JP2022507351A - 少なくとも１つの可動の家具部分をガイドするための装置 - Google Patents

Abstract

少なくとも１つの可動の家具部分（２）、特に少なくとも１つの家具扉または少なくとも１つの引出しを、固定の家具部分（３）に対して相対的にガイドするための装置（１）は、特に固定の家具部分（３）に組み付けるべき少なくとも１つのガイドレール（４）と、好適には実質的に円筒状の少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）を有する、特に少なくとも１つの可動の家具部分（２）に連結可能な少なくとも１つのガイド装置（５）とを含んでおり、少なくとも１つのガイドレール（４）は、少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）が可動に支持されている少なくとも１つの走行軌道（７）を有していて、少なくとも１つの走行軌道（７）は、少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）のための少なくとも１つの停止位置（８，９）を有しており、少なくとも１つの停止位置（８，９）は、固定の家具部分（３）に対して相対的な少なくとも１つの可動の家具部分（２）の終端位置に相当しており、少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）と少なくとも１つの走行軌道（７）とは、少なくとも、少なくとも１つの停止位置（８，９）の領域で、少なくとも１つの走行軌道（７）がこの領域で、凹部（１０）を形成するように変形可能であり、少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）は実質的に形状安定的であるように形成されている。

Description

本発明は、少なくとも１つの可動の家具部分、特に少なくとも１つの家具扉または少なくとも１つの引出しを、固定の家具部分に対して相対的にガイドするための装置であって、特に固定の家具部分に組み付けるべき少なくとも１つのガイドレールと、好適には実質的に円筒状の少なくとも１つの荷重伝達転動体を有する、特に少なくとも１つの可動の家具部分に連結可能な少なくとも１つのガイド装置とを含んでおり、少なくとも１つのガイドレールは、少なくとも１つの荷重伝達転動体が可動に支持されている少なくとも１つの走行軌道を有していて、少なくとも１つの走行軌道は、少なくとも１つの荷重伝達転動体のための少なくとも１つの停止位置を有しており、少なくとも１つの停止位置は、固定の家具部分に対して相対的な少なくとも１つの可動の家具部分の終端位置に相当する、装置に関する。本発明はさらに、少なくとも１つの可動の家具部分、特に少なくとも１つの家具扉または引出しと、固定の家具部分と、少なくとも１つ可動の家具部分を固定の家具部分に対して相対的にガイドするための少なくとも１つのこのような装置と、を備えた家具に関する。

請求項１の上位概念に記載の形式の装置は、従来技術により公知である。

図１には、従来技術で使用されているような、回転軸線１３３を中心として回転可能に支持されている転動体１０６と走行軌道１０７との組み合わせが示されている。この場合、転動体１０６の停止位置１０８では、転動体１０６の荷重に基づき、転動体１０６と走行軌道１０７との接触領域で転動体の平坦化が生じる場合がある。そのとき転動体１０６が、停止位置１０８から、回転軸線１３３を中心とする回転により動かされると、平坦部１３４がまず走行軌道１０７から離れ、続いて行われる一連の回転運動において再び、走行軌道１０７に向かい、次いで走行軌道に再び接触する。転動体１０６の円形領域と平坦領域１３４とが走行軌道１０７上に交互に現れることにより、使用者にとっては煩わしいと感じられるがたつきノイズが生じる。

この問題を解消するために、転動体１０６の平坦化を回避するためのプラスチックカバーを転動体１０６に設けるというアプローチがある。しかしながらプラスチックカバーは遅かれ早かれ破裂するので、これによって上記問題は解消されず、延期されるだけである。

本発明の課題は、上記の欠点を回避する、従来技術よりも改善された、少なくとも１つの可動の家具部分を固定の家具部分に対して相対的にガイドする装置、ならびにこのような改善された装置を備えた家具を提供することである。

