JP2022505162A - 質量分析システムとの使用のための試料採取要素の官能化 - Google Patents

質量分析システムとの使用のための試料採取要素の官能化 Download PDF

Info

Publication number
JP2022505162A
JP2022505162A JP2021521102A JP2021521102A JP2022505162A JP 2022505162 A JP2022505162 A JP 2022505162A JP 2021521102 A JP2021521102 A JP 2021521102A JP 2021521102 A JP2021521102 A JP 2021521102A JP 2022505162 A JP2022505162 A JP 2022505162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicate
sampling element
antibody
elongated
elongated sampling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021521102A
Other languages
English (en)
Inventor
トーマス アール. コービー,
チャン リウ,
サブハシシュ プルカヤスタ,
Original Assignee
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド filed Critical ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Publication of JP2022505162A publication Critical patent/JP2022505162A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6803General methods of protein analysis not limited to specific proteins or families of proteins
    • G01N33/6848Methods of protein analysis involving mass spectrometry

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

Figure 2022505162000001
本明細書に開示される装置、システム、および方法は、質量分析システムにおける試料採取のために有用である。特に、開示される方法は、被分析物に優先的に結合するポリペプチドを用いて、細長い試料採取要素、例えば、ガラスまたはシリカロッドの外側表面を官能化するステップを含む。細長い試料採取要素は、延び、被分析物の検出および分析のための質量分析システムの開放ポート試料採取インターフェースの中への挿入のために構成されている。

