JP2022532885A - 炭素質表面層を有するワイヤーカット放電加工のためのワイヤー電極およびそれらの調製方法 - Google Patents

炭素質表面層を有するワイヤーカット放電加工のためのワイヤー電極およびそれらの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、炭素質表面層を有するワイヤーカット放電加工(WEDM)のためのワイヤー電極に関し、ここでワイヤー電極はコア材料(1)、最外炭化層(3)、ならびにコア材料および炭化層の間の相転移層(2)を含む。コーティングされたワイヤーと比較して、本発明のワイヤー電極は、15%を超えて加工速度を向上し得る特別な構造によって特徴付けられる。加工精度もコーティングされたワイヤーよりも優れている。本発明のワイヤー電極は、製造が容易であり、大幅に向上した性能を示し、コーティングされたワイヤーと比較して市場競争力がより強化される。

Description

本発明は、ワイヤーカット放電加工の分野に関する。より具体的には、それは、炭素質表面層を有するワイヤーカット放電加工のためのワイヤー電極およびそれらの調製方法に関する。
ワイヤーカット放電加工は、本明細書ではWEDMとも呼ばれる。この技術における原理は、連続的な動作においてワイヤー電極を電極として使用して、パルス火花放電によって金属加工物の材料を除去し、設定された軌道に従って加工物の機械ベースの成形を達成することである。他の加工方法と比較して、WEDMは、真円度誤差、線形誤差、寸法誤差の点で優れた性能を有し、航空宇宙製造に広く適用される。特に1980年以降、精密機械部品、家電製品、および通信機器のための金型の精度が徐々に向上し、金型製造業界においてWEDMは欠かせない加工方法になっている。近年、自動化および人工知能が世界を変えている。工場、家族、医療機関などで、ますます増える量の自動化および人工知能の機器が適用されている。このような高精度の機器の要件を満たすために、低速ワイヤー放電加工も高寸法精度、高表面仕上げおよび高効率の新しい開発段階に入っている。WEDM機に関連する技術革新に加えて、WEDMのためのワイヤー電極もその開発のための重要な動機付け要因である。40年近くの開発で、WEDMは4つの世代の製品の革新を目の当たりにしてきた。
WEDMのための第1世代のワイヤー電極は銅ワイヤーである。優れた導電性および加工性能により、WEDMのためのワイヤー電極には銅が推奨される。
WEDMのための第2世代のワイヤー電極は、真鍮ワイヤーである。関連する研究によると、真鍮ワイヤーの気化性能は銅よりも優れている。言い換えれば、同じ放電強度の下で、より大きな蒸気圧が発生され得、それは(カットするプロセスで形成された)チップをよりよく除去することができ、それによって加工速度を増加することができる。真鍮ワイヤーの特性の発見およびマルチモード連続真鍮ワイヤー引き抜きプロセスの成熟により、銅ワイヤー電極は完全に真鍮ワイヤー電極に置き換えられた。
WEDMのための第3世代のワイヤー電極は、亜鉛めっきワイヤーである。適用研究によると、純粋な亜鉛表面コーティングは、放電中に発生する容量効果を排除し、放電をより安定に、および連続的にすることができる。また、加工された加工物の表面仕上げは、真鍮ワイヤーに比べて大幅に向上されている。一部のハイエンドで高精度の金型および部品には、亜鉛めっきワイヤー加工が理想的な選択肢である。
WEDMのための第4世代のワイヤー電極は、コーティングされたワイヤーである。コーティングされたワイヤーは、ガンマコーティングされたワイヤー、ベータコーティングされたワイヤー、および複合コーティングされたワイヤーに分けられ得る。適用研究によると、ワイヤーの表面にある高亜鉛合金(つまり、高い含有量の亜鉛を有する合金)は、より高い放電蒸気圧を達成することができる。したがって、表面に一定の厚さでコーティングされた高亜鉛合金は、加工速度の向上に役立つ。
低速ワイヤーWEDMのためのワイヤー電極は、4つの世代の開発を経てきた。それらの適用性能は大幅に向上された。特に、第一世代の銅ワイヤーと比較して、加工精度、表面仕上げ、および加工速度が大幅に向上している。しかし、業界の開発が、絶えず変化する要求を満たすことは決してない。新しい製造環境において、WEDM加工の使用者に新たな困難および課題が生じている。例えば、所望の精度を維持しながら亜鉛めっきワイヤーの加工速度をさらに向上すること、コーティングされたワイヤーの速度および精度を上げること、コーティングされたワイヤーの優れたスレッディング性能を達成/保証することなどは、依然として技術的な問題であり、より速い加工速度、より高い加工精度、より良い表面仕上げおよび優れたワイヤー送給性能を有する、WEDMのためのワイヤー電極を提供する業界によって解決される。
詳細な説明
現在の技術の上記の欠陥に関連する課題を解決するために、本発明は請求項1に定義されるような炭素質表面層を有するWEDMのためのワイヤー電極を提供する。本発明はまた、請求項9に定義されるようなワイヤー電極を調製するための方法を提供する。