この課題は、独立請求項１および１２に記載の特徴により解決される。

すなわち本発明による装置では、少なくとも１つの荷重伝達転動体と少なくとも１つの走行軌道とは、少なくとも、少なくとも１つの停止位置の領域で、少なくとも１つの走行軌道がこの領域で、凹部を形成するように変形可能であり、少なくとも１つの荷重伝達転動体は実質的に形状安定的であるように形成されている。

すなわち、従来技術の場合のように、転動体の平坦化を回避しようとするものではない。むしろ、停止位置の領域における平坦化は意識的に甘受されており、しかしながらこれは転動体における平坦化ではなく、少なくとも１つの走行軌道における平坦化である。すなわち、少なくとも１つの停止位置の領域で、少なくとも１つの走行軌道に凹部が形成されてよい。しかしながらこの凹部は、少なくとも１つの可動の家具部分の終端位置に配置されているので、煩わしいノイズを発生させない。すなわち、少なくとも１つの荷重伝達転動体は、凹部内に出入りはするが、通常、凹部を通過する必要はない。少なくとも１つのガイド装置が、２つ以上の荷重伝達転動体を含む構造は例外である。この場合は、停止位置の領域で、走行軌道に複数の凹部を形成することができる。可動の家具部分を終端位置から動かす場合には、凹部を通過することになるが、これは停止位置の領域でのみであり、従来技術のように走行軌道に沿った走行領域全体にわたるものではない。

本発明の好適な実施形態によれば、少なくとも１つの荷重伝達転動体は、少なくとも、少なくとも１つの停止位置の領域で、少なくとも１つの走行軌道と比較してより大きな硬度を有している。これにより、少なくとも１つの走行軌道がこの領域で、凹部を形成するように変形可能であり、少なくとも１つの荷重伝達転動体は実質的に形状安定的であることが保証される。

安定性の理由から、少なくとも１つのガイドレールは、好適には鋼から成る支持構造体と、少なくとも１つの走行軌道の少なくとも一部を形成する、好適にはプラスチックから成る、特に好適にはポリオキシメチレンから成る少なくとも１つの載置部材とを有していると有利であり得る。

この関連で、少なくとも１つの載置部材は、交換可能であって、かつ／または１～８ｍｍの、好適には３ｍｍの厚さを有していることが考えられる。

好適な実施形態によれば、少なくとも１つの載置部材を少なくとも１つのガイドレールに固定可能な少なくとも１つの固定エレメントが設けられていてよく、好適には、少なくとも１つの固定エレメントは、実質的にＵ字形に形成されていて、かつ／または少なくとも１つのばねエレメントを有しており、かつ／または少なくとも１つのガイドレールの、特に溝として形成された当接部における摩擦を高めるために、少なくとも１つの摩擦エレメントを有しており、かつ／または少なくとも１つの固定エレメントは少なくとも１つの操作エレメントを有しており、少なくとも１つの操作エレメントを介して、少なくとも１つの固定エレメントと、少なくとも１つの固定エレメントに接続された少なくとも１つの載置部材とが可動であって、かつ／または少なくとも１つの固定エレメントを少なくとも１つの載置部材に取り外し可能に固定することができる少なくとも１つの係止装置が設けられており、少なくとも１つの係止装置は、少なくとも１つの係止受容部と少なくとも１つの係止突起とを有している。

例えば、懸吊扉をガイドするためのガイドレール上の載置部材が既に公知である。しかしながらこの載置部材は、ノイズ減衰のために、またはガイドレールの摩耗を低減するために用いられている。このような載置部材は、特殊な構成の転動体と組み合わせて使用され、特に、少なくとも１つの走行軌道の停止位置の領域に、永続的でもある凹部の形成を可能とする本発明により使用される載置部材とは異なるものである。

