発明の詳細な説明
I.定義
[00385] 他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及された全ての特許及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に援用される。
[00386] 用語「インビボ」は、対象の体内で起こる事象を指す。
[00387] 用語「インビトロ」は、対象の体外で起こる事象を指す。インビトロアッセイは、生細胞又は死細胞を利用した細胞ベースのアッセイを包含し、また、インタクトな細胞を利用しない無細胞アッセイも包含し得る。
[00388] 用語「エキソビボ」は、対象の体から摘出された細胞、組織及び/又は臓器の処置又は処置の実施を含む事象を指す。適切には、細胞、組織及び/又は臓器は、手術又は処置の方法で対象の体に戻される。
[00389] 用語「急速拡大培養」は、1週間の期間にわたって少なくとも約3倍(又は4倍、5倍、6倍、7倍、8倍又は9倍)、より好ましくは、1週間の期間にわたって少なくとも約10倍(又は20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍又は90倍)又は最も好ましくは、1週間の期間にわたって少なくとも約100倍の抗原特異的TILの数の増加を意味する。複数の急速拡大培養プロトコルを以下に概説する。
[00390] 本明細書において「腫瘍浸潤リンパ球」又は「TIL」とは、対象の血流を離れて腫瘍中に遊走した、当初白血球細胞として得られた細胞の集団を意味する。TILとしては、限定はされないが、CD8+細胞傷害性T細胞(リンパ球)、Th1及びTh17 CD4+ T細胞、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞及びM1マクロファージが挙げられる。TILは、初代及び二次TILの両方を含む。「初代TIL」は、本明細書に概説される通り患者組織サンプルから得られるものであり(「新鮮に得られた」又は「新鮮に回収された」と称されることもある)、及び「二次TIL」は、限定はされないが、バルクTIL及び拡大培養TIL(「REP TIL」又は「ポストREP TIL」)を含め、本明細書で考察する通り拡大培養された又は成長した任意のTIL細胞集団である。TIL細胞集団は、遺伝子改変TILを含み得る。
[00391] 本明細書において「細胞集団」(TILを含む)は、共通の形質を共有する多数の細胞を意味する。一般に、集団は、概して数が1×106~1×1010個の範囲であり、異なるTIL集団は異なる数を含む。例えば、IL-2の存在下での初代TILの初期成長は、およそ1×108個の細胞のバルクTIL集団をもたらす。REP拡大培養は、概して1.5×109~1.5×1010個の注入のための細胞集団が提供されるように行われる。一部の実施形態において、REP拡大培養は、2.3×1010~13.7×1010個の集団を提供するために行われる。
[00392] 本明細書において「凍結保存TIL」とは、初代、バルク又は拡大培養(REP TIL)のいずれかのTILが約-150℃~-60℃の範囲で処理及び保存されることを意味する。一般的な凍結保存方法は、実施例を含め、本明細書の他の部分にも記載される。明確にするために言えば、「凍結保存TIL」は、初代TILの供給源として用いられ得る凍結組織サンプルと区別可能なものである。
[00393] 本明細書において「解凍した凍結保存TIL」とは、かつて凍結保存されていたが、次に処理により、限定はされないが細胞培養温度又はTILを患者に投与し得る温度を含め、室温以上に戻されたTIL集団を意味する。
[00394] TILは、一般的に、細胞表面マーカーを使用して生化学的に、又は腫瘍に浸潤し処置に影響を及ぼすそれらの能力によって機能的に定義することができる。TILは、一般に、以下のバイオマーカーの1つ以上を発現することによって分類することができる:CD4、CD8、TCR αβ、CD27、CD28、CD56、CCR7、CD45Ra、CD95、PD-1及びCD25。加えて及び代わりに、TILは、患者への再導入時に固形腫瘍に浸潤するその能力によって機能的に定義することができる。
[00395] 用語「凍結保存培地(cryopreservation media)」又は「凍結保存培地(cryopreservation medium)」は、細胞の凍結保存に使用できる任意の培地を指す。かかる培地には、7%~10%のDMSOを含む培地が含まれ得る。例示的培地には、CryoStor CS10、Hyperthermasol及びそれらの組み合わせが含まれる。用語「CS10」は、Stemcell Technologies又はBiolife Solutionsから入手した凍結保存培地を指す。CS10倍地は、商品名「CryoStor(登録商標)CS10」と称される場合がある。CS10培地は、DMSOを含む無血清、無動物成分培地である。
[00396] 用語「セントラルメモリーT細胞」は、ヒトではCD45R0+であり、且つCCR7(CCR7hi)及びCD62L(CD62hi)を構成的に発現するT細胞のサブセットを指す。セントラルメモリーT細胞の表面表現型には、TCR、CD3、CD127(IL-7R)及びIL-15Rも含まれる。セントラルメモリーT細胞の転写因子には、BCL-6、BCL-6B、MBD2及びBMI1が含まれる。セントラルメモリーT細胞はTCR惹起後にエフェクター分子としてIL-2及びCD40Lを主に分泌する。セントラルメモリーT細胞は、血中のCD4区画において優勢であり、ヒトではリンパ節及び扁桃腺において比例的に濃縮されている。
[00397] 用語「エフェクターメモリーT細胞」は、セントラルメモリーT細胞と同様にCD45R0+であるが、CCR7の構成的発現が欠損しており(CCR7lo)、且つCD62L発現が不均一であるか又は低い(CD62Llo)、ヒト又は哺乳類T細胞のサブセットを指す。セントラルメモリーT細胞の表面表現型には、TCR、CD3、CD127(IL-7R)及びIL-15Rも含まれる。セントラルメモリーT細胞の転写因子には、BLIMP1が含まれる。エフェクターメモリーT細胞は、抗原刺激後に、インターフェロン-γ、IL-4及びIL-5を含む、高レベルの炎症性サイトカインを急速に分泌する。エフェクターメモリーT細胞は、血中のCD8区画において優勢であり、ヒトでは肺、肝臓及び腸において比例的に濃縮されている。CD8+エフェクターメモリーT細胞は多量のパーフォリンを有する。
[00398] 用語「閉鎖系」は、外部環境に対して閉鎖されている系を指す。本発明の方法では、細胞培養方法に適切な任意の閉鎖系を用いることができる。閉鎖系としては、例えば、限定はされないが、閉鎖型Gコンテナが挙げられる。閉鎖系に腫瘍セグメントが加えられた後は、TILの患者への投与直前までこの系は外部環境に対して開放されない。
[00399] 腫瘍を破砕するプロセスを説明するために本明細書で使用される「断片化」、「断片」及び「断片化された」という用語には、腫瘍組織の破砕、スライス、分割及び細切並びに腫瘍組織の物理的構造を破砕する任意の他の方法などの機械的断片化方法が含まれる。
[00400] 用語「末梢血単核球」及び「PBMC」は、リンパ球(T細胞、B細胞、NK細胞)及び単球を含めた、円形の核を有する末梢血細胞を指す。抗原提示細胞(PBMCは、抗原提示細胞の一種である)として使用される場合、末梢血単核球は、照射された同種異系末梢血単核球である。
[00401] 「末梢血リンパ球」及び「PBL」という用語は、末梢血から拡大培養したT細胞を指す。一部の実施形態において、PBLは、ドナーからの全血又はアフェレーシス産物から分離される。一部の実施形態において、PBLは、CD3+CD45+のT細胞表現型など、T細胞表現型のポジティブ選択又はネガティブ選択により、ドナーからの全血又はアフェレーシス産物から分離される。
[00402] 用語「抗CD3抗体」は、抗体又はその変異体、例えばモノクローナル抗体であって、成熟T細胞のT細胞抗原受容体におけるCD3受容体に対して指向されたヒト、ヒト化、キメラ又はマウス抗体を含むものを指す。抗CD3抗体には、ムロモナブとしても知られるOKT-3が含まれる。抗CD3抗体には、T3及びCD3εとしても知られるUHCT1クローンも含まれる。他の抗CD3抗体には、例えば、オテリキシズマブ、テプリズマブ及びビジリズマブが含まれる。
[00403] 用語「OKT-3」(本明細書では「OKT3」とも称される)は、成熟T細胞のT細胞抗原受容体中のCD3受容体に対して指向されたヒト、ヒト化、キメラ又はマウス抗体を含む、モノクローナル抗体若しくはバイオシミラー又はその変異体を指し、OKT-3(30ng/mL、MACS GMP CD3 pure、Miltenyi Biotech, Inc., San Diego, CA, USA)及びムロモナブ又はそれらの変異体、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム若しくはバイオシミラーなどの市販の形態を含む。ムロモナブの重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列を表1に示す(配列番号1及び配列番号2)。OKT-3を産生することができるハイブリドーマは、American Type Culture Collectionに寄託されており、ATCC受託番号CRL 8001が割り当てられている。OKT-3を産生することができるハイブリドーマもEuropean Collection of Authenticated Cell Cultures(ECACC)に寄託されており、カタログ番号86022706が割り当てられている。
[00404] 用語「IL-2」(本明細書では「IL2」とも称される)は、インターロイキン-2として知られるT細胞成長因子を指し、ヒト及び哺乳動物の形態、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム、バイオシミラー及びそれらの変異体を含む全ての形態のIL-2を含む。IL-2は、例えば、Nelson, J. Immunol. 2004, 172, 3983-88及びMalek, Annu. Rev. Immunol. 2008, 26, 453-79に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。本発明における使用に適した組換えヒトIL-2のアミノ酸配列を表2に示す(配列番号3)。例えば、IL-2という用語は、アルデスロイキン(PROLEUKIN、1単回使用バイアルあたり2200万IUで複数の供給元から市販されている)並びにCellGenix, Inc., Portsmouth, NH, USA(CELLGRO GMP)又はProSpec-Tany TechnoGene Ltd., East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-209-b)から市販で供給される組換えIL-2の形態及び他の販売業者からの他の市販の同等物などのIL-2のヒト組換え型を包含する。アルデスロイキン(デス-アラニル-1、セリン-125ヒトIL-2)は、分子量およそ15kDaの非グリコシル化ヒト組換え型IL-2である。本発明における使用に適したアルデスロイキンのアミノ酸配列を表2に示す(配列番号4)。IL-2という用語は、本明細書に記載されているように、Nektar Therapeutics, South San Francisco, CA, USAから入手可能なペグ化IL2プロドラッグNKTR-214も含む、ペグ化形態のIL-2も包含する。本発明での使用に好適なNKTR-214及びペグ化IL-2が米国特許出願公開第2014/0328791 A1号及び国際公開第2012/065086 A1号(これらの開示は参照により本明細書に援用される)に記載されている。本発明での使用に適したコンジュゲートIL-2の代替形態は、米国特許第4,766,106号、同第5,206,344号、同第5,089,261号及び同第4902,502号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。本発明における使用に適したIL-2の製剤は、米国特許第6,706,289号に記載されており、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00405] 直交性IL-2は、野生型IL-2と等しい単位で投与される。直交性IL-2が野生型IL-2に対し代替される場合、直交性IL-2の国際単位(IU)に関して同じ用量が使用される。
[00406] 「IL-2R」という用語は、ヘテロ三量体IL-2サイトカイン受容体を指す。IL-2Rは、α(アルファ)(IL-2Rα、CD25又はTac抗原とも呼ばれる)、β(ベータ)(IL-2Rβ又はCD122とも呼ばれる)及びγ(ガンマ)(IL-2Rγ、γc、共通ガンマ鎖又はCD132とも呼ばれる)を含み;これらのサブユニットは、他のサイトカインの受容体の一部でもある。ヒトIL-2Rβの成熟(即ちシグナルペプチドが切断された)525アミノ酸配列を以下の表に示す。ヒトIL-2Rα及びヒトIL-2Rγの標準配列も示される。
[00407] 用語「IL-4」(本明細書では「IL4」とも称される)は、インターロイキン4として知られるサイトカインを指し、これは、Th2 T細胞により、且つ好酸球、好塩基球及び肥満細胞により産生される。IL-4は、ナイーブヘルパーT細胞(Th0細胞)からTh2 T細胞への分化を調節する。Steinke and Borish, Respir. Res. 2001, 2, 66-70。IL-4によって活性化されると、Th2 T細胞は続いてポジティブフィードバックループにおいて、更なるIL-4を産生する。IL-4はまた、B細胞拡大培養及びクラスII MHC発現を刺激し、B細胞からのIgE及びIgG1発現へのクラス切り替えを誘導する。本発明における使用に適した組換えヒトIL-4は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd., East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-211)及びThermoFisher Scientific, Inc., Waltham, MA, USA(ヒトIL-15組換えタンパク質、カタログ番号Gibco CTP0043)を含む複数の供給元から市販されている。本発明における使用に適した組換えヒトIL-4のアミノ酸配列を表2に示す(配列番号5)。
[00408] 用語「IL-7」(本明細書では「IL7」とも称される)は、インターロイキン7として知られるグリコシル化組織由来サイトカインを指し、これは間質及び上皮細胞並びに樹状細胞から入手し得る。Fry and Mackall, Blood 2002, 99, 3892-904。IL-7は、T細胞の発生を刺激することができる。IL-7は、胸腺内のT細胞発生及び末梢内での生存に重要な一連のシグナルにおいて、IL-7受容体アルファ及び一般的なガンマ鎖受容体からなるヘテロ二量体であるIL-7受容体に結合する。本発明における使用に適した組換えヒトIL-7は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd., East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-254)及びThermoFisher Scientific, Inc., Waltham, MA, USA (ヒトIL-15組換えタンパク質、カタログ番号Gibco PHC0071)を含む複数の供給元から市販されている。本発明における使用に適した組換えヒトIL-7のアミノ酸配列を表2に示す(配列番号6)。
[00409] 用語「IL-15」(本明細書では「IL15」とも称される)は、インターロイキン-15として知られるT細胞成長因子を指し、ヒト及び哺乳動物の形態、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム、バイオシミラー及びそれらの変異体を含む全ての形態のIL-2を含む。IL-15は、例えば、Fehniger and Caligiuri, Blood 2001, 97, 14-32に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。IL-15は、β及びγシグナル伝達受容体サブユニットをIL-2と共有する。組換えヒトIL-15は、分子量12.8kDaの114個のアミノ酸(及びN末端メチオニン)を含有する単一の非グリコシル化ポリペプチド鎖である。組換えヒトIL-15は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd., East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-230-b)及びThermoFisher Scientific, Inc., Waltham, MA, USA (ヒトIL-15組換えタンパク質、カタログ番号34-8159-82)を含む複数の供給元から市販されている。本発明における使用に適した組換えヒトIL-15のアミノ酸配列を表2に示す(配列番号7)。
[00410] 用語「IL-21」(本明細書では「IL21」とも称される)は、インターロイキン-21として知られる多面発現性サイトカインタンパク質を指し、ヒト及び哺乳動物の形態、保存的アミノ酸置換、グリコフォーム、バイオシミラー及びそれらの変異体を含む全ての形態のIL-21を含む。IL-21は、例えば、Spolski and Leonard, Nat. Rev. Drug. Disc. 2014, 13, 379-95に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。IL-21は、主にナチュラルキラーT細胞及び活性化ヒトCD4+ T細胞によって産生される。組換えヒトIL-21は、分子量15.4kDaの132個のアミノ酸を含有する単一の非グリコシル化ポリペプチド鎖である。組換えヒトIL-21は、ProSpec-Tany TechnoGene Ltd., East Brunswick, NJ, USA(カタログ番号CYT-408-b)及びThermoFisher Scientific, Inc., Waltham, MA, USA (ヒトIL-21組換えタンパク質、カタログ番号14-8219-80)を含む複数の供給元から市販されている。本発明における使用に適した組換えヒトIL-21のアミノ酸配列を表2に示す(配列番号8)。
[00411] 「抗腫瘍有効量」、「腫瘍阻害有効量」又は「治療量」が指示されるとき、本発明の組成物の正確な量は、医師が、年齢、体重、腫瘍サイズ、感染又は転移の程度及び患者(対象)の状態の個体差を考慮して決定することができる。概して、本明細書に記載される腫瘍浸潤リンパ球(例えば、二次TIL又は遺伝子改変された細胞傷害性リンパ球)を含む医薬組成物は104~1011細胞/kg体重(例えば、105~106、105~1010、105~1011、106~1010、106~1011、107~1011、107~1010、108~1011、108~1010、109~1011又は109~1010細胞/kg体重)(これらの範囲内にある全ての整数値を含む)の投与量で投与され得ると言うことができる。腫瘍浸潤リンパ球(場合によっては遺伝子改変された細胞傷害性リンパ球を含む)組成物はまた、これらの投与量で複数回投与され得る。腫瘍浸潤リンパ球(ある場合には、遺伝子改変された細胞傷害性リンパ球を含む)は、免疫療法で一般に公知の注入技法を用いることにより投与し得る(例えば、Rosenberg et al., New Eng.J.of Med.319: 1676, 1988を参照のこと)。特定の患者に対する最適な投与量及び処置レジメンは、疾患の徴候について患者をモニターし、それに応じて処置を調整することにより、医学の当業者によって容易に決定され得る。
[00412] 「血液悪性腫瘍(hematological malignancy)」、「血液悪性腫瘍(hematologic malignancy)」という用語又は相関する意味の用語は、血液、骨髄、リンパ節及びリンパ系の組織を含むが、これらに限定されない、哺乳動物の癌及び造血系及びリンパ系組織の腫瘍を指す。血液悪性腫瘍は、「液性腫瘍」とも称される。血液悪性腫瘍には、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、小リンパ性リンパ腫(SLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMoL)、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫が含まれるが、これらに限定されるものではない。「B細胞血液悪性腫瘍」という用語は、B細胞に影響を及ぼす血液悪性腫瘍を指す。
[00413] 用語「固形腫瘍」は、嚢胞又は液体領域を通常含まない異常な組織塊を指す。固形腫瘍は、良性又は悪性であり得る。用語「固形腫瘍癌」は、悪性、新生物性又は癌性の固形腫瘍を指す。固形腫瘍癌としては、肺癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌及び膀胱癌などの肉腫、癌腫及びリンパ腫が挙げられるが、これらに限定されるものではない。固形腫瘍の組織構造は、柔組織(癌細胞)を含む相互依存的組織コンパートメント及び癌細胞が分散し支持微小環境を提供し得る支持間質細胞を含む。
[00414] 「液性腫瘍」という用語は、本来流動性である異常な細胞塊を指す。液性腫瘍癌としては、白血病、骨髄腫及びリンパ腫並びに他の血液悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されるものではない。液性腫瘍から得られたTILは、本明細書では骨髄浸潤リンパ球(MIL)とも称される。末梢血中を循環する液性腫瘍を含む液性腫瘍から得られたTILは、本明細書ではPBLとも称され得る。MIL、TIL及びPBLという用語は、本明細書において互換的に使用され、細胞が由来する組織タイプによってのみ異なる。
[00415] 本明細書で使用される「微小環境」という用語は、全体としての固形若しくは血液腫瘍微小環境又は微小環境内の細胞の個々のサブセットを指し得る。本明細書で使用される腫瘍微小環境は、Swartz, et al., Cancer Res., 2012, 72, 2473に記載されているように、「新生物性形質転換を促進し、腫瘍の成長及び浸潤をサポートし、腫瘍を宿主の免疫から保護し、治療抵抗性を培い、優勢な転移を成功させるニッチを提供する、細胞、可溶性因子、シグナル伝達分子、細胞外マトリックス及び機械的手がかり」の複合的な混合物を指す。腫瘍はT細胞によって認識されるべき抗原を発現するが、免疫系による腫瘍の排除は、微小環境による免疫抑制のため、希少である。
[00416] 一実施形態において、本発明は、TIL集団で癌を治療する方法を含み、ここで、患者は、本発明に係るTILの注入前に骨髄非破壊的化学療法で前処置される。一部の実施形態において、TIL集団が提供され得、ここで、患者は、本発明に係るTILの注入前に骨髄非破壊的化学療法で前処置される。一実施形態において、骨髄非破壊的化学療法は、2日間(TIL注入の27日前及び26日前)のシクロホスファミド60mg/kg/日及び5日間(TIL注入の27~23日前)のフルダラビン25mg/m2/日である。一実施形態において、骨髄非破壊的化学療法及び本発明に係るrTIL注入(0日目)後、患者は、生理学的忍容量まで8時間毎に静脈内に720,000IU/kgのIL-2の静脈内注入を受ける。
[00417] 実験的知見は、腫瘍特異的Tリンパ球の養子移入前のリンパ球枯渇が、調節性T細胞及び免疫系の競合要素(「サイトカインシンク」)を排除することによって処置効果を高めるのに重要な役割を果たすことを示す。従って、本発明の一部の実施形態は、本発明のrTILを導入する前に患者に対してリンパ球枯渇ステップ(「免疫抑制コンディショニング」とも称される)を利用する。
[00418] 本明細書で使用される「共投与」、「共投与すること」、「~と組み合わせて投与される」、「~と組み合わせて投与すること」、「同時(simultaneous)」及び「同時(concurrent)」という用語は、両方の活性医薬成分及び/又はそれらの代謝産物が同時に対象内に存在するための、2つ以上の活性医薬成分(本発明の好ましい実施形態において、例えば、複数のTILと組み合わせた少なくとも1つのカリウムチャネルアゴニスト)の対象への投与を包含する。共投与には、別々の組成物中での同時投与、別々の組成物中での異なる時点における投与又は2つ以上の活性医薬成分が存在する組成物での投与が含まれる。別々の組成物での同時投与及び両方の薬剤が存在する組成物での投与が好ましい。
[00419] 用語「有効量」又は「治療有効量」は、疾患処置を含むが、これに限定されない、意図された用途を達成するのに十分な、本明細書に記載の化合物又は化合物の組み合わせの量を指す。治療有効量は、意図される用途(インビトロ又はインビボ)又は処置されている対象及び疾患状態(例えば、対象の体重、年齢及び性別)、疾患状態の重症度又は投与方法によって変動し得る。この用語は、標的細胞において特定の応答(例えば、血小板接着及び/又は細胞遊走の減少)を誘発する用量にも適用される。特定の用量は、選択された特定の化合物、従うべき投与レジメン、化合物が他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、それが投与される組織及び化合物が運ばれる物理的送達システムによって変動する。
[00420] 用語「処置」、「処置している」、「処置する」などは、所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を達成することを指す。効果は、疾患又はその症状を完全に又は部分的に防ぐという意味で予防的であり得、及び/又は疾患及び/又は疾患に起因する有害作用を部分的に又は完全に治癒するという意味で治療的であり得る。「処置」は、本明細書で使用されるとき、哺乳類、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患の素因があり得るが、まだそれを有するとは診断されてない対象において疾患の発生を防ぐこと;(b)疾患を阻害すること、即ちその発症又は進行を止めること;及び(c)疾患を軽減すること、即ち疾患の退縮を生じさせること及び/又は1つ以上の疾患症状を軽減することが含まれる。「処置」は、疾患又は病態がない場合でも、薬理学的効果を提供するための薬剤の送達を包含することも意図される。例えば、「処置」は、例えばワクチンの場合、疾患状態がない中で免疫応答を誘発し又は免疫を付与することのできる組成物の送達を包含する。
[00421] 核酸又はタンパク質の部分に関して使用される場合の「異種」という用語は、その核酸又はタンパク質が、天然には互いに同じ関係では見出されない2つ以上の部分配列を含むことを示す。例えば、核酸は、典型的には組換え的に産生され、新しい機能性核酸を作成するように配置された無関係の遺伝子由来の2つ以上の配列、例えば、1つの供給源からのプロモーター及び別の供給源からのコーディング領域又は異なる供給源からのコーディング領域を有する。同様に、異種タンパク質は、そのタンパク質が、天然には互いに同じ関係では見出されない2つ以上の部分配列を含むことを示す(例えば、融合タンパク質)。
[00422] 2つ以上の核酸又はポリペプチドの文脈における「配列同一性」、「パーセント同一性」及び「配列パーセント同一性」(又はそれらの同義語、例えば「99%同一」)という用語は、配列同一性の一部として保存的アミノ酸置換を考慮せずに、最大限の対応について比較し、整合させた場合に(必要であればギャップを導入する)、同じであるか、同じヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定のパーセンテージを有する、2つ以上の配列又は部分配列を指す。同一性パーセントは、配列比較ソフトウェア若しくはアルゴリズムを使用するか、又は目視検査によって測定することができる。アミノ酸又はヌクレオチド配列のアラインメントを入手するために使用することができる様々なアルゴリズム及びソフトウェアが当技術分野において公知である。パーセント配列同一性を決定するための適切なプログラムには、例えば、米国政府の国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)のBLASTウェブサイトから入手可能なBLASTプログラム一式が含まれる。2つの配列間の比較は、BLASTN又はBLASTPアルゴリズムのいずれかを使用して実施することができる。BLASTNは核酸配列を比較するために使用される一方、BLASTPはアミノ酸配列を比較するために使用される。ALIGN、ALIGN-2(Genentech, South San Francisco, California)又はDNASTARから入手可能なMegAlignは、配列を整合するために使用することができる、公に入手可能な更なるソフトウェアプログラムである。当業者は、特定のアラインメントソフトウェアによって最大アラインメントのための適切なパラメータを決定することができる。特定の実施形態において、アラインメントソフトウェアのデフォルトパラメータが使用される。
[00423] 本明細書で使用される「変異体」という用語は、参照抗体、タンパク質又は融合タンパク質のアミノ酸配列内又はそれに隣接する特定の位置での1つ以上の置換、欠失及び/又は付加により、参照タンパク質、抗体又は融合タンパク質のアミノ酸配列と異なる、アミノ酸配列を含むタンパク質、抗体又は融合タンパク質を包含するが、これに限定されるものではない。変異体は、参照抗体、タンパク質又は融合タンパク質のアミノ酸配列と比較して、そのアミノ酸配列中に1つ以上の保存的置換を含み得る。保存的置換は、例えば、同様に荷電又は非荷電であるアミノ酸の置換を含み得る。変異体は、参照抗体の抗原に特異的に結合する能力を保持している。変異体という用語は、ペグ化抗体又はタンパク質も含む。
[00424] 本明細書において「腫瘍浸潤リンパ球」又は「TIL」とは、対象の血流を離れて腫瘍中に遊走した、当初白血球細胞として得られた細胞の集団を意味する。TILとしては、限定はされないが、CD8+細胞傷害性T細胞(リンパ球)、Th1及びTh17 CD4+ T細胞、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞及びM1マクロファージが挙げられる。TILは、初代及び二次TILの両方を含む。「初代TIL」は、本明細書に概説される通り患者組織サンプルから得られるものであり(「新鮮に得られた」又は「新鮮に回収された」と称されることもある)、及び「二次TIL」は、限定はされないが、バルクTIL、拡大培養TIL(「REP TIL」)並びに本明細書で考察する通りの「reREP TIL」を含め、本明細書で考察する通り拡大培養された又は成長した任意のTIL細胞集団である。reREP TILは、例えば、第2の拡大培養TIL又は第2の追加拡大培養TIL(例えば、reREP TILと称されるTILを含む、図1のステップDに記載されたものなど)を含み得る。
[00425] TILは、一般的に、細胞表面マーカーを使用して生化学的に、又は腫瘍に浸潤し処置に影響を及ぼすそれらの能力によって機能的に定義することができる。TILは、一般的に、次のバイオマーカー:CD4、CD8、TCR αβ、CD27、CD28、CD56、CCR7、CD45Ra、CD95、PD-1及びCD25の1つ以上を発現することによって分類することができる。加えて及び代わりに、TILは、患者への再導入時に固形腫瘍に浸潤するその能力によって機能的に定義することができる。TILは、更に効力によって特徴付けられ得 - 例えば、TILは、例えばインターフェロン(IFN)遊離が約50pg/mLより高い、約100pg/mLより高い、約150pg/mLより高い又は約200pg/mLより高い場合に効力があるとみなすことができる。
[00426] 用語「薬学的に許容される担体」又は「薬学的に許容される賦形剤」は、ありとあらゆる溶媒、分散剤、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤並びに不活性成分を含むものとする。活性医薬成分のためのかかる薬学的に許容される担体又は薬学的に許容される賦形剤の使用は、当技術分野において周知である。任意の従来の薬学的に許容される担体又は薬学的に許容される賦形剤が活性医薬成分と適合しない場合を除いて、本発明の治療用組成物におけるその使用が企図される。他の薬物などの追加の活性医薬成分も記載の組成物及び方法に組み込むことができる。
[00427] 「オルソログ」、「オルソログサイトカイン/受容体対」、「直交性サイトカイン/受容体対」又は「操作されたサイトカイン/受容体対」は、(a)天然サイトカイン又は同族受容体への結合の欠如;及び(b)対応する操作された(直交性)リガンド又は受容体に特異的に結合することに対するアミノ酸変化によって修飾される遺伝子操作されたタンパク質の対を指す。結合すると、直交性受容体は、天然の細胞要素を介して伝達されるシグナル伝達を活性化して、その天然の応答を模倣する生物学的活性を提供するが、これは、直交性受容体を発現する操作された細胞に特異的なものである。直交性受容体は、直交性サイトカインの天然の対応物を含む内因性の対応するサイトカインに結合しない一方、直交性サイトカインは、直交性受容体の天然の対応物を含むいかなる内因性受容体にも結合しない。一部の実施形態において、直交性受容体に対する直交性サイトカインの親和性は、天然受容体に対する天然サイトカインの親和性と同等であり、例えば、天然サイトカイン受容体対の親和性の少なくとも約1%である親和性を有し、天然受容体に対する天然サイトカインの親和性の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%及びそれより高いことができる(例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍又はそれを超える)。
[00428] 本明細書で使用される場合、「結合しない」又は「結合できない」は、検出可能な結合がないか、又は有意でない結合、即ち天然リガンドの結合親和性よりもはるかに低い結合親和性を有することを指す。親和性は、様々な濃度の非標識リガンドの存在下で、単一濃度の標識リガンドとの受容体の結合を測定する競合的結合実験で決定することができる。典型的には、非標識リガンドの濃度は少なくとも6桁を超える振れ幅で変化する。競合的結合実験を通じて、IC50を決定することができる。本明細書で使用される場合、「IC50」は、受容体と標識リガンドとの間の会合の50%阻害に必要とされる非標識リガンドの濃度を指す。IC50は、リガンド-受容体結合親和性の指標である。低IC50は高親和性を表し、高IC50は低親和性を表す。
[00429] 用語「約」及び「およそ」は、統計的に意味のある値の範囲内を指す。かかる範囲は、所定の値又は範囲の一桁以内、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、更により好ましくは10%以内、更により好ましくは5%以内であり得る。用語「約」又は「およそ」に含まれる許容変動は、研究中の特定の系に依存し、当業者に容易に理解できる。更に、本明細書で使用される場合、用語「約」及び「およそ」は、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状及び他の量及び特性が正確ではなく、且つ正確である必要がないことを意味するが、近似及び/又はより大きい又はより小さい場合があり、必要に応じて、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に公知の他の因子を反映する。一般に、寸法、サイズ、製剤、パラメータ、形状又は他の量若しくは特性は、明示的にそうであると明記されているか否かにかかわらず、「約」又は「およそ」である。大きく異なるサイズ、形状及び寸法の実施形態が、記載された用語を引用する場合があることに留意されたい。
[00430] 添付の特許請求の範囲で使用される場合、「を含む」、「から本質的になる」及び「からなる」という移行用語は、記載されていない追加の請求要素又はステップがある場合、それらが特許請求の範囲から除外されることに関して、元の形式及び修正された形式で、特許請求の範囲を定義する。用語「を含む」は、包括的又は無制限であることを意図しており、追加の、引用されていない要素、方法、ステップ又は材料を除外するものではない。用語「からなる」は、特許請求の範囲で指定されたもの以外の任意の要素、ステップ又は材料を除外し、後者の場合、指定された材料に関連する通常の不純物を除外する。用語「から本質的になる」は、特許請求の範囲を特定の要素、ステップ又は材料及び請求された発明の基本的及び新規の特性に実質的に影響しないものに限定する。本発明を具体化する本明細書に記載の全ての組成物、方法及びキットは、代替実施形態において、「を含む」、「から本質的になる」及び「からなる」という移行用語のいずれかによってより具体的に定義され得る。
II.TIL製造プロセス
[00431] いかなる特定の理論にも限定されるものではないが、T細胞の活性化を初回刺激する第1の初回刺激拡大培養と、それに続く本発明の方法に記載されているようにT細胞の活性化を追加刺激する第2の急速拡大培養は、「より幼若な」表現型を保持する拡大培養されたT細胞の調製を可能にすると考えられ、従って、本発明の拡大培養されたT細胞は、他の方法によって拡大培養されたT細胞よりも、癌細胞に対してより大きい細胞傷害性を示すことが予想される。特に、本発明の方法によって教示されるように、抗CD3抗体(例えば、OKT-3)、IL-2及び任意選択により抗原提示細胞(APC)への曝露により初回刺激され、次いで、追加の抗CD-3抗体(例えば、OKT-3)、IL-2及びAPCへのその後の曝露によって追加刺激される、T細胞の活性化は、培養中のT細胞の成熟を制限又は回避し、成熟度の低い表現型を有するT細胞集団を生成し、このT細胞は培養物中で拡大培養による枯渇が少なく、癌細胞に対してより高い細胞傷害性を示すと考えられる。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物中のT細胞を第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移し、小スケール培養物からのT細胞を、第2の容器内のより大きいスケールの培養物中で、約4~7日間の期間にわたり培養することにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)第1の小スケール培養物からのT細胞を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からのT細胞の一部は、約4~7日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からのT細胞を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からのT細胞の一部は、約4~7日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からのT細胞を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からのT細胞の一部は、約5日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。
[00432] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が減少、減弱、減衰又は鎮静し始めた後に、第2の急速拡大培養が実施される。
[00433] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が1若しくは約1、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59、60若しくは約60、61若しくは約61、62若しくは約62、63若しくは約63、64若しくは約64、65若しくは約65、66若しくは約66、67若しくは約67、68若しくは約68、69若しくは約69、70若しくは約70、71若しくは約71、72若しくは約72、73若しくは約73、74若しくは約74、75若しくは約75、76若しくは約76、77若しくは約77、78若しくは約78、79若しくは約79、80若しくは約80、81若しくは約81、82若しくは約82、83若しくは約83、84若しくは約84、85若しくは約85、86若しくは約86、87若しくは約87、88若しくは約88、89若しくは約89、90若しくは約90、91若しくは約91、92若しくは約92、93若しくは約93、94若しくは約94、95若しくは約95、96若しくは約96、97若しくは約97、98若しくは約98、99若しくは約99又は100若しくは約100%減少した後に、第2の急速拡大培養が実施される。
[00434] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が1%又は約1%~100%又は約100%の範囲のパーセンテージで減少した後に、第2の急速拡大培養が実施される。
[00435] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が1%若しくは約1%~10%若しくは約10%、10%若しくは約10%~20%若しくは約20%、20%若しくは約20%~30%若しくは約30%、30%若しくは約30%~40%若しくは約40%、40%若しくは約40%~50%若しくは約50%、50%若しくは約50%~60%若しくは約60%、60%若しくは約60%~70%若しくは約70%、70%若しくは約70%~80%若しくは約80%、80%若しくは約80%~90%若しくは約90%又は90%若しくは約90%~100%若しくは約100%の範囲のパーセンテージで減少した後に、第2の急速拡大培養が実施される。
[00436] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が、少なくとも1若しくは約1、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59、60若しくは約60、61若しくは約61、62若しくは約62、63若しくは約63、64若しくは約64、65若しくは約65、66若しくは約66、67若しくは約67、68若しくは約68、69若しくは約69、70若しくは約70、71若しくは約71、72若しくは約72、73若しくは約73、74若しくは約74、75若しくは約75、76若しくは約76、77若しくは約77、78若しくは約78、79若しくは約79、80若しくは約80、81若しくは約81、82若しくは約82、83若しくは約83、84若しくは約84、85若しくは約85、86若しくは約86、87若しくは約87、88若しくは約88、89若しくは約89、90若しくは約90、91若しくは約91、92若しくは約92、93若しくは約93、94若しくは約94、95若しくは約95、96若しくは約96、97若しくは約97、98若しくは約98又は99若しくは約99%減少した後に、第2の急速拡大培養が実施される。
[00437] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が最大1若しくは約1、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59、60若しくは約60、61若しくは約61、62若しくは約62、63若しくは約63、64若しくは約64、65若しくは約65、66若しくは約66、67若しくは約67、68若しくは約68、69若しくは約69、70若しくは約70、71若しくは約71、72若しくは約72、73若しくは約73、74若しくは約74、75若しくは約75、76若しくは約76、77若しくは約77、78若しくは約78、79若しくは約79、80若しくは約80、81若しくは約81、82若しくは約82、83若しくは約83、84若しくは約84、85若しくは約85、86若しくは約86、87若しくは約87、88若しくは約88、89若しくは約89、90若しくは約90、91若しくは約91、92若しくは約92、93若しくは約93、94若しくは約94、95若しくは約95、96若しくは約96、97若しくは約97、98若しくは約98、99若しくは約99又は100若しくは約100%減少した後に、第2の急速拡大培養が実施される。
[00438] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化の減少は、抗原による刺激に応答してT細胞によって放出されるインターフェロンガンマの量の減少によって決定される。
[00439] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、最大で7日間又は約7日間の期間中に実施される。
[00440] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間、7日間若しくは約7日間又は8日間若しくは約8日間の期間中に実施される。
[00441] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間又は8日間の期間中に実施される。
[00442] 一部の実施形態において、T細胞の第2の急速拡大培養は、最大で11日間又は約11日間の期間中に実施される。
[00443] 一部の実施形態において、T細胞の第2の急速拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間、7日間若しくは約7日間、8日間若しくは約8日間、9日間若しくは約9日間、10日間若しくは約10日間又は11日間若しくは約11日間の期間中に実施される。
[00444] 一部の実施形態において、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間又は11日間の期間中に実施される。
[00445] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間又は約1日間~7日間又は約7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間又は約1日間~11日間又は約11日間の期間中に実施される。
[00446] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間又は7日間若しくは約7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間、7日間若しくは約7日間、8日間若しくは約8日間、9日間若しくは約9日間、10日間若しくは約10日間又は11日間若しくは約11日間の期間中に実施される。
[00447] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間又は約1日間~8日間又は約8日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間又は約1日間~9日間又は約9日間の期間中に実施される。
[00448] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、8日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、9日間の期間中に実施される。
[00449] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間又は約1日間~7日間又は約7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間又は約1日間~9日間又は約9日間の期間中に実施される。
[00450] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、9日間の期間中に実施される。
[00451] 一部の実施形態において、T細胞は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。
[00452] 一部の実施形態において、T細胞は骨髄浸潤リンパ球(MIL)である。
[00453] 一部の実施形態において、T細胞は末梢血リンパ球(PBL)である。
[00454] 一部の実施形態において、T細胞は、癌に罹患しているドナーから入手される。
[00455] 一部の実施形態において、T細胞は、癌に罹患している患者から切除された腫瘍から得られるTILである。
[00456] 一部の実施形態において、T細胞は、血液悪性腫瘍に罹患している患者の骨髄から得られるMILである。
[00457] 一部の実施形態において、T細胞は、ドナーからの末梢血単核球(PBMC)から入手したPBLである。一部の実施形態において、ドナーは癌に罹患している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、大腸癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、ドナーは腫瘍に罹患している。一部の実施形態において、腫瘍は液性腫瘍である。一部の実施形態において、腫瘍は固形腫瘍である。一部の実施形態において、ドナーは血液悪性腫瘍に罹患している。
[00458] 本開示の特定の態様では、免疫エフェクター細胞、例えば、T細胞は、FICOLL分離などの当業者に知られる任意の数の技術を使用して、対象から収集された血液の単位から入手することができる。好ましい一態様では、個体の循環血液からの細胞は、アフェレーシスによって得られる。アフェレーシス産物は、典型的には、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球及び血小板を含む、リンパ球を含有する。一態様では、アフェレーシスによって収集された細胞は、洗浄して血漿画分を除去し、任意選択により、後続の処理ステップのために、細胞を適切な緩衝液又は培地に入れ得る。一実施形態において、細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄される。代替の実施形態において、洗浄溶液は、カルシウムを欠き、且つマグネシウムを欠き得るか又は全てではなくとも多くの二価カチオンを欠き得る。一態様では、T細胞は、赤血球を溶解し、単球を枯渇させることにより、例えばPERCOLL勾配による遠心分離又は向流遠心水簸により末梢血リンパ球から分離される。
[00459] 一部の実施形態において、T細胞は、ドナーからのリンパ球が濃縮された全血又はアフェレーシス産物から分離されたPBLである。一部の実施形態において、ドナーは癌に罹患している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮内膜癌、甲状腺癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、ドナーは腫瘍に罹患している。一部の実施形態において、腫瘍は液性腫瘍である。一部の実施形態において、腫瘍は固形腫瘍である。一部の実施形態において、ドナーは血液悪性腫瘍に罹患している。一部の実施形態において、PBLは、ポジティブ又はネガティブ選択方法を使用することにより、即ちT細胞表現型について、マーカー、例えばCD3+CD45+を使用してPBLを除去することにより、又は非T細胞表現型細胞を除去し、PBLを残すことにより、リンパ球が濃縮された全血又はアフェレーシス産物から分離される。他の実施形態において、PBLは、勾配遠心分離によって分離される。ドナー組織からPBLを単離する際、PBLの第1の初回刺激拡大培養は、本明細書に記載の方法のいずれかの第1の初回刺激拡大培養ステップに従って、第1の初回刺激拡大培養の培養物に適切な数の分離されたPBL(一部の実施形態において、およそ1×107PBL)を播種することによって開始することができる。
[00460] これらの特徴のいくつかを含むプロセス3(本明細書ではGEN3とも称される)として知られる例示的なTILプロセスを図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に示し、プロセス2Aに対する本発明の本実施形態の利点のいくつかを、図1、2、30及び31(特に例えば図1B及び/又は図1C)に示す。プロセス3の2つの実施形態が図1及び30(特に例えば図1B及び/又は図1C)に示される。プロセス2A又はGen2は、全体として参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2018/0280436A1号にも記載される。
[00461] 一般的に本明細書で考察及び概説される通り、TILは患者サンプルから採取し、本明細書に記載され、Gen3と称される、TIL拡大培養プロセスを使用して操作することにより、患者への移植前にその数が拡大される。一部の実施形態において、TILは任意選択により、以下に考察する通り、遺伝的に操作され得る。一部の実施形態において、TILは、拡大培養前又は後に凍結保存され得る。解凍後、TILはまた、患者への注入前にその代謝を高めるために再刺激され得る。
[00462] 一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の初回刺激拡大培養(本明細書でプレ急速拡大培養(プレREP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップBとして示されるプロセスを含む)は、1~8日間に短縮され、第2の急速拡大培養(本明細書で急速拡大培養プロトコル(REP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップDとして示されるプロセスを含む)は、1~9日間に短縮される。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の初回刺激拡大培養(本明細書でプレ急速拡大培養(プレREP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップBとして示されるプロセスを含む)は、1~8日間に短縮され、第2の急速拡大培養(本明細書で急速拡大培養プロトコル(REP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップDとして示されるプロセスを含む)は、1~8日間に短縮される。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の初回刺激拡大培養(本明細書でプレ急速拡大培養(プレREP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップBとして示されるプロセスを含む)は、1~7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(本明細書で急速拡大培養プロトコル(REP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップDとして示されるプロセスを含む)は、1~9日間に短縮される。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の初回刺激拡大培養(本明細書でプレ急速拡大培養(プレREP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップBとして示されるプロセスを含む)は、1~7日間であり、第2の急速拡大培養(本明細書で急速拡大培養プロトコル(REP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップDとして示されるプロセスを含む)は、1~10日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は8日間に短縮され、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は7~9日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は8日間であり、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は8~9日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は7~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は8日間に短縮され、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は8日間であり、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は9日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は8日間であり、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は10日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間であり、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は7~10日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間であり、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は8~10日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間であり、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は9~10日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに記載される拡大培養)は7~9日間である。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の初回刺激拡大培養(本明細書でプレ急速拡大培養(プレREP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)にステップBとして示されるプロセスを含む)は、1~7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(本明細書で急速拡大培養プロトコル(REP)と称されるプロセス及び図85(特に例えば図85B)にステップDとして示されるプロセスを含む)は、1~9日間に短縮される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図85(特に例えば図85B)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(例えば、図85(特に例えば図85B)のステップDに記載される拡大培養)は7~9日間である。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察するように、第1の初回刺激拡大培養及び第2の急速拡大培養(例えば、図85(特に例えば図85B)のステップB及びステップDとして記載される拡大培養)の組み合わせは、14~16日間である。特に、本発明の特定の実施形態は、TILがIL-2の存在下での抗CD3抗体、例えばOKT-3への曝露又は少なくともIL-2及び抗CD3抗体、例えばOKT-3の存在下での抗原への曝露により活性化される、第1の初回刺激拡大培養ステップを含むと考えられる。特定の実施形態において、上記の第1の初回刺激拡大培養ステップで活性化されるTILは、第1のTIL集団、即ち初代細胞集団である。
[00463] 以下の「ステップ」の名称A、B、C等は、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)の非限定的な例を参照し、本明細書に記載の特定の非限定的な実施形態を参照している。以下及び図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)におけるステップの順序は例示であり、ステップの任意の組み合わせ又は順序並びに追加のステップ、ステップの繰り返し及び/又はステップの省略が、本願及び本明細書に開示される方法によって企図される。
A.ステップA:患者の腫瘍サンプルを入手
[00464] 一般に、TILは、最初に、患者腫瘍サンプル又は末梢血リンパ球(TIL様の特徴を有する末梢血リンパ球を含む)などの循環リンパ球から入手され(「初代TIL」)、次に本明細書に記載される通りの更なる操作のためより大きい集団へと拡大培養され、任意選択で凍結保存され、任意選択でTILの健康の指標として表現型及び代謝パラメータが判定される。
[00465] 患者腫瘍サンプルは当技術分野において公知の方法を用いて、概して、外科的切除、針生検又は腫瘍とTIL細胞との混合物を含む他のサンプルを入手するための手段によって入手され得る。一般に、腫瘍サンプルは、原発腫瘍、浸潤性腫瘍又は転移性腫瘍を含めた任意の固形腫瘍からのものであり得る。腫瘍サンプルは、血液悪性腫瘍から得られた腫瘍など、液性腫瘍でもあり得る。固形腫瘍は、限定はされないが、乳癌、膵癌、前立腺癌、結腸直腸癌、肺癌、脳癌、腎癌、胃癌及び皮膚癌(限定はされないが、扁平上皮癌、基底細胞癌及び黒色腫を含む)を含めた任意の癌型のものであり得る。一部の実施形態において、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、膠芽腫(GBM)、胃腸癌、卵巣癌、肉腫、膵癌、膀胱癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌及び非小細胞肺癌から選択される。一部の実施形態において、有用なTILは、特に高レベルのTILを有すると報告されているように悪性黒色腫腫瘍から得られる。
[00466] 入手後、腫瘍サンプルは一般的に鋭的な切離を用いて1~約8mm3の小片に断片化され、約2~3mm3が特に有用である。TILは酵素的腫瘍消化物を使用してこれらの断片から培養される。そのような腫瘍消化物は、酵素培地(例えば、Roswell Park Memorial Institute(RPMI)1640緩衝液、2mMグルタメート、10mcg/mLゲンタマイシン、30単位/mLのDNアーゼ及び1.0mg/mLのコラゲナーゼ)中でのインキュベーション、続いて機械的分離(例えば、組織分離剤を使用)によって産生され得る。腫瘍消化物は、腫瘍を酵素培地中に置き、腫瘍をおよそ1分間機械的に分離した後、続いて5%CO2下37℃で30分間インキュベートし、続いてごく小さい組織片のみが存在するまで前述の条件下で機械的分離及びインキュベーションのサイクルを繰り返すことにより作製され得る。このプロセスの終わりに、細胞懸濁液が多数の赤血球又は死細胞を含有する場合、これらの細胞を除去するためにFICOLL分岐親水性多糖を用いた密度勾配分離を行うことができる。米国特許出願公開第2012/0244133A1号に記載されているものなどの、当技術分野で公知の代替的方法を使用し得、その開示は、参照により本明細書に援用される。前述の任意の方法は、TILを拡大培養する方法又は癌を処置する方法のために、本明細書に記載の任意の実施形態において使用され得る。
[00467] 上記のように、一部の実施形態において、TILは固形腫瘍から得られる。一部の実施形態において、固形腫瘍は断片化されていない。一部の実施形態において、固形腫瘍は断片化されず、腫瘍全体として酵素消化に供される。一部の実施形態において、腫瘍は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で消化される。一部の実施形態において、腫瘍は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で1~2時間にわたって消化される。一部の実施形態において、腫瘍は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で1~2時間にわたり、37℃、5%CO2で消化される。一部の実施形態において、腫瘍は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で1~2時間にわたり、37℃、5%CO2で、回転しながら消化される。一部の実施形態において、腫瘍は、一定の回転で一晩消化される。一部の実施形態において、腫瘍は、一定の回転で、37℃、5%CO2で一晩消化される。一部の実施形態において、腫瘍全体は、酵素と組み合わされて、腫瘍消化反応混合物を形成する。
[00468] 一部の実施形態において、腫瘍は、無菌緩衝液中の凍結乾燥酵素で再構成される。一部の実施形態において、緩衝液は無菌HBSSである。
[00469] 一部の実施形態において、酵素混合物はコラゲナーゼを含む。一部の実施形態において、コラゲナーゼはコラゲナーゼIVである。一部の実施形態において、コラゲナーゼの作業ストックは、100mg/mLの10X作業ストックである。
[00470] 一部の実施形態において、酵素混合物はDNアーゼを含む。一部の実施形態において、DNアーゼの作業ストックは、10,000IU/mLの10X作業ストックである。
[00471] 一部の実施形態において、酵素混合物はヒアルロニダーゼを含む。一部の実施形態において、ヒアルロニダーゼの作業ストックは、10mg/mLの10X作業ストックである。
[00472] 一部の実施形態において、酵素混合物は、10mg/mLのコラゲナーゼ、1000IU/mLのDNアーゼ及び1mg/mLのヒアルロニダーゼを含む。
[00473] 一部の実施形態において、酵素混合物は、10mg/mLのコラゲナーゼ、500IU/mLのDNアーゼ及び1mg/mLのヒアルロニダーゼを含む。
[00474] 一般に、腫瘍から得られた細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に入手した」若しくは「新鮮に分離した」細胞集団と呼ばれる。特定の実施形態において、新鮮に入手したTILの細胞集団は、抗原提示細胞、IL-12及びOKT-3を含む細胞培養培地に曝露される。
[00475] 一部の実施形態において、断片化は、例えば切離並びに消化を含めた物理的断片化を含む。一部の実施形態において、断片化は物理的断片化である。一部の実施形態において、断片化は切離である。一部の実施形態において、断片化は消化による。一部の実施形態において、TILは初めに、患者から入手された酵素的腫瘍消化物及び腫瘍断片から培養することができる。一実施形態において、TILは初めに、患者から入手された酵素的腫瘍消化物及び腫瘍断片から培養することができる。
[00476] 一部の実施形態において、腫瘍が固形腫瘍である場合、例えばステップA(図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供される)における腫瘍サンプルの入手後、腫瘍は、物理的断片化を受ける。一部の実施形態において、断片化は凍結保存前に行われる。一部の実施形態において、断片化は凍結保存後に行われる。一部の実施形態において、断片化は、腫瘍の入手後、いかなる凍結保存もなしに行われる。一部の実施形態において、断片化のステップは、インビトロ又はエクスビボのプロセスである。一部の実施形態において、腫瘍は断片化され、第1の初回刺激拡大培養用の各容器に10、20、30、40個又はそれを超える数の断片又は小片が置かれる。一部の実施形態において、腫瘍は断片化され、第1の初回刺激拡大培養用の各容器に30又は40個の断片又は小片が置かれる。一部の実施形態において、腫瘍は断片化され、第1の初回刺激拡大培養用の各容器に40個の断片又は小片が置かれる。一部の実施形態において、複数の断片は、約4~約50個の断片を含み、各断片は約27mm3の容積を有する。一部の実施形態において、複数の断片は、約1300mm3~約1500mm3の総容積を有する約30~約60個の断片を含む。一部の実施形態において、複数の断片は、約1350mm3の総容積を有する約50個の断片を含む。一部の実施形態において、複数の断片は、約1g~約1.5gの総質量を有する約50個の断片を含む。一部の実施形態において、複数の断片は、約4個の断片を含む。
[00477] 一部の実施形態において、TILは腫瘍断片から入手される。一部の実施形態において、腫瘍断片は鋭的な切離によって入手される。一部の実施形態において、腫瘍断片は約1mm3~10mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約1mm3~8mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約1mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約2mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約3mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約4mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約5mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約6mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約7mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約8mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約9mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は約10mm3である。一部の実施形態において、腫瘍断片は1~4mm×1~4mm×1~4mmである。一部の実施形態において、腫瘍断片は1mm×1mm×1mmである。一部の実施形態において、腫瘍断片は2mm×2mm×2mmである。一部の実施形態において、腫瘍断片は3mm×3mm×3mmである。一部の実施形態において、腫瘍断片は4mm×4mm×4mmである。
[00478] 一部の実施形態において、各断片上の出血、壊死及び/又は脂肪組織の量を最小限にするために、腫瘍が断片化される。一部の実施形態において、各断片上の出血組織の量を最小限にするために、腫瘍が断片化される。一部の実施形態において、各断片上の壊死組織の量を最小限にするために、腫瘍が断片化される。一部の実施形態において、各断片上の脂肪組織の量を最小限にするために、腫瘍が断片化される。特定の実施形態において、腫瘍の断片化のステップは、インビトロ又はエクスビボの方法である。
[00479] 一部の実施形態において、腫瘍の内部構造を維持するために、腫瘍の断片化が実施される。一部の実施形態において、腫瘍の断片化は、メスでの鋸引き運動を実施することなく実施される。一部の実施形態において、TILは腫瘍消化物から入手される。一部の実施形態において、腫瘍消化物は、酵素培地中、例えば限定はされないが、RPMI 1640、2mM GlutaMAX、10mg/mLゲンタマイシン、30U/mL DNアーゼ及び1.0mg/mLコラゲナーゼ中におけるインキュベーションと、それに続く機械的解離(GentleMACS、Miltenyi Biotec、Auburn, CA)によって作成した。腫瘍を酵素培地に置いた後、腫瘍を約1分間機械的に分離し得る。次に溶液を5%CO2下37℃で30分間インキュベートし、次にそれを再び約1分間機械的に破壊し得る。再び5%CO2下37℃で30分間インキュベートした後、腫瘍を3度目に約1分間機械的に破壊し得る。一部の実施形態において、3度目の機械的破壊後に大型の組織片が存在した場合、5%CO2下37℃での更に30分間のインキュベーションを伴う又は伴わない1回又は2回の更なる機械的分離をサンプルに適用した。一部の実施形態において、最終回のインキュベーションの終了時に細胞懸濁液が多数の赤血球又は死細胞を含有した場合、フィコールを使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。
[00480] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養ステップ前の細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に入手した」若しくは「新鮮に分離した」細胞集団と呼ばれる。
[00481] 一部の実施形態において、細胞は、以下に更に詳細に記載し、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に例示する、ステップBに記載の拡大培養に進む前に、任意選択によりサンプル分離後(例えば、腫瘍サンプルを取得した後及び/又は腫瘍サンプルから細胞懸濁液を取得した後)に凍結され、凍結貯蔵され得る。
1.末梢血から末梢血リンパ球(PBL)を拡大培養する方法
[00482] PBL方法1.本発明の一実施形態において、本明細書で説明するプロセスを使用して、PBLを拡大培養する。本発明の一実施形態において、方法は、全血からPBMCサンプルを入手することを含む。一実施形態において、方法は、非CD19+画分のネガティブ選択を使用してPBMCから純粋なT細胞を分離することによりT細胞を濃縮することを含む。一実施形態において、方法は、非CD19+画分の磁気ビーズに基づくネガティブ選択を使用してPBMCから純粋なT細胞を分離することによりT細胞を濃縮することを含む。
[00483] 本発明の一実施形態において、PBL方法1は、以下のように実施される:0日目に、凍結保存されたPBMCサンプルが解凍され、PBMCがカウントされる。T細胞は、Human PanT細胞分離キット及びLSカラム(Miltenyi Biotec)を使用して分離される。
[00484] PBL方法2.本発明の一実施形態において、PBLは、全血からPBMCサンプルを入手することを含むPBL方法2を使用して拡大培養される。PBMCからのT細胞は、PBMCを37℃で少なくとも3時間インキュベートし、次いで非接着細胞を分離することにより、濃縮される。
[00485] 本発明の一実施形態において、PBL方法2は、以下のように実施される:0日目に、凍結保存したPBMCサンプルを解凍し、PBMC細胞をCM-2培地中の6ウェルプレートに1ウェルあたり600万細胞で播種し、37℃で3時間インキュベートする。3時間後、PBLである非接着細胞を取り出し、カウントする。
[00486] PBL方法3.本発明の一実施形態において、PBLは、末梢血からPBMCサンプルを入手することを含むPBL方法3を使用して拡大培養される。B細胞はCD19+選択を使用して分離され、T細胞はPBMCサンプルの非CD19+画分のネガティブ選択を使用して選択される。
[00487] 本発明の一実施形態において、PBL方法3は、以下のように実施される:0日目に、末梢血に由来する凍結保存されたPBMCを解凍し、カウントする。CD19+B細胞は、CD19 Multisort Kit、Human(Miltenyi Biotec)を使用して選別される。非CD19+細胞画分のうち、T細胞は、Human PanT細胞分離キット及びLSカラム(Miltenyi Biotec)を使用して精製される。
[00488] 一実施形態において、PBMCは、全血サンプルから分離される。一実施形態において、PBMCサンプルは、PBLを拡大培養するための出発材料として使用される。一実施形態において、サンプルは、拡大培養プロセス前に凍結保存される。別の実施形態において、新鮮なサンプルは、PBLを拡大培養するための出発材料として使用される。本発明の一実施形態において、T細胞は、当技術分野で公知の方法を使用してPBMCから分離される。一実施形態において、T細胞は、Human PanT細胞分離キット及びLSカラムを使用して分離される。本発明の一実施形態において、T細胞は、当技術分野で公知の抗体選択方法、例えばCD19ネガティブ選択を使用してPBMCから分離される。
[00489] 本発明の一実施形態において、PBMCサンプルは、非接着細胞を識別するのに有効な所望の温度で一定期間インキュベートされる。本発明の一実施形態において、インキュベーション時間は約3時間である。本発明の一実施形態において、温度は摂氏約37℃である。次いで、非接着細胞は、上記のプロセスを使用して拡大培養される。
[00490] 一部の実施形態において、PBMCサンプルは、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤を含むレジメンで任意選択により前処置された対象又は患者からのものである。一部の実施形態において、腫瘍サンプルは、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤を含むレジメンで前処置された対象又は患者からのものである。一部の実施形態において、PBMCサンプルは、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤を含むレジメンで前処置され、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月又は1年以上、処置を受けた、対象又は患者からのものである。別の実施形態において、PBMCは、イブルチニブなどのITK阻害剤レジメンを現在受けている患者に由来する。
[00491] 一部の実施形態において、PBMCサンプルは、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤を含むレジメンで前処置されており、キナーゼ阻害剤又はイブルチニブなどのITK阻害剤での処置に抵抗性である対象又は患者からのものである。
[00492] 一部の実施形態において、PBMCサンプルは、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤を含むレジメンで前処置されているが、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤での処置をもう受けていない対象又は患者からのものである。一部の実施形態において、PBMCサンプルは、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤を含むレジメンで前処置されているが、キナーゼ阻害剤又はITK阻害剤での処置をもう受けておらず、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月若しくは少なくとも1年又はそれを超えて処置を受けていない、対象又は患者からのものである。別の実施形態において、PBMCは、ITK阻害剤への以前の曝露を有するが、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも9ヶ月又は少なくとも1年処置されていない患者に由来する。
[00493] 本発明の実施形態において、0日目に、CD19+について細胞が選択され、適宜選別される。本発明の一実施形態において、選択は抗体結合ビーズを使用して行われる。本発明の一実施形態において、純粋T細胞は、PBMCから0日目に分離される。
[00494] 本発明の一実施形態において、イブルチニブ又は他のITK阻害剤で前処置されていない患者については、10~15mlのバフィーコートは約5×109個のPBMCを生成し、これは、したがって、約5.5×107個のPBLを生成する。
[00495] 本発明の一実施形態において、イブルチニブ又は他のITK阻害剤で前処置された患者については、拡大培養プロセスは、約20×109個のPBLを生成する。本発明の一実施形態において、40.3×106個のPBMCから、約4.7×105個のPBLが得られる。
[00496] 前述の実施形態のいずれにおいても、PBMCは、全血サンプルから、アフェレーシスにより、バフィーコートから又はPBMCを入手するための当技術分野で公知の任意の他の方法から得られ得る。
2.骨髄由来のPBMCから骨髄浸潤リンパ球(MIL)を拡大培養する方法
[00497] MIL方法3.本発明の一実施形態において、方法は、骨髄からPBMCを入手することを含む。0日目に、CD3+/CD33+/CD20+/CD14+につきPBMCが選択され、選別され、非CD3+/CD33+/CD20+/CD14+細胞画分が超音波処理され、超音波処理された細胞画分の一部が選択された細胞画分に戻される。
[00498] 本発明の一実施形態において、MIL方法3は、以下のように実施される:0日目に、凍結保存されたPBMCのサンプルが解凍され、PBMCが計数される。細胞をCD3、CD33、CD20及びCD14抗体で染色し、S3e細胞選別(Bio-Rad)を使用して選別する。細胞は、免疫細胞画分(又はMIL画分)(CD3+CD33+CD20+CD14+)とAML芽細胞画分(非CD3+CD33+CD20+CD14+)の2つの画分に選別される。
[00499] 本発明の一実施形態において、PBMCは骨髄から入手される。一実施形態において、PBMCは、アフェレーシス、吸引、針生検又は当技術分野で公知の他の同様の手段を通じて骨髄から入手される。一実施形態において、PBMCは新鮮である。別の実施形態において、PBMCは凍結保存されている。
[00500] 本発明の一実施形態において、MILは、10~50mlの骨髄吸引液から拡大培養される。本発明の一実施形態において、10mlの骨髄吸引液が患者から入手される。別の実施形態において、20mlの骨髄吸引液が患者から入手される。別の実施形態において、30mlの骨髄吸引液が患者から入手される。別の実施形態において、40mlの骨髄吸引液が患者から入手される。別の実施形態において、50mlの骨髄吸引液が患者から入手される。
[00501] 本発明の一実施形態において、約10~50mlの骨髄吸引液から得られるPBMCの数は、約5×107~約10×107個のPBMCである。別の実施形態において、得られるPBMCの数は、約7×107個のPBMCである。
[00502] 本発明の一実施形態において、約5×107~約10×107個のPBMCから、約0.5×106~約1.5×106個のMILが得られる。本発明の一実施形態において、約1×106個のMILが得られる。
[00503] 本発明の一実施形態において、骨髄吸引液に由来する12×106個のPBMCから、およそ1.4×105個のMILが得られる。
[00504] 前述の実施形態のいずれにおいても、PBMCは、全血サンプルから、骨髄から、アフェレーシスにより、バフィーコートから又はPBMCを入手するための当技術分野で公知の任意の他の方法から得られ得る。
B.ステップB:第1の初回刺激拡大培養
[00505] 一部の実施形態において、本方法は、より幼若なTILを提供し、これは、より成熟したTIL(即ち対象/患者への投与前に更に多くの回数の複製を受けたTIL)を超える追加の治療上の利点を提供し得る。溶着TILの特徴が、文献に記載されている。例えば、Donia, et al., Scandinavian Journal of Immunology, 75:157-167 (2012);Dudley at al., Clin Cancer Res, 16:6122-6131 (2010);Huang et al., J Immunother, 28(3):258-267 (2005);Besser et al., Clin Cancer Res, 19(17):OF1-OF9 (2013);Besser et al., J Immunother 32:415-423 (2009);Robbins, et al., J Immunol 2004; 173:7125-7130;Shen et al., J Immunother, 30:123-129 (2007);Zhou, et al., J Immunother, 28:53-62 (2005);及びTran, et al., J Immunother, 31:742-751 (2008)であり、これらは全て、全体として参照により本明細書に援用される。
[00506] 腫瘍断片及び/又は腫瘍断片の解剖又は消化後、例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップAに記載されたように、得られた細胞は、腫瘍及び他の細胞よりもTILの成長に有利な条件下で血清含有IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞(例えば、抗原提示フィーダー細胞)において培養される。一部の実施形態において、IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞は、腫瘍消化物及び/又は腫瘍断片と共に培養開始時に(例えば、0日目に)添加される。一部の実施形態において、腫瘍消化物及び/又は腫瘍断片は、1容器あたり最大60個の断片及び6000IU/mLのIL-2と共に容器中でインキュベートされる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、数日、概して1~8日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、数日、概して1~7日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は、1~8日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、1~7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約5~8日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、5~7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約6~8日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約6~7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約7~8日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約8日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。
[00507] 好ましい実施形態において、以下及び本明細書で説明するように、第1の初回刺激拡大培養ステップ(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称され、0日目及び/又は培養開始からフィーダー細胞を含有するプロセスを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBで説明したものなど)、その後の、以下ステップDの下及び本明細書に記載されているように、第2の急速拡大培養(ステップD、急速拡大培養プロトコル(REP)ステップと称されるプロセスを含む)、以下及び本明細書に記載されているように、その後の、任意選択の凍結保存及びその後の第2ステップD(再刺激REPステップと称されるプロセスを含む)を使用してTILの拡大培養を実施することができる。このプロセスによって入手したTILは、任意選択により、本明細書に記載される通り表現型特徴及び代謝パラメータが特徴付けられ得る。一部の実施形態において、腫瘍断片は約1mm3~10mm3である。
[00508] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、ステップBのCMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10mg/mLゲンタマイシンを補充したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。
[00509] 一部の実施形態において、240個以下の腫瘍断片が存在する。一部の実施形態において、4つ以下の容器に入れられた240個以下の腫瘍断片が存在する。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、60個以下の腫瘍断片が1つの容器に入れられる。一部の実施形態において、各容器は、1容器あたり500mL以下の培地を含む。一部の実施形態において、培地はIL-2を含む。一部の実施形態において、培地は6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、培地は、抗原提示フィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地はOKT-3を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり30ng/mLのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、培地は、6000IU/mLのIL-2、30ngのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。
[00510] 腫瘍断片の調製後、得られた細胞(即ち初代細胞集団である断片)は、IL-2、抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含有する培地で、腫瘍及び他の細胞よりもTILの増殖に有利であり、TIL初回刺激及び0日目の培養開始からの増殖の加速を可能にする条件下で培養される。一部の実施形態において、腫瘍消化物及び/又は腫瘍断片は、6000IU/mLのIL-2並びに抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3と共にインキュベートされる。この初代細胞集団は、数日、概して1~8日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の間の成長培地はIL-2又はその変異体並びに抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、数日、概して1~7日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養中の成長培地はIL-2又はその変異体並びに抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む。一部の実施形態において、IL-2は組換えヒトIL-2(rhIL-2)である。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルについて20~30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルについて20×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルについて25×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルについて30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は4~8×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は5~7×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は6×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は実施例Cに記載される通り調製される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約10,000IU/mLのIL-2、約9,000IU/mLのIL-2、約8,000IU/mLのIL-2、約7,000IU/mLのIL-2、約6000IU/mLのIL-2又は約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約9,000IU/mLのIL-2~約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約8,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約7,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約6,000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地はIL-2を更に含む。好ましい一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。
[00511] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15、約400IU/mLのIL-15、約300IU/mLのIL-15、約200IU/mLのIL-15、約180IU/mLのIL-15、約160IU/mLのIL-15、約140IU/mLのIL-15、約120IU/mLのIL-15又は約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約400IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約300IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約200IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約180IU/mLのIL-15を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地はIL-15を更に含む。好ましい一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約180IU/mLのIL-15を含む。
[00512] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21、約15IU/mLのIL-21、約12IU/mLのIL-21、約10IU/mLのIL-21、約5IU/mLのIL-21、約4IU/mLのIL-21、約3IU/mLのIL-21、約2IU/mLのIL-21、約1IU/mLのIL-21又は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約15IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約12IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約10IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約5IU/mLのIL-21~約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約2IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-21を更に含む。好ましい一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約1IU/mLのIL-21を含む。
[00513] 一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地はOKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、15ng/mL~30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、OKT-3抗体はムロモナブである。
[00514] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、細胞培養培地中に1つ以上のTNFRSFアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストであり、4-1BBアゴニストは、ウレルマブ、ウトミルマブ、EU-101、融合タンパク質並びにその断片、誘導体、変異体、バイオシミラー及び組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、0.1μg/mL~100μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、20μg/mL~40μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。
[00515] 一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、初期濃度約3000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体を更に含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、初期濃度約6000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体を更に含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。
[00516] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、これはCM1(培養培地1)と称される。一部の実施形態において、CMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10mg/μLゲンタマイシンを補充したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。一部の実施形態において、CMは、実施例に記載されるCM1であり、実施例Aを参照されたい。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は初期細胞培養培地又は第1の細胞培養培地中で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地又は初期細胞培養培地又は第1の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞(フィーダー細胞とも称される)を含む。
[00517] 一部の実施形態において、本明細書に開示される拡大培養プロセスで使用される培養培地は、無血清培地又は限定培地である。一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、基礎細胞培地及び血清補充物及び/又は血清代替物を含む。一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、部分的に血清含有培地のロット間の変動に起因する実験的変動を防止及び/又は減少させるために使用される。
[00518] 一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、基礎細胞培地及び血清補充物及び/又は血清代替物を含む。一部の実施形態において、基礎細胞培地は、これらに限定されないが、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖基礎培地、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖SFM、CTS(商標)AIM-V培地、CST(商標)AIM-V SFM、LymphoONE(商標)T細胞増殖異種フリー培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、基礎培地イーグル(BME)、RPMI 1640、F-10、F-12、最小必須培地(αMEM)、グラスゴーの最小必須培地(G-MEM)、RPMI増殖培地、イスコーブの改良ダルベッコ培地を含む。
[00519] 一部の実施形態において、血清補充物又は血清代替物は、これらに限定されないが、1つ以上のCTS(商標)OpTmizerT細胞拡大培養血清補充物、CTS(商標)免疫細胞血清代替物、1つ以上のアルブミン又はアルブミン代替物、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上のトランスフェリン又はトランスフェリン代替物、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上のインスリン又はインスリン代替物、1つ以上のコラーゲン前駆体、1つ以上の抗生物質及び1つ以上の微量元素を含む。一部の実施形態において、限定培地は、アルブミンと、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-ヒドロキシプロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、チアミン、還元型グルタチオン、L-アスコルビン酸-2-リン酸、鉄飽和トランスフェリン、インスリン並びに微量元素部分Ag+、Al3+、Ba2+、Cd2+、Co2+、Cr3”、Ge4+、Se4+、Br、T、Mn2+、P、Si4+、V5+、Mo6+、Ni2+、Rb+、Sn2+及びZr4+を含む化合物からなる群から選択される1つ以上の成分とを含む。一部の実施形態において、限定培地は、L-グルタミン、重炭酸ナトリウム及び/又は2-メルカプトエタノールをさらに含む。
[00520] 一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞免疫細胞血清代替物は、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖基礎培地、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖SFM、CTS(商標)AIM-V培地、CST(商標)AIM-V SFM、LymphoONE(商標)T細胞増殖異種フリー培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、基礎培地イーグル(BME)、RPMI 1640、F-10、F-12、最小必須培地(αMEM)、グラスゴーの最小必須培地(G-MEM)、RPMI増殖培地、イスコーブの改良ダルベッコ培地を含むがこれらに限定されない従来の増殖培地と共に使用される。
[00521] 一部の実施形態において、無血清又は限定培地中の総血清代替物濃度(体積%)は、無血清又は限定培地全体の総体積の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%又は20%である。一部の実施形態において、総血清代替物濃度は、無血清又は限定培地の総体積の約3%である。一部の実施形態において、総血清代替物濃度は、無血清又は限定培地の総体積の約5%である。一部の実施形態において、総血清代替物濃度は、無血清又は限定培地の総体積の約10%である。
[00522] 一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFM(ThermoFisher Scientific)である。CTS(商標)OpTmizer(商標)の任意の製剤は、本発明において有用である。CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、1LのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養基礎培地と26mLのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養補充剤を組み合わせたものであり、使用前に混合される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、55mMの2-メルカプトエタノールと共に約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充され、培地中の2-メルカプトエタノールの最終濃度は55μMである。
[00523] 一部の実施形態において、限定培地は、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFM(ThermoFisher Scientific)である。CTS(商標)OpTmizer(商標)の任意の製剤は、本発明において有用である。CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、1LのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養基礎培地と26mLのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養補充剤を組み合わせたものであり、使用前に混合される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、55mMの2-メルカプトエタノールと共に約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充され、さらに、約1000IU/mL~約8000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充され、さらに、約3000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充され、さらに、約6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び55mMの2-メルカプトエタノールで補充され、さらに、約1000IU/mL~約8000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び55mMの2-メルカプトエタノールで補充され、さらに、約3000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び55mMの2-メルカプトエタノールで補充され、さらに、約1000IU/mL~約6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び約2mMのグルタミンで補充され、さらに、約1000IU/mL~約8000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び約2mMのグルタミンで補充され、さらに、約3000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び約2mMのグルタミンで補充され、さらに、約6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充され、培地中の2-メルカプトエタノールの最終濃度は55μMである。
[00524] 一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、約0.1mM~約10mM、0.5mM~約9mM、1mM~約8mM、2mM~約7mM、3mM~約6mM又は4mM~約5mMの濃度のグルタミン(即ちGlutaMAX(登録商標))が補充される。一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、2mMの濃度のグルタミン(即ちGlutaMAX(登録商標))が補充される。
[00525] 一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、約5mM~約150mM、10mM~約140mM、15mM~約130mM、20mM~約120mM、25mM~約110mM、30mM~約100mM、35mM~約95mM、40mM~約90mM、45mM~約85mM、50mM~約80mM、55mM~約75mM、60mM~約70mM又は約65mMの濃度の2-メルカプトエタノールが補充される。一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、55mMの濃度の2-メルカプトエタノールが補充される。一部の実施形態において、培地中の2-メルカプトエタノールの最終濃度は55μMである。
[00526] 一部の実施形態において、参照により本明細書に援用される国際公開第1998/030679号に記載されている限定培地は、本発明において有用である。その刊行物には、無血清真核細胞培養培地が記載されている。無血清真核細胞培養培地には、無血清培養での細胞の増殖をサポートすることができる無血清補充物が補充された基礎細胞培養培地が含まれる。無血清真核細胞培養培地補充物は、1つ以上のアルブミン又はアルブミン代替物、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上のトランスフェリン又はトランスフェリン代替物、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上のインスリン又はインスリン代替物、1つ以上のコラーゲン前駆体、1つ以上の微量元素及び1つ以上の抗生物質からなる群から選択される1つ以上の成分を含むか、又はそれらを組み合わせることによって得られる。一部の実施形態において、限定培地は、L-グルタミン、重炭酸ナトリウム及び/又はβ-メルカプトエタノールをさらに含む。一部の実施形態において、限定培地は、アルブミン又はアルブミン代替物と、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上のトランスフェリン又はトランスフェリン代替物、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上のインスリン又はインスリン代替物、1つ以上のコラーゲン前駆体及び1つ以上の微量元素からなる群から選択される1つ以上の成分とを含む。一部の実施形態において、限定培地は、アルブミンと、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-ヒドロキシプロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、チアミン、還元型グルタチオン、L-アスコルビン酸-2-リン酸、鉄飽和トランスフェリン、インスリン並びに微量元素部分Ag+、Al3+、Ba2+、Cd2+、Co2+、Cr3”、Ge4+、Se4+、Br、T、Mn2+、P、Si4+、V5+、Mo6+、Ni2+、Rb+、Sn2+及びZr4+を含む化合物からなる群から選択される1つ以上の成分とを含む。一部の実施形態において、基礎細胞培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、基礎培地イーグル(BME)、RPMI 1640、F-10、F-12、最小必須培地(αMEM)、グラスゴーの最小必須培地(G-MEM)、RPMI増殖培地、イスコーブの改良ダルベッコ培地からなる群から選択される。
[00527] 一部の実施形態において、限定培地中のグリシンの濃度は約5~200mg/Lの範囲であり、L-ヒスチジンの濃度は約5~250mg/Lであり、L-イソロイシンの濃度は約5~300mg/Lであり、L-メチオニンの濃度は約5~200mg/Lであり、L-フェニルアラニンの濃度は約5~400mg/Lであり、L-プロリンの濃度は約1~1000mg/Lであり、L-ヒドロキシプロリンの濃度は約1~45mg/Lであり、L-セリンの濃度は約1~250mg/Lであり、L-スレオニンの濃度は約10~500mg/Lであり、L-トリプトファンの濃度は約2~110mg/Lであり、L-チロシンの濃度は約3~175mg/Lであり、L-バリンの濃度は約5~500mg/Lであり、チアミンの濃度は約1~20mg/Lであり、還元型グルタチオンの濃度は約1~20mg/Lであり、L-アスコルビン酸-2-リン酸の濃度は約1~200mg/Lであり、鉄飽和トランスフェリンの濃度は約1~50mg/Lであり、インスリンの濃度は約1~100mg/Lであり、亜セレン酸ナトリウムの濃度は約0.000001~0.0001mg/Lであり、アルブミン(AlbuMAX(登録商標)Iなど)の濃度は約5000~50,000mg/Lである。
[00528] 一部の実施形態において、限定培地中の非微量元素部分成分は、以下の表A1の「1X培地中の濃度範囲」という見出しの下の欄に列挙された濃度範囲に存在する。他の実施形態において、限定培地中の非微量元素部分成分は、以下の表A1の「1X培地の好ましい実施形態」という見出しの下の欄に列挙された最終濃度に存在する。他の実施形態において、限定培地は、無血清サプリメントを含む基礎細胞培地である。これらの実施形態の一部において、無血清補充物は、以下の表A1の「補充物の好ましい実施形態」という見出しの下の欄に列挙されたタイプ及び濃度の非微量部分成分を含む。
[00529] 一部の実施形態において、限定培地の容積オスモル濃度は、約260~350mOsmolである。一部の実施形態において、容積オスモル濃度は、約280~310mOsmolである。一部の実施形態において、限定培地は、最大約3.7g/L又は約2.2g/Lの重炭酸ナトリウムで補充される。限定培地には、L-グルタミン(最終濃度約2mM)、1つ以上の抗生物質、非必須アミノ酸(NEAA;最終濃度約100μM)、2-メルカプトエタノール(最終濃度約100μM)をさらに補充できる。
[00530] 一部の実施形態において、Smith, et al., “Ex vivo expansion of human T cells for adoptive immunotherapy using the novel Xeno-free CTS Immune Cell Serum Replacement,” Clin Transl Immunology, 4(1) 2015 (doi: 10.1038/cti.2014.31)に記載されている限定培地は、本発明において有用である。簡単に説明すると、RPMI又はCTS(商標)OpTmizer(商標)を基礎細胞培地として使用し、0、2%、5%又は10%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物を補充した。
[00531] 一実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は濾過されていない。濾過されていない細胞培地の使用は、細胞数を拡大培養させるために必要な手順を単純化し得る。一実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は、ベータ-メルカプトエタノール(BME又はβME;2-メルカプトエタノール、CAS 60-24-2としても知られる)を欠いている。
[00532] 一部の実施形態において、実施例及び図で考察されているように、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは1~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは2~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは3~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは4~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは5~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは2~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは2~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは3~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは3~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは4~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは4~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは5~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは5~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは6~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは6~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに提供されるプロセスなどを含む)プロセスは7~8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに提供されるプロセスなどを含む)プロセスは8日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに提供されるプロセスなどを含む)プロセスは7日間である。
[00533] 一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、2日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、7~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、7日間続行され得る。
[00534] 一部の実施形態において、TILの第1の初回刺激拡大培養は1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間又は8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は1日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は2日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は2日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は3日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は3日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は4日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は4日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は5日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は5日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は6日間~8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は6日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は7日間続行され得る。
[00535] 一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の組み合わせが、第1の初回刺激拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)による並びに本明細書に記載されている通り、ステップBプロセス中を含む、第1の初回刺激拡大培養中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせが、第1の初回刺激拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)による及び本明細書に記載されている通りステップBプロセス中に含められ得る。
[00536] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養、例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)によるステップBは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが容器として用いられる。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-10である。
1.フィーダー細胞及び抗原提示細胞
[00537] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、4~8日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、4~7日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、5~8日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、5~7日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、6~8日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、6~7日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、7又は8日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、7日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時にフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要としないが、8日目の任意の時点で第1の初回刺激拡大培養中に添加される。
[00538] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時及び第1の初回刺激拡大培養中に、フィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一部の実施形態において、2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。一部の実施形態において、1容器あたり2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。一部の実施形態において、1つのGREX-10あたり2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。一部の実施形態において、1つのGREX-100あたり2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。
[00539] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかにより不活性化され、同種異系PBMCの複製能力を評価するための例示的なプロトコルを提供する実施例に記載されるように、REP手順で使用される。
[00540] 一部の実施形態において、14日目の生細胞の総数が、第1の初回刺激拡大培養の0日目に培養物に入れられた初期生細胞数より少ない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。
[00541] 一部の実施形態において、7日目のOKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、第1の初回刺激拡大培養の0日目に培養物に入れられた初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[00542] 一部の実施形態において、7日目のOKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、第1の初回刺激拡大培養の0日目に培養物に入れられた初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。一部の実施形態において、PBMCは、5~60ng/mLのOKT3抗体及び1000~6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、10~50ng/mLのOKT3抗体及び2000~5000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、20~40ng/mLのOKT3抗体及び2000~4000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、25~35ng/mLのOKT3抗体及び2500~3500IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、15ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mlのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、15ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[00543] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞はPBMCである。一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞は人工抗原提示フィーダー細胞である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は、約1:25、約1:50、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400又は約1:500である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1:50~1:300である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1:100~1:200である。
[00544] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順は、約2.5×108個のフィーダー細胞と約100×106個のTILの比を必要とする。別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順は、約2.5×108個のフィーダー細胞と約50×106個のTILの比を必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養は、約2.5×108個のフィーダー細胞と約25×106個のTILを必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養は、約2.5×108個のフィーダー細胞を必要とする。更に別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は、第2の急速拡大培養で使用されるフィーダー細胞の数の4分の1、3分の1、12分の5又は半分を必要とする。
[00545] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、1容器あたり2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、OKT-3を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり30ngのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、培地は、6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり2.5×108の抗原提示フィーダー細胞あたり、500mLの培養培地及び15μgのOKT-3を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり500mLの培養培地及び15μgのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、培地は、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、30ng/mL ngのOKT-3及び2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、15μgのOKT-3及び2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり2.5×108の抗原提示フィーダー細胞あたり、500mLの培養培地及び15μgのOKT-3を含む。
