WO2024143132A1 - ボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラム - Google Patents

ボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラム

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燃料発熱量を推定しボイラを安定稼働させるボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラムを提供する。 ボイラの制御を行うボイラ制御装置(50)であって、ボイラの状態量を取得する状態量取得部(51)と、ボイラの状態量及びボイラ制御装置(50)に予め設定されたボイラ効率に基づき、ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出部(52)と、を備え、算出部(52)によって算出された燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、燃料発熱量を用いてボイラに投入される燃料流量を補正する制御を行う。

Description

ボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラム
 本開示は、ボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラムに関するものである。
 発電用ボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数のバーナが火炉の周方向に沿って配設されている。大型のボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を生成するための熱交換器が配置されている。そして、バーナが火炉内に燃料と空気(酸化性ガス)との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
 ボイラを安定的に運転・制御するためには、ボイラに投入される熱量を正しく把握する必要がある。ボイラに投入される熱量は、燃料流量および燃料発熱量(カロリ)に基づき得ることができる。例えば特許文献1には、ボイラ効率を用いて熱量を算出することが開示されている。
特開平6-337112号公報
 しかし、特許文献1の発明では、熱量を算出するためにボイラから取得する計測値が変動するため、熱量が頻繁に変動することとなる。その結果、燃料流量制御の整定性が悪くなるという問題があった。
 本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、燃料発熱量を推定しボイラを安定稼働させるボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラムを提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本開示のボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラムは以下の手段を採用する。
 本開示のボイラ制御装置は、ボイラの制御を行うボイラ制御装置であって、前記ボイラの状態量を取得する状態量取得部と、前記ボイラの状態量及び前記ボイラ制御装置に予め設定されたボイラ効率に基づき、前記ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出部と、を備え、前記算出部によって算出された前記燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、前記燃料発熱量を用いて前記ボイラに投入される燃料流量を補正する制御を行う。
 本開示のボイラは、前述のボイラ制御装置を備え、前記ボイラ制御装置により制御が行われる。
 本開示のボイラ制御方法は、ボイラの制御を行うボイラ制御方法であって、前記ボイラの状態量を取得する状態量取得工程と、前記ボイラの状態量及び予め設定されたボイラ効率に基づき、前記ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出工程と、を備え、前記算出工程によって算出された前記燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、前記燃料発熱量を用いて前記ボイラに投入される燃料流量を補正する制御をコンピュータが実行する。
 本開示のボイラ制御プログラムは、前述のボイラ制御方法をコンピュータに実行させる。
 本開示によれば、ボイラの燃料流量制御に対する過剰な補正を回避することができ、燃料流量制御の整定性が向上する。
本開示の幾つかの実施形態における固体燃料を主燃料とするボイラを表す概略構成図である。 本開示の幾つかの実施形態におけるボイラに設けられた熱交換器を表す概略図である。 本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置の機能の一例を示す図である。 参考例としての発熱量変動時における燃料流量指令の算出を示す図である。 参考例としての推定発熱量の算出を示す図である。 本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置による発熱量変動時における燃料流量指令の算出を示す図である。 本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置による燃料発熱量の算出を示す図である。 本開示の幾つかの実施形態における発熱量推定移動平均値と発熱量補正の時間推移を表す図である。 本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置の制御フローチャートを示す図である。
