JP2022519118A - 抗クローディン18抗体及びそれらの使用の方法 - Google Patents

抗クローディン18抗体及びそれらの使用の方法 Download PDF

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Abstract

ヒト密着結合分子CLDN18.2に特異的に結合し、それらをCLDN18.2の異常発現と関連する疾患の抗体ベース免疫療法における使用に好適であるようにする機能的特性を有する抗体が、開示される。いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、抗体フラグメントである。さらなる実施形態において、抗体フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab)2、Fd、Fv、scFv、及びscFv-Fcフラグメント、単鎖抗体、ミニボディ、ならびにダイアボディからなる群から選択される。

Description

関連出願
本出願は、2019年2月1日に出願された米国仮特許出願第62/800,359号及び2019年8月26日に出願された米国仮特許出願第62/891,925号の利益を主張する。上記出願の教示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、全般的には、クローディン18.2(CLDN18.2)特異的抗体及びそれらの抗体フラグメントに関する。抗体は、上皮細胞に由来する原発性及び転移性のがんを含む、CLDN18.2の異常発現と関連する疾患の免疫療法のために有用である。
肺限定的(CLDN18.1)及び胃限定的(CLDN18.2)発現をプロモーター依存性手段で示す異なるアイソフォームをコードする、2つの交互にスプライスされたヒトクローディン18転写物変異体(Niimi et al.,Mol.Cell.Biol.21:7380-90,2001)が、既に報告されている。スプライス変異体の主要なタンパク質配列は、N末端細胞内領域、第1の膜貫通領域(TMD1)、及び細胞外ループ1(ECL1)を含むN末端部分で異なる。CLDN18.2は、1つの細胞系統に厳格な制限を有するヒトクローニングファミリーのいくつかのメンバーのうちの1つである(Tureci et al.)。より具体的には、短命化分化上皮細胞に限定されて胃腺の幹細胞ゾーンに存在しない発現パターンを有する高度に選択的な胃系統(例えば、胃細胞特異的)マーカーを提供する(Sahin et al.,Clin.Cancer Res.14(23)7624-7634,2008)。
CLDN18.2は、悪性形質転換に維持され、原発性腫瘍及びそれらの転移の著しい部分において発現される。Sahinらはまた、CLDN18.2が膵臓、胃、食道、肺、及び卵巣癌を含むいくつかの異なるタイプのがんでしばしば過剰発現されるが、CLDN18.1はそうではないことを報告している。したがって、がんの文脈において、CLDN18.2は、胃細胞系統に限定されるにとどまらない(Sahin et al.)。考え合わせると、公表された報告の発見は、CLDN18.2が、上皮細胞由来腫瘍と関連する疾患のがん免疫療法の開発において、診断ツール及び新薬開発につながる標的の両方を提供することを確立する。
密着結合透過性は、しばしば正常細胞よりも腫瘍細胞において高く、腫瘍細胞におけるクローディンタンパク質が、インタクトな密着結合を有する正常組織におけるよりも到達可能であり得るという推測を導き出すことが報告されている。この潜在性は、クローディンタンパク質を治療的ながん介入における魅力的な標的にする。さらに、公開される発現プロファイリング結果は、CLDN18.2を標的にするがん療法は、正常な代謝回転及び恒常性プロセスが2~7日毎に胃上皮細胞を補充するため、都合の良い全身毒性プロファイルを有することを示唆する(Sahin et al.)。限定された持続期間の一時的な胃腸毒性は、一般的であり、がん療法における管理可能な有害事象である。
膵臓癌及び胃食道癌は、悪性腫瘍の中でも、最も高い未対応で医学的必要性を有する(Sahin,et al.)。胃癌及び膵臓癌が著しいがん関連の罹患率及び死亡率に関与しているという事実にもかかわらず、治療選択肢は限定されている。そのため、上皮細胞由来の原発性及び転移性固形腫瘍と関連するがんの免疫療法における使用のために、抗CLDN18.2特異的抗体及び結合剤が必要とされている。
Niimi et al.,Mol.Cell.Biol.21:7380-90,2001 Sahin et al.,Clin.Cancer Res.14(23)7624-7634,2008
本開示は、ヒト密着結合分子CLDN18アイソフォーム2(CLDN18.2)に特異的に結合し、望ましい機能的特性を有する抗体及び抗体フラグメントを提供することによって、上記必要性に取り組む。抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメント、またはCLDN18.2もしくは抗体フラグメントを含む二重特異性分子もしくは融合タンパク質が、CLDN18.2発現の下方調節と関連する疾患の抗体ベース療法のために使用され得る。例えば、抗体は、胃癌、膵臓癌、及び食道癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、ならびに肝臓癌などの、CLDN18.2を発現する細胞と関連する固形腫瘍がん疾患を治療するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、本発明の抗体は、モノクローナル、キメラ、ヒト化、もしくはヒト抗体、二重特異性もしくは多重特異性抗体の成分、または抗体の抗原結合部分であり得、CLDN18.2の第1の細胞外ドメイン/ループに結合し、以下の特性:(a)CLDN18.2に対する特異性(ヒトCLDN18.2に結合するがCLDN18.1に結合しない)、(b)CLDN18.2を発現する細胞のADCC殺傷を媒介する能力、及び(c)CLDN18.2発現細胞でのCLDN18.2結合時の効率的内部移行、したがってADC開発における好適性、のうちの1つ以上を示す。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体またはそれらの抗体フラグメントは、ヒト腫瘍細胞によって天然に発現されるCLDN18.2(アイソフォーム2)に優先的に結合し、CLDN18アイソフォーム1(CLDN18.1)に結合しない。標的細胞の表面に発現されるCLDN18.2と結合する結果として、本開示の抗体は、アポトーシスの誘発、増殖の阻害、CDC溶解、ADCC溶解、または細胞毒性剤の送達などの1つ以上の作用メカニズムによって、標的細胞殺傷を媒介することができる。一実施形態において、標的細胞は、原発性または転移性がん細胞である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、全長抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、抗体フラグメントである。さらなる実施形態において、抗体フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab)2、Fd、Fv、scFv、及びscFv-Fcフラグメント、単鎖抗体、ミニボディ、ならびにダイアボディからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、モノクローナル抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、ネズミ抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、ヒト抗体である。いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、ヒト化抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、キメラ抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、非改変(例えば、天然発生)Fcフラグメント、または特定のFC媒介性機能を最適化、もしくは代替的にそれを排除するように設計された改変Fcフラグメントのいずれかを含む、二重特異性抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号47(HCDR1)と、配列番号48(HCDR2)と、配列番号49(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号50(LCDR1)と、配列番号51(LCDR2)と、配列番号52(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号53(HCDR1)と、配列番号54(HCDR2)と、配列番号55(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号56(LCDR1)と、配列番号57(LCDR2)と、配列番号58(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号59(HCDR1)と、配列番号60(HCDR2)と、配列番号61(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号62(LCDR1)と、配列番号63(LCDR2)と、配列番号64(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号65(HCDR1)と、配列番号66(HCDR2)と、配列番号67(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号68(LCDR1)と、配列番号69(LCDR2)と、配列番号70(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号71(HCDR1)と、配列番号72(HCDR2)と、配列番号73(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号74(LCDR1)と、配列番号75(LCDR2)と、配列番号76(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号77(HCDR1)と、配列番号78(HCDR2)と、配列番号79(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号80(LCDR1)と、配列番号81(LCDR2)と、配列番号82(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号83(HCDR1)と、配列番号84(HCDR2)と、配列番号85(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号86(LCDR1)と、配列番号87(LCDR2)と、配列番号88(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号89(HCDR1)と、配列番号90(HCDR2)と、配列番号91(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号92(LCDR1)と、配列番号93(LCDR2)と、配列番号94(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号95(HCDR1)と、配列番号96(HCDR2)と、配列番号97(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号98(LCDR1)と、配列番号99(LCDR2)と、配列番号100(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号101(HCDR1)と、配列番号102(HCDR2)と、配列番号103(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号104(LCDR1)と、配列番号105(LCDR2)と、配列番号106(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号107(HCDR1)と、配列番号108(HCDR2)と、配列番号109(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号110(LCDR1)と、配列番号111(LCDR2)と、配列番号112(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号113(HCDR1)と、配列番号114(HCDR2)と、配列番号115(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号116(LCDR1)と、配列番号117(LCDR2)と、配列番号118(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号119(HCDR1)と、配列番号120(HCDR2)と、配列番号121(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号122(LCDR1)と、配列番号123(LCDR2)と、配列番号124(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号125(HCDR1)と、配列番号126(HCDR2)と、配列番号127(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号128(LCDR1)と、配列番号129(LCDR2)と、配列番号130(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号131(HCDR1)と、配列番号132(HCDR2)と、配列番号133(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号134(LCDR1)と、配列番号135(LCDR2)と、配列番号136(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号137(HCDR1)と、配列番号138(HCDR2)と、配列番号139(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号140(LCDR1)と、配列番号141(LCDR2)と、配列番号142(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号143(HCDR1)と、配列番号144(HCDR2)と、配列番号145(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号146(LCDR1)と、配列番号147(LCDR2)と、配列番号148(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号149(HCDR1)と、配列番号150(HCDR2)と、配列番号151(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号152(LCDR1)と、配列番号153(LCDR2)と、配列番号154(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号155(HCDR1)と、配列番号156(HCDR2)と、配列番号157(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号158(LCDR1)と、配列番号159(LCDR2)と、配列番号160(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号161(HCDR1)と、配列番号162(HCDR2)と、配列番号163(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号164(LCDR1)と、配列番号165(LCDR2)と、配列番号166(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号167(HCDR1)と、配列番号168(HCDR2)と、配列番号169(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号170(LCDR1)と、配列番号171(LCDR2)と、配列番号172(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号173(HCDR1)と、配列番号174(HCDR2)と、配列番号175(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号176(LCDR1)と、配列番号177(LCDR2)と、配列番号178(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号179(HCDR1)と、配列番号180(HCDR2)と、配列番号181(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号182(LCDR1)と、配列番号183(LCDR2)と、配列番号184(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号221(HCDR1)と、配列番号222(HCDR2)と、配列番号223(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号224(LCDR1)と、配列番号225(LCDR2)と、配列番号226(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号227(HCDR1)と、配列番号228(HCDR2)と、配列番号229(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号230(LCDR1)と、配列番号231(LCDR2)と、配列番号232(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号233(HCDR1)と、配列番号234(HCDR2)と、配列番号235(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号236(LCDR1)と、配列番号237(LCDR2)と、配列番号238(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号239(HCDR1)と、配列番号240(HCDR2)と、配列番号241(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号242(LCDR1)と、配列番号243(LCDR2)と、配列番号244(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号245(HCDR1)と、配列番号246(HCDR2)と、配列番号247(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号248(LCDR1)と、配列番号249(LCDR2)と、配列番号250(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号251(HCDR1)と、配列番号252(HCDR2)と、配列番号253(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号254(LCDR1)と、配列番号255(LCDR2)と、配列番号256(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号257(HCDR1)と、配列番号258(HCDR2)と、配列番号259(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号260(LCDR1)と、配列番号261(LCDR2)と、配列番号262(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号263(HCDR1)と、配列番号264(HCDR2)と、配列番号265(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号266(LCDR1)と、配列番号267(LCDR2)と、配列番号268(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号269(HCDR1)と、配列番号270(HCDR2)と、配列番号271(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号272(LCDR1)と、配列番号273(LCDR2)と、配列番号274(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号275(HCDR1)と、配列番号276(HCDR2)と、配列番号277(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号278(LCDR1)と、配列番号279(LCDR2)と、配列番号280(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号281(HCDR1)と、配列番号282(HCDR2)と、配列番号283(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号284(LCDR1)と、配列番号285(LCDR2)と、配列番号286(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号287(HCDR1)と、配列番号288(HCDR2)と、配列番号289(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号290(LCDR1)と、配列番号291(LCDR2)と、配列番号292(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号293(HCDR1)と、配列番号294(HCDR2)と、配列番号295(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号296(LCDR1)と、配列番号297(LCDR2)と、配列番号298(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号299(HCDR1)と、配列番号300(HCDR2)と、配列番号301(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号302(LCDR1)と、配列番号303(LCDR2)と、配列番号304(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号311(HCDR1)と、配列番号312(HCDR2)と、配列番号313(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号314(LCDR1)と、配列番号315(LCDR2)と、配列番号316(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号317(HCDR1)と、配列番号318(HCDR2)と、配列番号319(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号320(LCDR1)と、配列番号321(LCDR2)と、配列番号322(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメントは、配列番号323(HCDR1)と、配列番号324(HCDR2)と、配列番号325(HCDR3)と、を有する重鎖可変領域、及び/または配列番号326(LCDR1)と、配列番号327(LCDR2)と、配列番号328(LCDR3)と、を有する軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、215、217、及び219からなる群から選択される可変重鎖配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、216、218、及び220からなる群から選択される可変軽鎖配列を含む。
本発明はさらに、抗CLDN18.2抗体、あるいは可変重鎖及び可変軽鎖配列の特定の組み合わせもしくは対を含む抗体またはCLDN18.2結合フラグメントを含むそれらの結合フラグメントを提供する。
実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体またはそれらの抗体フラグメントは、それぞれ配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、及び46からなる群から選択される可変軽鎖配列と対形成される、それぞれ配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、及び45からなる群から選択される可変重鎖配列を含む抗体もしくはそのCLDN18.2結合フラグメントを含む。
実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体またはそれらの抗体フラグメントは、それぞれ配列番号186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、216、218、及び220からなる群から選択される可変軽鎖配列と対形成される、それぞれ配列番号185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、215、217、及び219からなる群から選択される可変重鎖配列を含む抗体もしくはそのCLDN18.2結合フラグメントを含む。
実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体あるいはその結合フラグメントは、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の組み合わせもしくは対を含む抗体またはCLDN18.2結合フラグメントを含む。代替の実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体あるいはその結合フラグメントは、本発明の抗CLDN18.2抗体のVH及び/またはVLドメイン領域に由来するCDR配列の所定のセットもしくは組み合わせを含む抗体またはCLDN18.2結合フラグメントもしくは結合剤を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはその抗原結合フラグメントは、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の特定の対を含み、以下の組み合わせから選択される。
(a)配列番号1を含む可変重鎖配列及び配列番号2を含む可変軽鎖配列、
(b)配列番号3を含む可変重鎖配列及び配列番号4を含む可変軽鎖配列、
(c)配列番号5を含む可変重鎖配列及び配列番号6を含む可変軽鎖配列、
(d)配列番号7を含む可変重鎖配列及び配列番号8を含む可変軽鎖配列、
(e)配列番号9を含む可変重鎖配列及び配列番号10を含む可変軽鎖配列、
(f)配列番号11を含む可変重鎖配列及び配列番号12を含む可変軽鎖配列、
(g)配列番号13を含む可変重鎖配列及び配列番号14を含む可変軽鎖配列、
(h)配列番号15を含む可変重鎖配列及び配列番号16を含む可変軽鎖配列、
(i)配列番号17を含む可変重鎖配列及び配列番号18を含む可変軽鎖配列、
(j)配列番号19を含む可変重鎖配列及び配列番号20を含む可変軽鎖配列、
(k)配列番号21を含む可変重鎖配列及び配列番号22を含む可変軽鎖配列、
(l)配列番号23を含む可変重鎖配列及び配列番号24を含む可変軽鎖配列、
(m)配列番号25を含む可変重鎖配列及び配列番号26を含む可変軽鎖配列、
(n)配列番号27を含む可変重鎖配列及び配列番号28を含む可変軽鎖配列、
(o)配列番号29を含む可変重鎖配列及び配列番号30を含む可変軽鎖配列、
(p)配列番号31を含む可変重鎖配列及び配列番号32を含む可変軽鎖配列、
(q)配列番号33を含む可変重鎖配列及び配列番号34を含む可変軽鎖配列、
(r)配列番号35を含む可変重鎖配列及び配列番号36を含む可変軽鎖配列、
(s)配列番号37を含む可変重鎖配列及び配列番号38を含む可変軽鎖配列、
(t)配列番号39を含む可変重鎖配列及び配列番号40を含む可変軽鎖配列、
(u)配列番号41を含む可変重鎖配列及び配列番号42を含む可変軽鎖配列、
(v)配列番号43を含む可変重鎖配列及び配列番号44を含む可変軽鎖配列、ならびに
(w)配列番号45を含む可変重鎖配列及び配列番号46を含む可変軽鎖配列。
いくつかの実施形態において、提供される抗体は、完全にヒトの抗CLDN18.2抗体、またはその抗原結合フラグメントであり、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の特定の対を含み、以下の組み合わせから選択される。
(aa)配列番号185を含む可変重鎖配列及び配列番号186を含む可変軽鎖配列、
(bb)配列番号187を含む可変重鎖配列及び配列番号188を含む可変軽鎖配列、
(cc)配列番号189を含む可変重鎖配列及び配列番号190を含む可変軽鎖配列、
(dd)配列番号191を含む可変重鎖配列及び配列番号192を含む可変軽鎖配列、
(ee)配列番号193を含む可変重鎖配列及び配列番号194を含む可変軽鎖配列、
(ff)配列番号195を含む可変重鎖配列及び配列番号196を含む可変軽鎖配列、
(gg)配列番号197を含む可変重鎖配列及び配列番号198を含む可変軽鎖配列、
(hh)配列番号199を含む可変重鎖配列及び配列番号200を含む可変軽鎖配列、
(ii)配列番号201を含む可変重鎖配列及び配列番号202を含む可変軽鎖配列、
(jj)配列番号203を含む可変重鎖配列及び配列番号204を含む可変軽鎖配列、
(kk)配列番号205を含む可変重鎖配列及び配列番号206を含む可変軽鎖配列、
(ll)配列番号207を含む可変重鎖配列及び配列番号208を含む可変軽鎖配列、
(mm)配列番号209を含む可変重鎖配列及び配列番号210を含む可変軽鎖配列、
(nn)配列番号211を含む可変重鎖配列及び配列番号212を含む可変軽鎖配列、
(oo)配列番号215を含む可変重鎖配列及び配列番号216を含む可変軽鎖配列、
(pp)配列番号217を含む可変重鎖配列及び配列番号218を含む可変軽鎖配列、ならびに
(qq)配列番号219を含む可変重鎖配列及び配列番号220を含む可変軽鎖配列。
当業者は、可変軽鎖及び可変重鎖が、独立して、本明細書に提供される抗体から選択され得るか、または混合及び適合され得ることをさらに理解するであろう。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、及び45からなる群から選択される可変重鎖配列、ならびに配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、及び46からなる群から選択される可変軽鎖配列に由来するCDR配列の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、配列番号185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、215、217、及び219からなる群から選択される可変重鎖配列、ならびに配列番号186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、216、218及び220からなる群から選択される可変軽鎖配列に由来するCDR配列の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18抗体及びそれらの抗体フラグメントは、表1に開示される1つ以上の重鎖可変領域CDR及び/または表3に開示される1つ以上の軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18抗体及びそれらの抗体フラグメントは、表2に開示される1つ以上の重鎖可変領域CDR及び/または表4に開示される1つ以上の軽鎖可変領域CDRを含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体または抗体フラグメントは、6つのCDRを含む組換え抗体(例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、または二重特異性抗体)であり、CDRは全てが本明細書に開示される単一の抗CLDN18.2抗体のVHまたはVLドメインに由来する。例えば、結合剤は、Hu-1と称される抗CLDN18.2抗体における6つ全てのCDR領域を含み得る。この場合において、抗体または結合剤は、Hu-1抗体のそれぞれ可変重鎖領域のCDR1、CDR2、及びCDR3ならびに可変軽鎖領域のCDR1、CDR2、及びCDR3を示す配列番号221~223ならびに配列番号224~226のアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、CLDN18.2の第1の細胞外ドメイン/ループに結合して、ヒト腫瘍細胞によって天然に発現されるCLDN18アイソフォーム2に優先的に結合することと、CLDN18アイソフォーム1(CLDN18.1)に結合しないことと、結合後にCLDN18.2陽性細胞の表面から効率的に内部移行されることと、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)媒介性溶解、補体依存性細胞傷害(CDC)、または細胞依存性食作用(ADPC)を誘発することによってCLDN18.2陽性細胞の殺傷を指向させることができることと、のうちの1つ以上を示す。
本開示はまた、上皮細胞由来の原発性または転移性がんの治療のための方法も提供し、この方法は、抗CLDN18.2抗体、抗CLDN18.2特異的結合剤を含む二重特異性抗体、またはその抗体フラグメントを含む組成物もしくは製剤、及び任意選択的に別の免疫ベース療法を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、がんは、固形腫瘍、胃癌、食道癌、食道胃接合部の癌、膵臓癌、胆管癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、肝臓癌、頭頸部癌、胆嚢癌から選択される。いくつかの場合において、他の免疫ベース療法は、チェックポイント阻害剤である。
