JP2022189647A - 固体撮像装置および電子機器 - Google Patents

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俊作 花岡
Shunsaku Hanaoka
裕治 岸上
Yuji Kishigami
栄一郎 岸田
Eiichiro Kishida
綾香 関
Ayaka Seki
祐司 原
Yuji Hara
正義 小野
Masayoshi Ono
淳喜 小森
Junki Komori
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Abstract

【課題】環境的な要因などに起因した熱変動に伴い、熱応力が発生し、カバーガラスなどにクラックを生じたり、封止樹脂の剥離などをもたらしたりするトラブルを回避することができるばかりか、電気的な配線接続作業に関し格別な困難性を伴わない固体撮像装置を提供する。【解決手段】入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部とこの中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、支持体の上部が開口した開口部を有し、空間の底面の搭載領域に固体撮像素子が搭載される基板と、基板の一面側の支持体に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、を備え、カバーガラスは、樹脂封止部で一体に封止されているとともに、樹脂封止部には、カバーガラス近傍を含む上面側に、底面に向けて凹所が形成されている。【選択図】図2

Description

本技術は、固体撮像装置およびこれを備えた電子機器に関する。
近年、デジタルカメラや携帯電話、或いは車載用のカメラなどの小型化に伴い、それに搭載される固体撮像装置にも小型化が要求されている。このような固体撮像装置には、例えば、固体撮像素子(ベアチップ)とカバーガラス(蓋体)とを備える構成のものが知られている。
このような固体撮像装置における固体撮像素子には、入射光を電荷に変換する能動領域が形成された中央部およびその周囲に設けられた周縁部を有する。また、カバーガラスには、能動領域に対向する基部と、該固体撮像素子の該周縁部に接着される側部とを有する。
ところで、このような固体撮像装置を製造するには、通常、接着剤などによって固体撮像素子の周縁部にカバーガラスの側部を接着した後に、その周縁部の外周側に配置されている電極と配線導体とを、ワイヤボンディングによって接続することになる。
このような構成の固体撮像装置の製造方法では、カバーガラスの側部の下面を固体撮像素子の周縁部に接着した後に電極と配線導体とをワイヤボンディングによって接続するが、この際、接着剤が電極に付着しないようにするため、
・電極を周縁部から遠ざけるか、
・電極が接着剤によって覆われないように電極を大きくすること、
が必要であった。
さらに、ワイヤボンディングを実施する際に使用されうるボンディングキャピラリがカバーと干渉しないように電極を配置することが必要であり、これが固体撮像素子の大型化をもたらしている。
そこで、例えば特許文献1に記載のものが知られている。即ち、この固体撮像装置では、ワイヤボンディング(ワイヤなどによる接続)の後に、カバーガラスを固体撮像素子に固定することで、ボンディングキャピラリがカバーガラスと接触することが回避されている。また、接着剤が電極パッドの上にはみ出したとしても、その前に既にワイヤなどが接続されているので問題はない。よって、カバーガラスと電極パッドとの間に大きな距離を設ける必要がなく、その分の小型化が可能となっている。
しかしながら、このような製造方法で形成される固体撮像装置であっても、例えば基板にカバーガラスを取り付ける際に用いる封止樹脂とカバーガラスとの間では、有機物と無機物との材質的な違いなどのため、双方の熱膨張係数(Coefficient of Thermal expansion:以下、“CTE”とよぶ場合がある)には数値的に大きな隔たりがある。このため、環境的な要因などに起因した熱変動に伴い、熱応力が発生し、カバーガラスなどにクラックを生じたり、封止樹脂の剥離などをもたらしたりする虞がある。
また、例えば特許文献2に記載の半導体装置には、上部が開放された容器型の支持体の底部(即ち、半導体素子搭載面)に、この素子搭載面領域の各辺に沿って貫通穴部を設けることにより、封止樹脂の硬化時の応力を低減して光透過性を有する蓋体(カバーガラス)の露出面の端部等の破損を回避できる半導体装置も提案されている。
即ち、この特許文献2に記載の半導体装置では、導体部(リード)が一体に設けられた容器型の支持体の底部の内面(上面)がダイアタッチ面となっており、そのダイアタッチ面には半導体素子(光学素子)がダイスボンド材(ダイアタッチ材)によりダイボンド(ダイアタッチ)されている。また、ダイアタッチ面の両側の段部上のリードと半導体素子上の電極パッドとは、ワイヤなどによりワイヤボンドされている。
また、半導体素子(光学素子)がダイアボンドされているダイアタッチ面の上部は、支持体内部の開放された内部空間を構成しているが、この開放された内部空間の上面である受光面はカバーガラス(蓋体)で封止されている。即ち、このカバーガラスは、上面を露出させた状態で周辺部分を封止樹脂部により樹脂封止されている。封止樹脂部を構成する封止樹脂には、一般的に熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が用いられる。
ところで、薄型化を図った半導体装置にあっては、通常、カバーガラスの周囲に封止樹脂を充填する構造である。このため、封止樹脂の硬化時の膨張収縮による応力が、封止樹脂と支持体との界面や封止樹脂と半導体素子との界面に加えて、カバーガラスの側面(外周面)にも作用する。その結果、封止樹脂と支持体との剥離や封止樹脂と半導体素子との剥離に加えて、カバーガラスの露出している面(露出面)の端部も破損を招くという問題がある。
このような問題を解決させるため、例えば上記の特許文献2に記載の半導体装置では、絶縁基板にガイドリング内部と連通する樹脂注入孔を設けるような構成となっている。しかしながら、このような構成のものでは、カバーガラスの露出面の端部の破損を回避することができない。
そこで、例えば特許文献3の半導体装置が提案されている。この半導体装置では、上部が開放された容器型の支持体の底部であるダイアタッチ面に、素子搭載領域の各辺に沿って貫通穴部を設けることにより、半導体装置を薄型化しながら、封止樹脂の硬化時の応力を低減してカバーガラスの露出面の端部の破損を回避させるように構成したものである。
特開2011-165774号公報 特開平8-236738号公報 特開2008-300462号公報
しかしながら、この特許文献3に記載の半導体装置にあっては、貫通穴部から封止樹脂を注入する際には、例えば貫通穴部の開口した底部側の穴から樹脂が漏れ出さないようするため、この注入に先立ち、例えば粘着テープで底部側の開口した穴をふさぐなどの事前の措置が必要である。しかも、このような粘着テープを剥離させる際に、粘着度にもよるが、封止樹脂やカバーガラスが一緒に引っ張られる虞もある。さらに、その際には、封止樹脂内にてこれと一体化されているワイヤなども同時に引張されて電極から剥離する虞もある。
さらに、この特許文献3に記載の半導体装置にあっては、全周を囲まれた狭い貫通穴部の中において、支持体内面に形成されているリードと半導体素子の電極パッドとをワイヤボンドして電気的な接続を行う必要があるので、狭い貫通穴部での接続作業が困難であるとともに、高い精度が要求される。
本技術の目的は、環境的な要因などに起因した熱変動に伴い、熱応力が発生し、カバーガラスなどにクラックを生じたり、封止樹脂の剥離などをもたらしたりするトラブルを回避することができるのと同時に、電気的な配線接続作業に関して格別な困難性と伴うことがない、固体撮像装置およびこれを備えた電子機器を提供することである。
本技術に係る固体撮像装置は、入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部と、この中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、前記支持体の上部が開口した開口部を有し、前記空間の底面の搭載領域に前記固体撮像素子が搭載される基板と、
前記基板の一面側の支持体に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、
前記カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、
を備え、
前記カバーガラスは、前記樹脂封止部で一体に封止されているとともに、
