JP2022509822A - 高屈折率低密度ガラス - Google Patents

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Abstract

Figure 2022509822000001
30.0モル%以上のSiOを含むガラスであって、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まず、1.75以上の屈折率n、および約65×10-7/K以下の、温度範囲20~300℃における線熱膨張係数α200-300を有するガラスが開示されている。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2018年11月30日に出願された米国仮特許出願第62/773729号の米国法典第35編第120条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
本明細書は、広く、例えば、拡張現実装置または仮想現実装置用のディスプレイなどの光ディスプレイ、光ファイバ、および光学レンズに使用するのに適したガラス組成物に関する。より詳しくは、本明細書は、拡張現実装置または仮想現実装置用のディスプレイに使用することのできる高屈折率ガラスに関する。
最近数十年、高屈折率(すなわち、n>1.60)を有する光学ガラスの需要が、拡張現実および仮想現実装置の市場の成長と共に増加してきた。拡張現実または仮想現実装置に使用される光学ガラスの他の要件に、可視範囲における良好な透過率、良好なガラス成形性、化学的耐久性、および比較的低い製造費がある。高屈折率を有するガラスの製造は、そのような高屈折率を要求しないディスプレイ用ガラスの製造とは極めて異なる。したがって、高屈折率光学ガラスの要望は、ディスプレイ用ガラスの要望と同じではなく、高屈折率光学ガラスには、ディスプレイ用ガラスとは異なるガラス組成物が必要とされるであろう。
拡張現実または仮想現実装置に使用するための光学ガラスの別の要件は、低いガラス密度である。多くの拡張現実または仮想現実装置は、ウェアラブル装置として製造されるので、その装置の質量が使用者により支えられる。長期間に亘ると、比較的軽量の装置でさえも、身に着けているのが煩わしくなり得る。それゆえ、拡張現実または仮想現実装置に使用するには、軽量で低密度(すなわち、4.00g/cm以下の密度)のガラスが望ましい。
製造費を削減するために、高屈折率ガラスが、良好な化学的および物理的性質を有し、従来の製造設備に適合する粘度特性を有することが好ましいであろう。しかしながら、望ましい化学的および物理的性質の組合せを有する高屈折率ガラスを製造することは難しい。例えば、ガラスの屈折率を上昇させる試みは、多くの場合、ガラス物品をより重くするガラス密度の望ましくない増加を生じる。高温粘度を低下させることによって溶融温度を低下させる試みは、ガラス物品を成形するときにガラス溶融物の失透をもたらした。失透は、高い液相温度により生じた。ガラス転移温度を低下させる試みは、熱膨張係数の望ましくない増加をもたらし、弾性率を95GPa超に増加させる試みは、ガラス転移温度の望ましくない上昇をもたらした。
あるシリカを含まないリン酸塩ガラスは、高い屈折率および低いCTEを有することがあることに留意されたい。これらは、ケイ酸塩型のガラスではない。特許文献1には、12%未満のシリカおよび12%超のBを含む、n>1.75およびα<60×10-7/Kを有するホウ酸塩ガラスが開示されている。しかしながら、ホウ酸塩およびリン酸塩ガラスの両方とも、低い弾性率を有することが公知である、すなわち、それらは、多くの用途にとって十分に剛性ではない。また、ほとんどのホウ酸塩およびリン酸塩(非ケイ酸塩)ガラスは、PbO、Sb、Ta、Gd、Biなどの有害なおよび/または高価なおよび/または重い酸化物を大量に含み、このことは、大量生産において望ましくない。
米国特許第8691712号明細書
したがって、上述した属性を有し、好ましくは95GPa超の弾性率を有し、拡張現実または仮想現実装置、もしくは他の光学部品に使用するのに適したケイ酸塩高屈折率ガラスが必要とされている。
いくつかの実施の形態によれば、ガラス組成物は、30.0モル%以上のSiOを含み、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まず、このガラスは、1.75以上の屈折率n、および約65×10-7/K以下の、温度範囲20~300℃における線熱膨張係数α200-300を有する。
いくつかの実施の形態によれば、ガラスは、30.0モル%以上のSiOを含み、このガラスは、1.75以上の屈折率n、約80×10-7/K以下の線熱膨張係数(α200-300)、および100GPa以上のヤング率(E)を有する。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、約65×10-7/K以下の、温度範囲20~300℃における線熱膨張係数α200-300、および110GPa以上のヤング率(E)を有する。いくつかの実施の形態によれば、その線熱膨張係数は約60×10-7/K以下であり、ヤング率(E)は115GPa以上である。いくつかの実施の形態によれば、そのガラスは、30から45モル%のSiO、0から15モル%のAl、10から20モル%のTiO、5から20モル%のZnO、5から10モル%の(La+Y)、および0から15モル%のアルカリ土類金属酸化物を含む。いくつかの実施の形態によれば、そのガラスは、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まない。
いくつかの実施の形態によれば、PbOを実質的に含まないガラス組成物は、酸化物のモル%で表して、
(a)38.0モル%以上かつ45.0モル%未満のSiO
(b)4.5モル%以上かつ9.5モル%以下の希土類金属酸化物、
(c)下記を含む、32.0モル%以下の二価金属酸化物:
・2.0モル%以上かつ23.0モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、および
・3.0モル%以上かつ15.0モル%以下のZnO、
(d)0.0モル%以上かつ6.0モル%以下のアルカリ金属酸化物、および
(e)0.0モル%以上かつ4.5モル%以下のAl
を含み、
そのガラス組成物は、1.72以上の屈折率を有する。
いくつかの実施の形態によれば、その屈折率nは、1.85以下である。
いくつかの実施の形態によれば、nは、1.78から1.83であり、密度dは3.7g/cm~3.9g/cmである。いくつかの実施の形態によれば、そのガラスは、約0.20cm/g以上の比(n-1)/dを示す。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、約95~120GPaのヤング率、および20℃から300℃の温度範囲内で約60×10-7/Kから80×10-7/Kの線熱膨張係数(CTE)を有する。いくつかの実施の形態によれば、そのガラスは、約105~120GPaのヤング率、および20℃から300℃の温度範囲内で約60×10-7/Kから-80×10-7/Kの線熱膨張係数(CTE)を有する。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、約600℃から約700℃のガラス転移温度T、25と35GPa・cm/gの間(例えば、28~32GPa・cm/g、または29から31GPa・cm/g、または約30GPa・cm/g)の比弾性率、1450℃以下の溶融温度、およびその溶融温度より低い液相温度を有する。いくつかの実施の形態によれば、液相温度は、1300℃、1325℃、1350℃、1375℃、1400℃、1410℃、または1415℃である。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、1.66以上、例えば、1.66と1.83または1.78と1.83の間の、589.3nmで測定した屈折率を有する。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、3.2g/cm以上かつ3.9g/cm以下の密度を有する。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、約1410℃の液相温度を有する。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラスは、600℃以上かつ700℃以下のガラス徐冷温度を有する。
