JP6922741B2 - 光学ガラス - Google Patents

光学ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP6922741B2
JP6922741B2 JP2017552676A JP2017552676A JP6922741B2 JP 6922741 B2 JP6922741 B2 JP 6922741B2 JP 2017552676 A JP2017552676 A JP 2017552676A JP 2017552676 A JP2017552676 A JP 2017552676A JP 6922741 B2 JP6922741 B2 JP 6922741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
glass
optical glass
mass
bao
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017552676A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017090645A1 (ja
Inventor
周作 秋葉
周作 秋葉
長嶋 達雄
達雄 長嶋
茂輝 澤村
茂輝 澤村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Publication of JPWO2017090645A1 publication Critical patent/JPWO2017090645A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6922741B2 publication Critical patent/JP6922741B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/064Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/064Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
    • C03C3/066Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing zinc
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/064Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
    • C03C3/068Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing rare earths
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/078Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing an oxide of a divalent metal, e.g. an oxide of zinc
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/097Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing phosphorus, niobium or tantalum
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は、光学ガラスに関する。
従来、車載用カメラ、ロボット用視覚センサーなどの用途に、小型で撮像画角の広い撮像ガラスレンズが用いられている。このような、撮像ガラスレンズに対しては、より小型で広い範囲を撮影するために、高屈折率であることが求められる。また、ウェアラブル機器などにも、画像の広角化、高輝度・高コントラスト化、導光特性向上、回折格子の加工容易性などの面から、高屈折率であることが求められる。
また、自動車やロボットは、高速移動するあるいは過酷な環境で使用されることが想定されるため、車載用カメラ等に搭載される撮像ガラスレンズは、一般的なカメラの撮像レンズよりも、極めて高強度であることが必要とされる。例えば、車載用カメラは、自動車の走行に伴う衝撃や風圧、走行により跳ね上げられた砂塵による損傷や浸食等が生じないことが求められる。さらに、酸性雨や、洗車などの際に使用される洗剤やワックスなどの薬剤による表面劣化や変質の少ないことも重要である。
ウェアラブル機器の場合もユーザーが誤って落としたり、皮脂や砂ぼこり等の汚れを拭いたり、といったシーンが想定されるため、車載カメラ用レンズ同様に、搭載される導光板や回折格子付きガラス、メガネレンズには、高強度、耐擦傷性の高いガラスが求められる。
このような、車載用のガラスレンズに関しては、例えば、所定の耐酸性を有する車載カメラ用レンズガラス材を用いることで、屈折率および強度を高め、さらに、耐酸性や耐水性を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記した車載カメラレンズ用ガラス材を用いたガラスレンズでは、充分に高い屈折率が得られていない。一方、従来、高屈折率の組成にした場合、ガラスがもろくて割れやすくなるという課題があった。そのため、過酷な環境にも耐え得る高い強度を有する高屈折率の組成のガラスは未だ知られていなかった。
また、ガラスレンズは、製造効率の高い、精密プレス成形(以下、単に「プレス成形」という。)によって生産されることが主流である。したがって、プレス成形の生産性を高めるために、ガラスレンズ用の光学ガラスには、ガラス転移点が低く、失透温度が低いことが求められる。
特開2013−256446号公報
本発明は、上述のような課題を解消するためになされたものであり、高屈折率かつ高強度で、耐クラック性に優れるとともに、成形性が良好な光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明の光学ガラスは、屈折率(nd)が1.70〜2.10、ガラス転移点(Tg)が500℃〜630℃、失透温度が1300℃以下、比重が4.0g/cm以下、
