JP2022542587A - ウデナフィルを含む薬学的組成物 - Google Patents
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Abstract
ウデナフィルを含む薬学的組成物を開示する。
Description
関連出願の相互引用
本出願は、2019年7月26日付で出願された大韓民国特許出願第10-2019-0091056号に基づいた優先権の利益を主張し、当該特許出願の開示全体は、この明細書の一部として組み入れられる。
本出願は、2019年7月26日付で出願された大韓民国特許出願第10-2019-0091056号に基づいた優先権の利益を主張し、当該特許出願の開示全体は、この明細書の一部として組み入れられる。
[技術分野]
本発明は、活性成分としてウデナフィルを含有する薬学的組成物に関する。
本発明は、活性成分としてウデナフィルを含有する薬学的組成物に関する。
ウデナフィルは、5-[2-プロピルオキシ-5-(1-メチル-2-ピロリジニレンアミドスルホニル)フェニル]-1-メチル-1-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ビラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オンという名称の化合物であり、ホスホジエストラーゼ5型阻害剤であり、勃起不全の治療用の現在市販中の薬物である。ウデナフィルは、下記化学式の構造を有する:
大韓民国特許第10-0792126号及び第10-0496372号には、ウデナフィルの、肺動脈高血圧症、門脈高血圧症、前立腺肥大症の治療に関する使用が開示されており、大韓民国特許出願公開番号第10-2017-0066334号には、ウデナフィル組成物を用いて、フォンタン手術(Fontan procedure)を受けた患者の心筋性能を向上させる方法が開示されている。
フォンタン手術は、機能性単心室先天性心疾患を生まれ持った子供に対する緩和的外科手術法であって、右心室を使えない場合、右心房と肺動脈を直接連結する手術として始まった。このような手術は、右心室は、左心室とは異なり、肺動脈血流を維持するのに必ずしも必要ではないという発見に基づくものであった。フォンタン手術は、右室発育不全患者、三尖弁閉鎖症患者、及び心室が1つしかない単心室患者に適用されている。最近になって、外科手術法が大幅に改良され、大静脈から直接または導管(conduit)を用いて肺動脈に連結する技法が用いられている。
現在、勃起不全の治療として用いられているウデナフィルの剤形は、錠剤の剤形として商品化されており、嚥下困難患者及び乳幼児に投与し難い。
上述したフォンタン患者の場合、ウデナフィルの主な使用年齢層は、乳幼児期の子供から構成され、服用の便宜性向上のため、ウデナフィルは、錠剤より、液剤またはシロップ剤で剤形化することが好ましい。しかしながら、ウデナフィルを液剤またはシロップ剤で剤形化する場合は、ウデナフィル固有の強い苦味またはウデナフィルによる麻痺感が現れるという問題が生じる。
これにより、本発明者等は、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩を液体またはシロップとして剤形化した場合、苦味と麻痺感を遮蔽することにより、乳幼児患者の服薬順応度を向上させることが可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
したがって、本発明の目的は、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩を含有する経口用液剤(大韓民国薬典第11改訂に規定されている;例えば、液剤、懸濁剤、レモネード剤等を含む)またはシロップ剤を提供することである。
本発明の別の目的は、活性成分の均一性を向上させた、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩を含有する経口用液剤またはシロップ剤を提供することである。
本発明は、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と、pH調節剤と、シクロデキストリンまたはその誘導体とを含有する薬学的組成物に関するものである。
本発明の組成物は、フォンタン手術を受けた患者に投与するためのものであって、乳幼児患者への服用に便利な液剤またはシロップ剤であることが好ましい。
本発明の組成物は、さらに、粘度調節剤を含んでもよい。本発明における組成物の粘度は、400~4000cpsであることが好ましい。また、本発明の組成物のpHは、3~6の範囲内であることが好ましい。
本発明において、前記シクロデキストリン誘導体は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2,6-ジメチル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-7-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、(2-カルボキシメトキシ)プロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、及び2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンからなる群より選択される少なくても1種であってよい。
本発明において、前記ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と前記シクロデキストリンまたはその誘導体との重量比は、1:0.1~10であることが好ましい。
