JP2023008566A - 半導体装置及び電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】セルピッチの縮小とチャネル抵抗の増大の抑制とを両立可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】半導体装置は、半導体層と、ソース領域と、ボディ領域と、ゲート配線とを備える。ソース領域は、平面視においてゲート配線に沿って延設され、ボディ領域は、平面視において、ソース領域のゲート配線と逆側の部分と接し、かつ、ゲート配線に沿って蛇行して設けられ、ソース領域及びボディ領域を露出するコンタクトホールが、平面視においてゲート配線に沿って延設されている。【選択図】図1
Description
本開示は、半導体装置及び電力変換装置に関する。
電力半導体装置の一種であるプレーナーゲート型の縦型炭化珪素半導体装置の平面視の構造として、四角のセルが並んだ構造(以下格子構造)と、ゲート電極などのゲート配線がストライプ状に並んだ構造(以下ストライプ構造)との2種類が提案されている。
このうち、ストライプ構造について様々な構造が提案されている。例えば、ソース領域及びボディ領域が、ゲート配線の延設方向と直交する方向に交互に並べられた構成が提案されている(例えば特許文献1)。また例えば、ソース領域及びボディ領域が、ゲート配線の延設方向と同じ方向に交互に並べられ、かつ、それら領域を露出するコンタクトホールがゲート配線の延設方向と同じ方向に延設された構成が提案されている(例えば特許文献2)。
しかしながら特許文献1の技術のように、ソース領域及びボディ領域が、ゲート配線の延設方向と直交する方向に交互に並べられた構成では、コンタクトホール及びボディ領域のマスクずれ許容範囲が小さく、レジスト幅のマージンが少ない。このため、そのような構成では、セルピッチを十分に縮小できないという問題がある。
一方、特許文献2の技術のように、ソース領域及びボディ領域が、ゲート配線の延設方向と同じ方向に交互に並べられた構成では、ゲート配線とソース領域とが近接する領域が小さいので、チャネル抵抗が増大するという問題がある。
そこで、本開示は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、セルピッチの縮小とチャネル抵抗の増大の抑制とを両立可能な技術を提供することを目的とする。
本開示に係る半導体装置は、半導体層と、半導体層に選択的に設けられた第1導電型のソース領域及び第2導電型のボディ領域と、平面視において半導体層に延設されたゲート配線とを備え、ソース領域は、平面視においてゲート配線に沿って延設され、ボディ領域は、平面視において、ソース領域のゲート配線と逆側の部分と接し、かつ、ゲート配線に沿って蛇行して設けられ、ソース領域及びボディ領域を露出するコンタクトホールが、平面視においてゲート配線に沿って延設されている。
本開示によれば、ボディ領域は、平面視において、ソース領域のゲート配線と逆側の部分と接し、かつ、ゲート配線に沿って蛇行して設けられ、ソース領域及びボディ領域を露出するコンタクトホールが、平面視においてゲート配線に沿って延設されている。このような構成によれば、セルピッチの縮小とチャネル抵抗の増大の抑制とを両立することができる。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の各実施の形態で説明される特徴は例示であり、すべての特徴は必ずしも必須ではない。また、以下に示される説明では、複数の実施の形態において同様の構成要素には同じまたは類似する符号を付し、異なる構成要素について主に説明する。また、以下に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「表」または「裏」などの特定の位置及び方向は、実際の実施時の位置及び方向とは必ず一致しなくてもよい。また、ある部分が別部分よりも濃度が高いことは、例えば、ある部分の濃度の平均が、別部分の濃度の平均よりも高いことを意味するものとする。逆に、ある部分が別部分よりも濃度が低いことは、例えば、ある部分の濃度の平均が、別部分の濃度の平均よりも低いことを意味するものとする。また、以下では第1導電型がn型であり、第2導電型がp型であるとして説明するが、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であってもよい。
<実施の形態1>
以下、本実施の形態1に係る半導体装置は、電力半導体装置の一種であり、炭化珪素(SiC)からなるプレーナーゲート型の縦型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)であるものとして説明する。
