JP2023001074A - シーリング材用硬化性組成物及びこの硬化性組成物を用いたパネル構造体 - Google Patents

シーリング材用硬化性組成物及びこの硬化性組成物を用いたパネル構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、火災時の熱によって生じるシーリング部の寸法変化に円滑に追従し、シーリング部の充填状態を確実に保持して、シーリング部を通じた炎の回り込みを阻止し、建築構造物に優れた耐火性能を付与することができる硬化性組成物を提供する。【解決手段】 本発明のシーリング材用硬化性組成物は、硬化性樹脂100質量部と、水難溶性リン系化合物10~150質量部とを含有することを特徴とする。上記硬化性組成物の硬化物は、火災時において、シーリング部の閉塞状態を安定的に維持することができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、シーリング材用硬化性組成物及びこの硬化性組成物を用いたパネル構造体に関する。
建築構造物のパネル構造体は、建築構造物のパネル配設部にパネル部材が配設され、パネル配設部とパネル部材との対向面間に形成された隙間や、パネル部材間に形成された隙間(これらの隙間を総称して「シーリング部」ということがある)にシーリング材を充填することによって構成されている。建築構造物のパネル配設部やパネル部材などのシーリング部を構成する部材を総称して「シーリング部構成部材」ということがある。
上記パネル構造体において、シーリング材は有機物であるため、燃焼に対して弱く、火災時にシーリング材がシーリング部から脱落し、シーリング部を通じて炎が廻り込むことがあり、建築構造物の壁部の耐火性能が不十分になるという問題点を有している。
又、パネル部材は、火災時の熱によって収縮などの変形を生じることがあり、パネル部材の変形によって、シーリング部の寸法が変化し、このシーリング部の寸法変化にシーリング材が追従できず、シーリング部を通じて炎が廻り込むことがあり、上記と同様に、建築構造物の壁部の耐火性能が不十分になるという問題点を有している。
特許文献1には、(A)末端に加水分解によってシラノール基を形成しうるケイ素含有官能基をもつポリアルキレンエーテル、(B)マイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウム粉末、(C)炭酸カルシウム粉末及び(D)シラノール縮合触媒からなる防火性シーリング材が開示されている。
特開平8-81674号公報
しかしながら、上記防火性シーリング材は、火災時の熱によって発泡した後、炭化層膜を形成するが、発泡により燃焼残渣が脆くなるため、燃焼炎の風圧によって容易に破壊し、シーリング部からの脱落を生じる。更に、上記防火性シーリング材は、火災時の熱によるパネル部材の変形に起因したシーリング部の寸法変化に追従することができず、シーリング部に隙間を生じる。そのため、上記防火性シーリング材は、耐火性能が依然として不十分であるという問題点を有する。
又、シーリング部に充填されるシーリング材は、屋外に露出された状態で用いられることが多く、日常的に雨に晒され、これが原因となって、400℃程度まで加熱された時にゴム弾性が更に低下してシーリング部の寸法変化に追従することができず、耐火性能が更に低下するという問題点も有する。
本発明は、雨などの水分に晒された後においても、火災時の熱によって400℃程度まで加熱されても優れたゴム弾性を有し、火災時に生じるシーリング部の寸法変化に円滑に追従してシーリング部の充填状態を確実に保持し、シーリング部を通じた炎の回り込みを阻止することができ、建築構造物に優れた耐火性能を付与することができる硬化性組成物及びこれを用いたパネル構造体を提供する。
本発明のシーリング材用硬化性組成物は、
硬化性樹脂100質量部と、
水難溶性リン系化合物10~150質量部と、を含有する。
本発明のシーリング材用硬化性組成物は、好ましくは、
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド100質量部と、
水難溶性リン系化合物10~150質量部と、
シラノール縮合触媒とを含有する。
[硬化性樹脂]
硬化性樹脂は、1液型硬化性樹脂及び2液型硬化性樹脂を含む。1液型硬化性樹脂は、水分、光照射又は熱によって架橋構造が導入されて硬化する樹脂、又は水などの溶媒の揮発により硬化する乾燥硬化型の樹脂が含まれる。2液型硬化性樹脂は、主剤と硬化剤とを混合することによって架橋構造が導入されて硬化する樹脂が含まれる。
[1液型硬化性樹脂]
1液型硬化性樹脂としては、加水分解性シリル基を有する重合体、加水分解架橋性シリコーン樹脂、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、乾燥硬化型アクリル系重合体、光架橋性重合体などが挙げられる。なかでも、加水分解性シリル基を有する重合体、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び乾燥硬化型アクリル系重合体が好ましく、加水分解性シリル基を有する重合体を含むことが好ましい。
[加水分解性シリル基を有する重合体]
加水分解性シリル基を含有する重合体は、水の存在下にて、加水分解性シリル基の加水分解性基が加水分解してシラノール基(≡SiOH)を生成する。そして、シラノール基同士が脱水縮合して架橋構造が形成される。
加水分解性シリル基とは、珪素原子に1~3個の加水分解性基が結合してなる基である。加水分解性シリル基の加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基、オキシム基などが挙げられる。
なかでも、加水分解性シリル基としては、加水分解反応が穏やかであることから、アルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、及びトリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;プロピルジメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、及びメチルジエトキシシリル基などのジアルコキシシリル基;並びに、ジメチルメトキシシリル基、及びジメチルエトキシシリル基などのモノアルコキシシリル基が挙げられる。
加水分解性シリル基を有する重合体としては、特に限定されず、例えば、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体、加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂、加水分解性シリル基を有するポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。加水分解性シリル基を有する重合体としては、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドを含有していることが好ましい。なお、加水分解性シリル基を有する重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性樹脂中における加水分解性シリル基を有する重合体の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド]
ポリアルキレンオキサイドは、加水分解性シリル基を有する。主鎖の末端に加水分解性シリル基を有することが好ましい。加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドは、水の存在下にて、加水分解性シリル基の加水分解性基が加水分解してシラノール基(-SiOH)を生成する。そして、シラノール基同士が脱水縮合して架橋構造が形成される。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドが有する加水分解性シリル基としては、加水分解反応が穏やかであることから、アルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基としては、ジアルコキシシリル基がより好ましく、ジメトキシシリル基及びメチルジメトキシシリル基がより好ましく、メチルジメトキシシリル基がより好ましい。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドは、1分子中に平均して、1~4個の加水分解性シリル基を有していることが好ましい。加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドにおける加水分解性シリル基の数が上記範囲内にあると、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を保持し、火災時の熱によるシーリング部の寸法変化に円滑に追従し、シーリング部の充填状態を安定的に保持することができる。更に、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持することができ、建築構造物の耐火性能を維持することができる。加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドは、その主鎖の両末端に加水分解性シリル基を有していることが好ましい。
なお、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド中における、1分子当たりの加水分解性シリル基の平均個数は、1H-NMRにより求められるポリアルキレンオキサイド中の加水分解性シリル基の濃度、及びGPC法により求められるポリアルキレンオキサイドの数平均分子量に基づいて算出することができる。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドを構成しているポリアルキレンオキサイドとしては、主鎖が、一般式:-(R-O)n-(式中、Rは炭素数が1~14のアルキレン基を表し、nは、繰り返し単位の数であって正の整数である。)で表される繰り返し単位を含有する重合体が好ましく挙げられる。ポリアルキレンオキサイドの主鎖骨格は一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位からなっていてもよい。
本発明において、アルキレン基とは、脂肪族飽和炭化水素中の異なる2個の炭素原子に結合する2個の水素原子を除いて生じる2価の原子団であり、直鎖状及び分岐状の双方の原子団を含む。
アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基[-CH(CH3)-CH2-]、トリメチレン基[-CH2-CH2-CH2-]、ブチレン基、アミレン基[-(CH25-]、ヘキシレン基などが挙げられる。
ポリアルキレンオキサイドの主鎖骨格としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド共重合体、及びポリプロピレンオキサイド-ポリブチレンオキサイド共重合体などが挙げられる。なかでも、ポリプロピレンオキサイドが好ましい。ポリプロピレンオキサイドによれば、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持していると共に、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持することができる。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドにおいて、加水分解性シリル基は、主鎖の末端に、炭素数が1~25のアルキレン基(好ましくは、炭素数が1~6のアルキレン基)を介して結合していることが好ましい。加水分解性シリル基が炭素数が1~25のアルキレン基を介して主鎖に結合していると、硬化性組成物の硬化物の柔軟性が向上する。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドにおいて、加水分解性シリル基は、主鎖の末端に、ウレタン結合を介して結合していてもよい。加水分解性シリル基がウレタン結合を介して主鎖の末端に結合していると、硬化性組成物の硬化物の柔軟性が向上する。硬化性組成物の硬化物の柔軟性が向上するので、加水分解性シリル基は、主鎖の末端に、ウレタン結合及びアルキレン基(好ましくは、炭素数が1~25のアルキレン基)を介して結合していることが好ましい。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドの数平均分子量は、3000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドの数平均分子量は、50000以下が好ましく、30000以下がより好ましい。ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量が3000以上であると、硬化性組成物の硬化物は400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持する。ポリアルキレンオキサイドの数平均分子量が50000以下であると、硬化性組成物の硬化物が、火災時の熱によって400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を保持し、火災時の熱によるシーリング部の寸法変化に円滑に追従し、シーリング部の充填状態を安定的に保持することができる。
