JP2023008305A - 回転工具用ソケット - Google Patents
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Abstract
【課題】回転工具への着脱時に、回転工具の差込角と連結するためのピンの落下を防止する回転工具用ソケットを提供する。【解決手段】回転工具用ソケットは、円筒状の本体部に設けられた接続部の外周面において、Oリングが嵌る第1溝と平行に周方向に形成された第2溝、を備え、軸方向から視て、第2溝は、第1貫通孔と重なる位置に形成され、かつ、円筒軸から第1貫通孔へ向かう仮想線を、円筒軸を中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている。【選択図】図8
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、回転工具用ソケットに関する。
従来、ボルト又はナットなどを締め付ける回転工具として、インパクトレンチが知られている。インパクトレンチは、ボルトなどを嵌めるソケットが着脱自在な構成である。ソケットは取り外しが可能であるため、これまでに、インパクトレンチの使用中にインパクトレンチから外れることを防止するソケットが種々提案されている。
特許文献1には、インパクトレンチのドライバ軸に装着されるソケットが開示されている。そのソケットは、ドライブ軸に嵌まる取付孔が形成された筒部を有し、その筒部を貫通し、取付孔に達するピン差込孔が形成されている。筒部の外周面には、ピン差込孔上を通る位置に筒部を周回する第1凹溝と、第1凹溝と略平行に筒部を周回する第2凹溝とが設けられている。第2凹溝を設けることで、第1凹溝に嵌るOリングを第2凹溝にずらして仮置きすることができるため、Oリングがずれてソケットから外れてしまうことなどを防止でき、ソケットの着脱作業性を改善できるようになっている。
特許文献1では、インパクトレンチに対してソケットを着脱する際、Oリング全体を凹溝からずらしてピンを抜き差しする必要がある。ピンを差し込む貫通孔は本体軸の左右に開口しているため、Oリングを凹溝からずらすと、左右両方の開口が露出する。そうすると、例えばピンを抜き出す際、貫通孔の一方の開口を下に向けた状態でOリング全体をずらすと、下を向く開口からピンが落下するおそれがあり、作業効率が低下するといった問題がある。
そこで、本発明の目的の一つは、回転工具への着脱時に、回転工具の差込角と連結するためのピンの落下を防止する回転工具用ソケットを提供することにある。
本発明は、一端にソケット部が設けられ、他端に回転工具が接続される接続部が設けられた円筒状の本体部を備え、前記接続部は、前記回転工具の差込角が差し込み可能に、前記本体部の円筒軸に沿って形成された差込孔と、前記接続部の外周面に、前記円筒軸を中心とする周方向に沿って環状に形成された第1溝と、前記円筒軸の径方向に沿って前記差込孔から前記第1溝へ貫通する第1貫通孔と、前記円筒軸に沿った軸方向から視て前記円筒軸を中心に前記第1貫通孔と反対側の位置に形成され、前記径方向に沿って前記差込孔から前記第1溝へ貫通する第2貫通孔と、を有し、前記差込角にあるピン差込孔と前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔とが一連の孔を形成するように、前記差込角を前記差込孔に差し込み、前記一連の孔にピンを差し込み、前記第1溝にOリングを嵌めることで、前記差込角に連結される、回転工具用ソケットであって、
前記接続部の外周面において、前記第1溝と平行に周方向に形成された第2溝、を備え、
前記軸方向から視て、
前記第2溝は、
前記第1貫通孔と重なる位置に形成され、かつ、前記円筒軸から前記第1貫通孔へ向かう仮想線を、前記円筒軸を中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている。
前記接続部の外周面において、前記第1溝と平行に周方向に形成された第2溝、を備え、
前記軸方向から視て、
前記第2溝は、
前記第1貫通孔と重なる位置に形成され、かつ、前記円筒軸から前記第1貫通孔へ向かう仮想線を、前記円筒軸を中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている。
本発明によれば、回転工具への着脱時に、回転工具の差込角と連結するためのピンの落下を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、回転工具用ソケット(以下、単にソケットと言う)が着脱される回転工具の一例として、インパクトレンチを挙げて説明する。しかしながら、ソケットが着脱される回転工具は、手動式レンチでもよいし、インパクトドライバなどであってもよい。
[インパクトレンチについて]
