JP2022534273A - 乳脂肪画分を含む冷凍含気菓子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、脂肪及び甘味料を含む冷凍含気菓子であって、脂肪が、24~40の範囲の炭素数(「CN24~CN40」)を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数(「CN42~CN56」)を有するアシルグリセリドから構成される乳性脂肪画分を有し、ここで、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリド(「CN24~CN40:CN42~CN56」)のモル比は、1.10~1.40の範囲である冷凍含気菓子に関する。

Description

本発明は、乳性脂肪及び甘味料を含む冷凍含気菓子に関する。本発明はさらに、上記菓子を調製するのに好適なアイスクリーム混合物及び上記菓子を調製するための方法にも関する。
冷凍含気菓子は、全世界で人気がある。それらは、典型的に、スナック又はデザートとして食されている。冷凍含気菓子は、典型的に、例えば、炭水化物甘味料、例えば、砂糖などの甘味料を含有する。冷凍菓子の重要なサブカテゴリーは、アイスクリームであり、これは、さらに乳性脂肪と、任意選択で乳タンパク質も含有する菓子である。様々な国での食品規制は、最小要件に関して異なっている。多くの管轄区域では、アイスクリームは、そのようなラベル付けを可能にするために、8パーセント又は10パーセントのいずれかの最小脂肪含量を有する必要があり、そうでなければ、低脂肪アイスクリームとラベル付けされる。
法域に応じて、ライトアイスクリーム、低脂肪アイスクリームなど(H.D.Goff,AgroFood industry hi-tech - July/August 2009,vol 20n4,pp43-45を参照)。本開示の目的のために、菓子はアイスクリームとみなされるために、乳性脂肪を含有する必要があることを意味する食品情報規制(Food Information Regulation)、(EU)No 1169/2011が適用される。ミルクアイスは、少なくとも2.5wt%の乳性脂肪を含有する必要があり、非乳性脂肪は含まない。乳製品アイスクリームは、少なくとも5wt%の乳性脂肪を含有し、非乳性脂肪は含まないアイスクリームである。さらに、アイスクリームなどの冷凍菓子は、タンパク質源を含有し得るが、これは、乳タンパク質又は植物性タンパク質(例えば、ダイズ、カシュー、ココナッツ又はアーモンド)であってもよい。さらに、香味剤、並びに着色剤及び/又は安定剤が存在してもよい。通常、冷凍菓子は、材料の液体ミックスを調製するステップ、液体ミックスを攪拌して、空気を取り込むステップ、及び水の凝固点未満で混合物を冷却するステップによって製造される。
伝統的に、冷凍菓子用の乳性脂肪は、材料として酪農牛乳又は乳性クリームを使用することにより提供される。しかし、無水乳脂肪(AMF)を使用することも可能である。乳性脂肪は、菓子の風味、滑らかで、コクがあり、濃厚且つクリーミィな口当たりに寄与する。
概して冷凍菓子の欠点は、それらが出されて、消費される温度で菓子が溶け、そのために、無駄や、菓子を食べている際の液だれのような悪影響が起こることである。原則として、菓子をより低温に凍結することにより、この問題に対処することが考えられ得るが、これは、形態構造(例えば、結晶相)などの菓子の物理化学的性質に影響するだけではなく、官能的評価にも悪影響を及ぼす。
さらには、部分的解凍時の急速な乳清喪失も、アイスクリームのような冷凍菓子の貯蔵寿命に有害である。その貯蔵寿命中に、冷凍菓子は、消費者又は小売店での最適下限貯蔵条件のために、製品にダメージをもたらす可能性がある条件に頻繁に曝され得る。これによって、冷凍菓子の乳清が喪失し、引いては、不要な冷凍乳清層や、残った菓子の乾燥及び粘稠度の喪失を引き起こし得る。
欧州特許第3289884号明細書は、乳脂肪、乳タンパク質及び乳炭水化物を含み、任意選択で乳化剤を含有する加工食料製品の調製に使用される酪農食品組成物を開示している。好ましくは、酪農食品組成物の調製に使用することができる乳脂肪は、以下に記載する主要トリグリセリド(TG)含量を有する:
Figure 2022534273000001
日本国特許第2007/282535号明細書は、通常の温度範囲(約15~35℃)での良好な形状保持、口の中での良好な溶けやすさ、及び優れたフォーミング(泡立ち)を備える油及び脂肪組成物に関する。これは、油及び脂肪中の全トリグリセリドを構成する総脂肪酸残基が、30~60質量%であることを開示している。42~49のトリグリセリドの割合は、脂肪及び油中の全トリグリセリドの20~45質量%であり、脂肪及び油中の個別のトリグリセリドを構成する脂肪酸残基の炭素原子の総数は、50~62である。
国際公開第2006/066979号パンフレットは、少なくとも40%のオーバーラン及び2~20%(冷凍含気菓子の重量当たり)の量の脂肪成分を有する冷凍含気菓子に関し、上記脂肪成分は、脂肪酸のトリグリセリドを含有し、ここで、トリグリセリド中の脂肪酸の55%以下(脂肪酸の重量当たり)が飽和であり、8%未満(トリグリセリドの重量当たり)のトリグリセリドが、長鎖SSSトリグリセリドであり;上記菓子は、5℃で固体である脂肪のパーセンテージと、飽和トリグリセリド中の脂肪酸のパーセンテージ(脂肪酸の重量当たり)の比が1を上回り、且つ脂肪成分が、最大60(重量)%のココアバター又はシアナッツ油を含むことを特徴とする。
本発明の目的は、融解の悪影響を低減する満足な官能特性を備える冷凍含気菓子を提供することである。これは、融解速度が低下した冷凍含気菓子を提供することによって達成できることが見出された。
従って、本発明は、特定の乳性脂肪画分及び甘味料を含む冷凍含気菓子に関する。上記特定の乳性脂肪画分は、24~40の範囲の炭素数(「CN24~CN40」)を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数(「CN42~CN56」)を有するアシルグリセリドから構成され、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリド(「CN24~CN40:CN42~CN56」)のモル比は、1.10~1.40の範囲である。より具体的には、本発明は、脂肪及び甘味料を含む冷凍含気菓子に関し、脂肪は、24~40の範囲の炭素数(「CN24~CN40」)を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数(「CN42~CN56」)を有するアシルグリセリドから構成される乳性脂肪画分を含み、ここで、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリド(「CN24~CN40:CN42~CN56」)のモル比は、1.10~1.40の範囲である。
本発明は、さらに、本発明の冷凍含気菓子を調製するのに好適な製菓ミックスにも関する。製菓ミックスは、典型的に、少なくとも甘味料及び乳性脂肪画分を含む液体ミックスで、これは、含気及び凍結させることで、冷凍菓子を形成する。製菓ミックス中の乳性脂肪画分は、1.10~1.40の範囲の24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドとのモル比(「CN24~CN40:CN42~CN56」)を有する。
特定の実施形態では、製菓ミックスは、粉末などの乾燥製品であり、少なくとも甘味料と乳性脂肪画分を含む。上記乾燥製品は、水に溶解又は分散させて、液体ミックスを形成することができ、これを含気及び凍結させることで、冷凍菓子を形成する。製菓ミックスは、アイスクリームなどの冷凍菓子の製造にそのまま使用することができる。或いは、乳性脂肪画分は、1つ若しくは複数の他の脂肪供給源、特に、不分別乳脂肪、乳性クリーム、バター、乳性スプレッド及び無水乳脂肪からなる群から選択される1つ若しくは複数の脂肪供給源と組み合わせて使用される。また、製菓ミックスと組み合わせて、植物性脂肪供給源を含有させることも可能である。
本発明は、さらに本発明の冷凍含気菓子を調製する方法に関し、これは、以下:
-24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、から構成される乳性脂肪画分であって、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドのモル比(「CN24~CN40:CN42~CN56」比)が、1.1~1.4の範囲である乳性脂肪画分を含有する脂肪、水、及び1若しくは複数種の別の菓子材料を用意するステップ、
-得られた混合物を均質化するステップ、及びその後
-均質化した混合物を含気及び凍結させるステップ
を含む。
