JP2022513079A - 統合ワークフローでの低コピー数の核酸の強化された検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は、自動または半自動プラットフォームの統合ワークフローでの低コピー数の核酸を検出する方法と戦略に関する。本発明の方法は、すでに開発された自動ワークフローのレパートリーを拡大して、リキッドバイオプシーを含む体液などの非常に希釈されたサンプルでさえも処理可能にする可能性を開く。【選択図】図12

Description

本発明は、自動または半自動プラットフォームの統合ワークフローでの低コピー数の核酸を検出する方法と戦略に関する。本発明の方法は、すでに開発された自動ワークフローのレパートリーを拡大して、リキッドバイオプシーを含む体液などの非常に希釈されたサンプルでさえも処理可能にする可能性を開く。
患者の生理学的および/または病理学的状態のモニタリングにおいて、リキッドバイオプシーの研究は多くの注目を集めている。これは主に、非侵襲的なサンプリングを提供し、早期診断と頻繁なモニタリングを可能にする可能性があるためである。この良い例は、癌の初期段階での体液中の循環腫瘍マーカー(ctDNA)の検出である。しかしながら、サンプル量あたりのロード(load)が非常に少ないため、その効果的な検出は非常に困難であり、高感度で堅牢な診断アッセイだけでなく、大容量のサンプルを処理する機能も必要である。
現在、診断用流体カートリッジを使用して、堅牢な遺伝子マーカーテストを提供するいくつかの優れた高感度プラットフォームが存在する。このようなシステムの利点の1つは、コンパクトな携帯型の設計であり、使いやすさと保管の考慮が大幅に容易になることである。寸法の最小化がポイントオブケア(POC)装置の一般的な傾向であり、それらの多くが、例えばカオトロピックバッファーなどを含む大容量の試薬が必要なシリカベースのブーム(Boom)抽出を利用していることを考慮すると、これらの装置が直面する共通の課題は、低コピー数の核酸の検出に適したものにするために必要なサンプル量を受け入れるための限られた場所(room)である。
その結果、より感度の高いケミストリーと検出技術の絶え間ない開発にもかかわらず、プラットフォームの設計を変更せず、および/または、現在利用可能なアッセイの使いやすさとコンパクトさを損なわず、現存する統合ワークフローに基づきおよび携帯型装置を使用する堅牢なリキッドバイオプシーアッセイを開発することは依然として非常に困難である。これは、標準の自動および半自動の流体ワークフローで低コピー数の核酸を検出するには、通常よりも高いサンプル入力が必要であり、所与の装置抽出効率とサンプル分配の考慮事項に起因する材料損失を最小限に抑える必要があるためである。
これらの問題に対処するために、我々は統合されたアプローチを開発した:
(i)必然的にデッドボリュームが生成され、したがって、貴重な低コピー数の核酸の損失または希釈も発生する、シリカ抽出核酸を統合ワークフローの下流(ダウンストリーム)に移す前に、抽出チャンバーの容積を満たすものでさえある、シリカ固体支持体の存在下でのDNA抽出場所における、好ましくは圧力による、特別に局在化された核酸事前増幅プロトコルであって、好ましくは、次の工程に先行する、
(ii)少なくともイオン交換、好ましくは親和性にも基づく固相事前捕捉(pre-capture)技術、好ましくはヒドロキシアパタイト(HAP)ベースの核酸事前捕捉技術を使用すること。
さらに、(i)を考慮すると、統合された診断装置の大部分は、精製された核酸サンプルを複数の反応チャンバーに分配させる必要があり、非常に少ないロードの例えばctDNAを扱う場合は、上記の分配は、選択した低コピー数の核酸標的を検出する確率をさらに低下させ、したがって、アッセイの感度を低下させることに注意が必要である。事前増幅は、抽出された核酸を、通常の検出が行われる別の増幅チャンバーに分配する前に増幅されることとして定義され、標的DNAの指数関数的な増加をもたらす。これは、希釈因子を排除し、サンプルをポアソン分布統計から遠ざけることで、ダウンストリーム分析の感度を高めることができるため、コピー数の少ない標的には非常に望ましいことである。また、増幅されていないゲノム材料に比べて標的が増幅されるため、サンプルが単純化される。これは、非特異的増幅とその副作用の可能性を減らすことによりダウンストリームアッセイの選択性圧力を大幅に下げる可能性がある。
上記の利点が本分野で認識されるため、ダウンストリーム分析前の低コピー数の核酸の標的事前増幅、例えばNGSやqPCRなどは、ベンチトッププロトコルで一般的に知られており、核酸の抽出および精製の後に実行される。後者から、既存の技術では、抽出および精製プロセスと(事前)増幅プロセスとの間に厳密な時空間的区別があるということになる。同じことが自動ワークフローカートリッジベースのシステムにも当てはまる。例えば、BioFireのFilmArrayシステム(BioMerieux)は、ベンチトップで精製および抽出されたDNAの事前増幅を提供し、事前増幅された遺伝物質を多くの異なるPCRチャンバーに分配するように設計されている。我々の知るかぎり、既存の自動または半自動(すなわち、部分的にベンチトップ)のワークフローでは、ベンチトップの事前増幅材料を受け入れるか、上記の例のように、システムの設計当初から追加の事前増幅チャンバーを装備することで、希釈の問題を克服する。ただし、自動または半自動の流体POC装置の大部分は、このような専用の上流(アップストリーム)の事前増幅空間を備えておらず、アップストリーム事前増幅機能を獲得するために、頻繁に再設計または再構築する必要がある。しかしながら、既存のシステムの再設計には、数年の試験とかなりの投資が必要になる場合があるが、実際には多くの分子診断会社はこれを確約しない。これは、半自動または完全自動の分子診断システムを使用する場合、事前増幅プロトコルの実装が簡単ではないためである。分子分析が使い捨てカートリッジで実行される場合、上流の事前増幅反応のための追加のチャンバーの場所を見つけるか、統合する機会は限られている。しかしながら、そのようなカートリッジの多くは、シリカ固体支持体で満たされた抽出チャンバーをすでに含み、そしてしばしばいくつかの温度制御機能も有する。しかしながら、そのようなシリカ充填物の存在下での核酸熱サイクリングは、非効率であり、阻害に苦しみ、そして広範囲の非特異的生成物を生じることが知られている。我々は、特に圧力を使用して、抽出チャンバー内でシリカを捕捉したDNAのPCR増幅プロトコルの量(volume)を調整することにより、これらの問題を克服し、カートリッジの設計を変更することなく、統合カートリッジ内の低コピー数の標的を検出することができた。
尿のような大容量および/または希釈された液体サンプルの場合、シリカ上での事前増幅工程の前に、ヒドロキシアパタイト(HAP)固体支持体への事前捕捉工程を行うことにより、その効果がさらに強化されることが観察された。HAPが最も適切な事前捕捉技術であるように見えるが、理論的には、他のイオン交換、好ましくは親和性ベースの事前捕捉戦略も、ここに示す統合ワークフローへの統合に適している可能性がある。有望な候補の1つは、GEAEセファロースである。 以下の考慮事項を満たしていれば、他の技術も想定できる。第1に、統合システム、特にカートリッジを使用したシステムでサンプル量を増やす場合、バッファーの保管空間が大きな課題となるため、例えば、平衡化バッファー、洗浄バッファー、溶出バッファーなどのバッファーの量とその必要量をできる限り少なくする必要がある。第3に、特に短いctDNAが好ましい標的である場合、事前捕捉技術のDNA抽出効率は100%に近いはずである。 最後に、さらなるブーム(Boom)抽出するために必要なカオトロピック結合バッファーが少なくなるため、溶出量はできるだけ少なくする必要がある。そして最後に、抽出された生成物は、るブーム(Boom)抽出技術と互換性があり、シリカとDNAの結合メカニズムに影響を与えないものでなければならない。
