JP2023010119A - 光変調器および光変調方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】動的チャープを、さらに抑制する。【解決手段】光変調器は、下部クラッド層101、活性層102、上部クラッド層103、下部ガイド層104、上部ガイド層105を備え、下部クラッド層101、上部クラッド層103、第1電極111、および第2電極112a,112b,112cにより、電界印加構造を構成し、第2電極112a,112b,112cには、変調領域120のレーザ光の入射側より出射側の方が大きな電圧が印加される。【選択図】 図1A

Description

本発明は、電界吸収型の光変調器および光変調方法に関する。
光ファイバ通信においては、様々な光半導体素子が研究開発され、実際に利用されている。光の強度変調可能な光半導体素子としては、DFB(Distributed Feedback)レーザやDBR(Distributed Bragg Reflector)レーザなどの、単一縦モード発振が可能な半導体レーザがある。半導体レーザの駆動電流によって光を変調する直接変調方式では、注入キャリアの変動に伴った屈折率変化によって、発振波長が変動する動的チャープが生じる。動的チャープは、高速変調時、あるいは長距離伝送において、伝送後の信号波形を著しく劣化させてしまう。
このような事情を鑑み、半導体レーザの外部に電界吸収型(Electro-Absorption:EA)光変調器を搭載、もしくは集積することで、動的チャープの低減が図られている。EA光変調器は、多重量子井戸構造などによる活性層に逆バイアスを印加することで吸収層として利用するため、半導体レーザの直接変調のような注入キャリアが発生せず、半導体レーザの直接変調に比べて動的チャープを小さくすることができる。
しかしながら、EA光変調器においても、光吸収によってキャリアが励起されるため、直接変調による注入キャリア密度に比べて小さいが、励起キャリアによる屈折率変動は生じることになる。EA光変調器における光吸収により発生した励起キャリアの影響を回避するために、量子井戸層と障壁層のバンドギャップ差が小さい(浅い)量子井戸構造を活性層に用いる技術がある(非特許文献1)。この技術では、井戸層内で発生した励起キャリアを速やかに取り除くことができるとしており、この結果、励起キャリアの井戸層内での蓄積を抑制し、屈折率変動を抑え、EA-DFBレーザの動的チャープを抑制できるとしている。
Y. Miyazaki, et al., "Extremely Small-Chirp Electroabsorption-Modulator Integrated Distributed Feedback Laser Diode With a Shallow Quantum-Well Absorption Layer", IEEE Journal of Quantum Electronics, vol. 38, no. 8, pp. 1075-1080, 2002.
ところで、現在、さらなる高速変調、長距離伝送が求められており、上述した従来の技術では、動的チャープの抑制に限界があった。非特許文献1で示されるような均一な導波路からなるEA光変調器の導波路に電界を一様に印加した場合、EA光変調器内での光吸収は、レーザ光入射側が最も大きくなり、この後、EA光変調器内で指数関数的に光吸収量が減衰することになる。
つまり、光吸収により発生する励起キャリア密度もEA光変調器の導波路内で指数関数的な分布を持つことになる。このため、従来の技術では、レーザ光入射側における励起キャリアの蓄積が屈折率変動の要因となり、動的チャープの低減を阻害していた。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、動的チャープが、さらに抑制できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光変調器は、下部クラッド層と、下部クラッド層の上に形成され、化合物半導体から構成された活性層と、活性層の上に形成された上部クラッド層と、活性層を導波する変調対象の光を変調する活性層の変調領域に電界を印加する電界印加構造とを備え、電界印加構造が印加する電界強度は、変調領域の入射側より出射側の方が大きくされている。
また、本発明に係る光変調方法は、下部クラッド層と、下部クラッド層の上に形成され、化合物半導体から構成された活性層と、活性層の上に形成された上部クラッド層とを備える光変調器の活性層を導波する変調対象の光を変調する活性層の変調領域に、変調領域の入射側より出射側の方が大きい電界を印加する。