本発明において、前記粘度調節剤は、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカントガム、アラビアガム、ジェランガム、カラヤガム、ガティガム、タマリンドガム、タラガム、アカシアガム、キトサン、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコール、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポビドン、及びポリエチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
本発明において、前記pH調節剤は、クエン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リン酸、塩酸、及び酢酸からなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
本発明によるウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物は、薬物固有の苦味、及び薬物により生じる麻痺感を最小化して、主な服用対象である乳幼児患者及び嚥下困難のある患者の服薬順応度を向上させる。また、液剤またはシロップ剤の均一性を確保することで層分離が起こらず、流れ性が良好であることで優れた品質のウデナフィル含有液剤またはシロップ剤組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
薬学的組成物
本発明は、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と、pH調節剤と、シクロデキストリンまたはその誘導体とを含有する薬学的組成物に関するものである。
本発明は、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と、pH調節剤と、シクロデキストリンまたはその誘導体とを含有する薬学的組成物に関するものである。
本発明において使用される用語「薬学的に許容される塩」とは、医薬業界において通常用いられる塩を意味し、例えば、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等と形成される無機イオン塩;塩酸、硝酸、リン酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸、硫酸等と形成される無機酸塩;酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マイレン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、炭酸、バニリン酸、ヨウ化水素酸等と形成される有機酸塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等と形成されるスルホン酸塩;グリシン、アルギニン、リシン等と形成されるアミノ酸塩;及びトリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア、ピリジン、ピコリン等と形成されるアミン塩等が挙げられるが、列挙されたこれらの塩により、本発明で意味する塩の種類が限定されるものではない。
本発明の組成物は、フォンタン手術を受けた患者に投与するための薬学的組成物に関するものであって、フォンタン手術を受けた患者と関連する病態、症状及び/または副作用を治療または予防し、それにより、例えば、心拍出量を改善するか、肺血管抵抗を減少させるか、運動能力を増加させるか、心筋性能を改善するか、有酸素運動性能を改善することができる。
また、本発明の組成物は、勃起不全の予防または治療用の薬学的組成物に関するものであって、勃起不全患者(特に、嚥下が困難な患者)の服薬順応度を向上させる。
本発明において使用される用語「予防」とは、疾病、障害、または疾患の発病の遅延を意味する。疾病、障害、または病態の発病が予定された期間の間遅延した場合、予防は完全であるものとみなされ得る。
本発明において使用される用語「治療」とは、特定の疾病、障害、及び/または病態の発病を部分的にまたは完全に軽減、改善、緩和、遅延させるか、その進行を阻害するか、その重症度を減少させるか、少なくとも一つの症状または特徴の発生を減少させることを指す。
本発明の一実施態様において、本発明の薬学的組成物は、当業者が容易に実施することができる方法により、薬学的に許容される担体を用いて製剤化することにより、単位用量形態で製造されてもよく、または多用量容器内に含有されるように製造されてもよい。
本発明において使用される用語「担体」とは、細胞または組織内への化合物の追加を容易にする化合物を意味し、用語「薬学的に許容される」とは、生理学的に許容され、ヒトに投与されるとき、胃腸障害、めまいのようなアレルギー反応または類似した反応を起こさない添加剤を指す。
本発明の一実施態様において、前記薬学的に許容される担体は、製剤に通常用いられるものであって、例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイルを含むが、これらに制限されるものではない。本発明の薬学的組成物は、前記成分以外に、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、香味剤、乳化剤、懸濁剤、保存剤等をさらに含んでもよい。