[00546] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順は、第2の拡大培養中に、TILに対して過剰量のフィーダー細胞を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一実施形態において、PBMCの代わりに人工抗原提示(aAPC)細胞が使用される。
[00547] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかによって不活性化され、図及び実施例に記載された例示的な手順を含む、本明細書に記載されたTIL拡大培養手順で使用される。
[00548] 一実施形態において、人工抗原提示細胞は、PBMCの代替として又はそれと組み合わせて、第1の初回刺激拡大培養で使用される。
2.サイトカイン
[00549] 本明細書に記載の拡大培養方法は、一般に、当技術分野において公知の通り、高用量のサイトカイン、特にIL-2を含む培養培地を使用する。
[00550] 代わりに、TILの第1の初回刺激拡大培養にサイトカインの組み合わせを使用することが更に可能であり、IL-2、IL-15及びIL-21の2つ以上の組み合わせについては、概して国際公開第2015/189356号及び国際公開第2015/189357号(その全体が参照により明示的に本明細書に援用される)に概説される通りである。従って、可能な組み合わせとしては、IL-2とIL-15、IL-2とIL-21、IL-15とIL-21とIL-2、IL-15とIL-21が挙げられ、後者には多くの実施形態において特定の使用が見出される。これらの明細書に記載される通り、サイトカインの組み合わせを使用することは、特にリンパ球、詳細にはT細胞の生成に有利である。
C.ステップC:第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行
[00551] 一部の場合、例えば、例えば図1(特に例えば図1B及び/図1C)に示されるステップBから得られる、TIL集団を含む、第1の初回刺激拡大培養から得られたバルクTIL集団(プレREPと称されることがある拡大培養を含み得る)は、第2の急速拡大培養(急速拡大培養プロトコル(REP)と称されることがある拡大培養を含み得る)に供し、その後、以下で考察するように凍結保存し得る。同様に、遺伝子修飾TILが治療に使用される場合、初回刺激拡大培養からの拡大培養されたTIL集団又は第2の急速拡大培養からの拡大培養されたTIL集団は、拡大培養ステップ前又は第1の初回刺激拡大培養後且つ第2の急速拡大培養前に適切な処置のために遺伝子修飾に供し得る。
[00552] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から(例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に示される通りのステップBから)入手されたTILは、選択のためのフェノタイピングまで貯蔵される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から(例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に示される通りのステップBから)入手されたTILは貯蔵されず、第2の急速拡大培養に直接進む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から入手されたTILは、第1の初回刺激拡大培養後、第2の急速拡大培養前に凍結保存されない。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、腫瘍断片が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約2日、3日、4日、5日、6日、7日又は8日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約3日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約3日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約3日~8日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約4日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約4日~8日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約5日~7日の時点で行われる。
[00553] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約6日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約6日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約6日~8日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約7日~8日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約8日の時点で行われる。
[00554] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日又は8日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、2日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、2日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、7日~8日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、断片化が発生したとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、8日で行われる。
[00555] 一部の実施形態において、TILは、第1の初回刺激拡大培養後、第2の急速拡大培養前に貯蔵されず、TILは第2の急速拡大培養に直接進む(例えば、一部の実施形態において、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に示すように、ステップBからステップDへの移行中に貯蔵は行われない)。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、移行は閉鎖系で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養からのTILは、第2のTIL集団からのTILであり、移行期間を伴わず第2の急速拡大培養に直接進む。
[00556] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、例えば、図1(特に例えば図1B)によるステップCは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、単一のバイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、用いられる単一のバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、容器サイズのスケールアップを伴う。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は、第2の急速拡大培養よりも小さい容器内で実施される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養はGREX-100で実施され、第2の急速拡大培養はGREX-500で実施される。
D.ステップD:第2の急速拡大培養
[00557] 一部の実施形態において、TIL細胞集団は、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に示されるように、ステップA及びステップB並びにステップCと称される移行後、回収及び第1の初回刺激拡大培養後、数が更に増加する。この更なる増加は、本明細書では第2の急速拡大培養と称され、これは、当技術分野で一般に急速拡大培養法と称される拡大培養プロセス(急速拡大培養プロトコル又はREP並びに図1(特に例えば図1B及び/図1C)のステップDに示されるプロセス)を含み得る。第2の急速拡大培養は、概して、フィーダー細胞、サイトカイン源及び抗CD3抗体を含め、幾つもの成分を含むガス透過性容器内の培養培地を使用して達成することができる。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養の開始後1日、2日、3日又は4日(即ちGen3プロセス全体の8、9、10又は11日目)で、TILは、より大きい容量の容器に移される。
[00558] 一部の実施形態において、TILの第2の急速拡大培養(これはREPと称されることもある拡大培養;並びに図1(特に例えば図1B及び/図1C)のステップDに示されるプロセスを含み得る)は、当業者に公知の任意のTILフラスコ又は容器を使用して実施することができる。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間又は10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約1日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約1日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約2日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約2日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約3日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約3日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約4日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約4日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約5日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約5日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約6日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約6日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約7日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約7日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約8日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約8日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約9日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約1日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約2日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約3日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約4日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約5日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約6日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約7日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約8日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約10日間続行し得る。
[00559] 一実施形態において、第2の急速拡大培養は、本開示の方法(例えば、REPと称される膨張並びに図1(特に例えば図1B及び/図1C)のステップDに示されるプロセスを含む)を使用して、ガス透過性容器内で実施することができる。一部の実施形態において、TILは、IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)の存在下で、第2の急速拡大培養で拡大培養される。一部の実施形態において、TILは、IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞の存在下で、第2の急速拡大培養で拡大培養され、ここで、フィーダー細胞は、第1の初回刺激拡大培養で存在するフィーダー細胞の濃度の2倍、2.4倍、2.5倍、3倍、3.5倍又は4倍である最終濃度まで添加される。例えば、TILは、インターロイキン-2(IL-2)又はインターロイキン-15(IL-15)の存在下で非特異的T細胞受容体刺激を用いて急速に拡大培養することができる。非特異的T細胞受容体刺激としては、例えば、約30ng/mlのOKT3などの抗CD3抗体、マウスモノクローナル抗CD3抗体(Ortho-McNeil、Raritan, NJ又はMiltenyi Biotech、Auburn, CAから市販されている)又はUHCT-1(BioLegend、San Diego, CA, USAから市販されている)を挙げることができる。TILは、任意選択で300IU/mL IL-2又はIL-15など、T細胞成長因子の存在下で、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)結合ペプチド、例えば、0.3μΜ MART-1:26-35(27L)又はgpl 00:209-217(210M)など、任意選択でベクターから発現させることのできる、1つ又は複数のエピトープなど、その抗原性部分を含めた癌の1つ以上の抗原を、第2の拡大培養中に誘導することにより、インビトロでのTILの更なる刺激を誘発するように拡大培養することができる。他の好適な抗原としては、例えば、NY-ESO-1、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ癌抗原、MAGE-A3、SSX-2及びVEGFR2又はその抗原性部分を挙げることができる。TILは、HLA-A2発現抗原提示細胞にパルスした癌の同じ1つ又は複数の抗原による再刺激によっても急速に拡大培養し得る。代わりに、TILは、例えば照射自己リンパ球によるか、又は照射HLA-A2+同種異系リンパ球及びIL-2によって更に再刺激することができる。一部の実施形態において、再刺激は、第2の拡大培養の一部として生じる。一部の実施形態において、照射された自己リンパ球の存在下において、又は照射されたHLA-A2+同種リンパ球及びIL-2と共に第2の拡大培養が発生する。
[00560] 一実施形態において、細胞培養培地は、IL-2を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は8000IU/mLのIL-2を含む。
[00561] 一実施形態において、細胞培養培地は、OKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、30ng/mL~60ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は約60ng/mLのOKT-3を含む。一部の実施形態において、OKT-3抗体はムロモナブである。
[00562] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、培地は6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、1容器あたり7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、OKT-3を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地は、1容器あたり500mLの培養培地及び30μgのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、6000IU/mLのIL-2、60ng/mLのOKT-3及び7.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、30μgのOKT-3及び7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。
[00563] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、培地は6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり5×108~7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、OKT-3を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、1容器あたり500mLの培養培地及び30μgのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、6000IU/mLのIL-2、60ng/mLのOKT-3及び5×108~7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、1容器あたり、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、30μgのOKT-3及び5×108~7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。
[00564] 一部の実施形態において、細胞培養培地は、細胞培養培地中に1つ以上のTNFRSFアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストであり、4-1BBアゴニストは、ウレルマブ、ウトミルマブ、EU-101、融合タンパク質並びにそれらの断片、誘導体、変異体、バイオシミラー及び組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、0.1μg/mL~100μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、20μg/mL~40μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。
[00565] 一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、細胞培養培地は、初期濃度約3000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体を更に含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。
[00566] 一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の組み合わせが、第2の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21並びにそれらの任意選択の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)による並びに本明細書に記載されている通り、ステップDプロセス中を含む、第2の拡大培養中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせが、第2の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21並びにそれらの任意選択の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)による及び本明細書に記載されている通りステップDプロセス中に含められ得る。
[00567] 一部の実施形態において、第2の拡大培養は、IL-2、OKT-3、抗原提示フィーダー細胞及び任意選択によりTNFRSFアゴニストを含む添加細胞培養培地で実施され得る。一部の実施形態において、第2の拡大培養は添加細胞培養培地で行われる。一部の実施形態において、添加細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC;抗原提示フィーダー細胞とも称される)を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞を含む細胞培養培地で生じる(即ち抗原提示細胞)。
[00568] 一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15、約400IU/mLのIL-15、約300IU/mLのIL-15、約200IU/mLのIL-15、約180IU/mLのIL-15、約160IU/mLのIL-15、約140IU/mLのIL-15、約120IU/mLのIL-15又は約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15、乃至約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約400IU/mLのIL-15、乃至約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約300IU/mLのIL-15、乃至約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約200IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約180IU/mLのIL-15を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-15を更に含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は約180IU/mLのIL-15を含む。
[00569] 一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21、約15IU/mLのIL-21、約12IU/mLのIL-21、約10IU/mLのIL-21、約5IU/mLのIL-21、約4IU/mLのIL-21、約3IU/mLのIL-21、約2IU/mLのIL-21、約1IU/mLのIL-21又は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21、乃至約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約15IU/mLのIL-21、乃至約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約12IU/mLのIL-21、乃至約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約10IU/mLのIL-21、乃至約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約5IU/mLのIL-21、乃至約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約2IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-21を更に含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は約1IU/mLのIL-21を含む。
[00570] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞(APC)はPBMCである。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMC及び/又は抗原提示細胞との比は、約1:10、約1:15、約1:20、約1:25、約1:30、約1:35、約1:40、約1:45、約1:50、約1:75、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400又は約1:500である。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMCとの比は、1:50~1:300である。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMCとの比は、1:100~1:200である。
[00571] 一実施形態において、REP及び/又は第2の急速拡大培養は、バルクTILを150mL培地中の100倍又は200倍過剰の不活性化フィーダー細胞(ここで、フィーダー細胞の濃度は、第1の初回刺激拡大培養におけるフィーダー細胞濃度の少なくとも1.1倍(1.1X)、1.2X、1.3X、1.4X、1.5X、1.6X、1.7X、1.8X、1.8X、2X、2.1X2.2X、2.3X、2.4X、2.5X、2.6X、2.7X、2.8X、2.9 X、3.0X、3.1X、3.2X、3.3X、3.4X、3.5X、3.6X、3.7X、3.8X、3.9X又は4.0X)、30mg/mLのOKT3抗CD3抗体及び6000IU/mLのIL-2と混合してフラスコ内で実施される。細胞を別の成長チャンバーに移すまで培地補充が行われる(一般的に、使用済み培地の2/3の吸引及び等しい体積の新鮮培地での置換による、2/3の培地補充)。別の成長チャンバーには、以下に更に十分に考察する通りのG-REXフラスコ及びガス透過性容器が含まれる。
[00572] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養(REPプロセスと称されるプロセスを含み得る)は、実施例及び図で考察されるように、7~9日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は7日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は8日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は9日間である。
[00573] 一実施形態において、第2の拡大培養(これはREPと称される拡大培養;並びに図1(特に例えば図1B及び/図1C)のステップDに参照されるものを含み得る)は、100cmガス透過性シリコン底の500mL容量ガス透過性フラスコ(G-Rex 100、Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USAから市販されている)において実施され得、5%ヒトAB血清、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3(OKT3)を補充した400mLの50/50培地中で5×106又は10×106個のTILをPBMCと培養し得る。G-Rex 100フラスコは5%CO2下37℃でインキュベートし得る。5日目、250mLの上清を取り出して遠心ボトルに入れ、1500rpm(491×g)で10分間遠心し得る。5%ヒトAB血清、6000IU/mLのIL-2を含む150mLの新鮮培地にTILペレットを再懸濁し、元のGREX-100フラスコに戻し加え得る。GREX-100フラスコでTILを連続的に拡大培養する場合、10又は11日目に、TILは、GREX-500などのより大きいフラスコに移動され得る。細胞は培養14日目に回収し得る。細胞は培養15日目に回収し得る。細胞は培養16日目に回収し得る。一部の実施形態において、細胞が別の成長チャンバーに移されるまで培地交換が行われる。一部の実施形態において、培地の2/3は、使用済み培地の吸引及び等しい体積の新鮮培地での置換によって置き換えられる。一部の実施形態において、別の成長チャンバーには、以下に更に十分に考察する通りのGREXフラスコ及びガス透過性容器が含まれる。
[00574] 一部の実施形態において、本明細書に開示される拡大培養プロセスで使用される培養培地は、無血清培地又は限定培地である。一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、基礎細胞培地及び血清補充物及び/又は血清代替物を含む。一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、部分的に血清含有培地のロット間の変動に起因する実験的変動を防止及び/又は減少させるために使用される。
[00575] 一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、基礎細胞培地及び血清補充物及び/又は血清代替物を含む。一部の実施形態において、基礎細胞培地は、これらに限定されないが、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖基礎培地、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖SFM、CTS(商標)AIM-V培地、CST(商標)AIM-V SFM、LymphoONE(商標)T細胞増殖異種フリー培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、基礎培地イーグル(BME)、RPMI 1640、F-10、F-12、最小必須培地(αMEM)、グラスゴーの最小必須培地(G-MEM)、RPMI増殖培地、イスコーブの改良ダルベッコ培地を含む。
[00576] 一部の実施形態において、血清補充物又は血清代替物は、これらに限定されないが、1つ以上のCTS(商標)OpTmizerT細胞拡大培養血清補充物、CTS(商標)免疫細胞血清代替物、1つ以上のアルブミン又はアルブミン代替物、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上のトランスフェリン又はトランスフェリン代替物、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上のインスリン又はインスリン代替物、1つ以上のコラーゲン前駆体、1つ以上の抗生物質及び1つ以上の微量元素を含む。一部の実施形態において、限定培地は、アルブミンと、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-ヒドロキシプロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、チアミン、還元型グルタチオン、L-アスコルビン酸-2-リン酸、鉄飽和トランスフェリン、インスリン並びに微量元素部分Ag+、Al3+、Ba2+、Cd2+、Co2+、Cr3”、Ge4+、Se4+、Br、T、Mn2+、P、Si4+、V5+、Mo6+、Ni2+、Rb+、Sn2+及びZr4+を含む化合物からなる群から選択される1つ以上の成分とを含む。一部の実施形態において、限定培地は、L-グルタミン、重炭酸ナトリウム及び/又は2-メルカプトエタノールをさらに含む。
[00577] 一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞免疫細胞血清代替物は、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖基礎培地、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞増殖SFM、CTS(商標)AIM-V培地、CST(商標)AIM-V SFM、LymphoONE(商標)T細胞増殖異種フリー培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、基礎培地イーグル(BME)、RPMI 1640、F-10、F-12、最小必須培地(αMEM)、グラスゴーの最小必須培地(G-MEM)、RPMI増殖培地、イスコーブの改良ダルベッコ培地を含むがこれらに限定されない従来の増殖培地と共に使用される。
[00578] 一部の実施形態において、無血清又は限定培地中の総血清代替物濃度(体積%)は、無血清又は限定培地全体の総体積の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%又は20%である。一部の実施形態において、総血清代替物濃度は、無血清又は限定培地の総体積の約3%である。一部の実施形態において、総血清代替物濃度は、無血清又は限定培地の総体積の約5%である。一部の実施形態において、総血清代替物濃度は、無血清又は限定培地の総体積の約10%である。
[00579] 一部の実施形態において、無血清又は限定培地は、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFM(ThermoFisher Scientific)である。CTS(商標)OpTmizer(商標)の任意の製剤は、本発明において有用である。CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、1LのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養基礎培地と26mLのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養補充剤を組み合わせたものであり、使用前に混合される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、55mMの2-メルカプトエタノールと共に約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充され、培地中の2-メルカプトエタノールの最終濃度は55μMである。
[00580] 一部の実施形態において、限定培地は、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFM(ThermoFisher Scientific)である。CTS(商標)OpTmizer(商標)の任意の製剤は、本発明において有用である。CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、1LのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養基礎培地と26mLのCTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養補充剤を組み合わせたものであり、使用前に混合される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、55mMの2-メルカプトエタノールと共に約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充される。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充され、さらに、約1000IU/mL~約8000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充され、さらに、約3000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)、55mMの2-メルカプトエタノール及び2mMのL-グルタミンで補充され、さらに、約6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び55mMの2-メルカプトエタノールで補充され、さらに、約1000IU/mL~約8000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び55mMの2-メルカプトエタノールで補充され、さらに、約3000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び55mMの2-メルカプトエタノールで補充され、さらに、約1000IU/mL~約6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び約2mMのグルタミンで補充され、さらに、約1000IU/mL~約8000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び約2mMのグルタミンで補充され、さらに、約3000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)及び約2mMのグルタミンで補充され、さらに、約6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、CTS(商標)OpTmizer(商標)T細胞拡大培養SFMは、約3%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物(SR)(ThermoFisher Scientific)で補充され、培地中の2-メルカプトエタノールの最終濃度は55μMである。
[00581] 一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、約0.1mM~約10mM、0.5mM~約9mM、1mM~約8mM、2mM~約7mM、3mM~約6mM又は4mM~約5mMの濃度のグルタミン(即ちGlutaMAX(登録商標))が補充される。一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、2mMの濃度のグルタミン(即ちGlutaMAX(登録商標))が補充される。
[00582] 一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、約5mM~約150mM、10mM~約140mM、15mM~約130mM、20mM~約120mM、25mM~約110mM、30mM~約100mM、35mM~約95mM、40mM~約90mM、45mM~約85mM、50mM~約80mM、55mM~約75mM、60mM~約70mM又は約65mMの濃度の2-メルカプトエタノールが補充される。一部の実施形態において、無血清培地又は限定培地は、55mMの濃度の2-メルカプトエタノールが補充される。
[00583] 一部の実施形態において、参照により本明細書に援用される国際公開第1998/030679号に記載されている限定培地は、本発明において有用である。その刊行物には、無血清真核細胞培養培地が記載されている。無血清真核細胞培養培地には、無血清培養での細胞の増殖をサポートすることができる無血清補充物が補充された基礎細胞培養培地が含まれる。無血清真核細胞培養培地補充物は、1つ以上のアルブミン又はアルブミン代替物、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上のトランスフェリン又はトランスフェリン代替物、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上のインスリン又はインスリン代替物、1つ以上のコラーゲン前駆体、1つ以上の微量元素及び1つ以上の抗生物質からなる群から選択される1つ以上の成分を含むか、又はそれらを組み合わせることによって得られる。一部の実施形態において、限定培地は、L-グルタミン、重炭酸ナトリウム及び/又はβ-メルカプトエタノールをさらに含む。一部の実施形態において、限定培地は、アルブミン又はアルブミン代替物と、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上のトランスフェリン又はトランスフェリン代替物、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上のインスリン又はインスリン代替物、1つ以上のコラーゲン前駆体及び1つ以上の微量元素からなる群から選択される1つ以上の成分とを含む。一部の実施形態において、限定培地は、アルブミンと、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-ヒドロキシプロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、チアミン、還元型グルタチオン、L-アスコルビン酸-2-リン酸、鉄飽和トランスフェリン、インスリン並びに微量元素部分Ag+、Al3+、Ba2+、Cd2+、Co2+、Cr3”、Ge4+、Se4+、Br、T、Mn2+、P、Si4+、V5+、Mo6+、Ni2+、Rb+、Sn2+及びZr4+を含む化合物からなる群から選択される1つ以上の成分とを含む。一部の実施形態において、基礎細胞培地は、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(MEM)、基礎培地イーグル(BME)、RPMI 1640、F-10、F-12、最小必須培地(αMEM)、グラスゴーの最小必須培地(G-MEM)、RPMI増殖培地、イスコーブの改良ダルベッコ培地からなる群から選択される。
[00584] 一部の実施形態において、限定培地中のグリシンの濃度は約5~200mg/Lの範囲であり、L-ヒスチジンの濃度は約5~250mg/Lであり、L-イソロイシンの濃度は約5~300mg/Lであり、L-メチオニンの濃度は約5~200mg/Lであり、L-フェニルアラニンの濃度は約5~400mg/Lであり、L-プロリンの濃度は約1~1000mg/Lであり、L-ヒドロキシプロリンの濃度は約1~45mg/Lであり、L-セリンの濃度は約1~250mg/Lであり、L-スレオニンの濃度は約10~500mg/Lであり、L-トリプトファンの濃度は約2~110mg/Lであり、L-チロシンの濃度は約3~175mg/Lであり、L-バリンの濃度は約5~500mg/Lであり、チアミンの濃度は約1~20mg/Lであり、還元型グルタチオンの濃度は約1~20mg/Lであり、L-アスコルビン酸-2-リン酸の濃度は約1~200mg/Lであり、鉄飽和トランスフェリンの濃度は約1~50mg/Lであり、インスリンの濃度は約1~100mg/Lであり、亜セレン酸ナトリウムの濃度は約0.000001~0.0001mg/Lであり、アルブミン(AlbuMAX(登録商標)Iなど)の濃度は約5000~50,000mg/Lである。
[00585] 一部の実施形態において、限定培地中の非微量元素部分成分は、以下の表A2の「1X培地中の濃度範囲」という見出しの下の欄に列挙された濃度範囲に存在する。他の実施形態において、限定培地中の非微量元素部分成分は、以下の表A2の「1X培地の好ましい実施形態」という見出しの下の欄に列挙された最終濃度に存在する。他の実施形態において、限定培地は、無血清サプリメントを含む基礎細胞培地である。これらの実施形態の一部において、無血清補充物は、以下の表A2の「補充物の好ましい実施形態」という見出しの下の欄に列挙されたタイプ及び濃度の非微量部分成分を含む。
[00586] 一部の実施形態において、限定培地の容積オスモル濃度は、約260~350mOsmolである。一部の実施形態において、容積オスモル濃度は、約280~310mOsmolである。一部の実施形態において、限定培地は、最大約3.7g/L又は約2.2g/Lの重炭酸ナトリウムで補充される。限定培地には、L-グルタミン(最終濃度約2mM)、1つ以上の抗生物質、非必須アミノ酸(NEAA;最終濃度約100μM)、2-メルカプトエタノール(最終濃度約100μM)をさらに補充できる。
[00587] 一部の実施形態において、Smith, et al., “Ex vivo expansion of human T cells for adoptive immunotherapy using the novel Xeno-free CTS Immune Cell Serum Replacement,” Clin Transl Immunology, 4(1) 2015 (doi: 10.1038/cti.2014.31)に記載されている限定培地は、本発明において有用である。簡単に説明すると、RPMI又はCTS(商標)OpTmizer(商標)を基礎細胞培地として使用し、0、2%、5%又は10%のCTS(商標)免疫細胞血清代替物を補充した。
[00588] 一実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は濾過されていない。濾過されていない細胞培地の使用は、細胞数を拡大培養させるために必要な手順を単純化し得る。一実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は、ベータ-メルカプトエタノール(BME又はβME;2-メルカプトエタノール、CAS 60-24-2としても知られる)を欠いている。
[00589] 一実施形態において、第2の急速拡大培養(REPと称される拡大培養を含む)が実施され、これは優れた腫瘍応答性に関してTILを選択するステップを更に含む。当技術分野において公知の任意の選択方法を用いることができる。例えば、その開示が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2016/0010058A1号に記載されている方法は、優れた腫瘍反応性に関するTILの選択に使用され得る。
[00590] 任意選択で、第2の急速拡大培養(REP拡大培養と称される拡大培養を含む)後、当技術分野において公知の標準アッセイを用いて細胞生存率アッセイを実施することができる。例えば、バルクTILのサンプルに対してトリパンブルー色素排除アッセイを行うことができ、これは死細胞を選択的に標識して生存率の評価を可能にするものである。一部の実施形態において、Cellometer K2自動セルカウンター(Nexcelom Bioscience、Lawrence, MA)を使用してTILサンプルをカウントし、生存率を決定することができる。一部の実施形態において、生存率は、標準的なCellometer K2 Image Cytometer自動セルカウンタープロトコルに従い決定される。
[00591] T及びBリンパ球の多様な抗原受容体は、限られているが多数の遺伝子セグメントの体細胞組換えによって産生される。これらの遺伝子セグメントV(可変)、D(多様性)、J(結合)及びC(定数)は、免疫グロブリン及びT細胞受容体(TCR)の結合特異性及び下流側での適用を決定する。本発明は、T細胞レパートリーの多様性を示し、増加させるTILを生成する方法を提供する。一部の実施形態において、本方法により得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、第2の拡大培養で得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、多様性の増加は、免疫グロブリンの多様性及び/又はT細胞受容体の多様性の増加である。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン重鎖にある。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン軽鎖にある。一部の実施形態において、多様性はT細胞受容体にある。一部の実施形態において、多様性は、アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ受容体からなる群から選択されるT細胞受容体の1つにある。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファ及び/又はベータの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)ベータの発現が増加する。一部の実施形態において、TCRab(即ちTCRα/β)の発現が増加する。
[00592] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下でさらに詳細に考察する通り、IL-2、OKT-3並びに抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下で更に詳細に考察する通り、6000IU/mLのIL-2、30ug/フラスコのOKT-3並びに7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下でさらに詳細に考察する通り、IL-2、OKT-3並びに抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下で更に詳細に考察する通り、6000IU/mLのIL-2、30ug/フラスコのOKT-3並びに5×108個の抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。
[00593] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)によるステップDは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが容器として用いられる。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、例えば、G-REX-100又はG-REX-500である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-500である。
1.フィーダー細胞及び抗原提示細胞
[00594] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の急速拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)のステップDに記載された拡大培養並びにREPと称される拡大培養を含む)は、REP TIL拡大培養中及び/又は第2の急速拡大培養中に過剰量のフィーダー細胞が必要である。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。
[00595] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかにより不活性化され、同種異系PBMCの複製能力を評価するための例示的なプロトコルを提供する実施例に記載されるように、REP手順で使用される。
[00596] 一部の実施形態において、7又は14日目の生細胞の総数がREPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目に培養(即ち第2の拡大培養の開始日)に移行した初期生細胞数より少ない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。
[00597] 一部の実施形態において、OKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、7日目及び14日目に、REPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目(即ち第2の拡大培養の開始日)に培養に移行した初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められ得る。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、60ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、60ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[00598] 一部の実施形態において、OKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、7日目及び14日目に、REPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目(即ち第2の拡大培養の開始日)に培養に移行した初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められ得る。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び1000~6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び2000~5000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び2000~4000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び2500~3500IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[00599] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞はPBMCである。一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞は人工抗原提示フィーダー細胞である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は、約1:10、約1:25、約1:50、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400又は約1:500である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1:50~1:300である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1:100~1:200である。
[00600] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約5×108個のフィーダー細胞と約100×106個のTILの比を必要とする。一実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約7.5×108個のフィーダー細胞と約100×106個のTILの比を必要とする。別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約5×108個のフィーダー細胞と約50×106個のTILの比を必要とする。別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約7.5×108個のフィーダー細胞と約50×106個のTILの比を必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約5×108個のフィーダー細胞から約25×106個のTILを必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約7.5×108個のフィーダー細胞と約25×106個のTILを必要とする。更に別の実施形態において、第2の急速拡大培養は、第2の急速拡大培養の2倍の数のフィーダー細胞を必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養が約2.5×108個のフィーダー細胞を必要とする場合、第2の急速拡大培養は、約5×108個のフィーダー細胞を必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養が約2.5×108個のフィーダー細胞を必要とする場合、第2の急速拡大培養は、約7.5×108個のフィーダー細胞を必要とする。更に別の実施形態において、第2の急速拡大培養は、第1の初回刺激拡大培養の2倍(2.0X)、2.5X、3.0X、3.5X又は4.0Xの数のフィーダー細胞を必要とする。
[00601] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の急速拡大培養手順は、第2の急速拡大培養中に過剰量のフィーダー細胞を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一実施形態において、PBMCの代わりに人工抗原提示(aAPC)細胞が使用される。一部の実施形態において、PBMCは、第1の初回刺激拡大培養に添加されたPBMCの濃度の2倍で第2の急速拡大培養に添加される。
[00602] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかによって不活性化され、図及び実施例に記載された例示的な手順を含む、本明細書に記載されたTIL拡大培養手順で使用される。
[00603] 一実施形態において、人工抗原提示細胞は、PBMCの代替として又はそれと組み合わせて、第2の急速拡大培養で使用される。
2.サイトカイン
[00604] 本明細書に記載の第2の急速拡大培養方法は、一般に、当技術分野において公知の通り、高用量のサイトカイン、特にIL-2を含む培養培地を使用する。
[00605] 代わりに、TILの第2の急速拡大培養にサイトカインの組み合わせを使用することが更に可能であり、IL-2、IL-15及びIL-21の2つ以上の組み合わせについては、概して国際公開第2015/189356号及び国際公開第2015/189357号(参照により全体として明示的に本明細書に援用される)に概説される通りである。従って、可能な組み合わせとしては、IL-2とIL-15、IL-2とIL-21、IL-15とIL-21とIL-2、IL-15とIL-21が挙げられ、後者には多くの実施形態において特定の使用が見出される。これらの明細書に記載される通り、サイトカインの組み合わせを使用することは、特にリンパ球、詳細にはT細胞の生成に有利である。
E.ステップE:TILの回収
[00606] 第2の急速拡大培養ステップ後、細胞は回収することができる。一部の実施形態において、TILは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に提供される通り、1、2、3、4回又はそれ以上の拡大培養ステップ後に回収される。一部の実施形態において、TILは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に提供される通り、2つの拡大培養ステップ後に回収される。一部の実施形態において、TILは、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)に提供される通り、2つの拡大培養ステップ(1つの第1の初回刺激拡大培養及び1つの第2の急速拡大培養)後に回収される。
[00607] TILは、例えば遠心によることを含め、任意の適切な且つ無菌の方法で回収することができる。TIL回収方法は、当技術分野において周知であり、本プロセスと共に任意のかかる公知の方法を用いることができる。一部の実施形態において、TILは自動化系を使用して回収される。
[00608] セルハーベスター及び/又は細胞処理系は、例えば、Fresenius Kabi、Tomtec Life Science、Perkin Elmer及びInotech Biosystems International, Inc.を含む様々な供給源から市販されている。任意選択の細胞ベースのハーベスターを本方法で使用することができる。一部の実施形態において、セルハーベスター及び/又は細胞処理系は、膜ベースの細胞ハーベスターである。一部の実施形態において、細胞回収は、LOVO系(Fresenius Kabi製)などの細胞処理系を介して行われる。用語「LOVO細胞処理系」は、滅菌及び/又は閉鎖系環境で、回転膜又は回転フィルターなどの膜又はフィルターを通して細胞を含む溶液を送り出すことができ、ペレット化せず上清又は細胞培地を除去する連続フロー及び細胞処理を可能にする、あらゆる販売業者によって製造された機器又は装置も指す。一部の実施形態において、セルハーベスター及び/又は細胞処理系は、閉鎖、無菌系で細胞分離、洗浄、流体交換、濃縮及び/又は他の細胞処理ステップを実施することができる。
[00609] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養、例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)によるステップDは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが容器として用いられる。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、例えば、G-REX-100又はG-REX-500である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-500である。
[00610] 一部の実施形態において、図1(特に例えば図1B及び/図1C)によるステップEは、本明細書に記載のプロセスに従って実施される。一部の実施形態において、系の無菌性及び閉鎖性を維持するために、閉鎖系は滅菌条件下でシリンジを介してアクセスされる。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような閉鎖系が使用される。
[00611] 一部の実施形態において、本明細書に記載された方法に従ってTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、14日目~16日目にTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、14日目にTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、15日目にTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、16日目にTILが回収される。
F.ステップF:最終的な製剤化/輸注バッグへの移動
[00612] 図1(特に例えば図1B及び/図1C)に例示的順序で提供される通りの、且つ上記及び本明細書に詳細に概説される通りのステップA~Eが完了した後、細胞は患者への投与における使用のため容器に移される。一部の実施形態において、上記に記載される拡大培養方法を用いて治療上十分な数のTILが入手されると、TILは患者への投与における使用のため容器に移される。
[00613] 一実施形態において、本開示の方法を使用して拡大培養したTILは医薬組成物として患者に投与される。一実施形態において、医薬組成物は滅菌緩衝液中のTILの懸濁液である。本明細書に開示されるように拡大培養したTILは、当技術分野において公知の通りの任意の好適な経路によって投与され得る。一部の実施形態において、TILは単回動脈内又は静脈内注入として投与され、これは好ましくは約30~60分間継続される。他の好適な投与経路としては、腹腔内、髄腔内及びリンパ内が挙げられる。
G.PBMCフィーダー細胞比
[00614] 一部の実施形態において、本明細書に記載の拡大培養方法(例えば、図1(特に例えば図1B及び/図1C)を参照されたい)で使用される培養培地は、抗CD3抗体、例えば、OKT-3を含む。抗CD3抗体をIL-2と併用すると、TIL集団においてT細胞活性化及び細胞分裂が誘導される。この効果は完全長抗体並びにFab及びF(ab’)2断片で見ることができ、前者が概して好ましい;例えば、Tsoukas et al., J.Immunol. 1985, 135, 1719(参照により全体として本明細書に援用される)を参照されたい。
[00615] 一実施形態において、PBMCフィーダー層の数は以下のように計算される。
A.T細胞の容積(直径10μm):V=(4/3)πr3=523.6μm3
B.高さ40μm(4細胞)のG-Rex 100(M)の円柱フラスコ:V=(4/3)πr3=4×1012μm3
C.円柱フラスコBを満たすために必要な細胞数:4×1012μm3/523.6μm3=7.6×108μm3*0.64=4.86×108
D.4D空間で最適に活性化できる細胞数:4.86×108/24=20.25×106
E.G-Rex 500に外挿されたフィーダー及びTILの数:TIL:100×106及びフィーダー:2.5×109
この計算では、100cm2ベースのシリンダー内でTILを活性化するための正二十面体ジオメトリを提供するために必要な単核細胞の数の概算が使用される。この計算は、NCIの実験データを厳密に反映したT細胞の閾値活性化の約5×108の実験結果を導き出す。(1)(C)乗数(0.64)は、1992年にJaeger及びNagelによって計算された等価球のランダムデータ密度である(2)。(D)除数24は、4次元空間の「ニュートン数」(3)で同様のオブジェクトに接触する可能性のある等価球の数である。
(1)Jin, Jianjian, et.al., Simplified Method of the Growth of Human Tumor Infiltrating Lymphocytes (TIL) in Gas-Permeable Flasks to Numbers Needed for Patient Treatment. J Immunother. 2012 Apr; 35(3):283-292。
(2)Jaeger HM, Nagel SR. Physics of the granular state. Science. 1992 Mar 20; 255(5051):1523-31。
(3)O. R.Musin (2003).“The problem of the twenty-five spheres”. Russ. Math. Surv. 58 (4):794-795。
[00616] 一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給された抗原提示フィーダー細胞の数は、第2の急速拡大培養中に外因的に供給された抗原提示フィーダー細胞の数のおよそ半分である。特定の実施形態において、方法は、第2の急速拡大培養の細胞培養培地と比較して、およそ50%少ない抗原提示細胞を含む細胞培養培地において、第1の初回刺激拡大培養を実施することを含む。
[00617] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給された抗原提示フィーダー細胞(APC)の数は、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数より大きい。
[00618] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の間に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養の間に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~20:1又は約20:1の範囲である。
[00619] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~10:1又は約10:1の範囲である。
[00620] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~9:1又は約9:1の範囲である。
[00621] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~8:1又は約8:1の範囲である。
[00622] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~7:1又は約7:1の範囲である。
[00623] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~6:1又は約6:1の範囲である。
[00624] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~5:1又は約5:1の範囲である。
[00625] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~4:1又は約4:1の範囲である。
[00626] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の間に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養の間に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~3:1又は約3:1の範囲である。
[00627] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の間に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養の間に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.9:1又は約2.9:1の範囲である。
[00628] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.8:1又は約2.8:1の範囲である。
[00629] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.7:1又は約2.7:1の範囲である。
[00630] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.6:1又は約2.6:1の範囲である。
[00631] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.5:1又は約2.5:1の範囲である。
[00632] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.4:1又は約2.4:1の範囲である。
[00633] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.3:1又は約2.3:1の範囲である。
[00634] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.2:1又は約2.2:1の範囲である。
[00635] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.1:1又は約2.1:1の範囲である。
[00636] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2:1又は約2:1の範囲である。
[00637] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~10:1又は約10:1の範囲である。
[00638] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~5:1又は約5:1の範囲である。
[00639] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~4:1又は約4:1の範囲である。
[00640] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~3:1又は約3:1の範囲である。
[00641] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.9:1又は約2.9:1の範囲である。
[00642] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.8:1又は約2.8:1の範囲である。
[00643] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.7:1又は約2.7:1の範囲である。
[00644] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.6:1又は約2.6:1の範囲である。
[00645] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.5:1又は約2.5:1の範囲である。
[00646] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.4:1又は約2.4:1の範囲である。
[00647] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.3:1又は約2.3:1の範囲である。
[00648] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.2:1又は約2.2:1の範囲である。
[00649] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1~2.1:1又は約2.1:1の範囲である。
[00650] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、2:1又は約2:1である。
[00651] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数と、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数との比は、1.1:1若しくは約1.1:1、1.2:1若しくは約1.2:1、1.3:1若しくは約1.3:1、1.4:1若しくは約1.4:1、1.5:1若しくは約1.5:1、1.6:1若しくは約1.6:1、1.7:1若しくは約1.7:1、1.8:1若しくは約1.8:1、1.9:1若しくは約1.9:1、2:1若しくは約2:1、2.1:1若しくは約2.1:1、2.2:1若しくは約2.2:1、2.3:1若しくは約2.3:1、2.4:1若しくは約2.4:1、2.5:1若しくは約2.5:1、2.6:1若しくは約2.6:1、2.7:1若しくは約2.7:1、2.8:1若しくは約2.8:1、2.9:1若しくは約2.9:1、3:1若しくは約3:1、3.1:1若しくは約3.1:1、3.2:1若しくは約3.2:1、3.3:1若しくは約3.3:1、3.4:1若しくは約3.4:1、3.5:1若しくは約3.5:1、3.6:1若しくは約3.6:1、3.7:1若しくは約3.7:1、3.8:1若しくは約3.8:1、3.9:1若しくは約3.9:1、4:1若しくは約4:1、4.1:1若しくは約4.1:1、4.2:1若しくは約4.2:1、4.3:1若しくは約4.3:1、4.4:1若しくは約4.4:1、4.5:1若しくは約4.5:1、4.6:1若しくは約4.6:1、4.7:1若しくは約4.7:1、4.8:1若しくは約4.8:1、4.9:1若しくは約4.9:1又は5:1若しくは約5:1である。
[00652] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に補充されたAPCの数は、1×108若しくは約1×108、1.1×108若しくは約1.1×108、1.2×108若しくは約1.2×108、1.3×108若しくは約1.3×108、1.4×108若しくは約1.4×108、1.5×108若しくは約1.5×108、1.6×108若しくは約1.6×108、1.7×108若しくは約1.7×108、1.8×108若しくは約1.8×108、1.9×108若しくは約1.9×108、2×108若しくは約2×108、2.1×108若しくは約2.1×108、2.2×108若しくは約2.2×108、2.3×108若しくは約2.3×108、2.4×108若しくは約2.4×108、2.5×108若しくは約2.5×108、2.6×108若しくは約2.6×108、2.7×108若しくは約2.7×108、2.8×108若しくは約2.8×108、2.9×108若しくは約2.9×108、3×108若しくは約3×108、3.1×108若しくは約3.1×108、3.2×108若しくは約3.2×108、3.3×108若しくは約3.3×108、3.4×108若しくは約3.4×108又は3.5×108若しくは約3.5×108APCであり、第2の急速拡大培養中に外因的に補充されたAPCの数は、3.5×108若しくは約3.5×108、3.6×108若しくは約3.6×108、3.7×108若しくは約3.7×108、3.8×108若しくは約3.8×108、3.9×108若しくは約3.9×108、4×108若しくは約4×108、4.1×108若しくは約4.1×108、4.2×108若しくは約4.2×108、4.3×108若しくは約4.3×108、4.4×108若しくは約4.4×108、4.5×108若しくは約4.5×108、4.6×108若しくは約4.6×108、4.7×108若しくは約4.7×108、4.8×108若しくは約4.8×108、4.9×108若しくは約4.9×108、5×108若しくは約5×108、5.1×108若しくは約5.1×108、5.2×108若しくは約5.2×108、5.3×108若しくは約5.3×108、5.4×108若しくは約5.4×108、5.5×108若しくは約5.5×108、5.6×108若しくは約5.6×108、5.7×108若しくは約5.7×108、5.8×108若しくは約5.8×108、5.9×108若しくは約5.9×108、6×108若しくは約6×108、6.1×108若しくは約6.1×108、6.2×108若しくは約6.2×108、6.3×108若しくは約6.3×108、6.4×108若しくは約6.4×108、6.5×108若しくは約6.5×108、6.6×108若しくは約6.6×108、6.7×108若しくは約6.7×108、6.8×108若しくは約6.8×108、6.9×108若しくは約6.9×108、7×108若しくは約7×108、7.1×108若しくは約7.1×108、7.2×108若しくは約7.2×108、7.3×108若しくは約7.3×108、7.4×108若しくは約7.4×108、7.5×108若しくは約7.5×108、7.6×108若しくは約7.6×108、7.7×108若しくは約7.7×108、7.8×108若しくは約7.8×108、7.9×108若しくは約7.9×108、8×108若しくは約8×108、8.1×108若しくは約8.1×108、8.2×108若しくは約8.2×108、8.3×108若しくは約8.3×108、8.4×108若しくは約8.4×108、8.5×108若しくは約8.5×108、8.6×108若しくは約8.6×108、8.7×108若しくは約8.7×108、8.8×108若しくは約8.8×108、8.9×108若しくは約8.9×108、9×108若しくは約9×108、9.1×108若しくは約9.1×108、9.2×108若しくは約9.2×108、9.3×108若しくは約9.3×108、9.4×108若しくは約9.4×108、9.5×108若しくは約9.5×108、9.6×108若しくは約9.6×108、9.7×108若しくは約9.7×108、9.8×108若しくは約9.8×108、9.9×108若しくは約9.9×108又は1×109若しくは約1×109APCである。
[00653] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数は、1.5×108又は約1.5×108APC~3×108又は約3×108APCの範囲であり、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数は、4×108又は約4×108APC~7.5×108又は約7.5×108APCの範囲である。
[00654] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数は、2×108又は約2×108APC~2.5×108又は約2.5×108APCの範囲であり、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数は、4.5×108又は約4.5×108APC~5.5×108又は約5.5×108APCの範囲である。
[00655] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数は、2.5×108又は約2.5×108APCであり、第2の急速拡大培養中に外因的に供給されたAPCの数は、5×108又は約5×108APCである。
[00656] 一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に添加されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、第1の初回刺激拡大培養の7日目(例えば、方法の7日目)に添加されたPBMCの数のおよそ半分である。特定の実施形態において、方法は、第1のTIL集団に第1の初回刺激拡大培養の0日目に抗原提示細胞を追加すること及び第2のTIL集団に7日目に抗原提示細胞を追加することを含み、ここで、0日目に添加された抗原提示細胞の数は、第1の初回刺激拡大培養の7日目(例えば、方法の7日目)に添加された抗原提示細胞の数のおよそ50%である。
[00657] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたPBMCの数より大きい。
[00658] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、1.0×106又は約1.0×106APC/cm2~4.5×106又は約4.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00659] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、1.5×106又は約1.5×106APC/cm2~3.5×106又は約3.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00660] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2×106又は約2×106APC/cm2~3×106又は約3×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00661] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2×106又は約2×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種される。
[00662] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、1.0×106若しくは約1.0×106、1.1×106若しくは約1.1×106、1.2×106若しくは約1.2×106、1.3×106若しくは約1.3×106、1.4×106若しくは約1.4×106、1.5×106若しくは約1.5×106、1.6×106若しくは約1.6×106、1.7×106若しくは約1.7×106、1.8×106若しくは約1.8×106、1.9×106若しくは約1.9×106、2×106若しくは約2×106、2.1×106若しくは約2.1×106、2.2×106若しくは約2.2×106、2.3×106若しくは約2.3×106、2.4×106若しくは約2.4×106、2.5×106若しくは約2.5×106、2.6×106若しくは約2.6×106、2.7×106若しくは約2.7×106、2.8×106若しくは約2.8×106、2.9×106若しくは約2.9×106、3×106若しくは約3×106、3.1×106若しくは約3.1×106、3.2×106若しくは約3.2×106、3.3×106若しくは約3.3×106、3.4×106若しくは約3.4×106、3.5×106若しくは約3.5×106、3.6×106若しくは約3.6×106、3.7×106若しくは約3.7×106、3.8×106若しくは約3.8×106、3.9×106若しくは約3.9×106、4×106若しくは約4×106、4.1×106若しくは約4.1×106、4.2×106若しくは約4.2×106、4.3×106若しくは約4.3×106、4.4×106若しくは約4.4×106又は4.5×106若しくは約4.5×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種される。
[00663] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2.5×106又は約2.5×106APC/cm2~7.5×106又は約7.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00664] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、3.5×106又は約3.5×106APC/cm2~約6.0×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00665] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、4.0×106又は約4.0×106APC/cm2~約6.0×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00666] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、4.0×106又は約4.0×106APC/cm2~約5.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00667] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、4.0×106又は約4.0×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00668] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2.5×106若しくは約2.5×106APC/cm2、2.6×106若しくは約2.6×106APC/cm2、2.7×106若しくは約2.7×106APC/cm2、2.8×106若しくは約2.8×106、2.9×106若しくは約2.9×106、3×106若しくは約3×106、3.1×106若しくは約3.1×106、3.2×106若しくは約3.2×106、3.3×106若しくは約3.3×106、3.4×106若しくは約3.4×106、3.5×106若しくは約3.5×106、3.6×106若しくは約3.6×106、3.7×106若しくは約3.7×106、3.8×106若しくは約3.8×106、3.9×106若しくは約3.9×106、4×106若しくは約4×106、4.1×106若しくは約4.1×106、4.2×106若しくは約4.2×106、4.3×106若しくは約4.3×106、4.4×106若しくは約4.4×106、4.5×106若しくは約4.5×106、4.6×106若しくは約4.6×106、4.7×106若しくは約4.7×106、4.8×106若しくは約4.8×106、4.9×106若しくは約4.9×106、5×106若しくは約5×106、5.1×106若しくは約5.1×106、5.2×106若しくは約5.2×106、5.3×106若しくは約5.3×106、5.4×106若しくは約5.4×106、5.5×106若しくは約5.5×106、5.6×106若しくは約5.6×106、5.7×106若しくは約5.7×106、5.8×106若しくは約5.8×106、5.9×106若しくは約5.9×106、6×106若しくは約6×106、6.1×106若しくは約6.1×106、6.2×106若しくは約6.2×106、6.3×106若しくは約6.3×106、6.4×106若しくは約6.4×106、6.5×106若しくは約6.5×106、6.6×106若しくは約6.6×106、6.7×106若しくは約6.7×106、6.8×106若しくは約6.8×106、6.9×106若しくは約6.9×106、7×106若しくは約7×106、7.1×106若しくは約7.1×106、7.2×106若しくは約7.2×106、7.3×106若しくは約7.3×106、7.4×106若しくは約7.4×106又は7.5×106若しくは約7.5×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種される。
[00669] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、1.0×106若しくは約1.0×106、1.1×106若しくは約1.1×106、1.2×106若しくは約1.2×106、1.3×106若しくは約1.3×106、1.4×106若しくは約1.4×106、1.5×106若しくは約1.5×106、1.6×106若しくは約1.6×106、1.7×106若しくは約1.7×106、1.8×106若しくは約1.8×106、1.9×106若しくは約1.9×106、2×106若しくは約2×106、2.1×106若しくは約2.1×106、2.2×106若しくは約2.2×106、2.3×106若しくは約2.3×106、2.4×106若しくは約2.4×106、2.5×106若しくは約2.5×106、2.6×106若しくは約2.6×106、2.7×106若しくは約2.7×106、2.8×106若しくは約2.8×106、2.9×106若しくは約2.9×106、3×106若しくは約3×106、3.1×106若しくは約3.1×106、3.2×106若しくは約3.2×106、3.3×106若しくは約3.3×106、3.4×106若しくは約3.4×106、3.5×106若しくは約3.5×106、3.6×106若しくは約3.6×106、3.7×106若しくは約3.7×106、3.8×106若しくは約3.8×106、3.9×106若しくは約3.9×106、4×106若しくは約4×106、4.1×106若しくは約4.1×106、4.2×106若しくは約4.2×106、4.3×106若しくは約4.3×106、4.4×106若しくは約4.4×106又は4.5×106若しくは約4.5×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種され、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2.5×106若しくは約2.5×106APC/cm2、2.6×106若しくは約2.6×106APC/cm2、2.7×106若しくは約2.7×106APC/cm2、2.8×106若しくは約2.8×106、2.9×106若しくは約2.9×106、3×106若しくは約3×106、3.1×106若しくは約3.1×106、3.2×106若しくは約3.2×106、3.3×106若しくは約3.3×106、3.4×106若しくは約3.4×106、3.5×106若しくは約3.5×106、3.6×106若しくは約3.6×106、3.7×106若しくは約3.7×106、3.8×106若しくは約3.8×106、3.9×106若しくは約3.9×106、4×106若しくは約4×106、4.1×106若しくは約4.1×106、4.2×106若しくは約4.2×106、4.3×106若しくは約4.3×106、4.4×106若しくは約4.4×106、4.5×106若しくは約4.5×106、4.6×106若しくは約4.6×106、4.7×106若しくは約4.7×106、4.8×106若しくは約4.8×106、4.9×106若しくは約4.9×106、5×106若しくは約5×106、5.1×106若しくは約5.1×106、5.2×106若しくは約5.2×106、5.3×106若しくは約5.3×106、5.4×106若しくは約5.4×106、5.5×106若しくは約5.5×106、5.6×106若しくは約5.6×106、5.7×106若しくは約5.7×106、5.8×106若しくは約5.8×106、5.9×106若しくは約5.9×106、6×106若しくは約6×106、6.1×106若しくは約6.1×106、6.2×106若しくは約6.2×106、6.3×106若しくは約6.3×106、6.4×106若しくは約6.4×106、6.5×106若しくは約6.5×106、6.6×106若しくは約6.6×106、6.7×106若しくは約6.7×106、6.8×106若しくは約6.8×106、6.9×106若しくは約6.9×106、7×106若しくは約7×106、7.1×106若しくは約7.1×106、7.2×106若しくは約7.2×106、7.3×106若しくは約7.3×106、7.4×106若しくは約7.4×106又は7.5×106若しくは約7.5×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種される。
[00670] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、1.0×106又は約1.0×106APC/cm2~4.5×106又は約4.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種され、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2.5×106又は約2.5×106APC/cm2~7.5×106又は約7.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00671] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、1.5×106又は約1.5×106APC/cm2~3.5×106又は約3.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種され、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、3.5×106又は約3.5×106APC/cm2~6×106又は約6×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00672] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2×106又は約2×106APC/cm2~3×106又は約3×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種され、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、4×106又は約4×106APC/cm2~5.5×106又は約5.5×106APC/cm2の範囲の密度で培養フラスコに播種される。
[00673] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養で外因的に供給されたAPCは、2×106又は約2×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種され、第2の急速拡大培養で外因的に供給されたAPCは、4×106又は約4×106APC/cm2の密度で培養フラスコに播種される。
[00674] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたPBMCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~20:1又は約20:1の範囲である。
[00675] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたPBMCの数との比は、1.1:1又は約1.1:1~10:1又は約10:1の範囲である。
[00676] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたPBMCの数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~9:1又は約9:1の範囲である。
[00677] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~8:1又は約8:1の範囲である。
[00678] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~7:1又は約7:1の範囲である。
[00679] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~6:1又は約6:1の範囲である。
[00680] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~5:1又は約5:1の範囲である。
[00681] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~4:1又は約4:1の範囲である。
[00682] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~3:1又は約3:1の範囲である。
[00683] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.9:1又は約2.9:1の範囲である。
[00684] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.8:1又は約2.8:1の範囲である。
[00685] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.7:1又は約2.7:1の範囲である。
[00686] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.6:1又は約2.6:1の範囲である。
[00687] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.5:1又は約2.5:1の範囲である。
[00688] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.4:1又は約2.4:1の範囲である。
[00689] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.3:1又は約2.3:1の範囲である。
[00690] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.2:1又は約2.2:1の範囲である。
[00691] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2.1:1又は約2.1:1の範囲である。
[00692] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1又は約1.1:1~2:1又は約2:1の範囲である。
[00693] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~10:1又は約10:1の範囲である。
[00694] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~5:1又は約5:1の範囲である。
[00695] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1~4:1又は約2:1~約4:1の範囲である。
[00696] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1~3:1又は約2:1~約3:1の範囲である。
[00697] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.9:1又は約2.9:1の範囲である。
[00698] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.8:1又は約2.8:1の範囲である。
[00699] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.7:1又は約2.7:1の範囲である。
[00700] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.6:1又は約2.6:1の範囲である。
[00701] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.5:1又は約2.5:1の範囲である。
[00702] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.4:1又は約2.4:1の範囲である。
[00703] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.3:1又は約2.3:1の範囲である。
[00704] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.2:1又は約2.2:1の範囲である。
[00705] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1~2.1:1又は約2.1:1の範囲である。
[00706] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、2:1又は約2:1である。
[00707] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数と、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数との比は、1.1:1若しくは約1.1:1、1.2:1若しくは約1.2:1、1.3:1若しくは約1.3:1、1.4:1若しくは約1.4:1、1.5:1若しくは約1.5:1、1.6:1若しくは約1.6:1、1.7:1若しくは約1.7:1、1.8:1若しくは約1.8:1、1.9:1若しくは約1.9:1、2:1若しくは約2:1、2.1:1若しくは約2.1:1、2.2:1若しくは約2.2:1、2.3:1若しくは約2.3:1、2.4:1若しくは約2.4:1、2.5:1若しくは約2.5:1、2.6:1若しくは約2.6:1、2.7:1若しくは約2.7:1、2.8:1若しくは約2.8:1、2.9:1若しくは約2.9:1、3:1若しくは約3:1、3.1:1若しくは約3.1:1、3.2:1若しくは約3.2:1、3.3:1若しくは約3.3:1、3.4:1若しくは約3.4:1、3.5:1若しくは約3.5:1、3.6:1若しくは約3.6:1、3.7:1若しくは約3.7:1、3.8:1若しくは約3.8:1、3.9:1若しくは約3.9:1、4:1若しくは約4:1、4.1:1若しくは約4.1:1、4.2:1若しくは約4.2:1、4.3:1若しくは約4.3:1、4.4:1若しくは約4.4:1、4.5:1若しくは約4.5:1、4.6:1若しくは約4.6:1、4.7:1若しくは約4.7:1、4.8:1若しくは約4.8:1、4.9:1若しくは約4.9:1又は5:1若しくは5:1である。
[00708] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、1×108個若しくは約1×108個、1.1×108個若しくは約1.1×108個、1.2×108個若しくは約1.2×108個、1.3×108個若しくは約1.3×108個、1.4×108個若しくは約1.4×108個、1.5×108個若しくは約1.5×108個、1.6×108個若しくは約1.6×108個、1.7×108個若しくは約1.7×108個、1.8×108個若しくは約1.8×108個、1.9×108個若しくは約1.9×108個、2×108個若しくは約2×108個、2.1×108個若しくは約2.1×108個、2.2×108個若しくは約2.2×108個、2.3×108個若しくは約2.3×108個、2.4×108個若しくは約2.4×108個、2.5×108個若しくは約2.5×108個、2.6×108個若しくは約2.6×108個、2.7×108個若しくは約2.7×108個、2.8×108個若しくは約2.8×108個、2.9×108個若しくは約2.9×108個、3×108個若しくは約3×108個、3.1×108個若しくは約3.1×108個、3.2×108個若しくは約3.2×108個、3.3×108個若しくは約3.3×108個、3.4×108個若しくは約3.4×108個又は3.5×108個若しくは約3.5×108個のAPC(例えば、PBMCを含む)であり、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、3.5×108個若しくは約3.5×108個、3.6×108個若しくは約3.6×108個、3.7×108個若しくは約3.7×108個、3.8×108個若しくは約3.8×108個、3.9×108個若しくは約3.9×108個、4×108個若しくは約4×108個、4.1×108個若しくは約4.1×108個、4.2×108個若しくは約4.2×108個、4.3×108個若しくは約4.3×108個、4.4×108個若しくは約4.4×108個、4.5×108個若しくは約4.5×108個、4.6×108個若しくは約4.6×108個、4.7×108個若しくは約4.7×108個、4.8×108個若しくは約4.8×108個、4.9×108個若しくは約4.9×108個、5×108個若しくは約5×108個、5.1×108個若しくは約5.1×108個、5.2×108個若しくは約5.2×108個、5.3×108個若しくは約5.3×108個、5.4×108個若しくは約5.4×108個、5.5×108個若しくは約5.5×108個、5.6×108個若しくは約5.6×108個、5.7×108個若しくは約5.7×108個、5.8×108個若しくは約5.8×108個、5.9×108個若しくは約5.9×108個、6×108個若しくは約6×108個、6.1×108個若しくは約6.1×108個、6.2×108個若しくは約6.2×108個、6.3×108個若しくは約6.3×108個、6.4×108個若しくは約6.4×108個、6.5×108個若しくは約6.5×108個、6.6×108個若しくは約6.6×108個、6.7×108個若しくは約6.7×108個、6.8×108個若しくは約6.8×108個、6.9×108個若しくは約6.9×108個、7×108個若しくは約7×108個、7.1×108個若しくは約7.1×108個、7.2×108個若しくは約7.2×108個、7.3×108個若しくは約7.3×108個、7.4×108個若しくは約7.4×108個、7.5×108個若しくは約7.5×108個、7.6×108個若しくは約7.6×108個、7.7×108個若しくは約7.7×108個、7.8×108個若しくは約7.8×108個、7.9×108個若しくは約7.9×108個、8×108個若しくは約8×108個、8.1×108個若しくは約8.1×108個、8.2×108個若しくは約8.2×108個、8.3×108個若しくは約8.3×108個、8.4×108個若しくは約8.4×108個、8.5×108個若しくは約8.5×108個、8.6×108個若しくは約8.6×108個、8.7×108個若しくは約8.7×108個、8.8×108個若しくは約8.8×108個、8.9×108個若しくは約8.9×108個、9×108個若しくは約9×108個、9.1×108個若しくは約9.1×108個、9.2×108個若しくは約9.2×108個、9.3×108個若しくは約9.3×108個、9.4×108個若しくは約9.4×108個、9.5×108個若しくは約9.5×108個、9.6×108個若しくは約9.6×108個、9.7×108個若しくは約9.7×108個、9.8×108個若しくは約9.8×108個、9.9×108個若しくは約9.9×108個又は1×109個若しくは約1×109個のAPC(例えば、PBMCを含む)である。
[00709] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、1×108又は約1×108APC(例えば、PBMCを含む)~3.5×108又は約3.5×108APC(例えば、PBMCを含む)の範囲であり、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、3.5×108又は約3.5×108APC(例えば、PBMCを含む)~1×109又は約1×109APC(例えば、PBMCを含む)の範囲である。
[00710] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、1.5×108又は約1.5×108APC~3×108又は約3×108APC(例えば、PBMCを含む)の範囲であり、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、4×108又は約4×108APC(例えば、PBMCを含む)~7.5×108又は約7.5×108APC(例えば、PBMCを含む)の範囲である。
[00711] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、2×108又は約2×108APC(例えば、PBMCを含む)~2.5×108又は約2.5×108APC(例えば、PBMCを含む)の範囲であり、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、4.5×108又は約4.5×108APC(例えば、PBMCを含む)~5.5×108又は約5.5×108APC(例えば、PBMCを含む)の範囲である。
[00712] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、2.5×108又は約2.5×108APC(例えば、PBMCを含む)であり、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の数は、5×108又は約5×108APC(例えば、PBMCを含む)である。
[00713] 一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目に添加されたAPC(例えば、PBMCを含む)の層数は、第2の急速拡大培養の7日目に添加されたAPC(例えば、PBMCを含む)の層数のおよそ半分である。一定の実施形態において、方法は、第1のTIL集団に第1の初回刺激拡大培養の0日目に抗原提示細胞層を追加すること及び第2のTIL集団に7日目に抗原提示細胞層を追加することを含み、ここで、0日目に添加された抗原提示細胞層の数は、7日目に添加された抗原提示細胞層の数のおよそ50%である。
[00714] 別の実施形態において、第2の急速拡大培養の7日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の層数は、第1の初回刺激拡大培養の0日目に外因的に供給されたAPC(例えば、PBMCを含む)の層数より大きい。
[00715] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、2又は約2細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、4又は約4細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00716] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、1又は約1細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、3又は約3細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00717] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、1.5又は約1.5細胞層~2.5又は約2.5細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、3又は約3細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00718] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、1又は約1細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、2又は約2細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00719] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、1若しくは約1、1.1若しくは約1.1、1.2若しくは約1.2、1.3若しくは約1.3、1.4若しくは約1.4、1.5若しくは約1.5、1.6若しくは約1.6、1.7若しくは約1.7、1.8若しくは約1.8、1.9若しくは約1.9、2若しくは約2、2.1若しくは約2.1、2.2若しくは約2.2、2.3若しくは約2.3、2.4若しくは約2.4、2.5若しくは約2.5、2.6若しくは約2.6、2.7若しくは約2.7、2.8若しくは約2.8、2.9若しくは約2.9又は3若しくは約3細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、3.1若しくは約3.1、3.2若しくは約3.2、3.3若しくは約3.3、3.4若しくは約3.4、3.5若しくは約3.5、3.6若しくは約3.6、3.7若しくは約3.7、3.8若しくは約3.8、3.9若しくは約3.9、4若しくは約4、4.1若しくは約4.1、4.2若しくは約4.2、4.3若しくは約4.3、4.4若しくは約4.4、4.5若しくは約4.5、4.6若しくは約4.6、4.7若しくは約4.7、4.8若しくは約4.8、4.9若しくは約4.9、5若しくは約5、5.1若しくは約5.1、5.2若しくは約5.2、5.3若しくは約5.3、5.4若しくは約5.4、5.5若しくは約5.5、5.6若しくは約5.6、5.7若しくは約5.7、5.8若しくは約5.8、5.9若しくは約5.9、6若しくは約6、6.1若しくは約6.1、6.2若しくは約6.2、6.3若しくは約6.3、6.4若しくは約6.4、6.5若しくは約6.5、6.6若しくは約6.6、6.7若しくは約6.7、6.8若しくは約6.8、6.9若しくは約6.9、7若しくは約7、7.1若しくは約7.1、7.2若しくは約7.2、7.3若しくは約7.3、7.4若しくは約7.4、7.5若しくは約7.5、7.6若しくは約7.6、7.7若しくは約7.7、7.8若しくは約7.8、7.9若しくは約7.9又は8若しくは約8細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00720] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、1又は約1細胞層~2又は約2細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、3又は約3細胞層~10又は約10細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00721] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、2又は約2細胞層~3又は約3細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、4又は約4細胞層~8又は約8細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00722] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、2又は約2細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、4又は約4細胞層~8又は約8細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00723] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、1若しくは約1、2若しくは約2又は3若しくは約3細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9又は10若しくは約10細胞層の平均厚さを有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われる。
[00724] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:10又は約1:10の範囲である。
[00725] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:8又は約1:8の範囲である。
[00726] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:7又は約1:7の範囲である。
[00727] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:6又は約1:6の範囲である。
[00728] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:5又は約1:5の範囲である。
[00729] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:4又は約1:4の範囲である。
[00730] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:3又は約1:3の範囲である。
[00731] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:2又は約1:2の範囲である。
[00732] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.2又は約1:1.2~1:8又は約1:8の範囲である。
[00733] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.3又は約1:1.3~1:7又は約1:7の範囲である。
[00734] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.4又は約1:1.4~1:6又は約1:6の範囲である。
[00735] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.5又は約1:1.5~1:5又は約1:5の範囲である。
[00736] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.6又は約1:1.6~1:4又は約1:4の範囲である。
[00737] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.7又は約1:1.7~1:3.5又は約1:3.5の範囲である。
[00738] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.8又は約1:1.8~1:3又は約1:3の範囲である。
[00739] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.9又は約1:1.9~1:2.5又は約1:2.5の範囲である。
[00740] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:2又は約1:2である。
[00741] 別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の0日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と等しい第1の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、第2の急速拡大培養の7日目は、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数と等しい第2の厚さ平均を有する層状APC(例えば、PBMCを含む)の存在下で行われ、ここで、APC(例えば、PBMCを含む)の第1の層数と、APC(例えば、PBMCを含む)の第2の層数との比は、1:1.1若しくは約1:1.1、1:1.2若しくは約1:1.2、1:1.3若しくは約1:1.3、1:1.4若しくは約1:1.4、1:1.5若しくは約1:1.5、1:1.6若しくは約1:1.6、1:1.7若しくは約1:1.7、1:1.8若しくは約1:1.8、1:1.9若しくは約1:1.9、1:2若しくは約1:2、1:2.1若しくは約1:2.1、1:2.2若しくは約1:2.2、1:2.3若しくは約1:2.3、1:2.4若しくは約1:2.4、1:2.5若しくは約1:2.5、1:2.6若しくは約1:2.6、1:2.7若しくは約1:2.7、1:2.8若しくは約1:2.8、1:2.9若しくは約1:2.9、1:3若しくは約1:3、1:3.1若しくは約1:3.1、1:3.2若しくは約1:3.2、1:3.3若しくは約1:3.3、1:3.4若しくは約1:3.4、1:3.5若しくは約1:3.5、1:3.6若しくは約1:3.6、1:3.7若しくは約1:3.7、1:3.8若しくは約1:3.8、1:3.9若しくは約1:3.9、1:4若しくは約1:4、1:4.1若しくは約1:4.1、1:4.2若しくは約1:4.2、1:4.3若しくは約1:4.3、1:4.4若しくは約1:4.4、1:4.5若しくは約1:4.5、1:4.6若しくは約1:4.6、1:4.7若しくは約1:4.7、1:4.8若しくは約1:4.8、1:4.9若しくは約1:4.9、1:5若しくは約1:5、1:5.1若しくは約1:5.1、1:5.2若しくは約1:5.2、1:5.3若しくは約1:5.3、1:5.4若しくは約1:5.4、1:5.5若しくは約1:5.5、1:5.6若しくは約1:5.6、1:5.7若しくは約1:5.7、1:5.8若しくは約1:5.8、1:5.9若しくは約1:5.9、1:6若しくは約1:6、1:6.1若しくは約1:6.1、1:6.2若しくは約1:6.2、1:6.3若しくは約1:6.3、1:6.4若しくは約1:6.4、1:6.5若しくは約1:6.5、1:6.6若しくは約1:6.6、1:6.7若しくは約1:6.7、1:6.8若しくは約1:6.8、1:6.9若しくは約1:6.9、1:7若しくは約1:7、1:7.1若しくは約1:7.1、1:7.2若しくは約1:7.2、1:7.3若しくは約1:7.3、1:7.4若しくは約1:7.4、1:7.5若しくは約1:7.5、1:7.6若しくは約1:7.6、1:7.7若しくは約1:7.7、1:7.8若しくは約1:7.8、1:7.9若しくは約1:7.9、1:8若しくは約1:8、1:8.1若しくは約1:8.1、1:8.2若しくは約1:8.2、1:8.3若しくは約1:8.3、1:8.4若しくは約1:8.4、1:8.5若しくは約1:8.5、1:8.6若しくは約1:8.6、1:8.7若しくは約1:8.7、1:8.8若しくは約1:8.8、1:8.9若しくは約1:8.9、1:9若しくは約1:9、1:9.1若しくは約1:9.1、1:9.2若しくは約1:9.2、1:9.3若しくは約1:9.3、1:9.4若しくは約1:9.4、1:9.5若しくは約1:9.5、1:9.6若しくは約1:9.6、1:9.7若しくは約1:9.7、1:9.8若しくは約1:9.8、1:9.9若しくは約1:9.9又は1:10若しくは約1:10である。
[00742] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養におけるAPCの数は、約1.0×106APC/cm2~約4.5×106APC/cm2の範囲であり、第2の急速拡大培養におけるAPCの数は、約2.5×106APC/cm2~約7.5×106APC/cm2の範囲である。
[00743] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養におけるAPCの数は、約1.5×106APC/cm2~約3.5×106APC/cm2の範囲であり、第2の急速拡大培養におけるAPCの数は、約3.5×106APC/cm2~約6.0×106APC/cm2の範囲である。
[00744] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養におけるAPCの数は、約2.0×106APC/cm2~約3.0×106APC/cm2の範囲であり、第2の急速拡大培養におけるAPCの数は、約4.0×106APC/cm2~約5.5×106APC/cm2の範囲である。
H.任意選択の細胞培地成分
1.抗CD3抗体
[00745] 一部の実施形態において、本明細書に記載の拡大培養方法で使用される培養培地(例えば、図1を参照されたい(特に例えば図1B及び/又は図1C))は、抗CD3抗体を含む。抗CD3抗体をIL-2と併用すると、TIL集団においてT細胞活性化及び細胞分裂が誘導される。この効果は完全長抗体並びにFab及びF(ab’)2断片で見ることができ、前者が概して好ましい;例えば、Tsoukas et al., J. Immunol. 1985, 135, 1719(参照により全体として本明細書に援用される)を参照されたい。
[00746] 当業者が理解し得る通り、本発明において使用が見出される好適な抗ヒトCD3抗体は、限定はされないが、ネズミ科動物、ヒト、霊長類、ラット及びイヌ科動物抗体を含めた、様々な哺乳類からの抗ヒトCD3ポリクローナル及びモノクローナル抗体を含め、幾つも存在する。詳細な実施形態において、OKT3抗CD3抗体が使用される(Ortho-McNeil、Raritan, NJ又はMiltenyi Biotech、Auburn, CAから市販されている)。
2.4-1BB(CD137)アゴニスト
[00747] 一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養及び/又は第2の急速拡大培養の細胞培養培地は、TNFRSFアゴニストを含む。一実施形態において、TNFRSFアゴニストは、4-1BB(CD137)アゴニストである。4-1BBアゴニストは、当技術分野で公知の任意の4-1BB結合分子であり得る。4-1BB結合分子は、ヒト又は哺乳類4-1BBに結合できるモノクローナル抗体又は融合タンパク質であり得る。4-1BBアゴニスト又は4-1BB結合分子は、免疫グロブリン分子の任意のアイソタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスの免疫グロブリン重鎖を含み得る。4-1BBアゴニスト又は4-1BB結合分子は、重鎖及び軽鎖の両方を有し得る。本明細書で使用される場合、結合分子という用語は、抗体(全長抗体を含む)、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト、ヒト化又はキメラ抗体並びに抗体断片、例えば、Fab断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーにより産生される断片、上記のいずれかのエピトープ結合断片及び4-1BBに結合する抗体の操作された形態、例えばscFv分子も含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、完全ヒト抗体である抗原結合タンパク質である。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ヒト化抗体である抗原結合タンパク質である。一部の実施形態において、本開示の方法及び組成物における使用のための4-1BBアゴニストは、抗4-1BB抗体、ヒト抗4-1BB抗体、マウス抗4-1BB抗体、哺乳動物抗4-1BB抗体、モノクローナル抗4-1BB抗体、ポリクローナル抗4-1BB抗体、キメラ抗4-1BB抗体、抗4-1BBアドネクチン、抗4-1BBドメイン抗体、単鎖抗4-1BB断片、重鎖抗4-1BB断片、軽鎖抗4-1BB断片、抗4-1BB融合タンパク質及びそれらの断片、誘導体、コンジュゲート、変異体若しくはバイオシミラーを含む。アゴニスト性抗4-1BB抗体は、強い免疫応答を誘導することが知られている。Lee, et al., PLOS One 2013, 8, e69677。好ましい実施形態において、4-1BBアゴニストは、アゴニスト性、抗4-1BBヒト化又は完全ヒトモノクローナル抗体(即ち単一細胞株に由来する抗体)である。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、EU-101(Eutilex Co. Ltd.)、ウトミルマブ若しくはウレルマブ又はそれらの断片、誘導体、コンジュゲート、変異体若しくはバイオシミラーである。好ましい一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ウトミルマブ又はウレルマブ又はそれらの断片、誘導体、コンジュゲート、変異体若しくはバイオシミラーである。