 以下に、本開示に係るボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。この実施形態により本開示が限定されるものではなく、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものであり、鉛直方向は厳密ではなく誤差を含むものである。
 図1は、本開示の幾つかの実施形態における固体燃料を主燃料とするボイラを表す概略構成図である。
 本実施形態のボイラ10は、固体燃料を粉砕した微粉燃料をバーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能なボイラである。固体燃料としては、バイオマス燃料や石炭などが使用される。
 ボイラ10は、火炉11と燃焼装置20と燃焼ガス通路12を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11の内壁面を構成する火炉壁101は、複数の伝熱管と、伝熱管同士を接続するフィンとで構成され、微粉燃料の燃焼により発生した熱を、伝熱管の内部を流通する水や蒸気と熱交換して回収すると共に、火炉壁101の温度上昇を抑制している。
 燃焼装置20は、火炉11の下部領域に設置されている。本実施形態では、燃焼装置20は、火炉壁101に装着された複数のバーナ21A、21B、21C、21D、21E、21F(以下、一括して「バーナ21」と記載する場合がある。)を有している。バーナ21は、火炉11の周方向に沿って均等間隔で配設されたもの(例えば、四角形の火炉11の各コーナ部に設置された4個)を1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。図1では、図示の都合上、1セットのバーナ21のうちの2個のみを記載し、各セットに符合21A、21B、21C、21D、21E、21Fを付している。火炉11の形状やバーナ21の段数、一つの段におけるバーナ21の数、バーナ21の配置などは、この実施形態に限定されるものではない。
 バーナ21A、21B、21C、21D、21E、21Fは、それぞれ、複数の微粉燃料供給管22A、22B、22C、22D、22E、22F(以下、一括して「微粉燃料供給管22」と記載する場合がある。)を介して、複数のミル(粉砕機)31A、31B、31C、31D、31E、31F(以下、一括して「ミル31」と記載する場合がある。)に連結されている。ミル31は、例えば、内部に粉砕テーブル(図示省略)が駆動回転可能に支持されていて、粉砕テーブルの上方に複数の粉砕ローラ(図示省略)が粉砕テーブルの回転に連動回転可能に支持されて構成されている竪型ローラミルである。粉砕ローラと粉砕テーブルが協働して粉砕された固体燃料は、ミル31に供給される一次空気(搬送用ガス、酸化性ガス)により、ミル31が備える分級機(図示省略)に搬送される。分級機では、バーナ21での燃焼に適した粒径以下の微粉燃料と、該粒径より大きな粗粉燃料とに分級される。微粉燃料は、分級機を通過して、一次空気と共に微粉燃料供給管22を介してバーナ21に供給される。分級機を通過しなかった粗粉燃料は、ミル31の内部で、自重により粉砕テーブル上に落下し、再粉砕される。
 バーナ21の装着位置における火炉11の炉外側には、風箱(エアレジスタ)23が設けられており、この風箱23には風道(空気ダクト)24の一端部が連結されている。風道24の他端部には、押込通風機(FDF:Forced Draft Fan)32が連結されている。押込通風機32から供給された空気は、風道24に設置された空気予熱器42で加熱され(詳細は後述する)、風箱23を介してバーナ21に二次空気(燃焼用空気、酸化性ガス)として供給され、火炉11の内部に投入される。
 燃焼ガス通路12は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。燃焼ガス通路12には、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器102A、102B、102C(以下、一括して「過熱器102」と記載する場合がある。)、再熱器103A、103B(以下、一括して「再熱器103」と記載する場合がある。)、節炭器104が設けられており、火炉11で発生した燃焼ガスと各熱交換器の内部を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。各熱交換器の配置や形状は、図1に記載した形態に限定されない。
 燃焼ガス通路12の下流側には、熱交換器で熱回収された燃焼ガスが排出される煙道13が連結されている。煙道13には、風道24との間に空気予熱器(エアヒータ)42が設けられており、風道24を流れる空気と、煙道13を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、ミル31に供給する一次空気やバーナ21に供給する二次空気を加熱することで、水や蒸気との熱交換後の燃焼ガスから、さらに熱回収を行う。
 煙道13には、空気予熱器42よりも上流側の位置に、脱硝装置43が設けられていてもよい。脱硝装置43は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を、煙道13内を流通する燃焼ガスに供給し、還元剤が供給された燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)と還元剤との反応を、脱硝装置43内に設置された脱硝触媒の触媒作用により促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。