前記樹脂封止部には、前記カバーガラス近傍を含む上面側に、底面に向けて凹所が形成されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記固体撮像素子と外部との電気的接続を図るために、前記基板側の外周側に設けた電極に一端がボンディング接続された線材を有するとともに、前記凹所は、前記樹脂封止部の、前記線材に達しない深さの範囲内で、前記カバーガラス近傍に形成されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記凹所は、前記樹脂封止部の、前記カバーガラスの全周近傍を囲設する状態で形成されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記凹所は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周のうち、少なくとも1辺側に形成されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記少なくとも1辺側に形成される前記凹所は、リボン形状又は丸形状のものが、少なくとも1箇所以上に設けられているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記凹所は、前記カバーガラスの近傍から外周に至るまで、前記カバーガラス当接部分以外の全領域に亘って形成されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記凹所は、縦断面が略矩形状、略U字状、略V字状のいずれかを有する溝であるものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記凹所は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周に形成されているとともに、
前記凹所には、上部にレンズを担持・支承するレンズホルダが固設されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記凹所は、少なくとも複数個所に形成されているとともに、
前記複数個所の凹所のうち、少なくとも1箇所のものは、前記カバーガラスを囲設する4辺の全周に連なって形成され、かつ、
前記凹所のうち、前記4辺全周に連なって形成された凹所には、上部にレンズを担持・支承するレンズホルダが固設されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周のうち、少なくとも1辺に設けた前記凹所には、高熱伝導部材、ヒートシンク、ペルチェ素子のうち少なくともいずれかが配設されているものである。
本技術に係る固体撮像装置の他の態様は、前記樹脂封止部には、該樹脂封止部の他に、該樹脂封止部に上から被覆する状態で、該封止樹脂とは異なる種類の第2の封止樹脂が設けられているとともに、
前記凹所は、前記第2の封止樹脂の下層の前記封止樹脂まで達する深さで形成されているものである。
本技術に係る電子機器は、入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部と、この中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、前記支持体の上部が開口した開口部を有し、前記空間の底面の搭載領域に前記固体撮像素子が搭載される基板と、
前記固体撮像素子と外部との電気的接続を図るために、前記基板側の外周側に設けた電極に一端がボンディング接続された線材と、
矩形、方形、円形のいずれかの外形形状を有し、前記基板の一面側に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、
前記カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、
を備えるとともに、
前記カバーガラスは、前記封止樹脂で前記線材ごとまとめて一体に封止され、かつ、
前記封止樹脂は、線材に達しない深さの範囲内で前記カバーガラス近傍を含む上面側に凹所が形成されている
固体撮像装置を備えたものである。
本技術によれば、広く解放されたエリアにおいて固体撮像素子側と基板側とのワイヤボンディングによる配線接続が行えるので、その配線作業が容易であり、延いては固体撮像装置の製造作業も容易である。しかも、本技術によれば、基板の一面側に下面の周縁部が接着されているカバーガラスの周囲を封止する封止樹脂は、カバーガラス近傍を含む上面側に凹所が形成されているので、カバーがラスと封止樹脂との線膨張率差が大きくても、熱変動に伴い、熱応力が発生し、カバーガラスなどにクラックを生じたり、封止樹脂の剥離などをもたらしたりするといった、トラブルを抑制することができ信頼度の高い固体撮像装置、及びこの固体撮像装置を備えた信頼度が高い電子機器が実現できる。
本技術の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す斜視図である。 Aは本技術の第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bは断面図である。 本技術に係る固体撮像装置の凹部であるスリット付きの樹脂封止部の製造用の金型枠を示す斜視図である。 A乃至Cは本技術に係る固体撮像装置の凹部である各種のスリットの底面形状を示す断面図である。 Aは本技術の第2の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bはその断面図である。 Aは本技術の第3の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bはその断面図である。 Aは本技術の第4の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bはその断面図である。 Aは本技術の第5の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bはその断面図である。 Aは本技術の第6の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bはその断面図である。 図9に示す第6の実施形態に係る固体撮像装置の作用効果を示す説明図である。 Aは本技術の第6の実施形態に係る固体撮像装置の変形例を示す平面図、Bはその断面図である。 本技術の第7の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。 Aは本技術の第8の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す平面図、Bはその断面図である。 本技術に係る第8の実施形態に係る固体撮像装置の第2スリットの配置状態を示す説明図である。 本技術の第9の実施形態に係る固体撮像装置の構成を示す断面図である。 本技術に係る固体撮像装置を備えた電子機器の格子柄を示すブロック図である。
本技術は、基板の一面側に下面の周縁部が接着されているカバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部において、カバーガラス近傍を含む上面側に凹所が形成されていることにより、樹脂封止部はカバーガラスと接触する長さ(量)を縮小させることで、熱膨張量及び熱応力も抑え込み、カバーガラスなどにクラックを生じたり、封止樹脂の剥離などをもたらしたりする、といったトラブルを回避しようとするものである。
以下、図面を参照して、本技術を実施するための形態(以下「実施形態」と称する。)を説明する。なお、実施形態の説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施形態に係る固体撮像装置
2.第1の実施形態に係る固体撮像装置の変形例(凹所の変形例)
3.第2の実施形態に係る固体撮像装置
4.第3の実施形態に係る固体撮像装置
5.第4の実施形態に係る固体撮像装置
6.第5の実施形態に係る固体撮像装置
7.第6の実施形態に係る固体撮像装置
8.第6の実施形態に係る固体撮像装置の変形例(カバーガラス配置の変形例)
9.第7の実施形態に係る固体撮像装置
10.第8の実施形態に係る固体撮像装置
11.第9の実施形態に係る固体撮像装置
12.電子機器の構成例
<第1の実施形態に係る固体撮像装置の構成例>
本技術の第1の実施形態に係る固体撮像装置1Aの構成例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1及び図2は、本技術の第1実施形態を示すものであり、この第1の実施形態に係る固体撮像装置1Aは、固体撮像素子としてのイメージセンサ2と、ダイボンド材5によりイメージセンサ2がダイボンドされた基板3と、基板3上にカバーガラス用接着樹脂(以下、これを「接着樹脂部9」とよぶ)で接着・支持された透光性部材としてのカバーガラス4と、基板3にイメージセンサ2を固着させるダイボンド材5と、樹脂封止部6と、樹脂封止部6に設けた凹所7(図2参照)と、基板3と外部との接続に用いる半田ボール8と、を備える。なお、図1においては、便宜上、カバーガラス4を二点鎖線で示している。また、この図1及び図2Aでは、構造を容易に理解することができるようにするため、各種の配線やパッド電極などの記載は省略している。