以上説明したように、本発明によれば、活性層の変調領域に電界を印加する電界印加構造が印加する電界強度を、変調領域の入射側より出射側の方を大きくしたので動的チャープがさらに抑制できる。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る光変調器の構成を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1に係る光変調器の構成を示す断面図である。 図2は、多重量子井戸構造を活性層として素子長(導波路長)が200μmのEA光変調器の消光特性を示す特性図である。 図3は、多重量子井戸構造を活性層として素子長が200μmのEA光変調器の導波方向の光強度の変化を示す特性図である。 図4は、試作した実施の形態1に係る変調器の導波路中の光強度分布(実線)を示す特性図である。 図5Aは、本発明の実施の形態2に係る光変調器の構成を示す断面図である。 図5Bは、本発明の実施の形態2に係る光変調器の構成を示す断面図である。 図5Cは、選択成長マスク201の構成を示す平面図である。 図6は、試作した実施の形態2に係る変調器の導波路中の光強度分布(実線)を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態に係る光変調器について説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1に係る光変調器について、図1A,図1Bを参照して説明する。なお、図1Bは、図1Aのxx’線の断面を示している。この光変調器は、下部クラッド層101と、活性層102と、上部クラッド層103とを備える。活性層102は、下部クラッド層101の上に形成され、化合物半導体から構成されている。上部クラッド層103は、活性層102の上に形成されている。
また、この例では、下部ガイド層104、上部ガイド層105を備える。下部ガイド層104は、化合物半導体から構成されて下部クラッド層101と活性層102との間に形成されている。上部ガイド層105は、化合物半導体から構成されて活性層102と上部クラッド層103との間に形成されている。下部ガイド層104、上部ガイド層105により、分離閉じ込めヘテロ(Separate Confined Heterostructure;SCH)構造が構成されている。
また、この光変調器は、第1導電型(n型)の化合物半導体から構成されている下部クラッド層(第1半導体層)101に接続して形成された第1電極111、および第2導電型(n型の)の化合物半導体から構成されている上部クラッド層(第2半導体層)103に接続して形成され、変調領域120において導波方向に配列された複数の第2電極112a,112b,112cを備える。
実施の形態1では、下部クラッド層101、上部クラッド層103、第1電極111、および第2電極112a,112b,112cにより、電界印加構造を構成している。この例では、電界印加構造を構成する下部クラッド層101および上部クラッド層103は、活性層102を積層方向(厚さ方向)に上下に挟んで配置されている。
電界印加構造は、活性層102を導波する変調対象の光を変調する活性層102の変調領域120に電界を印加するものであり、電界印加構造が印加する電界強度は、変調領域120の入射側より出射側の方が大きくされている。実施の形態1では、複数の第2電極112a,112b,112cが、変調領域120のレーザ光の入射側より出射側の方が大きな電圧が印加されるものとなっている。例えば、図1Aの紙面の左側が入射側であり、右側が出射側である。従って、印加される電圧の大きさは、第2電極112a<第2電極112b<第2電極112cとなっている。実施の形態1では、上述した電界強度の分布を段階的に変化させている。
この光変調器を用い、活性層102を導波する変調対象の光を変調する活性層102の変調領域120に、変調領域120の入射側より出射側の方が大きい電界を印加することで、動的チャープをさらに抑制した状態で、光変調が実施できる。
以下、EA光変調器における光吸収について説明する。多重量子井戸構造を活性層として変調領域となる素子長(導波路長)が200μmのEA光変調器の消光特性を図2に示す。印加電圧(逆バイアス)を大きくすることによって、入射されたレーザ光が活性層で吸収され、変調器を通過して出射したレーザ光の光強度が小さくなることを示している。
例えば、図2においては、5V(逆バイアスを正で表す)を印加した際の消光比は-10dBであり、入射されたレーザ光の光強度が、EA光変調器を通過して出射されたときには10分の1の光強度になることを意味する。
半導体にI0という強さを持った光が入射し、半導体中をxcm進んだとき、吸収係数をα(cm-1)とすると、光の強さI(x)は関係式「I(x)=I0exp(-αx)」で表すことができる。つまり、上記の場合、EA光変調器の導波路内においては、導波路全域にわたって電界強度が一様であるため、上記の式に基づき、図3のように光強度が指数関数的に減衰する。なお、図3において、実線が印加電圧5V、破線が印加電圧6Vである。また、図3において、横軸の「位置」は、入射端からの距離である。つまり、導波路内における光吸収量(光強度の変化分)およびそれに起因する励起キャリア密度も指数関数的に分布することを意味している。