以下、本実施の形態1に係る半導体装置は、電力半導体装置の一種であり、炭化珪素(SiC)からなるプレーナーゲート型の縦型MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)であるものとして説明する。
図1は、本実施の形態1に係る半導体装置100の構成を模式的に示す平面図である。図2は、その構成を模式的に示す斜視図であり、図2のx方向は図1のA-A線の延設方向に対応している。図3は、本実施の形態1に係る半導体装置100のセル内部及びセル外周部の構成を示す断面図であり、図3の左側の図に示される構成は、図1のA-A線に沿った断面の構成に対応している。なお、図3の左側の図のセル内部は、半導体装置100の活性領域に相当し、図3の右側の図のセル外周部は、半導体装置100の終端領域に相当する。
まず、本実施の形態1に係る半導体装置100の概略について説明する。図1に示すように半導体装置100は、n+型の拡散層であるソース領域34と、p+型の拡散層であるボディ領域51と、ゲート電極を含むゲート配線36とを備える。
また、半導体装置100は半導体層を備える。本実施の形態1に係る半導体層は、図3に示すように、n+型の炭化珪素半導体基板31と、n-型の炭化珪素エピタキシャル層であるドリフト層32と、p型の拡散層であるベース領域33とを含む。なお、半導体層は、これに限ったものではない。ベース領域33は、ドリフト層32の上部に選択的に設けられ、ソース領域34及びボディ領域51は、ベース領域33の上部に選択的に設けられている。
図1に示すように、ゲート領域のゲート配線36は、平面視において半導体層に延設されている。本実施の形態1では、図2及び図3に示すように、ゲート配線36は、プレーナーゲート構造を有しており、ゲート配線36は、半導体層のドリフト層32上にゲート絶縁膜35を介して設けられている。
図1に示すように、ソース領域34は、平面視においてゲート配線36に沿って延設されており、ゲート配線36の延設方向と同じ方向に延設されている。
ボディ領域51は、平面視においてソース領域34のゲート配線36と逆側の部分と接して設けられており、ボディ領域51の両側のそれぞれはソース領域34と接している。ボディ領域51は、平面視においてゲート配線36に沿って蛇行しており、ゲート配線36側に突出する第1突出部分51aと、ゲート配線36と逆側に突出する第2突出部分51bとを有している。なお、ボディ領域51形成時のレジストと、ソース領域34形成時のレジストとは多少ずれてもよく、そのずれによって、ゲート配線36側に突出する第1突出部分51aが、ソース領域34のゲート配線36側の端部まで達していてもよい。
図2及び図3に示されるように、層間絶縁膜39はゲート配線36を覆う。ゲート絶縁膜35及び層間絶縁膜39のコンタクトホール38は、図2及び図3に示すように、ソース領域34及びボディ領域51を露出しており、図1に示すように、平面視においてゲート配線36に沿って延設されている。
本実施の形態1に係るコンタクトホール38は、図1に示すように平面視において、第1突出部分51aのゲート配線36と逆側の端51cと、第2突出部分51bのゲート配線36側の端51dとの間に位置する。コンタクトホール38は、端51c,51dと接触しなくてもよいし、ボディ領域51形成時のレジストと、コンタクトホール38形成時のレジストとのずれによって、端51c,51dと接触してもよい。
図3に示すように、ソース電極37は、ゲート絶縁膜35及び層間絶縁膜39のコンタクトホール38から露出されたソース領域34及びボディ領域51と接続される。
ここで、以上のようなプレーナーゲート型の縦型MOSFETでは、ゲート配線36のトレンチが設けられないため、トレンチ形成時のエッチングによるダメージがない半導体層の面に、ゲート絶縁膜35が成膜される。このため、プレーナーゲート型の縦型MOSFETは、トレンチゲート型の縦型MOSFETに比べて、特性の劣化及び歩留まり低下が生じにくく、製造が容易であり、製造コストを削減できる。しかしながらプレーナーゲート型の縦型MOSFETでは、ゲート配線36の幅が比較的大きく、セルピッチが比較的大きくなってしまい、オン抵抗が比較的高くなってしまう。
これに対して、本実施の形態1に係る半導体装置100によれば、ボディ領域51は、ゲート配線36に沿って蛇行して設けられ、ソース領域34及びボディ領域51を露出するコンタクトホール38は、平面視においてゲート配線36に沿って延設されている。このような構成によれば、マスクずれ許容範囲が大きく、必要なレジスト幅のマージンを大きくすることができる。このため、セルピッチを縮小しても、ソース領域34及びボディ領域51のうちコンタクトホール38から露出されたコンタクト領域とソース電極37との間のコンタクトを十分に取ることができる。また、ソース領域34及びボディ領域51が、ゲート配線36の延設方向と同じ方向に1つずつ交互に並べられた構成よりも、ゲート配線36とソース領域34とが近接する領域を大きくすることができるので、チャネル抵抗の増大を抑制することができる。