実施例において、及び図1により示されるように、AMF(参照標準、1.06のCN24~CN40:CN42~CN56比)から製造された冷凍含気菓子と比較して、1.10~1.40の範囲のCN24~CN40:CN42~CN56比を有するアシルグリセリドから構成される特定の乳性脂肪画分を含む冷菓(変形2及び3)を製造した場合に、融解挙動が改善されるのに対し、それより高いCN24~CN40:CN42~CN56比(態様4:1.42の比)を有する乳性脂肪で製造したアイスクリームは、参照標準より高い融解速度を有した。図1は、初期融解速度(氷結晶が水に融解する)にほとんど又は全く差がないことを示す。水が融解すると、原理上、アイスクリームの構造によって、水相がフォーム(泡)構造に物理的に結合されるか否かが左右される。水相の融解後に到達するプラトー値は、アイスクリームマトリックス中に乳清を保持することができる融解したアイスクリームの構造によって決定される。従って、図1は、融解条件に曝露されたとき、参照標準(AMF)及び態様4(比較例)と比較して、本発明の冷凍含気菓子(態様2及び3)では乳清喪失がかなり低減されることを示す。これは、とりわけ、例えば、貯蔵及び/又は輸送中の温度の変化に曝露されたとき、冷凍含気菓子を品質低下に対して低脆弱性にすることから、重要な利点である。
さらに、これが、非乳性脂肪を一切使用せずに達成できることも利点である。本発明で使用される特定の乳脂肪画分は、中でも、乳性脂肪画分は、乳性脂肪自体に存在する香味成分のためだけではなく、それが、菓子の融解挙動に寄与することから、菓子の官能特性に対するその特有の寄与のために好ましい。例えば、乳性脂肪画分は、菓子の融解に対する高い耐性に寄与し得るが、これが、今度は、特に-4℃~+30℃の範囲の温度(脂肪に含まれる香味成分の放出は、液体脂肪の量に依存する)での香味成分(非乳性香味成分を含む)の特徴的な放出に寄与する。この温度範囲内で、脂肪の性質は、口内で脂肪球が部分的合体して、脂肪膜で口内の表面を覆い、脂肪球による潤滑が起こるために、クリーミィ性にも寄与する。さらに、本発明で使用される特定の乳脂肪画分は、冷凍菓子の調製工程においても有利であり、これは、菓子の製造工程及び/又は十分に硬く、且つ安定した制御可能なオーバーランを用いたホイッピングによる安定なフォーム状エマルジョンの形成工程中に、脂肪相を和らげ、脂肪相を部分的に結晶化させて、部分的合体を促進する役割を果たす。
本発明によるいくつかの冷凍菓子、参照標準製品、及び本発明によるものではない別の製品の融解挙動のグラフを示す。
別に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される用語「又は」は、別に指定されない限り、「及び/又は」を意味する。
本明細書で使用される用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、別に指定されない限り、「少なくとも1つの」を意味する。
用語「実質的(に)」又は「本質的(に)」は、本明細書では概して、それが、明示される一般的特徴又は機能を有することを意味するために使用される。定量可能な特徴を指す場合、これらの用語は、特に、それが、その特徴の最大値の少なくとも75%、より具体的には少なくとも90%、さらに具体的には少なくとも95%、さらに具体的には少なくとも99%を表すことを示すために使用される。
用語「本質的に含まない」は、本明細書では概して、或る物質が存在しない(有効出願日に利用可能な分析技術で達成され得る検出限界値以下)か、又は上記物質を本質的に含まない製品の特性に有意に影響しないような低い量で存在することを示すために使用される。実際には、定量用語において、製品は、通常、以下の場合に、物質、特に水を本質的に含まないとみなされる:物質の含量が、それが存在する製品の総重量に基づいて、0~0.5wt.%、特に0~0.2wt.%、とりわけ0~0.1wt.%である。当業者には理解されるように、特定の香料又は微量栄養素などの特定の物質の場合、出発材料中の存在は、0.5wt.%、0.2wt.%、若しくは0.1wt.%を十分に下回り得るが、それでも製品の特性に対して有意な影響を有する。
或る値に関して「約」という用語は、一般に、当業者には理解される通り、当該値前後の範囲を含む。具体的には、その範囲は、当該値の少なくとも15%下から少なくとも15%上まで、より具体的には、当該値の少なくとも10%下から少なくとも10%上まで、さらに具体的には当該値の少なくとも5%下から少なくとも5%上までである。
本明細書で使用される場合、パーセンテージは、別に指定されない限り、通常、重量パーセンテージである。パーセンテージは、別に指定されない限り、通常、総重量に基づく。
物質(例えば、製菓ミックス)の「乾燥重量」とは、水(あらゆる物質の状態で)を除いた物質の全成分の重量を意味する。
単数形の或る「名詞」(例えば、化合物、添加物など)に言及する場合、別に指定されない限り、複数形が含まれることが意図される。
明瞭化及び簡潔な説明のために、特徴は、同じ又は個別の実施形態の一部として本明細書に記載されるが、本発明の範囲は、記載される特徴の全部又は一部の組み合わせを有する実施形態を含み得ることは理解されよう。
用語「脂肪酸」は、一般に、特にアシルグリセリドの一部として、別の有機部分に結合した遊離脂肪酸及び脂肪酸残基の種類として本明細書で使用される。
乳脂肪は、乳汁の脂肪相である。乳脂肪は、トリグリセリドと他の脂質成分の複合混合物である。乳脂肪は、典型的に、大部分が、トリグリセリド(例えば、約98%)から構成される。トリグリセリドは、グリセロールと3つの脂肪酸から得られるエステルである。トリグリセリドは、一般に、26~54の範囲の炭素数を有する。本明細書全体を通して、「トリグリセリド」及び「アシルグリセリド」は、類義語として使用されることが留意される。当業者であれば、特定のトリグリセリドの「炭素数」(CN)は、グリセロール単位の炭素原子を計数することなく(又は、言い換えれば、トリグリセリド分子の3つの脂肪酸鎖中の炭素数の総数を計数するだけで)、上記トリグリセリド分子中の炭素原子の総数を定義することを理解されよう。
トリグリセリドの分析のための標準的な方法は、AOCS Official Method Ce 5-86-ガスクロマトグラフィーによるトリグリセリドであり、これは、IUPAC 2.323方法と同じである。
特に、牛乳由来の乳脂肪の場合、通常は炭素数分布は、2モードであり、即ち、乳脂肪は、比較的高い含量の比較的小さいアシル基(4~6炭素)、比較的高い含量の比較的大きいアシル基(少なくとも14炭素)及び比較的低い含量の中間長さ(8~12炭素)のアシル基を含む脂肪酸を有する。
本発明者らは、乳脂肪の24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドとのモル比(即ち、CN24~CN40:CN42~CN56比)が変動しやすく、乳汁を提供する動物、その栄養及び季節要因に左右されることを見出した。
トリグリセリド以外にも、乳脂肪は、典型的に、いくつかの微量成分、例えば、コレステロール、脂溶性ビタミン、遊離脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、及び他の様々な有機成分、例えば、ラクトン、ケトン及びアルデヒドを含有し、これらは、乳脂肪の特徴的な香味又は芳香に寄与する。乳脂肪(乳汁から単離された)は、例えば、本質的に無水の形態で市販されており、その製品は、一般に、無水乳脂肪(AMF)として知られている。
用語「乳性脂肪」は、乳脂肪の1種として、また、乳脂肪の部分を表すために使用される。こうした部分は、任意の乳脂肪画分、乳脂肪画分の組み合わせ又は乳脂肪画分と乳脂肪の組み合わせ、とりわけ乳脂肪のOS-画分と乳脂肪の組み合わせであってよい。
用語「OS-画分」、又は略して「OS」は、乳脂肪分別、即ち融解温度に基づく分別(溶媒結晶化とは反対に、溶融結晶化としても知られる乾式分別)から画分を取得する公知のプロセスから得られる。このプロセスは、単一ステップ分別又は多重ステップ分別であり得る。各分別ステップにおいて、液相(この画分は典型的に、オレイン酸(トリグリセリドとして結合される)が豊富であるため、「オレイン」の「O」として記し、これは長鎖不飽和脂肪酸含量を示す)と固相(この画分は典型的に、ステアリン酸(トリグリセリドとして結合される)が豊富であるため、「ステアリン」の「S」として記し、これは長鎖飽和脂肪酸含量を示す)。多重ステッププロセスでは、前分別ステップで得られた画分の少なくとも1つを少なくとも1つの更なる分別に付し、それによって別の流体画分と別の固体画分を得る。得られた画分は、最終脂肪画分が得られる、後の分別に基づいて名付けることができる(Deffense,E.M.J.(1987),Fat Sci.Technol.,89,502-507を参照)。従って、OOは、第1乾式分別ステップから得られた流体画分の乾式分別後に得られる流体画分であり、OSは、第2分別ステップ後の固体画分となる。別の例として:OOOは、三重乾式分別プロセスの流体画分であり、その場合、第1分別の液相(O)は、第2乾式分別ステップに付され、第2分別の液相(OO)は、第3分別に付された。溶融結晶化による乳脂肪の画分の取得についてのさらに詳細は、以下に記載する。
用語「脂肪製品」は、本明細書において、少なくとも実質的に脂肪から構成される組成物を表すために使用される。