追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、様々な実施の形態を記載しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図されていることを理解すべきである。添付図面は、様々な実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、ここに記載された実施の形態を示し、説明と共に、請求項の主題の設計および利点を説明する働きをする。
少なくとも30モル%のSiOを含むいくつかの高屈折率ガラスに関する線熱膨張係数(α)対屈折率(N)を示すグラフ 少なくとも30モル%のSiOを含むいくつかの高屈折率ガラスに関する線熱膨張係数(α)対ヤング率(E)を示すグラフ ここに開示されたガラスの実施の形態のガラス特性に対する組成変化の主な影響を示す説明図
定義
ここに用いられている「徐冷点」という用語は、ASTM C598-93(2013)にしたがって決定された温度を称する。典型的なガラス組成物について、徐冷点は、所定のガラス組成物のガラスの粘度が約1013.2ポアズである温度である。
「液相温度」という用語は、それより高いと、ガラス組成物が、ガラスの構成成分の結晶化が全くなく、完全に液体である温度を称する。この性質は、ASTM C829-81"Standard Practices for Measurement of Liquidus Temperature of Glass"にしたがう勾配法により測定される。
「液相粘度」という用語は、ガラス組成物の液相温度でのガラス組成物の粘度を称する。
ここに用いられている「α」という用語は、20℃(室温(RT))から300℃の温度範囲に亘るガラス組成物の平均線熱膨張係数(線熱膨張の平均係数とも称される)を称する。この性質は、ASTM E228-11にしたがう水平膨張計(プッシュ-ロッド膨張計)を使用して測定される(すなわち、特に明記のない限り、α=α200-300、20~300℃の温度範囲における線熱膨張係数)。αの数値尺度はα=ΔL/LΔT’と表され、式中、Lは、測定範囲内またはその近くのある温度での試料の線形サイズであり、ΔLは、測定された温度範囲ΔTにおける線形サイズLの変化である。20℃~100℃の温度範囲に関する線熱膨張係数は、α200-300と示される。
「屈折率」という用語、またはnは、室温RTで測定された、約589.3nmでのナトリウムの黄色のd線に関するガラス組成物の屈折率を称する。
特に明記のない限り、この中に開示されたガラスの実施の形態について、屈折率は、ベッケ線方法を使用することにより測定した。
測定されたときのガラスの実施の形態の密度は、ASTM C693にしたがってアルキメデスの原理を使用して、室温で測定した。
弾性率は、ITW Indiana Private Limited社のMagnaflux Divisionから入手できるQuasar RUSpec 4000を使用して、共鳴超音波スペクトロスコピーを使用して測定される。
ガラス転移温度(T)は、10K/分の加熱速度で示差走査熱量計(DSC)により測定され、その後、ガラスは空気中でRTまで冷却された。
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態によるガラスの例示の実施の形態は、高い屈折率n、ガラス転移温度Tより低い温度での低い線熱膨張係数α、並びに高い弾性率E、および高い比弾性率(E/d)を都合よく有する。そのようなガラスは、多数の光学系において、例えば、民生用ガラス、カメラレンズなど、並びに情報記録媒体のための基板として、利用することができる。それに加え、例示のガラスの実施の形態は、軽量であり、高い剛性(外力下での低変形)を都合よく示す。これらのガラスの他の利点は、同等に低い溶融温度、および中程度のガラス転移温度T(例えば、600℃から700℃)である。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、比較的高い弾性率(E≧100GPa)を有し、これは、記録媒体用途において都合よい。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、95GPa超かつ125GPa未満の弾性率Eを有する。いくつかの実施の形態において、ガラスの弾性率Eは、98GPaと120GPaの間である。
例示の実施の形態によれば、前記ガラスは、ガラスを、物品を成形する従来の設備に適合したものにする、600℃辺りのガラス転移温度(T);成形中にガラスの反りを限定し-例えば、50×10-7/Kおよび110×10-7/Kの間の線熱膨張係数α、好ましくはα<80×10-7/K、またさらにはα<65×10-7/K、ガラスを、鋼鉄または合金のような他の材料に適合したものにする、低い熱膨張;ガラス溶融過程をそれほどエネルギーを消費しないようにし、従来の耐火物に適合させる、1450℃以下、好ましくは1400℃以下の十分に低い溶融温度(例えば、1100℃から1400℃、または1200℃から1400℃の溶融温度);および成形後に冷却されたときに、物品中に高い応力を生じない能力を有する。この最後の数量は主に、Tの下と上での熱膨張係数、ヤング率、およびポアソン比に依存する。例えば、いくつかの実施の形態において、線熱膨張係数αは、100×10-7/K未満、または情報記録媒体については60~70×10-7/K以下である。
ここに記載されたガラスの実施の形態は、以下の利点の1つ以上を提供する:
(a)低い密度d(例えば、d<3.9g/cm、またはd≦3.5g/cm、またはd≦3.3g/cm、またはd≦3.2g/cm、およびそれらの間)を有しつつ、1.65≦の高い屈折率n(例えば、1.66、1.75、1.78、1.80、1.81、1.83のN、例えば、1.67≦N≦1.83);
(b)比較的低い液相温度T<1500℃、または(例えば、T<1450℃、T≦1410℃)有し、それゆえ、物品を成形するときのガラス溶融物の結晶化を避けつつまたは最小にしつつ、ガラスを製造する間のエネルギー消費をより低くする、比較的低い溶融温度(1300℃~1500℃);
(c)20℃と300℃の温度間で比較的低い熱膨張係数(すなわち、比較的低いα値)(例えば、α≦90×10-7/K、α≦80×10-7/K、α≦70×10-7/K、α≦65×10-7/K、α≦60×10-7/K)を有しつつ、比較的低いガラス転移温度T(例えば、T≦700℃、またはT≦650℃、またはT≦625℃、またはT≦600℃、またはそれらの間)、これにより、成形後にガラス物品を冷却するときに、応力および反りが都合よく最小になる;および/または
(d)低い線熱膨張係数(α<80×10-7/K、またはα<70×10-7/K、またはα<60×10-7/K)を有しつつ、高い屈折率(n>1.75、またはn>1.78、またはn>1.81)。
例えば、いくつかの実施の形態において、前記ガラスの密度dは、3.2g/cm≦d≦3.9g/cm、または3.5g/cm≦d≦3.95g/cmである。いくつかの実施の形態において、ガラス転移温度は、575℃≦T≦700℃、または600℃≦T≦700℃である。いくつかの実施の形態において、ガラスの密度dは、3.2g/cm≦d≦3.9g/cm(例えば、3.5g/cm≦d≦3.95g/cm)であり、ガラス転移温度は、575℃≦T≦700℃(例えば、600℃≦T≦700℃)である。いくつかの実施の形態において、55×10-7/K≦α≦90×10-7/K、または55×10-7/K≦α≦80×10-7/K、または55×10-7/K≦α≦65×10-7/K、または55×10-7/K≦α≦60×10-7/Kである。いくつかの実施の形態において、n>1.75およびα<80×10-7/Kである。いくつかの実施の形態において、n>1.78およびα<70×10-7/Kであり、いくつかの実施の形態において、n>1.79およびα<60×10-7/Kである。
少なくともいくつかの実施の形態において、弾性率は100GPa超、または110GPa超、またさらには115GPa超である。この高い値により、ガラス物品、およびレンズ、ディスプレイ、または情報記録媒体などの、これらの物品から作られた装置が、荷重下で変形するのが防がれる。
高い弾性率Eは、比較的低い密度dと共に、外部機械力に対する軽量ガラス物品の高い抵抗性を可能にし、このことは、情報記録媒体にとって特に重要である。上述した性質は、高い値、例えば、30GPa・cm/gを有する、比弾性率(E/d)など特徴を使用することによって、定量的に記載することができる。