本開示の抗CLDN18.2抗体はまた、二重特異性T細胞結合抗体、もしくはNK細胞に向け直す二重特異性分子を含む、患者のエフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を腫瘍に向けるCLDN18.2特異的結合に依存する抗体ベース免疫療法、またはCAR-T療法などの細胞療法を開発するため、あるいはCLDN18.2陽性固形腫瘍への毒性ペイロード(例えば、コンジュゲート化細胞傷害性薬剤)の送達のために、使用することができる。
本開示の抗CLDN18.2はまた、胃癌、食道癌、食道胃接合部の癌、膵臓癌、胆管癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、肝臓癌、頭頸部癌、胆嚢癌の診断のために使用することができる。
上記の概要、ならびに本開示の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読み取ると、よりよく理解されるであろう。本開示を例示する目的で、図に示されるのは、現在好ましい実施形態である。しかしながら、本開示は、示される正確な配置、実施例、及び手段に限定されないことを理解されたい。
ネズミ抗CLDN18.2抗体のVH及びVLドメインのアミノ酸配列、ならびにそれらそれぞれのCDR配列を提供する。配列識別子が提供され、CDRは可変ドメイン配列に下線されている。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 ヒト抗CLDN18.2抗体のVH及びVLドメインのアミノ酸配列、ならびにそれらそれぞれのCDR配列を提供する。配列識別子が提供され、CDRには可変ドメイン配列において下線が引かれている。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 マウス抗クローディン18.2抗体のCHO-クローディン18.2細胞との結合を示す。ネズミ抗クローディン18.2抗体の結合強度カウントを示す。 マウス抗クローディン18.2抗体のCHO-クローディン18.2細胞との結合を示す。ネズミ抗クローディン18.2抗体Ms-1、Ms-2、及びMs-3のCHO-クローディン18.2細胞との結合曲線を示す。 マウス抗クローディン18.2抗体のCHO-クローディン18.2細胞との結合を示す。クローディン18.2抗体Ms-4及びHu-3のCHO-クローディン18.2細胞との結合を示すが、CHO-クローディン18.1とは結合しない。 ヒト抗クローディン18.2抗体の、CHO-クローディン18.2細胞及びCHO-クローディン18.1細胞との結合を示すグラフである。Aは、ヒト抗クローディン18.2抗体の結合を示す。Bは、ヒト抗クローディン18.2抗体Hu-2、Hu-9、及びHu-10のCHO-クローディン18.2細胞との結合曲線を示す。 CHO-クローディン18.2ならびに腫瘍細胞株PATU8988S及びNUGC-4における表面クローディン18.2発現レベルの比較を示す棒グラフである。 抗クローディン18.2抗体の腫瘍細胞株PATU8988Sとの結合を示す棒グラフである。Aは、ネズミ抗クローディン18.2抗体の結合強度カウントを示す。Bは、ヒト抗クローディン18.2抗体の結合を示す。 ヒト抗クローディン18.2抗体の腫瘍細胞株NUGC-4との結合を示す棒グラフである。 ヒト抗クローディン18.2抗体の腫瘍細胞株KatoIIIとの結合を示す棒グラフである。 Hu-2、Hu-7、及びHu-9媒介性抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を示す。 抗クローディン18.2抗体Hu-2、Hu-7、Hu-9、及びHu-11によって誘導される抗体媒介性エンドサイトーシスを示す。 本開示の抗CLDN18.2VH及びVLドメイン及び/またはCDR配列と組み合わせて使用するために好適である4つのヒト免疫グロブリンIgG1 CHドメイン(図11A)ならびにヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖CLドメイン(図11B)のアミノ酸配列を提供する。配列識別子が提供される。 本開示の抗CLDN18.2VH及びVLドメイン及び/またはCDR配列と組み合わせて使用するために好適である4つのヒト免疫グロブリンIgG1 CHドメイン(図11A)ならびにヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖CLドメイン(図11B)のアミノ酸配列を提供する。配列識別子が提供される。 配列番号336または配列番号338に提供されるアミノ酸配列を含む2つの代表的な全長抗CLDN18.2抗体)組換え重鎖のアミノ酸配列を提供し、これらのいずれかは、配列番号337に提供されるアミノ酸配列を有する組換えκ軽鎖と対形成して、全長ヒトIgG1抗CLDN18.2抗体を提供することができる。 Fc改変クローディン18.2抗体NBL-014P及びNBL-014Gは、Promega代用エフェクター細胞(図13A)またはCD16Aを過剰発現するNK92MI細胞(図13B)を使用して、ヒトクローディン18.2を過剰発現するCHO細胞に対する増強されたADCCを誘発することを示す。 Fc改変抗クローディン18.2抗体NBL-014P及びNBL-014Gは、NUGC-4細胞(図14A)及びPATU8988S細胞(図14B)に対する増強されたADCCを誘発することを示す。 Fc改変抗クローディン18.2抗体NBL-014P及びNBL-014Gは、ヒトクローディン18.2を過剰発現するCHO細胞に対して、PC1のCDC活性と比較して増強されたCDCを誘導することを示す。 Fc改変抗クローディン18.2抗体NBL-014P及びNBL-014Gは、PATU8988S細胞に対して、PC1のCDC活性と比較して増強されたCDC活性を誘発することを示す。 ヒトクローディン18.2を過剰発現するCHO細胞(図17A)及びNUGC-4細胞(図17B)に対する抗クローディン18.2抗体のADCP活性を示す。 ヒトクローディン18.2を過剰発現するCHO細胞(図17A)及びNUGC-4細胞(図17B)に対する抗クローディン18.2抗体のADCP活性を示す。 ヒトクローディン18.2を過剰発現する皮下PATU8988Sモデルにおける抗クローディン18.2抗体NBL-014及びPC1の抗腫瘍効能を、時間経過における腫瘍体積の変化(図18A)及び34日目の腫瘍重量(図18B)の決定に基づいて示す。 皮下NUGC-4モデルにおける抗クローディン18.2抗体NBL-014及びPC1の抗腫瘍有効性を、時間経過による腫瘍体積の変化に基づいて示すグラフである。 ヒトPBMC移植したNOGdKOマウスに埋め込まれた皮下NUGC-4モデルにおける抗クローディン18.2抗体NBL-014Pの抗腫瘍有効性を、時間経過による腫瘍体積の変化(図20A)及び28日目の腫瘍重量(図20B)の決定に基づいて示す。 ヒトクローディン18アイソフォーム2(クローディン18.2)(配列番号329)及びヒトクローディン18アイソフォーム1(クローディン18.1)(配列番号330)のアミノ酸配列を提供する。
本開示は、全般的には、クローディン18.2(CLDN18.2)特異的抗体及びそれらの抗体フラグメントに関する。抗CLDN18.2抗体もしくはそれらの抗体フラグメント、あるいは開示される抗CLDN18.2抗体のCDRもしくはVH及びVL配列を含む、二重特異性分子、または融合タンパク質は、CLDN18.2発現の調節不全に関連する疾患の抗体ベース療法のために使用され得る。より具体的には、抗CLDN18.2抗体は、胃癌、膵臓癌、及び食道癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、ならびに肝臓癌を含む、上皮細胞由来の原発性及び転移性がんの免疫療法のために使用することができる。
本発明は、ある特定の技術用語及び科学用語が以下に具体的に定義されることによって、より容易に理解され得る。本文書の他の箇所で特に定義されない限り、本明細書で使用される他の全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味を有する。
本開示を通して、以下の略語が使用される。
ADC-抗体薬物コンジュゲート。
ADCC-抗体依存性細胞性細胞傷害。
CDC-補体依存性細胞傷害。
CDR-免疫グロブリン可変領域における相補性決定領域。
ECD-細胞外ドメイン。
FR-抗体フレームワーク領域、CDR領域を除く免疫グロブリン可変領域。
EC50-最大半量の結合をもたらす抗体の濃度、またはその最大応答の50%を生じる抗体の効果的な濃度。
IC50-50%阻害をもたらす濃度。
mAbまたはMabもしくはMAb-モノクローナル抗体
VHまたはV-免疫グロブリン重鎖可変領域。
VLまたはV-免疫グロブリン軽鎖可変領域。
eADCC-増強された抗体依存性細胞性細胞傷害。
ADCP-抗体依存性細胞食作用。
Fc-結晶化可能な領域のフラグメント。
FcRn-新生児のFc受容体。
本明細書で使用される場合、「CLDN」という用語は、クローディンを意味し、CLDN18.2及びCLDN18.1を含む。好ましくは、クローディンは、ヒトクローディンである。
本明細書で使用される場合、「クローディン18アイソフォーム2」(CLDN18.2と互換的に使用される)という用語は、P56856-2、アイソフォーム(スプライス変異体2)として識別されるUni-Prot登録P56856(CLD18_ヒト)に提供されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるペプチドを指し、通常もしくは形質転換されたがん細胞の表面に存在するか、またはCLDN18.2遺伝子によってトランスフェクトされた細胞で発現される翻訳後改変された変異体及び種ホモログを含む。クローディン18.2は、好ましくは、配列番号329によるアミノ酸配列を有する。
本明細書で使用される場合、「クローディン18アイソフォーム1」(CLDN18.1と互換的に使用される)という用語は、P56856-1、アイソフォーム(スプライス変異体1)として識別されるUni-Prot登録P56856(CLD18_ヒト)に提供されるアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるペプチドを指し、通常もしくは形質転換されたがん細胞の表面に存在するか、またはCLDN18.1遺伝子によってトランスフェクトされた細胞で発現される翻訳後改変された変異体及び種ホモログを含む。クローディン18.1は、好ましくは、配列番号330によるアミノ酸配列を有する。
本明細書で使用される「細胞外ドメイン」または「細胞外部分」という用語は、細胞の細胞外空間に面し、好ましくは、当該細胞の外側から、例えば、細胞の外側に配置される抗体などの抗原結合分子によって到達可能である、タンパク質などの分子の一部を指す。好ましくは、本用語は、1つ以上の細胞外ループもしくはドメインまたはそれらのフラグメントを指す。
本明細書で使用される場合、「CLDN18関連疾患または障害」という用語は、CLDN18.2の変化したレベルもしくは活性、または到達可能性が認められる、疾患状態及び/または疾患状態に関連する症状を含む。例示的なCLDN18.2関連疾患または障害には、膵臓癌及び胃食道癌などのCLDN18.2を発現する上皮性腫瘍に関連するがん疾患が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、様々な抗体構造を包含し、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及び多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)が含まれるが、これらに限定されない。
IgGなどの例示的な抗体は、2つの重鎖及び2つの軽鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(VHとして本明細書で略される)及び重鎖定常領域から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VLとして本明細書で略される)及び軽鎖定常領域から構成される。VH及びVL領域はさらに、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性の領域に細分化され、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存される領域に点在される。各VH及びVLは3つのCDR及び4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端に、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配列される。
抗体の「クラス」または「アイソタイプ」は、重鎖によって有される定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのいくつかは、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2に分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。
本明細書で使用される場合、「IgG」という用語は、4つのサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4に属する抗体を含むヒト免疫グロブリンのアイソタイプを指す。
超可変領域は、一般的に、軽鎖可変領域におけるアミノ酸残基約24~34(LCDR1、「L」は軽鎖を示す)、50~56(LCDR2)、及び89~97(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域における約31~35(HCDR1、「H」は重鎖を示す)、50~65(HCDR2)、及び95~102(HCDR3);Kabat et al.,SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)、及び/または軽鎖可変領域における超可変ループ(例えば、残基26~32(LCDR1)、50~52(LCDR2)、及び91~96(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域における26~32(HCDR1)、53~55(HCDR2)、及び96~101(HCDR3);Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901-917からのアミノ酸残基を包含する。
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は同一であり、及び/または同じエピトープに結合するが、ただし、例えば、天然に発生する変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の産生の際に生じる可能性のある変異体抗体が除外され、かかる変異体は一般的に少量で存在する。異なる決定基(エピトープ)に対して指向される異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一決定基に対して指向される。したがって、修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体の特徴を指し示し、任意の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、様々な技法によって作成され得、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含有する遺伝子導入した動物を利用する方法が含まれるが、これらに限定されず、モノクローナル抗体を作成するためのかかる方法及び他の例示的な方法は、本明細書に記載される。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部が特定の供給源もしくは種に由来する一方で、重鎖及び/または軽鎖の残分が異なる供給源または種に由来する組換え抗体を指す。
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体であり、及び/または当業者に知られているヒト抗体を作成するための技法のうちのいずれかを使用して作成されている抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特定的に除外する。ヒト抗体は、当該技術分野で既知の様々な技法を使用して作成することができ、Cole et al,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、Boerner et al,J.Immunol,147(I):86-95(1991)に記載される方法が含まれる。また、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol,5:368-74(2001)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原負荷に応答してかかる抗体を産生するように改変されているが、その内因性対立遺伝子が無効化されている遺伝子導入動物、例えば、免疫化HuMabマウス(例えば、HuMabマウスに関して、Nils Lonberg et al.,1994,Nature 368:856-859、WO98/24884、WO94/25585、WO93/1227、WO92/22645、WO92/03918、及びWO01/09187を参照のこと)、ゼノマウス(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関して、米国特許第6,075,181号及び第6,150,584号を参照のこと)、またはTrianniマウス(例えば、Trianniマウスに関して、WO2013/063391、WO2017/035252、及びWO2017/136734を参照のこと)に抗原を投与することによって作成することができる。
「ヒト化抗体」という用語は、重鎖及び/または軽鎖の非ヒト(例えば、マウス、ラット、またはハムスター)相補性決定領域(CDR)と共に、可変領域における1つ以上のヒトフレームワーク領域を含むように操作されている抗体を指す。ある特定の実施形態において、ヒト化抗体は、CDR領域を除いて、完全にヒトである配列を含む。ヒト化抗体は、典型的には、ヒト化されていない抗体と比較して、ヒトに対する免疫原性が低く、したがって、ある特定の状況において治療的利益を提供する。当業者は、ヒト化抗体を認識し、それらの生成に好適な技法も認識するであろう。例えば、Hwang,W.Y.K.,et al.,Methods 36:35,2005、Queen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:10029-10033,1989、Jones et al.,Nature,321:522-25,1986、Riechmann et al.,Nature,332:323-27,1988、Verhoeyen et al.,Science,239:1534-36,1988、Orlandi et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:3833-37,1989、米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、第5,585,089号、第5,693,761号、第5,693,762号、第6,180,370号、及びSelick et al.,WO90/07861を参照し、それらの各々は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
「多重特異性抗体」という用語は、最も広義に使用され、具体的には、重鎖可変ドメイン(VH)及び軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗体を網羅し、VH-VL単位は、ポリエピトープ特異性を有する(すなわち、1つの生物学的分子上の2つの異なるエピトープ、または異なる生物学的分子上の各エピトープに結合することができる)。かかる多重特異性抗体には、全長抗体、2つ以上のVL及びVHドメインを有する抗体、二重特異性ダイアボディ、及びトリアボディが含まれるが、これらに限定されない。「多重エピトープ特異性」は、同じまたは異なる標的(複数可)上の2つ以上の異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。
「二特異性」または「二重特異性」は、同じまたは異なる標的(複数可)上の2つの異なるエピトープに特異的に結合する能力を指す。しかしながら、二重特異性抗体とは対照的に、二特異性抗体はアミノ酸配列が同一である2つの抗原結合アームを有し、各Fabアームは2つの抗原を認識することができる。二特異性によって、抗体は、単一のFabまたはIgG分子として2つの異なる抗原と高親和性で相互作用することができる。一実施形態によれば、IgG1形態における多重特異性抗体は、各エピトープに、5μM~0.001pM、3μM~0.001pM、1μM~0.001pM、0.5μM~0.001pM、または0.1μM~0.001pMの親和性で結合する。「単一特異性」は、1つのエピトープのみに結合する能力を指す。多重特異性抗体は、完全な免疫グロブリン分子と類似の構造を有し得、Fc領域、例えば、IgG Fc領域を含む。かかる構造は、IgG-Fv、IgG-(scFv)2、DVD-Ig、(scFv)2-(scFv)2-Fc、及び(scFv)2-Fc-(scFv)2を含むことができるが、これらに限定されない。IgG-(scFv)2の場合、scFvは、重鎖または軽鎖のいずれかのN末端もしくはC末端のいずれかに結合することができる。
本明細書で使用される場合、「二重特異性抗体」という用語は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体、多くはヒトまたはヒト化抗体を指す。本発明において、結合特異性の1つは、CLDN18.2に向けることができ、他は、任意の他の抗原、例えば、細胞表面タンパク質、受容体、受容体サブユニット、組織特異的抗原、ウイルス由来タンパク質、ウイルスによってコードされるエンベロープタンパク質、細菌に由来するタンパク質、または細菌性表面タンパク質などのためのものであることができる。
本明細書で使用される場合、「ダイアボディ」という用語は、2つのポリペプチド鎖を含む二価抗体を指し、各ポリペプチド鎖は、同じペプチド鎖上のVH及びVLドメインの分子内会合を可能にするのに十分短いリンカー(例えば、5つのアミノ酸からなるリンカー)によって連結されたVH及びVLドメインを含む。この構成は、各ドメインを別のポリペプチド鎖上の相補性ドメインと対形成させ、ホモ二量体構造を形成させる。したがって、「トリアボディ」という用語は、3つのペプチド鎖を含む三価抗体を指し、それらの各々は、同じペプチド鎖内のVH及びVLドメインの分子内会合を可能にする極めて短いリンカー(例えば、1~2個のアミノ酸からなるリンカー)によって結合された1つのVHドメイン及び1つのVLドメインを含有する。
「抗体フラグメント」という用語は、インタクト抗体が結合する抗原に結合するインタクト抗体の一部を含む、インタクト抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab)、ダイアボディ、直鎖抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFv)が含まれるが、これらに限定されない。抗体のパパイン消化は、「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメント、及び容易に結晶化する能力を反映した命名である残分の「Fc」フラグメントを生じる。Fabフラグメントは、重(H)鎖(VH)の可変領域ドメインを伴う全軽(L)鎖(VL)、及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)からなる。抗体のペプシン処理は、二価の抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合したFabフラグメントに概ね対応し、依然として抗原に架橋することができる単一の大きなF(ab)フラグメントを生じる。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含むCH1ドメインのカルボキシ末端に追加の数残基を有することによって、F(ab)フラグメントと異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有するFab’の本明細書における呼称である。F(ab’)抗体フラグメントは、本来、それらの間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として作成された。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも知られている。
抗体の「抗原結合ドメイン」または「抗原結合部分」(またはより単純に「結合ドメイン」または「結合部分」)という用語または類似の用語は、抗原複合体に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上のフラグメントを指す。抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含される結合フラグメントの例には、(i)VL、VH、CL、及びCHドメインからなる一価フラグメントであるFabフラグメント、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメントであるF(ab’)2フラグメント、(iii)VH及びCHドメインからなるFdフラグメント、(iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFvフラグメント、(v)VHドメインからなる、dAbフラグメント(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546)、(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、ならびに(vii)合成リンカーによって任意選択的に結合され得る2つ以上の単離されたCDRの組み合わせ、が含まれる。
「Fv」は、強固な非共有結合性会合における1つの重鎖可変領域ドメイン及び1つの軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。これらの2つのドメインのフォールディングから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与して、抗体に抗原結合特異性を付与する6つの超可変ループ(H及びL鎖から各々3つのループ)が生じる。
「sFv」または「scFv」とも略される「単鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に接続されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体フラグメントである。好ましくは、sFvポリペプチドは、VHドメインとVLドメインとの間に、sFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にするポリペプチドリンカーをさらに含む。SFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。
本明細書で使用される「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介することを主に担う、重鎖及び軽鎖ポリペプチドの両方の可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。各V及び各V内に3つのCDR(CDR1、CDR2、及びCDR3と称される)がある。
当業者に理解されるように、CDRの正確な番号付け及び配置は、異なる番号付けシステム間で異なり得る。しかしながら、可変重配列及び/または可変軽配列の開示は、関連するCDRの開示を含むことを理解されたい。したがって、各可変重領域の開示は、vhCDR(例えば、vhCDR1、vhCDR2、及びvhCDR3)の開示であり、各可変軽領域の開示は、vlCDR(例えば、vlCDR1、vlCDR2、及びvlCDR3)の開示である。
ある特定の実施形態において、抗体のCDRは、Lefranc M-P,(1999)The Immunologist 7:132-136及びLefranc M-P et al,(1999)Nucleic Acids Res 27:209-212に記載されるIMGT番号付けシステムに従って決定することができ、それらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に別段の記載がない限り、抗体の可変ドメインにおける残基番号への言及は、IMGT番号付けシステムによる残基番号付けを意味する。
他の実施形態において、抗体のCDRは、MacCallum RM et al,(1996)J Mol Biol 262:732-745に従って決定することができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、Martin A.”Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains,” in Antibody Engineering,Kontermann and Diibel,eds.,Chapter 31,pp.422-439,Springer-Verlag,Berlin(2001)を参考にし、その全体が本明細書に参照として組み込まれる。他の実施形態において、抗体のCDRは、Kabat CDRとChothia構造ループとの間の妥協を表す、AbM超可変領域を指すAbM番号付けスキームに従って決定することができ、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェア(Oxford Molecular Group,Inc.)によって使用されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「フレームワーク」または「フレームワーク領域」もしくは「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において、最も一般的に発生するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからのものである。一般に、配列のサブグループは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,NIH Publication 91-3242,Bethesda Md.(1991),vols.1-3におけるようなサブグループである。一実施形態において、VLについて、サブグループは、Kabat et al.同上におけるようなサブグループカッパIである。一実施形態において、VHについて、サブグループは、Kabat et al.同上におけるようなサブグループIIIである。
「ヒンジ領域」は、一般に、ヒトIgG1の216~238(EU番号付け)または226~251(Kabat番号付け)から延伸するものとして定義される。ヒンジは、さらに、上部、中部(例えば、コア)、及び下部ヒンジの3つの異なる領域に分割することができる。
本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部を含有し、免疫系の細胞の表面に存在する内因性受容体及び補体系のいくつかのタンパク質と相互作用する、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。本用語は、天然配列Fc領域及び変異体Fc領域を含む。一実施形態において、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226からか、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端に伸長する。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在しても存在しなくてもよい。本明細書で別途特定されない限り、Fc領域または定常領域におけるアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)に記載されるEUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。
「単離された抗体」という用語は、本明細書に開示される様々な抗体を記載するために使用される場合、それが発現された細胞または細胞培養物から同定され、分離され、及び/または回収されている抗体を意味する。その天然環境の混入成分は、典型的には、ポリペプチドにおける診断的または治療的使用を妨げる物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。いくつかの実施形態において、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフィー(例えば、イオン交換または逆相HPLC)法によって決定されるとき、95%または99%を超える純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の概説については、例えば、Flatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79-87(2007)を参照されたい。好ましい実施形態において、抗体は、(1)スピニングカップシーケネータの使用によって、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(2)クーマシーブルー、好ましくは銀染色を使用した非還元または還元条件下で、SDS-PAGEによる均一性まで、精製される。単離された抗体には、ポリペプチド天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないことによって、組換え細胞内の原位置での抗体が含まれる。