脂肪酸含量及び炭素数は、水素炎イオン化検出(GC-FID)を用いたガスクロマトグラフィーにより決定することができる。前述のように、トリグリセリドの分析のための標準的な方法は、AOCS Official Method Ce 5-86-ガスクロマトグラフィーによるトリグリセリドであり、これは、IUPAC 2.323方法と同じである。脂肪酸含量を決定しようとする物質をまず加水分解に付して、遊離脂肪酸を取得し、続いて、そのメチルエステルを調製する。次に、脂肪酸(クロロホルムに溶解)をGCに注入して、それらのメチルエステルとして測定する。炭素数は、アシルグリセリドのモルに基づく(即ち、それはモル比に基づく)。用語「脂肪酸含量」は、本明細書において、重量に基づき、脂肪酸メチルエステルとして計算される。
冷凍含気菓子は、原則として、乳性脂肪を用いて製造されるあらゆる種類の冷凍含気菓子であってもよい。含気菓子は、当技術分野で周知されているように、オーバーランを有する。オーバーランは、典型的に、菓子の種類に応じて選択され、オーバーラン値も周知されている。一般に、製品のオーバーランは、10~300%の範囲であり、好ましくは25~250%の範囲である。例えば、本発明のアイスクリームの場合、50~150%の範囲のオーバーランが特に好ましい。
典型的には、冷凍菓子は、アイスクリーム、冷凍カスタード、冷凍ヨーグルト、ジェラート、アイスミルク、クルフィからなる群から選択される菓子である。特に、良好な結果が、アイスクリームで達成されている。好ましくは、アイスクリームは、スクーピングアイスクリーム(オランダ語:「schepijs」)、ジェラート、ソフトアイスクリーム又はアイスクリームを含む1食単位、例えば、アイスキャンディー(棒の付いたアイスクリーム)、アイスクリームコーン、アイスクリームサンドイッチ、ポップアイスクリームなどである。ソフトアイスクリームは、ソフトサーブ(アイスクリーム)としても知られ、通常のスクーピングアイスクリームよりも柔らかいタイプのアイスクリームである。これは、多くの場合、販売/消費の前に直接、(冷却)非冷凍アイスクリームミックスから新しく冷凍される。ソフトアイスクリームの脂肪含量は、通常は比較的低く、特に約3~約6wt.%である。ジェラートは、典型的に牛乳を基材として製造されるタイプのアイスクリームである。乳性脂肪含量は、典型的に少なくとも3.5wt.%である。
菓子は、一般に、ほぼ中性pH又は酸性pHを有する製品である。様々なアイスクリーム製品を含む大部分の用途について、pHは、通常、6~7の範囲である。具体的な実施形態では、冷凍菓子は、4.0~6.5の範囲のpHを有する。冷凍ヨーグルトなどについては、4.0~6.5の範囲のpHが一般的であり、その場合、pHは、約4.4であるのが好ましい。
通常、本発明で使用される乳性脂肪画分は、ウシ乳脂肪、好ましくは、牛乳由来の脂肪から得られる。スイギュウ由来の脂肪は、もう1つの特に有用な出発材料である。或いは、乳性脂肪画分は、特に、別の有蹄類、例えば、ヒツジ、ヤギの乳汁又はラクダの乳汁から取得され得る。また、様々な種の哺乳動物からの乳汁由来の乳性脂肪の混合物を使用することも可能である。
定量的に、本発明の菓子又は本発明の菓子を調製するためのミックスの脂肪含量、特に乳性脂肪画分の含量は、目的とする製品に応じた一般的な知識に基づき、例えば、製品を例えばジェラート又は乳製品アイスクリームとしてのラベル付けに関する国内規定に基づいて、広範囲に選択することができる。比較的高い含量は、典型的に、濃厚でクリーミィな菓子の場合に選択される。原則として、菓子は、1~2wt.%のように、比較的低い脂肪含量を有し得る。しかし、通常、脂肪含量は、少なくとも2.5wt.%、好ましくは3.0~30wt.%、より好ましくは5.0~25wt.%、さらに好ましくは約6~23wt.%、特に約8~約21wt.%、とりわけ約10~約18wt.%、例えば約12~約18wt.%である。具体的な実施形態では、脂肪含量は、6~12wt.%の範囲である。脂肪の一部は、原則として非乳性脂肪であってもよい。しかし、中でも、融解挙動及び官能特性に関しての優れた結果は、脂肪が本発明の特定の乳性脂肪画分から構成される食品組成物で達成されている。従って、一般に、本発明の菓子又は本発明の菓子を調製するためのミックス中の乳性脂肪画分の含量は、総脂肪含量の50~100wt.%、好ましくは80~100wt.%、より好ましくは95~100wt.%、特に98~100wt.%である。概して、総脂肪含量の90wt.%超、好ましくは95wt.%超、特に少なくとも98wt.%が、トリグリセリドにより形成される。存在し得る1つ又は複数の微量成分は、典型的に、乳脂肪中に存在するものである。
脂肪組成物の重要な特徴は、24~40の範囲の炭素数(「CN24~CN40」)を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数(「CN42~CN56」)を有するアシルグリセリドから構成される乳性脂肪画分の存在であり、その際、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリド(「CN24~CN40:CN42~CN56」)のモル比は、1.14~1.38の範囲、好ましくは1.16~1.32の範囲、とりわけ1.18~1.30の範囲である。典型的に、乳脂肪のOS画分は、本発明の組成物の調製に特に好適である。乳脂肪のOS画分は、典型的に、それが得られる乳脂肪よりも高いCN24~CN40:CN42~CN56比を有する。
本発明の菓子又は本発明の菓子を調製するためのミックスのCN24~CN40:CN42~CN56比は、高度融解乳脂肪画分、例えば、溶融結晶化によって得られる、乳脂肪のステアリン(S)画分などの上記比より高い。乳脂肪中のステアリン画分の含有は、より高度の融解脂肪をもたらし、乳脂肪と比較してCN24~CN40:CN42~CN56比の低下を招く。例えば、溶融結晶化によって得られる乳脂肪のオレイン画分(特にOS-画分)を含有させることにより取得され得る本発明の冷凍菓子中の脂肪は、より低度の融解脂肪をもたらし、乳脂肪と比較してCN24~CN40:CN42~CN56比が上昇するため、乳脂肪のS-画分の使用とは反対の方向にある。本発明者らは、上記の比の増加、並びにそれによる脂肪相の融解温度の低下が、本発明者らにより見出された効果を有することが、とりわけ驚くべきことと考える。なぜなら、乳脂肪より低い融解温度を有する別の乳性脂肪画分には効果がなかったからである(態様4、即ち、乳脂肪のOOO画分)。
実施例及び図1に示すように、1.10~1.40の範囲のCN24~CN40:CN42~CN56比を有する乳性脂肪画分を含む本発明の冷凍菓子は、融解条件に曝露されたとき、脂肪がAMFであるか、又は上記比が上記範囲外である乳脂肪の画分である同等の冷凍菓子よりも低い乳清喪失傾向を有する。これにより、消費前、又は消費中の温度変動に起因する有害な作用に対してその脆弱性が低くなることから、冷凍菓子はより頑健となる。好ましくは、CN24~CN40:CN42~CN56は、少なくとも1.14、より好ましくは少なくとも1.16、特に少なくとも1.18である。とりわけ、約1.20以上のCN24~CN40:CN42~CN56、より具体的には少なくとも1.22のCN24~CN40:CN42~CN56で、優れた結果が達成されている。また、請求される範囲の上限付近で、乳清喪失傾向の低減がより顕著であるため、アイスクリームの安定性に寄与している(例えば、OSとAMFの混合物ではなく、100%OSを用いた場合)。CN24~CN40:CN42~CN56モル比がそれ以上増加すると、官能特性への悪影響以外に、過剰な融解速度をもたらし得る。それを考慮して、モル比:CN24~CN40:CN42~CN56は、有利には1.39以下、好ましくは1.38以下、特に1.36以下、とりわけ1.32以下;具体的な実施形態では、モル比:CN24~CN40:CN42~CN56は、1.30以下、1.29以下又は1.28以下である。
飽和脂肪酸(SAFA)残基の総含量は、通常、68wt.%超、好ましくは少なくとも71wt.%、特に少なくとも71wt.%である。通常、飽和脂肪酸残基の総含量は、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、80wt.%未満、特に78wt.%以下である。
一価不飽和脂肪酸(MUFA)の総含量は、通常、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、18~26wt.%の範囲、好ましくは20~25wt.%の範囲、特に21~25wt.%の範囲である。
多価不飽和脂肪酸(PUFA)の総含量は、通常、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、約4wt.%以下、特に2.0~2.6wt.%の範囲である。
乳脂肪のSAFA/(PUFA+MUFA)の重量/重量比は、変動しやすく、乳汁を提供する動物、その栄養及び季節要因に左右される。本発明者らは、オランダ乳牛亜種(Dutch cow variety)からの牛乳の場合、上記比が、夏期より冬期に高いことを見出した。オランダ乳牛亜種からの冬期牛乳由来の乳脂肪中、上記比は、2.9に達する高さであろう。しかし、その夏期牛乳由来の乳脂肪において、上記比は、かなり低い(例えば、2.41)。
