そして所定時間経過後、圧力変化が所定範囲内であることを確認し、リークチェック(油漏れ発生の有無確認)を完了とする。このとき、遮断弁90は閉状態にあるが、リークチェックで油漏れが無いことが確認された後、遮断弁90は開状態にされ、起動用バーナ燃料供給系統72a内の昇圧を行う。起動用バーナ燃料供給系統72a内の昇圧は、圧力が起動用バーナ15の点火が可能な所定圧力に到達するまで行われることで、起動用バーナ15の動作準備が完了する。
尚、点火トーチ燃料供給系統72bに起動用バーナ燃料供給系統72aと同様にリークチェック弁などが設けられている場合には、ステップS100の起動用バーナ15の動作準備と同様に、点火トーチ17の動作準備を行うようにしてもよい。このような点火トーチ17の動作準備は、起動用バーナ15の動作準備より前に行ってもよいし、起動用バーナ15の動作準備より後に行ってもよいし、起動用バーナ15の動作準備と同時に行ってもよい。
起動用バーナ15の動作準備が完了すると、制御部70は起動用バーナ15を着火させるために点火トーチ17を点火し(ステップS101)、続いて、起動用バーナ弁92を開状態にすることで、起動用バーナ15を点火する(ステップS102)。制御部70は、起動用バーナの着火が確認されると(ステップS103:YES)、ステップS101で点火した点火用トーチを消火する(ステップS104)。このように起動用バーナ15の点火が完了し、起動用バーナ15によって火炉6内の温度が上昇して閾値以上になると(ステップS105:YES)、制御部70は、点火対象となる固体燃料バーナ14に対応する点火トーチ17を点火させる(ステップS106)。起動時に点火される固体燃料バーナ14は予め指定されており、制御部70は当該固体燃料バーナ14に対応する点火トーチ17に対して点火指示を送ることで、点火トーチ17を点火する(このとき起動用バーナ15はステップS102で点火された状態にあるため、起動用バーナ15及び点火トーチ17がともに点火状態(混焼状態)にある)。そして制御部70は固体燃料バーナ14に固体燃料を供給することで点火トーチ17によって形成された点火用火炎によって固体燃料バーナ14が着火される(ステップS107)。続いて制御部70は、固体燃料バーナ14の着火を確認すると(ステップS108:YES)、点火トーチ17を消火し(ステップS109)、起動用バーナ15を消火する(ステップS110)。 このように起動時には、所定のバーナユニット12にて固体燃料バーナ14、起動用バーナ15及び点火トーチ17が制御されることで固体燃料バーナ14の点火が行われる。
<定常運転>
起動後の蒸気発生装置2は、定常運転に移行する。定常運転では、制御部70が蒸気発生装置2に対する負荷指令値に応じて、各バーナユニット12の固体燃料バーナ14を点火することにより、蒸気発生装置2の出力が制御される。このとき粉砕機18では石炭が粉砕されることで、固体燃料である微粉炭が生成される。固体燃料は、搬送用空気である一次空気とともに固体燃料供給管16を通過し、固体燃料バーナ14に供給される。また蒸気発生装置2から排出された排ガスと熱交換することによって加熱された二次空気が風箱20を介して各固体燃料バーナ14に供給される。これにより、固体燃料バーナ14は、固体燃料と一次空気との混合気を火炉6に吹き込むとともに二次空気を火炉6に吹き込むことにより、火炎を形成する。このように形成された火炎が火炉6の下部で生じ、燃焼ガスが火炉6内を上昇し、煙道10に排出される。
燃焼ガスは、煙道10に配置された各過熱器22、24、26、各再熱器28、29、節炭器30で熱交換した後、所定の排ガス処理が行われた後に外部に排出される。
燃焼ガスと熱交換することによって過熱器22、24、26で過熱された蒸気は、主蒸気管40を介して高圧タービン32に導かれることで、高圧タービン32を駆動する。高圧タービン32で仕事を終えた蒸気は、高圧タービン排出配管42を介して一次再熱器28に導かれる。一次再熱器28に導かれた蒸気は、燃焼ガスによって再び加熱されることで再熱蒸気となり、再熱蒸気管46を介して中低圧タービン34に導かれる。中低圧タービン34は、再熱蒸気によって駆動される。高圧タービン32及び中低圧タービン34によって得られた回転駆動力は、発電機36に伝達され、発電が行われる。
中低圧タービン34で仕事を終えた蒸気は、中低圧タービン排出配管48を介して復水器50に導かれることで復水となる。復水器50内の復水は、給水ポンプ54によって節炭器30に導かれて加熱される。その後、節炭器30から導かれた給水は、炉壁管68を通過して加熱され、気水分離器66に導かれる。気水分離器66で分離された蒸気は、各過熱器22、24、26に順次送られて燃焼ガスによって過熱される。
定常運転では、発電機36における発電量がプラント1に対する電力需要に対応するように制御される。定常運転における電力需要の変動は比較的緩やかであり、電力需要が増加した場合、例えば、以下の手順で発電量の増加がなされる。
(a)電力需要に基づいて発電機36に対して出力要求変化指令を出力し、当該指令に基づいて主蒸気圧力設定値を設定するとともに、実際の主蒸気圧力を取得し比較して、主蒸気圧力の増減を行う。
(b)上記(a)をもとに蒸気発生装置2の負荷変化指令を出力し、固体燃料バーナ14の燃焼量(燃料供給量)、給水流量、空気流量など制御系統への増加指令を出力する。
(c)上記(b)に従い、粉砕機18への給炭量と一次空気流量を所定値まで増加させることにより、固体燃料バーナ14への固体燃料量を増加させる。
