JP2022504541A - 低分子mdm2タンパク質デグレーダー - Google Patents
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Abstract
Description
関連出願の相互参照
本願は、2018年10月8日出願の米国仮特許出願第62/742,627号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
本願は、2018年10月8日出願の米国仮特許出願第62/742,627号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
政府利益の記載
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)により付与されたCA219345に基づいて政府の支援を受けてなされたものである。政府は、本発明に関する一定の権利を有する。
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)により付与されたCA219345に基づいて政府の支援を受けてなされたものである。政府は、本発明に関する一定の権利を有する。
本開示は、MDM2タンパク質デグレーダーと、MDM2の分解が利益を提供する病態及び疾患を治療する治療方法と、を提供する。
p53腫瘍サプレッサーは、成長停止、老化、及びアポトーシスの主なメディエーターであり、広範にわたる細胞損傷に反応する。各種ストレスタイプによる高p53タンパク質レベルの迅速誘導は、潜在的に突然変異原性の損傷DNAを担持する細胞の不適切な増殖を防止する。p53は、核内及びミトコンドリアでデュアル転写依存及び非依存機能を介して細胞を死滅させることが可能である。細胞p53タンパク質レベルは、その機能の単一の最も重要な決定因子であることが実証されている。正常無ストレス細胞では、p53は、5~30分の範囲内の半減期を有する非常に不安定なタンパク質であり、MDM2により主に媒介される持続分解に起因して非常に低い細胞レベルで存在する。逆に言えば、DNA損傷、低酸素、テロメア短縮、オンコジーン活性化などの多くの細胞ストレス経路のホールマークは、分解のブロックを介するp53の迅速安定化である。MDM2は、p53腫瘍サプレッサー機能を制限することによりp53の主な細胞アンタゴニストとして現れた。Moll and Petrenko,Molecular Cancer Research 1:1001-1008(2003)。
MDM2は、p53により転写活性化され、且つMDM2は、続いて少なくとも3つの機序によりp53活性を阻害する。Wu et al.,Genes Dev.7:1126(1993)。第1に、MDM2タンパク質は、p53トランス活性化ドメインに直接結合し、それによりp53媒介トランス活性化を阻害する。第2に、MDM2タンパク質は、核移出シグナル配列を含有し、p53への結合によりp53の核移出を誘発して標的DNAへのp53の結合を防止する。第3に、MDM2タンパク質は、E3ユビキチンリガーゼであり、p53への結合によりp53の分解を促進することが可能である。
p53-MDM2相互作用を標的とする低分子阻害剤は、癌及び他の疾患を治療する治療能を有する。Chene,Nat.Rev.Cancer 3:102(2003)及びVassilev et al.,Science 303:844(2004)。p53-MDM2相互作用のアンタゴニストは、米国特許第7,759,383号明細書、同第7,737,174号明細書、同第8,518,984号明細書、同第8,680,132号明細書、同第8,629,141号明細書、同第6,617,346号明細書、同第6,734,302号明細書、同第7,132,421号明細書、同第7,425,638号明細書、同第7,579,368号明細書、同第7,060,713号明細書、同第7,553,833号明細書、同第6,916,833号明細書、同第7,495,007号明細書、同第7,638,548号明細書、同第7,576,082号明細書、同第7,625,895号明細書、及び同第7,083,983号明細書、並びに米国特許出願公開第2005/0288287号明細書、同第2009/0143364号明細書、同第2009/0312310号明細書、同第2006/0211718号明細書、同第2010/0048593号明細書、同第2005/0227932号明細書、同第2008/0261917号明細書、同第2009/0227542号明細書、同第2008/0171723号明細書、同第2006/0211757号明細書、同第2005/0137137号明細書、同第2002/0132977号明細書、及び同第2009/0030181号明細書に記載さている。
フタルイミド系薬剤たとえばサリドマイド又はレナリドマイドは、タンパク質分解機構たとえばセレブロン(CRBN、ユビキチンE3リガーゼ複合体の一部)に結合する。これは疾患進行に不可欠な2つの転写因子(IKZF1及びIKZF3)のリクルートメントを促進し、薬剤誘発ユビキチン化及びプロテアソームによる分解をもたらしうる。たとえば、Ito et al.,Science 327:1345-1350(2010)及びWinter et al.,Science 348:1376-1381(2015)を参照されたい。
高親和性VHLリガンド(Bondeson et al.,Nat.Chem.Biol.11:611-617(2015)を参照されたい)は、標的タンパク質をE3ユビキチンリガーゼにリクルートし、薬剤誘発ユビキチン化及び分解をもたらしうる。たとえば、van Hagen et al.,Nucleic Acids Research 38:1922-1931(2010)、Buckley et al.,J.Am.Chem.Soc.134:4465-4468(2012)、Buckley et al.,Angew,Chem.Int.Ed.Engl.51:11463-11467(2012)、Lipkowitz and Weissman,Nat Rev Cancer 11:629-643(2011)、及びZengerle et al.,ACS Chem.Biol.10:1770-1777(2015)を参照されたい。
MDM2-p53相互作用の撹乱又は防止が奏功して癌及び他の疾患を治療する新たな作用剤たとえば低分子の継続的必要性が存在する。
一態様では、本開示は、以下の式I又は式IIにより表されるヘテロ二官能性化合物並びにその薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物(総称して「本開示の化合物」という)を提供する。本開示の化合物はMDM2タンパク質デグレーダーであり、そのため、MDM2の阻害及び/又は分解が利益を提供する疾患又は病態を治療するのに有用である。
他の一態様では、本開示は、治療有効量の本開示の化合物をそれを必要とする被験者たとえばヒトに投与することにより病態又は疾患を治療する方法を提供する。対象の疾患又は病態、たとえば、癌、慢性自己免疫障害、炎症性病態、増殖性障害、敗血症、又はウイルス感染は、MDM2タンパク質の分解により治療可能である。また、被験者において癌などの望ましくない増殖細胞の増殖を予防する方法であって、望ましくない増殖細胞により特徴付けられる病態を発症するリスクのある被験者に治療有効量の本開示の化合物を投与することを含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、そうした細胞でアポトーシスを誘発することにより望ましくない細胞の増殖を低減する。
他の一態様では、本開示は、被験者においてMDM2タンパク質を分解する方法であって、有効量の少なくとも1種の本開示の化合物を被験者に投与することを含む方法を提供する。
他の一実施形態では、本開示は、被験者たとえば必要とするヒト患者の細胞内のMDM2タンパク質を低減する方法であって、本開示の化合物を被験者に投与することを含む方法を提供する。
他の一態様では、本開示は、本開示の化合物と賦形剤及び/又は薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。
他の一態様では、本開示は、MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患又は病態たとえば癌の治療に使用するための、本開示の化合物と賦形剤及び/又は薬学的に許容可能な担体とを含む組成物を提供する。
他の一態様では、本開示は、(a)本開示の化合物と、(b)第2の治療活性剤と、(c)任意選択的に賦形剤及び/又は薬学的に許容可能な担体と、を含む組成物を提供する。
他の一態様では、本開示は、対象の疾患又は病態、たとえば癌の治療に使用するための本開示の化合物を提供する。
他の一態様では、本開示は、対象の疾患又は病態、たとえば癌を治療する医薬の製造のための本開示の化合物の使用を提供する。
他の一態様では、本開示は、本開示の化合物と、任意選択的に、対象の疾患又は病態の治療に有用な第2の治療剤を含むパッケージ組成物と、疾患又は病態たとえば癌の治療での用法を含有する添付文書と、を含むキットを提供する。
他の一態様では、本開示は、血液癌を有する被験者を治療する方法であって、
(a)被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が生物学的サンプルに存在する場合に本開示の化合物の治療有効量の化合物を被験者に投与することと、
を含む方法を提供する。
(a)被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が生物学的サンプルに存在する場合に本開示の化合物の治療有効量の化合物を被験者に投与することと、
を含む方法を提供する。
本開示の更なる実施形態及び利点は、部分的には下記の説明に明記され、その説明から汲み取られるであろうし、又は本開示を実施すれば分かりうる。本開示の実施形態及び利点は、添付の特許請求の範囲でとくに指定された要素及び組合せを利用すれば認識及び達成されるであろう。
上記の概要及び下記の詳細な説明は両方とも、模範的且つ解説的なものにすぎず、特許請求された本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
I. 本開示の化合物
本開示の化合物は、MDM2分解を促進するヘテロ二官能性化合物である。一実施形態では、本開示の化合物は、式I:
(式中、
R1a及びR1bは、独立して、水素、フルオロ、及びクロロからなる群から選択され、
R2a及びR2bは、独立して、水素、フルオロ、及びクロロからなる群から選択され、
R3aは、-CH2C(CH3)3であり、
R3bは、水素であり、或いは
R3a及びR3bは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、無置換であるか又は1個若しくは2個のメチル基で置換されているシクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を形成し、
R4は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Xは、
(ここで、右方向に突出する結合は、-C(=O)-Y-L-Z-Aに付着し、
各R5は、独立して、水素及びメチルからなる群から選択され、
R6は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシからなる群から選択される)
からなる群から選択され、
Yは、
(ここで、右方向に突出する結合は、-L-Z-Aに付着し、
R7は、水素、ヒドロキシ、及びメチルからなる群から選択される)
からなる群から選択され、
Lは、-(CH2)m-及び-(CH2CH2O)n-からなる群から選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、
nは、2、3、4、5、又は6であり、
Zは、-C≡C-、-NH-、-O-、及び
からなる群から選択され、又は
Zは、不在であり、
Aは、
からなる群から選択される)
により表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
本開示の化合物は、MDM2分解を促進するヘテロ二官能性化合物である。一実施形態では、本開示の化合物は、式I:
R1a及びR1bは、独立して、水素、フルオロ、及びクロロからなる群から選択され、
R2a及びR2bは、独立して、水素、フルオロ、及びクロロからなる群から選択され、
R3aは、-CH2C(CH3)3であり、
R3bは、水素であり、或いは
R3a及びR3bは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、無置換であるか又は1個若しくは2個のメチル基で置換されているシクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を形成し、
R4は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Xは、
各R5は、独立して、水素及びメチルからなる群から選択され、
R6は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシからなる群から選択される)
からなる群から選択され、
Yは、
R7は、水素、ヒドロキシ、及びメチルからなる群から選択される)
からなる群から選択され、
Lは、-(CH2)m-及び-(CH2CH2O)n-からなる群から選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、
nは、2、3、4、5、又は6であり、
Zは、-C≡C-、-NH-、-O-、及び
Zは、不在であり、
Aは、
により表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3aが-CH2C(CH3)3であり且つR3bが水素である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって無置換のシクロヘキシル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって無置換のシクロヘキシル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって無置換のシクロブチル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって3,3-ジメチルシクロブチル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって無置換のシクロペンチル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって1個若しくは2個のメチル基で置換されているシクロヘキシル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R3a及びR3bが、それらが結合されている炭素原子と一緒になって4,4-ジメチルシクロヘキシル基を形成する、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Yが-N(H)-である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、YがY-2である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。他の一実施形態では、R7は水素である。他の一実施形態では、R7はメチルである。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、YがY-3である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Lが-(CH2)m-である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。他の一実施形態では、mは、0、1、2、又は3である。他の一実施形態では、mは0である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Lが-(CH2CH2O)n-である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Zが-C≡C-である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Zが-NH-である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Zが-O-である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、Zが不在である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、AがA-1である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、AがA-2である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、AがA-3である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、AがA-4である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、AがA-5である、式Iにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R2aがフルオロ及びクロロからなる群から選択される、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R2bがフルオロ及びクロロからなる群から選択される、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R4が水素である、式I又はIIにより表される化合物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R4がメチルである、式I又はIIにより表される化合物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-1である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-2である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-3である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-4である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-5である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-6である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-7である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-8である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-9である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-10である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、XがX-11である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R5が水素である、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、R5がメチルである、式I若しくはIIにより表される化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、表1の化合物のいずれか1つ以上並びにそれらの薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物である。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、表1Aのいずれかの一方又は両方の化合物並びにそれらの薬学的に許容可能な塩及び溶媒和物である。
表1Bは、Chemdraw(登録商標)Professionalバージョン17.0.0.206により作成された表1及び1Aの化合物の化学名を提供する。それらの化学構造と化学名との間になんらかの曖昧さがある場合、本開示の化合物はそれらの化学構造により定義される。
他の一実施形態では、本開示は、本開示の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。
