JP2023001044A - 釣用ウキ - Google Patents

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Abstract

【課題】ウキ本体部2の上端から突出する突出体9とトップ部3とを連結体12を介して連結する構成にした釣用ウキに、ウキの自立を補完する補助錘5を構造簡単に取り付けるようにする。【解決手段】突出体9を下側部がウキ本体部に埋設された筒状のものとし、該筒状の突出体9に補助錘5を嵌入組み込みするようにして取り付けるようにする。【選択図】図3

Description

本発明は、魚釣りにおいて使用される釣用ウキに関するものである。
一般に、魚釣りをする際に、水面(海面)からの針(釣り針)の沈み込み位置(水深位置)を設定すると共に、魚信の確認をするため、釣り竿側から延びる釣り糸である道糸(ライン)に釣用のウキ(浮子、浮木)を取り付けることがあり、このようなウキのなかには、水中に全部または一部が没入するウキ本体部と、該ウキ本体部の上端縁部から延出して設けられるトップ部とを用いて構成された所謂「棒ウキ」と称するものが知られている。
ところでこのようなウキを用いて魚釣りをする場合、釣り針が接続される(取り付けられる)釣り糸であるハリスと道糸との結び部位(連結部位、結束部位)に、ウキを起立させるための錘を設けるのが一般的である。ところで魚は、大物になるほど警戒心が強くなって微妙な引き(食い込み)をする傾向が高く、例えば海釣りにおいて、黒鯛(チヌ)やメジナ(グレ)のような磯や防波堤等の沿岸でも大物が生息しているような魚を釣るような場合、前記結び部位にウキを起立させるための錘を取り付けたとき、該錘は重いもの(動きづらいもの)になって釣り針を含めたハリスの水中での動きに不自然さが生じて魚に警戒感を与え、大物ほど食いが悪くなる、といわれている。そこで前記結び部位に設ける錘の重量を軽くして餌が付いた釣り針の動きを可及的に自然に見せるようにすることが試みられるが、このようにした場合には錘が軽すぎてウキの起立性が損なわれ、場合によっては正常に起立しない(倒伏した、または傾斜した)状態になって敏感で精度の高い魚信伝達機能が損なわれてしまうという問題がある。
さらに前記錘とウキとを取り付けた仕掛けを遠投しようとしたときに、ウキ自体、軽いものであるため、錘が先頭となって飛び、その後を追随する状態でウキが飛んでいくことになるが、ウキが棒ウキのように長尺状である場合、ヒラヒラと空気抵抗を受ける不自然な状態で錘の後を飛んでいくことになって空気抵抗を大きく受けたものになる結果、どうしても飛距離が伸びず、遠投が難しいだけでなく、道糸やハリスが絡み合い易くなるという問題もある。
そこでウキ自体を、ウキ本体部の下端部に錘が設けられたものにして水面に投入されたときに自立する自立型にし、これによってハリス側の錘を小さくすることで、遠投したときにウキが弓矢のごとく整然とした姿勢で投げられるようにし、これによって飛距離を伸ばすと共に糸の絡み合い防止も図ることができるようにしたものが提唱され(例えば特許文献1~3参照)、今日においても好ましいものとして評価を受けている。
実開昭59-98780号公報 実開昭57-167680号公報 実開昭53-89486号公報
ところで前記自立型のウキは、下端部が道糸に接続されるウキ本体部と、該ウキ本体部の上端縁から上方に延出されるトップ部とを備えたもので構成され、ウキ本体部の下端部位に、ウキ自立用の錘を取り付けた構成にしているが、この場合に、ウキ本体部を浮力の大きい材質、例えばバルサ材のような比重の小さい木材から切り出して製造した場合に、該木材からの切り出し部位によってウキ本体部の浮力が異なることになり、これを用いてウキ本体部を形成した場合に、ウキとして重要な要素であるウキ全体の浮力についてもバラツキが生じる。
このため前記錘を、ウキ本体部の個々の材質性状に合わせて重量調節し、これによって所望の状態で自立させるよう構成することが提唱されるが、ウキ本体部の形成工程には、木材から切り出した本体素材を所望の形状に切削し、その表面に塗料を塗布する等の必要な加工処理を施すことになるが、この様な処理を施した場合の作業のバラツキもあって前記重量調節された錘とのあいだにどうしても誤差が生じ、所望の自立性が損なわれるという問題がある。
そこで前記ウキ本体部の下端部に設けられる錘を主錘として、該主錘を、ウキを取り敢えず自立させるための機能を持たせたものとし、そして前記主錘によって自立するウキの自立姿勢を所望のものにするため、さらに補助錘をウキ本体部に取り付けたものとすることが提唱される。
この様にウキに取り付けるための錘を、主錘、補助錘に分割した場合、補助錘の取り付け部位として、ウキ本体部の上端部にすることが提唱されるが、ウキ本体部の上端部にはトップ部が上方に突出する状態で取り付けられるものとなる結果、これらを取り付ける場合の配置に工夫が必要になる等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、釣り竿から延びる道糸に下端部が連結される長尺状のウキ本体部と、該ウキ本体部の上端から上方に延出するトップ部とを備え、前記ウキ本体部に、釣用ウキを自立させるため下端部に取り付けられる主錘と、該主錘が取り付けられた釣用ウキの自立を所定の自立姿勢にするため取り付けられる補助錘と、が備えられた釣用ウキにおいて、前記ウキ本体部とトップ部とを連結するための連結体を、該連結体の下側部がウキ本体部の上端から上方に突出する突出体に外嵌し、連結体の上側部にトップ部下端部が抜き差し自在に内嵌するよう構成にするにあたり、前記突出体は、上端が開口した筒状で、下側部がウキ本体部の上端部に埋設され、前記補助錘は、突出体の上端開口から挿入取り付けされることを特徴とする釣用ウキである。