高い弾性率は、仮想現実または拡張現実システムに利用されるガラスにとっても都合よい。何故ならば、ガラスの高い弾性率は、これらのシステムにおいて画像を生成する電子回路の素子の変形を防ぐ(または最小にする)からである。
しかしながら、それと同時に、ガラスにおける高い弾性率Eは、製造過程中に冷却されているときに、ガラス内に高い熱応力を生じるかもしれないことも知られている。ガラス内の高応力は、ガラスが光学用途または民生用途(仮想現実または拡張現実用の装置、または高屈折率レンズなど)に使用される場合、望ましくない。
光学物品において高い熱応力が発生する傾向は、比E・α/(1-ν)を使用して評価することができ、式中、Eはヤング率を表し、αは平均線熱膨張係数であり、νはポアソン比である。したがって、比E・α/(1-ν)が低いほど、応力の量は小さくなる。それゆえ、ここに記載されたガラスの実施の形態は、約1.0MPa/K以下の比E・α/(1-ν)を有することが好ましい。
高い弾性率Eを有するのと同時に、比E・α/(1-ν)を所望の十分に低いレベル(≦1.0MPa/K以下)に維持するために、ガラスは、低いCTE値(すなわち、低いα)を有するべきである。しかしながら、特に、ガラスが、ある相当量のシリカ(例えば、30モル%以上のSiO)を含み、鉛、アンチモン、またはタンタルなどの環境に有害な(望ましくない)種を多量に有さない場合、高い屈折率nおよび低いCTE(低いα)を持つガラスを製造することが難しいか、または不可能であることが分かった。
これらの望ましくない種を含まず、非常に高くはない屈折率(n<1.75)を有するか、または高いCTE(高いα、20~300℃の温度範囲においてα>65×10-7/K)を有するガラス組成物を有することしか可能ではなかった。このことが、30モル%以上のSiOを含み、Fe(着色剤)、Pb、SbおよびTaなどの望ましくない元素を実質的に含まない比較ガラス(図1においてガラス1~7として印が付けられている)に関する、これら2つの性質の入手可能なデータを示す図1に示されている。図1に示された比較ガラスは、屈折率n>1.75を有するだけでなく、20℃~300℃の温度範囲において、約67×10-7/Kと80×10-7/Kの間のα値も有する。図1は、ここに記載されたガラスの実施の形態のいくつかの測定データ(星印により、ガラス8として印付けられている、例えば、図1の灰色の区域を参照のこと)も示す。図1に示された全てのガラスは、n≧1.75およびα≦80×10-7/Kを有する。
図1に示されるように、ここに開示されたガラス組成物の例示の実施の形態は、1.75またさらには1.79を超える、高い屈折率nを有しつつ、低いCTE値(α<70×10-7/K、より好ましくはα<68×10-7/K、好ましくはα<65×10-7/K、またさらにはα<60×10-7/K)を示す。ここに開示されたガラス組成物の少なくともいくつかの例示の実施の形態は、例えば、1.75と1.8の間の、高い屈折率nを有しつつ、低いCTE値(α<70×10-7/K、より好ましくはα<68×10-7/K、好ましくはα<65×10-7/K、またさらにはα<60×10-7/K)を示す。
ガラスが高いヤング率を有する必要がある場合、高い屈折率および低いCTEを有するガラス組成物を設計することは、特に難しい。この難点が、30モル%以上のSiOを含み(他の組成制限なく)、屈折率n≧1.75およびヤング率E≧90GPaを有する一連の比較ケイ酸塩ガラス(図2において記号*、+、および■により示されている)に関するヤング率およびCTE値の入手可能なデータを示す、図2に示されている。図2は、ここに記載された、製造された高屈折率ガラスの実施の形態のいくつか(図2において星印により印が付けられている)に関する測定データも示す。図2に示されたガラスの実施の形態は、n≧1.75およびα≦80×10-7/Kを有する。
この図から明らかなように、ここに開示された高屈折率ケイ酸塩ガラス組成物の例示の実施の形態は、ヤング率E>100GPa、またはE>110GPa、またさらにはE>115GPaで、低いCTE値(α<80×10-7/K、α<65×10-7/K、またさらにはα<60×10-7/K)を示す。高屈折率(n>1.78、またさらにはn>1.79)を有するガラスについて、非常に高い弾性率(E>115GPa)および低いCTE(α<60×10-7/K)の独特の組合せにより、製造中に、その高屈折率材料を非常に剛性のままに維持し、その中の高い熱応力を防ぐことが可能になる。
図2に示されたガラスの実施の形態は、ガラスの大量生産に使用するのに望ましくない、環境に有害な、高価な、および/または重い種(以下の酸化物PbO、Sb、Ta、Gd、Biなどの)を含まない。ここに記載された全てのガラスの実施の形態は、主な網目構造形成材としてシリカを含み、このために、それらを製造するのに費用がかからなくなる。
ここに記載されたガラスの実施の形態は、3つの主成分を含む:シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、および酸化亜鉛(ZnO)。このガラスは、アルカリ土類金属酸化物および希土類金属酸化物も含むことがある。そのガラスは、必要に応じて、低濃度(例えば、5モル%、またはそれ未満)でアルカリ金属酸化物および他の適合成分も含むことがある。
ここに記載されたガラスの実施の形態は、例えば、少なくとも二種類の用途で:高屈折率を持つ光学ガラス(下記に、「高屈折率ガラス」という用語を使用する)として、および/または情報記録媒体用の基板として:利用することができる。この高屈折率ガラスは、仮想現実および拡張現実のためのディスプレイ、高屈折率レンズ、レーザなどの様々な用途に使用されることがある。
図3は、ここに記載された実施の形態のガラス特性に対する上述した主なガラス成分(SiO、ZnOおよびTiO)の含有量を変えることの主な影響を図示している。本開示は、多数の潜在的用途を有するガラス組成物に関し、ここで、異なる属性は、特定のガラスについて所望の使途または用途に応じて、比較的多かれ少なかれ重要であろうことを理解すべきである。したがって、特定の使途または用途に応じて、ここに述べられた異なるガラス用途にとって異なる望ましいガラス特性を与えるために、異なる量の成分が、ここに記載された異なるガラスの実施の形態にとって好ましいであろう。
ここに記載されたガラス組成物の実施の形態において、成分(例えば、SiO、ZnO、TiO、Alなど)の濃度は、特に明記のない限り、酸化物基準のモルパーセント(モル%)で与えられている。実施の形態によるガラス組成物の成分は、下記に個別に述べられている。ある成分の様々に述べられた範囲のいずれも、どの他の成分に関する様々に述べられた範囲のいずれと個別に組み合わされてもよいことを理解すべきである。
上述したように、ここに開示されたガラス組成物は、ガラス網目構造形成材としてシリカSiOを含む。シリカは、全温度範囲に亘りガラスの粘度を上昇させ、液相粘度を上昇させ、これにより、ガラス溶融物が、液相温度近くの温度範囲での結晶化を防ぐことが可能になる。また、ガラス組成物により多くのシリカを添加すると、ガラス密度およびCTEが低下し、このことは望ましい。しかしながら、シリカは、ガラスの屈折率を著しく減少させてしまう。ガラス組成物に過剰な量のシリカを添加すると、ガラスの溶融温度も上昇し、このことは望ましくないであろう。出願人等は、ガラス組成物中のSiOの含有量が約30モル%未満である場合、シリカ系ガラスは、成形するのが難しいことを発見した。ガラス組成物中のSiOの含有量が約45モル%より多いと、そのガラスの屈折率は低すぎてしまう。
したがって、ここに開示された高屈折率ガラスの実施の形態について、ガラス組成物中のシリカの含有量が、約30から約45モル%の範囲内にあることが好ましい。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、約30から約33モル%の量でSiOを含む。これらの実施の形態は、最高の屈折率および最低のCTEを有するが、それらのガラス成形能力は、それより多い量のシリカを有するガラスに関するほど良好ではない。いくつかの他の実施の形態において、そのガラスは、約40から約45モル%の量でSiOを含む;これらのガラスは、より良好なガラス成形能力により特徴付けられるが、より低い屈折率およびより高いCTEによっても特徴付けられ、これは、情報記録装置などの用途にとって好ましいであろう。33から40モル%、33から35モル%、または35から40モル%など、中間のSiO濃度範囲は、これらの性質が等しく重要な用途、例えば、高屈折率レンズの製造に使用するためのガラス組成物に、好ましいであろう。それゆえ、性質の好ましい組合せ、すなわち、上述したようなガラスの特定の用途に依存する、ガラス成形能力、屈折率およびCTEの相対的重要性に応じて、シリカの含有量は、30~45モル%の範囲内で変えられることを理解すべきである。
