JP2023010406A - 化粧シート、転写シート及び加飾成形品 - Google Patents

化粧シート、転写シート及び加飾成形品 Download PDF

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Kanei Usui
夏生 杉田
Natsuo Sugita
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【課題】シート表面において凹凸のある触感と滑らかな触感とを両立した化粧シートを提供する。【課題手段】意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有し、該凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、該表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有する、化粧シート。【選択図】なし

Description

本開示は、化粧シート、転写シート及び加飾成形品に関する。
従来、天然の木材と同じ木目調の模様(木目模様)が基材層に印刷された化粧シートが知られている。例えば、化粧シートに部分的に凸部を設けることも検討されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、凸部が天然の木材のような自然な触感を付与できる。
特開2018-043407号公報
表面に凸部を有する従来の化粧シートは、凸部に起因してざらざらした触感を示す。本開示の一つの課題は、シート表面において凹凸のある触感と滑らかな触感とを両立した化粧シートを提供することにある。本開示の一つの課題は、上記触感を示す転写層を被着体に転写できる転写シートを提供することにある。本開示の一つの課題は、上記触感を示す加飾成形品を提供することにある。
本開示の化粧シートは、意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有する。凸状部は、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有してもよい。表面樹脂層は、有機系滑剤成分を含有してもよい。
本開示の転写シートは、離型性支持体と転写層とを有する。転写層は、意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有してもよい。凸状部は、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有してもよい。表面樹脂層は、有機系滑剤成分を含有してもよい。離型性支持体は、転写層における表面樹脂層上に配置されていてもよい。
本開示の加飾成形品は、成形品と、成形品の少なくとも一部の領域上に設けられた意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有する。凸状部は、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有してもよい。表面樹脂層は、有機系滑剤成分を含有してもよい。
本開示によれば、シート表面において凹凸のある触感と滑らかな触感とを両立した化粧シートを提供できる。本開示によれば、上記触感を示す転写層を被着体に転写できる転写シートを提供できる。本開示によれば、上記触感を示す加飾成形品を提供できる。
図1は、本開示の化粧シートの模式断面図である。 図2は、本開示の化粧シートの模式断面図である。 図3は、本開示の転写シートの模式断面図である。 図4は、本開示の加飾成形品の模式断面図である。
以下、本開示の実施形態について、詳細に説明する。本開示は多くの異なる形態で実施することが可能であり、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されない。図面は、説明をより明確にするため、実施形態に比べ、各層の幅、厚さ及び形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定しない。本明細書と各図において、既出の図に関してすでに説明したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下の説明において、登場する各成分(例えば、樹脂成分、各種樹脂、粒子、着色剤及び添加剤)は、それぞれ1種用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本開示の化粧シートは、
意匠層と、
意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、
凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層と
を有する。
本開示の化粧シートは、一実施形態において、基材層をさらに有する。この実施形態において、意匠層及び凸状部は、基材層と表面樹脂層との間に設けられてもよい。
フィルム及びシートは、相対的に厚さの薄いものから順にフィルム、シートと呼称される場合が多い。しかしながら、本開示においては、特に断りのない限り、シートは、フィルムを包含する。
図1に、本開示の化粧シートの一実施形態に係る模式断面図を示す。化粧シート1は、第1面11、及び第1面11に対向する第2面12を含む基材層10と、基材層10の第1面11上に設けられた意匠層20と、意匠層20の一部の領域上に設けられた複数の凸状部30と、複数の凸状部30を被覆するように意匠層20上に設けられた表面樹脂層40とを厚さ方向にこの順に有する。すなわち、基材層10、意匠層20、凸状部30及び表面樹脂層40は、図1の紙面における上下方向となる厚さ方向に、重ねられている。凸状部30は、後述するように平均粒子径が25μm以下の粒子を含有するが、図1において該粒子の表示は省略している。他の図面においても、粒子の表示は省略する。化粧シート1は、基材層10の第2面12上に、図示せぬ接着層をさらに有してもよい。
基材層としては、例えば、紙基材、樹脂基材、不織布及び織布が挙げられる。
紙基材としては、例えば、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、コート紙、アート紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、硫酸紙、薄葉紙、上質紙、和紙及び樹脂含浸紙が挙げられる。
樹脂基材を構成する樹脂成分としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート及びメチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート共重合体等の(メタ)アクリル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びエチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリイミド;セルロース樹脂;並びにアイオノマー樹脂が挙げられる。樹脂基材は、1層の樹脂層から構成されてもよく、同種又は異種の2層以上の樹脂層から構成されてもよい。(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
不織布又は織布は、例えば、無機繊維及び/又は有機繊維から構成される。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維及び炭素繊維が挙げられる。有機繊維としては、例えば、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維及び(メタ)アクリル繊維などの合成繊維、並びに絹、木綿及び麻などの天然繊維が挙げられる。
基材層は、上記基材を単独で又は複数種を組み合わせて有してもよい。基材層は、例えば、複数の紙基材を有してもよく、紙基材と不織布又は織布とを有してもよく、紙基材と樹脂基材とを有してもよく、樹脂基材と不織布又は織布とを有してもよく、紙基材と不織布又は織布と樹脂基材とを有してもよい。