請求項2の発明は、前記トップ部は、下端が開口した筒状に形成され、補助錘は、先端部が突出体の上端から上方に突出されたものであり、前記補助錘の先端部を、トップ部下端部に内嵌した構造にすることで該トップ部下端部部位の支持部材に構成したことを特徴とする釣用ウキである。
請求項3の発明は、補助錘先端部のトップ部下端部に対する内嵌は、隙間の有る遊嵌状の内嵌であることを特徴とする請求項2記載の釣用ウキである。
請求項4の発明は、補助錘先端部は、連結体の上端より上方に突出していることを特徴とする請求項2記載の釣用ウキである。
請求項5の発明は、補助錘は、先端部の突出体からの突出量を規定するべく突出体に対する嵌入量が調整されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の釣用ウキである。
請求項1の発明とすることにより、トップ部が、ウキ本体部から突出の突出体に外嵌する連結体に抜き差し自在に連結されることで仕舞い込み寸法を短くできる釣用ウキとしながら、該釣用ウキを所定の自立姿勢にするため設けられる補助錘が、ウキ本体部に没入した筒状の突出部に嵌入取り付けされたものとなり、この結果、補助錘は、ウキ本体部とトップ部とを連結するための連結体が外嵌する突出部を筒状にすることで有効に利用した兼用取り付けができることになって、ウキ本体部のトップ部が延出する上端部位における補助錘取り付け構造の簡略化が図れると共に、ウキ本体部に、補助錘専用の取り付け孔を穿設する必要もなく簡単な取り付けができることになる。
請求項2の発明とすることにより、補助錘の突出体から突出する先端部が、トップ部下端部に内嵌したものとなってトップ部下端部の骨材として機能する結果、該トップ部下端部は、内嵌する補助錘先端部によって内部に骨材がある状態で好適に支持されたものとなって補強錘がトップ部の支持部材に兼用化されたものとなる。
請求項3の発明とすることにより、骨材として機能する補助錘先端部のトップ部に対する外嵌が遊嵌である結果、トップ部が何らかの負荷を受けて湾曲したような場合に、該トップ部下端部部位は、補助錘とのあいだにある隙間分、湾曲に沿った変形ができることになって湾曲変形に対する追従性、柔軟性が向上し、不用意に曲がったり折れたりしてしまうことを有効に回避できることになる。
請求項4の発明とすることにより、補助錘先端部が、連結体の上端から突出していることにより、トップ部下端部を、補助錘先端部に先行して挿入した後、連結体に内嵌することになる結果、トップ部下端部の連結体への内嵌操作が、先行して挿入した補助錘先端部に誘導される状態でできることになって操作性が向上する。
請求項5の発明とすることにより、補助錘の長さがウキ本体部の性状によって異なっていたとしても、補助錘の突出体に対する嵌入量を調整して先端部の突出体からの突出量をほぼ一定となるよう規定されたものにでき、釣用ウキとしての商品管理が整理されたものとなる。
ウキの使用状態を示す正面図である。 (A)(B)は第一、第二の実施の形態のウキの縦断面図である。 (A)(B)は第一、第二の実施の形態のウキの要部の縦断面図である。 (A)(B)(C)(D)は主錘の正面図、平面図、底面図、縦断面正面図である。 (A)~(D)はウキ本体部の前半の製造過程を示す縦断面図である。 (A)~(D)はウキ本体部の後半の製造過程を示す縦断面図である。 (A)はトップ部の縦断面図、(B)(C)は二種類のトップ部の正面図である。 (A)(B)(C)はさらに他例のトップ部の正面図、該トップ部を第一、第二補助錘が取り付けられたウキ本体部に取り付けた状態の要部縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は第一の実施の形態の釣用のウキであって、該ウキ1は、下部側が大径になった下膨れ状に形成されたウキ本体部2と、該ウキ本体部2の上部から上方に突出するよう設けられる細棒状のトップ部3とを用いて構成され、ウキ本体部2の下部には自立用の主錘4が設けられ、上部には自立を補助するための補助錘5が設けられたものとなっている。
そしてウキ1は、ウキ本体部2の下端に弧状に湾曲形成された連結部6が、釣り竿(図示せず)側からの釣り糸である道糸(テグス、ライン)7に連結されることになるが、この場合の道糸7に対する連結部6の連結は、道糸7に対して上下動自在になる所謂誘導式の連結であって、図示するように道糸7を連結部6に直接遊嵌状に貫通する場合だけでなく、道糸7に一端側が遊嵌状に貫通するスイベルジョイント等の市販(公知)の連結金具(図示せず)の他端側に連結部6を着脱自在な状態で連結する場合があり、後者の場合には、ウキ1を交換したい場合に、連結金具を道糸に連結したままの状態でウキ1の交換ができるという利点がある。