前記ガラス組成物は、酸化亜鉛ZnOも含む。酸化亜鉛は、ガラスの密度またはCTEを著しく増加させずに、ガラスの機械的特徴を改善し、ガラスのヤング率を増加させる。酸化亜鉛は、密度dを感知できるほど増加させずに、ガラスの屈折率を増加させる(シリカに対して)ので、シリカに酸化亜鉛を添加すると、比(n-1)/dが増加し、このことは、高屈折率ガラスにおいて都合よい。また、酸化亜鉛は、TiO、ZrO、Nbなどの高屈折率種を、酸化亜鉛がこれらの種と化学反応し、したがって、それらをガラス構造へと収容する限り、安定化させるために使用することができる(図3参照)。しかしながら、ガラスがアルミナを含む場合、酸化亜鉛の含有量が多くなり過ぎると、酸化亜鉛は、ガラス中の過剰なアルミナと反応し、高温でガラス溶融物から沈殿することがある鉱物の亜鉛尖晶石(ZnAl)を形成する。この効果を中和するために、アルカリおよびアルカリ土類金属酸化物、および/または下記に記載されるような希土類金属酸化物などの追加の成分をガラス中に提供することが望ましい。
したがって、前記ガラス組成物の実施の形態中のZnOの好ましい範囲は、主に、ガラスに添加される他の高屈折率種の量により決定される。最高の屈折率を有するガラス、並びに100GPaのような、比較的低い(しかし、それでも十分に高い)ヤング率を有するガラスについて、約20モル%以上など、ZnOのより高い濃度が好ましい。屈折率に対する要件がそれほど高くないが、高い剛性がより重要である場合、ZnOの含有量は、約15モル%以下など、より低くてもよい。これらの性質が等しく重要である場合、15~17モル%、または17~18モル%、または18~20モル%など、中間の含有量のZnOが、より好ましくなるであろう。
上述したように、ガラスの実施の形態の第3の主成分は、チタニアTiOである。チタニアは、ガラスの屈折率を大幅に増加させ、密度に対する影響は同等に低い。さらに、ガラスにチタニアを添加すると、ガラスの弾性率および破壊靭性が増加し、CTEが低下する。それゆえ、チタニアの添加は、非常に望ましいガラス特徴をもたらすのに都合よいであろう(図3参照)。しかしながら、過アルミニウムガラス(数量(Al-ΣRO)の正の値(モル%)により特徴付けられる)に添加される場合、チタニアは、ルチルまたは他の鉱物の形態で溶融物から沈殿することがある。次に、チタニアの沈殿は、ガラスの液相温度を上昇させ、このことは望ましくないであろう。それに加え、チタニアは、高濃度では、いくらかの着色をガラスにもたらすことがあり、このことは、いくつかの光学ガラス用途にとって望ましくないであろう。したがって、ガラス中のチタニアの含有量は、屈折率、密度、CTEおよび弾性率に関してより良好な性質に到達するのに、できるだけ多い(例えば、10から20モル%)べきであるが、ガラス組成物中の最大量は、溶融物の失透および/またはガラスの着色など、上述したマイナスの効果によって制限もされる。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラス組成物は、比較的少量のTiO、すなわち、約10から約13モル%のTiOを含む。これらのガラスは、失透の傾向を示さないが、適度に高い屈折率、より高いCTEおよびより低いヤング率を与える。これらのガラスは、例えば、最高の屈折率が要求されないレンズに使用するのに好ましいであろう。
いくつかの実施の形態によれば、前記ガラス組成物は、約13から約15モル%、または約15から約18モル%のTiOを含む。これらのガラスは、同等に高い屈折率(TiOの含有量が多いほど、屈折率が高くなる)を与え、急冷されているときに、例えば、二枚の金属板の間で冷却されているときに、失透しない。
いくつかの他の実施の形態によれば、前記ガラス組成物は、約18から約20モル%のTiOを含む。これらのガラスは、非常に高い屈折率(1.81より大きいnまで)を示すが、失透および着色に対する傾向も示すことがある。
したがって、前記ガラス組成物中のTiOの好ましい含有量は、約10から約20モル%であることがあり、例えば、10から12モル%、12から14モル%、または14から16モル%、または16から18モル%、または18から20モル%など、特定の用途、すなわち、機械的、光学的および結晶化の性質の同等の重要性に応じて変動する。
次に、前記ガラス組成物は、必要に応じて、希土類金属酸化物(ここでは「希土類」とも称される)を含むことがある。無色ガラスについて、希土類金属酸化物としては、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、またはその組合せが挙げられるであろう。ガラスに色が要求されないまたは望ましくない場合、ひいては、ガラス組成物は、酸化ランタン(La)、酸化イットリウム(Y)、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化ルテチウム(Lu)、またはその組合せを含むことがある。さらに、そのガラス組成物は、消費者向け眼鏡用の薄いレンズ、または必須の光学性能を有するサングラスなどにおいて、いくらかの着色の存在が許容される場合、これらの希土類金属酸化物を少量含有することもある。希土類金属酸化物は、ガラス組成物に添加された場合、ガラスの屈折率を上昇させ、これにより、ガラスの光学性能が改善される。また、希土類金属酸化物は、ガラスの液相温度を低下させ、ガラス溶融物が失透するのを防ぐことがある。希土類金属酸化物は、ガラスの機械的性質を改善し、例えば、高い弾性率を与え、これは、情報記録媒体の要件の内の1つであり、光学ガラスにとって望ましい要因でもある。
しかしながら、希土類金属酸化物は、ガラス密度を増加させることもあり、これにより、(n-1)/dの比がいくぶん減少するであろう。その理由のために、最軽量の(最も高価ではない)希土類金属酸化物のLaおよびYの使用が好ましい。低いガラス密度が比較的より重要である場合、希土類金属酸化物の軽い方のYが好ましいであろう。そうでなければ、希土類金属酸化物の最も高価ではないものとしてLaを使用することが好ましいであろう。ここに開示された他の性質に対する他の希土類酸化物の影響は同様である。したがって、ガラス組成物中に他の希土類酸化物も使用されることがある;しかしながら、ここに記載された性質の組合せに関して、それらは、LaおよびYを上回る著しい利点を与えない。
開示された例示の実施の形態において、高屈折率ガラスの複数の性質の所望の組合せを比較的低コストで達成できることを実証するために、希土類金属酸化物の最も高価ではないもの(La)を使用した。上述したように、光学ガラスの屈折率を上昇させるために、光学ガラス組成物にLaを添加することがある。しかしながら、過剰な量のLaをガラス組成物に添加すると、ガラスの密度が増し、ガラス溶融物が、冷却の際に失透することがある。
前記ガラス組成物中の希土類金属酸化物の総量が1.5モル%から10モル%であることが好ましい。例えば、最高の機械的性能(最高のヤング率など)と共に屈折率の非常に高い値が望ましい場合、例えば、6モル%以上(例えば、6から8モル%、または8から10モル%)など、比較的高濃度で希土類金属酸化物を添加することが好ましいであろう。最高の屈折率が要求されない、および/または機械的性能に対する要件がそれほど高くない場合、希土類金属酸化物は、より低い濃度(例えば、4から6モル%、または2から4モル%など)、またさらにはより小さい濃度(1~2モル%など)で使用されることがある、または全く使用されないことさえある。
前記ガラス組成物は、アルカリ土類金属酸化物、例えば、BeO、MgO、CaO、SrO、BaOまたはその組合せを含むことがある。アルカリ土類金属酸化物(下記に、「アルカリ土類」という用語も使用する)は、いくらか過剰なアルミナを中和し、液相温度を許容できる範囲、例えば、1350~1450℃を超えない範囲に維持することがある。
しかしながら、アルカリ土類の最も軽量な酸化ベリリウム(BeO)は、それほど効果的には作用せず、それに加え、ガラスの屈折率を低下させる;したがって、BeOは、これらのガラスにおいて好ましい成分ではない。