基材層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤、発泡剤、難燃剤、可塑剤、滑剤及び着色剤が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤及びヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。光安定剤としては、例えば、ピペリジニルセバケート系光安定剤等のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
基材層は、着色剤を含有してもよい。例えば、化粧シートが貼付される被着体の表面色相がばらついている場合に、表面色相を隠蔽し、意匠層の色調の安定性を向上させたい場合は、基材層は、白色顔料等の無機顔料を含有してもよい。
基材層の厚さは、好ましくは20μm以上1,000μm以下、より好ましくは30μm以上500μm以下、さらに好ましくは50μm以上200μm以下である。紙基材、不織布又は織布の場合における坪量は、好ましくは20g/m2以上150g/m2以下、より好ましくは30g/m2以上100g/m2以下である。
基材層の片面又は両面に、表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、酸化法及び凹凸化法等の物理的表面処理、並びに化学的表面処理が挙げられる。酸化法としては、例えば、コロナ放電処理法、クロム酸化処理法、火炎処理法、熱風処理法及びオゾン-紫外線処理法が挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法及び溶剤処理法が挙げられる。基材層は、その片面又は両面に、易接着層を有してもよい。これにより、例えば、基材層と他の層との層間密着性を向上できる。
本開示の化粧シートは、意匠層を有する。
一実施形態において、意匠層は、基材層上に設けられている。言い換えると、この実施形態では、化粧シートは、基材層と厚さ方向に重ねられた意匠層を有する。基材層と意匠層とは接触していてもよく、基材層と意匠層との間に他の層が存在してもよい。
意匠層、凸状部及び表面樹脂層を有する本開示の化粧シートは、触感及び意匠性に優れる。意匠層は、一実施形態において、化粧シートに装飾性を付与する目的で、基材層と凸状部又は表面樹脂層との間に設けられている。意匠層は、化粧シートが表現する意匠を表示するために設けられている。すなわち、意匠層は意匠を表示する。
意匠層は、例えば、絵柄を有する。絵柄としては、例えば、木材板表面における年輪又は導管溝等を模した木目模様、大理石及び花崗岩等の岩石の表面を模した石目模様、布目又は布状の模様を模した布地模様、皮革表面を模した皮シボ模様、梨地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学模様、並びに文字、図形、記号、水玉及び花柄等の抽象柄模様が挙げられる。絵柄は、単色無地(いわゆるベタ画像)でもよい。絵柄は、これらの2種以上を含む複合模様でもよい。意匠層は、二以上の層を有してもよい。例えば、意匠層は、着色された第1層と、第1層上に設けられて絵柄を形成する第2層とを有してもよい。これらの中でも、木材板表面における年輪又は導管溝等を模した木目模様が好ましい。
意匠層は、例えば、印刷方法又は塗布方法によって形成できる。印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写による印刷、及びインクジェット印刷が挙げられる。塗布方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、及びリバースロールコートが挙げられる。以下に説明する各層も、例えば、これらの方法によって形成できる。
意匠層は、一実施形態において、樹脂成分と着色剤とを含有する。
樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ウレタン-(メタ)アクリル共重合体、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ニトロセルロース及び酢酸セルロースが挙げられる。
着色剤としては、例えば、顔料及び染料が挙げられる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青及びコバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック及びニッケルアゾ錯体等の有機顔料又は染料;アルミニウム及び真鍮等の、鱗片状箔片からなる金属顔料;並びに二酸化チタン被覆雲母及び塩基性炭酸鉛等の、鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料が挙げられる。
意匠層における着色剤の含有量は、意匠層に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上500質量部以下、より好ましくは30質量部以上300質量部以下、さらに好ましくは50質量部以上200質量部以下である。
意匠層は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、可塑剤及び滑剤が挙げられる。
意匠層の厚さは、好ましくは0.5μm以上20μm以下、より好ましくは1μm以上15μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下である。これにより、例えば、化粧シートの意匠性を向上できる。
意匠層は、金属薄膜を有してもよい。金属薄膜を構成する金属としては、例えば、スズ、インジウム、クロム、アルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、銅、銀、金、白金及び亜鉛、並びにこれらの金属から選択される少なくとも1種を含む合金が挙げられる。合金としては、例えば、真鍮、青銅及びステンレス鋼が挙げられる。金属薄膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法が挙げられる。金属薄膜の厚さは、例えば、0.1μm以上1μm以下である。
本開示の化粧シートは、基材層と意匠層との間に、隠蔽層を有してもよい。隠蔽層を設けることにより、例えば、基材層が化粧シートの色調又は絵柄に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
隠蔽層は、不透明色の層でもよい。
隠蔽層は、一実施形態において、樹脂成分と着色剤とを含有する。隠蔽層における樹脂成分及び着色剤は、意匠層における樹脂成分及び着色剤からそれぞれ適宜選択できるので、ここでの説明は省略する。
隠蔽層は、上記添加剤を含有してもよい。
隠蔽層の厚さは、例えば、1μm以上20μm以下である。
本開示の化粧シートは、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部を有する。言い換えると、化粧シートは、意匠層の一部分と厚さ方向に重ねられた凸状部を有する。凸状部は、意匠層の複数の領域上に、複数設けられていてもよい。化粧シートが凸状部を有することにより、例えば、化粧シート表面に凹凸が形成され、凹凸のある触感を付与できる。凸状部は、例えば、意匠層の絵柄に対応した箇所に設けられる。
凸状部は、一実施形態において、互いに間隙を介して分離して配置された複数の突起部の集合体、例えば平面視において網点状の突起部群、からなる。凸状部は、一実施形態において、複数の突起部がレベリングして互いに融合一体化した凸体からなる。一つの突起部の平均外径は、例えば、100μm以上500μm以下程度である。隣接する突起部の間隔は、例えば、20μm以上150μm以下程度である。
凸状部を構成しえる一つの突起部の平面視による形状は、例えば、円形状、四角形状及び六角形状などの定形の形状でもよく、線状に伸びて形成されている形状などの不定形の形状でもよい。
凸状部は、平均粒子径が25μm以下の粒子を含有する。凸状部がこのような平均粒子径を有する粒子を含有することにより、凸状部の表面に粒子による微細な凹凸が形成される。これにより、凸状部に対応する化粧シート表面に、より微細な凹凸のある触感を付与できる。平均粒子径25μm超の粒子を用いると、ざらざらした触感が強くなり過ぎ、表面樹脂層に基づく滑らかな触感が相対的に低下することがある。凸状部が平均粒子径25μm以下の粒子を含有し、表面樹脂層が有機系滑剤成分を含有することにより、凹凸のある触感と、滑らかな触感とを両立できる。