「エピトープ」は、抗体とその抗原(複数可)との間の相互作用の1つの部位または複数の部位を示す技術用語である。(Janeway,C,Jr.,P.Travers,et al.(2001).Immunobiology:the immune system in health and disease.Part II,Section3-8.New York,Garland Publishing,Inc.)によって記載されるように、「抗体は、一般に、タンパク質などの大きな分子の表面上の小さな領域のみを認識し・・・[ある特定のエピトープ]は、タンパク質フォールディングによってまとめられている[抗原]ポリペプチド鎖の異なる部分からのアミノ酸から構成される可能性が高い。認識される構造は、抗原のアミノ酸配列において不連続であるが、三次元構造ではまとめられるタンパク質のセグメントから構成されるため、この種の抗原決定基は、立体構造的または不連続的エピトープとして知られている。対照的に、ポリペプチド鎖の単一のセグメントから構成されるエピトープは、連続的または直線的なエピトープと称される(Janeway,C.,Jr.,P.Travers,et al.(2001).Immunobiology:the immune system in health and disease.Part II,Section3-8.New York,Garland Publishing,Inc.)。
参照抗体と「同一のエピトープに結合する抗体」とは、参照抗体と比較して抗原のアミノ酸残基の重なる配置で接触するか、または競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上ブロックする抗体を指す。抗原に接触する抗体のアミノ酸残基は、例えば、抗原との複合体における抗体の結晶構造を決定することによって、または水素/重水素交換を行うことによって、決定することができる。いくつかの実施形態において、抗原が5Å以内にある抗体の残基は、抗原と接触すると見なされる。いくつかの実施形態において、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体は、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上遮断し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%以上遮断する。
「遮断」抗体または「アンタゴニスト」抗体は、それが結合する抗原の生物活性を阻害もしくは低減するものである。ある特定の遮断抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を実質的に、または完全に阻害する。
標的分子への抗体の結合に関して、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープに、「特異的に結合している」もしくは「特異的に結合する」または「特異的である」という用語は、非特異的相互作用と測定可能で異なる結合を意味する。例えば、本明細書で使用される場合、「特異的に結合している」、「特異的に結合する」、及び「選択的に結合する」という用語は、結合が非特異的相互作用と測定可能で異なる、ヒトCLDN18.2のエピトープに結合する抗体を指す。特異的結合は、例えば、対照分子の結合と比較して分子の結合を決定することによって、測定することができる。例えば、特異的結合は、標的、例えば、過剰の非標識標的に類似する対照分子との競合によって決定することができる。この場合、特異的結合は、標識された標的のプローブとの結合が、過剰な非標識標的によって競合的に阻害される場合に示される。本明細書で使用される場合、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド標的上のエピトープに「特異的に結合している」もしくは「特異的に結合する」または「特異的である」という用語は、例えば、標的に対して10ー4M以下、あるいは10-5M以下、あるいは10-6M以下、あるいは10-7M以下、あるいは10-8M以下、あるいは10-9M以下、あるいは10-10M以下、あるいは10-11M以下、あるいは10-12M以下のKD、または10-4M~10-6Mもしくは10-6M~10-10Mもしくは10-7M~10-9Mの範囲のKDを有する分子によって示すことができる。当業者によって理解されるように、親和性及びKD値は逆の関係にある。抗原に対する高い親和性は、低いKD値によって測定される。一実施形態において、「特異的に結合している」という用語は、分子が、任意の他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープに実質的に結合することなく、特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド上のエピトープに結合する結合を指す。
本明細書で使用される「親和性」という用語は、抗体のエピトープとの結合の強度を意味する。抗体の親和性は、[Ab]×[Ag]/[Ab-Ag]として定義される解離定数Kdによって与えられ、[Ab-Ag]は、抗体-抗原複合体のモル濃度であり、[Ab]は、非結合抗体のモル濃度であり、[Ag]は、非結合抗原のモル濃度である。親和性定数Kaは、1/Kdによって定義される。MAbの親和性を決定するための方法は、Harlow,et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988)、Coligan et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience,N.Y.,(1992,1993)、及びMuller,Meth.Enzymol.92:589-601(1983)に認めることができ、これらの参考は、参照により本明細書に全体として組み込まれる。MAbの親和性を決定するために当該技術分野でよく知られている1つの標準的な方法は、表面プラズモン共鳴(SPR)スクリーニング(例えば、BIAcore(商標)SPR分析デバイスによる分析など)の使用である。
薬剤及び特定の活性(例えば、細胞への結合、酵素活性の阻害、免疫細胞の活性化または阻害)に関して「EC50」とは、かかる活性についてその最大応答または効果の50%を生じる薬剤の効率的な濃度を指す。薬剤及び特定の活性に関して「EC100」とは、かかる活性に関して実質的に最大の応答を生み出す薬剤の効率的な濃度を指す。
「エフェクター機能」という用語は、抗体のアイソタイプによって変化する、抗体のFc領域に起因するこれらの生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方調節、及びB細胞活性化が含まれる。
本明細書で使用される場合、「Fcγ受容体」という用語は、抗体のFc領域に結合し、抗原認識に関与する、Bリンパ球、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、好中球、及び肥満細胞を含む免疫細胞の膜に位置する内因性受容体のファミリーを指す。
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する」という用語は、結合対(例えば、抗体/細胞表面分子)を指す場合、不均一なタンパク質及び/または他の生物製剤の集団におけるタンパク質、例えば、CLDN18.2の存在を確定する結合反応を示す。したがって、指定された条件下では、特定の抗体は、特定の細胞表面マーカーに結合し、細胞表面上または試料中に存在する他のタンパク質に有意な量で結合しない。
本明細書で使用される場合、「CLDN18.2に特異的に結合する」という用語は、クローディン18アイソフォーム1(CLDN18.1)、または任意の他の系統特異的な細胞表面マーカーにではなく、正常または悪性の細胞の表面に生じる内因性クローディン18アイソフォーム2を認識して、結合する抗体、または抗原結合フラグメントの能力を指す。
本明細書で使用される場合、「エンドサイトーシス」という用語は、真核細胞が形質膜のセグメント、細胞表面受容体、及び細胞外流体からの成分を内部移行させるプロセスを指す。エンドサイトーシス機構には、受容体媒介性エンドサイトーシスが含まれる。「受容体媒介性エンドサイトーシス」という用語は、リガンドが、その標的に結合すると、膜陥入及びピンチングを引き起こし、内在化させ、細胞質内に送達するか、または適切な細胞内区画に移行する生物学的機構を指す。
本明細書で使用される場合、用語「抗体ベース免疫療法」及び「免疫療法」は、広義には、抗CLDN18.2抗体、二重特異性分子、抗原結合ドメイン、あるいはCLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントもしくはCDRを含む融合タンパク質の標的化特異性に依存して、CLDN18.2の異常な発現を特徴とする細胞に対する直接的または間接的な効果を媒介する任意の形態の療法を指すために使用される。本用語は、ネイキッド抗体、二重特異性抗体(T細胞結合、NK細胞結合、及び他の免疫細胞/エフェクター細胞結合方式を含む)、抗体薬物コンジュゲートを使用する治療の方法、CLDN18.2特異的キメラ抗原受容体及びCLDN18.2特異的結合剤を含む腫瘍溶解性ウイルスを含むように操作されたT細胞(CAR-T)またはNK細胞(CAR-NK)を使用する細胞療法、ならびに抗CLDN18.2抗体の抗原結合配列を送達し、インビボで対応する抗体フラグメントを発現させることによる遺伝子療法を包含することを意味する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈により明らかに他が指示されない限り、複数の参照物を含むことに留意されたい。
クローディン18(CLDN18)
タンパク質のクローディンファミリーは、密着結合の重要な構造的及び機能的成分として、1998年に最初にクローニングされ、命名された。ファミリーとして、クローディンは、上皮細胞及び内皮細胞の障壁機能ならびに細胞骨格の維持に関与する四回膜貫通タンパク質の多遺伝子ファミリーである(Furuse et al.,J.Cell.Biol.141(7):1539-50,1998)。CLDN18は、CLDN18アイソフォーム1(CLDN18.1)及びCLDN18アイソフォーム2(CLDN18.2)を含む、異なる変異体または立体構造を有する。
クローディンタンパク質の第1の細胞外ドメイン(ECD)は、典型的には約50個のアミノ酸からなり、第2のものは、それより小さく、約22個のアミノ酸を有する(Hashimoto,et al.Drug Discovery Today 21(10):1711-1718,2016)。N末端は通常、非常に短い(例えば、約4~10個のアミノ酸)が、C末端は、21~約63個のアミノ酸の範囲であり、密着結合においてタンパク質の局在化に必要である。
密着結合の透過性は、多くの場合、正常組織中よりも腫瘍組織で高いという観察は、腫瘍細胞におけるクローディンタンパク質が、インタクトな密着結合を有する正常組織よりも到達可能であり得るという推測を導き出している。この観察はまた、クローディンタンパク質を治療的ながん介入における魅力的な標的にする。さらに、公開された発現プロファイリング結果は、CLDN18.2を標的にするがん療法は、正常な代謝回転及び恒常性プロセスが2~7日毎に胃腸上皮細胞を補充するため、好都合な全身毒性プロファイルを有することを示唆する(Sahin et al)。限定された持続期間の一時的な胃腸毒性は一般的であり、がん免疫療法における管理可能な有害事象である。
CLDN18.2は、2つの小さな細胞外ループ(疎水性領域1及び疎水性領域2によって包含されるループ1、疎水性領域3及び4によって包含されるループ2)を有する4つの膜スパニングドメインを含む。CLDN18.2は、膜貫通タンパク質であり、したがって、その細胞外ループ内に存在するか、またはその細胞外ループによって形成されるエピトープは、抗体ベースがん免疫療法のための望ましい標的を表わす。しかしながら、CLDN18.1は、毒性に非常に関連する組織である正常肺組織における肺胞上皮細胞によって発現されることを考慮すると、排他的スプライス変異体特異性は、抗体ベースがん免疫療法にCLDN18.2特異的抗体を使用するために認められた前提条件だった。Sahinらは、CLDN18.2に排他的に結合し、CLDN18.1に結合しない抗体(ポリクローナル及びモノクローナル)の単離に基づいて、CLDN18.2をがん免疫療法の薬剤化可能な標的として検証する概念実証結果を最初に報告した(Sahin et al.,Clin.Cancer Res.14(23)7624-7634,2008)。
CLDN18.2は、多くの原発性腫瘍及びそれらの転移で発現され、胃癌、食道癌、膵臓癌、非小細胞肺癌などの肺癌、卵巣癌、結腸癌、肝臓癌、頭頸部癌、及び胆嚢癌が含まれる。クローディンの調節不全化発現は、多くのがんにおいて検出され、腫瘍形成及びがん浸潤性に関与し得る(Singh et al.,J Oncology 2010;2010:541957)。CLDN18.2の発現は、膵管腺癌(PDAC)(Tanaka et al.,J Histochem Cytochem.2011;59:942-952)、食道腫瘍、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌(Sahin et al.Hu Cancer Biol.2008;14:7624-7634)、及び胆管腺癌(Keira et al.Virchows,Arch.2015;466:265-277)において顕著に上昇する。
胃癌が、がん関連の著しい罹患率及び死亡率に関わっているにもかかわらず、胃癌の治療選択肢は限られている。クローディンは、正常組織、良性新生物、過形成状態、及びがんに存在する(Ding et al.,Cancer Manag.Res.5:367-375(2013))。クローディンの発現パターンは、高度に組織特異的であり、ほとんどの組織が複数のクローディンを発現する。クローディンタンパク質は、ホモタイプまたはヘテロタイプ形式で隣接細胞からのクローディンと相互作用して、密着結合を形成することができる(Ding et al.)。クローディン発現及びシグナル伝達経路の変化は、がんの発生に関連することが知られており、障害のある密着結合の機能と腫瘍進行との間の関連が広く報告されている。
抗CLDN18.2抗体
CLDN18.2の第1の細胞外ドメイン/ループに特異的に結合する抗CLDN18抗体、特にヒト及びネズミモノクローナル抗CLDN18.2抗体が提供される。CLDN18.2モノクローナル抗体または抗原結合フラグメントのCLDN18.2との結合は、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性食作用(ADPC)、及び/または抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)、あるいは標的化されたがん細胞の死をもたらす他の効果を媒介することができる。あるいは、抗体またはその抗原結合フラグメントは、例えば、コンジュゲート化細胞傷害性薬物を送達する役割を果たすことができ、及び/または別のモノクローナル抗体と二重特異性抗体を形成して標的化されたがん細胞の死を媒介することができる。
実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、表1もしくは表2に開示されるCDR(HCDR1、HCDR2、及びHCDR3)のセットを有するVHを含む。例えば、抗CLDN18抗体またはそれらの抗体フラグメントは、表2に記載の抗CLDN18.2抗体重鎖のうちの1つ以上におけるこれらのCDRに対応するCDRのセット(例えば、Hu-1抗体のCDR)を含み得る。
別の実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、表3または表4に開示されるようなCDRのセット(LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を有するVLを含む。例えば、抗CLDN18抗体またはそれらの抗体フラグメントは、表4に記載の抗CLDN18.2抗体軽鎖のうちの1つ以上におけるそれらのCDRに対応するCDRのセット(例えば、Hu-1抗体のCDR)を含み得る。
代替の実施形態において、抗CLDN18抗体またはそれらの抗体フラグメントは、表1に開示されるCDRのセット(HCDR1、HCDR2、及びHCDR3)を有するVHと、表3に開示されるCDRのセット(LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を有するVLと、を含む。
代替の実施形態において、抗CLDN18抗体またはそれらの抗体フラグメントは、表2に開示されるCDRのセット(HCDR1、HCDR2、及びHCDR3)を有するVHと、表4に開示されるCDRのセット(LCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を有するVLと、を含む。
特定の実施形態において、抗CLDN18.2抗体は、単一のネズミ抗体(表1のVH CDR及び表3のVL CDR)または完全にヒトの抗体(表2のVH CDR及び表4のVL CDR)に由来する6つのCDRのセットを含み得る。例えば、抗体は、完全にヒトの抗CLDN18.2抗体「Hu-1」に由来する6つのCDR領域のセットを含み得る。この場合、結合剤は、それぞれ、Hu-1抗体の可変重ドメインのCDR1、CDR2、及びCDR3、ならびに可変軽ドメインのCDR1、CDR2、及びCDR3を表す、配列番号221~223ならびに配列番号224~226のアミノ酸配列を含むことになる。
表1:ネズミ可変重鎖ドメインのCDR配列
Figure 2022519118000002
表2:ヒト可変重鎖ドメインのCDR配列
Figure 2022519118000003
Figure 2022519118000004
表3:ネズミ可変軽鎖ドメインのCDR配列
Figure 2022519118000005
表4:ヒト可変軽鎖ドメインのCDR配列
Figure 2022519118000006
Figure 2022519118000007
実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、もしくはヒト抗体、またはその抗原結合部分、あるいはヒトCLDN18アイソフォーム2に特異的に結合する二重特異性もしくは多重特異性結合剤であり得る。
別の実施形態において、抗CLDN18.2抗体または抗体フラグメントは、抗CLDN18.2抗体の開示されるVH及び/またはVLドメインに由来する相補性決定領域(CDR)配列の定義されたセット/組み合わせを含む。
実施形態において、抗CLDN8.2抗体またはその抗体フラグメントは、以下の特性:ヒト腫瘍細胞によって発現されるCLDN18アイソフォーム2に優先的に結合することと、CLDN18アイソフォーム1(CLDN18.1)に結合しないことと、結合後にCLDN18.2陽性細胞の表面から効率的に内部移行されることと、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)媒介性溶解を誘発することによってCLDN18.2陽性細胞の殺傷を指向することができることと、のうちの1つ以上を示す。
実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体またはそれらの結合フラグメントは、以下からなる群から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含むVHを含む。
(i)CDR1:配列番号47、CDR2:配列番号48、CDR3:配列番号49、
(ii)CDR1:配列番号53、CDR2:配列番号54、CDR3:配列番号55、
(iii)CDR1:配列番号59、CDR2:配列番号60、CDR3:配列番号61、
(iv)CDR1:配列番号65、CDR2:配列番号66、CDR3:配列番号67、
(v)CDR1:配列番号71、CDR2:配列番号72、CDR3:配列番号73、
(vi)CDR1:配列番号77、CDR2:配列番号78、CDR3:配列番号79、
(vii)CDR1:配列番号83、CDR2:配列番号84、CDR3:配列番号85、
(viii)CDR1:配列番号89、CDR2:配列番号90、CDR3:配列番号91、
(ix)CDR1:配列番号95、CDR2:配列番号96、CDR3:配列番号97、
(x)CDR1:配列番号101、CDR2:配列番号102、CDR3:配列番号103、(xi)CDR1:配列番号107、CDR2:配列番号108、CDR3:配列番号109、(xii)CDR1:配列番号113、CDR2:配列番号114、CDR3:配列番号115、(xiii)CDR1:配列番号119、CDR2:配列番号120、CDR3:配列番号121、
(xiv)CDR1:配列番号125、CDR2:配列番号126、CDR3:配列番号127、
(xv)CDR1:配列番号131、CDR2:配列番号132、CDR3:配列番号133、(xvi)CDR1:配列番号137、CDR2:配列番号138、CDR3:配列番号139、
(xvii)CDR1:配列番号143、CDR2:配列番号144、CDR3:配列番号145、
(xviii)CDR1:配列番号149、CDR2:配列番号150、CDR3:配列番号151、
(xix)CDR1:配列番号155、CDR2:配列番号156、CDR3:配列番号157、
(xx)CDR1:配列番号161、CDR2:配列番号162、CDR3:配列番号163、(xxi)CDR1:配列番号167、CDR2:配列番号168、CDR3:配列番号169、
(xxii)CDR1:配列番号173、CDR2:配列番号174、CDR3:配列番号175、及び
(xxiii)CDR1:配列番号179、CDR2:配列番号180、CDR3:配列番号181。
実施形態において、抗CLDN18.2特異的抗体またはそれらの結合フラグメントは、以下からなる群から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含むVLを含む。
(i)CDR1:配列番号50、CDR2:配列番号51、CDR3:配列番号52、
(ii)CDR1:配列番号56、CDR2:配列番号57、CDR3:配列番号58、
(iii)CDR1:配列番号62、CDR2:配列番号63、CDR3:配列番号64、
(iv)CDR1:配列番号68、CDR2:配列番号69、CDR3:配列番号70、
(v)CDR1:配列番号74、CDR2:配列番号75、CDR3:配列番号76、
(vi)CDR1:配列番号80、CDR2:配列番号81、CDR3:配列番号82、
(vii)CDR1:配列番号86、CDR2:配列番号87、CDR3:配列番号88、
(viii)CDR1:配列番号92、CDR2:配列番号93、CDR3:配列番号94、
(ix)CDR1:配列番号98、CDR2:配列番号99、CDR3:配列番号100、
(x)CDR1:配列番号104、CDR2、配列番号105、CDR3:配列番号106、
(xi)CDR1:配列番号110、CDR2:配列番号111、CDR3:配列番号112、
(xii)CDR1:配列番号116、CDR2:配列番号117、CDR3:配列番号118、
(xiii)CDR1:配列番号122、CDR2:配列番号123、CDR3:配列番号124、
(xiv)CDR1:配列番号128、CDR2:配列番号129、CDR3:配列番号130、
(xv)CDR1:配列番号134、CDR2:配列番号135、CDR3:配列番号136、
(xvi)CDR1:配列番号140、CDR2:配列番号141、CDR3:配列番号142、
(xvii)CDR1:配列番号146、CDR2:配列番号147、CDR3:配列番号148、
(xviii)CDR1:配列番号152、CDR2:配列番号153、CDR3:配列番号154、
(xix)CDR1:配列番号158、CDR2:配列番号159、CDR3:配列番号160、
(xx)CDR1:配列番号164、CDR2:配列番号165、CDR3:配列番号166、
(xxi)CDR1:配列番号170、CDR2:配列番号171、CDR3:配列番号172、
(xxii)CDR1:配列番号176、CDR2:配列番号177、CDR3:配列番号178、及び
(xxiii)CDR1:配列番号182、CDR2:配列番号183、CDR3:配列番号184。
実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、各々が以下からなる群から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む、VH及びVLの組み合わせを含む。
(i)VH:CDR1:配列番号47、CDR2:配列番号48、CDR3:配列番号49、VL:CDR1:配列番号50、CDR2:配列番号51、CDR3:配列番号52、
(ii)VH:CDR1:配列番号53、CDR2:配列番号54、CDR3:配列番号55、VL:CDR1:配列番号56、CDR2:配列番号57、CDR3:配列番号58、
(iii)VH:CDR1:配列番号59、CDR2:配列番号60、CDR3:配列番号61、VL:CDR1:配列番号62、CDR2:配列番号63、CDR3:配列番号64、
(iv)VH:CDR1:配列番号65、CDR2:配列番号66、CDR3:配列番号67、VL:CDR1:配列番号68、CDR2:配列番号69、CDR3:配列番号70、
(v)VH:CDR1:配列番号71、CDR2:配列番号72、CDR3:配列番号73、VL:CDR1:配列番号74、CDR2:配列番号75、CDR3:配列番号76、
(vi)VH:CDR1:配列番号77、CDR2:配列番号78、CDR3:配列番号79、VL:CDR1:配列番号80、CDR2:配列番号81、CDR3:配列番号82、
(vii)VH:CDR1:配列番号83、CDR2:配列番号84、CDR3:配列番号85、VL:CDR1:配列番号86、CDR2:配列番号87、CDR3:配列番号88、
(viii)VH:CDR1:配列番号89、CDR2:配列番号90、CDR3:配列番号91、VL:CDR1:配列番号92、CDR2:配列番号93、CDR3:配列番号94、
(ix)VH:CDR1:配列番号95、CDR2:配列番号96、CDR3:配列番号97、VL:CDR1:配列番号98、CDR2:配列番号99、CDR3:配列番号100、
(x)VH:CDR1:配列番号101、CDR2:配列番号102、CDR3:配列番号103、VL:CDR1:配列番号104、CDR2:配列番号105、CDR3:配列番号106、
(xi)VH:CDR1:配列番号107、CDR2:配列番号108、CDR3:配列番号109、VL:CDR1:配列番号110、CDR2:配列番号111、CDR3:配列番号112、
(xii)VH:CDR1:配列番号113、CDR2:配列番号114、CDR3:配列番号115、VL:CDR1:配列番号116、CDR2:配列番号117、CDR3:配列番号118、
(xiii)VH:CDR1:配列番号119、CDR2:配列番号120、CDR3:配列番号121、VL:CDR1:配列番号122、CDR2:配列番号123、CDR3:配列番号124、
(xiv)VH:CDR1:配列番号125、CDR2:配列番号126、CDR3:配列番号127、VL:CDR1:配列番号128、CDR2:配列番号129、CDR3:配列番号130、
(xv)VH:CDR1:配列番号131、CDR2:配列番号132、CDR3:配列番号133、VL:CDR1:配列番号134、CDR2:配列番号135、CDR3:配列番号136、
(xvi)VH:CDR1:配列番号137、CDR2:配列番号138、CDR3:配列番号139、VL:CDR1:配列番号140、CDR2:配列番号141、CDR3:配列番号142、
(xvii)VH:CDR1:配列番号143、CDR2:配列番号144、CDR3:配列番号145、VL:CDR1:配列番号146、CDR2:配列番号147、CDR3:配列番号148、
(xviii)VH:CDR1:配列番号149、CDR2:配列番号150、CDR3:配列番号151、VL:CDR1:配列番号152、CDR2:配列番号153、CDR3:配列番号154、
(xix)VH:CDR1:配列番号155、CDR2:配列番号156、CDR3:配列番号157、VL:CDR1:配列番号158、CDR2:配列番号159、CDR3:配列番号160、
(xx)VH:CDR1:配列番号161、CDR2:配列番号162、CDR3:配列番号163、VL:CDR1:配列番号164、CDR2:配列番号165、CDR3:配列番号166、
(xxi)VH:CDR1:配列番号167、CDR2:配列番号168、CDR3:配列番号169、VL:CDR1:配列番号170、CDR2:配列番号171、CDR3:配列番号172、
(xxii)VH:CDR1:配列番号173、CDR2:配列番号174、CDR3:配列番号175、VL:CDR1:配列番号176、CDR2:配列番号177、CDR3:配列番号178、及び
(xxiii)VH:CDR1:配列番号179、CDR2:配列番号180、CDR3:配列番号181、VL:CDR1:配列番号182、CDR2:配列番号183、CDR3:配列番号184。
実施形態において、完全にヒトの抗CLDN18.2抗体、またはそれらの抗原結合フラグメントは、以下からなる群から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含むVHを含む。
(i)CDR1:配列番号221、CDR2:配列番号222、CDR3:配列番号223、
(ii)CDR1:配列番号227、CDR2:配列番号228、CDR3:配列番号229、
(iii)CDR1:配列番号233、CDR2:配列番号234、CDR3:配列番号235、(iv)CDR1:配列番号239、CDR2:配列番号240、CDR3:配列番号241、
(v)CDR1:配列番号245、CDR2:配列番号246、CDR3:配列番号247、(vi)CDR1:配列番号251、CDR2:配列番号252、CDR3:配列番号253、(vii)CDR1:配列番号257、CDR2:配列番号258、CDR3:配列番号259、(viii)CDR1:配列番号263、CDR2:配列番号264、CDR3:配列番号265、(ix)CDR1:配列番号269、CDR2:配列番号270、CDR3:配列番号271、
(x)CDR1:配列番号275、CDR2:配列番号276、CDR3:配列番号277、(xi)CDR1:配列番号281、CDR2:配列番号282、CDR3:配列番号283、(xii)CDR1:配列番号287、CDR2:配列番号288、CDR3:配列番号289、(xiii)CDR1:配列番号293、CDR2:配列番号294、CDR3:配列番号295、(xiv)CDR1:配列番号299、CDR2:配列番号300、CDR3:配列番号301、(xv)CDR1:配列番号311、CDR2:配列番号312、CDR3:配列番号313、(xvi)CDR1:配列番号317、CDR2:配列番号318、CDR3:配列番号319、及び
(xvii)CDR1:配列番号323、CDR2:配列番号324、CDR3:配列番号325。
実施形態において、完全にヒトの抗CLDN18.2抗体、またはそれらの抗原結合フラグメントは、以下からなる群から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットの含むVLを含む:
(i)CDR1:配列番号224、CDR2:配列番号225、CDR3:配列番号226、
(ii)CDR1:配列番号230、CDR2:配列番号231、CDR3:配列番号232、(iii)CDR1:配列番号236、CDR2、配列番号237、CDR3、配列番号238、(iv)CDR1:配列番号242、CDR2:配列番号243、CDR3:配列番号244、
(v)CDR1:配列番号248、CDR2:配列番号249、CDR3:配列番号250、
(vi)CDR1:配列番号254、CDR2:配列番号255、CDR3:配列番号256、(vii)CDR1:配列番号260、CDR2:配列番号261、CDR3:配列番号262、(viii)CDR1:配列番号266、CDR2:配列番号267、CDR3:配列番号268、(ix)CDR1:配列番号272、CDR2、配列番号273、CDR3:配列番号274、
(x)CDR1:配列番号278、CDR2:配列番号279、CDR3、配列番号280、
(xi)CDR1:配列番号284、CDR2:配列番号285、CDR3:配列番号286、(xii)CDR1:配列番号290、CDR2:配列番号291、CDR3:配列番号292、(xiii)CDR1:配列番号296、CDR2:配列番号297、CDR3:配列番号298、(xiv)CDR1:配列番号302、CDR2:配列番号303、CDR3:配列番号304、(xv)CDR1:配列番号314、CDR2:配列番号315、CDR3:配列番号316、(xvi)CDR1:配列番号320、CDR2:配列番号321、CDR3、配列番号322、及び
(xvii)CDR1:配列番号326、CDR2:配列番号327、CDR3:配列番号328。
ネズミ抗CLDN18.2抗体の配列番号ならびに可変ドメイン(VH及びVL)及びCDRのアミノ酸配列を図1に提供する。
ヒト抗CLDN18.2抗体の配列番号ならびに可変ドメイン(VH及びVL)及びCDRのアミノ酸配列を図2に提供する。
実施形態において、CLDN18.2に結合する能力を有する抗体は、各々が以下からなる群から選択される相補性決定領域CDR1、CDR2、及びCDR3のセットを含む、VH及びVLの組み合わせを含む。
(i)VH:CDR1:配列番号221、CDR2:配列番号222、CDR3:配列番号223、VL:CDR1:配列番号224、CDR2:配列番号225、CDR3:配列番号226、
(ii)VH:CDR1:配列番号227、CDR2:配列番号228、CDR3:配列番号229、VL:CDR1:配列番号230、CDR2:配列番号231、CDR3:配列番号232、
(iii)VH:CDR1:配列番号233、CDR2:配列番号234、CDR3:配列番号235、VL:CDR1:配列番号236、CDR2:配列番号237、CDR3:配列番号238、
(iv)VH:CDR1:配列番号239、CDR2:配列番号240、CDR3:配列番号241、VL:CDR1:配列番号242、CDR2:配列番号243、CDR3:配列番号244、
(v)VH:CDR1:配列番号245、CDR2:配列番号246、CDR3:配列番号247、VL:CDR1:配列番号248、CDR2:配列番号249、CDR3:配列番号250、
(vi)VH:CDR1:配列番号251、CDR2:配列番号252、CDR3:配列番号253、VL:CDR1:配列番号254、CDR2:配列番号255、CDR3:配列番号256、
(vii)VH:CDR1:配列番号257、CDR2:配列番号258、CDR3:配列番号259、VL:CDR1:配列番号260、CDR2:配列番号261、CDR3:配列番号262、
(viii)VH:CDR1:配列番号263、CDR2:配列番号264、CDR3:配列番号265、VL:CDR1:配列番号266、CDR2:配列番号267、CDR3:配列番号268、
(ix)VH:CDR1:配列番号269、CDR2:配列番号270、CDR3:配列番号271、VL:CDR1:配列番号272、CDR2:配列番号273、CDR3:配列番号274、
(x)VH:CDR1:配列番号275、CDR2:配列番号276、CDR3:配列番号277、VL:CDR1:配列番号278、CDR2:配列番号279、CDR3:配列番号280、