本発明の一実施態様において、前記薬学的組成物に含まれる添加剤の含量は、特に制限されるものではなく、製剤に通常用いられる含量の範囲内で適宜調節されてもよい。
本発明の組成物は、意図された投与方式により、フォンタン手術を受けた乳幼児患者の経口服用に便利なように、液剤またはシロップ剤の剤形であることが好ましい。
本発明において使用される用語「投与」とは、任意の適切な方法で、対象または患者に所定の物質を提供することを意味する。目的とする方法に応じて、前記物質は、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、または局所に注射可能な剤形で適用)しても、経口投与してもよい。投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与時間、投与方法、排泄率、及び疾患の重症度に応じて、変動し得る。本発明の組成物は、経口投与することが好ましい。
本発明において使用される用語「経口服用」とは、活性物質が消化されるように製造された物質が吸収のための胃腸管に投与されることを意味する。本発明の薬学的組成物を経口服用のための形態に製剤化するために、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アミロペクチン、セルロース、またはゼラチン等のような結合剤;リン酸二カルシウム等のような賦形剤;トウモロコシ澱粉またはサツマイモ澱粉等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、またはポリエチレングリコール等のような潤滑油等を用いることが可能であり、甘味剤、芳香剤、シロップ剤等を用いることも可能である。さらには、カプセル剤の場合は、上記した物質以外にも、脂肪油のような液体担体をさらに用いることも可能である。
本発明の薬学的組成物の好ましい投与量は、患者の状態、体重、年齢、性別、健康状態、食事、及び体質特異性、製剤の性質、疾病の程度、組成物の投与時間、投与方法、投与期間または間隔、排泄率、ならびに薬物形態に応じて、変動し得、当業者により適宜選ばれてもよい。例えば、投与量は、約0.1~10,000mg/kgの範囲であってもよいが、これに制限されず、1日1回または数回に分けて投与されてもよい。
本発明の薬学的組成物は、2種の別個の製剤を含んでもよく、一つの製剤で構成されてもよく、これに限定されるものではない。
本発明において使用される用語「液剤」とは、医薬品を水または有機溶媒に溶解させることによって得られる経口服用の液状の薬を指す。前記液剤は、懸濁剤または固形剤に比べて、胃腸管から全身循環系への薬物の吸収がさらに効果的であるという利点を有する。前記液剤は、医薬品以外にも、追加の溶質を含んでもよく、色、におい、甘味、または安定性を与える添加剤を含んでもよい。
本発明において使用される用語「シロップ剤」とは、砂糖または砂糖代替剤の濃縮水溶液を指す。本発明において、前記シロップ剤は、不快な味、例えば、苦味のある薬物を服用しやすく製剤化した剤形である。前記シロップ剤は、特に、子供が服用するのに適した剤形である。本発明において、前記シロップ剤は、精製水及び抽出物以外に、砂糖または甘味と粘性を与えるために用いられる砂糖代替剤、抗菌性保存剤、甘味剤、香料(flavoring agent)、または着色剤を含んでもよいが、これに制限されるものではない。このようなシロップ剤に含まれてもよい甘味剤の例としては、スクロース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、アスパルテーム、ステビオサイド、フルクトース、ラクトース、スクラロース、サッカリン、またはメントールがあるが、これに制限されるものではない。
本発明の組成物は、粘度調節剤をさらに含んでもよい。本発明において、組成物の粘度は、400~4000cpsであることが好ましいが、これに制限されるものではない。また、本発明の組成物のpHは、3~6の範囲内であることが好ましいが、これに制限されるものではない。
本発明において使用される用語「cps」とは、粘度単位であるセンチボアズを意味する。
本発明において使用される用語「シクロデキストリン誘導体」とは、シクロデキストリンに由来する化合物または該化合物の一部を指す。
本発明において、前記シクロデキストリン誘導体としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2,6-ジメチル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-7-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、(2-カルボキシメトキシ)プロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、及び2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンからなる群より選択される少なくても1種であってよい。具体的には、γ-シクロデキストリンを単独で使用するか、α-シクロデキストリンとの組み合わせで使用することが好ましい。
本発明において、前記ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と前記シクロデキストリンまたはその誘導体との重量比は、1:0.1~10であることが好ましい。具体的には、ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と前記シクロデキストリンまたはその誘導体との重量比は、1:1~5であることがさらに好ましい。