クラックイニシエーションロード(CIL)が20gf以上、かつJIS R1607に準拠して圧子圧入法により測定した破壊靱性値(Kc)が0.60MPa・m1/2以上、である。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%表示で、Nb: 20%〜75%、SiO: 22%〜50%、TiO: 0%〜7%、ZrO: 0%〜20%、LiO: 1%〜20%、NaO: 1%〜18%、KO: 0.1%〜10%、ZnO: 0%〜15%、P: 0%〜5%、B: 0%〜6%、F: 0%〜5%、を含有し、LiO+NaO+KOが5%〜30%であり、LiO/(LiO+NaO+KO)が0.4以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、ZnOが0%〜10%であり、LiO/(LiO+NaO+KO)が0.45以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%による値で、La: 0%〜15%、BaO: 0%〜4%、を含有し、Nb−(La+BaO)が10%〜75%であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%による値で、Nb−(La+BaO)が30%〜75%であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%による値で、(Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)が5以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%による値で、(Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)が20以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%による値で、Ln: 0%〜15%(ここで、LnはY、La、Gd、Yb、及びLuからなる群より選択される1種以上である。)、WO: 0%〜10%、を含有し、(Nb+Ln+TiO+ZrO+WO+ZnO)×LiOが500以下であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、厚さ1mmのガラス板にしたときの、波長360nmにおける光の透過率(T360)が50%以上であることが好ましい。
本発明の光学ガラスは、日本光学硝子工業会規格に準拠して測定される耐水性が等級2以上であり、耐酸性が等級1以上であることが好ましい。
本発明によれば、高屈折率かつ高強度で、耐クラック性に優れるとともに、成形性が良好な光学ガラスを提供することができる。そのため、過酷な環境に曝される車載用カメラに用いられる撮像レンズ等に好適である。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について説明する。
本発明の光学ガラスは、1.70〜2.10の範囲の高い屈折率(nd)を有する。そのため、本発明の光学ガラスは、撮像ガラスレンズに用いた場合等に、より小型で広い範囲を撮影することができる。ndは好ましくは、1.72以上であり、より好ましくは1.73以上であり、さらに好ましくは1.74以上であり、よりさらに好ましくは1.75以上である。また好ましくは2.00以下であり、より好ましくは1.90以下である。
また、本発明の光学ガラスは、低いガラス転移点(Tg)を有する。具体的には、Tgは500〜630℃の範囲である。本発明の光学ガラスは、上記した範囲の低いTgを有することで、例えば、プレス成形における成形性が良好である。本発明の光学ガラスは、Tgが好ましくは520℃〜600℃である。Tgは、例えば熱膨張法による測定することができる。
また、本発明の光学ガラスは、失透温度が1300℃以下である。そのため、プレス成形時におけるガラスの失透を抑制することができるため、成形性が良好である。失透温度は、好ましくは1250℃以下、さらに好ましくは1200℃以下、特に好ましくは1100℃以下である。ここで、失透温度とは、加熱、溶融したガラスを自然放冷により冷却する際に、ガラス表面および内部に長辺又は長径で1μm以上の結晶の認められない温度の最大値である。
本発明の光学ガラスは、JIS R1607に準拠して圧子圧入法(IF法)により測定した破壊靱性値(Kc)が0.60MPa・m1/2以上である。Kcは、ガラスの強度の指標であり、Kcが大きいほど大きなクラックが入りにくく、割れに対する耐性が高いことを示す。Kcは、0.62MPa・m1/2以上であることが好ましい。Kcは、例えば、厚さが4〜10mm、大きさが約4cm×4cmのガラス板について、JIS R1607準拠のIF法により次のようにして求められる。すなわち、ビッカース硬度計を用い、ビッカース圧子にて押し込み荷重5kgf、保持時間15秒で圧痕を導入し、その後ビッカース圧子を外し、15秒待機後に圧痕の対角線長さとき裂長さを試験機付属の顕微鏡を用いて測定することを10回繰り返し、以下の式より算出される。
Kc=0.026×(E×P)1/2×a×c−3/2 …式(1)
ここで、Eは、試料となるガラス板のヤング率(Pa)、Pは押し込み荷重(N)、aは圧痕の対角線長さの平均の半分(m)、cはき裂長さの平均の半分(m)、である。ヤング率(E)は、上記ガラス板について、超音波パルス法により測定される。
本発明の光学ガラスは、厚さ1mmのガラス板にしたものの鏡面研磨した表面に、ビッカース圧子を用いて圧痕を形成した際のクラックの発生率が50%となるビッカース圧子の荷重(該荷重をクラックイニシエーションロード(CIL)という)が20gf以上である。CILはクラック耐性の指標であり、CILが大きいほどクラックの生じにくいことを示す。本発明の光学ガラスは、CILが20gf以上であることで、優れたクラック耐性を有する。CILは、好ましくは25gf以上、より好ましくは30gf以上、さらに好ましくは35gf以上である。CILが100gf以上となると、クラックを入れることが難しくなるため、切断および加工が困難となる。そのため、CILは、好ましくは90gf以下、より好ましくは80gf以下である。
CILの値は、例えば、以下の方法で求められる。両面を鏡面研磨した、厚さ1mmの板状のガラスの表面に、ビッカース硬度試験機にて、ビッカース圧子を15秒押し込んだ後にビッカース圧子をはずし、ビッカース圧子をはずした後の15秒後に圧痕付近を観測する。100gf、200gf、300gf、500gf、1000gf、2000gfのビッカース圧子の押し込み荷重に対して発生したクラック本数の平均値を荷重ごとに算出する。荷重とクラック本数との関係を、シグモイド関数を用いて回帰計算し、回帰計算結果から、クラック本数が2本となる荷重をガラスのCIL(gf)とすることができる(圧痕の4隅の全てから合計4本のクラックが発生する場合を発生率100%とする。)。
上記のようなndを有する従来の高屈折ガラスの組成では、ガラス表面にクラックが生じやすく、また、生じたクラックを起点として割れ易いという欠点があった。これに対し、本発明の光学ガラスは、Kc、CILが上記した範囲であることで、高い屈折率が得られるとともに、高強度であり、クラック耐性に優れるものである。
また、本発明の光学ガラスは、比重が4.0g/cm以下である。これにより、光学ガラスにクラックが発生しにくい。そのため、クラックを起点とする割れの生じにくい高強度の光学ガラスが得られる。比重は、3.7g/cm以下であることが好ましく、3.5g/cm以下であることがより好ましい。