本開示の化合物はヘテロ二官能性分子である。一実施形態では、分子のスピロ-オキシインドール部分すなわち
は、エナンチオマー的に富化され、たとえば、ヘテロ二官能性化合物のこの部分のエナンチオマー過剰率又は「ee」は、キラルHPLCにより測定したときに約5%以上である。他の一実施形態では、eeは約10%である。他の一実施形態では、eeは約20%である。他の一実施形態では、eeは約30%である。他の一実施形態では、eeは約40%である。他の一実施形態では、eeは約50%である。他の一実施形態では、eeは約60%である。他の一実施形態では、eeは約70%である。他の一実施形態では、eeは約80%である。他の一実施形態では、eeは約85%である。他の一実施形態では、eeは約90%である。他の一実施形態では、eeは約91%である。他の一実施形態では、eeは約92%である。他の一実施形態では、eeは約93%である。他の一実施形態では、eeは約94%である。他の一実施形態では、eeは約95%である。他の一実施形態では、eeは約96%である。他の一実施形態では、eeは約97%である。他の一実施形態では、eeは約98%である。他の一実施形態では、eeは約99%である。
他の一実施形態では、分子のセレブロン結合部分すなわち-Aは、エナンチオマー的に富化される。他の一実施形態では、分子のセレブロン結合部分はラセミ形である。本開示は、本開示の化合物のすべての可能な立体異性形たとえばジアステレオマー形を包含する。たとえば、分子のスピロ-オキシインドール部分がエナンチオマー的に富化され且つ分子のセレブロン結合部分がラセミ形であるとき、本開示の化合物のすべての可能な立体異性体が包含される。
本開示は、本開示の化合物の塩の調製及び使用を包含する。本明細書で用いられる場合、医薬の「薬学的に許容可能な塩」とは、本開示の化合物の塩形又は双性イオン形を意味する。本開示の化合物の塩は、化合物の最後の単離時及び精製時に、又は化合物と好適な酸とを反応させることにより個別に、調製可能である。本開示の化合物の薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸と共に形成される酸付加塩でありうる。薬学的に許容可能な塩を形成するために利用可能な酸の例としては、硝酸、ホウ素、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、及びシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸などの有機酸が挙げられる。本開示の化合物の塩の非限定的例としては、限定されるものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロールリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、アスコビル酸塩、イセチオン酸塩、サリチル酸塩、メタンスルホン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩が挙げられる。そのほか、本開示の化合物中に存在する利用可能なアミノ基は、メチル、エチル、プロピル、及びブチルのクロライド、ブロマイド、及びヨーダイド、ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミルのスルフェート、デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステリルのクロライド、ブロマイド、及びヨーダイド、並びにベンジル及びフェネチルのブロマイドで四級化可能である。上記に照らして、本明細書に現れる本開示のいずれの参照化合物も、本開示の化合物の化合物さらにはそれらの薬学的に許容可能な塩、水和物、又は溶媒和物を含むことが意図される。
一実施形態では、本開示の化合物の塩は、下記の酸:HCl、H2SO4、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、L-アスパラギン酸、マレイン酸、H3PO4、L-グルタミン酸、マロン酸、L-酒石酸、フマル酸、クエン酸、ラクトビオン酸、グリコール酸、L-リンゴ酸、グルコン酸、DL-乳酸、コハク酸、又は酢酸のいずれかから調製される。
他の一実施形態では、本開示の化合物の塩は、下記の酸:臭化水素酸、ジクロロ酢酸、カンファースルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、又はシュウ酸のいずれかから調製される。他の一実施形態では、本開示の化合物の塩は、エタン-1,2-ジスルホン酸又はナフタレン-1,5-ジスルホン酸から調製される。
他の一実施形態では、本開示の化合物は、
(1)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのエタン-1,2-ジスルホン酸塩、
(2)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのエタン-1,2-ジスルホン酸塩、
(3)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルエチニル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩、及び
(4)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩
からなる群から選択される。
(1)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのエタン-1,2-ジスルホン酸塩、
(2)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのエタン-1,2-ジスルホン酸塩、
(3)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルエチニル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩、及び
(4)(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドのナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩
からなる群から選択される。
本開示は、本開示の化合物の溶媒和物の調製及び使用を包含する。溶媒和物は、典型的には化合物の生理学的活性や毒性を有意に変化させることはなく、そのまま薬理学的等価物として機能しうる。本明細書で用いられる「溶媒和物」という用語は、本開示の化合物と溶媒分子との組合せ、物理的会合、及び/又は溶媒和であり、たとえば、本開示の化合物と溶媒分子との比がそれぞれ約2:1、約1:1、約1:2である二溶媒和物、一溶媒和物、半溶媒和物などである。この物理的会合は、水素結合を含めてさまざまな程度のイオン結合及び共有結合を含む。ある特定の場合には、たとえば、1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれるとき、溶媒和物を単離可能である。そのため、「溶媒和物」は、溶液相と単離可能な溶媒和物との両方を包含する。本開示の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒と共に溶媒和形として存在可能であり、本開示は、本開示の化合物の溶媒和形及び非溶媒和形の両方を含むことが意図される。溶媒和物の一タイプは水和物である。「水和物」とは、溶媒分子が水である溶媒和物の特定サブグループを意味する。溶媒和物は、典型的には薬理学的等価物として機能可能である。溶媒和物の調製は、当技術分野で公知である。たとえば、フルコナゾールとエチルアセテートとの及び水との溶媒和物の調製が記載されているM.Caira et al,J.Pharmaceut.Sci.,93(3):601-611(2004)を参照されたい。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの類似の調製は、E.C.van Tonder et al.,AAPS Pharm.Sci.Tech.,5(1):Article 12(2004)及びA.L.Bingham et al.,Chem.Commun.603-604(2001)に記載されている。溶媒和物の典型的な非限定的調製プロセスは、本開示の化合物をたとえば20℃超の温度の所望の溶媒(有機溶媒、水、又はそれらの混合物)に溶解することと、次いで、結晶を形成するのに十分な速度で溶液を冷却することと、公知の方法たとえば濾過により結晶を単離することと、を含むであろう。溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確認するために、赤外分光法などの分析技術を使用可能である。
II. 本開示の治療方法
本開示の化合物は、MDM2タンパク質を分解し、さまざまな疾患及び病態の治療に有用である。特定的には、本開示の化合物は、MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患又は病態、たとえば、癌及び増殖性疾患の治療方法に有用である。本開示の治療方法は、治療有効量の本開示の化合物をそれを必要とする個体に投与することを含む。本方法はまた、本開示の化合物に加えて第2の治療剤を個体に投与することを包含する。第2の治療剤は、それを必要とする個体が罹患している疾患又は病態の治療に有用であることが知られている薬剤、たとえば、特定癌の治療に有用な化学療法剤及び/又は放射線から選択される。
本開示の化合物は、MDM2タンパク質を分解し、さまざまな疾患及び病態の治療に有用である。特定的には、本開示の化合物は、MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患又は病態、たとえば、癌及び増殖性疾患の治療方法に有用である。本開示の治療方法は、治療有効量の本開示の化合物をそれを必要とする個体に投与することを含む。本方法はまた、本開示の化合物に加えて第2の治療剤を個体に投与することを包含する。第2の治療剤は、それを必要とする個体が罹患している疾患又は病態の治療に有用であることが知られている薬剤、たとえば、特定癌の治療に有用な化学療法剤及び/又は放射線から選択される。
本開示は、MDM2タンパク質の分解が有益な効果を有するさまざまな疾患及び病態の治療のためのMDM2タンパク質デグレーダーとして本開示の化合物を提供する。本開示の化合物は、典型的には100μM未満、たとえば50μM未満、25μM未満、5μM未満、約1μM未満、約0.5μM未満、又は約0.1μM未満のMDM2結合親和性(IC50)を有する。一実施形態では、本開示は、MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患又は病態に罹患している個体を治療する方法であって、それを必要とする個体に治療有効量の本開示の化合物を投与することを含む方法に関する。
本開示の化合物はMDM2タンパク質のデグレーダーであるので、MDM2により媒介されるいくつかの疾患及び病態は、こうした化合物を利用することにより治療可能である。そのため、本開示は、一般的には、MDM2の分解に反応する病態又は障害をそうした病態又は障害に罹患しているか又は罹患するリスクのある動物たとえばヒトにおいて治療する方法であって、有効量の1種以上の本開示の化合物を動物に投与することを含む方法に関する。
本開示はさらに、必要とする動物においてMDM2タンパク質を分解する方法であって、有効量の少なくとも1種の本開示の化合物を動物に投与することを含む前記方法に関する。
本開示の方法は、ニート化合物として又は医薬組成物として本開示の化合物を投与することにより達成可能である。本開示の化合物の医薬組成物又はニート化合物の投与は、対象の疾患又は病態の発症時又は発症後に実施可能である。典型的には、医薬組成物は、無菌であり、且つ投与時に有害反応を引き起こすおそれのある毒性、発癌性、突然変異原性の化合物をまったく含有しない。さらに、本開示の化合物と、任意選択的に、MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患及び病態の治療に有用な第2の治療剤(個別に又は一緒にパッケージされる)と、これらの活性剤の使用説明を有する添付文書と、を含むキットが提供される。
一実施形態では、本開示の化合物は、MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患又は病態の治療に有用な第2の治療剤との併用で投与される。第2の治療剤は本開示の化合物とは異なる。本開示の化合物及び第2の治療剤は、所望の効果を達成するために同時に又は逐次には投与可能である。そのほか、本開示の化合物及び第2の治療剤は、単一の組成物又は2つの個別組成物から投与可能である。
第2の治療剤は、その所望の治療効果を提供する量で投与される。各第2の治療剤に対する有効投与量範囲は、当技術分野で公知であり、第2の治療剤は、かかる確立された範囲内でそれを必要とする個体に投与される。
本開示の化合物及び第2の治療剤は、シングルユニット用量として一緒に又はマルチユニット用量として個別に投与可能であり、後者の場合、本開示の化合物は、第2の治療剤の前に又はその逆の順に投与される。1用量以上の本開示の化合物及び/又は1用量以上の第2の治療剤を投与可能である。したがって、本開示の化合物は、1種以上の第2の治療剤たとえば限定されるものではないが抗癌剤との併用で使用可能である。
本開示の方法により治療可能な疾患及び病態としては、限定されるものではないが、癌及び他の増殖性障害、炎症性疾患、敗血症、自己免疫疾患、並びにウイルス感染が挙げられる。一実施形態では、ヒト患者は、本開示の化合物又は本開示の化合物を含む医薬組成物で治療され、化合物は、患者においてMDM2タンパク質を分解するのに十分な量で投与される。
他の一態様では、本開示は、被験者において癌を治療する方法であって、治療有効量の本開示の化合物を投与することを含む方法を提供する。特定の機序に限定されるものではないが、いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、MDM2タンパク質を分解することにより癌を治療する。治療可能な癌の例としては、限定されるものではないが、表2に列挙される癌が挙げられる。
他の一実施形態では、癌は固形腫瘍である。他の一実施形態では、癌は血液癌である。模範的血液癌としては、限定されるものではないが、表3に列挙される癌が挙げられる。他の一実施形態では、血液癌は、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病(B細胞性慢性リンパ球性白血病を含む)、又は急性ミエロイド白血病である。
本開示の方法では、治療有効量の本開示の化合物は、典型的には薬務に従って製剤化され、それを必要とするヒトに投与される。かかる治療が必要であるかは、個別症例に依存し、存在する徴候、症状、及び/又は機能不全、特定の徴候、症状、及び/又は機能不全の発症リスク、並びに他の因子を考慮する医学的評価(診断)に従う。
本開示の化合物は、いずれかの好適な経路により、たとえば、経口投与、頬投与、吸入投与、舌下投与、直腸投与、膣投与、腰椎穿刺による槽内若しくは髄腔内投与、経尿道投与、鼻投与、経皮投与すなわち経真皮投与、又は非経口投与(静脈内、筋肉内、皮下、冠内、真皮内、乳房内、腹腔内、関節内、髄腔内、眼球後部、肺内への注射、及び/又は特定部位での外科的植込みを含む)により投与可能である。非経口投与は、ニードル及びシリンジを用いて又は高圧技術を用いて達成可能である。
医薬組成物は、本開示の化合物がその意図された目的を達成するのに有効な量で投与されるものを含む。厳密な製剤、投与経路、及び投与量は、診断された病態又は疾患を考慮して個々の医師により決定される。投与量及びインターバルは、治療効果を維持するのに十分なレベルの本開示の化合物を提供するように個別に調整可能である。
本開示の化合物の毒性及び治療効能は、たとえば、動物において毒性をまったく引き起こさない最高用量として定義される化合物の最大耐容用量(MTD)を決定するために、細胞培養物又は実験動物において標準的薬学的手順により決定可能である。最大耐容用量と治療効果(たとえば腫瘍成長の阻害)との用量比は、治療指数である。投与量は、採用される製剤及び利用される投与経路に依存してこの範囲内で変動可能である。治療有効量の決定は、とりわけ本明細書に提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内にある。
療法に使用するのに必要とされる本開示の化合物の治療有効量は、治療される病態の性質、活性が望まれる時間の長さ、並びに患者の年齢及び病態によって異なり、最終的には担当医により決定される。投与量及びインターバルは、所望の治療効果を維持するのに十分な血漿中レベルのMDM2タンパク質デグレーダーを提供するように個別に調整可能である。所望の用量は、適宜、単回で又はたとえば1日当たり1、2、3、4、若しくはそれ以上のサブ用量で適切なインターバルで投与される複数回で投与可能である。多くの場合、複数回が望まれるか又は必要とされる。たとえば、本開示の化合物は、4日間のインターバルで1日1回として4回送達(q4d×4)、3日間のインターバルで1日1回として4回送達(q3d×4)、5日間のインターバルで1日1回送達(qd×5)、3週間にわたり週1回(qwk3)、1日5回、2日間休止、さらに1日5回(5/2/5)、又は状況に応じて適切と判断されるいずれかの用量レジメンの頻度で投与可能である。
本開示の方法に使用される本開示の化合物は、約0.005~約500ミリグラム/回、約0.05~約250ミリグラム/回、又は約0.5~約100ミリグラム/回の量で投与可能である。たとえば、本開示の化合物は、1回当たり約0.005、0.05、0.5、5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500ミリグラムの量(0.005~500ミリグラムのすべての用量を含む)で投与可能である。
本開示の化合物を含有する組成物又はそれを含有する組成物の投与量は、約1ng/kg~約200mg/kg、約1μg/kg~約100mg/kg、又は約1mg/kg~約50mg/kgでありうる。組成物の投与量は、限定されるものではないが、約1μg/kgを含めていずれかの投与量でありうる。組成物の投与量は、限定されるものではないが、約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約75μg/kg、約100μg/kg、約125μg/kg、約150μg/kg、約175μg/kg、約200μg/kg、約225μg/kg、約250μg/kg、約275μg/kg、約300μg/kg、約325μg/kg、約350μg/kg、約375μg/kg、約400μg/kg、約425μg/kg、約450μg/kg、約475μg/kg、約500μg/kg、約525μg/kg、約550μg/kg、約575μg/kg、約600μg/kg、約625μg/kg、約650μg/kg、約675μg/kg、約700μg/kg、約725μg/kg、約750μg/kg、約775μg/kg、約800μg/kg、約825μg/kg、約850μg/kg、約875μg/kg、約900μg/kg、約925μg/kg、約950μg/kg、約975μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kg、約100mg/kg、約125mg/kg、約150mg/kg、約175mg/kg、約200mg/kg、又はそれ以上を含めていずれかの投与量でありうる。以上の投与量は平均的な場合の模範的なものであるが、より高い又はより低い投与量でメリットのある個別事例が存在しうるとともに、かかるものは本開示の範囲内にある。実際には、医師は、個別患者に最も好適な実際の投与レジメンを決定し、これは特定患者の年齢、体重、及び反応により変動可能である。
本開示の化合物は、第2の治療活性剤との組合せで投与可能である。いくつかの実施形態では、第2の治療剤はエピジェネティック薬剤である。本明細書で用いられる場合、「エピジェネティック薬剤」という用語は、エピジェネティックレギュレーターを標的とする治療剤を意味する。エピジェネティックレギュレーターの例としては、ヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンアルギニンメチルトランスフェラーゼ、ヒストンデメチラーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、ヒストンアセチラーゼ、及びDNAメチルトランスフェラーゼが挙げられる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤としては、限定されるものではないがボリノスタットが挙げられる。