(d)蒸気発生装置2内での給水流量と各収熱部(炉壁管68、過熱器22、24、26、各再熱器28、29)における伝熱バランスを調整して、主蒸気圧力を発電機36の出力要求指令で設定される所定値まで増加させる。
<負荷増加時>
例えば、発電機36の出力先である電力系統に接続された太陽光発電等の再生可能エネルギ発電プラント(不図示)が停止した場合、プラント1に対する電力需要が、前述の定常運転の範囲を超えて大きく増加することがある。このような場合、制御部70はバーナユニット12に対して以下の制御を実施する。
図5は負荷増加時における制御部70による制御内容を工程毎に示すフローチャートであり、図6は負荷指令値の増加時における各バーナユニットの点火トーチの動作状態を示すタイミングチャートである。ここではプラント1に対する電力需要が増加することにより、蒸気発生装置2に対する負荷指令値が、図6に示すように、第1負荷指令値L1に対応する低負荷状態から第2負荷指令値L2(>L1)に対応する高負荷状態に変化する場合を例に説明する。
まず制御部70は、蒸気発生装置2に対する負荷指令値を取得し(ステップS200)、負荷指令値が増加したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の判定は、例えば、ステップS200で取得された負荷指令値について増加率(所定時間における変化量)を算出し、当該増加率が基準値を超えたかに基づいて判断される。これによりステップS201では、定常運転の範囲を超えて負荷指令値が増加したか否かが判定される。このような基準値は、例えば、増加する負荷指令値に対して定常運転時の制御だけでは追従が難しい程度に大きな増加率として設定され、例えば、負荷指令値の変化率が5%/min以上に設定される。
負荷指令値が増加したと判定された場合(ステップS201:YES)、制御部70は、複数のバーナユニット12の少なくとも一部において点火トーチ17を着火操作する(ステップS202)。前述の起動時や定常運転時では、点火トーチ17は固体燃料バーナ14の点火時に点火用火炎を形成するために用いられたが、ステップS202では固体燃料バーナ14の状態に関わらず、点火トーチ17が着火操作される。負荷指令値が大きく増加した場合に定常運転時の前記(a)~(c)の制御だけでは蒸気発生装置2の出力に遅れが生じてしまうが、このように点火トーチ17を着火操作することで、バーナユニット12から火炉6に対する入熱量を増加させることで、大きく増加する負荷指令値に対して蒸気発生装置2の出力の追従性を改善することができる。
また点火トーチ17では、点火時にリークチェック等の準備動作が必要な起動用バーナ15に比べて、迅速に点火を行うことができる(起動用バーナ15では、図4のステップS100のような準備動作が必要であるため、点火するために比較的時間を要する)。つまり点火トーチ17では点火時に必要な準備動作が起動用バーナ15に比べて簡易であるため、負荷指令値が増加した際に、迅速に着火操作することで良好な応答性が得られる。
ステップS202では、制御部70は、全てのバーナユニット12における点火トーチ17を着火操作するようにしてもよい。図6の例では、全てのバーナセットBS1、BS2、BS3、・・・BS6における各点火トーチ17が、負荷指令値が第1負荷状態L1から増加し始める時刻t1において着火操作されている。これにより、各バーナユニット12の点火トーチ17による火炉6に対する入熱量を迅速に最大化でき、負荷指令値に対する応答性をより向上できる。
またステップS202では、制御部70は、複数のバーナユニット12の一部において点火トーチ17を着火操作するようにしてもよい。すなわち、図6では全てのバーナユニット12の点火トーチ17を点火させる場合を例示しているが、一部のバーナユニット12の点火トーチ17を点火させてもよい。このように着火操作する点火トーチ17の数を調整することで、火炉6に対する入熱量を最適化し、入熱が過大になることを防止して周辺を保護しつつ、負荷変化に対する良好な応答性を得ることができる。
またステップS202では、複数のバーナユニット12における点火トーチ17を着火操作する場合には、これらの点火トーチ17の着火操作を同時に行ってもよい。図6の例では、全てのバーナセットBS1、BS2、BS3、・・・BS6における各点火トーチ17が、負荷指令値が第1負荷状態L1から増加し始める時刻t1において同時に着火操作されている。これにより、複数の点火トーチ17による火炉6への入熱を迅速に行うことで、良好な応答性が得られる。
続いて制御部70は、負荷指令値の変化が終了したか否かを判定する(ステップS203)。図6では、第1負荷指令値L1から増加した負荷指令値が第2負荷指令値L2に到達した際に、負荷指令値の変化が終了している。負荷指令値が第1負荷指令値L1から第2負荷指令値L2に到達するまでの間は、負荷指令値の増加に伴って、各バーナユニット12における固体燃料バーナ14が必要に応じて点火されていく。この間、ステップS202で点火された点火トーチ17は点火状態を維持されることで、蒸気発生装置2の出力増加に貢献する。
負荷指令値の変化が終了すると(ステップS203:YES)、制御部70は、ステップS202で着火操作された点火トーチ17を消火状態に制御する(ステップS204)。これにより、負荷指令値が安定化した後は、点火トーチ17を消火状態に戻すことで、点火トーチ17における燃料消費量を抑え、定常運転に戻ることとなる。
