JP3129678B2 - 魚釣り用ウキ、およびその浮力調整方法 - Google Patents

魚釣り用ウキ、およびその浮力調整方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、魚釣りの仕掛けに用いられ
るウキに係り、特に、重さや浮力を簡便且つ緻密に調節
可能であり、通常の浮き釣りから沈め釣りまで幅広く適
合可能とする新規な構造からなる魚釣り用ウキ、および
そのウキの新規な浮力調整方法を提供しようとするもの
である。
【0002】
【従来の技術】人々が経済的にも時間的にも余裕を持て
るようになり、次第に余暇の過し方にも工夫が加えら
れ、様々な分野のレジャーを楽しむことができる時代を
迎えている。特に、最近人気が出てきて多くの人々の余
暇の対象となっているのが、好調なRV車の売れ行き等
からも推測されるとおり、海や山、川を訪れて自然を謳
歌する屋外レジャーである。その中でも、魚釣りは、周
辺を海で囲まれ、海辺から直ぐ山がそそり立つという我
が国の恵まれた自然環境もあって、昔からの根強い人気
に更に一層拍車が掛かり、都市部や郡部等地域差もなけ
れば、年齢、性別を問わず、そのRV車を駆っては日本
全国、有名な釣り場に出向き、渓流釣りから磯釣り、船
釣りが楽しまれている。
【0003】こうした傾向を受け、魚釣り用の道具類
も、その基本となる釣竿、釣糸、釣バリ、リール等だけ
に限らず、仕掛け用の様々な連結具から小道具類、ある
いは道具箱、ロッドケース、クーラーボックス、果ては
専用着衣に至るまでの極めて拡販な範囲に渡って、しか
も大量に品揃えされ、釣り具専門店は勿論のこと、ホー
ムセンターやデパート店等の店頭を賑わわせており、釣
りの初心者といえども、何の苦もなくそれら豊富な釣り
道具の中から、魚釣りに必要な道具の殆どを用意するこ
とが可能になっていて、経済的に許されるだけの種類と
数の釣り用具を買い込み、釣り場に望むこととなるが、
例えば、海釣りの場合、狙う獲物や釣り場環境、潮の流
れや魚信の程度等といった様々な条件により、釣竿や釣
糸はもとより、仕掛けも変われば、餌までを吟味して掛
からなければならず、したがって、釣り場においては、
刻々と変わるその状況の変化に合わせ、予め用意してき
た十分な道具類の中から最適なものを選択あるいは交換
して釣果を期待することになる。
【0004】状況の変化に対応して釣果を上げるために
選択、交換する道具類の中で、極めて重要な鍵を握って
いるものの一つが「釣り用ウキ」である。即ち、この釣
り用ウキは、水面に浮かせ、魚のアタリ(魚信)を視覚
化させ、釣り上げるタイミングを測る道具として主に機
能すると共に、その他、勿論タイミングを取る道具とは
なるものの、刺し餌を一定の水深に保持したり、潮流に
乗せ、目的のポイントまで運んだりする機能も果たした
り、傾き等の姿勢変化によって刺し餌が海底、川底、湖
底、池底等に到達したことを察知し、釣り人が水底の地
形を推察する道具等としても役立ち、更に、ウキの浮上
水深の変化によって団子餌の溶解状況を判断したり、ウ
キの流動や沈み込みによって潮流の速度や方向を知得し
たり、潮目を見つける道具としても活用されている。
【0005】そして、最近の進んだ釣り方では、この釣
り用ウキは、単に水面に浮かせて使用するだけに止め
ず、ウキと刺し餌との距離を変えずに、風、波、潮流等
あらゆる気象条件において、仕掛けの沈降速度、および
沈降する水深を調節可能にすると共に、アタリを適格に
キャッチしてアワセを損じることがないようにし、しか
も刺し餌を的確に棚に導くことができるよう、浮力の調
整された魚釣り用ウキを使って水中所望箇所まで沈めた
状態としてしまう水中ウキとしても使用されるようにな
り、この水中ウキを使った沈め釣りは、従前までの釣法
のように釣場の状況を想像して棚を予想し、そのポイン
ト目がけて刺し餌することに留まらず、流れに馴染みな
がら沈降し、アタリを見て三次元的に棚を捜し求めるこ
とを可能とするものとして、釣人マニアから大いに注目
され始めている。
【0006】この沈め釣りでは、従前までの伝統的な魚
釣り用ウキを使った釣りのように、刻々と変化する自然
の状況に的確に対応できるよう、棚の深さやポイントま
での距離に応じて多数のウキを使い分けたり、深い棚を
狙うときには、長い仕掛けを必要とし、潮流に馴染むま
でに比較的長時間を要してしまう等といった不都合が確
実に解消され、短い仕掛けと共に水中ウキも沈降させる
ので、ウキが水流を受けて潮流に馴染み、仕掛けを速や
かに遊動し易くすると共に、水中ウキまでのハリスを撓
ませず直線状としてアタリを受け易くし、更に望む棚に
刺し餌を迅速にキャスティングできるという利点をもっ
ている。
【0007】そこで、それらの利点を生かすため、この
沈め釣りでは、一般に凡そ4段階の深さにキャストさせ
られるよう、水面付近に浮かせるトップ、水深2ないし
5m程度の範囲に沈めて使用するシャロー、水深5ない
し7mに沈めて使用するサスペンド、水深7m以深で使
用するディープと称される水深毎の使用区別で4段階に
分かれ、しかも、夫々が「際用」、「中投用」、「遠投
用」のものにおいて必要とされることから、最低でも1
2個が必要となり、釣人は、予めそれら全てを用意しな
ければならないこととなる。
【0008】しかし、実際には、あらゆる条件の釣り場
において決め細かく対応しようとすれば、狙う棚の水深
や潮流の速さ、ポイントまでの距離、更には、二枚潮等
の水深毎の潮流の違い等によって的確に対応しなければ
ならない上、刻々と変化する気象条件に即応して納得の
いく沈め釣りを展開する必要が生じ、水深毎に大分けさ
れた4段階では済まず、それ以上の細分化を必要とする
こととなって、釣り人が携行しなければならない魚釣り
用ウキの数は増大する一方である。
【0009】したがって、既に市販されている「てんぐ
ウキ」(商品名)は、その代表的なものとして多くの愛
好家が好んで使用するようになってはいるものの、その