他の一実施形態では、化学療法剤又は他の抗増殖剤は、増殖性疾患及び癌を治療するために本開示の化合物と組合せ可能である。本開示の化合物との組合せで使用可能な療法及び抗癌剤の例としては、手術、放射線療法(たとえば、γ線、中性子ビーム放射線療法、電子ビーム放射線療法、陽子線療法、ブラキ療法、及び全身性放射性同位体)、内分泌療法、生物学的反応修飾剤(たとえば、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子(TNF)、温熱療法及び寒冷療法、いずれかの有害作用を減衰する作用剤(たとえば制吐剤)、並びにいずれかの他の承認された化学療法薬剤が挙げられる。
抗増殖性化合物の例としては、限定されるものではないが、アロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤、ゴナドレリンアゴニスト、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性剤、アルキル化剤、レチノイド、カロテノイド(carontenoid)、若しくはトコフェロール、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、MMP阻害剤、mTOR阻害剤、抗代謝物、白金化合物、メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤、ビスホスホネート、抗増殖抗体、ヘパラナーゼ阻害剤、Ras腫瘍原性アイソフォーム阻害剤、テロメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤、血液学的悪性腫瘍の治療に使用される化合物、Flt-3阻害剤、Hsp90阻害剤、キネシンスピンドルタンパク質阻害剤、MEK阻害剤、抗腫瘍抗生物質、ニトロソウレア、タンパク質若しくは脂質キナーゼ活性を標的とする/減少させる化合物、タンパク質若しくは脂質ホスファターゼ活性を標的とする/減少させる化合物、又はいずれかのさらなる抗血管新生化合物が挙げられる。
非限定的模範的アロマターゼ阻害剤としては、限定されるものではないが、アタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタンなどのステロイド、及びアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾールなどの非ステロイドが挙げられる。
非限定的抗エストロゲン剤としては、限定されるものではないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェン、及び塩酸ラロキシフェンが挙げられる。抗アンドロゲン剤としては、限定されるものではないが、ビカルタミドが挙げられる。ゴナドレリンアゴニストとしては、限定されるものではないが、アバレリクス、ゴセレリン、及び酢酸ゴセレリンが挙げられる。
模範的トポイソメラーゼI阻害剤としては、限定されるものではないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシン及びそのアナログ、9-ニトロカンプトテシン、並びにマクロ分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148が挙げられる。トポイソメラーゼII阻害剤としては、限定されるものではないが、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ネモルビシンなどのアントラサイクリン、マイトキサントロンやロソキサントロンなどのアントラキノン、及びエトポシドやテニポシドなどのポドフィロトキシンが挙げられる。
微小管活性剤としては、微小管安定化化合物、微小管不安定化化合物、及びマイクロチューブリン重合阻害剤、たとえば、限定されるものではないが、タキサン、たとえば、パクリタキセル及びドセタキセル、ビンカアルカロイド、たとえば、ビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、及び硫酸ビンクリスチン、及びビノレルビン、ジスコデルモリド、コルヒチン(cochicine)、及びエポチロン、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
模範的非限定的アルキル化剤としては、シクロホスファミド、イホスファミド、、及びニトロソウレア、たとえば、カルムスチン及びロムスチンが挙げられる。
模範的非限定的シクロオキシゲナーゼ阻害剤としては、Cox-2阻害剤、5-アルキル置換2-アリールアミノフェニル酢酸及び誘導体、たとえば、セレコキシブ、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、バルデコキシブ、又は5-アルキル-2-アリールアミノフェニル酢酸、たとえば、ルミラコキシブが挙げられる。
模範的非限定的マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(「MMP阻害剤」)としては、コラーゲンペプチドミメティック及び非ペプチドミメティック阻害剤、テトラサイクリン誘導体、バチマスタット、マリマスタット、プリノマスタット、メタスタット、BMS-279251、BAY12-9566、TAA211、MMI270B、及びAAJ996が挙げられる。
模範的非限定的mTOR阻害剤としては、哺乳動物ラパマイシン標的(mTOR)を阻害し且つ抗増殖活性を有する化合物、たとえば、シロリムス、エベロリムス、CCI-779、及びABT578が挙げられる。
模範的非限定的抗代謝物としては、5-フルオロウラシル(5-FU)、カペシタビン、ゲムシタビン、DNA脱メチル化化合物、たとえば、5-アザシチジン及びデシタビン、メトトレキセート及びエダトレキセート、並びに葉酸アンタゴニスト、たとえば、ペメトレキセドが挙げられる。
模範的非限定的白金化合物としては、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナム、及びオキサリプラチンが挙げられる。
模範的非限定的メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤としては、ベンガミド又はその誘導体及びPPI-2458が挙げられる。
模範的非限定的ビスホスホネートとしては、エチドロン酸(etridonic acid)、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、及びゾレドロン酸が挙げられる。
模範的非限定的抗増殖抗体としては、トラスツズマブ、トラスツズマブ-DMl、セツキシマブ、ベバシズマブ、リツキシマブ、PR064553、及び2C4が挙げられる。「抗体」という用語は、無傷モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つのインタクト抗体から形成された多重特異的抗体、及び所望の生物学的活性を呈する限り抗体フラグメントを含む。
模範的非限定的ヘパラナーゼ阻害剤としては、ヘパリン硫酸分解を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、PI-88及びOGT2115が挙げられる。
本明細書で用いられるH-Ras、K-Ras、N-Rasなどの「Ras腫瘍原性アイソフォームの阻害剤」という用語は、Rasの腫瘍原性活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、たとえば、L-744832、DK8G557、チピファルニブ、及びロナファルニブを意味する。
模範的非限定的テロメラーゼ阻害剤としては、テロメラーゼの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、テロメラーゼレセプターを阻害する化合物、たとえば、テロメスタチンが挙げられる。
模範的非限定的プロテアソーム阻害剤としては、プロテアソームの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、限定されるものではないが、ボルテゾミブ(bortezomid)が挙げられる。
本明細書で用いられる「血液学的悪性腫瘍の治療に使用される化合物」という語句は、FMS様チロシンキナーゼレセプター(Flt-3R)の活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物であるFMS様チロシンキナーゼ阻害剤、インターフェロン、I-β-D-アラビノフラノシルシトシン(arabinofuransylcytosine)(ara-c)、及びブスルファン(bisulfan)、並びに未分化リンパ腫キナーゼを標的とする、減少させる、又は阻害する化合物であるALK阻害剤を含む。
模範的非限定的Flt-3阻害剤としては、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248、及びMLN518が挙げられる。
模範的非限定的HSP90阻害剤としては、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とする、減少させる、若しくは阻害するか、又はユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解する、標的とする、減少させる、若しくは阻害する化合物が挙げられる。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物は、とりわけ、HSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質、又は抗体、たとえば、17-アリルアミノ,17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体、他のゲルダナマイシン関連化合物、ラディシコール及びHDAC阻害剤である。
本明細書で用いられる「タンパク質若しくは脂質キナーゼ活性又はタンパク質若しくは脂質ホスファターゼ活性を標的とする/減少させる化合物又はいずれかのさらなる抗血管新生化合物」という語句は、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤並びに/又はセリン及び/若しくはトレオニンキナーゼ阻害剤又は脂質キナーゼ阻害剤、たとえば、a)血小板由来成長因子レセプター(PDGFR)の活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、PDGFRの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、たとえば、イマチニブ、SUl0l、SU6668、及びGFB-111、b)線維芽細胞成長因子レセプター(FGFR)の活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、c)インスリン様成長因子レセプターI(IGF-IR)の活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、IGF-IRの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、d)Trkレセプターチロシンキナーゼファミリーの活性を標的とする、減少させる、若しくは阻害する化合物、又はエフリンB4阻害剤、e)Axlレセプターチロシンキナーゼファミリーの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、f)Retレセプターチロシンキナーゼの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、g)Kit/SCFRレセプターチロシンキナーゼの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、イマチニブ、h)c-Kit受容体チロシンキナーゼの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、イマチニブ、i)c-Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(たとえば、Bcr-Ablキナーゼ)、及び突然変異体の活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、たとえば、イマチニブ又はニロチニブ、PD180970、AG957、NSC680410、PD173955、又はダサチニブ、j)セリン/トレオニンキナーゼのタンパク質キナーゼC(PKC)及びRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDK1、PKB/Akt、及びRas/MAPKファミリーメンバーのメンバー、並びに/又はサイクリン依存キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、米国特許第5,093,330号明細書に開示されるスタウロスポリン誘導体、たとえば、ミドスタウリン、さらなる化合物の例としては、UCN-01、サフィンゴール、BAY43-9006、ブリオスタチン1、ペリホシン、イルモフォシン、RO318220及びRO320432、GO6976、Isis3521、LY333531/LY379196、イソキノリン(isochinoline)化合物、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、PD184352若しくはQAN697、又はAT7519が挙げられる、k)タンパク質チロシンキナーゼの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、メシル酸イマチニブ、又はチロホスチン、たとえば、チロホスチンA23/RG-50810、AG99、チロホスチンAG213、チロホスチンAG1748、チロホスチンAG490、チロホスチンB44、チロホスチンB44(+)エナンチオマー、チロホスチンAG555、AG494、チロホスチンAG556、AG957、及びアダホスチン(4-{[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}-安息香酸アダマンチルエステル、NSC680410、アダホスチン)、l)レセプターチロシンキナーゼの表皮成長因子ファミリー(EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、ホモ又はヘテロダイマーとして)及びそれらの突然変異体の活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物、たとえば、CP358774、ZD1839、ZM105180、トラスツズマブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、OSI-774、Cl-1033、EKB-569、GW-2016、抗体E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3、及びE7.6.3、及び7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン誘導体、並びにm)c-Metレセプターの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する化合物を含む。
タンパク質又は脂質ホスファターゼの活性を標的とする、減少させる、又は阻害する模範的化合物しては、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、又はCDC25の阻害剤、たとえば、オカダ酸又はその誘導体が挙げられる。
さらに抗血管新生化合物としては、タンパク質又は脂質キナーゼ阻害に関連しないそれらの活性に対する他の機序を有する化合物、たとえば、サリドマイド及びTNP-470が挙げられる。
そのほかの非限定的模範的化学療法化合物(その1種以上は本MDM2デグレーダーとの組合せで使用されうる)としては、ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、マイトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチナム、PKC412、6-メルカプトプリン(6-MP)、リン酸フルダラビン、オクトレオチド、SOM230、FTY720、6-チオグアニン、クラドリビン、6-メルカプトプリン、ペントスタチン、ヒドロキシウレア、2-ヒドロキシ-1H-イソインドール-1,3-ジオン誘導体、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジン又はその薬学的に許容可能な塩、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンコハク酸塩、アンギオスタチン、エンドスタチン、アントラニル酸アミド、ZD4190、ZD6474、SU5416、SU6668、ベバシズマブ、rhuMAb、rhuFab、マクゲン(macugon)、FLT-4阻害剤、FLT-3阻害剤、VEGFR-2 IgGI抗体、RPI4610、ベバシズマブ、ポルフィマーナトリウム、ネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11-a-エピヒドロコルチゾール(epihydrocotisol)、コルテキソロン(cortex olone)、17a-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、植物アルカロイド、ホルモン化合物及び/又はアンタゴニスト、生物学的反応修飾剤、たとえば、リンホカイン又はインターフェロン、アンチセンスオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド誘導体、shRNA、及びsiRNAが挙げられる。
第2の治療剤の他の例(本MDM2デグレーダーは、その1種以上とも組合せ可能である)としては、限定されるものではないが、アルツハイマー病の治療剤、たとえば、ドネペジル及びリバスチグミン、パーキンソン病の治療剤、たとえば、L-DOPA/カルビドパなど、エンタカポン、ロピニロール(ropinrole)、プラミペキソール、ブロモクリプチン、ペルゴリド、トリヘキシフェニジル(trihexephendyl)、及びアマンタジン、多発性硬化症(MS)の治療剤、たとえば、βインターフェロン(たとえば、AVONEX(登録商標)及びREBIF(登録商標))、酢酸グラチラマー、及びマイトキサントロン、喘息の治療剤、たとえば、アルブテロール及びモンテルカスト、統合失調症の治療剤、たとえば、ジプレキサ、リスパダール、セロクエル、及びハロペリドール、抗炎症剤、たとえば、コルチコステロイド、TNFブロッカー、IL-1RA、アザチオプリン、シクロホスファミド、及びスルファサラジン、免疫モジュレート剤(免疫抑制剤を含む)、たとえば、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、及びスルファサラジン、神経栄養因子、たとえば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗痙攣剤、イオンチャネルブロッカー、リルゾール、若しくは抗パーキンソン剤、心血管疾患の治療剤、たとえば、βブロッカー、ACE阻害剤、利尿剤、硝酸塩、カルシウムチャネルブロッカー、若しくはスタチン、肝疾患の治療剤、たとえば、コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、及び抗ウイルス剤、血液障害の治療剤、たとえば、コルチコステロイド、抗白血病剤、若しくは成長因子、又は免疫不全障害の治療剤、たとえば、γグロブリンが挙げられる。
上述した第2の治療活性剤(その1種以上は本開示の化合物との組合せで使用可能である)は、当技術分野で記載されるように調製及び投与される。
本開示の化合物は、典型的には、意図される投与経路及び標準的薬務に関して選択された医薬担体と混合して投与される。本開示に従って使用される医薬組成物は、本開示の化合物の処理を促進する賦形剤及び/又は補助剤を含む1種以上の生理学的に許容可能な担体を用いて従来方式で製剤化される。
こうした医薬組成物は、たとえば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣化、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥のプロセスにより製造可能である。適正な製剤は、選択される投与経路に依存する。治療有効量の本開示の化合物が経口投与されるとき、組成物は、典型的には、錠剤、カプセル剤、粉末剤、溶液剤、又はエリキシル剤の形態である。錠剤の形態で投与されるとき、組成物は、そのほかに、ゼラチンやアジュバント剤などの固形担体を含有可能である。錠剤、カプセル剤、及び粉末剤は、約0.01%~約95%、好ましくは約1%~約50%の本開示の化合物を含有する。液状形態で投与されるとき、水、石油、動物又は植物起源の油などの液状担体を添加可能である。液状形態の組成物は、生理食塩水溶液、デキストロース若しくは他の糖の溶液、又はグリコールをさらに含有可能である。液状形態で投与されるとき、組成物は、約0.1重量%~約90重量%、好ましくは約1重量%~約50重量%の本開示の化合物を含有する。