<製造方法>
図3に示すように、半導体装置100は、上述した構成要素に加えて、ゲート絶縁膜35と、ソース電極37と、層間絶縁膜39と、配線電極40と、絶縁膜43と、ドレイン電極である裏面電極44と、表面メッキ45とを備える。半導体装置100の構成要素の詳細な説明は、半導体装置100の製造方法の説明と重複する部分があるため、以下では、図3の半導体装置100を形成する製造方法を図4~図13に沿って説明しながら、半導体装置100の構成要素の詳細を適宜説明する。
図3に示すように、半導体装置100は、上述した構成要素に加えて、ゲート絶縁膜35と、ソース電極37と、層間絶縁膜39と、配線電極40と、絶縁膜43と、ドレイン電極である裏面電極44と、表面メッキ45とを備える。半導体装置100の構成要素の詳細な説明は、半導体装置100の製造方法の説明と重複する部分があるため、以下では、図3の半導体装置100を形成する製造方法を図4~図13に沿って説明しながら、半導体装置100の構成要素の詳細を適宜説明する。
まず、炭化珪素半導体基板31を準備する。炭化珪素半導体基板31は、4Hのポリタイプを有する低抵抗のn+型の基板である。炭化珪素半導体基板31は、第1主面である表面と、第1主面と逆側の第2主面である裏面とを有し、表面は、例えば面方位が(0001)面であるカーボン面を有している。
図4に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、炭化珪素半導体基板31の表面上にn-型の炭化珪素エピタキシャル層32aをエピタキシャル成長によって形成する。炭化珪素半導体基板31の厚みは、例えば50~1000μmであり、炭化珪素エピタキシャル層32aのn型不純物濃度は、例えば1×1015cm-3~1×1017cm-3であり、炭化珪素エピタキシャル層32aの厚みは、例えば5~50μmである。
図5に示すように、炭化珪素エピタキシャル層32aの表面にマスク41を形成し、マスク41を用いて、炭化珪素エピタキシャル層32aにp型不純物であるアルミニウム(Al)を選択的にイオン注入する。このときのAlのイオン注入の深さは、例えば0.5~3μm程度であり、炭化珪素エピタキシャル層32aの厚さを超えないようにする。イオン注入されるAlの不純物濃度は、炭化珪素エピタキシャル層32aのn型不純物濃度より多いものとする。炭化珪素エピタキシャル層32aのうち、このようにAlがイオン注入されたp型の領域は、ベース領域33となる。
図6に示すようにマスク41の除去後、炭化珪素エピタキシャル層32aの表面にマスク42を形成し、マスク42を用いて、セル内部のベース領域33の表面にn型不純物である窒素(N)を選択的にイオン注入する。このときのNのイオン注入の深さは、ベース領域33の厚さより浅くする。イオン注入されるNの不純物濃度は、ベース領域33のp型不純物濃度より多いものとする。炭化珪素エピタキシャル層32aのうち、このようにNが注入されたn+型の領域は、ソース領域34となる。
図7に示すようにマスク42の除去後、炭化珪素エピタキシャル層32aの表面にマスク50を形成し、マスク50を用いて、セル内部のソース領域34の表面にp型不純物であるAlを選択的にイオン注入する。このときのAlのイオン注入深さはベース領域33の厚さより浅く、ソース領域34の厚さより深くする。イオン注入されるAl不純物濃度は、ソース領域34のうちマスク50から露出された表面からベース領域33までの部分がp型の領域となるように調整される。炭化珪素エピタキシャル層32aのうち、このようにAlが注入されたp+型の領域は、ボディ領域51となる。このボディ領域51は、上述したように平面視(図1参照)においてソース領域34と接して蛇行するように設けられる。
以上により、半導体層であるn-型の炭化珪素エピタキシャル層32aの上部に、p型のベース領域33と、n+型のソース領域34と、p+型のボディ領域51とが選択的に形成される。炭化珪素エピタキシャル層32aのうち、ベース領域33、ソース領域34及びボディ領域51以外の部分は、ドリフト層32として機能する。
次に、図8に示すようにマスク50の除去後、熱処理装置によって、アルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガス雰囲気中で1300~1900℃の温度で、30秒~1時間のアニールを行い、これまでにイオン注入されたn型不純物及びp型不純物を活性化させる。