(xi)VH:CDR1:配列番号281、CDR2:配列番号282、CDR3:配列番号283、VL:CDR1:配列番号284、CDR2:配列番号285、CDR3:配列番号286、
(xii)VH:CDR1:配列番号287、CDR2:配列番号288、CDR3:配列番号289、VL:CDR1:配列番号290、CDR2:配列番号291、CDR3:配列番号292、
(xiii)VH:CDR1:配列番号293、CDR2:配列番号294、CDR3:配列番号295、VL:CDR1:配列番号296、CDR2:配列番号297、CDR3:配列番号298、
(xiv)VH:CDR1:配列番号299、CDR2:配列番号300、CDR3:配列番号301、VL:CDR1:配列番号302、CDR2:配列番号303、CDR3:配列番号304、
(xv)VH:CDR1:配列番号311、CDR2:配列番号312、CDR3:配列番号313、VL:CDR1:配列番号314、CDR2:配列番号315、CDR3:配列番号316、
(xvi)VH:CDR1:配列番号317、CDR2:配列番号318、CDR3:配列番号319、VL:CDR1:配列番号320、CDR2:配列番号321、CDR3:配列番号322、及び
(xvii)VH:CDR1:配列番号323、CDR2:配列番号324、CDR3:配列番号325、VL:CDR1:配列番号326、CDR2:配列番号327、CDR3:配列番号328。
実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、215、217、及び219からなる群から選択される可変重鎖配列、及び/または配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、216、218、及び220からなる群から選択される可変軽鎖配列を含む。
実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはその抗原結合フラグメントは、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の特定の対を含み、以下の組み合わせ:配列番号1を含む可変重鎖配列及び配列番号2を含む可変軽鎖配列、配列番号3を含む可変重鎖配列及び配列番号4を含む可変軽鎖配列、配列番号5を含む可変重鎖配列及び配列番号6を含む可変軽鎖配列、配列番号7を含む可変重鎖配列及び配列番号8を含む可変軽鎖配列、配列番号9を含む可変重鎖配列及び配列番号10を含む可変軽鎖配列、配列番号11を含む可変重鎖配列及び配列番号12を含む可変軽鎖配列、配列番号13を含む可変重鎖配列及び配列番号14を含む可変軽鎖配列、配列番号15を含む可変重鎖配列及び配列番号16を含む可変軽鎖配列、配列番号17を含む可変重鎖配列及び配列番号18を含む可変軽鎖配列、配列番号19を含む可変重鎖配列及び配列番号20を含む可変軽鎖配列、配列番号21を含む可変重鎖配列及び配列番号22を含む可変軽鎖配列、配列番号23を含む可変重鎖配列及び配列番号24を含む可変軽鎖配列、配列番号25を含む可変重鎖配列及び配列番号26を含む可変軽鎖配列、配列番号27を含む可変重鎖配列及び配列番号28を含む可変軽鎖配列、配列番号29を含む可変重鎖配列及び配列番号30を含む可変軽鎖配列、配列番号31を含む可変重鎖配列及び配列番号32を含む可変軽鎖配列、配列番号33を含む可変重鎖配列及び配列番号34を含む可変軽鎖配列、配列番号35を含む可変重鎖配列及び配列番号36を含む可変軽鎖配列、配列番号37を含む可変重鎖配列及び配列番号38を含む可変軽鎖配列、配列番号39を含む可変重鎖配列及び配列番号40を含む可変軽鎖配列、配列番号41を含む可変重鎖配列及び配列番号42を含む可変軽鎖配列、配列番号43を含む可変重鎖配列及び配列番号44を含む可変軽鎖配列、ならびに配列番号45を含む可変重鎖配列及び配列番号46を含む可変重鎖配列、から選択される。
代替の実施形態において、完全にヒトの抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗原結合フラグメントは、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の特定の対を含み、以下の組み合わせ:配列番号185を含む可変重鎖配列及び配列番号186を含む可変軽鎖配列、配列番号187を含む可変重鎖配列及び配列番号188を含む可変軽鎖配列、配列番号189を含む可変重鎖配列及び配列番号190を含む可変軽鎖配列、配列番号191を含む可変重鎖配列及び配列番号192を含む可変軽鎖配列、配列番号193を含む可変重鎖配列及び配列番号194を含む可変軽鎖配列、配列番号195を含む可変重鎖配列及び配列番号196を含む可変軽鎖配列、配列番号197を含む可変重鎖配列及び配列番号198を含む可変軽鎖配列、配列番号199を含む可変重鎖配列及び配列番号200を含む可変軽鎖配列、配列番号201を含む可変重鎖配列及び配列番号202を含む可変軽鎖配列、配列番号203を含む可変重鎖配列及び配列番号204を含む可変軽鎖配列、配列番号205を含む可変重鎖配列及び配列番号206を含む可変軽鎖配列、配列番号207を含む可変重鎖配列及び配列番号208を含む可変軽鎖配列、配列番号209を含む可変重鎖配列及び配列番号210を含む可変軽鎖配列、配列番号211を含む可変重鎖配列及び配列番号212を含む可変軽鎖配列、配列番号215を含む可変重鎖配列及び配列番号216を含む可変軽鎖配列、列番号217を含む可変重鎖配列及び配列番号218を含む可変軽鎖配列、ならびに配列番号219を含む可変重鎖配列及び配列番号220を含む可変軽鎖配列、から選択される。
代替の実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の対を含み、以下の組み合わせ:配列番号1と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号2と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号3と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号4と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号5と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号6と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号7と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号8と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号9と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号10と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号11と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号12と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号13と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号14と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号15と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号16と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号17と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号18と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号19と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号20と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号21と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号22と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号23と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号24と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号25と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号26と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号27と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号28と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号29と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号30と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号31と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号32と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号33と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号34と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号35と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号36と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、列番号37と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号38と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号39と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号40と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号41と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号42と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号43と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号44と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号45と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号46と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、から選択される。
別の代替の実施形態において、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の対を含み、以下の組み合わせ:配列番号185と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号186と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号187と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号188と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号189と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号190と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号191と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号192と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号193と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号194と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号195と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号196と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号197と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号198と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号199と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号200と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号201と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号202と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号203と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号204と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号205と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号206と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号207と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号208と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号209と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号210と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号211と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号212と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号215と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号216と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号217と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号218と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、配列番号219と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列及び配列番号220と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、から選択される。
いくつかの実施形態において、抗体は、全長抗体である。他の実施形態において、抗体は、抗体フラグメントであり、例えば、Fab、Fab’、F(ab)2、Fv、ドメイン抗体(dAb)、及び相補性決定領域(CDR)フラグメント、単鎖抗体(scFv)、キメラ抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニ抗体、多重特異性抗体、二重特異性抗体、ならびにCLDN18.2特異的結合が付与されるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部を含有するポリペプチドからなる群から選択される抗体フラグメントを含む。
したがって、一実施形態において、抗体フラグメントは、本明細書に記載の少なくとも1つのCDRを含む。抗体フラグメントは、本明細書に記載されような、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDRを含み得る。抗体フラグメントは、本明細書に記載の抗体の少なくとも1つの可変領域ドメインをさらに含み得る。可変領域ドメインは、任意のサイズまたはアミノ酸組成のものであり得、一般に、ヒトCLDN18.2に特異的に結合することに関与する少なくとも1つのCDR配列、例えば、本明細書に記載されるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2、及び/またはCDR-L3を含み、それは1つ以上のフレームワーク配列を有するフレームに隣接するか、またはそのフレーム内にある。
いくつかの実施形態において、抗CLDN8.2抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗CLDN8.2抗体は、ヒト抗体である。代替の実施形態において、抗CLDN8.2抗体は、ネズミ抗体である。いくつかの実施形態において、抗CLDN8.2抗体は、キメラ抗体、二重特異性抗体、またはヒト化抗体である。
いくつかの実施形態において、抗CLDN8.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含む。当業者は、保存的アミノ酸置換は、1つのアミノ酸の別のアミノ酸による置換であり、別のアミノ酸は、例えば、同様の側鎖などの類似した構造的または化学的特性を有することを認識するであろう。例示的な保存的置換は、当該技術分野、例えば、Watson et al.,Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Publication Company,4th Ed.(1987)に記載されている。
「保存的改変」は、アミノ酸配列を含有する抗体の結合特性に著しく影響を及ぼさないか、または変化させないアミノ酸改変を指す。保存的改変には、アミノ酸置換、付加、及び欠失が含まれる。保存的置換は、アミノ酸が類似の側鎖を有するアミノ酸残基によって置き換えられるものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、十分に定義されており、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン、トリプトファン)、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、チロシン)、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン)、アミド(例えば、アスパラギン、グルタミン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び硫黄含有側鎖(システイン、メチオニン)を有するアミノ酸が含まれる。さらに、ポリペプチドにおける任意の天然残基は、アラニン系統的変異導入法について既に報告されているように、アラニンによっても置換され得る(MacLennan et al.(1998)Acta Physiol Scand Suppl 643:55-67、Sasaki et al.(1998)Adv Biophys 35:1-24)。本発明の抗体に対するアミノ酸置換は、既知の方法、例えば、PCR変異誘発によって行われ得る(米国特許第4,683,195号)。
一実施形態において、IL-CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントは、キメラまたはヒト化抗体として構成されたMs1、Ms2、Ms3、Ms4、Ms5、Ms6、Ms7、Ms8、Ms9、Ms10、Ms11、Ms12、Ms13、Ms14、Ms15、Ms16、Ms17、Ms18、Ms19、Ms20、Ms21、Ms22、またはMs23のCDR領域の6つ全てを含む。他の実施形態において、CLDN18.2抗体またはその抗体フラグメントは、開示される完全にヒトの抗体のうちの1つのCDR領域の6つ全てを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される抗CLDN18.2抗体の可変領域ドメインは、C末端アミノ酸で少なくとも1つの他の抗体ドメインまたはそのフラグメントに共有結合され得る。したがって、例えば、可変領域ドメインに存在するVHドメインは、免疫グロブリンCH1ドメイン、またはそのフラグメントに連結され得る。同様に、VLドメインは、CKドメインまたはそのフラグメントに連結され得る。この方法では、例えば、抗体は、抗原結合ドメインがそれぞれCH1及びCKドメインにC末端で共有結合される関連するVH及びVLドメインを含有するFabフラグメントであり得る。CH1ドメインをさらなるアミノ酸で伸長して、例えば、Fabフラグメントに認められるようなヒンジ領域またはヒンジ領域ドメインの一部を提供するか、または抗体CH2及びCH3ドメインなどのさらなるドメインを提供し得る。
抗原結合フラグメント、単一特異性抗体、または多重特異性抗体は、組換えDNA技法によって、またはインタクト抗体の酵素的もしくは化学的切断によって生成され得る。抗体フラグメントの例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab)2、ダイアボディ、直鎖抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFv)が含まれるが、これらに限定されない。「sFv」または「scFv」とも略される「単鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に接続されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体フラグメントである。開示される抗CLDN18結合CDRのうちの1つ以上を、共有結合または非共有結合のいずれかで組換え分子に組み込んで、それをキメラ抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及びCLDN18特異的結合が付与されるのに十分な免疫グロブリンの少なくとも一部を含有するポリペプチドの構成で、抗原結合タンパク質にし得る。
したがって、一実施形態において、結合剤は、本明細書に記載される少なくとも1つのCDRを含む。結合剤は、本明細書に記載される少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDRを含み得る。結合剤は、本明細書に記載される抗体の少なくとも1つの可変領域ドメインをさらに含み得る。可変領域ドメインは、任意のサイズまたはアミノ酸組成のものであり得、ヒトCLDN18.2に結合することに関与する少なくとも1つのCDR配列、例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、及び/または軽鎖CDRを含み、それは1つ以上のフレームワーク配列を有するフレームに隣接するか、またはそのフレーム内にある。
一般に、可変(V)領域ドメインは、免疫グロブリン重(VH)及び/または軽(VL)鎖可変ドメインの任意の好適な配置であり得る。したがって、例えば、V領域ドメインは、単量体であり得、以下に記載されるように、ヒトCLDN18.2に独立して結合することができるVHまたはVLドメインであり得る。あるいは、V領域ドメインは、二量体であり得、VH-VH、VH-VL、またはVL-VLの二量体を含み得る。V領域二量体は、非共有結合によって会合し得る少なくとも1つのVH鎖及び少なくとも1つのVL鎖を含む(以下、FVと称する)。所望される場合、鎖は、例えば、2つの可変ドメイン間のジスルフィド結合を介して、またはリンカー、例えば、ペプチドリンカーを介して、直接的に共有結合されて、単鎖Fv(scFV)を形成し得る。
当業者は、ヒトIgG免疫グロブリン分子(抗体)が、2つの同一の50kDaのγ重(H)鎖及び2つの同一の25kDaのκまたはλ軽(L)鎖から構成される4つのポリペプチド鎖からなり、鎖間ジスルフィド結合によって共に連結されることを認識するであろう。各重鎖は、N末端可変ドメイン(VH)及び3つの定常ドメイン(CH1、CH2、CH3)を含むFc領域からなり、CH1とCH2との間にさらなる「ヒンジ領域」を有する。各軽鎖は、N末端可変ドメイン(VL)及び単一定常ドメイン(CL)からなる。軽鎖の2つのタイプ、カッパ(κ)及びラムダ(λ)もまた、最初に血清学的に、その後、タンパク質及び遺伝子配列によって定義された。各H2L2モジュールは、2つのカッパまたは2つのラムダ軽鎖のいずれかを発現して、H2κ2またはH2λ2ヘテロ二量体を形成する。
IgG重鎖分子のFc領域はまた、胎盤輸送及びIgG半減期に関与する新生児Fc受容体(FcRn)のFc CH2-CH3ドメイン間の接点に位置する結合エピトープを含有する。一般に、抗体の可変領域(VH及びVLドメイン)は、標的におけるエピトープの認識に関与し、Fcフラグメントは、抗体の生物学的特性を付与するように機能する。より具体的には、Fc領域は、抗体がFcγ受容体を発現する免疫エフェクター(単球、マクロファージ、樹状細胞、及びナチュラルキラーまたはNK細胞を含む)によって認識され、補体系を活性化し、FcRn(新生児Fc受容体)に結合することを可能にする。
ヒトIgGは、4つの高度に保存されたサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含み、それらはアミノ酸配列に90%を超える相同性を示し、アクセサリー分子及び受容体とのそれらの結合に影響を及ぼすサブタイプ特異的差異を有する。IgGのサブクラスは、それらの定常領域の配列において、特に、IgG-Fc受容体(Fcγ受容体)及び補体成分C1qの両方への結合に関与するヒンジ及び上部CH2ドメインで、互いに異なる。結果として、異なるIgGサブクラスは、免疫エフェクター細胞を活性化することと、補体カスケードを活性化することとの両方に関して、異なるエフェクター機能を有する。FcγR媒介性エフェクター細胞応答のタイプには、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、サイトカインの放出、及び提示のための抗原取り込みが含まれるが、これらに限定されない。
アイソタイプ変化に加えて、対立遺伝子変化もIgGサブクラスに認められる。個体間及び民族間で異なり得る免疫グロブリンのこれらの多型エピトープは、いくつかの個体からのIgGに見出されるが、他の個体からは見出されない免疫原性決定基として、血清学的所見に基づいて最初に発見された。アロタイプは、共優性のメンデル方式で遺伝され、様々なセットの組合せがアフリカ人、白人、及び東洋人集団に認められる。
治療用抗体のために最も一般的に使用されるIgGアイソタイプのサブクラスのうちの1つはIgG1であり、4つの十分に特徴付けられたアロタイプを有する。代替的なアロタイプを含むIgG1配列の使用は、FcRn受容体に対する結合親和性を変更することができ(増加または減少)、及び/または改変抗体及びFcRnによって形成される複合体の安定性を増加させ、それによって、治療用抗体の薬物動態に影響を及ぼすことが報告されている(US2018/0362624、及びJ.Immunol.196(2):607(2016),Ternant,D et al)。現在、4つの有力なアロタイプのIgG1 mAb治療薬が認可され、市場にある。当業者は、本発明のVH領域と共に使用するために好適なIgG1 CH配列を容易に決定することができることに留意されたい。
一態様において、本明細書に提供される抗CLDN18.2抗体は、可変重鎖配列及び可変軽鎖配列の特定の対を、野生型ヒトIgG1重鎖定常領域(CH)及び野生型ヒトカッパ軽鎖(CL)領域と組み合わせて含む。例えば、限定の目的のためではなく、本発明は、配列番号331~334に示される配列から選択される野生型ヒトIgG1定常重鎖(CH)免疫グロブリン配列と組み合わせた本発明の重鎖可変領域(VH)、及び免疫グロブリン軽鎖定常領域(CL)と組み合わせた本発明の軽鎖可変領域(VL)を有する野生型ヒト免疫グロブリン軽鎖を含む、抗CLDN18.2抗体を提供する。いくつかの態様において、CL領域は、配列番号335に示される配列を含むヒトカッパ軽鎖領域を含む。図11A及び11Bは、本発明のVH及びVL配列と組み合わせて使用するために好適なヒトIgG1 CHドメイン(図11A)及びヒトカッパ鎖ドメイン(図11B)に関する配列情報を提供する。
別の態様において、本明細書に提供される抗CLDN18.2抗体は、配列に導入された点変異を含んで、ADCCもしくはADCP活性などの望ましいエフェクター機能を増強するか、または抗体の半減期もしくは安定性を延長する改変CHを含む、ヒトIgG1 CH領域を含む。一態様において、本発明は、増強されたADCC、ADCP、及び/またはCDC活性によるがん免疫療法として、「目的に適合」させる意図された方法で操作または作製される抗CLDN18.2抗体を提供する。より具体的には、本発明の一態様は、IgG-Fcコアフコースが低いかまたはないことを特徴とする抗CLDN18.2抗体を特徴とする。非フコシル化抗CLDN18.2治療用抗体の潜在的な利点は、治療効能を低用量で達成する可能性を含み、低レベルのCLDN18.2を発現する腫瘍細胞に対する高い細胞性細胞傷害を誘導し、CD16a低親和性Fcγ受容体を発現するNK細胞における高エフェクター機能を誘発する。
一態様において、限定の目的のためではなく、本発明は、IgGコアフコースが低いかまたはない(非もしくは無フコシル化)抗体を特徴とする抗CLDN18.2抗体を特徴とする。当業者は、本発明のこの態様が、図1における、抗体配列(VH及びVL)の対もしくはVH及びVL CDRのセットから選択される可変(すなわち、VH及びVL)領域を含むキメラまたはヒト化抗CLDN18.2抗体であり得ることを容易に理解するであろう。あるいは、IgGコアフコースが低いかまたはないことを特徴とする抗CLDN18.2抗体は、図2における抗体配列(VH及びVL)の対またはVH及びVL CDRのセットから選択される可変領域を含む完全にヒトの配列であることができる。
一態様において、本発明の抗体は、非フルコシル化抗CLDN18.2抗体、または低いコアIgGコアフコースレベルを特徴とする抗CLDN18.2抗体を特徴とし、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号201及び配列番号202、ならびに配列番号203及び配列番号204からそれぞれ選択されるVH配列及びVL配列の対を含む。任意の特定の抗体において、抗CLDN18.2特異的可変領域は、配列番号331~334から選択されるヒトIgG1定常重鎖免疫グロブリン配列、及び配列番号335に示される配列を含むヒトIgカッパ軽鎖定常領域を含む全長IgGの形式であることができる。
代替的な態様において、本発明は、CLDN18.2抗体が、野生型ヒトIgG1 CH配列を含む同じ抗体(例えば、同じ可変VH及びVL領域または6セットのCDR配列のセット)の活性と比較して、ADCC、及び/またはADCP及び/またはCDC活性を増強するようにFc領域における標的化された部位に点変異を含むことを特徴とする。当業者は、本発明のこの態様が、図1における、抗体配列(VH及びVL)の対もしくはVH及びVL CDRのセットから選択される可変領域(すなわち、VH及びVL)領域を含むキメラまたはヒト化抗CLDN18.2抗体であり得ることを容易に理解するであろう。あるいは、点変異を含むFc操作された抗CLDN18.2抗体は、図2における抗体配列(VH及びVL)の対またはVH及びVL CDRのセットから選択される可変領域を含む完全にヒトの配列であり得る。
一態様において、本発明は、配列番号1及び配列番号2、配列番号3及び配列番号4、配列番号201及び配列番号202、ならびに配列番号203及び配列番号204からそれぞれ選択されるVH配列及びVL配列を含む、Fc操作された抗CLDN18.2特異的抗体を提供する。任意の特定の抗体において、抗CLDN18.2特異的可変領域は、配列番号331~334から選択されるヒトIgG1定常重鎖免疫グロブリン配列、及び配列番号335に示される配列を含むヒトIgカッパ軽鎖定常領域を含む全長IgGの形式であることができる。
例えば、限定の目的のためではなく、本発明は、望ましい生物活性を増強するように設計されたCH1及び/またはCH2及び/またはCH3領域における点変異を含む操作されたCH領域と組み合わせた配列番号201に提供されるVH配列と、配列番号335に示される配列などのヒトカッパ軽鎖免疫グロブリン配列と組み合わせた配列番号202に提供されるVL配列と、を含む、Fc操作された完全にヒトのIgG1抗CLDN18.2抗体を提供する。一態様において、限定の目的のためではなく、本発明は、アミノ酸配列番号336を有する組換え重鎖及び配列番号337に示される配列を含む軽鎖を含む、本明細書においてmAb NBL-014と称される抗CLDN18.2抗体を特徴とする(図12を参照されたい)。代替の実施形態において、本発明は、アミノ酸配列番号338を有する組換え重鎖、及び配列番号337に示される配列を含む軽鎖を含む、抗CLDN18.2抗体を提供し、本明細書においてNBL-014と称される(図12を参照されたい)。
代替の態様において、本発明は、望ましい生物活性を増強するように設計されたCH1及び/またはCH2及び/またはCH3領域における点変異を含む操作されたCH領域と組み合わせた配列番号203に提供されるVH配列と、配列番号335に示される配列などのヒトカッパ軽鎖免疫グロブリン配列と組み合わせた配列番号204に提供されるVL配列と、を含む、Fc操作された完全にヒトのIgG1抗CLDN18.2抗体を提供する。