大容量のサンプル(すなわち、10ml以上)に対応でき、追加の結合剤をほとんどもしくは全く必要としない核酸単離メカニズムへのニーズが高いことから、我々は、上記の特定の条件を満たす、ヒドロキシアパタイトベースの核酸特異的事前捕捉プロトコルを迅速に作成した。その結果、ここに示すHAPベースの戦略は、統合ワークフローと互換性があり、携帯型POC装置のサンプル受け取りセクションに簡単に導入できる。特に、このプロトコルは、血漿などの10 mL以上の生体液からDNAを効率的に単離し、n倍の容量を削減するだけでなく、同時にタンパク質の大部分を除去することでサンプルの事前除去(pre-clearing)と簡素化をもたらす。
HAPベースの核酸抽出は、イオン交換と親和性の両方の原理を使用した固相抽出(SPE)法である。方法論的には、陰イオン交換クロマトグラフィーに似ている。HAPベースのDNA抽出の複数の設計は、さまざまなサンプルタイプを標的として、科学文献に以前から記載がある。それらのいくつかは以下を含む:
・S. Yu et al. / J. Chromatogr. A 1183 (2008) 29-3、
・J. Mater. Chem. B, 2014, 2, 6953-6966、
・Colman, M. J. Byers, S. B. Primrose, and A. Lyons:Rapid Purification of Plasmid DNAs by Hydroxyapatite Chromatography、
・P. Gagnon, P. Ng, J. Zhen, C. Aberin, J. He, H.Mekosh, L. Cummings, S. Zaidi, R. Richieri, A ceramic hydroxyapatite basedpurification platform、
・Purdy KJ, Embley TM, Takii S, Nedwell DB. RapidExtraction of DNA and rRNA from Sediments by a Novel Hydroxyapatite Spin-ColumnMethod. Applied and Environmental Microbiology. 1996;62(10):3905-3907.
これらのSPEおよびその他の既知のHAPベースの方法は、高塩または高リン酸塩環境でDNAを溶出するため、さらに下流の分子分析と互換性のない製品を提供する。
生物学的サンプルからのヒドロキシアパタイトベースの核酸の単離は、現在、ほとんどが液体クロマトグラフィーカラムマトリックスを介して、またはスピンカラムを使用して行われている。ほとんどのアプローチにおいて、中性pH(通常は約pH 7.0)で、リン酸カリウムまたはリン酸ナトリウム、またはその他の塩の閾値濃度を提供することにより、HAPへの核酸の結合を可能にしする。リン酸イオンの濃度をさらに上げる(最大500 nM)ことにより、DNAがHAPマトリックスから溶出される。500 nMのリン酸塩は最適な溶出条件を提供するが、そのような高濃度は、阻害効果があるため、さらなるダウンストリーム分析と互換性がない。多くの場合、溶出中のリン酸塩濃度を下げることにより、溶出効率とその後のDNA分析のパフォーマンスとの間で妥協がなされている。
おそらく、溶出された生成物にこの高い塩分が含まれているため、HAPベースの濃縮は統合ワークフローでは使用されない。我々の知る限り、おそらくリン酸塩がPCRに対して阻害効果を発揮することが知られているため、少なくとも統合されたPCR分析ベースのワークフローまたはカートリッジはこれまで開発されていない。しかし、本発明の設定では、シリカをベースにしたHAP濃縮核酸の抽出に続き、シリカ固体支持体上で圧力制御された事前増幅プロトコルを行うことで、完全自動POC装置において、低コピー数の核酸標的の検出が確実に改善されることを確認した。この結果および他の本発明の他の利点の実証は、継続して提示される。
本発明の性質をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照する:
図1は、熱サイクリング中の抽出膜を横切るシリカベースの抽出チャンバーの温度勾配シミュレーションを示す。 図2は、シリカ固体支持体への特定量のPCRバッファーの圧力ベースの投入の例を示す。 図3は、事前増幅およびqPCR検出ワークフローの概要を示す。 図4は、時間の経過に伴う事前増幅効率の変化を示す。各プロットは、1回の実験でのサンプルリピートのセットにおけるqPCR Cr値の変動を表す。 図5は、圧力ベースのアプローチにより投入精度が向上した場合の、シリカ固体支持体での自動事前増幅の堅牢性が向上することを示す。 図6は無細胞DNA(cfDNA)のHAPマトリックスへの結合条件をカチオンの種類とその濃度の関数で示し、DNA量は、HAP抽出血漿サンプルの上清中の非結合cfDNA画分のOD260測定値として表される。DNAの低検出は、より効率的な結合を示す。 図7は、Na+またはMg2+のさまざまな濃度でのcfDNAのHAPマトリックスへの結合効率を示す。読み出しは、ハウスキーピングHPRT1遺伝子について得られたqPCR Ct値として表される。 図8は、図7に示すものよりも低いMg2+濃度でのHAPマトリックスへのcfDNA結合効率を拡大する。読み出しは、ハウスキーピングHPRT1遺伝子について得られたqPCR Ct値として表される。 図9は、K+またはNH4 +のさまざまな濃度でのcfDNAのHAPマトリックスへの結合効率を示す。読み出しは、ハウスキーピングHPRT1遺伝子について得られたqPCR Ct値として表される。 図10は、さまざまな濃度のKHPO4リン酸バッファーにおけるHAPマトリックスからのDNA断片サイズと溶出効率の相関関係を示す。 図11は、10mL血漿由来のcfDNAで実行され、およびシリカベースの抽出チャンバーを備えたIdyllaカートリッジを使用して、通常の非HAP濃縮1mL血漿サンプルと並べて処理された、遠心分離ベースのHAP抽出プロトコルの効率を示す。溶出した生成物をqPCRで分析した。 図12は、10mLの血漿由来のcfDNAのHAPベースの事前捕捉と、それに続く自動システム(Biocartis Idylla)でのシリカベースの抽出およびシリカ捕捉DNAの事前増幅を含む、完全な連続的なワークフローの可能性を示す。
本発明は添付の独立した請求項で定義される。好ましい態様は従属請求項で定義される。特に、本発明は、自動システムにおいて低コピー数の核酸を検出する方法であって、前記システムは、少なくとも部分的にシリカ固体支持体で満たされた抽出チャンバー、および増幅チャンバーを含む、方法に関し、該方法は以下を含む:
- 自動システムの抽出チャンバーへの低コピー数の核酸を含むサンプルを提供する工程であって、前記抽出チャンバーは、DNA吸着のためのシリカ表面を含み、ヒーターに隣接している、工程、
- 核酸をシリカ表面に吸着させる工程、
- シリカ表面の存在下で核酸の事前増幅を行う工程、
- 事前増幅された核酸をシリカ表面から溶出する工程、