Description

(関連米国出願)
本願は、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる2018年10月18日に出願された米国仮出願第62/747,480号からの優先権の利益を主張する。
(分野)
本開示は、質量分析に関し、より特に、質量分析システムにおける被分析物を試料採取するために有用なシステム、装置、および方法に関する。
質量分析は、定性的および定量的用途の両方に関し、試験物質の元素組成を決定するための分析技法である。例えば、質量分析システムは、未知の化合物を同定すること、分子内の元素の同位体組成を決定すること、および、その断片化のパターンを観察することによって特定の化合物の構造を決定することのみならず、サンプル内の特定の化合物の量を定量化することを行うために使用されることができる。
質量分析において、サンプル分子が、概して、イオン化として知られるプロセスによって導入される。サンプルは、イオン源を使用して、イオンに変換される。イオンは、それらが入口オリフィスを通過し、真空チャンバ内に配置されるイオンガイドに進入する前、典型的に、(例えば、化学イオン化、エレクトスプレーによって)大気圧において上流で発生させられる。イオンは、次いで、1つ以上の質量分析器によって下流で分離および検出される。
質量分光分析のために生物、環境、および食品サンプル等の複雑なサンプルを導入しようとするとき、送達の従来的プロセス(蒸気圧導入および/または着目被分析物を能動的に蒸発させることを含む)は、複雑なサンプル調製に起因して、困難であり得る。加えて、サンプルレベルが低いとき、選択性および感度も、これらのシステムにおける検出および分析のために困難であり得る。
本開示は、質量分析システムに、高い感度および特異性を伴う検出および分析のために、生物ベースのサンプルを単純かつ個別的に調製し、質量分析システムの中に導入するための方法および装置の必要性が存在するという認識を包含する。とりわけ、いくつかの実施形態において、本開示は、質量分析システムにおいて被分析物を試料採取する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、優先的および/または選択的に少なくとも1つの被分析物に結合するポリペプチドを用いて、試料採取要素の外側表面を官能化することと、試料採取要素をサンプルにさらすことと、被分析物がサンプルに存在し、被分析物がポリペプチドと接触する場合、被分析物の少なくとも一部が、ポリペプチドに優先的および/または特異的に結合し、質量分析システムによって試料採取され得るように、試料採取要素を質量分析システムの試料採取インターフェースの中に挿入することとを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、第1の端部から遠位表面において終端する第2の端部まで延びている外側表面を含み得る細長い試料採取要素を提供するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、第2の端部は、質量分析システムの試料採取インターフェース内に挿入されるように構成されることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面は、例えば、少なくとも1つのポリペプチドを用いて、官能化されることができ、ポリペプチドは、着目被分析物に優先的に結合する。
いくつかの実施形態において、方法は、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化することを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、限定ではないが、例えば、少なくとも1つのポリペプチドを用いて、少なくとも1つの抗体またはその断片を用いて、少なくとも1つのオリゴペプチドまたはその断片を用いて、少なくとも1つのペプチドまたはその断片を用いて、少なくとも1つのタンパク質またはその断片を用いて、少なくとも1つの抗原またはその断片を用いて、試料採取要素の外側表面を官能化することを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法は、例えば、少なくとも1つのポリペプチドを用いて、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化することを含むことができ、特異的に、少なくとも1つの抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップを含むことができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部が、ポリペプチドをそれに結合することに先立って、例えば、1つ以上の試薬にさらすことを介して、活性化されることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部が、抗体をそれに結合することに先立って、例えば、1つ以上の試薬にさらすことを介して、活性化されることができる。いくつかの実施形態において、そのような抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップは、アミノシラン試薬を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、アミノシラン試薬は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)であり得る。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップは、細長い試料採取要素の外側表面アミンをグルタルアルデヒドと反応させるステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップは、少なくとも1つの抗体またはその断片をグルタルアルデヒドに不動化し、それによって、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化するステップをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態において、そのような抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップは、アミノシラン試薬を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、アミノシラン試薬は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)であり得る。いくつかの実施形態において、官能化するステップは、細長い試料採取要素の外側表面アミンをN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはスルホ-NHSと反応させるステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、官能化するステップは、少なくとも1つの抗体またはその断片をN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはスルホ-NHSに不動化し、それによって、細長い試料採取要素を官能化するステップをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態において、そのような抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化ステップは、アミノシラン試薬を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、アミノシラン試薬は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)であり得る。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップは、細長い試料採取要素の外側表面アミンをマレイミドと反応させるステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップは、少なくとも1つの抗体またはその断片をマレイミドに不動化し、それによって、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化するステップをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態において、本開示はさらに、ポリペプチド官能化細長い試料採取要素の少なくとも一部を体液サンプル等のサンプルにさらす方法を教示する。いくつかの実施形態において、さらすステップは、混合するステップ、例えば、体液サンプル内で細長い試料採取要素を撹拌するおよび/またはかき混ぜるステップを含むことができる。
いくつかの実施形態において、ポリペプチド官能化細長い試料採取要素をさらすステップは、試料採取要素を、血液、血液製剤、唾液、嘔吐物、尿、涙、汗、胆汁、乳、脳脊髄液、糞便、身体分泌物、膿、粘液、リンパ液、胃酸液、耳垢、水疱、体液、細胞内液、細胞外液、ヒトの流体、動物の流体、植物の流体、固体の洗浄済み液、表面の洗浄済み液、流体抽出物、またはそれらの任意の組み合わせのサンプルにさらすステップを含むことができる。
いくつかの実施形態において、サンプル内の被分析物は、ポリペプチド、タンパク質を含むことができ、いくつかの実施形態において、タンパク質は、抗体またはその断片であり得る。いくつかの実施形態において、被分析物は、体液サンプルに存在する場合、サンプル要素に対して官能化される少なくとも1つのポリペプチドに優先的および/または特異的に結合する。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面上で官能化されるポリペプチドは、被分析物が体液サンプルに存在し、被分析物がポリペプチドと接触する場合、被分析物がポリペプチドに結合し得るように、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする。いくつかの実施形態において、被分析物は、体液サンプルおよび/または生物サンプルに存在する場合、限定ではないが、例えば、抗体またはその断片、ペプチドまたはその断片、ポリペプチド、ならびに/またはタンパク質またはその断片であり得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に提供されるような方法は、細長い試料採取要素の少なくとも一部を質量分析システムの試料採取インターフェースの中に挿入するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、挿入された試料採取要素の外側表面は、ポリペプチド結合被分析物でコーティングされる。いくつかの実施形態において、試料採取の方法はさらに、サンプルにさらされる部分が、試料採取インターフェースを通して流動する抽出溶媒に接触し、被分析物の少なくとも一部を質量分析システムのイオン源に送達するように位置付けられるように、細長い試料採取要素のサンプルにさらされる部分を質量分析システムの試料採取インターフェースの中に挿入するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法はさらに、細長い試料採取要素の少なくとも一部を抽出溶媒と接触させるステップを含む。いくつかの実施形態において、方法は、ポリペプチド結合被分析物の少なくとも一部を抽出し、抽出された被分析物を質量分析システムのイオン源に導入するように、試料採取インターフェースを通して抽出溶媒を流動させるステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、抽出溶媒は、細長い試料採取要素の外側表面上にコーティングされるポリペプチド結合被分析物の少なくとも一部に接触する。
いくつかの実施形態において、本開示は、例えば、イオン源を含む、質量分析システムの1つ以上の下流構成要素に抽出された被分析物のイオンを搬送、送達、および/または伝送する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、その検出のために、質量分析器を含む、質量分析システムの1つ以上の下流構成要素に抽出された被分析物のイオンを伝送する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法はさらに、抽出された被分析物に質量分光分析を実施するステップを含む。いくつかの実施形態において、本教示による試料採取方法は、0.1pg/mLほども低い濃度において、血清/血漿から、生物学的物質、例えば、テストステロンを検出するために十分な感度を示し得る。
いくつかの実施形態において、本開示はさらに、質量分析システムとの使用のための試料採取インターフェース内に挿入するために構成される細長い試料採取要素を提供する。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、第1の端部から第2の端部まで延びている外側表面を含む。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面、例えば、その第2の端部は、少なくともその一部の上に配置されるコーティングを含むことができる。いくつかの実施形態において、コーティングは、官能化されたコーティングである。いくつかの実施形態において、官能化されたコーティングは、細長い試料採取要素の第2の端部の外側表面上に不動化される、少なくとも1つのポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチドは、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合し得ることを特徴とする。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、例えば、ケイ酸アルミナ、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ヒ素、ケイ酸バリウム、ケイ酸ビスマス、ケイ酸ホウ素、ケイ酸カドミウム、ケイ酸ガリウム、ケイ酸ゲルマニウム、ガラス、ケイ酸金、ケイ酸鉛、ケイ酸石灰、ケイ酸リチウム、ケイ酸マグネシウム、ニッケル、ケイ酸窒素、ケイ酸白金、シリカ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リン、ケイ酸カリウム、ケイ酸スズ、ケイ酸インジウム、ケイ酸銀、ケイ酸亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせから形成されることができる、またはそれを含むことができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、例えば、磁気的性質を含む、性質を示し得る。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、加熱されること、冷却されること、および/または、それに磁場を印加されることができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の第2の端部は、細長い試料採取要素の第2の端部の外側表面の少なくとも一部から突起する1つ以上の突出部または突出部のパターンを含むことができる。いくつかの実施形態において、突出部は、ビーズまたはビーズ様構造を含むことができる。いくつかの実施形態において、理論に拘束されることを所望するわけではないが、そのようなビーズは、外側表面の表面積を増加または向上させ、それによって、サンプルから着目被分析物を捕捉する細長い試料採取要素の能力を向上させることができる。いくつかの実施形態において、試料採取要素の遠位表面は、種々の断面形状を有することができる。いくつかの実施形態において、遠位表面の断面形状は、正方形、菱形、5つの頂点を有する星形、6つの頂点を有する星形、7つの頂点を有する星形、8つの頂点を有する星形、9つの頂点を有する星形、10個の頂点を有する星形、または曲げられる、または角度を付けられる任意の数の頂点を有する星形のものであり得る。
いくつかの実施形態において、本開示の装置、システム、および方法は、本明細書に提供されるような質量分析システムへの生物ベースのサンプルの導入のための向上した感度および特異性を提供する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合するポリペプチドを用いて、細長い試料採取要素の外側表面を官能化することが、向上した感度をもたらし得る。さらに、いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるように、細長い試料採取要素をさらし、細長い試料採取要素から被分析物を抽出することが、向上した選択性をもたらし得る。
本開示の前述および他の利点、側面、実施形態、特徴、および目的が、付随する図面に関連して熟読されると、以下の詳細な説明を参照することによって、より明白となり、さらに理解されるであろう。
当業者は、下で説明される図面が例証目的のためにすぎないことを理解するであろう。図面は、いかようにも出願者の教示の範囲を限定することを意図していない。一般的実践に従って、図面の種々の特徴が必ずしも一定の縮尺ではないことが強調される。対照的に、種々の特徴の寸法は、明確にするために、恣意的に拡張または縮小される、またはされ得る。図面に含まれるものは、以下の図である。
図1は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、サンプル導入装置を有する質量分析システムを図示する。
図2は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素を描写する。パネル(A)における図2は、粗面化されていない細長い試料採取要素を示す。パネル(B)における図2は、粗面化された細長い試料採取要素を示す。
図3は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素を描写する。
図4は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素の遠位表面の端面断面図を図示する。
図5は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素の遠位表面の別の端面断面図を図示する。
図6は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素を体液サンプルと混合するステップとの使用のためのバイアルを図示する。
図7は、本開示の種々の実施形態の一側面による、被分析物を試料採取する方法のステップを図示する。
図8は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、質量分析システムの試料採取インターフェースを図示する。
図9は、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素の外側表面を官能化するための方法のステップを図示する。
図10は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素の外側表面上で抗体またはその断片を不動化し、被分析物をそれに結合するためのステップを図示する。
図11は、概略図において、本開示の種々の実施形態の一側面による、細長い試料採取要素の外側表面上で抗体またはその断片を不動化し、被分析物をそれに結合するためのステップの別のセットを図示する。
(定義)
本開示の側面に関する種々の用語が、本明細書および請求項の全体を通して使用される。そのような用語は、別様に示されない限り、当技術分野内のそれらの通常の意味を与えられることになる。本開示がより容易に理解されるために、ある用語が、最初に下で定義される。以下の用語および他の用語のための追加の定義が、本明細書の全体を通して記載される。
本明細書で使用されるように、用語「約」および「およそ」は、均等物として使用される。約/およその有無を問わず、本願で使用される任意の数字は、当業者によって理解される任意の正常変動を網羅するように意図されている。ある実施形態において、用語「およそ」または「約」は、(そのような数字が可能性として考えられる値の100%を超えるであろう場合を除いて)別様に記述されない、または別様に文脈から明白ではない限り、記述された基準値のいずれか一方の方向(それを上回る、またはそれ未満)での25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満に該当する、値の範囲を指す。
本明細書で使用されるように、別様に文脈から明確ではない限り、用語「a」は、「少なくとも1つ」を意味すると理解され得る。本願で使用されるように、用語「または」は、「および/または」を意味すると理解され得る。本願において、用語「~を備えている」および「~を含む」は、単独で、または1つ以上の追加の構成要素またはステップとともに提示されるかどうかにかかわらず、項目別の構成要素またはステップを包含すると理解され得る。
本明細書で使用されるように、用語「アルキル」は、単独で、または別の置換基の一部として、別様に記述されない限り、完全飽和、単または多価不飽和であり得、指定される炭素原子の数を有する(すなわち、C1-6は、1~6個の炭素を意味する)二価および多価ラジカルを含み得る直または分枝鎖または環状炭化水素ラジカル、またはそれらの組み合わせを意味する。飽和炭化水素ラジカルの例は、限定ではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロへキシル、例えば、n-ペンチル、n-へキシル等の相同体および異性体等の基を含む。不飽和アルキル基は、1つ以上の二重結合または三重結合を有するものである。不飽和アルキル基の例は、限定ではないが、ビニル、2-プロペニル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-および3-プロピニル、3-ブチニル、および高級相同体ならびに異性体を含む。用語「アルキル」はまた、別様に記述されない限り、「ヘテロアルキル」等の下でより詳細に定義されるアルキルのそれらの誘導体を含むようにも意図されている。各表現の定義、例えば、アルキル、m、n等は、任意の構造において1回を上回って生じるとき、同一の構造内の他の場所でその定義から独立することを意図している。
本明細書で使用されるように、用語「アルコキシル」または「アルコキシ」は、それに付着した酸素ラジカルを有する、本明細書に定義されるようなアルキル基を指す。一実施形態において、アルコキシル基は、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシ等を含む。アルコキシ基のアルキル部分は、アルキル基のように定寸され、利用可能な原子価によって許容される程度に、アルキル基上の置換基として好適である同一の基によって置換されることができる。
本明細書で使用されるように、用語「アミノ酸」は、その最も広い意味で、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成を通して、ポリペプチド鎖の中に組み込まれ得る、任意の化合物および/または物質を指す。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、一般的構造H2N-C(H)(R)-COOHを有する。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、自然発生するアミノ酸である。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、合成アミノ酸であり、いくつかの実施形態において、アミノ酸は、D-アミノ酸であり、いくつかの実施形態において、アミノ酸は、L-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、自然発生するペプチドで一般的に見出される、20個の標準L-アミノ酸のうちのいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、合成的に調製されるか、または天然源から取得されるかどうかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。いくつかの実施形態において、ポリペプチド内のカルボキシおよび/またはアミノ末端アミノ酸を含む、アミノ酸は、本明細書の一般的構造と比較して、構造的修飾を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、アミノ酸は、一般的構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、および/または置換によって修飾され得る。いくつかの実施形態において、そのような修飾は、例えば、別様に同じ未修飾アミノ酸を含むものと比較して、修飾アミノ酸を含むポリペプチドの循環半減期を改変し得る。いくつかの実施形態において、そのような修飾は、別様に同じ未修飾アミノ酸を含むものと比較して、修飾アミノ酸を含むポリペプチドの関連性がある活性を有意に改変しない。文脈から明確であろうように、いくつかの実施形態において、用語「アミノ酸」は、遊離アミノ酸を指すために使用され、いくつかの実施形態において、これは、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すために使用される。