ステップS204では、制御部70は、着火操作された複数の点火トーチ17を異なるタイミングで消火状態にするようにしてもよい。図6の例では、バーナセットBS1、BS2、BS3、・・・BS6における点火トーチ17が下方側から順に消火されることで、各点火トーチ17の消火タイミングが異なるように制御されている。仮に複数の点火トーチ17を同時に消火すると、火炉6に対する入熱量が大きく変化することで、燃焼状態が不安定になるおそれがある。そのため、複数の点火トーチ17の消火タイミングを異ならせることで、燃焼状態が不安定になることを効果的に防止することができる。
またステップS204における点火トーチ17の消火制御は、ステップS202における点火トーチ17の着火操作から所定時間が経過するタイミングで行われてもよい。この場合、点火トーチ17は負荷指令値の変化初期時に限定的に着火操作されることで、一時的に蒸気発生装置2の出力増加に貢献し、負荷指令値への追従性を向上する。そして所定時間経過後は点火トーチ17を迅速に消火することで、点火トーチ17における燃料消費量を抑えることができる。
またステップS202では、制御部70は、複数のバーナユニット12の少なくとも一部において起動用バーナ15を着火操作してもよい。このように負荷指令値が増加した場合に、点火トーチ17に加えて、起動用バーナ15を着火操作することにより、火炉6に対する入熱が更に増加される。これにより、蒸気発生装置2に対する負荷変化率が大きな場合においても、負荷変化に対して蒸気発生装置2の負荷を良好な応答性で追従させることができる。
ここで図7は負荷増加時に点火トーチ17に加えて起動用バーナ15を着火操作する場合の制御部70による制御内容を工程毎に示すフローチャートであり、図8は負荷指令値の増加時における各バーナユニットの点火トーチ17及び起動用バーナ15の動作状態を示すタイミングチャートである。
まず制御部70は、前述のステップS200及びS201と同様に、蒸気発生装置2に対する負荷指令値を取得し(ステップS300)、負荷指令値が増加したか否かを判定する(ステップS301)。負荷指令値が増加したと判定された場合(ステップS301:YES)、制御部70は、前述のステップS202と同様に、複数のバーナユニット12の少なくとも一部において点火トーチ17を着火操作する(ステップS302)。このように点火トーチ17を着火操作することで、バーナユニット12から火炉6に対する入熱量を増加させることで、大きく増加する負荷指令値に対して蒸気発生装置2の出力の追従性を改善することができる。
続いて制御部70は起動用バーナ15を着火操作する(ステップS303)。これにより、ステップS302で着火操作された点火トーチ17に加えて起動用バーナ15も着火操作されることで、蒸気発生装置2の出力を更に向上させ、より大きく増加する負荷指令値に対して流行な出力追従性が得られる。
続いて制御部70は、ステップS203と同様に、負荷指令値の変化が終了したか否かを判定し(ステップS304)、負荷指令値の変化が終了すると(ステップS304:YES)、制御部70は、ステップ303で着火操作された起動用バーナ15を消火状態に制御し(ステップS305)、続いて、ステップS202で着火操作された点火トーチ17を消火状態に制御する(ステップS306)。これにより、負荷指令値が安定化した後は、起動用バーナ15及び点火トーチ17を消火状態に戻すことで、起動用バーナ15及び点火トーチ17における燃料消費量を抑え、定常運転に戻ることとなる。
尚、ステップS305及びS306で起動用バーナ15及び点火トーチ17を消火状態に制御する際には、起動用バーナ15及び点火トーチ17の各々が異なるタイミングで消火状態になるように制御してもよい。図8の例では、着火操作された起動用バーナ15及び点火トーチ17の各々について消火タイミングが異なることが示されている。これにより、消火制御時に火炉6に対する入熱量が大きく変化することで、燃焼状態が不安定になることを効果的に防止することができる。
ステップS303で起動用バーナ15を着火操作する場合、制御部70は、点火状態の固体燃料バーナ14が属するバーナユニット12の起動用バーナ15を着火操作するようにしてもよい。固体燃料バーナ14が点火状態にあるバーナユニット12では、着火済の固体燃料バーナ14の周辺が高温になっているため、起動用バーナ15を容易に着火させることができる。これにより、起動用バーナ15の着火操作から着火完了までの時間を短縮し、より応答の速い制御が可能となる。
またステップS303で起動用バーナ15を着火操作する場合、制御部70は、未点火状態の固体燃料バーナ14が属するバーナユニット12の起動用バーナ15を着火操作するようにしてもよい。仮に特定のバーナユニット12で固体燃料バーナ14と起動用バーナ15の両方が点火状態になると、当該バーナユニット12の近傍における火炉壁に対する入熱が過大になり、火炉壁にダメージを与えるおそれがある。そこで、固体燃料バーナ14が未点火状態にあるバーナユニット12において起動用バーナ15を着火操作することで、火炉壁の保護を図りながら、負荷変化への追従性を向上できる。
またステップS302及びS303で点火トーチ17及び起動用バーナ15を着火操作する場合、制御部70は、点火トーチ17を着火操作した後に、当該点火トーチ17が属するバーナユニット12に含まれる起動用バーナ15を着火操作するようにしてもよい。負荷指令値の増加時に、まず点火トーチ17の着火操作を行うことで、続く起動用バーナ15の着火操作時の種火を生成することができる。これにより、起動用バーナ15のスムーズな着火操作が可能となり、より応答の速い制御が可能となる。