本発明において使用される用語「粘度調節剤」とは、薬学的組成物内において液相と固相を結合して層分離なしに薬学的組成物を安定した状態に維持し、薬学的組成物の粘度を高めるために用いる物質を指す。
本発明において、前記粘度調節剤は、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカントガム、アラビアガム、ジェランガム、カラヤガム、ガティガム、タマリンドガム、タラガム、アカシアガム、キトサン、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコール、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポビドン、及びポリエチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種であってよいが、これに限定されるものではない。
本発明において使用される用語「pH調節剤」とは、薬学的組成物のpHを所望の値に調整するために用いられる賦形剤を指す。
本発明において、前記pH調節剤としては、クエン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リン酸、塩酸、及び酢酸からなる群より選択される少なくとも1種であってよいが、これに限定されるものではない。
フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全を予防または治療する方法
本発明は、前記薬学的組成物の治療学的に有効な量をヒトを含めた哺乳類に投与するステップを含む、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全を予防または治療する方法を提供する。
本発明は、前記薬学的組成物の治療学的に有効な量をヒトを含めた哺乳類に投与するステップを含む、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全を予防または治療する方法を提供する。
本発明において使用される用語「治療学的に有効な量」とは、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の予防または治療に有効な量であって、例えば、処置しようとする対象に投与される薬学的組成物の量を指す。この用語は、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の発生または再発を予防するか、前記疾患の症状を緩和させるか、前記疾患のあらゆる直接または間接的な病理学的結果を減少させるか、前記疾患の転移を予防するか、前記疾患の進行速度を減少させるか、前記疾患状態を軽減または一時的に緩和させるか、寛解または予後の改善を達成する薬学的組成物の量を包含し得る。すなわち、前記治療学的に有効な量は、前記薬学的組成物により、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の症状が好転または完治される全ての用量を包括するものと解釈されてもよい。
前記フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の予防または治療方法は、前記薬学的組成物を投与することにより、症状の発現前に疾病そのものを扱うだけでなく、その症状を阻害するか避けることも包含する。疾患の管理において、特定活性成分の予防的または治療学的用量の規模は、疾病または病態の性質及び深刻度、また、活性成分が投与される経路に応じて変動するであろう。用量及び用量の頻度はまた、個別患者の年齢、体重、及び反応に応じて変動するであろう。適した用量レジメンは、このような因子を十分考慮した上で当業者により、容易に選ばれ得る。また、本発明の予防または治療方法は、薬学的組成物と一緒に、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の予防または治療に役立つ追加の活性製剤の治療学的に有効な量の投与をさらに含んでもよい。追加の活性製剤は、薬学的組成物と一緒に、相乗効果または相加効果を示すことができる。
本発明において使用される表現「ヒトを含めた哺乳類」とは、ヒト、サル、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット等の哺乳類を含む。
薬学的組成物の使用
本発明は、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全製剤の製造に用いるための、前記薬学的組成物の使用を提供する。
本発明は、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全製剤の製造に用いるための、前記薬学的組成物の使用を提供する。
本発明は、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の治療のための前記薬学的組成物の使用を提供する。
フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全製剤の製造のための本発明の薬学的組成物は、許容される担体を含んでもよく、他の作用薬をさらに含んでもよい。
本発明の薬学的組成物、予防または治療方法、及び使用において言及された事項は、互いに矛盾しない限り同様に適用される。
[実施例]