前記ウキ本体部2は、バルサ材、桐材等の浮力のある木材や発泡性素材(発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン等の合成樹脂材)を用いて構成される本体素材8の下部に主錘4が取り付けられたものであり、本実施の形態では本体素材8として、比重が低く浮力のあるバルサ材が用いられている。そして本体素材8は、バルサ材を円柱状に切り出し加工したものを用意し、上下両端面部に主錘4用の下側取り付け孔8aと補助錘5用の上側取り付け孔8bとが形成される。
下側取り付け孔8aに取り付けられる主錘4としては、逆円錐形状になった錘本体部4aと、該錘本体部4aの上面(円錐の底面)4eから上方に突出していて前記下側取り付け孔に挿入可能となるよう円柱形をした挿入部4bと、錘本体部4aの下端である頂点部4fから下方に直線状(円柱の針金状)に突出する支持部4cとを備えて構成されている。そしてこの場合に主錘4は、錘本体部4aと挿入部4bとが、鉛、タングステン、ニッケル等の比重が大きい金属の単独若しくはこれら金属を主素材として含んだ合金を用いて形成されているのに対し、支持部4cは外部に露出するものでもあるためステンレス、鋼等の強度のある加工性の高い金属を用いて形成されている。
主錘4は、支持部4cが錘本体部4aの頂点部4fから挿入部4bの中途部位まで埋設される状態で設けられるが、該支持部4cの前記埋設される部位の先端部4dは平板状に加工されている。そして主錘4は、支持部4cを鋳型に組み込んだ状態で溶融金属を流しむことで金型成形(鋳造)されることになり、このようにして形成された主錘4は、先端部4dが平板状に加工(潰し加工)されていることにより、支持部4cが錘本体部4aに対して回り止めかつ抜け止めされた状態で設けられたものとなっている。
そしてこのようにして形成された主錘4を、本体素材8の下部に取り付けることになるが、この場合に主錘4は、予め測定しておいた本体素材8の重量からウキ1を、予め設定される所定の吃水位置(ウキ1を自立させたときの水面位置)Hに水面(海面)が位置する状態で自立させるために必要とされる重量(全錘重量)よりも少し軽く設定される設定重量、例えば全錘重量に対して95%の重量になることを目標として挿入部4bの先端部位を切断するという重量調節(調整)作業が施されたものが用いられる。因みに、主錘4の重量割合を前記95%としたときに、正確に95%に調節する必要はなく、凡そ95%に調節されたものであれば十分であり、主錘4、補助錘5を合算した錘重量を必要な全錘重量にするための最終的な調節は、後述するように補助錘5の重量調節によって行われる。そして主錘4と補助錘5との重量の割合については後述する。
このように重量調節された主錘4は、挿入部4bを下側取り付け孔8aに挿入し接着材にて固着することで本体素材8の下部に、上面4eが本体素材8の下面8cに当接する状態で取り付けられることになる。
因みに本実施の形態においては、ウキ1が適正姿勢で自立したときの吃水位置Hを、図6に示すようにウキ本体部2の上端位置となるように設定している。
一方、本体素材8の上端部については、上側取り付け孔8bに、ポリカルボネート、硬質ポリ塩化ビニル等の硬質合成樹脂材から形成された筒体(本発明の「突出体」に相当する。)9の下側部を挿入し、該挿入された筒体9の下側部外周が接着材にて固定されることになって筒体下側部の埋設がなされるが、筒体9の上側部は、本体素材8の上端8dよりも上方に突出した突出部9aとなるよう設けられたものとなっており、このように構成することで、本体素材8の上端部は、前記挿入された筒体9によって補強されたものとなっている。
因みに筒体9は、突出部9aの本体素材上端8dからの突出量を製品間において一定となるよう揃えることが要求されるが、この場合に、筒体9を上側取り付け孔8bに挿入する際の誤差があることによって突出部9aの突出量を一定になるよう挿入することが難しい場合があり、そこで筒体9を所定寸法よりも長いものとし、該長い筒体9を、上側取り付け孔8bに挿入組み込みした後、本体素材8から突出している部位を、突出部9aの突出量が揃うよう切断するようにし、このようにして作業性の向上を図ることができる。
そしてこのように主錘4、筒体9が取り付けられた状態の素材本体8の表面を、回転切削機や回転研磨機等の適宜の加工機械を用いて所定形状に加工することになるが、この場合に前記主錘4に設けられる支持部4cと筒体突出部9aとを加工機械のチャックに支持して素材本体8を回転することができ、この場合に、支持部4cは、埋設する先端部4dが平板状になっているため、錘本体部4aと挿入部4bとが鉛素材である場合のように軟弱な金属であったときに、支持部4cだけが空回り状態になってしまうことを回避できるよう配慮されている。
次にこのように素材本体部8の表面が加工されたものの表面に塗料10を塗布することになるが、この場合の塗料10は、素材本体部8および主錘4の露出する錘本体部4aと、筒体9の素材本体10の上端から突出する突出部9aの塗布とをする。
この場合に、突出部9aについては上端まで塗布する必要はなく、後述するように水密性の観点から中途部位までで良い。また主錘4の支持部4cの素材本体部8から突出している部位については塗料10の塗布がないようにすることが好ましいが、塗料が塗布されてしまった場合、該塗布された塗料について必要において剥離する等の除去作業が要求されることがある。
