JP2023014064A - 不織布及びマスク - Google Patents
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Abstract
【課題】肌あたりが良く、且つ通気性の高い不織布及び当該不織布を用いてなるマスクの提供。【解決手段】ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。【選択図】なし
Description
本発明は、不織布及びマスクに関する。
マスクは、咳やくしゃみの飛沫の飛散を防ぐために使用される、または、ほこりや花粉、飛沫等の粒子が体内に侵入することを防ぐ衛生用品である。
マスクは、フィルタの部分において、飛沫等の粒子が捕捉されることが期待される。近年では、複数のフィルタの層を重ねることによってより細かい粒子の捕捉が可能になってきている。通常は、顔とマスクの隙間から飛沫等の粒子を含む空気が多く流入するため、マスクを着用する際はなるべく顔に密着させることが求められる。
マスクは、フィルタの部分において、飛沫等の粒子が捕捉されることが期待される。近年では、複数のフィルタの層を重ねることによってより細かい粒子の捕捉が可能になってきている。通常は、顔とマスクの隙間から飛沫等の粒子を含む空気が多く流入するため、マスクを着用する際はなるべく顔に密着させることが求められる。
日常生活において使用するマスクは、不織布製マスクが一般的である。不織布は繊維を積層してシート状に広げ、繊維間を熱や化学的な作用によって結合させて布状にしたものである。
不織布の製法は短繊維不織布と長繊維不織布の2つに大別される。短繊維不織布は不織布から繊維が脱落して毛羽立ちやすく、特に長時間のマスク使用時に使用感を損ないやすい。そのため、不織布製マスクでは、一般的に長繊維不織布が用いられている。
一方で、肌あたりを考慮して、極めて単繊維径が小さく、特定の繊維長を有する極細ポリエステル繊維を含む短繊維不織布をマスクの肌側に配置したマスク等が提案されている(例えば、特許文献1)。
不織布の製法は短繊維不織布と長繊維不織布の2つに大別される。短繊維不織布は不織布から繊維が脱落して毛羽立ちやすく、特に長時間のマスク使用時に使用感を損ないやすい。そのため、不織布製マスクでは、一般的に長繊維不織布が用いられている。
一方で、肌あたりを考慮して、極めて単繊維径が小さく、特定の繊維長を有する極細ポリエステル繊維を含む短繊維不織布をマスクの肌側に配置したマスク等が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、極細短繊維を用いて製造される不織布は、密度が高く通気性が低いため、マスク着用時に呼吸し難く、息苦しさを感じることが多いのが実状であった。
従って、本発明は、肌あたりが良く、且つ通気性の高い不織布及び当該不織布を用いてなるマスクを提供することを課題とする。
従って、本発明は、肌あたりが良く、且つ通気性の高い不織布及び当該不織布を用いてなるマスクを提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維及びポリエステル繊維を用いて不織布を形成すれば、極めて良い結果が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。
〔2〕芯部にポリプロピレンが配され、鞘部にポリエチレンが配された芯鞘型複合繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。
〔3〕目付が5~30g/m2である〔1〕または〔2〕に記載の不織布。
〔4〕繊維長が15mm以下である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の不織布。
〔5〕繊維径が25μm以下である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の不織布。
〔6〕通気度が200cc/cm2/sec以上である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の不織布。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の不織布を用いてなるマスク。
〔8〕前記不織布がマスクの内側(顔面に触れる側)に配置されている〔7〕記載のマスク。
〔1〕ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。
〔2〕芯部にポリプロピレンが配され、鞘部にポリエチレンが配された芯鞘型複合繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。