- 事前増幅された核酸を自動システムの増幅チャンバーに送る工程であって、前記増幅チャンバーは抽出チャンバーと流体的に接続されている、工程、
- 前記増幅チャンバー内で事前増幅された核酸を増幅する工程、
ここで、自動システムは、ヒーターに隣接する抽出チャンバーのゾーンを占めるシリカ表面の一部のみに事前増幅反応を配置するように構成され、および、 抽出チャンバー内のシリカ表面の残りの部分を事前増幅反応から実質的に免れるように構成される、方法。
好ましい態様において、その配置(positioning)は圧力制御によって行われる。特に、事前増幅は、ヒーターに隣接する抽出チャンバーのゾーンに配置されたシリカの部分に事前増幅反応を配置するように構成された圧力制御の下で実行され、前記ヒーターに隣接せず、シリカの異なる部分で満たされた抽出チャンバーの別のゾーンは、事前増幅反応が行われないように維持される。最も一般的には、抽出チャンバーの内部容積は、核酸抽出のためのシリカ表面を提供するシリカマトリックスで少なくとも部分的に満たされ、場合によっては完全に満たされるであろう。おそらく、前記シリカマトリックスは、膜として、または任意の幾何学的形状のブロックとして提供され、おそらく抽出チャンバーの内部空間の形状に対応するであろう。シリカ膜は本技術分野でよく知られている。ブロックは、異なるレベルの統合を有する珪質繊維またはビーズで作ることができる。ブロックは、抽出チャンバーの内部容積を完全にまたは部分的に満たすことができる。後者の場合、シリカマトリックスは、抽出チャンバーの内部空間にその中に残るように取り付けられた、任意の予め形成された幾何学的形状のブロックとして提供することができる。そのようなブロックの例としては、例えば、積み重ねられたシリカシートからなる層状構造がありえる。シリカ抽出表面のさまざまな設計が知られており、一般に、樹脂、ビーズ、シートの層のような平行な狭窄(strictures)が含まれる。それらの温度伝導特性は、粒子間の密度、多孔性、および/または空間、ならびにそれらの形状および構造に応じて変化し得る。多孔質シリカは一般に非常に低温の導体であり、特定の生成物の生成を回避するために、事前増幅の熱サイクル条件をすべてのシステムで注意深く微調整する必要がある。増幅チャンバーの壁の材質と厚さも影響する。一般的に、上記の考慮事項を考慮に入れると、ヒーターからの事前増幅チャンバー内のシリカ固体支持体における事前増幅反応の配置は、ヒーターから7、6、または5mmを超えてはならず、好ましくは4mmを超えてはならず、最も好ましくはヒーターから3mmを超えないように制限する必要がある。
別の好ましい態様において、事前増幅は、上の温度値と下の温度値の間の対称的な熱サイクルを含み、シリカの厚いブロックにおける核酸増幅のためのサイクル温度に特に有利な温度プロファイルを提供する。
特に好ましい態様において、上の温度と下の温度のそれぞれは、少なくとも30秒間、好ましくは少なくとも45秒間、最も好ましくは少なくとも1分間保持される。
別の好ましい態様において、事前増幅は、シリカブロッキング成分、好ましくはウシ血清アルブミン(BSA)の存在下で行われる。特定の態様において、ブロッキング成分、好ましくはBSAは、事前増幅バッファーで提供される。後者の好ましい態様において、増幅バッファー中のBSAの濃度は、0.1~5 ug/ul、好ましくは0.2~4 ug/ul、より好ましくは0.5~3ug/ul、最もより好ましくは1~2 ug/ulで構成される。
最も好ましい態様において、低コピー数の核酸を含むサンプルが、生物学的サンプルをヒドロキシアパタイト(HAP)固体支持体と接触させることによって得られた、本発明の方法が提供される。
別の態様において、HAP事前処理だけでも、自動ワークフローで低コピー数の核酸を検出するのに実質的な利点があり、統合ワークフローでその処理をする前の生物学的サンプルを単純化するために概して有利であることを観察したことから、本発明はまた、自動システムで低コピー数の核酸を検出する一般的なHAPベースの方法をも提供するものであり、該方法は以下を含む:
- 低コピー数の核酸を含むサンプルを得るために、生物学的サンプルをヒドロキシアパタイト(HAP)固体支持体と接触させる工程、
- 低コピー数の核酸を含むサンプルを自動システムの抽出チャンバーに提供する工程であって、前記抽出チャンバーは、DNA吸着のためのシリカ表面を含むものである、工程、
- 核酸をシリカ表面に吸着させる工程、および
- 自動システム内で核酸を増幅する工程。
上記態様において、低コピー数の核酸を含むサンプルはHAP固体支持体に捕捉された核酸を溶出した結果である。この溶出は、好ましくはKHPO4を含むリン酸バッファー中で行われることが好ましく、これは継続してより詳細にカバーされる。しかしながら、最適な結果を得るために、上記の態様の最も好ましい態様において、増幅する工程の前に、シリカ表面に吸着した核酸の事前増幅が行われ、および、任意で、事前増幅された核酸を溶出し、および、事前増幅された核酸が抽出チャンバーに流体接続された増幅チャンバーを有する自動システムの増幅チャンバーに送られる。
上記のいくつかの好ましい態様において、生物学的サンプルとHAP固体支持体との接触は、HAPへの核酸の結合を増強する一価または二価カチオンの存在下で行われる。好ましい態様において、生物学的サンプルとHAP固体支持体との接触は、Na+、Li+、またはMg2+カチオンの存在下で行われる。好ましい態様において、カチオンの濃度は0.1M~2Mの間に含まれる。最も好ましい態様において、接触は、0.5Mを超える、好ましくは0.75 Mを超える、最も好ましくは1 Mを超える濃度、および、好ましくは3 M未満、より好ましくは2.5 M未満、最も好ましくは2M以下の濃度でもある、濃度のNa+またはLi+カチオンの存在下で行われる。代替の態様において、接触は、1 Mを超えない濃度、好ましくは0.75 M未満、最も好ましくは1 M未満の濃度、および、好ましくは30nMを超える、より好ましくは45nM以上、最も好ましくは50nM以上の濃度でもある、濃度のMg2+カチオンの存在下で行われる。特定の態様において、生物学的サンプルとHAP固体支持体との接触は、約1Mの濃度のNa+カチオンの存在下および/または約100mMの濃度のMg2+カチオンの存在下で行われる。
本発明の方法のさらに別の態様において、低コピー数の核酸を含むサンプルは、リン酸バッファーでHAP固体支持体に捕捉された核酸を溶出した結果である。後者の好ましい態様において、バッファーのpHは、6.2~7.4の間、好ましくは6.4~7.2の間、より好ましくは6.6~7の間であり、最も好ましくは約6.8である。別の好ましい態様において、リン酸バッファーはKHPO4を含む。好ましい態様において、リン酸バッファー中のKHPO4の濃度は、110mM~500mMの間であり、130mM~170mMの間の範囲は、短いDNA(すなわち、100~500 bpの間の長さ範囲を有するものであり、ほとんどが200bpを超えない)の優先的結合を可能にする。好ましい態様において、溶出は、HAPからすべてのDNA鎖を溶出すると想定される濃度である、0.2~0.5 Mの間のHAP濃度、好ましくは約0.5MのHAP濃度で行われる。
好ましい態様において、本発明の方法は、体液である生物学的サンプルに対して実施される。好ましい態様において、体液は、血漿、血清、血液、尿、CSF、胆汁、唾液などから選択され、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトの体液である。しかしながら、本発明の方法は、培地中またはPBS中などの組織溶解物または細胞懸濁液を含むすべての可能な液体サンプルに適用できることに留意されたい。