図1は、本実施形態のソケット1と、インパクトレンチ50とを示す概略図である。図1では、丸で囲む部分を拡大表示している。
図1は、本実施形態のソケット1と、インパクトレンチ50とを示す概略図である。図1では、丸で囲む部分を拡大表示している。
インパクトレンチ50は、モータに電力が供給されることにより、そのモータによって回転軸が回転する。インパクトレンチ50は、回転軸の回転に応じて回転する凸型の差込角51を備えている。
差込角51は角取りされた四角柱形状であって、平行する両側面にはピン差込孔52が形成されている。なお、両側面に直交する上下面にもピン差込孔が形成されていてもよい。また、説明の便宜上、ピン差込孔52が形成された面を側面と称しているが、差込角51は回転するため、側面及び上下面を特定するものではない。このピン差込孔52は、後述のソケット1を差込角51に連結するためにピン(不図示)を挿入するための貫通孔である。差込角51に連結されたソケット1は、差込角51が回転することで回転する。インパクトレンチ50の内部の具体的な構成については、従来のインパクトレンチの構成と同様なので、詳しい説明を省略する。
[ソケットの具体的構成について]
以下、ソケット1の具体的な構成について詳細に説明する。
以下、ソケット1の具体的な構成について詳細に説明する。
図2は、ソケット1の側面図である。図3は、ソケット1の上面図である。図4は、図3のIV-IV線における断面図である。図5は、図3のV-V線における断面図である。なお、説明の便宜上、図2は側面図、図3は上面図としているが、ソケット1は円筒状であるため、ソケット1の上面及び側面を限定するものではない。また、図5では、構成部同士の位置関係を把握し易くするため、V-V線における断面では見えない構成部(後述の第1貫通孔15A及び第2貫通孔15B)を破線で示している。
ソケット1は、中心軸Pを中心とした円筒状の本体部10を備えている。本体部10の第1端部には、回転工具50が接続される接続部10Aが設けられ、第2端部にはソケット部10Bが設けられている。ソケット部10Bは、ボルト又はナットなどが嵌め込まれる孔を有する。ソケット部10Bの構成については特に限定されることはないため、その説明は省略する。
以下では、中心軸Pに沿った方向を軸方向と言い、周方向及び径方向それぞれは、中心軸Pを中心とした方向であるものとする。
接続部10Aは、差込孔10Cと、第1溝11と、第1貫通孔15Aと、第2貫通孔15Bとを有している。
差込孔10Cは、差込角51が差し込み可能であって、本体部10の円筒軸(中心軸P)に沿って形成されている。
第1溝11は、本体部10の外周面に、周方向に沿って環状に形成されている。
第1貫通孔15Aは、径方向に沿って差込孔10Cから第1溝11へ貫通するように形成されている。第2貫通孔15Bは、径方向から視て中心軸Pを中心に第1貫通孔15Aと反対側の位置に形成され、径方向に沿って差込孔10Cから第1溝11へ貫通するように形成されている。第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bは、差込角51のピン差込孔52に差し込まれるピンが差し込み可能な大きさを有している。
ソケット1をインパクトレンチ50に装着する場合、径方向に沿った一連の孔が形成されるように、差込角51のピン差込孔52と、第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bとが重なるように一致させて、ソケット1の差込孔10Cに差込角51が差し込まれる。そして、この一連の孔にピンが差し込まれる。第1溝11には、一連の孔に差し込まれたピンの抜けを防止するために、Oリング2(図1参照)が嵌められる。
図6は、Oリング2を嵌めたソケット1の側面図である。図7は、リング2を嵌めたOリング2の上面図である。以下に説明するOリング2及びピンは、ソケット1が備える部材であってもよいし、他のソケットと共用できる汎用の部材であってもよい。Oリング2は、例えばフッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム又はニトリルゴムなどから生成される。
Oリング2は、第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bを塞ぐように、第1溝11に嵌められる。後に詳述するが、Oリング2を第1溝11からずらして、第1貫通孔15A又は第2貫通孔15Bを露出させる。これにより、第1貫通孔15A又は第2貫通孔15Bから、ピンの抜き差しが可能となる。
なお、第1溝11の深さは、Oリング2が嵌められたときに、Oリング2が第1溝11から径方向に突出する程度の深さに設定されている。また、その深さは、Oリング2が第1溝11からずれ難いように設定されている。具体的には、インパクトレンチ50を使用したときの振動では、Oリング2は第1溝11からずれないが、人手ではOリング2を第1溝11からずらすことができるように設定されている。
