JP2022511173A - 癌療法のための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、血液悪性腫瘍を有する患者を含む癌を有する患者を治療するための方法であって、方法が、患者に治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩(式中、R1及びR2は、本明細書に定義されるとおりである)を投与することを含む方法に関する。JPEG2022511173000024.jpg29151

Description

本発明は、血液悪性腫瘍を有する患者を含む、癌を有する患者を治療するための方法に関する。
癌は、世界全体にわたって社会に大きな影響を与えている。癌は、ヒトの死に関与する心血管疾患の次に最も一般的な原因である。国立癌研究所(National Cancer Institute)は、2015年において、およそ1,658,370件の癌の新規の症例が米国において診断されることになり、589,430名の人々がその疾患で死亡することになると推定している。
慢性骨髄性白血病(CML)は、骨髄の特定の血液形成細胞から始まる癌の一種である。CML細胞は、正常細胞において見出されない異常遺伝子のBCR-ABLを含有する。この遺伝子は、CML細胞を制御不能に増殖させ、且つ再生させるタンパク質であるBCR-ABLを産生する。BCR-ABLは、チロシンキナーゼとして知られるタンパク質の一種である。BCR-ABLを標的化するチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)として知られる薬物が、CMLのための標準治療である。
イマチニブ(グリベック(登録商標))は、CMLを治療するためにBCR-ABLチロシンキナーゼタンパク質を特異的に標的化する最初の薬物である。しかしながら、イマチニブに対する後天的耐性の出現は、CMLの臨床管理における主要な課題となっている。100を超える耐性関連BCR-ABL変異体が、診療所において同定されており、その中の「ゲートキーパー」T315Iは、全ての後天的変異体のおよそ15~20%を占めるため、最も一般的な変異である。Ren et al.,J.Med Chem.2013,56,879-894。
イマチニブ耐性を克服するための第二世代のBCR-ABL阻害剤の同定に多大な努力が払われてきた。それにもかかわらず、第二世代の阻害剤は、最も難治性のBCR-ABLT315I変異体を阻害できない。BCR-ABLT315Iに誘導される薬物耐性は、CML治療について未だ対処されていない臨床的課題のままである。したがって、新規且つより効果的な治療のために継続的な必要性がある。本発明の方法は、癌患者に新たな選択肢を提示する。
本発明は、患者において癌を治療するための方法であって、患者に治療有効量の式(I)の化合物:
Figure 2022511173000002
又はその薬学的に許容される塩(式中、Rは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキルオキシ、又はフェニルであり;且つRは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、又はハロゲンである)を投与することを含む方法に関する。
ある種の実施形態では、癌は、血液悪性腫瘍である。
ある種の実施形態では、血液悪性腫瘍は、慢性骨髄性白血病を含む白血病である。
ある種の実施形態では、方法は、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する患者の治療におけるものである。
ある種の実施形態では、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する患者は、BCR-ABL変異によるものである。
ある種の実施形態では、BCR-ABL変異は、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWT変異である。
ある種の実施形態では、BCR-ABL変異は、T315I変異である。
ある種の実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、そのような治療を必要とする患者に経口投与される。
ある種の実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、28日の治療周期の間1日おきに(QOD)1回投与される。
一実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-A)の化合物:
Figure 2022511173000003
又はその薬学的に許容される塩である。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgの量で1日おきに1回投与される。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、約12mg又は約20mgの量で1日おきに1回投与される。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、約30mg、約40mg、又は約45mgの量で1日おきに1回投与される。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、約50mg又は約60mgの量で1日おきに1回投与される。
ある種の実施形態では、本発明は、BCR-ABL変異体を阻害する方法であって、式(I)の化合物又はその塩をBCR-ABL変異体と接触させること含み、BCR-ABL変異体が、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWTである方法に関する。
ある種の実施形態では、本発明は、BCR-ABL変異体を阻害する方法であって、式(I)の化合物又はその塩をT315Iから選択されるBCR-ABL変異体と接触させることを含む方法に関する。
ある種の実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病を含む血液悪性腫瘍を治療するための式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬又は医薬組成物を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病を含む血液悪性腫瘍の治療のための医薬の製造における式(I)若しくは式(I-A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
第1相試験における式(I-A)の化合物の有効性(CHR n%)を示す。 第1相試験における式(I-A)の化合物の有効性(MCyR n%)を示す。 第1相試験における式(I-A)の化合物の用量(CP)による有効性(MCyR n%)を示す。 第1相試験における式(I-A)の化合物のMMR(MCyR n%)を示す。 第1相試験における式(I-A)の化合物の血漿濃度-時間プロファイルを示す。 第1相試験における式(I-A)の化合物の有効性を示す。 実施例2のCML-CP患者における式(I-A)の化合物の奏功率及び効果の深さを示す。 CML患者における式(I-A)の化合物の無増悪生存(PFS)率を示す。 BCR-ABLT315Iを発現するBa/F3担腫瘍マウスの生存に対する式(I-A)の化合物の効果を示す。
本明細書で引用される全ての公開文献は、ここでそれらの全体として参照により本明細書に組み込まれる。
特に他で定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術的用語及び科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同様の意味を有する。