固体撮像装置1Aは、例えば、イメージセンサ2と基板3とを複数の金属バンプを介して電気的に接続した、いわゆるフリップチップ構造であってもよい。固体撮像装置1は、基板3の、イメージセンサ2側をダイボンディングしている表面3A側に、開口部30を覆うようにカバーガラス4をマウントし、イメージセンサ2とカバーガラス4との間に、基板3の開口部30の空間を含む密閉空間(以下、これを「キャビティ30A」と呼ぶことがある)を有するパッケージ構造を備えている。
イメージセンサ2は、半導体の一例であるシリコン(Si)製の半導体基板を含み、略矩形板状の半導体基板の一方面側(図1において上面側)を、外部からの光が入射する受光側とする。このイメージセンサ2は、固片化された矩形板状のチップであり、受光側の面を表面2Aとし、その反対側の面を裏面2Bとする。本実施形態に係るイメージセンサ2は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のイメージセンサである。ただし、イメージセンサ2はCCD(Charge Coupled Device)型のイメージセンサであってもよい。
イメージセンサ2は、半導体基板に形成されており、表面2A側の中央部には、多数の画素から構成され入射光を光電変換する能動領域が形成されている。即ち、このイメージセンサ2には、表面2A側の中央部に、受光部として、例えばベイヤ(Bayer)配列等の所定の配列で形成された多数の画素を含む受光領域である画素部20を有し、この画素部20の周囲を周辺領域とする。画素部20には、各画素における光電変換により信号電荷の生成、増幅、および読み出しを行う有効画素領域を含む。
画素部20の画素は、光電変換機能を有する光電変換部としてのフォトダイオード(Photodiode)と、複数の画素トランジスタとを有する。フォトダイオードは、イメージセンサ2の表面2A側から入射する光を受光する受光面を有し、その受光面に入射した光の光量(強度)に応じた量の信号電荷を生成する。複数のものからなる画素トランジスタは、例えば、フォトダイオードにより生成された信号電荷の増幅、転送、選択、およびリセットをそれぞれ受け持つMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタを有する。なお、複数の画素に関しては、複数の単位画素を構成するフォトダイオードおよび転送トランジスタが、他の1つずつの画素トランジスタを共有して構成される共有画素構造のものであってもよい。
イメージセンサ2の表面2A側には、いずれも図示しないが、所定の半導体基板に対して、酸化膜等からなる反射防止膜や、有機材料により形成された平坦化膜、さらに、カラーフィルタおよびオンチップレンズ(OCL)等が各画素に対応して設けられている。このような構成のイメージセンサ2では、外部からオンチップレンズに入射した光が、カラーフィルタや平坦化膜等を透過した後、フォトダイオードで受光される。
イメージセンサ2の構成としては、例えば、半導体基板の表面側に画素部2Aを形成した表面照射型(Front Side Illumination)のものや、光の透過率を向上させるためにフォトダイオード等を逆に配置し半導体基板の裏面側を受光面側とした裏面照射型(Back Side Illumination)のものや、画素群の周辺回路を積層した1チップとしたもの等がある。ただし、本技術に係るイメージセンサ2は、これらの構成のものに限定されない。
本実施形態のイメージセンサ2には、図2に示すように、中央側の画素部20とこの周辺側のパッド電極2Cなどとの電気的な接続を図るために、例えば表面2Aに所定のパターンで図示外のパターン配線が設けられている。また、このイメージセンサ2の周辺側に設けたパッド電極2Cなどと、このイメージセンサ2側のパッド電極2Cと、イメージセンサ2を搭載させている基板3側の表面3Aに設けた、後述するパッド電極3Cなどとの間には、ワイヤボンダなどによって金、銅、アルミニウムなどの適宜の金属で形成した線材10が設けてある。
基板3は、全体として矩形板状の外形を有し、一方の板面である表面3Aと、その反対側の他方の板面である裏面3Bとを有する。この基板3には、ダイボンド材5を用いダイボンダによってイメージセンサ2を表面3A側に搭載させている。また、この基板2の表面3A側には、イメージセンサ2の画素部2Aに受光される光を通すための開口部30を有する。なお、この基板3は、例えばプラスチック等の有機材料やセラミックス等の無機材料により形成された基材に、配線層や電極等を設けたものである。
基板3は、平行平板状のものから構成されており、イメージセンサ2がダイボンディングされている表面3A側の中央部に、上述した開口部30を有している。この開口部30は、基板3の矩形状の外形形状に対応して平面視で略矩形状の内部空間、即ちキャビティ30Aとして構成されている。
このような基板3に対し、イメージセンサ2は、基板3の表面3A側において、受光面が開口部30の開口空間に臨んだ状態で設けられている。なお、このイメージセンサ2は、基板3の開口部30よりも大きい外形寸法を有しており、基板3の開口面を広く占有するように設けられている。
カバーガラス4は、平行平板形状を有する透明部材の一例であって、基板3よりも小さい矩形板状の部材である。カバーガラス4は、基板3上に設けられることで、イメージセンサ2の受光側において、イメージセンサ2に対して平行配置状態にかつ所定の間隔を隔てて設けられている。カバーガラス4は、基板3の表面3Aに対して適宜の接着樹脂9で固定されている。
カバーガラス4は、基板3に対して、その開口部30の開口寸法よりも大きい外形寸法を有しており、開口部30の全体を上側から覆うように設けられている。このように、カバーガラス4は、イメージセンサ2の上方において、基板3の開口部30を介してイメージセンサ2の表面2Aに対向するように設けられている。このカバーガラス4は、適宜の無機材料、例えば二酸化ケイ素(SiO2)を骨格とする無機材料で構成することができ
る。従って、その熱膨張率(CTE:coefficient of Thermal Expansion)、このうち、例えば線膨張率(以下、これを“α”と呼ぶ)については、概して、後述の樹脂封止部6の形成材料である封止樹脂、即ち有機材料で形成される樹脂封止部6についての線膨張率(以下、これを“α”とよぶ)に比して小さい。
カバーガラス4は、通常その上方に位置するレンズ等の光学系から入射する各種光を透過させ、キャビティ30を介してイメージセンサ2の受光面にその光を伝達する。カバーガラス4は、イメージセンサ2の受光面側を保護する機能を有するとともに、基板3および接着樹脂9と相俟ってキャビティ30内への外部からの水分(水蒸気)やダスト等の侵入を遮断する機能を有する。なお、カバーガラス4の代わりに、例えば、プラスチック板、あるいは赤外光のみを透過するシリコン板等を用いることができる。
ダイボンド材5は、基板3にイメージセンサ2を固着させるための接着剤であって、樹脂封止部6の材料である封止樹脂と材料的には同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。即ち、基板3にイメージセンサ2を固着させるための接着剤として、例えば半田やダイボンド用樹脂ペースト(Agエポキシ、Agポリイミド)が使用可能であり、本実施形態では、樹脂封止部6に用いる封止樹脂とは異なるダイボンド用樹脂ペーストを用いてダイボンダによって固着されている。なお、本実施形態のダイボンド材5の樹脂ペーストの線膨張率を“α”とよぶ。
樹脂封止部6は、接着樹脂9でイメージセンサ2の表面2Aに搭載されたカバーガラス4の外周を封止することで、開口部30内のキャビティ30Aを、外部からのごみやほこり、或いは、湿気等の進入を阻止する。この樹脂封止部6は、カバーガラス4の外周に沿ってこれにほぼ一致するような外形状態で、所定の幅寸法に形成されており、イメージセンサ2の中央部を占有する画素部20の周辺を囲設するように形成されている。
なお、この樹脂封止部6に用いる封止樹脂には、適宜の有機樹脂材料が使用可能である。本実施形態の樹脂封止部6に用いる封止樹脂には、例えば、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、モールド樹脂、或いはこれらのいずれかを組み合わせた有機材料を使用することができる。
また、この樹脂封止部6に用いる封止樹脂は、その線膨張率(α)が、有機材料であるので、一般的に、無機材料で形成されるカバーガラス4の線膨張率(α)に比して、大きい。即ち、
α>>α ・・・(1)