因みに、支持部4cまたは突出部9aは、塗布作業時や塗料の乾燥時において本体素材8をクランプ等の保持部材を介して保持される保持部材として利用することができる。そしてこのように塗料10を塗布することで、主錘4の上面4eと本体素材8の下面8cとのあいだの隙間、本体素材8の上端8dから筒体9が突出する部位の隙間が塗料10によつて塞がれることになって水が本体素材8に入らないよう水密状に形成される。因みに塗料10は、一度のみの塗布ではなく、複数回の塗布を繰り返すことで、釣り現場においては太陽光が直射する状態の海水に浸漬する、という厳しい使用条件下において繰り返し使用した場合においても、塗料10の剥離防止を図ることができ、長期に亘る使用が可能となる。
次いで、前記塗料10が塗布された素材本体部8に設けられる支持部4cについて、適当長さを残して切断し、該残った部分を弧状に湾曲加工することで前記連結部6が形成されることになり、このようにして、補助錘5が取り付けられた正規のウキ本体部2となる前の前駆体11、つまり補助錘5が組み付けられる前段階の状態の前駆体11が形成される。
さらにこの場合に前駆体11としては、素材本体8の上端縁から突出する筒体9の突出部9aに、筒状の連結体12の下側部(連結体12は下側部と上側部とが正確に二分されたものでなくて良いことは勿論である。)が外嵌組み込みされ、接着により筒体9の上側部に固定されたものとなっている。そして連結体12の筒体突出部9aから突出する上側部に、トップ部3の下端部を、前記突出部9aの上端縁に当接する位置を最大嵌入量として抜き差し自在に嵌入できるよう構成されており、このようにすることでトップ部3のウキ本体部2に対する着脱自在な取り付けができるよう構成されている。この場合に、連結体12は、ゴム質弾性を有した摩擦係数の高い樹脂材で形成され、嵌入したトップ部3の不用意な抜け出し防止ができるよう配慮されている。
次に斯かる構成になったウキ本体部2の前駆体11に補助錘5を組み込むことになるが、この場合に補助錘5は同一太さで直線状をしたものが好適であって、例えば主錘4と同材質の比重の高い金属材であっても良く、またステンレスや鋼材等の防錆が配慮された針金等の金属材を用いることができ、補助錘5の全体が筒体9に埋没する(筒体9の上端縁よりも低位になる)状態で組み込まれる第一の実施の形態(図6(C)参照)の第一補助錘5aと、上端部が筒体9から突出する(筒体9の上端縁よりも高位になる)状態で組み込まれる第二の実施の形態(図6(D)参照)の第二補助錘5bとが存在したものとなっていて、二種類(二態様)のウキ本体部2として提供される。
因みに、第二の実施の形態のものが本発明を実施したものとなっている。
そして補助錘5は、筒体9に組み込む前に予め重量調節されたものが筒体9に組み込まれ、これによってウキ1の吃水位置Hでの自立を補完(補助、追完)することになる。この場合に補助錘5は、前述したように吃水位置Hに水面が位置する状態でウキ1を自立させるために必要な全錘重量に対して主錘4の重量を減じた分に相当する錘重量の追加となる。つまり補助錘5は、吃水位置Hに水面が位置する状態のウキ1の自立、という適正姿勢での自立を補完するために追加されるものであるが、そのためには、前記主錘4が組み付けられたウキ本体部2に追加される補助錘5の重量設定をする必要がある。
因みに、一般に提供されている自立ウキとしては、前記主錘4に相当する錘が設けられるだけで、補助錘5に相当する錘が設けられていないものが通常であり、このようなウキであっても自立する構成にはできるが、このような自立ウキは、後述するように吃水位置Hに水面が位置するよう調節された状態での自立ではなく未調節状態での自立であって、本発明が実施されたウキ1の本来目的とする吃水位置Hに水面が位置する自立とはいえない。
次に、補助錘5を設けてウキ1の本来の自立姿勢(目的とする自立姿勢)に自立をさせるため、補助錘5の重量についての調節作業をする必要があるが、このためには前記形成された個々の前駆体11について、本体素材8の浮力の相違、切削や塗装、接着剤の過多等の加工誤差等を考慮したものに、さらに道糸Xのウキ1よりも下のハリス側部位に取り付ける本来の錘Yの重量を加味する必要があり、そのための設定作業が要求される。
因みにこのようなウキを用いた釣り(一般に「ウキ釣り」と言うが、「フカセ釣り」と言うこともある。)に使用される錘Yとしては「カミツブシ」、「ガン玉」、「割ビシ」等の軽いものが一般であり、何れの錘Yについても、例えば錘Yがガン玉である場合に、サイズ(号)としてB、2B、3B、・・・があり、これらサイズのガン玉の重さは、B=0.55g、2B=0.80g、3B=1.00g、・・・のように基準化されている。
そして本発明が実施されたウキ1は、前記錘Yとして、どの種類の錘のどのサイズのものが適合錘14を取り付けた場合に吃水位置Hが水面となる自立をするもの、つまりこの適合錘14をウキ1に取り付けた状態で、該ウキ1は前記吃水位置Hが水面になる状態の自立をするよう設定されている。具体的には、ウキ本体部2の表面に適合錘14の種類が記号として明示されている。そして釣り人は、到着した釣りのポイント(釣り場)に対応して例えば「2B」と明示されているウキを選択し、仕掛けに該対応するウキ1を取り付けると共に、ウキ下の道糸7に錘Yとして「ガン玉の2B」を取り付けることで、ウキ1は、前記吃水位置Hが水面に位置する自立になるよう補助錘5の重量設定される。勿論、釣り人は、このように所定のウキ1を取り付けた状態でも、実際のポイントの状況、変化に応じて錘Yの増減をする場合があることは言うまでもなく、このようなことは釣り人に技量、経験に応じて適宜なされるものである。