なお、本発明において、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドの数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド6~7mgを採取し、採取したポリアルキレンオキサイドを試験管に供給した上で、試験管に0.05質量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を含むo-DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えてポリアルキレンオキサイドの濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
溶解濾過装置を用いて145℃にて回転速度25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうして、BHTを含むo-DCB溶液にポリアルキレンオキサイドを溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってポリアルキレンオキサイドの数平均分子量を測定することができる。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドにおける数平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
移動相:o-DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500~8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
硬化性樹脂中における加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドの含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
加水分解性シリル基を有しているポリアルキレンオキサイドは、市販されているものを用いることができる。例えば、加水分解性シリル基を有しているポリアルキレンオキサイドとしては、カネカ社製 商品名「MSポリマー S-203」、「MSポリマー S-303」、「サイリルポリマー SAT-200」、「サイリルポリマー SAT-350」及び「サイリルポリマー SAT-400」;AGC社製 商品名「エクセスター S3620」、「エクセスターS2420」、「エクセスターS2410」及び「エクセスターS3430」などが挙げられる。
主鎖がポリプロピレンオキサイドで且つポリプロピレンオキサイドの末端に(メトキシメチル)ジメトキシシリル基を有しているポリアルキレンオキサイドは、カネカ社から商品名「HS-2」にて市販されている。
主鎖がポリプロピレンオキサイドで且つポリプロピレンオキサイドの末端にイソプロピルジメトキシメチルシリル基を有しているポリアルキレンオキサイドは、カネカ社から商品名「SAX720」にて市販されている。
[加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体]
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体に含有されている加水分解性シリル基としては、加水分解反応が穏やかであることから、アルコキシシリル基が好ましく、ジアルコキシシリル基がより好ましく、メチルジメトキシシリル基がより好ましい。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、1分子中の加水分解性シリル基の平均個数は、1個以上が好ましく、2個以上がより好ましい。加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、1分子中の加水分解性シリル基の平均個数は、4個以下が好ましく、3個以下がより好ましい。加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、1分子中の加水分解性シリル基の平均個数が上記範囲内にあると、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を保持し、火災時の熱によるシーリング部の寸法変化に円滑に追従し、シーリング部の充填状態を安定的に保持することができる。更に、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持することができ、建築構造物の耐火性能を維持することができる。加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体は、その主鎖の両末端のうち少なくとも一方に加水分解性シリル基を有していることが好ましい。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体は、加水分解性シリル基を有さないアクリル系重合体と併用して使用してもよい。この場合、両者全体での1分子あたりの加水分解性シリル基の平均個数は、0.3個以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。加水分解性シリル基の平均個数が0.3個以上であると、硬化性組成物の硬化性が向上する。一方、両者全体での1分子あたりの加水分解性シリル基の平均個数は、2.0個以下であることが好ましく、1.8個以下であることがより好ましい。加水分解性シリル基の平均個数が2.0個以下であると、硬化性組成物の硬化物が、雨水などの水分に晒された後に火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
アクリル系重合体への加水分解性シリル基の導入方法としては、特に限定されず、例えば、主鎖骨格を構成する単量体の共重合体に不飽和基を導入した後、加水分解性シリル基を有するヒドロシランを作用させてヒドロシリル化する方法などが挙げられる。
なお、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体中における、1分子当たりの加水分解性シリル基の平均個数は、1H-NMRにより求められる加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体中の加水分解性シリル基の濃度、及びGPC法により求められる加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の数平均分子量に基づいて算出する。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の主鎖を構成する(メタ)アクリレート系モノマーとして、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-3-メチルブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-[アクリロイルオキシ]エチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、及び2-[アクリロイルオキシ]エチル-2-ヒドロキシプロピルフタル酸などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味する。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、主鎖骨格を構成している重合体に用いられる単量体は、上述した(メタ)アクリレート系モノマーの他に、さらに他のモノマーを含んでいてもよい。他のモノマーとしては、例えば、スチレン、インデン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、p-クロロメチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニルなどのビニルエステル基を持つ化合物、無水マレイン酸、N-ビニルピロリドン、N-ビニルモルフォリン、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、tert-アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2-クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4-ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン-1,4-ジオール-ジビニルエーテル、ヘキサン-1,6-ジオール-ジビニルエーテル、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール-ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4-ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4-ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4-ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、6-ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、3-アミノプロピルビニルエーテル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテルなどのビニロキシ基を持つ化合物などを挙げることができる。これらのモノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の主鎖骨格は、ブチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートを含む単量体の共重合体が好ましく、ブチルアクリレート及びステアリルアクリレートを含む単量体の共重合体がより好ましい。主鎖骨格が上記共重合体である、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体は、柔軟な主鎖骨格を有し、これにより硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、ブチル(メタ)アクリレート成分の含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がより好ましい。加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、ブチル(メタ)アクリレート成分の含有量は、97質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、85質量%以下がより好ましい。ブチル(メタ)アクリレート成分の含有量が30質量%以上であることによって、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の主鎖骨格の柔軟性が向上し、これにより硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、ステアリル(メタ)アクリレート成分の含有量は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、15質量%以上がより好ましい。加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体において、ステアリル(メタ)アクリレート成分の含有量は、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がより好ましい。ステアリル(メタ)アクリレート成分の含有量が3質量%以上であることによって、硬化性組成物の硬化物が火災時の熱などによって加熱された場合であっても、アクリル系重合体の主鎖骨格が切断され難くなる。これにより、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持することができ、建築構造物の耐火性能を維持することができる。ステアリル(メタ)アクリレート成分の含有量が70質量%以下であることによって、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の主鎖骨格の柔軟性が向上し、これにより硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の重合方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができ、例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法などの各種重合法などが挙げられる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の重量平均分子量は、1000~50000が好ましく、10000~40000がより好ましく、20000~38000が特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内である加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体は、柔軟な主鎖骨格を有し、これにより硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値を意味する。GPC法による測定においては、例えば、GPCカラムとして東ソー製Shodex KF800Dを用い、溶媒としてクロロホルムなどを用いることができる。