マグネシアMgOは、アルカリ土類金属酸化物の最軽量のものであり(環境的に望ましくないBeOを除いて)、機械的性能において最大の影響を与え、これは、ヤング率および他の弾性率を増加させる(破壊靭性を増加させることも知られている)ことを示す。それに加え、MgO(他のアルカリ土類金属酸化物に対して)は、CTEに最低の影響を有する。しかしながら、MgOは、ガラスの屈折率に最低の影響も有する(他のアルカリ土類金属酸化物に対して)。したがって、6~8モル%、またさらには10モル%までなど、比較的高い含有量のMgOが、屈折率の最高値を要求しないが、低いCTEおよび/または高い機械的性能が要求される用途に有益であろう。他の場合、MgOは、少濃度(2~4モル%、または4~6モル%など)で使用されるか、または全く使用されないことがある。一般に、MgOの好ましい含有量は、0から約10モル%まで様々であろう。
酸化カルシウムCaOは、基本的に、MgOと同様に作用するが、屈折率およびCTEに対していくぶん大きい影響を有し、ヤング率などの機械的性質に対してわずかに低い影響を有する。しかしながら、CaOは、ZrOまたはNbなどの高屈折率成分を安定化させる種として、MgOよりも著しく良好に作用する。また、マグネシアと異なり、CaOは、過剰なアルミナ中で非常に耐火性である鉱物を形成せず、これにより、過アルミニウムガラスの失透が防がれる。したがって、軽量と、非常に高い屈折率が要求されるが、最高の可能な値に達成するのに剛性(ヤング率)が必要とされていない、および/または最低のCTEが要求されていない場合に、CaOの使用が好ましい。これらの場合、そのガラス組成物は、6~8モル%のCaO、またさらには10モル%までのCaOを含むことがある。剛性およびCTEなどの性質に対する要求がより強いが、非常に高い屈折率がまだ要望されている場合、ガラス組成物中のCaOの含有量は、4~6モル%、または2~4モル%など、いくぶん少ないことがある。そうでなければ、例えば、機械的性質が最も重要であり、最高の屈折率がそれほどではない場合、ガラス組成物中のCaOの量は、かなり少ない(2~4モル%など)ことがある、またはガラスがCaOを全く含まないことさえある。一般に、CaOの好ましい含有量は、0から約10モル%まで様々であろう。
酸化バリウムBaOは、CaOおよびMgOとはいくぶん異なって作用する。BaOについて最も重要なことは、屈折率に最高の影響を有するだけでなく、それに加え、TiO、ZrOなどの他の高屈折率種を安定化させる種として効果的に作用することである。その結果、ガラスへのBaOの添加は、他の高屈折率種の量を増加させる可能も考えて、屈折率に対する最高の影響を生じる。しかしながら、上記アルカリ土類材料の中でも、BaOは、CTEに最高の影響を有し、ヤング率に最低の影響を有し、密度に最高の影響を有する。したがって、BaOの添加は、屈折率の最高値が要求される場合、有益である。この場合、そのガラス組成物は、5モル%超のBaO、またさらには10モル%までのBaOを含むことがある。しかしながら、上述した性質が組合せで要求される場合、BaOの最高含有量は有益ではなく、好ましい値は、4~6モル%のように、中間である。最高の屈折率が要求されていない場合、そのガラス組成物は、1~2モル%または2~4モル%など、かなり少量のBaOを含むことがある、またはこの成分を全く含まないことがある。一般に、BaOの好ましい含有量は、0から約10モル%まで様々であろう。
酸化ストロンチウムSrOは、CaOとBaOの間の中位で作用し、ここに検討されるガラスにおいて、CaO、BaO、またはそれらの組合せと比べると、特定の利点をもたらさない。しかしながら、技術的に、それら2つの混合物よりも、単一の成分を使用することが有益である。この観点から、SrOの使用は、他の点で、CaOおよびBaOが1:1に近い比率で望ましいであろう場合、混合物(CaO+BaO)の代わりとして有益になることがある。また、いくつかの組成空間において、いくつかの異なるアルカリ土類の使用は、単一種の使用と比べて、液相温度を低下させることがある;この場合、SrOも有用な成分であろう。先に述べた場合において、ガラス中のSrOの好ましい量は、CaOおよびMgOの量と同様である、すなわち、性質の要件に応じて、0から約10モル%まで様々であろう。
上記成分に加え、光学ガラスは、アルカリ金属酸化物、すなわち、LiO、NaO、KO、RbO、CsOを含むことがある。アルカリ金属酸化物は、例えば、溶融温度、粘度、機械的強度、化学的耐久性、CTEおよび屈折率など、ガラス組成物の様々な性質を変えるために添加されることがある。アルカリ金属酸化物(ここでは「アルカリ」とも称される)は、ムライトおよび/またはコランダムの形態でアルミナの沈殿の非常に効果的な抑制剤である。これは、ガラス溶融物中のアルカリがアルミナと反応し、十分に少濃度で耐火性ではないアルミノケイ酸塩を形成し、それに対応して、溶融物から沈殿せず、上述したムライトおよびコランダムなど、他のアルミナ含有種の形成を防ぐために起こる。同様に、それらは、TiO、ZrO、Nbなどの高屈折率種を含む、他の耐火性種の結晶化の抑制剤として効果的に作用する。したがって、ガラス組成物にアルカリを添加すると、大抵は、液相温度が低下し、このことは有益である。しかしながら、アルカリ酸化物は、屈折率およびCTEの両方を低下させ、CTEを上昇させ、このことは望ましくない。
アルカリ金属酸化物の中でも、酸化リチウム(LiO)の使用は、大抵、他のアルカリ金属酸化物の使用よりも好ましい。何故ならば、酸化リチウムは、屈折率およびヤング率にそれほどマイナスの影響を与えず、他のアルカリ金属酸化物よりも、CTEを上昇させないからである。しかしながら、液相温度に対して最高の効果が要求される場合、ガラスは、NaO、KO、または他のアルカリを含むであろう。
それゆえ、屈折率、ヤング率、およびCTEに対するマイナスの影響を最小にしつつ、ガラスの液相温度を所望のレベルに低下させるために、アルカリ金属酸化物は、必要に応じて、限られた量(例えば、5モル%まで)でガラスに添加される、または液相温度を低下させる必要がない場合、全く添加されないであろう。3モル%超など、最大量のアルカリを使用する場合、屈折率、機械的性質およびCTEに対するマイナスの影響を最小にするために、LiOの使用が有益である。そうでなければ、他のアルカリも使用してよい。したがって、ガラス組成物中のアルカリ酸化物の好ましい含有量は、液相温度を低下させる必要性に応じ、0~1モル%、または1~2モル%、または2~3モル%、または3~4モル%、または4~5モル%など、0と約5モル%の間で様々であろう。
TiO、ZnOおよび上述した希土類金属酸化物に加え、屈折率上昇成分としては、ZrO、MoO、WOなども挙げられるであろう。それらは、0から5モル%など、少量で使用されることがある。しかしながら、過アルミニウムガラスにジルコニア(ZrO)を添加すると、液相温度が1400~1600℃に上昇することがあり、さらに、これにより、溶融物が失透することがあることに留意すべきである。屈折率を上昇させる他の種は、環境的によくない(例えば、Ta、Sbなど)か、または上述した種より著しく高価であるか、もしくはその両方である。したがって、これらの種は、ある場合には、ガラス中に使用されないことがあるが、これらの成分の使用は、費用-性能比の点で効率的ではないことがある。
前記ガラス組成物中に利用されることがある他のタイプの成分は、清澄剤である。清澄剤は、ガラス溶融物から気泡を除去し、より均一にするために使用される。この目的のために、異なる種の清澄剤が使用されることがあるが、それらの中で最も好ましいものは、上述した性質、何より、屈折率に所望の影響も与えるものである。この目的のために、ガラスは、それに必要な量でCeO、SnOなどの種を含むことがある;大抵は、他の目的のためにより多くの量が必要とされない限り、これは0から約1モル%である。例えば、希土類金属酸化物(上記参照)の内の1つとしての酸化セリウムCeOは、いくつかのガラス組成物において液相温度も低下させるであろう。
また、ここに記載された実施の形態のガラス組成物は、必要に応じて、例えば、追加の網目構造形成材、例えば、酸化ホウ素(B)、酸化リン(P)などの、他の適合種または成分を少量含むことがある。詳しくは、BおよびPは、ガラスのCTEを効率的に減少させ、ガラスの成形能力を改善することが知られている。しかしながら、これらの種は、屈折率およびヤング率も低下させ、このことは、非常に望ましくない。したがって、これらの種は、それらが影響を与える効果を達成するために、他の方法がない場合に限って、少量使用されることがある。他の場合、その使用は望ましくない。