本発明の光学ガラスは、厚さ1mmのガラス板にしたときの波長360nmにおける光の透過率(T360)が50%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。T360は、例えば、厚さ1mmの両表面を鏡面研磨したガラス板について、分光光度計を用いて測定することができる。
本発明の光学ガラスは、JOGIS06−2008光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)に準拠して測定される耐水性(RW)が等級2以上であることが好ましい。RWは、具体的には、次のように測定される。直径が420〜600μmのガラス粉末について、100℃の純水80mL中に1時間浸漬したときの質量減少割合(%)を測定する。質量減少割合に応じて、所定の等級が付される。等級は数値の小さい方がRWの良好であることを示す。
また、本発明の光学ガラスは、JOGIS06−2008光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)に準拠して測定される耐酸性(RA)が等級1以上であることが好ましい。RAは、具体的には、次のように測定される。直径が420〜600μmのガラス粉末について、100℃の0.01規定の硝酸水溶液80mL中に1時間浸漬した時の質量減少割合(%)を測定する。質量減少割合に応じて、所定の等級が付される。等級は数値の小さい方がRAの良好であることを示す。
[ガラス成分]
次に、本発明の光学ガラスが含有し得る各成分の組成範囲の実施形態について詳細に説明する。本明細書において、各成分の含有割合は、特に断りのない限り、酸化物基準のガラス全質量に対する質量%で示す。また、本発明の光学ガラスにおいて、「実質的に含有しない」とは、不可避不純物を除き含有しないことを意味する。不可避不純物の含有量は、本発明において0.1%以下である。
本実施形態の光学ガラスにおける組成の限定理由を以下に説明する。なお、本発明の光学ガラスは、上記した特性を有する限り、下記実施形態の組成に限定されない。
SiOは、ガラス形成成分であり、ガラスに高い強度とクラック耐性を付与し、ガラスの安定性および化学的耐久性を向上させる成分である。SiOの含有割合は、22%以上50%以下である。SiOの含有割合が22%以上であることで、クラック耐性を向上させることができる。一方、SiOの含有割合が50%以下であることで、高い屈折率を得ることができる。SiOの含有割合は、25%以上であることが好ましく、28%以上であることがより好ましい。また、この含有割合は、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下がさらに好ましい。
Nbは、ガラスの屈折率を高めるとともに、ガラスの分散を大きくする成分である。Nbの含有割合は、20%以上75%以下である。Nbの含有割合が20%以上であることで、高い屈折率を得ることができる。Nbの含有割合は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、45%以上であることがさらに好ましい。また、Nbは、多すぎると失透し易くなる。そのため、その含有割合は、70%以下であることが好ましく、65%以下であることがより好ましく、60%以下であることがさらに好ましい。
TiOは、任意成分であり、ガラスの屈折率を高め、ガラスの分散を大きくする成分である。また、本発明の光学ガラスは、TiOを含有することで、クラック耐性を向上させることができる。一方、TiOは多すぎると着色しやすく、また、透過率が低下するため、その含有割合は、7%以下である。本発明の光学ガラスがTiOを含有する場合、その含有割合は、0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、1.5%以上がさらに好ましい。また、その含有割合は、6%以下が好ましく、5.5%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
ZrOは、任意成分であり、ガラスの屈折率を高め、ガラスの化学的耐久性を高める成分である。本発明の光学ガラスは、ZrOを含有することで、クラック耐性を向上させることができる。一方、ZrOが多すぎると、失透しやすくなるため、含有割合は、20%以下である。本発明の光学ガラスがZrOを含有する場合、その含有割合は、1%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、3%以上がさらに好ましい。ZrOの含有割合は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましい。
LiOは、ガラスの強度を向上させるとともに、低いTgを確保し、ガラスの溶融性を向上させる成分である。LiOの含有割合は1%以上20%以下である。LiOの含有割合は、1%以上であることで、強度(Kc)およびクラック耐性(CIL)を向上させることができる。一方、LiOは、多すぎると失透し易くなる。LiOの含有割合は、2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、4%以上がさらに好ましい。また、その含有割合は、19%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、13%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましく、8%以下が最も好ましい。
NaOは、失透を抑制し、Tgを低くする成分である。NaOの含有割合は1%以上18%以下である。NaOの含有割合が1%以上であれば、優れた失透抑制効果が得られる。一方、NaOは、多すぎると、強度およびクラック耐性が低下し易い。NaOの含有割合は、1.5%以上が好ましく、2%以上がより好ましく、2.5%以上がさらに好ましい。また、その含有割合は、15%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、7%以下が特に好ましく、5%以下が最も好ましい。
Oは、ガラスの溶融性を向上させる成分であるとともに、失透を抑制する成分である。KOの含有割合は0.1%以上10%以下である。KOの含有割合は、0.1%以上であることで、失透抑制効果が向上される。一方、KOは、多すぎると、強度およびクラック耐性が低下し易い。KOの含有割合は、0.3%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上がさらに好ましい。また、その含有割合は、7%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