またステップS302及びS303で点火トーチ17及び起動用バーナ15を着火操作する場合、制御部70は、鉛直方向に沿って設けられた複数のバーナセットのうち少なくとも最下段にある固体燃料バーナ14が未点火状態にあるバーナセット(例えば図2に示す実施形態では、最下段にあるバーナセットBS1)に含まれるバーナユニット12の点火トーチ17を着火操作した後に、点火トーチ17が属するバーナユニット12に含まれる起動用バーナ15を着火操作するようにしてもよい。鉛直方向に沿って複数のバーナユニット12が配置されている場合、上段側の固体燃料バーナ15が未着火であっても、下段側の固体燃料バーナ14が着火済であれば当該固体燃料バーナ14の火炎上昇によって起動用バーナ15の種火が確保できるため着火性に問題は生じない。一方、下段側の固体燃料バーナ14が未着火状態の場合には当該固体燃料バーナ14と同じバーナユニット12に属する起動用バーナ15の種火がないため、起動用バーナ15が着火しにくくなることがある。この態様では、少なくとも最下段にある固体燃料バーナ14が未点火状態にあるバーナユニット12において、起動用バーナ15に先んじて点火トーチ17を着火操作することで、起動用バーナ15の種火を形成し、着火性を改善することができる。
次に、前述の実施形態とは異なる構成を有するバーナユニット12を備える蒸気発生装置2を例に説明する。図9は他の実施形態に係る火炉6におけるバーナユニット12の構成を示す模式図である。図9に示す実施形態は図2の変形例であり、以下に記載がない限りにおいて、前述の実施形態に対応する構成に共通の符号を付すこととし、重複する説明は適宜省略する。
図9に示すバーナユニット12は、固体燃料を燃焼することにより火炉6内に火炎を形成可能な固体燃料バーナ14と、起動時に燃料を燃焼することにより火炉6内を昇温可能な起動用バーナ15と、固体燃料バーナ14及び起動用バーナ15の点火用火炎をそれぞれ形成可能な第1点火トーチ17a及び第2点火トーチ17bを含む点火トーチ17と、を備える。各バーナユニット12では、固体燃料バーナ14は、起動用バーナ15の鉛直方向両側(上下方向両側)に一対設けられる。また第1点火トーチ17aは、固体燃料バーナ14に隣接するように配置され、前述の実施形態と同様に、固体燃料バーナ14の点火用火炎を形成可能に構成される。第2点火トーチ17bは、起動用バーナ15に隣接するように配置され、起動用バーナ15の点火用火炎を形成可能に構成される。
第2点火トーチ17bは、第1点火トーチ17a(前述の実施形態の点火トーチ17)と略同じ構成を有しており、起動用バーナ15を点火する際に一時的に点火されることで、起動用バーナの点火用火炎を形成する。第1点火トーチ17a及び第2点火トーチ17bには共通の点火トーチ燃料供給系統72bを介して燃料が供給されるが、第1点火トーチ17a及び第2点火トーチ17bに対する燃料供給タイミングは、制御部70によって互いに独立制御可能に構成されている。
このような構成を有するバーナユニット12は、鉛直方向に沿った火炉6の同一高さに複数配置された一群をバーナセットBS1、BS2、BS3、・・・とし、鉛直方向に沿って複数段にわたって配置される。各バーナセットBS1、BS2、BS3、・・・では、火炉6を構成する略矩形断面を有する火炉壁の各角部7a、7b、7c、7dに、4つのバーナユニット12が互いに対向するように配置される。尚、図7では、図示を見やすくするために、最も手前側に位置する角部7bに配置されたバーナユニット12が省略されている。
上記構成を有する蒸気発生装置2は、図5に示すフローチャートに従って制御されることにより、負荷指令値の増加時に、複数のバーナユニット12の少なくとも一部において点火トーチ17が着火操作されることで(図5のステップS202を参照)、負荷指令値の変動に対して蒸気発生装置2の出力を良好に追従させることができる。ステップS202において制御部70は、第1点火トーチ17a又は第2点火トーチ17bの少なくとも一方を着火操作する。これにより、バーナユニット12から火炉6に対する入熱量を増加させることで、大きく増加する負荷指令値に対して蒸気発生装置2の出力の追従性を改善することができる。
尚、図9に示す実施形態においても、特段の記載がない限りにおいて、前述の実施形態に基づいて説明した図5に示すフローチャートに関する各態様の制御を実施できる。
またステップS202では、第1点火トーチ17a又は第2点火トーチ17bの両方を点火させてもよい。この場合、第1点火トーチ17a又は第2点火トーチ17bの両方を点火させることで、バーナユニット12から火炉6に対する入熱量をより増加させることができ、より大きな負荷指令値の変化に対して蒸気発生装置2の出力を追従させることができる。
また上記構成を有する蒸気発生装置2は、図7に示すフローチャートに従って制御されることにより、負荷指令値の増加時に、複数のバーナユニット12の少なくとも一部において点火トーチ17に加えて起動用バーナ15を着火操作することで(図7のステップS302及びS303を参照)、負荷指令値の変動に対して蒸気発生装置2の出力を更に良好に追従させてもよい。
尚、図9に示す実施形態においても、特段の記載がない限りにおいて、前述の実施形態に基づいて説明した図7に示すフローチャートに関する各態様の制御を実施できる。
図7のステップS302で点火トーチ17を着火操作する際には、固体燃料バーナ14が消火されているバーナユニット12に属する第1点火トーチ17aを優先的に着火操作してもよい。これにより、固体燃料バーナ14が点火状態にあるバーナユニット12で第1点火トーチ17aを点火した場合、バーナユニット12の出力が通常時より大きくなることから、周辺の火炉壁に対する入熱が過大になるおそれがある。そのため、固体燃料バーナ14が消火状態にあるバーナユニット12で優先的に第1点火トーチ17aを点火させることで、このような過大な入熱を防止し、バーナユニット12周辺の火炉壁を保護することができる。