治療有効量の本開示の化合物が静脈内注射、皮膚注射、又は皮下注射により投与されるとき、組成物は、発熱原フリーの非経口的に許容可能な水性溶液の形態である。かかる非経口的に許容可能な溶液の調製は、pH、等張性、安定性などを十分に考慮して、当該技術の範囲内にある。静脈内注射、皮膚注射、又は皮下注射に好ましい組成物は、典型的には、等張媒体を含有する。
本開示の化合物は、当技術分野で周知の薬学的に許容可能な担体と容易に組合せ可能である。標準的医薬担体は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th ed.1995に記載されている。かかる担体は、治療される患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル剤、液体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、サスペンジョン剤などとして活性剤の製剤化を可能にする。経口使用に供される医薬製剤は、本開示の化合物を固形賦形剤に添加することと、任意選択的に、得られた混合物を粉砕することと、所望により好適な補助剤を添加した後、錠剤又は糖衣錠コアが得られるように顆粒混合物を処理することと、により得ることが可能である。
好適な賦形剤としては、充填剤、たとえば、糖(たとえば、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトール)、セルロース調製物、リン酸カルシウム(たとえば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム)、さらには結合剤、たとえば、デンプン糊(たとえば、メイズデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、又はジャガイモデンプンを用いて)、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドンが挙げられる。所望により、1種以上の崩壊剤、たとえば、上述したデンプン、さらにはカルボキシメチル-デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩、たとえば、アルギン酸ナトリウムを添加可能である。医薬組成物を安定化させるために、緩衝剤及びpH調整剤も添加可能である。
補助剤は、典型的には、流動調整剤及び滑沢剤、たとえば、シリカ、タルク、ステアリン酸又はその塩(たとえば、マグネシウムステアレート又はカルシウムステアレート)、及びポリエチレングリコールなどである。糖衣錠コアは、胃液に耐える好適なコーティングを施して提供される。この目的では、濃厚糖溶液を使用可能である。これは、任意選択的に、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び好適な有機溶媒又は溶媒混合物を含有しうる。胃液に耐えるコーティングを生成するために、アセチルセルロースフタレートやヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの好適なセルロース調製物の溶液を使用可能である。色素又は顔料は、たとえば、識別のために又は活性化合物用量の組合せを特徴付けるために、錠剤又は糖衣剤コーティング添加可能である。
本開示の化合物は、注射によりたとえばボーラス注射により又は連続注入により非経口投与に供すべく製剤化可能である。注射用製剤は、保存剤を添加してユニット製剤で、たとえば、アンプルで又は複数回投与容器で提示可能である。組成物は、油性又は水性の媒体中のサスペンジョン、溶液、エマルジョンなどの形態をとることが可能であり、且つ製剤化剤、たとえば、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散剤を含有可能である。
非経口投与に供される医薬組成物は、水溶性形の活性剤の水性溶液を含む。そのほか、本開示の化合物のサスペンジョンは、適切な油性注射用サスペンジョンとして調製可能である。好適な親油性溶媒又は媒体としては、脂肪油又は合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性注射用サスペンジョンは、サスペンジョンの粘度を増加させる物質を含有可能である。任意選択的に、サスペンジョンはまた、好適な安定化剤又は化合物の溶解性を増加させて高濃度溶液の調製を可能にする作用剤を含有可能である。代替的に、本組成物は、使用前に、好適な媒体、たとえば、無菌の発熱原フリーの水で構成すべくパウダー形態で存在可能である。
本開示の化合物はまた、直腸組成物、たとえば、坐剤又は保持浣腸剤として、たとえば、従来の坐剤基剤を含有するものとして製剤化可能である。以上に記載の製剤のほか、本開示の化合物はまた、デポ製剤としても製剤化可能である。かかる長時間作用製剤は、植込みにより(たとえば、皮下若しくは筋肉内に)又は筋肉内注射により投与可能である。そのため、たとえば、本開示の化合物は、好適な高分子材料若しくは疎水性材料(たとえば、許容可能な油中のエマルジョンとして)又はイオン交換樹脂を用いて製剤化可能である。
特定的には、本開示の化合物は、デンプンやラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態で、又はカプセル剤若しくはオビュール剤として、単独若しくは賦形剤との混合のどちらかで、又は風味剤若しくは着色剤を含有するエリキシル剤若しくはサスペンジョン剤の形態で、経口投与、頬投与、又は舌下投与が可能である。かかる液状製剤は、懸濁化剤などの薬学的に許容可能な添加剤を用いて調製可能である。本開示の化合物はまた、非経口的に、たとえば、静脈内、筋肉内、皮下、又は冠内に注入可能である。非経口投与に供する場合、本開示の化合物は、典型的には、溶液を血液と等張にするために、他の物質、たとえば、塩又はマンニトールやグルコースなどの単糖を含有可能な無菌水性溶液の形態で使用される。
本開示は、被験者における疾患の治療との関連で下記の特定実施形態を提供する。
実施形態1. 必要とする被験者を治療する方法であって、治療有効量の本開示の化合物を被験者に投与することを含み、被験者が癌を有する、方法。
実施形態2. 癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3. 癌が血液癌である、実施形態2に記載の方法。
実施形態4. 血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、実施形態3に記載の方法。
実施形態5. 癌の治療に有用な治療有効量の第2の治療剤を投与することをさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6. 癌の治療における使用のための、本開示の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
実施形態7. 癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、実施形態6に記載の医薬組成物。
実施形態8. 癌が血液癌である、実施形態7に記載の医薬組成物。
実施形態9. 血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、実施形態8に記載の医薬組成物。
実施形態10. 癌の治療における使用のための本開示の化合物。
実施形態11. 癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、実施形態10に記載の使用のための化合物。
実施形態12. 癌が血液癌である、実施形態11に記載の使用のための化合物。
実施形態13. 血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、実施形態12に記載の使用のための化合物。
実施形態14. 癌の治療のための医薬の製造のための、本開示の化合物の使用。
実施形態15. 癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、実施形態14に記載の使用。
実施形態16. 癌が血液癌である、実施形態15に記載の使用。
実施形態17. 血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、実施形態16に記載の使用。
III. 本開示のキット
他の一実施形態では、本開示は、本開示の方法を実践するためにその使用を容易にするようにパッケージされた本開示の化合物(又は本開示の化合物を含む組成物)を含むキットを提供する。一実施形態では、キットは、本開示の方法を実践するために化合物又は組成物の使用を記述する容器に固定された又はキットに含まれるラベルと共に、シールされたボトル又はベッセルなどの容器内にパッケージされた本開示の化合物(又は本開示の化合物を含む組成物)を含む。一実施形態では、化合物又は組成物は、ユニット製剤としてパッケージされる。キットは、意図される投与経路に従って組成物を投与するのに好適なデバイスをさらに含みうる。
他の一実施形態では、本開示は、本開示の方法を実践するためにその使用を容易にするようにパッケージされた本開示の化合物(又は本開示の化合物を含む組成物)を含むキットを提供する。一実施形態では、キットは、本開示の方法を実践するために化合物又は組成物の使用を記述する容器に固定された又はキットに含まれるラベルと共に、シールされたボトル又はベッセルなどの容器内にパッケージされた本開示の化合物(又は本開示の化合物を含む組成物)を含む。一実施形態では、化合物又は組成物は、ユニット製剤としてパッケージされる。キットは、意図される投与経路に従って組成物を投与するのに好適なデバイスをさらに含みうる。
IV. バイオマーカー
他の一実施形態では、本開示は、癌を有する被験者を治療する方法であって、(a)被験者から採取された生物学的サンプルにバイオマーカー(biobarker)が存在するか不在であるかを決定することと、及び(b)バイオマーカーが生物学的サンプルに存在する場合に治療有効量の本開示の化合物を被験者に投与することと、を含む方法を提供する。たとえば、Goossens et al.,Transl Cancer Res.4:256-269(2015)、Kamel and Al-Amodi,Genomics Proteomics Bioinformatics 15:220-235(2017)、及びKonikova and Kusenda,Neoplasma 50:31-40(2003)を参照されたい。
他の一実施形態では、本開示は、癌を有する被験者を治療する方法であって、(a)被験者から採取された生物学的サンプルにバイオマーカー(biobarker)が存在するか不在であるかを決定することと、及び(b)バイオマーカーが生物学的サンプルに存在する場合に治療有効量の本開示の化合物を被験者に投与することと、を含む方法を提供する。たとえば、Goossens et al.,Transl Cancer Res.4:256-269(2015)、Kamel and Al-Amodi,Genomics Proteomics Bioinformatics 15:220-235(2017)、及びKonikova and Kusenda,Neoplasma 50:31-40(2003)を参照されたい。
本明細書で用いられる「バイオマーカー」という用語は、癌患者においてin vivoで又は癌患者から得られる生物学的サンプルで検出及び/又は定量が可能ないずれかの生物学的化合物、たとえば、遺伝子、タンパク質、タンパク質断片、ペプチド、ポリペプチド、核酸などを意味する。バイオマーカーは、完全インタクト分子でありうるか、又はその一部又は断片でありうる。一実施形態では、バイオマーカーの発現レベルが測定される。バイオマーカーの発現レベルは、たとえば、タンパク質又はRNA、たとえばmRNA、バイオマーカーのレベルを検出することにより測定可能である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの一部又は断片は、たとえば、抗体又は他の特定の結合剤により、検出又は測定が可能である。いくつかの実施形態では、バイオマーカーの測定可能な態様は、患者の所与の状態、たとえば、癌の特定ステージに関連付けられる。タンパク質又はRNAレベルで検出されるバイオマーカーでは、かかる測定可能な態様は、たとえば、癌患者又は癌患者から得られる生物学的サンプルでのバイオマーカーの存在、不在、又は濃度すなわち発現レベルを含みうる。核酸レベルで検出されるバイオマーカーでは、かかる測定可能な態様は、たとえば、バイオマーカーの対立遺伝子型、又はバイオマーカーの突然変異のタイプ、レート、及び/若しくは程度(本明細書では突然変異ステータスともいう)を含みうる。
タンパク質又はRNAの発現レベルに基づいて検出されるバイオマーカーでは、異なる表現型ステータス間で測定される発現レベルは、たとえば、異なる群でバイオマーカーの平均値又は中央値の発現レベルが統計的に有意であると計算された場合、異なるとみなしうる。統計的有意性に対する通常の検定としては、とくに、t検定、ANOVA、クラスカル・ウォリス、ウィルコクソン、マン・ホイットニー、マイクロアレイの有意性分析、オッズ比などが挙げられる。バイオマーカーは、単独又は組合せで、被験者が一方又は他方の表現型ステータスに属する相対尤度の尺度を提供する。したがって、それらは、疾患に対するマーカーとして及び特定療法治療レジメンが有益な患者アウトカムをもたらす可能性が高いインジケーターとしてとくに有用である。
バイオマーカーとしては、限定されるものではないが、MDM2、p53、及び米国特許出願公開第2015/0301058号明細書に開示される他のバイオマーカーのいずれか1つ以上が挙げられる。一実施形態では、バイオマーカーの測定可能な態様は、その発現ステータスである。一実施形態では、バイオマーカーの測定可能な態様は、その突然変異ステータスである。
一実施形態では、バイオマーカーは、一方の表現型ステータスの被験者、たとえば、血液癌を有する被験者において、他方の表現型ステータス、たとえば、正常無疾患被験者又は過剰発現MDM2を伴わない癌を有する患者と比較して、差次的に存在するMDM2である。一実施形態では、バイオマーカーはMDM2の過剰発現である。
バイオマーカー標準は、あらかじめ決定可能であるか、並行して決定可能であるか、又は被験者から生物学的サンプルを得た後に決定可能である。本明細書に記載の方法に使用されるバイオマーカー標準は、たとえば、癌を有していない被験者のサンプルのデータ、転移でない癌たとえば乳癌を有する被験者のサンプルのデータ、及び転移した癌たとえば乳癌を有する被験者のサンプルのデータを含みうる。異なるクラスの被験者、たとえば、疾患対非疾患被験者に対するあらかじめ決められた閾値バイオマーカー標準を確立するために、比較を行うことが可能である。標準は、同一アッセイによるものでありうるか、又は事前のアッセイから分かっている標準でありうる。
バイオマーカーの平均値又は中央値の発現又は突然変異レベルが異なる、すなわち、群間でより高い又はより低いと計算された場合、バイオマーカーは、異なる表現型ステータス群間に差次的に存在する。そのため、バイオマーカーは、被験者たとえば癌患者が一方又は他方の表現型ステータスに属する指標を提供する。
個別生物学的化合物たとえばMDM2のほか、本明細書で用いられる「バイオマーカー」という用語は、複数の生物学的化合物のグループ、セット、又はアレイを含むものとみなされる。たとえば、MDM2とp53との組合せは、バイオマーカーを構成しうる。「バイオマーカー」という用語は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、又はそれ以上の生物学的化合物を含みうる。
患者におけるバイオマーカーの発現レベル又は突然変異ステータスの決定は、当技術分野で公知の多くの方法のいずれかを用いて実施可能である。特定のタンパク質の定量及び/又はMDM2発現の検出又は患者若しくは生物学的サンプルにおけるいずれかの他のバイオマーカーの発現若しくは突然変異レベルの検出のための当技術分野で公知のいずれの方法も、本開示の方法に使用しうる。例としては、限定されるものではないが、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)又はRT-PCR、フローサイトメトリー、ノーザンブロット、ウェスタンブロット、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、RIA(ラジオイムノアッセイ)、RNA発現の遺伝子チップ分析、免疫組織化学、又は免疫蛍光が挙げられる。たとえば、Slagle et al.Cancer 83:1401(1998)を参照されたい。本開示のある特定の実施形態は、バイオマーカーRNA発現(転写)を決定する方法を含む。本開示の他の実施形態は、生物学的サンプルでタンパク質発現を決定する方法を含む。たとえば、Harlow et al., Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY,(1988)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York 3rd Edition,(1995)、Kamel and Al-Amodi,Genomics Proteomics Bioinformatics 15:220-235(2017)を参照されたい。ノーザンブロット又はRT-PCR分析では、RNAは、RNアーゼフリー技術を用いて腫瘍組織サンプルから単離される。かかる技術は、当技術分野で一般に公知である。
本開示の一実施形態では、生物学的サンプルは患者から得られ、生物学的サンプルは、バイオマーカーたとえばMDM2、発現又は突然変異ステータスの決定のためにアッセイされる。一実施形態では、MDM2発現を決定するためにフローサイトメトリーが使用される。
本開示の他の一実施形態では、腫瘍細胞サンプルでバイオマーカー転写のノーザンブロット分析が実施される。ノーザン分析は、サンプル中のmRNAレベルの検出及び/又は定量のための標準的方法である。最初に、ノーザンブロット分析を用いてアッセイされるサンプルからRNAが単離される。分析では、最初に、変性条件下でアガロースゲル中の電気泳動を介してサイズによりRNAサンプルが分離される。次いで、RNAは膜に転写され、架橋され、そして標識プローブでハイブリダイズされる。典型的には、ノーザンハイブリダイゼーションは、放射性標識若しくは非同位体標識されたDNAのin vitro重合、又はハイブリダイゼーションプローブとしてオリゴヌクレオチドの生成を含む。典型的には、プローブが膜を被覆するのを防止して非特異的バックグラウンドシグナルを低減するために、RNAサンプルを保持する膜は、プローブハイブリダイゼーション前にプレハイブリダイズされるか又はブロックされる。ハイブリダイゼーション後、典型的には、非ハイブリダイズプローブは、緩衝剤を何回か変えて洗浄することにより除去される。洗浄及びハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは、当技術分野の通常の技能のいずれの実施者でも設計、選択、及び実現が可能である。検出は、検出可能に標識されたプローブ及び好適な検出方法を用いて達成される。放射性標識及び非放射能標識プローブ並びにそれらの使用は、当技術分野で周知である。アッセイされているバイオマーカーの発現の存在及び又は相対レベルは、たとえば、デンシトメトリー用いて定量可能である。
他の一実施形態では、バイオマーカー発現及び/又は突然変異ステータスは、RT-PCRを用いて決定される。RT-PCRは、リアルタイムで標的遺伝子のPCR増幅の進行の検出を可能にする。本開示のバイオマーカーの発現及び/又は突然変異ステータスの検出に必要とされるプライマー及びプローブの設計は、当技術分野の通常の技能の実施者の技能の範囲内にある。RT-PCRは、本開示のバイオマーカーをコードするRNAのレベルを腫瘍組織サンプルで決定するために使用可能である。本開示のある実施形態では、生物学的サンプルのRNAは、RNアーゼフリー条件下で単離され、次いで、リバーストランスクリプターゼによる処理によりDNAに変換される。RNAからDNAへのリバーストランスクリプターゼ変換の方法は、当技術分野で周知である。PCRの説明は、下記の参照文献:Mullis et al.,Cold Spring Harbor Symp.Quant.Biol.51:263(1986)、欧州特許第50,424号明細書、欧州特許第84,796号明細書、欧州特許第258,017号明細書、欧州特許第237,362号明細書、欧州特許第201,184号明細書、米国特許第4,683,202号明細書、同第4,582,788号明細書、同第4,683,194号明細書に提供される。
