JP2022187479A - 樹脂組成物、接着剤、および塗膜 - Google Patents

樹脂組成物、接着剤、および塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性の耐水性に優れる塗膜を形成し得る、樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱硬化性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を含む樹脂粒子(B)と、を含む樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂(A)100質量部に対する樹脂粒子(B)の割合が、0.5~18質量部である、樹脂組成物。熱硬化性樹脂(A)がアミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイソシアネート樹脂から選択された1種以上であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、接着性の耐水性に優れる塗膜を形成し得る、樹脂組成物に関するものである。
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は、接着剤やコーティング剤に好適であり、幅広い分野で用いられている。例えば、特許文献1には、熱硬化性樹脂を含有する接着剤組成物が記載されている。
特開2013-227429号公報
近年では、実際の使用環境に応じ、接着性の耐水性にいっそう優れる塗膜を形成し得る、樹脂組成物が求められている。
本発明は、これらの課題を解消するものである。すなわち、接着性の耐水性に優れる接着剤やコーティング剤等を得ることのできる、樹脂組成物を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ベース樹脂となる熱硬化性樹脂に対し、不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂粒子を特定の割合で含む樹脂組成物は、接着性の耐水性に優れることを突き止め、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記(1)~(6)の通りである。
(1)熱硬化性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を含む樹脂粒子(B)と、を含む樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂(A)100質量部に対する樹脂粒子(B)の割合が、0.5~18質量部である、樹脂組成物。
(2)熱硬化性樹脂(A)がアミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイソシアネート樹脂から選択された1種以上である、(1)の樹脂組成物。
(3)ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸成分の含有量が0.01~15質量%である、(1)または(2)の樹脂組成物。
(4)ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸成分が無水マレイン酸である、(1)~(3)の何れかの樹脂組成物。
(5)(1)~(4)の何れかの樹脂組成物を含む、接着剤。
(6)(1)~(4)の何れかの樹脂組成物から形成された、塗膜。
本発明の樹脂組成物は、接着性の耐水性に優れる塗膜を形成することができる。本発明の樹脂組成物は、バインダー、インキ、塗料、接着剤、コーティング剤等の各種用途に好適である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂(A)と不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を含む樹脂粒子(B)と、を含むものである。
本発明の樹脂組成物においては、熱硬化性樹脂(A)100質量部に対する樹脂粒子(B)の割合が、0.5~18質量部である。
熱硬化性樹脂(A)としては、例えば、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
中でも、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイソシアネート樹脂から選択される1種以上が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、接着性の耐水性を向上させるために、不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を含む樹脂粒子(B)を含有する。
本発明の樹脂組成物において、熱硬化性樹脂(A)100質量部に対する、ポリオレフィン樹脂を含む樹脂粒子(B)の割合は0.5~18質量部であり、1~15質量部であることが好ましく、1~12質量部であることがより好ましい。0.5質量部未満であると、接着性の耐水性に劣るものとなる。一方、18質量部を超えると、凝集等が発生し、均一な樹脂組成物が得られない。
(ポリオレフィン樹脂)
ポリオレフィン樹脂は、主成分としてオレフィン成分を含有するものである。
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン成分は特に限定されないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、2-ブテン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン等の炭素数2~6のアルケンが好ましく、これらの混合物でもよい。中でも、接着性の耐水性を良好とするために、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン等の炭素数2~4のアルケンがより好ましい。中でも、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
オレフィン成分の含有量は、オレフィン由来の特性を十分に発現させるために、70質量%以上であることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、接着性の耐水性を向上させるため、さらに後述の製造方法において記載されたように水性分散体として用いた場合の安定性を向上させるために、不飽和カルボン酸成分を含有することが必要である。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましい。なお、「(無水)~酸」とは、「~酸または無水~酸」を意味する。すなわち、(無水)マレイン酸とは、マレイン酸または無水マレイン酸を意味する。
不飽和カルボン酸成分は、オレフィン成分と共重合されていればよく、その形態は限定されない。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸成分の含有量は、0.01~15質量%であることが好ましく、0.1~15質量%であることがより好ましく、0.5~8質量%であることがさらに好ましく、1~5質量%であることが特に好ましく、2~4質量%であることが最も好ましい。不飽和カルボン酸成分の含有量が0.01質量%未満であると、接着性の耐水性に劣ったり、ポリオレフィン樹脂の水性分散体として用いた場合においては、水性媒体への樹脂粒子の分散が困難となったりすることがある。また、不飽和カルボン酸成分の含有量が15質量%を超えると、塗膜とした場合の密着性や、接着性の耐水性が低下する場合がある。