本明細書で使用されるように、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変ドメイン内に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を通して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチド、ステロイド等の標的への特異的結合が可能な免疫グロブリン分子を指す。本明細書で使用されるように、用語は、無傷ポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけではなくて、別様に規定されない限り、特異的結合を巡って無傷抗体と競合するその任意の抗原結合部分、抗原結合部分から成る融合タンパク質、および抗原認識部位から成る免疫グロブリン分子の任意の他の修飾構成も包含する。抗原結合部分は、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、Fd、Fv、ドメイン抗体(dAbs、例えば、サメおよびラクダ抗体)、相補性決定領域(CDR)を含む部分、単鎖可変断片抗体(scFv)、マキシボディ、ミニボディ、イントラボディ、ダイアボディ、トライアボディ、テトラボディ、v-NARおよびbis-scFv、ならびにポリペプチドへの特異的抗原結合を与えるために十分である免疫グロブリンの少なくとも一部を含むポリペプチドを含む。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスを割り当てられることができる。免疫グロブリンの5つの主要なクラス(すなわち、アイソタイプ)、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(サブタイプ)、例えば、IgG-i、lgG、lgG、lgG、IgAi、およびlgAにさらに分割され得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および3次元構成が、周知である。
本明細書で使用されるように、用語「抗原(Ag)」は、Agを認識する抗体(Ab)を産生するように、または発現ライブラリ(例えば、とりわけ、ファージ、酵母、またはリボソーム表示ライブラリ)をスクリーニングするように、免疫能力のある脊椎動物の免疫付与のために使用される分子実体を指す。本明細書において、Agは、より広義に称され、概して、抗体またはその断片によって特異的に認識される標的分子を含み、したがって、抗体またはその断片を育成するための免疫付与プロセスで、または抗体またはその断片を選択するためのライブラリスクリーニングで使用される、分子の部分または模倣体を含むことを意図している。したがって、IL-2に結合する本開示の抗体に関して、その単量体、および二量体、三量体等の多量体を含む、哺乳類種からの全長IL-2(例えば、ヒト、サル、マウス、およびラットIL-2)、ならびにIL-2の切断および他の変異体が、抗原と称される。
本明細書で使用されるように、本明細書では同義的に使用されるような抗体(または単に「抗体部分」)の用語「抗原結合部分」または「抗原結合断片」は、抗原(例えば、IL-2)に特異的に結合する能力を留保する、抗体の1つ以上の部分を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の一部によって実施され得ることが示されている。抗体の用語「抗原結合部分」内に包含される結合部分の例は、(i)V、V、CL、およびCH-iドメインから成る1価部分である、Fab部分、(ii)ヒンジ領域におけるジスルフィド架橋によって連結される2つのFab部分から成る2価部分である、F(ab’)2部分、(iii)VおよびCHiドメインから成るFd部分、(iv)抗体の単一の腕のVおよびVドメインから成るFv部分、(v)Vドメインから成るdAb部分(Ward et al.,(1989) Nature 341 :544-546)、および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)、ジスルフィド連結Fvs(dsFv)、ならびに抗イディオタイプ(抗Id)抗体およびイントラボディを含む。さらに、Fv部分の2つのドメイン、すなわち、VおよびVが、別個の遺伝子によってコード化されるが、それらは、VおよびV領域が対合して1価分子(単鎖Fv(scFv)として公知である)を形成する、それらが単一のタンパク質鎖として作製されることを可能にする合成リンカによって、組み換え方法を使用して継合されることができる(例えば、Bird et al.Science 242:423-426 (1988)、およびHuston et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883 (1988)を参照)。そのような単鎖抗体もまた、抗体の用語「抗原結合部分」内に包含されることを意図している。ダイアボディ等の他の形態の単鎖抗体もまた、包含される。ダイアボディは、VおよびVドメインが、単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、短すぎるため同一の鎖上の2つのドメインの間の対合を可能にすることができないリンカを使用し、それによって、強制的にドメインを別の鎖の相補ドメインと対合させ、2つの抗原結合部位を生成する、2価の二重特異性抗体である(例えば、Holliger ef al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448 (1993)、Poljak ef al.,1994,Structure 2:1 121-1 123を参照)。
本明細書で使用されるように、用語「アリール」は、別様に記述されない限り、ともに融合される、または共有結合される、3~10個、または代替として、3~7個の要素を有する、単環または多環(好ましくは、1~3つの環)であり得る、置換または非置換多価不飽和芳香族炭化水素置換基を意味する。
本明細書で使用されるように、用語「結合親和性」は、2つの分子、例えば、抗体またはその一部と抗原との間の非共有相互作用の強度の測定値として、本明細書で使用される。用語「結合親和性」は、1価の相互作用(固有活性)を説明するために使用される。2つの分子の間の結合親和性は、解離定数(KD)の決定によって定量化され得る。ひいては、KDは、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)方法(Biacore)を使用して、複雑な形成および解離の動態の測定によって決定されることができる。1価の錯体の会合および解離に対応する率定数は、それぞれ、会合率定数ka(またはkon)および解離率定数kd(またはkoff)と称される。KDは、方程式KD=kd/kaを通してkaおよびkdに関連する。解離定数の値は、周知の方法によって直接決定されることができ、Caceci et al.(1984,Byte 9:340-362)に記載されるもの等の方法によって、複雑な混合物に関しても算出されることができる。例えば、KDは、Wong & Lohman (1993,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5428-5432)によって開示されるもの等の二重フィルタニトロセルロースフィルタ結合検定を使用して、確立され得る。例えば、ELISA、ウェスタンブロット、RIA、およびフローサイトメトリ分析、ならびに本明細書の他の場所に例示される他の検定を含む、標的抗原に向けた抗体の結合能力を評価するための他の標準検定が、当技術分野で公知である。抗体の結合動態および結合親和性はまた、表面プラズモン共鳴(SPR)等の当技術分野で公知の標準検定によって、例えば、BiacoreTMシステムまたはKinExAを使用することによって、査定されることができる。
本明細書で使用されるように、用語「キメラ抗体」は、可変ドメイン配列がマウス抗体に由来し、定常領域配列がヒト抗体に由来する、または逆も同様である抗体等の、可変ドメイン配列が1つの種に由来し、定常領域配列が別の種に由来する、抗体を指すことを意図している。本用語はまた、1つの種(例えば、第1のマウス)からの1つの個体からのV領域と、同一の種(例えば、第2のマウス)からの別の個体からの定常領域とから成る、抗体も包含する。
本明細書で使用されるように、抗体またはそれによって特異的に結合される抗原に関して本明細書で使用されるような用語「接触残基」は、同種抗体/抗原上に存在するアミノ酸残基の4Åまたはそれ未満の重原子以内である、少なくとも1つの重原子(すなわち、水素ではない)から成る、抗体/抗原上に存在するアミノ酸残基を指す。当技術分野で公知であるように、抗体の「定常領域」は、単独または組み合わせのいずれかで、抗体軽鎖の定常領域または抗体重鎖の定常領域を指す。
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアルキル」は、単独で、または別の用語と組み合わせて、別様に記述されない限り、記述された数の炭素原子と、O、N、Si、およびSから成る群から選択される、少なくとも1つのヘテロ原子とから成り、窒素、炭素、および硫黄原子が、随意に、酸化され得、窒素ヘテロ原子が、随意に、四級化され得る、安定した直または分枝鎖または環状炭化水素ラジカル、またはそれらの組み合わせを意味する。ヘテロ原子O、N、およびS、ならびにSiは、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に、またはアルキル基が分子の残りの部分に付着している位置に設置され得る。例は、限定ではないが、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-Si(CH、-CH-CH=N-OCH、および-CH=CH-N(CH)-CHを含む。最大2つまでのヘテロ原子が、例えば、-CH-NH-OCHおよび-CH-O-Si(CH等、連続的であり得る。用語「ヘテロアルキル」は、ポリ(エチエレングリコール)およびその誘導体を包含する。
本明細書で使用されるように、用語「ヘテロアリール」は、窒素、炭素、および硫黄原子が、随意に、酸化され、窒素原子が、随意に、四級化される、N、O、およびSから選択される、1~4つのヘテロ原子を含むアリール基を指す。ヘテロアリール基は、ヘテロ原子を通して、分子の残りの部分に付着されることができる。アリールおよびヘテロアリール基の非限定的例は、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、4-ビフェニル、1-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-ピラゾリル、2-イミダゾイル、4-イミダゾイル、ピラジニル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、2-フェニル-4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-ピリミジル、4-ピリミジル、5-ベンゾチアゾリル、プリニル、2-ベンゾイミダゾリル、5-インドリル、1-イソキノリル、5-イソキノリル、2-キノキサリニル、5-キノキサリニル、3-キノリル、および6-キノリルを含む。上記のアリールおよびヘテロアリール環系毎の置換基は、下で説明される容認可能な置換基の群から選択される。「アリール」および「ヘテロアリール」はまた、1つ以上の非芳香族環系が、ベンゾジオキソリル(例えば、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、インドキサジン、インダゾール、ベンゾキサゾール、およびアントラニル等のアリールまたはヘテロアリール系に融合される、または別様に結合される、環系も包含する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、チオフェン、イソオキサゾール、テトラヒドロフラン、ピリジル、ベンゾフラン、またはフラノピリジンである。上記の用語(例えば、「アルキル」、「アルコキシ」、「アリール」、および「ヘテロアリール」)の各々は、指示されたラジカルの置換および非置換形態の両方を含む。ラジカルのタイプ毎の好ましい置換基が、下で提供される。アルキルおよびヘテロアルキルラジカルに関する置換基は、概して、それぞれ、「アルキル置換基」および「ヘテロアルキル置換基」と称され、それらは、限定ではないが、0~(2m’+1)に及ぶ数で、-OR’、=O、=NR’、=N-OR’、-NR’R”、-SR’、-ハロゲン、-SiR’R”R’”、-OC(O)R’、-C(O)R’、-COR’、-CONR’R”、-OC(O)NR’R”、-NR”C(O)R’、-NR’-C(O)NR”R’”、-NR”C(O)R’、-NR-C(NR’R”R’”)=NR””、-NR-C(NR’R”)=NR’”、-S(O)R’、-S(O)R’、-S(O)NR’R”、-NRSOR’、-CN、および-NOから選択される種々の基のうちの1つ以上のものであり得、m’は、そのようなラジカルの中の炭素原子の総数である。R’、R”、R’”、およびR””の各々は、好ましくは、独立して、水素、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換アリール、例えば、1~3つのハロゲンで置換されるアリール、置換または非置換アルキル、アルコキシまたはチオアルコキシ基、またはアリールアルキル基を指す。本発明の化合物が、1つを上回るR基を含むとき、例えば、R基の各々は、各R’、R”、R’”、およびR””基として、これらの基のうちの1つを上回るものが存在するときに独立して選択される。置換基の上記の議論から、当業者は、用語「アルキル」が、ハロアルキル等の水素基以外の基に結合される炭素原子含む基(例えば、-CFおよび-CHCF)を含むように意図されていることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、用語「アルキル」はまた、アシルを含む基(例えば、-C(O)CH、-C(O)CF、-C(O)CHOCH等)も含むであろう。本明細書で使用されるように、用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、およびシリコン(Si)を含む。用語「ハロ」または「ハロゲン」は、単独で、または別の置換基の一部として、別様に記述されない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。化合物の中性形態が、従来の様式で塩を塩基または酸と接触させ、親化合物を単離することによって、再生され得る。化合物からの親形態は、極性溶媒内の可溶性等のある物理的性質において種々の塩形態と異なるが、そうでなければ、塩は、本発明の目的のために化合物の親形態と同等である。本明細書で使用されるような用語「溶媒和物」は、分子またはイオンとの溶媒の分子またはイオンの分子またはイオン結合型錯体である。水が溶媒であるとき、分子は、「水和物」と称される。用語「立体異性体」は、その分子が、同一の数および種類の原子と、同一の原子配列とを有するが、それらの空間配列において異なる、化合物を指す。立体化学が、具体的に示されない場合、本明細書で提供される化合物の全ての立体異性体が、純粋な異性体ならびにその混合物として、本開示の範囲内に含まれる。別様に示されない限り、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、およびそれらの組み合わせならびに混合物が全て、本開示によって包含される。
本明細書で使用されるように、用語「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のものに対応するアミノ酸配列を保有する、および/または本明細書に開示されるようなヒト抗体を作製するための技法のうちのいずれかを使用して作製されたものである。ヒト抗体の本定義は、具体的に、非ヒト抗原結合残基から成るヒト化抗体を除外する。
本明細書で使用されるように、用語「単離された分子」(分子は、例えば、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体またはその一部)は、その起源または由来源により、(1)その天然状態でそれに付随する、自然に会合される成分と会合されない、(2)同一の種からの他の分子を実質的に含まない、(3)異なる種からの細胞によって発現される、または(4)自然に発生しない、分子である。したがって、化学的に合成される、またはそれが自然に生じる細胞と異なる細胞系で発現される分子が、その自然に会合される成分から「単離される」であろう。分子はまた、当技術分野で周知の精製技法を使用して、単離によって自然に会合される成分を実質的に含まない状態にされ得る。分子純度または均一性が、当技術分野で周知のいくつかの手段によって検定され得る。例えば、ポリペプチドサンプルの純度は、当技術分野で周知の技法を使用してポリペプチドを可視化するように、ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびゲルの染色を使用して検定され得る。ある目的のために、より高い分解能が、精製のための当技術分野で周知のHPLCまたは他の手段を使用することによって提供され得る。
本明細書で使用されるように、用語「エピトープ」は、抗体が特異的に結合する抗原の面積または領域、すなわち、抗体と物理的に接触している面積または領域を指す。したがって、用語「エピトープ」は、抗体の抗原結合領域のうちの1つ以上のものにおいて抗体によって認識および結合されることが可能な分子のその部分を指す。典型的に、エピトープは、抗体またはその抗原結合部分(Ab)とその対応する抗原との間の分子相互作用との関連で定義される。エピトープは、多くの場合、アミノ酸または糖側鎖等の分子の表面群化から成り、特異的3次元構造特性ならびに特異的電荷特性を有する。いくつかの実施形態において、エピトープは、タンパク質エピトープであり得る。タンパク質エピトープは、線形または立体配座であり得る。線形エピトープにおいて、タンパク質と相互作用する分子(抗体等)との間の相互作用の点の全てが、タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って線形に生じる。「非線形エピトープ」または「立体配座エピトープ」は、エピトープに特異的な抗体が結合する抗原タンパク質内の非隣接ポリペプチド(またはアミノ酸)から成る。本明細書で使用されるような用語「抗原エピトープ」は、当技術分野で周知である任意の方法によって、例えば、従来の免疫学的検定によって決定されるように、抗体が特異的に結合し得る抗原の一部として定義される。代替として、発見プロセスの間に、抗体の発生および特性評価が、望ましいエピトープについての情報を解明し得る。この情報から、次いで、同一のエピトープに結合するための抗体を競合的にスクリーニングすることが可能である。これを達成するためのアプローチは、競合および相互競合研究を行い、IL-2に結合するために互いに競合または相互競合する抗体、例えば、抗原と結合するために競合する抗体を見出すことである。
本明細書で使用されるように、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質の抗体の集団から取得される抗体を指す、すなわち、集団から成る個々の抗体は、少量で存在し得る、可能性として考えられる自然発生する突然変異を除いて、同じである。モノクローナル抗体は、単一の抗原部位を対象とし、極めて特異的である。さらに、典型的に、異なる決定基(エピトープ)を対象とする異なる抗体を含む、ポリクローナル抗体調合物と対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質の集団から取得されるものとして抗体の特徴を示し、いずれの特定の方法によっても抗体の産生を要求するものとして解釈されるものではない。例えば、本開示に従って使用されるべきモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,1975,Nature 256:495によって最初に説明されたハイブリドーマ方法によって作製され得る、または米国特許第4,816,567号に説明されるような組み換えDNA方法によって作製され得る。モノクローナル抗体はまた、例えば、McCafferty et al.,1990,Nature 348:552-554に説明される技法を使用して発生させられるファージライブラリから単離され得る。本明細書で使用されるように、「ヒト化」抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその一部(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)、または抗体の他の抗原結合サブ配列)である、非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態を指す。いくつかの実施形態において、ヒト化抗体は、レシピエントのCDRからの残基が、所望の特異性、親和性、および容量を有する、マウス、ラット、またはウサギ等の非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって交換される、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ヒト化抗体は、レシピエント抗体でも、取り込まれたCDRまたは骨格配列でも見出されないが、抗体性能をさらに精緻化および最適化するように含まれる、残基から成り得る。
本明細書で使用されるように、用語「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって互いに連結される少なくとも3つのアミノ酸のポリマーを指す。いくつかの実施形態において、本用語は、ポリペプチドの具体的機能クラスを指すために使用される。そのようなクラス毎に、本明細書は、クラス内の公知の例示的ポリペプチドのアミノ酸配列のいくつかの例を提供し、いくつかの実施形態において、そのような公知のポリペプチドは、クラスに関する参照ポリペプチドである。そのような実施形態において、用語「ポリペプチド」は、関連性がある参照ポリペプチドとの有意な配列相同性または同一性を示す、クラスの任意の要素を指す。多くの実施形態において、そのような要素はまたは、参照ポリペプチドと有意な活性を共有する。代替として、または加えて、多くの実施形態において、そのような要素はまた、参照ポリペプチドと(および/またはクラス内の他のポリペプチドと、いくつかの実施形態において、クラス内の全てのポリペプチドと)特定の特徴的配列因子を共有する。例えば、いくつかの実施形態において、要素ポリペプチドは、少なくとも約30~40%であり、多くの場合、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%を上回る、またはそれを上回る、参照ポリペプチドとの配列相同性または同一性の全体的程度を示す、および/または多くの場合、90%を上回る、もしくさらに95%、96%、97%、98%、または99%の高い配列同一性を示す、少なくとも1つの領域(すなわち、いくつかの実施形態において、特徴的配列因子である、またはそれからなり得る、保存領域)を含む。そのような保存領域は、通常、少なくとも3~4つ、多くの場合、最大で20個またはそれを上回るアミノ酸を包含し、いくつかの実施形態において、保存領域は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個、またはそれを上回る隣接アミノ酸の少なくとも1つの伸張を包含する。いくつかの実施形態において、有用なポリペプチドは、親ポリペプチドの断片を含む、またはそれから成り得る。いくつかの実施形態において、有用なポリペプチドは、複数の断片を含み、またはそれから成ってもよく、それぞれは、着目ポリペプチドがその親ポリペプチドの誘導体であるように、着目ポリペプチドで見出されるものと互いに対して異なる空間配列における同一の親ポリペプチドで見出される(例えば、親の中で直接連結される断片は、着目ポリペプチドの中で空間的に分離され得る、または逆も同様である、および/または断片は、親の中と異なる順序で着目ポリペプチドに存在し得る)。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、または両方から成り得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、天然アミノ酸または非天然アミノ酸のみから成り得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、D-アミノ酸、L-アミノ酸、または両方から成り得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、D-アミノ酸のみから成り得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、L-アミノ酸のみから成り得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、例えば、1つ以上のアミノ酸側鎖を修飾する、またはそれらに、および/またはポリペプチドのN末端、ポリペプチドのC末端、または両方において付着される、1つ以上のペンダント基を含み得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、環状であり得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、環状ではない。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、線形である。