経済的負担は大きく、しかも、釣り場への所持がかさば
って移動、交換に支障を来すといった実用上の問題も抱
えていて、必ずしも利点が生かし切れない恨みを有して
いることから、そうした経済的、実用的な不都合を解消
しようとする幾つかの提案も既に散見される。
【0010】例えば、実開昭60−67081号公報の
考案には、蛇腹式本体の空間を延ばして容積を変えた
り、内部に錘を装填、変更するようにして浮力を調整す
るようにした釣用うきが開示され、また、実開昭63−
119366号考案には、上下二分割した浮子の互いの
接続面に浮力調整用中浮子を介在させるようにした浮力
調整ワンタッチ浮子が提案されているが、前者の考案で
は、蛇腹構造となることからくる錘としての抵抗や耐久
性、魚への影響等を考慮すると水中ウキとしての要件を
満足するものとは言えず、また後者のものでは、その調
整の範囲に限界があって、これまた実用性を欠くものと
なっており、何れも沈め釣りを含む魚釣り用ウキとして
不十分なものと言わざるを得ないものであった。
【0011】一方、特開平8−140539号公報に開
示された発明で、既に市販されて実用に供されている小
沢システムうき(商品名)や、特開平8−182452
号公報および特開平8−205736号公報に示されて
いる各発明の魚釣り用ウキ等は、浮力を付与する部分と
なる上部ウキ体は、従前からの卵状またはそれに近い外
観形状のままでそれ自体は浮力調整が利かない構造のも
のに形成され、その下部に合体させる部分が、適宜重さ
の異なる替え錘部や分銅錘部、調整重錘部等として組み
合わされ、それらを、直接捩子込み式か、あるいは調整
重錘の螺合被冠や磁着力で着脱自在に交換可能とするこ
とによってのみ、魚釣り用ウキの残留浮力を随時変更で
きるようにしたものであり、したがって、一つの上部ウ
キ本体を替えずに(それら開示された発明の何れもが中
通しウキ用の実施例となっていて、上部ウキ本体の付け
替えは道糸を切らなければならないし、仮にそれが環付
きウキであったとしても)、微妙な浮力調整をしようと
すれば、それに応じた多数の区分による替え錘部や分銅
錘部、調整重錘部等が用意されない限り実現不可能にな
るという課題を残すものであって、刻々と変化する風、
波、潮流等の気象条件や釣り場の地理的変化、釣人の感
覚等といったあらゆる釣り条件に対応した商品化を困難
にするものであった。
【0012】本願発明者は、以上のような状況に鑑み、
長年に渡って海釣りを楽しみとし、時間が許す限り、津
々浦々の様々に条件の異なる釣り場にまで出向き、釣り
に挑んでいる者の一人として、魚釣り用ウキ、主として
水中ウキとして使用される魚釣り用ウキの浮力を、必要
最小限の手段で殆ど無限に近い段階に調整可能とし、沈
降深さの微調整が簡単に可能となるようにした魚釣り用
ウキの実現化の必要性を痛感し、長期に渡る試行錯誤
と、幾多の試作、実験とを繰り返しては多くの釣り場に
適応可能であることを確認し、更に部品の構成と材質等
にも検討を加えると共に、潮流の変化に迅速に対応可能
な沈降水深の微調整の善し悪しについても十分な配慮を
施す等、多くの項目について開発、研究を進めてきた結
果、今回、遂に新規な構造からなる魚釣り用ウキ、およ
びその新規な浮力調整方法を完成、実用化することに成
功した。以下では、図面に示すこの発明を代表する実施
例と共に、その構成を詳述することとする。
【0013】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含される魚
釣り用ウキは、基本的に次のような構成から成り立つも
のである。即ち、比較的軽量な素材からなる上体部と、
比較的硬質な素材からなる下体部とを上下に一体結合し
て適宜外形のウキ本体となし、該ウキ本体の材心周りに
は、下体部下面に開口すると共に、同奥部中途には受け
段部が形成され、該受け段部から奥部であって上体部内
部中途までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜
き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所
として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部
となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保した
ものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な
雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連
結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、少
なくとも4個以上のものとして用意され、それらの中の
1個を除く重量調整錘体の雄ネジ部軸心周りには、上方
に開口する補助空間部の穿設されたものにすると共に、
夫々の開口径および/または穴深さを変更したものと
し、それらの中の何れかの重量調整錘体が適宜選択され
て、前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一
体化され、重量調整錘体に設けた補助空間部が、穿り抜
き部奥部の浮力調整用空間部に連続した空間となるよう
にすることにより、実質的に浮力調整用空間部の容積を
変更し得るものとした構成を要旨とする魚釣り用ウキで
ある。
【0014】ウキ本体は、水面または水中において浮力
を発生する機能を果たし、具体的には円錐ウキ、飛ばし
ウキ、棒ウキ、水中ウキ、発光ウキ等のあらゆる形態を
広く包含するものであり、更に細かく例を上げれば、円
錐ウキにも、上下ふくらみ、どんぐり、ロングタイプ、
上ふくらみ、下膨らみ、中ふくらみ等がある外、棒ウキ
も、自立タイプのショートタイプ、ロングタイプ、非自