ポリオレフィン樹脂は、各種基材との密着性や接着性の耐水性にいっそう優れるために、(メタ)アクリル酸エステル成分を含有してもよい。(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1~30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。中でも、入手し易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1~20のアルコールとのエステル化物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物でもよい。中でも、入手の容易さと密着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがさらに好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸~」とは、「アクリル酸~またはメタクリル酸~」を意味する。
(メタ)アクリル酸エステル成分は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂中の(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、0.1~22質量%であることが好ましく、2~20質量%であることがより好ましく、3~18質量%であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量が0.1質量%未満であると、得られる塗膜の密着性や接着性の耐水性が低下する場合があり、含有量が22質量%を超えると、塗膜の耐熱性や接着性の耐水性が低下する場合がある。
ポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-プロピレン-(メタ)アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-ブテン-(メタ)アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、プロピレン-ブテン-(メタ)アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン-(メタ)アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-プロピレン-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-ブテン-(無水)マレイン酸共重合体、プロピレン-ブテン-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン-(無水)マレイン酸共重合体、プロピレン-(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。
中でも、密着性に優れることから、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-プロピレン-(無水)マレイン酸共重合体、エチレン-(無水)マレイン酸共重合体、プロピレン-(無水)マレイン酸共重合体が好ましい。
ポリオレフィン樹脂は塩素化されていてもよい。
また、ポリオレフィン樹脂は、N,N-ジメチルアミノエチル基、N,N-ジメチルアミノプロピル基、N,N-ジメチルアミノブチル基、N,N-ジエチルアミノエチル基、N,N-ジエチルアミノプロピル基、N,N-ジエチルアミノブチル基等の、N-置換イミド単位を含有していてもよい。
ポリオレフィン樹脂の融点は、水性分散体として用いた場合、水性媒体への樹脂粒子の分散性を向上させるために、70℃以上であることが好ましく、75~200℃がより好ましく、80~170℃がさらに好ましい。
ポリオレフィン樹脂の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート値(JIS K7210:1999に準ずる)は、300g/10分以下が好ましく、100g/10分以下がより好ましい。分子量の目安となるメルトフローレート値が300g/10分を超えると、得られる塗膜は、密着性が低下する傾向にあり、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート値が0.001g/10分未満であると、水性分散体として用いた場合、水性媒体への樹脂粒子の分散が困難となる傾向にある。
(添加剤)
本発明の樹脂組成物は、塗膜の耐熱性や強度を向上させるために、架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、アミン系架橋剤、ポリオール等の、熱硬化性樹脂やポリオレフィン樹脂と反応し得る官能基を分子内に2個以上含有する化合物が挙げられる。架橋剤の含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で勘案して適宜選択すればよい。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、上述した樹脂や架橋剤以外の樹脂や添加剤(他の樹脂や添加剤)を含有してもよい。
他の樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、変性ナイロン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン-マレイン酸樹脂、ブタジエン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂等が挙げられる。
他の添加剤としては、例えば、金属酸化物微粒子、粘着付与剤、ワックス類、紫外線吸収剤、レベリング剤、ヌレ剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料、染料、分散剤等が挙げられる。
他の樹脂や他の添加剤は、単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されない。例えば熱硬化性樹脂(A)と、ポリオレフィン樹脂の水性分散体や溶液とを、公知の方法で混合して製造する方法が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の水性分散体は、水を主成分とする水性媒体中に、ポリオレフィン樹脂を含有する樹脂粒子が分散して存在するものである。こうした水性分散体は、公知の方法で製造することができ、例えば、自己乳化法や強制乳化法等の方法を用いて製造することができる。中でも、不揮発性水性分散化助剤を実質的に使用しない方法を採用することが好ましい。不揮発性水性分散化助剤とは、水性分散化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤や化合物のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、または常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