本明細書で使用されるように、エピトープに「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書では同義的に使用される)抗体は、当技術分野で良く理解されている用語であり、そのような特異的または優先的結合を決定するための方法もまた、当技術分野で周知である。分子は、代替細胞または物質と反応または会合するより頻繁に、より急速に、より長い持続時間で、および/または特定の細胞または物質とのさらなる親和性を伴って反応または会合する場合、「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言われる。抗体は、他の物質に結合するよりさらなる親和性、親和力で、より容易に、および/またはより長い持続時間で結合する場合、標的に「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。また、抗体は、サンプルに存在する他の物質に結合するよりさらなる親和性、親和力で、より容易に、および/またはより長い持続時間で、サンプル内の標的に結合する場合、その標的に「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。例えば、IL-2エピトープに特異的または優先的に結合する抗体は、他のIL-2エピトープまたは非IL-2エピトープに結合するよりさらなる親和性、親和力で、より容易に、および/またはより長い持続時間で、このエピトープに結合する抗体である。また、この定義を熟読することによって、例えば、第1の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分またはエピトープ)が、第2の標的に特異的または優先的に結合する場合とそうではない場合があることを理解されたい。したがって、「特異的結合」または「優先的結合」は、必ずしも排他的結合を(含むことができるが)要求するわけではない。
本明細書で使用されるように、用語「タンパク質」は、ポリペプチド(すなわち、ペプチド結合によって互いに連結される少なくとも2つのアミノ酸の列)を指す。タンパク質は、アミノ酸以外の部分を含み得る(例えば、糖タンパク質、プロテオグリカン等であってもよい)、および/または別様に処理または修飾され得る。当業者は、「タンパク質」が、(信号配列の有無を問わず)細胞によって産生されるような完全ポリペプチド鎖であり得る、またはその特徴的部分であり得ることを理解するであろう。当業者は、タンパク質が、時として、例えば、1つ以上のジスルフィド結合によって連結される、または他の手段によって会合される、1つを上回るポリペプチド鎖を含み得ることを理解するであろう。ポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、または両方を含み得る当技術分野で公知である種々のアミノ酸修飾または類似体のうちのいずれかを含み得る。有用な修飾は、例えば、末端アセチル化、アミド化、メチル化等を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸、およびそれらの組み合わせから成り得る。用語「ペプチド」は、概して、約100個未満のアミノ酸、約50個未満のアミノ酸、20個未満アミノ酸、または10個未満アミノ酸の長さを有する、ポリペプチドを指すために使用される。いくつかの実施形態において、タンパク質は、抗体、抗体断片、その生物学的活性部分、および/またはその特徴的部分である。
本明細書で使用されるように、抗体の「可変ドメイン」は、単独または組み合わせのいずれかで、抗体軽鎖の可変ドメイン(V)または抗体重鎖の可変ドメイン(V)を指す。当技術分野で公知であるように、重および軽鎖の可変ドメインの各々は、超可変領域としても公知である3つの相補性決定領域(CDR)によって接続される4つの骨格領域(FR)から成り、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。対象可変ドメインの変異体が、特に、CDRの外側の(すなわち、骨格領域内の)アミノ酸残基内の置換を伴って、所望される場合、適切なアミノ酸置換、いくつかの実施形態において、保存アミノ酸置換が、対象可変ドメインを、対象可変ドメインと同一の正準クラス内のCDR1およびCDR2配列を含む他の抗体の可変ドメインと比較することによって、同定されることができる(例えば、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196(4):901 -917,1987を参照)。ある実施形態において、CDRの決定的画定および抗体の結合部位から成る残基の同定は、抗体の構造を解決すること、および/または抗体リガンド錯体の構造を解決することによって遂行される。ある実施形態において、それは、X線結晶構造解析等の当業者に公知である種々の技法のうちのいずれかによって遂行されることができる。ある実施形態において、分析の種々の方法が、CDRを同定または近似するために採用されることができる。ある実施形態において、分析の種々の方法が、CDRを同定または近似するために採用されることができる。そのような方法の例は、限定ではないが、Kabat定義、Chothia定義、AbM定義、接触定義、立体配座定義、およびIMGT定義を含む。Kabat定義は、抗体内の残基に番号付与するための規格であり、典型的に、CDR領域を同定するために使用される。例えば、Johnson & Wu,2000,Nucleic Acids Res.,28:214-8を参照されたい。Chothia定義は、Kabat定義に類似するが、Chothia定義は、ある構造的ループ領域の位置を考慮する。例えば、Chothia et ai,1986,J.Mol.Biol.,196:901 -17、Chothia et ai,1989,Nature,342:877-83を参照されたい。AbM定義は、抗体構造をモデル化する、Oxford Molecular Groupによって生産された、統合されたコンピュータプログラム一式を使用する。例えば、Martin et al.,1989,Proc Natl Acad Sci (USA),86:9268-9272、“AbMTM,A Computer Program for Modeling Variable Regions of Antibodies,” Oxford,UK; Oxford Molecular,Ltd.を参照されたい。AbM定義は、PROTEINS,Structure,Function and Genetics Suppl.,3:194-198において、Samudrala et al.,1999,“Ab Initio Protein Structure Prediction Using a Combined Hierarchical Approach,”によって説明されるもの等のナレッジデータベースおよび抗体またはその断片のイニシオ方法の組み合わせを使用して、一次配列から抗体の三次構造をモデル化する。接触定義は、利用可能な複雑結晶構造の分析に基づく。例えば、MacCallum et al.,1996,J.Mol.Biol.,5:732-45を参照されたい。本明細書ではCDRの「立体配座定義」と称される、別のアプローチにおいて、CDRの位置は、抗原結合にエンタルピー寄与を行う残基として同定され得る。例えば、Makabe et al.,2008,Journal of Biological Chemistry,283:1 156-1 166を参照されたい。なおも他のCDR境界定義は、上記のアプローチのうちの1つに厳密には従わない場合があり、それでもなお、Kabat CDRの少なくとも一部と重複するであろうが、それらは、特定の残基または残基の群が抗原結合に有意に影響を及ぼさないという予測または実験的所見を踏まえて、短縮または延長され得る。本明細書で使用されるように、CDRは、アプローチの組み合わせを含む、当技術分野で公知である任意のアプローチによって定義されるCDRを指し得る。本明細書で使用される方法は、これらのアプローチのうちのいずれかに従って定義される、CDRを利用し得る。1つを上回るCDRを含む、任意の所与の実施形態に関して、CDRは、Kabat、Chothia、拡張、AbM、接触、および/または立体配座定義のうちのいずれかに従って定義され得る。ある実施形態において、拡張CDRは、KabatおよびChothia方法によって同定されるアミノ酸残基の全てを指す。
本明細書で使用されるように、用語「野生型アミノ酸」、「野生型IgG」、「野生型抗体」、または「野生型mAb」は、ある集団(例えば、ヒト、マウス、ラット、細胞等)内で自然発生するアミノまたは核酸の配列を指す。
本明細書で使用されるように、用語「実質的に」は、着目特性または性質の完全または近完全範囲または程度を示す、定性的条件を指す。当業者は、電気的性質が、仮にあるとしても、稀にしか完全にならない、および/または完全性に進まない、または絶対的結果を達成しない、またはそれを回避することを理解するであろう。「実質的に」は、したがって、それに固有の完全性の潜在的欠如を捕捉するために本明細書で使用される。値は、いずれか一方の方向(それを上回る、またはそれ未満)で25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以内、またはそれ未満の値の範囲内で異なり得る。例えば、値は、5%だけ異なり得る。
本明細書で使用されるように、用語「~を実質的に含まない」は、材料または化合物を説明するために使用されるとき、材料または化合物に、有意または検出可能な量の指定物質が欠けていることを意味する。いくつかの実施形態において、指定物質は、材料または化合物の約1%、2%、3%、4%または5%(w/wまたはv/v)以下のレベルにおいて存在する。例えば、特定の立体異性体の調合物は、指定される特定の立体異性体以外の他の立体異性体の約20%、15%、10%、5%、3%、2%、1%、0.5%(w/wまたはv/v)未満を含む場合、他の立体異性体「を実質的に含まない」。
本明細書で使用されるように、用語「実質的に純粋な」は、目的の種が存在する優勢種である(すなわち、モル基準で組成物内の任意の他の個々の種より豊富である)ことを意味し、いくつかの実施形態において、実質的に精製された画分は、目的の種(例えば、抗体または受容体を含む糖タンパク質)が、存在する全ての高分子種の(モル基準で)少なくとも約50パーセントから成る、組成物である。概して、実質的に純粋な組成物は、組成物に存在する全ての高分子種の約80パーセントを上回る、いくつかの実施形態において、約85%、90%、95%、および99%を上回るものから成るであろう。いくつかの実施形態において、目的の種は、組成物が本質的に単一の高分子種から成る、不可欠な均一性(汚染物質種が、従来の検出方法によって組成物内で検出されることができない)まで精製される。ある実施形態において、実質的に純粋な材料は、少なくとも50%純粋(すなわち、汚染物質を含まない)、いくつかの実施形態において、少なくとも90%純粋、いくつかの実施形態において、少なくとも95%純粋、さらにいくつかの実施形態において、少なくとも98%純粋、いくつかの実施形態において、少なくとも99%純粋である。これらの量は、限定的であるように意図されておらず、列挙される割合の間の増分が、本開示の一部として具体的に想定される。
本明細書で使用されるように、用語「置換」は、少なくとも1つの水素が、本明細書に説明されるような置換基、例えば、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エーテル、ヘテロシクリル、芳香族またはヘテロ芳香族部分、-CF、-CN、または同等物と交換される、アルキル、シクロアルキルアリール等の化学基を指す。用語「置換」はまた、有機化合物の全ての許容置換基を含むと検討される。広義の側面において、許容置換基は、有機化合物の非環状および環状、分岐および非分岐、炭素環およびヘテロ環状、芳香族および非芳香族置換基を含む。例証的置換基は、例えば、本明細書で上で説明されるものを含む。許容置換基は、適切な有機化合物に関して、1つまたはそれを上回り、同一である、または異なり得る。本開示の目的のために、窒素等のヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に説明される有機化合物の任意の許容置換基を有し得る。本開示は、いずれの様式でも有機化合物の許容置換基によって限定されることを意図していない。しかしながら、多くの実施形態において、任意の単一の置換基は、100個より少ない合計の原子を有する。しかしながら、多くの実施形態において、任意の単一の置換基は、10個より少ない合計の原子を有する。「置換」または「~と置換される」は、そのような置換が置換原子および置換基の許容原子価に従っており、置換が安定した化合物をもたらし、例えば、再配列、環化、排除、または他の反応等によって自発的に転換を受けないという暗示的条件を含むことを理解されたい。
明確にするために、以下の議論は、出願者の教示の実施形態の種々の側面を詳説する一方で、そうすることが便利または適切であれば、ある具体的詳細を省略するであろうことを理解されたい。例えば、代替実施形態における同様または類似の特徴の議論が、若干簡約され得る。周知の発想または概念もまた、簡潔にするために、それ以上さらに詳細に議論されない場合がある。当業者は、出願者の教示のいくつかの実施形態が、実施形態の徹底的な理解のみを提供するように本明細書に記載される、全ての実装における具体的に説明される詳細のうちのあるものを要求しない場合があることを認識するであろう。同様に、説明される実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、共通の一般知識による改変または変形例の影響を受け得ることが明白であろう。以下の発明を実施するための形態は、いずれの様式でも出願者の教示の範囲を限定すると見なされるものではない。
(詳細な説明)
例えば、非接触液滴分注、開放ポートプローブ技術、固相微量抽出デバイス、磁気ビーズ等を含む種々の液体および固体生物学的サンプル導入システムおよび方法が、公知である。これらの技術を使用する場合、サンプルは、連続溶媒流と接触したままであり、それによって、標的被分析物は、固相基質から洗い流され、イオン化電極に直接送達される。これらの方法論に基づいて、疼痛パネル、例えば、ボリコナゾール等の開放ポートプローブを介した固相微量抽出のための検定立証が、ある程度成功している。
依然として、感度および特異性を含む克服すべき主要な課題が存在する。
生物学的サンプルは、質量分析システムに関して、特に、これらのサンプルが低レベルで存在するときのそれらの導入および検出に関して、課題をもたらす。高濃度で、高サンプルレベルにおいて、または高い蒸気圧を有するサンプルから存在するガスおよび/または液体サンプルを導入するための従来的方法が、極めて効率的である。
大気圧においてそのようなサンプルをイオン化し(例えば、化学イオン化、エレクトスプレーによって)、それによって、高い存在量で、着目被分析物のイオンのみならず、干渉/汚染するイオンおよび中性分子を生成することが、比較的に容易であり得る。しかしながら、これらの従来的サンプル調製および導入方法は、本開示によって検討されるように、生物学的流体および組織サンプルに関して提示される独特の試料採取状況のためにあまり好適ではない。
従来の固相微量抽出デバイスは、概して、C18またはSCX等の一般的(非標的化)結合能力を伴う固定相を使用して、被分析物に結合する。これらは、生物学的マトリクスから塩、細胞、および無傷タンパク質を除去するために有用であることが公知であるが、これらは、異性体干渉の知られた原因でもあり、したがって、サンプル分析への課題の源であり得る。例えば、微分移動度分光分析DMSを使用する選択性向上のためのインラン分離技法が、ある程度の成功を示している。開放ポートプローブを介した、固相微量抽出および質量分析の直接結合が、直接注入と比較すると、定量限界を改良し、分析スループットを加速し、潜在的マトリクス効果を軽減する潜在性を示している。免疫精製は、抽出デバイスの特異性を改良し、異性体干渉を排除するために他の分離技法と使用されるとき、より特異的な選択をそれに提供するために正常に使用されている別のアプローチである。サンプル抽出デバイスの抗体ベースの固定相の間接的結合が、407 Anal Bioanal Chem 2771-2775(2015)に説明される。本研究において、抗体が、ポリスチレン粒子の表面上で不動化された。抗体でコーティングされたポリスチレン粒子が、次いで、固体基質に接着された。この非直接アプローチによって導入される接着プロセスは、タンパク質構造に汚染および損傷を引き起こし、その活性にさらに影響を及ぼし得る。
課題は、干渉を限定または排除しながら、被分析物群のうちの特定の被分析物を標的化する能力に関する。さらに、感度、簡潔性、選択性、速度、およびスループットを伴って、そうすることは困難であり得る。
本開示は、質量分析システムにおいて、生物学的サンプル、例えば、サンプルが非常に低いレベルで存在する場合、体液または組織に存在するそのサンプルを導入することが望ましいという認識を包含する。本開示は、分析のための生物学的被分析物を捕捉するために、抗体等のポリペプチドをサンプル抽出デバイスに直接不動化するための個別的な単純な装置およびワークフローの必要性が存在するという認識を包含する。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法は、少なくとも1つのポリペプチドを用いて、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化することを含む質量分析システムによって生物学的物質を試料採取することを含み、少なくとも1つのポリペプチドは、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合し得ることを特徴とし、細長い試料採取要素は、第1の端部から遠位表面において終端する第2の端部まで延びている外側表面を含むことができ、第2の端部は、質量分析システムの試料採取インターフェース内に挿入されるように構成され得る。いくつかの実施形態において、本開示の教示は、より一様なサンプル抽出エリアを通して向上した感度を提供することができる。いくつかの実施形態において、本開示の教示は、概して、分析のための抽出された被分析物の量を増加させ得る公知の試料採取デバイスに対する向上した表面積を提供することができる。いくつかの実施形態において、一様性、表面積、および抽出効率の向上は、増加した感度に対応し得る。例えば、いくつかの実施形態において、感度は、ng/mL未満の固相微量抽出から1桁のpg/mLまで改良され得る。
いくつかの実施形態において、本開示の装置、システム、および方法は、異性体干渉を導入することなく、すなわち、感度および特異性の両方を伴って、典型的に低レベルであるものにおける生物学的被分析を試料採取することができる。
いくつかの実施形態において、本開示の実装は、生物学的サンプルの調製および/または質量分析システムへの生物学的サンプルの導入のための装置の調製において有用である。いくつかの実施形態において、本開示の質量分析システムのためのサンプル調製技法は、種々の側面において、高速、確実、再現可能、安価であり、自動化に適し得る。
とりわけ、本開示は、質量分析システムにおける試料採取のための方法を提供し、方法は、少なくとも1つのポリペプチドを用いて、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化するステップを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチドは、それが少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする。いくつかの実施形態において、官能化するステップは、細長い試料採取要素の外側表面をコーティングするステップと、コーティングされた表面上で少なくとも1つのポリペプチドを不動化するステップとを含む。いくつかの実施形態において、方法は、被分析物が、体液サンプルに存在する場合、ポリペプチドに結合するように、ポリペプチド官能化細長い試料採取要素の少なくとも一部を体液サンプルにさらすステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、細長い試料採取要素の少なくとも一部を質量分析システムの試料採取インターフェースの中に挿入するステップをさらに含み、それによって、試料採取インターフェースを通して流動する抽出溶媒は、ポリペプチド結合被分析物の少なくとも一部を抽出し、抽出された被分析物をイオン源まで下流に、質量分析システムの質量分析器上に伝送する。いくつかの実施形態において、方法は、抽出された被分析物に質量分光分析を実施するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、装置、例えば、ポリペプチドで少なくとも部分的にコーティングされた細長い試料採取要素を提供する。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素のポリペプチドでコーティングされた表面は、それらが互いに接触するとき、それが被分析物に結合するであろうように構成される。すなわち、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチドは、それが少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする。
本開示は、生物学的被分析物、特に抗体またはその断片を捕捉するために、抗原またはその断片をサンプル抽出デバイスに直接不動化するためのワークフローがあるという認識をさらに包含する。いくつかの実施形態において、例えば、細長い試料採取要素の外側表面は、少なくとも1つの抗原またはその断片を用いて官能化されることができ、抗原またはその断片は、着目被分析物に優先的に結合する。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの被分析物が、生物学的サンプルに含まれることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの被分析物は、限定ではないが、抗体またはその断片、リガンド、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質を含むことができる。
(質量分析システム)
いくつかの実施形態において、質量分析システムおよび質量分析ベースの分析システムおよび方法が、本明細書で提供される。特に、いくつかの実施形態において、抽出溶媒が、少なくとも1つの被分析物を質量分析システムに導入するために利用されることができる。いくつかの実施形態において、抽出溶媒は、その表面に結合される少なくとも1つの被分析物を有する細長い試料採取要素に接触することができる。いくつかの実施形態において、抽出溶媒は、細長い試料採取要素の表面から少なくとも1つの被分析物を脱着および/または抽出する。いくつかの実施形態において、抽出溶媒は、質量分析システムを介して、後続のイオン化、最終的には検出のために、少なくとも1つの被分析物をイオン源まで下流に伝送および/または搬送するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書で提供されるような感度および特異性の両方を伴うが、試料採取インターフェースとイオン源との間に位置する液体クロマトグラフィカラムを必要することなく、試料採取インターフェースおよびイオン源を提供する。
図1を参照すると、いくつかの実施形態において、本開示の種々の側面による、例示的質量分析システム100が、提供される。いくつかの実施形態において、本開示は、被分析物を試料採取するためのシステム、装置、および方法を提供し、それは、基質から抽出される被分析物をイオン化ステップおよび質量分析するステップを含む。図1に示されるように、質量分析システム100は、基質試料採取インターフェース130(例えば、開放ポートプローブ)を含む。いくつかの実施形態において、基質試料採取インターフェース130は、イオン源140と流体連通することができる。いくつかの実施形態において、イオン源140は、少なくとも1つの被分析物を含む液体をイオン化チャンバ120の中に放出するために使用されることができる。イオン化チャンバ120は、イオン化チャンバ120から下流に位置付けられる質量分析器160と流体連通する。質量分析器160は、イオン源140によって発生させられるイオンを検出および/または処理することができる。
基質試料採取インターフェース130は、細長い試料採取要素125の少なくとも一部(例えば、固相微量抽出基質)を受け取るように構成されることができる。細長い試料採取要素は、第1の端部124から遠位表面(図示せず)において終端する第2の端部126まで延びている外側表面を含むことができ、第2の端部126は、基質試料採取インターフェース130内に挿入されるように構成される。