〔3〕目付が5~30g/m2である〔1〕または〔2〕に記載の不織布。
〔4〕繊維長が15mm以下である〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の不織布。
〔5〕繊維径が25μm以下である〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の不織布。
〔6〕通気度が200cc/cm2/sec以上である〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の不織布。
〔7〕〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の不織布を用いてなるマスク。
〔8〕前記不織布がマスクの内側(顔面に触れる側)に配置されている〔7〕記載のマスク。
本発明の不織布は、肌あたりが良く、且つ通気性が高い。そのため、当該不織布によれば、使用感に優れ、マスク着用時に息苦しさが少ないマスクが得られる。
本発明の不織布は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、及びポリエステル繊維を含む。
さらに、本発明の不織布は、芯部にポリプロピレンが配され、鞘部にポリエチレンが配された芯鞘型複合繊維(以下、「芯鞘型複合繊維」ともいう)を含むことが好ましい。
本発明において、芯鞘型複合繊維とは、繊維の構造が芯鞘型の構造を有している繊維をいう。
本発明において、芯鞘型複合繊維とは、繊維の構造が芯鞘型の構造を有している繊維をいう。
ポリプロピレン(略称PP)は、プロピレンの重合体である。ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体、エチレン、ブテン-1等のα-オレフィン単量体との共重合体(ランダムコポリマー、ブロックコポリマー)のいずれでもよい。
本発明の芯鞘型複合繊維は芯部にポリプロピレンが配されるが、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリプロピレン以外の他の芯部を構成する成分、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネト、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂等が適宜配合されていてもよい。
ポリエチレン(略称PE)は、エチレンの重合体であり、エチレンの単独重合体、エチレンと5モル%以下のα-オレフィン単量体との共重合体及びエチレンと官能基に炭素、酸素及び水素原子だけをもつ1モル%以下の非オレフィン単量体との共重合体のいずれでもよい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることができる。
本発明の芯鞘型複合繊維は鞘部にポリエチレンが配されるが、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリエチレン以外の他の鞘部を構成する成分、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネト、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂等が適宜配合されていてもよい。
さらに、芯部を構成する成分及び鞘部を構成する成分には、本発明の効果を損なわない範囲において、例えば、結晶核剤、顔料、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定化剤等の各種添加剤が適宜添加されてもよい。
本発明の芯鞘型複合繊維において、芯部と鞘部の面積比率(芯部/鞘部)は、強度や耐熱性の観点から、好ましくは0.25~4、さらに好ましくは1~2.5である。
芯鞘型複合繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、丸断面、三角断面、扁平断面、S字断面、十字断面、中空断面等の任意の形状とすることができる。
芯鞘型複合繊維の繊維長は、分散性や抄紙性の観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは10~3mm、さらに好ましくは7~3mmである。
尚、本明細書における繊維長等の各測定項目の測定方法は後述する実施例に記載のとおりである。
尚、本明細書における繊維長等の各測定項目の測定方法は後述する実施例に記載のとおりである。
芯鞘型複合繊維の繊維径は、不織布のやわらかさを確保する観点、分散、抄紙性の観点から、好ましくは10~20μm、さらに好ましくは10~15μmである。