煙道13の空気予熱器42より下流側には、ガスダクト41が連結されている。ガスダクト41には、燃焼ガス中の灰などを除去する電気集じん機などの集じん装置44や硫黄酸化物を除去する脱硫装置46などの環境装置、それらの環境装置に排ガスを導くための誘引通風機(IDF:Induced Draft Fan)45が設けられている。ガスダクト41の下流端部は、煙突47に連結されており、環境装置で処理された燃焼ガスが、排ガスとして系外に排出される。
 ボイラ10において、複数のミル31が駆動すると、粉砕、分級された微粉燃料が、一次空気と共に微粉燃料供給管22を介してバーナ21に供給される。空気予熱器42で加熱された二次空気が、風道24から風箱23を介してバーナ21に供給される。バーナ21は、微粉燃料と一次空気とが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に、二次空気を火炉11に吹き込む。火炉11に吹き込まれた微粉燃料混合気が着火し、二次空気と反応することで火炎を形成する。火炉11内の下部領域で火炎が形成され、高温の燃焼ガスが火炉11内を上昇し、燃焼ガス通路12に流入する。本実施形態では、酸化性ガス(一次空気、二次空気)として空気を用いるが、空気よりも酸素割合が多いものや逆に少ないものであってもよく、供給される燃料量に対する酸素量の比率を適正な範囲に調整することで、火炉11において安定した燃焼が実現される。
 燃焼ガス通路12に流入した燃焼ガスは、燃焼ガス通路12の内部に配置された過熱器102、再熱器103、節炭器104で水や蒸気と熱交換した後、煙道13に排出され、脱硝装置43で窒素酸化物が除去され、空気予熱器42で一次空気及び二次空気と熱交換した後、さらにガスダクト41に排出され、集じん装置44で灰などが除去され、脱硫装置46で硫黄酸化物が除去された後、煙突47から系外に排出される。燃焼ガス通路12における各熱交換器及び煙道13からガスダクト41における各装置の配置は、燃焼ガス流れに対して、必ずしも上述の記載順に配置されなくともよい。
 次に、熱交換器として、燃焼ガス通路12に設けられた過熱器102、再熱器103、節炭器104について詳細に説明する。図2は、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラに設けられた熱交換器を表す概略図である。
図1では燃焼ガス通路12内の各熱交換器(過熱器102A、102B、102C、再熱器103A、103B、103C、節炭器104)の位置を正確に示しているものではなく、各熱交換器の燃焼ガス流れに対する配置順も図1の記載に限定されるものではない。
 図2に示すように、本実施形態の発電プラント1は、ボイラ10に設けられた熱交換器と、ボイラ10で生成した蒸気によって回転駆動される蒸気タービン111と、蒸気タービン111に連結され蒸気タービン111の回転力によって発電を行う発電機113とを備える。
 ボイラ10で生成した蒸気により回転駆動される蒸気タービン111は、例えば、高圧タービン111Aと中圧タービン111Bと低圧タービン111Cとから構成される。ボイラ10の過熱器102で加熱された蒸気が高圧タービン111Aを回転駆動した後、ボイラ10の再熱器103で再過熱され、中圧タービン111B、及び低圧タービン111Cを回転駆動する。低圧タービン111Cには、復水器112が連結されており、低圧タービン111Cを回転駆動した蒸気が、この復水器112で冷却水(例えば、海水や河川水など)との熱交換によって凝縮されて復水となる。復水器112は、給水ラインL1を介して節炭器104に連結されている。給水ラインL1には、例えば、復水ポンプ(CP)121、低圧給水ヒータ122、ボイラ給水ポンプ(BFP)123、高圧給水ヒータ124が設けられている。低圧給水ヒータ122と高圧給水ヒータ124には、蒸気タービン111を駆動する蒸気の一部が抽気されて、抽気ライン(図示省略)を介して熱源として供給され、節炭器104へ供給される給水が加熱される。
 例えば、ボイラ10が貫流ボイラの場合について説明する。節炭器104は、火炉壁101を構成する伝熱管に連結されている。節炭器104で加熱された給水は、火炉壁101を構成する伝熱管を通過する際に、火炉11内の火炎から輻射を受けて加熱され、汽水分離器125へと導かれる。汽水分離器125にて分離された蒸気は、過熱器102へと供給され、汽水分離器125にて分離されたドレン水は、汽水分離器ドレンタンク126へ流入し、ドレン水ラインL2を介して復水器112へと導かれる。
 貫流ボイラの起動時や低負荷運転時等においては、節炭器104から供給される給水が、火炉壁101を構成する伝熱管を通過する際に全量が蒸発せず、汽水分離器125に水位が存在する運転状態(ウエット運転状態)となることがある。このウエット運転状態においては、汽水分離器125で分離され、汽水分離器ドレンタンク126に排出されたドレン水は、ボイラ循環ポンプ(BCP)127を用いて循環ラインL6により、給水ラインL1の途中に合流させることで、節炭器104から火炉壁101を構成する伝熱管へと循環して供給してもよい。
 燃焼ガスが燃焼ガス通路12を流れるとき、この燃焼ガスは、過熱器102、再熱器103、節炭器104で熱回収される。一方、ボイラ給水ポンプ(BFP)123から供給された給水は、節炭器104で予熱された後、火炉壁101を構成する伝熱管を通過する際に加熱されて蒸気となり、汽水分離器125に導かれる。汽水分離器125で分離された蒸気は、第1過熱器102A、第2過熱器102B、第3過熱器102Cに導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器102で生成された過熱蒸気は、蒸気ラインL3を介して高圧タービン111Aに供給され、高圧タービン111Aを回転駆動する。高圧タービン111Aから排出された蒸気は、蒸気ラインL4を介して、第1再熱器103A、第2再熱器103Bに導入されて再度過熱される。再過熱された蒸気は、蒸気ラインL5を介して、中圧タービン111Bを経て低圧タービン111Cに供給され、中圧タービン111Bおよび低圧タービン111Cを回転駆動する。蒸気タービン111の回転軸は、発電機113を回転駆動して、発電が行われる。低圧タービン111Cから排出された蒸気は、復水器112で冷却されることで復水となり、給水ラインL1を介して、再び、節炭器104に送られる。