従属請求項に開示されるような好ましい実施形態。
コーティングされたワイヤーと比較して、本発明のワイヤー電極は、15%を超えて加工速度を向上し得る特別な構造によって特徴付けられる。加工精度もコーティングされたワイヤーよりも優れている。本発明のワイヤー電極は、製造が容易であり、大幅に向上した性能を示し、コーティングされたワイヤーと比較して市場競争力がより強化される。
本発明の炭化層(「炭化された層」とも呼ばれる)の組成は、0.1から99.0重量%の炭素含有量、0.5重量%未満のアルミニウムおよびカリウムの総含有量を有し、ここで、残りは、銅および亜鉛、ならびにその他の避けられない不純物元素(酸素、水素、および窒素)を含む。
本発明の炭化された層は、0.5から30ミクロンの厚さを有し、相転移層の外面上に連続的または断続的(不連続的)な形態で存在する。炭化された層は、炭素析出反応によって形成される。炭化された層は、引抜ダイスで延伸された後の完成品表面上で非常に緻密であり、導電率は3~8%IACSだけ向上しているため、放電加工中の精度は最大±0.002mmに達し得る。
本発明における炭化された層中の避けられない不純物元素の含有量は、好ましくは0.5重量%未満である。
本発明のコア材料は、好ましくは、真鍮、銅、および炭素鋼のうちの1つである。
本発明の相転移層は、CuZn、Cu5Zn8、CuZn3の群から選択される1つまたは2つまたは2つより多い金属化合物で構成される銅-亜鉛相構造を含む。上記の銅-亜鉛相構造が採用される理由は、CuZn相構造が優れた導電性を有し、加工時の位置決め精度を向上させるのに有利であり、加工精度をさらに向上させるためである。Cu5Zn8相構造は優れた気化性能を有し、加工時のフラッシング性能を向上させ、それによって加工速度を向上させるのに有利である。CuZn3相構造は、放電加工プロセス時に発生する容量効果を排除でき、したがって弱電流条件下での放電安定性を向上し、それにより加工された加工物の表面仕上げを向上する。
元素形態における炭素もまた、本発明の相転移層に存在する。相転移層の組成は、50重量%未満の元素状炭素の含有量を含み、残りは、総質量分率が0.5重量%未満で、銅、亜鉛、および他の避けられない不純物元素、すなわち、酸素、水素、窒素、アルミニウムおよびカリウムを含む。
本発明の相転移層は、1から40ミクロンの厚さを有する。相転移層構造は、異なる銅-亜鉛相構造によって調製され、加工精度、加工速度、および表面仕上げを向上したワイヤー電極を得る。異なる銅-亜鉛相構造の組み合わせは、異なる適用特性を有する。
本発明はまた、炭素質表面層を有する低速WEDMに適した本発明によるワイヤー電極を調製するための方法を提供し、前記方法は、以下の調製ステップ:
(1)亜鉛、CHO有機物(例えば、3~15グルコース単位の平均長さを有するデキストリンなどのデキストリン、ポリエチレングリコール、および短鎖カルボン酸(ここで鎖長は酸が水に溶けるような鎖長である))、アルミニウム塩およびカリウム塩の混合物の層をオンライン連続電気めっきおよびホットディップめっきのうちの1つにより、ワイヤーの表面上にめっきすることにより、0.3~1.5mmの直径を有する真鍮ワイヤーブランク、銅ワイヤーブランクまたは炭素鋼ワイヤーブランクを調製するステップであって、ここで総混合物に対して、混合物中のCHO有機物の含有量が0.5%未満であり、アルミニウムおよびカリウムの塩の含有量が0.5%未満であり、そして残りが亜鉛であり、表面めっきされた混合物の層は、ブランクの表面上で1から30μmの厚さを有する、ステップ;
(2)90%以上の窒素を含む密閉環境において、めっきされたブランクを炭素析出反応に供するステップであって、ここで反応温度が100~900℃であり、反応時間が0.5秒~20時間であり、冷却温度が100℃未満に制御され、炉の温度が±10℃以内で均一である、ステップ;
(3)炭素析出反応(炭化)後に、揮発性航空ケロシンを使用してワイヤーブランクを洗浄するステップならびにワイヤーブランクを0.1~1.0mmの直径に予備延伸および応力緩和するステップであって、予備延伸するステップの引張速度は100~900m/分であり、応力緩和アニーリングステップの電圧は、5~100Aのアニーリング電流で5~100Vである、ステップ;
(4)ステップ(3)で得られた0.1~1.0mmの直径を有するワイヤーブランクを、アニーリング処理するために炉の中に以下のようなアニーリング条件
-窒素、
-保持温度200~600℃、
-保持時間30~600分、
-200℃未満に制御された冷却温度、および
-炉内で±10℃の温度均一性、
で入れるステップ;
(5)アニーリングされたワイヤーブランクを0.02~0.35mmの完成品の直径まで連続的に引き抜くステップ、ならびにそれを5~25%で制御された通過加工割合、50~89%で制御された総加工割合、および500~1,800m/分で制御された引張速度で、応力緩和アニーリングに供するステップであって、ここで応力緩和アニーリングの電圧は20~40Vであり、アニーリング電流は10~60Aである、ステップ