本発明の不織布は、ポリエステル繊維を含む。
ポリエステル繊維を形成するポリエステル(略称PET)は、主鎖の構造にエステル結合-CO-O-を有する重合体である。ポリエステルの種類としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等が挙げられる。なかでも、製造性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが望ましい。PETの融点は、好ましくは210~260℃、さらに好ましくは220~240℃である。
ポリエステル繊維を形成するポリエステル(略称PET)は、主鎖の構造にエステル結合-CO-O-を有する重合体である。ポリエステルの種類としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸等が挙げられる。なかでも、製造性の観点から、ポリエチレンテレフタレートが望ましい。PETの融点は、好ましくは210~260℃、さらに好ましくは220~240℃である。
さらに、ポリエステル繊維は、低融点のPETを鞘に、低融点PET以外のPETを芯に持つ芯鞘PETであることが好ましい。鞘部ポリエステルの融点は製造性の観点から、好ましくは80~220℃、さらに好ましくは100~160℃である。
ポリエステル繊維の繊維長は、短繊維として好適に用いることができる観点、不織布のやわらかさを確保する観点、分散性の観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは10~3mm、さらに好ましくは7~3mmである。
ポリエステル繊維の繊維径は、不織布のやわらかさを確保する観点から、好ましくは10~20μm、さらに好ましくは10~15μmである。
ポリエステル繊維は、一般的な溶融紡糸法により製造することができる。例えば、ポリエステル繊維を構成する成分を溶融紡糸し、延伸し、切断することによりポリエステル繊維を製造することができる。
本発明の不織布において、芯鞘型複合繊維の含有量は、不織布が含む繊維全体を100質量%として、製造性の観点、肌あたりの観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。また、芯鞘型複合繊維の含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
ポリエステル繊維の含有量は、不織布が含む繊維全体を100質量%として、製造性の観点、肌あたりの観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上である。また、ポリエステル繊維の含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
本発明の不織布におけるポリエステル繊維と芯鞘型複合繊維との含有比率(ポリエステル繊維/芯鞘型複合繊維)は、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.5~5、さらに好ましくは1~3である。
ポリエステル繊維の含有量は、不織布が含む繊維全体を100質量%として、製造性の観点、肌あたりの観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上である。また、ポリエステル繊維の含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
本発明の不織布におけるポリエステル繊維と芯鞘型複合繊維との含有比率(ポリエステル繊維/芯鞘型複合繊維)は、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.5~5、さらに好ましくは1~3である。
本発明の不織布には、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維以外の繊維、例えば、天然繊維、再生繊維、精製セルロース繊維、半合成繊維、合成繊維が含まれていてもよい。不織布における当該ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維以外の繊維の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができるが、不織布が含む繊維全体を100質量%として、好ましくは50質量%以下、より好ましくは10~50質量%、さらに好ましくは10~30質量%である。
本発明の不織布は、繊維長が、分散性の観点から、好ましくは15mm以下、より好ましくは2~10mm、さらに好ましくは3~8mmである。
本発明の不織布は、繊維径が、繊維の柔らかさの観点から、好ましくは25μm以下、より好ましくは5~20μm、さらに好ましくは9~15μmである。