硬化性樹脂中における加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂]
ウレタン樹脂は、ウレタン結合(-NHCOO-)が繰り返して形成されてなる主鎖を有する重合体をいう。加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖に複数個の加水分解性シリル基を有している。加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂は、ウレタン樹脂の主鎖の両末端に加水分解性シリル基を有することが好ましい。
加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂が有する加水分解性シリル基としては、加水分解反応が穏やかであることから、アルコキシシリル基が好ましい。アルコキシシリル基としては、ジアルコキシシリル基がより好ましく、ジメトキシシリル基及びメチルジメトキシシリル基がより好ましく、メチルジメトキシシリル基がより好ましい。なお、加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂は、イソシアネート基を有していないことが好ましい。
加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂は、1分子中に平均して、1~4個の加水分解性シリル基を有していることが好ましい。加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂における加水分解性シリル基の数が上記範囲内にあると、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を保持し、火災時の熱によるシーリング部の寸法変化に円滑に追従し、シーリング部の充填状態を安定的に保持することができる。更に、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持することができ、建築構造物の耐火性能を維持することができる。
なお、加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂中における、1分子当たりの加水分解性シリル基の平均個数は、1H-NMRにより求められるウレタン樹脂中の加水分解性シリル基の濃度、及びGPC法により求められるウレタン樹脂の数平均分子量に基づいて算出することができる。
加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000~50000が好ましく、2000~30000がより好ましく、3000~15000が特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内である加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂は、柔軟な主鎖骨格を有し、これにより硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値を意味する。GPC法による測定においては、例えば、GPCカラムとして東ソー製Shodex KF800Dを用い、溶媒としてクロロホルムなどを用いることができる。
硬化性樹脂中における加水分解性シリル基を有するウレタン樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[加水分解性シリル基を有するポリオレフィン系樹脂]
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。加水分解性シリル基を有するポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂の主鎖に複数個の加水分解性シリル基を有している。加水分解性シリル基を有するポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂の主鎖の両末端に加水分解性シリル基を有することが好ましい。
[加水分解架橋性シリコーン樹脂]
加水分解架橋性シリコーン樹脂は、シロキサン結合(-Si-O-)が繰り返して形成されてなる分子鎖を有する重合体をいう。加水分解性架橋性シリコーン樹脂は、シリコーン樹脂の主鎖を構成している珪素原子の一部に加水分解性基が結合している。
加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられ、アルコシキ基が好ましい。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
加水分解架橋性シリコーン樹脂は、湿気又は架橋剤の存在下、必要に応じて触媒などを使用することによって、加水分解性基において縮合反応を生じて架橋構造を形成する。加水分解架橋性シリコーン樹脂が加水分解性基としてアルコキシ基を有している場合、アルコキシ基の一部が加水分解してヒドロキシ基を生成し、このヒドロキシ基とアルコキシ基とが脱アルコール縮合反応を生じて架橋構造を形成する。
加水分解架橋性シリコーン樹脂中における加水分解性基の含有量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。加水分解架橋性シリコーン樹脂中における加水分解性基の含有量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がより好ましい。
加水分解架橋性シリコーン樹脂における25℃での粘度は、5Pa・s以上が好ましく、10mPa・s以上がより好ましく、13Pa・s以上がより好ましい。加水分解架橋性シリコーン樹脂における25℃での粘度は、25Pa・s以下が好ましく、22Pa・s以下がより好ましく、19Pa・s以下がより好ましい。なお、加水分解架橋性シリコーン樹脂の25℃での粘度は、B型粘度計(例えば、BROOKFIELD社製 製品名「DV-E 回転粘度計」)を用い、スピンドル(RV-2)の回転速度を10rpmに設定して測定された値をいう。
硬化性樹脂中における加水分解架橋性シリコーン樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー]
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとしては、ポリオールとポリイソシアネートとの反応物で且つ末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーが挙げられる。ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基が、水の存在下にて、二酸化炭素を生成しながら尿素結合(-NHCONH-)を生成して架橋構造を形成する。なお、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーは、加水分解性シリル基を有していないことが好ましい。
ポリオールは、ヒドロキシル基を一分子中に2個以上有する化合物である。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、(メタ)アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加されたポリブタジエンポリオールが挙げられる。なかでも、ポリエーテルポリオールが好ましい。これらのポリオールは、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオールが挙げられる。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリオキシエチレンジオール(ポリエチレングリコール)、及びポリオキシプロピレンジオール(ポリプロピレングリコール)などのポリオキシアルキレンジオール;ポリオキシエチレントリオール、及びポリオキシプロピレントリオールなどのポリオキシアルキレントリオール、及びこれらを共重合させたポリエーテルポリオールなどが挙げられる。なかでも、ポリオキシアルキレントリオールが好ましく、ポリオキシプロピレントリオールが好ましい。
ポリエーテルポリオールとして、上述したポリオキシアルキレンポリオールの2種以上を共重合したポリエーテルポリオールも挙げられる。例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。これらの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。ポリエーテルポリオールは、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、500~7000が好ましく、1000~6000がより好ましく、1500~5000がより好ましく、2000~4000がより好ましい。ポリエーテルポリオールの数平均分子量を上記範囲内とすることにより、硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
ポリエーテルポリオールの数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法を用いて測定することができる。具体的には、試料を1.0質量%濃度となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させることにより試料溶液を調製する。この試料溶液を用いてGPC法により、標準ポリスチレンを基準として、屈折率検出計を用いてポリエーテルポリオールの数平均分子量を測定する。
ポリイソシアネートは、イソシアネート基を一分子中に2個以上有する化合物である。ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネートなど)、ジフェニルメタンジイソシアネート(例えば、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなど)、1,4-フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族及び/又は脂環式のポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、アロファネート変性体などが挙げられる。なかでも、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、トリレンジイソシアネートがより好ましい。ポリイソシアネートは、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
ウレタンプレポリマーの合成方法としては、ポリオールを70~120℃に加熱して溶融させた後、これにより得られた溶融物を減圧下で脱水した上で、溶融物に窒素雰囲気下でポリイソシアネートを添加し、上記ポリオールと上記ポリイソシアネートを反応させる方法が好ましく用いられる。
ウレタンプレポリマーを合成する際には、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基(NCO)の合計と、ポリオールが有するヒドロキシル基(OH)の合計とのモル比([NCO]/[OH])を、1.5~4.0とすることが好ましい。モル比を上記範囲内とすることにより、末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマーが得られる。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの数平均分子量は、10000~50000が好ましく、20000~40000がより好ましい。数平均分子量が上記範囲内であるウレタンプレポリマーによれば、硬化後に高いゴム弾性を発揮する硬化性組成物を提供することができる。このような硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値を意味する。GPC法による測定においては、例えば、GPCカラムとして東ソー製Shodex KF800Dを用い、溶媒としてクロロホルムなどを用いることができる。
硬化性樹脂中におけるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[乾燥硬化型アクリル系重合体]
乾燥硬化型アクリル系重合体としては、アクリル系エマルジョン樹脂が挙げられる。アクリル系エマルジョン樹脂は、好ましくは、アクリル系モノマーを含む原料モノマーをエマルジョン重合することにより得られる。アクリル系エマルジョン樹脂は、水などの溶媒の揮発により凝集して硬化(固化)する。乾燥硬化型アクリル系重合体は、加水分解性シリル基を有していないことが好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂は、加水分解性シリル基を有していないことが好ましい。