すなわち、少なくとも１つの走行軌道が、少なくとも１つの荷重伝達転動体の少なくとも１つの停止位置で、実質的に不可逆的に凹部を形成するように変形可能であってもよい。

少なくとも１つの荷重伝達転動体が、力を加えることにより、少なくとも１つの停止位置の領域で少なくとも１つの走行軌道に成形された凹部から移動可能である場合も生じ得る。しかしながらこのことは必ずしも、使用者に欠点として受け取られない。逆に実際は、少なくとも１つの転動体が凹部に出入りする場合、使用者がこのようにして、固定の家具部分に対して転動体が、少なくとも１つの停止位置に関連する、可動の家具部分の終端位置に達していたことを確認するので、使用者にとってこれは有利であると感じられることもある。

好適には、少なくとも１つの荷重伝達転動体は、少なくとも部分的に、好適には全体的に、鋼から形成されている。

さらに、少なくとも１つの走行軌道は、少なくとも２つの異なる材料区分を有しており、第１の材料区分は、少なくとも１つの停止位置の領域に配置されていてよく、第２の材料区分は、少なくとも１つの停止位置の領域に続く移動領域若しくは走行領域に配置されていてよい。このようにして、可動の家具部分の走行特性を目的に応じて調節することができる。

代替的にまたは補足的に、少なくとも１つの走行軌道は、少なくとも所定の領域で横断面凹状に形成されており、かつ／または少なくとも１つの荷重伝達転動体は、少なくとも所定の領域で横断面凸状に形成された周面を有していてよい。このような構成により、同時に、側方方向の支持が提供されるという利点が得られる。

装置が、少なくとも１つの支持体を含み、この支持体には、少なくとも１つの可動の家具部分が、好適には旋回可能に支持可能であり、支持体は少なくとも１つのガイド装置に連結可能である、かつ／または装置が、少なくとも１つのガイドレールに対して横方向に配置されたまたは配置可能な少なくとも１つの横方向レールと、少なくとも１つの横方向レールに沿って摺動可能に支持可能な、少なくとも１つの可動の家具部分に連結可能な少なくとも１つの走行キャリッジとを有していると好適であることが示された。

冒頭で述べたように、特許権保護は、少なくとも１つの可動の家具部分、特に少なくとも１つの家具扉または引出しと、固定の家具部分と、少なくとも１つ可動の家具部分を固定の家具部分に対して相対的にガイドするための少なくとも１つの本発明による装置と、を備えた家具にも求められる。

好適な実施形態によれば、少なくとも１つの可動の家具部分は、家具扉、特に折戸として形成されていて、家具は、少なくとも１つの内室と、特に竪穴状の、少なくとも１つの側方空室とを有しており、少なくとも１つの装置は、少なくとも１つの内室を外部に対して遮蔽している閉鎖位置と、少なくとも１つの側方空室内に少なくとも部分的に進入していて、使用者が少なくとも１つの内室に自由にアクセスできる開放位置との間で、少なくとも１つの家具扉を、固定の家具部分に対して相対的に案内するように構成されていて、かつ家具に配置されている。

この関連で、少なくとも１つの家具扉を案内するための装置は少なくとも所定の区分で、少なくとも１つの側方空室の奥行き方向に延在しており、少なくとも１つの荷重伝達転動体の少なくとも１つの停止位置は、少なくとも１つの家具扉が、実質的に完全に少なくとも１つの側方空室内に配置される、該少なくとも１つの家具扉の終端位置に相当し、好適には、少なくとも１つの走行軌道は、少なくとも１つの荷重伝達転動体ための別の停止位置を有しており、別の停止位置は、少なくとも１つの家具扉が、固定の家具部分の少なくとも１つの側方空室に対して実質的に平行に、かつ実質的に完全に外側に配置されている、少なくとも１つの家具扉の位置に相当すると好適であることが示された。

最後に、固定の家具部分は、少なくとも１つの側方空室を少なくとも部分的に画定する少なくとも１つの側面を有しており、少なくとも１つの側面には、少なくとも１つの家具扉を案内するための装置の少なくとも１つのガイドレールが少なくとも区分的に配置されていると好適であることがわかった。