本実施形態の光学ガラスにおいて、アルカリ金属成分(LiO、NaO、KO)のうち、LiOは、上記したように、ガラスの強度を向上させる成分であるが、その量が多いと失透し易くなる。そこで、本実施形態の光学ガラスでは、LiOの含有割合を多くする場合、失透抑制効果の高いKOを含有させることで、LiOの増加による失透を抑制し、これにより、高い強度を確保することができる。そのため、本実施形態の光学ガラスは、酸化物基準の質量%による値で、LiO/(LiO+NaO+KO)が0.4以上である。LiO/(LiO+NaO+KO)が0.4未満では、強度およびクラック耐性が小さくなり、比重が大きくなって、機械的特性が低下し易い。一方で、大きすぎると、粘度が低くなり易く、プレス成形性が低下する。LiO/(LiO+NaO+KO)は、0.45以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.55以上がさらに好ましい。
ZnOは、任意成分であり、ガラスの強度やクラック耐性などの機械的特性を向上させる成分である。一方、ZnOの量が多いと失透し易くなるため、その含有割合は15%以下である。ZnOの含有割合は、13%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましく、6%以下が特に好ましい。この含有割合は、さらに低くてもよく、その場合、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。ZnOは、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
は、任意成分である。Pは、Tgを低くする成分であり、アッベ数を調整するための成分であるが、Pの量が多いとクラック耐性が低下し易い。そのため、Pの含有割合は、5%以下である。Pの含有割合は、4%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。Pは、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
は、任意成分である。Bは、Tgを低くし、ガラスの強度やクラック耐性などの機械的特性を向上させる成分であるが、Bの量が多いと屈折率が低下し易い。そのため、Bの含有割合は6%以下である。Bの含有割合は、5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。Bは、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
Laは、任意成分である。Laは、ガラスの屈折率を向上させる成分であるが、Laの量が多すぎると機械的特性が低下する。そのため、Laが含有される場合には、その含有割合は、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。Laの含有割合は、さらに少なくてもよく、その場合、その含有割合は、3%以下が好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。Laは、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
BaOは、任意成分である。BaOは、失透を抑制する成分であるが、BaOの量が多いと、クラック耐性が低下し易い。そのため、BaOが含有される場合には、その含有割合は、4%以下が好ましい。BaOの含有割合は、2%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。BaOは、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
CaOは、任意成分である。CaOは、失透を抑制する成分であるが、CaOの量が多いと、クラック耐性が低下し易い。そのため、CaOが含有される場合には、その含有割合は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、2%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。CaOは、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
は、任意成分である。Yは、ガラスの屈折率を向上させ、また、強度およびクラック耐性を向上させる成分である。一方、Yの量が多いとガラスの分散が低下し、また失透し易くなる。そのため、Yが含有される場合には、その含有割合は、10%以下が好ましい。Yの含有割合は、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下が特に好ましい。
Gdは、任意成分である。Gdは、ガラスの屈折率を向上させ、また、強度およびクラック耐性を向上させる成分である。一方、Gdの量が多いと失透し易くなる。そのため、Gdは、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下がよりさらに好ましく、実質的に含有されないことが特に好ましい。
Ln(LnはY、La、Gd、Yb、及びLuからなる群より選択される1種以上である。)は、ガラスの屈折率を向上させる。一方、Lnの量が多くなると、ガラスの分散が低下し、また失透し易くなる。そのため、Lnは、合計で15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、7%以下がさらに好ましい。Lnの含有割合は、さらに少なくてもよく、その場合、その含有割合は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が特に好ましく、実質的に含有されないことがもっとも好ましい。
Alは、任意成分である。Alは、化学的耐久性を向上させる成分であるが、Alが多くなると、ガラスが失透し易くなる。そのため、Alは、7%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下がよりさらに好ましく、実質的に含有されないことが特に好ましい。
WOは、任意成分である。WOは、少量含有されることでガラスの失透が抑制させるが、WOの量が多すぎると、かえってガラスが失透し易くなる。そのため、WOは、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましく、3%以下がよりさらに好ましく、1%以下がよりさらにより好ましく、特に実質的に含有されないことが好ましい。
Biは、任意成分である。Biは、ガラスの屈折率を上げ、Tgを低くし、ガラスの失透を低減する成分である。一方、Biの量が多くなると、ガラスが着色し易くなる。そのため、Biは、実質的に含有されないことが好ましい。