アクリル系エマルジョン樹脂は、アクリル系モノマーを含む原料モノマーの重合体である。アクリル系モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボキシル基を有するアクリル系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基を有するアクリル系モノマー;4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有するアクリル系モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アクリル系モノマーは、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
アクリル系モノマーは、アルキル(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有するアクリル系モノマー、及びグリシジル基を有するアクリル系モノマーを含んでいることが好ましく、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリル酸、及びグリシジル(メタ)アクリレートを含んでいることがより好ましい。
アクリル系エマルジョン樹脂中におけるアルキル(メタ)アクリレート成分の含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、84質量%以上がより好ましく、89.5質量%以上がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂中におけるアルキル(メタ)アクリレート成分の含有量は、98.89質量%以下が好ましく、98質量%以下がより好ましく、96.45質量%以下がより好ましく、95質量%以下がより好ましい。アルキル(メタ)アクリレート成分の含有量を上記範囲内とすることによって、硬化性組成物の硬化物は400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持する。
アクリル系エマルジョン樹脂中におけるカルボキシル基を有するアクリル系モノマー成分の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂中におけるカルボキシル基を有するアクリル系モノマー成分の含有量は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。
アクリル系エマルジョン樹脂中におけるグリシジル基を有するアクリル系モノマー成分の含有量は、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂中におけるグリシジル基を有するアクリル系モノマー成分の含有量は、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
また、原料モノマーは、上述したアクリル系モノマー以外の他のモノマーを含んでいてもよい。他のモノマーとしては、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、スチレン、p-クロルスチレン、ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン、N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリデンなどが挙げられる。なかでも、アクリロニトリルが好ましい。これらの他のモノマーは、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
アクリル系エマルジョン樹脂中におけるアクリロニトリル成分の含有量は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂中におけるアクリロニトリル成分の含有量は、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましい。アクリロニトリル成分の含有量を上記範囲内とすることによって、硬化性組成物の硬化物は400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持する。
アクリル系エマルジョン樹脂の重量平均分子量は、10000以上が好ましく、50000以上がより好ましく、100000以上がより好ましい。また、アクリル系エマルジョン樹脂の重量平均分子量は、1000000以下が好ましく、800000以下がより好ましく、700000以下がより好ましく、500000以下がより好ましく、400000以下がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂の重量平均分子量が10000以上であることによって、硬化性組成物の硬化物が雨水などの水分に晒された後に火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。アクリル系エマルジョン樹脂の重量平均分子量が1000000以下であることによって、硬化性組成物の硬化物は400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持する。
アクリル系エマルジョン樹脂の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値を意味する。GPC法による測定においては、例えば、GPCカラムとして東ソー製Shodex KF800Dを用い、溶媒としてクロロホルムなどを用いることができる。
アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、-80℃以上が好ましく、-75℃以上がより好ましく、-70℃以上がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度は、-20℃以下が好ましく、-30℃以下がより好ましく、-35℃以下がより好ましく、-50℃以下がより好ましい。アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度が-80℃以上であることによって、硬化性組成物の硬化物が雨水などの水分に晒された後に、火災時の熱などによって加熱された場合であっても、優れたゴム弾性を維持することができる。アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度が-20℃以下であることによって、硬化性組成物の硬化物は400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持する。
アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度[℃]は、アクリル系エマルジョン樹脂を構成する各モノマーの含有割合(質量分率)と各モノマーの単独重合体のガラス転移温度とを用いて、下記式(1)のフォックス(FOX)方程式から算出することができる。例えば、先ず、下記式(1)に基づいて絶対温度[K(ケルビン)]でのガラス転移温度を算出する。次に、算出されたガラス転移温度[K]から「273」を引いて得られた値を、アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度[℃]とする。
Figure 2023001074000001

(式(1)において、Tgは、アクリル系エマルジョン樹脂のガラス転移温度(K)であり、Wiはi種目のモノマーの含有割合(質量分率)であり、Tgiはi種目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(K)であり、nはモノマーの種類数を表す整数である。)
なお、「モノマーの単独重合体のガラス転移温度」は、モノマーを単独重合させたホモポリマーのガラス転移温度とする。モノマーの単独重合体のガラス転移温度は、例えば、「ポリマーハンドブック 第4版」(POLYMER HANDBOOK Fourth Edition、John Wiley & Sons,Inc.、1999年)などの文献に記載された値を採用することができる。
アクリル系エマルジョン樹脂は、粒子状であることが好ましい。これにより、アクリル系エマルジョン樹脂の凝集及び硬化(固化)を促進させることができる。
硬化性組成物が、アクリル系エマルジョン樹脂を含んでいる場合、硬化性組成物は、水を含む水性溶媒をさらに含んでいることが好ましい。これにより、水を含む水性溶媒中にアクリル系エマルジョン樹脂を分散させた状態とすることができ、このような状態で水性溶媒を揮発させることで、アクリル系エマルジョン樹脂の凝集及び硬化(固化)を促進させることができる。
水性溶媒としては、特に限定されず、例えば、水、水と水溶性有機溶媒(メタノール、エタノールなどの低級アルコール(炭素数5以下のアルコール))との混合溶媒が挙げられる。なかでも、水が好ましい。水性溶媒は、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。
硬化性組成物中における水性溶媒の含有量は、アクリル系エマルジョン樹脂100質量部に対して、40質量部以上が好ましく、45質量部以上がより好ましく、50質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における水性溶媒の含有量は、アクリル系エマルジョン樹脂100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がより好ましい。水性溶媒の含有量を上記範囲とすることにより、水性溶媒の揮発により、アクリル系エマルジョン樹脂の凝集及び硬化(固化)を促進させることができる。
アクリル系エマルジョン樹脂は、好ましくは、エマルジョン重合(乳化重合)により得られたものである。エマルジョン重合では、例えば、水を含む水性溶媒中で、アクリル系モノマーを含む原料モノマーを、エマルジョン重合(乳化重合)させることにより、アクリル系エマルジョン樹脂が得られる。エマルジョン重合によれば、水を含む水性溶媒と、アクリル系エマルジョン樹脂とを含むアクリルエマルジョン組成物が得られる。アクリルエマルジョン組成物中では、水を含む水性溶媒中に、アクリル系エマルジョン樹脂が分散された状態で含まれている。
硬化性組成物がアクリル系エマルジョン樹脂を含んでいる場合、硬化性組成物は、水を含む水性溶媒及びアクリル系エマルジョン樹脂を含むアクリルエマルジョン組成物と、水難溶性リン系化合物と、必要に応じて添加される他の添加剤とを混合することによって製造されることが好ましい。
硬化性組成物がアクリル系エマルジョン樹脂を含んでいる場合、硬化性組成物は、アクリルエマルジョン組成物に一般的に用いられる添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、防腐防黴剤、消泡剤、湿潤剤、乾燥調整剤、凍結防止剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤などが挙げられる。添加剤は、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。上記添加剤の添加順序は特に制限されない。例えば、上記添加剤をアクリルエマルジョン組成物に添加した後に、このアクリルエマルジョン組成物及び水難溶性リン系化合物を混合して硬化性組成物を得る方法や、アクリルエマルジョン組成物、水難溶性リン系化合物、及び上記添加剤を混合して硬化性組成物を得る方法などが挙げられる。
アクリル系エマルジョン樹脂は、公知のエマルジョン重合方法を用いて製造することができる。例えば、アクリル系モノマーを含む原料モノマーを、重合開始剤、並びに、必要に応じて界面活性剤の存在下にて、水を含む水性溶媒中でエマルジョン重合させて、アクリル系エマルジョン樹脂を得る方法が用いられる。上記方法により、水を含む水性溶媒中にアクリル系エマルジョン樹脂が分散されているアクリルエマルジョン組成物が得られる。
原料モノマー及び重合開始剤は、それぞれ、反応系に、一括で供給してもよく、連続的又は間欠的に滴下して供給してもよい。アクリル系エマルジョン樹脂の製造方法の一例としては、例えば、アクリル系モノマーを含む原料モノマー、界面活性剤、及び水性溶媒を含む乳化液を、水性溶媒中に連続的又は間欠的に滴下して、原料モノマーを乳化重合させる方法が用いられる。
乳化液は、公知の方法により作製できる。例えば、原料モノマー及び界面活性剤を水性溶媒に添加し、ホモジナイザー、超音波処理機、ナノマイザーなどの微細乳化機により分散させることで乳化液を得ることができる。
重合開始剤は、乳化液に含まれていてもよく、乳化液を滴下する水性溶媒に含まれていてもよい。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩類;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、o-クロロ過酸化ベンゾイル、o-メトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-tert-ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物等が挙げられる。重合開始剤は、単独で用いられてもよく、二種以上を併用して用いてもよい。重合開始剤は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01~5質量部、より好ましくは0.05~1質量部で使用されることが好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性イオン界面活性剤の何れも用いることができる。なお、界面活性剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエートなどが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム;ヒマシ油カリなどの脂肪酸油;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸塩;アルカンスルホン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸塩;アルケニルコハク酸塩(ジカリウム塩);アルキルリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド、リン酸エステル