粒子は、樹脂粒子及び無機粒子のいずれでもよい。凸状部は、樹脂粒子を含有してもよく、無機粒子を含有してもよく、樹脂粒子と無機粒子とを含有してもよい。
樹脂粒子を構成する樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド縮合樹脂が挙げられる。樹脂粒子を用いることにより、例えば、凸状部の表面に樹脂粒子による微細な凹凸をより良好に安定して形成できる。これらの中でも、凸状部による優れた触感の付与のほか、凸状部の強度を高めるという観点から、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。すなわち、樹脂粒子としては、(メタ)アクリル樹脂粒子が好ましい。
凸状部による優れた触感の付与、及び凸状部の強度を高めるという観点から、架橋型の樹脂粒子が好ましい。架橋型の樹脂粒子として、例えば、架橋型(メタ)アクリル樹脂粒子及び架橋型ポリウレタン粒子が挙げられる。
樹脂粒子の平均粒子径は、好ましくは5μm以上25μm以下、より好ましくは10μm以上25μm以下、さらに好ましくは15μm以上25μm以下である。平均粒子径が上限値以下であると、例えば、上述した効果を向上できる。平均粒子径が下限値以上であると、例えば、凸状部による触感を向上できる。
本開示において、平均粒子径は、各層の厚さ方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無作為に選択した100個の粒子の非凝集体について測定した粒子径の平均値(算術平均径)を意味する。
一実施形態において、凸状部における樹脂粒子の含有量は、凸状部に含まれる樹脂成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上50質量部以下、より好ましくは10質量部以上45質量部以下、さらに好ましくは15質量部以上40質量部以下である。含有量が上限値以下であると、例えば、凸状部の強度の低下を抑制できる。含有量が下限値以上であると、例えば、凸状部による触感を向上できる。
無機粒子は、無機化合物により形成された粒子である。無機化合物としては、例えば、シリカ、カオリナイト、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、チタニア、ガラス及びセラミックスが挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。すなわち、無機粒子としては、シリカ粒子が好ましい。無機粒子を用いることにより、例えば、マット感を維持しつつ凸状部の表面に無機粒子による微細な凹凸をより良好に形成できる。
無機粒子の平均粒子径は、好ましくは5μm以上20μm以下、より好ましくは8μm以上15μm以下である。平均粒子径が上限値以下であると、例えば、上述した効果を向上できる。平均粒子径が下限値以上であると、例えば、凸状部による触感を向上できる。
一実施形態において、凸状部における無機粒子の含有量は、凸状部に含まれる樹脂成分100質量部に対して、例えば0質量部以上40質量部以下、好ましくは5質量部以上40質量部以下、より好ましくは7質量部以上35質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上30質量部以下である。含有量が上限値以下であると、例えば、凸状部の強度の低下を抑制できる。含有量が下限値以上であると、例えば、凸状部による触感を向上できる。
凸状部は、一実施形態において、樹脂粒子と無機粒子とを含有し、好ましくは、平均粒子径が15μm以上25μm以下の樹脂粒子と、平均粒子径が8μm以上15μm以下の無機粒子とを含有する。これにより、例えば、マット感を維持しつつ触感をより向上できる。
凸状部は、樹脂成分を含有する。樹脂成分は、例えば、凸状部におけるバインダーとして機能する。樹脂成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、及び硬化性化合物の硬化物が挙げられる。硬化性化合物の硬化物としては、例えば、電離放射線硬化性化合物の硬化物、及び熱硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。表面樹脂層は、これらの樹脂成分を2種以上含有してもよい。
凸状部は、凸状部の変形を抑制するという観点から、硬化性化合物の硬化物を含有することが好ましく、熱硬化性樹脂の硬化物を含有することがより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカードネート、ポリアミド及びポリイミドが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和基含有(メタ)アクリル樹脂、不飽和ポリエステル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノアルキッド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、メラミン-尿素共縮合樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂及びシリコーン樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂とともに、必要に応じて硬化剤が用いられる。不飽和基含有(メタ)アクリル樹脂及び不飽和ポリエステルの場合は、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、又はアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が用いられる。ウレタン樹脂の場合は、例えば、イソシアネート系硬化剤が用いられる。エポキシ樹脂の場合は、例えば、有機アミン系硬化剤が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリオールを主剤とし、イソシアネート化合物を硬化剤とする二液硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。ポリオールとしては、例えば、(メタ)アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。イソシアネート化合物は、2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートであり、例えば、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが挙げられる。
凸状部は、一実施形態において、熱硬化性樹脂の硬化物を含有し、例えば、イソシアネート系硬化剤による(メタ)アクリルポリオールの架橋硬化物を含有する。
電離放射線硬化性化合物は、電離放射線を照射することにより、架橋及び硬化する化合物を意味し、電離放射線硬化性官能基を有する。電離放射線硬化性官能基とは、電離放射線の照射によって架橋する基であり、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基(エチレン性不飽和基)が挙げられる。電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味する。電離放射線としては、例えば、電子線(EB)及び紫外線(UV)が挙げられ、X線及びγ線などの電磁波;α線及びイオン線などの荷電粒子線も挙げられる。
電離放射線硬化性化合物としては、例えば、電離放射線硬化性化合物として従来慣用されている、重合性モノマー及び重合性オリゴマーが挙げられる。