 過熱器102及び再熱器103には、各熱交換器で過熱された蒸気の温度(以下、第3過熱器102Cの出口における過熱蒸気の温度を「主蒸気温度」、第2再熱器103Bの出口における過熱蒸気の温度を「再熱蒸気温度」と言う。)を制御するための手段が設けられていてもよい。例えば、過熱された蒸気に混合噴射される水(以下、主蒸気温度制御のために噴射される水を「過熱器スプレイ水」、再熱蒸気温度制御のために噴射される水を「再熱器スプレイ水」と言う。)の量を調整することで、蒸気温度を制御する過熱器スプレイ弁(図示省略)や再熱器スプレイ弁(図示省略)が設けられていてもよい。過熱器スプレイ水及び再熱器スプレイ水は、例えば、ボイラ10への給水の一部がボイラ給水ポンプ123の出口から分岐されて供給される。
 過熱器スプレイ水が混合噴射される位置は、第3過熱器102Cの出口に限定されず、主蒸気温度の制御が可能な位置であればよく、例えば、汽水分離器125の出口から高圧タービン111Aの入口の間のいずれかの位置に設置される。同様に、再熱器スプレイ水が混合噴射される位置は、第2再熱器103Bの出口に限定されず、再熱蒸気温度の制御が可能な位置であればよく、例えば、高圧タービン111Aの出口から中圧タービン111Bの入口の間のいずれかの位置に設置される。
 燃焼ガス通路12には、過熱器102、再熱器103、節炭器104などの各熱交換器を構成する伝熱管の間隙、または各熱交換器同士の間隙に、図示しないスーツブロワ(除灰装置)が配置されていてもよい。スーツブロワは、燃焼ガス通路12の壁面に対して略垂直な方向に延在して配置される。スーツブロワは、燃焼ガス通路12の壁面に対して垂直方向を軸方向として、軸方向に直交する方向に蒸気(気体)を噴射し、また噴射方向も変動することができる噴射装置である。スーツブロワから過熱器102、再熱器103、節炭器104などの熱交換器に向けて噴射された蒸気は、熱交換器を構成する伝熱管の表面に付着・堆積した燃焼灰を除去し、伝熱管の熱交換効率の低下を抑制する。
 上記において、本開示のボイラ10は、燃料に固体燃料を使用するボイラとして説明した。ボイラ10に使用される固体燃料としては、石炭、バイオマス燃料、石油コークス(PC:Petroleum Coke)燃料、石油残渣、廃タイヤなどが使用される。
 ボイラ10の燃料としては、固体燃料に限らず、重油、軽油、重質油などの石油類や工場廃液、液化アンモニアなどの液体燃料も使用することができる。天然ガスや各種石油ガス、製鉄プロセスなどで発生する副生ガス、水素ガス、アンモニアガスなどの気体燃料も使用することができる。
 さらに、これらの各種燃料を組み合わせて使用する混焼ボイラであってもよい。例えば、石炭とバイオマス燃料(木質チップ、ペレットなど)の組合せ、複数の異なる種類のバイオマス燃料の組合せなどを使用するとしてもよい。
 本開示のボイラ10は、ボイラ制御装置50によって制御される。
 図3は、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
 図3に示すように、ボイラ制御装置(Controller)50は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)1100、二次記憶装置(ROM、Secondary storage:メモリ)1200、主記憶装置(RAM、Main Memory)1300、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)1400と、ネットワーク等に接続するための通信部1500とを備えている。大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バス1800を介して接続されている。
 CPU1100は、例えば、バス1800を介して接続された二次記憶装置1200に格納されたOS(Operating System)によりボイラ制御装置50全体の制御を行うとともに、二次記憶装置1200に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU1100は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
 主記憶装置1300は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU1100の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
 二次記憶装置1200は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置1200は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置1200の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置1200は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。二次記憶装置1200には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置1200は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置1200に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