MgOは、任意成分である。MgOは、ガラスの溶融性を向上させ、失透を抑制し、ガラスのアッベ数や屈折率等の光学恒数を調整する成分である。一方、MgOの量が多くなると、かえって失透を促進してしまう。そのため、MgOは、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましく、実質的に含有されないことが特に好ましい。
SrOは、任意成分である。SrOは、ガラスの溶融性を向上させ、失透を抑制し、ガラスの光学恒数を調整する成分である。一方、SrOの量が多くなると、かえって失透を促進してしまう。そのため、SrOは、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましく、実質的に含有されないことが特に好ましい。
Asは、有害な化学物質であるため、近年使用を控える傾向にあり、環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、不可避な混入を除き、実質的に含有されないことが好ましい。
さらに本実施形態の光学ガラスには、Sb及びSnOのうちの少なくとも一種が含有されることが好ましい。これらは必須の成分ではないが、屈折率特性の調整、溶融性の向上、着色の抑制、透過率の向上、清澄、化学的耐久性の向上などの目的で添加することができる。これらの成分を含有させる場合、合計で、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。
さらに本実施形態の光学ガラスには、Fが含有されることが好ましい。Fは必須ではないが、溶解性の向上、透過率の向上、清澄性向上などの目的で添加することができる。Fを含有させる場合は、その含有割合は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
また、本実施形態の光学ガラスにおいては、LiO+NaO+KOを多くすることで、Tgを低くすることができるが、多くなりすぎても、粘度が低くなり易く、プレス成形性が低下する、またはガラスが失透し易くなる。一方、LiO+NaO+KOが少なすぎると、粘度が低くなり易く、プレス成形性が低下する。そのため、LiO+NaO+KOは、5%以上30%以下である。LiO+NaO+KOの含有割合は、6%以上が好ましく、7%以上がより好ましく、8%以上がさらに好ましい。また、その含有割合は、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、18%以下がさらに好ましく、17%以下が特に好ましい。また、LiO+NaO+KOは、さらに少なくてもよく、その場合、その含有割合は、16%以下が好ましく、14%以下がより好ましく、12%以下が特に好ましい。
本実施形態の光学ガラスは、上記したようにアルカリ金属成分の合計含有量(LiO+NaO+KO)が多いと、Tgが低くなるが、屈折率が低下し易い。そこで、屈折率を向上させる成分であるNb、LaおよびBaOのうち、強度の向上に寄与するNbを、LaおよびBaOの合計に対して所定の量以上含有させることでTgを低くしつつ、屈折率をより高くすることができる。そのため、Nb−(La+BaO)は10%以上であることが好ましい。一方、Nb−(La+BaO)は、多くなりすぎると、比重が大きくなるため、75%以下であることが好ましい。比重を小さくし、高屈折率を得る点から、Nb−(La+BaO)は、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上がさらに好ましく、40%以上が特に好ましい。また、Nb−(La+BaO)は、さらに多くしてもよく、その場合、その割合は、45%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。
本実施形態の光学ガラスにおいては、酸化物基準の質量%による値で、(Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)が5以上が好ましい。上記したように(Nb−(La+BaO))は、高屈折率かつ高強度を得るための指標であり、(LiO+NaO+KO)は、Tgを下げるための指標である。(Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)が5以上であれば、高屈折率かつ高強度であり、Tgのより低い光学ガラスを得ることができる。(Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)は、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上がさらに好ましく、25以上が特に好ましく、30以上が最も好ましい。
本実施形態の光学ガラスにおいては、酸化物基準の質量%による値で、(Nb+Ln+TiO+ZrO+WO+ZnO)×LiOが500以下が好ましい。Nb+Ln+TiO+ZrO+WO+ZnO)×LiOが500超では、ガラスが失透し易くなる。450以下であることがより好ましく、400以下がさらに好ましい。
本実施形態の光学ガラスにおいて、光学ガラスの強度を高める観点から、アルカリ金属成分の含有量は、LiO>NaO>KOの関係を満たすことが好ましい。また、同様に光学ガラスの強度を高める観点から、LiO/NaOは質量比で1.2以上が好ましい。
[光学ガラスおよびガラス成形体の製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記所定のガラス組成となるように原料を秤量し、均一に混合する。作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗溶融する。その後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて1200〜1400℃の温度範囲で2〜10時間溶融し、脱泡、撹拌などにより均質化して泡切れ等を行った後、金型に鋳込んで徐冷することにより作製される。そして、徐冷後に、必要に応じて、化学強化処理が施されて光学ガラスが製造される。
さらに、作製された光学ガラスから、例えばリヒートプレス成形や精密プレス成形等の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスからモールドプレス成形用のレンズプリフォームを作製し、このレンズプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、例えば研磨加工を行って作製したレンズプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このようにして作製されるガラス成形体は、様々な光学素子に有用であるが、その中でも特に、車載用カメラに用いられる撮像レンズ等、過酷な環境に曝される用途に好適に用いられる。
以上説明した本実施形態の光学ガラスによれば、過酷な環境に曝される車載用カメラに用いられる撮像レンズ等に好適な、高屈折率かつ高強度であり、耐クラック性に優れ、成形性の良好な光学ガラスを得ることができる。