細長い試料採取要素125は、抽出溶媒源131とイオン源プローブ(例えば、エレクトスプレー電極)144との間に延びている基質試料採取インターフェース130の流体経路内に設置される。いくつかの実施形態において、例えば、抽出溶媒によって細長い試料採取要素125の外側表面から脱着される被分析物は、イオン化のために抽出溶媒内でイオン源140の中に直接流入する。すなわち、細長い試料採取要素125の表面は、抽出溶媒と接触させられることができ、抽出溶媒は、試料採取要素から少なくとも1つの被分析物を抽出し、抽出された被分析物をイオン源140および質量分析器160に搬送し得る。
いくつかの実施形態において、抽出溶媒は、以下のうちのいずれか、またはそれを含むことができる:メタノール,エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、水、またはそれらの組み合わせ。
いくつかの実施形態において、イオン源140は、種々の構成を有することができる。いくつかの実施形態において、イオン源140は、例えば、基質試料採取インターフェース130から受け取られる液体(例えば、抽出溶媒)内に含まれる1つの被分析物をイオン化するように構成されることができる。図1を参照すると、細長い試料採取要素125に流体的に結合される毛細管を備え得るエレクトスプレー電極144は、イオン化チャンバ120の中に少なくとも部分的に延び、その中に抽出溶媒を放出する出口端において終端する。
いくつかの実施形態において、本教示を踏まえて当業者によって理解されるであろうように、エレクトスプレー電極144の出口端は、抽出溶媒をイオン化チャンバ120の中に霧化し、エアロゾル化し、噴霧化し、または放出し(例えば、ノズルを用いて噴射し)、サンプルプルーム150を形成することができる。いくつかの実施形態において、サンプルプルーム150は、概して、カーテンプレート開口114bおよび真空チャンバ試料採取オリフィス116bに向かって方向付けられ得る微液滴を含む。いくつかの実施形態において、抽出され、微液滴内に含まれた少なくとも1つの被分析物は、イオン源140によってイオン化される(すなわち、帯電させられる)ことができる。いくつかの実施形態において、例えば、少なくとも1つの被分析物は、サンプルプルーム150が発生させられるにつれてイオン化される。いくつかの実施形態において、非限定的例として、エレクトスプレー電極144の出口端が、伝導性材料から形成および/または製作され、電圧源(図示せず)の極に電気的に結合されることができる一方で、電圧源の他方の極は、接地されることができる。いくつかの実施形態において、サンプルプルーム150内に含まれる微液滴は、液滴内の抽出溶媒が、イオン化チャンバ120内の脱溶媒和中に蒸発するにつれて、裸の荷電被分析物イオンが、放出され、開口114b、116bに向かって、かつそれを通して引き寄せられ、(例えば、1つ以上のイオンレンズを介して)質量分析器160の中に集束させられるように、エレクトスプレー電極144の出口端に印加される電圧によって帯電させられることができる。いくつかの実施形態において、イオン源プローブは、エレクトスプレー電極144であり得る。いずれの具体的実施形態にも拘束されることを所望するわけではないが、液体サンプルをイオン化するために当技術分野で公知であり、本教示に従って修正される任意の数の異なるイオン化技法が、イオン源140として利用され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態において、例えば、非限定的例として、イオン源140は、エレクトスプレーイオン化デバイス、ネブライザ支援型エレクトスプレーデバイス、化学イオン化デバイス、ネブライザ支援型霧化デバイス、光イオン化デバイス、レーザイオン化デバイス、サーモスプレーイオン化デバイス、またはソニックスプレーイオン化デバイスであり得る。
いくつかの実施形態において、イオン化チャンバ120は、大気圧より低い圧力まで排気されることができる。いくつかの実施形態において、イオン化チャンバ120は、大気圧において維持されることができる。いくつかの実施形態において、イオン化チャンバ120は、カーテンプレート開口114bを有するプレート114aによって、ガスカーテンチャンバ114から分離されることができる。図1に示されるように、質量分析器160を収納し得る真空チャンバ116が、真空チャンバ試料採取オリフィス116bを有するプレート116aによって、カーテンチャンバ114から分離されることができる。カーテンチャンバ114および真空チャンバ116は、1つ以上の真空ポンプポート118を通した排気によって、選択された圧力(例えば、同一のまたは異なる大気圧未満の圧力、イオン化チャンバより低い圧力)において維持されることができる。図1を参照すると、いくつかの実施形態において、質量分析システム100は、加圧ガス170(例えば、窒素、空気、または希ガス)源を含むことができる。いくつかの実施形態において、加圧ガス170源は、エレクトスプレー電極144の出口端を包囲し、出口端から放出される流体と相互作用し、サンプルプルーム150の形成を向上させる高速噴霧化ガス流を供給する。
いくつかの実施形態において、質量分析器160は、種々の構成のうちの1つをとることができる。いくつかの実施形態において、質量分析器160は、イオン源140によって発生させられるサンプルイオンを処理する(例えば、濾過する、選別する、解離する、検出する等)ように構成されることができる。いくつかの実施形態において、非限定的例として、質量分析器160は、三重四重極質量分析システムであり得る。いくつかの実施形態において、質量分析器160は、当技術分野で公知である、または本明細書の教示に従って修正される任意の質量分析器であり得る。さらに、任意の数の追加の要素が、例えば、それらの質量対電荷比ではなく、ドリフトガスを通したそれらの移動度に基づいて、イオンを分離するように構成されるイオン移動度分光計(例えば、微分移動度分光計)を含む質量分析システムに含まれ得ることを理解されたい。加えて、質量分析器160は、質量分析器160を通して通過するイオンを検出し得、例えば、検出される1秒あたりのイオンの数を示す信号を供給し得る、検出器を含み得ることを理解されたい。
(細長い試料採取要素)
いくつかの実施形態において、本開示は、官能化されるように構成される表面を有する細長い試料採取要素を提供し、それによって、サンプル(例えば、体液サンプル)内の少なくとも1つの被分析物は、細長い試料採取要素に優先的に結合する。いくつかの実施形態において、本開示は、その表面に不動化される少なくとも1つのポリペプチドを有する細長い試料採取要素を提供し、少なくとも1つのポリペプチドは、それがサンプル(例えば、体液サンプル)内の少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、基質試料採取インターフェース、例えば、質量分析システムの開放ポートプローブとの使用のために構成されることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、第1の端部(図1の124)から第2の端部(図1の126)まで延びている外側表面を有することができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の第1の端部(図1の124)は、機械操作のハンドルとして有用であり得る。いくつかの実施形態において、遠位表面において終端し、ポリペプチド結合被分析物でコーティングされ得る細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)は、下流イオン源中への導入のために被分析物を抽出するように、質量分析システムの基質試料採取インターフェース内に挿入されることができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、例えば、ケイ酸アルミナ、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ヒ素、ケイ酸バリウム、ケイ酸ビスマス、ケイ酸ホウ素、ケイ酸カドミウム、ケイ酸ガリウム、ケイ酸ゲルマニウム、ガラス、ケイ酸金、ケイ酸鉛、ケイ酸石灰、ケイ酸リチウム、ケイ酸マグネシウム、ニッケル、ケイ酸窒素、ケイ酸白金、シリカ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リン、ケイ酸カリウム、ケイ酸スズ、ケイ酸インジウム、ケイ酸銀、ケイ酸亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせから形成されること、またはそれを含むことができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、金属から形成されること、またはそれから製作されることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、元素金属または合金から形成されること、またはそれから製作されることができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、統一構造である。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、少なくとも2つの層を含むことができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の遠位表面は、例えば、限定ではないが、炭素表面、石英表面、ガラス表面、金表面、銀表面、銅表面、酸化鉄表面、合金表面、複合材料表面、ポリマー表面、またはそれらの任意の組み合わせ等の固体表面であり得る。いくつかの実施形態において、表面は、独立して、多孔質、無孔質、またはそれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、有機材料、無機材料、生物学的材料、またはそれらの任意の組み合わせから形成されること、またはそれから製作されることができる。いくつかの実施形態において、表面は、総タンパク質、部分タンパク質、天然タンパク質、合成タンパク質、官能化されたタンパク質、またはそれらの任意の組み合わせ等のタンパク質から成る1つ以上の層を有することができる。いくつかの実施形態において、タンパク質は、動物、植物、微生物、またはそれらの任意の組み合わせに由来し得る。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、磁気的性質を有する、および/または、例えば、磁気的性質を含む性質を示す材料から形成されること、またはそれから製作されることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、加熱されること、冷却されること、および/または、それに磁場を印加されることができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、細長い試料採取要素のコーティング材料が、細長い試料採取要素の外側表面を形成するように、その表面上にコーティングを有する。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素のコーティングは、ケイ酸アルミナ、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ヒ素、ケイ酸バリウム、ケイ酸ビスマス、ケイ酸ホウ素、ケイ酸カドミウム、ケイ酸ガリウム、ケイ酸ゲルマニウム、ガラス、ケイ酸金、ケイ酸鉛、ケイ酸石灰、ケイ酸リチウム、ケイ酸マグネシウム、ニッケル、ケイ酸窒素、ケイ酸白金、シリカ、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸リン、ケイ酸カリウム、ケイ酸スズ、ケイ酸インジウム、ケイ酸銀、ケイ酸亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせから形成されることができる、またはそれから製作されることができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、約1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、またはそれを上回る長さを有することができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、例えば、抗体等のポリペプチドによるより効果的な官能化のために、その表面積を増加させるように粗面化された表面を有する。いくつかの実施形態において、表面粗度は、表面のその結合能力を増加させる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、ビーズまたはビーズ様構造を含むことができる。いくつかの実施形態において、これらの構造は、表面積を増加させ、それによって、結合能力を増加させる。概略図における図2は、例示的細長い試料採取要素200を示す。パネル(A)における図2は、第1の端部210および遠位表面において終端する第2の端部220を示す。パネル(B)における図2は、第1の端部230および粗面化された端部を有する遠位表面において終端する第2の端部240を示す。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)の官能化された遠位表面は、種々の形状を有することができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)の遠位表面の表面積の増加は、抽出溶媒にさらされ、それによって、抽出溶媒によって脱着されるサンプルの量を増加させることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)の遠位表面は、断面形状、例えば、正方形、菱形、5つの頂点を有する星形、6つの頂点を有する星形、7つの頂点を有する星形、8つの頂点を有する星形、9つの頂点を有する星形、または10個の頂点を有する星形を有することができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)の遠位表面は、細長い試料採取要素の中心から細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)の外側表面の少なくとも一部まで突出および/または突起する種々の形状を有することができる。いくつかの実施形態において、これらの突出または突起形状は、角度を付けられ、曲げられ、回転させられ、捻じられ得る等。
いくつかの実施形態において、例えば、図3を参照すると、示されるような細長いサンプル要素は、シリカから製作される。本実施形態において、遠位表面は、星形パターンを有する。本実施形態において、各半回転または全回転を用いると、第2の端部(図1の126)の表面積は、増加する。図3を参照すると、310は、いかなる回転も有していない遠位表面を伴う第2の端部を示し、320は、1/2回の回転を有する遠位表面を伴う第2の端部を示し、330は、1回の回転を有する遠位表面を伴う第2の端部を示し、340は、2回の回転を有する遠位表面を伴う第2の端部を示し、350は、3回の回転を有する遠位表面を伴う第2の端部を示し、360は、4回の回転を有する遠位表面を伴う第2の端部を示す。上で解説されるように、第2の端部(図1の126)は、基質試料採取インターフェースの中に挿入され、それによって、細長い試料採取要素の第2の端部(図1の126)の遠位表面の表面積の増加は、抽出溶媒にさらされ、それによって、それにより脱着されるサンプルの量を増加させることができる。
細長い試料採取要素410の第2の端部(図1の126)の遠位表面320の例示的形状が、図4に示される。7頂点星形420は、公知の基質に対して増加した表面積を提供し、それによって、表面の結合能力を増加させるコーティングされた表面積を含む。7つの頂点は、外側表面420の最小直径から半径方向に外向きに延びている。いくつかの実施形態において、外側および内側表面は、断面形状の周囲の周りで最大断面直径と最小断面直径との間の変形例を含むことができ、それによって、各表面は、抽出溶媒にさらされ得る表面積をさらに増加させるための複数の突出部を含む。図5を参照すると、細長い試料採取要素510は、外側表面520と、内側表面530とを有する。
(コーティング)
いくつかの実施形態において、コーティングが、細長い試料採取要素の外側表面に結合されることができる。一例として、コーティングされた細長い試料採取要素は、例えば、化学的に、物理的に、またはそれらの組み合わせを介して、試料採取要素の表面に結合し、少なくとも1つの抗体またはその断片に結合できる1つ以上の部分を含むことができる。いくつかの実施形態において、そのような部分は、例えば、限定ではないが、アミン基(例えば、リシン残基からのアミン基および各ポリペプチド鎖のN末端)、チオール/スルフヒドリル基(例えば、システイン残基上のチオール/スルフヒドリル基および抗体またはその断片の分子構造を安定させるジスルフィド結合からのもの)、および炭水化物(糖)基(例えば、AbのFc領域からの炭水化物(糖)基)を含む。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の表面は、シリカ等を含むことができる。いくつかの実施形態において、シリカは、ヒドロキシル基を含むことができる。いくつかの実施形態において、ヒドロキシル基は、シリカ表面から形成されることができる。いくつかの実施形態において、シリカ表面上のヒドロキシル基は、種々の異なる方法によって形成されることができる。例えば、シリカ表面上のヒドロキシル基は、硫酸、硝酸、過酸化水素、またはそれらの任意の組み合わせを含む溶液等の、1つ以上の酸化剤酸を含む溶液とシリカ表面を反応させることによって、形成されることができる。いくつかの実施形態において、シリカ表面上のヒドロキシル基の存在は、シラン基等の異なる基の付着のための部位を提供する。いくつかの実施形態において、各端部上に異なる反応基を伴うヘテロ二官能性またはホモ二官能性架橋剤が、一方の端部上のシランに結合されることができる一方で、他方の遊離端は、抗体またはその断片の末端アミノ基とアミド結合を形成し、したがって、抗体またはその断片を表面に不動化することができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の表面は、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、および3-アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)等の1つ以上のアミン末端シラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)およびルカプトメチルジメチルエトキシシラン(MDS)等の1つ以上のチオール末端シラン、またはメチルトリエトキシシラン(MTES)およびオクタデシルトリクロロシラン等の他のタイプのシランを使用して、修飾されることができる。いくつかの実施形態において、2つの活性基を伴う架橋剤もまた、表面上のシラン層と抗体またはその断片内の1級アミンとの間の共役によって、抗体またはその断片を共有結合的に不動化するために使用されることもできる。いくつかの実施形態において、架橋剤は、例えば、限定ではないが、グルタルアルデヒド(GA)、N-スクシンイミジル-4-マレイミド酪酸(GMBS)、またはN-スクシンイミジル-4-(N-マレイミド-メチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシル酸であり得る。
いくつかの実施形態において、ポリペプチド(例えば、抗体)が、細長い試料採取要素の外側表面に(例えば、表面においてさらされるある基および/または部分に)直接結合されることができる。いくつかの実施形態において、例えば、細長い試料採取要素の表面は、ポリペプチドが付着され得るように、十分な活性基および/または部分を有する。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面は、ポリペプチドがそれに結合され得る前、活性化され得、および/または、活性化される必要があり得る。いくつかの実施形態において、例えば、細長い試料採取要素の表面は、抗体またはその断片が表面に付着されることができないように、十分な活性基および/または部分を有していない。いくつかの実施形態において、表面が、抗体またはその断片が付着するための十分な活性基を有していないとき、固体表面が、抗体またはその断片からの1つ以上の部分(例えば、抗体またはその断片のFab領域、抗体またはその断片のFc領域等)と反応し、不動化を促進し得る活性基を用いて、活性化または官能化されることができる。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片の不動化を促進するための表面の官能化は、例えば、限定ではないが、少なくとも1つの活性基の表面への物理的吸着、少なくとも1つの官能基の表面への共有結合、少なくとも1つの活性基の表面への非共有結合、またはそれらの任意の組み合わせ等のいくつかの異なる方法で、実施されることができる。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、コーティングされた細長い試料採取要素に不動化されることができる。いくつかの実施形態において、本開示は、その外側表面に不動化された抗体を有する細長い試料採取要素を提供する。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、共有結合、非共有結合、物理的結合、またはそれらの任意の組み合わせを通して、細長い試料採取要素の外側表面上で不動化される。いくつかの実施形態において、抗体不動化は、例えば、細長い試料採取要素の外側表面におけるアミン、アミド、またはアミノ結合を介して、生じることができる。いくつかの実施形態において、抗体不動化は、細長い試料採取要素の外側表面における架橋反応を介して、生じることができる。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、例えば、アミン/グルタルアルデヒド部分を介して、細長い試料採取要素の外側表面に不動化されることができる。いくつかの実施形態において、例えば、細長い試料採取要素の外側表面上のさらされたアミン基の反応性末端が、1つ以上のアミノ酸残基からのアミノ基と反応することができる。いくつかの実施形態において、アミノ基は、例えば、リシン残基等の抗体またはその断片上に位置する。いくつかの実施形態において、そのような結合は、細長い試料採取要素の外側表面上で抗体またはその断片を不動化するために、定着点として利用されることができる。いくつかの実施形態において、さらされたアミン基は、反応性末端に由来し、例えば、細長い試料採取要素の外側表面と反応させられた、および/または、それにコーティングされたグルタルアルデヒド分子に由来し得る。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、例えば、アミン/N-ヒドロキシスクシンイミド部分を介して、細長い試料採取要素の外側表面に不動化されることができる。いくつかの実施形態において、N-ヒドロキシスクシンイミドエステルが、アミンと反応する。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片は、その1つ以上のアミン基とN-ヒドロキシスクシンイミドのアルデヒド基と間の不安定なシッフ塩基形成によって、不動化されることができる。いくつかの実施形態において、例えば、アミノシラン試薬を用いた外側表面の活性化後に、N-ヒドロキシスクシンイミドまたはスルファ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルが、抗体不動化のために導入されることができる。いくつかの実施形態において、N-ヒドロキシスクシンイミドエステルが、タンパク質上のアミンと反応し、NHS脱離基を放出しながら、安定したアミド結合を生じさせる。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、例えば、アミン/マレイミド部分を介して、細長い試料採取要素の外側表面上で不動化されることができる。いくつかの実施形態において、マレイミド部分およびイミド官能基は、システイン残基のスルフヒドリル基、またはスルフヒドリル化抗体の架橋のために容易に利用可能である。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片上に位置する1つ以上のアミノ酸残基(例えば、システイン残基)からのチオール基が、表面上で抗体またはその断片を不動化するために定着点として利用されることができる。いくつかの実施形態において、例えば、1つ以上のアミノ酸残基からのチオール基は、表面との結合を促進するように、抗体またはその断片の外部上に位置する。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片からのチオール基は、末端リンカー基を用いて重合性脂質に共有結合することができる。これらの実施形態において、抗体またはその断片は、2-イミノチオラン塩酸塩を使用してチオール化され、チオール-Auリンケージを用いて金表面アレイに付着されることができる。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、例えば、抗体またはその断片上に位置する1つ以上の糖残基を介して、細長い試料採取要素の外側表面上で不動化されることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の糖残基は、表面との結合を促進するように、抗体またはその断片の外部上に位置する。これらの実施形態において、抗体またはその断片は、抗体またはその断片のC末端における糖残基のナトリウムペルオキシダーゼ酸化によって産生され得る、塩類の中のアミンとアルデヒドとの間の反応によって、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)等のアミノシランによって前もって修飾されて、細長い試料採取デバイスの外側表面上で不動化されることができる。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、例えば、プラズマを用いた外側表面の前処理を通して、細長い試料採取要素の外側表面上で不動化されることができる。いくつかの実施形態において、外側表面は、シリコンヒドロキシルおよび活性の利用可能な結合部位を取得するように、マイクロ波誘導HO/Arプラズマを用いて処理されることができる。いくつかの実施形態において、これらは、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)等の表面修飾因子のための結合部位を提供し、したがって、抗体またはその断片と結合し得るグルタルアルデヒド等の架橋剤の密度を増加させ得る。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のプラズマ処理されたポリマーに結合されることができる。いくつかの実施形態において、表面上に堆積されるポリマーの酸素プラズマ前処理が、抗体またはその断片を不動化するために使用され得る、ポリマー上の表面極性基を生じさせる。これらの実施形態において、ポリエチレンイミン(PEI)層が、酸素プラズマ活性化PMMA箔上に堆積され、アミン反応性アルデヒド表面(PEI-GA)を形成するようにGAとさらに架橋されることができる。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片は、オーバープリント等の異なる技法を使用して、PEI-GA表面に堆積されることができる。そのような実施形態において、官能基が、抗体またはその断片の不動化を促進するように、プラズマ前処理によって表面上に導入されることができる。本プロセスは、電力、使用されたガス、処理時間、および圧力等のプラズマパラメータに依存し得る。例えば、-Oおよび=O等の酸素含有基ならびにアミノ基が、それぞれ、Ar/Oプラズマ処理およびアンモニアプラズマ処理を使用することによって、表面上に導入されることができる。