キャリア密度と屈折率の間にはキャリアプラズマ効果で示される関係があり、キャリア密度が大きいほど屈折率が小さくなる。つまり導波路内の屈折率もキャリア密度分布と同様の分布を持つことになる。この屈折率分布が動的チャープの要因となる。この屈折率分布を小さくするためには、導波路内の光強度分布を線形減少とすることが望ましい。図3は、破線で、印加電圧6Vで出射されるレーザ光が-20dB(100分の1)となるときの光強度分布も示しているが、同じ導波路長で消光比を大きくするためには、印加電圧を大きくする必要があり、この結果、光吸収量の分布は、線形減少から大きく乖離することになる。
上述した従来の技術に対し、実施の形態1に係る光変調器では、導波路(変調領域)の入射側より出射側の方に大きい電界を印加するので、光吸収量の分布を、線形減少に近づけることができる。
以下、実施の形態1に係る光変調器について、実際に素子を作製した結果を用いてより詳細に説明する。
実際に作製した光変調器は、まず、下部クラッド層101を、n型(第1導電型)のInPからなる基板とし、この上に、下部ガイド層104、活性層102、上部ガイド層105、上部クラッド層103を順次に形成した。
下部ガイド層104は、PL波長1.0μmの無歪InGaAlAsから構成し、厚さ50nm程度とした。活性層102は、例えば、InGaAlAsからなる厚さ8nmの量子井戸層、およびInGaAlAsからなる厚さ5nmの障壁層を8周期備える量子井戸構造とした。上部ガイド層105は、PL波長1.0μmの無歪InGaAlAsから構成され、厚さ50nm程度とした。上部クラッド層103は、p型(第2導電型)のInPから構した。
上述した各半導体層を、下部クラッド層101の上に、公知の有機金属気相堆積(MOVPE)法により、結晶成長することで形成した。活性層102、下部ガイド層104、上部ガイド層105は、ノンドープとした。
上述したように各層を結晶成長した後、上部クラッド層103を、幅が2μmの逆メサ状のリッジ構造のメサストライプに形成した。また、メサストライプ形状に形成した上部クラッド層103の側面を、埋め込み絶縁層106a,106bで埋め込んだ。ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)などの低誘電率樹脂を塗布して硬化することで、埋め込み絶縁層106a,106bとした。
また、第1電極111を形成し、第2電極112a,112b,112cを形成した。第2電極112a,112b,112cは、各々の導波方向長さを60μmとした。また、第2電極112a,112b,112cは、10μmの間隔を開けて配置した。また、変調領域120は、素子全体とし、素子長が200μmとなるように劈開した。作製した変調器(EA変調器)は、波長1.3μmの光を制御(変調)する。
作製(試作)した変調器において、第2電極112aに4.0V、第2電極112bに4.8V、第2電極112cに5.8Vの電圧を印加して動作させた結果、導波路中の光強度分布が、図4の実線で示すように変化した。図4において、横軸の「位置」は、入射端からの距離である。また、第2電極112a,112b,112cに同一の5Vを印加して動作させた結果を、図4の破線に示す。なお、図2は、試作した変調器において、第2電極112a,112b,112cに同一の電圧を印加して動作させた場合の消光比を示し、図3は、光強度分布を示している。
実施の形態によれば、一様に電圧を印加した場合に比べ、光強度分布を、一点鎖線で示す線形減少に漸近させることができる。この結果、光吸収による励起キャリア密度の導波路内分布を抑え、導波路内の屈折率変動を抑制でき、動的チャープが、さらに抑制できるようになる。
なお、上述した波長帯、素子構造、電極構造、電圧印加強度は一例であり、本発明の効果を得るためには、EA光変調器においてレーザ光の入射側から出射側にかけて、印加電圧を大きくすればよく、上記の数値に限定されるものではない。また、上述では、波長1.3μm帯で動作する素子に関して記載したが、本発明による素子構造を用いれば、構成する半導体材料の組成比を調整することで、波長1.55μm帯で動作するEA光変調器も実現できることは言うまでもない。また、上述した光変調器は、単体の光素子として効果が得られることはもちろんであるが、半導体レーザとモノリシック集積されていても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る光変調器について、図5A、図5Bを参照して説明する。なお、図5Bは、図5Aのxx’線の断面を示している。この光変調器は、前述した実施の形態1と同様に、下部クラッド層101、下部ガイド層104、活性層102、上部ガイド層105、上部クラッド層103a、第1電極111を備える。
実施の形態2では、上部クラッド層(第2半導体層)103aに接続する第2電極112が、変調領域120において均一に形成されている。また、実施の形態2では、第2電極112と活性層102との間にノンドープの化合物半導体から構成された第3半導体層107が形成されている。この例では、第3半導体層107は、上部ガイド層105と上部クラッド層103aとの間に形成されている。第3半導体層107は、活性層102と上部クラッド層(第2半導体層)103aとの間の厚さが、変調領域120の入射側より出射側の方が薄くされている。この例において、第3半導体層107は、平面視の形状が、上部クラッド層103aと同様に、ストライプとされている。