重合性モノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーがより好ましい。多官能(メタ)アクリレートモノマーにおける(メタ)アクリロイル基数は、2以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールAテトラプロポキシジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の(メタ)アクリレート;並びにこれらの(メタ)アクリレートの、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、カプロラクトン変性物、イソシアヌル酸変性物又はプロピオン酸変性物が挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンウレタン(メタ)アクリレート及びポリカプロラクトンジオールウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。重合性オリゴマーにおける(メタ)アクリロイル基数は、2以上であり、好ましくは8以下、より好ましくは6以下である。
重合性オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは500以上100,000以下、より好ましくは1,000以上50,000以下である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
電離放射線硬化性化合物としては、多官能(メタ)アクリレートとともに、粘度を低下させるなどの目的で、単官能(メタ)アクリレートを適宜併用してもよい。単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びイソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合は、紫外線硬化性化合物とともに、光重合開始剤及び光重合促進剤から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
凸状部は、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、消泡剤、難燃剤、可塑剤、滑剤及び着色剤が挙げられる。
凸状部の平均高さは、好ましくは5μm以上25μm以下、より好ましくは10μm以上25μm以下、さらに好ましくは15μm以上25μm以下である。これにより、例えば、化粧シートの触感と意匠性とをさらに向上できる。
凸状部の平均高さは、化粧シートの断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、各測定値の平均値として算出した値である。凸状部の平均高さは、例えば、下記(X1)及び(X2)のステップで算出できる。下記(X1)及び(X2)の「凸状部の高さ」を「表面樹脂層の厚さ」に読み替えることにより、表面樹脂層の平均厚さも算出できる。
(X1)化粧シートの幅が500μm以上1500μm以下の範囲で撮像されている断面写真を10枚用意する。各断面写真において、凸状部の高さを、化粧シートの幅方向5μmごとに測定する。例えば、各断面写真における化粧シートの幅が500μmの場合、各断面写真で100箇所の凸状部の高さを測定する。
(X2)測定した全高さデータから、凸状部の平均高さを算出する。
凸状部の平均高さは、表面樹脂層の平均厚さよりも大きいことが好ましい。これにより、化粧シートに表面樹脂層が存在していても、凸状部による高い触感が得られる。凸状部の平均高さは、表面樹脂層の平均厚さの好ましくは1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、さらに好ましくは4倍以上である。凸状部の平均高さは、表面樹脂層の平均厚さの例えば20倍以下、好ましくは10倍以下である。
凸状部に含まれる上記粒子の平均粒子径と、凸状部の平均高さとの比(平均粒子径/平均高さ)は、好ましくは0.3以上1.5以下、より好ましくは0.4以上1.3以下、さらに好ましくは0.5以上1.2以下である。これにより、例えば、凸状部による凹凸のある触感と、表面樹脂層による滑らかな触感とをさらに向上できる。
化粧シートを表面樹脂層側から平面視した(化粧シートの法線方向から視た)場合に、凸状部の面積の70%以上が、表面樹脂層で被覆されていることが好ましく、凸状部の面積の75%以上、80%以上、85%以上、90%以上又は95%以上が、表面樹脂層で被覆されていることがより好ましく、凸状部の全面が表面樹脂層で被覆されていることがさらに好ましい。これにより、例えば、凸状部による凹凸のある触感と、表面樹脂層による滑らかな触感とをさらに向上できる。
本開示の化粧シートにおいて、凸状部が設けられた面積の割合は、基材層の面積100%に対して、例えば、5%以上90%以下である。これにより、例えば、上記触感をさらに向上できる。
意匠層の模様に応じて、凸状部は意匠層上に設けられていることが好ましい。このような構成により、触感及び意匠性に優れる化粧シートが得られる。例えば、化粧シートを平面視した際に、意匠層の模様が設けられている領域に凸状部が設けられている態様、及び、意匠層の模様が設けられていない領域に凸状部が設けられている態様が挙げられる。
例えば、意匠層が、導管部を含む木目模様を有する場合は、意匠層における導管部以外の領域の少なくとも一部上に、凸状部が設けられていることが好ましい。導管部は、木目模様の導管溝を模した絵柄である。上記木目模様において、導管部以外の絵柄領域は、例えば、木肌部である。木肌部は、木目模様の木部繊維を模した絵柄である。これにより、化粧シートにおいて導管部に対応する領域の表面が、木肌部に対応する領域の表面と比べて相対的に凹部となり、かつ視覚的に低光沢となることで視覚的な凹凸感を向上できる。したがって、天然の木材に近似した、優れた触感及び意匠性が得られる。
図2に、本開示の化粧シートの一実施形態に係る模式断面図を示す。図2の化粧シート1では、意匠層20が、導管部22と木肌部24とからなる木目模様を有する。凸状部30は、意匠層20における導管部22以外の領域、すなわち木肌部24の少なくとも一部上に設けられている。
例えば、意匠層が、早材部と晩材部とを含む木目模様の場合は、意匠層における晩材部の領域の少なくとも一部上に、凸状部が設けられていることが好ましい。これにより、天然の木材に近似した、優れた触感及び意匠性が得られる。
本開示の化粧シートは、表面樹脂層を有する。表面樹脂層は、凸状部を被覆するように、意匠層上に設けられている。言い換えると、表面樹脂層は、意匠層と厚さ方向に重ねられている。凸状部は、厚さ方向において、表面樹脂層と意匠層との間に位置している。表面樹脂層は、意匠層及び凸状部の表面に沿って広がっている。表面樹脂層は、凸状部の配置に応じた膨らみを形成している。一実施形態において、表面樹脂層は、意匠層の全面に設けられている。表面樹脂層は、意匠層と厚さ方向に重ねられている。表面樹脂層を設けることにより、例えば、化粧シートの耐熱性、耐擦傷性及び耐汚染性を向上できる。
表面樹脂層は、化粧シートの一方側の最外層を構成する。
表面樹脂層は、有機系滑剤成分を含有する。これにより、例えば、化粧シートに滑らかな触感を付与できる。このような表面樹脂層と上記凸状部とを有する化粧シートは、例えば、滑らかな触感と、凹凸のある触感とを示し、一実施形態において、ソープフィニッシュ処理がなされた木材のような触感を示す。
ソープフィニッシュ処理とは、石鹸の泡を木材表面に塗装し、塗膜を形成する処理である。該処理は、例えば、木材の質感を維持しながら、滑らかな触感を向上させるために行われている。ソープフィニッシュ処理では、形成される上記塗膜の耐熱性、耐擦傷性及び耐汚染性が低い傾向にある。一方、本開示の化粧シートにおける表面樹脂層は、これらの物性に優れる。例えば、木材のリサイクル材の表面に本開示の化粧シートを貼付することにより、木材の触感を再現でき、よって天然木材の使用量を削減できる。
有機系滑剤成分としては、例えば、シリコーンポリマー、フッ素樹脂、有機粒子系滑剤、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、リン酸エステル系滑剤及び金属石鹸系滑剤が挙げられる。本開示において、有機系滑剤成分には、シリコーンポリマーのように有機無機ハイブリッドポリマーも含める。
シリコーンポリマーとしては、例えば、シリコーンレジン、変性シリコーンレジン、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル及びシリコーン変性ポリマーが挙げられる。シリコーンポリマーは、直鎖状でもよく、分岐又は三次元構造を有してもよい。