また図8に示すように、例えば、絶縁膜の成膜後、ドライエッチングを用いて、絶縁膜のパターニングを行うことにより、セル内部の表面の絶縁膜を除去し、セル外周部の表面の絶縁膜を選択的に除去することによって、第1絶縁膜39aを形成する。第1絶縁膜39aは、セル外周部においてドリフト層32及びベース領域33上に設けられる。なお、第1絶縁膜39aは、図3の層間絶縁膜39の一部となる。第1絶縁膜39aの材料には、例えばBPSG、PSG、TEOS等が用いられる。第1絶縁膜39aは、炭化珪素半導体基板31の裏面側にも成膜される。
次に図9に示すように、第1絶縁膜39aから露出された炭化珪素エピタキシャル層32aの表面に、例えば熱酸化法によってゲート絶縁膜35を形成する。ゲート絶縁膜35の厚さは、例えば約30~70nmである。
次に図10に示すように、ゲート絶縁膜35及び第1絶縁膜39a上に、導電性を有する多結晶珪素膜を減圧CVD法により形成し、当該多結晶珪素膜をパターニングすることによりゲート配線36を形成する。ゲート配線36は、セル内部のベース領域33及びドリフト層32を挟む二つのソース領域34の間の部分上に、ゲート絶縁膜35を介して設けられている。
次に、ゲート配線36上などに第2絶縁膜をCVD法により成膜することによって、図11に示すように、ゲート配線36を覆い、第1絶縁膜39aと第2絶縁膜とを含む第3絶縁膜39bが形成される。第2絶縁膜の材料には、例えばBPSG、PSG、TEOS等が用いられる。第2絶縁膜は、炭化珪素半導体基板31の裏面側にも成膜されるため、第3絶縁膜39bも、炭化珪素半導体基板31の裏面側に成膜される。
次に図12に示すように、例えばドライエッチングを用いて、ゲート絶縁膜35及び第3絶縁膜39bのパターニングを行う。これにより、セル内部の表面にて、コンタクトホール38を有するゲート絶縁膜35及び層間絶縁膜39が形成される。また、炭化珪素半導体基板31の裏面に成膜された多結晶珪素膜、及び、第3絶縁膜39bなどを、ウェットエッチまたはドライエッチで除去する。
この図12の工程のエッチングによって形成されるコンタクトホール38は、ソース領域34及びボディ領域51のうちソース電極37と接続されるコンタクト領域を露出し、図1などを用いて説明したように、平面視においてゲート配線36に沿って延設される。
次に図13に示すように、コンタクト領域の表面に、熱処理及び薬品処理などにより、ソース電極37として、ニッケル(Ni)金属膜またはそのシリサイド膜を成膜する。ここでは、ソース電極37の材料がNiである例を挙げて説明したが、ソース電極37の材料は、低抵抗な他の金属であってもよい。
また図13に示すように、セル外周部の表面にて、ゲート配線36の一部を露出するコンタクトホール39cを層間絶縁膜39に形成する。
また図13に示すように、ソース電極37及び層間絶縁膜39上に、配線電極40をパターニングして形成する。配線電極の材料は、例えば、アルミニウムなどである。図13の例では、配線電極40は、セル外周部のコンタクトホール39cを介してゲート配線36と接続されるが、ゲート配線36と離間されてもよい。
次に図3に示すように、耐圧を維持するために、セル外周部において配線電極40を覆うポリイミドなどからなる絶縁膜43を堆積する。
また図3に示すように、炭化珪素半導体基板31の裏面上に裏面電極44を形成する。本実施の形態1では、裏面電極44は、チタンシリサイド(TiSi)層44aと、チタニウム(Ti)層44bと、金(Au)層44cとを含む。TiSi層44aは、炭化珪素半導体基板31の裏面上に厚さが100~3000Åであるチタニウム(Ti)の金属膜を堆積し、当該金属膜にレーザーアニールを行うことで形成される。Ti層44bの厚さは、例えば5000~30000Åである。Au層44cの厚さは、例えば50~5000Åである。
また図3に示すように、メッキ処理を行うことによって、セル内部において配線電極40を覆う表面メッキ45を形成する。本実施の形態1では、表面メッキ45は、Ni-Pからなる無電解ニッケル45aと、金(Au)層45bとを含む。
以上により、図3に示す半導体装置100が完成する。以上のように構成された半導体装置100は、ゲート配線36に閾値電圧が印加されると、ゲート配線36と近接するソース領域34に隣接するベース領域33のうち、ゲート配線36と近接する部分にチャネルが形成される。