立タイプ等を含むが、これらの何れの形状を選択し、実
施の対象とすることも可能である。また、その素材は、
天然木材、合成木材、合成樹脂、軽金属、またはそれら
の複合素材等から製造可能であり、例えば、後述する実
施例にも示される桐、樫、黒檀、圧縮コルク等の天然素
材の外、ポリカーボネート、PP、または対衝撃性樹脂
等が上げられる。
【0015】ウキ本体は、単一の素材により形成される
ものに限らず、例えば水面または水中においてウキ本体
の姿勢を保つ如く、比較的軽量で浮力の大きい上体部
と、岩場等での衝突にも耐久性のある比較的硬質な下体
部とを結合、一体化してなるよう、例えば、後述する実
施例のように上体部を桐材から形成し、下体部に樫材を
使用して上下に一体化したものとすれば、全体を木質の
ものとしてしながら、自体の浮力調整加工がし易くなる
上、後述する雌ネジ体の組み込み構造にも有利なものと
することができ、更に、上体部と下体部との接合部分
は、平面同士を接着剤によって一体に接着する構造の
外、同心状に嵌着するように、何れか一方に凸状段差部
を、何れか他方に凹状段差部を夫々形成し、接着剤を介
するか介さずして両者を一体化したり、両者間に木釘状
の連結部材を打ち込む等して一体化する等適宜結合手段
によって一体化するようにしてもよい。
【0016】穿り抜き部は、ウキ本体の材心周りに形成
され、ウキ本体下面に位置される開口側が雌ネジ体を打
ち込むための下穴の機能を果たし、更に、奥部が浮力調
整用空間として機能することになり、例えば、後述する
実施例のように、奥部を小径化することにより、その中
途部に受け段部が形成されるようにし、該穿り抜き部内
周壁と後述の雌ネジ体外周壁との間が多少ルーズ(やや
ルーズにしておかないと下体部を堅い黒壇や樫その他で
形成した場合、割れを生じさせる虞がでる)でも、雌ネ
ジ体の打ち込み深さを規制した上、両者の一体化が安定
されるようにした構成のものにすると極めて好都合のも
のとなる外、開口側から所定奥部まで雌ネジ溝を切り込
んだり、所定深さの縦筋を設けたりして、実質的に段差
部を形成したに等しいものとすることも可能である。
【0017】雌ネジ体は、後述の重量調整錘体の雄ネジ
部をウキ本体側に着脱可能に螺着結合するための一方の
接続金具として機能するものであり、頻繁に行われる重
量調整錘体の交換に耐える如く耐久性に秀れた構造およ
び素材からなるものとし、ウキ本体への挿着結合も強固
になされるように構成されるべきであり、例えば、一般
的なステンレス鋼の外、高強度炭素繊維を含む合成樹
脂、または海水に対する耐蝕性に秀れたチタンもしくは
その合金、あるいはその他の軽量硬質素材から形成され
たものとするのが望ましい。
【0018】浮力調整用空間部は、上記穿り抜き部の雌
ネジ体組み込み箇所よりも奥部に主として形成され、当
該空間全体に空気を抱え込み、最大限の浮力を発生させ
る外、適宜充填体によって空気を閉め出す如く排斥し、
その分だけ浮力を減少させたり、場合によっては追加錘
体兼用する充填体を挿入することにより、空気減少によ
る浮力の軽減に重さを加わえるようにして、より効果的
で微細な浮力の変更調節がなし得るようにする機能を果
たす部分であり、したがって、その容量を大きくするほ
ど、浮力や重さの変化範囲を大きく設定とすることがで
き、それら空間部の形状は、単なる円柱状のものから、
次第に奥ほど小さくなる段付き円柱状や奥に窄まる円錐
状その他の形状のものに形成することも可能である。な
お、環付きウキとする場合は問題はないが、中通し用の
ウキとする場合には、ウキ本体材芯に形成される釣糸挿
通孔から穿り抜き部が隔絶されるよう、例えば、穿り抜
き部軸芯部分に鞘管を上下貫通状且つ水密状に配された
ものとする等、適宜構造が付加される必要がある。
【0019】重量調整錘体は、数種類の重量のものが準
備され、何れか1つを選択的にウキ本体に着脱自在に結
合されることにより、ウキ全体の重量を加減調節する機
能を果たすものであり、その上端側には、上記したウキ
本体穿り抜き部の雌ネジ体へ螺合可能な雄ネジ部が突
設、形成されると共に、それよりも下方で主要部分は錘
部分となる適宜外観形状のものとされる外、例えば後述
する実施例のように、その円柱状に突出形成された上方
外周面に雄ネジ部が刻設されると共に、下方には連結環
部が形成されており、該雄ネジ部基部にフランジ状の環
状鍔部が形成された上、該雄ネジ部基部に環状のパッキ
ング体を装着し、ウキ本体への結合時に浮力調整用空間
部を密閉状に保つ如く構成したものとすることも可能で
ある。
【0020】重量調整錘体の雄ネジ部は、重量調整錘体
の円柱状に形成された上方部外周面に刻設されて、ウキ
本体の下面に設けられた雌ネジ体に螺着され、重量調整
錘体をウキ本体に着脱可能に一体結合できるようにする
共に、上記した浮力調整用空間部を密閉状に保つ機能を
果たすものであり、頻繁な螺合操作に備えて耐摩耗性に
秀れた素材から形成されるようにすべきであり、雄ネジ
部は、例えば、後述する実施例のように同一素材から重
量調整錘体の一部として一体に形成したものとする外、
予め金属柱から別体として削り出された雄ネジ部とな
し、ダイキャスト等により製作された重量調整錘体本体
上端中央に植設、その他の手段で強固に一体化するよう
にしたもの等としても差し支えはない。
【0021】この重量調整錘体の雄ネジ部は、その軸心
回りに、上方に開口する補助空間部が穿設されてなるも
のとし、ウキ本体に螺合、一体化された後、ウキ本体内
の浮力調整用空間部と連通し、実質的に浮力調整用空間
部を拡張する機能を果たすものに形成され、該補助空間
部の大きさを変更したり、全く存在しないものとなし、
同一素材からなる重量調整錘体であっても、その外形を
変えることなく重量を増減させるようにする機能をも果
たすものとなる。なお、必要に応じて、浮力調整用のガ
ン玉(ジンタン)その他重量調整が可能となる適宜小錘
材を詰め込める装填空間部をも兼用するものとすること