用語「約」は、本明細書においてほぼ、付近、およそ、又はあたりを意味するように使用される。用語「約」が数値の範囲とともに使用される場合、それは、記載された数値の上下の境界を拡張することによって当該範囲を修飾する。一般に、用語「約」は、本明細書において10%の変動性によって指定された値の上下の数値を修飾するように使用される。
用語「含む」は、「~を含むが、これらに限定されない」を指す。
本明細書で使用する場合、用語「治療」、「治療する」、及び「治療すること」は、疾患若しくは障害、又はその1つ以上の症状を反転させるか、軽減するか、その発症を遅らせるか、又はその進行を阻害することを指し、治療効果を含むがそれに限定されない。いくつかの実施形態では、治療は、1つ以上の症状が発症した後に施される。いくつかの実施形態では、治療は、症状がない場合に施されてもよい。例えば、治療は、(例えば、症状の履歴に照らして及び/又は遺伝的若しくは他の易罹患性因子に照らして)症状の発症の前に対象に施されてもよい。治療はまた、症状が回復した後、例えば、それらの再発を予防するか又は遅らせるために継続されてもよい。
治療効果は、癌などの治療されている根本的な障害の根絶及び/又は改善を含み;それはまた、根本的な障害と関連する症状の1つ以上の根絶及び/又は改善を含み、その結果、改善が対象において観察されるが、それにもかかわらず対象は、根本的な障害に依然として苦しめられる場合がある。いくつかの実施形態では、「治療」又は「治療すること」は、以下のうちの1つ以上を含む:(a)障害を阻害すること(例えば、障害からもたらされる1つ以上の症状を低減すること、及び/又は障害の程度を減少させること);(b)障害と関連する1つ以上の症状の発症を緩徐化するか又は阻止すること(例えば、障害を安定させること及び/又は障害の悪化又は進行を遅らせること);及び/又は(c)障害を緩和すること(例えば、臨床症状の退行をもたらすこと、障害を改善すること、障害の進行を遅らせること、及び/又は生活の質を向上させること)。
本明細書で使用する場合、式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩を「投与すること」又はその「投与」は、例えば、本明細書に記載されるとおりの任意の好適な製剤又は投与経路を使用して、化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はそのプロドラッグ若しくは他の薬学的に許容される誘導体の患者への送達を包含する。
本明細書で使用する場合、用語「治療有効量」又は「有効量」は、障害を治療するために対象に投与する場合に、障害のそのような治療をもたらすのに十分な化合物の量を含む、所望の生物学的又は医学的応答を誘発するのに有効な量を指す。有効量は、治療されることになる対象の障害、及びその重症度、並びに年齢、体重などに依存して変動することになる。有効量は、1回以上の投与であってもよい(例えば、単回投与又は反復投与が、所望の治療エンドポイントを達成するのに必要となる場合がある)。有効量は、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて所望の結果又は有益な結果が達成され得るか又は達成される場合に、有効量で与えられると考えられ得る。同時投与される任意の化合物の好適な用量は、化合物の組み合わされた作用、相加効果又は相乗効果のために任意選択により低減される場合がある。
本明細書で使用する場合、障害の発症を「遅らせること」は、障害の発症を延期し、妨げ、緩徐化し、安定化し、且つ/又は先に延ばすことを意味する。遅延は、様々な期間であってもよく、疾患の履歴及び/又は治療されている個体に依存する。
本明細書で使用する場合、投与が検討される「患者」は、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性又は女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、青年)又は成人対象(例えば、若年成人、中年成人又は高齢の成人))及び/又は他の霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される」又は「生理的に許容される」は、獣医学的使用又はヒトにおける薬学的使用に好適な医薬組成物を作製する際に有用である化合物、塩、組成物、剤形及び他の材料を指す。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される塩」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わずに、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに適し、妥当な利益/リスク比に相応する塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野でよく知られている。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66、1-19において詳細に薬学的に許容される塩を記載している。化合物1の薬学的に許容される塩は、好適な無機及び有機酸並びに塩基から誘導されるものを含む。薬学的に許容される、非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸などの有機酸により形成されるか、或いはイオン交換などの当該技術分野において使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。薬学的に許容される対イオンは医薬製剤を作製するのに好ましいであろうが、他のアニオンは合成中間体としてかなり許容される。したがって、それはヨウ化物、シュウ酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩などの薬学的に望ましくないアニオンであってもよく、この場合、そのような塩が化学的中間体である。
本明細書で使用する場合、アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、又はtert-ブチルを指す。アルキル基は、置換される場合があるか又は置換されない場合がある。
本明細書で使用する場合、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを指す。シクロアルキル基は、置換される場合があるか又は置換されない場合がある。
本明細書で使用する場合、アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、又はtert-ブトキシを指す。アルコキシ基は、置換される場合があるか又は置換されない場合がある。
本明細書で使用する場合、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
本明細書で使用する場合、式(I)の化合物は、以下の構造:
Figure 2022511173000004
(式中、Rは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキルオキシ、又はフェニルであり;且つRは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、又はハロゲンである)を有する。
本明細書で使用する場合、式(I-A)の化合物は、以下の構造:
Figure 2022511173000005
を有する。
(I-A)の化合物の化学名は、3-(2-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)エチニル)-4-メチル-N-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-ベンズアミドである。
本明細書で使用する場合、式(I)又は(I-A)の化合物は、任意の互変異性形態を含む。非限定的な例として、互変異性化は、ピラゾール及びピリミジン基において起こり得る。