RT-PCRプローブは、標的アンプリコン(バイオマーカー遺伝子)にハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドを加水分解するためにPCRに使用されるDNAポリメラーゼの5’-3’ヌクレアーゼ活性に依存する。RT-PCRプローブは、5’末端に付着した蛍光レポーター色素と3’末端に結合されたクエンチャー部分と(又はその逆)を有するオリゴヌクレオチドである。こうしたプローブは、PCR産物の内部領域にハイブリダイズするように設計される。非ハイブリダイズ状態では、フルオル分子とクエンチ分子との近接により、プローブからの蛍光シグナルの検出が防止される。PCR増幅時、RT-PCRプローブが結合された鋳型をポリメラーゼが複製するとき、ポリメラーゼの5’-3’ヌクレアーゼ活性はプローブを切断する。これは蛍光色素とクエンチング色素とをデカップリングするので、FRETはもはや起こらなくなる。そのため、プローブ切断の量に比例するように各サイクルで蛍光が増加する。反応から発せられる蛍光シグナルは、ルーチン及び従来技術を用いて市販の装置により測定可能であるか、又は経時的に追跡可能である。
本開示の他の一実施形態では、バイオマーカーによりコードされるタンパク質の発現は、ウェスタンブロット分析により検出される。ウェスタンブロット(イムノブロットとしても知られる)は、組織ホモジネート又は抽出物の所与のサンプルでのタンパク質検出方法である。それは、ゲル電気泳動を用いて質量別に変性タンパク質を分離する。次いで、タンパク質は、ゲルから膜(たとえば、ニトロセルロース又はポリビニリデンフルオライド(PVDF))上に転写され、タンパク質に特異的に結合する一次抗体を用いて検出される。次いで、結合された抗体は、検出可能標識(たとえば、ビオチン、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、又はアルカリホスファターゼ)にコンジュゲートされた二次抗体により検出される。二次標識シグナルの検出は、タンパク質の存在の指標となる。
本開示の他の一実施形態では、バイオマーカーによりコードされるタンパク質の発現は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)により検出される。本開示の一実施形態では、「サンドイッチELISA」は、キャプチャー抗体でプレートをコーティングすることと、サンプルを添加して存在するいずれの抗原もキャプチャー抗体に結合されるようにすることと、同様に抗原に結合する検出抗体を添加することと、検出抗体に結合する酵素結合二次抗体を添加することと、二次抗体上の酵素により検出可能形態に変換される基質を添加することと、を含む。二次抗体からのシグナルの検出は、バイオマーカー抗原タンパク質の存在の指標となる。
本開示の他の一実施形態では、バイオマーカーの発現は、遺伝子チップ又はマイクロアレイの使用により評価される。かかる技術は、当技術分野で習得された通常の技能の範囲内にある。
本開示は、バイオマーカーとの関連で下記の特定実施形態を提供する。
実施形態I. 癌を有する被験者を治療する方法であって、
(a)被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が生物学的サンプルに存在する場合に治療有効量の本開示の化合物を被験者に投与することと、
を含む方法。
(a)被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が生物学的サンプルに存在する場合に治療有効量の本開示の化合物を被験者に投与することと、
を含む方法。
実施形態II. 癌を有する被験者が本開示の化合物による治療の候補者であるかを同定する方法であって、
(a)被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が存在する場合に被験者を治療の候補者であるとして同定することと、又は
(c)MDM2の過剰発現が不在である場合に被験者を治療の候補者ではないとして同定することと、
を含む方法。
(a)被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が存在する場合に被験者を治療の候補者であるとして同定することと、又は
(c)MDM2の過剰発現が不在である場合に被験者を治療の候補者ではないとして同定することと、
を含む方法。
実施形態III. 癌を有する被験者において治療アウトカムを予測する方法であって、被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することを含み、
(a)生物学的サンプルでのMDM2の過剰発現の存在が、被験者への本開示の化合物の投与により被験者において治療反応が生成されることの指標となり、且つ
(b)生物学的サンプルでのMDM2の過剰発現の不在が、被験者への本開示の化合物の投与により被験者において治療反応が生成されないことの指標となる、
方法。
(a)生物学的サンプルでのMDM2の過剰発現の存在が、被験者への本開示の化合物の投与により被験者において治療反応が生成されることの指標となり、且つ
(b)生物学的サンプルでのMDM2の過剰発現の不在が、被験者への本開示の化合物の投与により被験者において治療反応が生成されないことの指標となる、
方法。
実施形態IV. 治療有効量の本開示の化合物をそれを必要とする被験者に投与することを含む方法であって、
(a)被験者が癌を有し、且つ
(b)癌がMDM2の過剰発現を有するものとして特徴付けられる、
方法。
(a)被験者が癌を有し、且つ
(b)癌がMDM2の過剰発現を有するものとして特徴付けられる、
方法。
実施形態V. 癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、実施形態I~IVのいずれか1つに記載の方法。
実施形態VI. 癌が血液癌である、実施形態Vに記載の方法。
実施形態VII. 血液癌が表3の血液癌のいずれか1つ以上である、実施形態VIに記載の方法。
実施形態VIII. 血液癌が急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、又は急性ミエロイド白血病である、実施形態VIIに記載の方法。
V. 定義
本明細書で用いられる「生物学的サンプル」という用語は、MDM2発現ステータスなどのバイオマーカーの検出に好適な患者由来のいずれかの組織又は流体を意味する。有用な生物学的サンプルの例としては、限定されるものではないが、生検組織及び/又は細胞、たとえば、固形腫瘍、リンパ腺、炎症組織、病態又は疾患に関与する組織及び/又は細胞、血液、血漿、漿液、脳脊髄液、唾液、尿、リンパ、脳脊髄液などが挙げられる。他の好適な生物学的サンプルは、関連技術分野の当業者の熟知するところであろう。生物学的サンプルは、当技術分野で公知のいずれかの技術を用いてバイオマーカー発現及び/又は突然変異に関して分析可能であり、臨床従事者(practioner)の通常の知識の範囲内に十分に入る技術を用いて得ることが可能である。本開示の一実施形態では、生物学的サンプルは血液細胞及び/又は骨髄細胞を含む。
本明細書で用いられる「生物学的サンプル」という用語は、MDM2発現ステータスなどのバイオマーカーの検出に好適な患者由来のいずれかの組織又は流体を意味する。有用な生物学的サンプルの例としては、限定されるものではないが、生検組織及び/又は細胞、たとえば、固形腫瘍、リンパ腺、炎症組織、病態又は疾患に関与する組織及び/又は細胞、血液、血漿、漿液、脳脊髄液、唾液、尿、リンパ、脳脊髄液などが挙げられる。他の好適な生物学的サンプルは、関連技術分野の当業者の熟知するところであろう。生物学的サンプルは、当技術分野で公知のいずれかの技術を用いてバイオマーカー発現及び/又は突然変異に関して分析可能であり、臨床従事者(practioner)の通常の知識の範囲内に十分に入る技術を用いて得ることが可能である。本開示の一実施形態では、生物学的サンプルは血液細胞及び/又は骨髄細胞を含む。
「MDM2タンパク質の分解が利益を提供する疾患又は病態」という用語は、MDM2及び/若しくはMDM2の作用が、たとえば、その疾患若しくは病態の発症、進行、発現に重要若しくは必要である疾患若しくは病態、又はMDM2阻害剤若しくはデグレーダーにより治療されることが分かっている疾患若しくは病態を意味する。かかる病態の例としては、限定されるものではないが、癌、慢性自己免疫疾患、炎症性疾患、増殖性疾患、敗血症、及びウイルス感染が挙げられる。当業者であれば、たとえば、特定化合物の活性を評価するために適宜使用可能なアッセイにより、いずれかの特定の細胞型に対してMDM2により媒介される疾患又は病態が化合物により治療されるかを容易に決定可能である。
「第2の治療剤」という用語は、本開示の化合物とは異なり且つ対象の疾患又は病態を治療することが分かっている治療剤を意味する。たとえば、癌が対象の疾患又は病態であるとき、第2の治療剤は、たとえば、タキソールのような公知の化学療法薬剤又は放射線でありうる。
「疾患」又は「病態」という用語は、病理学的な病態又は機能であると通例見なされ且つ特定の徴候、症状、及び/又は機能不全の形態で顕在化しうる撹乱及び/又は異常を意味する。以下の実施例で実証されるように、本開示の化合物は、MDM2タンパク質のデグレーダーであり、且つMDM2の分解が利益を提供する疾患及び病態の治療に使用可能である。
本明細書で用いられる場合、「treat(~を治療する)」、「treating(~を治療すること)」、「treatment(治療)」という用語は、疾患又は病態及び/又はそれに伴う症状を排除、低減、又は寛解することを意味する。除外されるものではないが、疾患又は病態を治療することは、疾患、病態、又はそれに伴う症状が完全に排除されることを必要としない。本明細書で用いられる場合、「treat(~を治療する)」、「treating(~を治療すること)」、「treatment(治療)」という用語は、疾患若しくは病態を有していないが疾患若しくは病態の再燃(redeveloping)又は疾患若しくは病態の再発のリスクがあるか又はそれを起こしやすい被験者において、疾患若しくは病態の再燃(redeveloping)又は以前に抑制された疾患若しくは症状の再発の確率を低減することを意味する「予防治療」を含みうる。「treat(~を治療する)」という用語は及び同義語は、かかる治療を必要とする個体に治療有効量の本開示の化合物を投与することを企図する。
本開示の意味の範囲内では、「treatment(治療)」はまた、再燃予防又はフェーズ予防さらには急性又は慢性の徴候、症状、及び/又は機能不全の治療を含む。治療は、たとえば、症状を抑制するために、症状に適応させることが可能である。それは、短期的に実施可能であるか、中期的に適応可能であるか、又はたとえば維持療法に関連する範囲内で長期治療でありうる。
本明細書で用いられる「治療有効量」又は「有効用量」という用語は、本開示の方法により投与されるとき、対象の病態又は疾患の治療のために、それを必要とする個体に活性成分を効果的に送達するのに十分な活性成分の量を意味する。癌又は他の増殖障害の場合、治療有効量の作用剤は、望ましくない細胞増殖の低減(すなわち、ある程度の遅延、好ましくは停止)、癌細胞数の低減、腫瘍サイズの低減、末梢器官への癌細胞の浸潤の阻害(すなわち、ある程度の遅延、好ましくは停止)、腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の遅延、好ましくは停止)、腫瘍成長のある程度の阻害、標的細胞でのMDM2シグナリングの低減、及び/又は癌に伴う1つ以上の症状のある程度の軽減を行いうる。投与された化合物又は組成物が既存の癌細胞の成長予防及び/又は死滅を行う限り、それは細胞静止性及び/又は細胞傷害性でありうる。
一実施形態では、癌の治療に関して、治療有効量とは、(a)(1)腫瘍成長の速度、(2)腫瘍の量、(3)組織及び器官への異常細胞の蓄積、又は(4)被験者における転移の数(5%以上、たとえば、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、若しくは95%以上)を減少させるか、或いは(b)(1)腫瘍進行の期間、(2)腫瘍細胞のアポトーシス、又は(3)被験者の生存期間(5%以上、たとえば、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、若しくは95%以上)を増加させる、本開示の化合物の量を意味する。
同様に、「被験者における治療反応」という用語は、(a)(1)腫瘍成長の速度、(2)腫瘍の量、(3)組織及び器官への異常細胞の蓄積、又は(4)その被験者における転移の数(5%以上、たとえば、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、若しくは95%以上)の減少、或いは(b)(1)腫瘍進行の期間、(2)腫瘍細胞のアポトーシス、又は(3)被験者の生存期間(5%以上、たとえば、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、若しくは95%以上)の増加、を意味する。
「容器」という用語は、いずれかのレセプタクル及びクロージャーを意味し、したがって、医薬製品の貯蔵、輸送、分注、及び/又は取扱いに好適である。
「添付文書」という用語は、医師、薬剤師、及び患者が製品の使用に関して情報に基づく決断を行えるようにするのに必要とされる安全性及び効能のデータと共に、製品をどのように投与するかの説明を提供する医薬製品に添付される情報を意味する。添付文書は、一般に医薬製品の「ラベル」と見なされる。
「並行投与」、「組合せ投与」、「同時投与」、及び類似の語句は、治療される被験者に2つ以上の作用剤が並行して投与されることを意味する。「並行して」とは、各作用剤が同時に又は異なる時点でいずれかの順序で逐次に投与されることを意味する。しかしながら、同時投与でない場合、所望の治療効果が提供されるように、時間的に十分に近づけて個体に順次投与され、協奏的に作用可能であることを意味する。たとえば、本開示の化合物は、第2の治療剤と同時に又は異なる時点でいずれかの順序で逐次に投与可能である。本開示の化合物及び第2の治療剤は、いずれかの適切な形態で且ついずれかの好適な経路により個別に投与可能である。本開示の化合物及び第2の治療剤が並行して投与されないとき、それを必要とする被験者にいずれの順序でも投与可能であるものと理解される。たとえば、本開示の化合物は、第2の治療剤の治療モダリティーの施行(たとえば、放射線療法)の前(たとえば、5分間前、15分間前、30分間前、45分間前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、又は12週間前)、それと並行して、又はその後(たとえば、5分間後、15分間後、30分間後、45分間後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、又は12週間後)それを必要とする個体に投与可能である。各種実施形態では、本開示の化合物及び第2の治療剤は、1分間隔、10分間隔、30分間隔、1時間未満の間隔、1時間間隔、1時間~2時間間隔、2時間~3時間間隔、3時間~4時間間隔、4時間~5時間間隔、5時間~6時間間隔、6時間~7時間間隔、7時間~8時間間隔、8時間~9時間間隔、9時間~10時間間隔、10時間~11時間間隔、11時間~12時間間隔、24時間以下の間隔、又は48時間以下の間隔で投与される。一実施形態では、組合せ療法の成分は、約1分間~約24時間間隔で投与される。
本開示の記載との関連で(とりわけ特許請求の範囲との関連で)「a」、「an」、「the」、及び類似の参照語の使用は、とくに指定がない限り、単数形及び複数形の両方をカバーするものと解釈すべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、とくに本明細書に指定がない限り、この範囲内に含まれる個々の各値を個別に参照する簡略表記法として機能することが単に意図され、個々の各値は、あたかも本明細書に個別に列挙されたがごとく本明細書に組み込まれる。本明細書に提供されるあらゆる例又は模範的表現(たとえば、「such as(~などの)」)の使用は、本開示をより良く例示することが意図されたものであり、とくに特許請求されない限り本開示の範囲を限定するものではない。本明細書の表現は、いずれの非特許請求要素も本開示の実施に不可欠であることを示唆するものと解釈すべきではない。
本明細書で用いられる「about(約)」という用語は、挙げられた数±10%を含む。そのため、「約10」とは9~11を意味する。
本開示は、異なる原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられた1個以上の原子を有することにより同位体標識すなわち放射性標識された本開示の化合物のいずれをも包含する。本開示の化合物に組込み可能な同位体の例としては、水素、炭素、窒素、硫黄、酸素、フッ素、及び塩素の同位体、たとえば、2H(又はジュウテリウム(D))、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、及び36Cl、たとえば、2H、3H、及び13Cが挙げられる。一実施形態では、本開示の化合物内のある位置の原子の一部分が置き換えられる。すなわち、本開示の化合物は、ある位置が異なる原子質量又は質量数を有する原子で富化される。一実施形態では、原子の少なくとも約1%が、異なる原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられる。他の一実施形態では、原子の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約100%が、異なる原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられる。
本開示の化合物は不斉中心を有し、そのため、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性形を生じうる。本開示は、すべてのかかる可能な形さらにはそれらのラセミ形及び分割形並びにそれらの混合物の使用を包含する。個別のエナンチオマーは、本開示を考慮して当技術分野で公知の方法に従って分離可能である。本明細書に記載の化合物がオレフィン性二重結合又は他の幾何不斉中心を含有するとき、とくに明記されていない限り、E及びZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。すべての互変異性体も本開示に包含される。
本明細書で用いられる場合、「立体異性体」という用語は、空間内のそれらの原子の配向のみが異なる個別分子のすべての異性体に対する一般用語である。それはエナンチオマー及び互いに鏡像ではない1超のキラル中心を有する化合物の異性体(ジアステレオマー)を含む。
「キラル中心」又は「不斉炭素原子」という用語は、4つの異なる基が結合されている炭素原子を意味する。
「エナンチオマー」及び「エナンチオマー形」という用語は、その鏡像が重ね合わせられない分子を意味し、そのため光学活性であり、エナンチオマーは、偏光光の平面を一方の方向に回転し、その鏡像化合物は、偏光光の平面を反対方向に回転する。
「ラセミ形」という用語は、等量部のエナンチオマーの混合物を意味し、この混合物は光学不活性である。一実施形態では、本開示の化合物はラセミ形である。
「絶対配置」という用語は、キラル分子エンティティー(又はグループ)の原子の空間配置及びその立体化学的記述たとえばR又はSを意味する。
本明細書で用いられる立体化学用語及び規約は、とくに指定がない限り、Pure & Appl.Chem 68:2193(1996)に記載のものと一致するものとする。
「エナンチオマー過剰率」又は「ee」という用語は、1つのエナンチオマーが他のものと比較してどの程度多く存在するかの尺度を意味する。R及びS鏡像異性体の混合物では、パーセントエナンチオマー過剰率は、|R-S|×100として定義される。ただし、R及びSは、R+S=1となるような混合物中のエナンチオマーのそれぞれのモル分率又は重量分率である。キラル物質の旋光度の知識を用いて、パーセントエナンチオマー過剰率は、([α]obs/[α]max)×100として定義される。ただし、[α]obsは、エナンチオマー混合物の旋光度であり、且つ[α]maxは、純粋エナンチオマーの旋光度である。エナンチオマー過剰率の決定は、NMR分光法、キラルカラムクロマトグラフィー、又は光学旋光測定をはじめとするさまざまな分析技術を用いて行える。
