JP2022187288A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッド定着方式において潤滑剤がベルトの外に漏れ出るのをできるだけ防止可能な定着装置を提供すること。【解決手段】パッド定着方式において無端状のベルトの内側に配された固定パッド32が、ベルトを介してベルトの外側に配された加圧ローラーに押圧される被押圧部322と、被押圧部322からベルト周回方向(矢印B)の上流側に延出された上流側ガイド321を有する定着部において、上流側ガイド321のベルト幅方向(矢印G)の両端部には、ベルトに向かって盛り上がる凸面部324、325が設けられており、凸面部324、325は、ベルト周回方向の長さWがベルト幅方向の端部から中央部に向かうに連れて漸減する形状になっている。【選択図】図5

Description

本開示は、記録シート上の未定着画像を定着させる定着装置および画像形成装置に関する。
プリンターなどの画像形成装置には、周回走行する無端状のベルトの内周側に配置した非回転体である固定パッドを、ベルトを介してベルトの外周側に配置した加圧ローラーで押圧して、ベルトと加圧ローラー間に定着ニップを形成し、その定着ニップにシートを通過させて、シート上の未定着画像を定着するパッド定着方式の定着装置を備えたものがある(例えば、特許文献1、2)。
このようなパッド定着方式では、ベルトを介して加圧ローラーと固定パッド間に生じる押圧力が大きいために、ベルトと固定パッド間の摩擦抵抗も大きくなって、ベルトの内周面の摩耗が進行し易い。そこで、従来から、ベルト内周面に潤滑剤を塗布して、ベルトと固定パッド間の摩擦抵抗を低減させることが行われている。
ところが、定着ニップの圧力がかなり高いため、ベルトの内周面に塗布された潤滑剤が定着ニップを通過しようとするときにベルトと固定パッド間に入り込めるものと、入り込めずにベルトの幅方向(加圧ローラーの軸方向に相当)の端部側に流れるものとに分かれることが生じ易い。端部側に流れた潤滑剤は、やがてベルトの幅方向端縁からベルトの外に漏れ出ることになる。潤滑剤がベルトの幅方向端縁から漏れ出た分、ベルトの内周面上の潤滑剤が減り、ベルトの内周面上の潤滑剤の量が少なくなるほど、ベルトと固定パッド間の摩擦抵抗が増大する。この摩擦抵抗が増大により、ベルトの摩耗の進行が早まったり、ベルトを駆動するトルクの上昇によりベルトや加圧ローラーのスムーズな回転に支障を来してシートの搬送不良が生じたりするおそれがある。
特許文献1には、ニップ形成部材(固定パッド)の、ベルト周方向上流側の端部を、ベルトの幅方向一方端から他方端の全域に亘って櫛歯状に形成する構成が開示されており、潤滑剤が櫛歯状の凹部(溝)に入り込むことで、ベルトの幅方向縁端から外に漏れ出るのを防止できると記載されている。
特開2017-90885号公報 特開2006-38990号公報
上記の構成では、ニップ形成部材に形成された櫛歯状の凹部に潤滑剤を溜めることができるが、凹部に潤滑剤がある程度溜まっている状態で、ベルトの周回走行に伴ってベルト内周面に塗布された新たな潤滑剤がその凹部に入り込もうとした場合に、その凹部に入りきれずに溢れてしまうことが生じ易い。溢れた潤滑剤がベルト幅方向の隣の凹部に流れ、その凹部が溢れると、またその隣の凹部に流れるといったことが続くと、潤滑剤が徐々にベルト幅方向の端部側に流れていくことになり、結局、ベルト幅方向のベルト縁端から外に漏れ出ることが生じおそれがある。
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、パッド定着方式において潤滑剤がベルトの外に漏れ出るのをできるだけ防止可能な定着装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本開示に係る定着装置は、潤滑剤が内周面に塗布された無端状のベルトをベルトの外周側に配された加圧ローラーで押圧して形成された定着ニップにシートを通して、シート上の未定着画像を定着させる定着装置であって、ベルトの内周側でベルトを介して加圧ローラーに押圧される被押圧部と、前記被押圧部よりもベルト周回方向の上流側に設けられ、前記定着ニップにベルトを案内するガイドと、を有する非回転体のパッドと、前記定着ニップよりもベルト周回方向の上流側の直前位置において、ベルトのベルト幅方向の端部と前記ガイド間に、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて漸減するような圧力を付与する圧力付与部と、を備えることを特徴とする。