この樹脂封止部6の底部(底面)は、画素部20とイメージセンサ2の外縁側に設けた図示外の配線部(パターン配線)との間に配置する状態で、換言すれば、このパターン配線の上からこのパターン配線を含んだ状態で、封止樹脂によって一体に接着させてもよい。この樹脂封止部6で一体に封止させる配線部のパターン配線の先端部(即ち、イメージセンサ2上の周縁側)には、図2に示すように、パッド電極2Cが設けられているとともに、基板3上の周縁側には、パッド電極3Cが設けられている。また、このパッド電極2Cとパッド電極3Cとの間には、図示外のワイヤボンダにより、金線、銅線、その他の線材10をアーチ状にボンディング接続させて電気的な導通が図られている。なお、ここで、線材10の基板3の表面3Aからの最大高さを、図2のBに示すように、高さH2とする。
凹所7は、固体撮像装置1の設置環境下での温度変化に伴い、カバーガラス4の線膨張率(α)と樹脂封止部6の材料である封止樹脂の線膨張率(α)との違いにより、これらの伸び量に大きな差を生じて熱応力を発生し、カバーガラス4が剥離や割れなどを発生する、といった不都合を防止するものである。本実施形態の凹所7は、応力発生源となっている樹脂封止部6の、カバーガラス4の外周に沿って設けた溝幅dのスリットS1で構成されている。
なお、凹所7を構成するこのスリットS1は、カバーガラス4の上面からの最大深さDが、次式、即ち、
D<H-H2 ・・・(2)
ここで、H:基板3の表面3Aからカバーガラス4の上面までの長さ
:基板3の表面3Aから線材10の頂部までの長さ
を満たすように形成してある。
また、この凹所7を構成するスリットS1については、樹脂封止部6の封止樹脂のうち、特にカバーガラス4に接する部分における線膨張量を可及的に抑え込むため、できるだけカバーガラス4の外周面に近接して設けることが必要である。一方、樹脂封止部6は、前述したように、カバーガラス4の周囲から埃や湿気等の侵入するのを阻止するため、カバーガラス4の外周面を囲設するように設置することが必要である。このような事情から、スリットS1の形成位置については、カバーガラス4に接近し過ぎることがない、適正な配置状態で形成することが好ましい。なお、本実施形態のスリットS1の最大幅dmaxについては、例えば0.01mm以下であることが好ましい。即ち、
dmax≦0.01mm ・・・(3)
なお、このスリットS1の形成方法としては、例えばブレードダイシングやレーザダイシングなどによって形成することができる。また、このスリットS1を設ける方法としては、例えば所定形状の樹脂封止部6の形状に合わせた金型枠50を形成しておき、これに封止樹脂を充填させるようにしてもよい。
即ち、図3に示すように、例えば、金型枠50には、カバーガラス4に上から被せて嵌合させるため、嵌合孔50Aをキャビティ50Bの上部側に有するとともに、キャビティ50Bの傾斜した内部の天井面から下方に向けて厚さdを有する突起50C(金型枠50を抜出した後にスリットS1となるもの)を全周に亘って垂下させるような構造のものを用いることができる。そして、この金型枠50の内面に適宜の離型材等を塗布した後、この金型枠50を、この開口した下部からキャビティ50Bを、カバーガラス4の周囲に被せるような状態でイメージセンサ2の表面2Aの周辺、及びワイヤボンディングされた線材10を設けてある基板3の表面3Aの周辺に位置合わせして載置させる。そして、このような状態で金型枠50を確りと固定セットし、注入孔50Bから液体状の封止樹脂を充填させたのち、固化させる。これにより、スリットS1付きの樹脂封止部6を形成してもよい。
なお、本実施形態では、カバーガラス4の外周に沿って設けたスリットS1は、例えば図2のAに示すように、一部が固体撮像装置1の外周にまで延伸された延伸部S´を有しているが、特に、このように、延伸部S´は設置しなくともよい。
金属バンプ8は、基板3の裏面3Bと外部側の図示外の2次基板との間の電気的接続を図るためのものであり、この金属バンプ8を介して基板3と図示外の2次基板とを互いに電気的に接続している。金属バンプ6は、突起状の端子であり、例えば、基板3の裏面3Bに形成された配線層と、図示外の外部基板2次基板の表面に形成された電極と、を電気的に接続するフリップチップ構造を構成している。
金属バンプ8は、メージセンサ2の表面2aに形成された電極の数に応じて、例えば、開口部4の周囲において所定の間隔を隔ててアレイ状に並ぶように複数設けられている。金属バンプ6は、例えば、Auスタッドバンプ、半田ボールバンプ、Au-Ag合金バンプ等で構成されている。
接着樹脂9は、固体撮像素子であるイメージセンサ2を収容する空間を周囲に形成するための支持体を構成するものであり、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、或いはこれらのハイブリッド材料を使用してもよい。また、この接着樹脂9として、感光性樹脂を使用してもよい。
以上のような構成を備えた固体撮像装置1においては、ガラス5を透過した光が、キャビティ30A内を通って、イメージセンサ2の画素部20に配された各画素を構成する受光素子により受光されて検出される。
以上のような構成を有する本実施形態の固体撮像装置1は、樹脂封止部6に設けた凹所7を構成するスリットS1をカバーガラス4の各外周面に沿って、かつ、その外周面に接近した配置で形成してある。従って、例えば周囲の温度変化を受けやすい設置環境に設けてあっても、換言すれば、その温度変化によってカバーガラス4と封止樹脂部6の線膨張率に大きな差があっても、カバーガラス4とスリットS1との距離Lが小さいので、発生する熱応力(F)の大きさを大幅に削減することができる。
即ち、樹脂封止部6を構成する封止樹脂や、カバーガラス4を構成するガラスは、一般に、温度(T)の上昇に伴い、次式によって伸び量ΔXが一義的に求められる。但し、ここでは、封止樹脂やガラスの両端側は拘束されていない、自由膨張であるとする。
1)ガラスについて:
伸び量(ΔX)=L・ΔT・α ・・・(4)
但し、L:カバーガラス4の長辺側の長さ
ΔT:上昇温度
α:線膨張率
2)封止樹脂について:
伸び量(ΔX)=L・ΔT・α ・・・(5)
但し、L:カバーガラスの外周面からスリットまでの樹脂封止部の長さ
ΔT:上昇温度
α:線膨張率
ここで、各パラメータについては、以下のような制限、即ち、
線膨張率は、 α<α
長さLについては、 L>>L
があるので、線膨張率α、αの差の大きさにもよるが、
例えば、板ガラスでは、(8.5~9)×10-6/℃
エポキシ系樹脂では、(2~4)×10-5/℃
であるので、ΔX≒ΔX、つまり、双方の伸び量はほぼ等しい。
従って、カバーガラス4の伸び量ΔXと、樹脂封止部6のスリットS1からカバーガラス4までの封止樹脂における伸び量ΔXとは、それほどの差異がないので、双方の熱膨張に伴う熱的な応力は、ほぼ相殺させることが可能となる。以上は、熱膨張の場合の説明であるが、熱収縮の場合であっても、同様である。
これにより、本実施形態に係る固体撮像装置1Aによれば、熱変動に伴う熱応力の発生を有効に抑えることができる。その結果、カバーガラス4のクラック、接着樹脂部9や封止樹脂部6との間の剥離などのトラブルが有効に回避できる。さらに、本実施形態に係る固体撮像装置1Aによれば、基板3の表面の広く解放されたエリアにおいて、イメージセンサ2側のパッド電極2Cと基板3側のパッド電極3Cなどとのワイヤボンディングによる配線接続が行えるので、その配線作業が容易であり、その分、固体撮像装置1Aの製造作業も容易になる。
<2.第1の実施形態に係る固体撮像装置の変形例>
本技術の第1の実施形態に係る固体撮像装置1Aの変形例について、図4を用いて説明する。
本実施形態の固体撮像装置の凹所7の断面形状が、同図のAに示すような、第1の実施形態に係る固体撮像装置1の凹所7を構成する縦断面が略矩形状のもの、別言すれば、底部がフラットな細溝形状のスリットS1に限定されるものではない。即ち、これ以外に、例えば同図のBに示す第1の変形例の固体撮像装置1A´では、凹所7Bを構成するスリットS2の縦断面が略U字型であってもよい。但し、そのスリットS2であっても、第1の実施形態のものと同様、その深さDが線材10の頂部に達することがないように構成される。
また、本実施形態の固体撮像装置では、例えば同図のCに示すような第2の変形例の固体撮像装置1A´´において、凹所7Cを構成するスリットS3の断面が略V字型であってもよい。このスリットS3についても、第1の変形例と同様、その深さ線材10の頂部に達することがないように構成されている。
従って、これらの変形例のスリットで構成される凹所7Bや凹所7Cによって、多様なタイプの凹所7B、7Cが構成可能であるので、製造方法に幅が広がる。
<3.第2の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第2の実施形態に係る固体撮像装置1Bについて、図5を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図5に示す本実施形態の固体撮像素子1Bが、第1の実施形態の固体撮像素子1Aと異なる点は、凹所7を構成するスリットが2重に形成されている点である。