を含む。
本発明のワイヤー電極を調製するための代替の方法は、以下のステップ;
(1)亜鉛、CHO有機物(例えば、3~15グルコース単位の平均長さを有するデキストリンなどのデキストリン、ポリエチレングリコール、または短鎖カルボン酸(ここで鎖長は酸が水に溶けるような鎖長である))、アルミニウムおよびカリウムの塩の混合物の層をオンライン連続めっきおよびホットディップめっきのうちの1つにより、ワイヤーの表面上にめっきすることにより、0.3~1.5mmのワイヤーの直径を有する真鍮ワイヤーブランク、赤銅ワイヤーブランクまたは炭素鋼ワイヤーブランクを調製するステップであって、ここでCHO有機物の含有量が0.5%未満であり、アルミニウムおよびカリウムの含有量が0.5%未満(総量において)であり、そして残りが亜鉛であり、表面めっきされた混合物の層は、ブランクの表面上で1から30μmの厚さを有する、ステップ;
(2)90%以上の窒素を含む密閉環境または通常の大気組成である密閉環境において、めっきされたブランクを炭素析出反応に供するステップであって、ここで反応温度が100~900℃であり、反応時間が0.5秒~40時間であり、冷却温度が100℃未満に制御され、炉の温度の均一性が最大で±10℃である、ステップ;
(3)上記アニーリングされたワイヤーブランクを0.05~0.35mmの直径の完成品まで連続的に引き抜くステップ、およびそれを5~25%で制御された通過加工割合、50~98%で制御された総加工割合、および500~1,800m/分で制御された引き抜き速度で、応力緩和アニーリングに供するステップであって、ここで応力緩和アニーリングの電圧は20~40Vであり、アニーリング電流は10~60Aである、ステップ
を含む。
前述の方法は3つのステップのみを含むので、低速ワイヤーEDMのための上記の表面炭素含有ワイヤー電極の調製はより効率的になる。
本発明のワイヤー電極を調製するためのさらに別の方法は、以下のステップ:
(1)亜鉛、CHO有機物(例えば、3~15グルコース単位の平均長さを有するデキストリンなどのデキストリン、ポリエチレングリコール、または短鎖カルボン酸(ここで鎖長は酸が水に溶けるような鎖長である))、アルミニウムおよびカリウムの塩の混合物の層をオンライン連続めっきおよびホットディップめっきのうちの1つにより、ワイヤーの表面上にめっきすることにより、0.3~1.5mmの直径を有する、真鍮ワイヤーブランク、赤銅ワイヤーブランクまたは炭素鋼ワイヤーブランクを調製するステップであって、ここでCHO有機物の含有量が0.5%未満であり、アルミニウムおよびカリウムの塩の含有量が0.5%未満(総量において)であり、そして残りが亜鉛であり、表面めっきされた混合物の層は、1から30μmの厚さを有する、ステップ;
(2)90%以上の窒素を含む密閉環境または通常の大気組成である密閉環境において、めっきされたブランクを炭素析出反応に供するステップであって、ここで反応温度が100~900℃であり、反応時間が0.5秒~20時間であり、冷却温度が100℃未満に制御され、炉の温度の均一性が最大±10℃であり、炭素析出反応のほかにも、このステップ内で、本質的に銅-亜鉛相Cu5Zn8からなる転移層が形成される、ステップ;
(3)炭素析出反応後に、ワイヤーブランクを0.1~1.0mmの直径に予備延伸するステップであって、予備延伸の引き抜き速度が100~900m/分である、ステップ;
(4)90%以上の窒素を含む密閉環境または通常の大気組成である密閉環境において、引き抜かれたブランクを熱処理に供するステップであって、ここで反応温度が100~900℃であり、反応時間が0.5秒~40時間であり、冷却温度が100℃未満に制御され、炉の温度の均一性が最大±10℃であり、このステップ内で、本質的に銅-亜鉛相Cu5Zn8からなる転移層が本質的に銅-亜鉛相CuZnからなる転移層に変換される、ステップ;
(5)このように得られたアニーリングされたワイヤーブランクを0.02~0.35mmの直径の完成品まで連続的に引き抜くステップ、ならびにそれを5~25%で制御された通過加工割合、50~98%で制御された総加工割合、および500~1,800m/分で制御された引き抜き速度で、応力緩和アニーリングに供するステップであって、ここで応力緩和アニーリングの電圧は20~40Vであり、アニーリング電流は10~60Aである、ステップ
を含む。
本発明によるコーティング後のワイヤーブランクの表面粗さは、Ra 0.05から0.2μmの範囲である。
本発明の最終製品は、500~2,500MPaの引張強度および15~95%IACSの導電率を有する。本発明のワイヤー電極の加工速度は、上記のようにコーティングされたワイヤーの加工速度よりも1.15~1.35倍大きい。
本発明は、先行技術におけるWEDMのためのワイヤー電極およびその調製方法と比較して、以下の有意な向上および有益な効果に関連している。
(1)本発明のワイヤー電極の表面層は、より良好な導電性を有する、0.5~30μmの厚さの炭化層として設計されている。導電率は、炭化された層のないワイヤーと比較して3~8%IACS増加することができる。電極表面の導電率が向上すると、WEDM機の位置決め精度が効果的に向上し、したがってWEDMの加工精度が向上する。