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態1と異なり、ソース領域及びボディ領域が、ゲート配線の延設方向と直交する方向に交互に並べられた構成では、コンタクトホール及びボディ領域がそれぞれボディ領域の端及びソース領域の端と接触すると半導体装置として正常に動作しない。このため、そのような構成では、マスクずれ許容範囲が小さく、必要なレジスト幅のマージンが少ないため、セルピッチを十分に縮小できない。
本実施の形態1と異なり、ソース領域及びボディ領域が、ゲート配線の延設方向と直交する方向に交互に並べられた構成では、コンタクトホール及びボディ領域がそれぞれボディ領域の端及びソース領域の端と接触すると半導体装置として正常に動作しない。このため、そのような構成では、マスクずれ許容範囲が小さく、必要なレジスト幅のマージンが少ないため、セルピッチを十分に縮小できない。
これに対して本実施の形態1に係る半導体装置100によれば、ボディ領域51は、ゲート配線36に沿って蛇行して設けられ、ソース領域34及びボディ領域51を露出するコンタクトホール38は、平面視においてゲート配線36に沿って延設されている。このため、コンタクトホール38及びボディ領域51のマスクずれ許容範囲を大きくすることができるので、セルピッチを縮小しても半導体装置100の機能を維持することができる。また、ソース領域34及びボディ領域51が、ゲート配線36の延設方向と同じ方向に1つずつ交互に並べられた構成よりも、ゲート配線36とソース領域34とが近接する領域を大きくすることができ、その結果としてチャネル領域を大きくすることができる。このため、チャネル抵抗の増大を抑制することができる。
また本実施の形態1によれば、コンタクトホール38は、平面視において、第1突出部分51aのゲート配線36と逆側の端51cと、第2突出部分51bのゲート配線36側の端51dとの間に位置する。このような構成によれば、コンタクトホール38及びボディ領域51のマスクずれによるチャネル抵抗の変化を抑制することができるので、半導体装置100の信頼性を高めることができる。
<変形例1>
実施の形態1では、図1のように、ボディ領域51は、直線の屈曲によって蛇行していたが、これに限ったものではない。例えば、図14のように、ボディ領域51は、曲線状の丸いコーナー部分を有することによって蛇行してもよい。
実施の形態1では、図1のように、ボディ領域51は、直線の屈曲によって蛇行していたが、これに限ったものではない。例えば、図14のように、ボディ領域51は、曲線状の丸いコーナー部分を有することによって蛇行してもよい。
<変形例2>
実施の形態1では、半導体装置が、プレーナーゲート型の縦型MOSFETであり、ゲート配線36が、プレーナーゲート構造を有していたが、これに限ったものではない。例えば、半導体装置が、トレンチゲート型の縦型MOSFETまたはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、ゲート配線36が、トレンチゲート構造を有してもよい。このような構成によれば、半導体層がトレンチ形成時のエッチングによりダメージを受けるため、特性の劣化及び歩留まり低下が多少生じやすいが、セルピッチを小さくすることができる。
実施の形態1では、半導体装置が、プレーナーゲート型の縦型MOSFETであり、ゲート配線36が、プレーナーゲート構造を有していたが、これに限ったものではない。例えば、半導体装置が、トレンチゲート型の縦型MOSFETまたはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、ゲート配線36が、トレンチゲート構造を有してもよい。このような構成によれば、半導体層がトレンチ形成時のエッチングによりダメージを受けるため、特性の劣化及び歩留まり低下が多少生じやすいが、セルピッチを小さくすることができる。
<変形例3>
実施の形態1では、半導体層は、炭化珪素を含んだが、これに限ったものではない。例えば、半導体層は、炭化珪素ではなく珪素を含んでもよいし、炭化珪素以外のワイドバンドギャップ半導体(例えば窒化ガリウム、ダイヤモンドなど)を含んでもよい。これらの場合であっても、上述した効果を得ることができる。特に、炭化珪素からなる半導体層の製造プロセスは、珪素からなる半導体層の製造プロセスよりも加工難易度が高いため、上述した効果は有効である。
実施の形態1では、半導体層は、炭化珪素を含んだが、これに限ったものではない。例えば、半導体層は、炭化珪素ではなく珪素を含んでもよいし、炭化珪素以外のワイドバンドギャップ半導体(例えば窒化ガリウム、ダイヤモンドなど)を含んでもよい。これらの場合であっても、上述した効果を得ることができる。特に、炭化珪素からなる半導体層の製造プロセスは、珪素からなる半導体層の製造プロセスよりも加工難易度が高いため、上述した効果は有効である。