通常、本発明の菓子又はミックス中の脂肪、特に乳性脂肪のSAFA/(PUFA+MUFA)の重量/重量比は、2.4~4.0の範囲、好ましくは2.6~3.9の範囲、より好ましくは2.8~3.8の範囲、さらに好ましくは2.95~3.75の範囲、特に3.0~3.75の範囲、とりわけ3.0~3.5の範囲である。
本発明の冷凍菓子又は製菓ミックスは、さらに好ましくは、乳脂肪と比較して、比較的高い含量の比較的短鎖の脂肪酸を特徴とする。
C4:0脂肪酸含量は、通常、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、少なくとも3.5wt.%、好ましくは4.0~5.0wt.%の範囲である。
C6:0脂肪酸含量は、通常、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、少なくとも2.0wt.%、好ましくは2.0~3.0wt.%の範囲である。
C8:0脂肪酸含量は、通常、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、少なくとも1.0wt.%、好ましくは1.2~1.5wt.%の範囲である。
特に、植物性脂肪を基材とする公知の組成物と比較して、8~12炭素の炭素鎖長を有する脂肪酸残基の含量は、通常驚くほど低いが、冷凍含気菓子について優れた特性を達成する。C12:0脂肪酸含量は、食品組成物の総脂肪酸含量に基づいて、好ましくは、6.0wt.%未満、特に1.0~5.0wt.%である。8~12炭素の炭素鎖長を有する脂肪酸残基の含量は、総脂肪酸含量に基づいて、好ましくは、12wt.%未満、特に5.0~9.0wt.%である。
総アシルグリセリドに基づいて、36~38の炭素数を有するアシルグリセリドの総含量は、一般に、少なくとも30mol%、好ましくは32~45mol.%、特に34~42mol%である。
総アシルグリセリドに基づく、52~54の炭素数を有するアシルグリセリドの総含量は、一般に、2.0~10mol%、好ましくは2.5~8mol%、特に3.0~7.0mol%である。
本発明の冷凍菓子又は製菓ミックスの脂肪相は、通常、23℃~38℃の範囲の最終融解温度を有する。最終融解温度は、パルスNMR又はDSCを用いた固相含量測定により決定することができる。この目的のために、標準化方法が利用可能であり、国際公開第2013/151423A1を参照されたい。特に、2000年に改訂されたAOCS Cd 16b-93を使用することができる。
菓子又はミックスは、一般に、乳化剤を含む。乳化剤は、水相中の脂肪の乳化を促進する。この目的で、乳化特性を備えるタンパク質、例えば、乳性タンパク質(乳漿タンパク質、カゼイン、カゼイン塩)が特に好適である。乳漿タンパク質又はカゼイン/カゼイン塩は、少なくとも実質的に純粋な形態で、例えば、乳漿タンパク質単離物、乳漿タンパク質濃縮物、ミセラカゼイン単離物、カゼイン濃縮物若しくはその画分(例えば、β乳清タンパク質、乳漿タンパク質)として、又は混合物として、例えば、乳汁、乳タンパク質濃縮物若しくは粉乳、特にスキムミルク若しくはスキムミルク粉末として、又はバターミルク若しくはバターミルク粉末、特にスイートバターミルク若しくはスイートバターミルク粉末として、含有させることができる。これらは、また、1つ若しくは複数の食品材料、例えば、ミネラル、ラクトース及び(バターミルクの場合には、全乳若しくは半脱脂乳又はその乾燥形態)脂肪、並びに乳化特性を備える他の物質、例えば、レシチン及びリン脂質(好ましくは、乳由来の)の供給源でもある。
タンパク質は、通常存在する。好ましくは、冷凍菓子は、1つ又は複数の乳性タンパク質を含むが、目的の菓子の既知レシピに基づいて、非乳性タンパク質、特に植物性タンパク質、例えば、ダイズ、アーモンド、ココナッツ又はカシュータンパク質を使用することも可能である。通常、50~100wt.%、特に90~100wt.%のタンパク質が、乳性タンパク質である。好ましくは、総タンパク質含量は、本質的に、1つ又は複数の乳性タンパク質から構成される。通常、本発明の菓子又はミックス中のタンパク質の総含量は、少なくとも0.5wt.%、好ましくは、少なくとも1.0wt.%である。タンパク質含量は、通常、25wt.%未満、特に10wt.%未満、とりわけ5wt.%未満、例えば、約2~4wt.%である。
1つ又は複数の乳化タンパク質に加えて、又はそれに代わり、組成物は、1つ又は複数の別の乳化剤を含有してもよい。好ましくは、こうした乳化剤は、レシチン、リン脂質、モノグリセリド(E471)及びジグリセリド(E471)からなる群から選択される。これらは、乳由来又は非乳由来であってよい。存在すれば、これらは、一般に、0.03wt.%~1wt.%の量で存在する。存在すれば、乳化形態の食品組成物の場合、乳化タンパク質以外の乳化剤の総含量は、通常、0.05~0.8wt.%の範囲である。
好ましい実施形態では、本発明の製菓ミックスは、液状の場合、以下:
乾燥重量に基づいて、7~65wt.%、より好ましくは10~55wt.%、特に12~50wt.%の脂肪;
乾燥重量に基づいて、1~60wt.%、より好ましくは5~50wt.%、特に10~40wt.%の甘味料;
乾燥重量に基づいて、0.04~4wt.%、より好ましくは0.08~3wt.%、特に1.0~2.5wt.%の乳化剤;及び
乾燥重量に基づいて、0.5~25wt.%、より好ましくは1.0~15wt.%、特に1.5~10wt.%のタンパク質
を含む。好ましくは、脂肪の総重量に基づいて、上記脂肪の50~100wt.%、好ましくは、75~100wt.%、より好ましくは90~100wt.%は、本発明の乳性脂肪画分である。
好ましい実施形態では、本発明の冷凍含気菓子は、以下:
乾燥重量に基づいて、7~65wt.%、より好ましくは10~55wt.%、特に12~50wt.%の脂肪;
乾燥重量に基づいて、1~60wt.%、より好ましくは5~50wt.%、特に10~40wt.%の甘味料;
乾燥重量に基づいて、0.04~4wt.%、より好ましくは0.08~3wt.%、特に1.0~2.5wt.%の乳化剤;及び
乾燥重量に基づいて、0.5~25wt.%、より好ましくは1.0~15wt.%、特に1.5~10wt.%のタンパク質
を含む。
好ましくは、脂肪の総重量に基づいて、冷凍含気菓子中の脂肪の50~100wt.%、好ましくは、75~100wt.%、より好ましくは90~100wt.%は、本発明の乳性脂肪画分である。
さらに、ミックスは、マルトデキストリン、繊維、レジスタントスターチのようなバルク固体;香味剤、及び冷凍菓子用のさらに別の一般的材料の群から選択される1又は複数種の成分を含み得る。
本発明の冷凍菓子の平均脂肪粒径(D3,2)は、通常、0.3~10μm、好ましくは0.50~5μm、より好ましくは0.65~1μmの範囲にある。ミックスの場合、平均脂肪粒径(D3,2)は、それから製造される冷凍菓子よりも小さいのが好ましく、典型的には約0.10~0.60μmである。凍結前に、平均脂肪粒径(D3,2)が、0.20~0.40μmの範囲であるミックスを用いて、特に優れた結果が達成されている。
D(3,2)は、例えば、Malvern Mastersizer分析装置を用いて、レーザ回析方法により測定することができる。
菓子は、1つ又は複数の甘味料を含有する。これらは、冷凍菓子の生産での使用に好適な任意の種類の甘味料であってよい。量は、既知レシピに基づいてよい。糖甘味料、特に砂糖(単糖又は二糖)、例えば、グルコース、フルクトース若しくはスクロースを用いて、特に優れた結果が達成されている。単糖及び他の炭水化物甘味料、例えば、ポリオール甘味料及び糖アルコール、グルコースシロップ、フルクトースシロップ又は高DEデキストリン若しくはマルトデキストリンが、さらに好ましい。本明細書において、特に「高DE」は、20~50の範囲のDEである。
菓子又はミックスの炭水化物甘味料含量、好ましくは、糖含量は、味に応じて広い範囲内で選択することができる。存在すれば、濃度は、通常、少なくとも2wt.%、特に少なくとも4wt.%である。菓子又は液体ミックスの場合、含量は、通常、最大20wt.%である。乾燥形態のミックスの場合、それは、例えば、最大40wt.%と、より高くなり得る。
所望されれば、1つ又は複数の安定剤が存在してもよい。これらは、本発明の冷凍菓子若しくは(液体)ミックスの貯蔵安定性改善及び/又は菓子の安定性若しくは保形性改善の効果を有する。安定剤は、通常、多糖である。原則として、酪農食品用途での使用が許可されている任意の多糖を用いてよく、例えば、デンプン(加工若しくは非加工)又は天然ガムがある。好ましい天然ガムとしては、カラギーナン、ロカストビーンガム、キサンタンガム及びグアーガムが挙げられる。カラギーナンを用いて、優れた結果が達成されている。通常、多糖含量は、菓子又はミックスの場合、0.001~5wt%、好ましくは0.005~4wt.%の範囲である。インスタント/粉末ミックスの場合、多糖含量は、通常、0.002~10wt.%、好ましくは0.01~8wt.%(乾燥減量)の範囲である。当業者は、一般的な知識及び本明細書に提供される情報に基づき、使用する具体的な1若しくは複数種の多糖に応じて、特に好適な濃度を決定することができるだろう。