(2)特に、CHO物体として、めっきするステップの混合物中に0.3%未満の濃度で、3~15グルコース単位の平均長さを有するデキストリンなどのデキストリン、ポリエチレングリコールまたは短鎖カルボン酸(ここで鎖長は酸が水に溶けるような鎖長である)またはそれらの混合物を選択することにより、炭化層は、0.01から0.5μm未満の厚さを有することができる。これに関連して、短鎖カルボン酸の使用に関して、水溶性は、特に、少なくとも5g/Lの量の酸が20℃で水に溶解することを意味することに留意されたい。
(3)本発明のワイヤー電極炭化層は、亜鉛、CHO有機物質、アルミニウムおよびカリウムの塩の混合物の層を、コア材料の表面上に全厚1~30μmでめっきすることによって形成され、高温での炭素析出反応によってさらに加工される。元素形態の炭素は非常に安定しており、銅および亜鉛元素との化合物を生成しないため、製品の表面に緻密な炭化された層が形成される。この緻密な炭化された層は、ワイヤー電極の表面仕上げを効果的に向上することができる。放電の過程で、ワイヤー電極と加工物との間の放電ギャップがより安定であり、より均一な放電強度を達成することができ、それにより、WEDMによって加工される加工物の表面仕上げを向上する。
(4)本発明のワイヤー電極の相転移層は、元素形態の炭素を含む。炭素の存在は、相転移層の気化温度を低下させる。言い換えれば、同じ放電強度の下で、相転移層はより大きなガス化圧力を発生し得、放電ギャップ内のチップを迅速に除去して、次の放電火花形成に適した条件を作り出す。したがって、本発明のワイヤー電極の放電周波数は、コーティングされたワイヤーの放電周波数よりも10%を超えて高く、その加工速度も大幅に向上される。
(5)本発明のワイヤー電極の調製プロセスにおいて、コア材料の表面は、亜鉛、CHO有機物質、アルミニウムおよびカリウムの塩の混合物でコーティングされており、ここでコーティングは1~30μmの厚さを有する。CHO有機物は元素状炭素に分解される。炭素析出プロセスにおいて、コア材料の亜鉛および亜鉛合金も拡散反応に供される。炭素の添加により、亜鉛および銅-亜鉛合金の拡散抵抗が減少し、拡散速度が急速に増加する。拡散反応に元素状炭素を添加することにより、相転移層の厚さが従来のプロセスと比較して20%を超えて増加し、プロセスのエネルギー消費や時間のかかるコストを削減するだけでなく、ワイヤー電極の加工速度を向上させる。
(6)本発明のワイヤー電極の調製方法において、炭素析出反応により生成されるワイヤー電極の引張強度は、コーティングされたワイヤーの引張強度よりも150MPaまたは150MPaを超えて高い。炭素析出反応は、従来のプロセスよりもより低い温度およびより短い時間を必要とするので、中間ワイヤーがより低い程度に軟化し、靭性がよりよくなる。生成されたワイヤー電極は、より優れた靭性および真直度も有する。したがって、本発明のワイヤー電極は、EDM機での自動ワイヤースレッディングにより適している。
(7)本発明により提供されるWEDMのためのワイヤー電極の調製方法は、調製プロセスが簡単で、設備投資が少なく、省エネなどの利点を有する。
図1は、(1)コア材料、(2)相転移層、および(3)炭化された層を含む、本発明のワイヤー電極の断面構造を示す概略図である。
本発明は、図および実施例によって、以下でさらに詳細に説明される。本発明の範囲は、以下の例示的な実施例によって限定されない。
本発明の実施形態に従って調製されたワイヤー電極は、図1に示すように、内側から外側への断面を有する:最も内側のコア材料1、最も外側の炭化された層3、およびコア材料と炭化された層との間の相転移層2。前記構造を有するワイヤー電極の調製は、以下の実施例に示される。
実施例1
真鍮グレードH65(CuZn35)および0.2mmのワイヤー直径を有するワイヤーブランクを調製する。めっき前処理によるアルカリ洗浄および酸洗浄後、ワイヤーブランクの表面をきれいにし、次にめっき槽に送る。浴液は、1,000g/Lの硫酸亜鉛、CHO有機物として3~15グルコース単位の平均長さを有する20g/Lのデキストリン、15g/Lのアルミニウム塩および15g/Lのカリウム塩の混合溶液である。生産速度を100m/分に設定する。めっき電流を900Aに設定し、電圧を8Vに設定する。最終的な電気めっきされたワイヤーブランクのめっき厚さは10μmであり、電気めっきされたワイヤーブランクの表面粗さはRa 0.12μmである。
めっきされたワイヤーブランクを、97%の窒素含有量を有するアニーリング炉内で炭素析出反応に供する。反応温度は150℃であり、反応時間は10時間であり、冷却温度は50℃であり、炉の温度の均一性は±10℃である。
炭素析出反応後に、ワイヤーブランクを航空ケロシンで洗浄し、洗浄後、300m/分の引張速度、48Vの応力緩和アニーリング電圧、および60Aのアニーリング電流を使用して、0.6mmの直径まで延伸する。