いくつかの実施形態において、抗体またはその断片が、例えば、表面上に抗体またはその断片を不動化するために使用され得るイオン相互作用、疎水性相互作用、親水性相互作用、極性相互作用、ファンデルワールス相互作用、および静電相互作用等の分子間力を介して、細長い試料採取要素の外側表面上で不動化されることができる。
いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素の外側表面は、表面に結合するビオチニル化抗体であり得る、アビジンおよび/または他のビオチン結合タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態において、ビオチニル化抗体またはその断片、ビオチンで標識された抗体またはその断片(すなわち、ビタミンH、ビタミンB7、または補酵素Rとしても公知である)は、表面上に生体適合性層を発生させるように、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、タマビジン、およびカプトアビジンを含む、アビジンおよび他のビオチン結合タンパク質と反応することができる。ビオチンは、アビジンおよびチオフェン単位を吉草酸側鎖の先端におけるカルボキシル基と結合させる、ウレイド単位から成り、カルボキシル基は、共役抗体またはその断片に誘導体化されることができる。いずれの特定の理論によっても拘束されるわけではないが、抗体またはその断片の不動化プロセスの開始時に、表面は、ビオチンまたはビオチニル化分子を付着する前に活性化される必要がある。いくつかの実施形態において、シラン化ガラスが、NHSビオチンと反応する遊離アミノ基を産生するように、アクリルアミドまたは酢酸4-アミノフェニル水銀で処理されることができる。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片は、ビオチニル化ポリエチエレングリコール層、ストレプトアビジン層、およびタンパク質L-ビオチン層を含む、ガラス上で不動化されることができる。いくつかの実施形態において、ビオチンまたはビオチニル化分子は、アジド基によってビオチンのNHS-エステルに共有結合する、遊離アミン末端を発生させるように、APTESによって表面に付着されることができる。いくつかの実施形態において、アビジンは、アビジン-ビオチン錯体を形成するために使用されることができる。いくつかの実施形態において、アビジンの2つのビオチン結合部位は、結合されたビオチニル化抗体の表面に面する。
いくつかの実施形態において、不動化された抗体またはその断片上の官能基が、化学的処理および/または物理的処理を使用して、少なくとも1つの被分析物との特異的相互作用のために、添加、活性化、ならびに/または調整されることができ、これは、より反応性の形態への抗体またはその断片の表面の転換につながり得る。
いくつかの実施形態において、結合は、例えば、限定ではないが、さらされたアミノ酸のアクセス可能な官能基によって行われることができ、それは、細長い試料採取要素の外側表面との抗体またはその断片の可逆的または不可逆的結合につながり得、異なる程度の表面被覆をもたらし得る。いくつかの実施形態において、抗体またはその断片からの表面被覆の程度は、細長い試料採取要素の外側表面の約1%、細長い試料採取要素の外側表面の約5%、細長い試料採取要素の外側表面の約10%、細長い試料採取要素の外側表面の約20%、細長い試料採取要素の外側表面の約30%、細長い試料採取要素の外側表面の約40%、細長い試料採取要素の外側表面の約50%、細長い試料採取要素の外側表面の約60%、細長い試料採取要素の外側表面の約70%、細長い試料採取要素の外側表面の約80%、細長い試料採取要素の外側表面の約90%、または細長い試料採取要素の外側表面の約100%であり得る。
(サンプル)
いくつかの実施形態において、抗体が結合された表面は、被分析物に優先的および/または特異的に結合するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、被分析物は、優先的に(および/または選択的に)抗体またはその断片に結合し、および/または、それに優先的に(および/または選択的に)結合される。いくつかの実施形態において、被分析物は、体液に由来する。いくつかの実施形態において、体液は、血液、血液製剤、唾液、嘔吐物、尿、涙、汗、胆汁、乳、脳脊髄液、糞便、身体分泌物、膿、粘液、リンパ液、胃酸液、耳垢、水疱、体液、細胞内液、細胞外液、ヒトの流体、動物の流体、植物の流体、固体の洗浄済み液、表面の洗浄済み液、流体抽出物、またはそれらの任意の組み合わせのうちのいずれかであり得る。
いくつかの実施形態において、その外側表面上の不動化された抗体を用いて官能化される細長い試料採取要素を混合および/または、被分析物にさらす方法が、開示される。本実施形態において、被分析物は、体液サンプル内に存在する。被分析物は、結合、抽出、検出等のために実質的かつ十分な濃度で存在する(またはそのように推定される)ことに留意されたい。
いくつかの実施形態において、図6を参照すると、方法ステップは、生物学的サンプル650を含む生物学的サンプルバイアル660と、細長い試料採取要素620とを含む混合キット610を提供することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、方法は、細長い試料採取要素620の第2の端部640を生物学的サンプル650の中に挿入することを含むことができる。いくつかの実施形態において、生物学的サンプルは、血液、血液製剤、唾液、嘔吐物、尿、涙、汗、胆汁、乳、脳脊髄液、糞便、身体分泌物、膿、粘液、リンパ液、胃酸液、耳垢、水疱、体液、細胞内液、細胞外液、ヒトの流体、動物の流体、植物の流体、固体の洗浄済み液、表面の洗浄済み液、流体抽出物、およびそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、方法は、ハンドルおよび/または機械的ミキサ630を用いて混合するステップをさらに含む。
(方法)
コーティングすることから質量分析を実施することまでの一般的ワークフローが、図7に示される。上で解説されるように、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部が、ポリペプチドを用いて官能化され、次いで、サンプルに結合されることができる。
いくつかの実施形態において、本開示の方法は、そのサンプルの質量分光分析を実施するステップをさらに含むことができる。したがって、本方法は、質量分析システムにサンプルを送達するステップを含むことができる。いくつかの実施形態において、方法ステップは、細長い試料採取要素の少なくとも一部を質量分析システムの基質試料採取インターフェースの中に挿入するステップを含む。いくつかの実施形態において、方法は、細長い試料採取要素の第2の端部の上で抽出溶媒を流動させるステップをさらに含むことができ、それによって、抽出溶媒は、結合された被分析物の少なくとも一部に接触し、抽出された被分析物またはその少なくとも一部を質量分析システムのイオン源に搬送できる。
特に、いくつかの実施形態において、方法は、被分析物が結合した細長い試料採取要素の少なくとも一部を質量分析システムの基質試料採取インターフェースの中に挿入するステップを含むことができ、それによって、抽出溶媒は、抽出溶媒が抽出し、抽出された被分析物を質量分析システムのイオン源に搬送し得るように、被分析物の少なくとも一部に接触することができる。いくつかの実施形態において、方法は、抽出された被分析物に質量分光分析を実施するステップをさらに含むことができる。
図8は、細長い試料採取要素から被分析物を抽出し、質量分光分析を実施するために抽出された被分析物を搬送するためのそのような装置および/またはシステムを示す。
図8を参照すると、図1のシステムで使用するために好適である細長い試料採取要素820から少なくとも1つの被分析物を抽出するための例示的基質試料採取インターフェース810(例えば、開放ポートプローブ)が、図式的に描写される。細長い試料採取要素820は、第1の端部812および遠位表面を有する第2の端部814を伴って示される。基質試料採取インターフェース810は、外側管870(例えば、外側毛細管)を含む。いくつかの実施形態において、外側管870は、近位端870pから遠位端870dまで延びている。いくつかの実施形態において、内側管840(例えば、内側毛細管)は、外側毛細管内で同軸上に配置される。示されるように、内側毛細管840も、近位端840pから遠位端840dまで延びている。内側毛細管840は、それを通して流体チャネルを提供する軸方向ボアを備え、遠位端850dを有する試料採取導管850を画定し、遠位端850dを通して、液体が基質試料採取プローブ860からイオン源(図1の140(すなわち、試料採取導管850は、図1のエレクトスプレー電極144の内側ボアに流体的に結合される))まで伝送され得る。
外側毛細管870の内側表面と内側毛細管840の外側表面との間の環状空間は、(例えば、導管865を介して)抽出溶媒源860に結合される入口端から出口端(内側毛細管840の遠位端840dに隣接する)まで延びている遠位端890dを有する抽出溶媒導管890を画定することができる。本教示のいくつかの例示的側面において、内側毛細管840の近位端840pは、内側毛細管840の近位端840pと外側毛細管870の近位端870pとの間に延び、それらによって画定される基質試料採取インターフェース810の近位流体チャンバ835を画定するように、(例えば、距離hだけ)外側毛細管870の近位端870pに対して陥凹状であり得る。したがって、近位流体チャンバ835は、基質試料採取インターフェース810の開放近位端と内側毛細管840の近位端840pとの間に流体を含むように適合される空間を表す。さらに、図8の曲線矢印によって示されるように、抽出溶媒導管890は、この近位流体チャンバ835を介して、試料採取毛細管850と流体連通する。このように、それぞれのチャネルの流体流量に応じて、抽出溶媒導管890を通して近位流体チャンバ835に送達される流体は、その出口端に、続いて、イオン源への伝送のために、試料採取導管850の入口端に進入することができる。内側毛細管840が、試料採取導管850を画定するものとして上で説明され、図8に示され、内側毛細管840と外側毛細管870との間の環状空間が、抽出溶媒導管890を画定するが、内側毛細管840によって画定される導管が、代わりに、(抽出溶媒導管を画定するように)抽出溶媒源860に結合され得、内側および外側毛細管840、870の間に画定される環状空間が、試料採取導管を画定するように、イオン源に結合され得ることを理解されたい。
いくつかの実施形態において、図8に図示される装置を使用する方法は、全て非限定的例として、(例えば、液体サンプルを圧送するために使用され得る、往復ポンプ、回転、歯車、プランジャ、ピストン、蠕動、ダイヤフラムポンプ等の容積型ポンプ、および重力、インパルス、ならびに遠心ポンプ等の他のポンプを含む1つ以上のポンプ機構を介して)それを通して抽出溶媒が選択された体積率において送達され得る供給導管865を介して、抽出溶媒源860に流体的に結合するステップを含む。細長い試料採取要素から被分析物を抽出するために効果的であり、イオン化プロセスに適している任意の抽出溶媒が、本教示で使用するために好適である。同様に、1つ以上のポンプ機構が、試料採取導管850および/またはエレクトスプレー電極(図示せず)を通した体積流量、互いに同一である、または異なるように選択されるこれらの体積流量、および抽出溶媒導管890を通した抽出溶媒の体積流量を制御するために提供され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態において、基質試料採取インターフェース810および/またはエレクトスプレー電極144(図1に示されるような)の種々のチャネルを通したこれらの異なる体積流量を制御することは、例えば、システムの全体を通して流体の移動を制御するように、流率を調節することによるものであり得る。
本教示の種々の側面によると、ステップは、細長い試料採取要素の外側表面上にコーティングされる被分析物の少なくとも一部が、抽出溶媒(例えば、近位流体チャンバ835内の抽出溶媒)によって抽出および/または吸着されるように、基質試料採取インターフェース810の開放端を通して被分析物結合コーティングされた細長い試料採取要素825を挿入することを含むことができる。すなわち、試料採取要素825のコーティングされた表面が、近位流体チャンバ835の中に挿入されると、抽出溶媒を流動させるステップは、任意の抽出された被分析物が、試料採取導管850の入口の中に抽出溶媒と一緒に流入するように、コーティングされた表面上に吸着される少なくとも1つの被分析物の少なくとも一部を脱着するために効果的であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される方法はさらに、抽出された被分析物に質量分光分析を実施するステップを含む。いくつかの実施形態において、本教示による試料採取方法は、0.1pg/mLほども低い濃度において、血清/血漿から、生物学的物質、例えば、テストステロンを検出するために十分な感度を示し得る。
いくつかの実施形態において、抗原結合表面は、被分析物に優先的および/または特異的に結合する、例えば、抗体またはその断片に優先的および/または特異的に結合するように構成されることができる。いくつかの実施形態において、被分析物は、体液に由来する。
以下の例は、本開示のいくつかの実施形態および側面を例証する。種々の修正、追加、代用等が、本開示の精神および範囲を改変することなく、実施され得、そのような修正および変形例は、以下に続く請求項で定義されるような本開示の範囲内に包含されることが、当業者に明白であろう。本開示は、これらの例を参照することによって、より完全に理解されるであろう。以下の例は、いかようにも本開示または請求される開示を限定せず、それらは、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
(実施例1)
本例は、本教示による方法を開示する。特に、本例は、細長い試料採取要素の外側表面を官能化する方法を開示する。
抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の外側表面を官能化するための一般的ワークフローが、図9に示される。
方法ステップは、細長い試料採取要素を提供することを含む。本明細書で提供されるような細長い試料採取要素は、例えば、ガラスから形成および/または製作されることができる。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、第1の端部から第2の端部まで延びている外側表面を有する。いくつかの実施形態において、細長い試料採取要素は、遠位表面において終端し、第2の端部は、質量分析システムの基質試料採取インターフェース内に挿入されるように構成される。
方法は、アミノシラン試薬を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用するステップをさらに含む。本実施形態において、アミノシラン試薬は、アミンを用いてガラス表面を活性化し得る(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)である。
細長い試料採取要素の外側表面上に存在するアミンは、グルタルアルデヒドと反応させられる。グルタルアルデヒドは、2つの反応性末端を有する。グルタルアルデヒドの第1の端部は、ガラス表面(すなわち、活性化されたガラス)上に存在するアミンと反応する。グルタルアルデヒドの第2の端部は、抗体のリシンのアミノ基と相互作用するように構成される。
方法は、少なくとも1つの抗体またはその断片をグルタルアルデヒドに不動化し、それによって、少なくとも1つの抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の外側表面を官能化するステップをさらに含む。
本例において、細長い試料採取要素は、ガラスであり得る。アミンを用いてガラス表面を活性化し得る、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)が、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用されることができる。
細長い試料採取要素の外側表面上に存在するアミンは、次いで、グルタルアルデヒドと反応させられることができる。グルタルアルデヒドの第1の端部は、活性化されたガラス上のアミンと反応することができる。グルタルアルデヒドの第2の端部は、抗体のリシンのアミノ基を反応させ、抗体をグルタルアルデヒドに不動化することができる。
方法はさらに、抗体を導入し、グルタルアルデヒドを不動化するステップを含む。
図10は、本開示の種々の側面におけるいくつかの実施形態による、ワークフローを図示する。ワークフローは、概して、例1の方法に従う。パネル(A)における図10は、裸の細長い試料採取要素を示す。パネル(B)における図10は、活性化ステップに続き、すなわち、本明細書に開示されるように、例えば、アミノシラン試薬を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用し、アミン基を用いてガラス表面を活性化することに続く細長い試料採取要素を示す。パネル(C)における図10は、グルタルアルデヒドと反応するステップに続く細長い試料採取要素を示す。パネル(D)における図10は、抗体またはその断片を細長い試料採取要素の活性化された表面に不動化するステップに続く細長い試料採取要素を示す。抗体またはその断片は、少なくとも1つの被分析物に優先的および/または選択的に結合する。パネル(E)における図10は、着目被分析物が、サンプルに存在する場合、細長い試料採取要素の外側表面上に不動化される抗体またはその断片に結合するであろうように、官能化された試料採取要素をサンプル、例えば、身体的サンプルにさらすステップに続く細長い試料採取要素を示す。
(実施例2)
本例は、本教示による、方法を開示する。特に、本例は、少なくとも1つの抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の外側表面を官能化する別の方法を開示する。
アミンを用いて細長い試料採取要素のガラス表面を活性化する方法のステップは、例1に開示されるように実施されることができる。
細長い試料採取要素の外側表面上に存在するアミンは、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはスルホ-NHSと反応することができる。NHSエーテルは、タンパク質上のアミンと反応し、NHS脱離基を放出しながら、安定したアミド結合を生じさせることができる。アミノシラン試薬を用いてガラス表面を活性化した後に、NHSまたはスルファ-NHSエーテルが、抗体不動化のために導入されることができる。
方法は、少なくとも1つの抗体またはその断片をN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはスルホ-NHSに不動化し、それによって、少なくとも1つの抗体またはその断片を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に対して官能化するステップをさらに含む。方法は、抗体を導入し、細長い試料採取要素に不動化するステップをさらに含む。
(実施例3)
本例は、本教示による方法を開示する。特に、本例は、少なくとも1つの抗体またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の外側表面を官能化する別の方法を開示する。
アミンを用いて細長い試料採取要素のガラス表面を活性化する方法のステップは、例1に開示されるように実施されることができる。
細長い試料採取要素の外側表面上に存在するアミンは、マレイミドと反応させられることができる。アミノシラン試薬を用いてガラス表面を活性化した後に、細長い試料採取要素はさらに、マレイミド活性化されることができ、これは、次いで、(トラウト試薬またはSATA試薬を用いた)システイン残基のスルフヒドリル基またはスルフヒドリル化抗体の架橋の準備ができている。
方法はさらに、少なくとも1つの抗体またはその断片をマレイミドに不動化し、それによって、少なくとも1つの抗体またはその断片を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に対して官能化するステップを含む。方法は、抗体を導入し、細長い試料採取要素の表面に不動化するステップをさらに含む。
図11は、例3の方法の一般的ワークフローを図示する。パネル(A)における図11は、裸の細長い試料採取要素を示す。パネル(B)における図11は、活性化ステップに続く、すなわち、本明細書に開示されるように、例えば、アミノシラン試薬を細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用し、アミン基を用いてガラス表面を活性化するステップに続く細長い試料採取要素を示す。パネル(C)における図11は、マレイミドと反応し、抗体を活性化された表面に不動化するステップに続く細長い試料採取要素を示す。パネル(D)における図11は、外側表面に不動化された抗体またはその断片を用いて官能化される細長い試料採取要素を被分析物を有する身体的サンプルと混合するステップに続く細長い試料採取要素を示す。
本開示は、上で説明および例示される実施形態に限定されないが、添付の請求項の範囲内の変形例および修正が可能である。本明細書で使用される節の見出しは、編成目的のためにすぎず、限定的として解釈されるものではない。出願者の教示は、種々の実施形態と併せて説明されるが、出願者の教示がそのような実施形態に限定されることは意図されない。対照的に、出願者の教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替物、修正、および均等物を包含する。
特許、公開出願、技術論文、および学術論文を含む、種々の出版物が、本明細書の全体を通して引用される。これらの引用された出版物の各々は、その全体としてあらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる。
他の実施形態および均等物
本開示は、本開示のある特定の実施形態および例について明示的に議論したが、当業者は、本開示がそのような実施形態または例に限定されることを意図していないことを理解するであろう。対照的に、本開示は、当業者によって理解されるであろうように、そのような特定の実施形態および/または例の種々の代替物、修正、および均等物を包含する。
故に、例えば、方法およびその略図は、明示的に記述されない、または文脈から明確に要求されない(例えば、別様に動作不可能ではない)限り、ステップまたは要素の特定の説明される順序または配列に限定されるものとして読まれるべきではない。さらに、異なる実施形態において例示され得る、特定の要素の異なる特徴が、いくつかの実施形態において、互いに組み合わせられ得る。