「ジアステレオマー過剰率」又は「de」という用語は、一方のジアステレオマーが他方と比較してどの程度多く存在するかの尺度を意味し、エナンチオマー過剰率からの類推により定義される。ジアステレオマー過剰率の決定は、NMR分光法及びキラルカラムクロマトグラフィーをはじめとするさまざまな分析技術を用いて行える。
化合物の一般的合成
本開示の化合物は、本開示を考慮して当業者に公知の方法を用いて又は以下の一般的スキームに示される例示的方法により調製される。所要により、好適な保護を合成に利用可能である。Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,5th Ed.,J.Wiley & Sons,NY,2014を参照されたい。
本開示の化合物は、本開示を考慮して当業者に公知の方法を用いて又は以下の一般的スキームに示される例示的方法により調製される。所要により、好適な保護を合成に利用可能である。Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,5th Ed.,J.Wiley & Sons,NY,2014を参照されたい。
一般的スキーム1では、有機溶媒中で化合物AをB式の化合物と反応させて式Iの化合物を与える。好適なアミンからアミドへのカップリング試薬及び条件、たとえば、HATU/塩基、HBTU/塩基、又はEDCI/HOBt/塩基は、当技術分野で周知である。Montalbetti and Falque,Tetrahedron 61:10827-10852(2005)を参照されたい。
一実施形態では、本開示は、本開示の化合物の調製に有用な合成中間体として式D(式中、X、Y、L、Z、及びAは、式Iとの関連で定義された通りである)の化合物を提供する。
他の一実施形態では、本開示は、本開示の化合物の調製に使用される合成中間体として、
(3-(4-((1-((1r,4r)-4-アミノシクロヘキサン-1-カルボニル)ピペリジン-4-イル)エチニル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン)を提供する。
実施例1
(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニルピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミド(化合物番号4)の合成
DCM(500mL)中の中間体1(19g、1.0equiv)及びメチル4-アミノシクロヘキサン-1-カルボキシレート(1.1equiv)の溶液に、DIPEA(1.2equiv)及びHATU(1.2equiv)を添加した。次いで、混合物をr.t.で2h撹拌した。混合物をaq.NaHCO3でクエンチし、エチルアセテートで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、そして濃縮して粗生成物を与え、これをカラムクロマトグラフィーにより精製して純粋中間体2(収率82%、純度>95%)を生成した。MS(ESI)m/z(M+H)+=602.36;計算値:602.53;Rt=4.98min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.62(ddd,J=8.0,6.3,1.6Hz,1H),7.40(dd,J=8.2,2.5Hz,1H),7.21(ddd,J=8.4,7.0,1.6Hz,1H),7.06-6.99(m,2H),6.72(d,J=1.9Hz,1H),4.66(d,J=9.4Hz,1H),4.50(d,J=9.4Hz,1H),3.66(s,3H),3.66-3.52(m,4H),2.34(tt,J=12.1,3.5Hz,1H),2.09-1.77(m,6H),1.77-1.43(m,8H),1.43-1.24(m,2H),1.14-0.99(m,1H),0.94(td,J=13.2,4.5Hz,1H)。
(3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニルピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミド(化合物番号4)の合成
DMF(450mL)中の中間体3(30g)及びアミン4(HCl塩)(1equiv)の溶液に、DIPEA(2equiv)を添加した。r.t.で5~10分間撹拌した後、HATU(1.1eq)を添加した。次いで、混合物を30分間撹拌した。反応をH2O(1100mL)でクエンチした。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄し、粗生成物(純度=93~94%)を与えた。分取HPLCにより固体をさらに精製してTFA塩として化合物番号4を与えた。MS(ESI)m/z(M+H)+=921.56;計算値:921.89;Rt=5.09min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.22(d,J=7.7Hz,1H),7.76(dd,J=7.6,1.1Hz,1H),7.69-7.58(m,2H),7.54-7.46(m,2H),7.39(ddd,J=8.6,7.2,1.5Hz,1H),7.17(td,J=8.0,1.1Hz,1H),7.10(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.79(d,J=1.9Hz,1H),5.17(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.10(d,J=11.1Hz,1H),4.79(d,J=11.2Hz,1H),4.56-4.41(m,2H),4.03-3.90(m,1H),3.87-3.75(m,1H),3.74-3.57(m,1H),3.46-3.35(m,1H),3.06-2.73(m,5H),2.62-2.44(m,2H),2.25-2.11(m,2H),2.04-1.85(m,6H),1.82-1.44(m,10H),1.33-1.16(m,3H),1.03-0.87(m,1H)。
実施例2
3-(1-オキソ-4-(ピペリジン-4-イルエチニル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成(中間体4)
中間体6(50g、155mmol)と1-Boc-4-エチニルピペリジン5(43g)とPd(PPh3)2Cl2(8.7g、12.4mmol)とCuI(4.72g、24.8mmol)との混合物に、750mLのDMF及び750mLのTEAを添加した。超音波処理下で3回にわたりArで溶液のパージング及び再充填を行った。溶液を80℃で一晩撹拌した。次いで、反応に水を添加し、エチルアセテートで抽出した。組み合わせたエチルアセテート(約5)層をブラインで3回洗浄した。次いで、得られた沈殿を濾過し、ヘキサンで洗浄して中間体7を与えた。さらなる精製のために、生成物にメタノールを添加し、混合物を10分撹拌した。次いで、沈殿物を濾過し、ヘキサンで洗浄して純粋中間体7(収率70~80%、純度>95%)を与えた。
3-(1-オキソ-4-(ピペリジン-4-イルエチニル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンの合成(中間体4)
3-(1-オキソ-4-(ピペリジン-4-イルエチニル)イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(中間体4): 以上で得られた中間体7(30g)をジオキサン中HCl(150mL)に懸濁させた。溶液を室温で30分撹拌した。次いで、得られた沈殿を濾過し、ヘキサンで洗浄して純粋中間体4(収率90%、純度>95%)を与えた。MS(ESI)m/z(M+H)+=352.31;計算値:351.41;Rt=1.04min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.79(dd,J=7.6,1.0Hz,1H),7.67(dd,J=7.7,1.0Hz,1H),7.53(t,J=7.7Hz,1H),5.19(dd,J=13.3,5.1Hz,1H),4.59-4.41(m,2H),3.47-3.36(m,2H),3.24-3.09(m,3H),3.00-2.85(m,1H),2.84-2.73(m,1H),2.53(qd,J=13.2,4.6Hz,1H),2.26-2.13(m,3H),2.04-1.90(m,2H)。
実施例3
tert-ブチル4-エチニルピペリジン-1-カルボキシレート(中間体5)の合成
K2CO3(260g)を0℃でMeOH(500mL)中のN-Boc-ピペリジン-4-アルデヒド(100g)の溶液に添加した。次いで、ジメチル1-ジアゾアセトニルホスホネート(108g)を0℃で徐々に添加した。室温で4時間撹拌した後、混合物を水でクエンチし、次いで、MeOHのほとんどをロータリーエバポレーションにより除去した。残渣をエチルアセテートで抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濃縮して中間体5を与え、これをさらなる精製を行うことなく次の工程で使用した。
tert-ブチル4-エチニルピペリジン-1-カルボキシレート(中間体5)の合成
実施例4
3-(4-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(中間体6)の合成
MeOH(1500mL)中の中間体10(150g)の溶液に、濃H2SO4(80mL)を滴下した。反応混合物を還流下で一晩撹拌した。室温に冷却した後、ロータリーエバポレーションによりMeOHを除去した。次いで、水を添加し、混合物をEt2Oで3回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して粗生成物中間体11を与え、これをさらなる精製を行うことなく次の工程で使用した。
3-(4-ブロモ-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(中間体6)の合成
ベンゼン(1300mL)中の中間体11(160g)の溶液に、N-ブロモスクシンアミド(149g)及びベンゾイルペルオキシド(16g)を添加した。反応混合物を還流下で一晩撹拌した。室温に冷却した後、水性Na2S2O3を添加し、混合物を室温で10~20分間撹拌した。混合物をベンゼンで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、そして濃縮して粗生成物を与えた。次いで、エチルアセテートを添加し、混合物を数分間撹拌した。得られた沈殿を濾過し、濾液を濃縮して生成物中間体12を与え、これをさらなる精製を行うことなく次の工程で使用した。
CH3CN(1000mL)中の中間体12(183g)の溶液に、3-アミノピペリジン-2,6-ジオン(1.2eq)及びトリエチルアミン(80g)を添加し、反応混合物を80℃で撹拌した。TLCにより検出される中間体12の完全消費後、混合物を室温に冷却し、次いでエチルアセテート(1000mL)及び水(1000mL)を添加した。混合物を10~20分撹拌し、得られた沈殿を濾過し、そしてヘキサンで洗浄した。次いで、固体を真空下のデシケーター中で乾燥させて(一晩)、固体として中間体6(142g)を生成し、これをさらなる精製を行うことなく次の工程で使用した。
実施例5
実施例1~4及び国際公開第2017/176957号パンフレットに記載の手順並びに当技術分野で公知の方法を用いて、下記の本開示の化合物を調製した。
実施例1~4及び国際公開第2017/176957号パンフレットに記載の手順並びに当技術分野で公知の方法を用いて、下記の本開示の化合物を調製した。
化合物番号1:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=996.00;計算値:996.02;Rt=4.00min。
化合物番号2:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=921.46;計算値:921.89;Rt=5.16min。
化合物番号3:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=897.53;計算値:897.87;Rt=4.98min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.74(dd,J=7.7,1.1Hz,1H),7.63-7.54(m,3H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),7.41(t,J=7.2Hz,1H),7.21-7.12(m,2H),6.80(d,J=1.8Hz,1H),5.24-5.11(m,2H),4.62-4.42(m,4H),3.69-3.55(m,1H),3.01-2.85(m,2H),2.85-2.74(m,1H),2.67-2.54(m,1H),2.51(t,J=6.8Hz,2H),2.24-2.13(m,1H),2.10- 1.98(m,1H),1.98-1.67(m,7H),1.64-1.40(m,4H),1.25-1.10(m,2H),0.88(s,9H)。
化合物番号5:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=936.54;計算値:936.91;Rt=4.06min。
化合物番号6:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=947.54;計算値:947.93;Rt=5.44min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.76(dd,J=7.6,1.1Hz,1H),7.71-7.58(m,3H),7.55-7.44(m,2H),7.40(ddd,J=8.6,7.3,1.6Hz,1H),7.16(td,J=8.0,1.2Hz,1H),7.10(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.78(d,J=2.0Hz,1H),5.17(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.11(d,J=11.2Hz,1H),4.72(d,J=11.2Hz,1H),4.55-4.40(m,2H),4.06-3.91(m,2H),3.40(t,J=10.3Hz,2H),3.05-2.85(m,2H),2.85-2.72(m,2H),2.53(qd,J=13.3,4.7Hz,1H),2.25-2.12(m,2H),2.02-1.71(m,19H),1.71-1.59(m,2H),1.59-1.44(m,1H),1.31-1.13(m,2H)。
化合物番号7:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=922.52;計算値:922.88;Rt=4.24min。
化合物番号8:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=938.54;計算値:938.92;Rt=4.38min。
化合物番号9:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=935.52;計算値:935.92;Rt=5.47min。
化合物番号10:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=961.54;計算値:961.96;Rt=5.92min。
化合物番号11:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=905.50;計算値:905.85;Rt=5.07min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.76(dd,J=7.7,1.0Hz,1H),7.66-7.58(m,2H),7.54-7.46(m,2H),7.39(ddd,J=8.5,7.3,1.5Hz,1H),7.16(td,J=8.1,1.2Hz,1H),7.11(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.78(d,J=1.9Hz,1H),5.17(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.00(d,J=11.0Hz,1H),4.79(d,J=11.0Hz,1H),4.58-4.41(m,2H),4.00-3.84(m,2H),3.55-3.44(m,1H),3.42-3.33(m,1H),3.08-2.96(m,1H),2.97-2.86(m,1H),2.86-2.73(m,2H),2.53(qd,J=13.2,4.7Hz,1H),2.37(s,6H),2.24-2.08(m,2H),2.03-1.81(m,5H),1.81-1.60(m,4H),1.58-1.42(m,1H),1.29-1.13(m,2H)。
化合物番号12:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=893.48;計算値:893.84;Rt=4.85min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.76(dd,J=7.6,1.1Hz,1H),7.69-7.60(m,2H),7.55-7.46(m,2H),7.40(ddd,J=8.5,7.2,1.5Hz,1H),7.19(td,J=8.1,1.2Hz,1H),7.10(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.79(d,J=1.9Hz,1H),5.18(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.07(d,J=11.0Hz,1H),4.80(dd,J=11.1,2.1Hz,1H),4.57-4.41(m,2H),4.30(p,J=7.6Hz,1H),4.04-3.87(m,1H),3.61-3.50(m,1H),3.46-3.35(m,1H),3.29-3.15(m,2H),3.05-2.85(m,2H),2.85-2.73(m,2H),2.65-2.40(m,3H),2.24-2.11(m,3H),2.06-1.80(m,6H),1.76(d,J=12.6Hz,2H),1.73-1.58(m,2H),1.51(q,J=13.8Hz,1H),1.27-1.13(m,2H)。
化合物番号13:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=945.55;計算値:975.98;Rt=6.01min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.76(dd,J=7.7,1.1Hz,1H),7.70(s,1H),7.67-7.60(m,2H),7.55-7.46(m,2H),7.40(ddd,J=8.5,7.2,1.5Hz,1H),7.16(td,J=8.1,1.2Hz,1H),7.11(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),6.80(d,J=1.9Hz,1H),5.17(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.09(d,J=11.1Hz,1H),4.72(d,J=11.1Hz,1H),4.56-4.40(m,2H),4.06-3.92(m,2H),3.40(t,J=10.8Hz,2H),3.06-2.84(m,2H),2.84-2.73(m,1H),2.68(d,J=14.1Hz,1H),2.53(qd,J=13.2,4.7Hz,1H),2.24-2.12(m,1H),2.13-2.00(m,2H),2.00-1.87(m,8H),1.85(d,J=3.4Hz,1H),1.84-1.72(m,6H),1.71-1.56(m,3H),1.50-1.28(m,3H),1.01(s,3H),0.76(s,3H)。
化合物番号14:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=931.58;計算値:931.48;Rt=5.27min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.76(dd,J=7.7,1.1Hz,1H),7.68(s,1H),7.62(dd,J=7.7,1.1Hz,1H),7.55-7.44(m,3H),7.25-7.11(m,2H),7.10(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.78(d,J=2.0Hz,1H),5.17(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.11(d,J=11.2Hz,1H),4.70(d,J=11.2Hz,1H),4.56-4.41(m,2H),4.05-3.91(m,2H),3.40(t,J=11.1Hz,2H),3.05-2.85(m,2H),2.85-2.74(m,2H),2.53(qd,J=13.2,4.7Hz,1H),2.23-2.13(m,2H),2.02-1.84(m,11H),1.86-1.71(m,8H),1.72-1.58(m,2H),1.52(q,J=13.7Hz,1H),1.30-1.13(m,2H)。