そして補助錘5の重量設定をするには、例えば前記前駆体11の補助錘5が取り付けられる部位に相当する外周面に、該補助錘5と適合錘14を粘着テープ(セロファンテープやビニールテープ等)13で仮保持させた状態で前駆体11を水中(必要において海水(塩水))に投入して自立させ、前駆体11を自立させたときの水面位置が、予め設定される吃水位置Hとなるよう補助錘5の長さ調節をする手法があり、この手法は前記第一、第二補助錘5a、5bの何れの場合にも採用することができる。つまり補助錘5は、ウキ1を吃水位置Hに水面が位置する状態に自立させるときに要する重量から適合錘14の重量を減じた重量になるよう設定されている。
因みにウキ1を、吃水位置Hに水面が位置する所望姿勢に自立させるには、トップ部3の重量も加味する必要があり、この場合に、トップ部3を前駆体11に粘着テープ13により取り付けた状態で補助錘5の重量調節をしても良いが、トップ部3は予め重量測定がなされた定量のものであり、そこでトップ部3の重量に相当する錘を別途前駆体11に取り付けた状態で補助錘5の重量調節をすることもできる。
さらにはトップ部3の下端部に連結部12が取り付けられたものとし、該トップ部3が取り付けられた連結部12を、前駆体11の上端縁部に着脱できるよう仮保持状に外嵌取り付けした状態で補助錘5の重量調節をすることができる。この手法としては、補助錘5が前駆体11の上端縁から突出する第二補助錘5bである場合に、トップ部3付きの連結部12を、第二補助錘5bの突出部に嵌合取り付けした状態で補助錘5の重量の塩梅を確認し、重すぎた場合には連結部12を第二補助錘5bから外して補助錘5の上端部を切断した後、連結部12を再び第二補助錘5bの突出する先端部に取り付けて補助錘5の重量の塩梅を確認する、という作業を繰り返すことで補助錘5の重量確定をすることができ、このようにすることで補助錘5の重量調節の作業が容易になって作業性が向上するという利点がある。因みにこの場合に、連結部12を筒部9に必要において仮保持状に外嵌してもよい。
この手法は、埋め込み式の第一補助錘5aの場合であっても、連結部12を筒体9に仮保持状に外嵌取り付けすることでできることは言うまでもない。
これに対し、補助錘5が前述したように筒体9から延出する第二補助錘5bである場合には、該第二補助錘5bを筒体9に実際に挿入した状態で前駆体11を水中に自立させ、その自立したときの水面位置を見て第二補助錘5bの重量調節をする、という手法を採用できる。この場合、適合錘14は、単独でウキ本体部2に仮保持させてもよいが、この仮保持の手法として、前述したように粘着テープ13を用いてウキ本体部2に仮保持することもできるが、図6(B)において仮想線で示すように、連結部6に紐(糸)等の連結材15を介して適合錘14を仮保持させる手法もあり、第一、第二補助錘5a、5bの重量設定をするため、適合錘14を仮保持する手法として何れを採用しても良いことは勿論である。勿論、トップ部3の重量も当然に前述したように加味する必要がある。
これに対し埋め込み式の第一補助錘5aをこの手法で重量調節してもよいが、この場合、第一補助錘5aが筒体9内に没入して抜き出しづらくなることがあり、作業性の点から、この手法を採用することは必ずしも好ましいとは言えない。
そこで第一補助錘5aの重量調節をする手法として、仮のトップ部3を用意し、該仮のトップ部3に重量調節された錘を組み込んだものを前駆体11に取り付け、このものを水中に自立させたときの自立状態を観測し、錘重量に過不足があった場合に、錘重量を変更した仮のトップ部3を組み付けたものを水中に自立させる作業を適宜繰り返すことで適正な錘重量を割り出し、該割り出された適正な錘重量に調節された第一補助錘5aを筒体9に挿入組み込みをする、という手法もある。勿論、この手法は、第二補助錘5bの場合においても採用することができる。
そして前記補助錘5の重量調節をする作業において、トップ部3は、合成樹脂製であって個々の重量変化はなく同一されてたものであるため、このトップ部3を、ウキ本体部2に取り付ける前後の水面H位置の変化状態は予め判っており、そこで仮のトップ部を用いる場合を除いて、このトップ部3の重量を勘案した状態で、前駆体11の設定される位置に水面が位置するよう補助錘5の重量調節(長さ調節)をすることができる。勿論、補助錘5の重量調節をする工程として、トップ部3を筒体9に抜き差し自在に挿入した状態で補助錘5の重量調節をしても良い。
そして該重量調節された補助錘5を筒体9に取り付けることになるが、補助錘5が第一補助錘5aである場合には、該第一補助錘5aを筒体9の下端位置まで挿入固定する。この場合に、第一補助錘5aが、筒体9に対して無理嵌め状の挿入であって抜け出る可能性がない場合には接着剤による固定は不要であるが、抜け出る惧れがある場合には接着剤による固定ができることになる。この場合に接着剤による固定としては、接着剤を第一補助錘5aの外周面に塗布して筒体9の内周面に固定するもの、筒部9の挿入された第一補助錘5aの上側を塞ぐようにして充填して第一補助錘5aの上動を規制するようにしたものであってもよい。