実施の形態2では、下部クラッド層101、上部クラッド層103、第1電極111、第2電極112、および第3半導体層107により、電界印加構造を構成している。
電界印加構造は、活性層102を導波する変調対象の光を変調する活性層102の変調領域120に電界を印加するものであり、電界印加構造が印加する電界強度は、変調領域120の入射側より出射側の方が大きくされている。実施の形態2では、第3半導体層107の、活性層102と第2電極112との間の厚さ(第3半導体層107の層厚)を、入射側から出射側にかけて徐々に薄くすることで、上述した電界強度の分布を線形に変化させている。なお、図5Aの紙面の左側が入射側であり、右側が出射側である。
以下、実施の形態2に係る光変調器について、実際に素子を作製した結果を用いてより詳細に説明する。
実際に作製した光変調器は、まず、下部クラッド層101を、n型(第1導電型)のInPからなる基板とし、この上に、下部ガイド層104、活性層102、上部ガイド層105、上部クラッド層103を順次に形成した。
下部ガイド層104は、PL波長1.05μmの無歪InGaAlAsから構成し、厚さ50nm程度とした。活性層102は、例えば、InGaAlAsからなる厚さ8nmの量子井戸層、およびInGaAlAsからなる厚さ5nmの障壁層を8周期備える量子井戸構造とした。上部ガイド層105は、PL波長1.05μmの無歪InGaAlAsから構成され、厚さ50nm程度とした。
次に、上部ガイド層105の上に、平面視で、図5Cに示すように、選択成長マスク201を形成する。選択成長マスク201は、変調領域120において、導波方向に延在する短冊形状の開口202を備える。選択成長マスク201は、開口202の幅Wgは、入射側から出射側にかけて同一とする。また、選択成長マスク201は、導波方向に垂直な方向のマスク幅Wsを、入射側から出射側にかけて徐々に小さくする。例えば、よく知られたスパッタ法などにより、上部ガイド層105の上にSiO2を堆積してSiO2膜を形成し、形成したSiO2膜を、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、選択成長マスク201を形成することができる。
上述した形状とした選択成長マスク201を用い、上部ガイド層105の上に、MOVPE法によりノンドープInPを成長することで、第3半導体層107を形成する。この選択成長によれば、マスク幅Wsが広い領域におけるInPの堆積量(成長量)を多くすることができ、変調領域120の入射側から出射側にかけて徐々に薄くなる第3半導体層107が形成できる。第3半導体層107は、入射側から出射側にかけて、厚さが150nmから50nmへ徐々に変化する線形分布を形成する。
次に、選択成長マスク201を除去した後、MOVPE法によりp型(第2導電型)のInPを堆積することで、上部クラッド層103aを形成し、また、上部クラッド層103aを、幅が2μmの逆メサ状のリッジ構造のメサストライプに形成した。また、メサストライプ形状に形成した上部クラッド層103の側面を、埋め込み絶縁層106a,106bで埋め込んだ。BCBを塗布して硬化することで、埋め込み絶縁層106a,106bとした。
また、第1電極111を形成し、第2電極112を形成した。第2電極112a,112b,112cは、各々の導波方向長さを60μmとした。また、第2電極112a,112b,112cは、10μmの間隔を開けて配置した。また、変調領域120は、素子全体とし、素子長が200μmとなるように劈開した。作製した変調器(EA変調器)は、波長1.3μmの光を制御(変調)する。
実施の形態2に係る変調器は、電界が印加される活性層102(厚さ109nm)、下部ガイド層104(厚さ50nm)、上部ガイド層105(厚さ50nm)を含むノンドープの半導体層の厚さが、359nmから259nmの分布を有するものとなる。この結果、導波方向に変調領域120の全域で均一に形成した第2電極112を用いて電圧を印加しても、活性層102に印加される電界強度は第3半導体層107の厚さの逆数に比例する分布を持たせることができる。
この変調器を7.2Vの電界を印加して動作させたときの光強度分布を図6に実線で示す。図6において、横軸の「位置」は、入射端からの距離である。また、第3半導体層107を形成することなく構成した従来構造の変調器に同一の5Vを印加して動作させた結果を、図6の破線に示す。図6の実線に示すように、実施の形態2によれば、消光比-10dB(10分の1)を確保しつつ、一点鎖線の線形減少に近い光強度分布を示している。この結果、光吸収による励起キャリア密度の導波路内分布を抑え、導波路内の屈折率変動を抑制でき、動的チャープが、さらに抑制できるようになる。