 ボイラ制御装置50は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。表示部を含み、ランプ、音、特にアラーム音を出力するスピーカーなどの通知部を備えていてもよい。
 図4は、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置の機能の一例を示した図である。
 図4に示すように、ボイラ制御装置50は、状態量取得部51と、算出部52と、を備えている。
 ボイラ制御装置50が備える機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置1200(図3参照)などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)1100(図3参照)が主記憶装置1300(図3参照)に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。プログラムは、二次記憶装置1200に予めインストールされている形態や、他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
 図4に示される状態量取得部51は、ボイラ10の状態量を取得する。ボイラ10の状態量とは、ボイラ10から出た蒸気の保有熱量Q1、ボイラ10へ流入する蒸気および給水の保有熱量Q0、燃料流量Wfなどである。ボイラ10から出た蒸気の保有熱量Q1は、ボイラ10から出た蒸気の流量と蒸気のエンタルピを乗算して求められる。ボイラ10へ流入する蒸気および給水の保有熱量Q0は、ボイラ10へ流入する蒸気の流量と蒸気のエンタルピを乗算した蒸気の保有熱量と、ボイラ10へ流入する給水の流量と給水のエンタルピを乗算した給水の保有熱量と、を加算して求められる。状態量取得部51は、計測された蒸気流量および給水流量に基づき、ボイラ10から出た蒸気の保有熱量Q1およびボイラ10へ流入する蒸気および給水の保有熱量Q0を算出し取得する。
 算出部52は、状態量取得部51が取得した各状態量、及びボイラ制御装置50に予め設定されたボイラ効率ηBに基づき、ボイラ10に投入される燃料の発熱量である燃料発熱量Hhを算出する。
 ボイラ効率ηBは、変動が少ない値であるとされるため、本実施形態では一定の値であるとしている。ボイラ効率ηBは、ボイラ10の負荷に応じた値としてもよい。ボイラ効率ηBは、予めボイラ制御装置50に設定されている。ボイラ効率ηB(%)は、次の(1)式で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
・・・(1)
 (1)式において、Q1はボイラ10から出た蒸気の保有熱量、Q0はボイラ10へ流入する蒸気および給水の保有熱量、Wfは実際の燃料流量、Hhは燃料発熱量を示す。よって、燃料発熱量Hhは、次の(2)式で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
・・・(2)
 一方、燃料発熱量が異なる複数の燃料が投入され、異種燃料により混焼される場合、燃料流量と燃料発熱量は次の(3)式で表される。
[数3]
×H+W×H=WA+B×Have
・・・(3)
 (3)式において、Wは燃料Aの燃料流量、Hは燃料Aの燃料発熱量、Wは燃料Bの燃料流量、Hは燃料Bの燃料発熱量、WA+Bは総燃料流量でありすなわちW+W、Haveは燃料Aと燃料Bの平均発熱量を示す。このとき、ボイラ効率ηBは、次の(4)式で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
・・・(4)
 (4)式に(3)式を代入すると、次の(5)式となる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
・・・(5)
 よって、(5)式より、複数の燃料の平均発熱量Haveは、次の(6)式で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
・・・(6)
 まず、参考例としての発熱量変動時におけるボイラ制御を示す。
 図5は、参考例としての発熱量変動時における燃料流量指令の算出を示す図である。
 図5に示されるように、MWD(Mega Watt Demand、要求発電機出力)60がボイラ制御装置50に入力される。ボイラ10の主蒸気圧力偏差(主蒸気圧力設定値から主蒸気圧力計測値を減算した値)61が入力され、調節器(PIコントローラ)62にて比例積分され、加算器63でMWD60と加算される。加算器63の出力値は、ボイラ10に対する入力デマンド(MW)となる。
 ボイラ10の入力デマンドは、関数器64に入力される。関数器64は、あらかじめ設定されたボイラ10の入力デマンドと燃料流量との関係から、燃料流量設定(t/h)を出力する。このボイラ10の入力デマンドと燃料流量との関係は、燃料発熱量の設計値(基準発熱量)を用いて算出されたものである。
 加算器66において、燃料流量設定と後述する燃料流量補正65とが加算され、燃料流量デマンド67が出力される。
 減算器71において、燃料流量デマンド67から、実際に計測された燃料流量(計測値)68に対して推定発熱量73を用いて補正を行った値(発熱量補正後燃料流量)を減算することで、燃料流量指令72が出力される。発熱量補正後燃料流量は、次のように算出される。
 推定発熱量73に対して、運転員がボイラ10のプロセス値から判断して手動補正を行う場合は、スイッチ74がONとされ、発熱量設定器75を用いて発熱量を推定する。推定発熱量73の自動補正については後述する。
 手動補正後の推定発熱量(スイッチ74の出力)は、除算器76に入力され、分子を手動補正後の推定発熱量とし、分母を基準発熱量77として、発熱量補正係数(基準発熱量に対する補正後の推定発熱量の比)が出力される。