<実施の形態2>
本実施の形態2は、上述した実施の形態1に係る半導体装置を電力変換装置に適用したものである。本開示は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、以下、実施の形態2として、三相のインバータに本開示を適用した場合について説明する。
本実施の形態2は、上述した実施の形態1に係る半導体装置を電力変換装置に適用したものである。本開示は特定の電力変換装置に限定されるものではないが、以下、実施の形態2として、三相のインバータに本開示を適用した場合について説明する。
図15は、本実施の形態2に係る電力変換装置を適用した電力変換システムの構成を示すブロック図である。
図15に示す電力変換システムは、電源101、電力変換装置200、負荷300から構成される。電源101は、直流電源であり、電力変換装置200に直流電力を供給する。電源101は種々のもので構成することが可能であり、例えば、直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができるし、交流系統に接続された整流回路やAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。また、電源101を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
電力変換装置200は、電源101と負荷300の間に接続された三相のインバータであり、電源101から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷300に交流電力を供給する。電力変換装置200は、図15に示すように、直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路201と、主変換回路201の各スイッチング素子を駆動する駆動信号を出力する駆動回路202と、駆動回路202を制御する制御信号を駆動回路202に出力する制御回路203とを備えている。
駆動回路202は、ノーマリオフ型の各スイッチング素子を、ゲート電極の電圧とソース電極の電圧とを同電位にすることによってオフ制御している。
負荷300は、電力変換装置200から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷300は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、鉄道車両、エレベーター、もしくは、空調機器向けの電動機として用いられる。
以下、電力変換装置200の詳細を説明する。主変換回路201は、スイッチング素子と還流ダイオードを備えており(図示せず)、スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源101から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷300に供給する。主変換回路201の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態2に係る主変換回路201は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードから構成することができる。主変換回路201の各スイッチング素子には、上述した実施の形態1のいずれかに係る半導体装置の製造方法で製造された半導体装置を適用する。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路201の3つの出力端子は、負荷300に接続される。
駆動回路202は、主変換回路201のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路201のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、後述する制御回路203からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧より大きい電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧より小さい電圧信号(オフ信号)となる。