本発明の不織布は、目付が5~30g/m2であることが好ましい。目付を好ましくは5g/m2以上、より好ましくは8g/m2以上、さらに好ましくは10g/m2以上とすることにより十分な強度が得られる。また、目付を好ましくは30g/m2以下、より好ましくは25g/m2以下、さらに好ましくは20g/m2以下、特に好ましくは16g/m2以下とすることにより、十分な通気性が得られる。
本発明の不織布は、厚みが、シートの柔らかさの観点から、好ましくは10~200μm、より好ましくは10~150μm、さらに好ましくは20~100μmである。
本発明の不織布は、密度が、シートのやわらかさの観点から、好ましくは0.1~0.5g/cm3、より好ましくは0.1~0.3g/cm3、さらに好ましくは0.15~0.25g/cm3である。
本発明の不織布は、通気度が、呼吸のしやすさを確保する観点から、好ましくは200~1000cc/cm2/sec、より好ましくは300~900cc/cm2/sec、さらに好ましくは500~800cc/cm2/secであることが好ましい。
本発明の不織布は、引張強度が、製造性の観点、後加工の観点から、好ましくは0.2~2kN/m、より好ましくは0.3~1.9kN/m、さらに好ましくは0.4~1.7kN/mである。
本発明の不織布は、伸びが、製造性の観点、後加工の観点から、好ましくは5~40%、より好ましくは7~30%、さらに好ましくは7~21%である。
本発明の不織布は、平均摩擦係数(MIU)が、不織布のやわらかさの確保の観点、すべりやすさの観点から、好ましくは0.08~0.3、より好ましくは0.08~0.2、さらに好ましくは0.1~0.15である。
一方で、本発明の不織布は、平均摩擦係数の変動(MMD)が、不織布のやわらかさの確保の観点、なめらかさの観点から、好ましくは0.005~0.009、さらに好ましくは0.006~0.008である。
一方で、本発明の不織布は、平均摩擦係数の変動(MMD)が、不織布のやわらかさの確保の観点、なめらかさの観点から、好ましくは0.005~0.009、さらに好ましくは0.006~0.008である。
本発明の不織布の製造方法は、乾式法、湿式法のいずれでもよいが、製造性の観点、不織布のやわらかさを確保する観点から湿式抄紙法により製造することが好ましい。湿式抄紙法では、水中に繊維を分散させ、長網、円網等の抄紙機により繊維ウエブを形成する。このとき、繊維の分散性向上の観点から、増粘剤、界面活性剤、消泡剤等の各種添加剤が適宜添加されてもよい。次いで、脱水・加熱乾燥することにより湿式不織布を製造することができる。繊維間結合は、熱や接着樹脂、繊維間水素結合等により行うことができる。
かくして得られる不織布は、ワイピングクロス、おしぼり、おむつ、フィルタ、ティーパック、マスク、その他繊維シート等に使用することができる。特に本発明の不織布は、肌あたりが良く、且つ通気性が高い。これらの特徴を活かして、本発明の不織布は、マスクに好適に使用することができる。
次に、図1を用いて上記不織布を用いてなる本発明マスクについて説明する。
図1において、10はマスクで、使用者の顔面の一部(例えば、口や鼻孔の周辺)を覆うためのマスク本体11と、当該マスク本体11の両側に取り付けられた、細紐製の耳掛け部12によって構成されている。
マスク10は所謂「プリーツ加工型」と呼ばれる形態のもので、マスク本体11は、複数(図1では4本)の横方向の折り目14から形成されるプリーツ(襞)16を有している。当該プリーツ16は、使用時に展開するとマスク10の外側に向かって膨らむ立体形状となるように構成されている。このように、マスク本体11がプリーツ加工されることで、使用者の口元がマスク本体11の内側面と物理的に接触することが少なくなるので、装着時の呼吸や会話の妨げになり難くなる。
図1において、10はマスクで、使用者の顔面の一部(例えば、口や鼻孔の周辺)を覆うためのマスク本体11と、当該マスク本体11の両側に取り付けられた、細紐製の耳掛け部12によって構成されている。
マスク10は所謂「プリーツ加工型」と呼ばれる形態のもので、マスク本体11は、複数(図1では4本)の横方向の折り目14から形成されるプリーツ(襞)16を有している。当該プリーツ16は、使用時に展開するとマスク10の外側に向かって膨らむ立体形状となるように構成されている。このように、マスク本体11がプリーツ加工されることで、使用者の口元がマスク本体11の内側面と物理的に接触することが少なくなるので、装着時の呼吸や会話の妨げになり難くなる。
マスク本体11は、単層構造又は多層構造のいずれでもよいが、ホコリ、花粉、ウイルス、又はPM2.5等の異物の除去、プリーツの立体形状の保持、及び耐久性の観点から、2~7層の多層構造であることが好ましく、2~6層の多層構造であることがより好ましく、3~5層の多層構造であることがさらに好ましい。