もできる。
【0022】更に、重量調整錘体の形状は、後述する実
施例に限定されず、外郭形状に突起部や凹部、小翼等を
設けたものとしたり、直径を変更させたり、あるいは立
方体または六角柱状等に形成したものとする等して、水
への抵抗を変え、沈降速度や沈降姿勢等に変化が与えら
れるように構成することも可能である。
【0023】連結環部は、仕掛けにウキを連結する機能
を果たす部分であり、環形状、例えば針金を菱形、三角
形、四角形、円形または楕円形や、それらを螺旋状に複
数回巻いた形状その他であって釣糸に取り付けるのに都
合の良い適宜環状を成すように形成されれば足り、該連
結環部は、針金を折曲して作られた後、別に製作された
重量調整錘体の下方に植設状に固着するか、もしくは、
針金を折曲して作られた連結環部を重量調整錘体にイン
サート成形したり、ダイキャスト等により重量調整錘体
と共に連結環部を一体成形によって突設させたものとす
ることも可能である。
【0024】連結環部は、釣り糸やサルカンの一部に過
大な力が加わつてそれらを切断してしまったり、あるい
は自らが破断してしまわないよう、比較的太材によって
形成されるのが望ましく、また、ヨリモドシの如く重量
調整錘体に回転自在に取着したものとし、捩じれにも追
随可能な構造のものとすることも可能である外、着脱容
易なスナップスイベル状、または安全ピン状のフックに
形成すること等も当然可能となる。
【0025】一方、この重量調整錘体は、その雄ネジ部
基端となる部分の形状を環状鍔部に形成し、ウキ本体へ
の螺着時に両者間が確実に水密状に結合され、浮力調整
用空間部を密閉状にできるよう、パッキング体を介在、
保持し得るようにしたものとすることもでき、雄ネジ部
上端から嵌合するようにして該環状鍔部上にパッキング
体を載せ、そのまま当該雄ネジ部をウキ本体穿り抜き部
下面から、同雌ネジ部に螺合、締め付けてしまうことに
より、両者間にパッキング体を介在、密着状とするもの
であり、ダイキャスト、高比重合成樹脂複合材料の射出
成形、または切削加工等によって重量調整錘体に一体に
形成されるか、もしくは環状に形成された後に、重量調
整錘体に後付け固着されるようにしたものであってもよ
く、場合によっては、この環状鍔部は、ウキ本体下部形
状の一部を形成するような外周壁形状のものとすること
も可能である。
【0026】パッキング体は、ウキ本体と重量調整錘体
との接合部の液密性を保ち、浮力調整用空間部および/
または後述する補助空間部、あるいは装填空間部の液密
性を保持する機能を果たすものであり、更に、ウキ本体
の雌ねじと重量調整錘体の雄ネジとの螺合の緩みを防止
するワッシャー機能を兼ね備えたものとすることも勿論
可能であり、例えば、弾性を有する合成樹脂、合成ゴム
または天然ゴム等の適宜耐水性水密弾性体から形成さ
れ、圧縮されて高い密閉性が発揮されるようにしたり、
一部金属環を組み合わせたワッシャー機能を備えたもの
とすることも可能である。
【0027】以上のような構成の重量調整錘体は、着脱
自在にウキ本体に結合され、所望の重量が選択可能とな
るよう、夫々比重の異なる素材からなるものを少なくと
も4個以上準備し、内外形状とも全く同一形状の重量調
整錘体でありながら、個々の重量を段階的に変え得るも
のとしたり、重量調整錘体の雄ネジ部(穿り抜き部の雌
ネジに螺着する部分)の上端側から、異なる深さおよび
/または異なる直径の穴を穿設することによっても、重
量調整錘体の個々の重量を夫々段階的に異なるものに設
定することも可能であり、その重量区分は、従来から使
用されている水中ウキのように、例えば何れか1個がウ
キを水面に浮上させ、他の1個がウキを2ないし5m前
後、他の1個が5ないし7m前後、更に別の1個がウキ
を7m前後以深に沈降するように浮力調整する如く個々
の重量を設定したものとすることができる外、その他都
合の良い適宜区分に従ってなるものとすることも当然可
能である。
【0028】また、旧来からのウキ釣りだけに適合した
魚釣り用ウキとして、全て水面に留まるよう、例えば、
1個の重量調整錘体を装着したウキがG2(ガン玉(ジ
ンタン)2号)の浮力を生じるように、その重量調整錘
体の重量を設定し、他の1個をSB(ガン玉4B)とな
るように設定し、他の1個をSO(ガン玉5B)、更に
別の1個をF(ガン玉なし)となるように設定したもの
とすることも可能である。このように、この発明の魚釣
り用ウキは、1つのウキ本体が、通常のウキ釣り専用、
または、沈め釣り専用の何れかに設定することも可能で
あり、また、1つのウキ本体が通常のウキ釣りおよび沈
め釣りに適合可能に構成することも可能である。また、
同一の重量調整錘体を、形状の異なるウキ本体に共通利
用できるように構成することも可能である。
【0029】
【関連する発明】上記した魚釣り用ウキに関連して、こ
の発明には浮力調整方法も包含しており、その構成の要
旨とするところは、ウキ本体に浮力調整用空間部および
/または補助空間部、あるいは装填空間部が形成される
と共に、適宜選択された重量調整錘体が雌ネジ体に螺合
されてウキ本体に一体化されてなる魚釣り用ウキにおい
て、選択された当該重量調整錘体を交換することなく、
浮力調整用空間部および/または補助空間部内に適宜比
重と大きさからなる充填体を装填するか、装填空間部
(または装填空間部を兼用する補助空間部)内に、粒
状、粉状、または変形可能な板状もしくは棒状に形成さ
れた鉛、真鍮等比重の大きい固体の適量を、着脱自在且
つ安定した状態で装填するか、あるいは、海水や淡水等
適宜液体の適量を注入することにより、選択された当該
重量調整錘体が抱える余分な浮力を適宜低下させ、重量
調整錘体の交換では実現されない浮力の微調整をなし得
るようにした構成を要旨とする魚釣り用ウキの浮力調整
方法となる。
【0030】装填空間部は、何も装填されないときに
は、所定量の空気を抱え込み、ウキ本体に重量調整錘体
が螺着されることによって密閉され、当初から予定され