 乗算器69において、燃料流量(計測値)68に対し、発熱量補正係数が乗算され、発熱量補正後燃料流量として出力される。
 図6は、参考例としての主蒸気温度偏差を用いた燃料流量補正と推定発熱量の自動補正を示す図である。
 図5の燃料流量補正65および推定発熱量73の自動補正は、次のように行われる。
 図6に示されるように、蒸気温度の制御目標値である蒸気温度設定81と、実際に計測された蒸気温度(計測値)82がボイラ制御装置50に入力される。減算器83において、蒸気温度設定81から蒸気温度(計測値)82が減算され、蒸気温度の偏差が出力される。蒸気温度の偏差は、調節器(PIコントローラ)84にて比例積分される。
 調節器84の出力値は、燃料流量補正65とされ、図5に遷移する。
 調節器84の出力値において、蒸気温度(計測値)82が蒸気温度設定81を下回る場合は、蒸気温度偏差が正の値となり燃料を増加させる補正が行われる。反対に、蒸気温度(計測値)82が蒸気温度設定81以上の場合は、蒸気温度偏差が負の値となり燃料を減少させる補正が行われる。
 一方、推定発熱量73の自動補正は、発熱量調整回路70を用いて行われる。
 発熱量調整回路70において、蒸気温度の偏差(設定値と計測値)が小さく推定発熱量補正の増減調整が不要な場合は、調節器(PIコントローラ)90への入力値は入力値87として0%が入力され、推定発熱量は増減調整されず一定値となる。
 調節器84の出力値である燃料流量補正値が、上限モニタ85で設定されたある閾値(正値)よりも大きくなった場合、上限モニタ85からトリガが出力されてスイッチ88がONとされる。調節器84の出力値である燃料流量補正値が、下限モニタ86で設定されたある閾値(負値)よりも小さくなった場合、下限モニタ86からトリガが出力されてスイッチ89がONとされる。スイッチ88または89は、いずれか一方がONとされる。
 スイッチ88がONとされる場合は、蒸気温度が設定値よりも低くなっており、燃料流量を増加させる必要がある。マイナス値92を調節器(PIコントローラ)90へ入力して推定発熱量73を減補正させる事で、燃料流量を増加させている。
 スイッチ89がONとされる場合は、蒸気温度が設定値よりも高くなっており、燃料流量を減少させる必要がある。プラス値93を調節器(PIコントローラ)90へ入力して推定発熱量73を増補正させる事で、燃料流量を減少させている。
 スイッチ88及び89の出力値は、調節器(PIコントローラ)90にて比例積分され、調節器90の出力値は推定発熱量73とされて図5に遷移する。
 推定発熱量73は、蒸気温度偏差に基づき発熱量調整回路70を用いて自動補正されるが、燃料流量補正と発熱量の自動補正とが制御干渉してしまうことから、これを防ぐために緩やかに補正を行う必要がある。そのため、補正には時間を要することから、実際の燃料の発熱量変動に追従できないことが課題となっている。
 さらに、実際にボイラ10に投入される燃料の発熱量が、ボイラ制御装置50で想定している燃料発熱量の範囲を大きく逸脱した状態でボイラ10の運転を継続すると、ボイラ10へ投入する燃料、水、空気のバランスが理想状態から崩れ、ボイラ10の運転に制約が発生する可能性がある。特に、ボイラ10において負荷変化運転が実施できなくなる可能性がある。ひいては、ボイラ10の運転継続が不可能となり、ボイラ10が停止する事態に至る可能性が考えられる。
 次に、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御を示す。
 図7は、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置による発熱量変動時における燃料流量指令の算出を示す図である。本実施形態は、参考例に対して、燃料発熱量の算出に特徴があり、その他は参考例と同様である。したがって、以下では、主に参考例に対して相違する事項について説明する。
 図7に示されるように、乗算器69において、燃料流量(計測値)68に対し、発熱量補正係数が乗算され、発熱量補正後燃料流量として出力される。
 ここで、乗算器69に入力される発熱量補正係数は、除算器76において分子を燃料発熱量80とし、分母を設計値の燃料発熱量である基準発熱量77とした場合の出力値である。
 除算器76に入力される燃料発熱量80は、(2)式から算出される、ボイラ効率ηBに基づき算出された燃料発熱量である。
 除算器76において、分子をボイラ効率ηBに基づき算出された燃料発熱量80とし、分母を設計値の燃料発熱量である基準発熱量77として、発熱量補正係数として出力される。乗算器69において、燃料流量(計測値)68に対し、発熱量補正係数が乗算され、発熱量補正後燃料流量として出力される。
 減算器71において、燃料流量デマンド67から、発熱量補正後燃料流量が減算され、燃料流量指令72として出力される。
 燃料発熱量が異なる複数の燃料が投入され、異種燃料により混焼される場合には、(2)式の燃料発熱量80に代えて、(6)式の複数の燃料の平均発熱量Haveを用いてもよい。
 異種燃料を混焼する場合には、燃料の種類の数に応じて、発熱量が変動する要因が増加するため、本実施形態によるボイラ効率ηBに基づき算出された燃料発熱量を用いた発熱量補正がより効果的となる。
 図8は、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置による燃料流量補正の算出を示す図である。
 図8に示されるように、主蒸気温度の制御目標値である蒸気温度設定81と実際に計測された蒸気温度(計測値)82がボイラ制御装置50に入力される。減算器83において、蒸気温度設定81から蒸気温度(計測値)82が減算され、蒸気温度の偏差が出力される。蒸気温度の偏差は、調節器(PIコントローラ)84にて比例積分される。調節器84の出力値は、燃料流量補正65とされ、図7に遷移する。