[00748] 好ましい実施形態において、4-1BBアゴニスト又は4-1BB結合分子は、融合タンパク質でもあり得る。好ましい実施形態において、三量体又は六量体4-1BBアゴニスト(3つ又は6つのリガンド結合ドメインを有する)などの多量体4-1BBアゴニストは、典型的には2つのリガンド結合ドメインを保有するアゴニスト性モノクローナル抗体と比較して、優れた受容体(4-1BBL)のクラスター化及び内部細胞シグナル伝達複合体形成を誘導し得る。3つのTNFRSF結合ドメイン及びIgG1-Fcを含み、任意選択によりこれらの融合タンパク質の2つ以上を更に連結する、三量体(三価)又は六量体(又は六価)又はそれより大きい融合タンパク質は、例えば、Gieffers, et al., Mol.Cancer Therapeutics 2013, 12, 2735-47に記載される。
[00749] アゴニスト性4-1BB抗体及び融合タンパク質は、強い免疫応答を誘導することが知られている。好ましい実施形態において、4-1BBアゴニストは、毒性を低減するのに十分な方法で4-1BB抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、4-1BBアゴニストは、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、例えばNK細胞の細胞傷害性を抑制する、アゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、4-1BBアゴニストは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を抑制する、アゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、4-1BBアゴニストは、補体依存性細胞毒性(CDC)を抑制する、アゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、4-1BBアゴニストは、Fc領域機能性を抑制する、アゴニスト性4-1BBモノクローナル抗体又は融合タンパク質である。
[00750] 一部の実施形態において、4-1BBアゴニストは、高い親和性及びアゴニスト活性でヒト4-1BB(配列番号9)に結合することを特徴とする。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ヒト4-1BB(配列番号9)に結合する結合分子である。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、マウス4-1BB(配列番号10)に結合する結合分子である。4-1BBアゴニスト又は結合分子が結合する4-1BB抗原のアミノ酸配列を表6に概括する。
[00751] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約100pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約90pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約80pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約70pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約60pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約50pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約40pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、又は約30pM以下のKDでヒト又はマウス4-1BBに結合する、4-1BBアゴニストを含む。
[00752] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約7.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約7.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約8×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約8.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約9×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約9.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、又は約1×106 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウス4-1BBに結合する、4-1BBアゴニストを含む。
[00753] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約2×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.1×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.2×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.3×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.4×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.5×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.6×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、又は約2.7×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.8×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2.9×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合するか、又は約3×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウス4-1BBに結合する、4-1BBアゴニストを含む。
[00754] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約10nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約9nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約8nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約7nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約6nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約5nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約4nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約3nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、約2nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合するか、又は約1nM以下のIC50でヒト又はマウス4-1BBに結合する、4-1BBアゴニストを含む。
[00755] 好ましい実施形態において、4-1BBアゴニストは、PF-05082566又はMOR-7480としても知られるウトミルマブ又はその断片、誘導体、変異体若しくはバイオシミラーである。ウトミルマブはPfizer, Inc.から入手できる。ウトミルマブは、免疫グロブリンG2-ラムダ、抗[ヒト(Homo sapiens)TNFRSF9(腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー9、4-1BB、T細胞抗原ILA、CD137)]、ヒト(Homo sapiens)(完全ヒト)モノクローナル抗体である。ウトミルマブのアミノ酸配列を表7に示す。ウトミルマブは、Asn59及びAsn292のグリコシル化部位;位置22-96(VH-VL)、143-199(CH1-CL)、256-316(CH2)及び362-420(CH3)の重鎖内ジスルフィド架橋;位置22’-87’(VH-VL)及び136’-195’(CH1-CL)の軽鎖内ジスルフィド架橋;IgG2Aアイソフォーム位置218-218、219-219、222-222及び225-225、IgG2A/Bアイソフォーム位置218-130、219-219、222-222及び225-225並びにIgG2Bアイソフォーム位置219-130(2)、222-222及び225-225の鎖内重鎖-重鎖ジスルフィド架橋;IgG2Aアイソフォーム位置130-213’(2)、IgG2A/Bアイソフォーム位置218-213’及び130-213’並びにIgG2Bアイソフォーム位置218-213’(2)の鎖内重鎖-軽鎖ジスルフィド架橋を含む。ウトミルマブ並びにその変異体及び断片の調製並びに特性は、米国特許第8,821,867号;第8,337,850号;及び第9,468,678号並びに国際公開第2012/032433 A1号に記載され、これらのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。ウトミルマブの前臨床的特徴は、Fisher, et al., Cancer Immunolog. & Immunother.2012, 61, 1721-33に記載される。様々な血液学的及び固形腫瘍の適応症におけるウトミルマブの現在の臨床試験には、米国国立衛生研究所Clinicaltrials.gov識別子NCT02444793、NCT01307267、NCT02315066及びNCT02554812が含まれる。
[00756] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、配列番号11で示される重鎖及び配列番号12で示される軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号11及び配列番号12に示される配列を有する重鎖及び軽鎖又は抗原結合断片、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、それらの変異体若しくはコンジュゲートを含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号11及び配列番号12に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号11及び配列番号12に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号11及び配列番号12に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号11及び配列番号12に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号11及び配列番号12に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一である重鎖及び軽鎖を含む。
[00757] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ウトミルマブの重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号13に示される配列を含み、4-1BBアゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号14に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含むscFv抗体を含む。
[00758] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号15、配列番号16及び配列番号17に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号18、配列番号19及び配列番号20に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにそれらの保存的アミノ酸置換を含む。
[00759] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ウトミルマブに関して薬物規制当局によって承認された4-1BBアゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含む4-1BB抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウトミルマブである。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出された4-1BBアゴニスト抗体であり、4-1BBアゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウトミルマブである。4-1BBアゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウトミルマブである。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウトミルマブである。
[00760] 好ましい実施形態において、4-1BBアゴニストは、BMS-663513及び20H4.9.h4aとしても知られるモノクローナル抗体ウレルマブ又はその断片、誘導体、変異体若しくはバイオシミラーである。ウレルマブは、Bristol-Myers Squibb, Inc.及びCreative Biolabs, Inc.から入手できる。ウレルマブは、免疫グロブリンG4-カッパ、抗[ヒト(Homo sapiens)TNFRSF9(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9、4-1BB、T細胞抗原ILA、CD137)]、ヒト(Homo sapiens)(完全ヒト)モノクローナル抗体である。ウレルマブのアミノ酸配列を表EEに示す。ウレルマブは、位置298(及び298’’)のN-グリコシル化部位;位置22-95(VH-VL)、148-204(CH1-CL)、262-322(CH2)及び368-426(CH3)(並びに位置22’’-95’’、148’’-204’’、262’’-322’’及び368’’-426’’)の重鎖内ジスルフィド架橋;位置23’-88’(VH-VL)及び136’-196’(CH1-CL)(並びに位置23’’’-88’’’及び136’’’-196’’’)の軽鎖内ジスルフィド架橋;位置227-227’’及び230-230’’の鎖内重鎖-重鎖ジスルフィド架橋;並びに位置135-216’及び135’’-216’’’の鎖内重鎖-軽鎖ジスルフィド架橋を含む。ウレルマブ並びにその変異体及び断片の調製及び特性は、米国特許第7,288,638号及び第8,962,804号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。ウレルマブの前臨床的及び臨床的特徴は、http:/dx.doi.org/ 10.1158/1078-0432.CCR-16-1272で入手可能なSegal, et al., Clin.Cancer Res.2016に記載される。様々な血液学的及び固形腫瘍の適応症におけるウレルマブの現在の臨床試験には、米国国立衛生研究所Clinicaltrials.gov識別子NCT01775631、NCT02110082、NCT02253992及びNCT01471210が含まれる。
[00761] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、配列番号21で示される重鎖及び配列番号22で示される軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号21及び配列番号22に示される配列を有する重鎖及び軽鎖又は抗原結合断片、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、それらの変異体若しくはコンジュゲートを含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号21及び配列番号22に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号21及び配列番号22に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号21及び配列番号22に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号21及び配列番号22に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号21及び配列番号22に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一である重鎖及び軽鎖を含む。
[00762] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ウレルマブの重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号23に示される配列を含み、4-1BBアゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号24に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含むscFv抗体を含む。
[00763] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、それぞれ配列番号25、配列番号26及び配列番号27に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号28、配列番号29及び配列番号30に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換を含む。
[00764] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、ウレルマブに関して薬物規制当局によって承認された4-1BBアゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含む4-1BB抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウレルマブである。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出された4-1BBアゴニスト抗体であり、4-1BBアゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウレルマブである。4-1BBアゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウレルマブである。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はウレルマブである。
[00765] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、1D8、3Elor、4B4(BioLegend 309809)、H4-1BB-M127(BD Pharmingen 552532)、BBK2(Thermo Fisher MS621PABX)、145501(Leinco Technologies B591)、ATCC番号HB-11248として寄託され、米国特許第6,974,863号に開示されている細胞株によって産生される抗体、5F4(BioLegend 31 1503)、C65-485(BD Pharmingen 559446)、米国特許出願公開第2005/0095244号に開示されている抗体、米国特許第7,288,638号に開示されている抗体(20H4.9-IgGl(BMS-663031)など)、同第6,887,673号に開示されている抗体(4E9又はBMS-554271など)、同第7,214,493号に開示されている抗体、同第6,303,121号に開示されている抗体、同第6,569,997号に開示されている抗体、同第6,905,685号に開示されている抗体(4E9又はBMS-554271など)、同第6,362,325号に開示されている抗体(1D8又はBMS-469492;3H3又はBMS-469497;又は3Elなど)、同第6,974,863号に開示されている抗体(53A2など);同第6,210,669号に開示されている抗体(1D8、3B8又は3E1など)、同第5,928,893号に記載されている抗体、同第6,303,121号に開示されている抗体、同第6,569,997号に開示されている抗体、国際公開第2012/177788号、同第2015/119923号及び同第2010/042433号に開示されている抗体並びにそれらの断片、誘導体、コンジュゲート、変異体又はバイオシミラー、からなる群から選択され、ここで、前述の特許又は特許出願公開のそれぞれの開示は、参照により本明細書に援用される。
[00766] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、国際公開第2008/025516 A1号、同第2009/007120 A1号、同第2010/003766 A1号、同第2010/010051 A1号及び同第2010/078966 A1号;米国特許出願公開第2011/0027218 A1号、同第2015/0126709 A1号、同第2011/0111494 A1号、同第2015/0110734 A1号及び同第2015/0126710 A1号;並びに米国特許第9,359,420号、同第9,340,599号、同第8,921,519号及び同第8,450,460号に記載されている4-1BBアゴニスト性融合タンパク質であり、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00767] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、図58に提供されるように、構造I-A(C末端Fc抗体断片融合タンパク質)又は構造I-B(N末端Fc抗体断片融合タンパク質)に示される4-1BBアゴニスト性融合タンパク質又はその断片、誘導体、コンジュゲート、変異体若しくはバイオシミラーである。構造I-A及びI-Bにおいて、円柱は個々のポリペプチド結合ドメインを指す。構造I-A及びI-Bは、例えば、4-1BBL(4-1BBリガンド、CD137リガンド(CD137L)若しくは腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー9(TNFSF9))又は4-1BBに結合する抗体に由来する3つの直鎖状に連結されたTNFRSF結合ドメインを含み、これは折り畳まれて三価タンパク質を形成し、次いで、IgG1-Fc(CH3及びCH2ドメインを含む)を介して第2の三価タンパク質に連結され、次いで、これはジスルフィド結合(小さい細長い楕円形)を介して2つの三価タンパク質を連結するために使用され、構造を安定化し、6つの受容体の細胞内シグナル伝達ドメイン及びシグナル伝達タンパク質をあわせてシグナル伝達複合体を形成できるアゴニストを提供する。円柱として示されるTNFRSF結合ドメインは、例えば、親水性残基並びに柔軟性のためのGly及びSer配列並びに溶解性のためのGlu及びLysを含み得るリンカーにより接続されたVH及びVL鎖を含む、scFvドメインであり得る。de Marco, Microbial Cell Factories, 2011, 10, 44;Ahmad, et al., Clin. & Dev.Immunol.2012, 980250;Monnier, et al., Antibodies, 2013, 2, 193-208;又は本明細書の別の箇所に組み込まれた参考文献に記載されているものなどの任意のscFvドメイン設計が使用され得る。この形態の融合タンパク質構造は、米国特許第9,359,420号、同第9,340,599号、同第8,921,519号及び同第8,450,460号に記載されており、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00768] 構造I-Aの他のポリペプチドドメインのアミノ酸配列を表9に示す。Fcドメインは、好ましくは、完全定常ドメイン(配列番号31のアミノ酸17~230)、完全ヒンジドメイン(配列番号31のアミノ酸1~16)又はヒンジドメインの一部(例えば、配列番号31のアミノ酸4~16)を含む。C末端Fc抗体を接続するための好ましいリンカーは、追加的ポリペプチドの融合に適したリンカーを含む、配列番号32~配列番号41に示される実施形態から選択され得る。
[00769] 構造I-Bの他のポリペプチドドメインのアミノ酸配列を表10に示す。構造I-BのようにFc抗体断片がTNRFSF融合タンパク質のN末端に融合される場合、Fcモジュールの配列は好ましくは配列番号42に示されるものであり、リンカー配列は好ましくは配列番号43~配列番号45に示される実施形態から選択される。
[00770] 一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、ウトミルマブの可変重鎖及び可変軽鎖、ウレルマブの可変重鎖及び可変軽鎖、ウトミルマブの可変重鎖及び可変軽鎖、表10に記載されている可変重鎖及び可変軽鎖から選択される可変重鎖及び可変軽鎖、上記の可変重鎖及び可変軽鎖の任意の組み合わせ並びにその断片、誘導体、コンジュゲート、変異体及びバイオシミラーからなる群から選択される1つ以上の4-1BB結合ドメインを含む。
[00771] 一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、4-1BBL配列を含む1つ以上の4-1BB結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、配列番号46による配列を含む1つ以上の4-1BB結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、可溶性4-1BBL配列を含む1つ以上の4-1BB結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、配列番号47による配列を含む1つ以上の4-1BB結合ドメインを含む。
[00772] 一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号13及び配列番号14に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上の4-1BB結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号23及び配列番号24に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上の4-1BB結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-Bによる4-1BBアゴニスト融合タンパク質は、表11に示されるVH及びVL配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上の4-1BB結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。
[00773] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、(i)第1の可溶性4-1BB結合ドメイン、(ii)第1のペプチドリンカー、(iii)第2の可溶性4-1BB結合ドメイン、(iv)第2のペプチドリンカー、及び(v)第3の可溶性4-1BB結合ドメインを含む4-1BBアゴニスト性単鎖融合ポリペプチドであり、N末端及び/又はC末端に追加のドメインを更に含み、ここで、追加のドメインは、Fab又はFc断片ドメインである。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、(i)第1の可溶性4-1BB結合ドメイン、(ii)第1のペプチドリンカー、(iii)第2の可溶性4-1BB結合ドメイン、(iv)第2のペプチドリンカー、及び(v)第3の可溶性4-1BB結合ドメインを含む4-1BBアゴニスト性単鎖融合ポリペプチドであり、N末端及び/又はC末端に追加のドメインを更に含み、ここで、追加のドメインは、Fab又はFc断片ドメインであり、可溶性4-1BBドメインのそれぞれは、ストーク領域(三量体化に寄与し、細胞膜まで一定の距離を提供するが、4-1BB結合ドメインの一部ではない)を欠き、第1及び第2のペプチドリンカーは、独立して3~8アミノ酸長を有する。
[00774] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、(i)第1の可溶性腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーサイトカインドメイン、(ii)第1のペプチドリンカー、(iii)第2の可溶性TNFスーパーファミリーサイトカインドメイン、(iv)第2のペプチドリンカー、及び(v)第3の可溶性TNFスーパーファミリーサイトカインドメインを含む4-1BBアゴニスト性単鎖融合ポリペプチドであり、ここで、可溶性TNFスーパーファミリーサイトカインドメインのそれぞれは、ストーク領域を欠き、第1及び第2のペプチドリンカーは、独立して3~8アミノ酸長を有し、各TNFスーパーファミリーサイトカインドメインは4-1BB結合ドメインである。
[00775] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、前述のVLドメインのいずれかに連結された前述のVHドメインのいずれかを含む4-1BBアゴニスト性scFv抗体である。
[00776] 一実施形態において、4-1BBアゴニストは、BPS Bioscience4-1BBアゴニスト抗体カタログ番号79097-2であり、これはBPS Bioscience, San Diego, CA, USAから市販されている。一実施形態において、4-1BBアゴニストは、Creative Biolabs4-1BBアゴニスト抗体カタログ番号MOM-18179であり、これはCreative Biolabs, Shirley, NY, USAから市販されている。
3.OX40(CD134)アゴニスト
[00777] 一実施形態において、TNFRSFアゴニストは、OX40(CD134)アゴニストである。OX40アゴニストは、当技術分野で公知の任意のOX40結合分子であり得る。OX40結合分子は、ヒト又は哺乳類OX40に結合できるモノクローナル抗体又は融合タンパク質であり得る。OX40アゴニスト又はOX40結合分子は、免疫グロブリン分子の任意のアイソタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)又はサブクラスの免疫グロブリン重鎖を含み得る。OX40アゴニスト又はOX40結合分子は、重鎖及び軽鎖の両方を有し得る。本明細書で使用される場合、結合分子という用語は、抗体(全長抗体を含む)、モノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト、ヒト化又はキメラ抗体並びに抗体断片、例えば、Fab断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーにより産生される断片、上記のいずれかのエピトープ結合断片及びOX40に結合する抗体の操作された形態、例えばscFv分子も含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、完全ヒト抗体である抗原結合タンパク質である。一実施形態において、OX40アゴニストは、ヒト化抗体である抗原結合タンパク質である。一部の実施形態において、本開示の方法及び組成物における使用のためのOX40アゴニストは、抗OX40抗体、ヒト抗OX40抗体、マウス抗OX40抗体、哺乳動物抗OX40抗体、モノクローナル抗OX40抗体、ポリクローナル抗OX40抗体、キメラ抗OX40抗体、抗OX40アドネクチン、抗OX40ドメイン抗体、単鎖抗OX40断片、重鎖抗OX40断片、軽鎖抗OX40断片、抗OX40融合タンパク質及びそれらの断片、誘導体、コンジュゲート、変異体若しくはバイオシミラーを含む。好ましい実施形態において、OX40アゴニストは、アゴニスト性、抗OX40ヒト化又は完全ヒトモノクローナル抗体(即ち単一細胞株に由来する抗体)である。
[00778] 好ましい実施形態において、OX40アゴニスト又はOX40結合分子は、融合タンパク質でもあり得る。OX40Lに融合したFcドメインを含むOX40融合タンパク質は、例えば、Sadun, et al., J. Immunother.2009, 182, 1481-89に記載されている。好ましい実施形態において、三量体又は六量体OX40アゴニスト(3つ又は6つのリガンド結合ドメインを有する)などの多量体OX40アゴニストは、典型的には2つのリガンド結合ドメインを保有するアゴニスト性モノクローナル抗体と比較して、優れた受容体(OX40L)のクラスター化及び内部細胞シグナル伝達複合体形成を誘導し得る。3つのTNFRSF結合ドメイン及びIgG1-Fcを含み、任意選択によりこれらの融合タンパク質の2つ以上を更に連結する、三量体(三価)又は六量体(又は六価)又はそれより大きい融合タンパク質は、例えば、Gieffers, et al., Mol.Cancer Therapeutics 2013, 12, 2735-47に記載される。
[00779] アゴニスト性OX40抗体及び融合タンパク質は、強い免疫応答を誘発することが知られている。Curti, et al., Cancer Res.2013, 73, 7189-98。好ましい実施形態において、OX40アゴニストは、毒性を低減するのに十分な方法でOX40抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)、例えばNK細胞の細胞傷害性を抑制する、アゴニスト性OX40モノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を抑制する、アゴニスト性OX40モノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、補体依存性細胞毒性(CDC)を抑制する、アゴニスト性OX40モノクローナル抗体又は融合タンパク質である。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、Fc領域機能性を抑制する、アゴニスト性OX40モノクローナル抗体又は融合タンパク質である。
[00780] 一部の実施形態において、OX40アゴニストは、高い親和性及びアゴニスト活性でヒトOX40(配列番号54)に結合することを特徴とする。一実施形態において、OX40アゴニストは、ヒトOX40(配列番号54)に結合する結合分子である。一実施形態において、OX40アゴニストは、マウスOX40(配列番号55)に結合する結合分子である。OX40アゴニスト又は結合分子が結合するOX40抗原のアミノ酸配列を表12に概括する。
[00781] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約100pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、約90pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、約80pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、約70pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、約60pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、約50pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、約40pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合するか、又は約30pM以下のKDでヒト又はマウスOX40に結合する、OX40アゴニストを含む。
[00782] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約7.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約7.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約8×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約8.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約9×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約9.5×105 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合するか、又は約1×106 1/M・s以上のkassocでヒト又はマウスOX40に結合する、OX40アゴニストを含む。
[00783] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約2×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.1×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.2×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.3×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.4×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.5×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.6×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、又は約2.7×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.8×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、約2.9×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合するか、又は約3×10-5 1/s以下のkdissocでヒト又はマウスOX40に結合する、OX40アゴニストを含む。
[00784] 一部の実施形態において、記載される組成物、プロセス及び方法は、約10nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約9nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約8nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約7nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約6nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約5nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約4nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約3nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、約2nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合するか、又は約1nM以下のIC50でヒト又はマウスOX40に結合する、OX40アゴニストを含む。
[00785] 一部の実施形態において、OX40アゴニストは、MEDI0562又はMEDI-0562としても知られるタボリキシズマブである。タボリキシズマブは、AstraZeneca, Incの子会社MedImmuneから入手できる。タボリキシズマブは、免疫グロブリンG1-カッパ、抗[ヒト(Homo sapiens)TNFRSF4(腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー4、OX40、CD134)]、ヒト化及びキメラモノクローナル抗体である。タボリキシズマブのアミノ酸配列を表13に示す。タボリキシズマブは、フコシル化複合二分岐CHO型グリカンを伴い位置301及び301’’のN-グリコシル化部位;位置22-95(VH-VL)、148-204(CH1-CL)、265-325(CH2)及び371-429(CH3)(並びに位置22’’-95’’、148’’-204’’、265’’-325’’及び371’’-429’’)の重鎖内ジスルフィド架橋;位置23’-88’(VH-VL)及び134’-194’(CH1-CL)(並びに位置23’’’-88’’’及び134’’’-194’’’)の軽鎖内ジスルフィド架橋;位置230-230’’及び233-233’’の鎖内重鎖-重鎖ジスルフィド架橋;並びに位置224-214’及び224’’-214’’’の鎖内重鎖-軽鎖ジスルフィド架橋を含む。様々な固形腫瘍の適応症におけるタボリキシズマブの現在の臨床試験には、米国国立衛生研究所Clinicaltrials.gov識別子NCT02318394及びNCT02705482が含まれる。
[00786] 一実施形態において、OX40アゴニストは、配列番号56で示される重鎖及び配列番号57で示される軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号56及び配列番号57に示される配列を有する重鎖及び軽鎖又は抗原結合断片、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、それらの変異体若しくはコンジュゲートを含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号56及び配列番号57に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号56及び配列番号57に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号56及び配列番号57に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号56及び配列番号57に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号56及び配列番号57に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一である重鎖及び軽鎖を含む。
[00787] 一実施形態において、OX40アゴニストは、タボリキシズマブの重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、OX40アゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号58に示される配列を含み、OX40アゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号59に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含むscFv抗体を含む。
[00788] 一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号60、配列番号61及び配列番号62に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号63、配列番号64及び配列番号65に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換を含む。
[00789] 一実施形態において、OX40アゴニストは、タボリキシズマブに関して薬物規制当局によって承認されたOX40アゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含むOX40抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤はタボリキシズマブである。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出されたOX40アゴニスト抗体であり、OX40アゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤はタボリキシズマブである。OX40アゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はタボリキシズマブである。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はタボリキシズマブである。
[00790] 一部の実施形態において、OX40アゴニストは11D4であり、これはPfizer, Inc.から入手可能な完全ヒト抗体である。11D4の調製及び特性は、米国特許第7,960,515号;同第8,236,930号;及び同第9,028,824号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。11D4のアミノ酸配列を表14に示す。
[00791] 一実施形態において、OX40アゴニストは、配列番号66で示される重鎖及び配列番号67で示される軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号66及び配列番号67に示される配列を有する重鎖及び軽鎖又は抗原結合断片、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、それらの変異体若しくはコンジュゲートを含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号66及び配列番号67に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号66及び配列番号67に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号66及び配列番号67に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号66及び配列番号67に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号66及び配列番号67に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一である重鎖及び軽鎖を含む。
[00792] 一実施形態において、OX40アゴニストは、11D4の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、OX40アゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号68に示される配列を含み、OX40アゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号69に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号68及び配列番号69に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号68及び配列番号69に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号68及び配列番号69に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号68及び配列番号69に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号68及び配列番号69に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。
[00793] 一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号70、配列番号71及び配列番号72に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号73、配列番号74及び配列番号75に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換を含む。
[00794] 一実施形態において、OX40アゴニストは、11D4に関して薬物規制当局によって承認されたOX40アゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含むOX40抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤は11D4である。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出されたOX40アゴニスト抗体であり、OX40アゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤は11D4である。OX40アゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤は11D4である。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤は11D4である。
[00795] 一部の実施形態において、OX40アゴニストは18D8であり、これはPfizer, Inc.から入手可能な完全ヒト抗体である。18D8の調製及び特性は、米国特許第7,960,515号;同第8,236,930号;及び同第9,028,824号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。18D8のアミノ酸配列を表15に示す。
[00796] 一実施形態において、OX40アゴニストは、配列番号76で示される重鎖及び配列番号77で示される軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号76及び配列番号77に示される配列を有する重鎖及び軽鎖又は抗原結合断片、Fab断片、単鎖可変断片(scFv)、それらの変異体若しくはコンジュゲートを含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号76及び配列番号77に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号76及び配列番号77に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号76及び配列番号77に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号76及び配列番号77に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一である重鎖及び軽鎖を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号76及び配列番号77に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一である重鎖及び軽鎖を含む。
[00797] 一実施形態において、OX40アゴニストは、18D8の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、OX40アゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号78に示される配列を含み、OX40アゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号79に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号78及び配列番号79に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号78及び配列番号79に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号78及び配列番号79に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号78及び配列番号79に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号78及び配列番号79に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。
[00798] 一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号80、配列番号81及び配列番号82に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号83、配列番号84及び配列番号85に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換を含む。
[00799] 一実施形態において、OX40アゴニストは、18D8に関して薬物規制当局によって承認されたOX40アゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含むOX40抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤は18D8である。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出されたOX40アゴニスト抗体であり、OX40アゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤は18D8である。OX40アゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤は18D8である。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤は18D8である。
[00800] 一部の実施形態において、OX40アゴニストはHu119-122であり、これはGlaxoSmithKline plc.から入手可能なヒト化抗体である。Hu119-122の調製及び特性は、米国特許第9,006,399号及び同第9,163,085号並びに国際公開第2012/027328号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。Hu119-122のアミノ酸配列を表16に示す。
[00801] 一実施形態において、OX40アゴニストは、Hu119-122の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、OX40アゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号86に示される配列を含み、OX40アゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号87に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号86及び配列番号87に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号86及び配列番号87に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号86及び配列番号87に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号86及び配列番号87に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号86及び配列番号87に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。
[00802] 一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号88、配列番号89及び配列番号90に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号91、配列番号92及び配列番号93に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換を含む。
[00803] 一実施形態において、OX40アゴニストは、Hu119-122に関して薬物規制当局によって承認されたOX40アゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含むOX40抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu119-122である。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出されたOX40アゴニスト抗体であり、OX40アゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu119-122である。OX40アゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu119-122である。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu119-122である。
[00804] 一部の実施形態において、OX40アゴニストはHu106-222であり、これはGlaxoSmithKline PLC.から入手可能なヒト化抗体である。Hu106-222の調製及び特性は、米国特許第9,006,399号及び同第9,163,085号並びに国際公開第2012/027328号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。Hu106-222のアミノ酸配列を表17に示す。
[00805] 一実施形態において、OX40アゴニストは、Hu106-222の重鎖及び軽鎖CDR又は可変領域(VR)を含む。一実施形態において、OX40アゴニスト重鎖可変領域(VH)は配列番号94に示される配列を含み、OX40アゴニスト軽鎖可変領域(VL)は配列番号95に示される配列及びその保存的アミノ酸置換を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号94及び配列番号95に示される配列とそれぞれ少なくとも99%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号94及び配列番号95に示される配列とそれぞれ少なくとも98%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号94及び配列番号95に示される配列とそれぞれ少なくとも97%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号94及び配列番号95に示される配列とそれぞれ少なくとも96%同一であるVH及びVL領域を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号94及び配列番号95に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含む。
[00806] 一実施形態において、OX40アゴニストは、それぞれ配列番号96、配列番号97及び配列番号98に記載の配列を有する重鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換並びにそれぞれ配列番号99、配列番号100及び配列番号101に記載の配列を有する軽鎖CDR1、CDR2及びCDR3ドメイン並びにその保存的アミノ酸置換を含む。
[00807] 一実施形態において、OX40アゴニストは、Hu106-222に関して薬物規制当局によって承認されたOX40アゴニストバイオシミラーモノクローナル抗体である。一実施形態において、バイオシミラーモノクローナル抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤のアミノ酸配列に対して少なくとも97%の配列同一性、例えば97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有し、参照医薬品又は参照生物学的製剤と比較して1つ以上の翻訳後改変を含む、アミノ酸配列を含むOX40抗体を含み、ここで、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu106-222である。一部の実施形態において、1つ以上の翻訳後改変は、グリコシル化、酸化、脱アミド化及び切断の1つ以上から選択される。一部の実施形態において、バイオシミラーは、認可された又は認可のために提出されたOX40アゴニスト抗体であり、OX40アゴニスト抗体は、参照医薬品又は参照生物学的製剤の製剤と異なる製剤で提供され、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu106-222である。OX40アゴニスト抗体は、米国FDA及び/又は欧州連合のEMAなどの薬物規制当局によって認可されていることがあり得る。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu106-222である。一部の実施形態において、バイオシミラーは、1つ以上の賦形剤を更に含む組成物として提供され、ここで、1つ以上の賦形剤は、参照医薬品又は参照生物学的製剤に含まれる賦形剤と同一又は異なっており、参照医薬品又は参照生物学的製剤はHu106-222である。
[00808] 一部の実施形態において、OX40アゴニスト抗体はMEDI6469(9B12とも称される)である。MEDI6469はマウスモノクローナル抗体である。Weinberg, et al., J. Immunother.2006, 29, 575-585。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、Weinberg, et al., J. Immunother.2006, 29, 575-585に記載されているように、Biovest Inc.(Malvern, MA, USA)に寄託された、9B12ハイブリドーマによって産生される抗体であり、その開示は参照により全体として本明細書に援用される。一部の実施形態において、抗体は、MEDI6469のCDR配列を含む。一部の実施形態において、抗体は、MEDI6469の重鎖可変領域配列及び/又は軽鎖可変領域配列を含む。
[00809] 一実施形態において、OX40アゴニストは、L106 BD(Pharmingen Product #340420)である。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、抗体L106(BD Pharmingen Product #340420)のCDRを含む。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、抗体L106(BD Pharmingen Product #340420)の重鎖可変領域配列及び/又は軽鎖可変領域配列を含む。一実施形態において、OX40アゴニストはACT35(Santa Cruz Biotechnology、カタログ番号20073)である。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、抗体ACT35(Santa Cruz Biotechnology、カタログ番号20073)のCDRを含む。一部の実施形態において、OX40アゴニストは、抗体ACT35(Santa Cruz Biotechnology、カタログ番号20073)の重鎖可変領域配列及び/又は軽鎖可変領域配列を含む。一実施形態において、OX40アゴニストは、マウスモノクローナル抗体抗mCD134/mOX40(クローンOX86)であり、InVivoMAb, BioXcell Inc, West Lebanon, NHから市販されている。
[00810] 一実施形態において、OX40アゴニストは、国際公開第95/12673号、同第95/21925号、同第2006/121810号、同第2012/027328号、同第2013/028231号、同第2013/038191号及び同第2014/148895号;欧州特許第0672141号;米国特許出願公開第2010/136030号、同第2014/377284号、同第2015/190506号及び同第2015/132288号;並びに米国特許第7,504,101号、同第7,550,140号、同第7,622,444号、同第7,696,175号、同第7,960,515号、同第7,961,515号、同第8,133,983号、同第9,006,399号及び同第9,163,085号(20E5及び12H3を含む)に記載されるOX40アゴニストから選択され、それぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
[00811] 一実施形態において、OX40アゴニストは、構造I-A(C末端Fc抗体断片融合タンパク質)又は構造I-B(N末端Fc抗体断片融合タンパク質)に示されるOX40アゴニスト性融合タンパク質又はその断片、誘導体、コンジュゲート、変異体若しくはバイオシミラーである。構造I-A及びI-Bの特性は、上記並びに米国特許第9,359,420号、同第9,340,599号、同第8,921,519号及び同第8,450,460号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。構造I-Aのポリペプチドドメインのアミノ酸配列を表9に示す。Fcドメインは、好ましくは、完全定常ドメイン(配列番号31のアミノ酸17~230)、完全ヒンジドメイン(配列番号31のアミノ酸1~16)又はヒンジドメインの一部(例えば、配列番号31のアミノ酸4~16)を含む。C末端Fc抗体を接続するための好ましいリンカーは、追加的ポリペプチドの融合に適したリンカーを含む、配列番号32~配列番号41に示される実施形態から選択され得る。同様に、構造I-Bのポリペプチドドメインのアミノ酸配列を表10に示す。構造I-BのようにFc抗体断片がTNRFSF融合タンパク質のN末端に融合される場合、Fcモジュールの配列は好ましくは配列番号42に示されるものであり、リンカー配列は好ましくは配列番号43~配列番号45に示される実施形態から選択される。
[00812] 一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、タボリキシズマブの可変重鎖及び可変軽鎖、11D4の可変重鎖及び可変軽鎖、18D8の可変重鎖及び可変軽鎖、Hu119-122の可変重鎖及び可変軽鎖、Hu106-222の可変重鎖及び可変軽鎖、表17に記載されている可変重鎖及び可変軽鎖から選択される可変重鎖及び可変軽鎖、上記の可変重鎖及び可変軽鎖の任意の組み合わせ並びにそれらの断片、誘導体、コンジュゲート、変異体及びバイオシミラーからなる群から選択される1つ以上のOX40結合ドメインを含む。
[00813] 一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、OX40L配列を含む1つ以上のOX40結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、配列番号102による配列を含む1つ以上のOX40結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、可溶性OX40L配列を含む1つ以上のOX40結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、配列番号103による配列を含む1つ以上のOX40結合ドメインを含む。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、配列番号104による配列を含む1つ以上のOX40結合ドメインを含む。
[00814] 一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号58及び配列番号59に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上のOX40結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号68及び配列番号69に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上のOX40結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号78及び配列番号79に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上のOX40結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号86及び配列番号87に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上のOX40結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、それぞれ配列番号94及び配列番号95に示される配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上のOX40結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。一実施形態において、構造I-A又はI-BによるOX40アゴニスト融合タンパク質は、表14に示されるVH及びVL配列とそれぞれ少なくとも95%同一であるVH及びVL領域を含むscFvドメインである1つ以上のOX40結合ドメインを含み、ここで、VH及びVLドメインはリンカーによって接続されている。
[00815] 一実施形態において、OX40アゴニストは、(i)第1の可溶性OX40結合ドメイン、(ii)第1のペプチドリンカー、(iii)第2の可溶性OX40結合ドメイン、(iv)第2のペプチドリンカー、及び(v)第3の可溶性OX40結合ドメインを含むOX40アゴニスト性単鎖融合ポリペプチドであり、N末端及び/又はC末端に追加のドメインを更に含み、ここで、追加のドメインは、Fab又はFc断片ドメインである。一実施形態において、OX40アゴニストは、(i)第1の可溶性OX40結合ドメイン、(ii)第1のペプチドリンカー、(iii)第2の可溶性OX40結合ドメイン、(iv)第2のペプチドリンカー、及び(v)第3の可溶性OX40結合ドメインを含むOX40アゴニスト性単鎖融合ポリペプチドであり、N末端及び/又はC末端に追加のドメインを更に含み、ここで、追加のドメインは、Fab又はFc断片ドメインであり、可溶性OX40結合ドメインのそれぞれは、ストーク領域(三量体化に寄与し、細胞膜まで一定の距離を提供するが、OX40結合ドメインの一部ではない)を欠き、第1及び第2のペプチドリンカーは、独立して3~8アミノ酸長を有する。
[00816] 一実施形態において、OX40アゴニストは、(i)第1の可溶性腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーサイトカインドメイン、(ii)第1のペプチドリンカー、(iii)第2の可溶性TNFスーパーファミリーサイトカインドメイン、(iv)第2のペプチドリンカー、及び(v)第3の可溶性TNFスーパーファミリーサイトカインドメインを含むOX40アゴニスト性単鎖融合ポリペプチドであり、ここで、可溶性TNFスーパーファミリーサイトカインドメインのそれぞれは、ストーク領域を欠き、第1及び第2のペプチドリンカーは、独立して3~8アミノ酸長を有し、TNFスーパーファミリーサイトカインドメインはOX40結合ドメインである。
[00817] 一部の実施形態において、OX40アゴニストはMEDI6383である。MEDI6383はOX40アゴニスト性融合タンパク質であり、米国特許第6,312,700号に記載されているように調製することができ、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00818] 一実施形態において、OX40アゴニストは、前述のVLドメインのいずれかに連結された前述のVHドメインのいずれかを含むOX40アゴニスト性scFv抗体である。
[00819] 一実施形態において、OX40アゴニストは、Creative BiolabsOX40アゴニストモノクローナル抗体MOM-18455であり、これはCreative Biolabs, Inc., Shirley, NY, USAから市販されている。
[00820] 一実施形態において、OX40アゴニストは、BioLegend, Inc., San Diego, CA, USAから市販されているOX40アゴニスト性抗体クローンBer-ACT35である。
I.任意選択の細胞生存率分析
[00821] 任意選択で、第1の初回刺激拡大培養(初めのバルク拡大培養と称されることがある)後、当技術分野において公知の標準アッセイを用いて細胞生存率アッセイを実施することができる。したがって、特定の実施形態において、方法は、第1の初回刺激拡大培養に続いて細胞生存率アッセイを実施することを含む。例えば、バルクTILのサンプルに対してトリパンブルー色素排除アッセイを行うことができ、これは死細胞を選択的に標識して生存率の評価を可能にするものである。生存率の試験に用いられる他のアッセイとしては、限定はされないが、アラマーブルーアッセイ;及びMTTアッセイを挙げることができる。
1.細胞数、生存率、フローサイトメトリー
[00822] 一部の実施形態において、細胞数及び/又は生存率が測定される。限定はされないが、CD3、CD4、CD8及びCD56などのマーカー並びに本明細書に開示又は記載される任意の他のものの発現を抗体によるフローサイトメトリー、例えば限定はされないが、FACSCanto(商標)フローサイトメーター(BD Biosciences)を使用してBD Bio-sciences(BD Biosciences、San Jose, CA)から市販されているものによって測定することができる。細胞は、ディスポーザブルc-chip血球計算盤(VWR、Batavia, IL)を使用して手動でカウントすることができ、及び生存率は、限定はされないがトリパンブルー染色を含め、当技術分野において公知の任意の方法を用いて評価することができる。細胞生存率は、参照によりその全体が本明細書に援用される米国特許出願第15/863,634号に基づいてアッセイすることもできる。細胞生存率は、米国特許出願公開第2018/0280436号又は国際公開第2018/081473号に基づいてアッセイすることもでき、これらは、両方とも全ての目的のためにその全体が本明細書に援用される。
[00823] ある場合には、バルクTIL集団は、以下で考察するプロトコルを用いて直ちに凍結保存することができる。代わりに、バルクTIL集団は、以下で考察する通り、REPに供し、次に凍結保存することができる。同様に、療法において遺伝子修飾TILが使用されることになる場合、バルク又はREP TIL集団を好適な処置のための遺伝子修飾に供することができる。
2.細胞培養
[00824] 一実施形態において、TILの拡大培養方法は、上記で考察され、図1、特に例えば図1B及び/又は図1Cで例示されているものを含み、約5,000mL~約25,000mLの細胞培地、約5,000mL~約10,000mLの細胞培地又は約5,800mL~約8,700mLの細胞培地を使用することを含み得る。一部の実施形態において、培地は無血清培地である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の培地は無血清である。一部の実施形態において、第2の拡大培養の培地は無血清である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養及び第2の拡大培養(第2の急速拡大培養とも称される)における培地は両方、無血清である。一実施形態において、TIL数の拡大には1種類以下の細胞培養培地が使用される。任意の好適な細胞培養培地は、例えば、AIM-V細胞培地(L-グルタミン、50μM硫酸ストレプトマイシン及び10μM硫酸ゲンタマイシン)細胞培養培地(Invitrogen、Carlsbad CA)を使用し得る。この点に関して、本発明の方法では有利には、TIL数の拡大に必要な培地の量及び培地の種類の数が減少する。一実施形態において、TIL数の拡大は、2日又は3日おき以下の頻度で細胞をフィードすることを含み得る。ガス透過性容器内の細胞数を増やすことは、細胞を拡大培養するのに必要なフィード頻度を減らすことによって細胞数を増やすのに必要な手順を単純化する。
[00825] 一実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培養培地は濾過されていない。濾過されていない細胞培地の使用は、細胞数を拡大培養させるために必要な手順を単純化し得る。一実施形態において、第1及び/又は第2のガス透過性容器内の細胞培地は、ベータ-メルカプトエタノール(BME)を欠いている。
[00826] 一実施形態において、方法の期間は、哺乳動物から腫瘍組織サンプルを入手すること;腫瘍組織サンプルを、IL-2、1X抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む細胞培地を含有する第1のガス透過性容器中で、約1~8日間、例えば、約8日間、第1の初回刺激拡大培養として培養すること;TILを第2のガス透過性容器に移すこと、及びTILの数を、IL-2、2X抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む細胞培地を含有する第2のガス透過性容器中で、約7~9日間、例えば、約7日間、約8日間又は約9日間、拡大することを含む。
[00827] 一実施形態において、方法の期間は、哺乳動物から腫瘍組織サンプルを入手すること;腫瘍組織サンプルを、IL-2、1X抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む細胞培地を含有する第1のガス透過性容器中で、約1~7日間、例えば、約7日間、第1の初回刺激拡大培養として培養すること;TILを第2のガス透過性容器に移すこと、及びTILの数を、IL-2、2X抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む細胞培地を含有する第2のガス透過性容器中で、約7~9日間、例えば、約7日間、約8日間又は約9日間、拡大することを含む。
[00828] 一実施形態において、方法の期間は、哺乳動物から腫瘍組織サンプルを入手すること;腫瘍組織サンプルを、IL-2、1X抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む細胞培地を含有する第1のガス透過性容器中で、約1~7日間、例えば、約7日間、第1の初回刺激拡大培養として培養すること;TILを第2のガス透過性容器に移すこと、及びTILの数を、IL-2、2X抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む細胞培地を含有する第2のガス透過性容器中で、約7~10日間、例えば、約7日間、約8日間、約9日間又は約10日間、拡大することを含む。
[00829] 一実施形態において、TILはガス透過性容器内で拡大培養する。ガス透過性容器は、米国特許出願公開第2005/0106717 A1号(この開示は参照により本明細書に援用される)に記載されるものを含め、当技術分野において公知の方法、組成物及び装置を用いたPBMCを使用したTILの拡大培養に用いられている。一実施形態において、TILはガス透過性バッグ内で拡大培養される。一実施形態において、TILは、Xuri Cell Expansion System W25(GE Healthcare)など、ガス透過性バッグ内でTILを拡大培養する細胞拡大培養システムを使用して拡大培養される。一実施形態において、TILは、Xuri Cell Expansion System W5(GE Healthcare)としても知られるWAVE Bioreactor Systemなど、ガス透過性バッグ内でTILを拡大培養する細胞拡大培養システムを使用して拡大培養される。一実施形態において、細胞拡大培養システムは、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mL、約1L、約2L、約3L、約4L、約5L、約6L、約7L、約8L、約9L及び約10Lからなる群から選択される容積を有するガス透過性細胞バッグを含む。
[00830] 一実施形態において、TILはG-Rexフラスコ(Wilson Wolf Manufacturingから市販されている)において拡大培養することができる。そのような実施形態は、細胞集団が約5×105細胞/cm2から10×106~30×106細胞/cm2に拡大培養することを可能にする。一実施形態において、これは、フィードなしである。一実施形態において、これは、G-Rexフラスコ内に約10cmの高さの培地がある限りフィードなしである。一実施形態において、これにフィードはないが、1つ以上のサイトカインが加えられる。一実施形態において、サイトカインを培地と混合する必要なく、サイトカインをボーラスとして添加することができる。かかる容器、装置及び方法は、当技術分野において公知で、TILの拡大培養に用いられており、米国特許出願公開第2014/0377739A1号、国際公開第2014/210036 A1号、米国特許出願公開第2013/0115617 A1号、国際公開第2013/188427 A1号、米国特許出願公開第2011/0136228 A1号、米国特許第8,809,050 B2号、国際公開第2011/072088 A2号、米国特許出願公開第2016/0208216 A1号、米国特許出願公開第2012/0244133 A1号、国際公開第2012/129201 A1号、米国特許出願公開第2013/0102075 A1号、米国特許第8,956,860 B2号、国際公開第2013/173835 A1号、米国特許出願公開第2015/0175966 A1号(これらの開示は参照により本明細書に援用される)に記載されるものが含まれる。かかるプロセスは、Jin et al., J. Immunotherapy, 2012, 35:283-292にも記載されている。
J.任意選択のTIL遺伝子改変
[00831] 一部の実施形態において、本発明の拡大培養されたTILは、一過性の方法でタンパク質発現を変化させるために、それぞれ本明細書で提供されるように、閉鎖無菌製造プロセス中を含む、拡大培養ステップ前、その間又はその後に更に操作される。一部の実施形態において、一過性に変化したタンパク質発現は、一過性の遺伝子編集によるものである。一部の実施形態において、本発明の拡大培養されたTILは、転写因子(TF)及び/又はTILにおけるタンパク質発現を一過性に変化させることができる他の分子で処置される。一部の実施形態において、TF及び/又はタンパク質発現を一過性に変化させることができる他の分子は、腫瘍抗原の発現の変化及び/又はTIL集団における腫瘍抗原特異的T細胞の数の変化を提供する。
[00832] 特定の実施形態において、方法は、TIL集団を遺伝子編集することを含む。特定の実施形態において、方法は、第1のTIL集団、第2のTIL集団及び/又は第3のTIL集団を遺伝子編集することを含む。
[00833] 一態様では、TILの集団を遺伝子改変する方法は、直交性サイトカイン受容体の産生のための操作可能な遺伝子モジュールを導入するステップを含む。一部の実施形態において、操作可能な遺伝子モジュールは、直交性IL-2Rβを産生する。一部の態様では、方法は、TIL集団を遺伝子改変して、直交性サイトカイン受容体を産生する方法をさらに含む。一部の態様では、直交性サイトカイン受容体は、IL-2Rβである。
[00834] 一部の態様では、直交性サイトカイン受容体IL-2Rβは、ガンマレトロウイルス又はレンチウイルス法により、第1のTIL集団、第2のTIL集団若しくは回収されたTIL集団又はそれらの組み合わせに挿入される。
[00835] 一部の実施形態において、本発明は、1つ以上のタンパク質の発現の促進又は1つ以上のタンパク質の発現の阻害及び1セットのタンパク質の促進と、別のセットのタンパク質の阻害との両方の同時の組み合わせのための、TIL集団への、メッセンジャーRNA(mRNA)又は小分子(短鎖)干渉RNA(siRNA)の挿入を含む、リボ核酸(RNA)挿入などのヌクレオチド挿入による遺伝子編集を含む。
[00836] 一部の実施形態において、本発明の拡大培養されたTILは、タンパク質発現の一過性の変化を受ける。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、第1の拡大培養前に、例えば、例えば図1(特に図1B及び/又は図1C)に示されるステップAから得られる、TIL集団におけるものを含む、バルクTIL集団で発生する。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、例えば、例えば図1(例えば、図1B及び/又は図1C)に示されるステップBで、拡大培養されるTIL集団におけるものを含む、第1の拡大培養中に発生する。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、例えば、第1と第2の拡大培養中の移行中のTIL集団(例えば、本明細書に記載の第2のTIL集団)、図1に示される、例えばステップBから取得され、ステップCに含まれるTIL集団におけるものを含む、第1の拡大培養後に発生する。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、例えば、例えばステップCから得られる、TIL集団におけるものを含む、第2の拡大培養前及び図1に示されるステップDにおけるその拡大培養前にバルクTIL集団で発生する。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、例えば、例えば図1に示されるステップDで、拡大培養されるTIL集団(例えば、第3のTIL集団)におけるものを含む、第2の拡大培養中に発生する。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、例えば、例えば図1に示されるステップDにおける、拡大培養から得られるTIL集団におけるものを含む、第2の拡大培養後に発生する。
[00837] 一実施形態において、TIL集団におけるタンパク質発現を一過性に変化させる方法は、エレクトロポレーションのステップを含む。エレクトロポレーション法は、当技術分野で公知であり、例えば、Tsong, Biophys. J. 1991, 60, 297-306及び米国特許出願公開第2014/0227237 A1号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TIL集団におけるタンパク質発現を一過性に変化させる方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションのステップを含む。リン酸カルシウムトランスフェクション法(リン酸カルシウムDNA沈殿、細胞表面コーティング及びエンドサイトーシス)は、当技術分野で公知であり、例えば、Graham and van der Eb, Virology 1973, 52, 456-467;Wigler, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 1979, 76, 1373-1376;及びChen and Okayarea, Mol. Cell. Biol. 1987, 7, 2745-2752;並びに米国特許第5,593,875号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TIL集団におけるタンパク質発現を一過性に変化させる方法は、リポソームトランスフェクションのステップを含む。濾過水中のカチオン性脂質N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-n,n,n-トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA)及びジオレオイルホスフォチジルエタノールアミン(DOPE)の1:1(w/w)リポソーム製剤を使用する方法などのリポソームトランスフェクション法は、当技術分野で公知であり、例えば、Rose, et al., Biotechniques 1991, 10, 520-525及びFelgner, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1987, 84, 7413-7417並びに米国特許第5,279,833号;同第5,908,635号;同第6,056,938号;同第6,110,490号;同第6,534,484号;及び同第7,687,070号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TIL集団におけるタンパク質発現を一過性に変化させる方法は、米国特許第5,766,902号;同第6,025,337号;同第6,410,517号;同第6,475,994号;及び同第7,189,705号(そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される)に記載される方法を使用したトランスフェクションのステップを含む。
[00838] 別の態様では、TILは、直交性サイトカイン受容体を発現するように操作され得る。直交性サイトカイン受容体は、直交性サイトカインに特異的に結合するように設計される。直交性サイトカインは、対応する操作された(直交性)受容体に特異的に結合する。結合すると、直交性受容体は、天然の細胞要素を介して伝達されるシグナル伝達を活性化して、その天然の応答を模倣する生物学的活性を提供するが、これは、直交性受容体を発現する操作された細胞に特異的なものである。直交性受容体は、直交性サイトカインの天然の対応物を含む内因性の対応するサイトカインに結合しない一方、直交性サイトカインは、直交性受容体の天然の対応物を含むいかなる内因性受容体にも結合しない。一部の実施形態において、直交性受容体に対する直交性サイトカインの親和性は、天然受容体に対する天然サイトカインの親和性と同等である。
[00839] 直交性サイトカイン受容体は、上記の方法のいずれか又は当技術分野で公知の任意の方法によってTILに導入され得る。
[00840] 特定の実施形態において、方法は、直交性サイトカイン受容体を発現するようにTIL集団を遺伝的に編集することを含む。特定の実施形態において、方法は、TIL、MIL及び/又はPBLの第1の集団、TILの第2の集団及び/又はTILの第3の集団を遺伝子編集して、直交性サイトカイン受容体を発現させることを含む。一態様では、直交性サイトカイン受容体は、IL-2Rβである。別の態様では、直交性サイトカイン受容体は、CD122である。
[00841] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、ステムメモリーT細胞(TSCM)の増加をもたらす。TSCMは、抗原経験のあるセントラルメモリーT細胞の初期の前駆細胞である。TSCMは、一般に、幹細胞を定義する長期生存、自己再生及び多能性能力を示し、効果的なTIL産物の生成に一般的に望ましい。TSCMは、養子細胞移入のマウスモデルで他のT細胞サブセットと比較して強化された抗腫瘍活性を示している(Gattinoni et al. Nat Med 2009, 2011;Gattinoni, Nature Rev. Cancer, 2012;Cieri et al. Blood 2013)。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、高い割合のTSCMを含む組成物を伴うTIL集団をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%のTSCMパーセンテージの増加をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIL集団における、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍又は10倍のTSCMの増加をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%のTSCMを伴うTIL集団をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%のTSCMを伴う治療用TIL集団をもたらす。
[00842] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、抗原経験のあるT細胞の若返りをもたらす。一部の実施形態において、若返りには、例えば、増殖の増加、T細胞活性化の増加及び/又は抗原認識の増加が含まれる。
[00843] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、腫瘍由来のTCRレパートリーを保存するために、T細胞の大部分における発現を変化させる。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、腫瘍由来のTCRレパートリーを変化させない。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、腫瘍由来のTCRレパートリーを維持する。
[00844] 一部の実施形態において、タンパク質の一過性の変化は、特定の遺伝子の変化した発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1(PDCD1又はCC279とも称される)、TGFBR2、CCR4/5、CBLB(CBL-B)、CISH、CCR(キメラ共刺激受容体)、IL-2、IL-12、IL-15、IL-21、NOTCH 1/2 ICD、TIM3、LAG3、TIGIT、TGFβ、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR1、CXCR2、CSCR3、CCL2(MCP-1)、CCL3(MIP-1α)、CCL4(MIP1-β)、CCL5(RANTES)、CXCL1/CXCL8、CCL22、CCL17、CXCL1/CXCL8、VHL、CD44、PIK3CD、SOCS1及び/又はcAMPプロテインキナーゼA(PKA)を含むが、これらに限定されない遺伝子を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、TGFBR2、CCR4/5、CBLB(CBL-B)、CISH、CCR(キメラ共刺激受容体)、IL-2、IL-12、IL-15、IL-21、NOTCH 1/2 ICD、TIM3、LAG3、TIGIT、TGFβ、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR1、CXCR2、CSCR3、CCL2(MCP-1)、CCL3(MIP-1α)、CCL4(MIP1-β)、CCL5(RANTES)、CXCL1/CXCL8、CCL22、CCL17、CXCL1/CXCL8、VHL、CD44、PIK3CD、SOCS1及び/又はcAMPプロテインキナーゼA(PKA)からなる群から選択される遺伝子を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TGFBR2を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR4/5を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CBLBを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CISHを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR(キメラ共刺激受容体)を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、IL-2を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、IL-12を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、IL-15を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、IL-21を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、NOTCH 1/2 ICDを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIM3を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、LAG3を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIGITを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TGFβを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR1を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR2を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR4を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR5を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CXCR1を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CXCR2を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CSCR3を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCL2(MCP-1)を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCL3(MIP-1α)を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCL4(MIP1-β)を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCL5(RANTES)を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CXCL1を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CXCL8を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCL22を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCL17を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、VHLを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CD44を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PIK3CDを標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、SOCS1を標的とする。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、cAMPプロテインキナーゼA(PKA)を標的とする。
[00845] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、ケモカイン受容体の増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、一過性のタンパク質発現によって過剰発現されるケモカイン受容体は、CCL2(MCP-1)、CCL3(MIP-1α)、CCL4(MIP1-β)、CCL5(RANTES)、CXCL1、CXCL8、CCL22及び/又はCCL17を含むが、これらに限定されないリガンドを有する受容体を含む。
[00846] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、CTLA-4、TIM-3、LAG-3、TIGIT、TGFβR2及び/又はTGFβの減少及び/又は発現低下をもたらす(例えば、TGFβ経路の遮断をもたらすことを含む)。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CBLB(CBL-B)の減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CISHの減少及び/又は発現低下をもたらす。
[00847] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、例えば、腫瘍部位へのTIL輸送又は移動を改善するために、ケモカイン受容体の増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR(キメラ共刺激受容体)の増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CCR1、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR1、CXCR2及び/又はCSCR3からなる群から選択されるケモカイン受容体の増加及び/又は過剰発現をもたらす。
[00848] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、インターロイキンの増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、IL-2、IL-12、IL-15及び/又はIL-21からなる群から選択されるインターロイキンの増加及び/又は過剰発現をもたらす。
[00849] 別の態様では、タンパク質発現の一過性の変化は、操作された(直交性)インターロイキンの増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の態様では、タンパク質発現の一過性の変化は、直交性IL-2、直交性IL-12、直交性IL-15及び/又は直交性IL-21からなる群から選択される直交性インターロイキンの増加及び/又は過剰発現をもたらす。
[00850] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、NOTCH 1/2 ICDの増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、VHLの増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CD44の増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PIK3CDの増加及び/又は過剰発現をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、SOCS1の増加及び/又は過剰発現をもたらす。
[00851] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、cAMPプロテインキナーゼA(PKA)の減少及び/又は発現低下をもたらす。
[00852] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される1つの分子及びそれらの組み合わせの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される2つの分子及びそれらの組み合わせの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1と、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される1つの分子及びそれらの組み合わせとの、減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、LAG-3、CISH、CBLB、TIM3及びそれらの組み合わせの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1と、LAG-3、CISH、CBLB、TIM3及びそれらの組み合わせの1つとの、減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1及びLAG3の減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1及びCISHの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1及びCBLBの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、LAG3及びCISHの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、LAG3及びCBLBの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、CISH及びCBLBの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIM3及びPD-1の減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIM3及びLAG3の減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIM3及びCISHの減少及び/又は発現低下をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、TIM3及びCBLBの減少及び/又は発現低下をもたらす。
[00853] 一部の実施形態において、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR2、CXCR3、CX3CR1及びそれらの組み合わせからなる群から選択される接着分子は、ガンマレトロウイルス又はレンチウイルス法により、第1のTIL集団、第2のTIL集団又は回収されたTIL集団に挿入される(例えば、接着分子の発現が増加する)。
[00854] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される1つの分子及びそれらの組み合わせの減少及び/又は発現低下並びにCCR2、CCR4、CCR5、CXCR2、CXCR3、CX3CR1及びそれらの組み合わせの増加及び/又は発現の増強をもたらす。一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、PD-1、LAG3、TIM3、CISH、CBLBからなる群から選択される1つの分子及びそれらの組み合わせの減少及び/又は発現低下並びにCCR2、CCR4、CCR5、CXCR2、CXCR3、CX3CR1及びそれらの組み合わせの増加及び/又は発現の増強をもたらす。
[00855] 一部の実施形態において、約5%、約10%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約80%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約85%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約90%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約99%の発現の低下が存在する。
[00856] 一部の実施形態において、約5%、約10%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約85%、約90%又は約95%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約80%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約85%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約90%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約95%の発現の増加が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約99%の発現の増加が存在する。
[00857] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、転写因子(TF)及び/又はTILにおけるタンパク質発現を一過性に変化させることができる他の分子でのTILの処置によって誘導される。一部の実施形態において、SQZベクターを含まないマイクロ流体プラットフォームは、転写因子(TF)及び/又はタンパク質発現を一過性に変化させることができる他の分子の細胞内送達のために使用される。転写因子を含むタンパク質を、T細胞を含む様々な初代ヒト細胞に送達する能力を実証するそのような方法(Sharei et al. PNAS 2013並びにSharei et al. PLOS ONE 2015及びGreisbeck et al. J. Immunology vol. 195, 2015)が説明されている。例えば、国際公開第2013/059343A1号、国際公開第2017/008063A1号及び国際公開第2017/123663A1号(これらの全ては、その全体が参照により本明細書に援用される)を参照されたい。国際公開第2013/059343A1号、国際公開第2017/008063A1号及び国際公開第2017/123663A1号に記載されるそのような方法は、転写因子(TF)及び/又は一過性のタンパク質発現を誘導することができる他の分子にTIL集団を曝露するために、本発明と共に使用することができ、ここで、前記TF及び/又は一過性のタンパク質発現を誘導することができる他の分子は、腫瘍抗原の発現の増加及び/又はTIL集団における腫瘍抗原特異的T細胞の数の増加を提供し、従ってTIL集団の再プログラミング及び再プログラミングされたTIL集団の治療効果の再プログラミングされていないTIL集団と比較した増加をもたらす。一部の実施形態において、再プログラミングは、本明細書に記載されるように、TILの開始集団又は前の(即ち再プログラミング前の)集団と比較して、エフェクターT細胞及び/又はセントラルメモリーT細胞の増加したサブ集団をもたらす。
[00858] 一部の実施形態において、転写因子(TF)は、TCF-1、NOTCH 1/2 ICD及び/又はMYBを含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、転写因子(TF)は、TCF-1である。一部の実施形態において、転写因子(TF)は、NOTCH 1/2 ICDである。一部の実施形態において、転写因子(TF)は、MYBである。一部の実施形態において、転写因子(TF)は、市販のKNOCKOUT血清代替物(Gibco/ThermoFisher)などの人工多能性幹細胞培養物(iPSC)と共に投与されて、追加のTIL再プログラミングを誘導する。一部の実施形態において、転写因子(TF)は、追加のTIL再プログラミングを誘導するために、iPSCカクテルと共に投与される。一部の実施形態において、転写因子(TF)は、iPSCカクテルなしで投与される。一部の実施形態において、再プログラミングは、TSCMのパーセンテージの増加をもたらす。一部の実施形態において、再プログラミングは、TSCMのパーセンテージの約5%、約10%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95% TSCMの増加をもたらす。
[00859] 一部の実施形態において、上記のように一過性に変化するタンパク質発現の方法は、TIL集団を遺伝子改変する方法と組み合わされ得、1つ以上のタンパク質の産生のための遺伝子の安定した組み込みのステップを含む。特定の実施形態において、方法は、TIL集団を遺伝子改変するステップを含む。特定の実施形態において、方法は、第1のTIL集団、第2のTIL集団及び/又は第3のTIL集団を遺伝子改変することを含む。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、レトロウイルス形質導入のステップを含む。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、レンチウイルス形質導入のステップを含む。レンチウイルス形質導入システムは、当技術分野で公知であり、例えば、Levine, et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. 2006, 103, 17372-77;Zufferey, et al., Nat. Biotechnol. 1997, 15, 871-75;Dull, et al., J. Virology 1998, 72, 8463-71及び米国特許第6,627,442号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、ガンマレトロウイルス形質導入のステップを含む。ガンマレトロウイルス形質導入システムは、当技術分野で公知であり、例えば、Cepko and Pear, Cur. Prot. Mol. Biol. 1996, 9.9.1-9.9.16に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、トランスポゾン媒介遺伝子導入のステップを含む。トランスポゾン媒介遺伝子導入システムは、当技術分野で公知であり、トランスポサーゼの長期発現がトランスジェニック細胞では発生しないように、トランスポサーゼがDNA発現ベクターとして又は発現可能なRNA若しくはタンパク質として提供されるシステム、例えば、mRNA(例えば、キャップとポリAテールを含むmRNA)として提供されるトランスポサーゼを含む。SB10、SB11、SB100xなどのサケ科のTel様トランスポサーゼ(SB又はSleeping Beautyトランスポサーゼ)を含む適切なトランスポゾン媒介遺伝子導入システム及び酵素活性が向上した人工酵素は、例えば、Hackett, et al., Mol. Therapy 2010, 18, 674-83及び米国特許第6,489,458号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。
[00860] 一部の実施形態において、タンパク質発現の一過性の変化は、自己送達RNA干渉(sdRNA)によって誘導される発現の低下であり、これは、テトラエチレングリコール(TEG)リンカーを使用してその3’末端でコレステロールにコンジュゲートした20ヌクレオチドのアンチセンス(ガイド)鎖及び13~15塩基のセンス(パッセンジャー)鎖を含む、2’-OH置換(典型的にはフッ素又は-OCH3)の高いパーセンテージを有する化学合成された非対称siRNA二重鎖である。一部の実施形態において、方法は、自己送達RNA干渉(sdRNA)の使用を含む、TIL集団におけるタンパク質発現の一過性の変化を含み、これは、テトラエチレングリコール(TEG)リンカーを使用してその3’末端でコレステロールにコンジュゲートした20ヌクレオチドのアンチセンス(ガイド)鎖及び13~15塩基のセンス(パッセンジャー)鎖を含む、2’-OH置換(典型的にはフッ素又は-OCH3)の高いパーセンテージを有する化学合成された非対称siRNA二重鎖である。sdRNAの使用方法は、Khvorova and Watts, Nat. Biotechnol. 2017, 35, 238-248;Byrne, et al., J. Ocul. Pharmacol. Ther. 2013, 29, 855-864;及びLigtenberg, et al., Mol. Therapy, 2018(近刊)に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TIL集団へのsdRNAの送達は、エレクトロポレーション、SQZ又は他の方法を使用せずに達成され、代わりに、TIL集団が培地中1μM/10,000TILの濃度でsdRNAに曝露される、1~3日の期間を使用する。特定の実施形態において、方法は、TIL集団を、培地中1μM/10,000TILの濃度で、sdRNAに1~3日の期間曝露することを含む、TIL集団へのsdRNAの送達を含む。一実施形態において、TIL集団へのsdRNAの送達は、TIL集団が培地中10μM/10,000TILの濃度でsdRNAに曝露される、1~3日の期間を使用して達成される。一実施形態において、TIL集団へのsdRNAの送達は、TIL集団が培地中50μM/10,000TILの濃度でsdRNAに曝露される、1~3日の期間を使用して達成される。一実施形態において、TIL集団へのsdRNAの送達は、TIL集団が培地中0.1μM/10,000TIL~50μM/10,000TILの濃度でsdRNAに曝露される、1~3日の期間を使用して達成される。一実施形態において、TIL集団へのsdRNAの送達は、TIL集団が培地中0.1μM/10,000TIL~50μM/10,000TILの濃度でsdRNAに曝露される、1~3日の期間を使用して達成され、ここで、sdRNAへの曝露は、培地に新鮮なsdRNAを添加することにより、2、3、4又は5回行われる。他の適切なプロセスは、例えば、米国特許出願公開第2011/0039914 A1号、同第2013/0131141 A1号及び同第2013/0131142 A1号並びに米国特許第9,080,171号に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00861] 一部の実施形態において、sdRNAは製造中にTILの集団に挿入される。一部の実施形態において、sdRNAは、NOTCH 1/2 ICD、PD-1、CTLA-4 TIM-3、LAG-3、TIGIT、TGFβ、TGFBR2、cAMPプロテインキナーゼA(PKA)、BAFF BR3、CISH及び/又はCBLBに干渉するRNAをコードする。一部の実施形態において、発現の低下は、例えば、フローサイトメトリー及び/又はqPCRによって評価されるような遺伝子サイレンシングのパーセンテージに基づいて決定される。一部の実施形態において、約5%、約10%、約10%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約75%、約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約80%、約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約85%、約90%又は約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約80%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約85%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約90%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約95%の発現の低下が存在する。一部の実施形態において、少なくとも約99%の発現の低下が存在する。
[00862] 本明細書に記載されるように、siRNAの化学修飾に基づく自己送達可能なRNAi技術を本発明の方法と共に使用して、sdRNAを問題なくTILに送達することができる。骨格修飾と非対称siRNA構造及び疎水性リガンドの組み合わせ(例えば、Ligtenberg, et al., Mol. Therapy, 2018及び米国特許出願公開第20160304873号を参照されたい)は、sdRNAのヌクレアーゼ安定性を利用して、培養培地に単純に添加することにより、追加の製剤及び方法なしで、sdRNAを培養した哺乳動物細胞に浸透させることを可能にする。この安定性は、単に培地中のsdRNAの活性濃度を維持することで、RNAiを介した標的遺伝子活性の一定レベルの低下のサポートを可能にする。理論に拘束されるものではないが、sdRNAの骨格安定化は、非分裂細胞において数ヶ月間続き得る、遺伝子発現効果の長期低下を提供する。
[00863] 一部の実施形態において、95%を超えるTILのトランスフェクション効率及び様々な特定のsdRNAによる標的の発現の低下が生じる。一部の実施形態において、いくつかの未修飾リボース残基を含有するsdRNAを、完全に修飾された配列で置換して、RNAi効果の効力及び/又は寿命を増加させた。一部の実施形態において、発現効果の低下は、12時間、24時間、36時間、48時間、5日間、6日間、7日間又は8日間以上維持される。一部の実施形態において、発現効果の低下は、TILのsdRNA処置後、10日以上で減少する。一部の実施形態において、標的発現の発現において70%を超える低下が維持される。一部の実施形態において、標的発現の発現において70%を超える低下は維持されたTILである。一部の実施形態において、PD-1/PD-L1経路における発現の減少により、TILがより強力なインビボ効果を示すことが可能となり、これは、一部の実施形態において、PD-1/PD-L1経路の抑制効果の回避による。一部の実施形態において、sdRNAによるPD-1の発現の低下は、TIL増殖の増加をもたらす。
[00864] 低分子干渉RNA(siRNA)は、短鎖干渉RNA又はサイレンシングRNAとして知られる場合もあり、一般に長さが19~25塩基対の二本鎖RNA分子である。siRNAは、相補的なヌクレオチド配列を有する特定の遺伝子の発現に干渉する、RNA干渉(RNAi)で使用される。
[00865] 二本鎖DNA(dsRNA)は、一般にセンス(パッセンジャー)及びアンチセンス(ガイド)鎖であり、一本鎖オーバーハング領域を含み得る、RNAの相補鎖の対を含む任意の分子を定義するために、一般的に使用できる。siRNAと対比されるdsRNAという用語は、ダイサーを含む切断酵素システムの作用により、より大きいdsRNA分子から放出されるsiRNA分子の配列を含む前駆体分子を一般的に指す。
[00866] sdRNA(自己送達可能なRNA)は、細胞に侵入するのに送達ビヒクルを必要とせず、従来のsiRNAと比較して向上した薬理を有する、共有結合修飾されたRNAi化合物の新しいクラスである。「自己送達可能なRNA」又は「sdRNA」は、疎水性修飾されたRNA干渉アンチセンスハイブリッドであり、初代細胞ではインビトロで、局所投与ではインビボで、非常に効果的であることが実証されている。毒性のない強力な取り込み及び/又はサイレンシングが実証されている。sdRNAは、一般に、最小の二本鎖領域を有する、化学的に修飾された非対称の核酸分子である。sdRNA分子は、典型的には、一本鎖領域及び二本鎖領域を含み、分子の一本鎖領域及び二本鎖領域の両方に様々な化学修飾を含み得る。更に、sdRNA分子は、本明細書に記載されるように、従来の及び先端的なステロール型分子などの疎水性コンジュゲートに結合させることができる。sdRNA及びそのようなsdRNAを作製するための関連する方法は、例えば、米国特許出願公開第20160304873号、国際公開第2010033246号、国際公開第2017070151号、国際公開第2009102427号、国際公開第2011119887号、国際公開第2010033247A2号、国際公開第2009045457号、国際公開第2011119852号にも広範に記載され、これら全ては、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。sdRNAの構造、化学、標的位置、配列の優先傾向などを最適化するために、独自のアルゴリズムが開発され、sdRNAの効力予測に利用されている(例えば、米国特許出願公開第20160304873号を参照されたい)。これらの分析に基づいて、機能的sdRNA配列は、一般に、40%を超える確率で、1μMの濃度で70%を超える発現の低下を有すると定義されている。
[00867] 一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、70%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、75%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、80%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、85%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、90%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、95%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、標的遺伝子の発現において、99%の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約0.25μM~約4μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約0.25μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約0.5μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約0.75μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約1.0μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約1.25μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約1.5μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約1.75μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約2.0μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約2.25μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約2.5μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約2.75μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約3.0μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約3.25μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約3.5μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約3.75μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。一部の実施形態において、本発明で使用されるsdRNA配列は、約4.0μMの濃度で送達された場合、標的遺伝子の発現の低下を示す。