本発明の不織布は、マスクの内側(顔面に触れる側)から外側(顔面に触れる側とは反対側)のいずれにも用いることができるが、マスク着用時の使用感の観点から、マスク本体11の内側(顔面に触れる側)に用いることが好ましい。
本発明の不織布は、マスクの内側(顔面に触れる側)から外側(顔面に触れる側とは反対側)のいずれにも用いることができるが、マスク着用時の使用感の観点から、マスク本体11の内側(顔面に触れる側)に用いることが好ましい。
本発明の不織布以外に、マスク本体11を構成する材料としては、一般にマスクの材料として周知のものを用いることができる。例えば、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン、コットン、羊毛等からなる不織布、ガーゼ、紙、透湿性樹脂シート等が挙げられる。
マスク本体11は、例えば、縫製、超音波溶着、熱融着等により適宜形成することができる。
マスク本体11は、例えば、縫製、超音波溶着、熱融着等により適宜形成することができる。
耳掛け部12を構成する材料としては、ウレタン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等からなる織布、不織布、組紐、織紐、又は編紐が挙げられる。
本発明のマスク10には、目的に応じてノーズフィッター13を設けることができる。ノーズフィッター13は、マスク10を使用者の鼻に密接させるためにマスク本体11の上辺部分に設けられる。また、マウスバーを設けてもよい。マウスバーは、マスク10の立体形状を維持するためにマスク本体11の中央部に設けられる。
ノーズフィッターやマウスバーとしては、金属製、ポリエチレン製またはポリプロピレン製等から形成されるテープを使用することができる。
ノーズフィッターやマウスバーとしては、金属製、ポリエチレン製またはポリプロピレン製等から形成されるテープを使用することができる。
マスク本体11の寸法は、顔のサイズを考慮して適宜決定すればよい。例えば、縦方向の長さとしては、50~140mmであることが好ましく、50~120mmであることがより好ましく、70~100mmであることがさらに好ましい。
横方向の長さとしては100~210mmであることが好ましく、130~200mmであることがより好ましく、145~180mmであることがさらに好ましい。
プリーツ加工が施されたマスク等の立体型マスクの場合、縦方向の長さとしては、70~200mmであることが好ましく、90~180mmであることがより好ましく、120~180mmであることがさらに好ましい。
横方向の長さとしては100~210mmであることが好ましく、130~200mmであることがより好ましく、145~180mmであることがさらに好ましい。
プリーツ加工が施されたマスク等の立体型マスクの場合、縦方向の長さとしては、70~200mmであることが好ましく、90~180mmであることがより好ましく、120~180mmであることがさらに好ましい。
図1においては、プリーツ加工が施された立体型のマスク10を一例として示したが、マスク本体11の形状は平面型マスクであってもよい。使用感の観点からは、立体型マスクが好ましい。マスク本体の中心部で2枚のシート部材を合掌形様に接合した所謂立体成形型マスクと呼ばれる形態のマスク等にも本発明を適用することができる。
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
本明細書における各測定項目の測定方法は下記のとおりである。
(1)繊維長及び(2)繊維径
水中に分散させた繊維をL&Wファイバーテスタープラス繊維形状分析器(ABB Ltd.)にて測定した。
(3)目付(g/m2)
JIS P 8124(紙及び板紙-坪量の測定方法)に基づいて測定した。
(4)厚み(μm)及び(5)密度(g/cm3)
JIS P 8118(紙及び板紙―厚さ,密度及び比容積の試験方法)に基づいて測定した。
(6)通気度(cc/cm2/sec)
JIS L 1096 8.27.1A法(フラジール形法)に基づいて測定した。
(7)引張強度(kN/m)
JIS P 8113(紙及び板紙の引張特性)に基づいて引張強度を測定した。抄紙機の進行方向に並行な紙の方向(MD)と抄紙機の進行方向と直角な紙の方向(CD)をそれぞれ測定した。
(8)伸び(%)
JIS P 8113(紙及び板紙の伸び)に基づいて伸度を測定した。抄紙機の進行方向に並行な紙の方向(MD)と抄紙機の進行方向と直角な紙の方向(CD)をそれぞれ測定した。
(9)平均摩擦係数(MIU)及び(10)その変動(MMD)