代替の態様において、本発明は、図1及び2に提供されるVH及びVL CDRのセットから選択されるCDR1、CDR2、及びCDR3領域を含むVH配列を含む、Fc改変されたか、糖鎖操作されたか、またはタンパク質操作された(例えば、CH Fc領域における点変異の導入)抗CLDN18.2特異的抗体を提供する。より具体的には、本発明は、望ましい生物活性を増強するように設計されたCH1及び/またはCH2及び/またはCH3領域における点変異を含む操作されたCH領域と組み合わせた、配列番号47~49、配列番号53~55、配列番号269~271、及び配列番号275~277から選択されるCDR1、CDR2、及びCDR3配列のセットを含むVHドメインが、ヒトカッパ軽鎖免疫グロブリン配列と組み合わせた、それぞれ配列番号50~52、配列番号56~58、配列番号272~274、及び配列番号278~280から選択されるCDR1、CDR2、及びCDR3配列のセットを含むVL配列と対形成される、操作された抗CLDN18.2抗体を特徴とする。
本開示の抗体の治療的価値は、その有効性及び効力を向上させる細胞傷害性薬物または薬剤へのコンジュゲーションによって増強することができる。いくつかの実施形態において、抗体は、放射性同位体、薬物、または細胞毒素などの細胞傷害性エフェクター剤に結合したCLDN18.2特異的抗体を含む抗体薬物コンジュゲート(ADC)である。エンドサイトーシスによる内部移行は、抗体が抗体薬物コンジュゲート(ADC)の開発に適していることを示す。これらの特性を有する抗CLDN18.2抗体は、CLDN18.2関連疾患または障害を治療するために、二重特異性のキメラ抗原受容体T細胞またはNK細胞、細胞療法、及び併用療法に適用することもできるが、これらに限定されない。
本開示の抗CLDN18.2抗体はまた、CLDN18.2特異的結合に依存する抗体ベース免疫療法剤を開発するために使用して、患者エフェクター細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)を、二重特異性T細胞結合抗体、もしくはNK細胞を向け直す二重特異性分子、またはCAR-T療法などの細胞療法を含む腫瘍に導くことができる。
抗体を産生する方法
多くの好適な方法は、抗体生成に適用することができ、当業者に知られている。例えば、レシピエントは、クローディン18.2、可溶性組換えクローディン18.2タンパク質、または担体タンパク質とコンジュゲートされたそのフラグメントもしくはペプチドを発現する細胞で免疫され得る。当業者に既知の任意の好適な方法を使用して、所望の生物学特性を有する抗体を誘発して、クローディン18.2を阻害し得る。かかる方法は、アジュバント、他の免疫刺激剤、反復ブースター免疫化、及び1つ以上の免疫化経路の使用を含む免疫の方法を含むことができる。
任意の好適なクローディン18.2供給源を、本明細書に開示される組成物及び方法のクローディン18.2に特異的な、非ヒト抗体またはヒト抗体の生成のための免疫原として使用することができる。かかる形態には、限定されないが、クローディン18.2を発現する細胞(内因性細胞またはクローディン18.2遺伝子でトランスフェクトされる細胞)全タンパク質、ペプチド(複数可)、及びエピトープが含まれ、当該技術分野で既知の組換え、合成的、化学的、または酵素的分解手段を通じて生成される。
異なる形態の抗原を使用して、生物学的に活性な抗体をもたらすのに十分な抗体を生成し得る。したがって、誘発性抗原は、単一のエピトープ、複数のエピトープ、またはタンパク質全体の単独もしくは1つ以上の免疫原性誘発性薬剤との組み合わせであり得る。いくつかの場合において、誘発性抗原は、単離された全長タンパク質、細胞表面タンパク質(例えば、抗原の少なくとも一部でトランスフェクトされた細胞で免疫する)、または可溶性タンパク質(例えば、タンパク質の細胞外ドメイン部分のみで免疫する)である。
いくつかの実施形態において、抗原は、遺伝子改変細胞で産生される。抗原をコードするDNAは、ゲノムまたは非ゲノム(例えば、cDNA)であり得、細胞外ドメインの少なくとも一部をコードし得る。本明細書で使用される場合、「部分」という用語は、目的対象の抗原の免疫原性エピトープを構成するために、適切である最小数のアミノ酸または核酸を指す。目的対象の細胞の形質転換に好適である任意の遺伝子ベクターが用いられ得、アデノウイルスベクター、プラスミド、及びカチオン性脂質などの非ウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。
モノクローナル抗体(mAb)を、マウス、げっ歯類、霊長類、ヒトなどの様々な哺乳類宿主から調製することが望ましい。かかるモノクローナル抗体を調製するための技法の説明は、例えば、Sties et al.(eds.)BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY(4th ed.)Lance Medical Publication,Los Altos,CA、及び本明細書に引用される参照:Harlow and Lane(1988)ANTIBODIES:A LABORATORY MANUAL CSH Press、Goding(1986)MONOCLONAL ANTIBODIES:PRINCIPLES AND PRACTICE(2D ed)Academic Press,New York,NYに認められ得る。典型的には、所望の抗原で免疫した動物からの脾細胞は、一般に、骨髄腫細胞との融合によって不死化される。Kohler and Milstein(196)Eur.J.Immunol.6:511-519を参照されたい。不死化の代替的な方法には、エプスタインバーウイルス、がん遺伝子、もしくはレトロウイルスによる形質転換、または当該技術分野において既知の他の方法が含まれる。例えば、Doyle et al.(eds.1994 and periodic supplements)CELL AND TISSUE CULTURE:LABORATORY PROCEDURES,John Wiley and Sons,New York,NYを参照されたい。単一の不死化細胞から生じるコロニーは、抗原に対する所望の特異性及び親和性の抗体の産生のためにスクリーニングされ、かかる細胞によって産生されるモノクローナル抗体の収率は、脊椎動物宿主の腹腔への注射を含む、様々な技法によって増強され得る。あるいは、モノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントをコードするDNA配列は、例えば、Huse et al.(1989)Science 246:1275-1281に従って、ヒトB細胞からのDNAライブラリーをスクリーニングすることによって単離し得る。したがって、モノクローナル抗体は、当業者に熟知されている様々な技法によって得ることができる。
他の好適な技法は、ファージ、酵母、ウイルス、または同様なベクターにおける抗体のライブラリーの選択を伴う。例えば、Huse et al.同上、及びWard et al.(1989)Nature 341:544-546を参照されたい。本発明のポリペプチド及び抗体は、改変を伴うかまたは伴わずに使用され得、キメラ抗体またはヒト化抗体が含まれる。多くの場合、ポリペプチド及び抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を共有結合または非共有結合のいずれかで結合することによって標識される。多種多様な標識及びコンジュゲーション技法が知られており、科学文献及び特許文献の両方で広く報告されている。好適な標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光部分、化学発光部分、磁性粒子などが含まれる。かかる標識の使用を教示する特許には、米国特許第3,817,837号、第3,850,752号、第3,9396,345号、第4,277,437号、第4,275,149号、及び第4,366,241号が含まれる。また、組換え免疫グロブリンが産生され得、Cabilly米国特許第4,816,567号、及びQueen et al.(1989)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10023を参照し、または遺伝子導入マウスが作製され得、Nils Lonberg et al.(1994),Nature 368:856-859、及びMendez et al.(1997)Nature Genetics15:146-156、TRANSGENIC ANIMALS AND METHODS OF USE(WO2012US62118A),Medarex,Trianni,Abgenix,Ablexis,OminiAb,Harbour、及び他の技術を参照する。
いくつかの実施形態において、産生される抗体が抗原(例えば、CLDN18)に結合する能力は、ELISA、ウェスタンブロット、免疫蛍光、及びフローサイトメトリー分析などの標準的な結合アッセイを使用して評価することができる。いくつかの態様において、産生される抗体は、CLDN18を発現する標的細胞(例えば、腫瘍細胞)の殺傷を媒介するその能力(例えば、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性食作用(ADCP)、及び/または細胞増殖の阻害)についても評価され得る。
細胞から調製される抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び親和性クロマトグラフィーを使用して精製することができ、親和性クロマトグラフィーは、典型的な精製技法である。親和性リガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに依存する。プロテインAを使用して、ヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖に基づく抗体を精製することができる(例えば、Lindmark et al.,1983 J.Immunol.Meth.62:1-13を参照されたい).。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒトγ3について推奨される(例えば、Guss et al.,1986 EMBO J.5:1567-1575を参照されたい)。親和性リガンドが結合しているマトリックスは、ほとんどの場合、アガロースであるが、他のマトリックスが利用可能である。制御された孔ガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定なマトリックスは、アガロースで達成され得るよりも速い流速及び短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が精製のために有用である。イオン交換カラムでの画分化、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカでのクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂でのヘパリンSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィー(ポリアスパラギン酸カラムなど)、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などのタンパク質精製のための他の技法もまた、回収される抗体に応じて利用可能である。
任意の予備的精製ステップ(複数可)に続いて、目的対象の抗体及び混入物質を含む混合物は、低塩濃度(例えば、約0~0.25Mの塩)で典型的に実施される、約2.5~4.5のpHでの溶離緩衝液を使用して、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに供し得る。
本開示の抗体または抗体フラグメントをコードする単離されたポリヌクレオチド配列(複数可)によって表されるヌクレオチド配列の全部または一部(例えば、可変領域をコードする部分)に、本明細書に定義されるような低度、中度、及び高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸もまた含まれる。ハイブリダイズする核酸のハイブリダイゼーション部分は、典型的には、長さが少なくとも15(例えば、20、25、30、または50)ヌクレオチドである。ハイブリダイズする核酸のハイブリダイゼーション部分は、抗CLDN18ポリペプチド(例えば、重鎖または軽鎖可変領域)またはその相補鎖をコードする核酸の一部もしくは全ての配列と、少なくとも80%、例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一である。本明細書に記載のタイプのハイブリダイズする核酸は、例えば、クローニングプローブ、プライマー、例えば、PCRプライマー、または診断用プローブとして使用することができる。
ポリヌクレオチド、ベクター、及び宿主細胞
他の実施形態は、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントをコードする配列を含む単離されたポリヌクレオチドと、ポリヌクレオチドを含むベクター及び宿主細胞と、抗体の産生のための組換え技法と、を包含する。単離されたポリヌクレオチドは、抗CLDN18.2抗体の任意の所望の形態をコードすることができ、例えば、全長モノクローナル抗体、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFvフラグメント、ダイアボディ、線状抗体、単鎖抗体分子、ならびに抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が含まれる。
いくつかの実施形態は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、215、217、または219のアミノ酸配列を有する抗体または抗体フラグメントの重鎖可変領域をコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、216、218、または220のうちのいずれかのアミノ酸配列を有する抗体または抗体フラグメントの軽鎖可変領域をコードする配列を含む、単離されたポリヌクレオチドを含む。
実施形態において、単離されたポリヌクレオチド配列(複数可)は、以下のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を有する抗体または抗体フラグメントをコードする。
(a)配列番号1を含む可変重鎖配列及び配列番号2を含む可変軽鎖配列、
(b)配列番号3を含む可変重鎖配列及び配列番号4を含む可変軽鎖配列、
(c)配列番号5を含む可変重鎖配列及び配列番号6を含む可変軽鎖配列、
(d)配列番号7を含む可変重鎖配列及び配列番号8を含む可変軽鎖配列、
(e)配列番号9を含む可変重鎖配列及び配列番号10を含む可変軽鎖配列、
(f)配列番号11を含む可変重鎖配列及び配列番号12を含む可変軽鎖配列、
(g)配列番号13を含む可変重鎖配列及び配列番号14を含む可変軽鎖配列、
(h)配列番号15を含む可変重鎖配列及び配列番号16を含む可変軽鎖配列、
(i)配列番号17を含む可変重鎖配列及び配列番号18を含む可変軽鎖配列、
(j)配列番号19を含む可変重鎖配列及び配列番号20を含む可変軽鎖配列、
(k)配列番号21を含む可変重鎖配列及び配列番号22を含む可変軽鎖配列、
(l)配列番号23を含む可変重鎖配列及び配列番号24を含む可変軽鎖配列、
(m)配列番号25を含む可変重鎖配列及び配列番号26を含む可変軽鎖配列、
(n)配列番号27を含む可変重鎖配列及び配列番号28を含む可変軽鎖配列、
(o)配列番号29を含む可変重鎖配列及び配列番号30を含む可変軽鎖配列、
(p)配列番号31を含む可変重鎖配列及び配列番号32を含む可変軽鎖配列、
(q)配列番号33を含む可変重鎖配列及び配列番号34を含む可変軽鎖配列、
(r)配列番号35を含む可変重鎖配列及び配列番号36を含む可変軽鎖配列、
(s)配列番号37を含む可変重鎖配列及び配列番号38を含む可変軽鎖配列、
(t)配列番号39を含む可変重鎖配列及び配列番号40を含む可変軽鎖配列、
(u)配列番号41を含む可変重鎖配列及び配列番号42を含む可変軽鎖配列、
(v)配列番号43を含む可変重鎖配列及び配列番号44を含む可変軽鎖配列、または
(w)配列番号45を含む可変重鎖配列及び配列番号46を含む可変軽鎖配列。
別の実施形態において、単離されたポリヌクレオチド配列(複数可)は、以下のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を有する抗体または抗体フラグメントをコードする。
(aa)配列番号185を含む可変重鎖配列及び配列番号186を含む可変軽鎖配列、
(bb)配列番号187を含む可変重鎖配列及び配列番号188を含む可変軽鎖配列、
(cc)配列番号189を含む可変重鎖配列及び配列番号190を含む可変軽鎖配列、
(dd)配列番号191を含む可変重鎖配列及び配列番号192を含む可変軽鎖配列、
(ee)配列番号193を含む可変重鎖配列及び配列番号194を含む可変軽鎖配列、
(ff)配列番号195を含む可変重鎖配列及び配列番号196を含む可変軽鎖配列、
(gg)配列番号197を含む可変重鎖配列及び配列番号198を含む可変軽鎖配列、
(hh)配列番号199を含む可変重鎖配列及び配列番号200を含む可変軽鎖配列、
(ii)配列番号201を含む可変重鎖配列及び配列番号202を含む可変軽鎖配列、
(jj)配列番号203を含む可変重鎖配列及び配列番号204を含む可変軽鎖配列、
(kk)配列番号205を含む可変重鎖配列及び配列番号206を含む可変軽鎖配列、
(ll)配列番号207を含む可変重鎖配列及び配列番号208を含む可変軽鎖配列、
(mm)配列番号209を含む可変重鎖配列及び配列番号210を含む可変軽鎖配列、
(nn)配列番号211を含む可変重鎖配列及び配列番号212を含む可変軽鎖配列、
(oo)配列番号215を含む可変重鎖配列及び配列番号216を含む可変軽鎖配列、
(pp)配列番号217を含む可変重鎖配列及び配列番号218を含む可変軽鎖配列、または
(qq)配列番号219を含む可変重鎖配列及び配列番号220を含む可変軽鎖配列。
代替の実施形態において、単離されたポリヌクレオチド配列(複数可)は、以下のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を有する抗体または抗体フラグメントをコードする。
(aa)配列番号185と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号186と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(bb)配列番号187と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号188と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(cc)配列番号189と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号190と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(dd)配列番号191と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号192と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(ee)配列番号193と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号194と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(ff)配列番号195と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号196と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(gg)配列番号197と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号198と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(hh)配列番号199と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号200と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(ii)配列番号201と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号202と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(jj)配列番号203と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号204と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(kk)配列番号205と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号206と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(ll)配列番号207と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号208と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(mm)配列番号209と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号210と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(nn)配列番号211と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号212と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(oo)配列番号215と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号216と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(pp)配列番号217と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号218と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、あるいは
(qq)配列番号219と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号220と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列。
代替の実施形態において、単離されたポリヌクレオチド配列(複数可)は、以下のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域及び重鎖可変領域を有する抗体または抗体フラグメントをコードする。
(a)配列番号1と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号2と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(b)配列番号3と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号4と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(c)配列番号5と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号6と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(d)配列番号7と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号8と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(e)配列番号9と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号10と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(f)配列番号11と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号12と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(g)配列番号13と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号14と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(h)配列番号15と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号16と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(i)配列番号17と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号18と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(j)配列番号19と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号20と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(k)配列番号21と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号22と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(l)配列番号23と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号24と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(m)配列番号25と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号26と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(n)配列番号27と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号28と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(o)配列番号29と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号30と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(p)配列番号31と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号32と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(q)配列番号33と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号34と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(r)配列番号35と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号36と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(s)配列番号37と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号38と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、
(t)配列番号39と90%、95%または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号40と90%、95%または99%同一である可変軽鎖配列、
(u)配列番号41と90%、95%または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号42と90%、95%または99%同一である可変軽鎖配列、
(v)配列番号43と90%、95%、または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号44と90%、95%、または99%同一である可変軽鎖配列、あるいは
(w)配列番号45と90%、95%または99%同一である可変重鎖配列、及び配列番号46と90%、95%または99%同一である可変軽鎖配列。
抗CLDN18.2抗体またはその抗体フラグメントをコードする配列を含むポリヌクレオチド(複数可)は、当該技術分野で知られている、1つ以上の調節配列または制御配列に融合することができ、当該技術分野で知られている好適な発現ベクターまたは宿主細胞に含有することができる。重鎖または軽鎖可変ドメインをコードするポリヌクレオチド分子の各々は、独立して、ヒト定常ドメインなどの定常ドメインをコードするポリヌクレオチド配列に融合することができ、インタクト抗体の産生を可能にする。あるいは、ポリヌクレオチド、またはその部分を一緒に融合させることができ、単鎖抗体の産生のための鋳型を提供する。
組換え産生のために、抗体をコードするポリヌクレオチドは、クローニング(DNAの増幅)用または発現用の複製可能なベクターに挿入される。組換え抗体を発現させるために多くの好適なベクターが利用可能である。ベクター構成要素には、一般に、シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサー要素、プロモーター、及び転写終結配列が含まれるが、これらに限定されない。
抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントはまた、抗体またはフラグメントが、成熟タンパク質もしくはポリペプチドのアミノ末端に特異的な切断部位を有するシグナル配列または他のポリペプチドなどの異種ポリペプチドと融合される、融合ポリペプチドとして産生することができる。選択された異種シグナル配列は、典型的には、宿主細胞によって認識され、処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。抗CLDN18.2抗体シグナル配列を認識及び処理しない原核宿主細胞では、シグナル配列は、原核シグナル配列によって置換することができる。シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、リポタンパク質、熱安定性エンテロトキシンIIリーダーなどであることができる。酵母分泌では、天然シグナル配列は、例えば、酵母インベルターゼα因子(Saccharomyces及びKluyveromycesのα因子リーダーを含む)、酸ホスファターゼ、C.albicansグルコアミラーゼ、またはWO90/13646に記載のシグナルから得られるリーダー配列によって置換することができる。哺乳類細胞では、哺乳類シグナル配列、ならびにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルを使用することができる。かかる前駆体領域におけるDNAは、リーディングフレームにおいて抗CLDN18.2抗体をコードするDNAに連結される。
発現及びクローニングベクターは、ベクターが1つ以上の選択された宿主細胞において複製することを可能にする核酸配列を含む。一般に、クローニングベクターにおいて、この配列は、ベクターが宿主の染色体DNAから独立して複製することを可能にする配列であり、複製起点または自己複製配列を含む。かかる配列は、様々な細菌、酵母、及びウイルスについてよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製起点は、ほとんどのグラム陰性細菌に好適であり、2-υ.プラスミド起点は、酵母に好適であり、様々なウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV、及びBPV)は、哺乳類細胞におけるベクターのクローニングに有用である。一般に、複製成分の起点は、哺乳類発現ベクターに必要とされない(SV40起点は、典型的には、それが初期プロモーターを含有するという理由のみで使用され得る)。
発現及びクローニングベクターは、発現の特定を容易にするために選択可能なマーカーをコードする遺伝子を含有し得る。典型的な選択可能なマーカー遺伝子は、抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、もしくはテトラサイクリンに対する耐性を付与するか、あるいは代替的に、補完的な栄養要求欠如であるか、または他の代替において、複合培地に存在しない特定の栄養素を供給する、タンパク質をコードし、例えば、BacilliのD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子が挙げられる。
抗体ベース免疫療法
腫瘍抗原標的化抗体を使用する抗体ベース免疫療法の目標は、正常な組織を害さずにがん細胞を排除することである。したがって、腫瘍学における抗体ベース免疫療法の有効性及び安全性は、意図される作用機序、免疫系の関連するエフェクター機能、及び腫瘍関連標的抗原の性質に大きく依存して変化する。最適な標的抗原は、到達可能であり、がん細胞の表面に均一かつ排他的に発現されるべきである。意図される作用機序が、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)または補体媒介性細胞傷害(CDC)である場合、補体系または免疫エフェクター細胞の成分との抗体Fc領域相互作用を最大化するために、抗原-mAb複合体は、急速に内部移行されるべきではない。
モノクローナル抗体の重要な特徴は、標的腫瘍細胞における増殖を直接的に低下させ、及び/またはアポトーシスを誘発するか、あるいは免疫エフェクター媒介性細胞殺傷(補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC))のいずれかのためにそれらをマーキングする、それらの高い特異性及びそれらの能力である(Kubota,T.et al.(2009)Cancer Sci.100(9),1566-1572)。細胞傷害性薬物へのコンジュゲーションは、モノクローナル抗体の有用性を拡大し、それらの効力及び有効性を向上させることができる(Goldmacher,V.S.et al.(2011)Ther.Deliv.2(3),397-416、Sievers,E.L.(2013)Annu.Rev.Med.64,15-29).
抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)は、好ましくは、標的細胞が抗体によってマーキングされることを必要とする、エフェクター細胞の細胞殺傷能力を説明している。エフェクター細胞は、B細胞、T細胞、キラー細胞、NK細胞、マクロファージ、単球、好酸球、好中球、多形核細胞、顆粒球、肥満細胞、及び/または好塩基球を含み得、より具体的には、エフェクター細胞は、T細胞またはNK細胞である。ある特定の態様において、ADCCは、抗体が腫瘍細胞で抗原に結合し、抗体Fcドメインが免疫エフェクター細胞の表面でFc受容体(FcR)に結合するときに生じる。Fc受容体のいくつかのファミリーが同定されており、特定の細胞集団が定義されたFc受容体を特徴的に発現する。ADCCは、抗原提示及び腫瘍指向性T細胞応答の誘導につながる、即時腫瘍破壊の可変的な程度を直接誘導する機構として見なすことができる。好ましくは、ADCCのインビボ誘導は、腫瘍指向性T細胞応答及び宿主由来抗体応答をもたらす。
より具体的には、骨髄系統及びリンパ系統の両方の白血球で発現される6つの構造的に異なるヒトFcγ受容体(FcγRIまたはCD64、FcγRIIa/CD32a、FcγRIIb/CD32b、FcγRIIc/CD32c、FcγRIIIa/CD16a、及びFcγRIIIb/CD16b)が存在する。Fcγ受容体は、細胞質尾部または共受容体分子上の免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を介して免疫細胞活性化をもたらす活性化受容体(CD64、CD32a、CD32c、CD16a、及びCD16b)と、免疫受容体チロシンベース阻害モチーフ(ITIM)を介してシグナル伝達する阻害受容体(CD32b)との、2タイプに分けられる。
FCGR2A(H131R)及びFCGR3A(V158F)における一塩基多型(SNP)は、ADCC活性の増加をもたらす、ヒトIgG1及びIgG2治療用抗体に対する、より高い抗体結合親和性に帰される改善された結果と関連付けられる(Vargas,F.A.et al,Cancer Cell 33:649-663(2018)、Musolino,A.et al.,J.Clin.Oncol.26:1789-1796(2008)、Zhang,W.et al,J.Clin.Oncol.25:3712-3718(2007)、Nordstrom,J.L.et al,Breast Cancer Res.13:R123(2011))。活性化CD16A FcγRは、IgG1のFcドメインに対して高いか(158V)もしくは低い(158F)親和性を有する2つの変異体、または対立遺伝子で生じる。集団の大部分(約85%)は、ホモ接合型または158Vとのヘテロ接合型のいずれかで、158F遺伝子型を有する。したがって、より大きな有益な応答に最も頻繁に関連付けられるFcgR遺伝子型は、集団の少数で生じる。これはがん治療のために開発される治療用抗体のFcドメインを操作するための強力な根拠を提供し、FcγR遺伝子型に関係なく、活性化FcγRの低結合性対立遺伝子とより良好に相互作用して拡大させ、より高い割合の患者に利益を与えることができる治療薬を開発する目標を有する。
細胞傷害性細胞の活性化における重要なステップは、免疫エフェクター細胞におけるFcγRIIIa(CD16A)とのmAbの結合であり、この相互作用の強度は、抗体アイソタイプ、抗体Fc領域のグリコシル化パターン、及びFcγRIIIa多型によって決定される。多くの刊行物が、臨床試験から導き出される抗体ベースがん療法におけるFcγR媒介性エフェクター機能の役割を示す結果を報告している。試験結果は、臨床応答(例えば、抗体有効性)と活性化ヒトFcγRの特定のアロフォームとの間の関連性を示す。158F対立遺伝子を担持する患者は、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、インフリキシマブ、及びイピリムマブを含むある特定の治療用抗体、ならびに主要な作用機序としてADCCを利用する他の治療用抗体に対する臨床応答の低下を示すことが報告されている。改良されたFcgR結合プロファイルを有するように操作された抗体は、優れた抗腫瘍応答を駆動し、より大きな臨床的利益をもたらすことが報告されている。
活性化及び阻害性FcγRの発見は、免疫エフェクター細胞を活性化して特定の機能を実行するように設計された活性化/阻害化(A:I)比を特徴とするFcγR結合活性を有することに基づいた「目的に適合する」治療用抗体の設計に焦点を当てた、探索医療の取り組みをもたらした。モノクローナル抗体(mAb)によるがんの免疫療法は、ADCC、ADCP、及び/またはCDC活性を含む様々な機構によって腫瘍細胞の排除を促進する。実際には、いくつかの承認されたmAbの治療活性は、エフェクター細胞に発現される低親和性Fcγ受容体とのFcγ領域の結合に依存する。
いくつかの出版物は、最適化されたFcgR結合プロファイル及び細胞媒介性エフェクター機能を最適化するのに適した活性化/阻害化(A:I)比を有する変異体ヒトIgG1 Fcドメイン(CH領域)を設計するタンパク質操作戦略の成功した使用を報告している。特に、取り組みは、低親和性受容体FcγIIIaに対するFcドメインの親和性を増加させることに焦点を当てている。Fcドメイン内の多くの変異は、Fc受容体の結合を直接的または間接的に増強し、結果として、細胞性細胞傷害を有意に増強することが特定されている(Lazar,G.A.PNAS 103:4005-4010(2006),Shields,R.L.et al,J.Biol.Chem.276:6591-6604(2001)Stewart,R.et al.,Protein Engineering Design and Selection 24:671-678(2011))。Genentechの研究者は、変異S239D/A330L/I332Eを特定し、MedImmuneは、変異F243Lを特定し(Stewart et al)、Xencorは、G236Aを特定した(Richards,J.O.et al,Mol.Cancer Ther.7:2517-2575(2008))。
Xencor、Applied Molecular Evolution、Medimmune、Genentech、及びMacrogenicsを含むいくつかの異なる会社は、野生型Fc領域に対して少なくとも1つのアミノ酸改変を含む抗体変異体を報告しており、変異体Fc領域は、FcγRIIIA及び/またはFcγRIIAに、野生型Fc領域を含む相当する分子と比較して、高い親和性で結合する。Xencorは、Xmabプラットフォーム技術を開発し、望ましいA:I比を有する最適化されたFc変異体として、S239D/I332E点変異及びS239D/A330L/I332Eを含むIgG1 Fc変異体の結果を公表している。Applied Molecular Evolutionは、P247I及びA339Q点変異を含むIgG変異体を特定している。Macrogenicsは、V305I、F243L、R292P、Y300L、及びP396L(変異体18)(Stavenhagen,J.B.et al,Cancer Res.67:8882-8990(2007))、またはL235V、F243L、R292P、Y300L、及びP396L(Nordstrom,J.L.et al,Breast Cancer Res.13:R123(2011))での変異を含む変異体ヒトIgG1 Fc領域を報告している。
Nordstromらは、転移性乳癌におけるトラスツズマブ(HERCEPTIN(商標))に対する応答が、活性化Fcγ受容体CD16Aの高結合性変異体(158V)の発現と相関することを報告した。ヒトCD16Aの両方の対立遺伝子との結合の増加のために操作されたヒトIgG1 Fcドメインを含むキメラ抗HER2モノクローナル抗体MGAH22(トラスツズマブに類似の特異性及び親和性を有する)を使用して、Nordstromは、操作されたFcドメインが、トラスツズマブの抗増殖活性に耐性があるか、または低レベルのHER2を発現する細胞を含む、試験した全てのHER2陽性腫瘍細胞に対して増強されたADCCを付与することを実証した。最大の改善は、低結合性対立遺伝子であるCD16A-158Fについてホモ接合またはヘテロ接合のドナーから単離されたエフェクター細胞で生じる。
MGHA22に組み込まれたFc変異を、活性化Fc-γ受容体(CD16A)に結合する能力の増加と、免疫エフェクター細胞でFc-γ阻害性受容体CD32Bに結合する能力の低下と、を有するように操作されている臨床段階の抗体製品候補メルゲツキシマブに組み込んだ。Macrogenicsは最近、Fc改変の潜在的な利点及び抗HER2抗体有効性に対するFc-γ受容体遺伝子型の役割を検討するように設計された最初の無作為化第3相試験の予備データを公表している。SOPHIA試験(NCT02492711)は、HER2陽性転移性乳癌を有する患者におけるトラスツズマブ+化学療法と比較して、マルゲツキシマブ+化学療法を評価する無作為化非盲検第3相臨床試験である。本試験は、無増悪生存期間(PFS)のその最初の逐次的主要評価項目を満たした。マルゲツキシマブ及び化学療法で治療した患者のPFS中央値は、トラスツズマブ及び化学療法で治療した患者における4.9ヶ月と比較して5.8ヶ月だった。一次PFS解析の時点で、158例の事象に基づく全生存期間(OS)データは未完了だった。その時のOS中央値は、トラスツズマブ及び化学療法で治療した患者と比較して、マルゲツキシマブ及び化学療法で治療した患者で1.7ヶ月延長された。CD16A 158F対立遺伝子を担持する患者の探索的亜集団に関して、OS中央値は、トラスツズマブ群と比較して、マルゲツキシマブ群において6.8ヶ月延長された(Macrogenics Press Release)。
糖鎖工学戦略も、がんの治療に合わせて最適化されたエフェクター機能を有する治療用抗体を開発するために使用されている。FcγRは、CH2ドメインで炭水化物と相互作用し、これらのグリカンの組成は、エフェクター機能活性に実質的な影響を及ぼすことが知られている。Fc領域における297位の高度に保存されたグリカンは、Fcγ受容体との結合に必要とされるFc領域への構造変化を推測させる。この部位でのグリカン組成における微妙な違いは、Fc構造に影響を及ぼすことができ、また、直接的な接触によってFcγRとの相互作用を変化させ得る。おそらく、この最も良い例は、CD16Aとの結合の増加を示し、ADCC活性の大幅な増強を示す、非フコシル化抗体である(Niwa,R et al,Clin.Cancer Res.10:6248-6255(2004)、Ferrara,C.et al,J.Biol.Chem 281:5032-5036(2006))。
治療用抗体の有効性は、適切な翻訳後改変に大きく依存する。特に、抗体Fcのグリコシル化は、Fc受容体媒介性活性に欠くことができない。抗体治療薬のエフェクター機能のうち、ADCCは、抗がん抗体の重要なメカニズムとして臨床的に特定されている。IgG-Fcコアフコースの不存在は、FcγRIIa(CD16a)との結合を著しく増加させ、より高いADCC効力(例えば、より低いEC50)をもたらすことは、当該技術分野において周知であり、この結果は、治療用抗体の有効性を改善するために成功裏に使用されている。糖鎖工学戦略は、低フコシル化またはフコシル化なし(例えば、非フコシル化mAb)を提供する条件下で抗体を産生して、FcGRIIIa結合を増加させることによってADCCを高めることを含む。
当業者は、BioWa/Kyowa Hakko Kirin及びGlycArt/Rocheが各々、脱フコシル化抗体を産生する独占の細胞株を開発していることを認めるだろう。この結果を達成するために、BioWa/Kyowa Kirin Hakkoは、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)酵素ノックアウトチャイニーズハムスター卵巣細胞株(POTELLIGENT(登録商標)技術)を確立し、一方、GlycArt/Rocheは、抗体産生細胞において異種のβ-1,4-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIIIを過剰発現することを選択した(GlycoMab(商標)技術、米国特許第6,602,684号)。
向上したADCC活性を有する糖鎖操作された抗体は、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されており、現在米国で市販され、モガムリズマブ(POTELIGEO(商標))、オビヌツズマブ(GAZYVA(商標))、及びベンラリズマブ(FASENRA(商標))が含まれる。モガムリズマブは、Biowaによって開発されたPOTELLIGENT(商標)技術プラットフォームを使用して、FUT8(a-1,6-フコシルトランスフェラーゼ)遺伝子に変異を有する細胞株で産生される無フコシル化抗CCR4抗体である。哺乳類では、N-グリカンでのほとんどのコア-フコシル化は、α-1,6結合によって生成される。FUT8は、α-1,6結合を介したGDP-フコースからトリ-マンノシルコア構造の最内側のGlcNAcへのフコース残基の移動を触媒する、唯一のα-1,6フコシルトランスフェラーゼである。ベンラリズマブも、POTELLIGENT(商標)技術プラットフォームを使用して製造される抗IL5受容体抗体であり、抗体依存性細胞媒介性ADCCの>1000倍の増幅を誘導することができることが報告されている(Pelaia,C et al,BioMed Research Int.,Article ID4839230(2018))。
オビヌツズマブは、産生細胞株(Glycart GLYCOMAB(商標)技術)におけるB-1,4-N-アセチルグルコサミニル-トランスフェラーゼ(GnIII)遺伝子の追加の結果として低いフコース含有量を有することを特徴とする、II型抗CD20mAbである。この改変は、N-グリカン構造に二分したN-アセチルグルコサミン(GlcNac)を添加する効果を有し、その存在は、フコシル化を妨げ、高度に豊富化された二分した非フコシル化グリコシル化変異体の産生をもたらす。オビヌツズマブを製造するために使用される糖鎖工学戦略は、増強されたADCC及びADCPに依存する独自の作用機序を付与し、主にCDCに依存する2つの他の抗CD20抗体(リツキシマブ及びオファツムマブ)によって使用される主要な作用機序への依存が低減される(Tobinai,K et al,Adv.Ther.34(2):324-356(2017))。当業者はまた、2-デオキシ-2-フルオロ-1-フコース(2FF)などのグリコシルトランスフェラーゼのデコイ基質、または2F-ペルアセチル-フコースなどのフコシルトランスフェラーゼ阻害剤を使用することによって、低フコース含有量を有する抗体を産生し、哺乳類細胞で発現される抗体のグリカン中のフコースの組み込みの低下を引き起こすことが可能であることを、認識するであろう(Dekkers,G,et al,Scientific Reports 6,article number 36964(2016))。フコシルトランスフェラーゼ阻害剤を使用して産生された抗体は、フコシル化グリカン種(G0f、G1f、及びG2f)の相対的な割合の有意な減少を示し、フコシル化の割合は、阻害剤の存在下で86%から19%に減少できることが、報告されている(Ho,D.et al.Fucosylation of a Therapeutic Antibody:Effects on Antibody-dependent Cell-mediated cytotoxicity(ADCC)Potency and Efficacy,Bioprocess International,April 12,2016)。
補体依存性細胞傷害(CDC)は、抗体によって指向され得る別の細胞殺傷方法である。IgMは、補体活性化のための最も効果的なアイソタイプであるが、IgG1及びIgG3も共に、古典的な補体活性化経路を介してCDCを指向させるのに非常に効果的である。
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体は、細胞毒素、薬物、もしくは放射性同位体などの治療用部分または薬剤と、組み合わせて使用されるか、またはコンジュゲートされる。ある特定の態様において、本明細書に記載の抗体は、化学療法剤と組み合わせて使用される。ある特定の態様において、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)は、治療用部分または薬剤にコンジュゲート(例えば、共有結合によって結合)された本明細書に記載の抗体を含む。
抗体とのコンジュゲーションで使用され得る治療剤の例には、抗代謝物質(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、フルダラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、及びロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、及びシス-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブルマイシン、ミスラムシン、及びアントラマイシン(AMC))、及び抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)が含まれる。ある特定の態様において、治療剤は、細胞傷害性薬剤または放射性毒性剤である。別の態様において、治療剤は、ポルフィマーナトリウムなどの光力学療法における使用に好適な光感作性薬剤である。いくつかの態様において、治療剤は、免疫抑制剤である。いくつかの態様において、治療剤はGM-CSFである。いくつかの態様において、治療薬は、ドキソルビシン、シスプラチン、ブレオマイシン、硫酸塩、カルムスチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、またはリシンAである。
細胞毒素または細胞傷害性薬剤の例には、細胞に有害であり、特に細胞を殺傷する任意の薬剤が含まれ、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、及びピューロマイシン、ならびにこれらの類似体または同族体などが挙げられる。
いくつかの態様において、本明細書に記載の抗体は、ヨウ素-131、イットリウム-90、またはインジウム-111などの放射性同位体にコンジュゲートして、がんなどのCLD18関連障害を治療するための細胞傷害性放射性医薬品を生成することができる。
治療用部分を抗体にコンジュゲートするための技法は、当業者に周知であり、例えば、Arnon et al.,“Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therapy”(Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy,Reisfeld et al.(eds.),pp.243-56(Alan R.Liss,Inc.1985))、Hellstrom et al.,“Antibodies For Drug Delivery”(Controlled Drug Delivery(2nd Ed.),Robinson et al.(eds.),pp.623-53(Marcel Dekker,Inc.1987))、Thorpe,“Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy:A Review”(Monoclonal Antibodies’84:Biological And Clinical Applications,Pinchera et al.(eds.),pp.475-506(1985))、“Analysis,Results,And Future Prospective Of The Therapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy”(Monoclonal Antibodies For Cancer Detection And Therapy,Baldwin et al.(eds.),pp.303-16(Academic Press 1985))、及びThorpe et al.,“The Preparation And Cytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates”,Immunol.Rev.,62:119-58(1982)を参照されたい。
いくつかの実施形態において、ADCは、標的依存的方式でがん細胞を殺傷するように設計される。このプロセスにおける最初のステップは、抗体のその抗原との結合である。ADCが結合すると、抗原-ADC複合体全体が内部移行され、細胞傷害性ペイロードが腫瘍細胞内に放出されて細胞死をもたらす。ADCの治療指標に影響を与える因子には、標的化抗体の腫瘍特異性、腫瘍標的抗原の発現レベル、細胞傷害性薬物、及びリンカーが含まれる(Panowksi,S.et al.(2014)MAbs 6(1),34-45)。治療用抗体の意図された作用機序が腫瘍関連抗原の下方調節である場合、または抗体が、がん細胞に毒素を送達するように設計されたADCである場合、内部移行が、標的化された腫瘍細胞に毒性ペイロードを送達するために使用される抗体の望ましい特性である。
いくつかの態様において、ADCは、がん細胞に治療効果を及ぼす任意の薬剤、及び本明細書に記載の抗CLDN18.2抗体またはその誘導体を含む。薬物のコンジュゲーションは、結合特性、特に抗体の特異性を変化または有意に変化させない。ある特定の態様において、薬物は、細胞傷害性または細胞増殖抑制剤(例えば、がん細胞に有害であり、及び/またはがん細胞を殺傷する任意の薬剤)である。かかる細胞傷害性薬剤のクラスの例には、抗チューブリン剤、DNA小溝結合剤(例えば、エネジイン及びレキシトロプシン)、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、モノ(白金)、ビス(白金)、及び三核白金複合体、ならびにカルボプラチンなどの白金複合体)、アントラサイクリン、抗生物質、抗葉酸剤、代謝拮抗剤、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ素化ピリミジン、イオノフォア、ニトロソ尿素、プラチノール、形成前化合物、プリン代謝拮抗剤、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン(例えば、パクリタキセル及びドセタキセル)、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイドなどが含まれる。かかる細胞傷害性薬剤の追加の例は、米国公開第2018/0117174号に記載されている。
抗体-薬物コンジュゲートの生成は、当業者に既知の任意の技法によって達成することができる。抗体-薬物コンジュゲートは、従来の技法に従って、薬物を抗体に結合させることによって調製することができる。抗体及び薬物は、それら自体のリンカー基を介して互いに直接的に、またはリンカーもしくは他の物質を介して間接的に結合され得る。ADCを生成する際に使用され得るリンカーの例は、米国公開第2018/0117174号に記載されている。
免疫療法に使用される抗CLDN18.2抗体の一例は、CLDN18.2の第1の細胞外ドメインにおけるエピトープに特異的なキメラIgG1モノクローナル抗体であるiMAb362である。iMAb362、そのネズミ親抗体、及び他の抗CLDN18特異的抗体は、WO2007/059997、WO2014/075788、及びWO2016/166122パテントファミリーに属する特許及び特許出願に開示されている。
前臨床において、iMAb362は、間接的(補体依存性細胞傷害、抗体依存性細胞性細胞傷害)及び直接的(抗増殖性及びアポトーシス促進効果)な作用機序の両方によって、腫瘍成長を阻害し、がん細胞を殺傷することが示された。Astellas Pharmaは、バリン-シトルリンリンカーを用いた、抗有糸分裂剤モノメチルオーリスタチンEを含むiMAb362抗体-薬物コンジュゲート(ADC)(iMAb-vcMMAE)の前臨床的特徴付けが進行中であることを示す報告を公表している(Kreuzberg,M et al,Annals of Oncology 28(5)v122-v141,abstract 377P,WO2016/165762)。
第IIb相FAST治験では、進行性もしくは再発性の胃または胃食道接合部腺癌を有する患者が登録された(NCT01630083)。登録の適格性は、CLDN18.2陽性腫瘍(すなわち、免疫組織化学によって腫瘍細胞の>40%で2/3強度)を有することが患者に求められた。この治験では、第一選択設定で、化学療法と併用したiMAb362の役割を、化学療法単独と比較して評価した。最終結果によると、抗体iMAB362を化学療法(EOX、エピルビシン、オキサリプラチン、及びカペシタビン)に加えることによって、進行性胃癌、食道癌、または胃食道接合部腺癌を有する患者における全生存期間中央値が5ヶ月増加した(8.4対13.2ヶ月、P=0.0001)(Schuler,M et al.,Annals of Oncology,27(6):vi207-vi242,abstract 614O(2016))。併用療法はまた、無増悪生存率及び奏効率を有意に改善した。報告は、結果がCLDN18.2発現レベルによって層別化されると、最良の転帰が高発現者(>70%で2強度)で認められ、全生存期間の中央値は9.0ヶ月に対して16.7ヶ月だった(P<0.0005)。結果によって、第一選択の化学療法に抗CLDN18.2抗体を加えることが、進行性/再発性胃癌を有する患者において臨床的に関連する利益をもたらすことを確証される。
組成物及び治療方法
本開示はまた、例えば、抗CLDN18.2抗体またはそれらの抗体フラグメントを含む医薬組成物を含む、組成物を提供する。かかる組成物は、疾患または障害(例えば、CLDN18.2を発現する細胞を伴う疾患または障害)の治療のために多数の治療的使用を有する。いくつかの態様において、本明細書に記載の組成物は、例えば、インビボで、患者に投与され、CLDN18.2の発現調節不全に関連する疾患を治療または予防する。好ましい患者には、上皮細胞由来の原発性または転移性がんを有するヒト患者が含まれる。
抗体は、単独、または免疫媒介性炎症性障害または自己免疫疾患の治療のために有用である他の組成物と組み合わせたいずれかで、投与することができる。いくつかの実施形態において、抗CLDN18.2抗体を含む、例えば、医薬組成物を含む組成物は、抗CLDN18.2抗体または抗体フラグメントにコンジュゲートされたか、またはコンジュゲートされていない、いずれかの治療剤をさらに含むことができる。
いくつかの態様において、本発明は、本発明の1つ以上の抗体を含有する組成物、例えば、医薬組成物を提供する。医薬組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤、ならびに任意の他の既知のアジュバント及び賦形剤と共に、従来の技法、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th Edition,Gennaro,Ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1995に従って製剤化され得る。いくつかの態様において、医薬組成物は、がんを治療するために対象に投与される。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、生理学的に適合性である任意及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤などが含まれる。好ましくは、担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄、または表皮投与(例えば、注射または注入による)に好適である。投与経路に応じて、活性化合物、すなわち、抗体、二重特異性、及び多重特異性分子は、化合物を、酸の作用及び化合物を不活性化し得る他の天然条件から保護するために、材料でコーティングされ得る
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」には、生理学的に適合性である任意及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、ならびに吸収遅延剤などが含まれる。好ましくは、担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄、または表皮投与(例えば、注射または注入による)に好適である。投与経路に応じて、活性化合物、すなわち、抗体、二重特異性及び多重特異性分子は、化合物を、酸の作用及び化合物を不活性化し得る他の天然条件から保護するために、材料でコーティングされ得る。
典型的には、注射による投与のための組成物は、滅菌等張水性緩衝剤での溶液である。必要に応じて、医薬品はまた、可溶化剤、及び注射部位の痛みを緩和するリグノカインなどの局所麻酔薬を含むことができる。一般に、成分は、例えば、活性剤の量を指示するアンプルまたは小袋などの密封容器中で、乾燥した凍結乾燥粉末または水無含有濃縮物として、単位用量形態で別々に、または一緒に混合して供給される。医薬品が注入によって投与される場合、滅菌医薬品グレードの水または生理食塩水を含む注入ボトルを用いて分配することができる。医薬品が注射によって投与される場合、成分を投与前に混合することができるように、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することができる。
本発明の組成物は、当該技術分野における既知の様々な方法によって投与することができる。当業者によって理解されるように、投与の経路及び/または方式は、所望の結果に応じて変化する。活性化合物は、化合物を急速な放出から保護する、制御放出製剤などの担体と共に調製することができ、インプラント、経皮パッチ、及びマイクロカプセル化送達システムが挙げられる。生体分解性、生体適合性ポリマーを使用することができ、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などが挙げられる。かかる製剤を調製するための方法は、一般に、当業者に既知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems,J.R.Robinson,ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,1978を参照されたい。
医薬組成物中の活性成分の投与量は、対象に毒性を有さずに、特定の対象、組成物、及び投与方式について所望の治療応答を達成するのに有効な量の活性成分を得るように変化され得る。選択された投与量レベルは、様々な薬物動態学的要因に依存し、用いられる本発明の特定の組成物の活性、投与の経路、投与の期間、用いられる特定の化合物の排泄速度、治療の持続期間、用いられる特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、及び/または材料、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態、及び既往歴、ならびに医学分野で周知の同様の要因が含まれる。
本明細書に記載の医薬組成物は、有効量で投与され得る。「有効量」は、単独で、もしくはさらなる用量と共に所望の反応または所望の効果を達成する量を指す。特定の疾患または特定の状態の治療の場合、所望の反応は、好ましくは、疾患の経過の阻害に関連する。これは、疾患の進行を遅延させること、及び特に、疾患の進行を中断または逆転させることを含む。
いくつかの態様において、がんの治療は、2つ、3つ、4つ、またはさらにそれ以上のがん薬物/療法を併用した作用が、単剤療法の影響よりもかなり強い相乗効果を生じるため、併用戦略が特に望ましい分野を表す。本明細書で提供される薬剤及び組成物(例えば、医薬組成物)は、単独で、または手術、放射線照射、化学療法、及び/または骨髄移植(自己、同系、同種異系、または無関連)などの従来の治療レジメンと組み合わせて使用され得る。薬剤及び組成物はまた、サイトカイン、ケモカイン、共刺激分子、または融合タンパク質、細菌学的処理、キナーゼ阻害剤、トール様受容体、血管新生阻害剤、小分子標的化療法剤、ウイルスベースのワクチン、マルチエピトープ戦略、養子縁組性T細胞移入、及びペプチドベースの標的療法のうちの1つ以上と組み合わせて使用され得る。米国特許第10,093,736号を参照されたい。したがって、本発明の別の実施形態において、がん治療は、様々な他の薬物と効果的に組み合わされ得る。