上記で調製した直径0.6mmのワイヤーブランクを、アニーリング炉内でソフトアニーリングによって処理する。アニーリング雰囲気は窒素であり、保持温度は600℃であり、保持時間は30分であり、冷却温度は80℃であり、炉の温度の均一性は±10℃である。
上記で調整したアニーリングされたワイヤーブランクを、マルチ金型連続引き抜きにより直径0.25mmの完成品まで引き抜き、その後、ワイヤーブランクを応力緩和アニーリングに供する。本プロセスは、1400m/分の生産速度、35Vのアニーリング電圧、および50Aのアニーリング電流で実行する。
上記のプロセスによって調製されたワイヤー電極を、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズを有するSKD11ダイス鋼である。「1回のカットと4回のトリミング」の加工パラメータを選択する。試験データを表1に示す。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を決定する。データを表2に示す。
実施例2
真鍮グレードH65(CuZn35)および0.2mmのワイヤー直径を有するワイヤーブランクを調製する。めっき前処理によるアルカリ洗浄および酸洗浄後、ワイヤーブランクの表面をきれいにし、次にめっき槽に送る。浴液は、1,000g/Lの硫酸亜鉛、CHO有機物として3~15グルコース単位の平均長さを有する20g/Lのデキストリン、15g/Lのアルミニウム塩および15g/Lのカリウム塩の混合溶液である。生産速度を100m/分に設定する。めっき電流を2000Aに設定し、電圧を9Vに設定する。最終的な電気めっきされたワイヤーブランクのめっき厚さは20μmであり、電気めっきされたワイヤーブランクの表面粗さはRa 0.15μmである。
めっきされたブランクを、97%の窒素含有量を有するアニーリング炉内で炭素析出反応に供する。反応温度は750℃であり、反応時間は3時間であり、冷却温度は80℃であり、炉の温度の均一性は±10℃である。
炭素析出反応後に、ワイヤーブランクを航空ケロシンで洗浄し、洗浄後、300m/分の引張速度、48Vの応力緩和アニーリング電圧、および60Aのアニーリング電流を使用して、0.6mmの直径まで延伸する
上記で調製した直径0.6mmのワイヤーブランクを、アニーリング炉内でソフトアニーリングによって処理する。アニーリング雰囲気は窒素であり、保持温度は580℃であり、保持時間は30分あり、冷却温度は80℃あり、炉の温度の均一性は±10℃である。
上記で調製したアニーリングされたワイヤーブランクを、マルチ金型連続引き抜きにより直径0.25mmの完成品まで引き抜き、その後、ワイヤーブランクに応力緩和アニーリングに供する。本プロセスは、1400m/分の生産速度、35Vのアニーリング電圧、および50Aのアニーリング電流で実行する。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極を、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11ダイス鋼である。「1回のメインカットと4回のトリムカット」のプロセスパラメータを選択する。データを表1に示す。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を試験する。データを表2に示す。
実施例3
真鍮グレードH65(CuZn35)および1.2mmのワイヤー直径を有するワイヤーブランクを調製する。めっき前処理によるアルカリ洗浄および酸洗浄後、ワイヤーブランクの表面をきれいにし、次にめっき槽に送る。浴液は、1,000g/Lの硫酸亜鉛、CHO有機物として3~15グルコース単位の平均長さを有する20g/Lのデキストリン、15g/Lのアルミニウム塩および15g/Lのカリウム塩の混合溶液である。生産速度を100m/分に設定する。めっき電流を900Aに設定し、電圧を8Vに設定する。最終的な電気めっきされたワイヤーブランクのめっき厚さは10μmであり、電気めっきされたワイヤーブランクの表面粗さはRa 0.12μmである。
めっきされたブランクを、97%の窒素含有量を有するアニーリング炉内で炭素析出反応に供する。反応温度は750℃であり、反応時間は10時間であり、冷却温度は80℃であり、炉内の温度の均一性は±10℃である。
炭素析出反応後に、ワイヤーブランクを航空ケロシンで洗浄し、洗浄後、300m/分の引張速度、48Vの応力緩和アニーリング電圧、および60Aのアニーリング電流を使用して、0.6mmの直径まで延伸する
上記で調製した直径0.6mmのワイヤーブランクを、アニーリング炉内でソフトアニーリングによって処理する。アニーリング雰囲気は窒素であり、保持温度は500℃であり、保持時間は30分あり、冷却温度は80℃あり、炉の温度の均一性は±10℃である。