最後の態様において、本発明はまた、本発明の方法のいずれかを実行するように適合された自動システム、自動ワークフロー、および/または自動カートリッジに関する。
定義
本明細書で使用される用語「生物学的サンプル」 または単純に「サンプル」は、生物から新たに得られるか(すなわち、新鮮な組織サンプル)、または当技術分野で知られている任意の方法によって保存されるか(例えば、冷凍またはFFPEサンプル)に関係なく、核酸および/または細胞材料を含む様々な生物学的供給源を含むことを意図する。生物学的サンプルの例としては以下を含む:哺乳動物細胞などの細胞の培養物だけでなく真核生物の微生物の培養物、体液、体液沈殿物、洗浄検体、細針吸引物、生検サンプル、組織サンプル、癌細胞、患者から得られた他の種類の細胞、組織由来の細胞、または疾患や感染症の検査および/または治療を受けている個人由来のin vitro培養細胞、または法医学サンプル。体液サンプルの非限定的な例には、全血、骨髄、脳脊髄液(CSF)、腹水、胸水、リンパ液、血清、血漿、尿、乳び、便、射精、喀痰、乳頭吸引液、唾液、綿棒検体、洗浄(wash)液または洗浄(lavage)液、および/またはブラシ検体が含まれる。
本明細書で使用される用語「核酸」およびそれと同等の「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチドモノマー間をホスホジエステル結合によって一つに結合されたリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのポリマーを指す。(デオキシ)ヌクレオチドは、(デオキシ)ヌクレオシドのリン酸化形態であり、最も一般的には、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン、またはウリジンが含まれる。これらのヌクレオシドは、リボースまたはデオキシリボースであるペントース糖と、アデニン、グアニン(これらはプリンである)、シトシン、チミン、またはウラシル(これらはピリミジンである)のいずれかである窒素塩基(「核酸塩基」、または単に「塩基」)からなる。これらの塩基(またはそれらのヌクレオシド、または後者のヌクレオチド)が核酸鎖で続く配列は、「核酸配列」と呼ばれ、慣習的にいわゆる5’末端から3’末端方向で核酸鎖の化学的配向を指す。「5’」は、核酸配列の読み取りが始まる最初の(デオキシ)リボース環の5’炭素への言及に由来し、「3’」は、核酸配列の読み取りが終了する最後の(デオキシ)リボース環の3’炭素への言及に由来する。核酸配列は、例えば、5'- ATATGCC - 3'核酸配列を指すと本明細書で解釈されるべきものであるATATGCCとすることができる。同様の慣習に基づき、後者の配列は配列5' -GGCATAT - 3'、または単にGGCATATと相補的である。核酸には、ゲノムDNA、ミトコンドリアDNAもしくはmeDNA、cDNA、mRNA、rRNA、tRNA、hnRNA、microRNA、lncRNA、siRNA、およびそれらのさまざまな修飾バージョンを包含するDNAおよびRNAが含まれるが、これらに限定されない。核酸は、最も一般的には、さまざまな種類の生物から得られた生物学的サンプルなどの天然源から得ることができる。他方、核酸はまた、既知のヒトが考案した方法(例えば、PCR)のいずれかで合成、組換え、または他の方法で生成することができる。
本明細書において、用語「定量的PCR」または単に「qPCR」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく実験技術の定義が与えられるものであり、標的DNA分子を増幅し、同時に検出または定量化するために使用される。反応の生成物が最後に検出される、つまり熱サイクリングが終了した後に検出される、標準的なPCRとは対照的に、qPCRの重要な特徴は、反応が「リアルタイム」で進行するとき、熱サイクリング中にDNA生成物が検出されることから、qPCRは別名「リアルタイムPCR」と呼ばれる。現在、多くの異なるタイプのqPCRが存在する。例えば、逆転写(RT)工程を開始する場合、qPCRを使用してメッセンジャーRNAの数を定量化することができ、逆転写酵素qPCRまたはRT-qPCRと呼ばれる。本明細書において用語「定量的PCR」または単に「qPCR」 は、逆転写PCR(RT-PCRとも略される)との混同を避けるために、「リアルタイムPCR」または「RT-PCR」という用語よりも優先して使用される。多くのqPCRは、生成物の増幅をリアルタイムで検出するための2つの最も一般的な方法:(a)非特異的蛍光色素と任意の二本鎖DNAのインターカレーション、または (2)プローブとその相補的標的配列とのハイブリダイゼーション後にのみ検出を可能にする蛍光レポーターで標識されたオリゴヌクレオチドからなる配列特異的DNAプローブ、のうちの1つを使用する。熱サイクリング中に生成された蛍光信号は、適切な光学検出システムによって検出され、バックグラウンドしきい値を超えた瞬間から反応がプラトーに達するまで追跡される。標的配列のコピー数は、相対的または絶対的な定量化戦略を使用して、典型的には、得られた増幅曲線の形状を分析すること(標準曲線戦略)によって、または信号があるしきい値を超えたときに決定すること(しばしばCt値と呼ばれるが、これだけでなく、Cp値またはCq値とも呼ばれる)によって推定できる。相対定量では、Ctまたは標準曲線分析を使用して所与のサンプルで推定された標的核酸レベルは、別の参照サンプル、たとえば未処理のコントロールサンプルで同じ標的に対して得られた値との相対値として表される。反対に、絶対定量では、qPCR信号は標準曲線を使用して入力コピー数に関連付けられるか、または、より最近のデジタルPCR法に従って計算することもできる。今のところ最初の戦略はより普及しており、得られた値を以前に作成した標準曲線と比較することによる、標的DNA量の推定に基づく。これらおよび他のqPCR定量化戦略は当技術分野で広く知られており、それらの計算は、所与の用途およびqPCRシステムに応じて、より小さくまたはより大きく異なる可能性がある。
本明細書において、用語「定量的PCRを実行するための手段」は、qPCRを実行するために必要な試薬および要素の最小限の取り合わせ(arrangement)として理解される。それらは通常、核酸の供給源から受け取った核酸テンプレートのリアルタイムPCR熱サイクリングを検出できるいかなる試薬も含む。このような試薬は、qPCRのタイプに依存するがこれらに限定されるものではない、PCRグレードのポリメラーゼ、少なくとも1つのプライマーセット、検出可能な色素またはプローブ、dNTP、PCRバッファーなどが含まれる。さらに、用語「定量的PCRを実行するための手段」は通常、当技術分野で知られている部品の最小限のアセンブリ(assembly)を含み、これは通常、以下を含むがこれらに限定されない:(1)リアルタイム検出可能な熱サイクリングを行うことができる適切なコンパートメント(さらに「qPCR増幅チャンバー」と呼ばれる)。そのようなコンパートメントは、例えば、 核酸を増幅するのに適した、すなわち適切な材料から作られ、十分な内部温度調節を提供するチャンバーによって形成され、また、そのような増幅中に生成された信号のリアルタイム検出を可能にする少なくとも1つの壁、例えば、光透過壁(wall transparent to light)を含む。さらに、(2)さまざまな既存の熱サイクリングマシンから広く知られている、このチャンバー内の温度を変化させるための手段。そして、(3) コンピューターなどに結合された光検出器のような、qPCR熱サイクリング中に生成された信号を検出するための手段。簡単に言えば、そのような最小限のアセンブリは、通常、決められた時間、熱サイクリングqPCRコンパートメント内で熱サイクリング反応を開始および維持し、安定した熱サイクリング条件等を確保するために温度を調整および制御することができるシステム、または、当技術分野で知られている任意のシステムを含む。さらに、また、適切な検出デバイス、データ処理手段(例えば、コンピューターなど)、およびqPCR反応の熱サイクリングをリアルタイムで読み取ってモニターできる出力システム(通常、適切なグラフィックユーザーインターフェイスで反応の進行状況を表示するコンピューター画面)、ならびに、機械の操作のためのおよび/または表示するための、場合によっては得られた結果の解釈を支援するための適切なソフトウェアパッケージも含まれる。