「不揮発性水性分散化助剤を実質的に含有しない」とは、こうした助剤を製造時(ポリオレフィン樹脂の水性分散化時)に用いず、得られる水性分散体が結果的にこの助剤を含有しないことを意味する。不揮発性水性化助剤は、ポリオレフィン樹脂成分に対して5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%未満であり、0質量%であることが最も好ましい。
不揮発性水性分散化助剤としては、界面活性剤、乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の水性分散体は、水を主成分とする水性媒体中でポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸成分を塩基性化合物によって中和することで得られる、アニオン性の水性分散体であることが好ましい。このような水性分散体は、中和によって生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集を抑制することができ、安定性が付与される。
塩基性化合物は、カルボキシル基を中和できるものであればよいが、本発明の効果を損なわないために、揮発性であることが好ましい。
塩基性化合物としては、水性分散体の乾燥性に優れることから、アンモニアまたは有機アミン化合物が好ましく、中でも沸点が30~250℃、さらには沸点が50~200℃の有機アミン化合物がより好ましい。沸点が30℃未満であると、樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると、乾燥によって塗膜を形成する際に、塩基性化合物を飛散させることが困難となり、密着性が低下する場合がある。
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N-メチル-N,N-ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3-メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等を挙げることができる。
塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5~3.0当量であることが好ましく、0.8~2.5当量であることがより好ましく、1.0~2.0当量であることが特に好ましい。塩基性化合物の添加量が0.5当量未満では、塩基性化合物の添加効果が見られず、添加量が3.0当量を超えると、塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散体が着色したりする場合がある。
ポリオレフィン樹脂の水性分散体を製造する際に有機溶剤を添加してもよい。
有機溶剤としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、接着剤、コーティング剤、プライマー、塗料、インキ等として好適に使用できる。
本発明の樹脂組成物から塗膜を得ることができる。本発明の塗膜は、金属製品用途、電子機器用途、包装材料用途、自動車部品用途、産業資材用途等に特に好適に用いられる。
これら用途の具体例としては、PP押出ラミ用アンカーコート剤、二次電池セパレータ用コーティング剤、UV硬化型コート剤用プライマー、靴用プライマー、自動車バンパー用プライマー、クリアボックス用プライマー、PP基材用塗料、包装材料用接着剤、紙容器用接着剤、紙容器用コーティング剤、蓋材用接着剤、インモールド転写箔用接着剤、PP鋼板用接着剤、太陽電池モジュール用接着剤、植毛用接着剤、二次電池電極用バインダー用接着剤、二次電池外装用接着剤、自動車用ベルトモール用接着剤、自動車部材用接着剤、異種基材用接着剤、繊維収束剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物から塗膜を形成する方法としては、例えば、本発明の樹脂組成物を、公知の方法で、各種基材表面に均一に塗布し、乾燥または乾燥と焼き付けのための加熱処理に供する方法が挙げられる。これにより、均一な塗膜を各種基材表面に形成できる。
基材への樹脂組成物の塗布には、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。
基材への樹脂組成物の塗布量は特に限定されず、その用途によって適宜選択されるものであり、乾燥後の塗布量として0.01~100g/mであることが好ましい。
塗布後の加熱処理のための加熱装置として、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用することができる。加熱温度や加熱時間は、基材の特性または樹脂組成物中に任意に配合しうる各種成分の含有量により適宜選択される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されものではない。
熱硬化性樹脂(A)として、下記の熱硬化性接着剤を用いた。
アミノ系接着剤: 株式会社オーシカ社製「大鹿レヂン 605」(ユリア・メラミン共縮合樹脂)
エポキシ系接着剤: 株式会社オーシカ社製「セレクティ EP-9000」(エポキシ樹脂)
フェノール接着剤: 株式会社オーシカ社製「ディアノール B-1360」(フェノール樹脂)
イソシアネート系接着剤: 株式会社オーシカ社製「大鹿レヂン B-1605」(イソシアネート樹脂)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-1の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100gの酸変性ポリオレフィン樹脂(樹脂組成:エチレン80質量%、アクリル酸エチル18質量%、無水マレイン酸2質量%、MFR63g/10分)、80gのイソプロパノール、4.0gのN,N-ジメチルエタノールアミン、および220gの水をガラス容器内に仕込み、120℃で60分間加熱撹拌をおこなった。その後、撹拌しつつ室温まで冷却したのち、150gの水を加え、エバポレータを用いて水およびイソプロパノールを減圧留去することによって、乳白色のポリオレフィン樹脂水性分散体E-1(固形分濃度25質量%、体積平均粒子径110nm)を得た。
(製造例2)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-2の製造
酸変性ポリオレフィン樹脂として、樹脂組成がエチレン85質量%、アクリル酸エチル13質量%、無水マレイン酸2質量%、であり、MFR3g/10分である樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法にて、乳白色のポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-2(固形分濃度25質量%、体積平均粒子径90nm)を得た。
(製造例3)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-3の製造