上記で調製したアニーリングされたワイヤーブランクを、マルチダイス連続引き抜きにより直径0.25mmの完成品まで引き抜き、その後、ワイヤーブランクを応力緩和アニーリングに供する。本プロセスは、1400m/分の生産速度、35Vのアニーリング電圧、および50Aのアニーリング電流で実行する。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極を、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11ダイス鋼である。「1回のカットと4回のトリミング」のプロセスパラメータを選択する。試験データを表1に示す。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を決定する。データを表2に示す。
実施例4
真鍮グレードH65(CuZn35)および1.2mmのワイヤー直径を有するワイヤーブランクを調製する。めっき前処理によるアルカリ洗浄および酸洗浄後、ワイヤーブランクの表面をきれいにし、次にめっき槽に送る。浴液は、1,000g/Lの硫酸亜鉛、CHO有機物として3~15グルコース単位の平均長さを有する20g/Lのデキストリン、15g/Lのアルミニウム塩および15g/Lのカリウム塩の混合溶液である。生産速度を100m/分に設定する。めっき電流を2800Aに設定し、電圧を10Vに設定する。最終的な電気めっきされたワイヤーブランクのめっき厚さは30μmであり、電気めっきされたワイヤーブランクの表面粗さはRa 0.18μmである。
めっきされたブランクを、97%の窒素含有量を有するアニーリング炉内で炭素析出反応に供する。反応温度は550℃であり、反応時間は8時間であり、冷却温度は60℃である。炉内の温度の均一性は±10℃である。
炭素析出反応後に、ワイヤーブランクを航空ケロシンで洗浄し、洗浄後、300m/分の引張速度、48Vの応力緩和アニーリング電圧、および60Aのアニーリング電流を使用して、0.6mmの直径まで延伸する。
上記で調製した直径0.6mmのワイヤーブランクを、アニーリング炉内でソフトアニーリングによって処理する。アニーリング雰囲気は窒素であり、保持温度は600℃であり、保持時間は30分であり、冷却温度は80℃であり、炉の温度の均一性は±10℃である。
上記で調整したアニーリングされたワイヤーブランクを、マルチダイス連続引き抜きにより直径0.25mmの完成品まで引き抜き、その後、ワイヤーブランクを応力緩和アニーリングに供する。本プロセスは、1400m/分の生産速度、35Vのアニーリング電圧、および50Aのアニーリング電流で実行する。
上記のプロセスによって調製されたワイヤー電極を、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)を有するSKD11ダイス鋼である。「1回のカットと4回のトリミング」のプロセスパラメータを選択する。試験データを表1に示す。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を決定する。データを表2に示す。
実施例5
真鍮グレードH65(=CuZn35)で1.2mmのワイヤー直径を有するワイヤーブランクを調製する。めっき前処理によるアルカリ洗浄および酸洗浄後、ワイヤーブランクの表面をきれいにし、次にめっき槽に送る。浴液は、1,000g/Lの硫酸亜鉛、CHO有機物として3~15グルコース単位の平均長さを有する20g/Lのデキストリン、15g/Lのアルミニウム塩および15g/Lのカリウム塩の混合溶液である。生産速度を100m/分に設定する。めっき電流を900Aに設定し、電圧を8Vに設定する。最終的な電気めっきされたワイヤーブランクのめっき厚さは10μmであり、電気めっきされたワイヤーブランクの表面粗さはRa 0.12μmであった。
めっきされたブランクを、通常の雰囲気でアニーリング炉内で炭素析出反応に供する。反応温度は200℃であり、反応時間は6時間であり、冷却温度は50℃であり、炉の温度の均一性は±10℃である。
上記で調製したアニーリングされたワイヤーブランクをマルチダイス連続引き抜きにより直径0.25mmまで引き抜き、その後、1400m/分の生産速度、35Vのアニーリング電圧、および50Aのアニーリング電流で応力緩和アニーリングに供する。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極を、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11グレードのダイス鋼である。「1回のメインカットと4回のトリムカット」のプロセスパラメータを選択する。データを表1に示す。
ワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を決定する。データを表2に示す。
実施例6
真鍮グレードH65(=CuZn35)で1.2mmのワイヤー直径を有するワイヤーブランクを調製する。めっき前処理によるアルカリ洗浄および酸洗浄後、ワイヤーブランクの表面をきれいにし、次にめっき槽に送る。浴液は、1,000g/Lの硫酸亜鉛、CHO有機物として3~15グルコース単位の平均長さを有する20g/Lのデキストリン、15g/Lのアルミニウム塩および15g/Lのカリウム塩の混合溶液である。生産速度を100m/分に設定する。めっき電流を900Aに設定し、電圧を8Vに設定する。最終的な電気めっきされたワイヤーブランクのめっき厚さは10μmであり、電気めっきされたワイヤーブランクの表面粗さはRa 0.12μmであった。