さらに、菓子又はミックスは、冷凍菓子への含有が適していることがわかっている1又は複数種の別の材料を含んでもよい。その例として、着色剤及び香味剤が挙げられる。これらは、通常の濃度で含有させることができる。
冷凍菓子は、通常、液体製菓ミックスから製造され、これは、含気及び凍結工程に付される。含気及び凍結工程は、目的の冷凍菓子について周知の条件を用い、周知の装置を使用して、同時又は順次(最初に含気、次に凍結)実施することができる。
冷凍菓子が調製される製菓ミックスの組成物は、一般に、目的の冷凍菓子の既知レシピに基づくものであってよいが、但しその場合、脂肪は、本明細書に記載の特徴を有する、即ち、1.10~1.40の範囲にある42~56(「CN24~CN40:CN42~CN56」)の範囲の炭素数を少なくとも有する脂肪であるものとする。また、例えば、公知の材料及び調製条件については、上に引用したGoffも参照されたい。
液体製菓ミックスは、通常、任意選択で植物性脂肪と組み合わせて、本発明に従う特定の乳性脂肪画分及び/又は1若しくは複数種の乳性脂肪製品(乳性脂肪から少なくとも実質的に構成される製品)、例えば、無水乳脂肪、乳脂肪画分を用いて調製される。クリームチーズ、バター、乳製スプレッド、冷凍チーズなどの脂肪性乳製品も乳性脂肪供給源として使用することができるが、但しその場合、脂肪全体のCN24~CN40:CN42~CN56比は、本発明に従う範囲にあるものとする。
アイスクリームミックスなどの製菓ミックスの調製は、脂肪製品(牛乳又は植物性基材)とクリームの組み合わせを使用することができ、その際、融解温度を超える温度で脂肪製品を混合した後、均質化する。
液体製菓ミックスは、流体状の脂肪(溶解した脂肪)を水相と混合することにより好都合に製造することができ、これは、典型的に、水中油形のエマルジョンを形成するための乳化剤を含む。このような方法は、乳脂肪画分などの脂肪製品、又は乳性脂肪供給源としてバター若しくはチーズなどの脂肪性酪農製品を使用する場合に特に好ましい。脂肪は、単一の流体脂肪ブレンドとして、水と合わせてもよいし、又は2つ以上の脂肪組成物を個別に添加してもよい。
また、唯一の又は主要脂肪源として、乳性クリームを使用することも可能であるが、但しその場合、クリームは、1.10~1.40の範囲にあるCN24~CN40:CN42~CN56比を有し;そうした乳性クリームは、PCT/欧州特許第2019060729号明細書に開示されている。乳性クリームは、典型的に、20%~45%の脂肪(好ましくは、本質的に乳性脂肪から成る)を含有する。その際、一般に、脂肪の融解は必要ない。次に、乳性クリームから、菓子、例えばアイスクリームを製造する従来の方法に従って、冷凍菓子を生産することができる。
脂肪相が、第1乳性脂肪製品、即ち、乳脂肪(MF)と、第2乳性脂肪製品、即ち、乳脂肪のOS-画分から構成される製菓ミックス及び冷凍菓子で、特に優れた結果が達成されており、これは、多重溶融結晶化分別プロセスで得られ、ここで、乳脂肪は、第1流体相(「O」)及び第1固相(「S」)に分別され、次に、上記第1流体相は、第2流体相(「OO」)と第2固相(「OS」)に分別され、この第2固相が、上記2乳性脂肪製品である。MFとOS-画分をブレンドした後、このブレンドを水相に添加してもよいし、又はそれらを個別に水相に添加することもできる。製菓ミックス中の脂肪は、本質的に均質なブレンド(ここで、製品中の脂肪粒子は、少なくとも実質的に同じ脂肪酸組成を有する)であってもよいし、又は実質的に異なる脂肪酸組成を有する脂肪粒子(例えば、AMFの組成物とほぼ同じ脂肪酸組成を有する脂肪粒子と、乳脂肪のOS画分の組成物とほぼ同じ脂肪酸組成を有する脂肪粒子)が製菓ミックス若しくは冷凍菓子中に存在してもよい。
MF及びOS-画分は、広い重量範囲、通常、0:100~95:5のMF:OSの範囲、好ましくは20:80~90:10の範囲、より好ましくは30:70~80:20の範囲で使用することができる。概して、OS-画分の含量が高いほど、融解速度は低くなることが判明した。さらに、冷凍菓子は、MFとOSの組み合わせを用いる場合、特に、OSを単独で用いる場合に、乳清喪失に対してより抵抗性となることが判明した。乳清喪失は、典型的には、アイスクリームなどの冷凍菓子に存在する、気泡及び脂肪球の網状組織内への水の含有による水相の解凍の際に起こる。
高い含量のOSはとりわけ、高白色度の色に寄与したが、これは、消費者により高く評価される特性であることから、製品の品質に寄与する。モル比「CN24~CN40:CN42~CN56」へのOS画分の存在の影響を考慮して、本発明者らは、少なくとも1.14、特に少なくとも1.18の比、とりわけ1.18~1.36の範囲の比を、冷凍菓子の融解挙動、乳清喪失及び/又は色に関する望ましい特性のために特に好ましいと考える。また、保形性のようなさらに別の有利な特性も実施例で説明する。
本発明に従う製菓ミックス、冷凍菓子の調製にそれぞれ使用する脂肪は、乳脂肪、例えばAMFと、特定の乳脂肪画分、即ち、乳脂肪の溶融結晶化により取得可能なOS-画分を組み合わせることによって有利に調製される。溶融結晶化(乾式分別としても知られる)は、乳脂肪画分を取得する公知のプロセスである。また、上記OS-画分を乳性クリームと組み合わせ、これにより、本発明に従う食品組成物を得ることも可能である。水などのクリームの1つ又は複数の非脂肪材料を除去して、少なくとも実質的に脂肪から構成される製品を取得することができる。
本発明に従う脂肪製品又は食品組成物の調製に使用するための乳脂肪画分(OS)を提供するために、好ましくは、いわゆるTirtiauxプロセスを用いる多重ステップ乾式分別プロセス(溶融結晶化)を使用する。このプロセスは、当技術分野で公知である。このプロセスでは、出発脂肪(第1ステップの場合、これは乳脂肪である)、通常、無水乳脂肪(AMF)を融解させて、結晶記憶(crystal memory)を消去した後、攪拌装置を備える結晶器(典型的に二重ジャケット付き)内で冷却させる。結晶器は、典型的に、冷却表面を有する。まず、結晶化させようとする脂肪を、その最終融解温度より約20℃高い温度まで加熱する。冷却は、冷却体の温度が、測定される油の温度(結晶化により発生した熱を計算に入れる)に対する示差温度プロフィールに従うプロセスを用いて実施される。水と油の温度差は、結晶化プロセスの各段階によって異なる。結晶化プロセスの各段階についての攪拌設定は変動し得る。これによって、結晶集合体の最適な核形成、制御された結晶成長及び適正なアニーリング/硬化を得ることが可能になる。これにより、十分な硬度を備える結晶集合体が得られるため、膜フィルタープレスを用いて、通常、付着油を含有する結晶塊を液体油から分離することができる。濾過効率は、得られるステアリンの最終融解温度を部分的に決定し得る。
得られたステアリン画分(結晶スラリー、[結晶と付着油])又はオレイン(液体油)は、化学組成及び後に融解温度が異なる様々な乳脂肪画分について前述したのと同じプロセスに従って複数回処理することができる。例えば、オレインは、より低い融点オレイン(OO)及びより高い融点ステアリン(OS)を取得するための別の温度プロフィール及び攪拌設定を用いて、乾式分別することができる。
当業者は、一般的知識と組み合わせて、本明細書に開示される情報に基づき、所望の融解温度を有する乾燥乳脂肪画分を達成するために、冷却プロフィール、攪拌速度及び濾過条件を調節する方法を熟知している。とりわけ、本開示に詳細が記載されていない限り、溶融結晶化条件は、一般に、周知の条件、例えば、以下:The Lipid Handbook,G.D.Gunstone,CRC Press,3rd Edition,Chapters 4.4.2.4 and 4.4.3,Figure 4.20 and Table 4.17 are indicative of common general knowledge;G.A.Van Aken et al,JAOCS,VOL 76,no 11(1999),p 1323-1331;Physical Properties of Lipids,A.G.Marangoni et al(ed),Chapter 11:Fractionation of Fats,p411-447(特に、443~445頁を参照)に基づく。
製菓ミックスを調製する場合、典型的には添加した乳化剤の存在下で、水相と脂肪を混合することにより、エマルジョン(典型的には水中油形)を形成する。これは、典型的に、脂肪と水が流体である温度、通常、40℃を超える温度、特に45~75℃の範囲の温度で実施される。例えば、周囲温度で、エマルジョンの形成前若しくは形成後、又はエマルジョン形成中に、タンパク質、甘味料又は香味剤などの他の材料を水相に添加してもよい。
上記エマルジョンは、通常、1又は複数回の均質化処理に付し、それによって、液体製菓ミックスが得られ、これは、ミックスを含気及び凍結工程に付すことにより冷凍菓子を調製するために使用することができる。均質化条件は、冷凍菓子の調製に好適な液体ミックスを調製するための公知の条件、又はホイップ若しくはフォーミング可能なクリームなど、他の菓子を調製するための公知の条件に基づくことができる。