最後に、先に述べたように、前記ガラス組成物は、様々な組合せで異なる成分を含むことがある。この理由のために、異なる成分は、互いに化学的に相互作用することがあり、時々かなり複雑である(3、4またさらにはそれより多い成分の一緒の相互作用など)、これらの相互作用は、ガラス特性のいくつかに影響することもある。上述した希土類金属酸化物(RE)は、多数の成分と、特に、アルミナ(Al)およびアルカリ金属酸化物(AlkO)(次に、アルミナとも反応する)に関して反応することが知られている。したがって、ガラスの性質を最適化する、満たされている、所望の比率がいくつかある。よって、先に述べたように、高濃度でガラス組成物中に含まれている、アルミナは、ガラスの液相温度を上昇させ、したがって、その液相粘度を低下させることがあり、このことは望ましくない。また、この作用は、ガラス組成物に希土類金属酸化物および/またはアルカリ金属酸化物を添加することによって、最小にできる、または補えることも述べた。しかしながら、これら3種類の成分Al、REおよびAlkOが、以下の比:P=[Al(モル%)-ΣRO(モル%)-1.5ΣRE(モル%)]≒0を満たす比率で含まれた場合、この作用が観察されることが分かり、式中、ΣROはアルカリ金属酸化物の総含有量であり、ΣREは、希土類金属酸化物の総含有量である。しかしながら、実際に、正確なゼロの値は必要なく、むしろ、上述した数量は、-3モル%≦P≦+3モル%、または-5モル%≦P≦+5モル%など、大きくないであろうことが望ましい。ある場合、これらの比率を満たさずに、許容できるガラス特徴に到達することが可能であろう;しかしながら、|P|≦5モル%である場合、そのガラス組成物は、好ましく、性質のより良好な全体の組合せを有する。
先に開示したように、光学ガラスの密度は、1つ以上の実施の形態において、比較的低いことがある。少なくともいくつかの実施の形態において、密度は(ASTM C693にしたがって)測定された。ここに記載された光学ガラスの密度dは、3.9g/cm以下、3.5g/cm以下、または3.2g/cm以下など、4.00g/cm以下である。1つ以上の実施の形態において、光学ガラスの密度は、3.25g/cm以上から4.00g/cm、3.4g/cm以上から4.00g/cm未満、または3.5g/cm以上から4.00g/cm未満など、3.2g/cm以上から4.00g/cm以下であることがある。
ここに用いられている液相温度は、勾配炉法により測定される。この方法は、ASTM C829-81のStandard Practices for Measurement of Liquidus Temperature of Glassに準拠する。
上述したように、「ヤング率」は、Magnafluxにより製造されたQuasar RUSpec 4000を使用して、共鳴超音波スペクトロスコピーにより測定される。例示の実施の形態によれば、光学ガラスのヤング率は、100GPa以上である。例えば、いくつかの実施の形態において、光学ガラスのヤング率は、105GPa以上かつ120GPa以下、85.0GPa以上かつ100.0GPa以下、または90.0GPa以上かつ95.0GPa以下、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲など、100GPa以上かつ120.0GPa以下である。
光学ガラス組成物の熱安定性は、TとTの間の差(すなわち、T-T)を測定することによって、決定できる。T-T値は、先に記載されたように測定される。1つ以上の実施の形態において、光学ガラスのT-Tは、130℃以上から170℃以下など、100℃以上から250℃以下であることがある。
いくつかの実施の形態において、前記ガラス組成物の熱膨張係数(α)は、約50×10-7/Kと65×10-7/Kの間、および先の値の間の全ての範囲と部分的範囲であることがある。熱膨張係数(α)は、ASTM E228-11にしたがって、プッシュ-ロッド膨張計を使用することによって決定される。
先に開示したように、ここに開示された記載された実施の形態による光学ガラスは、拡張現実装置、仮想現実装置、または情報記録媒体に使用されることがある。
実施の形態は、以下の実施例によりさらに明白になるであろう。
代表的なガラス組成物および性質が、それぞれ、表1Aおよび1Bに纏められている。表1Bに、ガラス組成物の開示の例が列挙されている。
下記の表1Aおよび/または1Bに列挙された成分を有するガラス組成物の1つ以上は、従来のガラス成形法により調製した。これらのガラスは、アルミニウム製カバーを備えたPt坩堝内で空気中において1350℃から1500℃で溶融される、例えば、B、Al、SiO、CO、NaCO、CaCO、BaCO、ZnO、ZrO、TiO、La、Nb、SnO、および他の一般種を含む供給源または出発材料のバッチ(例えば、1000gのガラス溶融物、100%の理論的収量;典型的な収量は、例えば、機械損失のために、900gまたは90質量%であった)から製造される。より詳しくは、ガラス組成物の成分を、5から6時間に亘り1500℃と1600℃の間で白金坩堝内で溶融した。次に、ガラスを2枚の鋼板の間で冷却し、数mmの厚の試料を得て、これを、表2に与えられた徐冷温度近くで1~5時間に亘り徐冷した。各ガラス組成物の多数の試料を調製した。ガラス試料の各々を、屈折率nおよび密度について試験した。実施例の組成物のいくつかを、ガラス転移温度(T)、Tの下と上での熱膨張係数(α)、粘度、ヤング率、ポアソン比、および液相温度についても試験した。
表1Aにおいて、全てのガラス成分が、モル%で表されている。(下記の表1Aに列挙された成分を有するガラス組成物のいくつかをモデル化した。これらは、アスタリスク()により示されている。これらの組成物のガラス特性は、モデル化され、調製したガラス試料から測定されたものと同程度である)。
表1Aおよび1Bにより形成されたガラスの様々な性質が、下記に、表2に与えられている。
Figure 2022509822000002
Figure 2022509822000003
Figure 2022509822000004
表1および2のガラスの実施の形態は、高い屈折率、比較的低い密度、かなり低い熱膨張係数、および高い弾性率を示す。
これらのガラスは、有利に、軽量であり、荷重後の亀裂形成または機械的損傷に対する耐久性を有する。それらのガラスは、要求される波長範囲、例えば、可視範囲、または可視範囲の一部において高い光透過率を有する。それに加え、これらのガラスの多くは、高い弾性率を示すので、情報記録媒体用の基板に使用するのに適している。
屈折率により、その機能に十分なガラス物品、例えば、レンズの厚さが決まる。屈折率の最も頻繁に使用される特徴は、n、すなわち、ナトリウムスペクトルの黄色のd線に対応する、約589.3nmの波長について測定された屈折率である。したがって、屈折率が高いほど、同じ性能の光学系をよりコンパクトにすることができる。高屈折率ガラスについて、1.70~1.80と等しいまたはそれより高いnの値を有することが好ましい。ここに記載されたガラスは、そのような高い屈折率を都合よく提供できる。
消費者向け眼鏡、スマートフォンのカメラなどの多くの光学系について、小さいサイズだけでなく、軽い質量を有することが重要である。所定の幾何学的サイズおよび形状の物品の質量は、密度dにより決まる。高屈折率ガラスについて、約3.5~4.0g/cm以下の密度値を有することが好ましい。ここに記載されたガラスは、約3.5~4.0g/cm以下の密度値を都合よく有し得る。
高屈折率および軽量の両方を検討する光学性能の一般的な数値尺度は、比(n-1)/dに関して近似的に評価することができる。この比は、多くの場合、「屈折」と述べられる。比(n-1)/dが高いほど、同じ光学性能のレンズが軽くなる。高屈折率ガラスについて、少なくとも約0.2の(n-1)/dの数値を有することが都合よい。ここに記載されたガラスの実施の形態の少なくともいくつかは、少なくとも約0.2の数値を有する。例えば、ここに記載されたガラスの実施の形態において、0.2cm/g≦(n-1)/d≦0.25cm/g。
情報記録媒体のもう1つの要件は、高い弾性率、すなわち、結果として生じる変形に対する基板または本体に印加された力の比である。高い弾性率は、ガラス物品をより剛性にし、情報を記録するまたは読み取るときに生じるであろう外力下で大きい変形を避けることを可能にする。弾性にはいくつかの数値特徴がある。材料の剛性に関する最も一般的な特徴付けは、ヤング率E、すなわち、この材料から製造された物品における応力(単位面積当たりの力)と歪み(比例変形)との間の関係である。材料のヤング率が大きいほど、物品の変形が小さくなる。情報記録媒体の基板について、約100GPa以上のヤング率を有することが望ましい。ここに記載されたガラスの実施の形態は、都合よく、100GPa以上のヤング率を有する。