表1〜4に示す化学組成(酸化物換算の質量%)となるように原料を秤量した。原料は、いずれも、各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、フッ化物、水酸化物、メタリン酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定して使用した。
秤量した原料を均一に混合し、内容積約300mLの白金ルツボ内に入れて、約1400℃で約2時間溶融、清澄、撹拌後、1400℃で0.5時間保持し、およそ650℃に予熱した縦50mm×横100mmの長方形のモールドに鋳込み後、約0.5℃/分で徐冷してサンプルとした。
[評価]
上記で得られた各サンプルについて、ガラス転移点(Tg)、屈折率(nd)、比重、ヤング率(E)、破壊靱性値(Kc)、クラック・イニシエーション・ロード(CIL)、失透温度、耐水性(RW)、耐酸性(RA)および360nmにおける透過率(T360)を次のように測定した。
Tg:直径5mm、長さ20mmの円柱状に加工したサンプルについて、熱機械分析装置(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名:TMA4000SA)で熱膨張法により5℃/分の昇温速度で測定した。
nd:サンプルのガラスを一辺が30mm、厚さが10mmの三角形状プリズムに加工し、屈折率計(Kalnew社製、機器名:KPR−2000)により測定した。
比重:サンプルの質量と、圧力101.325kPa(標準気圧)のもとにおける、それと同体積の4℃の純水の質量との比をSGとして表示し、JIS Z8807(1976、液中で秤量する測定方法)に準じて測定した。
E:20mm×20mm×10mmのブロック状のサンプルについて、超音波精密板厚計(OLYMPAS社製、MODEL 38DL PLUS)を用いて測定を行った(単位:GPa)。
Kc:厚さが4〜10mm、大きさが約4cm×4cmのサンプルのガラス板について、JIS R1607準拠のIF法により次のようにして求めた。すなわち、ビッカース硬度計を用い、ビッカース圧子にて押し込み荷重5kgf、保持時間15秒で圧痕を導入し、その後ビッカース圧子を外し、15秒待機後に圧痕の対角線長さとき裂長さを試験機付属の顕微鏡を用いて測定することを10回繰り返し、上記式(1)より算出した。
CIL:両面を鏡面研磨した、厚さ1mmの板状のサンプルガラスの表面に、ビッカース硬度試験機にて、ビッカース圧子を15秒押し込んだ後にビッカース圧子をはずし、15秒後に圧痕付近を観測した。ビッカース圧子の押し込みは、100gf、gf、200gf、300gf、500gf、1000gf、2000gfのビッカース圧子の押し込み荷重によってそれぞれ行い、発生したクラック本数の平均値をビッカース圧子の押し込み荷重ごとに算出した。荷重とクラック本数との関係を、シグモイド関数を用いて回帰計算し、回帰計算結果から、クラック本数が2本となる荷重をガラスのCIL値(gf)とした。
失透温度:白金皿にサンプル約5gを入れ、それぞれ1000℃〜1400℃まで10℃刻みにて1時間保持したものを自然放冷により冷却した後、結晶析出の有無を顕微鏡により観察して、長辺又は長径で1μm以上の結晶の認められない最高温度を失透温度とした。
RW:JOGIS06−2008光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)に準拠して測定した。具体的には、直径が420〜600μmのガラス粉末について、100℃の純水80mL中に1時間浸漬した時の質量減少割合(%)を測定した。質量減少割合が0.05(%)未満では等級1、0.05以上0.10(%)未満では等級2、0.10以上0.25(%)未満では等級3、0.25以上0.60(%)未満では等級4、0.60以上1.10(%)未満では等級5、1.10(%)以上では等級6とした。
RA:JOGIS06−2008光学ガラスの化学的耐久性の測定方法(粉末法)に準拠して測定した。具体的には、直径が420〜600μmのガラス粉末について、100℃の0.01規定の硝酸水溶液80mL中に1時間浸漬した時の質量減少割合(%)を測定した。質量減少割合が0.20(%)未満では等級1、0.20以上0.35(%)未満では等級2、0.35以上0.65(%)未満では等級3、0.65以上1.20(%)未満では等級4、1.20以上2.20(%)未満では等級5、2.20(%)以上では等級6とした。
360:10mm×30mm×厚さ1mmの板状に加工し、両表面を鏡面研磨したサンプルについて、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)にて波長360nmにおける光の透過率の測定を行った。
結果をガラスの組成とあわせて表1〜6に示す。例1〜21、42〜48は実施例、例22〜41は比較例である。
なお、表中「−」の表記は、未測定であることを示す。また、表中の()は計算値であることを示す。失透温度は、未測定のものはいずれも1300℃以下である。
Figure 0006922741
Figure 0006922741
Figure 0006922741
Figure 0006922741
Figure 0006922741
Figure 0006922741
上記各実施例の光学ガラスは、いずれも、屈折率(nd)が1.70以上と高屈折率である。また、CILが20gfの高い強度およびKcが0.60MPa・m1/2以上の優れたクラック耐性を有する。また、ガラス転移点(Tg)が500℃〜630℃、失透温度が1300℃以下であるためプレス成形性が良好である。さらに、比重が4.0g/cm以下であることで、割れの起点となり得るクラックが生じにくい。そのため、過酷な環境に曝される車載用カメラに用いられる撮像レンズ等に好適である。
また、本ガラスは強度を保ちながらデバイスやレンズの広角化、高輝度化、高コンストラスト化、導光特性向上、または回折格子の高さを低く設計し加工を容易にする事ができるため、アクションカメラ、ウェアラブルデバイス、導光板、プロジェクター付メガネ、ホログラム付導光板、ホログラム付ガラス、導波路リフレクターアレイプロジェクター、回折格子付ガラス、仮想現実拡張現実表示装置、HMDデバイス、ゴーグル型ディスプレイ、メガネ型ディスプレイ、虚像表示装置などへの使用にも適している。

Claims (9)

  1. 屈折率(nd)が1.70〜2.10、
    ガラス転移点(Tg)が500℃〜630℃、
    失透温度が1300℃以下、
    比重が4.0g/cm以下、
    クラックイニシエーションロード(CIL)が20gf以上、かつ
    JIS R1607に準拠して圧子圧入法により測定した破壊靱性値(Kc)が0.60MPa・m1/2以上であり、
    酸化物基準の質量%表示で、
    Nb:20%〜75%、
    SiO:22%〜50%、