本実施形態の凹所は、第1スリットS4と、第2スリットS5とで構成されている。このうち、第1スリットS4は、樹脂封止部6の、第1の実施形態におけるスリットSと同一位置に同一構造のものを形成することができる。
一方、第1スリットS4の外側には、第2スリットS5が形成されている。この第2スリットS5は、第1スリットS4と同一幅の細溝で構成することができ、また、その深さは、第1スリットS4も同様であるが、線材7の頂部に達することのない程度までの深さDに形成されている。
なお、本実施形態の第1、第2スリットS4、S5についても、第1の実施形態の場合と同様の方法で形成することができる。
従って、本実施形態によれば、第1、第2のスリットS4、S5を設けているので、熱変動に伴い、樹脂封止部6によるカバーガラス4などへの熱応力をさらに減殺することができるので、熱変動がより大きい環境下での使用であっても、信頼性の高い固体撮像装置1Bが実現できる。
<4.第3の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第3の実施形態に係る固体撮像装置1Cについて、図6を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図6に示す本実施形態の固体撮像装置1Cは、凹所7として、第1及び第2の実施形態の固体撮像装置の凹所7である平面視で略ロ字型の形状を有するものではなく、多様な形状のものを、カバーガラス4及びこれをイメージセンサ2の表面に固着させている接着樹脂部9の、外周の各辺に沿って形成してもよい。
例えば、カバーガラス4及び接着樹脂部9の上下の外周面を構成する長辺側の外面や、左右の外周側を構成する短辺側の外面に沿い、できるだけ接近させた状態で、長尺細溝状のスリットS1´をそれぞれ1箇所ずつ設けてもよい。
また、本実施形態では、カバーガラス4及び接着樹脂部9の左右側の外面を構成する短辺側の外面に沿って、2分割された短尺細溝状のスリットS1´´を設けてもよい。
また、本実施形態の凹7所には、上記した短尺状細溝状のスリットS1´´の外側に、この短尺細溝状のスリットS1´´と並行に長尺細溝状のスリットS1´を並設させるような構成であってもよい。さらに、図示していないが、例えば長尺状細溝状のスリットS1´(或いは、短尺細溝状のスリットS1´´)を3列以上に並行な状態で互いに接近させて形成してもよい。
なお、本実施形態でのカバーガラス4及び接着樹脂部9では、左右側が短辺、上下側が長辺となる、略矩形状を有する構成となっているが、例えば上下左右の各辺の長さがいずれも同一な正方形状のものに対して、上述した各スリットを形成してもよい。また、本技術では、例えばカバーガラス及び接着樹脂部が、矩形でなく真円形や楕円形のものであっても、同様に各種形状のスリットをそのカバーガラスや接着樹脂部の近傍に形成することもできる。
<5.第4の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第4の実施形態に係る固体撮像装置1Dについて、図7を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図7に示す本実施形態の固体撮像素子1Dが、第1の実施形態の固体撮像素子1Aと異なる点は、凹所7を構成するスリットS6が楕円形状に形成されている点である。
本実施形態のスリットS6は、平面視で横長楕円形状に形成されているが、真円形状などであってもよい。例えば楕円形状のスリットS6の場合、原点をOとするデカルト座標(X,Y)座標におけるスリットS6の形状を与える楕円の方程式は、
[X/(a/2)]+[Y/(b/2)]=1
但し、a:長軸側の長さ
b:短軸側の長さ
である。
ここで、図7のAに示すように、楕円形状のスリットS6は、カバーガラ4及び同一形状の樹脂接着部9の外部に存在する必要があることから、少なくとも、以下の条件を満たすことが必要である。
a>a ・・・(6)
b>b ・・・(7)
但し、a:カバーガラ及び樹脂接着部の長辺長さ
:カバーガラ及び樹脂接着部の短辺長さ
さらに、楕円形状のスリットS6がカバーガラ4及び同一形状の樹脂接着部9に接近するときの条件として、カバーガラ4及び同一形状の樹脂接着部9の左上角の点の座標をP(c,d)、これに最接近したスリットS6の近接点の座標をQ(c、d)とすると、
c>c ・・・(8)
d>d ・・・(9)
ここで、点Qは楕円の方程式を満たすから、
(2c/a)+(2d/b)=1 ・・・(10)
以上からわかるように、スリットS6の長軸及び短軸の各長さa,bは、条件(6)~(10)を全て満たすことが必要である。
従って、本実施形態によれば、例えば固体撮像装置1Dに外力が作用した場合、スリットS6が平面視で楕円形状であるので、このスリットS6全周のいずかの部位に外力が作用して一点に応力が集中するのを、効果的に回避できる。別言すれば、このスリットS6のいずれかから破損や亀裂が生じることを有効に回避することができ、その分、耐久性の向上や信頼性の向上につながる。
なお、本実施形態の凹所7である楕円形状のスリットS6の替りに、平面視で真円形状のスリットで凹所を構成すれば、全周のいずれの箇所でも外力を全て均等に受けることができるので、さらに、一層、破損や亀裂の発生を回避でき、耐久性や信頼性がより一層高まる。
<6.第5の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第5の実施形態に係る固体撮像装置1Eについて、図8を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図8に示す本実施形態の固体撮像素子1Eが、第1の実施形態の固体撮像素子1Aと異なる点は、凹所7を構成するスリットS7が、平面視で多数の円形状の穴で構成されている点である。
スリットS7は、全て所要の内径寸法2rを有するものであってカバーガラス4及び接着樹脂部9の外周にそって、例えば互いに等間隔離れた状態で配置させてもよい。
即ち、図8に示すように、これらのスリットS7は、互いのスリットS7の中心間距離が、例えば短辺側である縦方向についてはE1であるとともに、長辺側である横方向についてはE2(但し、E1=E2,又はE1≠E2)であってもよい。また、各スリットS7は、カバーガラス4及び接着樹脂部9の外周面にできるだけ接近させた配置状態が好ましい。
即ち、カバーガラス4及び接着樹脂部9の外周面からスリットS7の最接近部位までの距離L2については、カバーガラス4及び接着樹脂部9の外周面とスリットS7の中心位置との距離L2´とすると、
L2=L2´-r
である。従って、この距離L2をできるだけ小さくするには、スリットS7の中心位置をカバーガラス4及び接着樹脂部9の外周面に近づけてもよいが、スリットS7の半径rを若干大きめに形成するようにしてよい。後者の方が、接近させた状態にスリットS7を形成するときの製造方法が容易である。
また、各スリットS7については、第1~第4の実施形態と同様、線材10の頂部までに至らないように、その深さが設定されている。さらに、各スリットS7は、その底部が、本実施形態のようにフラットな底面のものでもよいし、図4のBに示すような断面が略U字形状のものでもよいし、図4のCに示すような断面略V字形状のものであってもよい。
また、各スリットS7の形状は、本実施形態のように、平面視で円形状のものでもよいが、例えば平面視で三角形、四角形、5角以上の多角形、楕円形などであってもよい。
<7.第6の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第6の実施形態に係る固体撮像装置1Fについて、図9を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図9に示す本実施形態の固体撮像素子1Fが、第1~第5の実施形態の固体撮像素子1A~1Eと異なる点は、凹所7が、細溝形状ではなく、外部に向けて開放された、縦方向での厚さtを有するステップ状の段部S8からなるように形成されている点である。なお、本実施形態の固体撮像素子1Fでは、基板3に対するイメージセンサ2の配置状態が、左右対称な配置構造となっているが、特にこれに限定されるものではなく、後述する図11のような非対称な配置構造であってもよい。
段部S8は、カバーガラス4及びこれと一体の接着樹脂部9の外周面に周設されており、樹脂封止部6に対して、カバーガラス4及びこれと一体の接着樹脂部9の外周面から所要の距離sだけ離間させたその外側の部分から、固体撮像装置1Fの外面に至るまで、前面に亘りフラットな床形状を有する状態である。即ち、その樹脂封止部6の外側肉部分を削ぎ落とし、縦断面が略L字形を有するフラットな床形状に形成した構成である。しかも、この段部S8は、カバーガラス4及びこれと一体の接着樹脂部9の外側において、平面視でロ字型に形成されている。
従って、本実施形態によれば、凹所7としてこのような形状に段部S8を形成することで、必要最小限の厚さtを有する樹脂封止部6により、カバーガラス4及びこれと一体の接着樹脂部9の外周面を封止することができる。別言すれば、樹脂封止部6の肉厚tがこれまでの実施形態のものに比べ、大幅に薄肉化されている。