また図7のステップS302で点火トーチ17を着火操作する際には、起動用バーナ15が消火されているバーナユニット12に属する第2点火トーチ17bを優先的に点火させてもよい。これにより、起動用バーナ15が点火状態にあるバーナユニット12で第2点火トーチ17bを点火した場合、バーナユニット12の出力が通常時より大きくなることから、周辺の火炉壁に対する入熱が過大になるおそれがある。そのため、起動用バーナ15が消火状態にあるバーナユニット12で優先的に第2点火トーチ17bを点火させることで、このような過大な入熱を防止し、バーナユニット12周辺の火炉壁を保護することができる。
また図7のステップS302及びS303で点火トーチ17及び起動用バーナ15を着火操作する際には、制御部70は、鉛直方向に沿って設けられた複数のバーナセットのうち少なくとも最下段にある固体燃料バーナ14が未点火状態にあるバーナセット(例えば図9に示す実施形態では、最下段にあるバーナセットBS1)に含まれるバーナユニット12の第1点火トーチ17a又は第2点火トーチ17bの少なくとも一方を着火操作した後に、点火トーチ17が属するバーナユニット12に含まれる起動用バーナ15を着火操作するようにしてもよい。鉛直方向に沿って複数のバーナユニット12が配置されている場合、上段側の固体燃料バーナ15が未着火であっても、下段側の固体燃料バーナ14が着火済であれば当該固体燃料バーナ14の火炎上昇によって起動用バーナ15の種火が確保できるため着火性に問題は生じない。一方、下段側の固体燃料バーナ14が未着火状態の場合には当該固体燃料バーナ14と同じバーナユニット12に属する起動用バーナ15の種火がないため、起動用バーナ15が着火しにくくなることがある。この態様では、少なくとも最下段にある固体燃料バーナ14が未点火状態にあるバーナユニット12において、起動用バーナ15に先んじて第1点火トーチ17a又は第2点火トーチ17bの少なくとも一方を着火操作することで、起動用バーナ15の種火を形成し、着火性を改善することができる。
尚、この場合、負荷指令値に応じて、起動用バーナ燃料供給系統72a及び点火トーチ燃料供給系統72bにおける燃料の圧力又は流量を制御してもよい。このような圧力又は燃料の制御は、起動用バーナ燃料供給系統72a及び点火トーチ燃料供給系統72bにある圧力計又は流量計の計測値に基づいて行われ、例えば、負荷指令値が増加した場合には圧力又は流量が増加するように制御され、負荷指令値が減少した場合には圧力又は流量が減少するように制御される。
以上説明したように上記実施形態によれば、負荷指令値が増加した場合に、点火トーチ17を点火状態に制御することにより、火炉に対する入熱が増加される。これにより、蒸気発生装置2に対する負荷変化率が大きな場合においても、負荷変化に対して蒸気発生装置2の負荷を良好な応答性で追従させることができる。
(1)本開示の幾つかの実施形態に係る蒸気発生装置は、
蒸気利用装置(例えば上記実施形態の蒸気利用装置4)に供給される蒸気を発生可能な蒸気発生装置(例えば上記実施形態の蒸気発生装置2)であって、
火炉(例えば上記実施形態の火炉6)と、
固体燃料を用いて火炉内に火炎を形成可能な固体燃料バーナ(例えば上記実施形態の固体燃料バーナ14)と、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な点火トーチ(例えば上記実施形態の点火トーチ17)とを含み、前記火炉を規定する火炉壁に設けられた複数のバーナユニット(例えば上記実施形態のバーナユニット12)と、
前記複数のバーナユニットを制御可能な制御部(例えば上記実施形態の制御部70)と、
を備え、
前記制御部は、前記蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの少なくとも一部において前記点火トーチを着火操作する。
上記(1)の態様によれば、負荷指令値が急に増加した場合、点火トーチを着火操作することにより、火炉に対する入熱が増加される。これにより、蒸気発生装置に対する負荷変化率が大きな場合においても、負荷変化に対して蒸気発生装置の負荷を良好な応答性で追従させることができる。
(2)幾つかの態様では上記(1)の態様において、
前記複数のバーナユニットの各々は、前記蒸気発生装置の起動時に用いられる起動用バーナ(例えば上記実施形態の起動用バーナ15)を更に含み、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの少なくとも一部において前記起動用バーナを着火操作する。
上記(2)の態様によれば、負荷指令値がより急激に増加した場合に、点火トーチに加えて、起動用バーナを着火操作することにより、火炉に対する入熱が更に増加される。これにより、蒸気発生装置に対する負荷変化率が大きな場合においても、負荷変化に対して蒸気発生装置の負荷を良好な応答性で追従させることができる。
(3)いくつかの実施形態では上記(2)の態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、点火状態の前記固体燃料バーナが属する前記バーナユニットの前記起動用バーナを着火操作する。