    TiO:0%〜2.4%
    ZrO:0%〜20%、
    LiO:1%〜20%、
    NaO:1%〜18%、
    O:0.3%〜7%
    ZnO:0%〜15%、
    :0%〜5%、
    :0%〜6%、
    F:0%〜5%、
    を含有し、
    LiO+NaO+KOが5%〜30%であり、
    LiO/(LiO+NaO+KO)が0.4以上である
    光学ガラス。
  2. 前記ZnOが0%〜10%であり、LiO/(LiO+NaO+KO)が0.45以上である請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 酸化物基準の質量%による値で、
    La:0%〜15%、
    BaO:0%〜4%、
    を含有し、
    Nb−(La+BaO)が10%〜75%である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 酸化物基準の質量%による値で、
    Nb−(La+BaO)が30%〜75%
    である請求項3に記載の光学ガラス。
  5. 酸化物基準の質量%による値で、
    (Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)が5以上である請求項3または4に記載の光学ガラス。
  6. 酸化物基準の質量%による値で、
    (Nb−(La+BaO))×LiO/(LiO+NaO+KO)が20以上である請求項3〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
  7. 酸化物基準の質量%による値で、
    Ln:0%〜15%(ここで、LnはY、La、Gd、Yb、及びLuからなる群より選択される1種以上である。)、
    WO:0%〜10%、
    を含有し、
    (Nb+Ln+TiO+ZrO+WO+ZnO)×LiOが500以下である請求項1〜6のいずれかに記載の光学ガラス。
  8. 厚さ1mmのガラス板にしたときの、波長360nmにおける光の透過率(T360)が50%以上である請求項1〜7のいずれかに記載の光学ガラス。
  9. 日本光学硝子工業会規格に準拠して測定される耐水性が等級2以上であり、耐酸性が等級1以上である請求項1〜8のいずれかに記載の光学ガラス。
JP2017552676A 2015-11-24 2016-11-24 光学ガラス Active JP6922741B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015229150 2015-11-24
JP2015229150 2015-11-24
PCT/JP2016/084716 WO2017090645A1 (ja) 2015-11-24 2016-11-24 光学ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017090645A1 JPWO2017090645A1 (ja) 2018-09-06
JP6922741B2 true JP6922741B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=58763723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017552676A Active JP6922741B2 (ja) 2015-11-24 2016-11-24 光学ガラス

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20180244559A1 (ja)
EP (1) EP3381871A4 (ja)
JP (1) JP6922741B2 (ja)
CN (1) CN108290768A (ja)
WO (1) WO2017090645A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7195040B2 (ja) * 2015-12-07 2022-12-23 株式会社オハラ 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
EP3643690A4 (en) 2017-06-23 2021-03-17 AGC Inc. OPTICAL GLASS AND OPTICAL COMPONENT
KR102642282B1 (ko) 2017-07-12 2024-02-28 호야 가부시키가이샤 도광판 및 화상 표시 장치
JP2019020723A (ja) 2017-07-12 2019-02-07 Hoya Candeo Optronics株式会社 導光板、画像表示装置
EP3702335A4 (en) * 2017-10-25 2021-08-18 AGC Inc. OPTICAL GLASS, OPTICAL ELEMENT AND PORTABLE DEVICE
KR20210053880A (ko) * 2018-08-31 2021-05-12 에이지씨 가부시키가이샤 광학 유리 및 광학 부품
JPWO2020090051A1 (ja) 2018-10-31 2021-02-15 Agc株式会社 導光板用光学材料及び導光板
US11667561B2 (en) * 2018-11-26 2023-06-06 Corning Incorporated Glass material with a high index of refraction
JP7310830B2 (ja) * 2018-12-11 2023-07-19 Agc株式会社 ガラス、化学強化ガラスおよびそれを含む電子機器
EP4153544A1 (en) 2020-05-18 2023-03-29 Corning Incorporated Glass compositions with high refractive indexes and low densities
US11976004B2 (en) 2020-09-10 2024-05-07 Corning Incorporated Silicoborate and borosilicate glasses having high refractive index and high transmittance to blue light
US11802073B2 (en) 2020-09-10 2023-10-31 Corning Incorporated Silicoborate and borosilicate glasses with high refractive index and low density