系界面活性剤、亜リン酸エステル系界面活性剤などが挙げられる。
乳化重合の重合温度は、50~100℃が好ましく、65~85℃がより好ましい。また、乳化重合の重合時間は、1~12時間が好ましい。乳化重合の重合反応は、重合に対して不活性な不活性ガス(例えば、窒素ガス)の雰囲気下で行ってもよい。また、乳化重合終了後は、必要に応じて、アンモニア及びトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類;NaOH、KOH等の塩基を添加して、中和してもよい。
硬化性樹脂中におけるアクリル系エマルジョン樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[光架橋性重合体]
光架橋性重合体は、分子中に光架橋性基を有しており、紫外線などの光を照射することによって分子間に化学結合を形成して架橋構造を形成して硬化する。
光架橋性基としては、光照射によって化学結合を形成すればよい。光架橋性基としては、特に限定されず、例えば、チオール基、グリシジル基、オキセタニル基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、ベンゾフェノン基、ベンゾイン基、チオキサントン基などが挙げられ、ベンゾフェノン基、ベンゾイン基及びチオキサントン基が好ましく、ベンゾフェノン基がより好ましい。なお、(メタ)アクリロイルは、メタクリロイル又はアクリロイルを意味する。
光架橋性重合体の主鎖構造は、特に限定されず、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シアノアクリレート系樹脂などが挙げられる。主鎖に光架橋性基を導入する方法としては、例えば、光架橋性基含有モノマーを含有するモノマー組成物を重合させる方法などが挙げられる。
光架橋性基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4-(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、4-[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エトキシ]ベンゾフェノン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-4’-メトキシベンゾフェノン、4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ-4’-メトキシベンゾフェノン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-4’-ブロモベンゾフェノン、4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ-4’-ブロモベンゾフェノンなどが挙げられ、4-(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、4-[2-((メタ)アクリロイルオキシ)エトキシ]ベンゾフェノンが好ましい。紫外線架橋性基含有モノマー(D)は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、(メタ)アクリロイルオキシは、メタクリロイルオキシ又はアクリロイルオキシを意味する。
硬化性樹脂中における光架橋性重合体の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[2液硬化性樹脂]
2液硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、イソシアネート系重合体、グリシジル系重合体などが挙げられる。
イソシアネート系重合体は、ポリイソシアネートを含有する主剤と、ポリオールを含有する硬化剤とからなる2液型の硬化性樹脂である。主剤と硬化剤とを混合してポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによってウレタン結合を形成して架橋し、硬化する。
ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、ω,ω′-ジイソシアナト-1,4-ジエチルベンゼン、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーなどが挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリオールとしては、例えば、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油系ポリオールなどが挙げられる。
グリシジル系重合体は、エポキシ樹脂を含有する主剤と、硬化剤とからなる2液型の硬化性樹脂である。エポキシ樹脂としては、特に限定されず、例えば、ビスフェノールAとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールFとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び、これらの水添物、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレートなどの含窒素エポキシ樹脂、ポリブタジエン又はNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
硬化剤としては、特に限定されず、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ポリメルカプラン系硬化剤などが挙げられる。
アミン系硬化剤としては、例えば、ポリオキシプロピレントリアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸、ドデセニル無水コハク酸などが挙げられる。ポリアミド系硬化剤としては、例えば、ダイマー酸などが挙げられる。
硬化性樹脂中における2液硬化性樹脂の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%がより好ましい。
[水難溶性リン系化合物]
硬化性組成物は、水難溶性リン系化合物を含有している。水難溶性リン系化合物としては、特に限定されず、例えば、亜リン酸アルミニウム、第1リン酸アルミニウム、第2リン酸アルミニウム、第3リン酸アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、縮合リン酸アルミニウムなどの水難溶性無機リン系化合物、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メレムなどの水難溶性有機リン系化合物などが挙げられ、水難溶性無機リン系化合物を含むことが好ましく、亜リン酸アルミニウム又は第一リン酸アンモニウムを含むことがより好ましく、亜リン酸アルミニウムを含むことがより好ましい。なお、水難溶性リン系化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
「水難溶性リン系化合物」とは、25℃の水100gにリン系化合物を溶解させてなる飽和溶液の飽和濃度(溶解度)が0.03g/100g-H2O以下であるリン系化合物をいう。具体的には、25℃の水1000gに、沈殿物が僅かに生じる程度の過剰量のリン系化合物を供給して攪拌し溶解させて溶解液を作製する。溶解液をJIS P3801に準拠した5種Cのろ紙で吸引ろ過して溶解液中の不溶解分を除去して飽和溶液を作製する。飽和溶液を100℃に加熱して飽和溶液の水を蒸発させてリン系化合物の析出物を得る。この析出物の質量を測定し、この析出物の質量の1/10の値を溶解度(g/100g-H2O)とする。なお、不溶解分の除去工程においてろ紙に水分の一部が吸収されるが、水1000gに比して極めて僅かな量であるので、ろ紙に吸収された水の質量は、溶解度の値に影響を及ぼすことはなく無視することができる。
硬化性組成物の硬化物は、例えば、建築構造物のシーリング部に充填されているが、壁部を構成しているパネル部材は火災時の熱によって収縮することがあり、この場合には、シーリング部が拡張して寸法変化を生じる。
硬化性組成物中に水難溶性リン系化合物が含有されていると、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を有すると共に、硬化性組成物の硬化物が燃焼して強固な燃焼残渣を形成し、火災時の熱によって生じるシーリング部の寸法変化に円滑に追従してシーリング部の充填状態を確実に保持し、シーリング部を通じた炎の回り込みを阻止することができ、建築構造物に優れた耐火性能を付与することができる。
そして、水難溶性リン系化合物が含まれた硬化性組成物の硬化物は、雨水などの水分に晒された後においても、火災時の熱などによって400℃まで加熱されても優れたゴム弾性を維持していると共に、燃焼によって生成される燃焼残渣は硬く、シーリング部の寸法変化に円滑に追従してシーリング部に充填された状態を確実に維持し、建築構造物に優れた耐火性能を付与することができる。
又、水難溶性リン系化合物が含まれた硬化性組成物は、雨水などの水分に長期間に亘って繰り返し晒されたとしても、白化などの変色を生じることはなく、長期間に亘って美麗な外観を維持することができる。
更に、硬化性組成物が、水難溶性リン系化合物と加水分解性シリル基を有する重合体(好ましくは、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド)とを含むと、水難溶性リン系化合物は、上述の通り、火災時の熱によって400℃程度に加熱されても、優れたゴム弾性を維持する一方、加水分解性シリル基を有する重合体が形成している架橋構造が燃焼時の熱によって分解、切断されて分解残渣を生じ、この分解残渣が水難溶性リン系化合物の燃焼残渣に取り込まれることによって強固な燃焼残渣を形成し、この燃焼残渣は、シーリング部を充填した状態を確実に維持する。
硬化性組成物中における水難溶性リン系化合物の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、10質量部以上であり、20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における水難溶性リン系化合物の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、150質量部以下であり、120質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。硬化性組成物中における水難溶性リン系化合物の含有量が上記範囲内であると、火災時の熱によって400℃程度まで加熱されても、硬化性組成物の硬化物は優れたゴム弾性を維持し、建築構造物のシーリング部の寸法変化に円滑に追従させてシーリング部の閉塞を確実に維持することができる。
[炭酸カルシウム]
硬化性組成物は、炭酸カルシウムを含有していることが好ましい。炭酸カルシウムとしては、特に限定されず、例えば、コロイダル炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどが挙げられ、コロイダル炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムが好ましく、コロイダル炭酸カルシウムがより好ましい。炭酸カルシウムは、コロイダル炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウムを含有していることがより好ましい。
炭酸カルシウムの平均粒子径は、0.01~5μmが好ましく、0.05~2.5μmがより好ましい。このような平均粒子径を有している炭酸カルシウムによれば、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣が優れた強度を有し、燃焼残渣は硬くなりすぎず亀裂を生じることがない。従って、目地部などのシーリング部を充填した状態を確実に維持し、建築構造物のパネル構造体に優れた耐火性能を付与することができる。なお、炭酸カルシウムの平均粒子径は、SEMによる観察でスケール測定し10個の粒子直径の算術平均によって算出された値をいう。粒子直径は、SEM(電子走査顕微鏡)によって得られた顕微鏡写真において、粒子を包囲し得る最小径の真円の直径とする。
また、炭酸カルシウムは、脂肪酸や脂肪酸エステルなどにより表面処理されているのが好ましい。脂肪酸や脂肪酸エステルなどにより表面処理されている炭酸カルシウムによれば、硬化性組成物にチキソトロピー性を付与できると共に炭酸カルシウムが凝集することを抑制することができる。