また、前記ガイドは、ベルトの前記端部に対応する位置に、ベルトの内周面に向かって盛り上がる凸面部を有し、前記圧力付与部は、前記凸面部であり、前記凸面部は、前記漸減する圧力が付与されるように、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて前記凸面部のベルト周回方向の長さが漸減するテーパー形状に形成されてなるとしても良い。
さらに、前記ガイドは、ベルトの前記端部に対応する位置に、ベルトの内周面に向かって盛り上がる凸面部を有し、前記圧力付与部は、前記凸面部であり、前記凸面部は、前記漸減する圧力が付与されるように、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて前記凸面部の高さが漸減する形状に形成されてなるとしても良い。
また、前記凸面部の、ベルト幅方向の中央側の端部が、加圧ローラーの軸方向端部よりも、ベルト幅方向において、加圧ローラーの軸方向中央に近い位置まで延出されているとしても良い。
さらに、前記テーパー形状は、ベルト幅方向に平行な第1の辺と、これよりもベルト周回方向上流において前記第1の辺に対して傾斜する第2の辺とにより形成されているとしても良い。
また、前記凸面部の、ベルト幅方向の端部側の基端が、ベルト幅方向にベルトの外側に出ているとしても良い。
また、前記圧力付与部は、前記直前位置において、ベルトの外周側からベルトの前記端部を前記ガイドに押圧する円錐台形状の押圧ローラーであり、前記押圧ローラーは、大径の端部がベルト幅方向の端部側、小径の端部がベルト幅方向の中央側を向く姿勢で配置されているとしても良い。
さらに、ベルトのベルト幅方向の端縁よりも加圧ローラーの軸方向端部の方が、ベルトのベルト幅方向の中央に近いとしても良い。
また、ベルトは、前記直前位置において、ベルト幅方向の一方端から他方端までの全域が前記ガイドと接しているとしても良い。
さらに、ベルトと前記パッドとの間に介在する低摩擦シートを備えるとしても良い。
ここで、前記ベルトは、前記直前位置において、ベルト幅方向の一方端から他方端までの全域が前記低摩擦シートを介して前記ガイドと接しているとしても良い。
さらに、ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材を備えるとしても良い。
また、前記圧力付与部による圧力は、1~200kPaの範囲内の大きさであるとしても良く、さらに、前記凸面部の高さは、0.1~0.5mmの範囲内の大きさであるとしても良い。
本開示に係る画像形成装置は、搬送される記録シート上に形成された未定着画像を定着させる定着部を備える画像形成装置であって、前記定着部として、上記の定着装置を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、ベルトの周回走行に伴ってベルトの内周面に塗布された潤滑剤がガイドに到達したとき、ベルト幅方向におけるベルトの端縁付近ではガイドとの間に生じる圧力が高いために、ベルトとガイド部間に潤滑剤が流れ込もうとしても少ない量しか入り込めず、残りがベルトの端縁よりも低い圧力の中央寄りの部分に流れ込み易くなる。つまり、上記のような圧力を付与することにより、ベルトの端縁付近の潤滑剤が中央に向かい易く、潤滑剤がベルトの端縁から外に漏れ出ることを防止できる。