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2001244581A1 (en) * 2000-03-29 2001-10-08 Kabushiki Kaisha Ohara Optical glass and optical element
WO2002014235A1 (fr) * 2000-08-15 2002-02-21 Kabushiki Kaisha Ohara Verre optique a faible fluorescence
EP1350770A1 (en) * 2002-04-02 2003-10-08 Kabushiki Kaisha Ohara Optical glass
US7528083B2 (en) * 2003-06-10 2009-05-05 Kabushiki Kaish Ohara Optical glass
DE102006052787B4 (de) * 2005-12-23 2017-06-22 Schott Ag Optisches Glas
JP5545917B2 (ja) * 2008-01-31 2014-07-09 株式会社オハラ 光学ガラス
JP2010105897A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Ohara Inc 光学ガラス、光学素子及び光学機器
JP2011037660A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Ohara Inc 光学ガラス、レンズプリフォーム及び光学素子
JP5706231B2 (ja) * 2010-06-23 2015-04-22 株式会社オハラ 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP5721534B2 (ja) * 2010-06-23 2015-05-20 株式会社オハラ 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP2012240909A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Ohara Inc 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP5956117B2 (ja) * 2011-05-24 2016-07-20 株式会社オハラ 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP2012240908A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Ohara Inc 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
TWI658021B (zh) * 2012-12-07 2019-05-01 日商小原股份有限公司 光學玻璃、預成形體及光學元件
JP5863745B2 (ja) * 2012-12-07 2016-02-17 株式会社オハラ 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP5640128B2 (ja) 2013-09-09 2014-12-10 Hoya株式会社 車載カメラ用レンズ
KR20190038484A (ko) * 2016-07-28 2019-04-08 에이지씨 가부시키가이샤 광학 유리 및 광학 부품

Also Published As

Publication number Publication date
EP3381871A4 (en) 2019-07-10
JPWO2017090645A1 (ja) 2018-09-06
EP3381871A1 (en) 2018-10-03
WO2017090645A1 (ja) 2017-06-01
CN108290768A (zh) 2018-07-17
US20180244559A1 (en) 2018-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6922741B2 (ja) 光学ガラス
JP6879215B2 (ja) 光学ガラス
JP6321312B1 (ja) 光学ガラスおよび光学部品
WO2020045417A1 (ja) 光学ガラスおよび光学部品
JP4590386B2 (ja) 光学ガラス
CN107082562B (zh) 光学玻璃、光学元件以及精密加压成形用预成形品
TWI789340B (zh) 光學玻璃、預成形體及光學元件
JP2011026185A (ja) 光学ガラス、プリフォーム材及び光学素子
JP5271483B2 (ja) 光学ガラス
JP2009263191A (ja) 光学ガラス
JP2010024101A (ja) 光学ガラス、ガラス成形体及び光学素子
WO2019151316A1 (ja) 光学ガラスおよび光学部品
JP6663177B2 (ja) 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
KR20090123883A (ko) 광학 유리
JP5748613B2 (ja) 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP6062613B2 (ja) 光学ガラス、プリフォーム材及び光学素子
TW201840494A (zh) 光學玻璃、預成形體構材以及光學元件
JP2012206892A (ja) 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP2009286673A (ja) 光学ガラス、プリフォーム、及び光学素子
JPWO2021038691A1 (ja) 光学ガラス
JPWO2019082616A1 (ja) 光学ガラス、光学部材およびウェアラブル機器
JP7354109B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2009286677A (ja) 光学ガラス、プリフォーム、及び光学素子
JP2022013673A (ja) 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
JP6611410B2 (ja) 光学ガラス、プリフォーム材及び光学素子

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190308

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210629

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6922741

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150