硬化性組成物中における炭酸カルシウムの含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以上であり、70質量部以上が好ましく、100質量部以上がより好ましく、120質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における炭酸カルシウムの含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、300質量部以下であり、250質量部以下が好ましく、200質量部以下がより好ましく、160質量部以下がより好ましい。硬化性組成物中における炭酸カルシウムの含有量が50質量部以上であると、火災時の熱によって軟化した、硬化性樹脂の補強作用を奏し、硬化性組成物の硬化物の保形性が向上する。硬化性組成物中における炭酸カルシウムの含有量が300質量部以下であると、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を保持し、火災時の熱によるシーリング部の寸法変化に円滑に追従し、シーリング部の充填状態を安定的に保持することができる。
[シラノール縮合触媒]
硬化性組成物は、好ましくは、シラノール縮合触媒を含有している。硬化性組成物が加水分解性シリル基を有する重合体を含む場合、硬化性組成物は、シラノール縮合触媒をさらに含んでいることが好ましい。シラノール縮合触媒とは、加水分解性シリル基を有する重合体の加水分解性シリル基が加水分解することにより形成されたシラノール基同士の脱水縮合反応を促進させるための触媒である。
シラノール縮合触媒としては、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ジラウリルオキシカルボニル-ジスタノキサン、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ビス(ジブチル錫ビストリエトキシシリケート)オキサイド、及びジブチル錫オキシビスエトキシシリケートなどの有機錫系化合物;テトラ-n-ブトキシチタネート、及びテトライソプロポキシチタネートなどの有機チタン系化合物などが挙げられる。これらのシラノール縮合触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
シラノール縮合触媒としては、有機錫系化合物が好ましく、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ジラウリルオキシカルボニル-ジスタノキサン、及びジブチル錫ジアセテートが好ましい。このようなシラノール縮合触媒によれば、硬化性組成物の硬化速度を容易に調整することができる。
硬化性組成物中におけるシラノール縮合触媒の含有量は、加水分解性シリル基を有する重合体100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中におけるシラノール縮合触媒の含有量は、加水分解性シリル基を有する重合体100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、6質量部以下がより好ましく、5質量部以下がより好ましい。硬化性組成物中におけるシラノール縮合触媒の含有量が0.001質量部以上であると、硬化性組成物の硬化速度を速くして、硬化性組成物の硬化に要する時間の短縮化を図ることができる。硬化性組成物中におけるシラノール縮合触媒の含有量が10質量部以下であると、硬化性組成物が適度な硬化速度を有し、硬化性組成物の貯蔵安定性及び取扱性を向上させることができる。
[硬化触媒]
硬化性組成物が、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含んでいる場合、硬化性組成物は、硬化触媒をさらに含んでいることが好ましい。硬化触媒は、水の存在下において、ウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基が尿素結合を生成して架橋構造を形成する反応を促進させるための触媒である。
硬化触媒としては、錫系硬化触媒、及びアミン系硬化触媒などが用いられる。錫系硬化触媒としては、例えば、酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、及びジオクタン酸第1錫などが挙げられる。アミン系硬化触媒としては、モルホリン系化合物が好ましい。モルホリン系化合物としては、具体的には、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)-(2-(4-モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)-(2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2-(2、6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2、6-ジエチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2-エチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、及びトリス(2-(2-エチル-4-モルホリノ)エチルアミンなどが挙げられる。なかでも、錫系硬化触媒が好ましく、ジブチル錫ジアセテートがより好ましい。硬化触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
硬化性組成物中における硬化触媒の含有量は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がより好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における硬化触媒の含有量は、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、1質量部以下がより好ましく、0.1質量部以下がより好ましい。
[ガラスフリット]
硬化性組成物は、ガラスフリットを含有している必要はない。ガラスフリットは、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣において、硬化性樹脂及び/又は水難溶性リン系化合物同士を結合させるためのバインダーとして作用する。
一方、硬化性組成物に水難溶性リン系化合物を含有させることによって、水難溶性リン系化合物の燃焼残渣が、硬化性樹脂の分解残渣を効果的に取り込み、強固な燃焼残渣を形成するので、バインダー成分を必要としない。
硬化性組成物がガラスフリットを含有していないことによって、硬化性組成物の硬化物が硬くなり過ぎない。従って、火災時の熱によって脆くなったシーリング部構成部材と、硬化性組成物の硬化物との間において、硬さの相違が大きくなり、これに起因して、シーリング部構成部材に破壊点が形成されることを低減し、シーリング部構成部材が火災時に形態を安定的に維持させることができる。
ガラスフリットを構成しているガラスとしては、たとえば、リン酸系ガラス、ホウ酸系ガラス、酸化ビスマス系ガラス、珪酸系ガラス、酸化ナトリウム系ガラスなどが挙げられ、リン酸系ガラス、ホウ酸系ガラスが好ましく、リン酸系ガラスがより好ましい。これらのガラスフリットは、B23、P25、ZnO、SiO2、Bi23、Al23、BaO、CaO、MgO、MnO2、ZrO2、TiO2、CeO2、SrO、V25、SnO2、Li2O、Na2O、K2O、CuO、Fe23などを所定の成分割合で調整して得ることができる。
[可塑剤]
硬化性組成物は可塑剤を含有していることが好ましい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソウンデシル、及びフタル酸ビスブチルベンジルなどのフタル酸エステル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;リン酸トリクレジルなどが挙げられる。なかでも、ポリアルキレングリコールが好ましく、ポリプロピレングリコールがより好ましい。また、可塑剤としては、フタル酸エステルが好ましく、フタル酸ジオクチルがより好ましい。可塑剤は、23℃及び1.01×105Pa(1気圧)において液状であることが好ましい。
可塑剤がポリマーである場合、可塑剤の数平均分子量は、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましい。可塑剤がポリマーである場合、可塑剤の数平均分子量は、10000以下が好ましく、5000以下がより好ましく、3000未満がより好ましい。可塑剤の数平均分子量が上記範囲内である場合、硬化性組成物の硬化物は、400℃程度に加熱されても優れたゴム弾性を維持していると共に、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持することができる。
なお、本発明において、可塑剤がポリマーである場合、可塑剤の数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって、ポリスチレン換算されて測定された値である。具体的な測定方法や測定条件は、上述したポリアルキレンオキサイドと同様である。
硬化性組成物中における可塑剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における可塑剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。
[脱水剤]
硬化性組成物は、脱水剤をさらに含んでいるのが好ましい。脱水剤によれば、硬化性組成物を保存している際に、空気中などに含まれている水分によって硬化性組成物が硬化することを抑制することができる。
脱水剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びジフェニルジメトキシシランなどのシラン化合物;並びにオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、及びオルト酢酸エチル等のエステル化合物などを挙げることができる。これらの脱水剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、ビニルトリメトキシシランが好ましい。
硬化性組成物中における脱水剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における脱水剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。硬化性組成物中における脱水剤の含有量が0.5質量部以上であると、脱水剤により得られる効果が十分に得られる。また、硬化性組成物中における脱水剤の含有量が20質量部以下であると、硬化性組成物が優れた硬化性を有する。
[他の添加剤]
硬化性組成物は、チキソ性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、沈降防止剤、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、揺変剤及び溶剤など他の添加剤を含んでいてもよい。なかでも、チキソ性付与剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤が好ましく挙げられる。
硬化性組成物は、アミノシランカップリング剤を含有していることが好ましい。アミノシランカップリング剤を用いることにより、硬化性組成物の硬化物のゴム弾性や接着性を向上させることができる。なお、アミノシランカップリング剤とは、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、窒素原子を含有する官能基とを含有している化合物を意味する。
アミノシランカップリング剤として、具体的には、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。これらのアミノシランカップリング剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なかでも、アミノシランカップリング剤としては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランが好ましく挙げられ、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましく挙げられる。
硬化性組成物中におけるアミノシランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、1~10質量部が好ましく、1~5質量部がより好ましい。アミノシランカップリング剤の含有量が上記範囲内であると、硬化性組成物の硬化物のゴム弾性や接着性を向上させることができる。
硬化性組成物は、エポキシシランカップリング剤を含有していることが好ましい。エポキシシランカップリング剤を用いることにより、硬化性組成物の硬化物のゴム弾性や接着性を向上させることができる。
エポキシシランカップリング剤とは、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、エポキシ基を含有する官能基とを含む化合物を意味する。エポキシシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、及び2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられ、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