プリンターの全体構成を示す概略図である。 プリンターの定着部の概略構成を示す断面図である。 定着部における支持部材と固定パッドとガイド部材と摺動用部材と潤滑剤供給部材の概略分解斜視図である。 固定パッドの構成を示す概略図である。 図4の矢印Eで示す方向から固定パッドの上流側ガイドを見たときの概略斜視図である。 ベルトと固定パッドと加圧ローラーとを上から見たときの概略平面図である。 図2の矢印Xa方向から加圧ローラーを透視した状態でベルトと固定パッドを見たときの概略側面図である。 実施例におけるベルト幅方向に異なる3箇所の位置でのベルトと固定パッド間に生じる圧力の大小関係を示す模式図である。 上流側ガイドとベルト間の圧力分布のグラフを示す図である。 比較例におけるベルト幅方向に異なる3箇所の位置でのベルトと固定パッド間に生じる圧力の大小関係を示す模式図である。 (a)は、実施例においてベルトの周回走行に伴って潤滑剤がどのように流れるのかを説明するための模式図であり、(b)は、比較例における潤滑剤の流れを説明するための模式図である。 変形例に係る凸面部の構成を示す図である。 (a)、(b)は、変形例に係る別の凸面部の構成を示す図である。 変形例に係るさらに別の凸面部の構成を示す図である。 (a)、(b)は、変形例に係る圧力付与部の構成を示す図である。
以下、本開示の実施の形態に係る定着装置と画像形成装置について、タンデム型のカラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例に、図面を参照して説明する。
(1)プリンターの全体構成
図1は、プリンター1の全体構成を示す概略断面図である。
同図に示すようにプリンター1は、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30を備える。
画像形成部10は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に対応する作像ユニット11Y、11M、11C、11Kと、中間転写ベルト13を備える。
作像ユニット11Kは、感光体ドラム12と、感光体ドラム12の周方向に沿って配置された帯電部16、露光部17、現像部18及びクリーナー19を備える。
露光部17は、レーザーダイオードなどの発光素子及びレンズ等を備え、不図示の制御部からの駆動信号により、レーザー光を変調して感光体ドラム12上を露光走査する。
感光体ドラム12は、不図示の駆動源により回転駆動され、上記露光を受ける前にクリーナー19で表面の残存トナーが除去された後、帯電部16により一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で、上記レーザー光による露光を受けると、感光体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
感光体ドラム12に形成された静電潜像は、現像部18により現像され、これにより感光体ドラム12表面にK色のトナー像が作像される。このK色のトナーは、周回走行する中間転写ベルト13を介して感光体ドラム12とは反対側に配された一次転写ローラー14により感光体ドラム12から中間転写ベルト13上に一次転写される。
作像ユニット11Y、11M、11Cについても、作像ユニット11Kと同様の構成であり、作像ユニットごとに、対応する色(Y、MまたはC色)のトナー像が感光体ドラム12に作像され、一次転写ローラー14により中間転写ベルト13上に一次転写される。
各作像ユニット11Y~11Kにおける作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト13上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。これにより、中間転写ベルト13上にY~K色のカラートナー像が形成される。
給紙部20は、記録シートSを収容する給紙カセット21と、繰り出しローラー22と、搬送ローラー23と、タイミングローラー24を備える。
繰り出しローラー22は、給紙カセット21の最上位の記録シートSに接触して、これを搬送路25に繰り出す。搬送ローラー23は、繰り出しローラー22により繰り出された記録シートSをタイミングローラー24に向けて搬送する。タイミングローラー24は、不図示の制御部から指示されたタイミングで記録シートSを下流側に送り出す。