上記(3)の態様によれば、負荷指令値が急激に増加した場合に、固体燃料バーナが点火状態にあるバーナユニットの起動用バーナが着火操作される。固体燃料バーナが点火状態にあるバーナユニットでは、着火済の固体燃料バーナの周辺が高温になっているため、起動用バーナを容易に着火させることができる。これにより、起動用バーナの着火操作から着火完了までの時間を短縮し、より応答の速い制御が可能となる。
(4)幾つかの態様では上記(2)の態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、未点火状態の前記固体燃料バーナが属する前記バーナユニットの前記起動用バーナを着火操作する。
上記(3)の態様によれば、負荷変化時に固体燃料バーナが未点火状態にあるバーナユニットの起動用バーナを着火操作することで、特定のバーナユニットで固体燃料バーナと起動用バーナの両方が点火状態になることでバーナユニット近傍の火炉壁に対する入熱が過大になることを防止しながら、負荷変化への追従性を向上できる。
(5)いくつかの実施形態では上記(2)から(4)のいずれか一態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記点火トーチを着火操作した後に、前記点火トーチが属する前記バーナユニットに含まれる前記起動用バーナを着火操作する。
上記(5)の態様によれば、負荷指令値の増加時に、まず点火トーチの着火操作を行うことで、続く起動用バーナの着火操作時の種火を生成することができる。これにより、起動用バーナのスムーズな着火操作が可能となり、より応答の速い制御が可能となる。
(6)いくつかの実施形態では上記(5)の態様において、
前記複数のバーナユニットは前記火炉に対して鉛直方向に沿って設けられ、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、少なくとも最下段にある前記固体燃料バーナが未点火状態にある前記バーナユニットの前記点火トーチを着火操作した後に、前記点火トーチが属する前記バーナユニットに含まれる前記起動用バーナを着火操作する。
鉛直方向に沿って複数のバーナユニットが配置されている場合、上段側の固体燃料バーナが未着火であっても、下段側の固体燃料バーナが着火済であれば当該固体燃料バーナの火炎上昇によって起動用バーナの種火が確保できるため着火性に問題は生じない。一方、下段側の固体燃料バーナが未着火状態の場合には当該固体燃料バーナと同じバーナユニットに属する起動用バーナの種火がないため、起動用バーナが着火しにくくなることがある。上記(6)の態様によれば、少なくとも最下段にある固体燃料バーナが未点火状態にあるバーナユニットにおいて、起動用バーナに先んじて点火トーチを着火操作することで、起動用バーナの種火を形成し、着火性を改善することができる。
(7)幾つかの態様では上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、全ての前記バーナユニットにおける前記点火トーチを着火操作する。
上記(7)の態様によれば、負荷指令値が増加した場合に、全てのバーナユニットにおける点火トーチが着火操作される。これにより、各バーナユニットの点火トーチによる火炉に対する入熱量を最大化でき、負荷指令値に対する応答性をより向上できる。
(8)幾つかの態様では上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの一部において前記点火トーチを着火操作する。
上記(8)の態様によれば、負荷指令値が増加した場合に、一部のバーナユニットの点火トーチを着火操作することで、点火トーチによる火炉に対する入熱量を最適化することができる。すなわち、着火操作する点火トーチの数を調整することで、点火トーチの点火による火炉への入熱が過大になることを防止し、バーナユニットの周辺を保護しつつ、負荷変化に対して良好な応答性が得られる。
(9)幾つかの態様では上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットにおける前記点火トーチを同時に着火操作する。
上記(9)の態様によれば、負荷指令値が急増した場合に、複数の点火トーチを同時に着火操作することで、点火トーチの点火による火炉への入熱を迅速に行うことで、良好な応答性が得られる。
(10)幾つかの態様では上記(1)から(9)のいずれか一態様において、
前記制御部は、前記点火状態にされた複数の前記点火トーチを異なるタイミングで消火状態にする。
上記(10)の態様によれば、負荷変化時に点火状態に制御された複数の点火トーチ17を消火状態に制御する場合には、これらの点火トーチ17の消火タイミングが異なるように制御される。仮に複数の点火トーチを同時に消火すると、火炉に対する入熱量が大きく変化することで、燃焼状態が不安定になるおそれがある。そのため、複数の点火トーチの消火タイミングを異ならせることで、燃焼状態が不安定になることを効果的に防止することができる。
(11)幾つかの態様では上記(2)から(6)のいずれか一態様において、
前記複数のバーナユニットの各々において、前記固体燃料バーナ及び前記起動用バーナは、それぞれの中心軸が一致するように同心配置される。
上記(11)の態様によれば、固体燃料バーナ及び起動用バーナが互いに同心配置されたレイアウトの蒸気発生装置において、負荷指令値の増加時に負荷を良好な応答性で追従させることができる。
(12)幾つかの態様では上記(2)から(6)のいずれか一態様において、
前記複数のバーナユニットの各々は、前記蒸気発生装置の起動時に用いられる起動用バーナを更に含み、