式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、全体として及び全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる2014年9月30日に登録された米国特許第8,846,671B2号明細書に記載される作製方法、又はそれに類似する方法に従って得ることができる。
式(I)又は(I-A)の化合物は、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWTを含む広範囲のBCR-ABL変異に対する新規の選択的且つ強力な阻害剤である。
式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩はまた、KIT、BRAF、DDR1、PDGFR、FGFR、FLT3、RET、SRC、TIE1、及びTIE2を含む他のキナーゼに対する強力な阻害剤である。
また、本明細書では、式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物及び剤形が提供される。本明細書で提供される組成物及び剤形はさらに、1種以上の追加の活性成分を含んでもよい。式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、記載されるとおりの医薬組成物の一部として投与され得る。
いくつかの実施形態では、患者における血液悪性腫瘍のための方法であって、患者に治療有効量の式(I)の化合物:
Figure 2022511173000006
又はその薬学的に許容される塩(式中、Rは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキルオキシ、又はフェニルであり;且つRは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、又はハロゲンである)を投与することを含む方法が提供される。
ある種の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-A)の化合物:
Figure 2022511173000007
又はその薬学的に許容される塩である。
ある種の実施形態では、血液悪性腫瘍は、慢性骨髄性白血病を含む白血病である。
ある種の実施形態では、方法は、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に耐性である慢性骨髄性白血病を有する患者の治療におけるものであり、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対する耐性は、BCR-ABL変異によって引き起こされる。
既存のチロシナーゼ阻害剤の例としては、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ、ポナチニブ、又はバフェチニブが挙げられるが、これらに限定されない。
ある種の実施形態では、BCR-ABL変異は、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWT変異である。
ある種の実施形態では、BCR-ABL変異は、T315I変異である。
本発明のより好ましい実施形態では、本発明の方法は、ポナチニブに耐性の血液悪性腫瘍を治療するための方法に関する。
ポナチニブは、T315I変異を有する慢性骨髄性白血病(CML)、Ph+ALL(フィラデルフィア染色体陽性ALL)、並びに他のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対して応答しないCML及びPh+ALLの治療のためのBCR-ABLの第三世代の阻害剤である。ポナチニブは、大部分のBCR-ABL単一変異に対して臨床的に活性であるが、一部の患者は依然としてポナチニブに対して一貫して応答しない(Cortes JE et al.A phase 2 trial of ponatinib in Philadelphia chromosome-positive leukemias.N Engl J Med.2013;369(19):1783-96を参照のこと)。試験は、BCR-ABLの複合変異が、ポナチニブに対するCML及びPh+ALLの臨床的な薬物耐性に関与し得ることを示した。例えば、Ph+ALLにおいて、E255V/T315I二重変異は、T315I単一変異と比較して20倍の耐性をもたらす場合があり、Q252H/T315I、T315I/M351I及びT315I/F359Vなどの他の複合変異もまた、ポナチニブに対する感受性が比較的低い(Zabriskie MS,et al.BCR-ABL1 compound mutations combining key kinase domain positions confer clinical resistance to ponatinib in Ph chromosome-positive leukemia.Cancer Cell.2014;26(3):428-42を参照のこと)。CMLにおいて、T315I及び他の変異の両方を含有する患者は、単一変異T315Iを有する患者より耐性である(Parker WT et al.The impact of multiple low-level BCR-ABL1 mutations on response to ponatinib.Blood.2016;127(15):1870-80を参照のこと)。
本発明の好ましい実施形態では、BCR-ABL複合変異体細胞の増殖に対する式(I)の化合物及びポナチニブの阻害効果は、BCR-ABL複合変異を有する安定にトランスフェクトされた細胞株を構築することによって確認され、ポナチニブ耐性を克服する有望な治療手法が提供される。
本発明は、式(I-A)の化合物が、BCR-ABLE255V/T315I、BCR-ABLY253H/E255V、BCR-ABLT315M、BCR-ABLY253H/T315I、BCR-ABLY253H/F359V及びBCR-ABLT315I/F317Lの複合変異を有するBa/F3細胞に対してポナチニブより良好な抗増殖効果を有することを証明する。結果は、式(I-A)の化合物が、BCR-ABL複合変異によって引き起こされるポナチニブの耐性を克服するための有望な候補薬物であることを示唆する。
ある種の実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、そのような治療を必要とする患者に経口投与される。
ある種の実施形態では、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩は、治療周期の間1日、2日、又は3日おきに1回投与される。前記治療周期は、20~40日、好ましくは25~35日、より好ましくは28日の治療周期であり得る。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、毎日、又は1日おきに(QOD)1回、又は3日おきに1回、特に1日おきに1回投与される。投与の量は、0.5mg~100mg、好ましくは1mg~80mg、より好ましくは1mg~60mgである。最も好ましい実施形態では、それは、約1mg、2mg、4mg、6mg、8mg、10mg、12mg、14mg、16mg、18mg、20mg、22mg、24mg、26mg、28mg、30mg、32mg、34mg、36mg、38mg、40mg、42mg、44mg、46mg、48mg、50mg、52mg、54mg、56mg、58mg、又は60mgの量である。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、約30mg、約40mg、又は約45mgの量で1日おきに1回投与される。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、約50mg又は約60mgの量で1日おきに1回投与される。