Claims (20)

  1. 質量分析システムにおける試料採取の方法であって、前記方法は、
    細長い試料採取要素の一部をサンプルにさらすステップであって、前記細長い試料採取要素は、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする少なくとも1つのポリペプチドを用いて官能化された外側表面を含み、それによって、前記少なくとも1つの被分析物の少なくとも一部は、サンプルに存在するとき、前記細長い試料採取要素の官能化された外側表面に結合する、ステップと、
    前記細長い試料採取要素のサンプルにさらされる部分を前記試料採取インターフェースの中に挿入するステップと
    を含み、
    前記サンプルにさらされる部分は、前記質量分析システムの試料採取インターフェースを通して流動する抽出溶媒に接触し、前記被分析物の少なくとも一部を前記質量分析システムのイオン源に送達するように位置付けられる、方法。
  2. 前記ポリペプチドは、タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記タンパク質は、抗体である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記細長い試料採取要素は、シリカ、ケイ酸石灰、ケイ酸ホウ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミナ、ケイ酸カリウム、ケイ酸鉛、ケイ酸亜鉛、ケイ酸バリウム、ケイ酸ゲルマニウム、ケイ酸スズ、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ガリウム、ケイ酸インジウム、ケイ酸リン、ケイ酸ヒ素、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ビスマス、ケイ酸リチウム、ケイ酸ゲルマニウム、ケイ酸窒素、ケイ酸金、ケイ酸銀、ケイ酸白金、ケイ酸カドミウム、またはそれらの任意の組み合わせから形成されるか、またはそれを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抽出された被分析物に質量分光分析を実施するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記さらすステップは、前記細長い試料採取要素を体液サンプルと混合するステップを含み、それによって、前記少なくとも1つの被分析物は、前記体液サンプルに存在する場合、前記細長い試料採取要素の前記官能化された外側表面上の前記少なくとも1つのポリペプチドと相互作用する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記さらすステップに先立って、アミノシラン試薬を前記細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部に適用し、それによって、前記細長い試料採取要素の少なくとも一部を官能化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記アミノシラン試薬は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記官能化するステップは、前記細長い試料採取要素の前記外側表面アミンをグルタルアルデヒドと反応させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記官能化するステップは、前記少なくとも1つの抗体またはその断片を前記グルタルアルデヒドに不動化し、それによって、前記少なくとも1つの抗体またはその断片を前記細長い試料採取要素の前記外側表面の前記少なくとも一部に対して官能化するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記官能化するステップは、前記細長い試料採取要素の前記外側表面アミンをN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはスルホ-NHSと反応させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  12. 前記官能化するステップは、前記少なくとも1つの抗体またはその断片を前記N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)またはスルホ-NHSに不動化し、それによって、前記少なくとも1つの抗体またはその断片を前記細長い試料採取要素の前記外側表面の前記少なくとも一部に結合するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記官能化するステップは、前記細長い試料採取要素の前記外側表面アミンをマレイミドと反応させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  14. 前記官能化するステップは、前記少なくとも1つの抗体またはその断片を前記マレイミドに不動化し、それによって、前記少なくとも1つの抗体またはその断片を前記細長い試料採取要素の前記外側表面の前記少なくとも一部に官能化するステップをさらに含む、請求13に記載の方法。
  15. 質量分析システムのためのサンプル基質であって、前記サンプル基質は、
    第1の端部から遠位表面において終端する第2の端部まで延びている外側表面を有する細長い試料採取要素であって、前記第2の端部は、試料採取インターフェース内に挿入されるように構成され、前記細長い試料採取要素の第2の端部は、前記細長い試料採取要素の前記第2の端部の前記外側表面の少なくとも一部から突起している1つ以上の突出部または突出部のパターンを含む、細長い試料採取要素と、
    前記細長い試料採取要素の前記第2の端部の前記外側表面上に不動化された少なくとも1つのポリペプチドを含む官能化されたコーティングと
    を含み、
    前記少なくとも1つのポリペプチドは、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする、サンプル基質。
  16. 前記遠位表面の断面形状は、正方形、菱形、5つの頂点を有する星形、6つの頂点を有する星形、7つの頂点を有する星形、8つの頂点を有する星形、9つの頂点を有する星形、10個の頂点を有する星形、および、曲げられまたは角度を付けられた任意の数の頂点を有する星形から成る群から選択される、請求項15に記載のサンプル基質。
  17. 前記細長い試料採取要素は、シリカ、ケイ酸石灰、ケイ酸ホウ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミナ、ケイ酸カリウム、ケイ酸鉛、ケイ酸亜鉛、ケイ酸バリウム、ケイ酸ゲルマニウム、ケイ酸スズ、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ガリウム、ケイ酸インジウム、ケイ酸リン、ケイ酸ヒ素、ケイ酸アンチモン、ケイ酸ビスマス、ケイ酸リチウム、ケイ酸ゲルマニウム、ケイ酸窒素、ケイ酸金、ケイ酸銀、ケイ酸白金、ケイ酸カドミウム、またはそれらの任意の組み合わせから形成されるか、またはそれを含む、請求項15に記載のサンプル基質。
  18. 質量分析システムにおける試料採取の方法であって、前記方法は、
    少なくとも1つのポリペプチドを用いて、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化するステップであって、前記少なくとも1つのポリペプチドは、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とする、ステップと、
    前記ポリペプチド官能化細長い試料採取要素の少なくとも一部を体液サンプルにさらすステップであって、それによって、前記被分析物は、前記サンプルに存在する場合、前記少なくとも1つのポリペプチドに結合する、ステップと、
    前記細長い試料採取要素の少なくとも一部を前記質量分析システムの試料採取インターフェースの中に挿入するステップと
    を含み、
    前記インターフェースを通して流動する抽出溶媒は、前記ポリペプチド結合被分析物の少なくとも一部を抽出し、前記抽出された被分析物を前記質量分析システムのイオン源に導入する、方法。
  19. 前記抽出された被分析物に質量分光分析を実施するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 質量分析システムにおける試料採取の方法であって、前記方法は、少なくとも1つの抗原またはその断片を用いて、細長い試料採取要素の外側表面の少なくとも一部を官能化するステップを含み、
    前記少なくとも1つの抗原またはその断片は、少なくとも1つの被分析物に優先的に結合することを特徴とし、
    前記細長い試料採取要素は、第1の端部から遠位表面において終端する第2の端部まで延びている外側表面を含み、前記第2の端部は、前記質量分析システムの試料採取インターフェース内に挿入されるように構成されている、方法。
JP2021521102A 2018-10-18 2019-10-17 質量分析システムとの使用のための試料採取要素の官能化 Pending JP2022505162A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862747480P 2018-10-18 2018-10-18
US62/747,480 2018-10-18
PCT/IB2019/058876 WO2020079647A1 (en) 2018-10-18 2019-10-17 Functionalizing a sampling element for use with a mass spectrometry system