シリコーンレジンとしては、例えば、メチルシリコーンレジン及びメチルフェニルシリコーンレジン等のストレートシリコーンレジンが挙げられる。変性シリコーンレジンとしては、例えば、アルキッド変性シリコーンレジン、エポキシ変性シリコーンレジン、(メタ)アクリル変性シリコーンレジン及びポリエステル変性シリコーンレジンが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル及びメチルフェニルシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリエーテル変性ジメチルシリコーンオイル等)、アルキル変性シリコーンオイル(アルキル変性ジメチルシリコーンオイル等)、アラルキル変性シリコーンオイル(アラルキル変性ジメチルシリコーンオイル等)、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル(高級脂肪酸エステル変性ジメチルシリコーンオイル等)及びフルオロアルキル変性シリコーンオイル(フルオロアルキル変性ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。
シリコーン変性ポリマーとしては、例えば、シリコーン変性(メタ)アクリル樹脂、シリコーン変性ポリエステル、シリコーン変性ポリエーテル及びシリコーン変性ポリウレタンが挙げられる。
フッ素樹脂として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ペルフルオロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、フッ化ビニリデンポリマー、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フッ化ビニリデン共重合体、及びフッ化ビニルポリマーが挙げられる。
有機粒子系滑剤としては、例えば、シリコーン粒子及びフッ素樹脂粒子が挙げられる。本開示において、有機粒子系滑剤には、シリコーン粒子のように有機無機ハイブリッド粒子も含める。
有機粒子系滑剤の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上12μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下である。これにより、例えば、表面樹脂層の滑らかな触感を向上できる。
炭化水素系滑剤としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及び合成ポリエチレンワックスが挙げられる。脂肪酸系滑剤としては、例えば、ステアリン酸及びモンタン酸が挙げられる。高級アルコール系滑剤としては、例えば、ステアリルアルコールが挙げられる。脂肪酸エステル系滑剤としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド及びステアリルステアレート等のステアリン酸エステル系滑剤が挙げられる。脂肪酸アミド系滑剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド及びエチレンビスステアリン酸アミドが挙げられる。リン酸エステル系滑剤としては、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステルが挙げられる。金属石鹸系滑剤としては、例えば、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
滑剤成分としては、例えば、蜜蝋、鯨蝋及びウールワックス等の動物由来のワックス;並びにカルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス及び木蝋等の植物由来のワックスも挙げられる。
有機系滑剤成分は、例えば、非反応性滑剤でもよく、架橋性官能基又は重合性官能基を有する反応性滑剤でもよい。反応性滑剤は、表面樹脂層から滑剤成分が脱落し難く、優れた触感が経時的に低下することを抑制できるという観点から好ましい。
反応性滑剤としては、具体的には、上記シリコーンポリマー又は上記フッ素樹脂であって、架橋性官能基又は重合性官能基を有するポリマーが挙げられる。架橋性官能基又は重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基及びアリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基(エチレン性不飽和基)、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基並びにエポキシ基が挙げられる。これらの中でも、エチレン性不飽和基が好ましい。反応性滑剤において、1分子当たりの上記官能基数は、例えば1個以上3個以下である。
エチレン性不飽和基を有する反応性滑剤は、電子線及び紫外線等の電離放射線照射により、電離放射線硬化性化合物と反応できる。これにより、上記反応性滑剤の脱落を抑制できる。反応性滑剤が表面樹脂層の硬化系に組み込まれている場合は、反応性滑剤(硬化系に組み込まれた反応性滑剤を含む)の含有割合は、例えば、表面樹脂層を形成する樹脂組成物における反応性滑剤の固形分比から算出できる。
一実施形態において、表面樹脂層における、有機粒子系滑剤を除く有機系滑剤成分の含有割合は、樹脂成分100質量%に対して、好ましくは2質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。これにより、例えば、表面樹脂層の滑らかな触感を向上できる。上記樹脂成分には、シリコーンポリマー及びフッ素樹脂等のポリマー系滑剤も含める。
有機系滑剤成分の中でも、シリコーンポリマー、フッ素樹脂及び有機粒子系滑剤が好ましく、シリコーンポリマー、フッ素樹脂、シリコーン粒子及びフッ素樹脂粒子がより好ましく、シリコーンポリマー及びシリコーン粒子がさらに好ましい。
表面樹脂層は、一実施形態において、有機系滑剤成分として、シリコーンポリマーを含有し、好ましくはシリコーンポリマーと有機粒子系滑剤とを含有し、さらに好ましくはシリコーンポリマーとシリコーン粒子とを含有する。これらの有機系滑剤成分は、表面保護層を構成しえる樹脂成分との相溶性に優れる。このような構成により、例えば、上述したソープフィニッシュ処理がなされた木材のような滑らかな触感がより得られやすい。
一実施形態において、表面樹脂層における有機粒子系滑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上50質量部以下、より好ましくは12質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは15質量部以上30質量部以下である。これにより、例えば、表面樹脂層の滑らかな触感を向上できる。上記樹脂成分には、シリコーンポリマー及びフッ素樹脂等のポリマー系滑剤も含める。
表面樹脂層は、一実施形態において、シリコーンポリマー及びフッ素樹脂以外のさらなる樹脂成分を含有する。例えば、表面樹脂層の耐熱性、耐擦傷性及び耐汚染性をより向上させるという観点から、表面樹脂層は、さらなる樹脂成分を含有することが好ましい。
樹脂成分は、例えば、表面樹脂層におけるバインダーとして機能する。樹脂成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、及び硬化性化合物の硬化物が挙げられる。硬化性化合物の硬化物としては、例えば、電離放射線硬化性化合物の硬化物、及び熱硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。表面樹脂層は、これらの樹脂成分を2種以上含有してもよい。熱可塑性樹脂、電離放射線硬化性化合物及び熱硬化性樹脂の詳細については、上述したとおりである。