画像形成部10において中間転写ベルト13上に多重転写されたカラートナー像は、中間転写ベルト13の周回走行により、中間転写ベルト13と二次転写ローラー15との接触位置である二次転写位置15aに移動する。
周回走行する中間転写ベルト13上のトナー像の移動タイミングに合わせて、給紙部20のタイミングローラー24から記録シートSが搬送路25上を給送されて来ており、記録シートSが二次転写位置15aを通過する際に二次転写ローラー15により、中間転写ベルト13上のカラートナー像が記録シートS上に二次転写される。二次転写位置15aを通過した記録シートSは、定着部30に送られる。
定着部30は、二次転写ローラー15から矢印Dで示す方向(シート搬送方向)に搬送されて来る記録シートSを定着ニップ3に通して、記録シートS上のカラートナー像(未定着画像)を加熱、加圧により記録シートSに定着する。
定着部30を通過した記録シートSは、排出ローラー26により機外に排出され、排紙トレイ27に収容される。
(2)定着部の構成
図2は、定着部30の構成を示す概略断面図である。ここで、同図においてX軸方向、Y軸方向は、プリンター1を正面側から見たときの左右方向、上下方向を表し、Z軸方向は、X軸とY軸の双方に直交する方向であり、プリンター1の奥行方向に相当する。同図は、Z軸に直交するX-Y平面で定着部30を切断した場合の横断面図である。
同図に示すように定着部30は、無端状のベルト31と、摺動用部材37を介してベルト31の内周面311に接する固定パッド32と、定着ニップ3を通過した直後のベルト31の内周面311に接してベルト31を案内するガイド部材33と、固定パッド32とガイド部材33とを支持する支持部材34と、ベルト31を加熱する加熱ローラー35と、加熱ローラー35に熱を付与するヒーター36と、ベルト31の内周面311に潤滑剤を塗布する潤滑剤供給部材38と、ベルト31の外周面312を押圧する加圧ローラー39を備える。
ベルト31は、固定パッド32と加熱ローラー35とガイド部材33に巻き掛けられており、加熱ローラー35が不図示のバネなどの弾性部材により固定パッド32から離れる方向に付勢されることにより張力が作用するようになっている。
ベルト31は、ポリイミドやSUS(ステンレス鋼)、Ni(ニッケル)電鋳等からなる基層の上に、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性の高い材料からなる弾性層と、フッ素チューブおよびフッ素コーティング等の離型性を付与した離型層とがこの順に積層されてなる。ベルト31の外径は任意であるが、10~100mmの範囲内が望ましい。基層の厚みは、例えば5~100μmの範囲内が望ましく、弾性層の厚みは、例えば10~300μmの範囲内が望ましく、離型層の厚みは、例えば5~100μmの範囲内が望ましい。ベルト31の内径は、Z軸方向(ベルト幅方向)のどの位置でも一定の同じ大きさになっている。
加圧ローラー39は、アルミ、鉄等からなる中実の芯金39aに、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性の高い材料からなる弾性層39bと、フッ素チューブやフッ素系コーティング等の離型性を付与した離型層39cとがこの順に積層されてなる。加圧ローラー39の外径は任意であるが、20~100mmの範囲内が望ましい。芯金39aは、例えば厚みが0.1~10mmの範囲内のパイプ形状のものや断面形状が三ツ矢形状等の円形ではない異型のものを用いることもできる。また、弾性層39bの厚みは、例えば1~20mmの範囲内が望ましく、離型層39cの厚みは、例えば5~100μmの範囲内が望ましい。
加圧ローラー39は、その回転軸の軸心395がZ軸に平行であり、加圧ローラー39の軸方向両端部が定着部30の筐体を構成する固定フレーム(不図示:以下、単に「フレーム」という。)に回転自在に支持されるとともに、バネなどの弾性部材(不図示)からの付勢力により、加圧ローラー39の外周面391がベルト31に押圧される。