特に、本発明の食品組成物の均質化手順を用いて、優れた結果が達成されており、これは、均質化処理毎に少なくとも実質的に2つの段階を含み、ここで、少なくとも第1段階は、大気圧(1バール)を超える加圧を含み、後の均質化段階は、より低い圧力(大気圧でよい)で実施される。上記第1段階での加圧は、好ましくは大気圧より少なくとも約1バール高く、即ち、少なくとも1バールゲージ(barg)、特に約100~約250bargの範囲の圧力、とりわけ約140~約200bargの範囲の圧力の範囲である。後の段階は、ほぼ大気圧、又は大気圧を超える圧力(それでも、一般に第1段階の圧力より低い)で実施してよい。好ましくは、後の均質化段階は、第1段階より低い、例えば、最大約10倍低い圧力で実施する。典型的には、後の均質化段階の圧力は、0~75bargの範囲、特に約10~約50bargの範囲である。
均質化工程前、工程中若しくは後に、液体ミックス(前述したエマルジョンなど)を、抗微生物処理、例えば、低温殺菌又はUHTに付してもよい。
所望であれば、それ自体公知の方法で、液体ミックスを包装する。液体製菓ミックスは、抗微生物処理の種類に応じて、2~25℃、特に4~12℃で、数日、数週間若しくは数ヶ月間貯蔵することができる。液体菓子は、典型的に、非含気段階で包装され;これは、相分離及び/又は実質的な酸化を回避するために有益であることがわかっている。
また、液体製菓ミックスを乾燥ステップ、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥又は粉砕乾燥に付して、乾燥製菓ミックスを取得することも可能であり、これは、冷凍菓子を得るための含気及び凍結の前に、水又は水性液体中で再構成することができる。好適な乾燥条件は、酪農製品を乾燥させるための公知の方法に基づくものでよい。
有利な実施形態では、本発明の乳性脂肪画分を含む液体ミックスは、甘味料なしで、又は一部の甘味料と一緒に噴霧乾燥する。甘味料、特に単糖及び二糖(それぞれ、グルコース及びスクロースなど)は、噴霧乾燥をより複雑にし得る。次に、甘味料若しくは残りの甘味料を、乳性脂肪を含む乾燥粉末に添加するか、又は冷凍菓子の調製時に、甘味料若しくは残りの甘味料を添加する。
通常、液体製菓ミックスは、熟成工程(熟成処理としても知られる)に付す。これは、通常、均質化及び抗微生物処理後に実施される(適用されれば)。この工程も、それ自体公知の方法で、例えば、液体ミックスを約4~約12時間、典型的には2~8℃で貯蔵することにより、実施することができる。この熟成は、乳化脂肪滴中に脂肪結晶塊を形成する役割を果たす。これらの結晶は、冷凍菓子の調製工程中、特にアイスクリームの製造中に、気泡表面上に脂肪網状組織を形成する上で重要であり、冷凍菓子、特にアイスクリームの構造に寄与する。これが次に、安定性並びに官能特性に寄与することになる。
本発明の冷凍菓子を取得するために、それ自体公知の方法で、液体製菓ミックスを含気及び凍結させることができる。例えば、家庭若しくはケータリングで使用される市販のアイスクリームマシンを使用することもできるし、又は冷凍菓子製造のための既存の工場で冷凍菓子を生産することもできる。プロセス条件は、当技術分野で公知である。凍結は、-1℃以下、好ましくは約-2℃以下、特に約-10℃以下、とりわけ約-15℃以下で行われる。凍結温度は、一般に、約-50℃超、好ましくはC以上、好ましくは約-40℃以上、特に約-25°以上、とりわけ約-20℃以上である。特に、ソフトサーブ用途の場合、凍結は、通常、比較的高い温度、典型的に約-1~約-6℃、とりわけ約-2~約-4℃で実施される。具体的な実施形態では、冷凍菓子、特にアイスクリームは、好ましくは約-40℃の温度で、急速冷凍により凍結される。急速冷凍は、公知の工程であり、その場合、液体製菓ミックスを、典型的には約-35℃~約-45℃まで急速な温度降下に付し、それによって多数の小さな氷結晶を生成した後、冷凍中間生成物を、凝固温度より高い温度、典型的には-15~-25℃の範囲の温度でさらに硬化させる。この工程は、最終冷凍菓子中の粗粒性を回避する上で特に有利である。さらに、-15~-25℃、特に約-18℃~約-20℃の範囲の温度で凍結することにより、冷凍菓子、例えば、アイスクリーム、とりわけスクーピングアイスクリームを調製することによって優れた結果が達成されている。
具体的な実施形態では、冷凍含気菓子は包装され、それによって包装冷凍菓子が得られ、包装冷凍菓子製品は、約-18℃で貯蔵される。
本発明はさらに、冷凍菓子複合製品、例えば、層状製品、被覆製品、又は第1の菓子材料の粒子が別の菓子材料の中に分散されている製品にも関し、これらは、2種以上の異なる食品成分(菓子材料)、即ち、本発明の冷凍含気菓子である少なくとも1種と、さらに1つ又は複数の別の菓子成分を含む。複合製品の場合、少なくとも2種の異なる菓子材料は、任意選択で製品の区分を設けた後、典型的には裸眼で、視覚的に識別される。製品は全体として、1.10~1.40の範囲のCN24~CN40:CN42~CN56モル比を有することができ、むしろその必要がある。例えば、チョコレート又はナッツなどの脂肪含有材料を高含量で含む製品の場合、製品全体の脂肪酸プロフィールは、非乳性脂肪によっても著しく決定される。複合製品は、本発明の冷凍含気菓子、例えばアイスクリームの1つ又は複数の識別可能な部分を含むだけで十分である。複合菓子製品中の視覚的に識別可能なさらに別の菓子材料、例えば、コーティング、層、小片、粒体、チップ、フレーク、成形物は、そうした目的のための当技術分野で公知の材料であってよく、例えば、果実、果実濃縮物、ナッツ、野菜(例えば、パフ状の)、シリアル(例えば、シリアルフレーク、パフ状シリアル)、カラメル、チョコレート、チョコレート化合物、ブラウニー、タンパク質クリスプ、クッキー、シロップ、クリーム、キャンティなどがある。
本発明は、さらに、乳性脂肪製品、特に、ウシ乳、好ましくは乳牛乳由来の脂肪から少なくとも実質的に構成される脂肪製品に関する。上記製品の脂肪酸組成及び分布に関して、前述と同じ考慮事項が適用される。
好ましくは、本発明に従う乳性脂肪製品は、全て脂肪製品の総脂肪酸残基に基づき、少なくとも3.5wt.%のC4:0脂肪酸含量;少なくとも2.0wt.%のC6:0脂肪酸含量;少なくとも1.0wt.%のC8:0脂肪酸含量;6.0wt.%以下のC12:0脂肪酸含量を有する。
特に好ましい実施形態では、脂肪製品の総脂肪酸残基に基づき、C4:0脂肪酸含量は、4.0~5.0wt.%である。
特に好ましい実施形態では、脂肪製品の総脂肪酸残基に基づき、C6:0脂肪酸含量は、2.0~3.0wt.%である。
特に好ましい実施形態では、脂肪製品の総脂肪酸残基に基づき、C8:0脂肪酸含量は、1.2~1.5wt.%である。
乳性脂肪製品は、好ましくは、脂肪製品の総脂肪酸残基に基づき、6.0wt.%未満、好ましくは1.0~5.0wt.%の含量のC12:0脂肪酸含量を有する。
脂肪製品の総脂肪酸残基に基づき、8~12炭素の炭素鎖長を有する脂肪酸残基の総含量は、通常、12wt.%未満、好ましくは5.0~9.0wt.%である。
モル比CN24~CN40:CN42~CN56は、好ましくは1.1~1.4の範囲、より好ましくは1.13~1.4の範囲、さらに好ましくは1.2~1.4の範囲、とりわけ1.3~1.4の範囲である。
脂肪製品の脂肪酸メチルエステルに基づいて計算されるSAFA:PUFA及びMUFAの合計の重量:重量比は、2.4~4.0の範囲、好ましくは2.6~3.9の範囲、より好ましくは2.95~3.75の範囲、特に3.0~3.75の範囲、とりわけ3.0~3.5の範囲である。
本発明に従う脂肪製品の総アシルグリセリド含量は、総重量に基づき、通常、少なくとも90wt.%、好ましくは、脂肪製品の総重量に基づき、少なくとも95wt.%である。残りは、通常、乳汁中に存在する1又は複数種の他の成分、例えば、乳化特性を備える1つ又は複数の成分などから形成される。こうした成分は、特に、乳化タンパク質、レシチン、リン脂質、モノグリセリド及びジグリセリドから選択され得る。
本発明に従う脂肪製品は、好ましくは、本質的に、乳性脂肪成分から構成される。
これから、以下の実施例により本発明を説明する。
一般的態様
アイスクリームミックス及び冷凍アイスクリームの粒度分布分析は、MasterSizer 2000を用いて実施した。
アイスクリームミックス及び冷凍アイスクリームの視覚化は、光学顕微鏡(Leica Microsystems,Polyvar)を用いて実施した。
冷凍アイスクリーム(実施例3)の融解挙動は、融解したアイスクリームの重量を経時的に計測することによって決定した。冷凍アイスクリームを格子の上に置き、融解したアイスクリームを、秤の上に配置された小さな容器内に収集した。30秒毎に重量を計測した。融解したアイスクリームの重量をアイスクリームの初期重量で割り、初期重量のパーセンテージとして表示した。