以下、本発明の理解を助けるために実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。しかしながら、下記の実施例は、本発明の内容の例示であるだけで、本発明の範囲が、下記実施例により限定されるものではない。本発明の実施態様は、当業者に、本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
以下、本発明の理解を助けるために実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。しかしながら、下記の実施例は、本発明の内容の例示であるだけで、本発明の範囲が、下記実施例により限定されるものではない。本発明の実施態様は、当業者に、本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
試験例1:異なるpHでのウデナフィルの溶解度試験
pHによるウデナフィル(遊離塩基)の溶解度を評価するために、下記表1の製造例1~8を製造して溶解度試験を行った。試験結果を下記表2に示す。
pHによるウデナフィル(遊離塩基)の溶解度を評価するために、下記表1の製造例1~8を製造して溶解度試験を行った。試験結果を下記表2に示す。
製造例1~8の製造方法:
精製水5mlにpH調節剤を投入し、混合物を10分間撹拌した後、ウデナフィルを投入して、上記表1に示す溶液を製造した。それぞれの溶液を、2時間の間、撹拌後、サンプルを取得し、0.45μmPVDFシリンジフィルタでろ過し、溶解度試験を行ってpHを測定した(pH測定機器:pH2700、EUTECH、USA)。
精製水5mlにpH調節剤を投入し、混合物を10分間撹拌した後、ウデナフィルを投入して、上記表1に示す溶液を製造した。それぞれの溶液を、2時間の間、撹拌後、サンプルを取得し、0.45μmPVDFシリンジフィルタでろ過し、溶解度試験を行ってpHを測定した(pH測定機器:pH2700、EUTECH、USA)。
HPLC分析条件
検出器:UV detector(292nm)
カラム:Aegispak C18-F 5μm、4.6×150mm
カラムの温度:30℃
移動相:2.72gのKH2PO4を精製水(A);アセトニトリル(B);A:B=700:300の1Lに溶かす。
流量:1.0mL/min
注入量:10μL
検出器:UV detector(292nm)
カラム:Aegispak C18-F 5μm、4.6×150mm
カラムの温度:30℃
移動相:2.72gのKH2PO4を精製水(A);アセトニトリル(B);A:B=700:300の1Lに溶かす。
流量:1.0mL/min
注入量:10μL
ウデナフィルの水溶解度は、約0.12mg/mL(比較例1)であり、水に極難溶性であり、前記試験において、溶液のpHに応じて、ウデナフィルの溶解度が変化することが確認された。pHが6.83である製造例1において、溶解度が改善し、pHが低い製造例4(pH6.1)では、溶解度が大いに増加したことが認められた。しかし、pHが2よりも低い製造例7及び8では、溶解度は、pH3~6の範囲の製造例よりもわずかに低かった。
このような結果から、ウデナフィルは、pHが3~6である範囲において、溶解度が最も高いと裏付けることができる。
比較例1及び2の製造
下記表3の成分及び含量を用いて、精製水に加えたウデナフィルを添加することで組成物(比較例1)を製造し、pH調節剤でpHを調節してウデナフィルを完全に溶かすことで組成物(比較例2)を製造した。
下記表3の成分及び含量を用いて、精製水に加えたウデナフィルを添加することで組成物(比較例1)を製造し、pH調節剤でpHを調節してウデナフィルを完全に溶かすことで組成物(比較例2)を製造した。
製造方法:前記表3の各組成物を、下記製造方法の通りに製造した。
比較例1:精製水100mlにウデナフィルを投入し、20分間撹拌して製造した。
比較例2:精製水100mlにpH調節剤を投入して、この溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌して製造した。
比較例3及び4の製造
シクロデキストリンを含まないウデナフィルシロップ剤組成物(比較例3及び4)を、下記表4の組成で、それぞれ製造した。比較例3の組成物は、pH調節剤が含まれていないので、ウデナフィルが完全に溶解されていなかった。
シクロデキストリンを含まないウデナフィルシロップ剤組成物(比較例3及び4)を、下記表4の組成で、それぞれ製造した。比較例3の組成物は、pH調節剤が含まれていないので、ウデナフィルが完全に溶解されていなかった。
製造方法:前記表4の各組成物を、下記製造方法の通りに製造した。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する(但し、pH調節剤を含まない比較例3を製造するときは、このステップを省略する)。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)別途の精製水約40mLに甘味剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(iv)ステップ(ii)で混合した溶液をステップ(iii)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する(但し、pH調節剤を含まない比較例3を製造するときは、このステップを省略する)。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)別途の精製水約40mLに甘味剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(iv)ステップ(ii)で混合した溶液をステップ(iii)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