KESカトーテック製摩擦感テスターKES-SEを用いて測定した。平均摩擦係数(MIU)は値が小さいほど摩擦抵抗が少ないことを示し、平均摩擦係数の平均偏差(MMD)は値が小さいほどなめらかであることを示す。
(1)繊維長及び(2)繊維径
水中に分散させた繊維をL&Wファイバーテスタープラス繊維形状分析器(ABB Ltd.)にて測定した。
(3)目付(g/m2)
JIS P 8124(紙及び板紙-坪量の測定方法)に基づいて測定した。
(4)厚み(μm)及び(5)密度(g/cm3)
JIS P 8118(紙及び板紙―厚さ,密度及び比容積の試験方法)に基づいて測定した。
(6)通気度(cc/cm2/sec)
JIS L 1096 8.27.1A法(フラジール形法)に基づいて測定した。
(7)引張強度(kN/m)
JIS P 8113(紙及び板紙の引張特性)に基づいて引張強度を測定した。抄紙機の進行方向に並行な紙の方向(MD)と抄紙機の進行方向と直角な紙の方向(CD)をそれぞれ測定した。
(8)伸び(%)
JIS P 8113(紙及び板紙の伸び)に基づいて伸度を測定した。抄紙機の進行方向に並行な紙の方向(MD)と抄紙機の進行方向と直角な紙の方向(CD)をそれぞれ測定した。
(9)平均摩擦係数(MIU)及び(10)その変動(MMD)
KESカトーテック製摩擦感テスターKES-SEを用いて測定した。平均摩擦係数(MIU)は値が小さいほど摩擦抵抗が少ないことを示し、平均摩擦係数の平均偏差(MMD)は値が小さいほどなめらかであることを示す。
(11)マスク着用時の使用感
顔マスクを試験者4名が着用し、毛羽立ちにくさとプリーツ加工部分の肌あたりをそれぞれ10段階で評価し、4名の各項目の数値を平均化した。10段階評価の項目は、毛羽立ちにくさにおいて1を「毛羽立つ」、10を「毛羽立ちにくい」とし、プリーツ加工部分の肌あたりにおいて1を「痛い」、10を「痛くない」とした。
顔マスクを試験者4名が着用し、毛羽立ちにくさとプリーツ加工部分の肌あたりをそれぞれ10段階で評価し、4名の各項目の数値を平均化した。10段階評価の項目は、毛羽立ちにくさにおいて1を「毛羽立つ」、10を「毛羽立ちにくい」とし、プリーツ加工部分の肌あたりにおいて1を「痛い」、10を「痛くない」とした。
試験例1~4
1.不織布の製造
ポリプロピレン(PP):ポリエチレン(PE)を1:1の割合で用い、芯部にPPが配され、鞘部にPEが配された芯鞘型複合繊維(PP/PE)(ダイワボウ社:製品名HAS)を用意した。芯鞘型複合繊維(PP/PE)の繊維長は5mm、繊維径は10μmであった。
ポリエステル(PET)繊維(帝人フロンティア社:製品名TJ04CN)を用意した。ポリエステル繊維の繊維長は5mm、繊維径は12μmであった。
ポリプロピレン(PP)繊維(ダイワボウ社:製品名PZ)を用意した。ポリプロピレン繊維の繊維長は5mm、繊維径は10μmであった。
1.不織布の製造
ポリプロピレン(PP):ポリエチレン(PE)を1:1の割合で用い、芯部にPPが配され、鞘部にPEが配された芯鞘型複合繊維(PP/PE)(ダイワボウ社:製品名HAS)を用意した。芯鞘型複合繊維(PP/PE)の繊維長は5mm、繊維径は10μmであった。
ポリエステル(PET)繊維(帝人フロンティア社:製品名TJ04CN)を用意した。ポリエステル繊維の繊維長は5mm、繊維径は12μmであった。
ポリプロピレン(PP)繊維(ダイワボウ社:製品名PZ)を用意した。ポリプロピレン繊維の繊維長は5mm、繊維径は10μmであった。
表1に示す割合で、それぞれ芯鞘型複合繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維を混合攪拌した後、TAPPIシートマシン(熊谷理機工業(株)省力型スタンダードシートマシン抄紙装置)により15g/m2の不織布を抄紙し、プレス(熊谷理機工業(株)シートマシンプレス)で脱水した後、125℃の回転ドライヤー(熊谷理機工業(株)ロータリードライヤー)で乾燥し、不織布を得た。この不織布を温度20℃、湿度65%の条件下にて24時間調湿した。
なお、試験例1(比較例)については、芯鞘型複合繊維が製造ラインに粘着してしまい製紙することができなかった。また、試験例4(比較例)については、繊維同士の接着性が十分に得られず製紙することができなかった。
なお、試験例1(比較例)については、芯鞘型複合繊維が製造ラインに粘着してしまい製紙することができなかった。また、試験例4(比較例)については、繊維同士の接着性が十分に得られず製紙することができなかった。
2.顔マスクの製造
プリーツ型マスク(プリーツ展開前90mm×175mm)を調製した。