表面樹脂層は、耐熱性、耐擦傷性及び耐汚染性に優れるという観点から、硬化性化合物の硬化物を含有することが好ましく、電離放射線硬化性化合物の硬化物を含有することがより好ましい。電離放射線硬化性化合物の中でも、電子線硬化性化合物は、無溶剤化が可能であり、光重合開始剤を必要とせず、安定な硬化特性が得られることから、表面樹脂層を形成する成分として好ましい。電離放射線硬化性化合物の中でも、重合性オリゴマーが好ましく、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
表面樹脂層は、一実施形態において、無機粒子をさらに含有する。表面保護層が無機粒子を含有することにより、例えば、化粧シートにマット感を付与できる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、カオリナイト、クレー、アルミノシリケート、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム及びケイ酸カルシウムが挙げられる。これらの中でも、マット感の向上という観点から、シリカ粒子が好ましい。無機粒子の形状は、例えば、球状、多面体状又は鱗片状である。
無機粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上15μm以下、より好ましくは1μm以上12μm以下、さらに好ましくは2μm以上10μm以下である。これにより、例えば、化粧シートのマット感を向上できる。
表面樹脂層における無機粒子の含有割合は、好ましくは2質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。これにより、例えば、化粧シートのマット感を向上できる。
表面樹脂層は、添加剤を含有してもよい、添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐摩耗性向上剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、消泡剤、難燃剤、可塑剤及びブロッキング防止剤が挙げられる。これらの中でも、紫外線吸収剤及び光安定剤が好ましい。
表面樹脂層は、一実施形態において、硬化性組成物を調製し、該組成物を、凸状部が設けられた意匠層に塗布して、未硬化樹脂層を形成し、該未硬化樹脂層を架橋硬化することにより形成できる。架橋硬化の態様は、熱硬化性樹脂を用いる場合は加熱処理による硬化であり、電離放射線硬化性化合物を用いる場合は電子線及び紫外線等の電離放射線の照射による硬化である。
電離放射線として電子線を用いる場合、照射線量は、例えば5kGy以上300kGy以下(0.5Mrad以上30Mrad以下)、好ましくは10kGy以上100kGy以下(1Mrad以上10Mrad以下)である。電離放射線として紫外線を用いる場合は、波長190nm以上380nm以下の紫外線を含む光線を放射してもよい。
表面樹脂層の平均厚さは、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは1.5μm以上9μm以下、さらに好ましくは2μm以上8μm以下である。平均厚さが下限値以上であると、例えば、粒子等の脱落を抑制でき、また耐擦傷性を向上できる。平均厚さが上限値以下であると、例えば、化粧シート表面に凸状部による凹凸が良好に形成され、上記触感を向上できる。表面樹脂層の平均厚さは、凸状部の平均高さよりも小さくてもよい。この例によれば、化粧シート表面に凸状部による凹凸が良好に形成され得る。
表面樹脂層に含まれる粒子の平均粒子径と、表面樹脂層の平均厚さとの比(平均粒子径/平均厚さ)は、好ましくは1.0以上2.5以下、より好ましくは1.2以上2.3以下、さらに好ましくは1.3以上2.0以下である。表面樹脂層に含まれる粒子は、例えば、有機粒子系滑剤及び無機粒子である。これにより、例えば、有機粒子系滑剤による触感をさらに向上でき、又は無機粒子による上記効果をさらに向上できる。
表面樹脂層に含まれる有機粒子系滑剤の平均粒子径は、凸状部に含まれる粒子の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。これにより、例えば、滑らかな触感と、凹凸のある触感とをさらに向上できる。
本開示の化粧シートは、意匠層と凸状部との間、及び意匠層と表面樹脂層との間に、プライマー層を有してもよい。プライマー層は、凸状部及び表面樹脂層の密着性を向上させること等を目的として、必要に応じて設けられる。
プライマー層は、一実施形態において、樹脂成分を含有する。
樹脂成分としては、例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-(メタ)アクリル共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ウレタン-(メタ)アクリル共重合体、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ブチラール樹脂、ニトロセルロース及び酢酸セルロースが挙げられる。樹脂成分は、硬化剤による、これらの樹脂の架橋硬化物でもよい。樹脂成分は、例えば、上述した二液硬化型ウレタン樹脂の硬化物でもよい。
プライマー層は、上記添加剤を含有してもよい。
プライマー層の厚さは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.5μm以上8μm以下、さらに好ましくは1μm以上6μm以下である。
本開示の化粧シートは、基材層における表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、接着層を有してもよい。接着層は、加飾成形品における被着体(成形品)との密着性を高めることを目的として必要に応じて設けられる。
接着層は、例えば、接着剤から構成される。接着剤としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン及びポリアミドが挙げられる。イソシアネート化合物等を硬化剤とする、二液硬化型のポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。接着剤としては、(メタ)アクリル系、ウレタン系、シリコーン系又はゴム系の粘着剤(感圧接着剤)も挙げられる。
接着層の厚さは、優れた接着性を得るという観点から、好ましくは1μm以上100μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、さらに好ましくは10μm以上30μm以下である。
本開示の転写シートは、離型性支持体と、転写層とを有する。
転写層は、離型性支持体から剥離可能に設けられている。
転写層は、意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有する。凸状部は、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有する。表面樹脂層は、有機系滑剤成分を含有する。
転写層は、意匠層と凸状部との間、及び意匠層と表面樹脂層との間に、プライマー層を有してもよい。転写層は、意匠層における表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、隠蔽層を有してもよい。
転写層における意匠層、凸状部、表面樹脂層、隠蔽層及びプライマー層は、上記化粧シートにおける意匠層、凸状部、表面樹脂層、隠蔽層及びプライマー層とそれぞれ同様であるので、ここでの説明は省略する。
離型性支持体は、転写層における表面樹脂層上に配置されている。
離型性支持体としては、上述した樹脂基材が挙げられる。離型性支持体における転写層側の表面には、必要に応じて、公知の離型処理が施されていてもよく、シリコーン樹脂等の離型層が設けられていてもよい。これにより、例えば、転写層を被着体(成形品)の表面に転写する際の離型性支持体と転写層との間の離型性を向上できる。
転写層は、一実施形態において、意匠層における表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、接着層をさらに有する。これにより、被着体に対する転写層の密着性を向上できる。転写層における接着層は、上記化粧シートにおける接着層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