また、第一補助錘5aが鉛材のように軟質金属である場合、該第一補助錘5aを筒体9に嵌入した後、該第一補助錘5aの上端縁部を筒体9に挿入した工具によって打ち込み加工することで、第一補助錘5aの上端縁部が周方向に拡開状に変形して筒体9に密接することになって抜け止めされることになり、この場合には接着剤による接着が不要になる。
これに対し補助錘5が第二補助錘5bである場合、該第二補助錘5bは、先端部5cが筒体突出部9aの上端から突出したものとなるが、その場合の先端部5cの突出は、筒体9の上端を越え、連結体12の上端から突出したものとなるが、連結体12からの突出状態が同位置となるよう高さ調節した状態で補助錘5bを筒体9に挿入し、接着剤により補助錘5を筒体9に固定することになり、このようにして、主錘4、補助錘5により重さ調節がなされたウキ本体部2が形成される。
因みに第二補助錘5bの先端部5cとして、前記実施の形態のように連結体12の上端から上方に突出した構成とすることなく、連結体12の上端と同一高さまで突出したもの、さらには筒体9の上端からは突出しているが連結体12の上端からは突出しないものとしても実施できることはいうまでもない。
このように補助錘5を組み込む工程を、ウキ本体部2を形成する工程の最終工程としていることにより、本体素材8の性状により生じる個々の本体素材8の浮力変化に加えて、これ以前の工程で生じる加工誤差も吸収した状態での調節ができることになって、精度の高い状態で錘の重量調節がなされた自立型のウキ1を形成することができる。
しかも第二補助錘5bが取り付けられたものである場合に、先端部5cの先端を先鋭状に加工することもでき、このようにすることでトップ部3の外嵌が容易になる。またこのものでは、トップ部3は、第二補助錘5bに対して隙間がある遊嵌状の外嵌となっている。そしてこの様にトップ部3の下端部に先端部5cが内嵌した構成とすることで、該第二補助錘5bの先端部5cが、トップ部3の外嵌する下端部部位の骨材として機能するよう構成されて
そして前述したように前駆体11となったものに補助錘5を組み込んでウキ本体部2を形成し、このウキ本体部2にトップ部3を取り付けることでウキ1として用いられることになるが、この場合に、補助錘5が第一補助錘5aである場合には、トップ部3の下端部を、連結体12に無理嵌め状に挿入する状態で筒体突出部9aに挿入組み込みすることでトップ部3の抜き差し自在の取り付けができる。
これに対し第二補助錘5bである場合には、トップ部3の下端部を、補助錘5bの連結体12から突出する先端部5cに外嵌する状態で連結体12に無理嵌め状に挿入することでトップ部3の抜き差し自在の取り付けができることになり、このようにしてウキ1の釣り現場での組み立て、分解が容易にできることになるが、ウキ1自体をさらに錘を追加して重くしたい場合には、釣り人自らが、錘をトップ部3の筒内に挿入したり、第一補助錘5aが取り付けられるものである場合には、筒体9の上端から錘を挿入したりして調節できるものである。
因みに本発明が実施されたウキ1は、長尺状の長ウキであるため、搬送時や収納時において長すぎて扱いづらいものとなり、そのためウキ本体部2からトップ部3を取り外した二分割状態にできるように構成されている。このように二分割された状態のウキ本体部2の複数を整列した場合に、連結体9からの先端部5cの突出量が不揃いであると外観が損なわれ、ウキとしての品質が問われる惧れがあり、そこで連結体9からの先端部5cの突出量をほぼ一定に揃えて規格されたものとするため、第二補助錘5bの筒体9に対する嵌入量を深浅調整できるように構成したものとすることができ、第二補助錘5bの嵌入が筒体9の下端にまで至らない場合には、筒体9の下端部に第二補助錘5bの未充填部9bを存したものとなるよう構成される。
前記トップ部3は、天面(上面)が封止され下面が開口した有天円筒状に形成されたものであって、一本ものであっても、複数本を継ぎ足し形成したものであっても良いが、トップ部3が長いものである場合に、中間部において半部同士を雄雌嵌合したり、半部同士を芯材を介して連結したりして継ぎ足したものとした場合には、該中間部での補強ができることになるという利点がある。
トップ部3は、黒色部3aをあいだに挟む状態で、赤色(朱色)、黄色、緑色等の適宜の色彩が施されたものとなっているが、本実施の形態のものは、中央部3bが赤色となっており、その上下が黒色部3aを介して黄色部3c、さらにその上下が黒色部3aを介して緑色部3d、さらにその上下が黒色部3aを介してオレンジ色部3e等の黒色以外の有色の色分けがなされているが、本実施の形態のトップ部3は、黒色部3aが単純に色彩部位を色分け(区分け)するために幅狭なものとなっているものではなく、色彩部と同等前後の幅を有したものになっている。