[00868] 一部の実施形態において、オリゴヌクレオチド剤は、治療剤の安定性及び/又は有効性を増加させ、処置される細胞又は組織へのオリゴヌクレオチドの効率的な送達をもたらすための、1つ以上の修飾を含む。そのような修飾は、2’-O-メチル修飾、2’-O-フルオロ修飾、ジホスホロチオエート修飾、2’F修飾ヌクレオチド、2’-O-メチル修飾及び/又は2’デオキシヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、例えば、ステロール、コレステロール、ビタミンD、ナフチル、イソブチル、ベンジル、インドール、トリプトファン及び/又はフェニルを含む1つ以上の疎水性修飾を含むように修飾される。更なる特定の実施形態において、化学修飾されたヌクレオチドは、ホスホロチオエート、2’-O-メチル、2’デオキシ、疎水性修飾及びホスホロチオエートの組み合わせである。一部の実施形態において、糖は修飾され得、修飾された糖は、D-リボース、2’-O-アルキル(2’-O-メチル及び2’-O-エチルを含む)、即ち2’-アルコキシ、2’-アミノ、2’-S-アルキル、2’-ハロ(2’-フルオロを含む)、T-メトキシエトキシ、2’-アリルオキシ(-OCH2CH=CH2)、2’-プロパルギル、2’-プロピル、エチニル、エテニル、プロペニル及びシアノなどを含み得るが、これらに限定されない。一実施形態において、糖部分は、ヘキソースであり得、記載されるようにオリゴヌクレオチドに組み込まれる(Augustyns, K., et al., Nucl. Acids. Res. 18:4711 (1992))。
[00869] 一部の実施液体において、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、その全長にわたって二本鎖である、即ち分子のいずれかの末端にオーバーハングする一本鎖配列を有しない、即ち平滑末端である。一部の実施形態において、個々の核酸分子は、異なる長さであり得る。換言すれば、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、その全長にわたって二本鎖ではない。例えば、2つの別個の核酸分子が使用される場合、分子の1つ、例えば、アンチセンス配列を含む第1の分子は、それにハイブリダイズする第2の分子より長いものであり得る(分子の一部が一本鎖のまま残る)。一部の実施形態において、単一の核酸分子が使用される場合、いずれかの末端の分子の一部は一本鎖のままであり得る。
[00870] 一部の実施形態において、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、ミスマッチ及び/又はループ又はバルジを含有するが、オリゴヌクレオチドの長さの少なくとも約70%にわたって二本鎖である。一部の実施形態において、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの長さの少なくとも約80%にわたって二本鎖である。別の実施形態において、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの長さの少なくとも約90%~95%にわたって二本鎖である。一部の実施形態において、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの長さの少なくとも約96%~98%にわたって二本鎖である。一部の実施形態において、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドは、少なくとも又は最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15のミスマッチを含有する。
[00871] 一部の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、例えば、3’又は5’結合を修飾することにより、ヌクレアーゼから実質的に保護され得る(例えば、米国特許第5,849,902号及び国際公開第98/13526号)。例えば、オリゴヌクレオチドは、「ブロッキング基」を含めることによって耐性とすることができる。本明細書で使用される「ブロッキング基」という用語は、合成のための保護基又はカップリング基のいずれかとして、オリゴヌクレオチド又はヌクレオモノマーに結合することができる置換基(例えば、OH基以外)を指す(例えば、FITC、プロピル(CH2-CH2-CH3)、グリコール(-O-CH2-CH2-O-)リン酸(PO3
2+)、ホスホン酸水素又はホスホルアミダイト)。「ブロッキング基」は、修飾ヌクレオチド及び非ヌクレオチドエキソヌクレアーゼ耐性構造を含む、オリゴヌクレオチドの5’及び3’末端を保護する「末端ブロッキング基」又は「エキソヌクレアーゼブロッキング基」も含み得る。
[00872] 一部の実施形態において、sdRNA内の隣接するポリヌクレオチドの少なくとも一部は、置換結合、例えば、ホスホロチオエート結合によって結合される。
[00873] 一部の実施形態において、化学修飾は、少なくとも1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500の細胞取り込みの強化を導き得る。一部の実施形態において、C又はU残基の少なくとも1つは、疎水性修飾を含む。一部の実施形態において、複数のC及びUが疎水性修飾を含む。一部の実施形態において、C及びUの少なくとも10%、15%、20%、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は少なくとも95%が疎水性修飾を含み得る。一部の実施形態において、C及びUの全てが疎水性修飾を含む。
[00874] 一部の実施形態において、sdRNA又はsd-rxRNAは、プロトン化可能なアミンの組み込みにより、sd-rxRNA分子のエンドソーム放出の増強を示す。一部の実施形態において、プロトン化可能なアミンは、センス鎖に組み込まれる(RISC充填後に廃棄される分子の部分において)。一部の実施形態において、本発明のsdRNA化合物は、二重鎖領域(長さが10~15塩基の効率的なRISCエントリーに必要)及び4~12ヌクレオチド長の一本鎖領域と;13ヌクレオチドの二重鎖とを含む、非対称化合物を含む。一部の実施形態において、6ヌクレオチドの一本鎖領域が使用される。一部の実施形態において、sdRNAの一本鎖領域は、2~12個のホスホロチオエートヌクレオチド間結合(ホスホロチオエート修飾と称される)を含む。一部の実施形態において、6~8個のホスホロチオエートヌクレオチド間結合が使用される。一部の実施形態において、本発明のsdRNA化合物は、ユニークな化学修飾パターンも含み、これは、安定性を提供し、RISCエントリーと適合性である。
[00875] 例えば、ガイド鎖は、RISCエントリーに干渉することなく安定性を確認する、任意の化学修飾によっても修飾され得る。一部の実施形態において、ガイド鎖における化学修飾パターンは、2’F修飾されているC及びUヌクレオチドの大部分と、リン酸化されている5’末端とを含む。
[00876] 一部の実施形態において、sdRNA又はsd-rxRNAのヌクレオチドの少なくとも30%が修飾されている。一部の実施形態において、sdRNA又はsd-rxRNAのヌクレオチドの少なくとも30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%が修飾されている。一部の実施形態において、sdRNA又はsd-rxRNAのヌクレオチドの100%が修飾されている。
[00877] 一部の実施形態において、sdRNA分子は、最小の二本鎖領域を有する。一部の実施形態において、二本鎖である分子の領域は、8~15ヌクレオチド長の範囲である。一部の実施形態において、二本鎖である分子の領域は、8、9、10、11、12、13、14又は15ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、二本鎖領域は13ヌクレオチド長である。ガイド鎖とパッセンジャー鎖間には100%の相補性があり得るか、又はガイド鎖とパッセンジャー鎖間に1つ以上のミスマッチがあり得る。一部の実施形態において、二本鎖分子の1つの末端において、分子は、平滑末端であるか、又は1ヌクレオチドのオーバーハングを有する。分子の一本鎖領域は、一部の実施形態において、4~12ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、一本鎖領域は、4、5、6、7、8、9、10、11又は12ヌクレオチド長であり得る。一部の実施形態において、一本鎖領域は、4ヌクレオチド長未満又は12ヌクレオチド長超でもあり得る。特定の実施形態において、一本鎖領域は、6又は7ヌクレオチド長である。
[00878] 一部の実施形態において、sdRNA分子は、増加した安定性を有する。一部の場合、化学修飾されたsdRNA又はsd-rxRNA分子は、任意の中間値を含む、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間又は24時間を超える培地中での半減期を有する。一部の実施形態において、sd-rxRNAは、12時間より長い培地中での半減期を有する。
[00879] 一部の実施形態において、sdRNAは、効力の増加及び/又は毒性の低下のために最適化される。一部の実施形態において、ガイド及び/又はパッセンジャー鎖のヌクレオチド長、及び/又はガイド及び/又はパッセンジャー鎖におけるホスホロチオエート修飾の数は、一部の態様において、RNA分子の効力に影響を与えることができ、一方で、2’-フルオロ(2’F)修飾の2’-O-メチル(2’OMe)修飾による置換は、一部の態様において、分子の毒性に影響を与えることができる。一部の実施形態において、分子の2’F含有量の低減は、分子の毒性を低減すると予測される。一部の実施形態において、RNA分子におけるホスホロチオエート修飾の数は、細胞への分子の取り込み、例えば、細胞への分子の受動的取り込みの効率に影響を及ぼし得る。一部の実施形態において、sdRNAは2’F修飾を有しないが、細胞取り込み及び組織浸透において同等の効力を特徴とする。
[00880] 一部の実施形態において、ガイド鎖は、長さがおよそ18~19ヌクレオチドであり、およそ2~14個のリン酸修飾を有する。例えば、ガイド鎖は、リン酸修飾された2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は14を超えるヌクレオチドを含み得る。ガイド鎖は、RISCエントリーに干渉することなく安定性の向上を付与する1つ以上の修飾を含み得る。ホスホロチオエート修飾ヌクレオチドなどのリン酸修飾ヌクレオチドは、3’末端、5’末端にあるか、又はガイド鎖全体に広がり得る。一部の実施形態において、ガイド鎖の3’末端の10ヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のホスホロチオエート修飾ヌクレオチドを含む。ガイド鎖は、2’F及び/又は2’OMe修飾も含むことができ、これは分子全体に位置し得る。一部の実施形態において、ガイド鎖の1位のヌクレオチド(ガイド鎖の最も5’位のヌクレオチド)は、2’OMe修飾及び/又はリン酸化されている。ガイド鎖内のC及びUヌクレオチドは、2’F修飾され得る。例えば、19ヌクレオチドガイド鎖の2~10位(又は異なる長さのガイド鎖の対応する位置)のC及びUヌクレオチドは、2’F修飾され得る。ガイド鎖内のC及びUヌクレオチドも2’OMe修飾することができる。例えば、19ヌクレオチドガイド鎖の11~18位(又は異なる長さのガイド鎖の対応する位置)のC及びUヌクレオチドは、2’OMe修飾され得る。一部の実施形態において、ガイド鎖の最も3’末端のヌクレオチドは修飾されていない。特定の実施形態において、ガイド鎖内のC及びUの大部分は2’F修飾されており、ガイド鎖の5’末端はリン酸化されている。他の実施形態において、1位及び11~18位のC又はUは2’OMe修飾されており、ガイド鎖の5’末端はリン酸化されている。他の実施形態において、1位及び11~18位のC又はUは2’OMe修飾されており、ガイド鎖の5’末端はリン酸化されており、2~10位のC又はUは2’F修飾されている。
[00881] 自己送達可能なRNAi技術は、追加の製剤又は技術を必要とすることなく、RNAi剤で細胞を直接トランスフェクションする方法を提供する。トランスフェクションが困難な細胞株をトランスフェクトする能力、高いインビボ活性及び使用の単純さは、従来のsiRNAベースの手法と比べて有意な機能的利点を提供する組成物及び方法の特徴であり、従って、sdRNA法は、本発明のTILにおける標的遺伝子の発現を低下させる方法に関するいくつかの実施形態において使用される。sdRNAi法により、化学合成された化合物を、エクスビボ及びインビボの両方で、広範な初代細胞及び組織に直接送達することが可能となる。本明細書の本発明の一部の実施形態に記載されているsdRNAは、Advirna LLC, Worcester, MA, USAから市販されている。
[00882] sdRNAは、疎水的に修飾されたsiRNA-アンチセンスオリゴヌクレオチドハイブリッド構造として形成され、例えば、全体として参照により本明細書に援用されるByrne et al., December 2013, J. Ocular Pharmacology and Therapeutics, 29(10):855-864に開示される。
[00883] 一部の実施形態において、sdRNAオリゴヌクレオチドは、無菌エレクトロポレーションを使用して、本明細書に記載されるTILに送達することができる。特定の実施形態において、方法は、sdRNAオリゴヌクレオチドを送達するためのTIL集団の無菌エレクトロポレーションを含む。
[00884] 一部の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、膜貫通送達システムと組み合わせて細胞に送達することができる。一部の実施形態において、この膜貫通送達システムは、脂質、ウイルスベクターなどを含む。一部の実施形態において、オリゴヌクレオチド剤は、いかなる送達剤も必要としない自己送達RNAi剤である。特定の実施形態において、方法は、sdRNAオリゴヌクレオチドをTIL集団に送達するための膜貫通送達システムの使用を含む。
[00885] オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド組成物は、本明細書に記載のTILと接触し(例えば、接触させ、本明細書では投与又は送達とも称される)、TILにより取り込まれる(TILによる受動的取り込みを含む)。sdRNAは、第1の拡大培養中、例えばステップB、第1の拡大培養後、例えば、ステップC中、第2の拡大培養前又はその間、例えば、ステップD前又はその間、ステップD後且つステップEにおける回収前、ステップFの回収中又はその後、ステップFの最終的な製剤化及び/又は輸注バッグへの移動前又はその間及びステップFのいずれかの任意選択による凍結保存ステップ前に、本明細書に記載されるようにTILに添加することができる。更に、sdRNAは、ステップFの任意の凍結保存ステップから解凍した後に添加することができる。一実施形態において、PD-1、LAG-3、TIM-3、CISH及びCBLBを含む、本明細書に記載の遺伝子を標的とする1つ以上のsdRNAは、100nM~20mM、200nM~10mM、500nm~1mM、1μM~100μM、1μM~100μMからなる群から選択される濃度で、TIL及び他の薬剤を含む細胞培養培地に添加され得る。一実施形態において、PD-1、LAG-3、TIM-3、CISH及びCBLBを含む、本明細書に記載の遺伝子を標的とする1つ以上のsdRNAは、0.1μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、0.5μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、0.75μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、1μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、1.25μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、1.5μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、2μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地、5μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地又は10μM sdRNA/10,000TIL/100μL培地からなる群から選択される量で、TIL及び他の薬剤を含む細胞培養培地に添加され得る。一実施形態において、PD-1、LAG-3、TIM-3、CISH及びCBLBを含む、本明細書に記載の遺伝子を標的とする1つ以上のsdRNAは、プレREP又はREP段階中に、1日2回、1日1回、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと又は7日ごとに、TIL培養物に添加され得る。
[00886] sdRNAを含む本発明のオリゴヌクレオチド組成物は、例えば、細胞培養培地中に高濃度でsdRNAを溶解し、受動的取り込みが発生するのに十分な時間を与えることにより、拡大培養プロセス中に本明細書に記載されるようにTILと接触させることができる。特定の実施形態において、本発明の方法は、TIL集団を本明細書に記載されるようなオリゴヌクレオチド組成物と接触させることを含む。特定の実施形態において、方法は、オリゴヌクレオチド、例えば、sdRNAを、細胞培養培地に溶解すること及び細胞培養培地をTIL集団と接触させることを含む。TILは、本明細書に記載されるように、第1の集団、第2の集団及び/又は第3の集団であり得る。
[00887] 一部の実施形態において、細胞へのオリゴヌクレオチドの送達は、リン酸カルシウム、DMSO、グリセロール若しくはデキストラン、エレクトロポレーションを含む、適切な当技術分野で認められた方法により、又は例えばカチオン性、アニオン性若しくは中性脂質組成物若しくはリポソームを使用するトランスフェクションにより、当技術分野で公知の方法を使用して増強され得る(例えば、国際公開第90/14074号;国際公開第91/16024号;国際公開第91/17424号;米国特許第4,897,355号;Bergan et a 1993. Nucleic Acids Research. 21:3567)。
[00888] 一部の実施形態において、標的遺伝子の発現を低下させるために、1つを超えるsdRNAが使用される。一部の実施形態において、PD-1、TIM-3、CBLB、LAG3及び/又はCISHを標的とするsdRNAの1つ以上が一緒に使用される。一部の実施形態において、PD-1 sdRNAは、1つを超える遺伝子標的の発現を低下させるために、TIM-3、CBLB、LAG3及び/又はCISHの1つ以上と共に使用される。一部の実施形態において、LAG3 sdRNAは、CISH標的化sdRNAと組み合わせて使用されて、両方の標的の遺伝子発現を低下させる。一部の実施形態において、本明細書のPD-1、TIM-3、CBLB、LAG3及び/又はCISHの1つ以上を標的とするsdRNAは、Advirna LLC、Worcester, MA, USAから市販されている。
[00889] 一部の実施形態において、sdRNAは、PD-1、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される遺伝子及びそれらの組み合わせを標的とする。一部の実施形態において、sdRNAは、PD-1、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される遺伝子及びそれらの組み合わせを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはPD-1を標的とし、別のsdRNAは、LAG3、TIM3、CTLA-4、TIGIT、CISH、TGFβR2、PKA、CBLB、BAFF(BR3)からなる群から選択される遺伝子及びそれらの組み合わせを標的とする。一部の実施形態において、sdRNAは、PD-1、LAG-3、CISH、CBLB、TIM3及びそれらの組み合わせから選択される遺伝子を標的とする。一部の実施形態において、sdRNAは、PD-1から選択される遺伝子と、LAG-3、CISH、CBLB、TIM3及びそれらの組み合わせの1つとを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはPD-1を標的とし、1つのsdRNAはLAG3を標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはPD-1を標的とし、1つのsdRNAはCISHを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはPD-1を標的とし、1つのsdRNAはCBLBを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはLAG3を標的とし、1つのsdRNAはCISHを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはLAG3を標的とし、1つのsdRNAはCBLBを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはCISHを標的とし、1つのsdRNAはCBLBを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはTIM3を標的とし、1つのsdRNAはPD-1を標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはTIM3を標的とし、1つのsdRNAはLAG3を標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはTIM3を標的とし、1つのsdRNAはCISHを標的とする。一部の実施形態において、1つのsdRNAはTIM3を標的とし、1つのsdRNAはCBLBを標的とする。
[00890] 上記のように、本発明の実施形態は、それらの治療効果を増強するために遺伝子編集を介して遺伝子改変されている腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を提供する。本発明の実施形態は、1つ以上のタンパク質の発現の促進及び1つ以上のタンパク質の発現の阻害並びにそれらの組み合わせの両方のための、TIL集団へのヌクレオチド挿入(RNA又はDNA)による遺伝子編集を包含する。本発明の実施形態は、TILを治療用集団に拡大培養する方法も提供し、ここで、方法は、TILを遺伝子編集することを含む。本発明に従う使用に適した、TIL集団を遺伝子改変するために使用され得るいくつかの遺伝子編集技術が存在する。
[00891] 一部の実施形態において、方法は、1つ以上のタンパク質の産生のための遺伝子の安定した組み込みのステップを含むTIL集団を遺伝子改変する方法を含む。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、レトロウイルス形質導入のステップを含む。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、レンチウイルス形質導入のステップを含む。レンチウイルス形質導入システムは、当技術分野で公知であり、例えば、Levine, et al., Proc. Nat’l Acad. Sci. 2006, 103, 17372-77;Zufferey, et al., Nat. Biotechnol. 1997, 15, 871-75;Dull, et al., J. Virology 1998, 72, 8463-71及び米国特許第6,627,442号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、ガンマレトロウイルス形質導入のステップを含む。ガンマレトロウイルス形質導入システムは、当技術分野で公知であり、例えば、Cepko and Pear, Cur. Prot. Mol. Biol. 1996, 9.9.1-9.9.16に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、トランスポゾン媒介遺伝子導入のステップを含む。トランスポゾン媒介遺伝子導入システムは、当技術分野で公知であり、トランスポサーゼの長期発現がトランスジェニック細胞では発生しないように、トランスポサーゼがDNA発現ベクターとして又は発現可能なRNA若しくはタンパク質として提供されるシステム、例えば、mRNA(例えば、キャップとポリAテールを含むmRNA)として提供されるトランスポサーゼを含む。SB10、SB11、SB100xなどのサケ科のTel様トランスポサーゼ(SB又はSleeping Beautyトランスポサーゼ)を含む適切なトランスポゾン媒介遺伝子導入システム及び酵素活性が向上した人工酵素は、例えば、Hackett, et al., Mol.Therapy 2010, 18, 674-83及び米国特許第6,489,458号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。
[00892] 一態様では、TILの集団を遺伝子改変する方法は、直交性サイトカイン受容体の産生のための操作可能な遺伝子モジュールを導入するステップを含む。一部の実施形態において、操作可能な遺伝子モジュールは、直交性IL-2Rβを産生する。一部の態様では、方法は、TIL集団を遺伝子改変して、直交性サイトカイン受容体を産生する方法をさらに含む。一部の態様では、直交性サイトカイン受容体は、IL-2Rβである。
[00893] 一実施形態において、方法は、TIL集団、例えば、本明細書に記載されるように、第1の集団、第2の集団及び/又は第3の集団を遺伝子改変する方法を含む。一実施形態において、TIL集団を遺伝子改変する方法は、1つ以上のタンパク質の産生又は阻害(例えば、サイレンシング)のための遺伝子の安定した組み込みのステップを含む。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、エレクトロポレーションのステップを含む。エレクトロポレーション法は、当技術分野で公知であり、例えば、Tsong, Biophys. J. 1991, 60, 297-306及び米国特許出願公開第2014/0227237 A1号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。米国特許第5,019,034号;同第5,128,257号;同第5,137,817号;同第5,173,158号;同第5,232,856号;同第5,273,525号;同第5,304,120号;同第5,318,514号;同第6,010,613号及び同第6,078,490号(これらの開示は参照により本明細書に援用される)に記載のものなど、他の当技術分野で公知のエレクトロポレーション法を使用し得る。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、無菌エレクトロポレーション法である。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、パルスエレクトロポレーション法である。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、パルス電場でTILを処置して、TILの定義され制御された恒久的又は一過性の変化を、変更、操作又は引き起こすステップを含む、パルスエレクトロポレーション法であり、これは、100V/cm以上の電場強度を有する、少なくとも3つの単一のオペレーター制御の独立してプログラムされた一連のDC電気パルスをTILに適用するステップを含み、ここで、一連の少なくとも3つのDC電気パルスは、以下の特徴の1つ、2つ又は3つを有する。(1)少なくとも3つのパルスの少なくとも2つは、パルス振幅が互いに異なる;(2)少なくとも3つのパルスの少なくとも2つは、パルス幅が互いに異なる:及び(3)少なくとも3つのパルスの2つの第1のセットの第1のパルス間隔は、少なくとも3つのパルスの2つの第2のセットの第2のパルス間隔と異なる。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、パルス電場でTILを処置して、TILの定義され制御された恒久的又は一過性の変化を、変更、操作又は引き起こすステップを含む、パルスエレクトロポレーション法であり、これは、100V/cm以上の電場強度を有する、少なくとも3つの単一のオペレーター制御の独立してプログラムされた一連のDC電気パルスをTILに適用するステップを含み、ここで、少なくとも3つのパルスの少なくとも2つは、パルス振幅が互いに異なる。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、パルス電場でTILを処置して、TILの定義され制御された恒久的又は一過性の変化を、変更、操作又は引き起こすステップを含む、パルスエレクトロポレーション法であり、これは、100V/cm以上の電場強度を有する、少なくとも3つの単一のオペレーター制御の独立してプログラムされた一連のDC電気パルスをTILに適用するステップを含み、ここで、少なくとも3つのパルスの少なくとも2つは、パルス幅が互いに異なる。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、パルス電場でTILを処置して、TILの定義され制御された恒久的又は一過性の変化を、変更、操作又は引き起こすステップを含む、パルスエレクトロポレーション法であり、これは、100V/cm以上の電場強度を有する、少なくとも3つの単一のオペレーター制御の独立してプログラムされた一連のDC電気パルスをTILに適用するステップを含み、ここで、少なくとも3つのパルスの2つの第1のセットの第1のパルス間隔は、少なくとも3つのパルスの2つの第2のセットの第2のパルス間隔と異なる。一実施形態において、エレクトロポレーション法は、パルス電場でTILを処置して、TILにおける孔形成を誘導するステップを含む、パルスエレクトロポレーション法であり、これは、100V/cm以上の電場強度を有する、少なくとも3つの一連のDC電気パルスをTILに適用するステップを含み、ここで、一連の少なくとも3つのDC電気パルスは、誘導された細孔が比較的長期間持続するように、且つTILの生存率が維持されるように、以下の特徴の1つ、2つ又は3つを有する。(1)少なくとも3つのパルスの少なくとも2つは、パルス振幅が互いに異なる;(2)少なくとも3つのパルスの少なくとも2つは、パルス幅が互いに異なる:及び(3)少なくとも3つのパルスの2つの第1のセットの第1のパルス間隔は、少なくとも3つのパルスの2つの第2のセットの第2のパルス間隔と異なる。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションのステップを含む。リン酸カルシウムトランスフェクション法(リン酸カルシウムDNA沈殿、細胞表面コーティング及びエンドサイトーシス)は、当技術分野で公知であり、例えば、Graham and van der Eb, Virology 1973, 52, 456-467;Wigler, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 1979, 76, 1373-1376;並びにChen and Okayarea, Mol. Cell. Biol. 1987, 7, 2745-2752;並びに米国特許第5,593,875号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TILの集団を遺伝子改変する方法は、リポソームトランスフェクションのステップを含む。濾過水中のカチオン性脂質N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-n,n,n-トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA)及びジオレオイルホスフォチジルエタノールアミン(DOPE)の1:1(w/w)リポソーム製剤を使用する方法などのリポソームトランスフェクション法は、当技術分野で公知であり、例えば、Rose, et al., Biotechniques 1991, 10, 520-525及びFelgner, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1987, 84, 7413-7417並びに米国特許第5,279,833号;同第5,908,635号;同第6,056,938号;同第6,110,490号;同第6,534,484号;及び同第7,687,070号に記載され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、TIL集団を遺伝子改変する方法は、米国特許第5,766,902号;同第6,025,337号;同第6,410,517号;同第6,475,994号;及び同第7,189,705号(そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される)に記載される方法を使用したトランスフェクションのステップを含む。TILは、本明細書に記載されるように、第1のTIL集団、第2のTIL集団及び/又は第3のTIL集団であり得る。
[00894] 一実施形態によると、遺伝子編集プロセスは、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子における二本鎖又は一本鎖切断の生成を媒介するプログラム可能なヌクレアーゼの使用を含み得る。そのようなプログラム可能なヌクレアーゼは、特定のゲノム遺伝子座に切断を導入することにより、正確なゲノム編集を可能にする、即ち、それらは、ゲノム内の特定のDNA配列の認識に依存して、ヌクレアーゼドメインをこの位置に標的化し、標的配列での二本鎖切断の生成を媒介する。DNAにおける二本鎖切断により、その後、内因性修復機構が切断部位に動員されて、非相同末端結合(NHEJ)又は相同性指向修復(HDR)によるゲノム編集が媒介される。従って、切断の修復は、標的遺伝子産物を破壊する(例えば、サイレンシング、抑制又は増強する)挿入/欠失変異の導入をもたらし得る。
[00895] 部位特異的なゲノム編集を可能にするために開発されたヌクレアーゼの主要なクラスには、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様ヌクレアーゼ(TALEN)及びCRISPR関連ヌクレアーゼ(例えば、CRISPR/Cas9)が含まれる。これらのヌクレアーゼシステムは、DNA認識のモードに基づいて、大きく2つのカテゴリに分類できる。ZFN及びTALENはタンパク質-DNA相互作用を介して特定のDNA結合を実現する一方、Cas9などのCRISPRシステムは、標的DNAと直接塩基対を形成する短鎖RNAガイド分子により、且つタンパク質-DNA相互作用により、特定のDNA配列を標的化する。例えば、Cox et al., Nature Medicine, 2015, Vol. 21, No. 2を参照されたい。
[00896] 本発明のTIL拡大培養方法に従って使用され得る遺伝子編集方法の非限定的な例には、CRISPR法、TALE法及びZFN法が含まれ、これらは以下により詳細に記載される。一実施形態によると、TILを治療用集団に拡大培養する方法は、本明細書に記載される方法の任意の実施形態(例えば、GEN3プロセス)に従い、又はPCT/米国特許出願公開第2017/058610号、PCT/米国特許出願公開第2018/012605号若しくはPCT/米国特許出願公開第2018/012633号に記載されているように実施され得、ここで、方法は、強化された治療効果を提供することができるTILを生成するために、CRISPR法、TALE法又はZFN法の1つ以上によってTILの少なくとも一部を遺伝子編集することを更に含む。一実施形態によると、遺伝子編集されたTILは、それらをインビトロで改変されていないTILと比較することにより、例えば、インビトロエフェクター機能、サイトカインプロファイルなどを未改変のTILと比較して評価することにより、改善された治療効果について評価され得る。特定の実施形態において、方法は、CRISPR、TALE及び/又はZFN法を使用して、TIL集団を遺伝子編集することを含む。
[00897] 本発明の一部の実施形態において、エレクトロポレーションは、CRISPR、TALEN及びZFNシステムなどの遺伝子編集システムの送達に使用される。本発明の一部の実施形態において、エレクトロポレーションシステムは、フローエレクトロポレーションシステムである。本発明の一部の実施形態での使用に適した、適切なフローエレクトロポレーションシステムの例は、市販のMaxCyte STXシステムである。BTX-Harvard Apparatusから入手できるAgilePulseシステム又はECM 830、Cellaxess Elektra(Cellectricon)、Nucleofector(Lonza/Amaxa)、GenePulser MXcell(BIORAD)、iPorator-96(Primax)又はsiPORTer96(Ambion)など、本発明での使用に適する可能性のあるいくつかの代替の市販のエレクトロポレーション機器が存在する。本発明の一部の実施形態において、エレクトロポレーションシステムは、残りのTIL拡大培養方法により、閉鎖無菌システムを形成する。本発明の一部の実施形態において、エレクトロポレーションシステムは、本明細書に記載されるようなパルスエレクトロポレーションシステムであり、残りのTIL拡大培養方法により、閉鎖無菌システムを形成する。
[00898] TILを治療用集団に拡大培養する方法は、本明細書に記載される方法の任意の実施形態(例えば、プロセスGEN3)に従い、又はPCT/米国特許出願公開第2017/058610号、PCT/米国特許出願公開第2018/012605号若しくはPCT/米国特許出願公開第2018/012633号に記載されているように実施され得、ここで、方法は、CRISPR法(例えば、CRISPR/Cas9又はCRISPR/Cpf1)によってTILの少なくとも一部を遺伝子編集することを更に含む。特定の実施形態によると、TIL拡大培養プロセス中のCRISPR法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子の発現の、治療用TIL集団の少なくとも一部におけるサイレンシング又は低下を引き起こす。代わりに、TIL拡大培養プロセス中のCRISPR法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子の発現の、治療用TIL集団の少なくとも一部における増強を引き起こす。
[00899] CRISPRは、「クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート」を表す。遺伝子編集のためにCRISPRシステムを使用する方法は、本明細書ではCRISPR法とも称される。RNA及びCasタンパク質を組み込み、本発明に従って使用され得る3つのタイプのCRISPRシステム:タイプI、II及びIIIが存在する。タイプII CRISPR(Cas9により例示される)は、最もよく特徴付けられたシステムの1つである。
[00900] CRISPR技術は、細菌及び古細菌(単細胞微生物のドメイン)の天然の防御機構から適応された。これらの生物は、CRISPR由来RNA及びCas9を含む様々なCasタンパク質を使用して、外来の侵入者のDNAを切り刻んで破壊することにより、ウイルス及び他の異物による攻撃を阻止する。CRISPRは、ヌクレオチド反復及びスペーサーの存在という2つの別個の特徴を有するDNAの特殊な領域である。ヌクレオチドの反復配列は、反復配列間に散在した外来DNA(スペーサー)の短いセグメントを伴い、CRISPR領域全体に分布する。タイプII CRISPR/Casシステムでは、スペーサーがCRISPRゲノム遺伝子座内に組み込まれ、転写され、短鎖CRISPR RNA(crRNA)へと処理される。これらのcrRNAは、トランス活性化crRNA(tracrRNA)にアニーリングし、Casタンパク質による病原性DNAの配列特異的な切断及びサイレンシングを指示する。Cas9タンパク質による標的認識には、crRNA内の「シード」配列及びcrRNA結合領域の上流の保存されたジヌクレオチド含有プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列を要する。これにより、CRISPR/Casシステムは、crRNAを再設計することにより、実質的にあらゆるDNA配列を切断するために再標的化され得る。天然系におけるcrRNA及びtracrRNAは、遺伝子工学での使用のために、およそ100ヌクレオチドの単一ガイドRNA(sgRNA)へと単純化できる。CRISPR/Casシステムは、Cas9エンドヌクレアーゼと必要なcrRNA成分とを発現するプラスミドの共送達により、ヒト細胞へ直接移植できる。標的化の制限を減少させるために、Casタンパク質の異なるバリアントを使用し得る(例えば、Cpf1などのCas9のオルソログ)。
[00901] CRISPR法を介してTILを恒久的に遺伝子編集することによりサイレンシング又は阻害され得る遺伝子の非限定的な例には、PD-1、CTLA-4、LAG-3、HAVCR2(TIM-3)、Cish、TGFβ、PKA、CBL-B、PPP2CA、PPP2CB、PTPN6、PTPN22、PDCD1、BTLA、CD160、TIGIT、CD96、CRTAM、LAIR1、SIGLEC7、SIGLEC9、CD244、TNFRSF10B、TNFRSF10A、CASP8、CASP10、CASP3、CASP6、CASP7、FADD、FAS、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMAD10、SKI、SKIL、TGIF1、IL10RA、IL10RB、HMOX2、IL6R、IL6ST、EIF2AK4、CSK、PAG1、SIT1、FOXP3、PRDM1、BATF、GUCY1A2、GUCY1A3、GUCY1B2及びGUCY1B3が含まれる。
[00902] CRISPR法を介してTILを恒久的に遺伝子編集することにより強化され得る遺伝子の非限定的な例には、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR2、CXCR3、CX3CR1、IL-2、IL12、IL-15及びIL-21が含まれる。
[00903] CRISPR法により標的遺伝子配列の発現を変化させるための、本発明の実施形態に従って使用され得るシステム、方法及び組成物の例は、参照により本明細書に援用される米国特許第8,697,359号;同第8,993,233号;同第8,795,965号;同第8,771,945号;同第8,889,356号;同第8,865,406号;同第8,999,641号;同第8,945,839号;同第8,932,814号;同第8,871,445号;同第8,906,616号;及び同第8,895,308号に記載される。CRISPR/Cas9及びCRISPR/Cpf1を発現するためのプラスミドなど、CRISPR法を実行するための資源は、GenScriptなどの企業から市販されている。
[00904] 一実施形態において、本明細書に記載されているようなTIL集団の遺伝子改変は、その開示が参照により本明細書に援用される米国特許第9790490号に記載されているCRISPR/Cpf1システムを使用して実施され得る。
[00905] TILを治療用集団に拡大培養する方法は、本明細書に記載される方法の任意の実施形態(例えば、プロセス2A)に従い、又はPCT/米国特許出願公開第2017/058610号、PCT/米国特許出願公開第2018/012605号若しくはPCT/米国特許出願公開第2018/012633号に記載されているように実施され得、ここで、方法は、TALE法によってTILの少なくとも一部を遺伝子編集することを更に含む。特定の実施形態によると、TIL拡大培養プロセス中のTALE法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子の発現の、治療用TIL集団の少なくとも一部におけるサイレンシング又は低下を引き起こす。代わりに、TIL拡大培養プロセス中のTALE法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子の発現の、治療用TIL集団の少なくとも一部における増強を引き起こす。
[00906] TALEは、TALEN(「転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ」)を含む、「転写活性化因子様エフェクター」タンパク質を表す。遺伝子編集のためにTALEシステムを使用する方法は、本明細書ではTALE法とも称され得る。TALEは、植物病原菌キサントモナス(Xanthomonas)属からの天然に存在するタンパク質であり、それぞれが単一の塩基対を認識する一連の33~35アミノ酸の反復ドメインで構成されるDNA結合ドメインを含有する。TALEの特異性は、反復可変二残基(RVD)として知られる2つの超可変アミノ酸によって決定される。モジュラーTALEリピートは、隣接するDNA配列を認識するために一緒に結合される。DNA結合ドメインにおける特定のRVDは、標的遺伝子座の塩基を認識し、予測可能なDNA結合ドメインを組み立てるための構造的特徴を提供する。TALEのDNA結合ドメインは、タイプIIS FokIエンドヌクレアーゼの触媒ドメインに融合され、標的化可能なTALEヌクレアーゼが作製される。部位特異的変異を誘発するために、14~20塩基対のスペーサー領域で分離された2つの個々のTALENアームがFokIモノマーを近接させて、二量体化し、標的化された二本鎖切断を生成する。
[00907] 様々な組み立て方法を利用したいくつかの大規模で体系的な研究は、TALE反復を組み合わせて、実質的に任意のユーザー定義の配列を認識できることを示唆している。カスタム設計のTALEアレイは、Cellectis Bioresearch(Paris, France)、Transposagen Biopharmaceuticals(Lexington, KY, USA)及びLife Technologies(Grand Island, NY, USA)からも市販されている。本発明における使用に適したTALE及びTALEN法は、米国特許出願公開第2011/0201118 A1号;第2013/0117869 A1号;第2013/0315884 A1号;第2015/0203871 A1号及び第2016/0120906 A1号に記載されており、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00908] TALE法を介してTILを恒久的に遺伝子編集することによりサイレンシング又は阻害され得る遺伝子の非限定的な例には、PD-1、CTLA-4、LAG-3、HAVCR2(TIM-3)、Cish、TGFβ、PKA、CBL-B、PPP2CA、PPP2CB、PTPN6、PTPN22、PDCD1、BTLA、CD160、TIGIT、CD96、CRTAM、LAIR1、SIGLEC7、SIGLEC9、CD244、TNFRSF10B、TNFRSF10A、CASP8、CASP10、CASP3、CASP6、CASP7、FADD、FAS、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMAD10、SKI、SKIL、TGIF1、IL10RA、IL10RB、HMOX2、IL6R、IL6ST、EIF2AK4、CSK、PAG1、SIT1、FOXP3、PRDM1、BATF、GUCY1A2、GUCY1A3、GUCY1B2及びGUCY1B3が含まれる。
[00909] TALE法を介してTILを恒久的に遺伝子編集することにより強化され得る遺伝子の非限定的な例には、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR2、CXCR3、CX3CR1、IL-2、IL12、IL-15及びIL-21が含まれる。
[00910] TALE法により標的遺伝子配列の発現を変化させるための、本発明の実施形態に従って使用され得るシステム、方法及び組成物の例は、参照により本明細書に援用される米国特許第8,586,526号に記載される。
[00911] TILを治療用集団に拡大培養する方法は、本明細書に記載される方法の任意の実施形態(例えば、プロセスGEN3)に従い、又はPCT/米国特許出願公開第2017/058610号、PCT/米国特許出願公開第2018/012605号若しくはPCT/米国特許出願公開第2018/012633号に記載されているように実施され得、ここで、方法は、ジンクフィンガー又はジンクフィンガーヌクレアーゼ法によってTILの少なくとも一部を遺伝子編集することを更に含む。特定の実施形態によると、TIL拡大培養プロセス中のジンクフィンガー法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子の発現の、治療用TIL集団の少なくとも一部におけるサイレンシング又は低下を引き起こす。代わりに、TIL拡大培養プロセス中のジンクフィンガー法の使用は、1つ以上の免疫チェックポイント遺伝子の発現の、治療用TIL集団の少なくとも一部における増強を引き起こす。
[00912] 個々のジンクフィンガーは、保存されたββα構造中におよそ30のアミノ酸を含有する。α-ヘリックスの表面上のいくつかのアミノ酸は、典型的には、様々な選択性のレベルで、DNAの主要な溝の3bpに接触する。ジンクフィンガーは2つのタンパク質ドメインを有する。第1のドメインは、真核生物の転写因子を含み、ジンクフィンガーを含有する、DNA結合ドメインである。第2のドメインはヌクレアーゼドメインであり、FokI制限酵素を含み、DNAの触媒的切断の原因となっている。
[00913] 個々のZFNのDNA結合ドメインは、典型的には、3~6個の個々のジンクフィンガー反復を含み、それぞれ9~18塩基対を認識できる。ジンクフィンガードメインが目的の標的部位に特異的である場合、合計18塩基対を認識する1組の3フィンガーZFNであっても、理論的には、哺乳動物ゲノムにおける単一の遺伝子座を標的とすることができる。新しいジンクフィンガーアレイを生成する1つの方法は、既知の特異性を有する、より小さいジンクフィンガー「モジュール」を組み合わせることである。最も一般的なモジュラー組み立てプロセスは、3塩基対のDNA配列をそれぞれ認識できる、3つの別個のジンクフィンガーを組み合わせて、9塩基対の標的部位を認識できる3フィンガーアレイを生成することを含む。代わりに、オリゴマー化プールエンジニアリング(OPEN)などの選択ベースのアプローチを使用して、隣接するフィンガー間の状況依存的な相互作用を考慮した無作為化ライブラリーから新しいジンクフィンガーアレイを選択できる。操作されたジンクフィンガーは市販されている。Sangamo Biosciences(Richmond, CA, USA)は、Sigma-Aldrich(St. Louis, MO, USA)と協力して、ジンクフィンガー構築のための適切なプラットフォーム(CompoZr(登録商標))を開発した。
[00914] ジンクフィンガー法を介してTILを恒久的に遺伝子編集することによりサイレンシング又は阻害され得る遺伝子の非限定的な例には、PD-1、CTLA-4、LAG-3、HAVCR2(TIM-3)、Cish、TGFβ、PKA、CBL-B、PPP2CA、PPP2CB、PTPN6、PTPN22、PDCD1、BTLA、CD160、TIGIT、CD96、CRTAM、LAIR1、SIGLEC7、SIGLEC9、CD244、TNFRSF10B、TNFRSF10A、CASP8、CASP10、CASP3、CASP6、CASP7、FADD、FAS、SMAD2、SMAD3、SMAD4、SMAD10、SKI、SKIL、TGIF1、IL10RA、IL10RB、HMOX2、IL6R、IL6ST、EIF2AK4、CSK、PAG1、SIT1、FOXP3、PRDM1、BATF、GUCY1A2、GUCY1A3、GUCY1B2及びGUCY1B3が含まれる。
[00915] ジンクフィンガー法を介してTILを恒久的に遺伝子編集することにより強化され得る遺伝子の非限定的な例には、CCR2、CCR4、CCR5、CXCR2、CXCR3、CX3CR1、IL-2、IL12、IL-15及びIL-21が含まれる。
[00916] ジンクフィンガー法により標的遺伝子配列の発現を変化させるための、本発明の実施形態に従って使用され得るシステム、方法及び組成物の例は、参照により本明細書に援用される米国特許第6,534,261号、第6,607,882号、第6,746,838号、第6,794,136号、第6,824,978号、第6,866,997号、第6,933,113号、第6,979,539号、第7,013,219号、第7,030,215号、第7,220,719号、第7,241,573号、第7,241,574号、第7,585,849号、第7,595,376号、第6,903,185号及び第6,479,626号に記載される。
[00917] ジンクフィンガー法により標的遺伝子配列の発現を変化させるための、本発明の実施形態に従って使用され得るシステム、方法及び組成物の他の例は、Beane, et al., Mol. Therapy, 2015, 23 1380-1390に記載され、その開示は参照により本明細書に援用される。
[00918] 一部の実施形態において、TILは任意選択により、限定はされないが、高親和性T細胞受容体(TCR)、例えば、MAGE-1、HER2若しくはNY-ESO-1などの腫瘍関連抗原を標的とするTCR又は腫瘍関連細胞表面分子(例えばメソテリン)若しくは系統限定的細胞表面分子(例えばCD19)に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を含め、追加の機能性を含むように遺伝子改変される。特定の実施形態において、方法は、高親和性T細胞受容体(TCR)、例えば、MAGE-1、HER2若しくはNY-ESO-1などの腫瘍関連抗原を標的とするTCR又は腫瘍関連細胞表面分子(例えばメソテリン)若しくは系統限定的細胞表面分子(例えばCD19)に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を含むTIL集団を遺伝子改変することを含む。適切には、TIL集団は、本明細書に記載されるように、第1の集団、第2の集団及び/又は第3の集団であり得る。
K.TIL製造用閉鎖系
[00919] 本発明は、TIL培養プロセス中の閉鎖系の使用を提供する。かかる閉鎖系は、微生物汚染の防止及び/又は削減を可能にし、使用するフラスコの数が少なくなり、コスト削減が可能となる。一部の実施形態において、閉鎖系は2つの容器を使用する。
[00920] かかる閉鎖系は、当技術分野で公知であり、例えば、http://www.fda.gov/cber/guidelines.htm及びhttps://www.fda.gov/BiologicsBloodVaccines/GuidanceComplianceRegulatoryInformation/Guidances/Blood/ucm076779.htm.に記載されている。
[00921] 滅菌接続装置(STCD:Sterile Connecting Device)は、互換性のある2つの配管間に滅菌溶接を産生する。この手順により、様々な直径の容器及びチューブを滅菌接続できる。一部の実施形態において、閉鎖系は、例えば、実施例Gに記載されるようなルアーロック及びヒートシール系を含む。一部の実施形態において、系の無菌性及び閉鎖性を維持するために、閉鎖系は滅菌条件下でシリンジを介してアクセスされる。一部の実施形態において、実施例Gに記載されるような閉鎖系が使用される。一部の実施形態において、TILは、実施例Gの「最終製剤化及び充填」セクションに記載される方法に従って最終製品製剤容器中に製剤化される。
[00922] 一部の実施形態において、閉鎖系は、腫瘍断片が得られた時点からTILが患者への投与又は凍結保存の準備が整うまで1つの容器を使用する。一部の実施形態において、2つの容器が使用される場合、第1の容器は閉鎖型Gコンテナであり、TIL集団は遠心され、第1の閉鎖型Gコンテナを開かずに輸注バッグに移される。一部の実施形態において、2つの容器が使用される場合、輸注バッグは、HypoThermosol含有輸注バッグである。閉鎖系又は閉鎖TIL細胞培養系は、腫瘍サンプル及び/又は腫瘍断片が追加されると、系が外側から確実に密閉され、細菌、真菌及び/又は他の微生物汚染がない閉鎖環境を形成することを特徴とする。
[00923] 一部の実施形態において、微生物汚染の減少は約5%~約100%である。一部の実施形態において、微生物汚染の減少は約5%~約95%である。一部の実施形態において、微生物汚染の減少は約5%~約90%である。一部の実施形態において、微生物汚染の減少は約10%~約90%である。一部の実施形態において、微生物汚染の減少は約15%~約85%である。一部の実施形態において、微生物汚染の減少は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%又は約100%である。
[00924] 閉鎖系は、微生物汚染の不在下及び/又は大幅に減少させTILを成長させる。
[00925] 更に、TIL細胞培養環境のpH、二酸化炭素分圧及び酸素分圧は、細胞が培養されるにつれてそれぞれ変化する。従って、たとえ細胞培養に適した培地が流通していても、TIL成長に最適な環境として閉鎖環境を常に維持する必要がある。このため、閉鎖環境の培地内のpH、二酸化炭素分圧及び酸素分圧の物理的要因は、センサーによって監視され、そのセンサーの信号は、培養環境の入口に設置されたガス交換器の制御に使用され、閉鎖環境のガス分圧は、細胞培養環境を最適化するため、培地の変化に従ってリアルタイムで調整されることが望ましい。一部の実施形態において、本発明は、閉鎖環境への入口に、閉鎖環境のpH、二酸化炭素分圧及び酸素分圧を測定し、監視装置からの信号に基づいてガス濃度を自動的に調整することにより、細胞培養環境を最適化する監視装置を備えたガス交換器を一体化した閉鎖細胞培養系を提供する。
[00926] 一部の実施形態において、閉鎖環境内の圧力は連続的又は断続的に制御される。即ち、閉鎖環境内の圧力は、例えば、圧力維持装置によって変化させることができ、即ち、空間が、陽圧状態のTILの成長に適していることを保証するか、又は陰圧状態の流体の滲出を促進し、従って細胞成長を促進することを確実にする。更に、断続的に負圧を加えることにより、閉鎖環境の容積の一時的な収縮によって閉鎖環境内の循環液を均一且つ効率的に交換することが可能である。
[00927] 一部の実施形態において、TILの成長に最適な培養成分を置換又は追加することができ、IL-2及び/又はOKT3などの要因並びに組み合わせを追加し得る。
L.任意選択のTIL凍結保存
[00928] バルクTIL集団(例えば、第2のTIL集団)又は拡大培養されたTIL集団(例えば、第3のTIL集団)は、任意選択により凍結保存できる。一部の実施形態において、治療用TIL集団で凍結保存が行われる。一部の実施形態において、凍結保存は、第2の拡大培養後に回収したTILで生じる。一部の実施形態において、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)の例示的ステップFのTILで凍結保存が行われる。一部の実施形態において、TILは輸注バッグ中に凍結保存される。一部の実施形態において、TILは、輸注バッグでの置換前に凍結保存される。一部の実施形態において、TILは、凍結保存されるが輸注バッグ中には置かれない。一部の実施形態において、凍結保存は凍結保存培地を使用して実施される。一部の実施形態において、凍結保存培地は、ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する。これは、概して、凍結溶液、例えば85%補体不活性化AB血清及び15%ジメチルスルホキシド(DMSO)の中にTIL集団を入れることにより達成される。この溶液中の細胞を極低温バイアルに入れ、-80℃で24時間貯蔵し、任意選択で凍結保存のため気体窒素フリーザーに移す。Sadeghi, et al., Acta Oncologica 2013, 52, 978-986を参照されたい。
[00929] 適切な場合、細胞をフリーザーから取り出し、37℃の水浴中で溶液の約5分の4が解凍されるまで解凍する。細胞は概して完全培地中に再懸濁され、任意選択で1回以上洗浄される。一部の実施形態において、当技術分野において公知の通り解凍TILをカウントし、生存率に関して評価することができる。
[00930] 好ましい実施形態において、TILの集団はCS10凍結保存培地(CryoStor 10、BioLife Solutions)を用いて凍結保存される。好ましい実施形態において、TILの集団は凍結保存培地(ジメチルスルホキシド(DMSO)を含有する)を用いて凍結保存される。好ましい実施形態において、TILの集団は、1:1(容積:容積)の比のCS10及び細胞培養培地を用いて凍結保存される。好ましい実施形態において、TILの集団は、約1:1(容積:容積)の比のCS10及び細胞培養培地を使用し、更に追加のIL-2を含んで凍結保存される。
[00931] 上記で考察し、且つ図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供されるステップA~Eにおいて例示した通り、TIL拡大培養プロセス全体を通じて数々の時点で凍結保存を行うことができる。一部の実施形態において、(例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)のステップDに従って提供される)第2の拡大培養後の拡大培養されたTIL集団は、凍結保存することができる。凍結保存は、概して、凍結溶液、例えば85%補体不活性化AB血清及び15%ジメチルスルホキシド(DMSO)の中にTIL集団を置くことにより達成し得る。この溶液中の細胞を極低温バイアルに入れ、-80℃で24時間貯蔵し、任意選択により凍結保存のため気体窒素フリーザーに移す。Sadeghi, et al., Acta Oncologica 2013, 52, 978-986を参照されたい。一部の実施形態において、TILは5%DMSO中に凍結保存される。一部の実施形態において、TILは細胞培養培地+5%DMSO中に凍結保存される。一部の実施形態において、TILは、実施例Dに提供される方法に従い凍結保存される。
[00932] 適切な場合、細胞をフリーザーから取り出し、37℃の水浴中で溶液の約5分の4が解凍されるまで解凍する。細胞は概して完全培地中に再懸濁され、任意選択で1回以上洗浄される。一部の実施形態において、当技術分野において公知の通り解凍TILをカウントし、生存率に関して評価することができる。
[00933] ある場合には、ステップBのTIL集団は、以下で考察するプロトコルを用いて直ちに凍結保存することができる。代わりに、バルクTIL集団にステップC及びステップDを施し、ステップD後に凍結保存することができる。同様に、遺伝子修飾TILを治療に使用する場合、ステップB又はステップDのTIL集団は、適切な処置のため遺伝子修飾の対象となり得る。
M.拡大培養したTILの表現型特徴
[00934] 一部の実施形態において、TILは拡大培養後に、本明細書及び実施例に記載されるものを含め、多数の表現型マーカーの発現に関して分析される。一実施形態において、1つ以上の表現型マーカーの発現が調べられる。一部の実施形態において、TILの表現型特徴は、ステップBの第1の拡大培養後に分析される。一部の実施形態において、TILの表現型特徴は、ステップCの移行中に分析される。一部の実施形態において、TILの表現型特徴は、ステップCに係る移行中且つ凍結保存後に分析される。一部の実施形態において、TILの表現型特徴は、ステップDに係る第2の拡大培養後に分析される。一部の実施形態において、TILの表現型特徴は、ステップDに係る2回以上の拡大培養後に分析される。
[00935] 一部の実施形態において、マーカーは、CD8及びCD28からなる群から選択される。一部の実施形態において、CD8の発現が調べられる。一部の実施形態において、CD28の発現が調べられる。一部の実施形態において、CD8及び/又はCD28の発現は、他のプロセスと比較して、本発明のプロセスに従って産生したTILにおいて、より高い(例えば、例えば図1(特に例えば図1B)に提供される、2Aプロセスと比較して、例えば図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供される、Gen3プロセス)。一部の実施形態において、CD8の発現は、他のプロセスと比較して、本発明のプロセスに従って産生したTILにおいて、より高い(例えば、例えば図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供される、2Aプロセスと比較して、例えば図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供される、Gen3プロセス)。一部の実施形態において、CD28の発現は、他のプロセスと比較して、本発明のプロセスに従って産生したTILにおいて、より高い(例えば、例えば図1(特に例えば図1A)に提供される、2Aプロセスと比較して、例えば図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供される、Gen3プロセス)。一部の実施形態において、高CD28発現は、より幼若で、より持続性のTIL表現型を示す。一実施形態において、1つ以上の調節マーカーの発現が測定される。
[00936] 一実施形態において、第1のTIL集団、第2のTIL集団、第3のTIL集団又はCD8及び/又はCD28発現に基づく回収TILの選択は、本明細書に記載の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を拡大培養する方法のいずれのステップ中も実施されない。
[00937] 一部の実施形態において、セントラルメモリー細胞のパーセンテージは、他のプロセスと比較して、本発明のプロセスに従って産生したTILにおいて、より高い(例えば、例えば図1(特に例えば図1A)に提供される、2Aプロセスと比較して、例えば図1(特に例えば図1B)に提供される、Gen3プロセス)。一部の実施形態において、セントラルメモリー細胞のメモリーマーカーは、CCR7及びCD62Lからなる群から選択される。
[00938] 一部の実施形態において、CD4+及び/又はCD8+TILメモリーサブセットは、異なるメモリーサブセットに分割することができる。一部の実施形態において、CD4+及び/又はCD8+TILは、ナイーブ(CD45RA+CD62L+)TILを含む。一部の実施形態において、CD4+及び/又はCD8+TILは、セントラルメモリー(CM;CD45RA-CD62L+)TILを含む。一部の実施形態において、CD4+及び/又はCD8+TILは、エフェクターメモリー(EM;CD45RA-CD62L-)TILを含む。一部の実施形態において、CD4+及び/又はCD8+TILは、RA+エフェクターメモリー/エフェクター(TEMRA/TEFF;CD45RA+CD62L+)TILを含む。一部の実施形態において、CD4+集団と比較して、より高い%のCD8+が存在する。
[00939] 一部の実施形態において、TILは、グランザイムB、パーフォリン及びグラニュライシンからなる群から選択されるもう1つのマーカーを発現する。一部の実施形態において、TILはグランザイムBを発現する。一部の実施形態において、TILはパーフォリンを発現する。一部の実施形態において、TILはグラニュライシンを発現する。
[00940] 一実施形態において、再刺激TILは、サイトカイン遊離アッセイを用いてサイトカイン遊離に関しても判定することができる。一部の実施形態において、TILは、インターフェロン-γ(IFN-γ)分泌について評価され得る。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、ELISAアッセイによって測定される。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、例えば図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に提供されるように、ステップD後の第2の急速拡大培養後のELISAアッセイによって測定される。一部の実施形態において、TILの健康はIFN-ガンマ(IFN-γ)分泌によって測定される。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は活性TILの指標である。一部の実施形態において、IFN-γ産生の効力アッセイが用いられる。IFN-γ産生は、細胞傷害能のもう1つの尺度である。IFN-γ産生は、CD3、CD28及びCD137/4-1BBに対する抗体で刺激されたTILの培地中のサイトカインIFN-γのレベルを決定することで測定できる。これらの刺激したTILからの培地中のIFN-γレベルは、IFN-γ遊離を測定することにより決定できる。一部の実施形態において、図1(特に例えば図1A)で提供される2Aプロセスの、例えばステップDと比較した、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)TILで提供されるGen3プロセスの、例えばステップDにおける、IFN-γ産生の増加は、ステップDのTILの細胞傷害性の可能性の増加を示す。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍以上増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は1倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は2倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は3倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は4倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は5倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γはQuantikine ELISA kitを使用して測定される。一部の実施形態において、IFN-γはTILエキソビボで測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、本発明の方法(例えば、図1の方法を含む)により作製されたTILを含む、TILエキソビボにおいて測定される。
[00941] 一部の実施形態において、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍以上のIFN-γを分泌できるTILは、本発明の拡大培養方法(例えば、図1B及び又は図1Cの方法を含む)により産生されたTILである。一部の実施形態において、少なくとも1倍多くのIFN-γを分泌できるTILは、本発明の拡大培養方法(例えば、図1B及び又は図1Cの方法を含む)により産生されたTILである。一部の実施形態において、少なくとも2倍多くのIFN-γを分泌できるTILは、本発明の拡大培養方法(例えば、図1B及び又は図1Cの方法を含む)により産生されたTILである。一部の実施形態において、少なくとも3倍多くのIFN-γを分泌できるTILは、本発明の拡大培養方法(例えば、図1B及び又は図1Cの方法を含む)により産生されたTILである。一部の実施形態において、少なくとも4倍多くのIFN-γを分泌できるTILは、本発明の拡大培養方法(例えば、図1B及び又は図1Cの方法を含む)により産生されたTILである。一部の実施形態において、少なくとも5倍多くのIFN-γを分泌できるTILは、本発明の拡大培養方法(例えば、図1B及び又は図1Cの方法を含む)により産生されたTILである。
[00942] T及びBリンパ球の多様な抗原受容体は、限られているが多数の遺伝子セグメントの体細胞組換えによって産生される。V(可変)、D(多様性)、J(結合)及びC(定数)の遺伝子セグメントは、免疫グロブリン及びT細胞受容体(TCR)の結合特異性及び下流側での適用を決定する。本発明は、T細胞レパートリーの多様性を示し、増加させるTILを生成する方法を提供する。一部の実施形態において、本方法により得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、本方法によって得られたTILは、新たに回収したTIL及び/又は例えば、図1(特に例えば図1B及び/又は図1C)に具体化された方法以外の方法を含む、本明細書で提供する以外の方法を使用して調製されたTILと比較して、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、図1(特に例えば図1A)に例示されているように、本方法によって得られたTILは、新たに回収したTIL及び/又はプロセス2Aと称される方法を使用して調製されたTILと比較して、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、第1の拡大培養で得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、多様性の増加は、免疫グロブリンの多様性及び/又はT細胞受容体の多様性の増加である。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン重鎖にある。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン軽鎖にある。一部の実施形態において、多様性はT細胞受容体にある。一部の実施形態において、多様性は、アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ受容体からなる群から選択されるT細胞受容体の1つにある。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファ及び/又はベータの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)ベータの発現が増加する。一部の実施形態において、TCRab(即ちTCRα/β)の発現が増加する。一部の実施形態において、本明細書に記載されるプロセス(例えば、Gen3プロセス)は、他のプロセス、例えば、サンプル内のユニークなペプチドCDRの数に基づいてGen2と称されるプロセス(例えば、図12~14を参照されたい)と比較して、より高いクローン多様性を示す。
[00943] 一部の実施形態において、TILの活性化及び枯渇は、1つ以上のマーカーを調べることによって決定することができる。一部の実施形態において、活性化及び枯渇は、多色フローサイトメトリーを使用して決定することができる。一部の実施形態において、マーカーの活性化及び枯渇は、限定されないが、CD3、PD-1、2B4/CD244、CD8、CD25、BTLA、KLRG、TIM-3、CD194/CCR4、CD4、TIGIT、CD183、CD69、CD95、CD127、CD103及び/又はLAG-3からなる群から選択される1つ以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、マーカーの活性化及び枯渇は、限定されないが、BTLA、CTLA-4、ICOS、Ki67、LAG-3、PD-1、TIGIT及び/又はTIM-3からなる群から選択される1つ以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、マーカーの活性化及び枯渇は、限定されないが、BTLA、CTLA-4、ICOS、Ki67、LAG-3、CD103+/CD69+、CD103+/CD69-、PD-1、TIGIT及び/又はTIM-3からなる群から選択される1つ以上のマーカーを含む。一部の実施形態において、T細胞マーカー(活性化及び枯渇マーカーを含む)は、T細胞の活性化、阻害又は機能を調べるために決定及び/又は分析され得る。一部の実施形態において、T細胞マーカーは、限定されないが、TIGIT、CD3、FoxP3、Tim-3、PD-1、CD103、CTLA-4、LAG-3、BTLA-4、ICOS、Ki67、CD8、CD25、CD45、CD4及び/又はCD59からなる群から選択される1つ以上のマーカーを含み得る。
[00944] 一部の実施形態において、表現型の特徴付けは、凍結保存後に調べられる。
N.追加的なプロセス実施形態
[00945] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を治療用TIL集団に拡大培養する方法も提供し、この方法は、(a)対象から得られた腫瘍サンプルを処理して複数の腫瘍断片にすることにより、対象から切除された腫瘍から第1のTIL集団を得ること;(b)IL-2及びOKT-3を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施することであって、第1の初回刺激拡大培養は、第2のTIL集団を得るために約1~8日間にわたって実施され、TILの第2の集団は、数においてTILの第1の集団よりも多い、実施すること;(c)第2のTIL集団を、IL-2、OKT-3及び外因性抗原提示細胞(APC)を含む細胞培養培地と接触させることにより、第2の急速拡大培養を実施して、第3のTIL集団を生じさせることであって、第2の急速拡大培養は、第3のTIL集団を得るために約1日間~10日間にわたって実施され、第3のTIL集団は、治療用TIL集団である、生じさせること;及び(d)ステップ(c)から得られた治療用TIL集団を回収することを含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第2のTIL集団を小スケール培養物から第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移すことにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、第2の容器において、小スケール培養物からの第2のTIL集団は、より大きいスケールの培養物中で、約4~8日間の期間にわたり培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団の一部は、約4~8日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、小スケール培養物からそのような第2の容器へ移された第2のTIL集団の一部は、約4~8日間の期間にわたり、より大きいスケールの培養物中で培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、小スケール培養物からそのような第2の容器へ移された第2のTIL集団の一部は、約5~7日間の期間にわたり、より大きいスケールの培養物中で培養される。
[00946] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を治療用TIL集団に拡大培養する方法も提供し、この方法は、(a)対象から得られた腫瘍サンプルを処理して複数の腫瘍断片にすることにより、対象から切除された腫瘍から第1のTIL集団を得ること;(b)IL-2及びOKT-3を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施することであって、第1の初回刺激拡大培養は、第2のTIL集団を得るために約1~8日間にわたって実施され、TILの第2の集団は、数においてTILの第1の集団よりも多い、実施すること;(c)第2のTIL集団を、IL-2、OKT-3及び外因性抗原提示細胞(APC)を含む細胞培養培地と接触させることにより、第2の急速拡大培養を実施して、第3のTIL集団を生じさせることであって、第2の急速拡大培養は、第3のTIL集団を得るために約1日間~8日間にわたって実施され、第3のTIL集団は、治療用TIL集団である、生じさせること;及び(d)ステップ(c)から得られた治療用TIL集団を回収することを含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第2のTIL集団を小スケール培養物から第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移すことにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、第2の容器において、小スケール培養物からの第2のTIL集団は、より大きいスケールの培養物中で、約4~8日間の期間にわたり培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団の一部は、約4~6日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、小スケール培養物からそのような第2の容器へ移された第2のTIL集団の一部は、約4~6日間の期間にわたり、より大きいスケールの培養物中で培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、小スケール培養物からそのような第2の容器へ移された第2のTIL集団の一部は、約4~5日間の期間にわたり、より大きいスケールの培養物中で培養される。
[00947] 一部の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を治療用TIL集団に拡大培養する方法も提供し、この方法は、(a)対象から得られた腫瘍サンプルを処理して複数の腫瘍断片にすることにより、対象から切除された腫瘍から第1のTIL集団を得ること;(b)IL-2及びOKT-3を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施することであって、第1の初回刺激拡大培養は、第2のTIL集団を得るために約1~7日間にわたって実施され、TILの第2の集団は、数においてTILの第1の集団よりも多い、実施すること;(c)第2のTIL集団を、IL-2、OKT-3及び外因性抗原提示細胞(APC)を含む細胞培養培地と接触させることにより、第2の急速拡大培養を実施して、第3のTIL集団を生じさせることであって、第2の急速拡大培養は、第3のTIL集団を得るために約1~11日間にわたって実施され、第3のTIL集団は、治療用TIL集団である、生じさせること;及び(d)ステップ(c)から得られた治療用TIL集団を回収することを含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第2のTIL集団を小スケール培養物から第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移すことにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、第2の容器において、小スケール培養物からの第2のTIL集団は、より大きいスケールの培養物中で、約4~7日間の期間にわたり培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団の一部は、約4~7日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、小スケール培養物からそのような第2の容器へ移された第2のTIL集団の一部は、約4~7日間の期間にわたり、より大きいスケールの培養物中で培養される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(1)第2のTIL集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(2)第1の小スケール培養物からの第2のTIL集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割され、ここで、各第2の容器において、小スケール培養物からそのような第2の容器へ移された第2のTIL集団の一部は、約5日間の期間にわたり、より大きいスケールの培養物中で培養される。
[00948] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、最初の第1の拡大培養が、第1のTIL集団を、外因性の抗原提示細胞(APC)を更に含む培養培地に接触させることによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)の培養培地中のAPCの数は、ステップ(b)の培養培地中のAPCの数よりも大きい。
[00949] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において培養培地に追加の外因性のAPCが補充されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00950] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~20:1又は約20:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00951] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~10:1又は約10:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00952] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~9:1又は約9:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00953] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~8:1又は約8:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00954] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~7:1又は約7:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00955] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~6:1又は約6:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00956] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~5:1又は約5:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00957] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~4:1又は約4:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00958] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~3:1又は約3:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00959] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.9:1又は約2.9:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00960] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.8:1又は約2.8:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00961] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.7:1又は約2.7:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00962] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.6:1又は約2.6:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00963] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.5:1又は約2.5:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00964] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.4:1又は約2.4:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00965] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.3:1又は約2.3:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00966] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.2:1又は約2.2:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00967] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2.1:1又は約2.1:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00968] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1又は約1.1:1~2:1又は約2:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00969] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~10:1又は約10:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00970] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~5:1又は約5:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00971] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~4:1又は約4:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00972] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~3:1又は約3:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00973] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.9:1又は約2.9:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00974] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.8:1又は約2.8:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00975] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.7:1又は約2.7:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00976] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.6:1又は約2.6:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00977] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.5:1又は約2.5:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00978] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.4:1又は約2.4:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00979] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.3:1又は約2.3:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00980] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.2:1又は約2.2:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00981] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1~2.1:1又は約2.1:1の範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00982] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、2:1又は約2:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00983] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数と、ステップ(b)で添加されたAPCの数との比が、1.1:1若しくは約1.1:1、1.2:1若しくは約1.2:1、1.3:1若しくは約1.3:1、1.4:1若しくは約1.4:1、1.5:1若しくは約1.5:1、1.6:1若しくは約1.6:1、1.7:1若しくは約1.7:1、1.8:1若しくは約1.8:1、1.9:1若しくは約1.9:1、2:1若しくは約2:1、2.1:1若しくは約2.1:1、2.2:1若しくは約2.2:1、2.3:1若しくは約2.3:1、2.4:1若しくは約2.4:1、2.5:1若しくは約2.5:1、2.6:1若しくは約2.6:1、2.7:1若しくは約2.7:1、2.8:1若しくは約2.8:1、2.9:1若しくは約2.9:1、3:1若しくは約3:1、3.1:1若しくは約3.1:1、3.2:1若しくは約3.2:1、3.3:1若しくは約3.3:1、3.4:1若しくは約3.4:1、3.5:1若しくは約3.5:1、3.6:1若しくは約3.6:1、3.7:1若しくは約3.7:1、3.8:1若しくは約3.8:1、3.9:1若しくは約3.9:1、4:1若しくは約4:1、4.1:1若しくは約4.1:1、4.2:1若しくは約4.2:1、4.3:1若しくは約4.3:1、4.4:1若しくは約4.4:1、4.5:1若しくは約4.5:1、4.6:1若しくは約4.6:1、4.7:1若しくは約4.7:1、4.8:1若しくは約4.8:1、4.9:1若しくは約4.9:1又は5:1若しくは5:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00984] 別の実施形態において、本発明は、第1の初回刺激拡大培養で添加されたAPCの数が、1×108若しくは約1×108、1.1×108若しくは約1.1×108、1.2×108若しくは約1.2×108、1.3×108若しくは約1.3×108、1.4×108若しくは約1.4×108、1.5×108若しくは約1.5×108、1.6×108若しくは約1.6×108、1.7×108若しくは約1.7×108、1.8×108若しくは約1.8×108、1.9×108若しくは約1.9×108、2×108若しくは約2×108、2.1×108若しくは約2.1×108、2.2×108若しくは約2.2×108、2.3×108若しくは約2.3×108、2.4×108若しくは約2.4×108、2.5×108若しくは約2.5×108、2.6×108若しくは約2.6×108、2.7×108若しくは約2.7×108、2.8×108若しくは約2.8×108、2.9×108若しくは約2.9×108、3×108若しくは約3×108、3.1×108若しくは約3.1×108、3.2×108若しくは約3.2×108、3.3×108若しくは約3.3×108、3.4×108若しくは約3.4×108又は3.5×108若しくは約3.5×108APCであり、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数が、3.5×108若しくは約3.5×108、3.6×108若しくは約3.6×108、3.7×108若しくは約3.7×108、3.8×108若しくは約3.8×108、3.9×108若しくは約3.9×108、4×108若しくは約4×108、4.1×108若しくは約4.1×108、4.2×108若しくは約4.2×108、4.3×108若しくは約4.3×108、4.4×108若しくは約4.4×108、4.5×108若しくは約4.5×108、4.6×108若しくは約4.6×108、4.7×108若しくは約4.7×108、4.8×108若しくは約4.8×108、4.9×108若しくは約4.9×108、5×108若しくは約5×108、5.1×108若しくは約5.1×108、5.2×108若しくは約5.2×108、5.3×108若しくは約5.3×108、5.4×108若しくは約5.4×108、5.5×108若しくは約5.5×108、5.6×108若しくは約5.6×108、5.7×108若しくは約5.7×108、5.8×108若しくは約5.8×108、5.9×108若しくは約5.9×108、6×108若しくは約6×108、6.1×108若しくは約6.1×108、6.2×108若しくは約6.2×108、6.3×108若しくは約6.3×108、6.4×108若しくは約6.4×108、6.5×108若しくは約6.5×108、6.6×108若しくは約6.6×108、6.7×108若しくは約6.7×108、6.8×108若しくは約6.8×108、6.9×108若しくは約6.9×108、7×108若しくは約7×108、7.1×108若しくは約7.1×108、7.2×108若しくは約7.2×108、7.3×108若しくは約7.3×108、7.4×108若しくは約7.4×108、7.5×108若しくは約7.5×108、7.6×108若しくは約7.6×108、7.7×108若しくは約7.7×108、7.8×108若しくは約7.8×108、7.9×108若しくは約7.9×108、8×108若しくは約8×108、8.1×108若しくは約8.1×108、8.2×108若しくは約8.2×108、8.3×108若しくは約8.3×108、8.4×108若しくは約8.4×108、8.5×108若しくは約8.5×108、8.6×108若しくは約8.6×108、8.7×108若しくは約8.7×108、8.8×108若しくは約8.8×108、8.9×108若しくは約8.9×108、9×108若しくは約9×108、9.1×108若しくは約9.1×108、9.2×108若しくは約9.2×108、9.3×108若しくは約9.3×108、9.4×108若しくは約9.4×108、9.5×108若しくは約9.5×108、9.6×108若しくは約9.6×108、9.7×108若しくは約9.7×108、9.8×108若しくは約9.8×108、9.9×108若しくは約9.9×108又は1×109若しくは約1×109APCである。ように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00985] 別の実施形態において、本発明は、第1の初回刺激拡大培養で添加されたAPCの数が、1×108又は約1×108APC~3.5×108又は約3.5×108APCの範囲であり、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数が、3.5×108又は約3.5×108APC~1×109又は約1×109APCの範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00986] 別の実施形態において、本発明は、第1の初回刺激拡大培養で添加されたAPCの数が、1.5×108又は約1.5×108APC~3×108又は約3×108APCの範囲であり、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数が、4×108又は約4×108APC~7.5×108又は約7.5×108APCの範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00987] 別の実施形態において、本発明は、第1の初回刺激拡大培養で添加されたAPCの数が、2×108又は約2×108APC~2.5×108又は約2.5×108APCの範囲であり、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数が、4.5×108又は約4.5×108APC~5.5×108又は約5.5×108APCの範囲であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00988] 別の実施形態において、本発明は、2.5×108又は約2.5×108個のAPCが、第1の初回刺激拡大培養に添加され、5×108又は約5×108個のAPCが、第2の急速拡大培養に添加されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00989] 別の実施形態において、本発明は、抗原提示細胞が末梢血単核球(PBMC)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00990] 別の実施形態において、本発明は、複数の腫瘍断片が複数の別個の容器に分配され、そのそれぞれの容器において第1のTIL集団がステップ(a)で得られ、第2のTIL集団がステップ(b)で得られ、第3のTIL集団がステップ(c)で得られ、ステップ(c)の複数の容器からの治療用TIL集団を併せて、ステップ(d)から回収されるTIL集団が得られるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00991] 別の実施形態において、本発明は、複数の腫瘍が複数の別個の容器に均一に分配されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00992] 別の実施形態において、本発明は、複数の別個の容器が、少なくとも2個の別個の容器を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00993] 別の実施形態において、本発明は、複数の別個の容器が、2~20個の別個の容器を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00994] 別の実施形態において、本発明は、複数の別個の容器が、2~15個の別個の容器を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00995] 別の実施形態において、本発明は、複数の別個の容器が、2~10個の別個の容器を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00996] 別の実施形態において、本発明は、複数の別個の容器が、2~5個の別個の容器を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00997] 別の実施形態において、本発明は、複数の別個の容器が、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個又は20個の別個の容器を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00998] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)で第1のTIL集団に対して第1の初回刺激拡大培養が実施される各容器について、ステップ(c)における第2の急速拡大培養が、そのような第1のTIL集団から産生された第2のTIL集団に対して同じ容器内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[00999] 別の実施形態において、本発明は、別個の容器がそれぞれ第1のガス透過性表面積を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001000] 別の実施形態において、本発明は、複数の腫瘍断片が単一の容器に分配されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001001] 別の実施形態において、本発明は、単一の容器が第1のガス透過性表面積を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001002] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、最初の第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)において、APCは、第1のガス透過性表面積上に、1又は約1の細胞層~3又は約3の細胞層の厚さ平均で積層される。
[001003] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、1.5又は約1.5の細胞層~2.5又は約2.5の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001004] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、2又は約2の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001005] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、1若しくは約1、1.1若しくは約1.1、1.2若しくは約1.2、1.3若しくは約1.3、1.4若しくは約1.4、1.5若しくは約1.5、1.6若しくは約1.6、1.7若しくは約1.7、1.8若しくは約1.8、1.9若しくは約1.9、2若しくは約2、2.1若しくは約2.1、2.2若しくは約2.2、2.3若しくは約2.3、2.4若しくは約2.4、2.5若しくは約2.5、2.6若しくは約2.6、2.7若しくは約2.7、2.8若しくは約2.8、2.9若しくは約2.9又は3若しくは約3の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001006] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、3又は約3の細胞層~10又は約10の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001007] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、4又は約4の細胞層~8又は約8の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001008] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9又は10若しくは約10の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001009] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、4若しくは約4、4.1若しくは約4.1、4.2若しくは約4.2、4.3若しくは約4.3、4.4若しくは約4.4、4.5若しくは約4.5、4.6若しくは約4.6、4.7若しくは約4.7、4.8若しくは約4.8、4.9若しくは約4.9、5若しくは約5、5.1若しくは約5.1、5.2若しくは約5.2、5.3若しくは約5.3、5.4若しくは約5.4、5.5若しくは約5.5、5.6若しくは約5.6、5.7若しくは約5.7、5.8若しくは約5.8、5.9若しくは約5.9、6若しくは約6、6.1若しくは約6.1、6.2若しくは約6.2、6.3若しくは約6.3、6.4若しくは約6.4、6.5若しくは約6.5、6.6若しくは約6.6、6.7若しくは約6.7、6.8若しくは約6.8、6.9若しくは約6.9、7若しくは約7、7.1若しくは約7.1、7.2若しくは約7.2、7.3若しくは約7.3、7.4若しくは約7.4、7.5若しくは約7.5、7.6若しくは約7.6、7.7若しくは約7.7、7.8若しくは約7.8、7.9若しくは約7.9又は8若しくは約8の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001010] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のガス透過性表面積を含む第1の容器内で実施され、ステップ(c)において、第2の急速拡大培養が、第2のガス透過性表面積を含む第2の容器内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001011] 別の実施形態において、本発明は、第2の容器が第1の容器よりも大きくなるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001012] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)において、APCは、第1のガス透過性表面積上に、1又は約1の細胞層~3又は約3の細胞層の厚さ平均で積層される。
[001013] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、1.5又は約1.5の細胞層~2.5又は約2.5の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001014] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、2又は約2の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001015] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、1若しくは約1、1.1若しくは約1.1、1.2若しくは約1.2、1.3若しくは約1.3、1.4若しくは約1.4、1.5若しくは約1.5、1.6若しくは約1.6、1.7若しくは約1.7、1.8若しくは約1.8、1.9若しくは約1.9、2若しくは約2、2.1若しくは約2.1、2.2若しくは約2.2、2.3若しくは約2.3、2.4若しくは約2.4、2.5若しくは約2.5、2.6若しくは約2.6、2.7若しくは約2.7、2.8若しくは約2.8、2.9若しくは約2.9又は3若しくは約3の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001016] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第2のガス透過性表面積上に、3又は約3の細胞層~10又は約10の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001017] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第2のガス透過性表面積上に、4又は約4の細胞層~8又は約8の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001018] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第2のガス透過性表面積上に、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9又は10若しくは約10の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001019] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第2のガス透過性表面積上に、4若しくは約4、4.1若しくは約4.1、4.2若しくは約4.2、4.3若しくは約4.3、4.4若しくは約4.4、4.5若しくは約4.5、4.6若しくは約4.6、4.7若しくは約4.7、4.8若しくは約4.8、4.9若しくは約4.9、5若しくは約5、5.1若しくは約5.1、5.2若しくは約5.2、5.3若しくは約5.3、5.4若しくは約5.4、5.5若しくは約5.5、5.6若しくは約5.6、5.7若しくは約5.7、5.8若しくは約5.8、5.9若しくは約5.9、6若しくは約6、6.1若しくは約6.1、6.2若しくは約6.2、6.3若しくは約6.3、6.4若しくは約6.4、6.5若しくは約6.5、6.6若しくは約6.6、6.7若しくは約6.7、6.8若しくは約6.8、6.9若しくは約6.9、7若しくは約7、7.1若しくは約7.1、7.2若しくは約7.2、7.3若しくは約7.3、7.4若しくは約7.4、7.5若しくは約7.5、7.6若しくは約7.6、7.7若しくは約7.7、7.8若しくは約7.8、7.9若しくは約7.9又は8若しくは約8の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001020] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のガス透過性表面積を含む第1の容器内で実施され、ステップ(c)において、第2の急速拡大培養が、第1の容器内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001021] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、最初の第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)において、APCは、第1のガス透過性表面積上に、1又は約1の細胞層~3又は約3の細胞層の厚さ平均で積層される。
[001022] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、1.5又は約1.5の細胞層~2.5又は約2.5の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001023] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、2又は約2の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001024] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、1若しくは約1、1.1若しくは約1.1、1.2若しくは約1.2、1.3若しくは約1.3、1.4若しくは約1.4、1.5若しくは約1.5、1.6若しくは約1.6、1.7若しくは約1.7、1.8若しくは約1.8、1.9若しくは約1.9、2若しくは約2、2.1若しくは約2.1、2.2若しくは約2.2、2.3若しくは約2.3、2.4若しくは約2.4、2.5若しくは約2.5、2.6若しくは約2.6、2.7若しくは約2.7、2.8若しくは約2.8、2.9若しくは約2.9又は3若しくは約3の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001025] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、3又は約3の細胞層~10又は約10の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001026] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、4又は約4の細胞層~8又は約8の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001027] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9又は10若しくは約10の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001028] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)において、APCが、第1のガス透過性表面積上に、4若しくは約4、4.1若しくは約4.1、4.2若しくは約4.2、4.3若しくは約4.3、4.4若しくは約4.4、4.5若しくは約4.5、4.6若しくは約4.6、4.7若しくは約4.7、4.8若しくは約4.8、4.9若しくは約4.9、5若しくは約5、5.1若しくは約5.1、5.2若しくは約5.2、5.3若しくは約5.3、5.4若しくは約5.4、5.5若しくは約5.5、5.6若しくは約5.6、5.7若しくは約5.7、5.8若しくは約5.8、5.9若しくは約5.9、6若しくは約6、6.1若しくは約6.1、6.2若しくは約6.2、6.3若しくは約6.3、6.4若しくは約6.4、6.5若しくは約6.5、6.6若しくは約6.6、6.7若しくは約6.7、6.8若しくは約6.8、6.9若しくは約6.9、7若しくは約7、7.1若しくは約7.1、7.2若しくは約7.2、7.3若しくは約7.3、7.4若しくは約7.4、7.5若しくは約7.5、7.6若しくは約7.6、7.7若しくは約7.7、7.8若しくは約7.8、7.9若しくは約7.9又は8若しくは約8の細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001029] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:10又は約1:10の範囲である。
[001030] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:9又は約1:9の範囲である。
[001031] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:8又は約1:8の範囲である。
[001032] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:7又は約1:7の範囲である。
[001033] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:6又は約1:6の範囲である。
[001034] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:5又は約1:5の範囲である。
[001035] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:4又は約1:4の範囲である。
[001036] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加的な抗原提示細胞(APC)を補充することにより実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(c)で積層されたAPCの層の平均数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:3又は約1:3の範囲である。
[001037] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.1又は約1:1.1~1:2又は約1:2の範囲である。
[001038] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.2又は約1:1.2~1:8又は約1:8の範囲である。
[001039] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.3又は約1:1.3~1:7又は約1:7の範囲である。
[001040] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.4又は約1:1.4~1:6又は約1:6の範囲である。
[001041] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1の初回刺激拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.5又は約1:1.5~1:5又は約1:5の範囲である。
[001042] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、初回刺激第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.6又は約1:1.6~1:4又は約1:4の範囲である。
[001043] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、初回刺激第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.7又は約1:1.7~1:3.5又は約1:3.5の範囲である。
[001044] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、初回刺激第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.8又は約1:1.8~1:3又は約1:3の範囲である。
[001045] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、初回刺激第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.9又は約1:1.9~1:2.5又は約1:2.5の範囲である。
[001046] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、初回刺激第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:2又は約1:2の範囲である。
[001047] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、初回刺激第1の拡大培養が、第1のTIL集団の細胞培養培地に追加の抗原提示細胞(APC)を補充することによって実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供し、ここで、ステップ(c)で添加されたAPCの数は、ステップ(b)で追加されたAPCの数よりも大きく、ステップ(b)で積層されたAPCの平均層数と、ステップ(c)で積層されたAPCの平均層数との比は、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4、1:3.5、1:3.6、1:3.7、1:3.8、1:3.9、1:4、1:4.1、1:4.2、1:4.3、1:4.4、1:4.5、1:4.6、1:4.7、1:4.8、1:4.9、1:5、1:5.1、1:5.2、1:5.3、1:5.4、1:5.5、1:5.6、1:5.7、1:5.8、1:5.9、1:6、1:6.1、1:6.2、1:6.3、1:6.4、1:6.5、1:6.6、1:6.7、1:6.8、1:6.9、1:7、1:7.1、1:7.2、1:7.3、1:7.4、1:7.5、1:7.6、1:7.7、1:7.8、1:7.9、1:8、1:8.1、1:8.2、1:8.3、1:8.4、1:8.5、1:8.6、1:8.7、1:8.8、1:8.9、1:9、1:9.1、1:9.2、1:9.3、1:9.4、1:9.5、1:9.6、1:9.7、1:9.8、1:9.9若しくは1:10又は約1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9、1:3、1:3.1、1:3.2、1:3.3、1:3.4、1:3.5、1:3.6、1:3.7、1:3.8、1:3.9、1:4、1:4.1、1:4.2、1:4.3、1:4.4、1:4.5、1:4.6、1:4.7、1:4.8、1:4.9、1:5、1:5.1、1:5.2、1:5.3、1:5.4、1:5.5、1:5.6、1:5.7、1:5.8、1:5.9、1:6、1:6.1、1:6.2、1:6.3、1:6.4、1:6.5、1:6.6、1:6.7、1:6.8、1:6.9、1:7、1:7.1、1:7.2、1:7.3、1:7.4、1:7.5、1:7.6、1:7.7、1:7.8、1:7.9、1:8、1:8.1、1:8.2、1:8.3、1:8.4、1:8.5、1:8.6、1:8.7、1:8.8、1:8.9、1:9、1:9.1、1:9.2、1:9.3、1:9.4、1:9.5、1:9.6、1:9.7、1:9.8、1:9.9若しくは1:10である。