加圧ローラー39は、定着搬送モーター40の回転駆動力により矢印Aで示す方向に所定の回転速度で回転駆動される。この加圧ローラー39の回転により、ベルト31が矢印Bで示す方向(ベルト周回方向)に従動回転(走行)する。
固定パッド32とガイド部材33とは、ベルト周回方向に沿って並ぶように配置されており、周回するベルト31とともに回転しない非回転体であり、Z軸方向長さがベルト31のZ軸方向長さ(ベルト幅)よりも少し長くなっている。
固定パッド32は、ベルト31の内周側において、ベルト31を挟んでベルトの外側に位置する加圧ローラー39とは反対側の位置に配されており、上流側ガイド321と、被押圧部322と、下流側ガイド323とが、この順にベルト周回方向に沿って隣接して設けられている。
上流側ガイド321は、被押圧部322よりもベルト周回方向上流側に設けられ、ベルト31のうち、定着ニップ3よりもベルト周回方向上流側であり定着ニップ3に入る直前のベルト部分315を定着ニップ3に案内する。上流側ガイド321は、定着ニップ3よりもベルト周回方向上流側に位置しており、定着ニップ3の形成には寄与していない。
ここでは、固定パッド32が一つの成型品であり、上流側ガイド321が被押圧部322からベルト周回方向上流側に延設されてなるが、可能であれば、上流側ガイド321と被押圧部322とを別の部材で形成した固定パッド32を用いることもできる。
上流側ガイド321には、ベルト31との間に、ベルト31の幅方向(Z軸方向に相当)の端縁から中央に向かうに連れて漸減するような圧力を付与する圧力付与部324、325(図5)が設けられている。圧力付与部324、325については、後述する。以下、ベルト31の幅方向をベルト幅方向という。
被押圧部322は、ベルト31の内周面311との間に存する摺動用部材37を介して加圧ローラー39からの押圧力を受け止める。ベルト31の外周側に位置する加圧ローラー39がベルト31を介してベルト31の内周側に位置する固定パッド32の被押圧部322を押圧することにより、加圧ローラー39の外周面391とベルト31の外周面312とが圧接して、ベルト31と加圧ローラー39間に定着ニップ3が形成される。定着ニップ3のベルト周回方向上流端が3bになり、ベルト周回方向下流端が3cになる。
下流側ガイド323は、ベルト31における定着ニップ3を通過した直後のベルト部分317をこれよりもベルト周回方向下流側のガイド部材33に案内する。
固定パッド32は、例えば、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド、液晶ポリマー等の樹脂が用いられ、耐熱性の優れたものが望ましい。また、アルミ、鉄等の金属、セラミック等で構成されても良いし、これらとシリコーンゴムやフッ素ゴム等とを複合したものを用いるとしても良い。
ガイド部材33は、固定パッド32よりもベルト周回方向下流側かつ加熱ローラー35よりもベルト周回方向上流側であり、加熱ローラー35よりも固定パッド32に近い位置、ここでは固定パッド32の近傍の位置に空間45を介して配置されており、下流側ガイド323により案内されて来たベルト31のベルト部分317を、さらにベルト周回方向下流に案内する。なお、ガイド部材33は、ベルト周回方向に定着ニップ3から外れた位置に存しており、定着ニップ3の形成には寄与していない。ガイド部材33の素材は、固定パッド32と同じとしても良いし、異なる樹脂または金属としても良い。
支持部材34は、断面コの字状のアルミ、鉄、SUS等の金属製の部材であり、固定パッド32とガイド部材33と摺動用部材37を固定支持する。
図3は、支持部材34と固定パッド32とガイド部材33と摺動用部材37と潤滑剤供給部材38の概略分解斜視図であり、ベルト31については図示していない。
同図に示すように支持部材34は、Z軸方向に長尺状であり、その長手方向両端部がフレームに固定支持されており、上下方向に沿った中央部341と、中央部341の上端から左方向に延出された上側水平部342と、中央部341の下端から左方向に延出された下側水平部343とを有する。