また、本実施形態によれば、一般に、カバーガラス4と樹脂封止部6とでは、線膨張率差が大きいものであるため、設置環境下などでの大きな熱変動が発生すると、これに伴い、樹脂封止部6の方がカバーガラス4よりも単位長さ当たりの大きな線膨張量を生じているが、この樹脂封止部6のカバーガラス4方向の肉厚tが必要最小限に抑えられている。このため、この部分での正味の線膨張量が大きくなることがないように構成されている。従って、熱応力により、樹脂封止部6の熱膨張力でカバーガラス4の破損や剥離などのトラブルが発生するのを有効に回避することができる。
その結果、例えば大きな熱変動に発生に伴い環境温度が低下した場合、樹脂封止部6の大きな線膨張率(別言すれば、大きな線収縮率)のために樹脂封止部6が大きな熱収縮を起こしたとしても、樹脂封止部6の肉厚tが小さく抑えられている分、基板3各部位に波及する収縮力の作用は小さくなる。
このため、図10に示すように、基板3の半田ボール8のうち、中央部からもっとも離れた距離LMにあるために大きな収縮力が作用することが予想される最遠部の半田ボール8Mに対しても、樹脂封止部6による基板3方向へ向けた収縮力が効果的に抑えられる。従って、この半田ボール8Mが外部基板3´側のパッド電極などの接続部位に対する引き剥がし力も効果的に抑えられる。これより、外部基板3´からの半田ボール8Mの剥離現象をおさえることができ、実装後の電気的信頼性も向上する。
なお、本実施形態での凹所7である、段部S8の欠肉幅gの大きさについては、最小横幅(最小限界値)が例えば0.01mm以上であればよい。従って、段部S8は、横幅が以下のような範囲、即ち、
0.01≦g<(e-f)/2
ここで、e:基板の全長
f:カバーガラスの全長
に規定されているが、細幅形状のスリットに比して凹所7の形成が格段と容易であり、コスト削減にもつながる。
なお、本実施形態の固体撮像素子1Fでは、基板3に対するイメージセンサ2の配置状態が、左右対称な配置構造となっているが、特にこれに限定されるものではなく、後述する図11のような配置構造であってもよい。
<8.第6の実施形態に係る固体撮像装置の変形例>
本技術の第6の実施形態に係る固体撮像装置1Fの変形例について、図11を用いて説明する。
本実施形態の固体撮像装置1F´では、基板3に対して、カバーガラス4(及びイメージセンサ2)の配置状態が右方向に近接偏倚している。具体的には、中心線lbで示す基板3の中心位置に対して、中心線lgで示すカバーガラス4(及びイメージセンサ3)の中心位置が、距離hだけ右方にずれている。
このような構成の固体撮像装置1F´では、凹所7を構成する段部S8´の欠肉幅gの大きさについては、最小横幅(最小限界値)が同様に0.01mm以上であるが、その横幅が以下のような範囲に規定されている。
0.01≦g<[(e-f)/2]+h
ここで、e:基板の全長
f:カバーガラスの全長
h:基板とカバーガラスとの中心位置のずれ量
従って、本実施形態によれば、段部S8´の配置・形成について、個々の固体撮像素子1F´の回路の設置状況に合わせ自由度の高い設計が可能になり、弾力的な対応措置が可能になるといった効果を得ることができる。
<9.第7の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第7の実施形態に係る固体撮像装置1Gについて、図12を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1~第6の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図12に示す本実施形態の固体撮像素子1Gが、図9示す第6の実施形態の固体撮像素子1Aと同様、凹所7が段部S8で構成されているが、この段部S8には放熱源60が固設されている。
本実施形態の放熱源60には、例えば熱伝導性に優れた素材、或いは、熱伝導性及び放熱性のいずれもが優れている素材(以下、これらを高熱伝導素材60Aとよぶ)が使用することができる。この高熱伝導素材60Aには、銅やアルミニウムなどのものが使用できる。
また、この放熱源60には、例えば、伝熱特性の良いアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、銅(Cu)などの金属を材料として用いたヒートシンクなどを使用してもよい。さらに、この放熱源60として、このほかに、例えばビスマステルル系半導体素子などを用い、これに電流を流すことで熱が移動するペルチェ効果を利用したペルチェ素子などの強制冷却部材を使用してもよい。
従って、本実施形態によれば、特に発熱性の高い回路などである、例えばメージセンサ2において、表面2Aの中央部側である画素部20の領域β1及び表面2Aの周辺側の図示外のロジック回路の領域β2などでジュール熱などが多く発生しても、イメージセンサ2、樹脂封止部6を経由して高熱伝導素材60Aまでの間に形成される熱路γを介して、高熱伝導素材60Aへその熱が効果的に移動することができる。
このため、樹脂封止部6にジュール熱などが蓄積されるのを回避でき、カバーガラス4よりも大きな線膨張率を有するために樹脂封止部6自体が大きな熱膨張を起こすといった虞がない。その結果、この固体撮像素子1Gの設置環境などにおいて、大きな熱変動が発生しても、カバーガラス4と樹脂封止部6との線膨張率差に伴い、樹脂封止部6による熱応力により接着樹脂部9などとの間でカバーガラス4に剥離を生じたり、カバーガラス4が破損するといったことが有効に回避できる。
さらに、本実施形態によれば、温度変化に伴う抵抗値の大きな変動も回避できるので、安定的な回路動作が実現でき、高品質の固体撮像装置1Gが提供できる。
<10.第8の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第8の実施形態に係る固体撮像装置1Hについて、図13のA及びBを参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図13に示す本実施形態の固体撮像素子1Hが、第1の実施形態の固体撮像素子1Aと異なる点は、凹所7を構成するスリットが、樹脂封止部6に第3スリットS9及び第4スリットS10の2箇所形成されている点と、これらのスリットS9、S10のうち、樹脂封止部6の外側寄りに形成されている第4スリットS10の方に、レンズホルダ70が設置されている点である。
少なくとも第4スリットS10は、画素部20に設けた各画素(ピクセル)に対して高い精度で位置合わせされた状態で形成されている(以下、これを、“画素基準にして第4スリットS10が形成されている”、ということがある)。具体的には、図14に示すように、例えば設置回路その他の固有の事情から、基板3に対してイメージセンサ2が斜め右上側に偏倚した状態で設けられているような不規則な配置構成の固体撮像装置1Hについて説明する。
即ち、この場合に第4スリットS10を形成する際には、基板3の中心位置ではなく、イメージセンサ2の画素部20の中心位置に原点Oとするデカルト座標(X,Y)を設定しておき、第4スリットS10の中心位置も画素部20の原点Oと一致するように設定した状態の配置関係となるように、画素基準で第4スリットS10が形成されている。なお、また、本実施形態の第3スリットS9についても、同様に画素基準で形成されている。
レンズホルダ70は、第3スリットS9よりも幅広形状の第4スリットS10に嵌合・固着されており、第4スリットS10が画素部20に対して精度高く位置合わせされた状態で形成されているので、このレンズホルダ70についても、中心位置が画素部20の中心位置である原点Oに一致するように構成・設定されている。
また、このレンズホルダ70は、レンズ80を固定・保持するようになっており、熱変動に伴い膨張収縮することができるだけ抑えられた適宜の材質で形成されている。
さらに、このレンズホルダ70に保持されるレンズ80についても、レンズホルダ70に精度高く位置決めされて固定されており、光軸が画素部20の中心位置である原点に一致するように構成・設定されている。
従って、本実施形態によれば、熱変動を生じた場合であっても、第3スリットS9に関しては、少なくとも第2スリットS10との間の距離を同一とすることで、第3スリットS9と第4スリットS10との間の距離が縦横どこの部分でも同一となる以上、樹脂封止部6が双方のスリット間で熱膨張・熱収縮を起こしても、双方のスリット間での膨張・収縮量は同じである。従って、レンズホルダ70の中心位置が、画素部20の中心位置から偏倚することがない。
その結果、大きな熱変動が発生した場合であっても、レンズホルダ70に搭載させているレンズ80もレンズホルダ70に対する相対位置の変動がない限り、レンズ80の光軸が画素部20の原点Oからずれることもない。
また、本実施形態によれば、例えば第3、第4スリットS9,S10を形成した後、レンズホルダ70を組み付ける際には、第4スリットS10の凹所7に嵌合させるだけで、画素部20に対する調心作業も完了させることができ、組み立て作業の大幅な効率化が図られる。