なお、上述した波長帯、素子構造、電極構造、電圧印加強度は一例であり、本発明の効果を得るためには、EA光変調器においてレーザ光の入射側から出射側にかけて、第3半導体層107の厚さを薄くすればよく、上記の数値に限定されるものではない。また、上述では、波長1.3μm帯で動作する素子に関して記載したが、本発明による素子構造を用いれば、構成する半導体材料の組成比を調整することで、波長1.55μm帯で動作するEA光変調器も実現できることは言うまでもない。また、上述した光変調器は、単体の光素子として効果が得られることはもちろんであるが、半導体レーザとモノリシック集積されていても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上述した実施の形態1,2では、下部クラッド層101を第1導電型の第1半導体層とし、上部クラッド層103を第2導電型の第2半導体層とし、活性層102を、積層方向に第1半導体層と第2半導体層とで挾む縦型の電圧印加構成としたが、これに限るものではない。例えば、下部クラッド層101や上部クラッド層103を、高抵抗なInPなどから構成し、下部クラッド層101の上で、下部クラッド層101の平面方向に活性層102を挟んで、第1導電型の第1半導体層、および第2導電型の第2半導体層を配置し、横型の電圧印加構造とすることもできる。この場合、第3半導体層は、例えば、横方向で活性層と第2半導体層との間に設けられるものとなる。例えば、活性層の導波方向の幅を、変調領域の入射側より出射側にかけて広くすることにより、上述した第3半導体層の横方向の幅(活性層と第2半導体層との間の厚さ)を、入射側より出射側にかけて小さく(薄く)することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、活性層の変調領域に電界を印加する電界印加構造が印加する電界強度を、変調領域の入射側より出射側の方を大きくしたので動的チャープが、さらに抑制できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…下部クラッド層、102…活性層、103…上部クラッド層、104…下部ガイド層、105…上部ガイド層、106a,106b…埋め込み絶縁層、111…第1電極、112a,112b,112c…第2電極、120…変調領域。

Claims (7)

  1. 下部クラッド層と、
    前記下部クラッド層の上に形成され、化合物半導体から構成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された上部クラッド層と、
    前記活性層を導波する変調対象の光を変調する前記活性層の変調領域に電界を印加する電界印加構造と
    を備え、
    前記電界印加構造が印加する電界強度は、前記変調領域の入射側より出射側の方が大きくされている
    ことを特徴とする光変調器。
  2. 請求項1記載の光変調器において、
    化合物半導体から構成されて前記下部クラッド層と前記活性層との間に形成された、下部ガイド層と、
    化合物半導体から構成されて前記活性層と上部クラッド層との間に形成された、上部ガイド層と
    を備えることを特徴とする光変調器。
  3. 請求項1または2記載の光変調器において、
    前記電界印加構造は、
    第1導電型の化合物半導体から構成された第1半導体層と、
    第2導電型の化合物半導体から構成された第2半導体層と、
    前記第1半導体層に接続して形成された第1電極と、
    前記第2半導体層に接続して形成され、前記変調領域において導波方向に配列された複数の第2電極と
    を備え、
    前記複数の第2電極は、前記変調領域の入射側より出射側の方が大きな電圧が印加されることを特徴とする光変調器。
  4. 請求項1または2記載の光変調器において、
    前記電界印加構造は、
    第1導電型の化合物半導体から構成された第1半導体層と、
    第2導電型の化合物半導体から構成された第2半導体層と、
    前記第1半導体層に接続して形成された第1電極と、
    前記第2半導体層に接続して形成された第2電極と、
    前記第2電極と前記活性層との間に形成されて、ノンドープの化合物半導体から構成された第3半導体層と
    を備え、
    前記第3半導体層の前記活性層と前記第2半導体層との間の厚さは、前記変調領域の入射側より出射側の方が薄くされていることを特徴とする光変調器。
  5. 請求項3または4記載の光変調器において、
    前記第1半導体層は、前記下部クラッド層であり、
    前記第2半導体層は、前記上部クラッド層である
    ことを特徴とする光変調器。
  6. 請求項3または4記載の光変調器において、
    前記第1半導体層および前記第2半導体層は、
    前記下部クラッド層の上で、前記下部クラッド層の平面方向に前記活性層を挟んで配置されていることを特徴とする光変調器。
  7. 下部クラッド層と、
    前記下部クラッド層の上に形成され、化合物半導体から構成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された上部クラッド層と
    を備える光変調器の前記活性層を導波する変調対象の光を変調する前記活性層の変調領域に、前記変調領域の入射側より出射側の方が大きい電界を印加する
    ことを特徴とする光変調方法。
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