ある種の実施形態では、式(I)又は式(I-A)の化合物は、毎日、又は1日おきに(QOD)1回、又は3日おきに1回、特に1日おきに1回投与される投与量単位に製剤化される。投与量単位の量は、0.5mg~100mg、好ましくは1mg~80mg、より好ましくは1mg~60mgである。
ある種の実施形態では、本発明は、BCR-ABL変異体を阻害する方法であって、式(I)の化合物又はその塩をBCR-ABL変異体と接触させること含み、BCR-ABL変異体が、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWTである方法に関する。
ある種の実施形態では、本発明は、BCR-ABL変異体を阻害する方法であって、式(I)の化合物又はその塩をT315Iから選択されるBCR-ABL変異体と接触させることを含む方法に関する。
ある種の実施形態では、阻害は、インビトロ又はインビボにおけるものである。
ある種の実施形態では、阻害は、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する患者におけるものである。
ある種の実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病を含む血液悪性腫瘍を治療するための式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬又は医薬組成物を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、慢性骨髄性白血病を含む血液悪性腫瘍の治療のための医薬の製造における式(I)若しくは(I-A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用に関する。
ある種の実施形態では、式(I)又は(I-A)の化合物は、固体剤形中にある。
ある種の実施形態では、癌は、新たに診断されたものである。
ある種の実施形態では、癌は、再発したものである。
ある種の実施形態では、癌は、難治性である。
本開示は、様々な実施形態を記載する。本開示を精査する当業者は、様々な実施形態が任意の変形形態と組み合わされ得ることを容易に認識するであろう。例えば、本開示の実施形態は、様々な障害の治療、患者集団、剤形の投与、様々な投与量、様々な有害事象の最小化、及び様々な有効性の尺度の改善などを含む。様々な実施形態の任意の組合せが、本開示の範囲内である。
本明細書で使用する場合、用語「生存」は、生存したままである患者を指し、無増悪生存(PFS)及び全生存(OS)を含む。生存は、カプラン-マイヤー法によって推定することができ、生存におけるいずれかの差が、層別化されたログランク検定を使用して算出される。
本明細書で使用する場合、用語「無増悪生存(PFS)」は、治療(又は無作為化)から最初の疾患進行又は死亡までの時間を指す。例えば、それは、治療の開始から又は最初の診断から、(例えば、約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、3ヶ月半、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、約1年、約2年、約3年、約5年、約10年、約15年、約20年、約25年などの定義された期間)癌の回復を伴わずに患者が生存したままである時間である。無増悪生存は、固形癌効果判定基準(RECIST)によって評価され得る。
用語「全生存」は、治療の開始から又は最初の診断から、(例えば、約1年、約2年、約3年、約4年、約5年、約10年、約15年、約20年、約25年などの)定義された期間に生存したままである患者を指す。
血液悪性腫瘍の非限定的な例はまた、アミロイド症、急性骨髄性白血病(AML);移行期CML及びCML急性転化期(CML-BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML);急性リンパ芽球性白血病(ALL);慢性リンパ性白血病(CLL);ホジキン病(HD);濾胞性リンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL);B細胞リンパ腫;T細胞リンパ腫;多発性骨髄腫(MM);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;骨髄異形成症候群(MDS)、難治性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う難治性貧血(RARS)、芽球増加を伴う難治性貧血(RAEB)、及び移行期のRAEB(RAEB-T);並びに骨髄増殖性症候群を含む。
癌療法に関して、有効性は、生存の期間、無憎悪生存(PFS)の期間、治療に対する奏功率(RR)、奏効期間、及び/又は生活の質を評価することによって測定され得る。
用語「薬学的に許容される担体」は、レシピエント対象、好ましくは、哺乳動物、より好ましくはヒトに適合し、且つ薬剤の活性をさえぎることなく標的部位に活性薬剤を送達するのに好適な材料を指すために本明細書で使用される。好ましくは、担体に関連する毒性又は有害作用は、もしあれば、活性薬剤の意図された使用に対する妥当なリスク/利益比に見合ったものである。
本開示の医薬組成物は、とりわけ従来の顆粒化、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、又は乳化プロセスなどの当該技術分野でよく知られる方法によって製造され得る。組成物は、顆粒、沈殿物、微粒子、又は粉末を含む様々な形態で生成され得る。
用語「経口」は、経口摂取されることが意図される組成物を投与することを指す。経口形態の例としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤又は懸濁剤、及び液滴が挙げられるが、これらに限定されない。このような形態は、全体が嚥下され得るか又は噛み砕ける形態であり得る。
経口投与のための固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が挙げられる。そのような固体剤形において、活性成分は、クエン酸ナトリウム又は第二リン酸カルシウムなどの少なくとも1種の不活性な薬学的に許容される賦形剤若しくは担体並びに/又はa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸などの充填剤若しくは増量剤;b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、及びアラビアゴムなどの結合剤;c)グリセロールなどの保水剤;d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ若しくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;e)パラフィンなどの溶液緩染剤;f)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;g)例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤、並びにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びその混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、剤形はまた、リン酸塩又は炭酸塩などの緩衝剤を含んでもよい。
固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用する軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル剤における充填剤として利用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング及び医薬製剤化分野においてよく知られる他のコーティングなどのコーティング及びシェルにより作製され得る。それらは任意選択により、不透明化剤を含有してもよく、また、それらが腸管の特定の部分でのみ、又は優先的に、任意選択により遅延的に活性成分を放出するような組成物であってもよい。使用され得る包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。