化合物番号15:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=935.52;計算値:935.92;Rt=4.81min。
化合物番号16:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=949.54;計算値:949.95;Rt=4.86min。
化合物番号17:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=905.54;計算値:905.44;Rt=4.83min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ8.18(d,J=7.8Hz,1H),7.76(dd,J=7.7,1.1Hz,1H),7.62(dd,J=7.7,1.1Hz,1H),7.55-7.45(m,3H),7.24-7.11(m,3H),7.10(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),6.78(d,J=1.9Hz,1H),5.16(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),5.12(d,J=11.1Hz,1H),4.78(d,J=11.2Hz,1H),4.56-4.40(m,2H),4.02-3.90(m,1H),3.86-3.75(m,1H),3.73-3.59(m,1H),3.46-3.34(m,2H),3.05-2.82(m,3H),2.84-2.73(m,1H),2.63-2.44(m,2H),2.25-2.12(m,2H),2.05-1.83(m,7H),1.83-1.43(m,11H),1.34- 1.16(m,3H),1.03-0.88(m,1H)。
化合物番号22:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=935.48;計算値:935.92;Rt=4.73min。
化合物番号23:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=907.48;計算値:907.87;Rt=4.60min。
化合物番号24:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=943.47;計算値:943.90;Rt=6.42min。
化合物番号25:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=861.56;計算値:861.41;Rt=4.36min。
化合物番号26:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=877.53;計算値:877.86;Rt=4.60min。
化合物番号27:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=843.55;計算値:843.42;Rt=4.18min。
化合物番号28:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=945.48;計算値:945.87;Rt=6.24min。
化合物番号29:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=921.57;計算値:921.89;Rt=4.70min。
化合物番号30:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=935.56;計算値:935.92;Rt=5.27min。
化合物番号31:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=961.59;計算値:961.96;Rt=5.81min。
化合物番号32:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=893.53;計算値:893.84;Rt=4.62min。
化合物番号33:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=919.54;計算値:919.88;Rt=4.93min。
化合物番号34:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=1178.07;計算値:1178.30;Rt=6.72min。
化合物番号35:LC-MS(ESI)m/z(M+2H)+=629.12;計算値:629.16;Rt=5.63min。
化合物番号36:LC-MS(ESI)m/z(M+2H)+=635.46;計算値:635.66;Rt=5.05min。
化合物番号37:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=875.45;計算値:875.90;Rt=6.11min。
化合物番号38:LC-MS(ESI)m/z(M+H)+=951.52;計算値:951.94;Rt=7.33min;1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ7.90(s,1H),7.76(dd,J=7.6,1.0Hz,1H),7.67-7.60(m,2H),7.51(t,J=7.6Hz,1H),7.41-7.35(m,2H),7.32(t,J=8.4Hz,1H),7.27-7.16(m,2H),5.17(dd,J=13.3,5.2Hz,1H),4.70(d,J=7.8Hz,1H),4.57-4.42(m,2H),4.31(d,J=7.7Hz,1H),4.10-3.99(m,2H),3.94(d,J=9.3Hz,1H),3.48-3.38(m,2H),3.07-2.97(m,1H),2.98-2.84(m,2H),2.84-2.72(m,2H),2.54(qd,J=13.3,4.7Hz,2H),2.19(ddq,J=10.4,5.3,2.6Hz,1H),2.06-1.91(m,10H),1.75-1.57(m,3H),1.35-1.26(m,2H),0.93(s,9H)。
実施例6
細胞増殖阻害
細胞生存能に対する代表的な本開示の化合物の効果を4日間の増殖アッセイで決定した。表4を参照されたい。37℃及び5%CO2の雰囲気で10%FBSを有する適切な培養培地中に細胞を維持した。また、各種細胞系の細胞生存能に対するMDM2阻害剤(化合物A、米国特許第8,629,141号明細書の化合物例番号22を参照されたい)及び既知のMDM2デグレーダー(化合物D、国際公開第2017/0176957号パンフレットの化合物番号175を参照されたい)の効果もまた、表5に含まれる。本開示の化合物番号4及び6は、化合物A及びDと比較して、試験されたすべての細胞系で驚くほどより強力である。化合物Aの構造は、
である。化合物Dの構造は、
である。
細胞増殖阻害
細胞生存能に対する代表的な本開示の化合物の効果を4日間の増殖アッセイで決定した。表4を参照されたい。37℃及び5%CO2の雰囲気で10%FBSを有する適切な培養培地中に細胞を維持した。また、各種細胞系の細胞生存能に対するMDM2阻害剤(化合物A、米国特許第8,629,141号明細書の化合物例番号22を参照されたい)及び既知のMDM2デグレーダー(化合物D、国際公開第2017/0176957号パンフレットの化合物番号175を参照されたい)の効果もまた、表5に含まれる。本開示の化合物番号4及び6は、化合物A及びDと比較して、試験されたすべての細胞系で驚くほどより強力である。化合物Aの構造は、
96ウェル平底(Corning COSTAR,Corning,NY,cat#3595)に100μLの培養培地中2,000~3,000細胞/ウェルの密度で細胞を播種した。化合物を適切な培地で段階希釈し、100μLの希釈された化合物を細胞プレートの適切なウェルに添加した。化合物の添加後、細胞を5%CO2の雰囲気中37℃で4日間インキュベートした。製造業者の説明書に従ってWST(2-(2-メトキシ-4-ニトロフェニル)-3-(4-ニトロフェニル)-5-(2,4-ジスルホフェニル)-2H-テトラゾリウム、モノナトリウム塩)Cell Counting-8 Kit(Dojindo Molecular Technologies,Inc.,Rockville,MD)を用いて細胞生存能を決定した。
WST-8試薬を10%(v/v)の最終濃度で各ウェルに添加し、次いで、発色のためにプレートを37℃で1~2時間インキュベートした。SPECTRAmax PLUSプレートリーダー(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を用いて450nmで吸光度を測定した。読み値をDMSO処理細胞に規格化し、GraphPad Prism5ソフトウェア(GraphPad Software,La Jolla,CA)を用いて非線形回帰(変動傾き、最小二乗当てはめ、及び拘束なしで4パラメーターシグモイド当てはめ)分析により半値阻害濃度(IC50)を計算した。
実施例7
LNCaP及び22Rv1ヒト前立腺異種移植モデルでのin vivo効力試験
トリプシン(0.25%)-EDTA(0.53mM)(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)を用いてLNCaP(ヒト前立腺)腫瘍細胞を採取し、成長培地を添加し、そして細胞を氷上に配置した。細胞サンプルをトリパンブルー(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)と1:1で混合し、血球計でカウントして生/死細胞の数を決定した。細胞を1×PBS(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)で2回洗浄し、5mg/mlの最終Matrigelタンパク質濃度で1:1 PBS及びMatrigel(BD Biosciences,Invitrogen Corp.)の氷冷混合物中に再懸濁した。Matrigelを用いて0.1ml中5×106細胞で雄C.B-17SCIDマウスにLNCaP腫瘍を接種した。細胞を各マウスの側腹領域にs.c.注入した。マウスにおいて成長する腫瘍のサイズをキャリパーを用いた2次元で測定した。腫瘍体積(mm3)=(A×B2)/2、ただし、A及びBは、それぞれ、腫瘍の長さ及び幅(mm単位)である。治療時、腫瘍体積及び体重を週2~3回測定した。治療停止後、腫瘍体積及び体重を少なくとも週1回測定した。治療開始前、腫瘍を100~200mm3の体積に成長させた。許容可能サイズ範囲内の腫瘍を有するマウスを7マウス/群の治療群にランダム化した。25%PEG400:9%CremophorEL:66%PBSの溶液で実験化合物を静脈内に5週間にわたり週1回与えた。類似のプロトコルを用いて、マウスの22Rv1ヒト前立腺癌モデルで化合物番号4及び化合物番号6の抗腫瘍活性を評価した。図1及び図2を参照されたい。
LNCaP及び22Rv1ヒト前立腺異種移植モデルでのin vivo効力試験
トリプシン(0.25%)-EDTA(0.53mM)(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)を用いてLNCaP(ヒト前立腺)腫瘍細胞を採取し、成長培地を添加し、そして細胞を氷上に配置した。細胞サンプルをトリパンブルー(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)と1:1で混合し、血球計でカウントして生/死細胞の数を決定した。細胞を1×PBS(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)で2回洗浄し、5mg/mlの最終Matrigelタンパク質濃度で1:1 PBS及びMatrigel(BD Biosciences,Invitrogen Corp.)の氷冷混合物中に再懸濁した。Matrigelを用いて0.1ml中5×106細胞で雄C.B-17SCIDマウスにLNCaP腫瘍を接種した。細胞を各マウスの側腹領域にs.c.注入した。マウスにおいて成長する腫瘍のサイズをキャリパーを用いた2次元で測定した。腫瘍体積(mm3)=(A×B2)/2、ただし、A及びBは、それぞれ、腫瘍の長さ及び幅(mm単位)である。治療時、腫瘍体積及び体重を週2~3回測定した。治療停止後、腫瘍体積及び体重を少なくとも週1回測定した。治療開始前、腫瘍を100~200mm3の体積に成長させた。許容可能サイズ範囲内の腫瘍を有するマウスを7マウス/群の治療群にランダム化した。25%PEG400:9%CremophorEL:66%PBSの溶液で実験化合物を静脈内に5週間にわたり週1回与えた。類似のプロトコルを用いて、マウスの22Rv1ヒト前立腺癌モデルで化合物番号4及び化合物番号6の抗腫瘍活性を評価した。図1及び図2を参照されたい。
実施例8
RS4;11ヒトALL異種移植モデルでのin vivo効力試験
RS4;11腫瘍をサスペンジョンで成長させた。細胞サンプルをトリパンブルー(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)と1:1で混合し、血球計でカウントして生/死細胞の数を決定した。細胞を1×PBS(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)で2回洗浄し、5mg/mlの最終Matrigelタンパク質濃度で1:1 PBS及びMatrigel(BD Biosciences,Invitrogen Corp.)の氷冷混合物中に再懸濁した。Matrigelを用いて0.1mL中5×106細胞で雌C.B-17SCIDマウスにRS4;11腫瘍を接種した。細胞を各マウスの側腹領域にs.c.注入した。マウスにおいて成長する腫瘍のサイズをキャリパーを用いた2次元で測定した。腫瘍体積(mm3)=(A×B2)/2、ただし、A及びBは、それぞれ、腫瘍の長さ及び幅(mm単位)である。治療時、腫瘍体積及び体重を週2~3回測定した。治療停止後、腫瘍体積及び体重を少なくとも週1回測定した。治療開始前、腫瘍を60~140mm3の体積に成長させた。許容可能サイズ範囲内の腫瘍を有するマウスを5マウス/群の治療群にランダム化した。化合物番号4及び化合物番号6は、25%PEG400:9%CremophorEL:66%PBSの溶液で2週間にわたり週3回静脈内投与され、PEG200の溶液で2週間にわたり週5回経口投与された。図3を参照されたい。
RS4;11ヒトALL異種移植モデルでのin vivo効力試験
RS4;11腫瘍をサスペンジョンで成長させた。細胞サンプルをトリパンブルー(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)と1:1で混合し、血球計でカウントして生/死細胞の数を決定した。細胞を1×PBS(GIBCO(商標),Invitrogen Corp.)で2回洗浄し、5mg/mlの最終Matrigelタンパク質濃度で1:1 PBS及びMatrigel(BD Biosciences,Invitrogen Corp.)の氷冷混合物中に再懸濁した。Matrigelを用いて0.1mL中5×106細胞で雌C.B-17SCIDマウスにRS4;11腫瘍を接種した。細胞を各マウスの側腹領域にs.c.注入した。マウスにおいて成長する腫瘍のサイズをキャリパーを用いた2次元で測定した。腫瘍体積(mm3)=(A×B2)/2、ただし、A及びBは、それぞれ、腫瘍の長さ及び幅(mm単位)である。治療時、腫瘍体積及び体重を週2~3回測定した。治療停止後、腫瘍体積及び体重を少なくとも週1回測定した。治療開始前、腫瘍を60~140mm3の体積に成長させた。許容可能サイズ範囲内の腫瘍を有するマウスを5マウス/群の治療群にランダム化した。化合物番号4及び化合物番号6は、25%PEG400:9%CremophorEL:66%PBSの溶液で2週間にわたり週3回静脈内投与され、PEG200の溶液で2週間にわたり週5回経口投与された。図3を参照されたい。
実施例9
生存試験
コンディショニング
雌NOD SCID(NOD.CB17-Prkdcscid/NCrHsd)マウスをEnvigo,USAから得た。8~10週齢で、UM Hospital Pharmacyから得た150mg/kgシクロホスファミド(CPM)(NDC 10019-956-01 Baxter Healthcare Corporation,Deerfield,IL)を無菌生理食塩水(0.9%塩化ナトリウムNDC0409-4888-06)で15mg/mLの濃度に溶解してマウスを前治療した。10μl/g体重の体積を用いてマウスに24時間間隔で2日間IP注入した。コンディショニングの開始時、治療の効果を軽減するために食事ゲルを各ケージに提供し、続いて実験全体を通じて供給した。
生存試験
コンディショニング
雌NOD SCID(NOD.CB17-Prkdcscid/NCrHsd)マウスをEnvigo,USAから得た。8~10週齢で、UM Hospital Pharmacyから得た150mg/kgシクロホスファミド(CPM)(NDC 10019-956-01 Baxter Healthcare Corporation,Deerfield,IL)を無菌生理食塩水(0.9%塩化ナトリウムNDC0409-4888-06)で15mg/mLの濃度に溶解してマウスを前治療した。10μl/g体重の体積を用いてマウスに24時間間隔で2日間IP注入した。コンディショニングの開始時、治療の効果を軽減するために食事ゲルを各ケージに提供し、続いて実験全体を通じて供給した。
細胞接種
その翌日、CPMの2回目の投与の24時間後、側方尾静脈を介して0.15mL中5×106RS4;11細胞を各動物に注入した。ATCCからRS4;11細胞(マウス及びヒトウイルスフリー認証)を得て、5%CO2インキュベーター中でペニシリン/ストレプトマイシン(Lifetech)及び10%ウシ胎仔血清(Sigma)が補足されたRPMI培地で成長させた。注射のために、細胞をPBSで2回洗浄し、3.3×107RS4;11細胞/mLの濃度で無菌生理食塩水に再懸濁させた。
その翌日、CPMの2回目の投与の24時間後、側方尾静脈を介して0.15mL中5×106RS4;11細胞を各動物に注入した。ATCCからRS4;11細胞(マウス及びヒトウイルスフリー認証)を得て、5%CO2インキュベーター中でペニシリン/ストレプトマイシン(Lifetech)及び10%ウシ胎仔血清(Sigma)が補足されたRPMI培地で成長させた。注射のために、細胞をPBSで2回洗浄し、3.3×107RS4;11細胞/mLの濃度で無菌生理食塩水に再懸濁させた。
治療
細胞注射の13日後、マウスを9~10匹のマウスの治療群にランダム化し、それらのケージメイトに順応させた。翌日、細胞注射の2週間後(治療1日目、腫瘍15日目)、治療を開始した。化合物番号4及び化合物番号6は、25%PEG400:9%CremophorEL:66%PBSの溶液で静脈内投与され、PEG200の溶液で経口投与された。
細胞注射の13日後、マウスを9~10匹のマウスの治療群にランダム化し、それらのケージメイトに順応させた。翌日、細胞注射の2週間後(治療1日目、腫瘍15日目)、治療を開始した。化合物番号4及び化合物番号6は、25%PEG400:9%CremophorEL:66%PBSの溶液で静脈内投与され、PEG200の溶液で経口投与された。
アセスメント
マウスを毎日チェックし、週3回体重測定した。病気の最初の徴候が出現したとき、その後はすべてのマウスを毎日体重測定した。切迫した病気の徴候は、体重減少、猫背及びうす汚い又は青ざめた外観、運動性減少、後肢不随、膨隆腹、眼の異常、呼吸器障害であった。>20%体重減少、完全な後肢麻痺、又は1個体にいくつかの症状の存在のどれかが見られたとき、動物を安楽死させた。CO2過剰用量を用いてマウスを安楽死させた。脾臓を取り出し、ルーラーと共に写真撮影し、体重測定し、そして1)パラフィン切片のためにホルマリン固定、2)凍結切片のために型に入れてOCT媒体中に包埋、3)後続の分析のために遠心分離管内でピースの液体窒素スナップ凍結、に対して、3分割した。胸骨を取り出し、骨髄パラフィン切片のためにホルマリン固定した。図4及び図5を参照されたい。