本明細書で使用される、用語「カートリッジ」は、チャンバーおよび/またはチャネルの自己充足型(self-contained)のアセンブリであって、それは、そのようなカートリッジを受け入れまたは接続するのに適したより大きな器具の内側または外側に1つのフィッティング(fitting)として導入または移動することができる単一の物体として形成されるものとして理解されるべきである。カートリッジおよびその機器は、自動システムを形成するものと見なすことができ、自動プラットフォームとも呼ばれる。カートリッジに含まれる一部の部品はしっかりと接続されてもよいが、他の部品はカートリッジの他のコンポーネントに対して柔軟に接続され移動できるものであってよい。同様に、本明細書で使用される、用語「流体カートリッジ」は、流体、好ましくは液体を処置、処理、排出、または分析するのに適した少なくとも1つのチャンバーまたはチャネルを含むカートリッジとして理解されるべきである。そのようなカートリッジの例としてはWO2007004103に記載されている。有利なことに、流体カートリッジは、マイクロ流体カートリッジであり得る。流体カートリッジに関して、用語「下流(downstream)」および「上流(upstream)」は、そのようなカートリッジ内を流体が流れる方向に関連するものとして定義することができる。すなわち、カートリッジ内の流体経路のセクションのうち、流体が同じカートリッジ内の第2のセクションに向かって流れるセクションは、後者の上流に配置されていると解釈される。同様に、先に流体が通過したセクションに対して、後から流体が到達したセクションは下流に配置されている。
カートリッジは、サンプル処理のワークフローの一部を構成する手順の「統合ワークフロー」を実行するアセンブリの一例であり、特定の目的を念頭に置いたサンプルの処理または修正につながる複数の工程である。このことに関して、用語「統合ワークフロー」は、大部分が自動化された方式で実行される一連の処理工程として理解されるべきであり、好ましくは、完全に自動化された(すなわち、自動化されたシステムによって実行される、例えば、ロボットまたは同様の機械または一連の機械またはライン)、または半自動化された(すなわち、大部分は自動化された方法で実行されるが、ユーザーによるわずかな手作業やベンチトップでの関与が必要)1つの部分である。
一般に、本明細書で使用される用語「流体」または時に「マイクロ流体」 は、少なくとも一次元または二次元(例えば、幅と高さまたはチャネル)で小さな、典型的にはサブミリメートルスケールに幾何学的に制約されている流体の挙動、制御、および操作を処理するシステムおよび配置を指す。そのような少量の流体は、小さなサイズと低エネルギー消費を必要とするマイクロスケールで移動、混合、分離、またはその他の方法で処理される。マイクロ流体システムには、マイクロ空気圧システム(圧力源、液体ポンプ、マイクロバルブなど)などの構造、およびマイクロリットルの容量、ナノリットルの容量、およびピコリットルの容量を処理するためのマイクロ流体構造(マイクロ流体チャネルなど)が含まれる。典型的な流体システムはEP1896180、EP1904234、およびEP2419705に記載されており、したがって、本明細書に提示された本発明の特定の実施形態に適用することができる。
上記に沿って、用語「チャンバー」は、少なくとも1つの壁によって定義され、このコンパートメントに起因する機能を実行するために必要な手段を含む、流体またはマイクロ流体アセンブリ内の任意の幾何学的形状の任意の機能的に定義されたコンパートメントとして理解されるべきである。これらに沿って、用語「増幅チャンバー」は、(マイクロ)流体アセンブリ内のコンパートメントであって、核酸の増幅を実行するため、実行に適しており、および前記アセンブリに意図的に提供されるものとして理解されるべきである。増幅チャンバーの例としては、PCRチャンバーおよびqPCR チャンバーが含まれる。同様に、用語「抽出チャンバー」もしくは「核酸抽出チャンバー」、または「単離チャンバー」もしくは「核酸単離チャンバー」、または「精製チャンバー」もしくは「核酸精製チャンバー」は、生物学的サンプルである可能性のある核酸の供給源から核酸を抽出、単離、または精製する手段、および、増幅および/または検出などの下流分析に適したある形態(例えば水溶液)で前記核酸を提供する手段を含む、流体またはマイクロ流体アセンブリ内のコンパートメントを指す同義語として理解されるべきである。DNAを処理するために適合されたそのようなチャンバーの特定のタイプは、本明細書では「DNA抽出チャンバー」または「DNA単離チャンバー」または「DNA精製チャンバー」と呼ばれるものとし、これらは全て同義語として扱われるものとする。本明細書の特定の目的のため、特に明記しない限り、そのような「抽出/単離/精製チャンバー」を指す用語は、ブーム(Boom)抽出法の原理に従って核酸を抽出/単離/精製するのに適したシリカマトリックスを含むものとして暗黙のうちに理解されるべきである。注目すべきことに、用語「ブーム(Boom)法」は、シリカを使用する固相核酸抽出戦略を指すものとして当技術分野でよく知られ明確であり、参考として、例えば、US5234809またはEP0389063、およびR Boom, C J Sol, M M Salimans, C L Jansen, P M Wertheim-van Dillenand J van der Noordaa;"Rapid and simple method for purification of nucleicacids."J. Clin. Microbiol. March 1990 vol. 28 no. 3 495-503が挙げられる。
最後に、本明細書で使用される用語「事前増幅」、特に図面で略される「pre-amp」は、機能的に定義された増幅チャンバー内の統合ワークフロー内で実行される別の核酸増幅プロトコルに先行する任意の核酸増幅プロトコルを指すと広く解釈されるべきである。特に、本明細書の文脈では、用語「事前増幅」は、「抽出/単離/精製チャンバー」で実行される事前増幅プロトコルを指す場合がある。
半自動または完全自動の分子診断システムを使用する場合、システムに適切な反応コンパートメントを装備する必要があるため、事前増幅プロトコルの実装が難しい場合がある。本発明の一部として、我々は、核酸抽出/精製チャンバー内での核酸のシリカ捕捉形態で直接核酸の堅牢な増幅を可能にする方法を考案することによって、この必要性を回避した。明確にするために、既存のシステムのほとんどがDNA増幅を使用して、アッセイ実行の最終段階で核酸標的を検出するという事実があることから、シリカ固体支持体での前記増幅を本明細書ではさらに「事前増幅」と呼ぶ。