光学素子について、材料の高い剛性は、ある外(特に、可変)力下で安定な光学像を生じ、このことは、ある光学系にとって重要である。しかしながら、ヤング率の高い値は、多くの場合、製造中に物品に生じる低い熱応力の技術的要件と対立し(下記参照)、このため、十分に低い剛性を有することが望ましくなる。したがって、高屈折率ガラスについて、100GPa以下のような、非常に高くはないヤング率を有することが好ましい。両方の用途に使用されることのあるガラス組成物について、ヤング率の好ましい値は、100GPa辺りである。
高いヤング率および軽量を有するガラスを特徴付けるために、比弾性率E/dを使用することが便利であり、これは、ガラス密度dに対するヤング率Eの比である。いくつかの例示の実施の形態において、ガラスの比弾性率は、30GPa・cm/g≦(E/d)≦40GPa・cm/gである。いくつかの例示の実施の形態において、ガラスの比弾性率は、32GPa・cm/g≦(E/d)≦38GPa・cm/gである。いくつかの例示の実施の形態において、ガラスの比弾性率は、30~34GPa・cm/gである。いくつかの例示の実施の形態において、ガラスの比弾性率は、32~34GPa・cm/gである。いくつかの例示の実施の形態において、ガラスの比弾性率は、32~40GPa・cm/gである。情報記録媒体用のガラス基板について、E/dの値は、好ましくは、少なくとも約30GPa・cm/g、例えば、少なくとも32GPa・cm/g、または少なくとも30GPa・cm/g、または34GPa・cm/gと等しい。
技術的観点から、光学ガラスが、製造中にガラス物品に生じ得る過剰な応力を避ける必要がある。これらの応力は、成形された後にガラス物品を冷却する際に現れる。生じた応力の値は、物品のサイズと形状および敏感な温度範囲(おおよそ、ガラスの徐冷点と歪み点との間の間隔)における冷却速度などの多数の要因に依存する。全ての他の要因が等しければ、応力の値は、ガラス組成に依存する。この数量は、比R=E・α/(1-ν)として評価され、式中、Eはヤング率を表し、αは平均線熱膨張係数であり、νはポアソン比である;全ての特徴は、ガラス転移温度Tより低い温度(それらの最初の2つは、室温)で測定される。したがって、全ての他の要因が等しければ、比E・α/(1-ν)が低いほど、ガラス中の応力の値は小さくなる。構造緩和を検討するいくつかの他のより複雑な指標があるが、それらの全ては、どうかして、熱膨張係数(α)の値および弾性率の内の1つ、大抵は、E値を検討する。比R=E・α/(1-ν)に関して、ここに記載された光学ガラスは、1.0MPa/K以下のE・α/(1-ν)比を有することが好ましい。
したがって、前記ガラスは、かなり低い熱膨張係数(下記に、省略形αを使用する)を有するべきである。
先に述べたように、光学素子について、αの値は、加熱プレスまたは他の成形手法の後に物品を冷却するときに生じることのある熱応力に寄与し、これは、比E・α/(1-ν)の観点から検討することができ、その好ましい値は、1.2MPa/K以下、例えば、1.1MPa/K以下、または1.0MPa/K以下である。例えば、いくつかの実施の形態において、比E・α/(1-ν)は、0.3MPa/K≦E・α/(1-ν)≦1.0MPa/K、または0.35MPa/K≦E・α/(1-ν)≦1.0MPa/K、または0.4MPa/K≦E・α/(1-ν)≦1.0MPa/Kである。
記載された多目的ガラスのヤング率の最適値が100GPa辺り(上記参照)であり、ガラスのポアソン比の典型的な値がν≒0.25と等しいことを考えると、これらのガラスのαの好ましい値は、60・10-7/Kから80・10-7/K、または60・10-7/Kから75・10-7/K、より好ましくは72・10-7/K以下、より好ましくは70・10-7/K以下、例えば、60・10-7/Kから70・10-7/K、例えば、α≒62・10-7/K、α≒65・10-7/K、α≒67・10-7/K、α≒69・10-7/Kである。
情報記録媒体用のガラス基板について、αの値は、情報記録から生じる温度変化および/または外部温度の変化により生じる基板の線形サイズの潜在的な変化を決定する。αの値が小さいほど、温度誘起変形が小さくなる。情報記録媒体用の基板のαに対する要件は、以前の場合と似ている:約(60から70)×10-7/K以下のαの値を有することが望ましい。
先に述べたように、技術的観点から、これらのガラスが、物品の成形中にガラス溶融物が結晶化する感受性を最小にする液相温度での最小レベルの粘度(下記に、液相粘度)を有することが重要である。例えば、加熱プレスまたは類似の方法により形成される光学素子について、最小の許容される液相粘度(物品のサイズおよび設備に依存する)は、数ポアズ以上であり得る。ここに開示された実施の形態によれば、情報記録媒体用の基板のガラスは、都合よく、約100ポアズ以上の液相粘度を有する。
別の要件は、ガラス物品が、冷却されたときに機械的に固体になる、または加熱されたときに軟化し始める範囲におけるある中間温度を近似的に特徴付けるガラス転移温度(T)である。おおよそ、Tは、粘度が1013ポアズと等しい温度に相当する;正確な値は、ガラス組成、加熱/冷却速度および他の要因に依存する。Tが低すぎると、ガラス物品は、ガラス物品を製造するおよび/または使用するときに大抵行われる熱処理に耐えることができないであろう。Tが高すぎると、ガラス組成物は、製造に使用される従来の設備に適合しないであろう。したがって、中位のガラス転移温度(例えば、T<700℃)を有することが好ましい。ここに記載された少なくともいくつかの実施の形態によれば、590℃≦T≦700℃、または590℃≦T≦650℃、または590℃≦T≦625℃である。
別の技術的要件は、溶融温度、すなわち、ガラスを、妥当な時間で、溶融でき、残留ガス(原材料に由来する)から精製できる最低温度に関する。ほとんどの工業用ガラスについて、溶融温度は、ガラス溶融物が約100~300ポアズと等しい粘度を有する温度である。200ポアズの粘度に相当する温度(以下、「200P温度」という用語を使用する)を、溶融温度の推定値として考えることができる。溶融温度が低いほど、ガラス溶融のエネルギー消費が低くなる。また、より低い温度では、ガラス製造の過程が従来の耐火物により適合し、温度の上昇により、炉内の耐火部品の腐食が生じるであろう。したがって、200P温度が低いほど、ガラス溶融に関して、所定のガラス組成物がより都合よくなる(全ての他の要因が等しいとする)。ここに開示されたガラスの実施の形態の多くは、1400℃未満、または1375℃未満、またさらには1350℃以下の溶融温度を有する。
本明細書に記載された全ての組成成分、関係、および比は、特に明記のない限り、モル%で与えられている。本明細書に開示された全ての範囲は、範囲が開示されている前または後に明白に述べられていてもいなくても、広く開示された範囲により包含される任意と全ての範囲および部分的範囲を含む。
請求項の主題の精神および範囲から逸脱せずに、ここに記載された実施の形態に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。それゆえ、本明細書は、ここに記載された様々な実施の形態の改変および変更を、そのような改変および変更が付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲に入るという条件で、包含することが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
ガラスにおいて、30.0モル%以上のSiOを含み、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まず、1.75以上の屈折率n、および約65×10-7/K以下の、温度範囲20℃から300℃における線熱膨張係数α200-300を有する、ガラス。
実施形態2
30から35モル%のSiO、10から15モル%のAl、15から20モル%のTiO、15から20モル%のZnO、5から10モル%のLa、および10から15モル%のアルカリ土類金属酸化物を含む、実施形態1に記載のガラス。
実施形態3