アイスクリームの官能検査QDA(定量的記述分析)官能評価は、別に指定されない限り、エキスパートパネル(12人のパネリスト)によって実施した。食感特性に的を絞った全ての関連特性についてアイスクリームを評した。これは、各パネリストにより個別に実施され、0~100の等級でスコア付けされた。次に、グループディスカッションによるパネルの総体的合意で、記述語が論議された。アイスクリームサンプルは全て、盲検的に、-15℃の温度で提供された。アイスクリームは、ランダムな順序でパネルに提供された。
官能パネルは、ISO 8586手順によって選択された専門的に訓練を受けた官能グレーダから構成された。パネルのメンバーは、一般的(オランダ)人口のうち嗅覚及び味覚について最も優れた技能を備える10%の個人に含まれる者である。メンバーは、日用品(例えば、チーズ、(イチゴ)ヨーグルト、(タンパク質)含有物、食肉、飲料及び乳児用調製粉乳)並びにCommon Flavour Language(CFL)に関する正規のトレーニングを受ける。得られたデータは、ANOVAによって統計的に分析した。
オーバーランは、以下のように決定される:
Figure 2022534273000002
色測定は、(L*=明度;a*=緑/赤色;b*=黄色度)値として、Cielab色スコアを用いて実施した。
実施例1 乳脂肪画分の調製
Tirtiauxプロセスに従う多重乾式分別工程を用いて、OS画分を調製した。最初のステップで、AMFをその最終融解温度より約20℃高い温度(即ち、約55~58℃)の温度に融解させた。これは、結晶記憶を消失させるために実施した。続いて、攪拌装置と冷却面を備える二重ジャケット結晶化装置内で、融解AMFを約30℃の温度に冷却した。冷却の結果、融解AMFの一部が結晶化した。残る液体画分(O)と結晶スラリー(S、それに一部のオレインが付着している;(以下の表2中のサンプルA)を濾過により分離した。結晶スラリーの回収は、AMFの重量に対して30~40wt.%であった。
次に、液体画分(O)を2回目の乾式分別ステップに付した。このステップでは、まず、液体画分を約60℃まで加熱し、次に、約22℃の温度まで冷却した。油の一部が結晶化した。残る液体画分(OO)と結晶スラリー(OS、それに一部のオレインが付着している)を濾過により分離した。結晶スラリーは、O-画分の重量に対して30~40%の収率で得られた。
OS(以下の表2中のサンプルB)は、約25℃の最終融解温度を有した。
OO画分を前ステップと同様の溶融結晶化にさらに付して、OOO画分(サンプルC)とOOS画分を取得した。水素炎イオン化検出を含むガスクロマトグラフィー(GC-FID)により、脂肪酸含量と炭素数を決定した。脂肪酸含量を決定しようとする画分をまず、加水分解に付して、遊離脂肪酸を取得した後、そのメチルエステルを調製した。次に、脂肪酸(クロロホルム中に溶解)をGCに注入し、そのメチルエステルとして測定した。炭素数及びFID応答の補正率の決定をIUPAC2.323標準法に従って実施した。この方法によって、炭素数当たりのトリグリセリドのモル分布が判明し、CN24~CN40とCN42~CN56の比を決定することができる。乳脂肪の場合、トリグリセリドの炭素数は、概して、24~56の間で変動する。実施例2では、様々な乳脂肪画分の炭素数比が示されている。
実施例2 アイスクリームの調製(卓上マシン)
調製:
表1に示す配合組成に従って、特定の脂肪画分と共に、2LのMusso Sorbetiereを用いて、台所規模(2kg)で、5つのアイスクリーム態様(参照標準及び2つの比較例を含む)を調製した。参照標準には、無水乳脂肪(サンプルB)を脂肪源として使用した。表2は、使用した特定の脂肪画分の概要を示す。
Figure 2022534273000003
Figure 2022534273000004
製菓ミックス(アイスクリームミックス)を調製するために、SMPを水に溶解させ、室温で1時間攪拌した(IKA Eurostar60,200rpm)。残りの乾燥材料(コーンシロップ固形物、κ-カラギーナン、LBG)を一緒に混合してから、乳溶液に添加した。混合物を室温でさらに1時間攪拌した後、水浴中で50℃に加熱した。脂肪及び乳化剤(モノ及びジグリセリド)を計量し、合わせてから、70℃前後まで加熱した。脂肪画分を水相に添加し、ウルトラターラックス(ultraturrax)(1分、4000rpm)を用いて入念に混合した。卓上ホモジナイザー(Panda)にて、200/20バールでアイスクリームミックスを2段階で均質化した後、80℃で20分低温殺菌した。
粒径測定及び光学顕微鏡検査のために、サンプルをこの時点で取得した。
アイスクリームを4℃で一晩熟成させた。翌日、4℃前後で、Hobartミキサー(レベル2)を用いて、アイスクリームミックスを3分含気させ、卓上アイクリームメーカ内で凍結させた。アイスクリームマシン内での含気後及び凍結後のオーバーランを決定した。
結果:
3人の官能エキスパートにより5つのアイスクリームを官能評価した。評価の概要を表4に記載する。特に融解挙動及びクリーミィな食感に、全ての態様の間ではっきりとした相違が認められた。態様2及び3が、より濃厚な口当たり並びに好ましいクリーミィな後味及びクリーミィな風味を伴って最もクリーミィな食感を示した。
Figure 2022534273000005
アイスクリームのオーバーランを表5に示す。態様1は、240%の高いオーバーランを伴う含気後、非常に粗い気泡を示した。凍結後のオーバーランが56%まで減少したことから、気泡は十分に安定化しなかった。
低温殺菌後のアイスクリームミックス及び冷凍アイスクリーム態様の粒度分布を、Malvern Mastersizer 2000を用いて分析した。粒度分布を測定して、アイスクリームの含気及び凍結工程中に脂肪球の部分的合体が起こったか否かを決定した。表7は、アイスクリームミックス及び冷凍アイスクリームの表面加重平均[D3,2]の概略を示す。脂肪球径の増加が、凍結後の参照標準、態様2及び3に認められた。態様1(比較例)及び4(比較例)は、凍結前後で脂肪球径に差を示さない。
Figure 2022534273000006
融解後のアイスクリームミックス及びアイスクリームの顕微鏡画像を作成した(示していない)。これらに基づき、脂肪球の部分的合体によって、脂肪の連続した網状組織が形成され、これは、気泡の安定化を助け、アイスクリームのクリーミィ性に寄与すると結論付けられた。
アイスクリーム及びアイスクリームミックス中の脂肪球の表面加重平均[D3,2]を表6に示す。
Figure 2022534273000007
実施例3 アイスクリームの調製(パイロットプラント)
調製:
実施例2で調製した5つのアイスクリーム製品のうち、4つをパイロットプラントでのアップスケーリングのために選択した:官能評価に基づき、参照標準以外に、態様2、態様3、並びに比較例(態様4)を選択した。実施例2と同じ配合物を調製し、各々30kg規模で製造した。
60℃で1時間、水中での乾燥材料の水和により(モノ及びジグリセリドの場合を除く)、アイスクリームミックスを調製した。脂肪及び脂肪画分を60℃で融解させ、モノ及びジグリセリドを脂肪相に溶解させた。融解脂肪を水相に添加し、5分間のウルトラターラックス処理(ultraturraxing)により、プレエマルジョンを調製した。続いて、プレミックスを均質化し(200/20バール)、82℃で15秒間順次低温殺菌した。次に、Cherry Burrellフリーザを用いて、ミックスを凍結した。オーバーランは100%を目標とした。アイスクリームミックスの供給、攪拌器速度、背圧、及びバレル内の温度は、全てのアイスクリームミックスについて同様に維持したが、態様3の凍結工程中の背圧は例外とした(表3を参照)。この場合、この工程中、アイスクリームマシン内に閉塞が起こったため、背圧を低下した(0.5から0.3へ)。アイスクリームマシン内のミックスの粘度は、閉塞が起こる直前に80mPa.sに上昇したことが認められた。従って、背圧を低下させると共に、粘度は態様2と同等であった(表3を参照)。
Figure 2022534273000008
結果:
パイロットプラントで生産された様々なアイスクリームミックス及びアイスクリーム中の脂肪球の表面加重平均[D3,2]を表7に示す。
Figure 2022534273000009
態様2及び3の平均粒径及び粒度分布は、表面加重平均粒径の増加を示す(表7)。また、参照標準と比較して、より広範且つ大きな粒度分布への対応シフトも認められた(図は示していない)。態様4は、表面加重平均粒径の減少、並びに参照標準と比較して、より小さな粒度分布への対応シフトを示した。
どれくらい速くアイスクリームが融解するかを決定するために、アイスクリームの融解挙動を追跡した。図1は、4つのアイスクリームの融解挙動を示す。態様2及び3(本発明に従う)は、参照標準よりも乳清喪失が少なく、改善された融解挙動を示す。態様4(比較例)の場合、参照標準と比較して、乳清喪失が高い。
これは、実施例2の官能評価と一致する。
硬度、脆さ、冷たさ、滑らかさ、粉末状/顆粒、ねばつき、脂肪膜、乾燥状態、クリーミィ性を含む様々な特性に基づいて、訓練を受けた官能パネルにより、4つのアイスクリームの定量的記述分析(QDA)(-15℃の温度で)を実施した。