本体部10の第1端部には第2溝12及び第3溝13がさらに形成されている。第2溝12及び第3溝13は、本体部10の外周面において、第1溝11と平行に周方向に形成されている。また、第2溝12及び第3溝13は、軸方向において同じ位置に位置し、同一円周上に位置するよう形成されている。なお、本実施形態では、本体部10の第1端部側から、第1溝11、第2溝12及び第3溝13の順に形成されている。しかしながら、第1溝11と、第2溝12及び第3溝13との形成順序は逆であってもよい。
ここで、図8を用いて、第2溝12及び第3溝13の形成位置について説明する。図8は、第2溝12の形成位置を説明するための図である。図8は軸方向から視た図である。
第2溝12は、軸方向から視て第1貫通孔15Aと重なる位置に形成されている。また、第2溝12は、中心軸Pから第1貫通孔15Aへ向かう仮想線16を、中心軸Pを中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている。なお、第3溝13の形成位置についても同様である。図示しないが、第3溝13は、軸方向から視て第2貫通孔15Bと重なる位置に形成されている。また、第2溝12は、中心軸Pから第1貫通孔15Aへ向かう仮想線16を、中心軸Pを中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている。なお、第3溝13は設けられていなくてもよい。
第2溝12は、Oリング2で塞がれた第1貫通孔15Aを露出させるために、Oリング2を第1溝11からずらすときに仮置きされる溝である。また、第3溝13は、Oリング2で塞がれた第2貫通孔15Bを露出させるために、Oリング2を第1溝11からずらすときに仮置きされる溝である。以下、Oリング2の仮置きについて説明する。
図9及び図10は、Oリング2を第2溝12に仮置きした状態を示す図である。図9は、図2及び図4に相当する側面図であり、図10は、図3及び図5に相当する上面図である。なお、以下では、第2溝12について説明する。第3溝13については、第2溝12と同様であるため、その説明は省略する。
第1貫通孔15Aを覆うOリング2の一部が、作業者の指で第2溝12側に押されると、Oリング2の一部は、第1溝11の壁部を乗り越え、第2溝12に嵌るようになる。Oリング2は、その一部が第2溝12Aに嵌る(仮置き)ことで、作業者が指を離しても、第1溝11に戻ることが抑止される。これにより、第1貫通孔15Aは露出した状態となるため、作業者は、第1貫通孔15Aに対してピンの抜き差しが可能となる。また、このとき、第2貫通孔15Bは、Oリング2で塞がれているため、第2貫通孔15Bからのピンの抜け落ちは防止される。
第1貫通孔15Aにピンの抜き差しが完了した後、第2溝12に仮置きされたOリング2の一部が、作業者の指で第1溝11側へ押されることで、Oリング2は第1溝11へ嵌り、第1貫通孔15A及び第2貫通孔15BがOリング2により塞がれるようになる。ピンが挿入されている場合には、Oリング2が第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bを塞ぐことで、ピンが抜け止めされるようになっている。なお、第2溝12は、Oリング2の仮置き用の溝であり、第2溝12に仮置きしたOリング2が第1溝11へ戻らないように、第2溝12の深さは、第1溝11の深さ以上であることが好ましい(図3参照)。
[ソケットの着脱について]
次に、インパクトレンチ50に対するソケット1の着脱について説明する。図11は、ソケット1をインパクトレンチ50に装着する際の手順を示す図である。前提として、Oリング2が第1溝11に嵌っているものとする。また、図9及び図10での説明と同様に、第1貫通孔15Aを露出させるものとする。
次に、インパクトレンチ50に対するソケット1の着脱について説明する。図11は、ソケット1をインパクトレンチ50に装着する際の手順を示す図である。前提として、Oリング2が第1溝11に嵌っているものとする。また、図9及び図10での説明と同様に、第1貫通孔15Aを露出させるものとする。
ソケット1をインパクトレンチ50に装着する際、まず、第1貫通孔15Aを塞ぐOリング2の一部を、第2溝12側へずらして、第2溝12へ仮置きする。その状態で、差込角51のピン差込孔52と、ソケット1の第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bとが重なるように、差込角51をソケット1の差込口10Aに差し込む(図11(A))。
次に、第1貫通孔15Aからピン53を差し込む(図11(B))。このとき、第2貫通孔15BはOリング2により塞がれた状態であるため、第1貫通孔15Aから差し込まれたピン53が、第2貫通孔15Bから抜け落ちることが防止される。これにより、ピン53は、差込角51のピン差込孔52と、第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bとの一連の孔に差し込まれた状態となる。