比較例5~15の製造
シクロデキストリンを含むウデナフィルシロップ剤組成物を、下記表5-1及び表5-2の組成で、それぞれ製造した。比較例5の組成物は、pH調節剤が含まれていないので、ウデナフィルが完全に溶解されていなかった。
シクロデキストリンを含むウデナフィルシロップ剤組成物を、下記表5-1及び表5-2の組成で、それぞれ製造した。比較例5の組成物は、pH調節剤が含まれていないので、ウデナフィルが完全に溶解されていなかった。
製造方法:前記表5の各組成物を、下記製造方法の通りに製造した。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する(但し、pH調節剤を含まない比較例5を製造するときは、このステップを省略する)。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)前記溶液を、60℃に加温しながら、シクロデキストリンを投入した後、20分間撹拌する。
(iv)別途の精製水約40mLに甘味剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(v)ステップ(iii)で混合した溶液をステップ(iv)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する(但し、pH調節剤を含まない比較例5を製造するときは、このステップを省略する)。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)前記溶液を、60℃に加温しながら、シクロデキストリンを投入した後、20分間撹拌する。
(iv)別途の精製水約40mLに甘味剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(v)ステップ(iii)で混合した溶液をステップ(iv)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
比較例16~23の製造
シクロデキストリン及びpH調節剤を含む下記表6のウデナフィルシロップ剤組成物を、製造した。
シクロデキストリン及びpH調節剤を含む下記表6のウデナフィルシロップ剤組成物を、製造した。
製造方法:前記表6の各組成物を、下記製造方法の通りに製造した。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)前記溶液を60℃に加温しながら、シクロデキストリンを投入した後、20分間撹拌する。
(iv)別途の精製水約40mLに甘味剤、粘度調節剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(v)ステップ(iii)で混合した溶液をステップ(iv)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)前記溶液を60℃に加温しながら、シクロデキストリンを投入した後、20分間撹拌する。
(iv)別途の精製水約40mLに甘味剤、粘度調節剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(v)ステップ(iii)で混合した溶液をステップ(iv)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
実施例1~20の製造
下記表7-1、表7-2、及び表7-3のウデナフィルシロップ剤組成物を製造した。
下記表7-1、表7-2、及び表7-3のウデナフィルシロップ剤組成物を製造した。
製造方法:前記表7の各組成物を、下記製造方法の通りに製造した。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)前記溶液を60℃に加温しながら、シクロデキストリンを投入した後、20分間撹拌する。
(iv)別途の精製水約40mLに甘味剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(v)ステップ(iii)で混合した溶液をステップ(iv)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
(i)精製水20mlにpH調節剤を投入し、10分間撹拌する。
(ii)前記溶液にウデナフィルを投入し、20分間撹拌する。
(iii)前記溶液を60℃に加温しながら、シクロデキストリンを投入した後、20分間撹拌する。
(iv)別途の精製水約40mLに甘味剤、保存剤を投入後、90℃以上に加温しながら、1時間以上撹拌して全て溶かす。
(v)ステップ(iii)で混合した溶液をステップ(iv)で製造した溶液と混合した後、撹拌し、冷やした後、精製水を最終容量100mlに達するまで投入し、各組成物を製造する。
試験例2:組成物に対する流れ性及び沈殿度の評価
前記比較例及び実施例の各組成物の粘度、pH値、相対的な流れ性、及び沈殿度を測定し、その結果を下記表8に比較して示した。
前記比較例及び実施例の各組成物の粘度、pH値、相対的な流れ性、及び沈殿度を測定し、その結果を下記表8に比較して示した。
A.粘度の測定
粘度測定器を用いて各組成物の粘度を測定した後、測定結果を下記表8に示す。
使用機器:LVDV-E、Brookfield、USA
スピンドル:S62
回転速度:30rpm
B.pHの測定
粘度測定器を用いて各組成物のpHを測定した後、測定結果を下記表8に示す。
使用機器:pH2700、EUTECH、USA
C.流れ性の比較