上記パネルは、サンプル間にほとんど差を見出さなかった。有意に異なることが認められたいくつかの特性の1つは、「硬度」の特性であった。態様3の硬度は、態様4(比較例)とは有意に異なることが判明した。これは、適用した脂肪の種類に起因し得る。というのは、それがアイスクリームの配合組成における唯一の相違であるからである。態様4はまた、態様3と比較して、「粉末状/顆粒」の特性でも高いことが判明した。硬度及び粉末状/顆粒の結果を表8に示す。これらの結果は、実施例2の結果と相容れないわけではない。何故なら、実施例2の場合、アイスクリーム態様は、-2℃のアイスクリームマシンから直接評価されたからである。より高い評価温度は、特にクリーミィ性において、実施例2で認められた大きな相違の理由を説明するものである。態様3と、それより程度は低いが、態様2は、参照標準及び態様4よりもはるかにクリーミィであることが判明した。また、態様2及び3の融解速度は、参照標準及び態様4よりも低いことが判明した。態様4は、最も速く融解し、水っぽい後味を有することが判明した。
実施例2と実施例3の官能結果の比較は、部分的合体度の結果としてのクリーミィ性知覚の相違が、アイスクリームの小さな外層しか溶けず、唾液で希釈されるという事実のために、より低い温度ではあまり顕著ではないことを示唆している。クリーミィ性を増大する部分的合体度の有効性は、ソフトサーブアイスクリーム又はクリームトッピング若しくはデザートなどの製品でより大きくなることが予想される。
Figure 2022534273000010
参照標準、態様2及び態様3を、エキスパートパネル(16人)による更なる官能検査に付した。上記パネルは、赤色光の下で、ランダムに提供されたサンプル(盲検式)の口当たりクリーミィ性を評価した。これらの結果から、態様2が、参照標準よりも有意にクリーミィであることが結論付けられた(表9も参照)。
Figure 2022534273000011
表10は、色測定の結果を示す。視覚的に、態様2及び態様3は、参照標準及び態様4よりも白い色を帯び、これは、表9によって支持され、参照標準、並びに参照標準より低い態様2のb*値から推定することができる。
Figure 2022534273000012

Claims (18)

  1. 脂肪及び甘味料を含む冷凍含気菓子であって、前記脂肪が、24~40の範囲の炭素数(「CN24~CN40」)を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数(「CN42~CN56」)を有するアシルグリセリドから構成される乳性脂肪画分を含み、ここで、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリド(「CN24~CN40:CN42~CN56」)のモル比が、1.10~1.40の範囲である冷凍含気菓子。
  2. 前記モル比「CN24~CN40:CN42~CN56」が、1.14~1.38の範囲、好ましくは1.16~1.32の範囲、とりわけ1.18~1.30の範囲である、請求項1に記載の冷凍含気菓子。
  3. 少なくとも1種の乳化剤及び/又は少なくとも1種のタンパク質を含む、請求項1又は2に記載の冷凍含気菓子。
  4. 前記乳性脂肪画分の含量が、前記菓子の総重量に基づいて、少なくとも2.5wt.%、好ましくは5.0~25wt.%、より好ましくは約8.0~約20wt.%、特に約10~約20wt.%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子。
  5. 前記脂肪の50~100wt.%、好ましくは75~100wt.%、より好ましくは90~100wt.%が、前記乳性脂肪画分である、請求項1~4のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子。
  6. 脂肪酸メチルエステルとして計算される前記脂肪酸残基の総重量に基づいて、前記食品組成物が、以下:
    少なくとも3.5wt.%、好ましくは4.0~5.0wt.%のC4:0脂肪酸含量;
    少なくとも2.0wt.%、好ましくは2.0~3.0wt.%のC6:0脂肪酸含量;
    少なくとも1.0wt.%、好ましくは1.2~1.5wt.%のC8:0脂肪酸含量
    を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子。
  7. 前記冷凍組成物が、飽和脂肪酸(SAFA)、一価不飽和脂肪酸(MUFA)及び多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含み、ここで、SAFA:PUFA及びMUFAの合計の重量:重量比は、それらの脂肪酸メチルエステルに基づいて計算して、2.4~4.0の範囲、好ましくは2.6~3.9の範囲、より好ましくは2.95~3.75の範囲、特に3.0~3.75の範囲、とりわけ3.0~3.5の範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子。
  8. 前記菓子が、アイスクリームである、請求項1~7のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子。
  9. 前記アイスクリームが、スクーピングアイスクリーム、ジェラート、又はアイスクリームを含む1食単位、例えば、アイスキャンディー(棒の付いたアイスクリーム)、アイスクリームコーン若しくはアイスクリームサンドイッチなどである、請求項8に記載の冷凍含気菓子。
  10. 前記アイスクリームが、ソフトサーブアイスクリームである、請求項8に記載の冷凍含気菓子。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子を調製する上で好適な製菓ミックス、好ましくは液体製菓ミックスであって、脂肪及び甘味料を含み、前記脂肪が、24~40の範囲の炭素数(「CN24~CN40」)を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数(「CN42~CN56」)を有するアシルグリセリドから構成される乳性脂肪画分を含み、ここで、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリド(「CN24~CN40:CN42~CN56」)のモル比が、1.10~1.40の範囲、好ましくは1.14~1.38の範囲、特に1.16~1.32の範囲、とりわけ1.18~1.30の範囲である製菓ミックス。
  12. 乾燥重量に基づいて、7~65wt.%の脂肪;
    1~60wt.%の甘味料;
    0.04~4wt.%の乳化剤;及び
    0.5~25wt.%のタンパク質
    を含む、請求項11に記載の製菓ミックス。
  13. 請求項1~10のいずれか1項に記載の冷凍含気菓子を調製する方法であって、
    -以下:
    -アシルグリセリドから構成される乳性脂肪画分であって、24~40の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドと、42~56の範囲の炭素数を有するアシルグリセリドのモル比(「CN24~CN40:CN42~CN56」比)が、1.10~1.40の範囲、好ましくは1.14~1.38の範囲、特に1.16~1.32の範囲、とりわけ1.18~1.30の範囲である乳性脂肪画分を含有する脂肪、
    -水、
    -及び1若しくは複数種の別の菓子材料
    を用意するステップ、
    -得られた混合物を均質化するステップ、及びその後
    -均質化した混合物を含気及び凍結させるステップ
    を含む方法。
  14. 少なくとも凍結、好ましくは凍結及び含気の両方が、約-4℃~約-2℃の範囲の温度で実施される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記凍結及び含気菓子が包装され、それによって包装冷凍含気菓子が得られ、前記包装冷凍含気菓子製品が、約-25℃~約-15℃、特に約-18℃で貯蔵される、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記均質化混合物が、好ましくは-35℃~-45℃の範囲の温度で、急速冷凍される、請求項12又は13に記載の方法。
  17. 請求項1~10のいずれか1項に記載の、又は請求項15に記載の方法により取得可能な包装冷凍含気菓子。
  18. 冷凍菓子複合製品、例えば、層状製品又は被覆製品であって、2種以上の異なる食品成分、即ち、請求項1~10のいずれか1項に記載の冷凍菓子である少なくとも1種と、さらに1つ又は複数の別の菓子成分、例えば、カカオベースのコーティング、カカオベースの粒子若しくはカカオベースの層、果実ベースのコーティング、果実ベースの粒子若しくは果実ベースの層、甘味料ベースのコーティング、甘味料ベースの粒子若しくは甘味料ベース層、又はナッツベースのコーティング、ナッツベースの粒子若しくはナッツベースの層と、を含む冷凍菓子複合製品。
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