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022505162A true JP2022505162A (ja) 2022-01-14

Family

ID=68296604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021521102A Pending JP2022505162A (ja) 2018-10-18 2019-10-17 質量分析システムとの使用のための試料採取要素の官能化

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP3867943A1 (ja)
JP (1) JP2022505162A (ja)
CN (1) CN112868086A (ja)
WO (1) WO2020079647A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115667936A (zh) * 2020-05-22 2023-01-31 Dh科技发展私人贸易有限公司 通过质谱法进行固相亲和选择
CN116615649A (zh) * 2020-12-22 2023-08-18 豪夫迈·罗氏有限公司 自动化临床诊断系统和方法
EP4298436A1 (en) * 2021-02-25 2024-01-03 DH Technologies Development PTE. Ltd. Systems and methods for sampling

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61181965A (ja) * 1984-11-27 1986-08-14 オ−ジエニクス リミテツド 検定装置
JP2003536073A (ja) * 2000-06-05 2003-12-02 カイロン コーポレイション プロテオミクス分析を実施するためのマイクロアレイ
WO2004019026A1 (ja) * 2002-08-26 2004-03-04 Yoshihide Hayashizaki レーザーアブレーションを用いたタンパク質の分析方法
JP2005509173A (ja) * 2001-11-14 2005-04-07 サイファージェン バイオシステムズ, インコーポレイテッド 表面増強レーザー脱離イオン化マススペクトロメトリーを使用するポリペプチド生産及び精製の監視方法
JP2005233941A (ja) * 2004-01-23 2005-09-02 Ngk Insulators Ltd 固相抽出用担体
US20150318160A1 (en) * 2002-03-11 2015-11-05 Janusz B. Pawliszyn Probe for extraction of molecules of interest from a sample
US20170316926A1 (en) * 2016-04-29 2017-11-02 DH Technologies Development Pte Ltd. Sampling Interface for Mass Spectrometry Systems and Methods
WO2018069872A1 (en) * 2016-10-14 2018-04-19 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Methods and systems for increasing sensitivity of direct sampling interfaces for mass spectrometric analysis

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4816567A (en) 1983-04-08 1989-03-28 Genentech, Inc. Recombinant immunoglobin preparations
US6207370B1 (en) * 1997-09-02 2001-03-27 Sequenom, Inc. Diagnostics based on mass spectrometric detection of translated target polypeptides
CN1204592C (zh) * 1999-04-27 2005-06-01 赛弗根生物系统股份有限公司 气相离子谱仪的探头
US20090026122A1 (en) * 2002-03-11 2009-01-29 Janusz Biocompatible solid-phase microextraction coatings and methods for their preparation
CA2988172C (en) * 2014-06-13 2018-10-02 Jp Scientific Limited A probe for extraction of molecules of interest from a sample

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61181965A (ja) * 1984-11-27 1986-08-14 オ−ジエニクス リミテツド 検定装置
JP2003536073A (ja) * 2000-06-05 2003-12-02 カイロン コーポレイション プロテオミクス分析を実施するためのマイクロアレイ
JP2005509173A (ja) * 2001-11-14 2005-04-07 サイファージェン バイオシステムズ, インコーポレイテッド 表面増強レーザー脱離イオン化マススペクトロメトリーを使用するポリペプチド生産及び精製の監視方法
US20150318160A1 (en) * 2002-03-11 2015-11-05 Janusz B. Pawliszyn Probe for extraction of molecules of interest from a sample
WO2004019026A1 (ja) * 2002-08-26 2004-03-04 Yoshihide Hayashizaki レーザーアブレーションを用いたタンパク質の分析方法
JP2005233941A (ja) * 2004-01-23 2005-09-02 Ngk Insulators Ltd 固相抽出用担体
US20170316926A1 (en) * 2016-04-29 2017-11-02 DH Technologies Development Pte Ltd. Sampling Interface for Mass Spectrometry Systems and Methods
WO2018069872A1 (en) * 2016-10-14 2018-04-19 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Methods and systems for increasing sensitivity of direct sampling interfaces for mass spectrometric analysis

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SONAWANE, MUKESH DIGAMBAR: "Surface Modification Chemistries of Materials Used in Diagnostic Platforms with Biomolecules", JOURNAL OF CHEMISTRY, vol. 2016, JPN7023003389, 2016, pages 9241378 - 1, ISSN: 0005144826 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP3867943A1 (en) 2021-08-25
WO2020079647A1 (en) 2020-04-23
CN112868086A (zh) 2021-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10234415B2 (en) Site specific chemically modified nanopore devices
JP2022505162A (ja) 質量分析システムとの使用のための試料採取要素の官能化
CN107709980B (zh) 单克隆抗体的定量方法
DK3023777T3 (en) Method for Preparation of Peptide Fragments, Kits for Preparation of Peptide Fragments for Use Therein, and Method of Analysis
CN112513640B (zh) 糖基化肽的检测和定量
KR20170093820A (ko) 비타민 d 의 측정을 위한 방법
CN110167967A (zh) 针对抗pd-l1抗体的独特型抗体及其用途
US11932684B2 (en) Online chromatography and electrospray ionization mass spectrometer
JP2022518254A (ja) 合剤中の二量体の定量化及び同定
Su et al. Modified SBA-15 matrices for high-throughput screening of melamine in milk samples by MALDI-TOF MS
CN115210564A (zh) 用于天然液相色谱-质谱的平台
JP2022519246A (ja) 抗体電荷不均一性についてのネイティブマイクロ流体ce-ms解析法
CN115078569B (zh) 一种生物传感集成uplc-ms技术的止咳关键质量属性辨识方法
KR20160144416A (ko) 파클리탁셀의 약물동태-유도된 투여를 위해 혈장 중의 파클리탁셀 농도를 모니터링하는 방법, 장치 및 시약
US20180051053A1 (en) Method for obtaining peptide fragment from antibody by protease decomposition reaction with restricted reaction field
TW202314247A (zh) 量化抗cd40抗體之方法
JP6893359B2 (ja) タンパク質又は病原体の新規検出方法
TW201805234A (zh) 以抗體-功能化碳奈米管為基礎之場效電晶體及其於紫杉醇免疫測定之用途
Fowler et al. A ToF-SSIMS study of plasma polymer-based patterned metal affinity surfaces
JP2023542858A (ja) 水素交換質量分析を使用した、結合部位の同定のための方法
Caprioli et al. SIMULTANEOUS QUANTIFICATION OF SIXTEEN POLYPHENOLS IN 31 LEGUMES BY USING HPLC-MS/MS DYNAMIC-MRM TRIPLE QUADRUPOLE
Amundsen Use of non-specific and specific interactions in the analysis of testosterone and related compounds by capillary electromigration techniques
WO2024047185A1 (en) Mass spectroscopy assay for detecting o-beta-linked n-acetylglucosaminylated tau peptides
CA3154609A1 (en) Lc-ms methods for antibody isotyping and quantification
Stumbaum Development and bioanalytical application of affinity-mass spectrometry for identification and structural characterisation of protein-ligand interactions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230905

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231204

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240501