酸変性ポリオレフィン樹脂として、樹脂組成がエチレン76質量%、アクリル酸ブチル19質量%、無水マレイン酸5質量%、であり、MFR8g/10分である樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法にて、乳白色のポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-3(固形分濃度25質量%、体積平均粒子径100nm)を得た。
(製造例4)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-4の製造
酸変性ポリオレフィン樹脂として、樹脂組成がエチレン97質量%、無水マレイン酸3質量%である樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法にて、乳白色のポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-4(固形分濃度25質量%、体積平均粒子径170nm)を得た。
(製造例5)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-5の製造
酸変性ポリオレフィン樹脂として、樹脂組成がエチレン70質量%、アクリル酸エチル28質量%、無水マレイン酸2質量%、であり、MFR7g/10分である樹脂を用いた以外は、製造例1と同様の方法にて、乳白色のポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-5(固形分濃度25質量%、体積平均粒子径130nm)を得た。
(製造例6)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-6の製造
プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=81.8/18.2(質量比)、重量平均分子量85,000)280gを、4つ口フラスコ中において、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。
その後、系内温度を180℃に保って、撹拌下、不飽和カルボン酸としての無水マレイン酸35.0gとラジカル発生剤としてのジ-t-ブチルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ2時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂(質量比:プロピレン75.4/エチレン16.8/無水マレイン酸7.8、重量平均分子量38,000)を得た。
得られた樹脂を用いて、特願2005-506371記載の方法と同様にして、乳白色のポリオレフィン樹脂水性分散体E-6(固形分濃度20質量%、体積平均粒子径280nm)を得た。
(製造例7)
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体E-7の製造
酸変性ポリオレフィン樹脂として、質量比:プロピレン79.3/エチレン17.7/無水マレイン酸3.0、重量平均分子量40,000であるポリオレフィン樹脂を用いた以外は、製造例6と同様の方法にて、乳白色のポリオレフィン樹脂水性分散体E-7(固形分濃度20質量%、体積平均粒子径250nm)を得た。
ポリオレフィン樹脂粒子の水性分散体について、下記のように測定した。
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120℃にて、H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行って樹脂構成を分析した。
(2)水性分散体の固形分濃度
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(3)ポリオレフィン樹脂粒子の体積平均粒子径(動的光散乱法)
日機装社製、Nanotrac Wave-UZ152粒度分布測定装置を用いて測定した。樹脂の屈折率は1.5とした。
樹脂組成物から得られた塗膜の接着性の耐水性の指標として、温水に浸漬前後の接着性保持率を用いた。接着性保持率は、以下の方法により測定した。
(合板の作製)
木材単板のイエローラワン(Shorea sp.、密度0.5g/cm、厚さ1.6mm)の片面に実施例、比較例にて得られた樹脂組成物を、乾燥後の塗布量が15g/mになるように塗布、乾燥して塗膜を形成した。
2枚の塗布木材を用いて、塗膜面同士を重ね合わせ、140℃、1MPaで5分間加圧処理をおこなうことによって、合板を作製した。その後、25℃の室温で3日間、保存した。
作製した合板を15mm幅で切り出し、60℃の温水に1時間浸漬した。浸漬前の接着強度を(イ)、浸漬後の接着強度を(ロ)として、下記式に従って、接着性保持率(%)を算出した。
接着性保持率(%)=((ロ)/(イ))×100
合板の接着強度として、引張試験機を用い、せん断引っ張り強度(引張速度50mm/分)を求めた。浸水後の評価はぬれた状態で評価した。
(実施例1)
アミノ系接着剤(オーシカ社製、大鹿レヂン605(ユリア・メラミン共縮合樹脂))の固形分100質量部に対して、ポリオレフィン樹脂水性分散体E-1を1質量部添加し、室温で撹拌・混合することにより、樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物および塗膜についての特性値を表1に示す。
Figure 2022187479000001
(実施例2~15、比較例1~6)
表1または2に示したように、熱硬化性樹脂の種類、ポリオレフィン樹脂の水性分散体の種類や含有割合を変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物および塗膜についての特性値を表1または2に示す。
Figure 2022187479000002
実施例1~15の樹脂組成物においては、接着性保持率の評価が良好で、接着性の耐水性に優れる塗膜が得られた。一方、比較例1~5の樹脂組成物では、接着性保持率の評価が悪く、接着性の耐水性に劣る塗膜しか得られなかった。また、比較例6では、樹脂組成物中に凝集が発生してしまい、均一な樹脂組成物を得ることができず、評価に付さなかった。

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂(A)と、不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を含む樹脂粒子(B)と、を含む樹脂組成物であって、
    熱硬化性樹脂(A)100質量部に対する樹脂粒子(B)の割合が、0.5~18質量部である、樹脂組成物。
  2. 熱硬化性樹脂(A)がアミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、およびイソシアネート樹脂から選択された1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸成分の含有量が0.01~15質量%である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸成分が無水マレイン酸である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を含む、接着剤。
  6. 請求項1または2に記載の樹脂組成物から形成された、塗膜。
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