マウスを毎日チェックし、週3回体重測定した。病気の最初の徴候が出現したとき、その後はすべてのマウスを毎日体重測定した。切迫した病気の徴候は、体重減少、猫背及びうす汚い又は青ざめた外観、運動性減少、後肢不随、膨隆腹、眼の異常、呼吸器障害であった。>20%体重減少、完全な後肢麻痺、又は1個体にいくつかの症状の存在のどれかが見られたとき、動物を安楽死させた。CO2過剰用量を用いてマウスを安楽死させた。脾臓を取り出し、ルーラーと共に写真撮影し、体重測定し、そして1)パラフィン切片のためにホルマリン固定、2)凍結切片のために型に入れてOCT媒体中に包埋、3)後続の分析のために遠心分離管内でピースの液体窒素スナップ凍結、に対して、3分割した。胸骨を取り出し、骨髄パラフィン切片のためにホルマリン固定した。図4及び図5を参照されたい。
実施例10
ウェスタンブロット分析
RS4;11細胞を化合物番号4及び化合物番号6(MDM2デグレーダー)又は化合物B及び化合物C(MDM2阻害剤)で2時間治療した。特異的抗体を用いてMDM2及びp53タンパク質をプローブした。GAPDHをローディングコントロールとして使用した。ウェスタンブロット分析は、化合物番号4及び化合物番号6がMDM2タンパク質を低減し且つp53タンパク質レベルを増加させること、並びに化合物B及び化合物CがRS4;11細胞でMDM2及びp53タンパク質レベルを増加させることを示す。図6を参照されたい。化合物B(米国特許第8,629,141号明細書の化合物例番号24を参照されたい)及び化合物Cの構造は、以下の通りである。
ウェスタンブロット分析
RS4;11細胞を化合物番号4及び化合物番号6(MDM2デグレーダー)又は化合物B及び化合物C(MDM2阻害剤)で2時間治療した。特異的抗体を用いてMDM2及びp53タンパク質をプローブした。GAPDHをローディングコントロールとして使用した。ウェスタンブロット分析は、化合物番号4及び化合物番号6がMDM2タンパク質を低減し且つp53タンパク質レベルを増加させること、並びに化合物B及び化合物CがRS4;11細胞でMDM2及びp53タンパク質レベルを増加させることを示す。図6を参照されたい。化合物B(米国特許第8,629,141号明細書の化合物例番号24を参照されたい)及び化合物Cの構造は、以下の通りである。
22RV1細胞を化合物番号4及び化合物D(MDM2デグレーダー)又は化合物A(MDM2阻害剤)で2時間治療した。特異的抗体を用いてMDM2及びp53タンパク質をプローブした。GAPDHをローディングコントロールとして使用した。ウェスタンブロット分析は、化合物番号4及び化合物番号DがMDM2タンパク質を低減し且つp53タンパク質レベルを増加させること、並びに化合物Aが22RV1細胞でMDM2及びp53タンパク質レベルを増加させることを示す。
図7を参照されたい。
図7を参照されたい。
実施例11
薬動学
化合物No.4及び6並びに化合物Dの薬動学をマウスにおいて評価した。経口及びIV投与量並びに関連薬動学的パラメーターは表6に提供される。
薬動学
化合物No.4及び6並びに化合物Dの薬動学をマウスにおいて評価した。経口及びIV投与量並びに関連薬動学的パラメーターは表6に提供される。
個別PK実験では、化合物D並びに化合物番号4、6、及び14の血漿中濃度を、50mg/kgの経口投与後、それぞれ、表7~10に示される時点でマウスにおいて評価した。
上記の実施形態及び例証は、本開示の範囲に関してなんら限定することが意図されるものではなく、本明細書に提示される特許請求の範囲は、本明細書に明示的に提示されるか否かにかかわらず、すべての実施形態及び例証を包含することが意図されることが理解されるべきである。
本明細書に引用された特許及び刊行物はすべて、その全体が参照により完全に組み込まれる。
Claims (85)
- 式I:
R1a及びR1bは、独立して、水素、フルオロ、及びクロロからなる群から選択され、
R2a及びR2bは、独立して、水素、フルオロ、及びクロロからなる群から選択され、
R3aは、-CH2C(CH3)3であり、
R3bは、水素であり、或いは
R3a及びR3bは、それらが結合されている炭素原子と一緒になって、無置換であるか又は1個若しくは2個のメチル基で置換されているシクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を形成し、
R4は、水素、メチル、及びエチルからなる群から選択され、
Xは、
各R5は、独立して、水素及びメチルからなる群から選択され、
R6は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシからなる群から選択される)
からなる群から選択され、
Yは、
R7は、水素、ヒドロキシ、及びメチルからなる群から選択される)
からなる群から選択され、
Lは、-(CH2)m-及び-(CH2CH2O)n-からなる群から選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり、
nは、2、3、4、5、又は6であり、
Zは、-C≡C-、-NH-、-O-、及び
Zは、不在であり、
Aは、
の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。 - R3aが-CH2C(CH3)3であり且つR3bが水素である、請求項1に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R3a及びR3bがそれらが結合されている炭素原子と一緒になって無置換のシクロヘキシル基を形成する、請求項1に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R3a及びR3bがそれらが結合されている炭素原子と一緒になって1個若しくは2個のメチル基で置換されているシクロヘキシル基を形成する、請求項1に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R4が水素である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
- R4がメチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
- XがX-1である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-2である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-3である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-4である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-5である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-6である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-7である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-8である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-9である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R5が水素である、請求項1~9、11、12、又は14のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R5がメチルである、請求項1~9、11、12、又は14のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- Yが-N(H)-である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- YがY-2である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R7が水素である、請求項19に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R7がメチルである、請求項19に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- YがY-3である、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- Lが-(CH2)m-である、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- mが0、1、2、若しくは3である、請求項23に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- Lが-(CH2CH2O)n-である、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- Zが-C≡C-である、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- Zが不在である、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- AがA-1である、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- AがA-2である、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- AがA-3である、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R2aがフルオロ及びクロロからなる群から選択される、請求項32に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R2bがフルオロ及びクロロからなる群から選択される、請求項32に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R4が水素である、請求項32~34のいずれか一項に記載の化合物。
- R4がメチルである、請求項32~34のいずれか一項に記載の化合物。
- XがX-1である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-2である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-3である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-4である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-5である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-6である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-7である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-8である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- XがX-9である、請求項32~36のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R5が水素である、請求項32~39、41、42、若しくは44のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- R5がメチルである、請求項32~39、41、42、又は44のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- 表1の化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- (3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-((1r,4R)-4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イルエチニル)ピペリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドである、請求項48に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- (3’R,4’S,5’R)-6”-クロロ-4’-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-N-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-2”-オキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-ピロリジン-3’,3”-インドリン]-5’-カルボキサミドである、請求項48に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- 2-((3R,5R,6S)-5-(3-クロロフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-1-((S)-1-(イソプロピルスルホニル)-3-メチルブタン-2-イル)-3-メチル-2-オキソピペリジン-3-イル)-N-(5-(2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)ペント-4-イン-1-イル)アセトアミドである化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- (2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-N-(4-(4-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-4-イル)エチニル)ピペリジン-1-カルボニル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル)-5-ネオペンチルピロリジン-2-カルボキサミドである化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- 前記薬学的に許容可能な塩がエタン-1,2-ジスルホン酸塩又はナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩である、請求項1~50のいずれか一項に記載の化合物。
- 請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物。
- 必要とする被験者を治療する方法であって、治療有効量の請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物を前記被験者に投与することを含み、前記被験者が癌を有する、方法。
- 前記癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、請求項55に記載の方法。
- 前記癌が血液癌である、請求項56に記載の方法。
- 前記血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、請求項57に記載の方法。
- 前記癌の治療に有用な治療有効量の第2の治療剤を投与することをさらに含む、請求項55~58のいずれか1項に記載の方法。
- 癌の治療における使用のための、請求項54に記載の医薬組成物。
- 前記癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、請求項60に記載の医薬組成物。
- 前記癌が血液癌である、請求項61に記載の医薬組成物。
- 前記血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、請求項62に記載の医薬組成物。
- 癌の治療における使用のための、請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物。
- 前記癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、請求項64に記載の使用のための化合物。
- 前記癌が血液癌である、請求項65に記載の使用のための化合物。
- 前記血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、請求項66に記載の使用のための化合物。
- 癌の治療のための医薬の製造のための、請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物の使用。
- 前記癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、請求項68に記載の使用。
- 前記癌が血液癌である、請求項69に記載の使用。
- 前記血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、請求項70に記載の使用。
- 請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物と、癌を有する被験者に前記化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物を投与するための説明書と、を含むキット。
- 前記癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、請求項72に記載のキット。
- 前記癌が血液癌である、請求項73に記載のキット。
- 前記血液癌が表3の癌のいずれか1つ以上である、請求項74に記載のキット。
- 1種以上の追加の治療剤をさらに含む、請求項72~75のいずれか1項に記載のキット。
- 癌を有する被験者を治療する方法であって、
(a)前記被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が前記生物学的サンプルに存在する場合に治療有効量の請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩を前記被験者に投与することと、
を含む方法。 - 癌を有する被験者が請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物による治療の候補者であるかを同定する方法であって、
(a)前記被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することと、
(b)MDM2の過剰発現が存在する場合に前記被験者を治療の候補者であるとして同定することと、又は
(c)MDM2の過剰発現が不在である場合に前記被験者を治療の候補者ではないとして同定することと、
を含む方法。 - 癌を有する被験者において治療アウトカムを予測する方法であって、前記被験者から採取された生物学的サンプルにMDM2の過剰発現が存在するか不在であるかを決定することを含み、
(a)前記生物学的サンプルでのMDM2の過剰発現の存在が、前記被験者への請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩の投与により前記被験者において治療反応が生成されることの指標となり、且つ
(b)前記生物学的サンプルでのMDM2の過剰発現の不在が、前記被験者への請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩の投与により前記被験者において治療反応が生成されないことの指標となる、
方法。 - 治療有効量の請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物又はそれらの薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物をそれを必要とする被験者に投与することを含む方法であって、
(a)前記被験者が癌を有し、且つ
(b)前記癌がMDM2の過剰発現を有するものとして特徴付けられる、
方法。 - 前記癌が表2の癌のいずれか1つ以上である、請求項77~80のいずれか一項に記載の方法。
- 前記癌が血液癌である、請求項81に記載の方法。
- 前記血液癌が表3の血液癌のいずれか1つ以上である、請求項82に記載の方法。
- 前記血液癌が、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、又は急性ミエロイド白血病である、請求項83に記載の方法。
- (3-(4-((1-((1r,4r)-4-アミノシクロヘキサン-1-カルボニル)ピペリジン-4-イル)エチニル)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである化合物。
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