<11.第9の実施形態に係る固体撮像装置>
本技術の第9の実施形態に係る固体撮像装置1Iについて、図15を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態の固体撮像装置1Iが、第1の実施形態の固体撮像装置1Aと異なる点は、樹脂封止部6が、上下2層のもので構成されている点である。即ち、本実施形態の樹脂封止部6は、第1の実施形態での樹脂封止部6と同一構成の第1樹脂封止部6Aと、この第1樹脂封止部6Aに積層され上面がフラットな形状を有する第2樹脂封止部6Bとで構成されている。
第1樹脂封止部6Aは、外部からの湿気やの侵入を防止する目的で設置されている。
本実施形態の凹所7は、第2樹脂封止部6Bを上下貫通しこれからさらに第1樹脂封止部6Aに入り込むまで、深さDに深く形成されたスリットS11で構成されている。なお、このスリットS11については、第1樹脂封止部6Aでのスリット深さが、第1の実施形態でのスリット深さと同一深さであって、線材10の頂部に達するところまでには至らないように構成されている。
従って、本実施形態によれば、スリットS11の形成が、傾斜した斜面に対して形成するのではなく第2樹脂封止部6Bのフラットな上面に形成するので、スリットS11の形成が容易であり、延いてはコストの削減も可能である。
<12.電子機器の構成例>
上述した実施形態に係る固体撮像装置の電子機器(例えば車載用の撮像装置など)への適用例について、図16を用いて説明する。なお、ここでは、第1実施形態に係る固体撮像装置1Aの適用例について説明するが、特にこのタイプの固体撮像素子以外での適用も可能である。
固体撮像装置1Aは、車載用の撮像装置等の他に、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像素子を用いる複写機など、画像取込部(光電変換部)に固体撮像素子を用いる電子機器全般に対して適用可能である。固体撮像素子は、ワンチップとして形成された形態のものであってもよいし、撮像部と信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態のものであってもよい。
電子機器としての撮像装置100は、図16に示すように、光学部102と、固体撮像装置1Aと、カメラ信号処理回路であるDSP(Digital Signal Processor)回路103と、フレームメモリ104と、表示部105と、記録部106と、操作部107と、電源部108とを備える。DSP回路103、フレームメモリ104、表示部105、記録部106、操作部107および電源部108は、バスライン101を介して相互に接続されている。
光学部102は、複数のレンズを含み、被写体からの入射光(像光)を取り込んで固体撮像装置1の撮像面上に結像する。固体撮像装置1は、光学部102によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
表示部105は、例えば、液晶パネルや有機EL(Organic Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、固体撮像装置1で撮像された動画または静止画を表示する。記録部106は、固体撮像装置1で撮像された動画または静止画を、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
操作部107は、ユーザによる操作の下に、撮像装置100が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源部108は、DSP回路103、フレームメモリ104、表示部105、記録部106および操作部107の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
以上のような撮像装置100によれば、固体撮像装置1において、カバーガラス4と樹脂封止部6との間の線膨張率差により熱変動に伴う熱応力が発生しても、凹所7としてスリットS1を樹脂封止部6のカバーガラス4の近傍に形成してある。別言すれば、カバーガラス4に比して熱膨張率(CTE)の大きな樹脂封止部6であっても、カバーガラス4に接する樹脂封止部6をスリットS1で分断させてあるので、膨張量を決定する3つのファクタ、即ち、線膨張係数、温度変化、熱膨張を発生する媒体(樹脂封止部6)の長さのうち、媒体の長さ、つまり、樹脂封止部6におけるスリットS1からカバーガラス4までの長さを短縮化させることができる。
これにより、スリットS1からカバーガラス4までの樹脂封止部6における熱膨張量は、それほど大きくなることがないので、熱応力によりカバーガラス4が破損したり、剥離するといったトラブルを回避させることができる。従って、本実施形態の撮像装置100によれば、例えば車載用の撮像装置に使用するような場合、車内が外気温などの影響で大きく温度上昇しても、これらのトラブルを未然に回避できるので、信頼性、耐久性の大幅な向上が実現でき、高品質の撮像装置100が得られる。
上述した実施形態の説明は本技術の一例であり、本技術は上述の実施形態に限定されることはない。このため、上述した実施形態以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。また、本開示に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。例えば、各実施形態では熱膨張の場合についての説明であるが、熱収縮の場合であっても、同様である。また、上述した各実施形態の構成および変形例の構成は適宜組み合せることができる。
なお、本技術は、以下のような構成を取ることができる。
(1)
入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部と、この中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、前記支持体の上部が開口した開口部を有し、前記空間の底面の搭載領域に前記固体撮像素子が搭載される基板と、
前記基板の一面側の支持体に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、
前記カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、
を備え、
前記カバーガラスは、前記樹脂封止部で一体に封止されているとともに、
前記樹脂封止部には、前記カバーガラス近傍を含む上面側に、底面に向けて凹所が形成されている固体撮像装置。
(2)
前記固体撮像素子と外部との電気的接続を図るために、前記基板側の外周側に設けた電極に一端がボンディング接続された線材を有するとともに、
前記凹所は、前記樹脂封止部の、前記線材に達しない深さの範囲内で、前記カバーガラス近傍に形成されている
ことを特徴とする前記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記凹所は、前記樹脂封止部の、前記カバーガラスの全周近傍を囲設する状態で形成されていることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記凹所は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周のうち、少なくとも1辺側に形成されていることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1に記載の固体撮像装置。
(5)
前記少なくとも1辺側に形成される前記凹所は、リボン形状又は丸形状のものが、少なくとも1箇所以上に設けられていることを特徴とする前記(4)に記載の固体撮像装置。
(6)
前記凹所は、前記カバーガラスの近傍から外周に至るまで、前記カバーガラス当接部分以外の全領域に亘って形成されていることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
(7)
前記凹所は、縦断面が略矩形状、略U字状、略V字状のいずれかを有する溝であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の固体撮像素子。
(8)
前記凹所は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周に形成されているとともに、
前記凹所には、上部にレンズを担持・支承するレンズホルダが固設されている
ことを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
(9)
前記凹所は、少なくとも複数個所に形成されているとともに、
前記複数個所の凹所のうち、少なくとも1箇所のものは、前記カバーガラスを囲設する4辺の全周に連なって形成され、かつ、
前記凹所のうち、前記4辺全周に連なって形成された凹所には、上部にレンズを担持・支承するレンズホルダが固設されている