た所定の浮力を有する魚釣り用ウキとなす機能を果たす
一方、後述する別途用意された所望容積の充填体が装填
されることにより、内部空気を所望する範囲で排斥し、
ウキの浮力に微小変化を与え、浮力調整をする機能を果
たすものであり、したがって、該装填空間部は、それ自
体が浮力調整用空間部を兼用しており、何等充填体を伴
わないときには、浮力調整用空間部=装填空間部であ
り、充填体が装填されていくと、浮力調整用空間部<装
填空間部の関係となり、更に、装填空間部が重量調整錘
体雄ネジ部に設けられることのある補助空間部と連通さ
れるようにすれば、両者の関係は、浮力調整用空間部>
装填空間部とすることができることから、当初浮力調整
用空間部=装填空間部として設定された浮力は、それを
境に浮力調整用空間部を増減させることが可能であっ
て、浮力の微調整が所定の範囲内においてなし得ること
になる。
【0031】充填体は、前記した装填空間部および/ま
たは補助空間部内に装填されて内部空気を排斥し、浮力
調整用空間部を増減調整する機能を果たすものであっ
て、ウキ本体または重量調整錘体と同一比重の素材から
なるか、または、何れとも異なる比重の素材からなるも
のとすることも可能であり、例えば、発泡スチロール、
発泡ウレタン等の軽量合成樹脂素材、バルサや桐等の比
較的比重の小さい木材や黒壇や樫等といった比較的比重
のある木材、あるいはアルミニウム、チタン等の金属そ
の他固形物から形成されるようにする外、実際に使用し
ていて特性の充填体を用意していないとき等には、海水
の適量をその代わりに採用するようにしても構わない。
【0032】追加錘体は、主として重量調整錘体雄ネジ
部に設けられることのある補助空間部に装填され、重量
調整錘体自体の重量不足を補うことによってウキの浮力
をマイナス側に補正する機能を果たすものであり、増加
量が解るよう特別に用意した単位重さのものとする外、
咄嗟の場合等には釣り道具として欠かすことのないガン
玉や板鉛で代用しても差支えはなく、当然補助空間部に
装填可能な大きさのものとされ、できれば装填後、補助
空間部内部に安定して納まるような形状、構造のものと
するか、補助空間部入り口にスポンジ体や綿栓等を嵌め
てこれら追加錘体が可能な限り安定するようにすべきで
ある。
【0033】なお、この追加錘体は、極端に重さを増加
させなければならない場合であって、補助空間部内に装
填しただけではその重さの変更が達成されないとき、あ
るいは補助空間部が用意されていない重量調整錘体雄ネ
ジ部が採用されていて、しかも重さを増加させたいとき
等には、前記したを浮力調整用空間部を兼用する装填空
間部を、該追加錘体を装填するための補助空間部に兼用
させることも可能である。以下、この発明の魚釣り用ウ
キ、およびその浮力調整方法が、より一層明確に理解さ
れるように、代表的な構成からなる幾つかの実施例を、
添付図面と共に具体的に説明していくことにする。
【0034】
【実施例1】図1のウキの分解正断面図、図2の一部断
面化して雌ねじ体と重量調整錘体の組合せを示す説明
図、図3の充填体を装填した状態を示すウキの断面図、
図4の装填体の斜視図、および図5の追加錘体を装填し
たウキを示す断面図に示される事例は、この発明の魚釣
り用ウキの中、環付きウキとして最も代表的な構成から
なるものの一実施例である。
【0035】ウキ本体1は、上体部11が比較的軽量の
桐材からなり、下体部12が比較的硬質の樫材から形成
され、略中央部分で接着、結合されている。外表面の上
部には、広い海等での視認性を高めるオレンジまたは赤
もしくはその外の蛍光色による塗装が施され、中央部は
白地帯状に塗装され、下側には木目を生かす透明樹脂塗
料による塗装が施されている。ウキ本体1の下面には、
2段階に渡り開口径を縮小することによって中途部に受
け段部22を有する円柱状の穿り抜き部2を材心回りに
穿設し、該穿り抜き部2の開口縁24側には、雌ネジ体
3が受け段部22に当接する位置まで圧入、嵌着される
取着穴部23を形成し、該雌ネジ体3よりも奥側には、
取着穴部23より小径の浮力調整用空間部21が設けら
れている。
【0036】雌ネジ体3は、耐食性に秀れたチタン合金
から形成された筒状の内側周壁面に雌ねじ部31を刻設
し、その外周壁面には蛇腹状の係合爪部32が形成さ
れ、嵌着時にウキ本体1の取着穴部23の内壁を僅かに
拡開状に押し広げながら打ち込まれ、密着状且つ噛合状
に強固に固着されるように構成されている。チタン合金
からなる重量調整錘体4は、雌ネジ体3に対して着脱可
能に螺合できるよう、その上方に円柱状の雄ネジ部41
が突設されると共に、中通しウキではなく環付きウキと
するために、その下方には連結環部42が植設された構
造としてある。
【0037】なお、この連結環部42は、環部に幹体を
一体化させた柄付き輪状に形成された上、重量調整錘体
4の軸心部に穿設された挿着孔に圧入状に差し込まれ、
その先端側を、雄ネジ部41の補助空間部44内で変形
させることにより、強固且つ液密に一体化したものとし
ているが、雄ネジ部41が補助空間部44を有しないも
のの場合には、図2には明確に示されてはいないが、柄
部分を捩じ込みとしたり、重量調整錘体4下部をカシメ
るか、熔着、接着等適宜常套手段で一体化してある。
【0038】雄ネジ部41の基部全周には、フランジ状
の環状鍔部43が一体に形成されており、該環状鍔部4
3上の雄ネジ部41基部には、円環状に形成された合成
ゴム製のパッキング体5を装着するようにしてあり、ウ
キ本体1に重量調整錘体4を挿着したときに、開口縁2
4と環状鍔部43との間に弾性変形されながら挟み込ま
れ、液密性を確保するように構成されている。
【0039】更に、重量調整錘体は、図2が示すとお
り、合計四つのものとして準備され、何れも同一のチタ
ン素材を削り出すことにより形成され、その中の三つ
は、雄ネジ部41の軸心回りに夫々大、中、小の直径に