プリーツ型マスクのマスク本体には、外側(顔面に触れる側とは反対側)からマスクの内側(顔面に触れる側)に向かって、ポリプロピレン不織布(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、ポリプロピレン/ポリエチレン不織布(エアスルー)/ポリプロピレン不織布(メルトブロー)/試験例(2または3)の不織布を使用した。また、マスク本体の上側縁部にはノーズフィッターを設けた。
各測定項目の測定結果とマスク着用時の使用感を評価した結果を表1に示す。
プリーツ型マスク(プリーツ展開前90mm×175mm)を調製した。
プリーツ型マスクのマスク本体には、外側(顔面に触れる側とは反対側)からマスクの内側(顔面に触れる側)に向かって、ポリプロピレン不織布(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)、ポリプロピレン/ポリエチレン不織布(エアスルー)/ポリプロピレン不織布(メルトブロー)/試験例(2または3)の不織布を使用した。また、マスク本体の上側縁部にはノーズフィッターを設けた。
各測定項目の測定結果とマスク着用時の使用感を評価した結果を表1に示す。
その結果、試験例2(実施例)の不織布は、試験例3(比較例)の不織布と比べて、MMDが小さいことが確認された。また、当該試験例2(実施例)の不織布を用いたマスクは、試験例3(比較例)に比べ毛羽立ちが少ない、且つ肌あたりが良く、使用感に優れたものであることが確認された。
試験例5~8
表2に示す割合で、それぞれ芯鞘型複合繊維、ポリエステル繊維を混合攪拌した後、TAPPIシートマシン(熊谷理機工業(株)省力型スタンダードシートマシン抄紙装置)により15g/m2の不織布を抄紙し、プレス(熊谷理機工業(株)シートマシンプレス)で脱水した後、125℃の回転ドライヤー(熊谷理機工業(株)ロータリードライヤー)で乾燥し、不織布を得た。この不織布を温度20℃、湿度65%の条件下にて24時間調湿した。
各測定項目の測定結果を表2に示す。
表2に示す割合で、それぞれ芯鞘型複合繊維、ポリエステル繊維を混合攪拌した後、TAPPIシートマシン(熊谷理機工業(株)省力型スタンダードシートマシン抄紙装置)により15g/m2の不織布を抄紙し、プレス(熊谷理機工業(株)シートマシンプレス)で脱水した後、125℃の回転ドライヤー(熊谷理機工業(株)ロータリードライヤー)で乾燥し、不織布を得た。この不織布を温度20℃、湿度65%の条件下にて24時間調湿した。
各測定項目の測定結果を表2に示す。
その結果、PET繊維の質量%が大きいほど不織布の通気度が高くなることが確認された。
これらの試験例5~8(実施例)の不織布を用いて、上記の顔マスクを製造できる。
これらの試験例5~8(実施例)の不織布を用いて、上記の顔マスクを製造できる。
10 マスク
11 マスク本体
12 耳掛け部
13 ノーズフィッター
14 折り目
16 プリーツ
11 マスク本体
12 耳掛け部
13 ノーズフィッター
14 折り目
16 プリーツ
Claims (8)
- ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。
- 芯部にポリプロピレンが配され、鞘部にポリエチレンが配された芯鞘型複合繊維、及びポリエステル繊維を含むことを特徴とする不織布。
- 目付が5~30g/m2である請求項1又は2記載の不織布。
- 繊維長が15mm以下である請求項1又は2記載の不織布。
- 繊維径が25μm以下である請求項1又は2記載の不織布。
- 通気度が200cc/cm2/sec以上である請求項1又は2記載の不織布。
- 請求項1又は2記載の不織布を用いてなるマスク。
- 前記不織布がマスクの内側(顔面に触れる側)に配置されている請求項7記載のマスク。
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---|---|---|---|
JP2021117040 | 2021-07-15 | ||
JP2021117040 | 2021-07-15 |
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Family Applications (1)
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2022
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- 2022-07-15 WO PCT/JP2022/027797 patent/WO2023286853A1/ja active Application Filing
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