固定パッド32は、支持部材34の中央部341の右側面345に、摺動用部材37を介して接着等により固定支持されており、ガイド部材33は、支持部材34の上側水平部342の上面346に接着等により固定支持されている。
潤滑剤供給部材38は、Z軸方向に長尺であり、ベルト31のベルト幅と略同じ長さになっており、ガイド部材33のベルト案内面335に設けられた、Z軸方向に沿った溝部339の中に嵌め込まれている。潤滑剤供給部材38は、潤滑剤Jを含有しており、上面381がベルト31の内周面311に接触して潤滑剤Jをベルト31の内周面311に塗布する。また、潤滑剤供給部材38は、ベルト31の内周面311に塗布された潤滑剤Jを周回走行中のベルト31から捕集して保持し、保持した潤滑剤Jをベルト31の内周面311に再塗布する機能も有する。
潤滑剤供給部材38は、潤滑剤Jの保持に適した素材、例えばアラミド繊維やフッ素繊維などの繊維状のものやシリコンスポンジ等の多孔質のものが用いられている。ここでは、弾性変形可能なものが用いられるが、これに限られない。潤滑剤Jとしては、耐熱性の高いシリコン系またはフッ素系の潤滑剤が望ましいが、他の材料、例えばフッ素グリスを用いるとしても良い。高粘度であり固形成分を含むグリスを用いることで、定着ニップ3におけるベルト31と摺動用部材37間に潤滑剤が残り易く、より長期間に摩耗を抑制することができる。
摺動用部材37は、低摩擦シートであり、ここでは固定パッド32の周囲を約1周分に亘って取り囲むように固定パッド32に巻き付けられており、例えばガラスクロスを基材とした摺動面(外表面)をフッ素系樹脂で被覆した構成のシートが用いられる。
摺動用部材37の、ベルト31側の面371には、微小な凹凸が形成されており、この凹凸によりベルト31との接触面積が少なくなって摩擦力が低減される。凹凸の大きさは任意であるが、潤滑剤Jを保持する機能と凹凸に起因した画像ムラを抑制する観点から、面371の表面粗さRaは、例えば1~50μmの範囲内が望ましい。摺動用部材37は、ベルト31との摺動抵抗を低減できる素材からなる部材であれば良く、例えばフッ素繊維の織物や、フッ素樹脂シート、ガラスコートを用いるとしても良い。
ベルト31と固定パッド32間に摺動用部材37を介在させつつ、潤滑剤供給部材38によりベルト31の内周面311に塗布された潤滑剤Jがベルト31を介して摺動用部材37の面371に供給されることにより、ベルト31が定着ニップ3を通過するときの摺動抵抗が小さくなり、長期に亘ってベルト31の周回走行の安定性が確保され、ベルト31の摩耗も低減される。
図2に戻って、加熱ローラー35は、アルミやSUS等の金属製の円筒からなり、その回転軸の軸心359がZ軸方向に平行であり、加熱ローラー35の軸方向両端部がフレームに回転自在に支持される。加熱ローラー35の外径は任意であるが、10~100mmの範囲内が望ましく、厚みは0.1~5mmの範囲内が望ましい。
熱源としてのヒーター36は、加熱ローラー35の軸方向に沿って長尺のハロゲンヒーターであり、筒状の加熱ローラー35の内空間に挿通され、不図示の電源からの電力供給により発熱した熱を加熱ローラー35に付与する。ハロゲンヒーターから加熱ローラー35への伝熱が効率良く行われるように、加熱ローラー35の内周面を黒色にすることが望ましい。
なお、ハロゲンヒーターの熱によりベルト31を加熱する方式に限られない。例えば、ヒーター36を赤外線ヒーターや電熱線など他の方式のヒーターとすることもできる。また、ベルト31が加熱される構成であれば良く、例えば電力供給により発熱する抵抗発熱体によりベルト31を形成する抵抗発熱方式を用いることもできる。この構成では、抵抗発熱体への通電がベルト31の加熱になる。また、ベルト31が電磁誘導により発熱する、いわゆる電磁誘導加熱(IH:Induction Heating)方式を用いることもできる。