いくつかの態様において、本明細書に記載の薬剤及び組成物は、本明細書に記載のものなどの様々な障害を治療または予防するために、例えば、インビボで、患者に投与される。好ましい患者には、本明細書に記載の薬剤及び組成物を投与することによって、矯正または改善することができる障害を有するヒト患者が含まれる。これには、CLDN18.2発現の調節不全を特徴とする細胞が関与する障害が含まれる。
例えば、一実施形態において、本明細書に記載の薬剤及び組成物を使用して、がん疾患、例えば、CLDN18.2を発現するがん細胞の存在を特徴とする本明細書に記載されるようながん疾患を有する患者を治療することができる。いくつかの態様において、がん疾患は、胃癌、食道癌、膵臓癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、肝臓癌、頭頸部癌、胆嚢癌、またはそれらの転移である。
提供される治療方法の実施形態において、治療を必要とする対象は、抗新生物剤、化学療法剤、成長阻害剤、細胞傷害剤、及び免疫チェックポイント阻害剤からなる群から選択される治療剤も投与される。
提供される治療方法の実施形態において、本発明の抗CLDN18.2結合剤を含む抗体、抗体フラグメント、または二重特異性抗体は、細胞傷害性剤であり得る化学療法剤と同時投与される。例えば、エピツビシン、オキサリプラチン、及び/または5-FUは、抗クローディン18.2療法を受けている患者に投与することができる。
本明細書で考察される治療薬の組み合わせは、薬学的に許容される担体における、二重特異性もしくは多重特異性結合剤または融合タンパク質の成分として、あるいは単一組成物として、同時に投与することができる。あるいは、治療薬の組み合わせは、薬学的に許容される担体中の各薬剤を有する別個の組成物として同時に投与することができる。別の実施形態において、治療剤の組み合わせは、順次投与され得る。
一実施形態において、本発明の治療方法は、がん細胞の細胞表面におけるクローディン18.2の発現を安定化または増加させることができる薬剤を投与することをさらに含む。例えば、クローディン18.2の発現を安定化または増加させる薬剤は、オキサリプラチン及び/または5-FUであり得る。
いくつかの態様において、従来のウイルス及び非ウイルスベースの遺伝子導入方法を使用して、本明細書に記載の抗体またはそれらの誘導体をコードする核酸を哺乳類細胞または標的組織に導入することができる。かかる方法を使用して、抗体をコードする核酸をインビトロで細胞に投与することができる。いくつかの実施形態において、抗体またはそれらの誘導体をコードする核酸は、インビボまたはエクスビボ遺伝子治療使用のために投与される。他の実施形態において、遺伝子送達技法を使用して、細胞ベースまたは動物のモデルにおいて抗体の活性を試験する。非ウイルスベクター送達システムには、DNAプラスミド、ネイキッド核酸、及びリポソームなどの送達ビヒクルと複合体化された核酸が含まれる。ウイルスベクター送達システムには、細胞への送達後にエピソームまたは組み込まれたゲノムのいずれかを有する、DNA及びRNAウイルスが含まれる。かかる方法は、当該技術分野で周知である。
本開示の操作されたポリペプチドをコードする核酸の非ウイルス送達方法には、リポフェクション、微量注入、遺伝子銃、ビロソーム、リポソーム、イムノリポソーム、ポリカチオンまたは脂質、核酸コンジュゲート、ネイキッドDNA、人工ビリオン、及び薬剤強化されたDNAの取り込みが含まれる。リポフェクション法及びリポフェクション試薬は、当該技術分野で周知である(例えば、Transfectam(商標)及びLipofectin(商標))。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに適したカチオン性及び中性脂質には、Felgner、WO91/17424、WO91/16024のものが含まれる。送達は、細胞(エクスビボ投与)または標的組織(インビボ投与)に行うことができる。免疫脂質複合体などの標的化されたリポソームを含む脂質:核酸複合体の調製は、当業者に周知である。
本明細書に記載の抗体をコードする核酸の送達のためのRNAまたはDNAウイルスベースのシステムの使用は、ウイルスを体内の特定の細胞に標的化し、ウイルスのペイロードを核に輸送するための、高度に進化したプロセスの利点を活かす。ウイルスベクターは、患者に(インビボで)直接投与できるか、またはそれらは、インビトロで細胞を処理するために使用することができ、改変された細胞は患者に投与される(エクスビボで)。本開示のポリペプチドの送達における従来のウイルスベースのシステムには、遺伝子導入のためのレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ヘルペスウイルス、及び単純ヘルペスウイルスのベクターが含まれ得る。ウイルスベクターは、現在、標的細胞及び組織における遺伝子導入の最も効率的かつ汎用的な方法である。宿主ゲノムにおける組み込みは、レトロウイルス、レンチウイルス、及びアデノ随伴ウイルス遺伝子導入法で可能であり、多くの場合、挿入された導入遺伝子の長期的発現をもたらす。さらに、高い形質導入効率が、多くの異なる細胞型及び標的組織において観察されている。
特定された全ての特許及び刊行物は、例えば、本開示に関連して使用され得るかかる刊行物に記載されている方法論を、説明及び開示することを目的として、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日より前のそれらの開示についてのみ提供される。この点におけるいかなるものも、本発明者らが、先行発明またはいかなる他の理由によってもかかる開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付または表明に関する全ての記述は、出願者が利用可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確性に関するいかなる承認も担うものではない。
先に示されていない範囲で、本明細書に記載及び例示される様々な実施形態のうちのいずれか1つが、本明細書に開示される他の実施形態のうちのいずれかに示される特性を組み込むようにさらに修正され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
本開示の広範な範囲は、以下の実施例を参照して最もよく理解されるが、開示を特定の実施形態に限定することを意図するものではない。本明細書に記載される特定の実施形態は、例としてのみ提供され、本開示は、添付の特許請求の範囲の条件によって、かかる特許請求の範囲が権利を有する等価物の完全な範囲と共に制限される。
一般的方法
免疫沈降、クロマトグラフィー、及び電気泳動を含むタンパク質精製のための方法が記載されている。Coligan et al.(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York。化学的分析、化学的修飾、翻訳後改変、融合タンパク質の産生、及びタンパク質のグリコシル化が記載されている。例えば、Coligan et al.(2000)Current Protocols in Protein Science,Vol.2,John Wiley and Sons,Inc.,New York、Ausubel et al.(2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vol.3,John Wiley and Sons,Inc.,NY,N.Y.,pp.16.0.5-16.22.17、Sigma-Aldrich,Co.(2001)Products for Life Science Research,St.Louis,Mo.;pp.45-89、Amersham Pharmacia Biotech(2001)BioDirectory,Piscataway,N.J.,pp.384-391を参照されたい。ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の産生、精製、及びフラグメント化について記載されている。Coligan et al.(2001)Current Protocols in Immunology,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York、Harlow and Lane(1999)Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Harlow and Lane、同上。
ハイブリドーマ上清を、HiTrapプロテインGカラム(GE、カタログ番号17040401)によって、製造業者の手順に従って精製した。簡単に説明すると、ハイブリドーマ上清を5CVのDPBS(Gibco、カタログ番号14190-136)によって平衡化し、シリンジ/注入ポンプ(Legato200、KDS)を介して、周囲温度及び3分間の滞留時間でロードした。カラムを5CVのDPBSで洗浄し、溶離を4CVのpH2.8溶離緩衝液(Fisher Scientific、カタログ番号PI21004)によって行った。溶離を画分化し、画分を1MのTris-HCL、pH8.5(Fisher Scientific、カタログ番号50-843-270)で中和し、A280(DropSense96、Trinean)によってアッセイした。ピーク画分をプールし、緩衝液をDPBSに交換した。遠心フィルター(EMD Millipore、カタログ番号UFC803024)を、4,000×gで2分間、DPBS中で平衡化した。精製した試料をロードし、DPBSを添加して、試料を4,000×g、5~10分間スピンで、総DPBS体積が≧6DVになるまでスピンした。最終プールをA280によって分析した。
分子生物学における標準的な方法が記載されている。Maniatis et al.(1982)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Wu(1993)Recombinant DNA,Vol.217,Academic Press,San Diego,Calif。標準的な方法は、Ausbel et al.(2001)Current Protocols in Molecular Biology,Vols.1-4,John Wiley and Sons,Inc.New York,N.Y.にもみられ、細菌細胞及びDNA変異誘発におけるクローニング(Vol.1)、哺乳類細胞及び酵母におけるクローニング(Vol.2)、複合糖質及びタンパク質発現(Vol.3)、ならびにバイオインフォマティクス(Vol.4)が記載されている。
CLDN18.2またはCLDN18.1を発現する安定した細胞株は、Lipofectamine3000(Invitrogen、カタログ番号L3000015)を使用した脂質ベースのトランスフェクションを使用して、選択された宿主細胞(すなわち、CHO-K1、NIH/3T3、またはHEK293細胞、いずれもATCCから購入)を、Homo sapiensクローディン18転写変異体2(CLDN18.2)またはHomo sapiensクローディン18転写変異体1(CLDN18.1)を発現するpcDNA3.1ベースのプラスミドでトランスフェクトすることによって生成した。
発現は、表面発現についてアッセイするためにフローサイトメトリーを使用して、トランスフェクションの24時間及び48時間後に適切な抗体を使用して確証した。抗生物質選択を、組み込まれた細胞を選択するために使用し、ジェネティシン選択の7~10日後、形質移入体を選択圧(ジェネティシン)下に維持しながら、限界希釈を96ウェルプレート中で生存細胞に実行した。
10~14日後、単一コロニーを、CLDN18.2またはCLDN18.1特異的抗体(CLDN18.2:CLDN18.2に特異的である(CLDN18.1に対して特異的ではない)US2018/0117174に報告されているモノクローナル抗体について公的に入手可能な配列情報を用いて合成された陽性対照抗体の社内バージョン(本明細書において「陽性対照」抗体と称される)、CLDN18.1:クローディン18ポリクローナル抗体(Invitrogen、カタログ番号38-8000)))を用いたフローサイトメトリーを使用したスクリーニングのために拾い上げた。高度に発現した上位3~5クローンを、さらなる開発のために選択した。2継代後、発現レベルをフローサイトメトリー及び画像アッセイによって確認して、それが安定的であることを確証した。特定の遺伝子発現もPCRによって確認した。
ハイブリドーマクローンについて重鎖及び軽鎖可変領域の配列を以下に記載のように決定した。全RNAは、Qiagen(Germantown、MD、USA)のRNeasy Plus Mini Kitを使用して、1~2×10個のハイブリドーマ細胞から抽出した。cDNAは、Takara(Mountainview、CA、USA)のSMARTer RACE 5’/3’Kitを使用して5’RACE反応を実行することによって生成した。PCRは、NEB(Ipswitch、MA、USA)のQ5 High-Fidelity DNA Polymeraseを使用して実行し、適切な免疫グロブリンの3’マウス定常領域における遺伝子特異的プライマーと組み合わせて、Takara Universal Primer mixを使用して重鎖及び軽鎖からの可変領域を増幅させた。重鎖及び軽鎖について増幅された可変領域を2%アガロースゲル上で実行し、適切なバンドを切り取り、次いでQiagenのMini Elute Gel Extraction Kitを使用してゲル精製した。精製したPCR産物を、Invitrogen(Carlsbad、CA、USA)のZero Blunt PCR Cloning Kitを使用してクローニングし、TakaraのStellar Competent E.Coli細胞に形質転換し、LB寒天培地+50μg/mLカナマイシンプレートに播種した。直接コロニーサンガー配列決定をGeneWiz(South Plainfield、NJ、USA)によって実行した。得られたヌクレオチド配列を、IMGT V-QUESTを使用して分析し、生産的再配列を特定し、翻訳されたタンパク質配列を分析した。CDR決定は、IMGT番号付けに基づいた。
蛍光活性化細胞選別検出システム(FACS(登録商標))を含む、フローサイトメトリーのための方法が利用可能である。例えば、Owens et al.(1994)Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice,John Wiley and Sons,Hoboken,N.J.、Givan(2001)Flow Cytometry,2nd ed.;Wiley-Liss,Hoboken,N.J.、Shapiro(2003)Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,Hoboken,N.J.を参照されたい。核酸プライマー及びプローブ、ポリペプチド、ならびに抗体を含む、核酸を修飾するのに好適な蛍光試薬が、例えば、診断試薬として使用するために利用可能である。Molecular Probes(2003)Catalogue,Molecular Probes,Inc.,Eugene,Oreg.、Sigma-Aldrich(2003)Catalogue,St.Louis,Mo。
本明細書において「PC1」と称される社内陽性対照CLDN18.2特異的抗体ゾルベツキシマブ(以前はクローディキシマブと称された)は、それらのVH及びVL配列に関する公開情報に基づいてCROによって作成された(VH配列:US2018/0117174の配列番号32、VL配列:US2018/0117174の配列番号39)。PC1抗体を使用して、実施例で使用される形質移入体及び腫瘍細胞株によるCLDN18.2発現を確認し、本明細書に開示される抗CLDN18.2特異的抗体を評価及び特徴付けるために使用される結合アッセイ及び機能アッセイを確立した。
簡単に説明すると、対照及び基準的抗体配列を含有するプラスミドを、ExpiCHO(商標)発現システム(カタログ番号A29133、ThermoFisher Scientific、USA)を製造業者のプロトコルに従って使用してトランスフェクトした。細胞は、1日目に37℃及び8%COで、次いでトランスフェクション後にキットに提供される培地中で、32℃及び5%COで培養した。抗体を、1,000gで10分間遠心分離し、続いて5,000gで30分間遠心分離することによって、ExpiCHO(商標)培地を澄明化することで精製した。次いで、上清を、0.45μηιフィルター、続いて0.22μηιフィルターを使用して濾過した。続いて、上清は、プロテインA/G樹脂(Life Technologies、Carlsbad、CA、カタログ番号20424)を製造業者のプロトコルに従って使用して、親和性精製に供した。ELISA精製の前に、培養培地中の抗体力価を大まかに決定して、ロードされる培地の量によって占められるのが樹脂結合容量の80%未満であることを確実にした。インキュベーション後、樹脂をPBSで洗浄し、Elution Buffer(Life Technologies、カタログ番号21004)によって溶離した。溶離画分は、直ちにトリス緩衝液、pH8.0を添加することによって、生理的pHに調整した。続いて、精製した抗体を、PBS緩衝液中でAmicon Ultra-15Centrifugal Filter Unit(Life Technologies、カタログ番号UFC900324)を使用して、緩衝液交換及びタンパク質濃縮に供した。抗体濃度は、BCAタンパク質アッセイによって決定した。SDS-PAGE及びクマシー染色を実行して、抗体純度を試験した。精製したタンパク質を小分けして、長期保存のために-80℃で保存するか、または即時使用のために4℃で維持した。
抗体の完全性は、SDS-PAGEによって、続いて、非還元条件下対還元条件下のクマシー染色によって検証し、非還元条件下では、約150kDaの支配的な1本のバンド、一方、還元条件下では、50kDa及び25kDaの2本のバンドが観察された。
リガンド/受容体相互作用を特徴付けるための標準的な技法が利用可能である。例えば、Coligan et al.(2001)Current Protocols in Immunology,Vol.4,John Wiley,Inc.,New Yorkを参照されたい。特定の作用機序を有する抗体の特徴付けに好適な抗体機能特徴付けの標準的な方法も、当業者に周知である。
例えば、抗原性フラグメント、リーダー配列、タンパク質折り畳み、機能的ドメイン、CDR注釈、グリコシル化部位、及び配列アラインメントを決定するためのソフトウェアパッケージ及びデータベースが利用可能である。
実施例1:抗CLDN18.2抗体の生成
マウス抗クローディン18.2抗体は、ヒトクローディン18.2遺伝子でトランスフェクトしたHEK293細胞によって、Balb/cマウスを免疫することによって生成した。
ヒト抗クローディン18.2抗体は、ヒトクローディン18.2遺伝子でトランスフェクトしたHEK293細胞によって、ヒトIg遺伝子導入マウスであるTrianniマウス株(WO2013/063391)を免疫することによって生成した。
マウス(Balb/cまたはヒトIg遺伝子導入)は、腹腔内(IP)または皮下(SC)のいずれかで免疫した。免疫応答は、後眼窩採血によって監視した。血漿をFACSまたはイメージング(後述)によってスクリーニングし、十分な力価の抗クローディン18.2を有するマウスを融合のために使用した。マウスは、屠殺及び脾臓及びリンパ節の取り出しの前に、免疫原によって腹腔内または静脈内で追加免疫した。
クローディン18.2に結合する抗体を産生するBalb/cまたはヒトIg遺伝子導入マウスを選択するために、免疫したマウスからの血清を、クローディン18.2を発現する細胞株(CHO、HEK293、または3T3-クローディン18.2細胞株)に結合して、クローディン18.2を発現しない対照細胞株に結合しないことについて、フローサイトメトリー(FACS)によってスクリーニングした。簡単に説明すると、クローディン18.2-CHO(HEKまたは3T3細胞)を、免疫したマウスからの血清の希釈液と共にインキュベートした。細胞を洗浄し、特異的抗体結合をPE標識抗マウスIgG Abによって検出した。フローサイトメトリー分析は、フローサイトメトリー装置(Intellicyte、IQue plus、Sartorius)で行った。さらに、血清マウスをイメージングによって試験した。簡単に述べると、クローディン18.2-Cho(HEKまたは3T3細胞)を、免疫したマウスからの血清の希釈液と共にインキュベートした。細胞を洗浄し、パラホルムアルデヒドで固定し、洗浄し、特異化した抗体結合を、二次Alexa488ヤギ抗マウス抗体及びHoechst(Invitrogen、Calsbad、CA)によって検出した。プレートを走査し、イメージングマシン(Cytation 5、Biotek、Winooski、VT)で分析した。ハイブリドーマ上清を、上記のようにFACS及びイメージングによって抗クローディン18.2特異的結合について試験した。
本発明のヒト抗体及びマウス抗体を産生するハイブリドーマを生成するために、脾細胞及びリンパ節細胞を免疫したマウスから単離し、マウス骨髄腫細胞株などの適切な不死化細胞株に融合した。得られたハイブリドーマを、抗原特異的抗体の産生についてスクリーニングした。例えば、免疫したマウスからの脾細胞、リンパ節細胞の単一細胞懸濁液を、電気融合によって等しい数のSp2/0非分泌性マウスIgG骨髄腫細胞(ATCC、CRL1581)に融合した。細胞を平底96ウェル組織培養プレートに播種し、続いて選択培地(HAT培地)で2週間インキュベーションし、次いでハイブリドーマ培養培地に切り替えた。細胞播種の約10~14日後に、個々のウェルからの上清を、上記のようにFACSまたはイメージングによってスクリーニングした。抗体分泌性ハイブリドーマを24ウェルプレートに移し、再びスクリーニングし、抗クローディン18.2がさらに陽性である場合、陽性ハイブリドーマを、限界希釈または単一細胞ソーターを使用した選別によって、サブクローニングした。次いで、安定したサブクローンをインビトロで培養して、精製及び特徴決定のために使用する少量の抗体を生成した。
実施例2:抗クローディン18.2抗体の特異性
抗クローディン抗体の結合特異性を、免疫蛍光イメージングアッセイを使用して評価した。
抗クローディン18.2抗体の特異的な細胞結合親和性を、CHO-CLDN18.2(組換えヒトCLDN18.2を発現するトランスフェクトCHO細胞)及びCHO-CLDN18.1(組換えヒトCLDN18.1を発現するトランスフェクトCHO細胞)細胞で試験した。細胞を、10%FBS添加したF12を含有する完全培地中に播種してから37℃で一晩インキュベートし、抗クローディン18.2抗体を連続希釈してアッセイプレートに添加して4℃で2時間インキュベートした後、続いて細胞を固定し、さらに細胞を検出のためにAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ヒトIgG(H+L)二次抗体、Invitrogenカタログ番号A-11013によって30分間染色した。結合を、細胞をイメージングし、Biotek Cytationを使用して蛍光強度を定量化することによって評価した。
図3Aに示されるように、精製されたネズミ抗クローディン18.2抗体の群は、CHO-CLDN18.2細胞に結合するが、試験で10μg/mlの抗体を使用する場合、CHO-CLDN18.1細胞には結合せず、図3Bは、CHO-CLDN18.2細胞に用量依存的に結合するMs-1、Ms-2、及びMs-3の代表的なデータを示し、それぞれ1.2nM、2.8nM、及び1.8nMのEC50値を有する。対照Ab PC1は、文献報告と一致する3.2nMのEC50値を有する。陰性対照抗体は、CHO-CLDN18.2細胞に結合しない。
リードパネル抗体の結合親和性は、クローディン18.1を安定的に発現するCHO CLDN18.1細胞株でも試験した。いずれの抗体も、133.4nMの最高試験濃度で有効な結合活性を示さなかった。代表的なクローンからのデータを図3Cに示す。クローンMs-4及びHu-3の両方は、CHO-CLDN18.1細胞には結合しないが、0.75nM及び1.34nMのEC50値を有するCHO-CLDN18.2細胞との用量依存的結合を示した。
ネズミ抗クローディン18.2リードパネルの用量依存性結合データの全セットを表5に要約する。精製されたネズミ抗クローディン18.2抗体の群は、CHO-CLDN18.2細胞に0.8~3.3nMの範囲のEC50値で結合する。
表5 ネズミ抗CLDN18.2抗体の特異性
Figure 2022519118000008
Figure 2022519118000009
同様に、図4Aに示されるように、代表的な精製したヒト抗クローディン18.2抗体は、CHO-CLDN18.2細胞に結合するが、試験で10μg/mlの抗体を使用する場合、CHO-CLDN18.1細胞に結合しない。
ヒト抗クローディン18.2リードパネルの用量依存性結合データの全セットを表6に要約する。17例の精製クローディン18.2抗体の群は、CHO CLDN18.2に結合し、EC50値を0.77nM~19nMの範囲で有する。代表的なクローンデータを図4Bに示す。クローンHu-2、Hu-9、及びHu-10は、1.5、1.1、及び1.5nMの結合EC50を示した。
表6 ヒト抗CLDN18.2抗体の特異性
Figure 2022519118000010
実施例3:クローディン18.2を発現する腫瘍細胞株とのクローディン18.2抗体の結合親和性
標的タンパク質密度及びグリコシル化状態は、細胞型によって異なる。ADCC及びCDCなどの親和性依存性メカニズムの結合親和性及び活性は、標的密度及びグリコシル化状態によって著しく影響を受ける。クローディン18.2を内因的に発現する細胞株を使用して決定される効果は、抗クローディン18.2抗体の有効性に対して、より併進的関連性を有する。
腫瘍細胞を、+10%FBS添加したRPMI1640を含有する完全培地中に播種してから37℃で一晩インキュベートし、クローディン18.2抗体を連続希釈してアッセイプレートに添加して4℃で2時間インキュベートした後、続いて細胞を固定し、さらに細胞を検出のためにAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ヒトIgG(H+L)二次抗体(Invitrogenカタログ番号A-11013)によって30分間染色した。結合を、細胞をイメージングし、Biotek Cytationを使用して蛍光強度を定量化することによって評価した。
異なるタイプの細胞の相対発現レベルを図5に提供する。胃腫瘍細胞株NUGC-4及び膵臓腫瘍細胞株PATU8988Sと並行した、Claudin18.2を過剰発現させるように操作された組換えCHO-クローディン18.2細胞におけるClaudin18.2発現レベルの評価は、CHO-クローディン18.2発現レベルがNUGC-4及びPATU8988S細胞の内因性発現レベルよりも100倍以上高いことを明らかにする。
開示される抗CLDN18.2抗体は、膵臓腫瘍細胞株PATU8988Sへの結合(上記表5及び6を参照されたい)を2nM未満~約100nMの範囲のEC50値で示す。結合の強度は、表5及び表6に4つのカテゴリで報告され、2nM未満のEC50値を有する最強の結合は、「++++」として定義され、2nM~20nMの結合EC50値は、「+++」として定義され、20nM~100nMの結合EC50値は、「++」として印され、約100nMの弱い結合EC50は、「+」として示された。
図6A及び6Bに示されるように、抗クローディン18.2抗体パネルの結合は、社内の陽性対照PC1よりも、PATU8988S細胞に対して良好な結合親和性を示した。20μg/mLの抗体を使用して細胞を染色した場合、PC1の結合蛍光強度は、Ms1~10及びHu1~16抗体の蛍光強度よりも有意に低い。
同様に、ヒト抗体パネルにおける抗体Hu-2、Hu-9、及びHu-10の結合親和性は、ヒト胃腫瘍細胞株NUGC-4に対してより良好な結合親和性を表わし、図7において代表的なデータによって示される。
腫瘍細胞に対する抗クローディン18.2Ab結合親和性をさらに評価するために、クローディン18.2を内因的に発現する別のヒト胃腫瘍細胞株であるKATOIIIを、フローサイトメトリー結合アッセイで使用した(図8)。簡単に説明すると、KatoIIIを、+10%FBS添加したRPMI1640を含有する完全培地中に播種し、クローディン18.2抗体を連続希釈してアッセイプレートに添加して4℃で2時間インキュベートした後、続いて細胞を固定し、さらに細胞を検出のためにAlexa Fluor(登録商標)488ヤギ抗ヒトIgG(H+L)二次抗体(Invitrogenカタログ番号A-11013)によって30分間染色した。
抗体結合を、フローサイトメトリー装置IQUE plus(Sartorius、Gotingen、Germany)によって評価した。図8に示されるように、6.67μg/ml抗体を用いて細胞を染色した場合、PC1抗体の社内iMAb362の結合蛍光強度は、Hu-2、Hu-9、及びHu-10抗体の蛍光強度よりも有意に低い。
実施例4:抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)
クローディン18.2陽性細胞に結合したクローディン18.2抗体の抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)を、生物発光アッセイによって測定し、マウスFcγRIVに特異的に結合して活性化する抗体の活性を決定した。トランスフェクトされたCHO細胞によって発現される組換えタンパク質もしくは内因性CLDN18.2を発現するヒト細胞株のいずれかである、CLDN18.2を安定的に発現する細胞、または陰性細胞を、F12+10%FBSを含有する完全培地に播種し、細胞を37℃で一晩インキュベートした。次いで、クローディン18.2抗体を連続希釈し、エフェクター細胞と共に添加した。細胞生存率を、Promega生物発光アッセイを製造業者の指示に従って使用して検出した(Promega、カタログ番号M1201)。
表7に示されるように、マウスIgG2a Fcを伴うヒト可変領域を有する代表的なヒトクローディン18.2抗体は、ADCCを0.77nM~7.09nMの範囲のEC50値で誘導した。代表的なデータを図9に示す。抗体Hu-2、Hu-7、及びHu-9は、3.51、3.52、及び1.10nMのADCC EC50を示した。CLDN18.2に特異的でない無関係のマウスIgG2a抗体は、アッセイで活性を示さない。ヒトIgG1 Fcを含むように操作されたPC1抗体は、ヒトエフェクター細胞を添加すると、同様のアッセイで0.66nMのEC50を有した(データは図示せず)。
表7 抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)活性
Figure 2022519118000011
実施例5:エンドサイトーシススクリーニング
クローディン18.2陽性細胞に結合した開示のCLDN18.2特異的抗体のエンドサイトーシスを、標的結合抗体の共内部移行を抗ヒトIgG Fc-MMAF抗体と共に使用した細胞傷害性ベースのエンドサイトーシスアッセイによって測定した。
クローディン18.2または陰性細胞を安定的に発現する細胞を、F12+10%FBSを含有する完全培地に播種し、細胞を37℃で一晩インキュベートした。次いで、クローディン18.2抗体を連続希釈し、抗ヒトIgG Fc-MMAF抗体と共にアッセイプレートに添加し、37℃で72時間インキュベートした。細胞生存率は、Promega Cell-titer Glo生物発光アッセイ(Promega、カタログ番号7570)を製造業者の説明書に従って使用して検出した。
表8に示すように、精製マウスクローディン18.2抗体のリードパネルは、CHO CLDN18.2細胞においてエンドサイトーシス由来細胞傷害を、0.71~2.55nMの範囲のEC50値で誘導した。