本発明の方法は、熱サイクルプロファイルがシリカの不十分な熱伝導率のバランスをとるのに十分に特異的になり、堅牢なPCRを実現する、ヒーターから近い位置に配置する事前増幅反応混合物の圧力ベースの容量制御に依存する。抽出チャンバーの特性および寸法に応じて、本発明の方法の事前増幅効率および特異性は、シリカ表面上で対称的な熱サイクリングを実行することによって、およびPCRバッファーの内容物を微調整することによってさらに改善することができる。本明細書に提示される方法は、核酸処理のためのシリカベースの抽出チャンバーを含む任意の完全自動システムに統合される可能性を有する。
本明細書で提示される解決策の利点は、事前増幅のために予見される明確な場所がない固定構成の使い捨てカートリッジで事前増幅プロトコルを可能にすることにより、確立された自動および半自動ワークフローにおける低コピー数標的核酸の検出に影響を与える確率的効果の除去することを含む。本方法は、特別な機器やインフラストラクチャを必要としない完全統合アプローチを提供し、その統合された性質のために、アンプリコン汚染の可能性をさらに低減する。専用の事前増幅コンパートメントを含む既存のシステムとは対照的に、我々のアプローチのさらなる利点は、事前増幅が固体抽出支持体上の抽出チャンバーで直接行われ、それによりダウンストリームへの移動および/またはデッドボリュームのために材料を失う可能性をさらに最小限に抑える。
本発明の方法の原理的アプローチの証明は、Biocartis NV に属する Idylla(商標) カートリッジを使用して実証することができるが、当業者に明らかであるように、シリカでの核酸抽出を含む任意の市販の統合システムに適用することができる。本実施例において、ヒト血漿は、Biocartis NV独自のBRAF変異検出カートリッジを使用して、完全に自動化された方法で分析した。このカートリッジの抽出チャンバーには、複数のシリカシートが詰められ、入口と出口の両方がシリンジで閉じられている。サンプル抽出中に、DNAはシリカ膜に選択的に結合し、夾雑物は洗い流される。使用した結合バッファーには3.68M GuSCNと43% ButOHが含まれているが、シリカシートの洗浄工程は90%エタノールで行われた。洗浄後、膜を熱風で乾燥させた。 続いて、シリンジを使用して、自動化された方法で特定量のPCRバッファーをシリカ膜に正確に投入した。保存上の理由から、PCR バッファー成分は、カートリッジ内にスポットされ、乾燥または凍結乾燥された形で提供できるが、溶液で提供することもできる。圧力ベースのアプローチにより、PCR バッファーをシリカに正確に注入し、シリカで捕捉されたすべてのDNAを通過させてアドレスすることができ、これにより、熱サイクルプロファイルが最も有望な抽出チャンバーの特定の領域に反応量を制限することができる。
実証実験(proof-of-concept)の実施例において、抽出チャンバーはアルミニウム製のカップにドッキングされている。カップの温度はペルチェ素子で制御される。カップの対称的な熱サイクリングは、堅牢な方法で標的DNAの事前増幅を可能にするためには、特定の抽出チャンバーの設計に適用する最も適切な戦略であることがわかった。図1は、典型的な熱サイクリング中の抽出膜の異なる領域にわたる温度勾配を説明する。一番上の連続した灰色の線は、ペルチェ素子によって制御される熱源として機能する抽出カップの温度を表す。この図から、抽出チャンバーの限られた領域のみが、機能的 DNA熱サイクリングに適した温度変化プロファイルを可能にすることが明らかになる。
典型的には、上部と下部の温度は、限られたサイクル数の間、少なくとも1分間、設定点に保持される(13)。熱サイクリングプロファイルは以下のとおりだった:
ホットスタート: 300秒 109℃
+13サイクル;
変性: 60秒 109℃で
アニーリング: 60秒 47℃で

増幅されたDNA は、室温で抽出チャンバーを水やPCRバッファーなどの低イオン強度溶液で洗い流すことで回復できる。
図2は、シリカ膜への特定量のPCRバッファーの正確な投入の例を示す。写真は、異なる量のデキストランブルー溶液を投入されたカートリッジの抽出チャンバーを示す。投入量は自動化され、圧力ベースで行われる。この特定のカートリッジモデルにおいて、カートリッジの後端多岐管(back end manifold)から注入される 90μL の容量は、捕捉されたすべてのDNAに対応すると同時に、反応容量を抽出チャンバーの特定の領域に制限する。当然のことながら、異なるカートリッジモデルでは、最適な結果を得るために、異なる投入量を推定しなければならない場合があるが、これは、当業者であれば理解できることであり、当業者の能力の範囲内である。
次に、シリカ抽出および事前増幅されたDNAは、その後、カートリッジの混合チャンバーに向かって 250μLの総量で溶出される。この混合物の10分の1は、BRAF遺伝子を標的とする下流のqPCRアッセイで対処される。図3は、本発明による事前増幅工程を含む標的BRAF V600変異アッセイの概略図を示す。矢印は、事前増幅とqPCR工程の両方で使用されるプライマーを表す。上述のとおり、外側のアンプリコンは、カートリッジ抽出チャンバーで13サイクル事前増幅される。内部qPCRアンプリコンは、次の試薬と条件を使用して増幅および検出される:
ホットスタート: 5分95℃
+50 サイクル;
変性: 5秒 95℃で
アニーリング: 2秒 65.5℃で
19秒 64℃で

PCR バッファー組成:
50mM KCl 10mM Tris pH 8.6
3mM MgCl2
0.2mM dNTPミックス
0.2U/μL ファストスタート(Faststart)
500nM プライマー
250nM プローブ

プライマー配列を含む詳細はBisschop et al. Melanoma Research 2018;28(2):96-104で見出すことができる。
図4は、時間の経過に伴う事前増幅効率の変動を説明する。各プロットは、1回の実験でのサンプルの繰り返しのセットを表す。ダウンストリームqPCRアッセイのCt値が示される。これらの結果は、シリカ膜への PCRバッファーの不正確な投入に基づいて得られた。これにより、事前増幅(preamp)の効率が変化した。
上記とは対照的に、図5は、圧力ベースのアプローチにより投入精度が向上した場合の、事前増幅を含むワークフローの堅牢性の向上を示す。ダウンストリームqPCR の蛍光読み出しが視覚化されている。ダウンストリームアッセイでは、事前増幅された生成物の1/10のみが処理される。アスタリスクでマークされた曲線は、事前増幅がワークフローに実装されたサンプルを表す。四角でマークされた信号曲線は、前増幅なしの同様のワークフローを表す。13サイクルの事前増幅により、非常に満足のいく10のCtシフトが得られ、これは、多くの場合、他の方法では見逃される低コピー数の標的検出を可能にするのに十分以上の値である。
多くの統合プラットフォームは、シリカベースの抽出方法を利用する。しかしながら、上述のとおり、ブーム(Boom)抽出方法には大量のバッファーが必要であり、POC装置は好ましくは携帯型のサイズのコンパクトなものである必要があるため、ほとんどの自動システムは限られたサンプル量しか受け入れられない。結果として、大容量のサンプルを扱うことができ、追加の結合剤をほとんど、または全く必要としない核酸単離メカニズムの高い必要性がある。上記の事前増幅方法論を補足するために、大量の血漿 (>10 mL) からのDNAの効率的な単離を提供する迅速なヒドロキシアパタイトベースのDNA事前捕捉プロトコルをさらに設計した。我々の方法論(必要性と与えられたシステムのタイプに依存)では、半自動ワークフローの一部として、補足のベンチトップ遠心分離ベースの手順として、または完全自動ワークフローの一部として、カートリッジ内で直接、または特定の容量に対応するモジュールをカートリッジに結合することにより実装できる。