硬化性組成物中におけるエポキシシランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.3質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましく、0.45質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。硬化性組成物におけるエポキシシランカップリング剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、6質量部以下がより好ましく、4質量部以下が特に好ましい。エポキシシランカップリング剤の含有量が0.3質量部以上であると、硬化性組成物の硬化性及び接着性が向上する。
チキソ性付与剤は、硬化性組成物にチキソトロピー性を発現せることができるものであればよい。チキソ性付与剤としては、水添ひまし油、脂肪酸ビスアマイド、ヒュームドシリカなどが好ましく挙げられる。
硬化性組成物中におけるチキソ性付与剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中におけるチキソ性付与剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、200質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましい。硬化性組成物中におけるチキソ性付与剤の含有量が0.1質量部以上であると、硬化性組成物にチキソトロピー性を効果的に付与することができる。また、硬化性組成物中におけるチキソ性付与剤の含有量が200質量部以下であると、硬化性組成物が適度な粘度を有し、硬化性組成物の取扱性が向上する。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。硬化性組成物中における紫外線吸収剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましい。硬化性組成物中における紫外線吸収剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく挙げられる。硬化性組成物中における酸化防止剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中における酸化防止剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
[光安定剤]
硬化性組成物は、ヒンダードアミン系光安定剤を含んでいることが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤によれば、硬化後に優れたゴム弾性をより長期間に亘って維持することができる硬化性組成物を提供することができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケートの混合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ジブチルアミン・1,3,5-トリアジン・N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールとの重縮合物などが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく挙げられる。NOR型ヒンダードアミン系光安定剤によれば、硬化後に経時的なゴム弾性の低下が抑制されている硬化性組成物を提供することができる。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤は、ピペリジン環骨格に含まれている窒素原子(N)に酸素原子(O)を介してアルキル基(R)が結合しているNOR構造を有している。NOR構造におけるアルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~18がより好ましく、18が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状のアルキル基、分岐鎖状のアルキル基、及び、環状のアルキル基(飽和脂環式炭化水素基)が挙げられる。
直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどが挙げられる。環状のアルキル基(飽和脂環式炭化水素基)としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。また、アルキル基を構成している水素原子が、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)又はヒドロキシル基などで置換されていてもよい。
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤としては、下記式(I)で示されるヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
Figure 2023001074000002
NOR型ヒンダードアミン系光安定剤を用いる場合、NOR型ヒンダードアミン系光安定剤と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤又はトリアジン系紫外線吸収剤とを組み合わせて用いることが好ましい。これにより、硬化後に経時的なゴム弾性の低下がより高く抑制されている硬化性組成物を提供することができる。
硬化性組成物中におけるヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましい。硬化性組成物中におけるヒンダードアミン系光安定剤の含有量は、硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
[硬化性組成物]
硬化性組成物は、硬化性樹脂と、水難溶性リン系化合物と、必要に応じて添加されるシラノール縮合触媒や添加剤とを混合することによって製造することができる。なお、硬化性組成物は、水系溶媒に懸濁又は乳化させて懸濁液又は乳化液の形態であってもよい。硬化性組成物は、溶媒に溶解させた溶解液の形態であってもよい。なお、水溶媒としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、水などが挙げられる。溶媒としては、例えば、キシレン、トルエン、アセトンなどが挙げられる。
硬化性組成物はその硬化後において、即ち、硬化性組成物の硬化物は、23℃の水に1週間浸漬させた際の溶出率が、3%以下であることが好ましく、2.8%以下であることがより好ましく、2.5%以下であることがより好ましく、2.0%以下であることがより好ましい。硬化性組成物の硬化物は上記溶出率が3%以下であると、雨水などの水分に晒された後においても、優れたゴム弾性を維持することができる。したがって、このような硬化性組成物の硬化物は、シーリング部の寸法変化に長期間に亘って円滑に追従することができる。
なお、硬化性組成物の硬化物を23℃の水に1週間浸漬させた際の溶出率の測定は、下記の手順に従って行うことができる。先ず、硬化性組成物を23℃及び相対湿度50%の雰囲気下にて1週間養生させて硬化物を作製し、この硬化物5.00gを量り取り、サンプルとする。次に、水を入れるための容器を用意し、この容器の質量(W1)を測定する。容器に水100mLを入れ、水中にサンプルの全体を完全に浸漬させた状態で、容器に蓋をして密閉し、23℃雰囲気下に1週間静置する。次に、サンプルを水中から取り除き、容器を60℃で1週間放置して、容器中の残った水分完全に蒸発乾燥させることにより、容器中に析出物を析出させる。その後、上記容器の質量(W2)を測定する。そして、下記式(2)に基づいて、容器の質量(W2)から容器の質量(W1)を引くことにより、算出された値を容器中に残った析出物の質量とし、この析出物の質量をサンプルの水浸漬前の質量(5.00g)で除することにより溶出率(%)を算出する。
溶出率(%)=100×(W2-W1)/5.00 式(2)
硬化性組成物はその硬化後において、即ち、硬化性組成物の硬化物は、ShoreAによる23℃でのゴム弾性が、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。硬化性組成物はその硬化後において、即ち、硬化性組成物の硬化物は、ShoreAによる23℃でのゴム弾性が50以下が好ましく、40以下がより好ましい。硬化性組成物の硬化物は、ShoreAによる23℃でのゴム弾性が5以上であると、硬化性組成物の硬化物は、火災時の熱による加熱にもかかわらず優れたゴム弾性を有し、シーリング部の拡張に円滑に追従し、シーリング部の閉塞を安定的に維持することができる。硬化性組成物の硬化物は、ShoreAによる23℃でのゴム弾性が50以下であると、火災時において、硬化性組成物の硬化物が硬くなり過ぎず、火災時の熱によって脆くなったシーリング部構成部材の硬さと、硬化性組成物の硬化物の硬さとの相違が大きいことに起因して、シーリング部構成部材に破壊点が形成されることを低減し、シーリング部構成部材の形態を火災時に安定的に維持させることができて好ましい。なお、硬化性組成物の硬化物におけるShoreAによるゴム弾性は、硬化性組成物を23℃及び相対湿度50%の雰囲気下にて1週間養生して硬化させて硬化物を作製し、この硬化物について、測定温度23℃において、JIS K6253に準拠してA型デュロメータを用いて測定された値をいう。
硬化性組成物はその硬化後において、硬化性組成物の硬化物は、600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性が40以上であることが好ましい。600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性が40以上であると、硬化性組成物の硬化物の燃焼残渣をシーリング部に安定的に保持させておくことができ、シーリング部の閉塞を安定的に維持することができる。
なお、硬化性組成物の硬化物において、600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性は下記の要領で測定される。硬化性組成物を23℃及び相対湿度50%の雰囲気下にて1週間養生して硬化させて硬化物を作製する。硬化性組成物の硬化物100gをサンプルとして用意する。サンプルを燃焼炉内に供給する。サンプルを燃焼炉にて600℃で30分間に亘って燃焼させる。サンプルを燃焼させて得られた燃焼残渣を燃焼終了後、直ちに23℃の雰囲気下に1時間放置する。次に、燃焼残渣について、ShoreAによるゴム弾性をJIS K6253に準拠して測定温度23℃にてA型デュロメータを用いて測定する。
硬化性組成物は、シーリング材として好適に用いることができる。硬化性組成物をシーリング材として用いてパネル構造体を構築することができる。硬化性組成物を建築構造物のシーリング部に施工してパネル構造体を構築する方法としては、硬化性組成物をシーリング部に充填した後に養生させて硬化させる方法が用いられる。得られるパネル構造体は、建築構造物のパネル配設部と、建築構造物のパネル配設部に配設されたパネル部材と、パネル配設部とパネル部材との対向面間に充填された硬化性組成物の硬化物とを含む。
パネル部材としては、例えば、モルタル板、フレキシブルボード、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、中質繊維板、パーティクルボード、木質系合板、硬質繊維板などが挙げられる。なかでも、石膏ボードが好ましい。
パネル配設部としては、建築構造物の壁部が挙げられる。壁部としては、例えば、外壁部、内壁部、天井部などが挙げられ、なかでも外壁部が好ましい。
シーリング部は、特に限定されず、例えば、建築構造物において形成されたパネル配設部とこのパネル配設部に配設されるパネル部材との間に形成される隙間、互いに隣接するパネル部材の対向面間に形成される隙間などが挙げられる。また、
シーリング構造体は、シーリング部構成部材と、このシーリング部構成部材間に充填された硬化性組成物の硬化物とを含む。
パネル配設部やパネル部材を構成する材料としては、特に制限されないが、石膏ボードを用いることにより、耐火性能に優れるパネル構造体を提供することができる。したがって、パネル構造体において、パネル配設部及びパネル部材のうち少なくとも一方は、石膏ボードであることが好ましい。
そして、火災時において、パネル構造体を構成しているパネル部材は、火災時の熱によって300℃程度まで加熱されて収縮を生じることがあり、このような場合、シーリング部が拡張する。一方、硬化性組成物の硬化物は、火災時の熱による400℃程度までの加熱時においても優れたゴム弾性を保持し且つ円滑に膨張するので、シーリング部の拡張に円滑に追従し、シーリング部の閉塞状態を確実に維持することができる。
硬化性組成物の硬化物は、火災時の熱による燃焼によって強固な燃焼残渣を生成し、この燃焼残渣は、火災時においても建築構造物のシーリング部を充填して閉塞した状態を確実に保持してシーリング部を通じた炎の回り込みを阻止し、建築構造物のパネル構造体に優れた耐火性能を付与することができる。