めっきされたブランクを、通常の雰囲気でアニーリング炉内で炭素析出反応に供する。反応温度は200℃であり、反応時間は6時間であり、冷却温度は50℃であり、炉の温度の均一性は±10℃である。
炭素析出反応後に、ワイヤーブランクを航空ケロシンで洗浄し、洗浄後、応力緩和アニーリングを行わずに、Φ0.6mmのサイズで、300m/分の引き抜き速度まで延伸する。
引き抜かれたブランクを、通常の雰囲気でアニーリング炉内で熱処理する。反応温度は400℃であり、反応時間は20時間であり、冷却温度は100℃以下に制御される。炉の温度の均一性は±10℃である。
上記で調製したアニーリングされたワイヤーブランクをマルチダイス連続引き抜きにより直径0.25mmまで引き抜き、その後、ワイヤーブランクを1400m/分の生産速度、35Vのアニーリング電圧、および50Aのアニーリング電流で応力緩和アニーリングに供する。
上記のプロセスによって調製したワイヤー電極を、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11グレードのダイス鋼であった。「1回のメインカットと4回のトリムカット」のプロセスパラメータを選択する。試験データを表1に示す。
ワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を上記のプロセスによって調製した。試験データを表2に示す。
比較例1
比較例1を、市販のガンマコーティングされたワイヤーから選択する。
ガンマコーティングされたワイヤーを、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11ダイス鋼である。「1回のメインカットと4回のトリムカット」のプロセスパラメータを選択する。試験データを表1に示す。
ワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さおよび引張強度を決定する。データを表2に示す。
得られたデータによれば、本発明のワイヤー電極は、加工速度、加工精度、および表面仕上げの点で、ガンマコーティングされたワイヤーよりも優れている。スレッディング性能も向上する。
比較例2
比較例2を、市販のベータコーティングされたワイヤーから選択する。
ベータコーティングされたワイヤーを、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された材料は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11ダイス鋼である。「1回のメインカットと4回のトリムカット」のプロセスパラメータを選択する。試験データを表1に示す。
データ分析によれば、本発明のワイヤー電極は、加工速度、加工精度、および表面仕上げの点で、ベータコーティングされたワイヤーよりも優れている。スレッディング性能も向上する。
比較例3
比較例3を、市販の複合コーティングされたワイヤーから選択する。
複合コーティングされたワイヤーを、三菱MV1200 WEDM機で試験する。試験された加工物は、40mm(L)×40mm(W)×60mm(H)のサイズのSKD11ダイス鋼である。「1回のメインカットと4回のトリムカット」のプロセスパラメータを選択する。データを表1に示す。
ワイヤー電極の導電率、放電周波数、相転移層の厚さ、および引張強度は上記プロセスによって調製した。データを表2に示す。
得られたデータによれば、本発明のワイヤー電極は、加工速度、加工精度、および表面仕上げの点で、複合コーティングされたワイヤーよりも優れている。スレッディング性能も向上する。
表1:実施例および比較例の間の加工速度、機械加工精度、機械加工された加工物の表面仕上げ、およびスレッディング性能の比較
Figure 2022532885000002
注:
1.比較例1において加工速度を100に設定する。
2.スレッディング性能試験は、自動スレッディング機能を備えた機械での100回の自動スレッディングを含み、成功したスレッディングの回数をスレッディング性能値とする。

表2:実施例および比較例の間の導電率、放電周波数、相変化層の厚さ、および引張強度の比較
Figure 2022532885000003
上記の実施例および実験データから、本発明の方法により調製されたワイヤー電極は、従来のワイヤー電極と比較して、より高い加工精度、表面仕上げおよびスレッディング性能を有し、より理想的な導電率、放電周波数および引張強度を有すると結論付けることができる。

Claims (12)

  1. 炭素質表面層を有するワイヤーカット放電加工(WEDM)のためのワイヤー電極であって、ここで前記ワイヤー電極は、コア材料(1)、最外炭化層(3)、ならびに前記コア材料(1)および前記炭化層(3)の間の相転移層(2)を含む、ワイヤー電極。