我々が開発したHAP方法は、本発明の事前増幅ベースの方法においておよび一般に、低コピー数の標的検出をさらに強化する。本HAPベースのDNA単離方法は、どのような形でもバッファーや固体塩およびHAP以外のものをいかなる形でも追加を必要としない。HAP のほとんどの市販のバッチを使用できるため、本方法は一般的である。その単純さのために、本方法は複数の異なる生物学的な体液で実行される可能性がある。後者は無傷の細胞を含むこともあり、HAPとのインキュベーション中に使用されるカチオンの種類と濃度によっては、本方法では、細胞やそのなかに含まれる核酸を結合せずに、無細胞DNA(cfDNA) 画分のみを濃縮できる可能性がある。核酸溶出法は、ダウンストリームのシリカ抽出との互換性を最大限に高めるように最適化されている。実証実験のDNA溶出は、高リン酸カリウム塩濃度 (0.2~0.5 M) で実行され、HAP固体支持体のカルシウムグループに結合したすべてのDNAの最高の溶出効率を保証する。ダウンストリームのPCRに対するこれらの高いリン酸塩濃度の悪影響は、後続のシリカベースの精製(clean up)を実行することによって打ち消される。この組み合わせたアプローチのおかげで、妥協する必要はなく、シリカ上でのHAP抽出と事前増幅の両方を1つの継続的な統合ワークフローの一部として実行できる。
HAPベースの事前処理方法は、核酸の結合と溶出の2つの工程を含み、過剰量のHAPを使用することなく数分以内に完了する。典型的なHAPの市販の懸濁液は、1/20以下の量で追加できる。条件は、DNAおよびヌクレオソームの高い特異性に最適化できる。特定の濃度の Mg2+ および Na+ 対イオンの添加により、血漿タンパク質の結合はほとんどない。血漿溶出液からのODスペクトルは、純粋なDNAのODスペクトルに似ていることからもわかるように、260 nm付近に最大の吸収があり、タンパク質のトリプトファン吸収を示す280 nm 付近にほとんど吸収がない。特定の濃度のMg2+を対イオンとして使用すると、破壊的な添加剤や加熱を使用することなく、短いDNA (<200bp) およびヌクレオソームでさえもHAPへの結合を最大化することができる。溶出された生成物は、リン酸バッファーに溶解したcfDNAなどの比較的精製された核酸で構成されおり、これは、ほとんどの市販のダウンストリームサンプル精製方法と互換性があり、沈殿する傾向がはるかに低いため、タンパク質および/または細胞破片を含むライセートを流体またはマイクロ流体プラットフォームで処理するよりも簡単である。
市販のほとんどのcfDNA抽出キット(すなわち、QIAGEN の QIAamp)はシリカベースであり、生物学的サンプルから大量のタンパク質を除去するために、時間と費用のかかるプロテイナーゼK消化工程が必要である。ヒドロキシアパタイトベースの事前捕捉を組み込むことで、シリカ抽出の前に前記タンパク質を除去し、プロテイナーゼK消化を冗長にすることで、サンプルを単純化する。事前捕捉技術はまた、サンプル量のn倍の削減を提供し、必要なカオトロピックバッファーの量を減らすことにより、携帯型装置でのダウンストリームシリカ抽出との互換性を可能にする。
最初の工程として、10 mLの血漿サンプルから cfDNAを迅速かつ効率的に100%まで抽出できる遠心分離ベースのベンチプロトコルを設計した。第1に、20 μLの典型的な市販のHAP懸濁液(すなわち、バッファー水性懸濁液、総固形分 25.7%)が、50 mLファルコンチューブ内の 10 mLの血漿に加えられる。HAPマトリックスの反応表面および結合容量が大きいため、HAP懸濁液のバッチ間およびバッチ内の変動はわずかである。サンプル量は簡単にスケールアップまたはスケールダウンできる。その後、またはすぐにHAPとサンプルの混合物に適切な塩が含まれるが、これは、タンパク質に結合するその高い親和性よりも、核酸に結合するHAPの親和性を高めるために必要である。
DNAのHAPへの効率的な結合を確実にするために、例えば1M NaClおよび100mM MgCl2を血漿およびHAP混合物に固体形態で加えることができる。これらの塩の量が多いと、cfDNAとHAPの効率的な結合が可能になる。これは、HAP抽出血漿サンプルの上清中の非結合cfDNA画分の OD260 測定値を示す図6に示される。DNAの検出が少ないほど、より効率的な結合を示す。図6から、二価イオン (Mg2+)の寄与が結合効率に明らかに有利であると結論付けることもできる。他の一価または二価の塩(図7~9)またはそれらの組み合わせをテストしたところ、Na+および/または Mg2+(図7および 8)、おそらくは Li+(データは示さず)に対しては最良の効果が得られ、たとえば K+または NH4+(図9)はHAPへの DNA結合を増強しないと結論付けられた。サンプルをHAPおよび選択した塩と適切に混合した後、混合物は室温で1分間インキュベートされる。反応は、サンプルを 3000rpmで30 秒間遠心分離することにより終了する。その後、上清はcfDNA が結合しているHAPペレットから除去される。
次に、HAPペレットを選択した量のリン酸含有バッファーに溶解する。本実施例において、HAPペレットはpH 6.8の0.5MKHPO4 1mL に溶解し、室温で1分間インキュベートした。この後、HAPは(例えば、遠心分離またはろ過により)除去することができ、cfDNAを含む溶出液は、例えば、上で説明したような自動ワークフローで、さらなる分析にかけることができる。
図10は、HAPマトリックスからのDNAの溶出は、DNA断片のDNA鎖のサイズに相関することを示す。DNA 鎖が長いほど、リン酸骨格が長くなり、HAPマトリックスに対する親和性が高くなる。このようなDNA鎖を効率的に溶出するには、より高いリン酸濃度が必要である。リン酸イオンは、HAPマトリックス上のカルシウムイオン結合部位についてDNAと競合する。本実施例では、非常に高速で効率的な DNA溶出を提供する0.5M のリン酸濃度を使用することにした。さらに、溶出された生成物の密度は、ダウンストリーム処理およびカートリッジの流体経路に沿った輸送に非常に適合する。例えば、サンプル密度は、ブーム(Boom)プロトコルで使用されるカオトロピックバッファーとの混合効率にとって非常に重要であり、当業者が本発明の範囲内で容易に適応することができる特徴である。
図11は、遠心分離ベースのHAP抽出プロトコルの効率を説明する。血漿サンプル10mL からの cfDNA を事前捕捉し、pH 6.8の0.5M KHPO4 1mLに濃縮した。次に、濃縮サンプルを Idylla(商標) カートリッジ内で、通常の1mL 血漿サンプルと並行してシリカベースの抽出で処理した。溶出された生成物は、上記のとおりqPCRによって分析された。qPCR曲線は、溶出液中のDNA濃度の相対的な定量化を提供する。定義上、標的の10 倍の増加は3.3 のCtシフトに対応する必要があり、これは、10mLのサンプルの信号を1mLのサンプルの信号と比較した場合の本実験から観察できる。これは、本明細書で提示されたHAP抽出プロトコルの抽出効率がおよそ100%であることを示す。