設定された同一深さの補助空間部44,45,46を穿
設して筒状に形成され、他の一つは穴の穿設がなされて
いない。
【0040】こうして形成されたウキ本体1と重量調整
錘体4とは、図3の一部を断面化して示している正面図
のように、装填空間部2浮力調整用空間部21内および
重量調整錘体4雄ネジ部41の補助空間部44(あるい
は45,46)内に、コルクからなる二段円柱状の充填
体6を挿入状としてから螺合、一体化され、この発明の
魚釣り用ウキを形成した事例であり、該充填体6は、装
填空間部2の浮力調整用空間部21となるべき部分に嵌
合する大径部61と、補助空間部44内入り口辺りに収
容される小径部62とを備えていて、装填空間部21内
の空気は完全に排斥されて浮力調整用空間部21内には
空隙を構成しない事例としている。
【0041】なお、この状態でなおも浮力調整を必要と
するとすれば、充填体6大径部61の上端側を削るかし
てその全長を適量だけ短くしていったり、全く用いない
ものとして、同所に浮力調整用空間部21が、調整され
た容積から完全な容積までの範囲で実現されるようにし
てプラス方向に浮力調整するようにするか、あるいは、
僅かに雄ネジ部41内の補助空間部44底部に空隙を残
していることから、補助空間部44内の当該空隙に適量
の追加錘体7,7,……、例えば約0.07g程度単位
とした鉛製粒状体の適量を選択して装填し、マイナス方
向への浮力調整をすることができ、更にそれ以上にマイ
ナス方向への浮力調整をする必要があるときには、図4
の構造とした魚釣り用ウキから完全に充填体6を外し、
装填空間部2の浮力調整用空間部21と雄ネジ部41内
の補助空間部44とを連通状の空間となし、同所に上記
した追加錘体7,7,……の相当量を充填して、図5の
一部断面で示す正面図に示されているような構造の魚釣
り用ウキとする。
【0042】以上、図示した実施例では、中途部に受け
段部22を有する円柱状の穿り抜き部2に形成された
上、雌ネジ体3ネジ切り面が浮力調整用空間部21内径
に揃う構造のものとしているが、当然この実施例に限定
される訳ではなく、雌ネジ体3ネジ切り面と浮力調整用
空間部21内壁面とが断面上ズレた構造のものとしても
差し支えはなく、また、ウキ本体1も、図5までに示し
たスリム型の外、図6のウキの分解縦断面図に示す、輪
郭形状を下膨らみとした円錘型や、特に図示にはしてい
ないが、ドクグリ型や立ちウキ型その他とすることも、
必要に応じて適宜変更可能である。
【0043】
【作用】水中ウキを含めたウキの用途として、一般的な
段階区分とされている区分に従えば、トップ(水面に浮
かすタイプ)、シャロー(水深2ないし5m程度の範囲
に沈めて使用するタイプ)、サスペンド(水深5ないし
7m用として使用するタイプ)、ディープ(水深7m以
深で使用するタイプ)の4段階となっていて、更に、夫
々が「際用」、「中投用」、「遠投用」のものを必要と
すると言われていることから、以上のとおりの構成から
なるこの発明の魚釣り用ウキを、例えば、遠投用水中ウ
キとして使用する釣りに出掛ける場合を想定して説明す
れば、次のようになる。
【0044】先ず、トップを除き、シャロー(ウキ本体
1の標準浮力を仮に1.74gに設定したもの)、サス
ペンド(同1.46gに設定したもの)、ディープ(同
1.18gに設定したもの)の三つのタイプを用意する
と共に、重量調整錘体4には、それらに共通するものと
してNO.1(1.43gに設定したもの)、NO.2
(同1.50g)、NO.3(同1.57g)、および
NO.4(同1.64g)の4タイプを合わせて携帯す
るようにすれば、合計で7個(重量調整錘体4は、1個
の道具としてまとめられているから、実質4個)の道具
で、12通りの水中ウキに使い分けが利くこととなる。
【0045】 例えば、シャローの場合、ウキ本体1
にNO.1重量調整錘体4を螺合させてこの発明の魚釣
り用ウキとして使用(但し、釣針なし仕掛け重量を0.
46gと仮定)すれば、残存浮力がマイナス0.15g
となって、釣り場が凪いでいるとすれば海面に浮きなが
ら潮目に反応するウキとして使用でき、また、NO.2
重量調整錘体4を螺合、一体化した魚釣り用ウキでは、
残存浮力がマイナス0.22gで水面下略50cm程度
まで沈んで漂い、うまく潮目に反応するウキとすること
ができ、NO.3重量調整錘体4とした魚釣り用ウキで
は、残存浮力がマイナス0.29gで水面下略100c
m程度まで、更に、NO.4重量調整錘体4とした魚釣
り用ウキでは、残存浮力がマイナス0.36gで水面下
略200cm位まで、夫々沈んで止まる浮きとすること
ができる。
【0046】同様に、サスペンドとするウキ本体1にN
O.1〜NO.4の4タイプの重量調整錘体4を螺合、
組み合わせるようにすれば、夫々残存浮力がマイナス
0.43g、同0.50g、同0.57g、同0.64
gとなって、夫々水面下略3m位に止まるものから、以
下、略1m程度の間隔で深さを増していき、水面下略6
m位に止まるものまでの4段階に使用可能となり、ま
た、ディープ用の魚釣り用ウキとすれば、各4タイプの
重量調整錘体4との組み合わせ毎に、夫々残存浮力がマ
イナス0.71g、同0.78g、同0.85g、同
0.92gとなって、水面下略7m位に止まるものか
ら、以下、略1m程度の間隔で止まる深さを増し、N
O.4重量調整錘体4では、そのまま沈降していって海
底に達する魚釣り用ウキとなる。
【0047】このように、ウキ本体1標準浮力に対する
負荷荷重、即ち仕掛け重量と重量調整錘体4の重量との
和の関係が予め設定されることにより、所定水深への沈
降、停止を大凡知ることができ、しかも、夫々の目安水
深に対しても、ウキ本体1を重量調整錘体4から取り外
し、浮力調整用空間部21および/または補助空間部4
4(45,46)に、充填体6および/または追加錘体
7を装填して、ウキの浮力や負荷荷重の微調整を行っ
て、更に目安水深前後にまでウキの浮力を細かく変える