固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得る。そのような剤形はまた、通常の実践のように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、錠剤化滑沢剤及び他の錠剤化助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び結晶セルロースを含んでもよい。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
活性成分はまた、上記のとおりの1つ以上の賦形剤とともにマイクロカプセル化形態中にあってもよい。
実施例1
慢性期(CP)又は移行期(AP)CMLを有するTKI耐性患者において経口投与された式(I-A)の化合物の安全性、予備的な有効性、薬物動態(PK)及び薬力学(PD)特性を評価するための単剤、非盲検用量漸増及び用量拡大第I相試験。
方法:式(I-A)の化合物は、1mg~60mgの範囲の11種の用量コホートで28日の周期において1日おきに(QOD)1回経口投与された。適格の患者が、疾患進行又は耐えられない毒性まで治療を受けた。CML AP及びCP患者における有効性の主要評価項目は、それぞれ血液学的完全奏効(CHR)及び細胞遺伝学的大奏効(MCyR)であった。MCyRは、細胞遺伝学的部分奏効(PCyR)及び細胞遺伝学的完全奏効(CCyR)を含む。血液試料は、PK分析のために周期1の間の1~2日目及び27~28日目において様々な時点で回収された。BCR-ABL阻害は、周期1の間の1、15及び27日目の式(I-A)の化合物による治療前並びに4、8、24及び48時間後に患者から回収された末梢血単核球(PBMC)中のCRKL及びSTAT5のチロシンリン酸化を使用して評価された。
用量漸増:
各用量群における3~6名の対象(従来の3+3用量増加法)
MTD用量群における最大15名の対象(安全性及びPK特性)
用量拡大試験:
最大60名の対象(CP/CML-AP)
拡大される用量の選択は、最初の安全性及び有効性に基づく
試験評価項目
主要評価項目
耐性/難治性CMLを有する患者において式(I-A)の化合物の安全性及びRP2D(第2相試験の推奨用量)を決定すること
副次的評価項目
耐性/難治性CML患者において式(I-A)の化合物の安全性を試験すること
式(I-A)の化合物の薬物動態特性を評価すること
耐性/難治性CML患者において式(I-A)の化合物の有効性を評価すること
ある種の実施形態では、以下の判定基準を満たす患者は、治療を受けてもよい:
CP又はAPの18歳を超える患者。
TKI耐性。
ECOG≧2。
3ヵ月以上の余命が期待できる者。
十分な臓器機能を有する患者。
心機能:左室駆出率(LVEF)>50%。
EKG QTc間隔:男性≦450ms、女性≦470ms。
有効な避妊形式を使用する(適宜)ことへの同意。
治験責任医師の意見において試験手順に従う能力。
ある種の実施形態では、以下の判定基準を有する患者は、治療から除外してもよい:
28日以内に細胞傷害性化学療法、若しくは任意の他の放射線療法;又は14日以内にインターフェロン、シタラビン;又は14日以内に他のTKI;又は任意の他の治療によりCTCAEグレード0~1まで回復しない任意の有害事象(AE)(脱毛症を除く)を受けた患者。
式(I-A)の化合物と相互作用する可能性を有する薬物療法による治療を目下受けている患者。
ポナチニブ、又は式(I-A)の化合物のような薬物で治療されたことがある患者。
試験薬物の吸収を著しく変える可能性がある胃腸管(GI)機能の障害又はGI疾患。
HBP(>140/90mmHg)を含む心血管疾患を有するか;又はQT間隔の延長をもたらす可能性がある薬物を受容している患者。
平均肺動脈圧>25mmHg。
以前のTKI治療の間に重篤な心血管AEの経験を有する。
HSCTの履歴を有する患者。
異常な凝固機能を有するか又はCMLに関連しない重大な出血障害を有する患者。
試験開始前の4週間以内に大手術を受ける患者。
CMLに関連しない出血疾患の履歴を有する患者。
短期間のステロイド以外の免疫抑制療法を必要とする患者。
細胞学的に診断された中枢神経系(CNS)合併症(無症状の場合、脊髄液試験は、最初の治療の前に必要ではない)。
臨床的に重大な原発性悪性腫瘍の病歴を有する患者で、臨床的に重大な原発性悪性腫瘍を併発している患者。
HIV+、A型、B型、又はC型肝炎を含む進行中又は活性の感染症を有する。
試験薬物中のいずれかの成分に対する既知のアレルギー。
妊娠中又は授乳中。
患者の特徴
Figure 2022511173000008
ベースラインでのBCR-ABL変異状態
Figure 2022511173000009
特許の傾向
Figure 2022511173000010
治療に関連する有害事象
Figure 2022511173000011
治療期間
Figure 2022511173000012
投与中断/用量の減量をもたらす治療に関連するAE
Figure 2022511173000013
安全性プロファイル及び奏功率
Figure 2022511173000014
Figure 2022511173000015
結果分析
登録された70名の患者(CP n=58及びAP n=12)は1周期以上の式(I-A)の化合物による治療を受け、1名の患者のみが疾患進行のために試験から離脱した。年齢中位数は、39(範囲:23~59)歳であった。CML診断から式(I-A)の化合物による治療の開始までの経過時間中央値は、6.1(1.1~14.7)年であった。61名(87%)の患者が、2ライン以上の事前のTKI療法を受けた。ベースラインにおいて、53名(76%)の患者が、BCR-ABL変異を有し、45名(64%)がT315I変異を有した。
4.1(1.0~21.2)周期の追跡期間中央値を有して、式(I-A)の化合物による治療は、60mgコホート以外の全ての用量コホートにおいて十分に耐容性を示した。全ての患者において、67名(96%)の患者が1つ以上の治療に関連する有害事象(TRAE)を経験し、44名(63%)が、グレード3~4のTRAEを経験した(表1)。TRAEのために試験から離脱した患者はいなかった。60mgコホートにおける3名の患者のうちの2名が、用量規制毒性(DLT)を経験し、50mg QODでの式(I-A)の化合物による治療が、最大毒性用量(MTD)であるとみなされた。
式(I-A)の化合物による治療の抗白血病活性が、この試験において観察された。58名(100%)のCP及び7名(58%)のAP患者を含む65名(93%)の患者は、3周期以内に2mg~60mgの用量でCHRを達成した。3周期以上の式(I-A)の化合物による治療を受けている47名の評価可能な患者において、21名(54%)のCP及び3名(38%)のAP患者を含む24名(51%)が、12mg~50mgの用量でMCyRを達成し、12名(31%)のCP及び2名(25%)のAP患者を含む14名(30%)の患者が、CCyRを達成した。合計6名(15%)のCP患者は、MMRを達成した。65%を超える患者が、周期の最後にMCyR又はMMRを達成した。式(I-A)の化合物は、ベースラインでT315I変異を有するか又は有しない患者において非常に活性であった(表2)。
1mg~60mgの範囲の用量での式(I-A)の化合物による治療の経口投与の後、ピーク濃度に2~8時間で達した。消失は、それぞれ1日目の15.3~36.5時間、27日目の18.8~42.5時間の平均終末T1/2を有して線形であるようにみえた(観察時間のウインドウ期は48時間である)。1日目に対する27日目の式(I-A)の化合物による治療のAUC0-tとCmaxに関する比率は、それぞれ1.03~2.12及び0.78~1.93の範囲であった。したがって、式(I-A)の化合物は、1~60mgの範囲の単回又は複数回の経口投与の後にCmax及びAUC0-tのほぼ用量に比例した増加を示した。PD試験の結果は、CRKLリン酸化の減少がスケジュール及び用量依存的であり、50%以上の減少が12mg~60mgの範囲の用量で観察されることを実証した。