相対的な流れ性を比較するために、下記条件の傾斜路にそれぞれのサンプル1mlを流した後、底に到達する時間をサンプル間で比較し、結果を下記表8に示す。
傾斜路の材質:ポリプロピレン
傾斜路の角度:45°
傾斜路の長さ:10cm
D.層分離の評価
層分離を評価するために、それぞれのサンプルを室温で1ヶ月間放置後、目視観察により、層分離の有無を判定した。結果を下記表8に示す。
粘度測定器を用いて各組成物の粘度を測定した後、測定結果を下記表8に示す。
使用機器:LVDV-E、Brookfield、USA
スピンドル:S62
回転速度:30rpm
B.pHの測定
粘度測定器を用いて各組成物のpHを測定した後、測定結果を下記表8に示す。
使用機器:pH2700、EUTECH、USA
C.流れ性の比較
相対的な流れ性を比較するために、下記条件の傾斜路にそれぞれのサンプル1mlを流した後、底に到達する時間をサンプル間で比較し、結果を下記表8に示す。
傾斜路の材質:ポリプロピレン
傾斜路の角度:45°
傾斜路の長さ:10cm
D.層分離の評価
層分離を評価するために、それぞれのサンプルを室温で1ヶ月間放置後、目視観察により、層分離の有無を判定した。結果を下記表8に示す。
それぞれのサンプルに対して、粘度、pH、流れ性、層分離の程度を確認した結果、粘度が297cps以下である比較例3~19において、層分離が観察され、比較例3~19の各々で溶液の安定性がよくないことが確認された。
粘度が431cps以上であるサンプルでは、層分離なしに安定した状態であることが確認された。しかし、粘度が13000cps以上である比較例20~21の場合、傾斜路でもシロップ剤が殆ど流れないことが確認された。粘度が5210cps以上である比較例22及び23の組成物は、流れてはいるが、底まで到達する時間がそれぞれ1分40秒及び3分40秒であり、流れ性が極めて不良であることが確認された。このように流れ性が良くない液剤またはシロップ剤の場合、これらを小分けして服用する際、服用に不便を引き起こし、服用量が一定でないこともあり得るので、液剤またはシロップ剤としては不向きである。
試験例3:官能評価
健康な大人10名を対象として、各組成物について苦味と麻痺感に対する官能試験を実施した。試験結果を下記表9の評価基準により評価し、10名の平均値を、下記表10及び表11に示す。
健康な大人10名を対象として、各組成物について苦味と麻痺感に対する官能試験を実施した。試験結果を下記表9の評価基準により評価し、10名の平均値を、下記表10及び表11に示す。
官能評価の結果、精製水にウデナフィルを分散させた比較例1とpHを調節してウデナフィルを完全に溶かした比較例2は、いずれも強い苦味と麻痺感を示した。
シロップ剤の剤形で製造した比較例3及び4は、苦味が少し減少したが、生じた麻痺感は、比較例1及び2により生じたものとほとんど差はなかった。
比較例5及び6の組成物は、γ-シクロデキストリンを含んでいるが、完全に溶けずに分散しているウデナフィル粒子により、その苦味と麻痺感の評価値は、比較例2及び3のもとほとんど差はなかった。
残りの比較例及び実施例の組成物は、シクロデキストリンが添加されることにより、苦味と麻痺感が減少することが確認され、特に麻痺感が大いに減少することが確認された。
前記試験結果を下記表12のような基準に従って総合的に評価し、評価結果を下記表13に示す。
前記結果から、組成物の粘度が400cps以上であるとき、層分離が示されなかったが、粘度が極めて高い場合、流れ性が極めて低いことが確認され、このことから製品化し難くなるので、粘度の範囲は、400~4000cpsであることが適している。
官能評価の結果、シクロデキストリンを含む組成物では、苦味と麻痺感が大いに減少することが確認されたが、組成物のpHが高くて、ウデナフィルが全て溶けない場合は、シクロデキストリンを用いても、苦味と麻痺感は殆ど減少しないことが確認された。したがって、組成物のpHは、ウデナフィルの溶解度が最も高い範囲であるpH3~6の範囲が最も適している。
このような基準を満たした実施例1~20の組成物は、比較例1~23の組成物に対して、層分離、流れ性、苦味、麻痺感を含む全ての項目において満足のいく結果を示した。
試験例4:組成物の安定性試験
前記結果において全て適した結果を示した実施例6を選定した。安定性を評価するために、ストレス条件(60℃)及び加速条件(40℃、75%RH)下で、実施例6の外観(層分離)、含量、不純物、pH、粘度の評価を行った。試験結果を下記表14及び図1に示す。
前記結果において全て適した結果を示した実施例6を選定した。安定性を評価するために、ストレス条件(60℃)及び加速条件(40℃、75%RH)下で、実施例6の外観(層分離)、含量、不純物、pH、粘度の評価を行った。試験結果を下記表14及び図1に示す。
A.外観
目視で観察する。
B.含量及び不純物
シロップ組成物のウデナフィルの濃度:10mg/ml
サンプル調製:シロップ組成物を、ウデナフィルとして20mg取得し、100ml容量のフラスコに入れ、希釈液で80%を満たしてから、1時間撹拌後、溶液を希釈液で標線まで希釈し、0.45μmPVDFシリンジフィルタを用いて、濾過後、濾液を試験サンプルとして使用した。
HPLC分析条件
検出器:UV detector(292nm)
カラム:Aegispak C18-F 5μm、4.6×150mm
カラムの温度:30℃
移動相:2.72gのKH2PO4を精製水(A);アセトニトリル(B);A:B=700:300の1Lに溶かす。
流量:1.0mL/min
注入量:10μL
C.pHの測定
pHメータを用いて、pHを測定した。
使用機器:pH2700、EUTECH、USA