ところで海を水平線に向けて視認した場合に、黒色が天候状態に拘わらず遠くからでも視認されやすい色であることが古くから確認されている。これは、水面(海面)が一般に太陽光(昼光)を受けて白色に反射するものとして認識され、その反対色(補色)である黒色が最も視認されやすい色であり、また逆光の場合には黒色が視認されやすい色として認識されており、このことは、例えば沖縄県地方の海洋において設置されることが多い浮き漁礁であるパヤオの目印の旗の色を、遠方から最も視認しやすいということが経験上認識されている黒色にしていることからも立証される。そして本発明が実施されたトップ部3についても、前記視認されやすい黒色部3aを幅広状態として設けることにして、黒色を従来のように隣接する色間の輪郭になる数mm程度の幅狭なものとは異なった一つ幅広な色彩部とし、これによって遠投した場合においてもトップ部3の実際の動き状態を視認しやすいよう配慮されたものとなっている。
そのうえ本実施の形態のウキ1は、前記吃水位置Hの直上となる連結部12の色を、前述した遠くからでも視認しやすい黒色としている。この場合に、連結部12の長さは、12mm~25mmの幅であることが好ましい。この連結部12の長さは、連結部12が水中に沈んだか否かの判別が遠目からでもしやすい長さに設定している。さらにこの連結部12の長さは、主錘4、補助錘5によって錘重量が調節されたウキ1自体の残留浮力(自立状態で浮いているウキ1が沈むために必要な力)との関係もあるが、実際に釣をしている際の経験として、慎重で繊細な大物(特に黒鯛(チヌ)の場合)が引いたアタリ(魚信)の引き長さ(沈み込み長さ)に凡そ相当する長さに設定されており、そして吃水位置H直上となる連結部12を長さ(幅)がある黒色とすることで、吃水位置H直上において、水面(海面)において視認しやすいものとなり、この連結部12が水中に引き込まれて黒色が見えなくなってその上のオレンジ色部3eに変化した、というアタリに即座に感応して竿のアワセ動作ができるようし、これによってアタリを見落としてしまうことを低減し、釣果の向上に寄与できる、という利点がある。
勿論、吃水位置H直上となる連結部12の色彩としては、黒色に限定されず、オレンジ、黄色、緑等、適宜の色を採用することができ、またこれらを蛍光色とすることも勿論できることは言うまでもない。
次に、前記ウキ本体部2に組み込まれる主錘4と補助錘5との重量割合について説明する。
前述したようにウキ1を自立させたときに吃水位置Hに水面が来るように調節される錘全重量(実際には適合錘14の重量を減じた重量)に対し、主錘4の重量割合を95%に設定した場合、補助錘5は残りの5%に設定されることになるが、このような主錘4と補助錘5との重量割合の設定は、ウキ1が取り付けられた状態の仕掛けを実際に飛ばした時の飛距離および飛び姿勢、起立安定性に大きく影響する。
主錘4としては、重量割合を100%とすることで、弓矢の場合と同様、正面に向けて一直線状に飛んでいく理想的な飛び姿勢となり、距離が優れ、自立時の安定性の高いものとなるが、それでは本体素材8の比重のバラツキ等に対応した所望の重量の錘が組み込まれた自立性の優れたウキ1とすることができず、補助錘5による重量調節が必要になる。このような観点から主錘4の重量割合の高値を検討したところ、98.5%が高値であり、これ以上主錘4の割合が高くなると、補助錘5による吃水位置Hでの自立調節ができない製品が発生することにもなってウキ1の生産性だけでなく信頼性に支障を来すことになる。
これに対し、主錘4の重量割合の低値であるが、この低値の検討のため、主錘4の重量割合を段階的に低くしたウキ1を作成し、これらを実際に仕掛けに取り付けたときの飛距離、飛び姿勢、自立時の安定性について検討した。この結果、主錘4の重量割合が60%以下のものは、トップ部3が上側になる傾斜した飛び姿勢となって空気抵抗を大きく受けるためか、飛距離が大きく低下するだけでなく、自立姿勢の安定性(横風や横波を受けたときの倒伏のしづらさ)も悪くなることが確認され、そこで65%を低値とすることが確認された。
そしてこのように設定された主錘4の重量割合98.5%~65%としたものにおいて、さらにウキ1が横風や横波を受けて倒伏した姿勢から起立姿勢に復帰(復元)する安定性についても検討したところ、75%以上のものは倒伏後、起立した自立姿勢に復帰する時間が短く、実釣りに支障を来す恐れも少ないが、70%以下のものは復帰に時間がかかり、実釣りに支障を来す恐れがあると考えられ、そこで主錘4の重量割合について98.5%~75%とすることが好ましいといえる。ただし、横風や横波によるウキ1の倒伏は、釣り現場において常に発生ものではなく、70%以下のものであっても横風や横波のない凪の状態で使用する分においては問題がないと判断される。
前記事実を確認したことに基づく観点からウキ1として好ましい主錘4と補助錘5との重量配分として、主錘4の重量割合が98.5%~65%の範囲であり、好ましくは97%~75%の範囲であることがウキ1として好ましい主錘4と補助錘5との重量配分であると結論した。
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、ウキ本体部2の下端部に、ウキ1を自立させるための主錘4が取り付けられたウキ1において、該ウキ本体部2とトップ部3とを連結するための連結体12を、該連結体12の下側部がウキ本体部2の上端から上方に突出する突出体9に外嵌し、連結体12の上側部に、トップ部3の下端部が抜き差し自在に内嵌するよう構成したものであり、この場合に前記突出体9は、上端が開口した筒状であって、下側部がウキ本体部3の上端部に没入していて埋設されたものとなっており、そして前記補助錘5が、突出体9の上端開口から挿入取り付けされたものとなっている。