  2. 前記炭化層(3)が0.1から99.0重量%の炭素含有量、ならびに0.5重量%未満のアルミニウムおよびカリウム含有量を有し、残りが銅および亜鉛ならびに酸素、水素および窒素などのその他の避けられない不純物を含む、請求項1に記載のワイヤー電極。
  3. 前記炭化層(3)が0.01~30μmまたは0.5~30μmの厚さを有し、連続的または不連続的な形態で存在する、請求項1または請求項2に記載のワイヤー電極。
  4. 前記コア材料(1)が真鍮、銅および炭素鋼のうちの1つである、請求項1または請求項2から3のいずれかに記載のワイヤー電極。
  5. 前記相転移層(2)が銅-亜鉛相構造であり、前記構造が、CuZn、CuZnおよびCuZnからなる群から選択される1つ、2つまたは2つより多い金属化合物で構成され、前記相転移層(2)の厚さは1~40μmである、請求項1または先行する請求項2から4のいずれかに記載のワイヤー電極。
  6. 炭素が前記相転移層(2)にも存在し、前記相転移層中の元素状炭素の含有量が50重量%未満であり、残りが銅、亜鉛およびその他の避けられない不純物である、請求項5に記載のワイヤー電極。
  7. 前記相転移層中の前記その他の避けられない不純物が、酸素、水素、窒素、アルミニウムおよびカリウムを含み、それらの総含有量が0.50重量%未満である、請求項6に記載のワイヤー電極。
  8. 前記炭化層(3)中の避けられない不純物の含有量が0.5重量%未満である、請求項1から8のいずれかに記載のワイヤー電極。
  9. 炭素質表面層を有するワイヤーカット放電加工(WEDM)のためのワイヤー電極を調製するための方法であって、前記方法が、
    (1)亜鉛、CHO有機物、アルミニウム塩およびカリウム塩の混合物の層をオンライン連続電気めっきおよびホットディップめっきのうちの1つにより、前記ワイヤーの表面上にめっきすることにより、0.3~1.5mmの直径を有する真鍮ワイヤーブランク、銅ワイヤーブランクまたは炭素鋼ワイヤーブランクを調製するステップであって、ここで総混合物に対して、前記混合物中のCHO有機物の含有量が0.5%未満であり、アルミニウムおよびカリウムの塩の含有量が0.5%未満であり、そして残りは亜鉛であり、表面めっきされた混合物の層は、前記ブランクの表面上で1~30μmの厚さを有する、ステップ;
    (2)90%以上の窒素を含む密閉環境において、めっきされたブランクを炭素析出反応に供するステップであって、ここで、反応温度が100~900℃であり、反応時間が0.5秒~20時間であり、冷却温度が100℃未満に制御され、炉の温度が±10℃以内で均一である、ステップ;
    (3)前記炭素析出反応後に、揮発性航空ケロシンを使用する前記の前記ワイヤーブランクを洗浄するステップならびに前記ワイヤーブランクを0.1~1.0mmの直径に予備延伸および応力緩和するステップであって、予備延伸するステップの引張速度は100~900m/分であり、応力緩和アニーリングステップの電圧は、5~100Aのアニーリング電流で5~100Vである、ステップ;
    (4)ステップ(3)で得られた0.1~1.0mmの直径を有するワイヤーブランクを、アニーリング処理するために炉の中に以下のようなアニーリング条件
    -窒素、
    -保持温度200~600℃、
    -保持時間30~600分、
    -200℃未満に制御された冷却温度、および
    -前記炉内で±10℃の温度均一性、
    で入れるステップ;
    (5)アニーリングされたワイヤーブランクを0.02~0.35mmの完成品の直径まで連続的に引き抜くステップ、ならびにそれを5~25%で制御された通過加工割合、50~89%で制御された総加工割合、および500~1,800m/分で制御された引張速度で、応力緩和アニーリングに供するステップであって、ここで応力緩和アニーリングの電圧は20~40Vであり、アニーリング電流は10~60Aである、ステップ
    を含む方法。
  10. コーティングされたワイヤーブランクの表面粗さがRa 0.05~0.2μmであり、最終ワイヤーが500~2500mPaの引張強度および15~95%IACSの導電率を有し、ここで前記最終ワイヤーは、完成したワイヤー電極として使用した場合、その表面に高亜鉛合金コーティングを有するコーティングされたワイヤーの1.15~1.35倍の加工速度を可能にする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記CHO有機物が、デキストリン、ポリエチレングリコールまたは短鎖カルボン酸(ここで鎖長は酸が水に溶けるような鎖長である)、およびそれらの組合せから選択される、請求項9または10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記デキストリンが3~15グルコース単位の平均長さを有する、請求項11に記載の方法。
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