D.粘度の測定
粘度測定器を用いて、粘度を測定した。
使用機器:LVDV-E、Brookfield、USA
スピンドル:S62
回転速度:30rpm
目視で観察する。
B.含量及び不純物
シロップ組成物のウデナフィルの濃度:10mg/ml
サンプル調製:シロップ組成物を、ウデナフィルとして20mg取得し、100ml容量のフラスコに入れ、希釈液で80%を満たしてから、1時間撹拌後、溶液を希釈液で標線まで希釈し、0.45μmPVDFシリンジフィルタを用いて、濾過後、濾液を試験サンプルとして使用した。
HPLC分析条件
検出器:UV detector(292nm)
カラム:Aegispak C18-F 5μm、4.6×150mm
カラムの温度:30℃
移動相:2.72gのKH2PO4を精製水(A);アセトニトリル(B);A:B=700:300の1Lに溶かす。
流量:1.0mL/min
注入量:10μL
C.pHの測定
pHメータを用いて、pHを測定した。
使用機器:pH2700、EUTECH、USA
D.粘度の測定
粘度測定器を用いて、粘度を測定した。
使用機器:LVDV-E、Brookfield、USA
スピンドル:S62
回転速度:30rpm
安定性試験の結果、実施例の組成物は、外観、含量、不純物、pH、粘度を含む全ての項目において適した結果を示した。
本発明によるウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物は、薬物固有の苦味、及び薬物により生じる麻痺感を最小化して、主な服用対象である乳幼児患者の服薬順応度を向上させる。また、液剤またはシロップ剤の均一性を確保することで層分離が起こらず、流れ性が良好であることで優れた品質のウデナフィル含有液剤またはシロップ剤組成物を提供することができる。
Claims (15)
- ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と、pH調節剤と、シクロデキストリンまたはその誘導体とを含有する、薬学的組成物。
- フォンタン手術を受けた患者に投与するための、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 経口投与用の液剤またはシロップ剤である、請求項1に記載の薬学的組成物。
- さらに、粘度調節剤を含む、請求項3に記載の薬学的組成物。
- 粘度が400~4000cpsである、請求項4に記載の薬学的組成物。
- pHが3~6の範囲内である、請求項5に記載の薬学的組成物。
- 前記シクロデキストリン誘導体が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2,6-ジメチル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-7-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、(2-カルボキシメトキシ)プロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、及び2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンからなる群より選択される少なくても1種である、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 前記ウデナフィルまたはその薬学的に許容される塩と前記シクロデキストリンまたはその誘導体との重量比が、1:0.1~10である、請求項1に記載の薬学的組成物。
- 前記粘度調節剤が、寒天、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカントガム、アラビアガム、ジェランガム、カラヤガム、ガティガム、タマリンドガム、タラガム、アカシアガム、キトサン、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プロピレングリコール、ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポビドン、及びポリエチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の薬学的組成物。
- 前記pH調節剤が、クエン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リン酸、塩酸、及び酢酸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の薬学的組成物。
- フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症の予防または治療用である請求項1に記載の薬学的組成物。
- 勃起不全の予防または治療用である請求項1に記載の薬学的組成物。
- 薬学的組成物の治療学的に有効な量をヒトを含めた哺乳類に投与するステップを含む、フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全を予防または治療する方法。
- フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全用の製剤の製造に使用するための、前記薬学的組成物の使用。
- フォンタン(Fontan)疾患及びフォンタン疾患と関連した肺高血圧症または勃起不全の治療のための薬学的組成物の使用。
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