本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき図面を参照しながら以下に詳しく説明する。

従来技術による転動体と走行軌道の組み合わせを示す図である。 本発明による装置の好適な実施例を示す斜視図である。 本発明による装置の好適な実施例を示す概略的な側面図である。 転動体と走行軌道との組み合わせの好適な実施例を示す概略的な側面図である。 転動体と走行軌道との組み合わせの別の好適な実施例を示す概略的な側面図である。 転動体と走行軌道との組み合わせの別の好適な実施例を示す概略的な横断面図である。 ２つの折戸を備えた家具の好適な実施例を、折戸が閉鎖位置に配置された状態で示す概略的な斜視図である。 図５ａ）の実施例を、折戸が屈曲位置に配置された状態で示す概略的な斜視図である。 図５ａ）の実施例を、折戸が開放位置で家具の側方空室の外側に配置された状態で示す概略的な斜視図である。 図５ａ）の実施例を、折戸が開放位置で家具の側方空室の内側に配置された状態で示す概略的な斜視図である。 家具扉を備えた家具の別の好適な実施例を概略的に示す側面図であり、この場合、家具扉は開放位置で、家具の側方空室の外側（実線）および内側（破線）に配置されている。 固定エレメントを介してガイドレールに固定されている載置部材が設けられている別の好適な実施例を組付け状態で示す図である。 図７ａ）の実施例を示す分解図である。

図１には、本明細書の冒頭で既に説明した従来技術が示されている。

図２ａ）、図２ｂ）には、少なくとも１つの可動の家具部分、特に少なくとも１つの家具扉または少なくとも１つの引出しを、固定の家具部分に対して相対的にガイドするための装置１の好適な実施例が示されており、この装置は、特に固定の家具部分に組み付けるべきガイドレール４と、実質的に円筒状の荷重伝達転動体６を有する、特に少なくとも１つの可動の家具部分に連結可能な少なくとも１つのガイド装置５とを含んでおり、ガイドレール４は、荷重伝達転動体６が可動に支持されている走行軌道７を有していて、この走行軌道７は、荷重伝達転動体６のための少なくとも１つの停止位置８，９（図３ａ）、図３ｂ）参照）を有しており、この少なくとも１つの停止位置８，９は、固定の家具部分に対して相対的な少なくとも１つの可動の家具部分の終端位置に相当する。この場合、荷重伝達転動体６と走行軌道７とは、少なくとも、少なくとも１つの停止位置８，９の領域で、走行軌道７がこの領域で、凹部１０を形成するように変形可能であり、荷重伝達転動体６は実質的に形状安定的であるように、つまり変形しないように形成されている。

図示した具体例では、ガイド装置５は２つの荷重伝達転動体６を含んでいる。その他に、側方案内のためのガイドローラ３２が設けられている。

荷重伝達転動体６は、少なくとも、少なくとも１つの停止位置８，９の領域では、走行軌道７と比較してより大きな硬度を有している。逆に云えば、走行軌道７は、少なくとも、少なくとも１つの停止位置８，９の領域で、荷重伝達転動体６よりも軟らかく形成されていることを意味する。

荷重伝達転動体６および走行軌道７の硬度には、様々な要素によって影響を与えることができる。様々な要素には、使用材料の選択および特定の形状付与が含まれる。

図示した実施例では、ガイドレール４は、鋼から成る支持構造体１１と、走行軌道７を形成する、プラスチックから成る、好適にはポリオキシメチレンから成る載置部材１２とを有している。

載置部材１２は、交換可能で、１～８ｍｍの、好適には３ｍｍの厚さ１３を有している（図３ａ）、図３ｂ）も参照）。

荷重伝達転動体６は鋼から成っている。

ガイドレール４は、垂直ウェブ３０および３１を有していて、これらの垂直ウェブ３０および３１は、支持構造体１１と共に、載置部材１２を収容するための溝を形成している。同時に垂直ウェブ３１には、ガイドローラ３２も当接する。