本発明の硬化性組成物は、その硬化物が、400℃程度まで加熱されても優れたゴム弾性を有する。従って、硬化性組成物をシーリング材として用いた場合、硬化性組成物の硬化物は、火災時において、シーリング部の拡張が生じても、シーリング部の拡張に円滑に追従し、シーリング部の閉塞状態を安定的に維持することができる。
本発明の硬化性組成物は、その硬化物の燃焼により生成された燃焼残渣が強固であり、この燃焼残渣は、火災時においてもシーリング部を充填し閉塞した状態を確実に保持してシーリング部を通じた炎の回り込みを阻止し、建築構造物のパネル構造体に優れた耐火性能を付与することができる。
本発明の硬化性組成物は、水難溶性リン系化合物を含有しているので、雨水などの水分に長期間に亘って繰り返し晒された後においても、硬化物は、400℃程度まで加熱されても優れたゴム弾性を有していると共に、燃焼残渣も硬く、火災時の熱などによって生じるシーリング部の寸法変化に追従しながら、シーリング部を充填した状態を確実に維持することができ、建築構造物に優れた耐火性能を付与することができる。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例及び比較例の硬化性組成物の製造において下記の原料を使用した。
[硬化性樹脂]
[加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド]
・加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド(1)(主鎖骨格がポリプロピレンオキサイドからなり且つ主鎖の末端にウレタン結合及びアルキレン基を介することなくメチルジメトキシシリル基を有するポリアルキレンオキサイド、数平均分子量:16000、旭硝子社製 商品名「エクセスターS3430」)
・加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド(2)(主鎖骨格がポリアルキレンオキサイドからなり且つ主鎖の両末端にウレタン結合及びメチレン基を介してメチルジメトキシシリル基を有するポリアルキレンオキサイド、重量平均分子量:50,000、数平均分子量:30,000、1分子中のメチルジメトキシシリル基の平均個数:2.0個、ワッカー社製 商品名「STP-E30」
[加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体]
・アクリル系重合体(主鎖骨格がブチルアクリレート-ステアリルアクリレート共重合体(ブチルアクリレート成分の含有量:70質量%、ステアリルアクリレート成分の含有量:30質量%)からなり、主鎖骨格の末端にメチルジメトキシシリル基を有しているアクリル系重合体、カネカ社製 商品名「SA310S」、1分子中のメチルジメトキシシリル基の平均個数:2.0個、重量平均分子量:34,000)
[イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー]
反応容器内に、ポリオキシプロピレントリオール(AGC社製 商品名「エクセノール3030」、数平均分子量3,000)60質量部を投入し、減圧下にて110℃で6時間加熱して脱水した。次いで、反応容器内を80℃に加熱し、窒素雰囲気下で、トリレンジイソシアネート(三井化学社製 商品名「TDI-80」)10質量部[モル比(NCO)/(OH)=2.0]を攪拌しながら添加し、さらに24時間攪拌混合し、末端にイソシアネート基を有しているウレタンプレポリマー(数平均分子量30,000)を得た。得られたウレタンプレポリマーは、加水分解性シリル基を有していなかった。
[乾燥硬化型アクリル系重合体]
攪拌装置、還流冷却管、温度計及び滴下ロートを備えた反応器に、水20.6質量部、及びアニオン性界面活性剤(三洋化成工業社製 製品名「エレミノールES-70」)0.05質量部を投入し、68℃に加熱した。次に、上記反応器内を攪拌しながら、上記反応器に、重合開始剤として過硫酸アンモニウムの10質量%水溶液を1.7質量部投入した。
一方、2-エチルヘキシルアクリレート88.4質量部、ブチルアクリレート5質量部、アクリロニトリル5質量部、アクリル酸1.5質量部、及びグリシジルメタクリレート0.1質量部を含む原料モノマーと、アニオン性界面活性剤(三洋化成工業社製 製品名「エレミノールES-70」)2.7質量部と、ノニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製 製品名「ノイゲンET-160」)2.1質量部とを、水44.4質量部に添加して、高速攪拌機で分散乳化させて、乳化液を作製した。
得られた乳化液を滴下ロートにて上記反応器内に4時間かけて連続的に滴下した。この間、重合温度は72~75℃に保ち、滴下終了後75~80℃で熟成反応を3時間行うことにより、原料モノマーをエマルジョン重合させて、粒子状のアクリル系エマルジョン樹脂を得た。
エマルジョン重合後、反応器内を30℃に放冷した。次に、上記反応器内に、アンモニアの25質量%水溶液0.63質量部と、消泡剤(旭電化社製、商品名「アデカネートB-940」)0.01質量部と、防腐防黴剤(クラリアントジャパン社製、クロロアセトアミド)0.46質量部と、湿潤剤(三洋化成工業社製、商品名「ノニポール110」)の60質量%水溶液3質量部とを添加して混合した。これにより、水性溶媒としての水中に、粒子状のアクリル系エマルジョン樹脂(重量平均分子量:232,000、ガラス転移温度(Tg):-62.8℃)が分散されたアクリルエマルジョン組成物(不揮発分:60.1質量%、粘度(23℃)4650mPa・s、pH:4.8)を得た。なお、アクリル系エマルジョン樹脂は、加水分解性シリル基を有していなかった。
[リン系化合物]
・亜リン酸アルミニウム(水難溶性リン系化合物、溶解度:0.01g/100g-H2O)
・第一リン酸アルミニウム(水難溶性リン系化合物、溶解度:0.01g/100g-H2O)
・ポリリン酸アンモニウム1(溶解度:0.5g/100g-H2O)
・ポリリン酸アンモニウム2(マイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウム、溶解度:0.09g/100g-H2O)
[シラノール縮合触媒]
・シラノール縮合触媒(1)(1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ジラウリルオキシカルボニル-ジスタノキサン、日東化成社製 商品名「ネオスタンU-130」)
・シラノール縮合触媒(2)(ジブチル錫ジアセテート)
[硬化触媒]
・硬化触媒(1)(ジブチル錫ジアセテート)
[炭酸カルシウム]
・コロイダル炭酸カルシウム(白石工業社製 商品名「CCR」、平均粒子径:0.08μm)
・重質炭酸カルシウム(日東粉化社製 商品名「NCC2310」、平均粒子径:1μm)
[アミノシランカップリング剤]
・N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 商品名「KBM-603」
[エポキシシランカップリング剤]
・3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製 商品名「KBM-403」
[酸化防止剤]
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン社製 製品名「イルガノックス1010」)
[可塑剤]
・可塑剤(ジオクチルフタレート)
[乾燥調整剤]
・乾燥調整剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、三洋化成工業社製 商品名「ノニポール110」)
[凍結防止剤]
・凍結防止剤(エチレングリコール)
(実施例1~7、比較例1~3)
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド(1)、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド(2)、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、リン系化合物、シラノール縮合触媒、硬化触媒(1)、炭酸カルシウム、アミノシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤を表1に示した配合量となるようにして、プラネタリーミキサーを用いて真空雰囲気下にて60分間に亘って均一になるまで混合することによって硬化性組成物を得た。
(実施例8)
アクリルエマルジョン組成物、リン系化合物、炭酸カルシウム、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、可塑剤、乾燥調整剤、凍結防止剤を、プラネタリーミキサーを用いて60分間に亘って均一になるまで混合することによって硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物中における各成分の配合量は、表1に示した通りとした。
得られた硬化性組成物について、硬化物を23℃の水に1週間浸漬させた際の溶出率を上記の要領で測定し、その結果を表1に示した。なお、表1において、「硬化物を23℃の水に1週間浸漬させた際の溶出率」は、「溶出率(水浸漬後)」と表記した。
得られた硬化性組成物について、硬化物のShoreAによる23℃でのゴム弾性、硬化物の600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性を上記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
得られた硬化性組成物について、23℃の水に浸漬後の硬化物の600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
なお、表1において、「硬化物のShoreAによる23℃でのゴム弾性」は「ゴム弾性(燃焼前)」、「600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性」は「ゴム弾性(燃焼後)」、「23℃の水に浸漬後の硬化物の600℃での燃焼後に23℃にて1時間放置後のShoreAによる23℃でのゴム弾性」は「ゴム弾性(水浸漬及び燃焼後)」と表記した。
[ゴム弾性(水浸漬及び燃焼後)]
硬化性組成物を23℃及び相対湿度50%の雰囲気下にて1週間養生して硬化させて硬化物を作製した。硬化性組成物の硬化物100gをサンプルとして用意した。サンプル100gを23℃の水1000gに3日間に亘って浸漬した。サンプルを水から取り出して23℃にて6時間に亘って乾燥させた。サンプルを燃焼炉内に供給した。サンプルを燃焼炉にて600℃で30分間に亘って燃焼させた。サンプルを燃焼させて得られた燃焼残渣を燃焼終了後、直ちに23℃の雰囲気下に1時間放置した。燃焼残渣について、ShoreAによるゴム弾性をJIS K6253に準拠して測定温度23℃にてA型デュロメータを用いて測定した。
Figure 2023001074000003

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂100質量部と、
    水難溶性リン系化合物10~150質量部と、を含有することを特徴とするシーリング材用硬化性組成物。
  2. 硬化性樹脂は、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド、加水分解性シリル基を有するアクリル系重合体、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー、及び乾燥硬化型アクリル系重合体よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1に記載のシーリング材用硬化性組成物。
  3. 硬化性樹脂が、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイドである請求項1に記載のシーリング材用硬化性組成物。
  4. 水難溶性リン系化合物は、亜リン酸アルミニウムを含有していることを特徴とする請求項1に記載のシーリング材用硬化性組成物。
  5. 硬化性組成物が、シラノール縮合触媒を含有することを特徴とする請求項3に記載のシーリング材用硬化性組成物。
  6. 硬化性組成物は、硬化後に23℃の水に1週間浸漬させた際の溶出率が、3%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシーリング材用硬化性組成物。
  7. 建築構造物のパネル配設部と、
    上記建築構造物のパネル配設部に配設されたパネル部材と、
    上記パネル配設部と上記パネル部材との対向面間に充填された、請求項1に記載のシーリング材用硬化性組成物の硬化物とを含むパネル構造体。
  8. パネル配設部が、建築構造物の外壁部、内壁部、又は天井部である請求項7に記載のパネル構造体。
  9. パネル配設部及びパネル部材のうち少なくとも一方が、石膏ボードである請求項7に記載のパネル構造体。
  10. 互いに隣接するパネル部材と、
    上記パネル部材間に形成された目地部に充填された、請求項1に記載のシーリング材用硬化性組成物の硬化物とを含むパネル構造体。
  11. パネル部材が、石膏ボードである請求項10に記載のパネル構造体。
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