[001048] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団中のTIL数と第1のTIL集団のTIL数との比が、1.5:1又は約1.5:1~100:1又は約100:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001049] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団中のTIL数と第1のTIL集団のTIL数との比が、50:1又は約50:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001050] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団中のTIL数と第1のTIL集団のTIL数との比が、25:1又は約25:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001051] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団中のTIL数と第1のTIL集団のTIL数との比が、20:1又は約20:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001052] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団中のTIL数と第1のTIL集団のTIL数との比が、10:1又は約10:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001053] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団が、第1のTIL集団より数が少なくとも50倍又は約50倍多くなるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001054] 別の実施形態において、本発明は、第2のTIL集団が、第1のTIL集団より数が、少なくとも1倍若しくは約1倍、2倍若しくは約2倍、3倍若しくは約3倍、4倍若しくは約4倍、5倍若しくは約5倍、6倍若しくは約6倍、7倍若しくは約7倍、8倍若しくは約8倍、9倍若しくは約9倍、10倍若しくは約10倍、11倍若しくは約11倍、12倍若しくは約12倍、13倍若しくは約13倍、14倍若しくは約14倍、15倍若しくは約15倍、16倍若しくは約16倍、17倍若しくは約17倍、18倍若しくは約18倍、19倍若しくは約19倍、20倍若しくは約20倍、21倍若しくは約21倍、22倍若しくは約22倍、23倍若しくは約23倍、24倍若しくは約24倍、25倍若しくは約25倍、26倍若しくは約26倍、27倍若しくは約27倍、28倍若しくは約28倍、29倍若しくは約29倍、30倍若しくは約30倍、31倍若しくは約31倍、32倍若しくは約32倍、33倍若しくは約33倍、34倍若しくは約34倍、35倍若しくは約35倍、36倍若しくは約36倍、37倍若しくは約37倍、38倍若しくは約38倍、39倍若しくは約39倍、40倍若しくは約40倍、41倍若しくは約41倍、42倍若しくは約42倍、43倍若しくは約43倍、44倍若しくは約44倍、45倍若しくは約45倍、46倍若しくは約46倍、47倍若しくは約47倍、48倍若しくは約48倍、49倍若しくは約49倍又は50倍若しくは約50倍多くなるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001055] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)における第2の期間の開始から2日若しくは約2日又は3日又は約3日後に細胞培養培地に追加のIL-2が補充されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001056] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存プロセスを使用して、ステップ(d)の回収されたTIL集団を凍結保存するステップを更に含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001057] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(d)後、(e)ステップ(d)における回収されたTIL集団を輸注バッグ(任意選択によりHypothermosolを含有する)に移す追加のステップを実施することを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001058] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存プロセスを使用して、ステップ(e)における回収されたTIL集団を含む輸注バッグを凍結保存するステップを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001059] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存プロセスが、回収されたTIL集団と凍結保存培地との比は比1:1を使用して実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001060] 別の実施形態において、本発明は、抗原提示細胞が末梢血単核球(PBMC)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001061] 別の実施形態において、本発明は、PBMCが、照射され、且つ同種異系であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001062] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)で細胞培養物に添加されるAPCの総数が2.5×108であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001063] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)で細胞培養物に添加されるAPCの総数が5×108であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001064] 別の実施形態において、本発明は、APCがPBMCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001065] 別の実施形態において、本発明は、PBMCが、照射され、且つ同種異系であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001066] 別の実施形態において、本発明は、抗原提示細胞が、人工抗原提示細胞であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001067] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(d)の回収が、膜ベースの細胞プロセスシステムを使用して実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001068] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(d)の回収が、LOVO細胞プロセスシステムを使用して実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001069] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり5又は約5~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001070] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり10又は約10~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001071] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり15又は約15~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001072] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり20又は約20~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001073] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり25又は約25~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001074] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり30又は約30~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001075] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり35又は約35~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001076] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり40又は約40~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001077] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり45又は約45~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001078] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり50又は約50~60又は約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001079] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59又は60若しくは約60の断片を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001080] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、27mm3又は約27mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001081] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、20mm3又は約20mm3~50mm3又は約50mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001082] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、21mm3又は約21mm3~30mm3又は約30mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001083] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、22mm3又は約22mm3~29.5mm3又は約29.5mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001084] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、23mm3又は約23mm3~29mm3又は約29mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001085] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、24mm3又は約24mm3~28.5mm3又は約28.5mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001086] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、25mm3又は約25mm3~28mm3又は約28mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001087] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、26.5mm3又は約26.5mm3~27.5mm3又は約27.5mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001088] 別の実施形態において、本発明は、各断片が、21mm3若しくは約21mm3、22mm3若しくは約22mm3、23mm3若しくは約23mm3、24mm3若しくは約24mm3、25mm3若しくは約25mm3、26mm3若しくは約26mm3、27mm3若しくは約27mm3、28mm3若しくは約28mm3、29mm3若しくは約29mm3、30mm3若しくは約30mm3、31mm3若しくは約31mm3、32mm3若しくは約32mm3、33mm3若しくは約33mm3、34mm3若しくは約34mm3、35mm3若しくは約35mm3、36mm3若しくは約36mm3、37mm3若しくは約37mm3、38mm3若しくは約38mm3、39mm3若しくは約39mm3、40mm3若しくは約40mm3、41mm3若しくは約41mm3、42mm3若しくは約42mm3、43mm3若しくは約43mm3、44mm3若しくは約44mm3、45mm3若しくは約45mm3、46mm3若しくは約46mm3、47mm3若しくは約47mm3、48mm3若しくは約48mm3、49mm3若しくは約49mm3又は50mm3若しくは約50mm3の体積を有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001089] 別の実施形態において、本発明は、複数の断片が、30又は約30~60又は約60の断片を含み、総体積が1300mm3又は約1300mm3~1500mm3又は約1500mm3であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001090] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり50又は約50の断片を含み、総体積が1350mm3又は約1350mm3であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001091] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、複数の断片が、1容器あたり50又は約50の断片を含み、総重量が1g又は約1g~1.5g又は約1.5gであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001092] 別の実施形態において、本発明は、細胞培養培地が、Gコンテナ又はXuri細胞培養バッグである容器内に提供されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001093] 別の実施形態において、本発明は、細胞培養培地中のIL-2濃度が、約10,000IU/mL~約5,000IU/mLであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001094] 別の実施形態において、本発明は、細胞培養培地中のIL-2濃度が、約6,000IU/mLであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001095] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存培地がジメチルスルホキシド(DMSO)を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001096] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存培地が7%~10%のDMSOを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001097] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第1の期間が、1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間又は7日間若しくは約7日間の期間内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001098] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)の第2の期間が、1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間、7日間若しくは約7日間、8日間若しくは約8日間、9日間若しくは約9日間、10日間若しくは約10日間又は11日間若しくは約11日間の期間内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001099] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第1の期間及びステップ(c)の第2の期間が、それぞれ個別に1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間又は7日間若しくは約7日間の期間内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001100] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第1の期間及びステップ(c)の第2の期間が、それぞれ個別に5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間又は7日間若しくは約7日間の期間内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001101] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第1の期間及びステップ(c)の第2の期間が、それぞれ個別に7日間若しくは約7日間の期間内で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001102] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計14日又は約14日~18日又は約18日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001103] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計15日若しくは約15日又は18日若しくは約18日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001104] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計16日若しくは約16日又は18日若しくは約18日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001105]
[001106] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計17日若しくは約17日又は18日若しくは約18日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001107] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計14日若しくは約14日又は17日若しくは約17日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001108] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計15日若しくは約15日又は17日若しくは約17日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001109] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計16日若しくは約16日又は17日若しくは約17日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001110] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計14日若しくは約14日又は16日若しくは約16日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001111] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計15日若しくは約15日又は16日若しくは約16日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001112] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計14日又は約14日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001113] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計15日又は約15日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001114] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計16日又は約16日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001115] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計17日又は約17日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001116] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計18日又は約18日で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001117] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計14日又は約14日以下で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001118] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計15日又は約15日以下で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001119] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計16日又は約16日以下で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001120] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計17日又は約17日以下で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001121] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)~(d)が、合計18日又は約18日以下で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001122] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(d)で回収した治療用TIL集団中が、治療有効投与量のTILのために十分なTILを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001123] 別の実施形態において、本発明は、治療有効投与量のために十分なTILの数が、2.3×1010又は約2.3×1010~13.7×1010又は約13.7×1010個であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001124] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)の第3のTIL集団が、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001125] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)における第3のTIL集団が、16日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも1倍~5倍多い又はそれを超える、インターフェロンガンマ産生を提供するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001126] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)における第3のTIL集団が、17日間より長いプロセスにより調製されたTILと比較して、少なくとも1倍~5倍多いか又はそれを超える、インターフェロンガンマ産生を提供するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001127] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)における第3のTIL集団が、18日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも1倍~5倍多い又はそれを超える、インターフェロンガンマ産生を提供するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001128] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)の第3のTIL集団から得られたエフェクターT細胞及び/又はセントラルメモリーT細胞が、ステップ(b)の第2の細胞集団から得られるエフェクターT細胞及び/又はセントラルメモリーT細胞と比べて、CD8及びCD28発現の増加を呈するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001129] 別の実施形態において、本発明は、本方法で列挙される各容器が、閉鎖容器であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001130] 別の実施形態において、本発明は、本方法で列挙される各容器が、G-コンテナであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001131] 別の実施形態において、本発明は、本方法で列挙される各容器が、GREX-10であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001132] 別の実施形態において、本発明は、本方法で列挙される各容器が、GREX-100であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001133] 別の実施形態において、本発明は、本方法で列挙される各容器が、GREX-500であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001134] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法によって作製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供する。
[001135] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、いかなる添加された抗原提示細胞(APC)もなしに且ついかなる添加されたOKT3もなしにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスにより調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001136] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、抗原提示細胞(APC)を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001137] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、OKT3を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001138] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、抗原提示細胞(APC)を添加せず、且つOKT3を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001139] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、16日間より長いプロセスによるプロセスによって調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001140] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、17日間より長いプロセスによるプロセスによって調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001141] 別の実施形態において、本発明は、患者の腫瘍組織から調製された治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供し、ここで、治療用TIL集団は、18日間より長いプロセスによるプロセスによって調製されたTILと比較して、有効性の増加、インターフェロンガンマ産生の増加及び/又はポリクローナル性の増加を提供する。
[001142] 別の実施形態において、本発明は、インターフェロンガンマ産生の増加を提供する、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。
[001143] 別の実施形態において、本発明は、ポリクローナル性の増加を提供する、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。
[001144] 別の実施形態において、本発明は、有効性の増加を提供する、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。
[001145] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、16日間より長いプロセスにより調製されたTILと比較して、少なくとも1倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、17日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも1倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、18日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも1倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも1倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001146] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、16日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも2倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、17日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも2倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、18日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも2倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも2倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001147] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、16日間より長いプロセスにより調製されたTILと比較して、少なくとも3倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、17日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも3倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団が、18日間より長いプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも3倍多いインターフェロンガンマ産生が可能であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも3倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001148] 別の実施形態において、本発明は、抗原提示細胞(APC)を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも1倍多いインターフェロンガンマ産生が可能である、治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも1倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001149] 別の実施形態において、本発明は、OKT3を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも1倍多いインターフェロンガンマ産生が可能である、治療用腫瘍浸潤リンパ球(TIL)集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも1倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001150] 別の実施形態において、本発明は、APCを添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも2倍多いインターフェロンガンマ産生が可能である、治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも2倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001151] 別の実施形態において、本発明は、OKT3を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも2倍多いインターフェロンガンマ産生が可能である、治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも2倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001152] 別の実施形態において、本発明は、APCを添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも3倍多いインターフェロンガンマ産生が可能である、治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも2倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001153] 別の実施形態において、本発明は、OKT3を添加せずにTILの第1の拡大培養を実施するプロセスによって調製されたTILと比較して、少なくとも3倍多いインターフェロンガンマ産生が可能である、治療用TIL集団を提供する。一部の実施形態において、TILは、例えば、上記のステップA~Fに記載されるか又は上記のステップA~Fに従う(また、例えば、図1(特に例えば、図1B及び/又は図1C)に示される)、本明細書に記載の拡大培養プロセスにより、少なくとも3倍多くのインターフェロンガンマ産生が可能になる。
[001154] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍断片が小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001155] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍断片がコア生検であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001156] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍断片が細針吸引であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001157] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍断片が小生検(例えば、パンチ生検を含む)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001158] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍断片がコア針生検であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001159] 別の実施形態において、本発明は、(i)方法が、対象からの腫瘍組織の1つ以上の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から、第1のTIL集団を入手することを含み、(ii)方法が、第1の初回刺激拡大培養のステップを実施する前に、約3日間にわたり、IL-2を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養するステップを実施することを含み、(iii)方法が、約8日間にわたり、第1の初回刺激拡大培養を実施することを含み、(iv)方法が、約11日間にわたり、第2の急速拡大培養を実施することを含む、ように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。前述の実施形態の一部において、方法のステップは、約22日で完了する。
[001160] 別の実施形態において、本発明は、(i)方法が、対象からの腫瘍組織の1つ以上の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から、第1のTIL集団を入手することを含み、(ii)方法が、第1の初回刺激拡大培養のステップを実施する前に、約3日間にわたり、IL-2を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養するステップを実施することを含み、(iii)方法が、約8日間にわたり、第1の初回刺激拡大培養を実施することを含み、(iv)方法が、第2のTIL集団の培養物を約5日間培養し、培養物を最大5つの継代培養物に分割し、継代培養物を約6日間培養することにより、第2の急速拡大培養を実施することを含む、ように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。前述の実施形態の一部において、最大5つの継代培養物は、それぞれ、第2のTIL集団の培養が第2の急速拡大培養で開始される容器と同じかそれより大きい容器で培養される。前述の実施形態の一部において、第2のTIL集団の培養物は、最大5つの継代培養物間で等しく分割される。前述の実施形態の一部において、方法のステップは、約22日で完了する。
[001161] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001162] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001163] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001164] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001165] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約20のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001166] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約10のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001167] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001168] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001169] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約20の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001170] 第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約10の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落。
[001171] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001172] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001173] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約20のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001174] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約10のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001175] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001176] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001177] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001178] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1~約10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001179] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001180] 別の実施形態において、本発明は、第1のTIL集団が、対象からの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001181] 別の実施形態において、本発明は、(i)方法が、対象からの腫瘍組織の1~約10のコア生検から、第1のTIL集団を入手することを含み、(ii)方法が、第1の初回刺激拡大培養のステップを実施する前に、約3日間にわたり、IL-2を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養するステップを実施することを含み、(iii)方法が、約8日間にわたり、IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC)を含む培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養ステップを実施して、第2のTIL集団を入手することを含み、(iv)方法が、約11日間にわたり、IL-2、OKT-3及びAPCを含む培養培地中で第2のTIL集団を培養することにより、第2の急速拡大培養ステップを実施することを含む、ように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。前述の実施形態の一部において、方法のステップは、約22日で完了する。
[001182] 別の実施形態において、本発明は、(i)方法が、対象からの腫瘍組織の1~約10のコア生検から、第1のTIL集団を入手することを含み、(ii)方法が、第1の初回刺激拡大培養のステップを実施する前に、約3日間にわたり、IL-2を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養するステップを実施することを含み、(iii)方法が、約8日間にわたり、IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC)を含む培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養ステップを実施して、第2のTIL集団を入手することを含み、(iv)方法が、IL-2、OKT-3及びAPCを含む培養培地中で第2のTIL集団の培養物を約5日間培養し、培養物を最大5つの継代培養物に分割し、IL-2を含む培養培地中で各継代培養物を約6日間培養することにより、第2の急速拡大培養を実施することを含む、ように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。前述の実施形態の一部において、最大5つの継代培養物は、それぞれ、第2のTIL集団の培養が第2の急速拡大培養で開始される容器と同じかそれより大きい容器で培養される。前述の実施形態の一部において、第2のTIL集団の培養物は、最大5つの継代培養物間で等しく分割される。前述の実施形態の一部において、方法のステップは、約22日で完了する。
[001183] 別の実施形態において、本発明は、(i)方法が、対象からの腫瘍組織の1~約10のコア生検から、第1のTIL集団を入手することを含み、(ii)方法が、第1の初回刺激拡大培養のステップを実施する前に、約3日間にわたり、G-Rex 100Mフラスコで、0.5LのCM1培養培地中に1mlあたり6000IUのIL-2を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養するステップを実施することを含み、(iii)方法が、6000IU/mlのIL-2、30ng/mlのOKT-3及び約108個のフィーダー細胞を含有する0.5LのCM1培地を添加し、約8日間培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施することを含み、(iv)方法が、(a)第2のTIL集団を3000IU/mlのIL-2、30ng/mlのOKT-3及び5×109個のフィーダー細胞を含有する5LのCM2培地を有するG-Rex 500MCSフラスコに移し、約5日間培養すること、(b)3000IU/mlのIL-2を含む5LのAIM-V培地を有する最大5つのG-Rex 500MCSフラスコにそれぞれ109個のTILを移すことにより、培養物を最大5つの継代培養物に分割し、継代培養物を6日間培養することにより、第2の急速拡大培養を実施することを含む、ように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。前述の実施形態の一部において、方法のステップは、約22日で完了する。
[001184] 別の実施形態において、本発明は、(a)第1のT細胞集団を培養して、増殖をもたらし、第1のT細胞集団の活性化を初回刺激することにより、ドナーから入手した第1のT細胞集団の第1の初回刺激拡大培養を実施すること;(b)ステップ(a)で初回刺激された第1のT細胞集団の活性化が減衰し始めた後、第2のT細胞集団を得るために、第1のT細胞集団を培養して、増殖をもたらし、第1のT細胞集団の活性化を追加刺激することにより、第1のT細胞集団の第2の急速拡大培養を実施すること;及び(c)第2のT細胞集団を回収することを含む、T細胞を拡大培養する方法を提供する。別の実施形態において、第2の急速拡大培養のステップは、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)第1のT細胞集団を小スケール培養物から第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移し、小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、第2の容器内のより大きいスケールの培養物中で、約4~7日間の期間にわたり培養することにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。別の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)第1の小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約4~7日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割される。別の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約4~7日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。別の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約5日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。
[001185] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)第1のT細胞集団を小スケール培養物から第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移し、小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、第2の容器内のより大きいスケールの培養物中で、約5~7日間の期間にわたり培養することにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001186] 別の実施形態において、本発明は、急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)第1の小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約5~7日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001187] 別の実施形態において、本発明は、急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約2~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約5~7日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001188] 別の実施形態において、本発明は、急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約5~6日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001189] 別の実施形態において、本発明は、急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約5日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001190] 別の実施形態において、本発明は、急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約6日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001191] 別の実施形態において、本発明は、急速拡大培養のステップが、(a)第1のT細胞集団を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からの第1のT細胞集団を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からの第1のT細胞集団の一部は、約7日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。
[001192] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、最大7日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001193] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大8日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001194] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大9日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001195] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大10日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001196] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大11日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001197] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、7日間の期間中に実施され、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大9日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001198] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、7日間の期間中に実施され、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大10日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001199] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、7日間又は8日間の期間中に実施され、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大9日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001200] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、7日間又は8日間の期間中に実施され、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大10日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001201] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、8日間の期間中に実施され、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大9日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001202] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)の第1の初回刺激拡大培養が、8日間の期間中に実施され、ステップ(b)の第2の急速拡大培養が、最大8日間の期間中に実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001203] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のT細胞集団が、OKT-3及びIL-2を含む第1の培養培地で培養されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001204] 別の実施形態において、本発明は、第1の培養培地が、OKT-3、IL-2及び抗原提示細胞(APC)を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001205] 別の実施形態において、本発明は、第1の培養培地が、4-1BBアゴニスト、OKT-3及びIL-2を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001206] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第1のT細胞集団が、OKT-3、IL-2及び抗原提示細胞(APC)を含む第2の培養培地で培養されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001207] 別の実施形態において、本発明は、第1の培養培地が、4-1BBアゴニスト、OKT-3、IL-2及び抗原提示細胞(APC)を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001208] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のT細胞集団が、第1のガス透過性表面を含む容器内の第1の培養培地で培養され、第1の培養培地が、OKT-3、IL-2及び第1の抗原提示細胞(APC)集団を含み、第1のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第1のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、ステップ(b)において、第1のT細胞集団が、容器内の第2の培養培地で培養され、第2の培養培地が、OKT-3、IL-2及び第2のAPC集団を含み、第2のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第2のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、第2のAPC集団が、第1のAPC集団よりも大きいように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001209] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のT細胞集団が、第1のガス透過性表面を含む容器内の第1の培養培地中で培養され、第1の培養培地が、4-1BBアゴニスト、OKT-3、IL-2及び第1の抗原提示細胞(APC)集団を含み、第1のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第1のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、ステップ(b)において、第1のT細胞集団が、容器内の第2の培養培地中で培養され、第2の培養培地が、OKT-3、IL-2及び第2のAPC集団を含み、第2のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第2のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、第2のAPC集団が、第1のAPC集団よりも大きいように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001210] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のT細胞集団が、第1のガス透過性表面を含む容器内の第1の培養培地中で培養され、第1の培養培地が、OKT-3、IL-2及び第1の抗原提示細胞(APC)集団を含み、第1のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第1のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、ステップ(b)において、第1のT細胞集団が、容器内の第2の培養培地中で培養され、第2の培養培地が、4-1BBアゴニスト、OKT-3、IL-2及び第2のAPC集団を含み、第2のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第2のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、第2のAPC集団が、第1のAPC集団よりも大きいように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001211] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のT細胞集団が、第1のガス透過性表面を含む容器内の第1の培養培地中で培養され、第1の培養培地が、4-1BBアゴニスト、OKT-3、IL-2及び第1の抗原提示細胞(APC)集団を含み、第1のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第1のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、ステップ(b)において、第1のT細胞集団が、容器内の第2の培養培地中で培養され、第2の培養培地が、4-1BBアゴニスト、OKT-3、IL-2及び第2のAPC集団を含み、第2のAPC集団が、第1のT細胞集団のドナーにとって外因性であり、第2のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に積層され、第2のAPC集団が、第1のAPC集団よりも大きいように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001212] 別の実施形態において、本発明は、第2のAPC集団のAPCの数と、第1のAPC集団のAPCの数との比が、約2:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001213] 別の実施形態において、本発明は、第1のAPC集団のAPCの数が、2.5×108であり、第2のAPC集団のAPCの数が、5×108であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001214] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に、2層のAPCの細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001215] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、第1のガス透過性表面上に、4~8層のAPCの範囲における細胞層の厚さ平均で積層されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001216] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において第1のガス透過性表面上に積層されたAPCの層の平均数と、ステップ(a)において第1のガス透過性表面上に積層されたAPCの層の平均数との比が、2:1であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001217] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、1.0×106APC/cm2又は約1.0×106APC/cm2~4.5×106APC/cm2又は約4.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001218] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、1.5×106APC/cm2又は約1.5×106APC/cm2~3.5×106APC/cm2又は約3.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001219] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、2.0×106APC/cm2又は約2.0×106APC/cm2~3.0×106APC/cm2又は約3.0×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001220] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、2.0×106APC/cm2又は約2.0×106APC/cm2の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001221] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、2.5×106APC/cm2又は約2.5×106APC/cm2~7.5×106APC/cm2又は約7.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001222] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、3.5×106APC/cm2又は約3.5×106APC/cm2~6.0×106APC/cm2又は約6.0×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001223] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、4.0×106APC/cm2又は約4.0×106APC/cm2~5.5×106APC/cm2又は約5.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001224] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、4.0×106APC/cm2又は約4.0×106APC/cm2の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001225] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、1.0×106APC/cm2又は約1.0×106APC/cm2~4.5×106APC/cm2又は約4.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種され、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、2.5×106APC/cm2又は約2.5×106APC/cm2~7.5×106APC/cm2又は約7.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001226] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、1.5×106APC/cm2又は約1.5×106APC/cm2~3.5×106APC/cm2又は約3.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種され、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、3.5×106APC/cm2又は約3.5×106APC/cm2~6.0×106APC/cm2又は約6.0×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001227] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、2.0×106APC/cm2又は約2.0×106APC/cm2~3.0×106APC/cm2又は約3.0×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種され、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、4.0×106APC/cm2又は約4.0×106APC/cm2~5.5×106APC/cm2又は約5.5×106APC/cm2の範囲の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001228] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(a)において、第1のAPC集団が、2.0×106APC/cm2又は約2.0×106APC/cm2の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種され、ステップ(b)において、第2のAPC集団が、4.0×106APC/cm2又は約4.0×106APC/cm2の濃度で、第1のガス透過性表面上に播種されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001229] 別の実施形態において、本発明は、APCが末梢血単核球(PBMC)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001230] 別の実施形態において、本発明は、PBMCが、照射され、且つ第1のT細胞集団のドナーに対して外因性であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001231] 別の実施形態において、本発明は、T細胞が腫瘍浸潤リンパ球(TIL)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001232] 別の実施形態において、本発明は、T細胞が骨髄浸潤リンパ球(MIL)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001233] 別の実施形態において、本発明は、T細胞が末梢血リンパ球(PBL)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001234] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団がドナーの全血から分離することによって得られるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001235] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団がドナーのアフェレーシス産物から分離することによって得られるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001236] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、T細胞表現型のポジティブ又はネガティブ選択によってドナーの全血又はアフェレーシス産物から分離されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001237] 別の実施形態において、本発明は、T細胞表現型がCD3+及びCD45+であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001238] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団の第1の初回刺激拡大培養を実施する前に、T細胞がNK細胞から分離されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載の方法を提供する。別の実施形態において、T細胞は、第1のT細胞集団からのCD3-CD56+細胞の除去により、第1のT細胞集団におけるNK細胞から分離される。別の実施形態において、CD3-CD56+細胞画分を除去し、陰性画分を回収するゲーティング戦略を使用して、第1のT細胞集団を細胞選別に供することにより、CD3-CD56+細胞が第1のT細胞集団から除去される。別の実施形態において、前述の方法は、高いパーセンテージのNK細胞によって特徴付けられる第1のT細胞集団におけるT細胞の拡大培養のために利用される。別の実施形態において、前述の方法は、高いパーセンテージのCD3-CD56+細胞によって特徴付けられる第1のT細胞集団におけるT細胞の拡大培養のために利用される。別の実施形態において、前述の方法は、多数のNK細胞の存在によって特徴付けられる腫瘍組織におけるT細胞の拡大培養のために利用される。別の実施形態において、前述の方法は、多数のCD3-CD56+細胞によって特徴付けられる腫瘍組織におけるT細胞の拡大培養のために利用される。別の実施形態において、前述の方法は、多数のNK細胞の存在によって特徴付けられる腫瘍に罹患している患者から入手される腫瘍組織におけるT細胞の拡大培養のために利用される。別の実施形態において、前述の方法は、多数のCD3-CD56+細胞の存在によって特徴付けられる腫瘍に罹患している患者から入手される腫瘍組織におけるT細胞の拡大培養のために利用される。別の実施形態において、前述の方法は、卵巣癌に罹患している患者から得られた腫瘍組織におけるT細胞の拡大培養のために利用される。
[001239] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団からの1×107個又は約1×107個のT細胞を容器中に播種して、そのような容器で第1の初回刺激拡大培養を開始するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001240] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が複数の容器に分配され、各容器中に、第1のT細胞集団からの1×107個又は約1×107個のT細胞を播種して、そのような容器で第1の初回刺激拡大培養を開始するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001241] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001242] 別の実施形態において、本発明は、第2のT細胞集団が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001243] 別の実施形態において、本発明は、第3のT細胞集団が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001244] 別の実施形態において、本発明は、治療用T細胞集団を回収するステップ前又は後、そのようなT細胞が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001245] 別の実施形態において、本発明は、第1の初回刺激拡大培養のステップ前に、T細胞が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001246] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養のステップ前に、T細胞が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001247] 別の実施形態において、本発明は、T細胞を回収するステップ前に、そのようなT細胞が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001248] 別の実施形態において、本発明は、第1の初回刺激拡大培養のステップ後且つ第2の急速拡大培養のステップ前に、T細胞が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001249] 別の実施形態において、本発明は、第2の急速拡大培養のステップ後且つT細胞の回収のステップ前に、そのようなT細胞が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001250] 別の実施形態において、本発明は、直交性サイトカイン受容体が直交性IL-2受容体であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001251] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rβ鎖を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001252] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rα鎖を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001253] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rγ鎖を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001254] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rβ鎖及び直交性IL-2Rγ鎖を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001255] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rβ鎖及び直交性IL-2Rα鎖を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001256] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rα鎖及び直交性IL-2Rγ鎖を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001257] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が直交性IL-2Rβ鎖及び直交性IL-2Rα鎖を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001258] 別の実施形態において、本発明は、T細胞が直交性IL-2受容体で操作された後、後続の培養ステップが、直交性IL-2受容体に相補的な直交性IL-2を含む培地で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001259] 別の実施形態において、本発明は、T細胞が直交性IL-2受容体で操作された後、後続の培養ステップが、直交性IL-2受容体に相補的な直交性IL-2を含み、培養条件が操作されたT細胞の増殖及び拡大培養を選択するように、天然又は野生型IL-2の添加を含まない、培地で実施されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001260] 別の実施形態において、本発明は、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001261] 別の実施形態において、本発明は、培養物中において又は患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大4週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001262] 別の実施形態において、本発明は、培養物中において又は患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大3週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001263] 別の実施形態において、本発明は、培養物中において又は患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大2週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001264] 別の実施形態において、本発明は、培養物中において又は患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大1週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001265] 別の実施形態において、本発明は、患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大4週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001266] 別の実施形態において、本発明は、患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大3週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001267] 別の実施形態において、本発明は、患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大2週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001268] 別の実施形態において、本発明は、患者が操作されたT細胞を注入された後、患者においてインビボで、最大1週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001269] 別の実施形態において、本発明は、培養物中で、最大4週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001270] 別の実施形態において、本発明は、培養物中で、最大3週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001271] 別の実施形態において、本発明は、培養物中で、最大2週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001272] 別の実施形態において、本発明は、培養物中で、最大1週間にわたり、T細胞が直交性IL-2受容体を一過性に発現するように操作されるように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001273] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体がQ70Y;T73D;T73Y;H133D、H133E;H133K;Y134F;Y134E;Y134R及びそれらの組み合わせからなる群の1つ以上のアミノ酸置換を含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001274] 別の実施形態において、本発明は、相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群のアミノ酸置換のセットを含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001275] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2受容体が、Q70Y;T73D;T73Y;H133D、H133E;H133K;Y134F;Y134E;Y134R及びそれらの組み合わせからなる群のアミノ酸置換の1つ以上を含み、相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y];[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A];及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群のアミノ酸置換のセットを含むように変更された、該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001276] 別の実施形態において、本発明は、ステップ(c)で回収された第2のT細胞集団が治療用TIL集団であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001277] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1つ以上の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001278] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001279] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001280] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001281] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)、コア生検、コア針生検又は細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001282] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1つ以上のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001283] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~20のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001284] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~10のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001285] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001286] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のコア生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001287] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1つ以上の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001288] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~20の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001289] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~10の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001290] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001291] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の細針吸引から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001292] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1つ以上の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001293] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~20の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001294] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001295] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の小生検(例えば、ドナーからの腫瘍組織を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001296] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の小生検(例えば、パンチ生検を含む)から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001297] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1つ以上のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001298] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~20のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001299] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1~10のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001300] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001301] 別の実施形態において、本発明は、第1のT細胞集団が、ドナーからの腫瘍組織の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10のコア針生検から入手されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001302] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を治療用TIL集団に拡大培養する方法も提供し、この方法は、i)IL-2を含む第1の細胞培養培地中で約3日にわたり腫瘍サンプルを培養することにより、対象における腫瘍の1つ以上の小生検、コア生検又は針生検から入手した腫瘍サンプルから、TILの第1の集団を入手及び/又は受領すること;(ii)IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC)を含む第2の細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施して、第2のTIL集団を生じさせることであって、第1の初回刺激拡大培養が、第1のガス透過性表面積を含む容器内で実施され、第1の初回刺激拡大培養が、第2のTIL集団を得るために約7又は8日間の第1の期間にわたって実施され、第2のTIL集団は、数において第1のTIL集団よりも多い、生じさせること;(iii)第2のTIL集団の第2の細胞培養培地に追加的なIL-2、OKT-3及びAPCを補充することにより、第2の急速拡大培養を実施して、第3のTIL集団を生じさせることであって、第2の急速拡大培養で添加されたAPCの数は、ステップ(ii)で添加されたAPCの数の少なくとも2倍であり、第2の急速拡大培養は、第3のTIL集団を得るために約11日間の第2の期間にわたって実施され、第3のTIL集団が治療用TIL集団であり、第2の急速拡大培養が、第2のガス透過性表面積を含む容器内で実施される、生じさせること;(iv)ステップ(iii)から得られた治療用TIL集団を回収すること;及び(v)ステップ(iv)で回収されたTIL集団を輸注バッグに移すことを含む。
[001303] 別の実施形態において、本発明は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を治療用TIL集団に拡大培養する方法も提供し、この方法は、(i)IL-2を含む第1の細胞培養培地中で約3日にわたり腫瘍サンプルを培養することにより、対象における腫瘍の1つ以上の小生検、コア生検又は針生検から入手した腫瘍サンプルから、TILの第1の集団を入手及び/又は受領すること;(ii)IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC)を含む第2の細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施して、第2のTIL集団を生じさせることであって、第1の初回刺激拡大培養は、第2のTIL集団を得るために約7又は8日間の第1の期間にわたって実施され、第2のTIL集団は、数において第1のTIL集団よりも多い、生じさせること;(iii)第2のTIL集団を、IL-2、OKT-3及びAPCを含む第3の細胞培養培地と接触させることにより、第2の急速拡大培養を実施して、第3のTIL集団を生じさせることであって、第2の急速拡大培養は、第3のTIL集団を得るために約11日間の第2の期間にわたって実施され、第3のTIL集団は、治療用TIL集団である、生じさせること;及び(iv)ステップ(iii)から得られた治療用TIL集団を回収することを含む。
[001304] 別の実施形態において、本発明は、第2の期間の5日目以降に培養物が2つ以上の継代培養物に分割され、各継代培養物にさらなる量の第3の培地を補充し、約6日間培養するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001305] 別の実施形態において、本発明は、第2の期間の5日目以降に培養物が2つ以上の継代培養物に分割され、各継代培養物にIL-2を含む第4の培地を補充し、約6日間培養するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001306] 別の実施形態において、本発明は、第2の期間の5日目以降に培養物が最大5つの継代培養物に分割されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001307] 別の実施形態において、本発明は、本方法の全てのステップが約22日間で完了するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された方法を提供する。
[001308] 別の実施形態において、本発明は、(i)第1のT細胞集団を培養して、増殖をもたらし、第1のT細胞集団の活性化を初回刺激することにより、ドナーにおける腫瘍の1つ以上の小生検、コア生検又は針生検から入手した腫瘍サンプルからの第1のT細胞集団の第1の初回刺激拡大培養を実施すること;(ii)ステップ(a)で初回刺激された第1のT細胞集団の活性化が減衰し始めた後、第2のT細胞集団を得るために、第1のT細胞集団を培養して、増殖をもたらし、第1のT細胞集団の活性化を追加刺激することにより、第1のT細胞集団の第2の急速拡大培養を実施すること;及び(iv)第2のT細胞集団を回収することを含む、T細胞を拡大培養する方法を提供する。一部の実施形態において、腫瘍サンプルは、複数のコア生検から入手される。一部の実施形態において、複数のコア生検は、2、3、4、5、6、7、8、9及び10のコア生検からなる群から選択される。
III.他のTIL拡大培養方法
[001309] 操作されたサイトカイン/受容体対は、当技術分野で公知の様々な拡大培養方法で使用され得る。以下の方法は、非限定的である。本明細書に開示される操作されたサイトカイン/受容体対の特徴は、TIL、MIL及びPBLの拡大培養、培養及び製造の全ての方法と互換性があることが理解される。本明細書に開示されるように、TIL、MIL及び/又はPBLは、限定されないが、形質導入、一過性トランスフェクション又はエレクトロポレーションによって操作されて、操作された直交性サイトカイン受容体を発現し得る。このような細胞操作のステップは、第1の拡大培養後;プレREP後;第2の拡大培養後;REP後;最終製剤化前;又は製造手順における複数の時点で行われ得る。
[001310] TIL、MIL及び/又はPBLの集団が直交性サイトカイン受容体を発現するように操作されると、同族野生型サイトカインが、さらなる製造及び/又は培養ステップにおいて直交性サイトカインに代替されることがさらに理解される。同様に、同族のサイトカインは、ヒト対象の癌を処置するための方法において直交性サイトカインの代替となり得る。
A.プロセス1C及びプロセス2A
[001311] プロセス2Aとして知られる例示的なTILプロセスは、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第10,130,659号に開示され、プロセス1Cをプロセス2Aと比較する図2及び米国特許第10,130,659号に開示されるプロセス2Aの様々な実施形態が特に注目される。例示的なプロセス2AのTIL製造方法は、米国特許出願公開第2018/0282694A1号として公開されたUS15/863,634号に開示されており、これは、その全体が参照により組み込まれる。例示的なプロセス2AのTIL製造方法は、米国特許出願公開第2018/0207201A1号として公開されたUS15/874,718号に開示されており、これは、その全体が参照により組み込まれる。TILは、上記の方法のいずれかに従って拡大培養され得る。一部の態様では、TILは、第1の拡大培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。一部の態様では、TILは、第2の拡大培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。一部の態様では、TILは、プレREP培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。一部の態様では、TILは、REP培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。
B.小生検、コア生検又は細針吸引を含む、TIL製造のためのプロセス2A方法
[001312] 一部の実施形態において、本発明は、そのような任意のGEN2プロセスの第1の拡大培養における拡大培養のためのT細胞の供給源として、小生検、コア生検又は細針吸引を使用するように変更された、GEN2プロセスのいずれかの方法(例えば、プロセス2Aプロセス)を提供し、ここで、(1)そのようなGEN2プロセスの第2の拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の拡大培養の期間が延長されるか、又は(2)第2の拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、そのようなGEN2プロセスの第2の拡大培養の期間が延長されるか、又は(3)第2の拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の拡大培養の期間が延長され、且つそのようなGEN2プロセスの第2の拡大培養の期間が延長される。
[001313] 一部の実施形態において、本発明は、そのような任意のGEN2プロセスの第1の拡大培養における拡大培養のためのT細胞の供給源として、小生検、コア生検又は細針吸引を使用するように変更された、GEN2プロセスのいずれかの方法(例えば、プロセス2Aプロセス)により作製されたTIL集団を提供し、ここで、(1)そのようなGEN2プロセスの第2の拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の拡大培養の期間が延長されるか、又は(2)第2の拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、そのようなGEN2プロセスの第2の拡大培養の期間が延長されるか、又は(3)第2の拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の拡大培養の期間が延長され、且つそのようなGEN2プロセスの第2の拡大培養の期間が延長される。
[001314] これらの特徴のいくつかを含むプロセス2A及び小生検プロセスとして知られるTILプロセスの例を図1Aに示し、プロセス1Cに対する本発明の本実施形態の利点のいくつかを、図43に示す。プロセス2Aの実施形態を図44Aに示す。更に、例示的なコア生検に関し、概要及びプロセス2Aとの比較が図44Bに提供される。プロセス2A(Gen2)、プロセス2AからのTILを使用した処置方法及びプロセス2Aによって調製されたTILの組成物は、以下の本明細書及び本出願を通して提供されるように、必要な細胞数を達成するために必要に応じて拡大培養の期間を調整して、小生検/コア生検と併せて使用され得る。
[001315] 本明細書において考察される通り、本発明は、患者への移植前に凍結保存TILを再刺激することによりその代謝活性、ひいては相対的健康を増加させること及び代謝的健康の試験方法に関するステップを含み得る。一般的に本明細書に概説される通り、TILは一般的に患者サンプルから採取し、操作することにより、患者への移植前にその数が拡大される。一部の実施形態において、TILは任意選択により、以下に考察する通り、遺伝的に操作され得る。
[001316] 一部の実施形態において、TILは凍結保存され得る。解凍後、TILは、患者への注入前に、その代謝を高めるために再刺激され得る。
[001317] 一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の拡大培養(プレREPと称されるプロセス及び図44にステップAとして示されるプロセスを含む)は、1~19日であり、第2の拡大培養(REPと称されるプロセス及び図44にステップBとして示されるプロセスを含む)は、11~14日間に短縮される。一部の実施形態において、第1の拡大培養(例えば、図44のステップBとして記載される拡大培養)は、1~2日間及び3~19日間、一部の場合では1~2日間及び3~10日間の2つの期間に分割され、第2の拡大培養(例えば、図44のステップDに記載される拡大培養)は11~14日間である。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察するように、第1の拡大培養及び第2の拡大培養(例えば、図7のステップB及びステップDとして記載される拡大培養)の組み合わせは22日間に短縮される。
[001318] 以下の「ステップ」名A、B、C等は、図44を参照している。以下及び図44におけるステップの順序は例示であり、ステップの任意の組み合わせ又は順序並びに追加的なステップ、ステップの繰り返し及び/又はステップの省略が、本願及び本明細書に開示される方法によって企図される。
1.ステップA:患者の腫瘍サンプルを入手
[001319] 一般に、TILは最初にコア生検又は類似の手順で入手された患者腫瘍サンプルから入手され(「初代TIL」)、次に本明細書に記載される通りの更なる操作のためより大きい集団へと拡大培養され、任意選択により凍結保存され、且つ任意選択により表現型及び代謝パラメータにつき評価される。
[001320] 患者腫瘍サンプルは当技術分野において公知の方法を用いて、概して、小生検、コア生検、針生検又は腫瘍とTIL細胞との混合物を含む他のサンプルを入手するための手段によって入手され得る。一般に、腫瘍サンプルは、原発腫瘍、浸潤性腫瘍又は転移性腫瘍を含めた任意の固形腫瘍からのものであり得る。腫瘍サンプルは、血液悪性腫瘍から入手された腫瘍などの液性腫瘍でもあり得る。一部の実施形態において、サンプルは、複数の小さい腫瘍サンプル又は生検からのものであり得る。一部の実施形態において、サンプルは、同じ患者からの単一の腫瘍からの複数の腫瘍サンプルを含み得る。一部の実施形態において、サンプルは、同じ患者からの複数の腫瘍からの1つ、2つ、3つ又は4つの腫瘍サンプルを含み得る。一部の実施形態において、サンプルは、同じ患者からの複数の腫瘍からの複数の腫瘍サンプルを含み得る。固形腫瘍は、限定はされないが、乳癌、膵癌、前立腺癌、結腸直腸癌、肺癌、脳癌、腎癌、胃癌及び皮膚癌(限定はされないが、扁平上皮癌、基底細胞癌及び黒色腫を含む)を含めた任意の癌型のものであり得る。一部の実施形態において、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、膠芽腫(GBM)、胃腸癌、卵巣癌、肉腫、膵癌、膀胱癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌又は非小細胞肺癌(NSCLC)である。一部の実施形態において、有用なTILは、特に高レベルのTILを有すると報告されていることに伴い悪性黒色腫腫瘍から入手される。
[001321] 一般に、腫瘍コア又は断片から得られた細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に入手した」若しくは「新鮮に分離した」細胞集団と呼ばれる。特定の実施形態において、新鮮に入手したTILの細胞集団は、抗原提示細胞、IL-2及びOKT-3を含む細胞培養培地に曝露される。
[001322] 一部の実施形態において、腫瘍が転移性であり、過去に原発病変が効率的に処置/除去されている場合、転移性病変の1つの除去が必要になり得る。一部の実施形態において、最も侵襲性の低いアプローチは、利用可能な場合、皮膚病変又は首若しくは腋窩領域のリンパ節を除去することである。一部の実施形態において、皮膚病変が除去されるか、又はその小生検が除去される。一部の実施形態において、リンパ節又はその小生検が除去される。一部の実施形態において、肺若しくは肝臓の転移性病変又は腹腔内若しくは胸部リンパ節又はその小生検を利用することができる。
[001323] 一部の実施形態において、腫瘍は黒色腫である。一部の実施形態において、黒色腫の小生検は、黒子又はその一部を含む。
[001324] 一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検である。一部の実施形態において、パンチ生検は、皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得される。一部の実施形態において、パンチ生検は、疑わしい黒子の周りの皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得される。一部の実施形態において、パンチ生検は、疑わしい黒子の周りの皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得され、皮膚の円形片が除去される。一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検であり、腫瘍の丸い部分が除去される。
[001325] 一部の実施形態において、小生検は、切除生検である。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、黒子又は腫瘍全体が除去される。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、正常な外観を有する小さい辺縁と共に黒子又は腫瘍全体が除去される。
[001326] 一部の実施形態において、小生検は、切開生検である。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、黒子又は腫瘍の最も不規則な部分のみが採取される。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、切開生検は、疑わしい黒子が非常に大きい場合など、他の技法を完了できない場合に使用される。
[001327] 一部の実施形態において、小生検は、肺生検である。一部の実施形態において、小生検は、気管支鏡により取得される。一般に、気管支鏡では、患者は麻酔下に置かれ、小さい道具が鼻又は口を通り、喉を下って気管支に進み、ここで、いくつかの組織を除去するために小さい道具が使用される。一部の実施形態において、気管支鏡を介して腫瘍又は増殖に到達できない場合、経胸腔針生検を利用することができる。一般に、経胸腔針生検では、患者も麻酔下にあり、針を皮膚から直接疑わしい箇所に挿入して、組織の小さいサンプルを除去する。一部の実施形態において、経胸腔針生検は、介入的画像診断(例えば、針を誘導するためのX線又はCTスキャンの使用)を必要とする場合がある。一部の実施形態において、小生検は、針生検により取得される。一部の実施形態において、小生検は、超音波内視鏡(例えば、ライトを備えた内視鏡であり、口を通して食道内に配置される)で取得される。一部の実施形態において、小生検は、外科的に取得される。
[001328] 一部の実施形態において、小生検は、頭頸部生検である。一部の実施形態において、小生検は、切開生検である。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、組織の小片が異常に見える領域から切り取られる。一部の実施形態において、異常な領域が容易にアクセスされる場合、入院することなくサンプルが採取され得る。一部の実施形態において、腫瘍が口又は喉の内部のより深い位置にある場合、生検は、全身麻酔を伴い、手術室で行われる必要がある場合がある。一部の実施形態において、小生検は、切除生検である。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、領域全体が除去される。一部の実施形態において、小生検は、細針吸引(FNA)である。一部の実施形態において、小生検は、細針吸引(FNA)であり、腫瘍又はしこりから細胞を抽出(吸引)するために、シリンジに取り付けられた非常に細い針が使用される。一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検である。一部の実施形態において、小生検はパンチ生検であり、疑わしい領域の一片を除去するために、パンチ鉗子が使用される。
[001329] 一部の実施形態において、小生検は、子宮頸部生検である。一部の実施形態において、小生検は、コルポスコピーにより取得される。一般に、コルポスコピー法では、拡大双眼鏡に取り付けられた照明付き拡大鏡(コルポスコープ)の使用が採用され、子宮頸部の表面の小さい部分の生検に使用される。一部の実施形態において、小生検は、円錐切除/錐体生検である。一部の実施形態において、小生検は円錐切除/錐体生検であり、子宮頸部からより大きい組織片を除去するために外来手術が必要になる場合がある。一部の実施形態において、コーン生検は、診断の確認を助けることに加えて、コーン生検が初期処置として役立ち得る。
[001330] 「固形腫瘍」という用語は、嚢胞又は液体領域を通常含まない異常な組織塊を指す。固形腫瘍は、良性又は悪性であり得る。「固形腫瘍癌」という用語は、悪性、新生物性又は癌性の固形腫瘍を指す。固形腫瘍癌としては、限定はされないが、肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌及び膀胱癌など、肉腫、癌腫及びリンパ腫が挙げられる。一部の実施形態において、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌、膠芽腫、卵巣癌、肉腫、膵癌、膀胱癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌及び非小細胞肺癌から選択される。固形腫瘍の組織構造は、柔組織(癌細胞)を含む相互依存的組織コンパートメント及び癌細胞が分散し支持微小環境を提供し得る支持間質細胞を含む。
[001331] 一部の実施形態において、腫瘍からのサンプルは、細針吸引(FNA)、コア生検、小生検(例えば、パンチ生検を含む)として取得される。一部の実施形態において、サンプルは最初にG-Rex 10に入れられる。一部の実施形態において、1つ又は2つのコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 10に入れられる。一部の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、9つ又は10個のコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 100に入れられる。一部の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、9つ又は10個のコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 500に入れられる。
[001332] FNAは、肺、黒色腫、頭頸部、子宮頸部、卵巣、膵臓、神経膠芽腫、結腸直腸及び肉腫からなる群から選択される腫瘍から取得され得る。一部の実施形態において、FNAは、非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者からの肺腫瘍などの、肺腫瘍から取得される。一部の場合において、NSCLCを有する患者は、以前に外科的処置を受けたことがある。
[001333] 本明細書に記載されるTILは、FNAサンプルから得ることができる。一部の場合において、FNAサンプルは、18ゲージ針~25ゲージ針の範囲のハイゲージの針を使用して患者から取得又は分離される。ハイゲージの針は、18ゲージ、19ゲージ、20ゲージ、21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、24ゲージ又は25ゲージであり得る。一部の実施形態において、患者からのFNAサンプルは、少なくとも400,000個のTIL、例えば、400,000個のTIL、450,000個のTIL、500,000個のTIL、550,000個のTIL、600,000個のTIL、650,000個のTIL、700,000個のTIL、750,000個のTIL、800,000個のTIL、850,000個のTIL、900,000個のTIL、950,000個のTIL又はそれを超える数のTILを含み得る。
[001334] 一部の場合において、本明細書に記載されるTILは、コア生検サンプルから得られる。一部の場合において、コア生検サンプルは、11ゲージ針~16ゲージ針の範囲の外科用又は医療用の針を使用して患者から取得又は分離される。針は、11ゲージ、12ゲージ、13ゲージ、14ゲージ、15ゲージ又は16ゲージであり得る。一部の実施形態において、患者からのコア生検サンプルは、少なくとも400,000個のTIL、例えば、400,000個のTIL、450,000個のTIL、500,000個のTIL、550,000個のTIL、600,000個のTIL、650,000個のTIL、700,000個のTIL、750,000個のTIL、800,000個のTIL、850,000個のTIL、900,000個のTIL、950,000個のTIL又はそれを超える数のTILを含み得る。
[001335] 一般に、回収された細胞懸濁液は「初代細胞集団」又は「新鮮に回収された」細胞集団と呼ばれる。
[001336] 一部の実施形態において、TILは腫瘍消化物から入手されない。一部の実施形態において、固形腫瘍コアは断片化されていない。
[001337] 一部の実施形態において、TILは腫瘍消化物から入手される。一部の実施形態において、腫瘍消化物は、酵素培地中、例えば限定はされないが、RPMI 1640、2mM GlutaMAX、10mg/mLゲンタマイシン、30U/mL DNアーゼ及び1.0mg/mLコラゲナーゼ中におけるインキュベーションと、それに続く機械的分離(GentleMACS、Miltenyi Biotec、Auburn, CA)によって作成した。腫瘍を酵素培地に置いた後、腫瘍を約1分間機械的に分離し得る。次に溶液を5%CO2下37℃で30分間インキュベートし、次にそれを再びおよそ1分間機械的に破壊し得る。再び5%CO2下37℃で30分間インキュベートした後、腫瘍を3度目におよそ1分間機械的に破壊し得る。一部の実施形態において、3度目の機械的破壊後に大型の組織片が存在した場合、5%CO2下37℃でのさらに30分間のインキュベーションを伴う又は伴わない1回又は2回の更なる機械的分離をサンプルに適用した。一部の実施形態において、最終回のインキュベーションの終了時に細胞懸濁液が多数の赤血球又は死細胞を含有した場合、フィコールを使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。
[001338] 一部の実施形態において、第1の拡大培養ステップ前の回収された細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に回収された」細胞集団と呼ばれる。
[001339] 一部の実施形態において、細胞は、以下に更に詳細に記載し、図44に例示する、ステップBに記載の拡大培養に進む前に、任意選択でサンプル回収後に凍結され、凍結貯蔵され得る。
2.ステップB 第1の拡大培養
[001340] 一部の実施形態において、本方法は、対象/患者への投与時に複製サイクルを増加させることができる幼若TILを得ることを提供し、したがって、成熟TIL(即ち被験者/患者への投与前に更に多くの回数の複製を受けたTIL)を超える追加的な治療上の利点を提供し得る。溶着TILの特徴が、文献に記載されている。例えば、Donia, et al., Scandinavian Journal of Immunology, 75:157-167 (2012); Dudley et al., Clin Cancer Res, 16:6122-6131 (2010)、Huang et al., J Immunother, 28(3):258-267 (2005)、Besser et al., Clin Cancer Res, 19(17):OF1-OF9 (2013)、Besser et al., J Immunother 32:415-423 (2009)、Robbins, et al., J Immunol 2004; 173:7125-7130、Shen et al., J Immunother, 30:123-129 (2007)、Zhou, et al., J Immunother, 28:53-62 (2005)及びTran, et al., J Immunother, 31:742-751 (2008)であり、これらは全て、全体として参照により本明細書に援用される。
[001341] T及びBリンパ球の多様な抗原受容体は、限られているが多数の遺伝子セグメントの体細胞組換えによって産生される。V(可変)、D(多様性)、J(結合)及びC(定数)の遺伝子セグメントは、免疫グロブリン及びT細胞受容体(TCR)の結合特異性及び下流側での適用を決定する。本発明は、T細胞レパートリーの多様性を示し、増加させるTILを生成する方法を提供する。一部の実施形態において、本方法により得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、本方法によって得られたTILは、新たに回収されたTIL及び/又は例えば、図1に具体化された方法以外の方法を含む、本明細書で提供する以外の方法を使用して調製されたTILと比較して、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、図43及び/又は図44に例示されているように、本方法によって得られたTILは、新たに回収されたTIL及び/又はプロセス1Cと称される方法を使用して調製されたTILと比較して、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、第1の拡大培養で得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、多様性の増加は、免疫グロブリンの多様性及び/又はT細胞受容体の多様性の増加である。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン重鎖にある。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン軽鎖にある。一部の実施形態において、多様性はT細胞受容体にある。一部の実施形態において、多様性は、アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ受容体からなる群から選択されるT細胞受容体の1つにある。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファ及び/又はベータの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)ベータの発現が増加する。一部の実施形態において、TCRab(即ちTCRα/β)の発現が増加する。
[001342] 小生検、コア生検又は細針吸引腫瘍断片若しくは断片(「コア」又は「断片」と称され得る)の取得(例えば、図7のステップAに記載されるように)後、得られた細胞は、腫瘍及び他の細胞よりもTILの成長に有利な条件下で血清含有IL-2において培養される。一部の実施形態において、腫瘍消化物は、2mLウェルにおいて、不活性化ヒトAB血清を6000IU/mLのIL-2と共に含む培地中でインキュベートされる。この初代細胞集団は、数日、概して3~14日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、7~14日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~149日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、約3~19日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、IL-2は、第1の拡大培養の1~2日目に含まれ、OKT3及びフィーダーは、第1の拡大培養の3日目に添加される。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~19日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~18日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~17日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~16日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~15日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~14日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~13日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~12日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~11日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~10日目にわたって含まれる。一部の実施形態において、OKT3及びフィーダーは、3日目~9日目にわたって含まれる。好ましい実施形態において、以下及び本明細書で説明するように、初期バルクTIL拡大培養ステップ(例えば、プレREPと称されるプロセスを含み得る図7のステップBで説明したものなど)、その後の、以下ステップDの下及び本明細書に記載されているように、第2の拡大培養(ステップD、急速拡大培養プロトコル(REP)ステップと称されるプロセスを含む)、その後の任意選択による凍結保存及びその後の第2ステップD(再刺激REPステップと称されるプロセスを含む)を使用してTILの拡大培養を実施することができる。このプロセスによって入手したTILは、任意選択により、本明細書に記載される通り表現型特徴及び代謝パラメータが特徴付けられ得る。
[001343] 実施形態において、TIL培養が24ウェルプレートで、例えばCostar24ウェル細胞培養クラスター、平底(Corning Incorporated、Corning, NYを使用して開始される場合、各ウェルには、IL-2(6000IU/mL;Chiron Corp.、Emeryville, CA)を含む2mLの完全培地(CM)中、1×106個の小生検、コア生検若しくは細針吸引腫瘍細胞又は1つの小生検、コア生検若しくは細針吸引腫瘍断片を播種することができる。
[001344] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、ステップBのCMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10mg/mLゲンタマイシンを補充したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。培養が、40mL容量及び10cm2ガス透過性シリコン底のガス透過性フラスコ(例えば、G-Rex10;Wilson Wolf Manufacturing、New Brighton, MN)内で開始される実施形態において(図1)、各フラスコに、10~40mLのIL-2含有CM中の10~40×106個の小生検、コア生検若しくは細針吸引腫瘍生細胞又は5~30個の小生検、コア生検若しくは細針吸引腫瘍断片を充填した。G-Rex10及び24ウェルプレートのいずれも、加湿インキュベーターにおいて5%CO2下37℃でインキュベートし、培養開始から5日後に培地の半分を取り出して、新鮮なCM及びIL-2を補充し、5日目以降は2~3日毎に培地の半分を交換した。
[001345] 小生検、コア生検、細針吸引腫瘍断片の回収後、得られた細胞(即ち断片)は、腫瘍及び他の細胞よりもTILの成長に有利な条件下で血清含有IL-2において培養される。一部の実施形態において、腫瘍断片は、2mLウェルにおいて、不活性化ヒトAB血清を6000IU/mLのIL-2と共に含む培地中で(又はある場合には、本明細書に概説される通り、aAPC細胞集団の存在下で)インキュベートされる。この初代細胞集団は、数日、概して10~14日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、第1の拡大培養の間の成長培地はIL-2又はその変異体を含む。一部の実施形態において、ILは組換えヒトIL-2(rhIL-2)である。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき20~30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき20~30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき25×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は4~8×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は5~7×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は6×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は実施例4に記載される通り調製される。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約10,000IU/mLのIL-2、約9,000IU/mLのIL-2、約8,000IU/mLのIL-2、約7,000IU/mLのIL-2、約6000IU/mLのIL-2又は約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約9,000IU/mLのIL-2~約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約8,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約7,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約6,000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は、約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。