 本実施形態では、推定発熱量73に代えて、ボイラ効率ηBに基づき算出された燃料発熱量80または複数の燃料の平均発熱量Haveを用いて発熱量補正を行うため、推定発熱量73の自動補正を行う必要が無い。よって、図6に示される推定発熱量73の自動補正を行う発熱量調整回路70は必要なく、燃料流量指令72に対する発熱量補正に要する時間を大幅に短縮し、実際の燃料発熱量の変動に対して適切に対応することができる。
 図9は、本開示の幾つかの実施形態における(2)式または(6)式を用いて算出された算出発熱量の移動平均値と、制御装置に入力される燃料発熱量80の時間推移を表す図である。
 図9において、縦軸は算出発熱量移動平均値または燃料発熱量80、横軸は時間である。またそれぞれ実線が算出発熱量移動平均値または燃料発熱量80の各値を表す。
 算出発熱量移動平均値は、(2)式または(6)式を用いて算出された燃料発熱量の時間移動平均値である。図9の上の図に示されるように、算出発熱量移動平均値は、値が一定とはならず、変動する。これは、算出発熱量が、あらかじめ設定されたボイラ効率ηBと、状態量取得部51が取得した各状態量に基づき算出された値であるためであり、各状態量の変動に応じて頻繁に変動する。
 このように頻繁に変動する算出発熱量を、そのまま制御装置に入力して燃料発熱量80として用いて発熱量補正を行い、燃料流量指令72に適用すると、燃料流量制御の静定性が悪くなる虞がある。
 そこで本実施形態では、発熱量補正を行うにあたり所定の条件を設け、所定の条件を満たす場合に、算出発熱量を用いて燃料発熱量80を更新し、発熱量補正を行うものとする。本実施形態において、所定の条件は、燃料発熱量の変動量の第1閾値以上の変動が第2閾値以上の時間、継続した場合とする。具体的には、燃料発熱量の変動量のX%以上の変動がY分以上の時間、継続した場合とする。例えば、燃料が石炭である場合、燃料発熱量の変動量の3%以上の変動が3分以上の時間、継続した場合とすることが好適であるが、第1閾値および第2閾値は燃料の種類などによって適宜変更可能である。
 図9に示されるように、時間t1において、燃料発熱量の変動が発生する。燃料発熱量の変動の原因としては、例えば、ミル31に供給される燃料の種類(例えば、同種の石炭においても産出時期による性状の違いなどを含む)や含有水分量の変化など、状態が大きく変動する場合が考えられる。時間t1において燃料発熱量が変動しても、その時点での燃料発熱量80の更新は行わない。
 次に時間t2において、燃料発熱量の変動が発生して最初に燃料発熱量の変動量のX%以上の変動が検知されると、変動に応じた燃料発熱量80の更新が行われる。その後、時間t3においてさらに燃料発熱量の変動量のX%以上の変動が発生するが、変動の継続時間がY分を下回るため、燃料発熱量80の更新は行わない。
 次に時間t4において、燃料発熱量の変動量のX%以上の変動がY分以上の時間、継続したとして、その時点での算出発熱量を用いた燃料発熱量80の更新が行われる。このように、所定の条件を満たす場合に燃料発熱量80の更新をステップ状に行うことで、過剰な燃料発熱量80の更新を回避することができ、燃料流量制御の静定性を良くすることができる。
 図9の例では、燃料発熱量の変動量の変動は増加方向の変動であるが、減少方向の変動であっても同様に、所定の条件を満たす場合に燃料発熱量80の更新をステップ状に行うものとする。
 図10は、本開示の幾つかの実施形態におけるボイラ制御装置の制御フローチャートを示す図である。
 ステップS601において、ボイラ制御装置50の状態量取得部51は、ボイラ10の状態量を取得する。
 ステップS602において、算出部52は、状態量取得部51が取得したボイラ10の状態量、及びボイラ効率に基づき、燃料発熱量を算出する。
 ステップS603において、ボイラ制御装置50は、算出部52が算出した燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たすか否かを判定する。燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たすと判定される場合(Yの場合)は、ステップS604へ遷移する。一方、燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たさないと判定される場合(Nの場合)は、再度ステップS603の判定を行う。
 ステップS604において、ボイラ制御装置50は、算出部52が算出した燃料発熱量を用いて燃料発熱量80を更新し、燃料流量に対する発熱量補正を行う。ステップS601からステップS604の制御フローは、ボイラ10の運転中繰り返し実行される。
[変形例]
 上記実施形態では、ボイラ制御装置50が、推定した燃料発熱量を用いて燃料発熱量80を更新し、燃料流量に対し発熱量補正を行う制御を行う例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、図9に示される算出発熱量移動平均値または燃料発熱量80を表示部に表示するなどして運転員に提示し、運転員が表示された算出発熱量移動平均値または燃料発熱量80から判断して手動補正を行うとしてもよい。
 上記実施形態では、所定の条件を満たす場合に、ボイラ制御装置50が算出発熱量を用いて燃料発熱量80を更新し発熱量補正を行う例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、前述の所定の条件が満たされた場合に、ボイラ制御装置50が運転員に対し手動補正を促す通知または表示を行うとしてもよい。
〈付記〉
 以上説明した実施形態に記載のボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラムは、例えば以下のように把握される。