制御回路203は、負荷300に所望の電力が供給されるよう主変換回路201のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷300に供給すべき電力に基づいて主変換回路201の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路201を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、駆動回路202に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路202は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号又はオフ信号を駆動信号として出力する。
本実施の形態に係る電力変換装置では、主変換回路201のスイッチング素子として実施の形態1に係る半導体装置を適用するため、サイズが低減され、かつ、信頼性が高められた電力変換装置を実現することができる。
本実施の形態では、2レベルの三相インバータに本開示を適用する例を説明したが、本開示は、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置としたが3レベルやマルチレベルの電力変換装置であっても構わないし、単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに本開示を適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータやAC/DCコンバータに本開示を適用することも可能である。
また、本開示を適用した電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機やレーザー加工機、又は誘導加熱調理器や非接触器給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムや蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
なお、各実施の形態及び各変形例を自由に組み合わせたり、各実施の形態及び各変形例を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
31 炭化珪素半導体基板、32 ドリフト層、33 ベース領域、34 ソース領域、36 ゲート配線、38 コンタクトホール、51 ボディ領域、51a 第1突出部分、51b 第2突出部分、51c,51d 端、100 半導体装置、201 主変換回路、202 駆動回路、203 制御回路。
Claims (5)
- 半導体層と、
前記半導体層に選択的に設けられた第1導電型のソース領域及び第2導電型のボディ領域と、
平面視において前記半導体層に延設されたゲート配線と
を備え、
前記ソース領域は、平面視において前記ゲート配線に沿って延設され、
前記ボディ領域は、平面視において、前記ソース領域の前記ゲート配線と逆側の部分と接し、かつ、前記ゲート配線に沿って蛇行して設けられ、
前記ソース領域及び前記ボディ領域を露出するコンタクトホールが、平面視において前記ゲート配線に沿って延設されている、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置であって、
前記ボディ領域は、平面視において、前記ゲート配線側に突出する第1突出部分と、前記ゲート配線と逆側に突出する第2突出部分とを有し、
前記コンタクトホールは、平面視において、前記第1突出部分の前記ゲート配線と逆側の端と、前記第2突出部分の前記ゲート配線側の端との間に位置する、半導体装置。 - 請求項1または請求項2に記載の半導体装置であって、
前記ゲート配線は、プレーナーゲート構造を有する、半導体装置。 - 請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体層は、ワイドバンドギャップ半導体を含む、半導体装置。 - 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置を有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
前記半導体装置を駆動する駆動信号を前記半導体装置に出力する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号を前記駆動回路に出力する制御回路と
を備える、電力変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021112236A JP2023008566A (ja) | 2021-07-06 | 2021-07-06 | 半導体装置及び電力変換装置 |
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2021
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