ことを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
(10)
前記カバーガラスを囲設する4辺全周のうち、少なくとも1辺に設けた前記凹所には、高熱伝導部材、ヒートシンク、ペルチェ素子のうち少なくともいずれかが配設されていることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
(11)
前記樹脂封止部には、該樹脂封止部の他に、該樹脂封止部に上から被覆する状態で、該封止樹脂とは異なる種類の第2の封止樹脂が設けられているとともに、
前記凹所は、前記第2の封止樹脂の下層の前記封止樹脂まで達する深さで形成されていることを特徴とする前記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の固体撮像装置。
(12)
入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部と、この中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、前記支持体の上部が開口した開口部を有し、前記空間の底面の搭載領域に前記固体撮像素子が搭載される基板と、
前記固体撮像素子と外部との電気的接続を図るために、前記基板側の外周側に設けた電極に一端がボンディング接続された線材と、
矩形、方形、円形のいずれかの外形形状を有し、前記基板の一面側に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、
前記カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、
を備えるとともに、
前記カバーガラスは、前記封止樹脂で前記線材ごとまとめて一体に封止され、かつ、
前記封止樹脂は、線材に達しない深さの範囲内で前記カバーガラス近傍を含む上面側に凹所が形成されている
固体撮像装置を備えた電子機器。
1A~1I、1F´ 固体撮像装置
2 イメージセンサ(固体撮像素子)
2A 表面
2B 裏面
2C パッド電極
20 画素部
3 基板
3´ 外部基板
3A 表面
3B 裏面
3C パッド電極
30 開口部
30A キャビティ(空間)
4 カバーガラス
5 ダイボンド材
6 樹脂封止部
6A 第1樹脂封止部
6B 第2樹脂封止部
7 凹所
8 半田ボール
8M 最遠部の半田ボール
9 接着樹脂部(支持体)
10 線材
50 金型枠
50A 嵌合孔
50B キャビティ
50C 突起
60 放熱源
60A 高熱伝導素材
70 レンズホルダ
80 結像レンズ
100 撮像装置
101 バスライン
102 光学部
103 DSP(Digital Signal Processor)回路
104 フレームメモリ
105 表示部
106 記録部
107 操作部
108 電源部
101 バスライン
D スリットの最大深さ
基板表面からカバーガラス上面までの長さ
基板表面から線材頂部までの高さ
lb 中心線(基板の中心位置)
lg 中心線(カバーガラス及びイメージセンサの中心位置)
S1~S7、S9~S11 スリット
S´ 延伸部
S1´ 長尺細溝状のスリット
S1´´ 短尺細溝状のスリット
S8 段部
a 長軸側の長さ
カバーガラス及び樹脂接着部の長辺長さ
b 短軸側の長さ
カバーガラス及び樹脂接着部の短辺長さ
d 厚さ(突起)
e 基板の全長
f カバーガラスの全長
g 段部の欠肉幅
h 基板とカバーガラスとの中心位置のずれ量
2r スリットの内径寸法
s 段部でのカバーガラスまでの厚さ
t 段部の縦方向の厚さ
α カバーガラスの線膨張率
α 封止樹脂の線膨張率
α ダイボンド材の樹脂ペーストの線膨張率
β1 画素部の領域
β2 ロジック回路の領域
γ 熱路

Claims (12)

  1. 入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部と、この中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、前記支持体の上部が開口した開口部を有し、前記空間の底面の搭載領域に前記固体撮像素子が搭載される基板と、
    前記基板の一面側の支持体に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、
    前記カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、
    を備え、
    前記カバーガラスは、前記樹脂封止部で一体に封止されているとともに、
    前記樹脂封止部には、前記カバーガラス近傍を含む上面側に、底面に向けて凹所が形成されている
    固体撮像装置。
  2. 前記固体撮像素子と外部との電気的接続を図るために、前記基板側の外周側に設けた電極に一端がボンディング接続された線材を有するとともに、
    前記凹所は、前記樹脂封止部の、前記線材に達しない深さの範囲内で、前記カバーガラス近傍に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記凹所は、前記樹脂封止部の、前記カバーガラスの全周近傍を囲設する状態で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記凹所は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周のうち、少なくとも1辺側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記少なくとも1辺側に形成される前記凹所は、リボン形状又は丸形状のものが、少なくとも1箇所以上に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の固体撮像装置。
  6. 前記凹所は、前記カバーガラスの近傍から外周に至るまで、前記カバーガラス当接部分以外の全領域に亘って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  7. 前記凹所は、縦断面が略矩形状、略U字状、略V字状のいずれかを有する溝であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
  8. 前記凹所は、前記カバーガラスを囲設する4辺全周に形成されているとともに、
    前記凹所には、上部にレンズを担持・支承するレンズホルダが固設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 前記凹所は、少なくとも複数個所に形成されているとともに、
    前記複数個所の凹所のうち、少なくとも1箇所のものは、前記カバーガラスを囲設する4辺の全周に連なって形成され、かつ、
    前記凹所のうち、前記4辺全周に連なって形成された凹所には、上部にレンズを担持・支承するレンズホルダが固設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  10. 前記カバーガラスを囲設する4辺全周のうち、少なくとも1辺に設けた前記凹所には、高熱伝導部材、ヒートシンク、ペルチェ素子のうち少なくともいずれかが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  11. 前記樹脂封止部には、該樹脂封止部の他に、該樹脂封止部に上から被覆する状態で、該封止樹脂とは異なる種類の第2の封止樹脂が設けられているとともに、
    前記凹所は、前記第2の封止樹脂の下層の前記封止樹脂まで達する深さで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。
  12. 入射光を光電変換する能動領域が形成された中央部と、この中央部の周囲に設けられた周縁部とを有する固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子を収容する空間を周囲に形成するための支持体を一面側に有するとともに、前記支持体の上部が開口した開口部を有し、前記空間の底面の搭載領域に前記固体撮像素子が搭載される基板と、
    前記固体撮像素子と外部との電気的接続を図るために、前記基板側の外周側に設けた電極に一端がボンディング接続された線材と、
    矩形、方形、円形のいずれかの外形形状を有し、前記基板の一面側に下面の周縁部が接着されているカバーガラスと、
    前記カバーガラスの周囲を封止する樹脂封止部と、
    を備えるとともに、
    前記カバーガラスは、前記封止樹脂で前記線材ごとまとめて一体に封止され、かつ、
    前記封止樹脂は、線材に達しない深さの範囲内で前記カバーガラス近傍を含む上面側に凹所が形成されている
    固体撮像装置を備えた電子機器。
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