ガラスにおいて、30.0モル%以上のSiOを含み、1.75以上の屈折率n、約80×10-7/K以下の線熱膨張係数(α200-300)、および100GPa以上のヤング率(E)を有する、ガラス。
実施形態4
前記ガラスが、約65×10-7/K以下の、温度範囲20℃から300℃における線熱膨張係数α200-300、および110GPa以上のヤング率(E)を有する、実施形態3に記載のガラス。
実施形態5
前記ガラスが、約60×10-7/K以下の、温度範囲20℃から300℃における線熱膨張係数α200-300、および115GPa以上のヤング率(E)を有する、実施形態3に記載のガラス。
実施形態6
30から45モル%のSiO、0から15モル%のAl、10から20モル%のTiO、5から20モル%のZnO、5から10モル%の(La+Y)、および0から15モル%のアルカリ土類金属酸化物を含む、実施形態3から5のいずれか1つに記載のガラス。
実施形態7
前記ガラスが、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まない、実施形態3から6のいずれか1つに記載のガラス。
実施形態8
PbOを実質的に含まないガラス組成物において、酸化物のモル%で表して、
(a)38.0モル%以上かつ45.0モル%未満のSiO
(b)4.5モル%以上かつ9.5モル%以下の希土類金属酸化物、
(c)下記を含む、32.0モル%以下の二価金属酸化物:
・2.0モル%以上かつ23.0モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、および
・3.0モル%以上かつ15.0モル%以下のZnO、
(d)0.0モル%以上かつ6.0モル%以下のアルカリ金属酸化物、および
(e)0.0モル%以上かつ4.5モル%以下のAl
を含み、
1.72以上の屈折率を有する、ガラス組成物。
実施形態9
前記屈折率が1.85以下である、実施形態8に記載のガラス組成物。
実施形態10
前記ガラス組成物が、20モル%以下のTiOをさらに含む、実施形態8に記載のガラス組成物。
実施形態11
前記ガラス組成物が、4g/cm以下の密度を有する、実施形態8に記載のガラス組成物。
実施形態12
前記ガラス組成物が、約95GPa以上かつ約125GPa以下のヤング率を有する、実施形態8に記載のガラス組成物。
実施形態13
ガラス組成物において、
30.0モル%以上のSiOを含み、Fe、Pb、Sb、およびTaの化合物を実質的に含まず、
1.75以上の屈折率n、および温度範囲20℃から300℃において65.0×10-7/K以下の熱膨張係数を有する、ガラス組成物。
実施形態14
前記ガラス組成物が、温度範囲20℃から300℃において60.0×10-7/K以下の熱膨張係数を有する、実施形態13に記載のガラス組成物。
実施形態15
前記ガラス組成物が、
30モル%以上かつ35.0モル%以下のSiO
10モル%以上かつ20モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、
10モル%以上かつ20モル%以下のTiO、および
10モル%以上かつ20モル%以下のZnO、
をさらに含む、実施形態13または14に記載のガラス組成物。
実施形態16
前記ガラス組成物が、
14モル%以上かつ16モル%以下のTiO
11モル%以上かつ15モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、
および
16モル%以上かつ19モル%以下のZnO、
を含む、実施形態13から15のいずれか1つに記載のガラス組成物。
実施形態17
前記ガラス組成物が、
15モル%以下のAl
8.5モル%以下のLa、および
5モル%未満の(NbおよびZrO)、
をさらに含む、実施形態13から16のいずれか1つに記載のガラス組成物。
実施形態18
前記ガラス組成物が、Pb、BiおよびTaの化合物を実質的に含まない、実施形態13から17のいずれか1つに記載のガラス組成物。
実施形態19
実施形態15に記載のガラス物品から作られた光学系。
実施形態20
実施形態15に記載のガラス物品から作られた情報記録装置。
実施形態21
実施形態15に記載の光学ガラス物品から作られた拡張現実装置。

Claims (16)

  1. ガラスにおいて、30.0モル%以上のSiOを含み、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まず、1.75以上の屈折率n、および約65×10-7/K以下の、温度範囲20℃から300℃における線熱膨張係数α200-300を有する、ガラス。
  2. 30から35モル%のSiO、10から15モル%のAl、15から20モル%のTiO、15から20モル%のZnO、5から10モル%のLa、および10から15モル%のアルカリ土類金属酸化物を含む、請求項1記載のガラス。
  3. ガラスにおいて、30.0モル%以上のSiOを含み、1.75以上の屈折率n、約80×10-7/K以下の線熱膨張係数(α200-300)、および100GPa以上のヤング率(E)を有する、ガラス。
  4. 前記ガラスが、約65×10-7/K以下の、温度範囲20℃から300℃における線熱膨張係数α200-300、および110GPa以上のヤング率(E)を有する、請求項3記載のガラス。
  5. 前記ガラスが、約60×10-7/K以下の、温度範囲20℃から300℃における線熱膨張係数α200-300、および115GPa以上のヤング率(E)を有する、請求項3記載のガラス。
  6. 30から45モル%のSiO、0から15モル%のAl、10から20モル%のTiO、5から20モル%のZnO、5から10モル%の(La+Y)、および0から15モル%のアルカリ土類金属酸化物を含む、請求項3から5いずれか1項記載のガラス。
  7. 前記ガラスが、鉄、鉛、アンチモン、およびタンタルの酸化物を含まない、請求項3から6いずれか1項記載のガラス。
  8. PbOを実質的に含まないガラス組成物において、酸化物のモル%で表して、
    (a)38.0モル%以上かつ45.0モル%未満のSiO
    (b)4.5モル%以上かつ9.5モル%以下の希土類金属酸化物、
    (c)下記を含む、32.0モル%以下の二価金属酸化物:
    ・2.0モル%以上かつ23.0モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、および
    ・3.0モル%以上かつ15.0モル%以下のZnO、
    (d)0.0モル%以上かつ6.0モル%以下のアルカリ金属酸化物、および
    (e)0.0モル%以上かつ4.5モル%以下のAl
    を含み、
    1.72以上の屈折率を有する、ガラス組成物。
  9. 前記屈折率が1.85以下である、請求項8記載のガラス組成物。
  10. 前記ガラス組成物が、20モル%以下のTiOをさらに含む、請求項8記載のガラス組成物。
  11. 前記ガラス組成物が、4g/cm以下の密度を有する、請求項8記載のガラス組成物。
  12. ガラス組成物において、
    30.0モル%以上のSiOを含み、Fe、Pb、Sb、およびTaの化合物を実質的に含まず、
    1.75以上の屈折率n、および温度範囲20℃から300℃において65.0×10-7/K以下の熱膨張係数を有する、ガラス組成物。
  13. 前記ガラス組成物が、
    30モル%以上かつ35.0モル%以下のSiO
    10モル%以上かつ20モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、
    10モル%以上かつ20モル%以下のTiO、および
    10モル%以上かつ20モル%以下のZnO、
    をさらに含む、請求項12記載のガラス組成物。
  14. 前記ガラス組成物が、
    14モル%以上かつ16モル%以下のTiO
    11モル%以上かつ15モル%以下の(MgO+CaO+SrO+BaO)、
    および
    16モル%以上かつ19モル%以下のZnO、
    を含む、請求項12または13記載のガラス組成物。
  15. 前記ガラス組成物が、
    15モル%以下のAl
    8.5モル%以下のLa、および
    5モル%未満の(NbおよびZrO)、
    をさらに含む、請求項12から14いずれか1項記載のガラス組成物。
  16. 前記ガラス組成物が、Pb、BiおよびTaの化合物を実質的に含まない、請求項12から15いずれか1項記載のガラス組成物。
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