図1A及び1Bは、第1相試験における式(I-A)の化合物の有効性(CHR n%)を示す。ここで、図1Aは、T315Iの50名の患者(96%がCHRを達成した)及びT315Iの32名の患者(100%がCHRを達成した)を含む合計82名のCML-CP患者の98%が、CHRを達成したことを示す。図1Bは、T315Iの11名の患者(82%がCHRを達成した)及びT315Iの3名の患者(100%がCHRを達成した)を含む合計14名のCML-AP患者の86%が、CHRを達成したことを示す。
図2A及び2Bは、第1相試験における式(I-A)の化合物の有効性(MCyR n%)を示す。ここで、図2Aは、合計66名のCML-CP患者の67%が、MCyRを達成したことを示す(それらの14%がPCyRを達成し、53%がCCyRを達成した)。T315Iの42名の患者の78%はMCyRを達成し(4%がPCyRを達成し、74%がCCyRを達成した);T315Iの24名の患者の46%はMCyRaを達成した(29%がPCyRを達成し、17%がCCyRを達成した)。図2Bは、合計12名のCML-AP患者の25%がMCyRを達成したことを示す。ここで、T315Iの9名の患者の33%は、CCyRを達成し、T315Iの3名の患者は0の奏功率を有した。
図3A、3B及び3Cは、第1相試験における式(I-A)の化合物の特定の用量(CP)による有効性(MCyR n%)を示す。ここで、図3Aは、30mgの用量が投与される場合、合計14名のCML-CP患者の50%が、MCyRを達成したことを示す(14%がPCyRを達成し、36%がCCyRを達成した)。T315Iの7名の患者の71%はMCyRを達成し(14%がPCyRを達成し、57%がCCyRを達成した);T315Iの7名の患者の28%はMCyRを達成した(14%がPCyRを達成し、14%がCCyRを達成した)。図3Bは、40mgの用量が投与される場合、合計18名のCML-CP患者の54%が、MCyRを達成したことを示す(16%がPCyRを達成し、38%がCCyRを達成した)。T315Iの10名の患者の60%はMCyRを達成し(60%の全てがCCyRを達成した);T315Iの8名の患者の50%はMCyRを達成した(38%がPCyRを達成し、13%がCCyRを達成した)。図3Cは、50mgの用量が投与される場合、合計12名のCML-CP患者の83%が、MCyRを達成したことを示す(25%がPCyRを達成し、58%がCCyRを達成した)。T315Iの8名の患者の100%はMCyRを達成し(75%がCCyRを達成し、25%がPCyRを達成した);T315Iの4名の患者の50%はMCyRを達成した(25%がPCyRを達成し、25%がCCyRを達成した)。
図4A及び4Bは、第1相試験における式(I-A)の化合物のMMR(MCyR n%)を示す。ここで、図4Aは、合計67名のCML-CP患者の31%が、MMRを達成したことを示す(T315Iの43名の患者の47%がMMRを達成し;T315Iの24名の患者の4%がMMRを達成した)。図4Bは、合計12名のCML-AP患者の8%がMMRを達成したことを示す。T315Iの9名の患者の11%がMMRを達成し;T315Iの3名の患者の0%がMMRを達成した。
図5A及び5Bは、第1相試験における式(I-A)の化合物の血漿濃度-時間プロファイルを示す。
結論
図1~5及び表1~2において示されるとおり、第1相臨床試験の予備的な結果は、新規の第三世代TKIである式(I-A)の化合物が、T315I変異の有無にかかわらず、CML-CP及びCML-APを有するTKI耐性患者の治療において安全であり且つ非常に活性であることを示した。
実施例2
耐性慢性骨髄性白血病を有する患者における式(I-A)の化合物の第1相試験のさらなる有効性及び安全性の結果
式(I-A)の化合物は、T315I変異を有するものを含む既存のTKI療法に耐性である慢性骨髄性白血病(CML)を有する患者の治療のために設計される。この実験は、比較的長期間における式(I-A)の化合物の有効性及び安全性の評価に焦点を合わせる。
方法:
2回以上の事前のTKIに耐性であるか若しくは不耐性の慢性期(CP/CML-CP)又は移行期(AP/CML-AP)CMLを有する患者又は1回以上の事前のTKI後にBCR-ABL T315I Mを有する患者において最大耐用量(MTD)を決定し、且つ用量制限毒性(DLT)を同定するための式(I-A)の化合物の非盲検、3+3用量漸増、第1相試験デザインが進行中である。式(I-A)の化合物は、1mg~60mgの範囲の11種の用量コホートで28日の周期において1日おきに(QOD)1回投与された。適格の患者が、疾患進行若しくは耐えられない毒性、同意撤回、又は死亡まで継続的な治療を受けた。有効性の主要評価項目は、CPに関する細胞遺伝学的大奏効(MCyR)及びAPに関する血液学的完全奏効(CHR)であった。MCyRは、細胞遺伝学的部分奏効(PCyR)及び細胞遺伝学的完全奏効(CCyR)を含む。血液試料は、PK分析のために周期1の間の1~2日目及び27~28日目において様々な時点で回収された。
結果:
71名(70.3%)が男性患者である87名のCML-CP及び14名のCML-APを含む合計101名の患者が、単剤QOD用量として式(I-A)の化合物を受容した。T315I変異を有する合計62名(61.4%)の患者が含まれた。追跡期間中央値は11.2m(範囲、1.2~30.6m)であった。年齢中位数は、40歳(範囲:20~64歳)であった。CML診断から式(I-A)の化合物による治療の開始までの経過時間中央値は、5.83年(範囲0.3~15.2年)であった。大部分の患者(98%)は、ベースラインECOGステータス0~1を有した。患者は厳重に前治療され、83名(83.8%)の患者が、2ライン以上の事前のTKI療法を受けた。60mgコホートの3名の患者のうちの2名がDLTを経験し、50mg QODが、MTDとみなされた。MTDが決定された後、用量拡大が、30mg、40mg及び50mg QODの用量レベルで実行された。合計56名の患者が、拡大パートに含まれた。式(I-A)の化合物は、60mgコホートを除く全ての用量コホートで十分に耐容性を示した。全ての患者において、101名(100%)の患者が1つ以上の治療に関連する有害事象(TRAE)を経験し、最も高頻度のTRAEは、グレード1又はグレード2として報告された。最も一般的なグレード3/4のTRAEは、血小板減少症(49.5%)を含む血液学的AEであった。AEの発生率は、用量依存的な傾向があった。死亡及びCTCAEグレード5の事象は、試験において発生しなかった。一般的なTRAE(≧10%)の発生率は、表3において示される。
Figure 2022511173000016
式(I-A)の化合物は、≧12mg QODの用量で強力な抗白血病活性を示した。68名(67%)の評価可能な患者において、式(I-A)の化合物は、CML患者において強力な抗白血病活性を示した。ベースラインで非CHRを有する68名の評価可能な患者において、それぞれ55名(94.5%)のCP患者のうちの52名及び13名(84.6%)のAP患者のうちの11名を含む63名(92.6%)がCHRを達成した。ベースラインで非CCyRを有する95名の評価可能な患者において、それぞれ81名(69.1%)のCP患者のうちの56名がMCyRを達成し、49名(60.5%)のCCyRを含み;14名(42.9%)のAP患者のうちの6名がMCyRを達成し、5名(35.7%)のCCyRを含んだ。100名の評価可能な患者において、それぞれ86名(37.2%)のCP患者のうちの32名及び14名(35.7%)のAP患者のうちの5名がMMRを達成した。式(I-A)の化合物は、T315I変異を有する患者において高い効果を示した(表4、図6A、6B)。奏功率及び効果の深さは、時間依存的な傾向であった(図7A)。