[001346] 一部の実施形態において、第1の拡大培養は、第2のTIL集団の細胞培養培地に、OKT-3、IL-15、OX40アゴニスト性抗体及び/又は4-1BBアゴニスト性抗体を更に補充することにより実施される。例えば、第2のTIL集団の細胞培養培地には、OKT-3、IL-15、OX40アゴニスト性抗体、4-1BBアゴニスト性抗体、OKT-3及びIL-15の組み合わせ、OKT-3及びOX40アゴニスト性抗体の組み合わせ、OKT-3及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、IL-15及びOX40アゴニスト性抗体の組み合わせ、IL-15及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、OX40アゴニスト性抗体及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、OKT-3、IL-15及びOX40アゴニスト性抗体の組み合わせ、OKT-3、IL-15及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、OKT3、OX40アゴニスト性抗体及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、IL-15、OX40アゴニスト性抗体及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、OKT3、IL-15、OX40アゴニスト性抗体及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ並びにそれらの任意の組み合わせが補充される。一部の実施形態において、IL-15は含まれない。
[001347] 小生検、コア生検、細針吸引腫瘍断片の取得(例えば、図44AのステップAに記載されるように)後、得られた細胞は、腫瘍及び他の細胞よりもTILの成長に有利な条件下で血清含有IL-2において培養される。一部の実施形態において、腫瘍断片は、2mLウェルにおいて、不活性化ヒトAB血清を6000IU/mLのIL-2と共に含む培地中でインキュベートされる。この初代細胞集団は、一定の期間、概して1~19日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも11日目~19日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~18日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも18日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~17日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも17日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~16日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも16日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~15日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも15日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~14日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも14日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~13日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも13日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~12日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも12日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、この初代細胞集団は、1~11日の期間にわたって培養され、それにより、少なくとも11日目までに、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のバルクTIL集団が得られる。一部の実施形態において、TIL集団は、第1の拡大培養ステップの終了までに、少なくとも約5×107個(即ち5000万個)のTIL細胞である(例えば、プレREPと称されるプロセスを含み得る、図44のステップBに記載されるものなど)。
[001348] 好ましい実施形態において、以下及び本明細書で説明するように、初期バルクTIL拡大培養ステップ(例えば、プレREPと称されるプロセスを含み得る図44のステップBで説明したものなど)、その後の、以下ステップDの下及び本明細書に記載されているように、第2の拡大培養(ステップD、急速拡大培養プロトコル(REP)ステップと称されるプロセスを含む)、その後の任意選択の凍結保存及びその後の第2ステップD(再刺激REPステップと称されるプロセスを含む)を使用してTILの拡大培養を実施することができる。このプロセスによって入手したTILは、任意選択により、本明細書に記載される通り表現型特徴及び代謝パラメータが特徴付けられ得る。
[001349] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、ステップBのCMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10mg/mLゲンタマイシンを補充したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。培養が、40mL容量及び10cm2ガス透過性シリコン底のガス透過性フラスコ(例えば、G-Rex10;Wilson Wolf Manufacturing、New Brighton, MN)内で開始される実施形態において、各フラスコに、10~40mLのIL-2含有CM中の1~2生検コアをロードした。G-Rex10及び24ウェルプレートのいずれも、加湿インキュベーターにおいて5%CO2下37℃でインキュベートし、培養開始から5日後に培地の半分を取り出して、新鮮なCM及びIL-2を補充し、2日目以降は2~3日毎に培地の半分を交換した。一部の実施形態において、コア生検が卵巣腫瘍からのもの(例えば、卵巣起源)である場合、コアは、CM及びIL-2中で1~2日間にわたりインキュベートされる。一部の実施形態において、コア生検が膵臓腫瘍細胞からのもの(例えば、膵臓起源)である場合、コアは、CM及びIL-2/IL-15/IL-21中で1~2日間にわたりインキュベートされる。一部の実施形態において、3日目に、OKT3及びフィーダー細胞がコアに添加される。一部の実施形態において、3日目に、30ngのOKT3及び106個のフィーダー細胞がコアに添加される。
[001350] 小生検断片又はコアは、腫瘍及び他の細胞よりもTILの成長に有利な条件下で血清含有IL-2において培養される。一部の実施形態において、小生検断片又はコアは、2mLウェルにおいて、不活性化ヒトAB血清を6000IU/mLのIL-2と共に含む培地中で(又はある場合には、本明細書に概説される通り、aAPC細胞集団の存在下で)インキュベートされる。この初代細胞集団は、数日間、概して1~19日間の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、少なくとも約5×107個のバルクTIL細胞が11日目に得られ、一部の実施形態において、1×108個のTILが19~28日目に得られる。一部の実施形態において、第1の拡大培養の間の成長培地はIL-2又はその変異体を含む。一部の実施形態において、ILは組換えヒトIL-2(rhIL-2)である。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき20~30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき20×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき25×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は4~8×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は5~7×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は6×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は実施例Eに記載される通り調製される。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約10,000IU/mLのIL-2、約9,000IU/mLのIL-2、約8,000IU/mLのIL-2、約7,000IU/mLのIL-2、約6000IU/mLのIL-2又は約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約9,000IU/mLのIL-2~約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約8,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約7,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約6,000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は、約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。
[001351] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15、約400IU/mLのIL-15、約300IU/mLのIL-15、約200IU/mLのIL-15、約180IU/mLのIL-15、約160IU/mLのIL-15、約140IU/mLのIL-15、約120IU/mLのIL-15又は約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約400IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約300IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約200IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約180IU/mLのIL-15を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-15をさらに含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は約180IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、コアが膵臓腫瘍からのもの(例えば、膵臓起源)である場合、IL-15が含まれる。
[001352] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21、約15IU/mLのIL-21、約12IU/mLのIL-21、約10IU/mLのIL-21、約5IU/mLのIL-21、約4IU/mLのIL-21、約3IU/mLのIL-21、約2IU/mLのIL-21、約1IU/mLのIL-21又は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約15IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約12IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約10IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約5IU/mLのIL-21~約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は約2IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-21をさらに含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、コアが膵臓腫瘍からのもの(例えば、膵臓起源)である場合、IL-21が含まれる。
[001353] 一実施形態において、細胞培養培地は、OKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地はOKT-3抗体を含まない。一部の実施形態において、OKT-3抗体はムロモナブである。
[001354] 一部の実施形態において、細胞培養培地は、細胞培養培地中に1つ以上のTNFRSFアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストであり、4-1BBアゴニストは、ウレルマブ、ウトミルマブ、EU-101、融合タンパク質並びにその断片、誘導体、変異体、バイオシミラー及び組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、0.1μg/mL~100μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、20μg/mL~40μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。
[001355] 一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、細胞培養培地は、初期濃度約3000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体をさらに含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。
[001356] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、これはCM1(培養培地1)と称される。一部の実施形態において、CMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10mg/mLゲンタマイシンを添加したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。実施形態において、培養は、40mL容量及び10cm2ガス透過性シリコン底のガス透過性フラスコ(例えば、G-Rex10;Wilson Wolf Manufacturing、New Brighton, MN)内で開始される。一部の実施形態において、CMは、実施例に記載されるCM1であり、実施例7を参照のこと。一部の実施形態において、第1の拡大培養は初期細胞培養培地又は第1の細胞培養培地中で行われる。一部の実施形態において、初期細胞培養培地又は第1の細胞培養培地はIL-2を含む。
[001357] 一部の実施形態において、実施例及び図で考察されているように、第1の拡大培養(例えば、プレREPと称されることもあるものを含み得る、図44のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは、5×107個(即ち5000万個)のTILを入手するのに十分な期間、約1~19日間である。一部の実施形態において、実施例及び図で考察されているように、第1の拡大培養(例えば、プレREPと称されることもあるものを含み得る、図44のステップBに記載されるプロセスなどを含む)は、図44に提供されるように、1~2日間と3~19日間の2段階に分けられる。一部の実施形態において、ステップBの第1の拡大培養は、図44に提供されるように、1~2日間(IL-2又はIL2/IL-15/IL-21と共に培養)及び3~19日間(OKT3及びフィーダーと共に培養)の2つの段階に分けられる。
[001358] 一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、14日間、14日間、14日間、14日間、14日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、1日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、2日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、3日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、6日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、7日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、8日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、9日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、10日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、11日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、12日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、13日間~19日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、16日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、18日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも5×107個(即ち5000万個)のTILを取得するために、19日間続行され得る。一部の実施形態において、小生検(例えば、コア生検)は、約1、2又は3日目に培養物から取り出される。一部の実施形態において、小生検(例えば、コア生検)は3日目に培養物から取り出される。
[001359] 一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の組み合わせが、第1の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図44による且つ本明細書に記載されている通り、ステップBプロセス中を含む、第1の拡大培養中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせが、第1の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図44による且つ本明細書に記載されている通りステップBプロセス中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-15及び/又はIL-21は、1日目に添加される。一部の実施形態において、コア生検が膵臓腫瘍からのもの(例えば、膵臓起源のもの)である場合、IL-15及び/又はIL-21は、1日目に添加される。一部の実施形態において、IL-15は含まれない。一部の実施形態において、IL-21は含まれない。一部の実施形態において、IL-15もIL-21も含まれない。
[001360] 一部の実施形態において、第1の拡大培養、例えば、図44によるステップBは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、単一のバイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、用いられる単一のバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。
[001361] 一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は、少なくとも50×106個のTIL、例えば、50×106個(即ち5×107個)、55×106個、60×106個、65×106個、70×106個、75×106個、80×106個、85×106個、90×106個、95×106個、100×106個、105×106個、110×106個、115×106個、120×106個、125×106個、150×106個、200×106個、300×106個、400×106個又はそれを超える数のTILを生成する。
3.ステップC:第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行
[001362] ある場合には、例えば、図44に示されるように、例えばステップBから得られるTIL集団を含む、第1の拡大培養から得られるバルクTIL集団は、以下本明細書で考察されるプロトコルを使用して直ちに凍結保存され得る。代わりに、第2のTIL集団と称される第1の拡大培養から得られたTIL集団は、第2の拡大培養(REPと呼ばれることがある拡大培養を含み得る)に供し、その後、以下で考察するように凍結保存することができる。同様に、遺伝子修飾TILが治療に使用される場合、第1のTIL集団(バルクTIL集団と称されることもある)又は第2のTIL集団(一部の実施形態において、REP TIL集団と称される集団を含み得る)は、拡大培養前又は第1の拡大培養後且つ第2の拡大培養前に、適切な処置のために遺伝子修飾に供され得る。
[001363] 一部の実施形態において、第1の拡大培養から(例えば、図44に示される通りのステップBから)入手されたTILは、選択のためのフェノタイピングまで貯蔵される。一部の実施形態において、第1の拡大培養から(例えば、図44に示される通りのステップBから)入手されたTILは、貯蔵されず第2の拡大培養に直接進む。一部の実施形態において、第1の拡大培養から入手されたTILは、第1の拡大培養後、第2の拡大培養前に凍結保存されない。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日又は19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約3日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約4日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約4日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約7日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約10日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約11日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約12日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約13日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約14日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約15日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約16日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約17日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約18日~19日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約10日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約11日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約12日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約13日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約14日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約15日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約16日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約17日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約18日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、第1の拡大培養のためにコアが培養培地に添加されたときから約19日の時点で行われる。
[001364] 一部の実施形態において、TILは、第1の拡大培養後、第2の拡大培養前に貯蔵されず、TILは、第2の拡大培養に直接進む(例えば、一部の実施形態において、図44に示すように、ステップBからステップDへの移行中に貯蔵は行われない)。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、移行は閉鎖系で行われる。一部の実施形態において、第1の拡大培養からのTILは、第2のTIL集団からのTILであり、移行期間を伴わず第2の拡大培養に直接進む。
[001365] 一部の実施形態において、第1の拡大培養から第2の拡大培養への移行は、例えば、図44によるステップCは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、単一のバイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、用いられる単一のバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。
4.ステップD:第2の拡大培養
[001366] 一部の実施形態において、TIL細胞集団は、例えば、図44に記載の通り、ステップA及びステップB並びにステップCと称される移行後、回収及び初期バルク処理後、数が増加する。この更なる増加は、本明細書では第2の拡大培養と称され、これは、当技術分野で一般に急速拡大培養法と称される拡大培養プロセス(REP並びに図44のステップDに示されるプロセス)を含み得る。第2の拡大培養は、概して、フィーダー細胞、サイトカイン源及び抗CD3抗体を含め、幾つもの成分を含むガス透過性容器内の培養培地を使用して達成することができる。
[001367] 一部の実施形態において、TILの第2の拡大培養又は第2のTIL拡大培養(これはREPと称されることもある拡大培養;並びに図44のステップDに示されるプロセスを含み得る)は、当業者に公知の任意のTILフラスコ又は容器を使用して実施することができる。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は10日、11日、12日、13日又は14日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は約10日~約14日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は約11日~約14日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は約12日~約14日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は約13日~約14日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は約14日間続行し得る。
[001368] ある実施形態において、第2の拡大培養は、本開示の方法(例えば、REPと呼ばれる膨張並びに図44のステップDに示されるプロセスを含む)を使用して、ガス透過性容器内で実施することができる。例えば、TILは、インターロイキン-2(IL-2)又はインターロイキン-15(IL-15)の存在下で非特異的T細胞受容体刺激を用いて急速に拡大培養することができる。非特異的T細胞受容体刺激としては、例えば、約30ng/mLのOKT3、マウスモノクローナル抗CD3抗体(Ortho-McNeil、Raritan, NJ又はMiltenyi Biotech、Auburn, CAから市販されている)を挙げることができる。TILは、任意選択により300IU/mL IL-2又はIL-15など、T細胞成長因子の存在下で、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)結合ペプチド、例えば、0.3μΜ MART-1:26-35(27L)又はgpl 00:209-217(210M)など、任意選択によりベクターから発現させることのできる、1つ又は複数のエピトープなど、その抗原性部分を含めた癌の1つ以上の抗原を、第2の拡大培養の間に誘導することにより、インビトロでのTILの更なる刺激を誘発するように拡大培養することができる。他の好適な抗原としては、例えば、NY-ESO-1、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ癌抗原、MAGE-A3、SSX-2及びVEGFR2又はその抗原性部分を挙げることができる。TILは、HLA-A2発現抗原提示細胞にパルスした癌の同じ1つ又は複数の抗原による再刺激によっても急速に拡大培養し得る。代わりに、TILは、例えば照射自己リンパ球によるか、又は照射HLA-A2+同種異系リンパ球及びIL-2によってさらに再刺激することができる。一部の実施形態において、再刺激は、第2の拡大培養の一部として生じる。一部の実施形態において、照射された自己リンパ球の存在下において又は照射されたHLA-A2+同種異系リンパ球及びIL-2と共に第2の拡大培養が発生する。一部の実施形態において、13×106個のフィーダー細胞が第2の拡大培養中に添加される。一部の実施形態において、13×106個のフィーダー細胞が第2の拡大培養の開始時に添加される。
[001369] 一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は8000IU/mLのIL-2を含む。
[001370] 一実施形態において、細胞培養培地はOKT3抗体を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約30ng/mLのOKT3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT3抗体を含む。
[001371] 一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の組み合わせが、第2の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図44によるかつ本明細書に記載されている通り、ステップDプロセス中を含む、第2の拡大培養中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせが、第2の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図44による且つ本明細書に記載されている通りステップDプロセス中に含められ得る。
[001372] 一部の実施形態において、第2の拡大培養は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞を含む補充細胞培養培地で実施され得る。一部の実施形態において、第2の拡大培養は補充細胞培養培地で行われる。一部の実施形態において、補充細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC;本明細書では抗原提示フィーダー細胞、フィーダー細胞又はフィーダーとも称される)を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞で生じる(即ち抗原提示細胞)。
[001373] 一部の実施形態において、第2の拡大培養は、第2の拡大培養におけるTIL集団の細胞培養培地に、IL-15、OX40アゴニスト性抗体及び/又は4-1BBアゴニスト性抗体を更に補充することにより実施される(第2のTIL集団と称される場合もある)。例えば、第2の拡大培養におけるTIL集団の細胞培養培地には、IL-15、OX40アゴニスト性抗体、4-1BBアゴニスト性抗体、IL-15及びOX40アゴニスト性抗体の組み合わせ、IL-15及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、OX40アゴニスト性抗体及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ、IL-15、OX40アゴニスト性抗体及び4-1BBアゴニスト性抗体の組み合わせ並びにそれらの任意の組み合わせが補充される。一部の実施形態において、コアが卵巣腫瘍からのもの(例えば、卵巣起源)である場合、OX40が含まれる。一部の実施形態において、OKT-3は、第1及び/又は第2の拡大培養中に添加される。一部の実施形態において、OKT-3は、抗原提示フィーダー細胞(APC)と共に、3日目に追加される。一部の実施形態において、サンプルがFNAからのものである場合、OKT-3は、抗原提示フィーダー細胞(APC)と共に、1日目に追加される。
[001374] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞(APC)はPBMCである。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMC及び/又は抗原提示細胞との比は、約1:25、約1:50、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400又は約1:500である。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMCとの比は、1:50~1:300である。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMCとの比は、1:100~1:200である。
[001375] 一実施形態において、REP及び/又は第2の拡大培養は、バルクTILを150ml培地中の100倍又は200倍過剰の不活性化フィーダー細胞、30mg/mL OKT3抗CD3抗体及び3000IU/mLのIL-2と混合してフラスコ内で実施される。細胞を別の成長チャンバーに移すまで培地補充が行われる(一般的に新鮮培地による呼吸を介した3分の2の培地補充)。別の成長チャンバーには、以下に更に十分に考察する通りのGREXフラスコ及びガス透過性容器が含まれる。
[001376] 一部の実施形態において、第2の拡大培養(REPプロセスと称されるプロセスを含み得る)は、実施例及び図で考察されるように、11~14日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は11日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は12日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は13日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は14日間である。
[001377] 一実施形態において、REP及び/又は第2の拡大培養は、前述のように、(Tran, et al., J. Immunother.2008, 31, 742-51; Dudley, et al., J. Immunother.2003, 26, 332-42)T-175フラスコ及び気体透過性バッグ又はガス透過性培養器具(G-Rexフラスコ)を使用して実施され得る。一部の実施形態において、第2の拡大培養(急速拡大培養と称される拡大培養を含む)は、T-175フラスコで実施され、150mLの培地に懸濁した約1×106個のTILを各T-175フラスコに加え得る。TILは、IL-2の1mLあたり3000IU及び抗CD3の1mlあたり30ngを補充したCM及びAIM-V培地の1対1の混合物で培養され得る。T-175フラスコは、5%CO2下37℃でインキュベートされ得る。培地の半分は、5日目に、1mLあたり3000IUのIL-2を含む50/50培地を使用して交換され得る。一部の実施形態において、7日目に、2つのT-175フラスコからの細胞を3Lバッグに合わせることができ、その300mLのTIL懸濁液に、5%ヒトAB血清及び3000IU/mlのIL-2を含む300mLのAIM Vを加えた。毎日又は2日毎に各バッグの細胞数を計数し、新鮮培地を加えて細胞数を0.5~2.0×106細胞/mLに保った。
[001378] 一実施形態において、第2の拡大培養(これはREPと称される拡大培養;並びに図44のステップDに参照されるものを含み得る)は、100cmガス透過性シリコン底の500mL容量ガス透過性フラスコ(G-Rex 100、Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USAから市販されている)において実施され得、5%ヒトAB血清、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3(OKT3)を添加した400mLの50/50培地中で5×106又は10×106個のTILをPBMCと培養し得る。G-Rex 100フラスコは5%CO2下37℃でインキュベートし得る。5日目、250mLの上清を取り出して遠心ボトルに入れ、1500rpm(491×g)で10分間遠心し得る。5%ヒトAB血清、3000IU/mLのIL-2を含む150mLの新鮮培地にTILペレットを再懸濁し、元のG-Rex 100フラスコに戻し加え得る。G-Rex 100フラスコ内でTILを連続的に拡大培養するとき、7日目に各G-Rex 100のTILを、各フラスコ内に存在する300mLの培地に懸濁し得、且つ細胞懸濁液を3~100mLアリコートに分割し得、それらを3つのG-Rex 100フラスコの播種に使用し得る。次に、5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含む150mLのAIM-Vを各フラスコに加え得る。G-Rex 100フラスコは、5%CO2下37℃でインキュベートされ得、4日後、各G-Rex100フラスコに3000IU/mLのIL-2を含む150mLのAIM-Vを加え得る。細胞は、培養11日目に回収し得る。細胞は、培養12日目に回収し得る。細胞は、培養13日目に回収し得る。細胞は、培養14日目に回収し得る。一部の実施形態において、培養物は、G-Rex 500中に拡大培養される。
[001379] 一実施形態において、第2の拡大培養(REPと称される拡大培養を含む)は、バルクTILを150ml培地中の100倍又は200倍過剰の不活性化フィーダー細胞、30mg/mL OKT3抗CD3抗体及び3000IU/mLのIL-2と混合してフラスコ内で実施される。一部の実施形態において、細胞が別の成長チャンバーに移されるまで培地交換が行われる。一部の実施形態において、培地の2/3は、使用済み培地の吸引及び同等の体積の新鮮培地での置換によって置き換えられる。一部の実施形態において、別の成長チャンバーには、以下に更に十分に考察する通りのGRexフラスコ及びガス透過性容器が含まれる。
[001380] 一実施形態において、第2の拡大培養(REPと称される拡大培養を含む)が実施され、これは優れた腫瘍応答性に関してTILを選択するステップを更に含む。当技術分野において公知の任意の選択方法を用いることができる。例えば、米国特許出願公開第2016/0010058 A1号(この開示は参照により本明細書に援用される)に記載される方法は、優れた腫瘍応答性に関するTILの選択に用いられ得る。
[001381] 任意選択で、第2の拡大培養(REP拡大培養と称される拡大培養を含む)後、当技術分野において公知の標準アッセイを用いて細胞生存率アッセイを実施することができる。例えば、バルクTILのサンプルに対してトリパンブルー色素排除アッセイを行うことができ、これは死細胞を選択的に標識して生存率の評価を可能にするものである。一部の実施形態において、Cellometer K2自動セルカウンター(Nexcelom Bioscience、Lawrence, MA)を使用してTILサンプルを計数し、生存率を決定することができる。一部の実施形態において、生存率は、Cellometer K2 Image Cytometer自動セルカウンタープロトコルに従い決定される。
[001382] 一部の実施形態において、TILの第2の拡大培養(REPと称される拡大培養を含む)は、先述の通りT-175フラスコ及びガス透過性バッグ(Tran KQ, Zhou J, Durflinger KH, et al., 2008, J Immunother., 31:742-751及びDudley ME, Wunderlich JR, Shelton TE, et al. 2003, J Immunother., 26:332-342)又はガス透過性G-Rexフラスコを使用して実施することができる。一部の実施形態において、第2の拡大培養はフラスコを使用して実施される。一部の実施形態において、第2の拡大培養はガス透過性G-Rexフラスコを使用して実施される。一部の実施形態において、T-175フラスコで実施される第2の拡大培養及び約1×106個のTILを約150mLの培地中に懸濁し、これを各T-175フラスコに加える。TILは、「フィーダー」細胞としての照射(50Gy)された同種異系PBMCと1対100の比で培養し、及び細胞は、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3を補充したCMとAIM-V培地との1対1混合物(50/50培地)で培養した。T-175フラスコは5%CO2下37℃でインキュベートする。一部の実施形態において、培地は、5日目に3000IU/mLのIL-2を含む50/50培地を使用して交換される。一部の実施形態において、7日目、2つのT-175フラスコからの細胞を3Lバッグに合わせ、その300mLのTIL懸濁液に、5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含む300mLのAIM-Vを加える。毎日又は2日毎に各バッグの細胞数を計数し得、新鮮培地を加えて細胞数を約0.5~約2.0×106細胞/mLに保ち得る。一部の実施形態において、培養物は、G-Rex 500中に拡大培養される。
[001383] 一部の実施形態において、第2の拡大培養(REPと称される拡大培養を含む)は、100cm2ガス透過性シリコン底の500mL容量フラスコ(G-Rex 100、Wilson Wolf)において実施され、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mLの抗CD3を補充した400mLの50/50培地中で約5×106又は10×106個のTILを照射同種異系PBMCと1対100の比で培養する。G-Rex 100フラスコは5%CO2下37℃でインキュベートされる。一部の実施形態において、5日目に、250mLの上清を取り出して遠心ボトルに入れ、1500rpm(491×g)で10分間遠心する。次に3000IU/mLのIL-2を含む150mLの新鮮50/50培地にTILペレットを再懸濁し、元のG-Rex100フラスコに加え戻し得る。TILがG-Rex100フラスコ内で連続的に拡大培養される実施形態において、7日目に各G-Rex100内のTILを各フラスコ内に存在する300mLの培地に懸濁し、且つ細胞懸濁液を3つの100mLアリコートに分割しており、それらを3つのG-Rex100フラスコの播種に使用される。次に、5%ヒトAB血清及び3000IU/mLのIL-2を含む150mLのAIM-Vを各フラスコに加える。G-Rex 100フラスコは5%CO2下37℃でインキュベートされ、4日後、各G-Rex100フラスコに3000IU/mLのIL-2を含む150mLのAIM-Vを加える。細胞は培養14日目に回収される。一部の実施形態において、培養物は、G-Rex 500中に拡大培養される。
[001384] 一部の実施形態において、第2の拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下で更に詳細に考察する通り、IL-2、OKT-3並びに抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。
[001385] 一部の実施形態において、第2の拡大培養、例えば、図44によるステップDは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、単一のバイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、用いられる単一のバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。
[001386] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順(例えば、図44のステップDに記載された拡大培養並びにREPと称される拡大培養を含む)は、REP TIL拡大培養中及び/又は第2の拡大培養中に過剰量のフィーダー細胞が必要である。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。
[001387] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかにより不活性化され、実施例、特に同種異系PBMCの複製能力を評価するための例示的なプロトコルを提供する実施例6に記載されるように、REP手順で使用される。
[001388] 一部の実施形態において、14日目の生細胞の総数がREPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目に培養(即ち第2の拡大培養の開始日)に移行した初期生細胞数より少ない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。
[001389] 一部の実施形態において、OKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、7日目及び14日目に、REPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目(即ち第2の拡大培養の開始日)に培養に移行した初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[001390] 一部の実施形態において、OKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、7日目及び14日目に、REPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目(即ち第2の拡大培養の開始日)に培養に移行した初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。一部の実施形態において、PBMCは、5~60ng/mLのOKT3抗体及び1000~6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、10~50ng/mLのOKT3抗体及び2000~5000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、20~40ng/mLのOKT3抗体及び2000~4000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、25~35ng/mlのOKT3抗体及び2500~3500IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[001391] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞はPBMCである。一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞は人工抗原提示フィーダー細胞である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対375、約1対400又は約1対500である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1対50~1対300である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1対100~1対200である。
[001392] ある実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、第2の拡大培養中に過剰量のフィーダー細胞を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一実施形態において、PBMCの代わりに人工抗原提示(aAPC)細胞が使用される。
[001393] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかによって不活性化され、例えば図44に記載された例示的な手順を含む、本明細書に記載されたTIL拡大培養手順で使用される。
[001394] ある実施形態において、人工抗原提示細胞は、PBMCの代替として又はそれと組み合わせて、第2の拡大培養で使用される。
[001395] 本明細書に記載の拡大培養方法は、一般に、当技術分野において公知の通り、高用量のサイトカイン、特にIL-2を含む培養培地を使用する。
[001396] 代わりに、TILの急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養にサイトカインの組み合わせを使用することが更に可能であり、IL-2、IL-15及びIL-21の2つ以上の組み合わせについては、概して国際公開第2015/189356号及び国際公開第2015/189357号(参照により全体として明示的に本明細書に援用される)に概説される通りである。従って、可能な組み合わせとしては、IL-2とIL-15、IL-2とIL-21、IL-15とIL-21とIL-2、IL-15とIL-21が挙げられ、後者には多くの実施形態において特定の使用が見出される。これらの明細書に記載される通り、サイトカインの組み合わせを使用することは、特にリンパ球、詳細にはT細胞の生成に有利である。
5.ステップE:TILの回収
[001397] 第2の拡大培養ステップ後、細胞は回収することができる。一部の実施形態において、TILは、例えば、図44に提供される通り、1、2、3、4回又はそれ以上の拡大培養ステップ後に回収される。一部の実施形態において、TILは、例えば、図44に提供される通り、2回の拡大培養ステップ後に回収される。
[001398] TILは、例えば遠心によることを含め、任意の適切な且つ無菌の方法で回収することができる。TIL回収方法は当技術分野において周知であり、本プロセスと共に任意のかかる公知の方法を用いることができる。一部の実施形態において、TILは自動化系を使用して回収される。
[001399] 一部の実施形態において、回収、例えば、図44によるステップEは、閉鎖系バイオリアクターから実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、単一のバイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、用いられる単一のバイオリアクターは、例えば、GREX-10又はGREX-100である。一部の実施形態において、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。
6.ステップF:最終的な製剤化/輸注バッグへの移動
[001400] 図44に例示的順序で提供される通りの、且つ上記及び本明細書に詳細に概説される通りのステップA~Eが完了した後、細胞は患者への投与における使用のため容器に移される。一部の実施形態において、上記に記載される拡大培養方法を用いて治療上十分な数のTILが入手されると、TILは患者への投与における使用のため容器に移される。
[001401] 一実施形態において、本開示のプロセスを使用して拡大培養したTILは、医薬組成物として患者に投与される。一実施形態において、医薬組成物は滅菌緩衝液中のTILの懸濁液である。本開示のプロセスを使用して拡大培養したTILは、当技術分野において公知の通りの任意の好適な経路によって投与され得る。一部の実施形態において、T細胞は単回動脈内又は静脈内注入として投与され、これは好ましくはおよそ30~60分間継続される。他の好適な投与経路としては、腹腔内、髄腔内及びリンパ内が挙げられる。
[001402] 一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、凍結保存剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、凍結保存剤及び等張剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、ジメチルスルホキシドを含む凍結保存剤並びに塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムを含む等張剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、ジメチルスルホキシド及びデキストラン40を含む凍結保存剤並びに塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムを含む等張剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、滅菌輸注バッグで送達される組成物として投与され得、そのような組成物は、ジメチルスルホキシド及びデキストラン40を含む凍結保存剤並びに塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムを含む等張剤を更に含む。
医薬組成物、投与量及び投与レジメン
[001403] 一実施形態において、本開示の方法を使用して拡大培養したTILは医薬組成物として患者に投与される。一実施形態において、医薬組成物は滅菌緩衝液中のTILの懸濁液である。本開示のプロセスを使用して拡大培養したTILは、当技術分野において公知の通りの任意の好適な経路によって投与され得る。一部の実施形態において、T細胞は単回動脈内又は静脈内注入として投与され、これは好ましくはおよそ30~60分間継続される。他の適切な投与経路には、腹腔内投与、髄腔内投与及びリンパ管内投与が含まれる。
[001404] 任意の適切な用量のTILを投与することができる。一部の実施形態において、好適な投与量には、治療上十分な数のTILが必要である。一部の実施形態において、特に癌が黒色腫である場合、平均が約7.8×1010TILである約2.3×1010~約13.7×1010TILが投与される。一実施形態において、約1.2×1010~約4.3×1010のTILが投与される。一部の実施形態において、約3×1010~約12×1010のTILが投与される。一部の実施形態において、約4×1010~約10×1010のTILが投与される。一部の実施形態において、約5×1010~約8×1010のTILが投与される。一部の実施形態において、約6×1010~約8×1010のTILが投与される。一部の実施形態において、約7×1010~約8×1010のTILが投与される。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約2.3×1010~約13.7×1010である。一部の実施形態において、特に癌が黒色腫である場合、治療有効投与量は約7.8×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約1.2×1010~約4.3×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約3×1010~約12×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約4×1010~約10×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約5×1010~約8×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約6×1010~約8×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約7×1010~約8×1010個のTILである。
[001405] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの数は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013個である。一実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの数は、1×106~5×106、5×106~1×107、1×107~5×107、5×107~1×108、1×108~5×108、5×108~1×109、1×109~5×109、5×109~1×1010、1×1010~5×1010、5×1010~1×1011、5×1011~1×1012、1×1012~5×1012及び5×1012~1×1013の範囲内である。一部の実施形態において、治療有効投与量は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013個である。
[001406] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、例えば、医薬組成物の100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%w/w、w/v又はv/vより低い。
[001407] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、医薬組成物の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%w/w、w/v又はv/vより高い。
[001408] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、医薬組成物の約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%又は約1%~約10%w/w、w/v又はv/vの範囲内である。
[001409] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、医薬組成物の約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%w/w、w/v又はv/vの範囲内である。
[001410] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g又は0.0001g以下である。
[001411] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g又は10g超である。
[001412] 本発明の医薬組成物において提供されるTILは、広い投与量範囲にわたって有効である。正確な投与量は、投与経路、化合物が投与される形態、処置されるべき対象の性別及び年齢、処置されるべき対象の体重並びに担当医の選好及び経験に依存するであろう。臨床的に確立されたTILの投与量も適切な場合に使用され得る。TILの投与量などの、本明細書の方法を使用して投与される医薬組成物の量は、処置されるヒト又は哺乳動物、疾患又は状態の重症度、投与速度、活性医薬成分の性質及び処方医の裁量に依存するであろう。
[001413] 一部の実施形態において、TILは単回投与で投与され得る。そのような投与は、注射、例えば静脈内注射によるものであり得る。一部の実施形態において、TILは複数回投与で投与され得る。投与は、1年に1回、2回、3回、4回、5回、6回又は6回を超え得る。投与は、月に1回、2週間に1回、週に1回又は隔日に1回であり得る。TILの投与は必要な限り継続し得る。
[001414] 一部の実施形態において、TILの有効投与量は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013個である。一部の実施形態において、TILの有効投与量は、1×106~5×106、5×106~1×107、1×107~5×107、5×107~1×108、1×108~5×108、5×108~1×109、1×109~5×109、5×109~1×1010、1×1010~5×1010、5×1010~1×1011、5×1011~1×1012、1×1012~5×1012及び5×1012~1×1013の範囲内である。
[001415] 一部の実施形態において、TILの有効投与量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kgmg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg又は約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの範囲内である。
[001416] 一部の実施形態において、TILの有効投与量は、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約1mg~約50mg、約5mg~約45mg、約10mg~約40mg、約15mg~約35mg、約20mg~約30mg、約23mg~約28mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg又は約95mg~約105mg、約98mg~約102mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mgv約198~約207mgの範囲内である。
[001417] 有効量のTILは、鼻腔内及び経皮経路、動脈内注射によること、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、局所、移植によること又は吸入によることを含め、同様の有用性を有する薬剤について一般に認められている任意の投与方式により、単回用量又は複数回用量のいずれでも投与され得る。
C.小生検、コア生検又は細針吸引を含む、TIL製造のためのGen3方法
[001418] 一部の実施形態において、本発明は、T細胞の供給源として、小生検、コア生検又は細針吸引を使用するように変更された、GEN3プロセスのいずれかの方法によって作製されたTIL集団を提供する。一部の実施形態において、本発明は、そのような任意のGEN3プロセスの第1の初回刺激拡大培養における拡大培養のためのT細胞の供給源として、小生検、コア生検又は細針吸引を使用するように変更された、GEN3プロセスのいずれかの方法を提供し、ここで、(1)そのようなGEN3プロセスの第2の急速拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の初回刺激拡大培養の期間が延長されるか、又は(2)第2の急速拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、そのようなGEN3プロセスの第2の急速拡大培養の期間が延長されるか、又は(3)第2の急速拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の初回刺激拡大培養の期間が延長され、且つそのようなGEN3プロセスの第2の急速拡大培養の期間が延長される。
[001419] 一部の実施形態において、本発明は、そのような任意のGEN3プロセスの第1の初回刺激拡大培養における拡大培養のためのT細胞の供給源として、小生検、コア生検又は細針吸引を使用するように変更された、GEN3プロセスのいずれかの方法により作製されたTIL集団を提供し、ここで、(1)そのようなGEN3プロセスの第2の急速拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の初回刺激拡大培養の期間が延長されるか、又は(2)第2の急速拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、そのようなGEN3プロセスの第2の急速拡大培養の期間が延長されるか、又は(3)第2の急速拡大培養後に回収されたTIL集団で所望のTIL細胞数を達成するために、第1の初回刺激拡大培養の期間が延長され、且つそのようなGEN3プロセスの第2の急速拡大培養の期間が延長される。
[001420] 特定の理論に限定されるものではないが、ドナーから得られた腫瘍コア又は断片から得られたT細胞の活性化を初回刺激する第1の初回刺激拡大培養と、それに続く本発明の一部の方法に記載されているようにT細胞の活性化を追加刺激する第2の急速拡大培養は、「より幼若な」表現型を保持する拡大培養されたT細胞の調製を可能にすると考えられ、したがって、本発明の拡大培養されたT細胞は、他の方法によって拡大培養されたT細胞よりも、癌細胞に対してより大きい細胞傷害性を示すことが予想される。特に、本発明の方法によって教示されるように、抗CD3抗体(例えば、OKT-3)、IL-2及び任意選択により抗原提示細胞(APC)への曝露により初回刺激され、次いで、追加的な抗CD-3抗体(例えば、OKT-3)、IL-2及びAPCへのその後の曝露によって追加刺激される、T細胞の活性化は、培養中のT細胞の成熟を制限又は回避し、成熟度の低い表現型を有するT細胞集団を生成し、このT細胞は培養物中で拡大培養による枯渇が少なく、癌細胞に対してより高い細胞傷害性を示すと考えられる。したがって、一部の実施形態において、本発明は、(a)第1のT細胞集団を培養して、増殖をもたらし、第1のT細胞集団の活性化を初回刺激することにより、ドナーから得られた腫瘍コア又は断片から得られた第1のT細胞集団の第1の初回刺激拡大培養を実施すること;(b)ステップ(a)で初回刺激された第1のT細胞集団の活性化が減衰し始めた後、第2のT細胞集団を得るために、第1のT細胞集団を培養して、増殖をもたらし、第1のT細胞集団の活性化を追加刺激することにより、第1のT細胞集団の第2の急速拡大培養を実施すること;及び(c)第2のT細胞集団を回収することを含む、TILを拡大培養する方法を提供する。Gen3プロセス、Gen3プロセスからのTILを使用した処置方法及びGen3によって調製されたTILの組成物は、以下の本明細書及び本出願を通して提供されるように、必要な細胞数を達成するために必要に応じて拡大培養の期間を調整して、小生検/コア生検と併せて使用され得る。
[001421] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ内の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物中のT細胞を第1の容器よりも大きい第2の容器、例えばG-REX 500MCSコンテナに移し、小スケール培養物からのT細胞を、第2の容器内のより大きいスケールの培養物中で、約4~7日間の期間にわたり培養することにより、培養物のスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、第1の小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)第1の小スケール培養物からのT細胞を、サイズが第1の容器と同じである、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された第1の小スケール培養物からのT細胞の一部は、約4~7日間の期間にわたり、第2の小スケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウトを達成するために複数のステップに分割される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約3~4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からのT細胞を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からのT細胞の一部は、約4~7日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。一部の実施形態において、急速拡大培養のステップは、(a)T細胞を第1の容器、例えばG-REX 100MCSコンテナ中、小スケール培養物中で約4日間の期間にわたり培養することにより、第2の急速拡大培養を実施すること、次いで(b)小スケール培養物からのT細胞を、サイズが第1の容器(例えば、G-REX 500MCSコンテナ)よりも大きい、2、3又は4個の第2の容器に移し、配分することであって、各第2の容器において、そのような第2の容器に移された小スケール培養物からのT細胞の一部は、約5日間の期間にわたり、より大きいスケール培養物中で培養されることにより、培養物のスケールアウト及びスケールアップを達成するために複数のステップに分割される。
[001422] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が減少、減弱、減衰又は鎮静し始めた後、第2の急速拡大培養が実施される。
[001423] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が1若しくは約1、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59、60若しくは約60、61若しくは約61、62若しくは約62、63若しくは約63、64若しくは約64、65若しくは約65、66若しくは約66、67若しくは約67、68若しくは約68、69若しくは約69、70若しくは約70、71若しくは約71、72若しくは約72、73若しくは約73、74若しくは約74、75若しくは約75、76若しくは約76、77若しくは約77、78若しくは約78、79若しくは約79、80若しくは約80、81若しくは約81、82若しくは約82、83若しくは約83、84若しくは約84、85若しくは約85、86若しくは約86、87若しくは約87、88若しくは約88、89若しくは約89、90若しくは約90、91若しくは約91、92若しくは約92、93若しくは約93、94若しくは約94、95若しくは約95、96若しくは約96、97若しくは約97、98若しくは約98、99若しくは約99又は100若しくは約100%減少した後、第2の急速拡大培養が実施される。
[001424] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が1%又は約1%~100%又は約100%の範囲のパーセンテージで減少した後、第2の急速拡大培養が実施される。
[001425] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が1%若しくは約1%~10%若しくは約10%、10%若しくは約10%~20%若しくは約20%、20%若しくは約20%~30%若しくは約30%、30%若しくは約30%~40%若しくは約40%、40%若しくは約40%~50%若しくは約50%、50%若しくは約50%~60%若しくは約60%、60%若しくは約60%~70%若しくは約70%、70%若しくは約70%~80%若しくは約80%、80%若しくは約80%~90%若しくは約90%又は90%若しくは約90%~100%若しくは約100%の範囲のパーセンテージで減少した後、第2の急速拡大培養が実施される。
[001426] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が、少なくとも1若しくは約1、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59、60若しくは約60、61若しくは約61、62若しくは約62、63若しくは約63、64若しくは約64、65若しくは約65、66若しくは約66、67若しくは約67、68若しくは約68、69若しくは約69、70若しくは約70、71若しくは約71、72若しくは約72、73若しくは約73、74若しくは約74、75若しくは約75、76若しくは約76、77若しくは約77、78若しくは約78、79若しくは約79、80若しくは約80、81若しくは約81、82若しくは約82、83若しくは約83、84若しくは約84、85若しくは約85、86若しくは約86、87若しくは約87、88若しくは約88、89若しくは約89、90若しくは約90、91若しくは約91、92若しくは約92、93若しくは約93、94若しくは約94、95若しくは約95、96若しくは約96、97若しくは約97、98若しくは約98又は99若しくは約99%減少した後、第2の急速拡大培養が実施される。
[001427] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化が最大1若しくは約1、2若しくは約2、3若しくは約3、4若しくは約4、5若しくは約5、6若しくは約6、7若しくは約7、8若しくは約8、9若しくは約9、10若しくは約10、11若しくは約11、12若しくは約12、13若しくは約13、14若しくは約14、15若しくは約15、16若しくは約16、17若しくは約17、18若しくは約18、19若しくは約19、20若しくは約20、21若しくは約21、22若しくは約22、23若しくは約23、24若しくは約24、25若しくは約25、26若しくは約26、27若しくは約27、28若しくは約28、29若しくは約29、30若しくは約30、31若しくは約31、32若しくは約32、33若しくは約33、34若しくは約34、35若しくは約35、36若しくは約36、37若しくは約37、38若しくは約38、39若しくは約39、40若しくは約40、41若しくは約41、42若しくは約42、43若しくは約43、44若しくは約44、45若しくは約45、46若しくは約46、47若しくは約47、48若しくは約48、49若しくは約49、50若しくは約50、51若しくは約51、52若しくは約52、53若しくは約53、54若しくは約54、55若しくは約55、56若しくは約56、57若しくは約57、58若しくは約58、59若しくは約59、60若しくは約60、61若しくは約61、62若しくは約62、63若しくは約63、64若しくは約64、65若しくは約65、66若しくは約66、67若しくは約67、68若しくは約68、69若しくは約69、70若しくは約70、71若しくは約71、72若しくは約72、73若しくは約73、74若しくは約74、75若しくは約75、76若しくは約76、77若しくは約77、78若しくは約78、79若しくは約79、80若しくは約80、81若しくは約81、82若しくは約82、83若しくは約83、84若しくは約84、85若しくは約85、86若しくは約86、87若しくは約87、88若しくは約88、89若しくは約89、90若しくは約90、91若しくは約91、92若しくは約92、93若しくは約93、94若しくは約94、95若しくは約95、96若しくは約96、97若しくは約97、98若しくは約98、99若しくは約99又は100若しくは約100%減少した後、第2の急速拡大培養が実施される。
[001428] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養によってもたらされるT細胞の活性化の減少は、抗原による刺激に応答してT細胞によって放出されるインターフェロンガンマの量の減少によって決定される。
[001429] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、最大で7日間又は約7日間の期間中に実施される。
[001430] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間又は7日間若しくは約7日間の期間中に実施される。
[001431] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間又は7日間の期間中に実施される。
[001432] 一部の実施形態において、T細胞の第2の急速拡大培養は、最大で11日間又は約11日間の期間中に実施される。
[001433] 一部の実施形態において、T細胞の第2の急速拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間、7日間若しくは約7日間、8日間若しくは約8日間、9日間若しくは約9日間、10日間若しくは約10日間又は11日間若しくは約11日間の期間中に実施される。
[001434] 一部の実施形態において、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間又は11日間の期間中に実施される。
[001435] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間又は約1日間~7日間又は約7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間又は約1日間~11日間又は約11日間の期間中に実施される。
[001436] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間又は7日間若しくは約7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、最大で1日間若しくは約1日間、2日間若しくは約2日間、3日間若しくは約3日間、4日間若しくは約4日間、5日間若しくは約5日間、6日間若しくは約6日間、7日間若しくは約7日間、8日間若しくは約8日間、9日間若しくは約9日間、10日間若しくは約10日間又は11日間若しくは約11日間の期間中に実施される。
[001437] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、1日間又は約1日間~7日間又は約7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、1日間又は約1日間~9日間又は約9日間の期間中に実施される。
[001438] 一部の実施形態において、T細胞の第1の初回刺激拡大培養は、7日間の期間中に実施され、T細胞の第2の急速拡大培養は、9日間の期間中に実施される。
[001439] 一部の実施形態において、T細胞は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。
[001440] 一部の実施形態において、T細胞は、骨髄浸潤リンパ球(MIL)である。
[001441] 一部の実施形態において、T細胞は、癌に罹患しているドナーから得られる。
[001442] 一部の実施形態において、T細胞は、癌に罹患している患者の腫瘍から得られるコア生検又は細針吸引から入手されるTILである。
[001443] 一部の実施形態において、T細胞は、血液悪性腫瘍に罹患している患者の骨髄から得られるMILである。
[001444] 一部の実施形態において、ドナーは癌に罹患している。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、癌は、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、ドナーは腫瘍に罹患している。一部の実施形態において、腫瘍は液性腫瘍である。一部の実施形態において、腫瘍は固形腫瘍である。一部の実施形態において、ドナーは血液悪性腫瘍に罹患している。
[001445] これらの特徴のいくつかを含むプロセス3(本明細書ではGEN3とも称される)として知られる例示的なTILプロセスを図1(特に例えば図1B)に示し、プロセス2Aに対する本発明の本実施形態の利点のいくつかを、図1、2及び44(特に例えば図1B)に示す。プロセス3の2つの実施形態が図1及び44(特に例えば図1B)に示される。プロセス2A又はGen2は、全体として参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2018/0280436号にも記載される。Gen3プロセスは、2018年11月5日に提出された米国特許出願第62/755,954号(116983-5045-PR)にも記載される。
[001446] 一般的に本明細書で考察及び概説される通り、TILは患者サンプルから採取し、本明細書に記載され、Gen3と称される、TIL拡大培養プロセスを使用して操作することにより、患者への移植前にその数が拡大される。一部の実施形態において、TILは任意選択により、以下に考察する通り、遺伝的に操作され得る。一部の実施形態において、TILは、拡大培養前又は後に凍結保存され得る。解凍後、TILは、患者への注入前に、その代謝を高めるために再刺激され得る。
[001447] 一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察する通り、第1の初回刺激拡大培養(本明細書でプレ急速拡大培養(プレREP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B)にステップBとして示されるプロセスを含む)は、1~7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(本明細書で急速拡大培養プロトコル(REP)と称されるプロセス及び図1(特に例えば図1B)にステップDとして示されるプロセスを含む)は、1~9日間に短縮される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップBとして記載される拡大培養)は7日間に短縮され、第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップDに記載される拡大培養)は7~9日間である。一部の実施形態において、以下並びに実施例及び図で詳細に考察するように、第1の初回刺激拡大培養及び第2の急速拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップB及びステップDとして記載される拡大培養)の組み合わせは、14~16日間である。特に、本発明の特定の実施形態は、TILがIL-2の存在下での抗CD3抗体、例えばOKT-3への曝露又は少なくともIL-2及び抗CD3抗体、例えばOKT-3の存在下での抗原への曝露により活性化される、第1の初回刺激拡大培養ステップを含むと考えられる。特定の実施形態において、上記の第1の初回刺激拡大培養ステップで活性化されるTILは、第1のTIL集団、即ち初代細胞集団である。
[001448] 以下の「ステップ」の名称A、B、C等は、図1(特に例えば図1B)の非限定的な例を参照し、本明細書に記載の特定の非限定的な実施形態を参照している。以下及び図1(特に例えば図1B)におけるステップの順序は例示であり、ステップの任意の組み合わせ又は順序並びに追加的なステップ、ステップの繰り返し及び/又はステップの省略が、本願及び本明細書に開示される方法によって企図される。
[001449] 一部の実施形態において、腫瘍が転移性であり、過去に原発病変が効率的に処置/除去されている場合、転移性病変の1つの除去が必要になり得る。一部の実施形態において、最も侵襲性の低いアプローチは、利用可能な場合、皮膚病変又は首若しくは腋窩領域のリンパ節を除去することである。一部の実施形態において、皮膚病変が除去されるか、又はその小生検が除去される。一部の実施形態において、リンパ節又はその小生検が除去される。一部の実施形態において、肺若しくは肝臓の転移性病変又は腹腔内若しくは胸部リンパ節又はその小生検を利用することができる。
[001450] 一部の実施形態において、腫瘍は黒色腫である。一部の実施形態において、黒色腫の小生検は、黒子又はその一部を含む。
[001451] 一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検である。一部の実施形態において、パンチ生検は、皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得される。一部の実施形態において、パンチ生検は、疑わしい黒子の周りの皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得される。一部の実施形態において、パンチ生検は、疑わしい黒子の周りの皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得され、皮膚の円形片が除去される。一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検であり、腫瘍の丸い部分が除去される。
[001452] 一部の実施形態において、小生検は、切除生検である。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、黒子又は腫瘍全体が除去される。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、正常な外観を有する小さい辺縁と共に黒子又は腫瘍全体が除去される。
[001453] 一部の実施形態において、小生検は、切開生検である。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、黒子又は腫瘍の最も不規則な部分のみが採取される。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、切開生検は、疑わしい黒子が非常に大きい場合など、他の技法を完了できない場合に使用される。
[001454] 一部の実施形態において、小生検は、肺生検である。一部の実施形態において、小生検は、気管支鏡により取得される。一般に、気管支鏡では、患者は麻酔下に置かれ、小さいものが鼻又は口を通り、喉を下って気管支に進み、ここで、いくつかの組織を除去するために小さい道具が使用される。一部の実施形態において、気管支鏡を介して腫瘍(tumor)又は腫瘍(growth)に到達できない場合、経胸腔針生検を利用することができる。一般に、経胸腔針生検では、患者も麻酔下にあり、針を皮膚から直接疑わしい箇所に挿入して、組織の小さいサンプルを除去する。一部の実施形態において、経胸腔針生検は、介入的画像診断(例えば、針を誘導するためのX線又はCTスキャンの使用)を必要とする場合がある。一部の実施形態において、小生検は、針生検により取得される。一部の実施形態において、小生検は、超音波内視鏡(例えば、ライトを備えた内視鏡であり、口を通して食道内に配置される)で取得される。一部の実施形態において、小生検は、外科手術により取得される。
[001455] 一部の実施形態において、小生検は、頭頸部生検である。一部の実施形態において、小生検は、切開生検である。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、組織の小片が異常に見える領域から切り取られる。一部の実施形態において、異常な領域が容易にアクセスされる場合、入院することなくサンプルが採取され得る。一部の実施形態において、腫瘍が口又は喉の内部のより深い位置にある場合、生検は、全身麻酔を伴い、手術室で行われる必要がある場合がある。一部の実施形態において、小生検は、切除生検である。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、領域全体が除去される。一部の実施形態において、小生検は、細針吸引(FNA)である。一部の実施形態において、小生検は、細針吸引(FNA)であり、腫瘍又はしこりから細胞を抽出(吸引)するために、シリンジに取り付けられた非常に細い針が使用される。一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検である。一部の実施形態において、小生検はパンチ生検であり、疑わしい領域の一片を除去するために、パンチ鉗子が使用される。
[001456] 一部の実施形態において、小生検は、子宮頸部生検である。一部の実施形態において、小生検は、コルポスコピーにより取得される。一般に、コルポスコピー法では、拡大双眼鏡に取り付けられた照明付き拡大鏡(コルポスコープ)の使用が採用され、子宮頸部の表面の小さい部分の生検に使用される。一部の実施形態において、小生検は、円錐切除/錐体生検である。一部の実施形態において、小生検は円錐切除/錐体生検であり、子宮頸部からより大きい組織片を除去するために外来手術が必要になる場合がある。一部の実施形態において、コーン生検は、診断の確認を助けることに加えて、コーン生検が初期処置として役立ち得る。
[001457] 「固形腫瘍」という用語は、嚢胞又は液体領域を通常含まない異常な組織塊を指す。固形腫瘍は、良性又は悪性であり得る。「固形腫瘍癌」という用語は、悪性、新生物性又は癌性の固形腫瘍を指す。固形腫瘍癌としては、限定はされないが、肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌及び膀胱癌など、肉腫、癌腫及びリンパ腫が挙げられる。一部の実施形態において、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌、膠芽腫、卵巣癌、肉腫、膵癌、膀胱癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌及び非小細胞肺癌から選択される。固形腫瘍の組織構造は、柔組織(癌細胞)を含む相互依存的組織コンパートメント及び癌細胞が分散し支持微小環境を提供し得る支持間質細胞を含む。
[001458] 一部の実施形態において、腫瘍からのサンプルは、細針吸引(FNA)、コア生検又は小生検(例えば、パンチ生検を含む)として取得される。一部の実施形態において、サンプルは最初にG-Rex 10に入れられる。一部の実施形態において、1つ又は2つのコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 10に入れられる。一部の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、9つ若しくは10個又はそれを超えるコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 100に入れられる。一部の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、9つ又は10個のコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 500に入れられる。
[001459] FNAは、肺、黒色腫、頭頸部、子宮頸部、卵巣、膵臓、神経膠芽腫、結腸直腸及び肉腫からなる群から選択される腫瘍から取得され得る。一部の実施形態において、FNAは、非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者からの肺腫瘍などの、肺腫瘍から取得される。一部の場合において、NSCLCを有する患者は、以前に外科的処置を受けたことがある。
[001460] 本明細書に記載されるTILは、FNAサンプルから得ることができる。一部の場合において、FNAサンプルは、18ゲージ針~25ゲージ針の範囲のハイゲージの針を使用して患者から取得又は分離される。ハイゲージの針は、18ゲージ、19ゲージ、20ゲージ、21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、24ゲージ又は25ゲージであり得る。一部の実施形態において、患者からのFNAサンプルは、少なくとも400,000個のTIL、例えば、400,000個のTIL、450,000個のTIL、500,000個のTIL、550,000個のTIL、600,000個のTIL、650,000個のTIL、700,000個のTIL、750,000個のTIL、800,000個のTIL、850,000個のTIL、900,000個のTIL、950,000個のTIL又はそれを超える数のTILを含み得る。
[001461] 一部の場合において、本明細書に記載されるTILは、コア生検サンプルから得られる。一部の場合において、小生検又はコア生検サンプルは、11ゲージ針~16ゲージ針の範囲の外科用又は医療用の針を使用して患者から取得又は分離される。針は、11ゲージ、12ゲージ、13ゲージ、14ゲージ、15ゲージ又は16ゲージであり得る。一部の実施形態において、患者からのコア生検サンプルは、少なくとも400,000個のTIL、例えば、400,000個のTIL、450,000個のTIL、500,000個のTIL、550,000個のTIL、600,000個のTIL、650,000個のTIL、700,000個のTIL、750,000個のTIL、800,000個のTIL、850,000個のTIL、900,000個のTIL、950,000個のTIL又はそれを超える数のTILを含み得る。
[001462] 一部の実施形態において、TILは腫瘍消化物から入手される。一部の実施形態において、腫瘍消化物は、酵素培地中、例えば限定はされないが、RPMI 1640、2mM GlutaMAX、10μg/mLゲンタマイシン、30U/mL DNアーゼ及び1.0mg/mLコラゲナーゼ中におけるインキュベーションと、それに続く機械的解離(GentleMACS、Miltenyi Biotec、Auburn, CA)によって生成した。腫瘍を酵素培地に置いた後、腫瘍を約1分間機械的に分離し得る。次に溶液を5%CO2下37℃で30分間インキュベートし、次にそれを再びおよそ1分間機械的に破壊し得る。再び5%CO2下37℃で30分間インキュベートした後、腫瘍を3度目におよそ1分間機械的に破壊し得る。一部の実施形態において、3度目の機械的破壊後に大型の組織片が存在した場合、5%CO2下37℃でのさらに30分間のインキュベーションを伴う又は伴わない1回又は2回の更なる機械的分離をサンプルに適用した。一部の実施形態において、最終回のインキュベーションの終了時に細胞懸濁液が多数の赤血球又は死細胞を含有した場合、フィコールを使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。
[001463] 一部の実施形態において、第1の拡大培養ステップ前の回収された細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に回収された」細胞集団と呼ばれる。
[001464] 一部の実施形態において、細胞は、以下に更に詳細に記載し、図1に例示する、ステップBに記載の拡大培養に進む前に、任意選択でサンプル回収後に凍結され、凍結貯蔵され得る。
1.ステップA:患者の腫瘍サンプルを入手
[001465] 一般に、TILは最初にコア生検又は類似の手順で入手された患者腫瘍サンプルから入手され(「初代TIL」)、次に本明細書に記載される通りの更なる操作のためより大きい集団へと拡大培養され、任意選択により凍結保存され、且つ任意選択により表現型及び代謝パラメータにつき評価される。
[001466] 患者腫瘍サンプルは当技術分野において公知の方法を用いて、概して、外科的切除、コア生検、針生検又は腫瘍とTIL細胞との混合物を含む他のサンプルを入手するための手段によって入手され得る。一般に、腫瘍サンプルは、原発腫瘍、浸潤性腫瘍又は転移性腫瘍を含めた任意の固形腫瘍からのものであり得る。一部の実施形態において、サンプルは、複数の小さい腫瘍サンプル又は生検からのものであり得る。一部の実施形態において、サンプルは、同じ患者からの単一の腫瘍からの複数の腫瘍サンプル(複数コアなど)を含み得る。一部の実施形態において、サンプルは、同じ患者からの複数の腫瘍からの1つ、2つ、3つ又は4つの腫瘍サンプル(転移性疾患の複数の病変から得られたコア生検など)を含み得る。一部の実施形態において、サンプルは、同じ患者からの複数の腫瘍からの複数の腫瘍サンプルを含み得る。腫瘍サンプルは、血液悪性腫瘍から入手された腫瘍などの液性腫瘍でもあり得る。固形腫瘍は、限定はされないが、乳癌、膵癌、前立腺癌、結腸直腸癌、肺癌、脳癌、腎癌、胃癌及び皮膚癌(限定はされないが、扁平上皮癌、基底細胞癌及び黒色腫を含む)を含めた任意の癌型のものであり得る。一部の実施形態において、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、膠芽腫(GBM)、胃腸癌、卵巣癌、肉腫、膵癌、膀胱癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌及び非小細胞肺癌から選択される。一部の実施形態において、有用なTILは、特に高レベルのTILを有すると報告されていることに伴い悪性黒色腫腫瘍から入手される。
[001467] 上記のように、一部の実施形態において、TILは固形腫瘍コア又は断片から得られる。一部の実施形態において、固形腫瘍コア又は断片は、酵素消化に供される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で消化される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で1~2時間にわたり消化される。一部の実施形態において、腫瘍は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で1~2時間にわたり、37℃、5%CO2で消化される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼを含む酵素混合物中で1~2時間にわたり、37℃、5%CO2で、回転しながら消化される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、一定の回転で一晩消化される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、一定の回転で、37℃、5%CO2で一晩消化される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、酵素と組み合わされて、腫瘍消化反応混合物を形成する。
[001468] 一部の実施形態において、TILは腫瘍消化物から入手されない。一部の実施形態において、固形腫瘍コアは断片化されていない。
[001469] 一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片は、無菌緩衝液中の凍結乾燥酵素で再構成される。一部の実施形態において、緩衝液は無菌HBSSである。
[001470] 一部の実施形態において、酵素混合物はコラゲナーゼを含む。一部の実施形態において、コラゲナーゼはコラゲナーゼIVである。一部の実施形態において、コラゲナーゼの作業ストックは、100mg/mLの10X作業ストックである。
[001471] 一部の実施形態において、酵素混合物はDNアーゼを含む。一部の実施形態において、DNアーゼの作業ストックは、10,000IU/mLの10X作業ストックである。
[001472] 一部の実施形態において、酵素混合物はヒアルロニダーゼを含む。一部の実施形態において、ヒアルロニダーゼの作業ストックは、10mg/mLの10X作業ストックである。
[001473] 一部の実施形態において、酵素混合物は、10mg/mLのコラゲナーゼ、1000IU/mLのDNアーゼ及び1mg/mLのヒアルロニダーゼを含む。
[001474] 一部の実施形態において、酵素混合物は、10mg/mLのコラゲナーゼ、500IU/mLのDNアーゼ及び1mg/mLのヒアルロニダーゼを含む。
[001475] 一般に、腫瘍コア又は断片から得られた細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に入手した」若しくは「新鮮に分離した」細胞集団と呼ばれる。特定の実施形態において、新鮮に入手したTILの細胞集団は、抗原提示細胞、IL-12及びOKT-3を含む細胞培養培地に曝露される。
[001476] 一部の実施形態において、TILは初めに、患者から入手された酵素的腫瘍コア又は断片の消化物及び腫瘍コア又は断片から培養することができる。一実施形態において、TILは初めに、患者から入手された酵素的腫瘍コア又は断片の消化物及び腫瘍コア又は断片から培養することができる。
[001477] 一部の実施形態において、TILは腫瘍断片又はコアの消化物から入手される。一部の実施形態において、腫瘍断片又はコアの消化物は、酵素培地中、例えば限定はされないが、RPMI 1640、2mM GlutaMAX、10mg/mLゲンタマイシン、30U/mL DNアーゼ及び1.0mg/mLコラゲナーゼ中におけるインキュベーションと、それに続く機械的解離(GentleMACS、Miltenyi Biotec、Auburn, CA)によって生成される。腫瘍断片又はコアを酵素培地に置いた後、腫瘍断片又はコアをおよそ1分間機械的に分離し得る。次に溶液を5%CO2下37℃で30分間インキュベートし、次にそれを再びおよそ1分間機械的に破壊し得る。再び5%CO2下37℃で30分間インキュベートした後、腫瘍断片又はコアを3度目におよそ1分間機械的に破壊し得る。一部の実施形態において、3度目の機械的破壊後に大型の組織片が存在した場合、5%CO2下37℃でのさらに30分間のインキュベーションを伴う又は伴わない1回又は2回の更なる機械的分離をサンプルに適用した。一部の実施形態において、最終回のインキュベーションの終了時に細胞懸濁液が多数の赤血球又は死細胞を含有した場合、フィコールを使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。
[001478] 一部の実施形態において、腫瘍が転移性であり、過去に原発病変が効率的に処置/除去されている場合、転移性病変の1つの除去が必要になり得る。一部の実施形態において、最も侵襲性の低いアプローチは、利用可能な場合、皮膚病変又は首若しくは腋窩領域のリンパ節を除去することである。一部の実施形態において、皮膚病変が除去されるか、又はその小生検が除去される。一部の実施形態において、リンパ節又はその小生検が除去される。一部の実施形態において、肺若しくは肝臓の転移性病変又は腹腔内若しくは胸部リンパ節又はその小生検を利用することができる。
[001479] 一部の実施形態において、腫瘍は黒色腫である。一部の実施形態において、黒色腫の小生検は、黒子又はその一部を含む。
[001480] 一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検である。一部の実施形態において、パンチ生検は、皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得される。一部の実施形態において、パンチ生検は、疑わしい黒子の周りの皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得される。一部の実施形態において、パンチ生検は、疑わしい黒子の周りの皮膚に押し込まれた円形ブレードを用いて取得され、皮膚の円形片が除去される。一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検であり、腫瘍の丸い部分が除去される。
[001481] 一部の実施形態において、小生検は、切除生検である。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、黒子又は腫瘍全体が除去される。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、正常な外観を有する小さい辺縁と共に黒子又は腫瘍全体が除去される。
[001482] 一部の実施形態において、小生検は、切開生検である。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、黒子又は腫瘍の最も不規則な部分のみが採取される。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、切開生検は、疑わしい黒子が非常に大きい場合など、他の技法を完了できない場合に使用される。
[001483] 一部の実施形態において、小生検は、肺生検である。一部の実施形態において、小生検は、気管支鏡により取得される。一般に、気管支鏡では、患者は麻酔下に置かれ、小さいものが鼻又は口を通り、喉を下って気管支に進み、ここで、いくつかの組織を除去するために小さい道具が使用される。一部の実施形態において、気管支鏡を介して腫瘍(tumor)又は腫瘍(growth)に到達できない場合、経胸腔針生検を利用することができる。一般に、経胸腔針生検では、患者も麻酔下にあり、針を皮膚から直接疑わしい箇所に挿入して、組織の小さいサンプルを除去する。一部の実施形態において、経胸腔針生検は、介入的画像診断(例えば、針を誘導するためのX線又はCTスキャンの使用)を必要とする場合がある。一部の実施形態において、小生検は、針生検により取得される。一部の実施形態において、小生検は、超音波内視鏡(例えば、ライトを備えた内視鏡であり、口を通して食道内に配置される)で取得される。一部の実施形態において、小生検は、外科手術により取得される。
[001484] 一部の実施形態において、小生検は、頭頸部生検である。一部の実施形態において、小生検は、切開生検である。一部の実施形態において、小生検は切開生検であり、組織の小片が異常に見える領域から切り取られる。一部の実施形態において、異常な領域が容易にアクセスされる場合、入院することなくサンプルが採取され得る。一部の実施形態において、腫瘍が口又は喉の内部のより深い位置にある場合、生検は、全身麻酔を伴い、手術室で行われる必要がある場合がある。一部の実施形態において、小生検は、切除生検である。一部の実施形態において、小生検は切除生検であり、領域全体が除去される。一部の実施形態において、小生検は、細針吸引(FNA)である。一部の実施形態において、小生検は、細針吸引(FNA)であり、腫瘍又はしこりから細胞を抽出(吸引)するために、シリンジに取り付けられた非常に細い針が使用される。一部の実施形態において、小生検は、パンチ生検である。一部の実施形態において、小生検はパンチ生検であり、疑わしい領域の一片を除去するために、パンチ鉗子が使用される。
[001485] 一部の実施形態において、小生検は、子宮頸部生検である。一部の実施形態において、小生検は、コルポスコピーにより取得される。一般に、コルポスコピー法では、拡大双眼鏡に取り付けられた照明付き拡大鏡(コルポスコープ)の使用が採用され、子宮頸部の表面の小さい部分の生検に使用される。一部の実施形態において、小生検は、円錐切除/錐体生検である。一部の実施形態において、小生検は円錐切除/錐体生検であり、子宮頸部からより大きい組織片を除去するために外来手術が必要になる場合がある。一部の実施形態において、コーン生検は、診断の確認を助けることに加えて、コーン生検が初期処置として役立ち得る。
[001486] 「固形腫瘍」という用語は、嚢胞又は液体領域を通常含まない異常な組織塊を指す。固形腫瘍は、良性又は悪性であり得る。「固形腫瘍癌」という用語は、悪性、新生物性又は癌性の固形腫瘍を指す。固形腫瘍癌としては、限定はされないが、肺癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌、前立腺癌、結腸癌、直腸癌及び膀胱癌など、肉腫、癌腫及びリンパ腫が挙げられる。一部の実施形態において、癌は、子宮頸癌、頭頸部癌、膠芽腫、卵巣癌、肉腫、膵癌、膀胱癌、乳癌、トリプルネガティブ乳癌及び非小細胞肺癌から選択される。固形腫瘍の組織構造は、柔組織(癌細胞)を含む相互依存的組織コンパートメント及び癌細胞が分散し支持微小環境を提供し得る支持間質細胞を含む。
[001487] 一部の実施形態において、腫瘍からのサンプルは、細針吸引(FNA)、コア生検、小生検(例えば、パンチ生検を含む)として取得される。一部の実施形態において、サンプルは最初にG-Rex 10に入れられる。一部の実施形態において、1つ又は2つのコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 10に入れられる。一部の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、9つ又は10個のコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 100に入れられる。一部の実施形態において、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、9つ又は10個のコア生検及び/又は小生検サンプルがある場合、サンプルは最初にG-Rex 500に入れられる。
[001488] FNAは、肺、黒色腫、頭頸部、子宮頸部、卵巣、膵臓、神経膠芽腫、結腸直腸及び肉腫。からなる群から選択される腫瘍から取得され得る。一部の実施形態において、FNAは、非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者からの肺腫瘍などの、肺腫瘍から取得される。一部の場合において、NSCLCを有する患者は、以前に外科的処置を受けたことがある。
[001489] 本明細書に記載されるTILは、FNAサンプルから得ることができる。一部の場合において、FNAサンプルは、18ゲージ針~25ゲージ針の範囲のハイゲージの針を使用して患者から取得又は分離される。ハイゲージの針は、18ゲージ、19ゲージ、20ゲージ、21ゲージ、22ゲージ、23ゲージ、24ゲージ又は25ゲージであり得る。一部の実施形態において、患者からのFNAサンプルは、少なくとも400,000個のTIL、例えば、400,000個のTIL、450,000個のTIL、500,000個のTIL、550,000個のTIL、600,000個のTIL、650,000個のTIL、700,000個のTIL、750,000個のTIL、800,000個のTIL、850,000個のTIL、900,000個のTIL、950,000個のTIL又はそれを超える数のTILを含み得る。
[001490] 一部の場合において、本明細書に記載されるTILは、コア生検サンプルから得られる。一部の場合において、コア生検又は小生検サンプルは、11ゲージ針~16ゲージ針の範囲の外科用又は医療用の針を使用して患者から取得又は分離される。針は、11ゲージ、12ゲージ、13ゲージ、14ゲージ、15ゲージ又は16ゲージであり得る。一部の実施形態において、患者からのコア生検サンプルは、少なくとも400,000個のTIL、例えば、400,000個のTIL、450,000個のTIL、500,000個のTIL、550,000個のTIL、600,000個のTIL、650,000個のTIL、700,000個のTIL、750,000個のTIL、800,000個のTIL、850,000個のTIL、900,000個のTIL、950,000個のTIL又はそれを超える数のTILを含み得る。
[001491] 一部の実施形態において、TILは腫瘍コア又は断片の消化物から入手される。一部の実施形態において、腫瘍コア又は断片の消化物は、酵素培地中、例えば限定はされないが、RPMI 1640、2mM GlutaMAX、10μg/mLゲンタマイシン、30U/mL DNアーゼ及び1.0mg/mLコラゲナーゼ中におけるインキュベーションと、それに続く機械的解離(GentleMACS、Miltenyi Biotec、Auburn, CA)によって生成した。腫瘍コア又は断片を酵素培地に置いた後、腫瘍を約1分間機械的に分離し得る。次に溶液を5%CO2下37℃で30分間インキュベートし、次にそれを再びおよそ1分間機械的に破壊し得る。再び5%CO2下37℃で30分間インキュベートした後、腫瘍コア又は断片を、3度目におよそ1分間機械的に破壊し得る。一部の実施形態において、3度目の機械的破壊後に大型の組織片が存在した場合、5%CO2下37℃でのさらに30分間のインキュベーションを伴う又は伴わない1回又は2回の更なる機械的分離をサンプルに適用した。一部の実施形態において、最終回のインキュベーションの終了時に細胞懸濁液が多数の赤血球又は死細胞を含有した場合、フィコールを使用した密度勾配分離を実施して、そうした細胞を除去し得る。
[001492] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養ステップ前の細胞懸濁液は、「初代細胞集団」又は「新鮮に入手した」若しくは「新鮮に分離した」細胞集団と呼ばれる。
[001493] 一部の実施形態において、細胞は、以下にさらに詳細に記載し、図1(特に例えば図1B)に例示する、ステップBに記載の拡大培養に進む前に、任意選択によりサンプル分離後(例えば、腫瘍サンプルを取得した後及び/又は腫瘍サンプルから細胞懸濁液を取得した後)に凍結され、凍結貯蔵され得る。
2.ステップ:B第1の初回刺激拡大培養
[001494] 一部の実施形態において、本方法は、より幼若なTILを提供し、これは、より成熟したTIL(即ち対象/患者への投与前にさらに多くの回数の複製を受けたTIL)を超える追加的な治療上の利点を提供し得る。溶着TILの特徴が、文献に記載されている。例えば、Donia, et al., Scandinavian Journal of Immunology, 75:157-167 (2012)、Dudley et al., Clin Cancer Res, 16:6122-6131 (2010)、Huang et al., J Immunother, 28(3):258-267 (2005)、Besser et al., Clin Cancer Res, 19(17):OF1-OF9 (2013)、Besser et al., J Immunother 32:415-423 (2009)、Robbins, et al., J Immunol 2004; 173:7125-7130、Shen et al., J Immunother, 30:123-129 (2007)、Zhou, et al., J Immunother, 28:53-62 (2005)及びTran, et al., J Immunother, 31:742751 (2008)であり、これらは全て、全体として参照により本明細書に援用される。
[001495] 腫瘍断片及び/又は腫瘍コアの生検又は消化後、例えば、図1(特に例えば図1B)のステップAに記載されたように、得られた細胞は、腫瘍及び他の細胞よりもTILの成長に有利な条件下で血清含有IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞(例えば、抗原提示フィーダー細胞)において培養される。一部の実施形態において、IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞は、腫瘍断片若しくはコア消化物及び/又は腫瘍断片若しくはコアと共に培養開始時に(例えば、0日目に)添加される。一部の実施形態において、腫瘍断片若しくはコア消化物及び/又は腫瘍断片若しくはコアは、1容器あたり最大60個の断片又はコア及び6000IU/mLのIL-2と共に容器中でインキュベートされる。この初代細胞集団は、数日、概して1~7日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は、1~7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、5~7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約6~7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、この第1の初回刺激拡大培養は、約7日の期間にわたって起こり、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。
[001496] 好ましい実施形態において、以下及び本明細書で説明するように、第1の初回刺激拡大培養ステップ(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称され、0日目及び/又は培養開始からフィーダー細胞を含有するプロセスを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBで説明したものなど)、その後の、以下ステップDの下及び本明細書に記載されているように、第2の急速拡大培養(ステップD、急速拡大培養プロトコル(REP)ステップと称されるプロセスを含む)、その後の任意選択の凍結保存及びその後の第2ステップD(再刺激REPステップと称されるプロセスを含む)を使用してTILの拡大培養を実施することができる。このプロセスによって入手したTILは、任意選択により、本明細書に記載される通り表現型特徴及び代謝パラメータが特徴付けられ得る。一部の実施形態において、腫瘍断片は約1mm3~10mm3である。
[001497] 一部の実施形態において、第1の拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、ステップBのCMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10μg/mLゲンタマイシンを補充したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。
[001498] 一部の実施形態において、240個以下の腫瘍断片又はコアが存在する。一部の実施形態において、4つ以下の容器に入れられた240個以下の腫瘍断片又はコアが存在する。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、60個以下の腫瘍断片又はコアが1つの容器に入れられる。一部の実施形態において、各容器は、1容器あたり500mL以下の培地を含む。一部の実施形態において、培地はIL-2を含む。一部の実施形態において、培地は6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、培地は、抗原提示フィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地はOKT-3を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり30ng/mLのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、培地は、6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。
[001499] 腫瘍断片又はコアの調製後、得られた細胞(即ち断片又はコアから得られ、初代細胞集団を構成する)は、IL-2、抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含有する培地において、腫瘍及び他の細胞よりもTILの増殖に有利であり、TIL初回刺激及び0日目の培養開始からの増殖の加速を可能にする条件下で培養される。一部の実施形態において、腫瘍断片若しくはコア消化物及び/又は腫瘍断片若しくはコアは、6000IU/mLのIL-2並びに抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3と共にインキュベートされる。この初代細胞集団は、数日、概して1~7日の期間にわたって培養され、それによりバルクTIL集団、概して約1×108個のバルクTIL細胞が得られる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養の間の成長培地はIL-2又はその変異体並びに抗原提示フィーダー細胞及びOKT-3を含む。一部の実施形態において、IL-2は組換えヒトIL-2(rhIL-2)である。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき20~30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき20×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき25×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態においてIL-2ストック溶液は1mgバイアルにつき30×106IU/mgの比活性を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は4~8×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は5~7×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は6×106IU/mgのIL-2の最終濃度を有する。一部の実施形態において、IL-2ストック溶液は実施例5に記載される通り調製される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約10,000IU/mLのIL-2、約9,000IU/mLのIL-2、約8,000IU/mLのIL-2、約7,000IU/mLのIL-2、約6000IU/mLのIL-2又は約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約9,000IU/mLのIL-2~約5,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約8,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約7,000IU/mLのIL-2~約6,000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約6,000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地はIL-2をさらに含む。好ましい一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。
[001500] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15、約400IU/mLのIL-15、約300IU/mLのIL-15、約200IU/mLのIL-15、約180IU/mLのIL-15、約160IU/mLのIL-15、約140IU/mLのIL-15、約120IU/mLのIL-15又は約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約400IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約300IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約200IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約180IU/mLのIL-15を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地はIL-15をさらに含む。好ましい一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約180IU/mLのIL-15を含む。
[001501] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21、約15IU/mLのIL-21、約12IU/mLのIL-21、約10IU/mLのIL-21、約5IU/mLのIL-21、約4IU/mLのIL-21、約3IU/mLのIL-21、約2IU/mLのIL-21、約1IU/mLのIL-21又は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約15IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約12IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約10IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約5IU/mLのIL-21~約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は約2IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-21をさらに含む。好ましい一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約1IU/mLのIL-21を含む。
[001502] 一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地はOKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培地は約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、15ng/ml~30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、OKT-3抗体はムロモナブである。
[001503] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、細胞培養培地中に1つ以上のTNFRSFアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストであり、4-1BBアゴニストは、ウレルマブ、ウトミルマブ、EU-101、融合タンパク質並びにその断片、誘導体、変異体、バイオシミラー及び組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、0.1μg/mL~100μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、20μg/mL~40μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。
[001504] 一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、初期濃度約3000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体をさらに含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、第1の初回刺激拡大培養細胞培養培地は、初期濃度約6000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体をさらに含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。