転写層は、一実施形態において、接着層と意匠層との間に、基材層をさらに有する。転写層における基材層は、上記化粧シートにおける基材層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図3に、本開示の転写シートの一実施形態に係る模式断面図を示す。転写シート2は、離型性支持体50と、転写層52とを有する。転写層52は、接着層60と、意匠層20と、意匠層20の一部の領域上に設けられた複数の凸状部30と、複数の凸状部30を被覆するように意匠層20上に設けられた表面樹脂層40とを厚さ方向にこの順に有する。図示された例において、離型性支持体50と転写層52との間に部分的な間隙が設けられているが、間隙が設けられていなくてもよい。
本開示の加飾成形品は、成形品と、成形品の少なくとも一部の領域上に設けられた意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有する。
加飾成形品は、意匠層と凸状部との間、及び意匠層と表面樹脂層との間に、プライマー層を有してもよい。加飾成形品は、意匠層における表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、隠蔽層を有してもよい。加飾成形品は、成形品と意匠層との間に、基材層を有してもよい。加飾成形品は、成形品と基材層との間に、接着層を有してもよい。
加飾成形品における基材層、意匠層、凸状部、表面樹脂層、プライマー層、隠蔽層及び接着層は、上記化粧シートにおける基材層、意匠層、凸状部、表面樹脂層、プライマー層、隠蔽層及び接着層とそれぞれ同様であるので、ここでの説明は省略する。
成形品としては、例えば、樹脂部材、木質部材及び無機部材が挙げられる。
樹脂部材としては、例えば、ポリオレフィン、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース樹脂、フェノール樹脂、ゴム等から構成される、シート、板材又は立体形状物品が挙げられる。
木質部材としては、例えば、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)及び集成材等の木質繊維板等から構成される、板材又は立体形状物品が挙げられる。加飾成形品は、一実施形態において、成形品が木質部材である化粧板である。
無機部材としては、例えば、金属部材及び他の無機部材が挙げられる。金属部材としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、錫、チタニウム、これらの金属を少なくとも1種含む合金(例えば、炭素鋼、ステンレス鋼、ジュラルミン、真鍮及び青銅)等から構成される、シート、板材又は立体形状物品が挙げられる。他の無機部材としては、例えば、ガラス、陶磁器等のセラミックス、石膏等の非セメント窯業系材料、軽量気泡コンクリート(ALC)板等から構成される、板材又は立体形状物品が挙げられる。
本開示の加飾成形品は、例えば、机、椅子、食器棚及び箪笥等の家具;建築物における壁、天井及び床等の内装用部材;建築物における外壁、屋根、軒天井、柵及び門扉等の外装用部材;玄関ドア等の各種扉、手すり、幅木、廻り縁、窓枠、扉枠及びモール等の、建具又は造作部材;家電製品又はOA機器の筐体や、キッチン設備又は厨房家具における表面化粧板;車両の内装用部材又は外装用部材に用いることができる。
図4に、本開示の加飾成形品の一実施形態に係る模式断面図を示す。加飾成形品3は、成形品70と、接着層60と、基材層10と、基材層10上に設けられた意匠層20と、意匠層20の一部の領域上に設けられた複数の凸状部30と、複数の凸状部30を被覆するように意匠層20上に設けられた表面樹脂層40とを厚さ方向にこの順に有する。
本開示の加飾成形品は、例えば、本開示の化粧シートを被着体(成形品)表面に配置することで得られる。本開示の加飾成形品は、例えば、本開示の転写シートを用いて、該転写シートの転写層を被着体(成形品)表面に転写することで得られる。
一実施形態において、本開示の化粧シートにおける基材層又は接着層と被着体(成形品)の表面とが接するように、該シートを被着体の表面の少なくとも一部の領域に貼付する。一実施形態において、本開示の転写シートにおける接着層と被着体(成形品)の表面とが接するように、該シートを被着体の表面の少なくとも一部の領域に貼付する。次いで、転写シートにおける離型性支持体を剥離する。このようにして、加飾成形品が得られる。貼付は、加熱加圧下において行ってもよい。転写としては、例えば、公知のロール転写又はプレス転写を採用できる。
本開示の加飾成形品は、例えば、本開示の化粧シート又は転写シートを用いて、インサート成形法及び射出成形同時加飾法等の各種射出成形法により作製してもよい。
本開示は、例えば以下の[1]~[14]に関する。
[1]意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有し、凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有する、化粧シート。
[2]有機系滑剤成分が、シリコーンポリマー、フッ素樹脂、有機粒子系滑剤、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、リン酸エステル系滑剤及び金属石鹸系滑剤から選択される少なくとも1種である、上記[1]に記載の化粧シート。
[3]表面樹脂層が、有機系滑剤成分として、シリコーンポリマーと、有機粒子系滑剤とを含有する、上記[1]又は[2]に記載の化粧シート。
[4]表面樹脂層の平均厚さが、1μm以上10μm以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の化粧シート。
[5]凸状部が、上記粒子として、平均粒子径が15μm以上25μm以下の樹脂粒子、及び平均粒子径が8μm以上15μm以下の無機粒子から選択される少なくとも1種を含有する、上記[1]~[4]のいずれかに記載の化粧シート。
[6]凸状部が、上記樹脂粒子、又は上記樹脂粒子と上記無機粒子とを含有し、凸状部における上記樹脂粒子の含有量が、樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であり、凸状部における上記無機粒子の含有量が、樹脂成分100質量部に対して、0質量部以上40質量部以下である、上記[5]に記載の化粧シート。
[7]凸状部の平均高さが、10μm以上25μm以下である、上記[1]~[6]のいずれかに記載の化粧シート。
[8]意匠層が、木目模様を有する、上記[1]~[7]のいずれかに記載の化粧シート。
[9]意匠層が、導管部を含む木目模様を有し、導管部以外の領域の少なくとも一部上に、凸状部が設けられている、上記[1]~[8]のいずれかに記載の化粧シート。
[10]化粧シートが、基材層をさらに有し、基材層と表面樹脂層との間に、意匠層と凸状部とが位置する、上記[1]~[9]のいずれかに記載の化粧シート。
[11]基材層における表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、接着層をさらに有する、上記[10]に記載の化粧シート。
[12]離型性支持体と転写層とを有する転写シートであって、転写層が、意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有し、凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有し、離型性支持体が、転写層における表面樹脂層上に配置されている、転写シート。
[13]転写層が、意匠層における表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、接着層をさらに有する、上記[12]に記載の転写シート。
[14]成形品と、成形品の少なくとも一部の領域上に設けられた意匠層と、意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、凸状部を被覆するように意匠層上に設けられた表面樹脂層とを有し、凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有する、加飾成形品。