この結果、補助錘5は、ウキ本体部2とトップ部3とを連結するための連結体12の下側部が外嵌する筒状の突出体9を有効に利用してウキ本体部2に対する嵌入取り付けできることになって、補助錘5の取り付け構造の簡略化が図れると共に、ウキ本体部2に、補助錘9を取り付けるための専用の取り付け孔を穿設する必要もなく簡単な取り付けができることになる。
しかもこのものでは前記トップ部3が筒状に形成され、そして突出体9の上端から上方に突出した補助錘5の先端部5cが、トップ部3の下端部開口から内嵌したものとなっている結果、該補助錘5の先端部5cは、トップ部3の下端部部位に嵌入する骨材として機能することとなって、該トップ部3の下端部部位の補強が、内嵌する補助錘先端部5cによって好適に補強支持され、補強錘5がトップ部3の支持部材に兼用化されたものとなる。
そのうえ補助錘先端部5cがトップ部3の下端部への内嵌は、隙間の有る遊嵌状の内嵌であるため、トップ部3が何らかの負荷を受けて湾曲したような場合に、該トップ部3の下端部部位は、補助錘5とのあいだにある隙間分、湾曲に沿った変形ができることになって湾曲変形に対する追従性、柔軟性が向上し、不用意に曲がったり折れたりしてしまうことを有効に回避できることになる。
しかも補助錘先端部5cは、連結体12の上端より上方に突出していることにより、トップ部3をウキ本体部2に組み付ける際に、トップ部3の下端部を、補助錘先端部5cに先行して挿入した後、連結体12に内嵌する操作となり、この結果、トップ部3の連結体12への組み込み操作が、先行して挿入した補助錘先端部5cに誘導される状態でできることになって操作性が向上する。
さらに本発明が実施された第二の実施の形態のウキ1は、補助錘先端部5cの突出体9からの突出量を規定するべく該突出体9に対する嵌入量を調整することで、前述したように補助錘9の長さがウキ本体部2の性状によって異なっていたとしても、補助錘5の突出体9に対する嵌入量を調整して先端部5cの突出体9からの突出量をほぼ一定に揃えられたものとなるよう規定されたものにでき、この結果、釣用のウキ1としての商品管理がなされた整理されたものとなって市場性が向上する。
因みに本発明を実施するにあたり、補助錘(実施例の第二補助錘)の先端部を、突出体の上端から上方に突出したものとし、そして該突出した補助錘の先端部が、トップ部下端部に内嵌した構造にすることで該トップ部下端部部位の支持部材になるように構成している。この場合に、支持部材となる補助錘先端部の筒体からの突出量を略一定にしたものとすることが要求されるが、補助錘の長さ(重さ)は、製品ごと(各本体部ごと)の固有の重さによって調整されたものになる結果、一定ではなく、所望長さ(補助錘の下端縁が筒体の下端縁と一致するまでの長さ)に対して短いもの長いものが存在することになるのが一般である。このような場合において補助錘先端部の筒体からの突出量を同一にするべく揃えた場合、補助錘を、短いものについては下端縁が筒体の下端縁にまでは至らない状態で筒体に挿入すればよいのに対し、長いものについては、下端部が筒体の下端縁よりも下方に突出した状態で本体部に嵌入したものとすればよく、このようにしても本発明を実施できることは言うまでもない。
本発明は、魚釣りにおいて使用される釣用ウキとして利用することができる。
1 ウキ
2 ウキ本体部
3 トップ部
4 主錘
5 補助錘
5a 第一補助錘
5b 第二補助錘
6 連結部
9筒体(突出体)
12 連結体

Claims (5)

  1. 釣り竿から延びる道糸に下端部が連結される長尺状のウキ本体部と、該ウキ本体部の上端から上方に延出するトップ部とを備え、
    前記ウキ本体部に、
    釣用ウキを自立させるため下端部に取り付けられる主錘と、
    該主錘が取り付けられた釣用ウキの自立を所定の自立姿勢にするため取り付けられる補助錘と、が備えられた釣用ウキにおいて、
    前記ウキ本体部とトップ部とを連結するための連結体を、該連結体の下側部がウキ本体部の上端から上方に突出する突出体に外嵌し、連結体の上側部にトップ部下端部が抜き差し自在に内嵌するよう構成にするにあたり、
    前記突出体は、上端が開口した筒状で、下側部がウキ本体部の上端部に埋設され、
    前記補助錘は、突出体の上端開口から挿入取り付けされることを特徴とする釣用ウキ。
  2. 前記トップ部は、下端が開口した筒状に形成され、
    補助錘は、先端部が突出体の上端から上方に突出されたものであり、
    前記補助錘の先端部を、トップ部下端部に内嵌した構造にすることで該トップ部下端部部位の支持部材に構成したことを特徴とする釣用ウキ。
  3. 補助錘先端部のトップ部下端部に対する内嵌は、隙間の有る遊嵌状の内嵌であることを特徴とする請求項2記載の釣用ウキ。
  4. 補助錘先端部は、連結体の上端より上方に突出していることを特徴とする請求項2記載の釣用ウキ。
  5. 補助錘は、先端部の突出体からの突出量を規定するべく突出体に対する嵌入量が調整されることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1記載の釣用ウキ。
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