荷重伝達転動体６は、使用位置で、実質的に水平に向けられた回転軸線３３を中心として回転可能に支持されている。

装置１は、図示した例では、支持体１７を含み、この支持体１７において、少なくとも１つの可動の家具部分が、好適には旋回可能に支持可能であり、この支持体１７はガイド装置５に連結されている。

図３ａ）、図３ｂ）には、荷重伝達転動体６と走行軌道７との組み合わせの２つの好適な実施例が示されている。

両例で、走行軌道７はそれぞれ、互いに間隔を置いて位置する２つの停止位置８，９を有しており、これらの停止位置は、固定の家具部分に対して相対的な可動の家具部分のそれぞれ１つの終端位置に相当し、これら停止位置の間で、荷重伝達転動体６が可動に支持されており、転動体６は、走行軌道７に沿って動く際に、回転軸線３３を中心として回転する。

荷重伝達転動体６と走行軌道７とは、少なくとも停止位置８，９の領域で、走行軌道７がこの領域で、凹部１０を形成するように変形可能であり、荷重伝達転動体６は実質的に形状安定的であるように構成されていることが概略的に示されている。すなわち、図１に示した従来技術と比較すると、転動体６には、平坦化された部分は設けられない。むしろ、停止位置８，９の領域で走行軌道７に凹部が形成されることが許容されている。

これは、実質的に走行軌道７の非可逆的な変形であってよい。

荷重伝達転動体６は、力を加えることにより、停止位置８，９の領域から、つまり走行軌道７に形成された凹部１０から移動することができる。

図３ｂ）に示した実施形態では、走行軌道７は、２つの異なる材料区分１４，１５を有しており、第１の材料区分１４は、停止位置８，９の領域に配置されていて、第２の材料区分１５は、停止位置８，９の領域に続く移動領域に配置されている。

図４に示した好適な実施例では、走行軌道７は、少なくとも所定の領域で横断面凹状に形成されている。同時に、荷重伝達転動体６は、所定の領域で横断面凸状に形成された周面１６を有している。このような構成では、図２ａ）、図２ｂ）に示したような側方のガイドローラ３２の必要性を省くことができる。

図５ａ）～図５ｄ）は、本発明による装置１を好適に使用することができる家具２０の好適な実施例を示している。具体的には、家具２０は、折戸の形態の２つの可動の家具部分２と、固定の家具部分３と、可動の家具部分２を固定の家具部分３に対して相対的にガイドするための装置１とを有している。

家具２０は、内室２１と、竪穴状の２つの側方空室２２とを有しており、装置１は、家具扉２を、内室２１を外部に対して遮蔽する閉鎖位置（図５ａ）参照）と、使用者が内室２１に自由にアクセスできる、それぞれ１つの側方空室２２内に少なくとも所定の領域で収容される開放位置（図５ｄ）参照）との間で、固定の家具部分３に対して相対的に案内できるように構成されて、家具２０に配置されている。これら両位置の間で、家具扉２は、図５ｂ）および図５ｃ）に示したような中間位置をとることができる。

図３ａ）、図３ｂ）の両停止位置８，９に相当する、可動の家具扉２の終端位置は、図５ｃ）および図５ｄ）に示されており、少なくとも１つの荷重伝達転動体６の第１の停止位置８は、各家具扉２の、実質的に完全に側方空室２２内に配置されるそれぞれ１つの終端位置に相当し（図５ｄ）参照）、これに対して、少なくとも１つの荷重伝達転動体６の別の停止位置９は、各家具扉２が、固定の家具部分３に設けられた側方空室２２に対して実質的に平行に、かつ実質的に完全に外側に配置されている（図５ｃ）参照）、各家具扉２の位置に相当している。

２つの家具扉２の代わりに、１つだけの家具扉２が、または３つ以上の家具扉２が設けられていてもよい。さらに家具扉２は、扉ヒンジ２６を介して互いに枢着結合されている２つの扉から成る図示の構成のようにではなく、１つだけの扉から成るものであってもよい。