Figure 2022511173000017
9名の患者(6名CP、3名AP)が、試験からの離脱を有し、進行性疾患(n=5、2名CP及び3名AP)、不耐性AE(n=2)、同意撤回(n=1)、及び二次性乳癌(n=1)を含んだ。18ヶ月目での無増悪生存(PFS)率は、CP患者において94%であり、AP患者において61%であった(図7B)。
1~60mgまでの用量での式(I-A)の化合物の単回経口投与の後、式(I-A)の化合物のピーク濃度に、1日目の1~12時間の間に達し、4~8時間の範囲のTmax中央値を有した。消失は、1日目の17.5~36.5時間の平均終末T1/2を有して線形であるようにみえた。式(I-A)の化合物のピーク濃度は、27日目の1~12時間で観察され、4~6時間の範囲のTmax中央値を有した。平均終末T1/2は、27日目の19.8~42.5時間の範囲であった(観察時間枠の両方が48時間である)。式(I-A)の化合物の27日目のAUC 0~48時間及びCmaxの1日目のものに対する平均比率はそれぞれ、1.15~1.98及び0.91~1.66の範囲であったが、これは1日おきに1回の投与レジメンによる中程度の蓄積を示唆している。BCR-ABL阻害のバイオマーカーであるPBMCにおけるCRKLリン酸化の減少は、式(I-A)の化合物で治療された53名の評価可能な患者において用量及び時間に依存的であることが示された。
結論:式(I-A)の化合物は、著しく且つ耐久性のある抗腫瘍活性を示し、それは、T315I変異を有する患者を含むTKI耐性CMLを有する患者において十分に耐容性を示した。18ヶ月目での無増悪生存(PFS)率は、CP患者において94%であり、AP患者において61%であった。
前臨床インビボ試験において、式(I-A)の化合物は、ヒトCML異種移植モデル及びBCR-ABLWT又はBCR-ABLT315I変異体を発現するマウスBa/F3細胞に由来する同質遺伝子的モデルにおける皮下腫瘍の完全退縮を誘導し、且つBCR-ABLWT又はBCR-ABLT315Iを有するBa/F3細胞を有する同質遺伝子的白血病マウスの生存率を著しく改善した。BCR-ABLT315Iを有するBa/F3腫瘍のマウスモデルに関して、(I-A)化合物は、2日おきに(q2d)1回、又は3日おきに(q3d)1回経口投与され、イマチニブは、対照として1日1回(qd)投与され、結果が図8において示された:式(I-A)の化合物は、用量依存的な様式でBCR-ABLT315Iを発現するBa/F3担腫瘍マウスの生存を著しく延長した。
実施例3
この実験において、BCR-ABL複合変異細胞を使用して、BCR-ABL複合変異細胞の増殖に対する式(I-A)の化合物及びポナチニブの阻害効果を決定した。実験は、式(I-A)の化合物が、ポナチニブの薬物耐性を克服できる有望な効果的医薬であることを証明した。BCR-ABL(F359V、H396R、E255K、Y253H、T315I、F317L)変異を安定に発現するBa/F3細胞は、Institute of Life and Health,Guangzhou Academy of Sciencesによって提供された。
1.BCR-ABL(E255V、T315M、Y253H/E255V、Y253H/T315I、Y253H/F359V、T315I/F317L、F317L/F359V)変異を安定に発現する変異Ba/F3細胞株は、電気的形質転換法によって構築され、BCR-ABL(E255V/T315I、T315I/F359V)変異を安定に発現するBa/F3細胞株は、レンチウイルス感染法によって構築された。細胞遺伝子の配列決定結果は、BCR-ABL変異体遺伝子が、Ba/F3細胞のゲノムに組み込まれたことを確証した。ウエスタンブロッティングの結果は、これらの細胞株におけるBCR-ABLタンパク質の発現が、構築されたBa/F3の安定にトランスフェクトされた細胞株の妥当性を確証したことを示す。細胞は、10%のFBS(GIBCO、Cat#10099-41)及び1%のペニシリン-ストレプトマイシン二重抗体(Basal Media、Cat#S110JV)を含有するRPMI 1640(Base media、Cat#L210KJ)培地中で培養された。
2.WSTアッセイによるBCR-ABL単一変異又は複合変異により安定にトランスフェクトされたBaF3細胞の増殖に対する薬物の効果
段階希釈により得られた9種の用量濃度で試験されることになる試料(式(I-A)の化合物又はポナチニブ)の溶液が、96ウェル培養プレート中に100μl/ウェルで比例的に添加された。希釈液は、セルブランク対照(細胞に添加された、試験されることになる試料を除く)として使用された。加えて、陰性対照(試験されることになる試料及び細胞を除く)が調製された。陰性対照ウェルに加えて、100μlの完全培地細胞懸濁液が各ウェルに添加された。希釈液は、100μl/ウェルで陰性対照ウェルに添加された。3つの反復ウェルが実験において設定された。細胞は、COインキュベーター中において37℃で72時間インキュベートされた。20μlのCCK-8検出溶液(Shanghai Life iLab Biotech Co.,LTD,Cat# D3100L4057)を各ウェルに添加し、COインキュベーター中において37℃で2時間インキュベートした。OD値は、マイクロプレートリーダーによってA450nmで測定された。
細胞生存率のパーセンテージは、以下の式を用いて計算された:
(試験ウェルのO.D.-陰性対照ウェルのO.D.)/(細胞対照ウェルのO.D.-陰性対照ウェルのO.D.)×100
IC50を、GraphPad Prism 6.0ソフトウェア(Golden software、Golden、Colorado、USA)の非線形回帰データ分析法を使用して計算した。
3.結果
式(I-A)の化合物は、BCR-ABLE255V/T315I、BCR-ABLY253H/E255V、BCR-ABLT315M、BCR-ABLY253H/T315I、BCR-ABLY253H/F359V、BCR-ABLT315I/F317Lの複合変異を有するBa/F3細胞に対してポナチニブより良好な抗増殖効果を有し、式(I-A)の化合物のIC50値は、ポナチニブのIC50値より2~9倍低かった(表5)。結果は、式(I-A)の化合物が、BCR-ABL複合変異によって引き起こされるポナチニブの薬物耐性を克服するための有望な候補薬物であることを示唆する。
Figure 2022511173000018

Claims (37)

  1. 患者において癌を治療する方法であって、前記患者に治療有効量の式(I)の化合物:
    Figure 2022511173000019
    又はその薬学的に許容される塩
    (式中、Rは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキルオキシ、又はフェニルであり;且つRは、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、又はハロゲンである)を投与することを含む、方法。
  2. 前記癌が、血液悪性腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記血液悪性腫瘍が、白血病である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記血液悪性腫瘍が、慢性骨髄性白血病である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記方法が、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する前記患者の治療におけるものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する前記患者が、BCR-ABL変異によるものである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記BCR-ABL変異が、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWT変異である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記BCR-ABL変異が、T315I変異である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する前記患者が、BCR-ABL複合変異によるものであり、好ましくは、前記チロシンキナーゼ阻害剤が、ポナチニブである、請求項6に記載の方法。