最後に、事前増幅とHAP抽出を組み合わせた完全な連続的なワークフローの結果が図12に示される。結果は、10 mLの血漿からの cfDNAのHAPベースの事前捕捉した後、上記のように捕捉されたDNAのシリカベースの抽出および事前増幅を含めて得られた。このグラフは、ダウンストリーム分析で検出された標的コピーの堅牢で大幅な増加を明らかに示す。サンプル量と事前増幅サイクルの量は簡単に増減できるが、これらの実証実験の結果は、本方法論が自動または半自動ワークフローでリキッドバイオプシー由来の少ないロードのcfDNAの回復を最大化できることを明確に示す。
したがって、本発明は、非常に希釈された、または大量の液体サンプルからでも、シリカベースの核酸抽出が使用される自動ワークフローで低コピー数の核酸を検出する大きな可能性を示す。本明細書で提供されるシリカ捕捉DNAの圧力制御事前増幅は、幅広いアプリケーションにおけるアップストリームサンプル濃縮に使用でき、本質的にダウンストリーム分析の感度を向上させる。これは、複数の反応ウェルにサンプルを分配する必要がしばしばある、次世代シーケンシング(NGS) またはリアルタイムPCRの場合がある。一方、ヒドロキシアパタイトベースの高速cfDNA抽出プロトコルは、抽出効率を失うことなく、大量の生体液の処理を可能にする。溶出された生成物は、0.5M KHPO4バッファーに溶解されたきれいなcfDNAで構成されており、ほとんどの市販のダウンストリームサンプル精製プラットフォームと互換性がある。したがって、本発明の態様は、多くの既存および将来の(半)自動分子診断プラットフォームに適用され、連続的なワークフローと感度を大幅に改善する可能性がある。
図面の用語
Temperature 温度
Solid 固体
TEC Av Temperature TEC平均温度
Chamber Bottom Temperature チャンバー下部温度
Chamber Frit Temperature チャンバーフリット温度
Inlet Top Temperature 入口上部温度
Inlet Bottom Temperature 入口下部温度
Chamber Membrane Temperature チャンバー膜温度
Chamber Top Temperature チャンバー上部温度
Outlet Channel Temperature 出口チャンネル温度
Physical time [s] 物理的な時間[秒]
pre-amplification 事前増幅
cartridges カートリッジ
Variation over time 経時変化
undiluted 希釈されていない
plasma 血漿
phosphate リン酸塩
%DNA eluted 溶出されたDNAの%
Phosphate concentration リン酸塩濃度
Short DNA 短いDNA
genomic DNA ゲノムDNA
pre-capture 事前捕捉
10-fold dilution 10倍希釈
Offset Drift corrected オフセットドリフト補正
Corrected cycle 修正サイクル

Claims (15)

  1. 抽出チャンバーおよび増幅チャンバーを含む自動システムにおいて低コピー数の核酸を検出する方法であって、該方法は、
    - 自動システムの抽出チャンバーへの低コピー数の核酸を含むサンプルを提供する工程であって、前記抽出チャンバーは、DNA吸着のためのシリカ表面を含み、ヒーターに隣接している、工程
    - 核酸をシリカ表面に吸着させる工程、
    - シリカ表面の存在下で核酸の事前増幅を行う工程、
    - 事前増幅された核酸をシリカ表面から溶出する工程、
    - 事前増幅された核酸を自動システムの増幅チャンバーに送る工程であって、前記増幅チャンバーは抽出チャンバーと流体的に接続されている、工程、
    - 前記増幅チャンバー内で事前増幅された核酸を増幅する工程、
    を含むものであって、自動システムは、ヒーターに隣接する抽出チャンバーのゾーンを占めるシリカ表面の一部のみに事前増幅反応を配置するように構成され、および、
    抽出チャンバー内のシリカ表面の残りの部分を事前増幅反応から実質的に免れるように構成される、方法。
  2. 配置が圧力制御によって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 事前増幅は、上の温度と下の温度の間の対称的な熱サイクルを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 上の温度と下の温度のそれぞれは、少なくとも30秒間、好ましくは少なくとも45秒間、最も好ましくは少なくとも1分間保持される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 低コピー数の核酸を含むサンプルが、生物学的サンプルをヒドロキシアパタイト固体支持体と接触させることによって得られたものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 生物学的サンプルとヒドロキシアパタイト固体支持体との接触は、Na+、Li+、またはMg2+カチオンの存在下で行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 低コピー数の核酸を含むサンプルはヒドロキシアパタイト固体支持体に捕捉された核酸をリン酸バッファー、好ましくはKHPO4を含むリン酸バッファーで溶出した結果である、請求項6に記載の方法。
  8. 生物学的サンプルは体液である、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 体液は、血漿、血清、血液、尿、CSF、胆汁、唾液から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 自動システムで低コピー数の核酸を検出する方法であって、該方法は、
    - 低コピー数の核酸を含むサンプルを得るために、生物学的サンプルをヒドロキシアパタイト(HAP)固体支持体と接触させる工程、
    - 低コピー数の核酸を含むサンプルを自動システムの抽出チャンバーに提供する工程であって、前記抽出チャンバーは、DNA吸着のためのシリカ表面を含むものである、工程、
    - 核酸をシリカ表面に吸着させる工程、および
    - 自動システム内で核酸を増幅する工程、
    を含む、方法。
  11. 生物学的サンプルとヒドロキシアパタイト固体支持体との接触は、Na+、Li+、またはMg2+カチオンの存在下で行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 低コピー数の核酸を含むサンプルはヒドロキシアパタイト固体支持体に捕捉された核酸をリン酸バッファー、好ましくはKHPO4を含むリン酸バッファーで溶出した結果である、請求項11に記載の方法。
  13. 増幅する工程の前に、シリカ表面に吸着した核酸の事前増幅が行われ、および、任意で、事前増幅された核酸を溶出し、および、事前増幅された核酸が抽出チャンバーに流体接続された自動システムの増幅チャンバーに送る、請求項10~14のいずれか1項に記載の方法。
  14. 生物学的サンプルは体液である、請求項10~14のいずれか1項に記載の方法。
  15. 体液は、血漿、血清、血液、尿、CSF、胆汁、唾液から選択される、請求項14に記載の方法。
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