家具扉２をガイドするための装置１は、それぞれ所定の区分で、両側方空室２２の奥行き方向２３に延在している。

具体的には、固定の家具部分３は、側方空室２２を所定の領域で画定する複数の側面若しくは側壁２４を有しており、設けられた側面２４のそれぞれには、家具扉２をガイドするための装置１のそれぞれ少なくとも１つのガイドレール４が少なくとも所定の区分にわたって配置されている。

ガイドレール４の他に、装置１は、ガイドレール４に対して実質的に垂直に配置された横方向レール１８と、横方向レール１８に沿って摺動可能に支持可能な、家具扉２につきそれぞれ１つの、家具扉２に連結された走行キャリッジ１９とを含む。走行キャリッジ１９は、図５ｃ）と図５ｄ）とに示された終端位置の間で移動する際に、支持体１７と一緒に移動するようになっている。横方向レール１８は、固定の家具部分３の天井面２８に配置することができる。

各家具扉２は、さらに、支持体ヒンジ２９を介して、支持体１７に枢着結合されている。

家具２０は、例えば戸棚２５のようなさらに別の家具部分も含むことができる。

固定の家具部分３の内室２１には、好適には、図示した例のように、キッチン家具２７が、例えば引出しを備えた下部棚および／または上部棚が配置されている。すなわち、可動の家具部分２は、上記のような構成のキッチンを、不使用時に遮蔽するために用いられる。

図６には、家具２０の別の好適な実施例が示されている。家具２０は、家具の側方空室２２の領域を画定する側面２４を備えた固定の家具部分３を含んでいる。可動の家具扉２は、図示した両終端位置の間で可動に側面２４に支持されていて、すなわち支持体１７を介して間接的に支持されていて、支持体１７は、垂直方向３５で互いに間隔を置いて位置する２つのガイド装置５を介して２つのガイドレール４に沿って摺動可能である。両ガイドレール４のうちの少なくとも一方は、ガイド装置５の一方の少なくとも１つの荷重伝達転動体６を可動に支持している走行軌道７を有しており、荷重伝達転動体６と走行軌道７とは、少なくとも、家具扉２の終端位置に対応する停止位置８，９の領域で、走行軌道７がこの領域で、凹部１０を形成するように変形可能であり、そして荷重伝達転動体６は実質的に形状安定的である、即ち変形しないようになっている。

図７ａ）および図７ｂ）には、別の好適な実施例が示されており、この場合、載置部材１２は、固定エレメント３６を介してガイドレール４に固定されている。

固定エレメント３６は、図示した例のように実質的にＵ字形に形成されていてよい。

さらに固定エレメント３６は、１つのばねエレメント３８を有していてよい。図示した例では固定エレメント３６は、実質的に互いに平行に延在していて、Ｕ字形の両垂直ウェブを成す２つのばねエレメント３８を有している。

固定エレメント３６は、ガイドレール４の、特に溝３７として形成された当接部における摩擦を高めるために、少なくとも１つの摩擦エレメント４１を有することができる。この場合、例えば横断面三角形状に形成された複数の摩擦エレメント４１を、ばねエレメント３８の外面に配設することが考えられる。

固定エレメント３６が、図示した例のように、操作エレメント４２を有しており、この操作エレメントを介して、固定エレメント３６と、固定エレメントに結合される載置部材１２とを移動させることが考えられる。操作エレメント４２は、例えば、Ｕ字型の基部を形成しており、組付け状態では端部側で、ガイドレール４から突出している。このようにして、載置部材１２を特に簡単に交換することができる。

そして最後に、固定エレメント３６を載置部材１２に取り外し可能に結合することができる少なくとも１つの係止装置を設けることが考えられ、この場合、少なくとも１つの係止装置は、少なくとも１つの係止受容部３９と、少なくとも１つの係止突起４０とを有している。図示した具体例では、それぞれ１つの係止突起４０が、ばねエレメント３８の自由端部に配置されていて、この係止突起は、載置部材１２に設けられた対応する係止受容部３９に係止するように形成されている。