ことができ、したがって、釣り場環境、風や波浪、海水
の濁りや潮の流れその他あらゆる釣り条件と狙いとする
獲物の種類とに応じた非常に決めの細かい魚釣り用ウキ
の使い方が、限られた数の道具で即座に対応できること
になる。
【0048】仮に、釣り場において、魚の棚が水深2〜
5m前後にあると予想したとすれば、シャロータイプに
設定した重量調整錘体4を、その連結環部42で、サル
カン7を介して(釣糸を切断することなく)仕掛け8に
素早く連結し、シャローをを付けた仕掛けが潮の流れに
馴染むよう、予測ポイントの上流にキャスティングして
アタリを探り、釣れ始めれば、そのままの条件で釣りを
続行し、しばらくキャストを繰り返してもアタリがなく
なり、棚の位置が変わったようであれば、魚釣り用ウキ
を引き上げ、サルカン7からウキを外した後に、重量調
整錘体4をウキ本体1から螺解して取り外し、別の、例
えばサスペンド(水深5〜7m前後)に適合する重量調
整錘体4を螺合し、再度サルカン7に連結し、再度キャ
ストを繰り返してアタリを確認しながら棚を捜し続け
る。
【0049】釣りを続ける中に、棚の中でも最も魚の集
まるポイントを発見したが、潮流の速さが変化してしま
い、思うように刺し餌が潮に馴染まず、僅かに棚を外し
てしまうようなときには、再び仕掛けを引き上げてウキ
本体1を重量調整錘体4から取り外し、浮力調整用空間
部21および/または補助空間部44(45,46)に
充填体6および/または追加錘体7を装填する等して、
ウキの浮力や重量の微調整を行い、ウキの浮力を僅かに
低減する等、ウキの浮力および重量を緻密に変更するこ
とにより、更に微妙な潮流や棚の深さ位置に正確にキャ
スティングするようにして、狙いどおりの釣りが適格に
なし得るようにする。
【0050】なお、この発明の魚釣り用ウキを一般的な
ウキ釣りに適用する場合でも、基本的な作用は上記と同
様であって、トップ(水面付近)用のウキ本体1および
それ用に設定した重量調整錘体4を利用すれば足りるも
のであり、必要に応じて、ウキ本体1の浮力調整用空間
部21および/または重量調整錘体4の補助空間部44
に、装填体6および/または追加錘体7を適宜装填し
て、ウキ本体1標準浮力に対する負荷荷重を変更した
り、浮力の微調整をして最適な使用条件の魚釣り用ウキ
とする。
【0051】
【効果】以上のとおりの構成からなるこの発明の魚釣り
用ウキ、およびその浮力調整方法によれば、1個のウキ
本体に対し、適宜重量の異なる複数種の重量調整錘体の
中の1個を選択して取着することにより、水深の異なる
棚に的確にキャスティングすることが可能である上、浮
力調整用空間部および/または補助空間部に、充填体お
よび/または追加錘体を適宜装填することにより、重量
調整錘体の交換のみでは得ることの不可能であったウキ
の浮力および重量の微調整を実現可能とし、釣り人を、
従前までの多数のウキの携帯の不便さや、狙った棚にな
かなか刺し餌できないもどかしさから開放し、潮流の微
妙な変化にも迅速且つ緻密に対応できるという秀れた特
徴を発揮するものである。
【0052】また、幾つかの段階の目安浮力区分に従っ
た数種類のウキ本体(望ましくは、一般的区分に従った
トップ、シャロー、サスペンドおよびディープの少なく
とも4タイプのウキ本体)と、それらに共通する重量調
整錘体とを用意すると共に、装填体および/または追加
錘体を適宜範囲で併用するだけの極めて限られた道具と
して携行するようにすることにより、適度な飛距離を確
保できる上、所望する水深あるいはその前後にも正確に
留め置くことのできるという殆ど無限な範囲での使用が
できる魚釣り用ウキとすることが可能になり、従来まで
のウキでは、数限りなく買い揃えなければ得ることがで
きなかった様々な機能が、極めて簡便に得られることと
なって、携帯性や経済性にも秀れ、海、川、湖および湖
等何れの釣り場においても、迅速で、容易且つ安全な取
り扱いを可能にするという極めて実用的な魚釣り用ウキ
を実現することができるものである。
【0053】特に、図中に示されるこの発明を代表する
構成からなる魚釣り用ウキは、大きな浮力を必要とする
ウキ本体1の上体部11を桐等の軽量材から形成し、衝
撃に耐えるだけの耐久性を必要とすると共に、雌ネジ体
3の安定した埋め込みを実現しなければならない下体部
12には、樫もしくは強化プラスチック等硬質材を使用
して両者を強力に合体することにより、加工性が良く、
耐久性があり、安定した姿勢のウキ本体1を実現し得て
おり、しかも、穿り抜き部2が受け段部22の形成され
た二段穴構造とされていて、雌ネジ体3の埋め込み、固
定を確実なものにすると共に、雌ネジ体3雌ネジ形成面
が浮力調整用空間部21内壁面と面一状となる構造とし
てあって、装填体6および/または追加錘体7の装填、
取出し操作に都合の良いものとなっており、重量調整錘
体4の交換だけでは実現し得ない細かい浮力調整を実施
可能にするというこの発明の所期の目的の一つを達成す
る上でも極めて有利なものとなっている。
【0054】また、この実施例のもののように、殆ど同
一外観形状の重量調整錘体4となし、その環状鍔部43
の中央上端から突出、形成した雄ネジ部41が、その内
部を適宜容量だけ刳り抜かれて補助空間部44、45,
46とするか、全く補助空間部のないものにするかし
て、その重量を少なくとも4段階に区分されたものとし
た上、その補助空間部44、45,46(および/また
は浮力調整用空間部21)には、追加錘体7が適宜装填
できるようにしたものとして、道具点数を必要最小限の
ものに止めるようにしたことから、釣り場毎に様々に条
件が異なる釣りへの対応を楽になし得るようにする点に
おいても、極めて実用的なものとなっている。
【0055】叙上の如くこの発明の魚釣り用ウキ、およ
びその浮力調整方法は、その特徴ある構成によって、遍
く所期の目的を達成し、従前までのウキでは実現するこ
とが難しかった釣り場の様々な条件にも、簡便且つ迅速