[001505] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地は、培養培地の略称である「CM」と称される。一部の実施形態において、これはCM1(培養培地1)と称される。一部の実施形態において、CMは、10%ヒトAB血清、25mMヘペス及び10μg/mLゲンタマイシンを補充したGlutaMAX含有RPMI 1640からなる。一部の実施形態において、CMは、実施例に記載されるCM1であり、実施例1及び14を参照のこと。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は初期細胞培養培地又は第1の細胞培養培地中で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養培地又は初期細胞培養培地又は第1の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞(フィーダー細胞とも称される)を含む。
[001506] 一部の実施形態において、実施例及び図で考察されているように、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは1~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは2~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは3~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは4~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは5~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載されるプロセスなどを含む)プロセスは6~7日間である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養(例えば、プレREP又は初回刺激REPと称されることもあるものを含み得る、図1(特に例えば図1B)のステップBに提供されるプロセスなどを含む)プロセスは7日間である。
[001507] 一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、2日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、2日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、9日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、10日間続行され得る。一部の実施形態において、小生検(例えば、コア生検)は、約1、2又は3日目に培養物から取り出される。一部の実施形態において、小生検(例えば、コア生検)は3日目に培養物から取り出される。
[001508] 一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、8日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、9日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、10日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、11日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、12日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、13日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、14日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、15日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1の初回刺激TIL拡大培養は、腫瘍コア又は断片が細胞培養物に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、16日間~17日間続行され得る。
[001509] 一部の実施形態において、TILの第1の初回刺激拡大培養は1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間又は10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は1日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は2日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は3日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は4日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は5日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は6日間~7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は1日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は2日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は3日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は4日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は5日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は6日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は7日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は8日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は9日間~10日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は7日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は8日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は9日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は10日間続行され得る。
[001510] 一部の実施形態において、TILの第1の初回刺激拡大培養は8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間又は17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は8日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は9日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は10日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は11日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は12日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は13日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は14日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は15日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は16日間~17日間続行され得る。一部の実施形態において、第1のTIL拡大培養は17日間続行され得る。
[001511] 一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の組み合わせが、第1の初回刺激拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B)による且つ本明細書に記載されている通り、ステップBプロセス中を含む、第1の初回刺激拡大培養中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせが、第1の初回刺激拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B)による且つ本明細書に記載されている通りステップBプロセス中に含められ得る。
[001512] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養、例えば、図1(特に例えば図1B)によるステップBは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが容器として用いられる。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-10である。
[001513] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップBに記載された拡大培養並びにプレREP又は初回刺激REPと称される拡大培養を含む)は、TIL拡大培養の開始時及び第1の初回刺激拡大培養中に、フィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一部の実施形態において、2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。一部の実施形態において、1容器あたり2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。一部の実施形態において、GREX-10あたり2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。一部の実施形態において、GREX-100あたり2.5×108個のフィーダー細胞が第1の初回刺激拡大培養中に用いられる。
[001514] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかにより不活性化され、同種異系PBMCの複製能力を評価するための例示的なプロトコルを提供する実施例に記載されるように、REP手順で使用される。
[001515] 一部の実施形態において、14日目の生細胞の総数が、第1の初回刺激拡大培養の0日目に培養物に入れられた初期生細胞数より少ない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。
[001516] 一部の実施形態において、7日目のOKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、第1の初回刺激拡大培養の0日目に培養物に入れられた初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[001517] 一部の実施形態において、7日目のOKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、第1の初回刺激拡大培養の0日目に培養物に入れられた初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められる。一部の実施形態において、PBMCは、5~60ng/mLのOKT3抗体及び1000~6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、10~50ng/mLのOKT3抗体及び2000~5000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、20~40ng/mLのOKT3抗体及び2000~4000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、25~35ng/mLのOKT3抗体及び2500~3500IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、15ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、15ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[001518] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞はPBMCである。一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞は人工抗原提示フィーダー細胞である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対375、約1対400又は約1対500である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1対50~1対300である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1対100~1対200である。
[001519] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順は、約2.5×108個のフィーダー細胞と約100×106個のTILの比を必要とする。別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順は、約2.5×108個のフィーダー細胞と約50×106個のTILの比を必要とする。さらに別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養は、約2.5×108個のフィーダー細胞と約25×106個のTILを必要とする。さらに別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養は、約2.5×108個のフィーダー細胞を必要とする。さらに別の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は、第2の急速拡大培養で使用されるフィーダー細胞の数の4分の1、3分の1、12分の5又は半分を必要とする。
[001520] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、1容器あたり2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における培地は、OKT-3を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり30ngのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、培地は、6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり2.5×108の抗原提示フィーダー細胞あたり、500mLの培養培地及び15ugのOKT-3を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり500mLの培養培地及び15ugのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、培地は、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、30ng/mLのOKT-3及び2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、15ugのOKT-3及び2.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり2.5×108の抗原提示フィーダー細胞あたり、500mLの培養培地及び15ugのOKT-3を含む。
[001521] 一実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養手順は、第2の拡大培養中に、TILに対して過剰量のフィーダー細胞を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一実施形態において、PBMCの代わりに人工抗原提示(aAPC)細胞が使用される。
[001522] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかによって不活性化され、図及び実施例に記載された例示的な手順を含む、本明細書に記載されたTIL拡大培養手順で使用される。
[001523] 一実施形態において、人工抗原提示細胞は、PBMCの代替として又はそれと組み合わせて、第1の初回刺激拡大培養で使用される。
[001524] 本明細書に記載の拡大培養方法は、一般に、当技術分野において公知の通り、高用量のサイトカイン、特にIL-2を含む培養培地を使用する。
[001525] 代わりに、TILの第1の初回刺激拡大培養にサイトカインの組み合わせを使用することがさらに可能であり、IL-2、IL-15及びIL-21の2つ以上の組み合わせについては、概して国際公開第2015/189356号及び国際公開第2015/189357号(参照により全体として明示的に本明細書に援用される)に概説される通りである。従って、可能な組み合わせとしては、IL-2とIL-15、IL-2とIL-21、IL-15とIL-21及びIL-2とIL-15とIL-21が挙げられ、後者には多くの実施形態において特定の使用が見出される。これらの明細書に記載される通り、サイトカインの組み合わせを使用することは、特にリンパ球、詳細にはT細胞の生成に有利である。
3.ステップC:第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行
[001526] 一部の場合において、例えば、例えば図1(特に例えば図1B)に示されるステップBから得られる、TIL集団を含む、第1の初回刺激拡大培養から得られたバルクTIL集団(プレREPと称されることがある拡大培養を含み得る)は、第2の急速拡大培養(急速拡大培養プロトコル(REP)と称されることがある拡大培養を含み得る)に供し、その後、以下で考察するように凍結保存することができる。同様に、遺伝子修飾TILが治療に使用される場合、初回刺激拡大培養からの拡大培養されたTIL集団又は第2の急速拡大培養からの拡大培養されたTIL集団は、拡大培養ステップ前又は第1の初回刺激拡大培養後且つ第2の急速拡大培養前に、適切な処置のために遺伝子修飾に供され得る。
[001527] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から(例えば、図1(特に例えば図1B)に示される通りのステップBから)入手されたTILは、選択のためのフェノタイピングまで貯蔵される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から(例えば、図1(特に例えば図1B)に示される通りのステップBから)入手されたTILは貯蔵されず、第2の急速拡大培養に直接進む。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から入手されたTILは、第1の初回刺激拡大培養後、第2の急速拡大培養前に凍結保存されない。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、腫瘍コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約2日、3日、4日、5日、6日又は7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約3日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約4日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約5日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約6日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、約7日の時点で行われる。
[001528] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日、最大10日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、1日~7日の時点で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、2日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、3日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、4日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、5日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、6日~7日で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、コア又は断片が細胞培養培地に添加されたとき及び/又は第1の初回刺激拡大培養ステップが開始されたときから、7日で行われる。
[001529] 一部の実施形態において、TILは第1の初回刺激拡大培養後、第2の急速拡大培養前に貯蔵されず、TILは第2の急速拡大培養に直接進む(例えば、一部の実施形態において、図1(特に例えば図1B)に示すように、ステップBからステップDへの移行中に貯蔵は行われない)。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、移行は閉鎖系で行われる。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養からのTILは、第2のTIL集団からのTILであり、移行期間を伴わず第2の急速拡大培養に直接進む。
[001530] 一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、例えば、図1(特に例えば図1B)によるステップCは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、単一のバイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、用いられる単一のバイオリアクターは、例えば、G-REX-10又はG-REX-100である。一部の実施形態において、閉鎖系バイオリアクターは単一のバイオリアクターである。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養から第2の急速拡大培養への移行は、容器サイズのスケールアップを伴う。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養は、第2の急速拡大培養よりも小さい容器で実施される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養はGREX-100で実施され、第2の急速拡大培養はGREX-500で実施される。
4.ステップD:第2の急速拡大培養
[001531] 一部の実施形態において、TIL細胞集団は、例えば、図1(特に例えば図1B)に示されるように、ステップA及びステップB並びにステップCと称される移行後、回収及び第1の初回刺激拡大培養後、数がさらに増加する。この更なる増加は、本明細書では第2の急速拡大培養と称され、これは、当技術分野で一般に急速拡大培養法と称される拡大培養プロセス(急速拡大培養プロトコル又はREP並びに図1(特に例えば図1B)のステップDに示されるプロセス)を含み得る。第2の急速拡大培養は、概して、フィーダー細胞、サイトカイン源及び抗CD3抗体を含め、幾つもの成分を含むガス透過性容器内の培養培地を使用して達成することができる。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養の開始後1日、2日、3日又は4日(即ちGen3プロセス全体の8、9、10又は11日目)で、TILは、より大きい容量の容器に移される。
[001532] 一部の実施形態において、TILの第2の急速拡大培養(これはREPと称されることもある拡大培養;並びに図1(特に例えば図1B)のステップDに示されるプロセスを含み得る)は、当業者に公知の任意のTILフラスコ又は容器を使用して実施することができる。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間又は9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約1日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約2日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約3日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約4日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約5日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約6日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約7日間~約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約7日間~約10日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約1日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約2日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約3日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約4日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約5日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約6日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約7日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約8日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約9日間続行し得る。一部の実施形態において、第2のTIL拡大培養は、第2の急速拡大培養の開始後、約10日間続行し得る。
[001533] 一実施形態において、第2の急速拡大培養は、本開示の方法(例えば、REPと称される膨張並びに図1(特に例えば図1B)のステップDに示されるプロセスを含む)を使用して、ガス透過性容器内で実施することができる。一部の実施形態において、TILは、IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞(本明細書では「抗原提示細胞」とも称される)の存在下で、第2の急速拡大培養で拡大培養される。一部の実施形態において、TILは、IL-2、OKT-3及びフィーダー細胞の存在下で、第2の急速拡大培養で拡大培養され、ここで、フィーダー細胞は、第1の初回刺激拡大培養で存在するフィーダー細胞の濃度の2倍、2.4倍、2.5倍、3倍、3.5倍又は4倍である最終濃度まで添加される。例えば、TILは、インターロイキン-2(IL-2)又はインターロイキン-15(IL-15)の存在下で非特異的T細胞受容体刺激を用いて急速に拡大培養することができる。非特異的T細胞受容体刺激としては、例えば、約30ng/mLのOKT3などの抗CD3抗体、マウスモノクローナル抗CD3抗体(Ortho-McNeil、Raritan, NJ又はMiltenyi Biotech、Auburn, CAから市販されている)又はUHCT-1(BioLegend、San Diego, CA, USAから市販されている)を挙げることができる。TILは、任意選択により300IU/mL IL-2又はIL-15など、T細胞成長因子の存在下で、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)結合ペプチド、例えば、0.3μΜ MART-1:26-35(27L)又はgpl 00:209-217(210M)など、任意選択によりベクターから発現させることのできる、1つ又は複数のエピトープなど、その抗原性部分を含めた癌の1つ以上の抗原を第2の拡大培養中に含めることにより、インビトロでのTILの更なる刺激を誘発するように拡大培養することができる。他の好適な抗原としては、例えば、NY-ESO-1、TRP-1、TRP-2、チロシナーゼ癌抗原、MAGE-A3、SSX-2及びVEGFR2又はその抗原性部分を挙げることができる。TILは、HLA-A2発現抗原提示細胞にパルスした癌の同じ1つ又は複数の抗原による再刺激によっても急速に拡大培養し得る。代わりに、TILは、例えば照射自己リンパ球によるか、又は照射HLA-A2+同種異系リンパ球及びIL-2によってさらに再刺激することができる。一部の実施形態において、再刺激は、第2の拡大培養の一部として生じる。一部の実施形態において、照射された自己リンパ球の存在下において又は照射されたHLA-A2+同種異系リンパ球及びIL-2と共に第2の拡大培養が発生する。
[001534] 一実施形態において、細胞培養培地はIL-2を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約3000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約1000IU/mL、約1500IU/mL、約2000IU/mL、約2500IU/mL、約3000IU/mL、約3500IU/mL、約4000IU/mL、約4500IU/mL、約5000IU/mL、約5500IU/mL、約6000IU/mL、約6500IU/mL、約7000IU/mL、約7500IU/mL又は約8000IU/mLのIL-2を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、1000~2000IU/mL、2000~3000IU/mL、3000~4000IU/mL、4000~5000IU/mL、5000~6000IU/mL、6000~7000IU/mL、7000~8000IU/mL又は8000IU/mLのIL-2を含む。
[001535] 一実施形態において、細胞培養培地は、OKT-3抗体を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約30ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、約0.1ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2.5ng/mL、約5ng/mL、約7.5ng/mL、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約50ng/mL、約60ng/mL、約70ng/mL、約80ng/mL、約90ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL及び約1μg/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、0.1ng/mL~1ng/mL、1ng/mL~5ng/mL、5ng/mL~10ng/mL、10ng/mL~20ng/mL、20ng/mL~30ng/mL、30ng/mL~40ng/mL、40ng/mL~50ng/mL及び50ng/mL~100ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は、30ng/ml~60ng/mLのOKT-3抗体を含む。一実施形態において、細胞培養培地は約30ng/mLのOKT-3を含む。一実施形態において、細胞培養培地は約60ng/mLのOKT-3を含む。一部の実施形態において、OKT-3抗体はムロモナブである。
[001536] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、培地は6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、1容器あたり7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、OKT-3を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地は、1容器あたり500mLの培養培地及び30ugのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、6000IU/mLのIL-2、60ng/mLのOKT-3及び7.5×108の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、30ugのOKT-3及び7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。
[001537] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、IL-2を含む。一部の実施形態において、培地は6000IU/mLのIL-2を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、培地は、1容器あたり5×108~7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、OKT-3を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、1容器あたり500mLの培養培地及び30μgのOKT-3を含む。一部の実施形態において、容器はGREX100 MCSフラスコである。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、6000IU/mLのIL-2、60ng/mLのOKT-3及び5×108~7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養における培地は、1容器あたり、500mLの培養培地及び6000IU/mLのIL-2、30μgのOKT-3及び5×108~7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞を含む。
[001538] 一部の実施形態において、細胞培養培地は、細胞培養培地中に1つ以上のTNFRSFアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストを含む。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは4-1BBアゴニストであり、4-1BBアゴニストは、ウレルマブ、ウトミルマブ、EU-101、融合タンパク質並びにその断片、誘導体、変異体、バイオシミラー及び組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、0.1μg/mL~100μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。一部の実施形態において、TNFRSFアゴニストは、細胞培養培地中、20μg/mL~40μg/mLの濃度を達成するのに十分な濃度で添加される。
[001539] 一部の実施形態において、1つ以上のTNFRSFに加えて、細胞培養培地は、初期濃度約3000IU/mLのIL-2及び初期濃度約30ng/mLのOKT-3抗体をさらに含み、1つ以上のTNFRSFアゴニストは、4-1BBアゴニストを含む。
[001540] 一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21の組み合わせが、第2の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-7、IL-15及び/又はIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B)による且つ本明細書に記載されている通り、ステップDプロセス中を含む、第2の拡大培養中に含められ得る。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせが、第2の拡大培養中の組み合わせとして用いられる。一部の実施形態において、IL-2、IL-15及びIL-21並びにそれらの任意の組み合わせは、例えば、図1(特に例えば図1B)による且つ本明細書に記載されている通り、ステップDプロセス中に含められ得る。
[001541] 一部の実施形態において、第2の拡大培養は、IL-2、OKT-3、抗原提示フィーダー細胞及び任意選択によりTNFRSFアゴニストを含む添加細胞培養培地で実施され得る。一部の実施形態において、第2の拡大培養は補充細胞培養培地で行われる。一部の実施形態において、補充細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞を含む。一部の実施形態において、第2の細胞培養培地は、IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC;抗原提示フィーダー細胞とも称される)を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養は、IL-2、OKT-3及び抗原提示フィーダー細胞で生じる(即ち抗原提示細胞)。
[001542] 一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15、約400IU/mLのIL-15、約300IU/mLのIL-15、約200IU/mLのIL-15、約180IU/mLのIL-15、約160IU/mLのIL-15、約140IU/mLのIL-15、約120IU/mLのIL-15又は約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約500IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約400IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約300IU/mLのIL-15~約100IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約200IU/mLのIL-15を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約180IU/mLのIL-15を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-15をさらに含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は約180IU/mLのIL-15を含む。
[001543] 一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21、約15IU/mLのIL-21、約12IU/mLのIL-21、約10IU/mLのIL-21、約5IU/mLのIL-21、約4IU/mLのIL-21、約3IU/mLのIL-21、約2IU/mLのIL-21、約1IU/mLのIL-21又は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約20IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約15IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約12IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約10IU/mLのIL-21~約0.5IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約5IU/mLのIL-21~約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、第2の拡大培養培地は約2IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約1IU/mLのIL-21を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は約0.5IU/mLのIL-21を含む。一実施形態において、細胞培養培地はIL-21をさらに含む。好ましい一実施形態において、細胞培養培地は約1IU/mLのIL-21を含む。
[001544] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞(APC)はPBMCである。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMC及び/又は抗原提示細胞との比は、約1:10、約1:15、約1:20、約1:25、約1:30、約1:35、約1:40、約1:45、約1:50、約1:75、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400又は約1:500である。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMCとの比は、1:50~1:300である。一実施形態において、急速拡大培養及び/又は第2の拡大培養におけるTILとPBMCとの比は、1:100~1:200である。
[001545] 一実施形態において、REP及び/又は第2の急速拡大培養は、バルクTILを150ml培地中の100倍又は200倍過剰の不活性化フィーダー細胞(ここで、フィーダー細胞の濃度は、第1の初回刺激拡大培養におけるフィーダー細胞濃度の少なくとも1.1倍(1.1X)、1.2X、1.3X、1.4X、1.5X、1.6X、1.7X、1.8X、1.8X、2X、2.1X2.2X、2.3X、2.4X、2.5X、2.6X、2.7X、2.8X、2.9X、3.0X、3.1X、3.2X、3.3X、3.4X、3.5X、3.6X、3.7X、3.8X、3.9X又は4.0X)、30mg/mLのOKT3抗CD3抗体及び6000IU/mLのIL-2と混合してフラスコ内で実施される。細胞を別の成長チャンバーに移すまで培地補充が行われる(一般的に、使用済み培地の2/3の吸引及び等しい体積の新鮮培地での置換による、2/3の培地補充)。別の成長チャンバーには、以下にさらに十分に考察する通りのG-REXフラスコ及びガス透過性容器が含まれる。
[001546] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養(REPプロセスと称されるプロセスを含み得る)は、実施例及び図で考察されるように、7~10日間である。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養(REPプロセスと称されるプロセスを含み得る)は、実施例及び図で考察されるように、7~9日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は7日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は8日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は9日間である。一部の実施形態において、第2の拡大培養は10日間である。
[001547] 一実施形態において、第2の拡大培養(これはREPと称される拡大培養;並びに図1(特に例えば図1B)のステップDに参照されるものを含み得る)は、100cmガス透過性シリコン底の500mL容量ガス透過性フラスコ(G-Rex 100、Wilson Wolf Manufacturing Corporation、New Brighton, MN, USAから市販されている)において実施され得、5%ヒトAB血清、3000IU/mLのIL-2及び30ng/mlの抗CD3(OKT3)を補充した400mLの50/50培地中で5×106又は10×106個のTILをPBMCと培養し得る。G-Rex 100フラスコは5%CO2下37℃でインキュベートし得る。5日目、250mLの上清を取り出して遠心ボトルに入れ、1500rpm(491×g)で10分間遠心し得る。5%ヒトAB血清、6000IU/mLのIL-2を含む150mLの新鮮培地にTILペレットを再懸濁し、元のGREX-100フラスコに戻し加え得る。GREX-100フラスコでTILを連続的に拡大培養する場合、10又は11日目に、TILは、GREX-500などのより大きいフラスコに移動され得る。細胞は培養14日目に回収し得る。細胞は培養15日目に回収し得る。細胞は培養16日目に回収し得る。一部の実施形態において、細胞が別の成長チャンバーに移されるまで培地交換が行われる。一部の実施形態において、培地の2/3は、使用済み培地の吸引及び等しい体積の新鮮培地での置換によって置き換えられる。一部の実施形態において、別の成長チャンバーには、以下にさらに十分に考察する通りのGREXフラスコ及びガス透過性容器が含まれる。
[001548] 一実施形態において、第2の急速拡大培養(REPと称される拡大培養を含む)が実施され、これは優れた腫瘍応答性に関してTILを選択するステップをさらに含む。当技術分野において公知の任意の選択方法を用いることができる。例えば、その開示が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2016/0010058A1号に記載されている方法は、優れた腫瘍反応性に関するTILの選択に使用され得る。
[001549] 任意選択で、第2の急速拡大培養(REP拡大培養と称される拡大培養を含む)後、当技術分野において公知の標準アッセイを用いて細胞生存率アッセイを実施することができる。例えば、バルクTILのサンプルに対してトリパンブルー色素排除アッセイを行うことができ、これは死細胞を選択的に標識して生存率の評価を可能にするものである。一部の実施形態において、Cellometer K2自動セルカウンター(Nexcelom Bioscience、Lawrence, MA)を使用してTILサンプルを計数し、生存率を決定することができる。一部の実施形態において、生存率は、標準的なCellometer K2 Image Cytometer自動細胞カウンタープロトコルに従い決定される。
[001550] T及びBリンパ球の多様な抗原受容体は、限られているが多数の遺伝子セグメントの体細胞組換えによって産生される。V(可変)、D(多様性)、J(結合)及びC(定数)の遺伝子セグメントは、免疫グロブリン及びT細胞受容体(TCR)の結合特異性及び下流側での適用を決定する。本発明は、T細胞レパートリーの多様性を示し、増加させるTILを生成する方法を提供する。一部の実施形態において、本方法により得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、第2の拡大培養で得られたTILは、T細胞レパートリー多様性の増加を示す。一部の実施形態において、多様性の増加は、免疫グロブリンの多様性及び/又はT細胞受容体の多様性の増加である。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン重鎖にある。一部の実施形態において、免疫グロブリンの多様性は、免疫グロブリン軽鎖にある。一部の実施形態において、多様性はT細胞受容体にある。一部の実施形態において、多様性は、アルファ、ベータ、ガンマ及びデルタ受容体からなる群から選択されるT細胞受容体の1つにある。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファ及び/又はベータの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)アルファの発現が増加する。一部の実施形態において、T細胞受容体(TCR)ベータの発現が増加する。一部の実施形態において、TCRab(即ちTCRα/β)の発現が増加する。
[001551] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下でさらに詳細に考察する通り、IL-2、OKT-3並びに抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下で更に詳細に考察する通り、6000IU/mLのIL-2、30μg/フラスコのOKT-3並びに7.5×108個の抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下でさらに詳細に考察する通り、IL-2、OKT-3並びに抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、第2の急速拡大培養培地(例えば、CM2又は第2の細胞培養培地と称されることもある)は、以下で更に詳細に考察する通り、6000IU/mLのIL-2、30μg/フラスコのOKT-3並びに5×108個の抗原提示フィーダー細胞(APC)を含む。
[001552] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養、例えば、図1(特に例えば図1B)によるステップDは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが容器として用いられる。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、例えば、G-REX-100又はG-REX-500である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-500である。
[001553] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の急速拡大培養手順(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップDに記載された拡大培養並びにREPと称される拡大培養を含む)は、REP TIL拡大培養中及び/又は第2の急速拡大培養中に過剰量のフィーダー細胞が必要である。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。
[001554] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかにより不活性化され、同種異系PBMCの複製能力を評価するための例示的なプロトコルを提供する実施例に記載されるように、REP手順で使用される。
[001555] 一部の実施形態において、7又は14日目の生細胞の総数がREPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目に培養(即ち第2の拡大培養の開始日)に移行した初期生細胞数より少ない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が許容可能である。
[001556] 一部の実施形態において、OKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、7日目及び14日目に、REPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目(即ち第2の拡大培養の開始日)に培養に移行した初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められ得る。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、15ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、15ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、60ng/mLのOKT3抗体及び3000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、60ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[001557] 一部の実施形態において、OKT3及びIL-2の存在下で培養された生細胞の総数が、7日目及び14日目に、REPの0日目及び/又は第2の拡大培養の0日目(即ち第2の拡大培養の開始日)に培養に移行した初期生細胞数から増加していない場合、PBMCは複製不能とみなされ、本明細書に記載のTIL拡大培養手順での使用が認められ得る。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び1000~6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び2000~5000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び2000~4000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び2500~3500IU/mLのIL-2の存在下で培養される。一部の実施形態において、PBMCは、30~60ng/mLのOKT3抗体及び6000IU/mLのIL-2の存在下で培養される。
[001558] 一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞はPBMCである。一部の実施形態において、抗原提示フィーダー細胞は人工抗原提示フィーダー細胞である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は、約1対10、約1対25、約1対50、約1対100、約1対125、約1対150、約1対175、約1対200、約1対225、約1対250、約1対275、約1対300、約1対325、約1対350、約1対375、約1対400又は約1対500である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1対50~1対300である。一実施形態において、第2の拡大培養におけるTILと抗原提示フィーダー細胞との比は1対100~1対200である。
[001559] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約5×108個のフィーダー細胞と約100×106個のTILの比を必要とする。一実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約7.5×108個のフィーダー細胞と約100×106個のTILの比を必要とする。別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約5×108個のフィーダー細胞と約50×106個のTILの比を必要とする。別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約7.5×108個のフィーダー細胞と約50×106個のTILの比を必要とする。さらに別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約5×108個のフィーダー細胞から約25×106個のTILを必要とする。さらに別の実施形態において、本明細書に記載の第2の拡大培養手順は、約7.5×108個のフィーダー細胞と約25×106個のTILを必要とする。さらに別の実施形態において、第2の急速拡大培養は、第2の急速拡大培養の2倍の数のフィーダー細胞を必要とする。さらに別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養が約2.5×108個のフィーダー細胞を必要とする場合、第2の急速拡大培養は、約5×108個のフィーダー細胞を必要とする。更に別の実施形態において、本明細書に記載の第1の初回刺激拡大培養が約2.5×108個のフィーダー細胞を必要とする場合、第2の急速拡大培養は、約7.5×108個のフィーダー細胞を必要とする。更に別の実施形態において、第2の急速拡大培養は、第1の初回刺激拡大培養の2倍(2.0X)、2.5X、3.0X、3.5X又は4.0Xの数のフィーダー細胞を必要とする。
[001560] 一実施形態において、本明細書に記載の第2の急速拡大培養手順は、第2の急速拡大培養中に過剰量のフィーダー細胞を必要とする。多くの実施形態において、フィーダー細胞は、同種異系健常供血者からの標準的な全血ユニットから入手される末梢血単核球(PBMC)である。PBMCは、Ficoll-Paque勾配分離などの標準方法を用いて入手される。一実施形態において、PBMCの代わりに人工抗原提示(aAPC)細胞が使用される。一部の実施形態において、PBMCは、第1の初回刺激拡大培養に添加されたPBMCの濃度の2倍で第2の急速拡大培養に添加される。
[001561] 一般に、同種異系PBMCは、照射又は熱処理のいずれかによって不活性化され、図及び実施例に記載された例示的な手順を含む、本明細書に記載されたTIL拡大培養手順で使用される。
[001562] 一実施形態において、人工抗原提示細胞は、PBMCの代替として又はそれと組み合わせて、第2の急速拡大培養で使用される。
[001563] 本明細書に記載の第2の急速拡大培養方法は、一般に、当技術分野において公知の通り、高用量のサイトカイン、特にIL-2を含む培養培地を使用する。
[001564] 代わりに、TILの第2の急速拡大培養にサイトカインの組み合わせを使用することがさらに可能であり、IL-2、IL-15及びIL-21の2つ以上の組み合わせについては、概して国際公開第2015/189356号及び国際公開第2015/189357号(参照により全体として明示的に本明細書に援用される)に概説される通りである。従って、可能な組み合わせとしては、IL-2とIL-15、IL-2とIL-21、IL-15とIL-21及びIL-2とIL-15とIL-21が挙げられ、後者には多くの実施形態において特定の使用が見出される。これらの明細書に記載される通り、サイトカインの組み合わせを使用することは、特にリンパ球、詳細にはT細胞の生成に有利である。
5.ステップE:TILの回収
[001565] 第2の急速拡大培養ステップ後、細胞は回収することができる。一部の実施形態において、TILは、例えば、図1(特に例えば図1B)に提供される通り、1、2、3、4回又はそれ以上の拡大培養ステップ後に回収される。一部の実施形態において、TILは、例えば、図1(特に例えば図1B)に提供される通り、2つの拡大培養ステップ後に回収される。一部の実施形態において、TILは、例えば、図1(特に例えば図1B)に提供される通り、2つの拡大培養ステップ(1つの第1の初回刺激拡大培養及び1つの第2の急速拡大培養)後に回収される。
[001566] TILは、例えば遠心によることを含め、任意の適切な且つ無菌の方法で回収することができる。TIL回収方法は当技術分野において周知であり、本プロセスと共に任意のかかる公知の方法を用いることができる。一部の実施形態において、TILは自動化系を使用して回収される。
[001567] セルハーベスター及び/又は細胞処理系は、例えば、Fresenius Kabi、Tomtec Life Science、Perkin Elmer及びInotech Biosystems International, Inc.を含む様々な供給源から市販されている。任意の細胞ベースのハーベスターを本方法で使用することができる。一部の実施形態において、セルハーベスター及び/又は細胞処理系は、膜ベースの細胞ハーベスターである。一部の実施形態において、細胞回収は、LOVO系(Fresenius Kabi製)などの細胞処理系を介して行われる。用語「LOVO細胞処理系」は、滅菌及び/又は閉鎖系環境で、回転膜又は回転フィルターなどの膜又はフィルターを通して細胞を含む溶液を送り出すことができ、ペレット化せず上清又は細胞培養培地を除去する連続フロー及び細胞処理を可能にする、あらゆる販売業者によって製造された機器又は装置も指す。一部の実施形態において、セルハーベスター及び/又は細胞処理系は、閉鎖、無菌系で細胞分離、洗浄、流体交換、濃縮及び/又は他の細胞処理ステップを実施することができる。
[001568] 一部の実施形態において、第2の急速拡大培養、例えば、図1(特に例えば図1B)によるステップDは、閉鎖系バイオリアクターで実施される。一部の実施形態において、本明細書に記載される通り、TIL拡大培養のために閉鎖系が用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが用いられる。一部の実施形態において、バイオリアクターが容器として用いられる。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、例えば、G-REX-100又はG-REX-500である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-100である。一部の実施形態において、用いられるバイオリアクターは、G-REX-500である。
[001569] 一部の実施形態において、図1(特に例えば図1B)によるステップEは、本明細書に記載のプロセスに従って実施される。一部の実施形態において、系の無菌性及び閉鎖性を維持するために、閉鎖系は滅菌条件下でシリンジを介してアクセスされる。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような閉鎖系が使用される。
[001570] 一部の実施形態において、本明細書に記載された方法に従ってTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、14日目と16日目の間のTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、14日目にTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、15日目にTILが回収される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるような方法を使用して、16日目にTILが回収される。
6.ステップF:最終的な製剤化/輸注バッグへの移動
[001571] 図1(特に例えば図1B)に例示的順序で提供される通りの、且つ上記及び本明細書に詳細に概説される通りのステップA~Eが完了した後、細胞は患者への投与における使用のため容器に移される。一部の実施形態において、上記に記載される拡大培養方法を用いて治療上十分な数のTILが入手されると、TILは患者への投与における使用のため容器に移される。
[001572] 一実施形態において、本開示の方法を使用して拡大培養したTILは医薬組成物として患者に投与される。一実施形態において、医薬組成物は滅菌緩衝液中のTILの懸濁液である。本明細書に開示されるように拡大培養したTILは、当技術分野において公知の通りの任意の好適な経路によって投与され得る。一部の実施形態において、TILは単回動脈内又は静脈内注入として投与され、これは好ましくはおよそ30~60分間継続される。他の好適な投与経路としては、腹腔内、髄腔内及びリンパ内が挙げられる。
[001573] 一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、凍結保存剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、凍結保存剤及び等張剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、ジメチルスルホキシドを含む凍結保存剤並びに塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムを含む等張剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、ジメチルスルホキシド及びデキストラン40を含む凍結保存剤並びに塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムを含む等張剤を更に含む組成物として投与され得る。一実施形態において、前述の開示のプロセスを使用して拡大培養されたTILは、滅菌輸注バッグで送達される組成物として投与され得、そのような組成物は、ジメチルスルホキシド及びデキストラン40を含む凍結保存剤並びに塩化ナトリウム、グルコン酸ナトリウム及び酢酸ナトリウムを含む等張剤を更に含む。
D.選択方法
1.PD-1のプレ拡大培養選択
[001574] 本発明の方法によれば、TILは、第1の初回刺激拡大培養前に、PD-1陽性(PD-1+)であるように前選択される。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における使用のためのTILは、PD-1陽性(PD-1+)である。一部の実施形態において、第1の初回刺激拡大培養における使用のためのTILは、少なくとも75%PD-1陽性、少なくとも80%PD-1陽性、少なくとも85%PD-1陽性、少なくとも90%PD-1陽性、少なくとも95%PD-1陽性、少なくとも98%PD-1陽性又は少なくとも99%PD-1陽性である。
[001575] 一部の実施形態において、PD-1陽性TILの前選択は、初代細胞集団TILを抗PD-1抗体で染色することによって実施される。一部の実施形態において、抗PD-1抗体は、ポリクローナル抗体、例えば、マウス抗ヒトPD-1ポリクローナル抗体、ヤギ抗ヒトPD-1ポリクローナル抗体などである。一部の実施形態において、抗PD-1抗体はモノクローナル抗体である。一部の実施形態において、抗PD-1抗体は、例えば、限定されないが、ニボルマブ(BMS-936558、Bristol-Myers Squibb;Opdivo(登録商標))、ペンブロリズマブ(ランブロリズマブ、MK03475又はMK-3475、Merck;Keytruda(登録商標))、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))、ヒト化抗PD-1抗体JS001(ShangHai JunShi)、モノクローナル抗PD-1抗体TSR-042(Tesaro, Inc.)、ピディリズマブ(抗PD-1 mAb CT-011、Medivation)、抗PD-1モノクローナル抗体BGB-A317(BeiGene)及び/又は抗PD-1抗体SHR-1210(ShangHai HengRui)、ヒトモノクローナル抗体REGN2810(Regeneron)、ヒトモノクローナル抗体MDX-1106(Bristol-Myers Squibb)及び/又はヒト化抗PD1 IgG4抗体PDR001(Novartis)を含む。一部の実施形態において、PD-1抗体は、クローン:RMP1-14(ラットIgG)-BioXcellカタログ番号BP0146からのものである。本明細書に記載されるように、ステップAからFによって例示される、本発明の方法に従うTILの拡大培養における使用のためのPD-1陽性TILの前選択における使用のための他の適切な抗体は、参照により本明細書に援用される米国特許第8,008,449号に開示される抗PD-1抗体である。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ニボルマブ(BMS-936558、Bristol-Myers Squibb;Opdivo(登録商標))とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブ(ランブロリズマブ、MK03475又はMK-3475、Merck;Keytruda(登録商標))とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、イピリムマブ(Yervoy(登録商標))とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ヒト化抗PD-1抗体JS001(ShangHai JunShi)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、モノクローナル抗PD-1抗体TSR-042(Tesaro, Inc.)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ピディリズマブ(抗PD-1mAb CT-011、Medivation)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、抗PD-1モノクローナル抗体BGB-A317(BeiGene)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、抗PD-1抗体SHR-1210(ShangHai HengRui)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ヒトモノクローナル抗体REGN2810(Regeneron)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ヒトモノクローナル抗体MDX-1106(Bristol-Myers Squibb)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、ヒト化抗PD-1 IgG4抗体PDR001(Novartis)とは異なるエピトープに結合する。一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、RMP1-14(ラットIgG)-BioXcellカタログ番号BP0146とは異なるエピトープに結合する。PD-1へのニボルマブの結合及びペンブロリズマブの結合の構造は公知であり、例えば、Tan, S. et al.(Tan, S. et al., Nature Communications, 8:14369 | DOI:10.1038/ncomms14369 (2017);全ての目的のために全体として参照により本明細書に援用される)に記載されている。
[001576] 一部の実施形態において、前選択における使用のための抗PD-1抗体は、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%又は少なくとも100%のPD-1を発言する細胞に結合する。
[001577] 一部の実施形態において、患者は、抗PD-1抗体で処置されている。一部の実施形態において、対象は、抗PD-1抗体処置ナイーブである。一部の実施形態において、対象は、抗PD-1抗体で処置されていない。一部の実施形態において、対象は、以前に化学療法剤で処置されている。一部の実施形態において、対象は、以前に化学療法剤で処置されていたが、もはや化学療法剤で処置されていない。一部の実施形態において、対象は、化学療法後又は抗PD-1抗体処置後である。一部の実施形態において、対象は、化学療法後且つ抗PD-1抗体処置後である。一部の実施形態において、患者は、抗PD-1抗体処置ナイーブである。一部の実施形態において、対象は、処置ナイーブ癌を有するか、又は化学療法後であるが抗PD-1抗体処置ナイーブである。一部の実施形態において、対象は、処置ナイーブ及び化学療法後であるが抗PD-1抗体処置ナイーブである。
[001578] 患者が以前に第1の抗PD-1抗体で処置された一部の実施形態において、前選択は、初代細胞集団TILを、初代細胞集団TILの表面上のPD-1への結合が第1の抗PD-1抗体の結合によって遮断されない第2の抗PD-1抗体で染色することによって実施される。
[001579] 患者が以前に抗PD-1抗体で処置された一部の実施形態において、前選択は、初代細胞集団TILを、初代細胞集団TILの表面上の不溶化された抗PD-1抗体のFc領域に結合する抗体(「抗Fc抗体」)で染色することによって実施される。一部の実施形態において、抗Fc抗体は、ポリクローナル抗体、例えば、マウス抗ヒトFcポリクローナル抗体、ヤギ抗ヒトFcポリクローナル抗体などである。一部の実施形態において、抗Fc抗体はモノクローナル抗体である。患者が以前に抗PD-1ヒト又はヒト化IgG抗体で処置されている一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、抗ヒトIgG抗体で染色されている。患者が以前に抗PD-1ヒト又はヒト化IgG1抗体で処置されている一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、抗ヒトIgG1抗体で染色されている。患者が以前に抗PD-1ヒト又はヒト化IgG2抗体で処置されている一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、抗ヒトIgG2抗体で染色されている。患者が以前に抗PD-1ヒト又はヒト化IgG3抗体で処置されている一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、抗ヒトIgG3抗体で染色されている。患者が以前に抗PD-1ヒト又はヒト化IgG4抗体で処置されている一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、抗ヒトIgG4抗体で染色されている。
[001580] 患者が以前に抗PD-1抗体で処置された一部の実施形態において、前選択は、初代細胞集団TILを、同じ抗PD-1抗体に接触させ、次いで、初代細胞集団TILを、初代細胞集団TILの表面上の不溶化された抗PD-1抗体のFc領域に結合する抗Fc抗体で染色することによって実施される。
[001581] 一部の実施形態において、前選択は、細胞選別法を使用して実施される。一部の実施形態において、細胞選別法は、フローサイトメトリー法、例えば、フロー活性化細胞選別(FACS)である。
2.フルオロフォア
[001582] 一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、フルオロフォアに連結された抗PD-1抗体及びフルオロフォアに連結された抗CD3抗体を含むカクテルで染色される。一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、フルオロフォア(例えば、PE、live/deadバイオレット)及び抗CD3-FITCに連結された抗PD-1抗体を含むカクテルで染色される。一部の実施形態において、初代細胞集団TILは、抗PD-1-PE、抗CD3-FITC及びlive/dead青染色(ThermoFisher, MA、カタログ番号L23105)を含むカクテルで染色される。一部の実施形態において、抗PD1抗体とのインキュベーション後、PD-1陽性細胞は、例えば、ステップBにおいて、本明細書に記載される第1の初回刺激拡大培養に従う拡大培養のために選択される。
[001583] 一部の実施形態において、フルオロフォアは、限定されないが、PE(フィコエリトリン)、APC(アロフィコシアニン)、PerCP(ペリジニンクロロフィルタンパク質)、DyLight 405、Alexa Fluor 405、Pacific Blue、Alexa Fluor 488、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、DyLight 550、Alexa Fluor 647、DyLight 650及びAlexa Fluor700を含む。一部の実施形態において、フルオロフォアは、PE-Alexa Fluor(登録商標)647、PE-Cy5、PerCP-Cy5.5、PE-Cy5.5、PE-Alexa Fluor(登録商標)750、PE-Cy7及びAPC-Cy7を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、フルオロフォアは、限定されないが、フルオレセイン色素を含む。フルオレセイン色素の例には、5-カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン-5-イソチオシアネート及び6-カルボキシフルオレセイン、5,6-ジカルボキシフルオレセイン、5-(及び6)-スルホフルオレセイン、スルホンフルオレセイン、スクシニルフルオレセイン、5-(及び6)-カルボキシSNARF-1、カルボキシフルオレセインスルホネート、カルボキシフルオレセイン双性イオン、カルボキシフルオレセイン第四級アンモニウム、カルボキシフルオレセインホスホネート、カルボキシフルオレセインGABA、5’(6’)-カルボキシフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン-cys-Cy5及びフルオレセイングルタチオンが含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、蛍光部分はローダミン染料である。ローダミン色素の例には、テトラメチルローダミン-6-イソチオシアネート、5-カルボキシテトラメチルローダミン、5-カルボキシローダミン誘導体、カルボキシローダミン110、テトラメチル及びテトラエチルローダミン、ジフェニルジメチル及びジフェニルジエチルローダミン、ジナフチルローダミン、ローダミン101スルホニルクロリド(TEXAS RED(登録商標)の商品名で販売)が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、蛍光部分はシアニン色素である。シアニン色素の例には、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及びCy7が含まれるが、これらに限定されない。
IV.操作されたサイトカイン/受容体対
[001584] サイトカイン受容体及びサイトカインを操作する方法並びにそのような操作された受容体/サイトカイン対及びそれらの組成物を使用する方法は、当技術分野で知られており、2018年3月9日に提出され、米国特許出願公開第2018/0228842A1号として公開されたUS15/916,689号の一部継続出願であり、2016年9月7日に提出されたPCT/US2016/050511号に記載される。公開されている両出願は、参照によりその全体が組み込まれる。US15/916,689号、組成物及び方法、例えば、[0093]~[0104]並びに直交性IL-2及びIL-2Rβを一般的に説明する実施例1、[0129]~[0147]並びに実施例2、ヒトIL-2オルソログ、[0148]~[0157]に特に注意が向けられる。そのような方法及び組成物は、本開示の拡大培養されたTIL、MIL及びPBLと組み合わせて又は本明細書に記載のCAR-T又はTCR療法などの他のT細胞療法と組み合わせて使用され得る。
[001585] Sockolosky et al., Science 359:1037-1042 (2018)も、直交性IL-2による形質導入細胞の刺激を介した、直交性IL-2RβによるT細胞の形質導入によるIL-2シグナル伝達経路の選択的調節を開示しており、http://science.sciencemag.org/content/sci/suppl/2018/02/28/359.6379.1037.DC1で入手可能なこの刊行物は、48ページの補足資料を含め、その全体が参照により組み込まれる。
[001586] 直交性受容体の選択は、直交性サイトカインの選択によって異なり得る。本明細書で定義される場合、操作されたサイトカイン/受容体対は、アミノ酸の変化(a)天然サイトカイン又は同族受容体への結合の欠如;及び(b)対応する操作された(直交性)リガンド又は受容体に特異的に結合することによって修飾される。本明細書に開示される直交性IL-2サイトカインの実施形態は、本明細書に開示される直交性IL-2Rβの実施形態に結合する。しかし、親和性は、変化し得、一部の対は、他の対よりも高い親和性を有し得ることが理解される。
[001587] 1つの直交性IL-2の実施形態及び1つの直交性IL-2Rβの実施形態の任意の対が、本明細書に開示される方法のいずれかに組み込まれ得ることが理解される。TIL、MIL及び/又はPBLの集団が直交性IL-2Rβを発現する場合、細胞の治療用集団を調製するための方法、細胞を拡大培養するための方法及び癌を処置するための方法において、直交性IL-2が野生型IL-2に代替されることがさらに理解される。直交性IL-2は、野生型IL-2について等しい国際単位(IU)に基づいて代替されることが理解される。
[001588] 一部の態様では、直交性受容体は、IL-2受容体:インターロイキン2受容体アルファ(IL-2Rα;CD25;配列番号154)、インターロイキン2受容体ベータ(IL-2Rβ;CD122)及びインターロイキン2受容体ガンマ(IL-2Rγ;CD132;共通ガンマ鎖;配列番号155)から選択されるポリペプチドの鎖である。一部の特定の実施形態において、直交性受容体は、IL-2、IL-4、IL-7及びIL-15からのシグナル伝達に関与するCD132である。他の特定の実施形態において、直交性受容体は、IL-2及びIL-15からのシグナル伝達に関与するCD122である。直交性受容体は、通常、対応する直交性サイトカイン、例えば、IL-2、IL-4、IL-7、IL-15などと対になっている。これらのタンパク質のそれぞれにタンパク質配列のバリエーションがあることが理解され;例えば、組換えIL-2のいくつかのバージョン、配列番号3、配列番号4及び配列番号156が開示されている。操作された残基は、例えば、CLUSTALW, Larkin et al., Bioinformatics 2007 23(21):2947-2948を使用して、当業者により、例えば異なる長さの組換えIL-2の実施形態にマッピングされ得る。
[001589] 一態様では、直交性サイトカインは、ヒトIL-2(配列番号156)である。一部の態様では、ヒトIL-2は、Q13、L14、E15、H16、L19、D20、Q22、M23、G27、R81及びN88から選択される1つ以上の残基において修飾されている。一部の態様では、ヒトIL-2は、[H16N、L19V、D20N、Q22T、M23H、G27K];[E15D、H16N、L19V、D20L、Q22T、M23H];[E15D、H16N、L19V、D20L、Q22T、M23A]及び[E15D、H16N、L19V、D20L、Q22K、M23A];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T511]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]から選択されるアミノ酸置換のセットを含む。
[001590] 一部の態様では、以下のヒトIL-2の置換のセットの1つを含むアミノ酸置換のセットは、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]である。
[001591] 一態様では、直交性サイトカインは、以下:[E15S、E15T、E15Q、E15H];[H16Q];[L19V、L19I];[D20T、D20S、D20M、D20L];[Q22K、Q22N];及び[M23L、M23S、M23V、M23T]のアミノ酸置換の1つ以上を含むヒトIL-2である。
[001592] 一態様では、直交性サイトカインは、以下:[E15S、H16Q、L19V、D20T/S/M、Q22K、M23L/S]のアミノ酸置換の1つ以上を含むヒトIL-2である。別の態様では、直交性サイトカインは、以下:[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q/A]及び任意選択によりQ22Kのアミノ酸置換の1つ以上を含むヒトIL-2である。以下の表は、直交性IL-2の実施形態である野生型ヒトIL-2の修飾を要約したものである。
[001593] 一部の態様では、直交性受容体は、IL-2受容体である。別の態様では、IL-2受容体は、ヒトIL-2Rβである。別の態様では、受容体は、R41、R42、Q70、K71、T73、T74、V75、S132、H133、Y134、F135、E136及びQ214から選択される1つ以上の残基で修飾されたヒトCD122である。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、酸性アミノ酸、例えばアスパラギン酸及び/又はグルタミン酸に対するものである。特定のアミノ酸置換には、hCD122の変更Q70Y;T73D;T73Y;H133D、H133E;H133K;Y134F;Y134E;及びY134Rが含まれるが、これらに限定されない。直交性サイトカインの選択は、直交性受容体の選択によって異なり得る。
[001594] 一態様では、直交性ヒトIL-2を産生するためのヒトIL-2のアミノ酸置換のセットは、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択され、相補的な直交性IL2-Rβは、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を選択することによって産生される。一態様では、相補的な直交性IL-2Rβは、アミノ酸置換H133D及びY134Fを含む。一態様では、相補的な直交性IL-2Rβは、アミノ酸置換H133K及びY134Rを含む。
[001595] 一態様では、直交性ヒトIL-2は、アミノ酸置換[E15S;H16Q;L19I;D20S;Q22K;M23L]によって産生され、相補的な直交性ヒトIL-2Rβは、アミノ酸置換[Q70Y;T73D;H133K;及びY134F]によって産生される。
[001596] 一部の実施形態において、直交性IL-2Rは、1つ以上の直交性サブユニットを含み得る。例えば、限定されないが、ヘテロ三量体IL-2Rは、野生型IL-2Rα、直交性IL-2Rβ及び直交性IL-2Rγを含み得る。別の態様では、ヘテロ三量体IL-2Rは、野生型IL-2Rα、直交性IL-2Rβ及び野生型IL-2Rγを含み得る。別の態様では、ヘテロ三量体IL-2Rは、野生型IL-2Rα、野生型IL-2Rβ及び直交性IL-2Rγを含み得る。別の態様では、ヘテロ三量体IL-2Rは、直交性IL-2Rα、直交性IL-2Rβ及び直交性IL-2Rγを含み得る。
[001597] TILは、直交性IL-2受容体を発現するように修飾され得る。上記のII.J、TILの任意選択による遺伝子操作及び直交性IL-2受容体を発現するようにTILを修飾するための当技術分野で公知の他の方法に記載されている方法である。一態様では、TILは、修飾された受容体が直交性IL-2に選択的に結合するように構成されるように、1つ以上の残基で修飾された、CD122としても知られるヒトIL-2Rβを発現するように修飾される。別の態様では、発現されたヒトIL-2Rβは、R41、R42、Q70、K71、T73、T74、V75、S132、H133、Y134、F135、E136及びQ214から選択される1つ以上の残基での修飾により、直交性IL-2に結合するよう構成される。
[001598] 一態様では、TILは、直交性IL-2Rβ受容体を発現するように改変される。IL-2のオルソログバージョンとIL-2Rβのオルソログバージョンは互いに特異的に結合するが、野生型の対応物には結合しない。直交性IL-2Rβに対する様々な程度の親和性を有する、複数の直交性IL-2変異体配列が提供される。直交性IL-2Rβを発現するように操作されたT細胞の、直交性IL-2依存性シグナル伝達及びT細胞増殖は、そのようなTILの直交性IL-2への曝露に起因する。
[001599] 直交性IL-2は、IgG、アルブミン又は他の分子のFcドメインに融合して、その半減期を例えばペグ化、グリコシル化などの当技術分野で公知のものによって延長することができる。Fc融合は、インビボで代替的なFc受容体を介した特性を付与し得る。「Fc領域」は、パパインによるIgGの消化によって産生されるIgG C末端ドメインに相同である天然に存在する又は合成のポリペプチドであり得る。IgG Fcは、およそ50kDaの分子量を有する。オルソログIL-2ポリペプチドは、Fc領域全体又はそれが一部であるキメラポリペプチドの循環半減期を延長する能力を保持するより小さい部分を含み得る。さらに、完全長又は断片化されたFc領域は、野生型分子の変異体であり得る。つまり、それらは、ポリペプチドの機能に影響を与える可能性がある又はない変異を含み得;以下でさらに説明するように、天然の活性は、全ての場合に必要である又は望ましい、とは限らない。他の態様では、直交性IL-2は、溶解性、製剤の均一性、安定性又は有効性を高めるために、製薬分野で公知の任意の手段によって改変され得る。
[001600] TILは、上記の方法のいずれか、例えば、II(TIL製造プロセス)及びIII(他のTIL拡大培養方法)に開示されている方法に従って拡大培養することができる。一部の態様では、TILは、第1の拡大培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。一部の態様では、TILは、第2の拡大培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。一部の態様では、TILは、プレREP培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。一部の態様では、TILは、REP培養ステップ後、直交性IL-2Rβを発現するように操作される。
[001601] 一態様では、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を治療用TIL集団に拡大培養するための方法は、直交性サイトカイン受容体を発現するTILを濃縮するために細胞の集団を選別することをさらに含む。一態様では、直交性サイトカイン受容体は、IL-2Rβである。一態様では、選別はフローサイトメトリーを含む。
[001602] 一態様では、直交性受容体をコードするコード配列を含むベクターが提供され、ここで、コード配列は、所望の細胞で活性なプロモーターに作動可能に連結されている。様々なベクターが当技術分野で公知であり、この目的のために使用することができる。例えば、ウイルスベクター、プラスミドベクター、ミニサークルベクターであり、これらのベクターは、標的細胞ゲノムに組み込むことができるか、又はエピソーム的に維持することができる。一態様では、ベクターは、直交性IL-2Rβタンパク質配列をコードする。別の態様では、ベクターは、直交性IL-2Rαタンパク質配列をコードする。別の態様では、ベクターは、直交性IL-2Rγタンパク質配列をコードする。
[001603] 他の実施形態において、限定されないが、サイトカイン/受容体サブユニット対は、IL-1様(オーファン受容体);IL-1α/CD121a、CDw121b;IL-1β/CD121a、CDw121b;IL-1RA/CD121a;IL-18/IL-18Rα、IL-18Rβ;IL-2/CD25、CD122、CD132;IL-4/CD124、CD213a13、CD132;IL-7/CD127、CD132;IL-9/IL-9R、CD132;IL-13/CD213a1、CD213a2、CD1243、CD132;IL-15/IL-15Ra、CD122、CD132;IL-3/CD123、CDw131;IL-5/CDw125、CD131;GM-CSF/CD116、CDw131;IL-6/CD126、CD130;IL-11/IL-11Ra、CD130;G-CSF/CD114;IL-12/CD212;LIF/LIFR、CD130;OSM/OSMR、CD130;IL-10/CDw210;IL-20/IL-20Rα、IL-20Rβ;IL-14/IL-14R;IL-16/CD4;IL-17/CDw217;IFN-α/CD118;IFN-β/CD118;IFN-γ/CDw119;CD154/CD40;LT-β/LTβR;TNF-α/CD120a、CD120b;TNF-β/CD120a、CD120b;4-1BBL/CDw137(4-1BB);APRIL/BCMA、TACI;CD70/CD27;CD153/CD30;CD178/CD95(Fas);GITRL/GITR;LIGHT/LTbR、HVEM;OX40L/OX40;TALL-1/BCMA、TACI;TRAIL/TRAILR1-4;TWEAK/Apo3;TRANCE/RANK、OPG;TGF-β1/TGF-βR1;TGF-β2/TGF-βR2;TGF-β3/TGF-βR3;Epo/EpoR;Tpo/TpoR;Flt-3L/Flt-3;SCF/CD117;M-CSF/CD115;MSP/CDw136から選択され得る。
[001604] 一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、限定されるものではないが、高親和性T細胞受容体(TCR)、例えばMAGE-1、HER2若しくはNY-ESO-1などの腫瘍関連抗原を標的とするTCR又は腫瘍関連細胞表面分子(例えばメソテリン)若しくは系統限定的細胞表面分子(例えばCD19)に結合するキメラ抗原受容体(CAR)を含め、追加的な機能性を含むようにさらに遺伝子改変される。特定の実施形態において、方法は、高親和性T細胞受容体(TCR)、例えば、MAGE-1、HER2若しくはNY-ESO-1などの腫瘍関連抗原を標的とするTCR又は腫瘍関連細胞表面分子(例えばメソテリン)若しくは系統限定的細胞表面分子(例えばCD19)に結合するCARを含むように、TIL、PBL、MIL又はT細胞の集団を遺伝子操作することを含む。特定の実施形態において、方法は、CD19、CD20、CD19及びCD20(二重特異性)、CD30、CD33、CD123、PSMA、メソテリン、CE7、HER2/neu BCMA、EGFRvIII、HER2/CMV、IL13Rα2、ヒトC4葉酸受容体-アルファ(αFR)又はGD2に特異的なCARを含むように、TIL、PBL及び/又はMILの集団を遺伝子操作することを含む。
[001605] 一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)の発現を通じて抗原を標的とするように遺伝子修飾される。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、T細胞シグナル伝達分子の少なくとも1つのエンドドメインに融合した単鎖可変断片抗体を含むCARをコードする核酸を含む発現ベクターでさらに形質導入される。一部の実施形態において、形質導入ステップは、拡大培養プロセス中のいつでも行われる。一部の実施形態において、形質導入ステップは、拡大培養した細胞が回収された後に行われる。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、本発明の方法に従って拡大培養され、CARの発現が可能なポリヌクレオチドを含む。
[001606] 一実施形態において、CAR又はCARをコードするヌクレオチドは、米国特許第9,328,156号;同第8,399,645号;同第7,446,179号;同第6,410,319号;同第7,446,190号及び米国特許出願公開第2015/0038684号;米国特許出願公開第2015/0031624号;米国特許出願公開第2014/0301993A1号;米国特許出願公開第2014/0271582A1号;米国特許出願公開第2015/0051266A1号;米国特許出願公開第2014/0322275A1号;及び米国特許出願公開第2014/0004132A1号の開示に従って調製及び形質導入され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。米国特許第9,328,156号では、B細胞リンパ腫、特にCLLを有する患者を処置するためにCAR-T細胞が調製され、そこで考察されている実施形態は本発明において有用である。例えば、CD19抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、4-1BB共刺激シグナル伝達領域及びCD3ゼータシグナル伝達ドメインを発現するCAR-T細胞は、本発明において有用である。本発明の実施形態において、CARは、標的特異的結合要素又は抗体結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞質ドメインを含む。造血器腫瘍抗原(抗体結合ドメイン用)は当技術分野で周知であり、例えば、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCRなどを含む。一実施形態において、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のアルファ、ベータ又はゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137又はCD154を含み、合成であり得る。一実施形態において、細胞質又はシグナル伝達ドメインは、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD3ゼータ、CD5、CD22、CD79a、CD79b又はCD66dドメインの一部又は全てを含む。本発明の一実施形態において、細胞質又はシグナル伝達ドメインは、共刺激分子、例えばCD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、MC又はCD83と特異的に結合するリガンドなども含み得る。本発明の一実施形態において、CAR改変TIL、PBL及び/又はMILは、抗原結合ドメイン、共刺激シグナル伝達領域及びCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。本発明の一実施形態において、CAR改変TIL、PBL及び/又はMILは、CD19に向けられた抗原結合ドメイン、4-1BB又はCD28共刺激シグナル伝達領域及びCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。本発明の一実施形態において、CAR改変TILは、自殺スイッチ(カスパーゼ-9/リミデュシッド(rimiducid)など)又は活性化スイッチ(誘導性MyD88/CD40活性化スイッチなど)を含む。本発明の一実施形態において、CAR改変TILは、CARを発現するレンチウイルスベクターを使用して改変される。
[001607] 本発明の一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、本発明の方法に従って拡大培養され、遺伝子改変された改変T細胞受容体(TCR)を含むTCRを使用して細胞におけるシグナル伝達を改変する方法において使用される。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、限定されるものではないが、高親和性T細胞受容体(TCR)、例えば、MAGE-1、MAGE-3、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-A10、MART-1、CEA、gp100、アルファフェトプロテイン(AFP)、HER2、PRAME、CT83、SSX2又はNY-ESO-1などの腫瘍関連抗原を標的とするTCRを含め、追加的な機能性を含むように改変される。TCRを改変する方法及び人工TCRを作製する方法は、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第6,811,785号;同第7,569,664号;同第7,666,604号;同第8,143,376号;同第8,283,446号;同第9,181,527号;同第7,329,731号;同第7,070,995号;同第7,265,209号;同第8,361,794号;及び同第8,697,854号;並びに米国特許出願公開第2017/0051036A1号;米国特許出願公開第2010/0034834A1号;米国特許出願公開第2011/0014169A1号;米国特許出願公開第2016/0200824A1号;及び米国特許出願公開第2002/0058253A1号に開示され、そのそれぞれの開示は参照により本明細書に援用される。本発明の一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、本発明の方法に従って拡大培養され、腫瘍関連抗原に対して改変TCRを使用して細胞におけるシグナル伝達を改変する方法において使用される。本発明の一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、本発明の方法に従って拡大培養され、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞が内因性TCRの存在を低減するように修飾された、遺伝子改変されたTCRを含む改変TCRを使用して細胞におけるシグナル伝達を改変する方法において使用される。
[001608] 本発明の一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、MAGE-A抗原などの癌精巣抗原に特異的であるように改変されたTCRなどの一過性又は安定的に改変されたTCRを含む。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、改変された相補性決定領域(CDR)を含む少なくとも1つのTCRを含み得る。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、TCR親和性を増加させるためにベータ鎖に野生型配列を保持した、改変CDR2を含む少なくとも1つのTCRを含み得る。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、天然のTCRα鎖可変ドメイン及び/又はβ鎖可変ドメインと比較して、少なくとも1つのCDR(CDR2など)、可変ドメインフレームワーク領域又はTCRの可変ドメイン内の他の超可変領域(超可変4(HV4)領域など)において、変異体が高親和性TCRを生成するように変異している(図1b及び配列番号2を参照のこと)TCRを含み得る。少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、膜貫通配列によって膜に固定された少なくとも1つのTCRを含み得、米国特許第8,361,794号(この開示は、参照により本明細書に援用される)に記載されるように、前記TCRは、天然のTCRには存在しない細胞外定常ドメイン残基間の鎖間ジスルフィド結合を含む。一部の実施形態において、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、特定のヒト白血球抗原(HLA)-A1複合体に結合する特性を有し、親和性を増加させるためにTCRアルファ可変ドメイン及び/又はTCRベータ可変ドメインに特定の変異を有する特定の野生型TCRを含む、少なくとも1つのTCRを含み得る。本発明の一部の実施形態において、本発明の方法に従って拡大培養された、少なくとも1つの直交性IL-2の実施形態及び少なくとも1つの直交性IL-2Rβの実施形態で操作されたTIL、PBL、MIL又はT細胞は、NY-ESO-1、MART-1、CEA、gp100、アルファフェトプロテイン(AFP)、HER2、PRAME(メラノーマで優先的に発現される抗原)、CT83、SSX2、MAGE-1、MAGE-3、MAGE-A3、MAGE-A4又はMAGE-A10への親和性が増加した安定的に改変されたTCRを含む。
V.医薬組成物、投与量及び投与レジメン
[001609] 一実施形態において、本開示の方法を使用して拡大培養したTILは医薬組成物として患者に投与される。一実施形態において、医薬組成物は滅菌緩衝液中のTILの懸濁液である。本開示のPBMCを使用して拡大培養したTILは、当技術分野において公知の通りの任意の好適な経路によって投与され得る。一部の実施形態において、T細胞は単回動脈内又は静脈内注入として投与され、これは好ましくはおよそ30~60分間継続される。他の適切な投与経路には、腹腔内投与、髄腔内投与及びリンパ管内投与が含まれる。
[001610] 任意の適切な用量のTILを投与することができる。一部の実施形態において、特に癌が黒色腫である場合、平均が約7.8×1010個のTILである約2.3×1010~約13.7×1010個のTILが投与される。一実施形態において、約1.2×1010~約4.3×1010個のTILが投与される。一部の実施形態において、約3×1010~約12×1010個のTILが投与される。一部の実施形態において、約4×1010~約10×1010個のTILが投与される。一部の実施形態において、約5×1010~約8×1010個のTILが投与される。一部の実施形態において、約6×1010~約8×1010個のTILが投与される。一部の実施形態において、約7×1010~約8×1010個のTILが投与される。一部の実施形態において、治療有効投与量は約2.3×1010~約13.7×1010個のTILである。一部の実施形態において、特に癌が黒色腫である場合、治療有効投与量は約7.8×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は約1.2×1010~約4.3×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は約3×1010~約12×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は約4×1010~約10×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は約5×1010~約8×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は約6×1010~約8×1010個のTILである。一部の実施形態において、治療有効投与量は約7×1010~約8×1010個のTILである。
[001611] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの数は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013個である。一実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの数は、1x106~5x106、5x106~1x107、1x107~5x107、5x107~1x108、1x108~5x108、5x108~1x109、1x109~5x109、5x109~1x1010、1x1010~5x1010、5x1010~1x1011、5x1011~1x1012、1x1012~5x1012及び5x1012~1x1013個の範囲内である。
[001612] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、例えば、医薬組成物の100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%w/w、w/v又はv/vより低い。
[001613] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、医薬組成物の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25%、19%、18.75%、18.50%、18.25%、18%、17.75%、17.50%、17.25%、17%、16.75%、16.50%、16.25%、16%、15.75%、15.50%、15.25%、15%、14.75%、14.50%、14.25%、14%、13.75%、13.50%、13.25%、13%、12.75%、12.50%、12.25%、12%、11.75%、11.50%、11.25%、11%、10.75%、10.50%、10.25%、10%、9.75%、9.50%、9.25%、9%、8.75%、8.50%、8.25%、8%、7.75%、7.50%、7.25%、7%、6.75%、6.50%、6.25%、6%、5.75%、5.50%、5.25%、5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%又は0.0001%w/w、w/v又はv/vより高い。
[001614] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、医薬組成物の約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%又は約1%~約10%w/w、w/v又はv/vの範囲内である。
[001615] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの濃度は、医薬組成物の約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%w/w、w/v又はv/vの範囲内である。
[001616] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの量は、10g、9.5g、9.0g、8.5g、8.0g、7.5g、7.0g、6.5g、6.0g、5.5g、5.0g、4.5g、4.0g、3.5g、3.0g、2.5g、2.0g、1.5g、1.0g、0.95g、0.9g、0.85g、0.8g、0.75g、0.7g、0.65g、0.6g、0.55g、0.5g、0.45g、0.4g、0.35g、0.3g、0.25g、0.2g、0.15g、0.1g、0.09g、0.08g、0.07g、0.06g、0.05g、0.04g、0.03g、0.02g、0.01g、0.009g、0.008g、0.007g、0.006g、0.005g、0.004g、0.003g、0.002g、0.001g、0.0009g、0.0008g、0.0007g、0.0006g、0.0005g、0.0004g、0.0003g、0.0002g又は0.0001g以下である。
[001617] 一部の実施形態において、本発明の医薬組成物中に提供されるTILの量は、0.0001g、0.0002g、0.0003g、0.0004g、0.0005g、0.0006g、0.0007g、0.0008g、0.0009g、0.001g、0.0015g、0.002g、0.0025g、0.003g、0.0035g、0.004g、0.0045g、0.005g、0.0055g、0.006g、0.0065g、0.007g、0.0075g、0.008g、0.0085g、0.009g、0.0095g、0.01g、0.015g、0.02g、0.025g、0.03g、0.035g、0.04g、0.045g、0.05g、0.055g、0.06g、0.065g、0.07g、0.075g、0.08g、0.085g、0.09g、0.095g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25g、0.3g、0.35g、0.4g、0.45g、0.5g、0.55g、0.6g、0.65g、0.7g、0.75g、0.8g、0.85g、0.9g、0.95g、1g、1.5g、2g、2.5、3g、3.5、4g、4.5g、5g、5.5g、6g、6.5g、7g、7.5g、8g、8.5g、9g、9.5g又は10g超である。
[001618] 本発明の医薬組成物において提供されるTILは、広い投与量範囲にわたって有効である。正確な投与量は、投与経路、化合物が投与される形態、処置されるべき対象の性別及び年齢、処置されるべき対象の体重並びに担当医の選好及び経験に依存するであろう。臨床的に確立されたTILの投与量も適切な場合には使用され得る。TILの投与量など、本明細書の方法を使用して投与される医薬組成物の量は、処置されるヒト又は哺乳動物、疾患又は状態の重症度、投与速度、活性医薬成分の性質及び処方医の裁量に依存するであろう。
[001619] 一部の実施形態において、TILは単回投与で投与され得る。そのような投与は、注射、例えば静脈内注射によるものであり得る。一部の実施形態において、TILは複数回投与で投与され得る。投与は、1年に1回、2回、3回、4回、5回、6回又は6回を超え得る。投与は、月に1回、2週間に1回、週に1回又は隔日に1回であり得る。TILの投与は必要な限り継続し得る。
[001620] 一部の実施形態において、TILの有効投与量は、約1×106、2×106、3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106、1×107、2×107、3×107、4×107、5×107、6×107、7×107、8×107、9×107、1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011、1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、9×1012、1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013及び9×1013個である。一部の実施形態において、TILの有効投与量は、1x106~5x106、5x106~1x107、1x107~5x107、5x107~1x108、1x108~5x108、5x108~1x109、1x109~5x109、5x109~1x1010、1x1010~5x1010、5x1010~1x1011、5x1011~1x1012、1x1012~5x1012及び5x1012~1x1013個の範囲内である。
[001621] 一部の実施形態において、TILの有効投与量は、約0.01mg/kg~約4.3mg/kg、約0.15mg/kg~約3.6mg/kg、約0.3mg/kg~約3.2mg/kg、約0.35mg/kg~約2.85mg/kg、約0.15mg/kg~約2.85mg/kg、約0.3mg~約2.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1.7mg/kg、約0.15mg/kg~約1.3mg/kg、約0.3mg/kg~約1.15mg/kg、約0.45mg/kg~約1mg/kg、約0.55mg/kg~約0.85mg/kg、約0.65mg/kg~約0.8mg/kg、約0.7mg/kg~約0.75mg/kg、約0.7mg/kg~約2.15mg/kg、約0.85mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約1.85mg/kg、約1.15mg/kg~約1.7mg/kg、約1.3mg/kgmg~約1.6mg/kg、約1.35mg/kg~約1.5mg/kg、約2.15mg/kg~約3.6mg/kg、約2.3mg/kg~約3.4mg/kg、約2.4mg/kg~約3.3mg/kg、約2.6mg/kg~約3.15mg/kg、約2.7mg/kg~約3mg/kg、約2.8mg/kg~約3mg/kg又は約2.85mg/kg~約2.95mg/kgの範囲内である。
[001622] 一部の実施形態において、TILの有効投与量は、約1mg~約500mg、約10mg~約300mg、約20mg~約250mg、約25mg~約200mg、約1mg~約50mg、約5mg~約45mg、約10mg~約40mg、約15mg~約35mg、約20mg~約30mg、約23mg~約28mg、約50mg~約150mg、約60mg~約140mg、約70mg~約130mg、約80mg~約120mg、約90mg~約110mg又は約95mg~約105mg、約98mg~約102mg、約150mg~約250mg、約160mg~約240mg、約170mg~約230mg、約180mg~約220mg、約190mg~約210mg、約195mg~約205mg又は約198~約207mgの範囲内である。
[001623] 有効量のTILは、鼻腔内及び経皮経路、動脈内注射によること、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、局所、移植によること又は吸入によることを含め、同様の有用性を有する薬剤について一般に認められている任意の投与方式により、単回用量又は複数回用量のいずれで投与され得る。
[001624] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団を含む輸注バッグを提供する。
[001625] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載される治療用TIL集団及び薬学的に許容される担体を含む、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)組成物を提供する。
[001626] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を含む輸注バッグを提供する。
[001627] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団の凍結保存調製物を提供する。
[001628] 別の実施形態において、本発明は、TIL組成物が、直交性IL-2Rを発現するように操作されたTILを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001629] 別の実施形態において、本発明は、TILが直交性IL-2Rβを発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001630] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載される治療用TIL集団及び凍結保存培地を含む、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)組成物を提供する。
[001631] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存培地がDMSOを含有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001632] 別の実施形態において、本発明は、凍結保存培地が7~10%のDMSOを含有するように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001633] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の凍結保存調製物を提供する。
[001634] 別の実施形態において、本発明は、TILが、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む直交性IL2-Rβを発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。一態様では、直交性IL-2Rβは、アミノ酸置換H133D及びY134Fを含む。一態様では、直交性IL-2Rβは、アミノ酸置換H133K及びY134Rを含む。別の実施形態において、本発明は、TILが1つ以上の直交性サブユニットを含む直交性IL-2Rを発現するように操作されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。例えば、限定されないが、ヘテロ三量体IL-2Rは、野生型IL-2Rα、直交性IL-2Rβ及び直交性IL-2Rγを含み得る。別の態様では、ヘテロ三量体IL-2Rは、野生型IL-2Rα、直交性IL-2Rβ及び野生型IL-2Rγを含み得る。別の態様では、ヘテロ三量体IL-2Rは、野生型IL-2Rα、野生型IL-2Rβ及び直交性IL-2Rγを含み得る。別の態様では、ヘテロ三量体IL-2Rは、直交性IL-2Rα、直交性IL-2Rβ及び直交性IL-2Rγを含み得る。
VI.患者の処置方法
[001635] 処置方法は、最初のTIL収集及びTILの培養から始まる。かかる方法については、両方とも当技術分野において例えばJin et al., J. Immunotherapy, 2012, 35(3):283-292(全体として参照により本明細書に援用される)により記載されている。処置方法の実施形態は、実施例を含む以下のセクション全体で説明される。
[001636] TIL、MIL及び/又はPBLの治療上有用な集団は、本明細書に記載の方法に従って拡大培養され得る。本明細書に記載の方法、例えば上記のステップA~Fに記載の方法を含むか、又は上記のステップA~Fに記載の方法(例えば、図1(特に例えば図1B)にも示される)に従って作製された拡大培養TILは、癌患者の処置における特定の使用(例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される、Goff, et al., J. Clinical Oncology, 2016, 34(20):2389-239並びに補足内容)が見出される。一部の実施形態において、TILは、先述の通り転移性黒色腫の寄託切除物から成長させた(Dudley, et al., J Immunother., 2003, 26:332-342を参照されたい;全体として参照により本明細書に援用される)。新鮮腫瘍は無菌条件下で剥離し得る。正式な病理解析のため、代表サンプルを収集し得る。2mm3~3mm3の単一の断片が使用され得る。一部の実施形態において、患者1人あたり5、10、15、20、25又は30のサンプルを入手する。一部の実施形態において、患者1人あたり20、25又は30のサンプルを入手する。一部の実施形態において、患者1人あたり20、22、24、26又は28のサンプルを入手する。一部の実施形態において、患者1人あたり24のサンプルを入手する。サンプルを24ウェルプレートの個々のウェルに置き、高用量IL-2(6,000IU/mL)を含む成長培地中に維持し、腫瘍の破壊及び/又はTILの増殖に関してモニターし得る。処理後に生細胞が残っている任意の腫瘍を酵素消化して単一細胞懸濁液にし、本明細書に記載される通り凍結保存し得る。
[001637] 一部の実施形態において、表現型分析(CD3、CD4、CD8及びCD56)のため、増殖に成功したTILをサンプリングし、利用可能な場合には自己腫瘍に対して試験し得る。TILは、一晩の共培養によりインターフェロンガンマ(IFN-γ)レベル>200pg/mL及びバックグラウンドの2倍となった場合に応答性であるとみなすことができる。(Goff, et al., J Immunother., 2010, 33:840-847;全体として参照により本明細書に援用される)。一部の実施形態において、自己応答性又は十分な成長パターンのエビデンスを有する培養物が、急速拡大培養(REP)と称されることもある第2の拡大培養を含め、第2の拡大培養(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップDにおいて提供される通りの第2の拡大培養)に選択され得る。一部の実施形態において、高い自己応答性(例えば、第2の拡大培養中の高い増殖)を有する拡大培養TILが、追加の第2の拡大培養に選択される。一部の実施形態において、自己応答性(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップDに提供される通りの第2の拡大培養中の高い増殖)を有するTILが、図1(特に例えば図1B)のステップDに係る追加の第2の拡大培養に選択される。
[001638] 一部の実施形態において、患者はACT(養子細胞移入)に直接移されず、例えば、一部の実施形態において、腫瘍回収後及び/又は第1の拡大培養後、細胞はすぐには利用されない。一部の実施形態において、TILは凍結保存し、患者への投与の2日前に解凍することができる。一部の実施形態において、TILは凍結保存し、患者への投与の1日前に解凍することができる。一部の実施形態において、TILは凍結保存し、患者への投与の直前に解凍することができる。
[001639] 輸注バッグTILの凍結保存サンプルの細胞表現型は、表面マーカーCD3、CD4、CD8、CCR7及びCD45RA(BD BioSciences)に関するフローサイトメトリー(例えば、FlowJo)並びに本明細書に記載される方法のいずれかによって分析することができる。血清サイトカインは標準的な酵素結合免疫吸着アッセイ法を用いることにより測定した。血清IFN-gの上昇は、>100pg/mL及び4 3ベースラインレベル超(greater than 4 3 baseline levels)と定義した。
[001640] 一部の実施形態において、本明細書で提供される方法、例えば図1(特に例えば図1B)に例示される方法により作製されるTILは、TILの臨床有効性の驚くべき改善を提供する。一部の実施形態において、本明細書で提供される方法、例えば図1(特に例えば図1B)に例示される方法により作製されるTILは、例えば図1(特に例えば図1B)に例示される方法以外の方法を含む、本明細書に記載されるもの以外の方法により作製されるTILに比べて増加した臨床有効性を示す。一部の実施形態において、本明細書に記載されているもの以外の方法は、プロセス1C及び/又はジェネレーション1(Gen1)と称される方法を含む。一部の実施形態において、有効性の増加は、DCR、ORR及び/又は他の臨床応答によって測定される。一部の実施形態において、本明細書で提供される方法、例えば図1(特に例えば図1B)に例示される方法により作製されるTILは、例えば図1(特に例えば図1B)に例示される方法以外の、例えばGen1プロセスを含む、本明細書に記載されるもの以外の方法により作製されるTILと比べて同様の応答時間及び安全プロファイルを示す。
[001641] 一部の実施形態において、IFN-ガンマ(IFN-γ)は、処置有効性及び/又は臨床有効性の増加の指標である。一部の実施形態において、TILで処置された対象の血液中のIFN-γは、活性TILの指標である。一部の実施形態において、IFN-γ産生の効力アッセイが用いられる。IFN-γ産生は、細胞傷害能のもう1つの尺度である。IFN-γ産生は、本発明の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)に例示されるものを含む方法により調製されたTILで処置された対象の血液、血清又はTILエキソビボ中のサイトカインIFN-γのレベルを決定することにより測定できる。一部の実施形態において、IFN-γの増加は、本発明の方法により作製されたTILで処置された患者における処置有効性の指標である。一部の実施形態において、IFN-γは、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍以上増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、2倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、3倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、4倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、5倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γはQuantikine ELISA kitを使用して測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、例えば図1(特に例えば図1B)に記載されるものを含む、本発明の方法により調製されたTILで処置された対象のTILエキソビボで測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、例えば図1(特に例えば図1B)に記載されるものを含む、本発明の方法により調製されたTILで処置された対象の血液で測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、例えば図1(特に例えば図1B)に記載されるものを含む、本発明の方法により調製されたTILで処置された対象のTIL血清で測定される。