Claims (15)

1. 少なくとも１つの可動の家具部分（２）、特に少なくとも１つの家具扉または少なくとも１つの引出しを、固定の家具部分（３）に対して相対的にガイドするための装置（１）であって、
   特に前記固定の家具部分（３）に組み付けるべき少なくとも１つのガイドレール（４）と、
   好適には実質的に円筒状の少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）を有する、特に前記少なくとも１つの可動の家具部分（２）に結合可能な少なくとも１つのガイド装置（５）と、
   を含んでおり、
   前記少なくとも１つのガイドレール（４）は、前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）を可動に支持している少なくとも１つの走行軌道（７）を有していて、前記少なくとも１つの走行軌道（７）は、前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）のための少なくとも１つの停止位置（８，９）を有しており、前記少なくとも１つの停止位置（８，９）は、前記固定の家具部分（３）に対して相対的な前記少なくとも１つの可動の家具部分（２）の終端位置に相当する、装置（１）において、
   前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）と前記少なくとも１つの走行軌道（７）とは、少なくとも、前記少なくとも１つの停止位置（８，９）の領域において、前記少なくとも１つの走行軌道（７）が、凹部（１０）を形成するように変形可能であり、かつ前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）が実質的に形状安定的であるように、構成されていることを特徴とする、装置（１）。
2. 前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）は、少なくとも、前記少なくとも１つの停止位置（８，９）の領域では、前記少なくとも１つの走行軌道（７）と比較してより大きな硬度を有している、請求項１記載の装置（１）。
3. 前記少なくとも１つのガイドレール（４）は、好適には鋼から成る支持構造体（１１）と、前記少なくとも１つの走行軌道（７）の少なくとも一部を形成する、好適にはプラスチックから成る、特に好適にはポリオキシメチレンから成る少なくとも１つの載置部材（１２）とを有している、請求項１または２記載の装置（１）。
4. 前記少なくとも１つの載置部材（１２）は、交換可能であって、かつ／または１～８ｍｍの、好適には３ｍｍの厚さ（１３）を有している、請求項３記載の装置（１）。
5. 前記少なくとも１つの載置部材（１２）を前記少なくとも１つのガイドレール（４）に固定可能な少なくとも１つの固定エレメント（３６）が設けられており、好適には、
   前記少なくとも１つの固定エレメント（３６）は、実質的にＵ字形に形成されていて、かつ／または少なくとも１つのばねエレメント（３８）を有しており、かつ／または前記少なくとも１つのガイドレール（４）の、特に溝（３７）として形成された当接部における摩擦を高めるために、少なくとも１つの摩擦エレメント（４１）を有しており、かつ／または
   前記少なくとも１つの固定エレメント（３６）は少なくとも１つの操作エレメント（４２）を有しており、前記少なくとも１つの操作エレメントを介して、前記少なくとも１つの固定エレメント（３６）と、前記少なくとも１つの固定エレメントに結合された前記少なくとも１つの載置部材（１２）とが可動であって、かつ／または
   前記少なくとも１つの固定エレメント（３６）を前記少なくとも１つの載置部材（１２）に取り外し可能に固定することができる少なくとも１つの係止装置が設けられており、前記少なくとも１つの係止装置は、少なくとも１つの係止受容部（３９）と少なくとも１つの係止突起（４０）とを有している、
   請求項３または４記載の装置（１）。
6. 前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）は、少なくとも部分的に、好適には全体的に、鋼から形成されている、請求項１から５までのいずれか１項記載の装置（１）。