に対処することを保証し、あらゆる条件下において、釣
人は安全な取り扱い操作で適格にポイントを攻めること
ができるようになり、期待どおりの釣果が得られること
となって、より一層釣りを楽しむことが可能になる上、
この発明の魚釣り用ウキは、構造が比較的簡潔で製造も
容易になり、比較的低廉に市場に提供でき、多くの釣人
から購入、使用され、その特徴ある釣りを実践可能とす
るものでもあり、したがって、釣人からは勿論のこと、
釣り具店その他釣り関係者からも高い評価がなされ、余
暇としての魚釣りの普及、拡大に大いに役立つものと予
想される。
【図面の簡単な説明】図面は、この発明の魚釣り用ウ
キ、およびその浮力調整方法の技術的思想を具現化した
代表的な実施例の幾つかを示すものである。
【図1】魚釣り用ウキの分解縦断面図である。
【図2】一部断面化して雌ねじ体と重量調整錘体との組
合せを示す説明図である。
【図3】充填体を装填した状態を示す魚釣り用ウキの断
面を含む正面図である。
【図4】充填体の斜視図である。
【図5】追加錘体を装填した魚釣り用ウキの断面を含む
正面図である。
【図6】他の魚釣り用ウキの分解縦断面図である。
【符号の説明】
1 ウキ本体 11 同 上体部 12 同 下体部 2 穿り抜き部 21 同 浮力調整用空間部(または装填空間部) 22 同 受け段部 23 同 取着穴部 24 同 開口縁 3 雌ネジ体 31 同 雌ねじ部 32 同 係合爪部 4 重量調整錘体 41 同 雄ネジ部 42 同 連結環部 43 同 環状鍔部 44 同 補助空間部(装填空間部) 45 同 補助空間部(装填空間部) 46 同 補助空間部(装填空間部) 5 パッキング体 6 充填体 61 同 大径部 62 同 小径部 7 追加錘体

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的軽量な素材からなる上体部と、比
    較的硬質な素材からなる下体部とを上下に一体結合して
    適宜外形のウキ本体となし、該ウキ本体の材心周りに
    は、下体部下面に開口すると共に、同奥部中途には受け
    段部が形成され、該受け段部から奥部であって上体部内
    部中途までを開口径よりも小径となるようにした穿り抜
    き部に穿設した上、同穿り抜き部の受け段部を規制箇所
    として雌ネジ体を嵌入、一体化し、受け段部よりも奥部
    となる小径の穿り抜き部に浮力調整用空間部を確保した
    ものとする一方、前記雌ネジ体の雌ネジ部へ螺合可能な
    雄ネジ部を上方外周面に形成すると共に、下方からは連
    結環部を突設、形成してなる別体の重量調整錘体を、少
    なくとも4個以上のものとして用意され、それらの中の
    1個を除く重量調整錘体の雄ネジ部軸心周りには、上方
    に開口する補助空間部の穿設されたものにすると共に、
    夫々の開口径および/または穴深さを変更したものと
    し、それらの中の何れかの重量調整錘体が適宜選択され
    て、前記雌ネジ体の雌ネジ部に螺合されてウキ本体に一
    体化され、重量調整錘体に設けた補助空間部が、穿り抜
    き部奥部の浮力調整用空間部に連続した空間となるよう
    にすることにより、実質的に浮力調整用空間部の容積を
    変更し得るものとしたことを特徴とする魚釣り用ウキ。
  2. 【請求項2】 ウキ本体の上体部が、比較的軽量な桐材
    その他の木材からなるものとし、同下体部が、比較的硬
    質の樫材その他硬質木材からなるものとした、請求項1
    記載の魚釣り用ウキ。
  3. 【請求項3】 重量調整錘体の雄ネジ部基部に環状鍔部
    が設けられ、該環状鍔部上か雌ネジ体下面の何れか一方
    にパッキング体が組み合わされ、該重量調整錘体の雄ネ
    ジ部が雌ネジ体に螺合されてウキ本体に一体化されたと
    きに、ウキ本体と重量調整錘体との間が水密構造となっ
    て、浮力調整用空間部を密閉状に保つようにした、請求
    項1または2何れか記載の魚釣り用ウキ。
  4. 【請求項4】 ウキ本体に形成された浮力調整用空間
    部、および/または重量調整錘体に形成された補助空間
    部に、適宜比重と大きさからなる充填体を着脱自在に装
    填し、浮力調整用空間部、および/または補助空間部内
    の空気を排斥することにより、浮力調整がなし得るよう
    にした、請求項1ないし3何れか記載の魚釣り用ウキ。
  5. 【請求項5】 重量調整錘体の雄ネジ部軸心周りに、適
    宜容積の装填空間部を穿設し、該装填空間部内に、追加
    錘体を着脱自在且つ安定した状態で装填し、浮力調整を
    なし得るようにした、請求項1ないし4何れか記載の魚
    釣り用ウキ。
  6. 【請求項6】 ウキ本体に浮力調整用空間部および/ま
    たは補助空間部、あるいは装填空間部が形成されると共
    に、適宜選択された重量調整錘体が雌ネジ体に螺合され
    てウキ本体に一体化されてなる魚釣り用ウキにおいて、
    選択された当該重量調整錘体を交換することなく、浮力
    調整用空間部および/または補助空間部内に適宜比重と
    大きさからなる充填体を装填するか、装填空間部(また
    は装填空間部を兼用する補助空間部)内に、粒状、粉
    状、または変形可能な板状もしくは棒状に形成された
    鉛、真鍮等比重の大きい固体の適量を、着脱自在且つ安
    定した状態で装填するか、あるいは、海水や淡水等適宜
    液体の適量を注入することにより、選択された当該重量
    調整錘体が抱える余分な浮力を適宜低下させ、重量調整
    錘体の交換では実現されない浮力の微調整をなし得るよ
    うにした、請求項1ないし5何れか記載の魚釣り用ウキ
    の浮力調整方法。
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