同様に、表9に示されるように、精製ヒトクローディン18.2抗体のTrianniパネルは、CHO CLDN18.2においてエンドサイトーシス由来細胞傷害を、0.85nM~13.39nMの範囲のEC50値で誘導した。代表的なクローンデータを図10に示す。クローンHu-2、Hu-7、Hu-9、及びHu-11は、それぞれ1.43、1.65、0.85、及び1.31nMのエンドサイトーシス由来の細胞傷害性EC50を示した。
リードパネル抗体はまた、クローディン18.2を内因的に発現する膵臓腫瘍細胞株PATU8988Sにおいてエンドサイトーシス由来細胞性細胞傷害を示したが、クローディン18.1を安定的に発現するCHO CLDN18.1細胞株においてエンドサイトーシスに由来する細胞殺傷活性を示さなかった(データは図示せず)。
表8 ネズミ抗クローディン18.2mAbのエンドサイトーシス
Figure 2022519118000012
Figure 2022519118000013
表9 ヒト抗クローディン18.2mAbのエンドサイトーシス
Figure 2022519118000014
実施例6:増強された抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)
クローディン18.2陽性細胞に結合したクローディン18.2抗体のADCC活性を、生物発光アッセイによって測定し、ヒトFcγRIIIaに特異的に結合して活性化する抗体の活性を決定した。CLDN18.2を安定的に発現するCHO細胞、または陰性細胞を、F12+10%FBSを含有する完全培地に播種し、細胞を37℃で一晩インキュベートした。次いで、クローディン18.2抗体を連続希釈し、エフェクター細胞と共に添加した。細胞生存率を、Promega生物発光アッセイを製造業者の指示に従って使用して検出した(Promega、カタログ番号7010)。
図13Aに示されるように、非改変抗クローディン18.2抗体NBL-014及びADCC活性を増強するために導入された点変異を含む、Fc可変抗体NBL-014P、ならびにIgGコアフコースが低いかまたはない(例えば、非もしくは無フコシル化)ことを特徴とする抗体を発現するように選択された条件下でHEK細胞において生成されたFc改変変異体であるNBL-014Gは、CHO-クローディン18.2細胞及びPATU8988S細胞において、増強されたADCC活性を誘導した。
高標的密度のCHO-クローディン18.2細胞において、NBL-014P及びNBL-014Gは、0.06nM~0.02nMのEC50値を示し、0.73nMのADCC EC50を有する非改変親NBL-014抗体よりも10倍及び35倍優れていた(図13A)。
代替のADCCアッセイも使用して、エフェクター細胞株NK92MI-CD16aを使用して標的細胞溶解%を直接的に測定することによって、抗クローディン18.2抗体のADCC活性を評価した。簡単に説明すると、CHO-クローディン18.2標的細胞を製造業者の指示に従ってCFSEで染色し、次いで、細胞をU底384ウェルプレートに、RPMI培地(抗生物質なし)中に800k個/mLで播種した。連続希釈したAb及びアイソタイプ対照をプレートに添加した。NK92MI細胞を採取して計数し、指示濃度320k個/mLに希釈した後、NK92MI細胞:腫瘍細胞が最終1:5の比を有するように10ul/ウェル添加して、37℃、5%COで4時間、37℃、5%COインキュベートし、次いで室温で10分間取り出した。死細胞色素7-AAD(1:100)を添加し、ウェル内で混合し、10分間静置させ、次いでプレートにFACSを実行して、細胞死/殺傷能力を決定した(CFSEでゲーティングして陽性を死細胞7-AAD+として定義する)。
図13Bに示されるように、Fc改変抗体NBL-014P及びNBL-014Gは、このアッセイ形式で、適度に増強されたADCC活性を誘導した。
実施例7:クローディン18.2を内因的に発現する腫瘍細胞において増強されたADCC活性
クローディン18.2を過剰発現するCHO-クローディン18.2細胞と比較して、ヒト腫瘍細胞株PATU8988S及びNUGC-4は、はるかに少ないクローディン18.2を発現する(図5)。抗クローディン18.2抗体を、標的細胞としてヒト腫瘍細胞株を使用し、それらのADCC活性について試験した。クローディン18.2抗体のADCC活性を、生物発光アッセイによって測定し、ヒトFcγRIIIaに特異的に結合して活性化する抗体の活性を決定した。内因性CLDN18.2を発現するヒト細胞株を、RPMI1640+10%FBSを含有する完全培地に播種し、細胞を37℃で一晩インキュベートした。
次いで、クローディン18.2抗体を連続希釈し、エフェクター細胞と共に添加した。細胞生存率を、Promega生物発光アッセイを製造業者の指示に従って使用して検出した(Promega、カタログ番号7010)。PATU8988S細胞株ADCCアッセイにおいて、NBL-014P及びNBL-014Gは、それぞれ0.06nM及び0.04nMのADCC EC50値を示し、これらは、親クローンNBL-014のADCC活性(0.12nMのEC50、図13Aを参照されたい)と比較して増強される。さらに、この膵臓細胞モデルでは、ADCC効果の最大値は、親抗体NBL-014の最大ADCC応答よりも約33倍上昇した(図14B)。
NUGC-4細胞株では、NBL-014P及びNBL-014Gは、それぞれ0.04nM及び0.06nMのADCC EC50を示し、また、0.40nMのADCC EC50を有する親クローンNBL-014から増強された。さらに、この胃細胞アッセイでは、ADCC効果の最大値は、親抗体NBL-014の最大ADCC応答よりも約3倍上昇した(図14A)。
実施例8:抗クローディン18.2抗体の補体依存性細胞傷害(CDC)
抗クローディン18.2抗体がCDC活性を誘導する能力を、最初にクローディン18.2を過剰発現するCHO細胞株を使用して評価した。このフローサイトメーターベースのCDCアッセイは、PeproTech(Rockyhill、NJ)のプールされたヒト血清を使用して行った。CHO-クローディン18.2細胞を、384ウェルプレートにウェル当たり8,000個の細胞で播種した。10μlの選択された抗体を、10μg/mLの濃度から開始する連続希釈で添加した。プレートを、37℃で15分間インキュベートするように放置した。インキュベーション後、10μlのヒト血清を体積当たり1/16の最終希釈でウェルに添加した。その後、プレートを37℃で2.5時間インキュベートするように放置した。7AAD生存性染料を添加し、10分後にiQue plus(フローサイトメーター)を取得した。
高標的密度のCHO-クローディン18.2細胞において、NBL-014P及びNBL-014Gは、0.15nM~0.30nMの強力なEC50値を示し、0.22nMのCDC EC50を有するその非操作形態NBL-014と同様だった(図15)。PC1(社内iMAb36)のCDC活性(EC50値1.76)と比較して、NBL-014の観察されたEC50活性は、約10倍の改善を表す。
抗クローディン18.2抗体のCDC活性を、クローディン18.2を内因的に発現するヒト腫瘍細胞株PATU8988Sにおいてさらに評価した。図16に示されるように、NBL-014、NBL-014P、及びNBL-014Gはいずれも、PATU8988Sにおける強力なCDC活性を誘導し、NBL-014Pは最大のCDC%殺傷を有した。
実施例9:抗クローディン18.2抗体の抗体依存性細胞貪食(ADCP)
抗クローディン18.2抗体がADCPを誘導する能力を、Promega生物発光アッセイを使用して評価した。アッセイは、標的細胞としてローディン18.2を過剰発現するCHO細胞またはNUGC細胞を使用する。エフェクター細胞を、抗クローディン18.2抗体の存在下で標的細胞と共培養した。抗体は、標的細胞で標的に結合し、次いで、エフェクター細胞でFcγRIIaを活性化し、NFAT-RE媒介性ルシフェラーゼ活性をもたらし、これは、Bio-Gloルシフェラーゼアッセイシステムを使用して定量化することができる。
簡単に説明すると、CHO-クローディン18.2またはNUGC-4細胞を、白色384ウェルプレートにアッセイ緩衝液中で12000個/20ul/ウェル(0.6M/ml)播種した。エフェクター細胞を解凍し、1M/mlに再懸濁し、10μlをアッセイプレート(10000個/ウェル)に添加した。抗体をアッセイ緩衝液中で希釈し、標的細胞の上に10μl/ウェを加えた。細胞プレートを一晩インキュベートした。翌日、製造業者の説明書に従ってluc基質20uLを直接添加し、プレートをスピンダウンさせて直ちに読み取った。
抗クローディン18.2抗体NBL-014、NBL-014G、及びNBL-014PのADCP活性を、図17A(CHO-クローディン18.2細胞)及び図17B(NUGC-4細胞)に示した。高密度CLDN18.2標的細胞を使用する場合、Fc操作したAbからの活性は、親抗体のもの同様だったが、一方、社内PC1抗体(iMAb362)のADCP活性は、高い応答だが低い効力を示した。
ADCP活性を評価するためのヒト腫瘍細胞株NUGC-4(CLDN18.2の内因性発現)の使用は、社内PC1抗体が100倍低い効力だが、その最大活性がNBL-014、NBL-014P、及びNBL-014Gよりも高いことを示すデータを生じる。
これらの結果に基づいて、NBL-014のADCP活性は、クローディン18.2発現レベルに関係なく強力であり、Fc改変(タンパク質工学またはグリコール工学)のいずれも、観察された活性の効力を変化させなかったようである。NBL-014G及びNBL-014PのEC50値は、それらの親クローンNBL-014と同様である。試験した両方の細胞株において、CHO-クローディン18.2、ならびにNUGC-4、NBL-14、NBL-14G、及びNBL-14Pは、PC1よりもEC50値の点で優れたADCP活性を示した。しかし、PC1の10μg/mlの高い抗体濃度でのADCP効果は、NBL-014よりも2倍高い応答を有する。
実施例10:膵臓癌のクローディン18.2を過剰発現するPATU8988Sの皮下腫瘍モデルにおける抗クローディン18.2抗体の抗腫瘍有効性
6~7週齢の雌BALB/cヌードマウスに、クローディン18.2を過剰発現する生きたPATU8988S細胞の5×10個を0.1mlのPBS中で右脇腹に皮下注射した。3日後、マウスを無作為に群(N=10)に分け、腹腔内注射による処置を開始した(0日目)。群1はPBS対照を受け、群2は200ugのアイソタイプ抗体対照を受け、群3は200ugのNBL-014、及び群4は200ugのPC1抗体を受けた。処置は週に2回、4週間投与した。
体重を週に2回測定した。腫瘍体積は、式V=1/2×L×W×Wを使用して異なる時点で決定し、式中、Lは異種移植片の長い寸法であり、Wは短い寸法である。2500mmを超える腫瘍を有するいずれのマウスも屠殺した。
図18Aに示されるように、試験した抗体NBL-014及びPC1は、腫瘍サイズの成長を阻害した。試験の34日目に、マウスを屠殺し、腫瘍を取り出して重量を測定した。NBL-014及び社内PC1抗体(iMAb362)の両方は、指標として腫瘍重量を使用して、強力な抗腫瘍有効性を示した(図18B)。
実施例11:胃癌のNUGC-4皮下モデルにおける抗クローディン18.2抗体の抗腫瘍有効性
6~7週齢の雌BALB/cヌードマウスに、生きたNUGC-4細胞の5×10個を0.1mlのPBS中で右脇腹に皮下注射した。3日後、マウスを無作為に群(N=10)に分け、腹腔内注射による処置を開始した(0日目)。群1はPBS対照を受け、群2は200ugのNBL-014を、群3は200ugのPC1抗体を受けた。処置は週2回、5週間投与した。
体重を週に2回測定した。腫瘍体積は、式V=1/2×L×W×Wを使用して異なる時点で決定し、式中、Lは異種移植片の長い寸法であり、Wは短い寸法である。2500mmを超える腫瘍を有するいずれのマウスも屠殺した。
図19に示すように、試験した抗体NBL-014は、腫瘍成長を阻害した。試験の35日目に、NBL-014及びPC1の両方が、有意な抗腫瘍有効性を示した。NBL-014は、社内PC1抗体(iMAb362)よりも優れた抗腫瘍活性を示した。
実施例12:胃癌のPBMCヒト化NUGC-4皮下モデルにおけるFc操作した抗クローディン18.2抗体の抗腫瘍有効性
Fc操作した抗クランディン18.2抗体の治療可能性を調べるために、Jackson laboratoryのNOG-MHCI/II-2KO(NOD.Cg-B2mem1TacPrkdcscidH2-Ab1tm1DoiIl2rgtm1Sug/JicTac)マウスを、GVHD発症を伴わない延長した治療期間のために使用することを選択した。
簡単に説明すると、6~7週齢の雌NOG dkoマウスに、5×10個の生きたNUGC-4細胞を0.1mlのPBS中で右脇腹に皮下接種した。3日後、末梢血単核細胞(PBMC)を解凍し、計数した。300ulのPBSで希釈した1×10個のPBMCを、尾静脈を通して各マウスに移植した。マウスを群に無作為に分け、抗体の腹腔内注射による処置を開始した(0日目)。群1はPBMCと共にPBSを受け、群2は操作されたヒトIgG1 Fcを有するNBL-014を200ug受けた。
処置は週に2回、5週間投与した。PBMC移植を週に1回を4回繰り返した。マウスの体重を週に2回測定した。腫瘍体積は、式V=1/2×L×W×Wを使用して異なる時点で決定し、式中、Lは異種移植片の長い寸法であり、Wは短い寸法である。2500mm3を超える腫瘍を有するいずれのマウスも屠殺した。
図20A及び20Bに示されるように、NBL-014を受けた群は、対照群と比較して有意に低下した腫瘍体積(図20A)及び腫瘍重量(図20B)を示した。

Claims (10)

  1. 単離された完全にヒトの抗ヒトCLDN18.2であって、抗体がヒトCLDN18.1に結合せず、前記抗体が、
    (a)CDR1:配列番号221、CDR2:配列番号222、CDR3:配列番号223を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号224、CDR2:配列番号225、CDR3:配列番号226を含む軽鎖可変領域、
    (b)CDR1:配列番号227、CDR2:配列番号228、CDR3:配列番号229を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号230、CDR2:配列番号231、CDR3:配列番号232を含む軽鎖可変領域、
    (c)CDR1:配列番号233、CDR2:配列番号234、CDR3:配列番号235を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号236、CDR2:配列番号237、CDR3:配列番号238を含む軽鎖可変領域、
    (d)CDR1:配列番号239、CDR2:配列番号240、CDR3:配列番号241を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号242、CDR2:配列番号243、CDR3:配列番号244を含む軽鎖可変領域、
    (e)CDR1:配列番号245、CDR2:配列番号246、CDR3:配列番号247を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号248、CDR2:配列番号249、CDR3:配列番号250を含む軽鎖可変領域、
    (f)CDR1:配列番号251、CDR2:配列番号252、CDR3:配列番号253を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号254、CDR2:配列番号255、CDR3:配列番号256を含む軽鎖可変領域、
    (g)CDR1:配列番号257、CDR2:配列番号258、CDR3:配列番号259を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号260、CDR2:配列番号261、CDR3:配列番号262を含む軽鎖可変領域、
    (h)CDR1:配列番号263、CDR2:配列番号264、CDR3:配列番号265を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号266、CDR2:配列番号267、CDR3:配列番号268を含む軽鎖可変領域、
    (i)CDR1:配列番号269、CDR2:配列番号270、CDR3:配列番号271を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号272、CDR2:配列番号273、CDR3:配列番号274を含む軽鎖可変領域、
    (j)CDR1:配列番号275、CDR2:配列番号276、CDR3:配列番号277を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号278、CDR2:配列番号279、CDR3:配列番号280を含む軽鎖可変領域、
    (k)CDR1:配列番号281、CDR2:配列番号282、CDR3:配列番号283を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号284、CDR2:配列番号285、CDR3:配列番号286を含む軽鎖可変領域、
    (l)CDR1:配列番号287、CDR2:配列番号288、CDR3:配列番号289を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号290、CDR2:配列番号291、CDR3:配列番号292を含む軽鎖可変領域、
    (m)CDR1:配列番号293、CDR2:配列番号294、CDR3:配列番号295を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号296、CDR2:配列番号297、CDR3:配列番号298を含む軽鎖可変領域、
    (n)CDR1:配列番号299、CDR2:配列番号300、CDR3:配列番号301を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号302、CDR2:配列番号303、CDR3:配列番号304を含む軽鎖可変領域、
    (o)CDR1:配列番号311、CDR2:配列番号312、CDR3:配列番号313を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号314、CDR2:配列番号315、CDR3:配列番号316を含む軽鎖可変領域、
    (p)CDR1:配列番号317、CDR2:配列番号318、CDR3:配列番号319を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号320、CDR2:配列番号321、CDR3:配列番号322を含む軽鎖可変領域、または
    (q)CDR1:配列番号323、CDR2:配列番号324、CDR3:配列番号325を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号326、CDR2:配列番号327、CDR3:配列番号328を含む軽鎖可変領域を含む、前記単離された完全にヒトの抗ヒトCLDN18.2。
  2. 単離された抗ヒトCLDN18.2であって、抗体が、ヒトCLDN18.1に結合せず、前記抗体が、
    (a)CDR1:配列番号47、CDR2:配列番号48、CDR3:配列番号49を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号50、CDR2:配列番号51、CDR3:配列番号52を含む軽鎖可変領域、
    (b)CDR1:配列番号53、CDR2:配列番号54、CDR3:配列番号55を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号56、CDR2:配列番号57、CDR3:配列番号58を含む軽鎖可変領域、
    (c)CDR1:配列番号59、CDR2:配列番号60、CDR3:配列番号61を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号62、CDR2:配列番号63、CDR3:配列番号64を含む軽鎖可変領域、
    (d)CDR1:配列番号65、CDR2:配列番号66、CDR3:配列番号67を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号68、CDR2:配列番号69、CDR3:配列番号70を含む軽鎖可変領域、
    (e)CDR1:配列番号71、CDR2:配列番号72、CDR3:配列番号73を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号74、CDR2:配列番号75、CDR3:配列番号76を含む軽鎖可変領域、
    (f)CDR1:配列番号77、CDR2:配列番号78、CDR3:配列番号79を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号80、CDR2:配列番号81、CDR3:配列番号82を含む軽鎖可変領域、
    (g)CDR1:配列番号83、CDR2:配列番号84、CDR3:配列番号85を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号86、CDR2:配列番号87、CDR3:配列番号88を含む軽鎖可変領域、
    (h)CDR1:配列番号89、CDR2:配列番号90、CDR3:配列番号91を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号92、CDR2:配列番号93、CDR3:配列番号94を含む軽鎖可変領域、
    (i)CDR1:配列番号95、CDR2:配列番号96、CDR3:配列番号97を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号98、CDR2:配列番号99、CDR3:配列番号100を含む軽鎖可変領域、
    (j)CDR1:配列番号101、CDR2:配列番号102、CDR3:配列番号103を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号104、CDR2:配列番号105、CDR3:配列番号106を含む軽鎖可変領域、
    (k)CDR1:配列番号107、CDR2:配列番号108、CDR3:配列番号109を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号110、CDR2:配列番号111、CDR3:配列番号112を含む軽鎖可変領域、
    (l)CDR1:配列番号113、CDR2:配列番号114、CDR3:配列番号115を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号116、CDR2:配列番号117、CDR3:配列番号118を含む軽鎖可変領域、
    (m)CDR1:配列番号119、CDR2:配列番号120、CDR3:配列番号121を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号122、CDR2:配列番号123、CDR3:配列番号124を含む軽鎖可変領域、
    (n)CDR1:配列番号125、CDR2:配列番号126、CDR3:配列番号127を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号128、CDR2:配列番号129、CDR3:配列番号130を含む軽鎖可変領域、
    (o)CDR1:配列番号131、CDR2:配列番号132、CDR3:配列番号133を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号134、CDR2:配列番号135、CDR3:配列番号136を含む軽鎖可変領域、
    (p)CDR1:配列番号137、CDR2:配列番号138、CDR3:配列番号139を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号140、CDR2:配列番号141、CDR3:配列番号142を含む軽鎖可変領域、
    (q)CDR1:配列番号143、CDR2:配列番号144、CDR3:配列番号145を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号146、CDR2:配列番号147、CDR3:配列番号148を含む軽鎖可変領域、
    (r)CDR1:配列番号149、CDR2:配列番号150、CDR3:配列番号151を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号152、CDR2:配列番号153、CDR3:配列番号154を含む軽鎖可変領域、
    (s)CDR1:配列番号155、CDR2:配列番号156、CDR3:配列番号157を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号158、CDR2:配列番号159、CDR3:配列番号160を含む軽鎖可変領域、
    (t)CDR1:配列番号161、CDR2:配列番号162、CDR3:配列番号163を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号164、CDR2:配列番号165、CDR3:配列番号166を含む軽鎖可変領域、
    (u)CDR1:配列番号167、CDR2:配列番号168、CDR3:配列番号169を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号170、CDR2:配列番号171、CDR3:配列番号172を含む軽鎖可変領域、
    (v)CDR1:配列番号173、CDR2:配列番号174、CDR3:配列番号175を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号176、CDR2:配列番号177、CDR3:配列番号178を含む軽鎖可変領域、または
    (w)CDR1:配列番号179、CDR2:配列番号180、CDR3:配列番号181を含む重鎖可変領域、及びCDR1:配列番号182、CDR2:配列番号183、CDR3:配列番号184を含む軽鎖可変領域を含む、前記単離された抗ヒトCLDN18.2。
  3. 単離された抗ヒトCLDN18.2であって、抗体が、ヒトCLDN18.1に結合せず、前記抗体が、
    (a)配列番号1の重鎖可変領域配列及び配列番号2の軽鎖可変領域配列、
    (b)配列番号3の重鎖可変領域配列及び配列番号4の軽鎖可変領域配列、
    (c)配列番号5の重鎖可変領域配列及び配列番号6の軽鎖可変領域配列、
    (d)配列番号7の重鎖可変領域配列及び配列番号8の軽鎖可変領域配列、
    (e)配列番号9の重鎖可変領域配列及び配列番号10の軽鎖可変領域配列、
    (f)配列番号11の重鎖可変領域配列及び配列番号12の軽鎖可変領域配列、
    (g)配列番号13の重鎖可変領域配列及び配列番号14の軽鎖可変領域配列、
    (h)配列番号15の重鎖可変領域配列及び配列番号16の軽鎖可変領域配列、
    (i)配列番号17の重鎖可変領域配列及び配列番号18の軽鎖可変領域配列、
    (j)配列番号19の重鎖可変領域配列及び配列番号20の軽鎖可変領域配列、
    (k)配列番号21の重鎖可変領域配列及び配列番号22の軽鎖可変領域配列、
    (l)配列番号23の重鎖可変領域配列及び配列番号24の軽鎖可変領域配列、
    (m)配列番号25の重鎖可変領域配列及び配列番号26の軽鎖可変領域配列、
    (n)配列番号27の重鎖可変領域配列及び配列番号28の軽鎖可変領域配列、
    (o)配列番号29の重鎖可変領域配列及び配列番号30の軽鎖可変領域配列、
    (p)配列番号31の重鎖可変領域配列及び配列番号32の軽鎖可変領域配列、
    (q)配列番号33の重鎖可変領域配列及び配列番号34の軽鎖可変領域配列、
    (r)配列番号35の重鎖可変領域配列及び配列番号36の軽鎖可変領域配列、
    (s)配列番号37の重鎖可変領域配列及び配列番号38の軽鎖可変領域配列、
    (t)配列番号39の重鎖可変領域配列及び配列番号40の軽鎖可変領域配列、
    (u)配列番号41の重鎖可変領域配列及び配列番号42の軽鎖可変領域配列、
    (v)配列番号43の重鎖可変領域配列及び配列番号44の軽鎖可変領域配列、または
    (w)配列番号45の重鎖可変領域配列及び配列番号46の軽鎖可変領域配列を含む、前記単離された抗ヒトCLDN18.2。
  4. 前記抗体が、ヒト化抗体である、請求項3に記載の抗CLDN18.2抗体。
  5. 前記抗体が、キメラ抗体である、請求項3に記載の抗CLDN18.2抗体。
  6. 単離された完全にヒトの抗ヒトCLDN18.2であって、抗体が、ヒトCLDN18.1に結合せず、前記抗体が、
    (a)配列番号185の重鎖可変領域配列及び配列番号186の軽鎖可変領域配列、
    (b)配列番号187の重鎖可変領域配列及び配列番号188の軽鎖可変領域配列、
    (c)配列番号189の重鎖可変領域配列及び配列番号190の軽鎖可変領域配列、
    (d)配列番号191の重鎖可変領域配列及び配列番号192の軽鎖可変領域配列、
    (e)配列番号193の重鎖可変領域配列及び配列番号194の軽鎖可変領域配列、
    (f)配列番号195の重鎖可変領域配列及び配列番号196の軽鎖可変領域配列、
    (g)配列番号197の重鎖可変領域配列及び配列番号198の軽鎖可変領域配列、
    (h)配列番号199の重鎖可変領域配列及び配列番号200の軽鎖可変領域配列、
    (i)配列番号201の重鎖可変領域配列及び配列番号202の軽鎖可変領域配列、
    (j)配列番号203の重鎖可変領域配列及び配列番号204の軽鎖可変領域配列、
    (k)配列番号205の重鎖可変領域配列及び配列番号206の軽鎖可変領域配列、
    (l)配列番号207の重鎖可変領域配列及び配列番号208の軽鎖可変領域配列、
    (m)配列番号209の重鎖可変領域配列及び配列番号210の軽鎖可変領域配列、
    (n)配列番号211の重鎖可変領域配列及び配列番号212の軽鎖可変領域配列、
    (o)配列番号215の重鎖可変領域配列及び配列番号216の軽鎖可変領域配列、
    (p)配列番号217の重鎖可変領域配列及び配列番号218の軽鎖可変領域配列、または
    (q)配列番号219の重鎖可変領域配列及び配列番号220の軽鎖可変領域配列を含む、前記単離された完全にヒトの抗ヒトCLDN18.2。
  7. (a)配列番号1の重鎖可変領域配列及び配列番号2の軽鎖可変領域配列と、
    (b)配列番号3の重鎖可変領域配列及び配列番号4の軽鎖可変領域配列と、
    (c)配列番号201の重鎖可変領域配列及び配列番号202の軽鎖可変領域配列と、
    (d)配列番号203の重鎖可変領域配列及び配列番号204の軽鎖可変領域配列と、から選択されるVH配列及びVL配列を含む、単離されたFc改変抗ヒトCLDN18.2であって、
    抗体が、CLDN18.1に結合せず、さらに、Fc改変抗体が、野生型ヒトIgG1 Fcドメインと組み合わせて同一可変VH領域及びVL領域を含む抗体のADCC活性と比較して増強された前記ADCC活性を特徴とする、前記単離されたFc改変抗ヒトCLDN18.2。
  8. 配列番号336であるアミノ酸配列を有する組換え重鎖及び配列番号337に示される配列を含む軽鎖を含む、単離されたFc改変抗ヒトCLDN18.2抗体。
  9. 配列番号338であるアミノ酸配列を有する組換え重鎖及び配列番号337に示される配列を含む軽鎖を含む、単離されたFc改変抗ヒトCLDN18.2抗体。
  10. Fc改変抗体が、野生型ヒトIgG1 Fcドメインと組み合わせて同一可変VH領域及びVL領域を含む抗体のADCC活性と比較して、増強された前記ADCC活性を特徴とする、請求項6に記載の単離された抗ヒトCLDN18.2抗体。
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