[001642] 一部の実施形態において、例えば図1(特に例えば図1B)に記載されるものを含む本発明の方法により調製されたTILは、例えば図1(特に例えば図1B)に例示されない、例えばプロセス1Cメソッドと称されるものを含む他の方法により作製されるTILと比較してポリクローナル性の増加を示す。一部の実施形態において、有意に改善されたポリクローナル性及び/又は増加したポリクローナル性は、処置有効性及び/又は臨床有効性の増加の指標である。一部の実施形態において、ポリクローナル性とは、T細胞レパートリーの多様性を指す。一部の実施形態において、ポリクローナル性の増加は、本発明の方法に作製されたTILを投与された患者に関する処置有効性の指標である。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、例えば、図1(特に例えば図1B)に具体化された方法以外の方法を含む、本明細書で提供する以外の方法を使用して調製されたTILと比較して1倍、2倍、10倍、100倍、500倍又は1000倍が増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、2倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、10倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、100倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、500倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1000倍増加する。
[001643] 有効性の尺度には、当技術分野において公知であり、本明細書に記載されるように、疾患制御率(DCR)並びに全奏効率(ORR)が含まれ得る。
1.癌及び他の疾患の処置方法
[001644] 本明細書に記載の組成物及び方法は、疾患の処置方法で使用することができる。一実施形態において、それらは過剰成長性障害の処置に使用するためのものである。それらは、本明細書及び以下の段落に記載されている通り他の障害の処置にも使用され得る。
[001645] 一部の実施形態において、過剰成長性障害は癌である。一部の実施形態において、過剰成長性障害は固形腫瘍癌である。一部の実施形態において、固形腫瘍癌は、神経膠芽腫(GBM)、胃腸癌、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、腎癌及び腎細胞癌からなる群から選択される。一部の実施形態において、過剰成長性障害は血液学的悪性腫瘍である。一部の実施形態において、固形腫瘍癌は、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫及びマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される。
[001646] 一部の実施形態において、癌は、高頻度変異癌表現型である。高頻度変異癌は、Campbell, et al.に広く記載されている(Cell, 171:1042-1056 (2017);全ての目的のために全体として参照により本明細書に援用される)。一部の実施形態において、高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり9~10個の変異を含む。一部の実施形態において、小児の高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり9.91個の変異を含む。一部の実施形態において、成人の高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり9個の変異を含む。一部の実施形態において、増強された高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり10~100個の変異を含む。一部の実施形態において、増強された小児の高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり10~100個の変異を含む。一部の実施形態において、増強された成人の高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり10~100個の変異を含む。一部の実施形態において、超高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり100個を超える変異を含む。一部の実施形態において、小児の超高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり100個を超える変異を含む。一部の実施形態において、成人の超高頻度変異腫瘍は、1メガベース(Mb)あたり100個を超える変異を含む。
[001647] 一部の実施形態において、高頻度変異腫瘍は、複製修復経路に変異を有する。一部の実施形態において、高頻度変異腫瘍は、複製修復関連DNAポリメラーゼに変異を有する。一部の実施形態において、高頻度変異腫瘍はマイクロサテライト不安定性を有する。一部の実施形態において、超高頻度変異腫瘍は、複製修復関連DNAポリメラーゼに変異を有し、マイクロサテライト不安定性を有する。一部の実施形態において、腫瘍の高頻度変異は、免疫チェックポイント阻害剤に対する応答と相関している。一部の実施形態において、高頻度変異腫瘍は、免疫チェックポイント阻害剤による処置に耐性である。一部の実施形態において、高頻度変異腫瘍は、本発明のTILを使用して処置することができる。一部の実施形態において、腫瘍の高頻度変異は、環境要因(外因性曝露)によって引き起こされる。例えば、UV光線は、悪性黒色腫における多数の変異の主な原因であり得る(例えば、Pfeifer, G.P., You, Y.H.,及びBesaratinia, A.(2005).Mutat.Res.571, 19-31.;Sage, E.(1993).Photochem.Photobiol.57, 163-174を参照されたい)。一部の実施形態において、腫瘍の高頻度変異は、直接の変異誘発物質への曝露により、肺及び喉頭の腫瘍並びに他の腫瘍について、タバコ煙中の60を超える発癌物質によって引き起こされ得る(例えば、Pleasance, E.D., Stephens, P.J., O’Meara, S., McBride, D.J., Meynert, A., Jones, D., Lin, M.L., Beare, D., Lau, K.W., Greenman, C., et al. (2010). Nature 463, 184-190を参照されたい)。一部の実施形態において、腫瘍における高頻度変異は、アポリポタンパク質B mRNA編集酵素、触媒ポリペプチド様(APOBEC)ファミリーメンバーの調節不全によって引き起こされ、これは、広範な癌においてCからTへの移行のレベルの増加をもたらすことが示されている(例えば、Roberts, S.A., Lawrence, M.S., Klimczak, L.J., Grimm, S.A., Fargo, D., Stojanov, P., Kiezun, A., Kryukov, G.V., Carter, S.L., Saksena, G., et al.(2013). Nat. Genet. 45, 970-976を参照されたい)。一部の実施形態において、腫瘍の高頻度変異は、主要な複製酵素であるPol3及びPold1によって実行される、プルーフリーディングを損なう変異による欠陥のあるDNA複製修復によって引き起こされる。一部の実施形態において、腫瘍の高頻度変異は、結腸直腸癌、子宮内膜癌及び他の癌の高頻度変異に関連するDNAミスマッチ修復の欠陥によって引き起こされる(例えば、Kandoth, C., Schultz, N., Cherniack, A.D., Akbani, R., Liu, Y., Shen, H., Robertson, A.G., Pashtan, I., Shen, R., Benz, C.C., et al.; (2013). Nature 497, 67-73.;Muzny, D.M., Bainbridge, M.N., Chang, K., Dinh, H.H., Drummond, J.A., Fowler, G., Kovar, C.L., Lewis, L.R., Morgan, M.B., Newsham, I.F., et al.; (2012). Nature 487, 330-337を参照されたい)。一部の実施形態において、DNA複製修復変異は、体質性又は両アレル性のミスマッチ修復欠損症(CMMRD)、リンチ症候群及びポリメラーゼプルーフリーディング関連ポリポーシス(PPAP)などの癌素因症候群にも見られる。
[001648] 一実施形態において、本発明は、TIL集団を用いて癌を処置する方法を含み、ここで、癌は、高頻度変異癌である。一実施形態において、本発明は、TIL集団を用いて癌を処置する方法を含み、ここで、癌は、増強された高頻度変異癌である。一実施形態において、本発明は、TIL集団を用いて癌を処置する方法を含み、ここで、癌は、超高頻度変異癌である。
[001649] 一実施形態において、本発明は、TIL集団で癌を処置する方法を含み、ここで患者は本開示に係るTILの注入前に骨髄非破壊的化学療法で前処置される。一実施形態において、骨髄非破壊的化学療法は、2日間(TIL注入の27日前及び26日前)のシクロホスファミド60mg/kg/日及び5日間(TIL注入の27~23日前)のフルダラビン25mg/m2/日である。一実施形態において、本開示による骨髄非破壊的化学療法及びTIL注入(0日目)後、患者は生理学的許容量まで8時間ごとに720,000IU/kgでIL-2の静脈内注入を受ける。
[001650] 示された疾患又は障害の処置、予防及び/又は管理における本明細書に記載の化合物及び化合物の組み合わせの有効性は、ヒト疾患の処置のためのガイダンスを提供する当技術分野で公知の様々なモデルを使用して試験することができる。例えば、卵巣癌の処置の有効性を決定するためのモデルは、例えば、Mullany, et al., Endocrinology 2012, 153, 1585-92;及びFong, et al., J. Ovarian Res. 2009, 2, 12に記載がある。膵臓癌の処置の有効性を決定するためのモデルは、Herreros-Villanueva, et al., World J. Gastroenterol. 2012, 18, 1286-1294に記載がある。乳癌の処置の有効性を決定するためのモデルは、例えば、Fantozzi, Breast Cancer Res. 2006, 8, 212に記載がある。黒色腫の処置の有効性を決定するためのモデルは、例えば、Damsky, et al., Pigment Cell & Melanoma Res. 2010, 23, 853-859に記載がある。肺癌の処置の有効性を決定するためのモデルは、例えば、Meuwissen, et al., Genes & Development, 2005, 19, 643-664に記載がある。肺癌処置の有効性を決定するためのモデルは、例えば、Kim, Clin. Exp. Otorhinolaryngol. 2009, 2, 55-60;及びSano, Head Neck Oncol. 2009, 1, 32に記載がある。
[001651] 一部の実施形態において、IFN-ガンマ(IFN-γ)は、過剰成長性傷害の処置有効性の指標である。一部の実施形態において、TILで処置された対象の血液中のIFN-γは、活性TILの指標である。一部の実施形態において、IFN-γ産生の効力アッセイが用いられる。IFN-γ産生は、細胞傷害能のもう1つの尺度である。IFN-γ産生は、本発明の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)に例示されるものを含む方法により調製されたTILで処置された対象の血液中のサイトカインIFN-γのレベルを決定することにより測定できる。一部の実施形態において、本方法で得られたTILは、図1(特に例えば図1B)及び本出願全体に例示されるように、Gen3プロセスと称される方法を使用して調製されたTILで処置された対象と比較して、本方法のTILで処置された対象の血液中のIFN-γの増加をもたらす。一部の実施形態において、IFN-γの増加は、本発明の方法により作製されたTILで処置された患者における処置有効性の指標である。一部の実施形態において、IFN-γは、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍以上増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、2倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、3倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、4倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γ分泌は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、5倍増加する。一部の実施形態において、IFN-γはQuantikine ELISA kitを使用して測定される。一部の実施形態において、IFN-γはQuantikine ELISA kitを使用して測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、本発明の方法により作製されたTILで処置された患者からのTILエキソビボにおいて測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、本発明の方法により作製されたTILで処置された患者の血液において測定される。一部の実施形態において、IFN-γは、本発明の方法により作製されたTILで処置された患者の血清において測定される。
[001652] 一部の実施形態において、例えば図1(特に例えば図1B)に記載されるものを含む本発明の方法により調製されたTILは、例えば図1(特に例えば図1B)に例示されない、例えばプロセス1Cメソッドと称されるものを含む他の方法により作製されるTILと比較してポリクローナル性の増加を示す。一部の実施形態において、有意に改善されたポリクローナル性及び/又は増加したポリクローナル性は、癌処置の処置有効性及び/又は臨床有効性の増加の指標である。一部の実施形態において、ポリクローナル性とは、T細胞レパートリーの多様性を指す。一部の実施形態において、ポリクローナル性の増加は、本発明の方法によって作製されたTILの投与に関する処置有効性の指標である。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、例えば、図1(特に例えば図1B)に具体化された方法以外の方法を含む、本明細書で提供する以外の方法を使用して調製されたTILと比較して1倍、2倍、10倍、100倍、500倍又は1000倍が増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、2倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、10倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、100倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、500倍増加する。一部の実施形態において、ポリクローナル性は、未処置患者と比較して、及び/又は本明細書で提供するもの以外の方法、例えば、図1(特に例えば図1B)で具体化された方法以外の方法を使用して調製されたTILで処置された患者と比較して、1000倍増加する。
2.共投与方法
[001653] 一部の実施形態において、本明細書に記載されるように作製されるTIL(例えば、図1(特に例えば図1B)のステップA~Fに記載される方法から得られたTILを含む)は、以下に記載する抗体など、1つ以上の免疫チェックポイント調節因子と併用して投与することができる。例えば、PD-1を標的とする、且つ本発明のTILと共投与し得る抗体としては、例えば、限定はされないが、ニボルマブ(BMS-936558、Bristol-Myers Squibb;Opdivo(登録商標))、ペンブロリズマブ(ランブロリズマブ、MK03475又はMK-3475、Merck;Keytruda(登録商標))、ヒト化抗PD-1抗体JS001(ShangHai JunShi)、モノクローナル抗PD-1抗体TSR-042(Tesaro, Inc.)、ピディリズマブ(抗PD-1 mAb CT-011、Medivation)、抗PD-1モノクローナル抗体BGB-A317(BeiGene)及び/又は抗PD-1抗体SHR-1210(ShangHai HengRui)、ヒトモノクローナル抗体REGN2810(Regeneron)、ヒトモノクローナル抗体MDX-1106(Bristol-Myers Squibb)及び/又はヒト化抗PD1 IgG4抗体PDR001(Novartis)が挙げられる。一部の実施形態において、PD-1抗体は、クローン:RMP1-14(ラットIgG)-BioXcellカタログ番号BP0146からのものである。本明細書に記載される通りのステップA~Fにより作製されるTILとの共投与方法における使用に好適な他の好適な抗体は、米国特許第8,008,449号(参照により本明細書に援用される)に開示される抗PD-1抗体である。一部の実施形態において、抗体又はその抗原結合部分はPD-L1に特異的に結合し、PD-1とのその相互作用を阻害し、それにより免疫活性を増加させる。PD-L1に結合してPD-1とPD-L1との間の相互作用を破壊し、且つ抗腫瘍免疫応答を刺激する当技術分野において公知の任意の抗体が、本明細書に記載される通りのステップA~Fにより作製されるTILとの共投与方法における使用に好適である。例えば、PD-L1を標的とする臨床試験中の抗体としては、BMS-936559(Bristol-Myers Squibb)及びMPDL3280A(Genentech)が挙げられる。PD-L1を標的とする他の好適な抗体は、米国特許第7,943,743号(参照により本明細書に援用される)に開示される。当業者は、PD-1又はPD-L1に結合し、PD-1/PD-L1相互作用を破壊し、且つ抗腫瘍免疫応答を刺激する任意の抗体が、本明細書に記載される通りのステップA~Fにより作製されるTILとの共投与方法における使用に好適であることを理解するであろう。一部の実施形態において、ステップA~Fにより作製されるTILの組み合わせを投与される対象は、患者が抗PD-1抗体単独の投与に不応性の癌型を有するとき抗PD-1抗体と共投与される。一部の実施形態において、患者が難治性黒色腫を有するとき、患者はTILを抗PD-1と併用して投与される。一部の実施形態において、患者が非小細胞肺癌(NSCLC)を有するとき、患者はTILを抗PD-1と併用して投与される。
3.任意選択による患者のリンパ球枯渇プレコンディショニング
[001654] 一実施形態において、本発明は、TIL集団で癌を処置する方法を含み、ここで患者は本開示に係るTILの注入前に骨髄非破壊的化学療法で前処置される。一実施形態において、本発明は、骨髄非破壊的化学療法で前処置された患者の癌処置に使用するためのTILの集団を含む。一実施形態において、TILの集団は注入による投与用である。一実施形態において、骨髄非破壊的化学療法は、2日間(TIL注入の27日前及び26日前)のシクロホスファミド60mg/kg/日及び5日間(TIL注入の27~23日前)のフルダラビン25mg/m2/日である。一実施形態において、骨髄非破壊的化学療法及び本開示に係るTIL注入(0日目)後、患者は生理学的忍容量まで8時間毎に静脈内に720,000IU/kgのIL-2(アルデスロイキン、PROLEUKINとして市販)の静脈内注入を受ける。特定の実施形態において、TILの集団は、IL-2と組み合わせて癌を処置するのに使用され、IL-2はTILの集団後に投与される。
[001655] 実験的知見は、腫瘍特異的Tリンパ球の養子移入前のリンパ球枯渇が、調節性T細胞及び免疫系の競合要素(「サイトカインシンク」)を排除することによって処置効果を高めるのに重要な役割を果たすことを示す。従って、本発明の一部の実施形態は、本発明のTILを導入する前に患者に対してリンパ球枯渇ステップ(「免疫抑制コンディショニング」とも称される)を利用する。
[001656] 一般的に、リンパ球枯渇はフルダラビン又はシクロホスファミド(活性型はマホスファミドと称される)及びその組み合わせの投与を使用して達成される。かかる方法については、Gassner, et al., Cancer Immunol. Immunother. 2011, 60, 75-85, Muranski, et al., Nat. Clin. Pract. Oncol., 2006, 3, 668-681, Dudley, et al., J. Clin. Oncol. 2008, 26, 5233-5239及びDudley, et al., J. Clin. Oncol. 2005, 23, 2346-2357(これらは全て、参照により全体として本明細書に援用される)に記載されている。
[001657] 一部の実施形態において、フルダラビンは、0.5μg/mL~10μg/mLフルダラビンの濃度で投与される。一部の実施形態において、フルダラビンは、1μg/mLフルダラビンの濃度で投与される。一部の実施形態において、フルダラビン処置は、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日以上にわたって実施される。一部の実施形態において、フルダラビンは、10mg/kg/日、15mg/kg/日、20mg/kg/日、25mg/kg/日、30mg/kg/日、35mg/kg/日、40mg/kg/日又は45mg/kg/日の投薬量で投与される。一部の実施形態において、フルダラビン処置は、35mg/kg/日で2~7日間にわたって実施される。一部の実施形態において、フルダラビン処置は、35mg/kg/日で4~5日間にわたって実施される。一部の実施形態において、フルダラビン処置は、25mg/kg/日で4~5日間にわたって実施される。
[001658] 一部の実施形態において、シクロホスファミドの活性型であるマホスファミドは、シクロホスファミドの投与により0.5μg/mL~10μg/mLの濃度で入手される。一部の実施形態において、シクロホスファミドの活性型であるマホスファミドは、シクロホスファミドの投与により1μg/mLの濃度で入手される。一部の実施形態において、シクロホスファミド処置は、1日、2日、3日、4日、5日、6日又は7日以上にわたって実施される。一部の実施形態において、シクロホスファミドは、100mg/m2/日、150mg/m2/日、175mg/m2/日、200mg/m2/日、225mg/m2/日、250mg/m2/日、275mg/m2/日又は300mg/m2/日の投薬量で投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミドは静脈内(即ちi.v.)投与される。一部の実施形態において、シクロホスファミド処置は、35mg/kg/日で2~7日間にわたって実施される。一部の実施形態において、シクロホスファミド処置は、250mg/m2/日、i.v.で、4~5日間にわたって実施される。一部の実施形態において、シクロホスファミド処置は、250mg/m2/日、i.v.で、4日間にわたって実施される。
[001659] 一部の実施形態において、リンパ球枯渇は、フルダラビン及びシクロホスファミドを共に患者に投与することによって行われる。一部の実施形態において、4日間にわたって、フルダラビンは25mg/m2/日、i.v.で投与され、シクロホスファミドは、250mg/m2/日、i.v.で投与される。
[001660] 一実施形態において、リンパ球枯渇は、60mg/m2/日の用量で2日間のシクロホスファミドの投与ステップと、それに続く25mg/m2/日の用量で5日間のフルダラビンの投与により実施される。
4.IL-2又は直交性IL-2レジメン
[001661] 一実施形態において、IL-2レジメン又は直交性IL-2レジメンは、治療有効部分の投与の翌日から静脈内投与される高用量IL-2レジメン又は直交性IL-2レジメンを含み、治療用TIL集団の治療有効部分を投与した1日後から静脈に内投与され始め、高用量IL-2レジメン又は直交性IL-2レジメンはアルデスロイキン又はそのバイオシミラー若しくはそれらの変異体を含み、アルデロイキン又はそのバイオシミラー若しくは変異体が8時間毎に15分ボーラス静脈内注入を使用して、最大14用量で、0.037mg/kg又は0.044mg/kg IU/kg(患者の体重)の用量で投与される。9日間の休息後、このスケジュールを更に14回、合計で最大28回まで繰り返し得る。
[001662] 一実施形態において、IL-2レジメン又は直交性IL-2レジメンは、漸減性IL-2レジメンを含む。漸減性IL-2レジメンは、O’Day, et al., J. Clin. Oncol. 1999, 17, 2752-61及びEton, et al., Cancer 2000, 88, 1703-9に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、漸減性IL-2レジメンは、18×106 IU/m2の6時間にわたる静脈内投、それに続く18×106 IU/m2の12時間にわたる静脈内投与、その後、18×106 IU/m2の24時間にわたる静脈内投与、その後、4.5×106 IU/m2の72時間にわたる静脈内投与を含む。この処置サイクルは、最大4サイクル、28日毎に繰り返し得る。一実施形態において、漸減性IL-2レジメンは、1日目の18,000,000IU/m2、2日目の9,000,000IU/m2、3日目及び4日目の4,500,000IU/m2を含む。
[001663] 一実施形態において、IL-2レジメン又は直交性IL-2レジメンは、0.10mg/日~50mg/日の用量で、1、2、4、6、7、14又は21日毎にペグ化IL-2を投与することを含む。
[001664] 直交性IL-2受容体、例えば本明細書に記載の直交性IL-2Rβを発現する治療用TIL集団について、直交性IL-2は、上記のIL-2レジメンにおいて代替されることが理解される。直交性IL-2受容体、例えば本明細書に記載の直交性IL-2Rβを発現する治療用MIL集団について、直交性IL-2は、上記のIL-2レジメンにおいて代替されることが理解される。さらに、直交性IL-2受容体、例えば直交性IL-2Rβを発現する治療用PBL集団について、直交性IL-2は、上記のIL-2レジメンにおいて代替されることが理解される。
[001665] 直交性IL-2は、等しい国際単位(IU)に基づいてProleukin(登録商標)(アルデスロイキン)及び野生型IL-2で代替されることが理解される。
5.養子細胞移入
[001666] 養子細胞移入(ACT)は、有効な形態の免疫療法であり、抗腫瘍活性を有する免疫細胞を癌患者に移入することを含む。ACTは、抗腫瘍活性を有するリンパ球のインビトロ同定、それらの細胞の数を増やすインビトロ拡大培養及び癌担持宿主へのその注入を伴う治療手法である。養子移入に使用されるリンパ球は、切除された腫瘍の間質に由来し得る(腫瘍浸潤リンパ球又はTIL)。ACTのためのTILは、本明細書に記載される通り調製することができる。一部の実施形態において、TILは、例えば図1(特に例えば図1B)に記載される通りの方法により調製される。TILは、抗腫瘍T細胞受容体(TCR)又はキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子改変されている場合に血液からも誘導され得るか、混合リンパ球腫瘍細胞培養物(MLTC)でエンリッチされ得るか、又は自己抗原提示細胞及び腫瘍由来ペプチドを使用してクローニングされ得る。注入しようとする癌担持宿主にリンパ球が由来するACTは、自己ACTと称される。米国特許出願公開第2011/0052530号は、主に転移性黒色腫に罹患している患者の治療に向けた、癌退縮を促進するため養子細胞療法を実施する方法に関する(これらの方法に関して全体として参照により組み込まれる)。一部の実施形態において、TILは、本明細書に記載される通り投与することができる。一部の実施形態において、TILは単回用量で投与することができる。そのような投与は、注射、例えば静脈内注射によるものであり得る。一部の実施形態において、TIL及び/又は細胞傷害性リンパ球は複数回用量で投与され得る。投与は、1年に1回、2回、3回、4回、5回、6回又は6回を超え得る。投与は、月に1回、2週間に1回、週に1回又は隔日に1回であり得る。TIL及び/又は細胞傷害性リンパ球の投与は必要な限り継続され得る。
6.追加の処置方法
[001667] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれか1つに記載された治療有効投与量の治療用TIL集団を対象に投与することを含む、癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001668] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療有効投与量のTIL組成物を対象に投与することを含む、癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001669] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団の治療有効投与量又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の治療有効投与量を投与する前に、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンが対象に投与されているように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001670] 別の実施形態において、本発明は、非骨髄破壊的リンパ球枯渇レジメンが、60mg/m2/日の用量で2日間シクロホスファミドを投与し、続いて25mg/m2/日の用量で5日間フルダラビンを投与するステップを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001671] 別の実施形態において、本発明は、対象にTIL細胞を投与した翌日に始まる高用量IL-2レジメンで対象を処置するステップをさらに含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001672] 別の実施形態において、本発明は、高用量IL-2レジメンが、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される600,000又は720,000IU/kgを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001673] 別の実施形態において、本発明は、癌が固形腫瘍であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001674] 別の実施形態において、本発明は、癌が、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌又は腎細胞癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001675] 別の実施形態において、本発明は、癌が黒色腫、HNSCC、子宮頸癌、NSCLC、神経膠芽腫(GBMを含む)及び胃腸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001676] 別の実施形態において、本発明は、癌が黒色腫であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001677] 別の実施形態において、本発明は、癌がHNSCCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001678] 別の実施形態において、本発明は、癌が子宮頸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001679] 別の実施形態において、本発明は、癌がNSCLCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001680] 別の実施形態において、本発明は、癌が神経膠芽腫(GBMを含む)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001681] 別の実施形態において、本発明は、癌が胃腸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001682] 別の実施形態において、本発明は、癌が高頻度変異癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001683] 別の実施形態において、本発明は、癌が小児高頻度変異癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001684] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団又はTIL組成物が直交性IL-2Rを発現する操作されたTIL細胞を含み、治療用TIL集団又はTIL組成物による対象の処置後、対象が直交性IL-2Rに相補的な直交性IL-2で処置されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001685] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rが直交性IL-2Rβを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置するための方法を提供する。
[001686] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rβが、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置する方法を提供する。
[001687] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rに相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置するための方法を提供する。
[001688] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rβが、Q70Y;T73D;T73Y;H133D、H133E;H133K;Y134F;Y134E;Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つ以上を含み、相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された癌を有する対象を処置するための方法を提供する。
[001689]
[001690] 別の実施形態において、本発明は、治療有効投与量の治療用TIL集団を対象に投与することを含む、癌を有する対象を処置する方法における使用のための、上記の該当する先の段落のいずれか1つに記載された治療用TIL集団を提供する。
[001691] 別の実施形態において、本発明は、治療有効投与量のTIL組成物を対象に投与することを含む、癌を有する対象を処置する方法における使用のための、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001692] 別の実施形態において、本発明は、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の治療有効投与量を対象に投与する前に、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンが対象に投与されているように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001693] 別の実施形態において、本発明は、非骨髄破壊的リンパ球枯渇レジメンが、60mg/m2/日の用量で2日間シクロホスファミドを投与し、続いて25mg/m2/日の用量で5日間フルダラビンを投与するステップを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001694] 別の実施形態において、本発明は、患者にTIL細胞を投与した翌日に始まる高用量IL-2レジメンで患者を治療するステップを更に含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001695] 別の実施形態において、本発明は、高用量IL-2レジメンが、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される600,000又は720,000IU/kgを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001696] 別の実施形態において、本発明は、癌が固形腫瘍であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001697] 別の実施形態において、本発明は、癌が、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌又は腎細胞癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001698] 別の実施形態において、本発明は、癌が黒色腫、HNSCC、子宮頸癌、NSCLC、神経膠芽腫(GBMを含む)及び胃腸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001699] 別の実施形態において、本発明は、癌が黒色腫であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物を提供する。
[001700] 別の実施形態において、本発明は、癌がHNSCCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001701] 別の実施形態において、本発明は、癌が子宮頸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001702] 別の実施形態において、本発明は、癌がNSCLCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001703] 別の実施形態において、本発明は、癌が神経膠芽腫(GBMを含む)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001704] 別の実施形態において、本発明は、癌が胃腸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001705] 別の実施形態において、本発明は、癌が高頻度変異癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001706] 別の実施形態において、本発明は、癌が小児高頻度変異癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001707] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団又はTIL組成物が直交性IL-2Rを発現する操作されたTIL細胞を含み、治療用TIL集団又はTIL組成物による対象の処置後、対象が直交性IL-2Rに相補的な直交性IL-2で処置されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001708] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rが直交性IL-2Rβを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001709] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rβが、Q70Y;T73D;T73Y;H133D、H133E;H133K;Y134F;Y134E;Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001710] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rに相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001711] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rβが、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つ以上を含み、相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物を提供する。
[001712] 別の実施形態において、本発明は、治療有効投与量の治療用TIL集団を対象に投与することを含む、対象における癌を処置する方法における、上記の該当する先の段落のいずれか1つに記載された治療用TIL集団の使用を提供する。
[001713] 別の実施形態において、本発明は、治療有効投与量のTIL組成物を対象に投与することを含む、対象における癌を処置する方法における、上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の使用を提供する。
[001714] 別の実施形態において、本発明は、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンを対象に投与すること、次いで、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団の治療有効投与量又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の治療有効投与量を対象に投与することを含む、対象における癌を処置する方法における、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の使用を提供する。
[001715] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団の治療有効投与量又はTIL組成物の治療有効投与量を対象に投与する前に、骨髄非破壊的リンパ球枯渇レジメンが対象に投与されているように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001716] 別の実施形態において、本発明は、非骨髄破壊的リンパ球枯渇レジメンが、60mg/m2/日の用量で2日間シクロホスファミドを投与し、続いて25mg/m2/日の用量で5日間フルダラビンを投与するステップを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001717] 別の実施形態において、本発明は、患者にTIL細胞を投与した翌日に始まる高用量IL-2レジメンで患者を処置するステップを更に含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団の使用又は上記の該当する先の段落のいずれかに記載されたTIL組成物の使用を提供する。
[001718] 別の実施形態において、本発明は、高用量IL-2レジメンが、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される600,000又は720,000IU/kgを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001719] 別の実施形態において、本発明は、癌が固形腫瘍であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001720] 別の実施形態において、本発明は、癌が、黒色腫、卵巣癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺癌、膀胱癌、乳癌、ヒトパピローマウイルスによって引き起こされる癌、頭頸部癌(頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)を含む)、神経膠芽腫(GBMを含む)、胃腸癌、腎癌又は腎細胞癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001721] 別の実施形態において、本発明は、癌が黒色腫、HNSCC、子宮頸癌、NSCLC、神経膠芽腫(GBMを含む)及び胃腸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001722] 別の実施形態において、本発明は、癌が黒色腫であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001723] 別の実施形態において、本発明は、癌がHNSCCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001724] 別の実施形態において、本発明は、癌が子宮頸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001725] 別の実施形態において、本発明は、癌がNSCLCであるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001726] 別の実施形態において、本発明は、癌が神経膠芽腫(GBMを含む)であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001727] 別の実施形態において、本発明は、癌が胃腸癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001728] 別の実施形態において、本発明は、癌が高頻度変異癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001729] 別の実施形態において、本発明は、癌が小児高頻度変異癌であるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001730] 別の実施形態において、本発明は、治療用TIL集団又はTIL組成物が直交性IL-2Rを発現する操作されたTIL細胞を含み、治療用TIL集団又はTIL組成物による対象の処置後、対象が直交性IL-2Rに相補的な直交性IL-2で処置されるように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001731] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rが直交性IL-2Rβを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001732] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rβが、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001733] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rに相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001734] 別の実施形態において、本発明は、直交性IL-2Rβが、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアミノ酸置換の1つ以上を含み、相補的な直交性IL-2が、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含むように変更された、上記の該当する先の段落のいずれかに記載された治療用TIL集団又はTIL組成物の使用を提供する。
[001735] 一実施形態において、本開示の方法を使用して拡大培養させたTILは医薬組成物として患者に投与される。一実施形態において、医薬組成物は滅菌緩衝液中のTILの懸濁液である。本開示の方法を使用して拡大培養されたTILは、当技術分野において公知の任意の適切な経路によって投与され得る。好ましくは、TILは単一の動脈内又は静脈内注入として投与され、これは好ましくはおよそ30~60分続く。他の適切な投与経路には、腹腔内投与、髄腔内投与及びリンパ管内投与が含まれる。
[001736] 任意の適切な用量のTILを投与することができる。好ましくは、特に癌が血液悪性腫瘍である場合、平均が約7.8×1010TILである約2.3×1010~約13.7×1010TILが投与される。一実施形態において、約1.2×1010~約4.3×1010のTILが投与される。
[001737] 進行中の実施形態のいずれか1つにおいて、治療用TIL集団は、直交性IL-2サイトカインを認識する直交性IL-2Rを発現するように操作され得る。IL-2R操作されたTILのそのような治療用集団が医薬組成物として患者に投与される場合、直交性IL-2は、等しい国際単位(IU)に基づいてProleukin(登録商標)(アルデスロイキン)で代替される。疑念を避けるために、600,000IUのアルデスロイキンが示されている場合、600,000IUの直交性IL-2が示されている。
[001738] 一態様では、直交性ヒトIL-2を産生するためのヒトIL-2のアミノ酸置換のセットは、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択され、相補的な直交性IL2-Rβは、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換によって産生される。
7.直交性IL-2による癌の処置方法
[001739] IL-2は、エフェクターT細胞及び制御性T細胞の増殖をそれぞれ促進する。しかし、IL-2のこの多面的発現性及びオフターゲットの毒性により、クリニックでの使用が制限される。IL-2の免疫刺激性と免疫抑制性を分離する能力は、IL-2免疫療法の優れた形態を提供することができる。
[001740] IL-2、例えば、Proleukin(登録商標)による処置には、入院及び熟練の処置チームによる広範な支持療法を要する。実際、集中治療施設及び心肺又は集中治療医学に熟練した専門家は、患者に対する高用量IL-2の影響を管理するために利用可能でなければならない。他の条件の中でも、投与は、血管緊張の喪失並びに血漿タンパク質及び体液の血管外空間への血管外漏出を特徴とする毛細血管漏出症候群(CLS)に関連している。CLSは、低血圧及び臓器灌流の低下を引き起こし、これは重度である可能性があり、死に至り得る。CLSは、心不整脈(上室性及び心室性)、狭心症、心筋梗塞、挿管を必要とする呼吸不全、胃腸出血又は梗塞、腎不全、浮腫及び精神状態の変化に関連づけられ得る。中等度から重度の嗜眠又は傾眠も発症し得る。そのような患者において、継続的な投与は昏睡を引き起こし得る。
[001741] 操作された(直交性)IL-2サイトカインは、野生型IL-2Rβ受容体によって認識されないため、上記の全身毒性は誘発されない。操作された(直交性)サイトカインは、対応する操作された(直交性)受容体に特異的に結合する。結合すると、直交性受容体は、天然の細胞要素を介して伝達されるシグナル伝達を活性化して、その天然の応答を模倣する生物学的活性を提供するが、これは、直交性受容体を発現する操作された細胞に特異的なものである。直交性受容体は、直交性サイトカインの天然の対応物を含む内因性の対応するサイトカインに結合しない一方、直交性サイトカインは、直交性受容体の天然の対応物を含むいかなる内因性受容体にも結合しない。一部の実施形態において、直交性受容体に対する直交性サイトカインの親和性は、天然受容体に対する天然サイトカインの親和性と同等である。
[001742] 一態様では、直交性ヒトIL-2を産生するためのヒトIL-2のアミノ酸置換のセットは、[E15S、H16Q、L19V、D20T/S、Q22K、M23L/S];[E15S、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15S、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15T、H16Q、L19V、D20S、M23S];[E15Q、L19V、D20M、Q22K、M23S];[E15Q、H16Q、L19V、D20T、Q22K、M23V];[E15H、H16Q、L19I、D20S、Q22K、M23L];[E15H、H16Q、L19I、D20L、Q22K、M23T];[L19V、D20M、Q22N、M23S];[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81D、T51I]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23Q、R81Y]、[E15S、H16Q、L19V、D20L、Q22K、M23A]及び[E15S、H16Q、L19V、D20L、M23A]からなる群から選択され、相補的な直交性IL2-Rβアミノ酸置換は、Q70Y、T73D、T73Y、H133D、H133E、H133K、Y134F、Y134E、Y134R及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
[001743] 本明細書に記載の処置方法において使用されるTILの集団は、直交性IL-2Rβを発現する操作されたTILが濃縮されているが、直交性IL-2は、臨床治療において野生型IL-2を代替し得る。一態様では、癌を有する対象の処置方法であって、方法が、
(a)対象から得られた腫瘍サンプルを処理して複数の腫瘍断片にすることにより、対象から切除された腫瘍から第1のTIL集団を得ること;
(b)IL-2、OKT-3及び抗原提示細胞(APC)を含む細胞培養培地中で第1のTIL集団を培養することにより、第1の初回刺激拡大培養を実施して、第2のTIL集団を生じさせることであって、第1の初回刺激拡大培養が、第1のガス透過性表面積を含む容器内で実施され、第1の初回刺激拡大培養が、第2のTIL集団を得るために約1~7日間にわたって実施され、第2のTIL集団は、数において第1のTIL集団よりも少なくとも50倍多い、生じさせること;
(c)第2のTIL集団の細胞培養培地に直交性IL-2、OKT-3及びAPCを補充することにより、第2の急速拡大培養を実施して、第3のTIL集団を生じさせることであって、第2の急速拡大培養に添加されたAPCの数は、ステップ(b)で添加されたAPCの数の少なくとも2倍であり、第2の急速拡大培養は、第3のTIL集団を得るために約1~11日間にわたって実施され、第3のTIL集団が治療用TIL集団であり、第2の急速拡大培養が、第2のガス透過性表面積を含む容器内で実施される、生じさせること;
(d)ステップ(c)から得られた治療用TIL集団を回収すること;
(e)直交性IL-2Rβを発現するようにTILを操作すること;
(f)回収されたTIL集団を輸注バッグに移すこと;及び
(g)ステップ(f)からの治療有効投与量のTILを対象に投与すること
を含む、拡大培養した直交性IL2-Rβ腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を投与することを含む方法である。
[001744] 一態様では、直交性IL-2Rβを発現するようにTILを操作することは、ステップ(b)と(c)との間で行われる。別の態様では、直交性IL-2Rβを発現するようにTILを操作することは、ステップ(c)後に行われる。
[001745] 別の態様では、癌を有する対象を処置するための方法は、ステップ(g)で患者にTIL細胞を投与した翌日に始まる高用量直交性IL-2レジメンで患者を処置するステップを更に含む。別の態様では、高用量直交性IL-2レジメンは、忍容量まで8時間毎に15分ボーラス静脈内注入として投与される600,000又は720,000IU/kgを含む。別の態様では、最大6用量の直交性IL-2が、8~12時間ごとに投与される。一部の態様では、直交性IL-2の6つの用量は、それぞれ600,000~720,000IU/kgを含む。
[001746] 直交性IL-2は、野生型IL-2と等しい国際単位(IU)に基づいて投与されることが理解される。
[001747] 一実施形態において、直交性IL-2レジメンは、漸減性IL-2レジメンを含む。漸減性IL-2レジメンは、O’Day, et al., J. Clin. Oncol. 1999, 17, 2752-61及びEton, et al., Cancer 2000, 88, 1703-9に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に援用される。一実施形態において、漸減性IL-2レジメンは、18×106IU/m2の直交性IL-2の6時間にわたる静脈内投与、それに続く18×106IU/m2の直交性IL-2の12時間にわたる静脈内投与、その後、18×106IU/m2の直交性IL-2の24時間にわたる静脈内投与、その後、4.5×106IU/m2の直交性IL-2の72時間にわたる静脈内投与を含む。この処置サイクルは、最大4サイクル、28日毎に繰り返され得る。一実施形態において、漸減性IL-2レジメンは、1日目の18,000,000IU/m2の直交性IL-2、2日目の9,000,000IU/m2の直交性IL-2、3日目及び4日目の4,500,000IU/m2の直交性IL-2を含む。
[001748] 一実施形態において、直交性IL-2レジメンは、0.10mg/日~50mg/日の用量で、1、2、4、6、7、14又は21日毎にペグ化直交性IL-2を投与することを含む。
[001749] TIL、MIL及び/又はPBLが直交性IL-2Rβを発現するように操作される癌を処置するための方法は、直交性IL-2が、癌を処置するためにIL-2レジメンを利用するそのような方法において野生型IL-2を代替することが理解される。
実施例
[001750] 本明細書に包含される実施形態は、以下の実施例を参照して説明される。これらの実施例は説明のみを目的として提供され、本明細書に包含される開示は決してこれらの実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ本明細書に提供される教示の結果として明らかになるあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
実施例1:培地調製
[001751] 本例は、限定はされないが、転移性黒色腫、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、卵巣癌、トリプルネガティブ乳癌及び肺腺癌を含めた様々な腫瘍型に由来する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の培養が関わるプロトコルに用いられる組織培養培地の調製手順について説明する。本願及び実施例に記載される任意のTILの調製にこの培地を使用することができる。
CM1の調製
[001752] 低温貯蔵庫から以下の試薬を取り出し、37℃の水浴中で加温した:(RPMI1640、ヒトAB血清、200mML-グルタミン)。以下の表19に従い、濾過される容積に適切な0.2μmフィルターユニットの上部に成分の各々を加えることによりCM1培地を調製した。4℃で保管。
[001753] 使用当日、所要量のCM1を37℃の水浴中で予め加温し、6000IU/mlのIL-2を添加した。
[001754] 追加的な補充-必要があれば表20に準じる。
CM2の調製
[001755] 冷蔵庫から調製済みのCM1を取り出した、又は上記の表19に従い新鮮CM1を調製する。AIM-V(登録商標)を冷蔵庫から取り出し、滅菌培地ボトル内に調製済みCM1を等容積のAIM-V(登録商標)と混合することにより、必要な量のCM2を調製した。使用当日、CM2培地に3000IU/ml IL-2を加えた。使用当日、十分な量の3000IU/ml IL-2含有CM2を作成した。CM2培地ボトルに、その名前、調製者のイニシャル、それが濾過/調製された日付、2週間の有効期限の表示を付し、組織培養に必要になるまで4℃で貯蔵した。
CM3の調製
[001756] 使用が必要になった当日に、CM3を調製した。CM3はAIM-V(登録商標)培地と同じであり、使用当日に3000IU/ml IL-2を添加した。AIM-Vのボトル又はバッグにIL-2ストック溶液を直接加えることにより、実験の必要上十分な量のCM3を調製した。軽く振盪することにより十分に混合した。AIM-Vに加えた後すぐに、ボトルに「3000IU/ml IL-2」の表示を付した。過剰なCM3がある場合、これを培地名、調製者のイニシャル、培地の調製日及びその有効期限(調製後7日)を表示したボトルに4℃で貯蔵した。IL-2を添加した培地は4℃で7日間の貯蔵後に廃棄した。
CM4の調製
[001757] CM4はCM3と同じであり、加えて2mMのGlutaMAX(商標)(最終濃度)を添加した。1LのCM3について10mlの200mM GlutaMAX(商標)を加えた。AIM-Vのボトル又はバッグにIL-2ストック溶液及びGlutaMAX(商標)ストック溶液を直接加えることにより、実験の必要上十分な量のCM4を調製した。軽く振盪することにより十分に混合した。AIM-Vに加えた後すぐに、ボトルに「3000IL/nil IL-2及びGlutaMAX」の表示を付した。過剰なCM4がある場合、これを培地名「GlutaMAX」及び有効期限(調製後7日)とボトルにラベル付けし、4℃で貯蔵した。IL-2を添加した培地は4℃で7日間の貯蔵後に廃棄した。
実施例2:IL-2、IL-15及びIL-21サイトカインカクテルの使用
[001758] この実施例では、追加のT細胞成長因子として機能するIL-2、IL-15及びIL-21サイトカインの使用を、実施例A~GのTILプロセスと組み合わせて説明する。
[001759] 本明細書に記載されるプロセスを使用して、実験の片腕で、IL-2の存在下で、結腸直腸、黒色腫、子宮頸、三種陰性乳房、肺及び腎臓の腫瘍から、もう一方で、培養の開始時にIL-2の代わりにIL-2、IL-15及びIL-21の組み合わせで、TILを成長させた。プレREPの完了時に、培養物の拡大培養、表現型、機能(CD107a+及びIFN-γ)及びTCR Vβレパートリーを評価した。IL-15及びIL-21は、本明細書の他の箇所及びGruijl et al.に記載されている通り、IL-21は、CD27+CD28+腫瘍浸潤リンパ球の成長を促進し、細胞傷害能が高く、制御性T細胞の副次的成長が少ない。Santegoets, S. J., J Transl Med., 2013, 11:37(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3626797/)。
[001760] 結果は、IL-2、IL-15及びIL-21で処理した条件のCD4+及びCD8+細胞の両方で、IL-2のみの条件と比較して複数の組織でTIL拡大培養の増強(>20%)が観察されたことを示した。IL-2のみの培養物と比べて、IL-2、IL-15及びIL-21で処理した培養物から得られたTILには、偏ったTCR Vβレパートリーを含むCD8+集団が主に偏っていた。IFNγ及びCD107aは、IL-2のみで処理したTILと比較して、IL-2、IL-15及びIL-21で処理したTILで上昇した。
IL-2ストック溶液の調製(Cellgenix)
[001761] この実施例は、精製され凍結乾燥された組換えヒトインターロイキン-2を、rhIL-2の使用を含むものを含む本願及び実施例に記載されたものを全て含む更なる組織培養プロトコルでの使用に適したストックサンプルに溶解するプロセスを説明する。
手順
[001762] 0.2%酢酸溶液(HAc)を調製した。29mL滅菌水を50mLコニカルチューブに移した。1mLの1N酢酸を50mLのコニカルチューブに加えた。チューブを2~3回反転させることにより十分に混合した。Steriflipフィルターを使用して濾過することによりHAc溶液を滅菌した。
[001763] PBS中で1%HSAを調製した。150mL滅菌フィルターユニット内の96mL PBSに4mLの25%HSAストック溶液を加えた。溶液を濾過した。4℃で貯蔵。調製したrhIL-2の各バイアルについて、書式に記入した。
[001764] rhIL-2ストック溶液(6×106IU/mL最終濃度)を調製した。rhIL-2はロット毎に異なり、製造者の分析証明書(COA)に掲載されている以下のような情報が必要であった:1)1バイアルあたりのrhIL-2の質量(mg)、2)rhIL-2の比活性(IU/mg)及び3)推奨0.2%HAc再構成容量(mL)
[001765] rhIL-2ロットに必要な1%HSAの容積は、以下の式を用いて計算した。
[001766] 例えば、CellGenixのrhIL-2ロット10200121 COAによれば、1mgバイアルの比活性は25×10
6IU/mgである。2mLの0.2%HAc中にrhIL-2を再構成することが推奨されている。
[001767] IL-2バイアルのゴム栓をアルコールワイプで拭き取った。3mLシリンジに取り付けた16G針を使用して、推奨容積の0.2%HAcをバイアルに注入した。針を引き抜くときに栓が外れないよう注意を払った。バイアルを3回反転させて、粉末が全て溶解するまで回した。栓を慎重に取り外し、アルコールワイプ上に置いておいた。計算した容積の1%HSAをバイアルに加えた。
[001768] rhIL-2溶液の貯蔵。短期貯蔵(<72時間)の場合、バイアルを4℃で貯蔵した。長期貯蔵(>72時間)について、バイアルを少量のアリコートに分け、使用直前まで-20℃でクライオバイアルに貯蔵した。凍結/解凍サイクルを避けた。調製日から6ヵ月後の期限日を記録した。rh-IL-2表示には、販売業者及びカタログ番号、ロット番号、有効期限、作業者イニシャル、アリコートの濃度及び容積が含まれた。
実施例4:凍結保存プロセス
[001769] この実施例では、CryoMed Controlled Rate Freezer、Model 7454(Thermo Scientific)を使用して、実施例Gで説明した短縮閉鎖手順で調製したTILの凍結保存プロセス方法について説明する。
[001770] 使用した機器は、アルミニウム製カセットホルダーラック(CS750冷凍バッグと互換性あり)、750mLバッグのための低温保存カセット、低圧(22psi)液体窒素タンク、冷蔵庫、熱電対センサー(バッグのためのリボンタイプ)及びCryoStore CS750凍結バッグ(OriGen Scientific)であった。
[001771] 凍結プロセスは、核形成から-20℃まで0.5℃の速度及び最終温度-80℃まで1分間に1℃の冷却速度を提供した。プログラムパラメータ、ステップ1ー4℃で待機;ステップ2:1.0℃/分(サンプル温度)から-4℃;ステップ3:20.0℃/分(チャンバ温度)から-45℃;ステップ4:10.0℃/分(チャンバ温度)から-10.0℃;ステップ5:0.5℃/分(チャンバ温度)から-20℃;及びステップ6:1.0℃/分(サンプル温度)-80℃までであった。
GEN3の例示的なプロセス
[001772] この実施例では、Gen2とGen3のプロセスの比較を取り扱う。この実施例は、確固としたTIL拡大培養のプラットフォームの開発を説明する。Gen2プロセスの改良により、作業者の介入回数を減らし、製造時間全体を短縮し、試薬の使用を最適化し、商業規模でのハイスループット製造に適した柔軟な半閉鎖型半自動細胞産生プロセスの受け入れ可能を促進することで、リスクを低減し、製造プロセスを合理化する。
[001773] プロセスGen2及びGen3TILは、腫瘍の外科的切除を通じて個々の患者から得られた自己TILで構成され、エクスビボで拡大培養される。Gen3プロセスの第1の初回刺激拡大培養ステップは、インターロイキン2(IL-2)及び照射された末梢血単核球(PBMC)の足場上のT細胞共同受容体CD3を標的とするモノクローナル抗体OKT3の存在下での細胞培養である。
[001774] Gen2TIL産物の産生は、2つのフェーズで構成されている。1)プレ急速拡大培養(Pre-REP)及び2)急速拡大培養プロトコル(REP)。プレREP中に切除された腫瘍は、各寸法で2~3mmの50個以下の断片に切断され、血清含有培養培地(10%HuSABを含むRPMI 1640培地を補充)及び6,000IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)で、11日間培養された。11日目にTILは回収され、大規模な第2のREP拡大培養に導入された。REPは、5日間、3000IU/mLのrhIL-2を補充したCM2の5L容量に150ugのモノクローナル抗CD3抗体(OKT3)で充填した5×109個の照射した同種異系PBMCsフィーダー細胞の共培養におけるプレREPからの200×106個以下の生細胞の活性化で構成されている。16日目に、培養物の容量が90%減少し、細胞画分が複数のG-REX-500フラスコに1×109個を超える生存リンパ球/フラスコで、CM4でQSに5Lに分割される。TILは、6日間にわたって更にインキュベートする。REPは22日目に回収され、洗浄、製剤化され、凍結保存されてから、注入のために-150℃で臨床現場に輸送される。
[001775] Gen3TIL産物の産生は、3つのフェーズで構成される。1)第1の初回刺激拡大培養のプロトコル、2)急速第2の拡大培養プロトコル(急速拡大培養フェーズ又はREPとも称される)及び3)継代培養分割。第1の初回刺激拡大培養TIL増殖を行うために、切除された腫瘍を各寸法で2~3mmの120個以下の断片に切断された。第1の初回刺激拡大培養の0日目、OKT-3で充填した約2.5×108個の照射した同種異系PBMCフィーダー細胞のフィーダー層を、3つの100MCS容器のそれぞれに約100cm2の表面積に築いた。腫瘍の断片は、500 mLの血清含有CM1培養培地及び6,000IU/mLのインターロイキン-2(IL-2)並びに15μg OKT-3をそれぞれ7日間、3つの100MCS容器に分配して培養した。7日目に、OKT-3が充填された約5×108の同種異系照射PBMCフィーダー細胞の追加のフィーダー細胞層を3つの100MCS容器のそれぞれの腫瘍断片化培養フェーズに組み込み、500mL CM2培養培地及び6,000IU/mL IL-2並びに30μg OKT-3で培養することにより、REPを開始した。REPの開始は、100MCS容器へのOKT3が充填されたフィーダー細胞の閉鎖系流体移送を使用して、同じ容器で第1の初回刺激拡大培養の培養物全体を活性化することにより強化された。Gen3の場合、TILのスケールアップ又は分割には、細胞培養全体を、閉鎖系流体移送を介して、より大きい容器に拡大し、移送する(100Mフラスコから500Mフラスコに)プロセスステップを含み、追加で4LのCM4培地を添加した。REP細胞は、16日目に回収され、洗浄、製剤化され、凍結保存されてから、注入のために-150℃で臨床現場に輸送される。
[001776] 全体的に、Gen3プロセスは、より短く、測定可能で、簡単に修正できる拡大培養プラットフォームであり、確固とした製造及びプロセスの互換性に適合するように対応する。
[001777] 0日目に両方のプロセスについて、腫瘍は3回洗浄され、断片は無作為化され、2つのプール;プロセスごとに1プールに分けた。Gen2プロセスでは、断片を6,000IU/mL rhIL-2を含む1LのCM1培地を入れた1つのGREX 100MCSフラスコに移した。Gen3プロセスでは、断片を6,000IU/mL rhIL-2、15μg OKT-3及び2.5×108フィーダー細胞を含む500mLのCM1を入れた1つのGREX100MCSフラスコに移した。Rep開始日のTILの播種は、各プロセスに応じて、異なる日に行った。G-REX 100MCSフラスコの容量が90%削減されたGen2プロセスでは、収集された細胞懸濁液を新しいG-REX 500MCSに移し、IL-2(3000IU/mL)、更に5e9フィーダー細胞及びOKT-3(30ng/mL)を含むCM2培地で11日目にREP開始を開始した。細胞を増殖し、16日目に、プロトコルごとにIL-2(3000IU/mL)を含むCM4培地の入った複数のGREX 500 MCSフラスコに分割した。次に培養物を回収し、プロトコルごとに22日目に凍結保存した。Gen3プロセスでは、REP開始は、7日目に行われ、REP開始のために同じG-REX 100MCSが使用された。簡潔には、IL-2(6000IU/mL)を含む500mLのCM2培地及び30μgのOKT-3を含む5×108フィーダー細胞を各フラスコに添加した。9~11日目に培養物をスケールアップした。G-REX 100M(1L)の全量をG-REX 500MCSに移し、IL-2(3000IU/mL)を含む4LのCM4を添加した。フラスコを5日間インキュベートした。16日目に培養物を回収し、凍結保存した。
[001778] 3つの異なる腫瘍、2つの肺腫瘍(L4054及びL4055)及び1つの黒色腫腫瘍(M1085T)を比較対象とした。
[001779] CM1(培養培地1)、CM2(培養培地2)及びCM4(培養培地4)培地は、事前に調製し、L4054及びL4055は4℃で保持した。培地濾過の有無で細胞増殖を比較するために濾過なしでCM1及びCM2培地を調製した。
[001780] REPの開始及びスケールアップ時に、L4055腫瘍について、培地を事前に37℃で最大24時間温めた。
結果要約
[001781] 達成された生細胞の合計について、Gen3はGen2の30%以内に収まった。Gen3の最終産物は、再刺激後に高いINF-γの産生を示した。Gen3の最終産物は、存在するユニークなCDR3配列の合計によって測定されるように、クローン多様性の増加を示した。Gen3最終産物は、より長い平均のテロメア長を示した。
達成した結果
細胞数及び%生存率:
[001782] Gen2及びGen3プロセスでのプレREP及びREP拡大培養は、上記の詳細に従った。
[001783] 表22.プレREP細胞数。各腫瘍について、2つのプールには同数の断片が含まれていた。腫瘍のサイズが小さいため、1フラスコあたりの断片の最大数は達成されなかった。総プレREP細胞(TVC)を回収し、Gen2プロセスでは11日目、Gen3プロセスでは7日目に計数した。2つのpre-REPアームを比較するために、細胞数を培養で提供された断片の数で割って、1断片あたりの生細胞の平均を計算した。下の表に示すように、Gen2プロセスは、Gen3プロセスと比較して、1断片あたりの細胞が一貫してより増殖した。プレREPのTVCを7で除算してから11を掛けて計算される外挿計算で、TVCの数を11日目のGen3プロセスについて予想した。
[001784] 表23.TIL最終産物の総生細胞数及び拡大倍数:Gen2及びGen3プロセスの場合、TVCはプロセス条件ごとに計数され、プロセスの各日ごとに生細胞の割合が生成された。回収時に、22日目(Gen2)及び16日目(Gen3)の細胞を収集し、TVC数を確立した。次に、TVCを0日目に提供された断片の数で割り、1断片あたりの生細胞の平均を計算した。拡大倍数は、回収されたTVCをREP開始TVCで割ることによって計算された。表に示されているように、Gen2及びGen3を比較すると、L4054の拡大倍数は類似しており、L4055の場合、Gen2プロセスの方が、拡大倍数が高かった。具体的には、この場合、REP開始日より事前に24時間、培地が加温された。M1085TのGen3では、より高い拡大倍数も観察された。プレREPのTVCを16で除算してから22を掛けて計算される外挿計算で、TVCの数を22日目のGen3プロセスについて予想した。
[001785] 表24:TIL最終産物の%生存率:回収時に、最終TIL REP産物を生存率(%)について放出基準を比較した。Gen2及びGen3プロセスの全ての条件は、70%の生存率基準を上回り、プロセス及び腫瘍全体で同等であった。
[001786] 表25:Gen3プロセスの追加フラスコあたりの細胞数の推定。フラスコあたりの断片数が最大必要数を下回ったため、各腫瘍について、回収日の推定細胞数を計数した。推定は、臨床腫瘍が0日目に2つ又は3つのフラスコに播種するのに十分な大きさであるという予想に基づいていた。
免疫表現型検査:
TIL最終産物の表現型マーカーの比較:
[001787] 3つの腫瘍L4054、L4055及びM1085Tは、Gen2及びGen3プロセスの両方でTIL拡大培養を受けた。回収時、REP TILの最終産物をフローサイトメトリー分析に供し、純度、分化及びメモリーマーカーを試験した。全ての条件で、TCR a/b+細胞のパーセンテージは、90%以上であった。
[001788] Gen3プロセスから回収されたTILは、Gen2プロセスから回収されたTILと比較して、CD8及びCD28でより高い発現を示した。Gen2プロセスでは、CD4+の高いパーセンテージを示した。図3(A、B、C)を参照されたい。
TIL最終産物についてメモリーマーカーの比較:
[001789] Gen3プロセスから回収されたTILは、Gen2プロセスから回収されたTILと比較して、セントラルメモリーコンパートメントでより高い発現を示した。図4(A、B、C)を参照されたい。
TIL最終産物について活性化及び疲弊マーカーの比較:
[001790] 活性化及び疲弊マーカーを、腫瘍L4054及びL4055の2つからのTILで分析し、Gen2及びGen3 TIL拡大培養プロセスによる最終TIL産物を比較した。活性化及び疲弊マーカーは、Gen2及びGen3プロセス間で同等であった。図5(A、B);図6(A、B)を参照されたい。
再刺激によるインターフェロンガンマ分泌:
[001791] Gen2について22日目、Gen3について16日目の回収日、TILは、L4054及びL4055のコーティングされた抗CD3プレートで一晩再刺激された。M1085Tの再刺激は、抗CD3、CD28及びCD137ビーズを使用して実行された。全ての条件で24時間再刺激した後、上清を収集し、上清を凍結した。ELISAによるIFNγ分析は、同じELISAプレートを使用して、同時に両方のプロセスからの上清で評価した。分析した3つの腫瘍では、Gen3プロセスからのIFNγのより高い産生が観察された。図7(A、B、C)を参照されたい。
培養培地におけるIL-2レベルの測定:
[001792] Gen2及びGen3プロセス間でのIL-2の消費を比較するために、腫瘍のL4054及びL4055のREPの開始、スケールアップ及び回収日に細胞上清を回収した。細胞培養上清中のIL-2の量は、R&DのQuantitate ELISA Kitで測定した。一般的な傾向は、Gen2プロセスと比較した場合、IL-2濃度がGen3プロセスで高いままであることを示している。これは、プロセス全体にわたる培地のキャリーオーバーと相まって、Gen3のREP開始時のIL-2の高い濃度(6000IU/mL)のためと考えられる。図8(A、B)を参照されたい。
代謝基質及び代謝物分析
[001793] D-グルコース及びL-グルタミンなどの代謝基質のレベルは、全体的な培地消費の代理として測定された。乳酸及びアンモニアなどの相互代謝物を測定した。グルコースは、ミトコンドリアがATPの形でエネルギーを生成するために利用する培地中の単糖である。グルコースが酸化されると、乳酸が生成される(乳酸は乳酸のエステルである)。乳酸は細胞の指数増殖期に大きく生成される。高レベルの乳酸は、細胞培養プロセスに悪影響を及ぼす。図9(A、B)を参照されたい。
[001794] L4054及びL4055の使用済み培地は、Gen2及びGen3の両方のプロセスでREPの開始、スケールアップ及び回収日に収集された。Gen2について11日目、16日目及び22日目、Gen3について、7日目、11日目及び16日目に使用済み培地を収集した。上清は、CEDEXバイオアナライザーでグルコース、乳酸、グルタミン、GlutaMAX及びアンモニアの濃度を分析した。
[001795] L-グルタミンは、細胞培養培地の製剤化に必要な不安定な必須アミノ酸である。グルタミンはアミンを含み、このアミド構造グループは、窒素を輸送して、細胞に送達することができる。L-グルタミンが酸化すると、この細胞によって有毒なアンモニア副産物が生成される。L-グルタミンの分解に対抗するために、Gen2及びGen3プロセスのための培地は、水溶液中でより安定で自然に分解しないGlutaMAXを補充された。2つの腫瘍系統では、Gen3アームは、プロセス中にL-グルタミン及びGlutaMAXが減少し、REP全体を通してアンモニアが増加したことを示した。Gen2アームでは、一定濃度のL-グルタミン及びGlutaMAX並びに微増のアンモニア産生が観察された。Gen2及びGen3のプロセスは、アンモニアの回収日に同等であり、L-グルタミン分解にわずかな相違を示した。図10(A、B、C)を参照されたい。
フローフィッシュ(FLOW-FISH)によるテロメア測定:
[001796] フローフィッシュ(Flow-FISH)テクノロジーを使用して、Gen2及びGen3プロセス下でL4054及びL4055のテロメア反復の平均長を測定した。DAKOのフローサイトメトリー分析のためのテロメアPNAキット/FITCを使用して、相対テロメア長(RTL)の測定を計算した。Gen3はGen2と同等のテロメア長を示した。
CD3分析
[001797] 各プロセスで生成された細胞産物のクローン多様性を決定するために、L4054及びL4055から回収されたTIL最終産物をサンプリングし、T細胞受容体のCDR3部分の配列決定によるクローン多様性分析についてアッセイした。
[001798] 表26:Gen2及びGen3のパーセンテージの比較は、TILで回収した細胞産物のL4054のユニークCDR3配列を共有した。199配列はGen3及びGen2の最終産物間で共有され、Gen3の最終産物と共有されるGen2からのユニークCDR3配列の上位80%の97.07%に対応する。
[001799] 表27:Gen2及びGen3のパーセンテージの比較は、TIL回収細胞産物においてL4055でユニークCDR3配列を共有した。1833配列は、Gen3及びGen2の最終産物で共有され、Gen3最終産物と共有されるGen2からのユニークCDR3配列の上位80%の99.45%に対応する。
[001800] CM1及びCM2培地は、事前に濾過なしで調製し、腫瘍L4055がGen2及びGen3プロセスで使用されるまで、4℃で保持された。
[001801] Gen2及びGen3プロセスのREP開始日の腫瘍L4055について、事前に培地を37℃で24時間加温した。
[001802] LDHは、プロセスで収集された上清では測定されなかった。
[001803] M1085T TIL細胞数は、K2セロメーターセルカウンターで実行された。
[001804] 腫瘍M1085Tでは、代謝分析のための上清、活性化及び疲弊マーカー分析のためのTIL産物、テロメア長及びCD3-TCR vb分析などのサンプルは入手できなかった。
結論
[001805] この実施例では、機能的品質の特質と、Gen2及びGen3プロセス間の拡張された表現型の特徴付け及び培地消費の観点から、3つの独立したドナー腫瘍組織を比較している。
[001806] Gen2及びGen3のプレREP及びREPの拡大培養比較を、生成された生細胞の総数及び有核細胞集団全体の生存率の観点から評価した。回収日のTVC細胞の用量は、Gen2(22日)及びGen3(16日)で同等ではなかった。Gen3細胞の用量は、回収時に収集された全生細胞の約40%で、Gen2より少なかった。
[001807] プレREPの回収が7日目でなく11日目に行われ、REPの回収が16日目ではなく22日目に行われると仮定して、Gen3プロセスについて外挿した細胞数を計算した。いずれの場合にも、Gen2プロセスと比較して、TVCの数値が近いことを示しており、早期の活性化は、TIL増殖について全体的にパフォーマンスが向上する可能性があることを示唆している。表4及び5の下段。
[001808] 処理された腫瘍のサイズが大きいと仮定して、Gen3プロセスの追加のフラスコ(2又は3)についての外挿値の場合、記載されたように、プロセスごとに必要な断片の最大数に到達する。22日目のGen2プロセスと比較して、Gen3プロセスについて16日目の回収で類似の用量がTVCで到達可能であることが観察された。この観察は重要であり、培養の早期の活性化により少ない処理時間でTILのパフォーマンスが向上する可能性を示唆している。
[001809] Gen2及びGen3のプレREP及びREPの拡大培養比較を、生成された生細胞の総数及び有核細胞集団全体の生存率の観点から評価した。回収日のTVC細胞の用量は、Gen2(22日)及びGen3(16日)で同等ではなかった。Gen3細胞の用量は、回収時に収集された全生細胞の約40%で、Gen2より少なかった。
[001810] 表現型の特徴付けに関して、Gen2プロセスと比較して、Gen3プロセスでは3つの腫瘍でより高いCD8+及びCD28+発現が観察された。このデータは、Gen3プロセスがGen2と比較して最終TIL産物の属性を改善したことを示している。
[001811] Gen3プロセスは、Gen2プロセスと比較して、わずかに高いセントラルメモリーコンパートメントを示した。
[001812] Gen2及びGen3プロセスは、Gen3プロセスの期間が短いにも関わらず、同等の活性化及び疲弊マーカーを示した。
[001813] 分析した3つの腫瘍では、Gen2と比較して、Gen3最終産物でのIFNガンマ(IFNγ)産生が3倍高かった。このデータは、おそらくGen3において、CD8及びCD28発現の発現が高いために、Gen2と比較して、Gen3プロセスが非常に機能的でより強力なTIL産物を生成したことを示す。表現型の特徴付けは、Gen2プロセスと比較して、3つの腫瘍でCD8+、CD28+発現に対するGen3のポジティブな傾向を示唆した。
[001814] Gen2及びGen3間のTIL最終産物のテロメア長は同等であった。
[001815] グルコース及び乳酸レベルは、Gen2及びGen3の最終産物間で同等であり、これは、Gen3プロセスの培地上の栄養素レベルが、毎日のプロセスで減量除去が実施されず、Gen2プロセスと比較して、プロセス全体で培地の用量が少なかったために、影響を受けなかったことを示唆している。
[001816] Gen3プロセス全体は、Gen2プロセスと比較して、処理時間のほぼ2分の1の削減を示した。これにより、Gen3プロセスによる拡大培養されたTIL産物の商品原価(COG)の大幅な削減をもたらすであろう。
[001817] IL-2消費量は、Gen2プロセスでのIL-2消費量の一般的な傾向を示唆しており、Gen3プロセスでは、古い培地が除去されなかったため、IL-2が高かった。
[001818] Gen3プロセスは、CDR3 TCRab配列分析により測定された高いクローン多様性を示した。
[001819] プレREPの0日目にフィーダー及びOKT-3の添加は、TILが早期に活性化され、Gen3プロセスを使用したTILのパフォーマンスが全体的に向上した。
[001820] 図28は、現在のGen2プロセスと比較したGen3プロセスのさまざまな実施形態及び結果を示す。
実施例6:CLL患者のPBMCからPBLを選択及び拡大培養する例示的な実施形態
[001821] PBMCは患者から収集され、後で使用するために冷凍されるか、又は新鮮に使用される。本発明の方法において、出発物質として少なくとも約400,000,000(400×106)のPBMCを産生するために十分量の末梢血を収集する。方法の0日目に、6×106IU/mLのIL-2を新鮮に調製するか、又は解凍し、使用できるまで4℃又は氷上で貯蔵した。200mLのCM2培地は、100mLのCM1培地(GlutaMAX(登録商標)を含む)を組み合わせ、それを100mL(1:1)でAIM-Vで希釈してCM2を作製することによって調製される。CM2、は光から保護されており、使用しないときには堅く密閉されている。
[001822] 以下のステップは全て滅菌細胞培養条件下で行われる。CM2のアリコートを凍結したPBMCサンプルの解凍及び/又は洗浄に使用するために37℃の水浴中の50mLコニカルチューブで温める。凍結したPBMCサンプルを使用する場合、サンプルを冷凍庫から取り出し、解凍の準備ができるまでドライアイスで貯蔵する。PBMCクライオバイアルを解凍する準備ができたら、5mLのCM2培地を滅菌50mLコニカルチューブに入れる。PBMCサンプルのクライオバイアルを、氷の結晶がごくわずかにのみ残るまで37℃の水浴中に入れる。加温したCM2培地を、サンプルバイアルに、サンプル:培地(約1mL)の体積比1:1で滴下する。内容物全体をクライオバイアルから取り出し、50mLコニカルチューブ内の残りのCM2培地に移す。さらに1~2mLのCM2培地を使用してクライオバイアルを洗浄し、クライオバイアルの内容物全体を取り出して50mLのコニカルチューブに移す。次に、コニカルチューブの容量を追加的なCM2培地で15mLに調整し、穏やかに渦巻かせて細胞を洗浄する。次に、コニカルチューブを室温、400gで5分間遠心分離し、細胞ペレットを収集する。
[001823] 上清をペレットから除去し、コニカルチューブに蓋をし、次に、例えば、粗い表面に沿ってチューブをこすることにより細胞ペレットを破壊する。約1mLのCM2培地を細胞ペレットに添加し、ペレットと培地をピペットで5~10回上下に吸引して細胞ペレットを分解する。さらに3~5mLのCM2培地をチューブに添加し、ピペットで混合して細胞を懸濁する。この時点で、細胞懸濁液の量を記録する。Nexcelom Cellometer K2などの自動細胞カウンターで細胞を計数するために、チューブから細胞懸濁液100μLを取り出す。サンプル中の生細胞の数を測定し、記録する。
[001824] フェノタイピング及び他の特性評価実験のために、最低5×106細胞を保存する。細胞ペレットを収集するために、保存された細胞を400gで5分間、室温で回転させる。細胞ペレットを凍結培地(20%DMSOを含む滅菌熱不活化FBS)に再懸濁する。保存された細胞の1つ又は2つのアリコートを凍結培地で凍結し、-80℃の冷凍庫の細胞凍結容器(Mr. Frosty(商標))でゆっくりと凍結する。-80℃で最低24時間後、液体窒素貯蔵庫に移す。
[001825] 次のステップでは、事前に冷却した溶液を使用し、すばやく作業して、細胞を低温に保つ。次のステップは、PBMCサンプルのT細胞分画を精製することである。これは、PanT細胞分離キット(Miltenyi、カタログ番号130-096-535)を使用して完了する。PBS、0.5%BSA及びpH7.2の2mM EDTAを含む滅菌フィルター洗浄緩衝液で細胞を洗浄することにより、細胞を精製用に調製する。PBMCサンプルを400gで5分間遠心分離して、細胞ペレットを収集する。上清を吸引除去し、細胞ペレットを細胞107個ごとに40uLの洗浄緩衝液に再懸濁する。細胞107個ごとに10μLのPanT細胞ビオチン抗体カクテルを添加する。よく混合し、冷蔵庫内又は氷上で5分間インキュベートする。細胞107個ごとに30μLの洗浄緩衝液を添加する。細胞107個ごとに20uLのPanT細胞マイクロビーズカクテルを添加する。よく混合し、冷蔵庫内又は氷上で10分間インキュベートする。LSカラムを調製し、マイクロビーズから細胞を磁気的に分離する。LSカラムをQuadroMACS磁場中に配置する。LSカラムを3mLの冷洗浄緩衝液で洗浄し、洗浄液を収集して廃棄する。細胞懸濁液をカラムに入れ、フロースルー(未標識細胞)を収集する。このフロースルーは濃縮T細胞分画(PBL)である。3mLの洗浄緩衝液でカラムを洗浄し、最初のフロースルーと同じチューブにフロースルーを収集する。チューブに蓋をして、氷の上に置く。これは、T細胞分画、つまりPBLである。磁場からLSカラムを取り外し、5mLの洗浄緩衝液でカラムを洗浄し、非T細胞分画(磁気標識細胞)を別のチューブに収集する。両分画を400gで5分間遠心分離して、細胞ペレットを収集する。上清を両方のサンプルから吸引し、ペレットを破壊し、各ペレットに3000IU/mLのIL-2を補充した1mLのCM2培地に細胞を再懸濁し、ピペットで5~10回上下にピペッティングしてペレットを分解する。各サンプルに1~2mLのCM2を添加し、各サンプルをよく混合し、次のステップのために組織培養インキュベーターに保存する。各サンプルから約50μLのアリコートを取り出し、細胞を計数し、数と生存率を記録する。
[001826] 次に、T細胞(PBL)をDynabeads(商標)Human T-Expander CD3/CD28で培養する。Dynabeadsのストックバイアルを中速で30秒間ボルテックスする。必要とするビーズのアリコートをストックバイアルから取り出し、滅菌1.5mLのマイクロチューブに入れる。ビーズを含む1.5mLマイクロチューブに1mLのビーズ洗浄液を添加することにより、ビーズをビーズ洗浄液で洗浄する。穏やかに混合する。チューブをDynaMag(商標)-2磁石の上に置き、ビーズが磁石に向かって引き寄せられる間、30分間放置する。ビーズから洗浄液を吸引し、磁石からチューブを取り外す。3000IU/mLのIL-2を補充した1mLのCM2培地をビーズに添加する。マイクロチューブの内容物全体を15又は50mLのコニカルチューブに移す。IL-2を含むCM2培地を使用して、ビーズの最終濃度を約500,000/mLにする。
[001827] T細胞(PBL)及びビーズは、以下のように一緒に培養される。0日目:G-Rex24ウェルプレートで、ウェルあたり合計7mLで、500,000個のT細胞、500,000個のCD3/CD28Dynabeads及びIL-2が補充されたCM2を添加する。G-Rexプレートをプロセスの次のステップ(4日目)まで加湿した37℃、5%CO2インキュベーターに入れる。残りの細胞は、Mr. Frosty(商標)細胞凍結容器を使用して、CS10凍結保存培地で凍結される。Mr. Frosty細胞凍結容器を使用して、細胞の非T細胞分画をCS10凍結保存培地で凍結する。4日目に培地を交換する。培地の半分(約3.5mL)をG-rexプレートの各ウェルから取り除く。37℃に加温した3000IU/mLのIL-2を補充した十分な量(約3.5mL)のCM4培地を添加して、各サンプルウェルから除去した培地を交換する。G-rexプレートをインキュベーターに戻す。
[001828] 7日目に、細胞はREPによる拡大培養のために調製される。G-rexプレートをインキュベーターから取り出し、培地の半分を各ウェルから取り出して廃棄する。細胞を残りの培地に再懸濁し、15mLのコニカルチューブに移す。ウェルを、37℃に温めた3000IU/mLのIL-2を補充した各CM4を1mLで洗浄し、洗浄培地を同じ15mLチューブに細胞と共に移す。細胞の代表的なサンプルを除去し、自動細胞カウンターを使用して計数する。1×106個未満の生細胞がある場合、0日目のDynabead拡大培養プロセスが繰り返される。細胞の残りは、バックアップ拡大培養のため又はフェノタイピング及び他の特性研究のために凍結される。1×106個以上の生細胞がある場合、REP拡大培養は、0日目からのプロトコルに従って複製で設定される。代わりに、十分な細胞を用いて、拡大培養は、G-rex10M培養フラスコで、フラスコあたり10~15×106個のPBLを使用し、3000IU/mLのIL-2を補充した最終容量100mL/ウェルのCM4培地で1:1比のDynabeads:PBLを使用して設定され得る。プレート及び/又はフラスコをインキュベーターに戻す。過剰なPBLは、-80℃の冷凍庫内のMr. Frosty(商標)細胞凍結容器で小分けにしてゆっくりと凍結し、-80℃で最低24時間後に液体窒素貯蔵に移すことができる。これらのPBLは、拡大培養若しくはフェノタイピング又は他の特性研究のためのバックアップサンプルとして使用し得る。
[001829] 11日目に、培地を交換する。培地の半分をG-rexプレートの各ウェル又はフラスコから取り出し、37℃で3000IU/mLのIL-2を補充した同量の新しいCM4培地と交換する。
[001830] 14日目に、PBLを回収する。G-rexプレートを使用する場合、培地の約半分がプレートの各ウェルから取り除かれ、廃棄される。PBLとビーズを残りの培地に懸濁し、滅菌された15mLのコニカルチューブ(チューブ1)に移す。37℃に温めた1~2mLの新しいAIM-V培地でウェルを洗浄し、洗浄液をチューブ1に移す。チューブ1に蓋をして、DynaMag(商標)-15磁石に1分間入れ、ビーズを磁石に引き寄せる。細胞懸濁液を新しい15mLチューブ(チューブ2)に移し、ビーズを2mLの新しいAIM-Vで、37℃で洗浄する。チューブ1をさらに1分間磁石に戻し、その後、洗浄培地をチューブ2に移す。必要に応じて、最終の洗浄のステップ後にウェルを混合し得る。細胞の代表的なサンプルを取り出し、計数し、数と生存率を記録する。計数している間、チューブをインキュベーターに入れ得る。細胞が非常に密に見える場合、追加的なAIM-V培地をチューブ2に添加し得る。フラスコを使用する場合、フラスコの容量を約10mLに減らすべきである。フラスコの内容物を混合し、15mLのコニカルチューブ(チューブA)に移す。上記のようにフラスコを2mLのAIM-V培地で洗浄し、洗浄培地もチューブAに移す。チューブAに蓋をして、DynaMag(商標)-15磁石に1分間入れ、ビーズを磁石に引き寄せる。細胞懸濁液を新しい15mLチューブ(チューブB)に移し、ビーズを2mLの新しいAIM-Vで、37℃で洗浄する。チューブAをさらに1分間磁石に戻し、その後、洗浄培地をチューブBに移す。最後の洗浄ステップ後、必要に応じてウェルを混合し得る。細胞の代表的なサンプルを取り出し、計数し、数と生存率を記録する。計数している間、チューブをインキュベーターに入れ得る。細胞が非常に密に見える場合、追加的なAIM-V培地をチューブBに添加し得る。細胞は、新鮮な状態で使用するか、又は目的の濃度においてCS10保存培地で凍結して使用し得る。
実施例7:Gen3拡大培養プラットフォームを使用して、造血器腫瘍からT細胞を拡大培養する例示的な実施形態
[001831] 0日目に、ポジティブ若しくはネガティブ選択方法、即ちT細胞マーカー(CD2、CD3など、又はT細胞を残した他の細胞の除去)を用いたT細胞の除去又は勾配遠心を使用して、リンパ球、全血又は腫瘍消化物(新鮮又は解凍)に富んだアフェレーシス産物からT細胞画分(CD3+、CD45+)を分離する。
[001832] 本明細書に記載のGen3プロセスに従って約1×107細胞/フラスコを播種することにより、Gen3.1プロセスを開始する。
[001833] 7日目に、Gen3.1プロセスに従って細胞を再活性化する。
[001834] 9~11日目に、Gen3.1プロセスに従って細胞をスケールアップする。
[001835] 14~16日目に、Gen3.1プロセスに従って細胞を回収する。
[001836] 図42は、Gen3プロセスを使用して、造血器腫瘍からTILを拡大培養する例示的な実施形態の概略図を提供する。
実施例8:非ホジキンリンパ腫からのTILの拡大培養
[001837] TILは、図45に示される病態を有する5つの非ホジキンリンパ腫腫瘍(1つのマントル細胞リンパ腫腫瘍、3つの濾胞性リンパ腫腫瘍及び1つのABC型びまん性大細胞型B細胞リンパ腫腫瘍)からプレREP段階でIL-2を11~14日間使用して拡大培養し、続いてIL-2、マイトジェン抗CD3抗体及び照射同種異系末梢血単核球(PBMC)フィーダーを使用して14日間REPを行った。TILは、5つのリンパ腫腫瘍全てから成功して生成され、最大拡大培養指数は680倍であり、これは他の方法を使用して以前に観察されたものよりも有意に高かった。Schwartzentruber, et al., Blood 1993, 82, 1204-1211。更に、平均CD3+T細胞集団は95%であった(Schwartzentruber, et al., Blood 1993, 82, 1204-1211の方法を使用した75%に対して)。
[001838] 細胞選別及びフローサイトメトリーは、Becton, Dickinson & Co. (BD) FACS CANTO IIシステムを使用して実施した。フローサイトメトリー分析により、黒色腫TILのものと同等のエフェクターメモリー細胞の著しい相対的増加が観察された(図46)。黒色腫TIL培養物と比較して、リンパ腫において、エフェクターメモリーCD45RA+(TEMRA)細胞(p=0.0013;CD4、CD8)及びCD28+CD4+(p=0.008)サブセットの有意な増加が観察された(図47)。
[001839] CD4+及びCD8+サブセットにおけるT細胞分化の表現型マーカーの比較が図48及び図49にそれぞれ示されている。CD4+及びCD8+サブセットにおけるT細胞枯渇の表現型マーカーの比較が図50及び図51にそれぞれ示されている。
[001840] 図52は、非ホジキンリンパ腫TILと黒色腫TILとの間の細胞型の比較を示す。黒色腫TILと比較したリンパ腫TILのCD4+T細胞数の増加傾向が示されている。
[001841] 図53は、生物発光リダイレクト溶解アッセイ(BRLA)の結果を示す。黒色腫TIL(11~75LU50、4時間)と比較して、リンパ腫TILにおいて、LU50/106としてBRLAで測定したTILの最小細胞溶解活性は、4時間で1未満~6LU50及び24時間で1~39LU50の範囲であった。
[001842] 図54は、リンパ腫TIL対黒色腫TILのインターフェロン-γ(IFN-γ)酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)の結果を示す。比較可能な結果を示す。リンパ腫TILのELIspotアッセイの結果を図55に示し、図56の黒色腫TILの同じアッセイの結果と比較する。ELIspotアッセイでは、ホルボール12-ミリステート13-アセテート/イオノマイシン、抗CD3抗体又はCD3/CD28/4-1BBビーズで刺激すると、リンパ腫TILによる広範なIFN-γ産生が観察され、これらの条件下で一部のリンパ腫TILによって産生されるIFN-γは、黒色腫TILによって産生されるIFN-γと同等であり、一部の場合ではリンパ腫TILにおけるIFN-γ産生がはるかに高かった。
[001843] 図57は、NANOSTRING NCOUNTER分析(Nanostring Technologies, Inc., Seattle, WA)の結果を示し、これはリンパ腫TILが、黒色腫TILと比較して、より高いレベルのRORC IL17A(TH17表現型)及びGATA3(Th2表現型)を発現することを示している。この発見は、リンパ腫反応性T細胞が主にTH2及びTH17であるという観察と一致している。
[001844] 全体として、結果は、TIL細胞療法がリンパ腫患者の処置に使用され得るという証拠を提供する。
実施例9:エクスビボで直接PD-1+細胞を選択及び拡大培養する:行動療法のための腫瘍反応性TILを強化するためのプロセス
[001845] 自己腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた養子T細胞療法は、転移性黒色腫の患者のコホートにおいて、持続的な奏効率を実証している[1]。処置に使用されるTIL産物は、腫瘍特異的抗原、突然変異由来の患者特異的新生抗原及び非腫瘍関連抗原を認識する異種T細胞で構成される[2、3]。これまでの研究で、新生抗原特異的T細胞がTILの抗腫瘍活性に顕著に貢献していることが実証されている[4]。腫瘍反応性につきTILを強化する戦略は、特に、バイスタンダーT細胞の割合が高いことが知られている上皮癌でより強力な治療薬をもたらすことが期待される[5]。いくつかの研究は、TILでのT細胞枯渇に関連することが多いマーカーであるPD1の発現が、自己腫瘍反応性T細胞を同定することを実証する[6、7、8]。ここでは、PD1+細胞を選択し、自己腫瘍反応性T細胞につきTIL産物を強化するように設計された新しいプロトコルの開発について説明する。本実施例は、PD1+TILを選別及び拡大培養し、得られた産物を特徴づけるプロトコルを提供する。
[001846] このプロトコルには、2-REPプロトコルを使用して、黒色腫、肺癌、乳癌(トリプルネガティブ及びER/PR腫瘍)及び肉腫からエクスビボで選別されたPD1+TILを拡大培養することが含まれる。拡大培養されたTILは、成長、生存率、表現型、機能(IFNγ分泌、CD107a動員)、腫瘍殺傷(X-CELLigence)及びTCR Vβレパートリー(フローサイトメトリー及びRNA配列決定による)について評価される。例示的な方法を、図44に提供されるチャートに記載する。
[001847] この実施例では、TAA特異的TILにつきTIL産物を強化することを目的としたPD1選択プロジェクトを取り扱う。これは、腫瘍/新生抗原特異的T細胞がTIL産物の療法活性を担っており、TILのPD1+サブセットが腫瘍反応性T細胞を含むという考えに基づいている。
A.方法-手順
1.腫瘍の調製
[001848] 新たに切除された腫瘍サンプルは、研究提携(UPMC、Moffitt)及び組織調達供給業者(Biotheme及びMTGグループ)から受け取る。腫瘍は、HypoThermosol(Biolife Solutions, Washington、カタログ番号101104)(抗生物質付き)又はRPMI 1640(Fisher Scientific, Pennsylvania、カタログ番号11875-085)+男性のヒトAB血清(Access Biologicals, California、A13012)で翌日出荷される。
[001849] 一次及び二次パッケージから腫瘍を取り出し、腫瘍及び輸送用培地を含んだバイアルを秤量し、質量を記録する。バイアルから腫瘍を取り除き、バイアル及び輸送用培地の重量を再秤量する。腫瘍の質量を計算する(バイアルの質量+輸送用培地+腫瘍)-(バイアル+輸送用培地)。
[001850] 腫瘍消化物のために、腫瘍全体をおよそ4~6mm3の断片に細分化する。腫瘍が十分に大きい場合、4つの3mm3の断片が処理に配置される。
2.腫瘍消化物のための酵素の調製
[001851] 凍結乾燥酵素を、以下の各消化酵素について示された滅菌HBSSの量で再構成する。これらの酵素は10倍として調製される。ボトルの側面及びボトル開口部の保護フォイルから残留粉末を確実に捕捉する。上下に数回ピペッティングし、完全に再構成するように渦を巻く。
[001852] 1gのコラゲナーゼIV(Sigma, MO、C5138)を10mLのHBSSで再構成する(100mg/mLストックを作成するため)。上下にピペッティングすることにより混合し、溶解する。再構成後に溶解しない場合、37℃のH2O槽に5分間入れる。1mLバイアルにアリコートする。これは、コラゲナーゼの100mg/mLの10倍作業ストックである。
[001853] DNアーゼ(Sigma, MO、D5025)ストック溶液(10,000IU/mL)を調製する。各ロットのDNアーゼの単位は、添付のデータシートに記載されている。HBSSの適切な量を計算して、100mgの凍結乾燥DNアーゼストックを再構成する。例えば、DNアーゼストックが2000U/mgの場合、ストック内のDNアーゼの合計は200,000IU(2000IU/mg×100mg)になる。10,000IUの作業ストックに希釈するには、100mgのDNアーゼに、20mLのHBSSを追加する(200,000IU/20mL=10,000U/mL)。1mLバイアルにアリコートする。これは、DNアーゼの10,000IU/mLの10倍作業ストックである。
[001854] ヒアルロニダーゼ10mg/mL(Sigma, MO、H2126)ストック溶液を調製する。500mgバイアルを50mLのHBSSで再構成して、10mg/mLのストック溶液を作成する。1mLバイアルにアリコートする。これは、ヒアルロニダーゼの10mg/mLの10倍作業ストックである。
3.腫瘍処理及び消化
[001855] ストック消化酵素を1倍に希釈する。1倍作業溶液を作成するには、コラゲナーゼ、DNアーゼ及びヒアルロニダーゼをそれぞれ500μlずつHBSS 3.5mLに添加する。
[001856] GentleMACS OctoDissociatorを使用する場合、腫瘍断片を上記の5mLの消化物カクテル(HBSS中)を含むGentleMACS C-Tube(Cチューブ)又は50mLコニカルチューブに移す。2~3個の断片(4~6mm)を各Cチューブに移す。
[001857] 各Cチューブ(Miltenyi Biotec, Germany、130-096-334)をGentleMACS OctoDissociator(Miltenyi Biotec, Germany、130-095-937)に移す。製造元の指示に従って使用する。各腫瘍組織には、腫瘍解離のための推奨プログラムがあることに注意する。それぞれの腫瘍組織に適切なプログラムを選択する。解離はおよそ1時間である。
[001858] GentleMACS OctoDissociatorが利用できない場合、標準のローテイターを使用する。2~3個の腫瘍断片を50mLコニカルチューブ(漏れを防ぐためにパラフィルムで密封)に入れ、ローテイターに固定する。ローテイターを入れ、37℃、5%CO2加湿インキュベーターで1~2時間一定回転させる。代わりに、腫瘍断片は、RTで一晩、一定の回転でも消化することができる。
[001859] 消化後、オクトディソシエーター又はローテイターからCチューブを取り外す。0.22μmのストレーナーを滅菌ファルコンコニカルチューブに取り付ける。ピペットを使用して、Cチューブ/又は50mLコニカル(5mL)の全ての内容物を0.22μmフィルターに通して50mLコニカルに入れる。Cチューブ/50mLコニカルを10mLのHBSSで洗浄し、ストレーナーにかける。滅菌シリンジプランジャーの平らな端を使用して、フィルターを通して残りの非消化性の腫瘍を解離する。CM1又はHBSSを50mLまで加え、チューブをキャップする。
[001860] 1500rpm、RTで5分間、遠心分離により、サンプルをペレット化する。液体を注意深く取り除き、細胞数を数え、生存率を評価するために、ペレットを5mLのCM1に再懸濁する。
[001861] 以下の場合、全腫瘍消化物を確保する。1.細胞培養(PD1+及びPD1-の対照)、2.FMOフローサイトメトリー対照、3.全腫瘍消化物表現型アッセイを事前に分取する、4.腫瘍反応性/細胞殺傷アッセイのために凍結。確保される細胞の数は、総消化物収量及び腫瘍組織に依存する。
4.細胞数及び生存率
[001862] Nexcelom Cellometer K2(Nexcelom, MA)を使用して、細胞数及び生存率を取得する手順は、SOP-LAB-002及びSOP-LAB-003に記載される。
5.フローサイトメトリー分析及び細胞分取のための消化腫瘍の染色
[001863] 腫瘍消化物は、以下の方法に従って、ニボルマブとのインキュベーション並びに生/死バイオレット、抗IgG4 Fc-PE(ニボルマブの二次抗体)及びCD3-FITCによる染色を含むカクテルで染色される。
[001864] カウント後、細胞を10mlHBSSに再懸濁する。1500rpm、RTで5分間、遠心分離(9の加速と減速)により、細胞をペレット化する。ペレットを5mLHBSSに再懸濁する。5μLの生/死ブルー色素(ThermoFisher、MA、カタログ番号L23105)を添加して、最終濃度を1/1000にする。氷上で20~30分間インキュベートする。1500rpm、RTで5分間、遠心分離により細胞をペレット化する。
[001865] ペレットをFACSバッファー(1×HBSS、1mM EDTA、2%ウシ胎児血清)に再懸濁する。ペレットに添加されるFACSバッファーの量は、ペレットのサイズに基づいている。染色量はペレットの約3倍にする必要がある。したがって、300μlの細胞がある場合、バッファーの量は少なくとも900μlである必要がある。1μg/mLのニボルマブ(Creative Biolabs、NY、カタログ番号TAB-770)を添加する。希釈は抗体ストックに依存する。4℃で30分間インキュベートする。ペレットを5mLの冷HBSSに再懸濁する。
[001866] 1500rpm、RTで5分間、遠心分離(9の加速と減速)により、細胞をペレット化する。洗浄を2回繰り返す。ペレットを5mLの冷HBSSに再懸濁する。5μLの生/死ブルー色素(ThermoFisher、MA、カタログ番号L23105)を添加して、最終濃度を1/1000にする。4℃で20~30分間インキュベートする。
[001867] 1500rpm、RTで5分間、遠心分離(9の加速と減速)により、細胞をペレット化する。上記のように、ペレットをFACSバッファー(1×HBSS、1mM EDTA、2%ウシ胎児血清)に再懸濁する。ペレットに添加されるFACSバッファーの量は、ペレットのサイズに基づいている。染色量はペレットの約3倍にする必要がある。したがって、300μLの細胞がある場合、バッファーの量は少なくとも900μLである必要がある。
[001868] 抗体を添加する場合、各100μLの容量は、1回のテスト(抗体の滴定量)に相当する。つまり、容量が1mLであれば、10倍の力価抗体量が必要である。サンプル100μLあたり、3μLの抗CD3-FITC(BD Biosciences、NJ、カタログ番号561807)を添加する。1:500で抗IgG4 Fc-PE(Southern Biotech、AL、カタログ番号9200-09)を添加する。したがって、500μLのFACSバッファーごとに1μLの抗IgG4Fc-PEを添加する。細胞を氷上で30分間インキュベートする。インキュベーション中に遮光する。インキュベーション中に2、3回攪拌する。20mLのFACSバッファーに細胞を再懸濁する。溶液を70μmセルストレーナーに通して、新しい50mLコニカルに入れる。1500rpm、RTで5分間、遠心分離(9の加速と減速)をする。吸引する。FACSバッファーで合計10e6(生+死)まで細胞を再懸濁する。最小容量は、300μLである。
[001869] 滅菌ポリプロピレンFACSチューブに移す。FACSソーティング用の3mL/チューブ。
6.FACSソーティング(FX500スタートアップ)
[001870] システムをセットアップし、キャリブレーションが完了するのを待つ間に、以下の調製をする。
[001871] 10mLの滅菌脱イオン水を含む5つの滅菌15mLコニカルチューブを準備する。
[001872] 4mLの滅菌脱イオン水を含む5つの滅菌5mLFACSチューブを準備する。
[001873] 12mLの70%エタノールを含む5つの滅菌15mLコニカルチューブを準備する。
[001874] 12mLの10%次亜塩素酸ナトリウムを含む5つの滅菌15mLコニカルチューブを準備する。
7.サンプル収集
[001875] サンプル及び収集チャンバーが5℃であり、サンプルの攪拌(Agitate sample)がボルテックスで選択されていることを確認する。必要に応じてPD1ゲートを調整する。
[001876] ゲートに問題がなければ、できるだけ多くの事象を記録する(又は最大20,000のCD3事象)。この収集を加速するために、サンプル圧力を10に設定し得る。収集を停止し、チューブを取り外す。
[001877] サンプルチャンバーのドアを開き、15mlの収集チャンバーブロックをチャンバーに充填する。収集バッファーを含む収集チューブをチャンバーブロックに充填する。少なくとも85%の分取効率を維持するために、サンプル圧力を調整する。50,000のCD3事象を記録する。いずれかの画分に4.5×106を超える細胞が収集されている場合、収集チューブを交換する必要がある。全てのサンプルがサンプルチューブからなくなるまで、分取を続ける。
8.REP1の開始(第1の初回刺激拡大培養ステップの開始)
[001878] 細胞数が最も少ない条件(PD1+又はPD1-)を使用して、REP1開始用のCD3+細胞数を決定する。CD3細胞の%(分取中に決定)は、PD1+及びPD1-サンプルと同数のCD3細胞でREP1を開始するために必要な消化物全体の細胞総数を計算するために使用されるだろう。REP1開始のための消化物細胞全体の総数=REP1/CD3細胞の%に接種された分取された細胞の数。
[001879] およそ1000~100,000細胞のCD3+細胞を、それぞれ7mL又は40mLのCM2(50%RPMI 1640+10%ヒト血清、グルタマックス、ゲンタマイシン及び50%AimV)と共に、3000IU/mLのIL-2と一緒にG-Rex24又はG-Rex10のいずれかに11日間入れる。PD1+及びPD1-で分取された集団及び腫瘍消化物全体に対して、少なくとも1つのG-Rexフラスコが開始される。抗CD3(クローン:OKT3)(30ng/mL)及びフィーダー(比1:100、(TIL:フィーダー))を培養開始時に各フラスコに添加する。
[001880] プレート/フラスコ内の細胞を11日間インキュベートする。培地の交換は行われない(REP1)。
[001881] REP1の完了時に、G-Rex24の場合にはおよそ5mLの培地を、G-Rex10の場合には30mLの培地を取り除く。上下にピペッティングして、残りの培地に細胞を再懸濁する。細胞を50mLコニカルに入れ、1500rpmで5分間遠心分離する。
[001882] 培地を吸引し、細胞を10~20 mLのCM2に再懸濁して、カウントと生存率の評価を行う。
9.REP2の開始(第2の急速拡大培養の開始)
[001883] ミニREP2を開始するには、1×105細胞を40mLのCM2培地及び3000IU/mLのIL-2を含むG-Rex10に入れる。抗CD3(クローン:OKT3)(30ng/mL)及びフィーダー(比1:100、TIL:フィーダー)を培養開始時に添加する。
[001884] 「フルスケール実行」では、2×106~30×106の細胞を1LのCM2培地及び3000IU/mLのIL-2中のG-Rex100Mで拡大培養させる。抗CD3(クローン:OKT3)(30ng/mL)及びフィーダー(比1:100、TIL:フィーダー)を培養開始時に添加する。
[001885] 培地交換(ミニスケールの場合)又は培地交換+分割(「フルスケール実行の場合)」は、REP2の5日目(プロセスの16日目)に実行される。フラスコをおよそ10mL(G-Rex10)又は100mL(G-Rex100M)に減量し、CM2又はAimV+3000IU/mLのIL-2を含む40mL(G-Rex10)又は1L(G-Rex100M)に補充する。「フルスケール実行」では、フラスコは、1:2に分割される。
[001886] REP2の11日目(又はプロセスの22日目)に、フラスコの容量を減らし、1500rpmで、5分間RTで遠心分離する。
[001887] 最終産物は、細胞数、生存率、表現型(TIL1、TIL2(TILの表面抗原染色のTIL2パネル)、TIL3及び機能(CD107a(CD107a動員によるTIL機能の評価及びIFNγアッセイ)につき評価される。Vβレパートリーは、製造元の指示に従って、24の特異性(Vβファミリー全体の70%)を評価するFACS(Beckman Coulter、California、カタログ番号IM3497)によって評価される。追加的な細胞(1×106~5×106)は、ペレット化され、RNA配列決定及び分析のために凍結される。最終産物は、共培養アッセイで腫瘍反応性についても評価され、IFNγについて評価される。可能であれば、解凍した腫瘍消化物全体をTILと共培養し、xCELLigenceシステム(ACEA Biosciences、CA)を使用して、共培養及び/又は殺傷(細胞溶解%)によって腫瘍反応性を評価する。
B.材料及び方法
[001888] PD1陽性(PD1+)細胞を新鮮な腫瘍消化物から直接フローサイトメトリーを介して分取し、インビトロで拡大培養した。
[001889] 6つの黒色腫、3つの肉腫、6つの乳癌及び8つの肺癌からのサンプルを評価した。
[001890] 3つの母集団を研究した:PD1+で分取されたTIL、PD分取されたTIL;バルクTIL(腫瘍全体の分取されていない消化物)。TILは、収量(細胞数)、表現型(フローサイトメトリー)、TCR Vβレパートリー(RNA-配列決定)、非特異的機能性(抗CD3及びPMA)及び腫瘍反応性と殺傷性(共培養アッセイ)について評価した。
[001891] 黒色腫、肺癌、乳癌及び肉腫から臨床的に適切な数にPD1選択TILを拡大培養するためのプロトコルが開発された。
[001892] PD1選択TILのインビトロでの拡大培養は、バルクTILと同等の表現型を有する産物が得られた。
[001893] T細胞マーカーは、事前分取TILと比較してアップレギュレーションされており、高い活性化レベルを示唆している。事前分取TILと比較して拡大培養PD1+TILの表面で調節されるT細胞マーカーには、PD1及びCD25が含まれ、高い活性化レベルを示唆する。重要なことに、PD1+TILのインビトロでの拡大培養により、バルクTILと同等の表現型を有する産物が得られ、強力な治療の可能性が示唆された。拡大培養されたPD1+TILの機能は、非特異的刺激に応答した強力なIFNγ及びCD107aの発現によって確認された。拡大培養されたPD1+TILは、PD1由来のTIL及びバルクTILと比較して、腫瘍部位での抗原駆動型クローン拡大培養の兆候であるオリゴクローナリティを示す。予備データは、PD 1-由来TILではなく、PD1+による自己腫瘍細胞殺傷を示す。
[001894] PD1+由来のTILは、PD1由来のTIL及びバルクTILと比較して、オリゴクローナリティを示す。
[001895] 全てのTIL産物は、非特異的刺激によって評価されるように機能する。
[001896] 自己黒色腫細胞の殺傷は、PD1+由来TILで観察されたが、PD1由来TIL及びバルクTILでは観察されなかった。
C.結果及び適合基準
[001897] PD1+で分取された細胞は、増殖能の欠陥を示す。最終産物の収量は、1×109以上になるだろう。PD1+細胞は、PD1-と比較してオリゴクローナルになるだろう。PD1+細胞は、抗原特異的である可能性がより高いという前提に基づいて、PD1+細胞は、PD1対応物と比較して腫瘍特異的殺傷能力の増強を示す可能性がある。
D.参考文献
[001898] 1.Rosenberg, S.A., et al., Durable complete responses in heavily pretreated patients with metastatic melanoma using T-cell transfer immunotherapy.Clin Cancer Res, 2011. 17(13): p. 4550-7.
[001899] 2.Kvistborg, P., et al., TIL therapy broadens the tumor-reactive CD8(+) T cell compartment in melanoma patients.Oncoimmunology, 2012. 1(4): p. 409-418.
[001900] 3.Simoni, Y., et al., Bystander CD8(+) T cells are abundant and phenotypically distinct in human tumour infiltrates.Nature, 2018. 557(7706): p. 575-579.
[001901] 4.Schumacher, T.N. and R.D.Schreiber, Neoantigens in cancer immunotherapy.Science, 2015. 348(6230): p. 69-74.
[001902] 5.Turcotte, S., et al., Phenotype and function of T cells infiltrating visceral metastases from gastrointestinal cancers and melanoma: implications for adoptive cell transfer therapy.J Immunol, 2013. 191(5): p. 2217-25.
[001903] 6.Inozume, T., et al., Selection of CD8+PD-1+ lymphocytes in fresh human melanomas enriches for tumor-reactive T cells.J Immunother, 2010. 33(9): p. 956-64.
[001904] 7.Gros, A., et al., PD-1 identifies the patient-specific CD8(+) tumor-reactive repertoire infiltrating human tumors.J Clin Invest, 2014. 124(5): p. 2246-59.
[001905] 8.Thommen, D.S., et al., A transcriptionally and functionally distinct PD-1(+) CD8(+) T cell pool with predictive potential in non-small-cell lung cancer treated with PD-1 blockade.Nat Med, 2018.
実施例10:直交性IL2-Rβによるヒト黒色腫由来TILの形質導入
[001906] この実施例では、プレREP後及びREP後の腫瘍浸潤リンパ球を細胞操作するためのいくつかの方法を評価する。
[001907] 標準的な方法を使用して、少なくとも4つの黒色腫由来のTIL凍結保存されたプレ-REP後 REP後細胞株を解凍し、休止し、活性化する。活性化されると、細胞は、4つの実験コホートに分けられる。各コホートには、偽改変、GFP改変及び直交性IL-2Rβ改変の3つの個別条件を有する。偽コホート細胞は、細胞改変手順を受けるが、核酸ベクターは追加されていない。GFPコホートは、緑色蛍光タンパク質を操作可能に発現するウイルスベクターを用いて改変されており、これにより、細胞工学の有効性を、例えば、蛍光顕微鏡又はフローサイトメトリーにより、簡単に監視することができる。最終的なコホートは、直交性IL-2Rサイトカイン受容体を操作可能に発現するウイルスベクターで改変されている。
[001908] 化学トランスフェクション、エレクトロポレーション及びウイルス感染は、プレREP後及びREPTILを改変する方法として比較される。改変処理に続いて、処置された細胞は、本明細書に開示される方法を使用して、実験室スケールで拡大培養されるであろう。
[001909] 拡大培養に続いて、プレREP後及びREP後由来細胞を、細胞生存率、IL-2Rの発現、直交性IL-2Rの発現を評価し、形質導入効率を決定する。GFP形質導入/改変の有効性は、直交性IL2-R形質導入/改変と比較される。
実施例11:直交性IL2-Rβによる様々なヒト腫瘍由来TILの形質導入
[001910] 実施例10の方法を使用して、直交性IL-2Rの有効性を比較する。
[001911] 上述の実施例は、本発明の組成物、システム及び方法の実施形態を作製及び使用する方法の全面開示及び説明を当業者に与えるために提供され、発明者が、彼らの発明とみなす範囲を限定することを意図するものではない。当業者に明らかである本発明を実施するための上述の態様の修正は、以下の特許請求の範囲内であることが意図される。本明細書で言及される全ての特許及び刊行物は、本発明に属する当業者の技能のレベルを示す。
[001912] 全ての見出し及びセクションの指定は、明確化と参照の目的でのみ使用されており、決して限定とみなされるものではない。例えば、当業者は、本明細書に記載される本発明の趣旨及び範囲に従って、異なる見出し及びセクションからの様々な態様を適切に組み合わせることが有用であることを理解するであろう。
[001913] 本明細書に引用されている全ての参考文献は、個々の出版物若しくは特許又は特許出願が全ての目的についてその全体が参照により組み込まれることが具体的且つ個別に示されている場合と同程度に、その全体があらゆる目的について参照により本明細書に援用される。
[001914] 当業者に明らかであるように、本出願の多くの修正形態及び変形形態は、その趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得る。本明細書に記載される特定の実施形態及び実施例は、ごく一実施例としてのみ提供され、本出願は、特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に添付の特許請求の範囲の条項よってのみ限定されるべきである。