7. 前記少なくとも１つの走行軌道（７）は、前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）の前記少なくとも１つの停止位置（８，９）において、実質的に非可逆的に前記凹部（１０）を形成するように変形可能であり、かつ／または前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）は、力を加えることにより、前記少なくとも１つの停止位置（８，９）の領域で前記少なくとも１つの走行軌道（７）に形成された前記凹部（１０）から外へ移動することができる、請求項１から６までのいずれか１項記載の装置（１）。
8. 前記少なくとも１つの走行軌道（７）は、少なくとも２つの異なる材料区分（１４，１５）を有しており、第１の材料区分（１４）は、前記少なくとも１つの停止位置（８，９）の領域に配置されていて、第２の材料区分（１５）は、前記少なくとも１つの停止位置（８，９）の領域に続く移動領域に配置されている、請求項１から７までのいずれか１項記載の装置（１）。
9. 前記少なくとも１つの走行軌道（７）は、少なくとも所定の領域で横断面凹状に形成されており、かつ／または前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）は、少なくとも所定の領域で横断面凸状に形成された周面（１６）を有している、請求項１から８までのいずれか１項記載の装置（１）。
10. 前記装置（１）は、少なくとも１つの支持体（１７）を含み、前記支持体には、前記少なくとも１つの可動の家具部分（２）が、好適には旋回可能に支持可能であり、前記支持体は前記少なくとも１つのガイド装置（５）に結合可能である、請求項１から９までのいずれか１項記載の装置（１）。
11. 前記装置（１）は、前記少なくとも１つのガイドレール（４）に対して横方向に配置されたまたは配置可能な少なくとも１つの横方向レール（１８）と、前記少なくとも１つの横方向レール（１８）に沿って摺動可能に支持可能な、前記少なくとも１つの可動の家具部分（２）に結合可能な少なくとも１つの走行キャリッジ（１９）とを有している、請求項１から１０までのいずれか１項記載の装置（１）。
12. 少なくとも１つの可動の家具部分（２）、特に少なくとも１つの家具扉または引出しと、固定の家具部分（３）と、前記少なくとも１つ可動の家具部分（２）を前記固定の家具部分（３）に対して相対的に案内するための請求項１から１１までのいずれか１項記載の少なくとも１つの装置（１）と、を備えた家具（２０）。
13. 前記少なくとも１つの可動の家具部分（２）は、家具扉、特に折戸として構成されていて、前記家具（２０）は、少なくとも１つの内室（２１）と、特に竪穴状の、少なくとも１つの側方空室（２２）とを有しており、前記少なくとも１つの装置（１）は、前記少なくとも１つの家具扉（２）を、前記少なくとも１つの内室（２１）を外部に対して遮蔽している閉鎖位置と、前記少なくとも１つの側方空室（２２）内に少なくとも部分的に進入していて、使用者が前記少なくとも１つの内室（２１）に自由にアクセスできる開放位置との間で、前記固定の家具部分（３）に対して相対的に案内するように構成されていて、かつ前記家具（２０）に配置されている、請求項１２記載の家具（２０）。
14. 前記少なくとも１つの家具扉（２）を案内するための前記装置（１）は少なくとも所定の区分で、前記少なくとも１つの側方空室（２２）の奥行き方向（２３）に延在しており、前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）の前記少なくとも１つの停止位置（８）は、前記少なくとも１つの家具扉（２）が実質的に完全に前記少なくとも１つの側方空室（２２）内に配置される、該少なくとも１つの家具扉（２）の終端位置に相当し、好適には、前記少なくとも１つの走行軌道（７）は、前記少なくとも１つの荷重伝達転動体（６）ための別の停止位置（９）を有しており、前記別の停止位置は、前記少なくとも１つの家具扉（２）が、前記固定の家具部分（３）の前記少なくとも１つの側方空室（２２）に対して実質的に平行に、かつ実質的に完全に外側に配置されている、前記少なくとも１つの家具扉（２）の位置に相当する、請求項１３記載の家具（２０）。
15. 前記固定の家具部分（３）は、前記少なくとも１つの側方空室（２２）を少なくとも部分的に画定する少なくとも１つの側面（２４）を有しており、前記少なくとも１つの側面には、前記少なくとも１つの家具扉（２）を案内するための前記装置（１）の少なくとも１つのガイドレール（４）が少なくとも区分的に配置されている、請求項１４記載の家具（２０）。

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