前記起動用バーナの両側に一対の前記固体燃料バーナが配置され、
前記点火トーチは、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な第1点火トーチ(例えば上記実施形態の第1点火トーチ17a)と、前記起動用バーナの点火用火炎を形成可能な第2点火トーチ(例えば上記実施形態の第2点火トーチ17b)と、を含む。
上記(12)の態様によれば、起動用バーナの両側に一対の固体燃料バーナが配置されるとともに、 固体燃料バーナ及び起動用バーナにそれぞれ点火トーチが設けられるレイアウトの蒸気発生装置において、負荷指令値の増加時に負荷を良好な応答性で追従させることができる。
(13)幾つかの態様では上記(12)の態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記第1点火トーチ及び前記第2点火トーチを着火操作する。
上記(13)の態様によれば、負荷指令値の増加時に、第1点火トーチ&第2点火トーチを両方着火操作することで、点火トーチによる入熱量を増やし、応答性をより向上できる。
(14)幾つかの態様では上記(1)から(13)のいずれか一態様において、
前記制御部は、前記負荷指令値の変化率が基準値以上である場合に、前記負荷指令値が増加したと判定する。
上記(14)の態様によれば、負荷指令値の変化率が基準値以上に達するような大きな負荷変化に対して、蒸気発生装置の負荷を良好な応答性で追従制御することができる。
(15)本開示の幾つかの実施形態に係るプラント(例えば上記実施形態のプラント1)は、
上記(1)から(14)のいずれか一態様の蒸気発生装置(例えば上記実施形態の蒸気発生装置2)と、
前記蒸気利用装置(例えば上記実施形態の蒸気利用装置4)と、
を備える。
上記(15)の態様によれば、蒸気利用装置に対する需要変化に伴って蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、点火トーチを着火操作することにより、火炉に対する入熱が増加される。これにより、蒸気発生装置に対する負荷変化率が大きな場合においても、負荷変化に対して蒸気発生装置の負荷を良好な応答性で追従させ、蒸気利用装置に対する需要変化に対応することができる。
(16)本開示の幾つかの実施形態に係る蒸気発生装置の制御方法は、
火炉(例えば上記実施形態の火炉6)と、
固体燃料を用いて火炉内に火炎を形成可能な固体燃料バーナ(例えば上記実施形態の固体燃料バーナ14)と、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な点火トーチ(例えば上記実施形態の点火トーチ17)とを含み、前記火炉を規定する火炉壁に設けられた複数のバーナユニット(例えば上記実施形態のバーナユニット12)と、
を備える蒸気発生装置の制御方法であって、
前記蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの少なくとも一部において前記点火トーチを着火操作する(例えば上記実施形態の図5のステップS202)。
上記(16)の態様によれば、負荷指令値が増加した場合に、点火トーチを着火操作することにより、火炉に対する入熱が増加される。これにより、蒸気発生装置に対する負荷変化率が大きな場合においても、負荷変化に対して蒸気発生装置の負荷を良好な応答性で追従させることができる。
1 プラント
2 蒸気発生装置
4 蒸気利用装置
6 火炉
8 燃焼装置
10 煙道
12 バーナユニット
14 固体燃料バーナ
15 起動用バーナ
16 固体燃料供給管
17 点火トーチ
17a 第1点火トーチ
17b 第2点火トーチ
18 粉砕機
20 風箱
22 一次過熱器
24 二次過熱器
26 三次過熱器
28 一次再熱器
29 二次再熱器
30 節炭器
32 高圧タービン
34 中低圧タービン
36 発電機
38 主蒸気弁
40 主蒸気管
42 高圧タービン排出配管
44 再熱蒸気弁
46 再熱蒸気管
48 中低圧タービン排出配管
50 復水器
52 給水配管
54 給水ポンプ
56 給水ポンプ駆動用蒸気タービン
58 高圧蒸気抽気配管
60 中低圧蒸気抽気配管
62 高圧蒸気抽気弁
63 タービンバイパス弁
64 中低圧蒸気抽気弁
65 ドレン水配管
66 気水分離器
68 炉壁管
69 タービンバイパス配管
70 制御部
72a 起動用バーナ燃料供給系統
72b 点火トーチ燃料供給系統
74 燃料タンク
76,103 燃料供給主配管
82,104 ポンプ
84,106 圧力計
86,108 流量計
88,110 流量調整弁
90 遮断弁
92 起動用バーナ弁
93 リークチェック弁
94 リークチェック配管
96,114 圧力調整ライン
98,116 圧力調整弁
100,118 戻り配管
102,120 循環弁
112 点火トーチ弁

Claims (16)

  1. 蒸気利用装置に供給される蒸気を発生可能な蒸気発生装置であって、
    火炉と、
    固体燃料を用いて前記火炉内に火炎を形成可能な固体燃料バーナと、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な点火トーチとを含み、前記火炉を規定する火炉壁に設けられた複数のバーナユニットと、
    前記複数のバーナユニットを制御可能な制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、既に点火状態にある前記固体燃料バーナに対応する前記バーナユニットの前記点火トーチを着火操作する、及び/又は、未点火状態にある前記固体燃料バーナに対応する前記バーナユニットの前記点火トーチを着火操作するとともに、当該バーナユニットの前記固体燃料バーナの着火操作を行わない、蒸気発生装置。