  10. 前記BCR-ABL複合変異が、BCR-ABLE255V/T315I、BCR-ABLY253H/E255V、BCR-ABLT315M、BCR-ABLY253H/T315I、BCR-ABLY253H/F359V、若しくはBCR-ABLT315I/F317L、又は変異の前述の種類のうちの1つ以上である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が、治療周期の間1日、2日、又は3日おきに投与され、前記治療周期が、20~40日、好ましくは25~35日、より好ましくは28日の治療周期である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記治療有効量が、0.5mg~100mg、好ましくは1mg~80mg、より好ましくは1mg~60mgである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記治療有効量が、約1mg、約2mg、約4mg、約8mg、約12mg、約20mg、約30mg、約40mg、約45mg、約50mg又は約60mgである、請求項13に記載の方法。
  15. が、水素、メチル、シクロプロピル、フェニル、及びメトキシからなる群から選択され;且つRが、水素、メチル、エチル、シクロプロピル、フッ素、塩素、又は臭素からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記式(I)の化合物が、式(I-A)の化合物:
    Figure 2022511173000020
    又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記化合物が、固体剤形である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 式(I)の化合物:
    Figure 2022511173000021
    又はその薬学的に許容される塩をBCR-ABL変異体と接触させることを含む、BCR-ABL変異体を阻害する方法であって、
    式中、Rが、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、C1~4アルキルオキシ、又はフェニルであり;且つRが、水素、C1~4アルキル、C3~6シクロアルキル、又はハロゲンである、方法。
  19. 前記BCR-ABL変異体が、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWTである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記BCR-ABL変異体が、T315Iである、請求項18に記載の方法。
  21. 前記式(I)の化合物が、式(I-A)の化合物:
    Figure 2022511173000022
    又はその薬学的に許容される塩である、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記阻害が、インビトロ又はインビボにおけるものである、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記阻害が、既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する患者におけるものである、請求項22に記載の方法。
  24. 前記既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する前記患者が、BCR-ABL変異によるものである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記BCR-ABL変異が、T315I、E255K/V、G250E、H396P、M351T、Q252H、Y253F/H、又はBCR-ABLWT変異である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記BCR-ABL変異が、T315Iである、請求項24に記載の方法。
  27. 前記既存のチロシンキナーゼ阻害剤療法に対して耐性である慢性骨髄性白血病を有する前記患者が、BCR-ABL複合変異によるものであり、好ましくは、前記チロシンキナーゼ阻害剤が、ポナチニブである、請求項24に記載の方法。
  28. 前記BCR-ABL複合変異が、BCR-ABLE255V/T315I、BCR-ABLY253H/E255V、BCR-ABLT315M、BCR-ABLY253H/T315I、BCR-ABLY253H/F359V、若しくはBCR-ABLT315I/F317L、又は変異の前述の種類のうちの1つ以上である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記患者に治療有効量の式(I-A)の化合物:
    Figure 2022511173000023
    又はその薬学的に許容される塩を経口投与することを含む、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が、治療周期の間1日、2日、又は3日おきに投与され、前記治療周期が、20~40日、好ましくは25~35日、より好ましくは28日の治療周期である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記治療有効量が、0.5mg~100mg、好ましくは1mg~80mg、より好ましくは1mg~60mgである、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記治療有効量が、約1mg、約2mg、約4mg、約8mg、約12mg、約20mg、約30mg、約40mg、約45mg、約50mg又は約60mgである、請求項31に記載の方法。
  33. BCR-ABL変異体を阻害するか又は慢性骨髄性白血病を含む血液悪性腫瘍を治療するための医薬組成物であって、式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
  34. 請求項33に記載の医薬組成物であって、それが、単位剤形に製剤化され、前記組成物中の前記化合物の量が、0.5mg~100mg、好ましくは1mg~80mg、より好ましくは1mg~60mg、最も好ましくは約1mg、約2mg、約4mg、又は約8mgである、医薬組成物。
  35. BCR-ABL変異体を阻害するか又は慢性骨髄性白血病を含む血液悪性腫瘍を治療するための医薬の製造における式(I)若しくは式(I-A)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  36. 前記式(I-A)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が、約1mg、約2mg、約4mg、約8mg、約12mg又は約20mgの量で前記28日の治療周期の間に1日おきに(QOD)1回投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記投与後の前記式(I-A)の化合物のピーク濃度が、約2~8時間、又は4~8時間である、請求項1~32及び36のいずれか一項に記載の方法。
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