最後に、第2溝12に仮置きしたOリング2の一部を、第1溝11側へずらして、第1溝11へ嵌める(図11(C))。差し込まれたピン53は、Oリング2により、ピン差込孔52と、第1貫通孔15A及び第2貫通孔15Bとから抜け落ちることが防止され、ソケット1と差込角51とが連結される。これにより、ソケット1は、インパクトレンチ50へ装着されるようになる。
インパクトレンチ50に装着されたソケット1を取り外す場合は、上記の手順と逆となる。すなわち、インパクトレンチ50に装着されたソケット1の第1貫通孔15Aを塞ぐOリング2の一部を、第2溝12側へずらして、第2溝12へ仮置きする。これにより、第1貫通孔15Aが露出される。この状態で、ピン53を抜き出す。このとき、第2貫通孔15BはOリング2により塞がれているため、ピン53が第2貫通孔15Bから抜け落ちることが防止される。ピン53を抜き出すことで、ソケット1と差込角51との連結が解除される。これにより、ソケット1をインパクトレンチ50から取り外すことができる。
以上のように、本実施形態のソケット1は、インパクトレンチ50の差込角51と連結するためのピン53の落下を防止しつつ、インパクトレンチ50への着脱を実現することができる。
1 ソケット
2 Oリング
10 円筒部
10A 差込口
10B ソケット部
11 第1溝
11A、11B 凹部
12 第2溝
13 第3溝
15A 第1貫通孔
15B 第2貫通孔
16 壁
17 壁
50 インパクトレンチ
51 差込角
52 ピン差込口
53 ピン
2 Oリング
10 円筒部
10A 差込口
10B ソケット部
11 第1溝
11A、11B 凹部
12 第2溝
13 第3溝
15A 第1貫通孔
15B 第2貫通孔
16 壁
17 壁
50 インパクトレンチ
51 差込角
52 ピン差込口
53 ピン
Claims (4)
- 一端にソケット部が設けられ、他端に回転工具が接続される接続部が設けられた円筒状の本体部を備え、
前記接続部は、
前記回転工具の差込角が差し込み可能に、前記本体部の円筒軸に沿って形成された差込孔と、
前記接続部の外周面に、前記円筒軸を中心とする周方向に沿って環状に形成された第1溝と、
前記円筒軸の径方向に沿って前記差込孔から前記第1溝へ貫通する第1貫通孔と、
前記円筒軸に沿った軸方向から視て前記円筒軸を中心に前記第1貫通孔と反対側の位置に形成され、前記径方向に沿って前記差込孔から前記第1溝へ貫通する第2貫通孔と、
を有し、
前記差込角にあるピン差込孔と前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔とが一連の孔を形成するように、前記差込角を前記差込孔に差し込み、前記一連の孔にピンを差し込み、前記第1溝にOリングを嵌めることで、前記差込角に連結される、回転工具用ソケットであって、
前記接続部の外周面において、前記第1溝と平行に周方向に形成された第2溝、を備え、
前記軸方向から視て、
前記第2溝は、
前記第1貫通孔と重なる位置に形成され、かつ、前記円筒軸から前記第1貫通孔へ向かう仮想線を、前記円筒軸を中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている、
回転工具用ソケット。 - 前記第2溝の深さは、前記第1溝の深さ以上である、
請求項1に記載の回転工具用ソケット。 - 前記円筒軸に沿った軸方向から視て、
前記第2溝と重なる位置の前記第1溝であって、その第1溝の前記第2溝側となる壁は、前記第2溝と重ならない位置の前記第1の壁よりも低い、
請求項1又は請求項2に記載の回転工具用ソケット。 - 前記接続部の外周面において、前記第1溝と平行に周方向に形成された第3溝、を備え、
前記円筒軸に沿った軸方向から視て、
前記第3溝は、
前記第2貫通孔と重なり、かつ、かつ、前記円筒軸から前記第2貫通孔へ向かう仮想線を、前記円筒軸を中心として、±45度以上90度未満で動かしたときの範囲内に形成されている、
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の回転工具用ソケット。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021111751A Pending JP2023008305A (ja) | 2021-07-05 | 2021-07-05 | 回転工具用ソケット |
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Legal Events
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