  2. 前記複数のバーナユニットの各々は、前記蒸気発生装置の起動時に用いられる起動用バーナを更に含み、
    前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの少なくとも一部において前記起動用バーナを着火操作する、請求項1に記載の蒸気発生装置。
  3. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、点火状態の前記固体燃料バーナが属する前記バーナユニットの前記起動用バーナを着火操作する、請求項2に記載の蒸気発生装置。
  4. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、未点火状態の前記固体燃料バーナが属する前記バーナユニットの前記起動用バーナを着火操作する、請求項2に記載の蒸気発生装置。
  5. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記点火トーチを着火操作した後に、前記点火トーチが属する前記バーナユニットに含まれる前記起動用バーナを着火操作する、請求項2から4のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  6. 前記複数のバーナユニットは前記火炉に対して鉛直方向に沿って設けられ、
    前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、少なくとも最下段にある前記固体燃料バーナが未点火状態にある前記バーナユニットの前記点火トーチを着火操作した後に、前記点火トーチが属する前記バーナユニットに含まれる前記起動用バーナを着火操作する、請求項5に記載の蒸気発生装置。
  7. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、全ての前記バーナユニットにおける前記点火トーチを着火操作する、請求項1から6のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  8. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットの一部において前記点火トーチを着火操作する、請求項1から6のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  9. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記複数のバーナユニットにおける前記点火トーチを同時に着火操作する、請求項1から8のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  10. 前記制御部は、前記点火状態にされた複数の前記点火トーチを異なるタイミングで消火状態にする、請求項1から9のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  11. 前記複数のバーナユニットの各々において、前記固体燃料バーナ及び前記起動用バーナは、それぞれの中心軸が一致するように同心配置される、請求項2から6のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  12. 前記複数のバーナユニットの各々は、前記蒸気発生装置の起動時に用いられる起動用バーナを更に含み、
    前記起動用バーナの両側に一対の前記固体燃料バーナが配置され、
    前記点火トーチは、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な第1点火トーチと、前記起動用バーナの点火用火炎を形成可能な第2点火トーチと、を含む、請求項2から6のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  13. 前記制御部は、前記負荷指令値が増加した場合に、前記第1点火トーチ及び前記第2点火トーチを着火操作する、請求項12に記載の蒸気発生装置。
  14. 前記制御部は、前記負荷指令値の変化率が基準値以上である場合に、前記負荷指令値が増加したと判定する、請求項1から13のいずれか一項に記載の蒸気発生装置。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の蒸気発生装置と、
    前記蒸気利用装置と、
    を備える、プラント。
  16. 火炉と、
    固体燃料を用いて前記火炉内に火炎を形成可能な固体燃料バーナと、前記固体燃料バーナの点火用火炎を形成可能な点火トーチとを含み、前記火炉を規定する火炉壁に設けられた複数のバーナユニットと、
    を備える蒸気発生装置の制御方法であって、
    前記蒸気発生装置に対する負荷指令値が増加した場合に、既に点火状態にある前記固体燃料バーナに対応する前記バーナユニットの前記点火トーチを着火操作する、及び/又は、未点火状態にある前記固体燃料バーナに対応する前記バーナユニットの前記点火トーチを着火操作するとともに、当該バーナユニットの前記固体燃料バーナの着火操作を行わない、蒸気発生装置の制御方法。
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