 本開示の第1態様のボイラ制御装置(50)は、ボイラ(10)の制御を行うボイラ制御装置であって、前記ボイラの状態量を取得する状態量取得部(51)と、前記ボイラの状態量及び前記ボイラ制御装置に予め設定されたボイラ効率に基づき、前記ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出部(52)と、を備え、前記算出部によって算出された前記燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、前記燃料発熱量を用いて前記ボイラに投入される燃料流量を補正する制御を行う。
 燃料発熱量を算出することから、定量的な燃料発熱量の指標を得ることができる。燃料流量と燃料発熱量を用いた補正の制御干渉を考慮する必要が無いため、燃料発熱量の推定・算出をより短い時間で行うことができる。
 本開示の第2態様のボイラ制御装置は、前記第1態様において、前記所定の条件は、前記燃料発熱量の前記変動量の第1閾値以上の変動が第2閾値以上の時間、継続した場合であるとしてもよい。
 条件を満たす場合に燃料発熱量を用いた補正が行われるため、補正が頻繁に行われることが無く、過剰な補正を回避することができ、燃料流量制御の整定性が向上する。
 本開示の第3態様のボイラ制御装置は、前記第1態様または前記第2態様において、前記ボイラに前記燃料発熱量が異なる複数の前記燃料が投入される場合、前記算出部は、複数の前記燃料の総燃料流量を含む前記ボイラの状態量及び前記ボイラ効率に基づき、複数の前記燃料の平均発熱量を算出するとしてもよい。
 燃料発熱量の異なる複数の燃料を用いて、燃料発熱量を用いた補正を行うことができ、ボイラに用いられる燃料の種類に制限を設けることなく自由に混焼させることができる。複数の燃料を用いる場合であっても、ボイラを安定的に運転・制御することができる。ひいては、ボイラの運用性を拡大することができる。
 本開示の第4態様のボイラは、前記第1態様から前記第3態様のいずれかのボイラ制御装置を備え、前記ボイラ制御装置により制御が行われる。
 本開示の第5態様のボイラ制御方法(50)は、ボイラの制御を行うボイラ制御方法であって、前記ボイラの状態量を取得する状態量取得工程と、前記ボイラの状態量及び予め設定されたボイラ効率に基づき、前記ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出工程と、を備え、前記算出工程によって算出された前記燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、前記燃料発熱量を用いて前記ボイラに投入される燃料流量を補正する制御を行うコンピュータが実行する。
 本開示の第6態様のボイラ制御プログラム(50)は、前記第5態様のボイラ制御方法をコンピュータに実行させる。
1 発電プラント
10 ボイラ
11 火炉
12 燃焼ガス通路
13 煙道
20 燃焼装置
21 バーナ
22 微粉燃料供給管
23 風箱(エアレジスタ)
24 風道(空気ダクト)
31 ミル(粉砕機)
32 押込通風機(FDF)
41 ガスダクト
42 空気予熱器
43 脱硝装置
44 集じん装置
45 誘引通風機(IDF)
46 脱硫装置
47 煙突
50 ボイラ制御装置
51 状態量取得部
52 算出部
101 火炉壁
102 過熱器
102A 第1過熱器
102B 第2過熱器
102C 第3過熱器
103 再熱器
103A 第1再熱器
103B 第2再熱器
104 節炭器
111 蒸気タービン
112 復水器
113 発電機
 

Claims (6)

  1.  ボイラの制御を行うボイラ制御装置であって、
     前記ボイラの状態量を取得する状態量取得部と、
     前記ボイラの状態量及び前記ボイラ制御装置に予め設定されたボイラ効率に基づき、前記ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出部と、を備え、
     前記算出部によって算出された前記燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、前記燃料発熱量を用いて前記ボイラに投入される燃料流量を補正する制御を行うボイラ制御装置。
  2.  前記所定の条件は、前記燃料発熱量の前記変動量の第1閾値以上の変動が第2閾値以上の時間、継続した場合である、請求項1に記載のボイラ制御装置。
  3.  前記ボイラに前記燃料発熱量が異なる複数の前記燃料が投入される場合、前記算出部は、複数の前記燃料の総燃料流量を含む前記ボイラの状態量及び前記ボイラ効率に基づき、複数の前記燃料の平均燃料発熱量を算出する請求項2に記載のボイラ制御装置。
  4.  請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のボイラ制御装置を備え、
     前記ボイラ制御装置により制御が行われるボイラ。
  5.  ボイラの制御を行うボイラ制御方法であって、
     前記ボイラの状態量を取得する状態量取得工程と、
     前記ボイラの状態量及び予め設定されたボイラ効率に基づき、前記ボイラに投入される燃料の発熱量である燃料発熱量を算出する算出工程と、を備え、
     前記算出工程によって算出された前記燃料発熱量の変動量が所定の条件を満たす場合に、前記燃料発熱量を用いて前記ボイラに投入される燃料流量を補正する制御を行うコンピュータが実行するボイラ制御方法。
  6.  請求項5のボイラ制御方法をコンピュータに実行させるボイラ制御プログラム。
     
     
PCT/JP2023/045819 2022-12-27 2023-12-20 ボイラ制御装置、ボイラ、ボイラ制御方法およびボイラ制御プログラム WO2024143132A1 (ja)

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