以下、実施例に基づき本開示の化粧シートをより詳細に説明するが、本開示の化粧シートは実施例により何ら限定されない。以下の記載において、「質量部」は単に「部」と表す。
[実施例1]
基材として、建材用着色原紙(「CHPS45(型番)」、坪量:45g/m2、天間特殊製紙株式会社製)を準備した。基材の易接着処理された面に、樹脂組成物(1)をグラビア印刷法により塗布して、厚さ5μmの第1の意匠層を形成した。樹脂組成物(1)は、(メタ)アクリル樹脂及びポリウレタンの混合樹脂からなるバインダーと、チタン白、弁柄及び黄鉛を含む着色剤とを含有する。第1の意匠層上に、樹脂組成物(2)を用いて、木目模様を有する第2の意匠層を形成した。樹脂組成物(2)は、ニトロセルロースからなるバインダーと、弁柄を主成分とする着色剤とを含有する。木目模様は、導管部を有する。
意匠層の全面に、二液硬化型樹脂(主剤:(メタ)アクリルポリオール、硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート)を含有するプライマー層用樹脂組成物を塗布及び乾燥し、厚さ2μmのプライマー層を形成した。
プライマー層の一部の領域に、下記組成の凸状部用樹脂組成物を、グラビア印刷法により塗布及び乾燥し、平均高さ20μmの凸状部を形成した。凸状部は、木目模様における導管部が形成されていない領域(平面視において木肌部の領域)に形成した。
凸状部を被覆するように、プライマー層上に、下記組成の表面樹脂層用樹脂組成物を、ロールコート法により塗布して未硬化樹脂層を形成した。未硬化樹脂層に電子線(3Mrad(30kGy))を照射して硬化させて、平均厚さ4μmの表面樹脂層を形成した。その後、70℃で24時間の加熱養生を行った。
以上のようにして、化粧シートを得た。
<凸状部用樹脂組成物>
・二液硬化型樹脂:100部
(主剤:(メタ)アクリルポリオール、硬化剤:ヘキサメチレンジイソシアネート)
・樹脂粒子:19部
((メタ)アクリル樹脂粒子、平均粒子径:20μm)
・無機粒子:14部
(シリカ粒子、平均粒子径:12μm)
・溶剤:適量
<表面樹脂層用樹脂組成物>
・ウレタン(メタ)アクリレート:80部
・反応性シリコーンポリマー:20部
・シリカ粒子:15部(平均粒子径:6μm)
・シリコーン粒子:15部(平均粒子径:6μm)
[実施例2、比較例1及び比較例3]
凸状部及び/又は表面樹脂層における樹脂組成物の配合組成と、凸状部の平均高さとを表1に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、化粧シートを得た。
[比較例2]
凸状部を形成しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、化粧シートを得た。
[化粧シートの触感の評価]
得られた化粧シートについて、表面樹脂層の表面を手の指で触り、以下の規準に従って触感を評価した。評価結果を表1に示す。
A:明確に凹凸が感じられ、かつ、滑らかな触感であり、
ソープフィニッシュ処理がなされた木材のような触感である。
B:滑らかな触感であるが、凹凸感が充分ではない。
C:凹凸は感じられるが、滑らかさが充分ではない。
D:凹凸は感じられるが、滑らかさが低い。
Figure 2023010406000001
1・・・化粧シート
2・・・転写シート
3・・・加飾成形品
10・・・基材層
20・・・意匠層
22・・・導管部
24・・・木肌部
30・・・凸状部
40・・・表面樹脂層
50・・・離型性支持体
52・・・転写層
60・・・接着層
70・・・被着体(成形品)

Claims (14)

  1. 意匠層と、
    前記意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、
    前記凸状部を被覆するように前記意匠層上に設けられた表面樹脂層と
    を有し、
    前記凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、
    前記表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有する、
    化粧シート。
  2. 前記有機系滑剤成分が、シリコーンポリマー、フッ素樹脂、有機粒子系滑剤、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、高級アルコール系滑剤、脂肪酸エステル系滑剤、脂肪酸アミド系滑剤、リン酸エステル系滑剤及び金属石鹸系滑剤から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記表面樹脂層が、前記有機系滑剤成分として、シリコーンポリマーと、有機粒子系滑剤とを含有する、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記表面樹脂層の平均厚さが、1μm以上10μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 前記凸状部が、前記粒子として、平均粒子径が15μm以上25μm以下の樹脂粒子、及び平均粒子径が8μm以上15μm以下の無機粒子から選択される少なくとも1種を含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 前記凸状部が、前記樹脂粒子、又は前記樹脂粒子と前記無機粒子とを含有し、
    前記凸状部における前記樹脂粒子の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であり、
    前記凸状部における前記無機粒子の含有量が、前記樹脂成分100質量部に対して、0質量部以上40質量部以下である、
    請求項5に記載の化粧シート。
  7. 前記凸状部の平均高さが、10μm以上25μm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧シート。
  8. 前記意匠層が、木目模様を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の化粧シート。
  9. 前記意匠層が、導管部を含む木目模様を有し、前記導管部以外の領域の少なくとも一部上に、前記凸状部が設けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の化粧シート。
  10. 前記化粧シートが、基材層をさらに有し、前記基材層と前記表面樹脂層との間に、前記意匠層と前記凸状部とが位置する、請求項1~9のいずれか一項に記載の化粧シート。
  11. 前記基材層における前記表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、接着層をさらに有する、請求項10に記載の化粧シート。
  12. 離型性支持体と転写層とを有する転写シートであって、
    前記転写層が、
    意匠層と、
    前記意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、
    前記凸状部を被覆するように前記意匠層上に設けられた表面樹脂層と
    を有し、
    前記凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、
    前記表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有し、
    前記離型性支持体が、前記転写層における前記表面樹脂層上に配置されている、
    転写シート。
  13. 前記転写層が、前記意匠層における前記表面樹脂層側の面とは反対側の面上に、接着層をさらに有する、請求項12に記載の転写シート。
  14. 成形品と、
    前記成形品の少なくとも一部の領域上に設けられた意匠層と、
    前記意匠層の一部の領域上に設けられた凸状部と、
    前記凸状部を被覆するように前記意匠層上に設けられた表面樹脂層と
    を有し、
    前記凸状部が、樹脂成分と、平均粒子径が25μm以下の粒子とを含有し、
    前記表面樹脂層が、有機系滑剤成分を含有する、
    加飾成形品。
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