上記の構成において、加圧ローラー39が矢印A方向に回転駆動されると、その回転駆動力をベルト31が受けて矢印B方向に従動して走行する。この走行方向がベルト周回方向になる。加圧ローラー39の回転駆動中にヒーター36が通電されると、ヒーター36から発せられた熱が加熱ローラー35からベルト31に伝わり、ベルト31の周回走行により定着ニップ3に至る。これにより、ヒーター36の熱が定着ニップ3に供給される。
本実施の形態では、図示していないがベルト31の表面温度を検出してその検出結果を不図示の制御部に送るセンサーが定着部30に配置されている。制御部は、センサーの検出温度に基づいて定着ニップ3の温度が定着に必要な定着温度(例えば170℃)に維持されるようにヒーター36の点灯と消灯を切り替える温調制御を行う。
この温調制御により、定着ニップ3の温度が定着温度で安定するようになり、搬送路25を搬送される記録シートSが定着ニップ3を通過する際に、記録シートS上の未定画像が加熱溶融されると共に加圧されて記録シートS上に定着される。
(3)固定パッドの構成
図4は、固定パッド32の構成を示す概略図であり、図5は、図4の矢印Eで示す方向から固定パッド32の上流側ガイド321を見たときの概略斜視図であり、図6は、ベルト31と固定パッド32と加圧ローラー39とを上から見たときの概略平面図であり、ベルト31と固定パッド32と加圧ローラー39以外の部材については図示が省略されている。
図4と図5に示すように固定パッド32の上流側ガイド321は、摺動用部材37を介してベルト31の内周面311に接するガイド面320を有し、ベルト周回方向(矢印B方向)の下流側の端部かつベルト幅方向(矢印G方向)の両端部に、ベルト31の内周面311に向かって所定量Hだけ盛り上がる凸面部(圧力付与部)324、325が設けられている。
ここで、上流側ガイド321と、定着ニップ3を形成するための被押圧部322とは、この順にベルト周回方向に隣接しているので、上流側ガイド321に設けられた凸面部324、325のベルト周回方向における位置は、定着ニップ3に至る直前の領域の位置(図4、図7の符号333)といえる。以下、この位置を定着ニップ3の直前位置という。
ベルト幅方向両端側に位置する凸面部324、325の間に挟まれるベルト幅方向中央寄りの部分(破線)326を中央部とすると、中央部326は、上流側ガイド321のガイド面320において凸面部324、325以外の領域になり、凸面部324、325に対して窪んでいる関係になる。
このため、凸面部324、325のガイド面320は、中央部326のガイド面320に対してベルト31の内周面311に近づく方向の高さ(厚み方向の高さ)が所定量Hだけ高くなった面といえる。所定量Hは、ここでは0.1~0.5mmの範囲内の値である。中央部326に対して所定量Hだけ凸面部324、325の高さが高くなるように中央部326よりも凸面部324、325の肉厚が厚くなっている。なお、装置構成によっては、所定量Hが上記とは異なる範囲内の値に設定される場合もあり得る。
凸面部324は、図5に示すように平面視において直角三角形状をしており、ベルト幅方向に平行な辺241(第1の辺)と、斜辺242(第2の辺)と、ベルト周回方向に沿った辺243を有する。辺241と辺243とのなす角の大きさが90°であり、辺241と斜辺242とのなす角の大きさθがここでは30°になっている。
凸面部324は、辺243がベルト幅方向の端部側、30°の角の頂点244がベルト幅方向の中央側を向く姿勢で形成されている。つまり、辺243がベルト幅方向の最も外側の端部(ベルト幅方向の端部側の基端)になり、頂点244がベルト幅方向の端部から最も遠い側、つまりベルト幅方向の中央側の端部になる。辺243を凸面部324のベルト幅方向の基端といい、頂点244を凸面部324のベルト幅方向先端という。
凸面部324のベルト周回方向の長さ(幅)Wは、辺241と斜辺242との間の間隔に相当し、ベルト幅方向の端部側であるベルト幅方向基端243からベルト幅方向の中央部側であるベルト幅方向先端244に向かうに連れて漸減するテーパー形状になっている。
凸面部325は、凸面部324と基本的に同じ形状、同じ高さを有する平面視で直角三角形状であり、図5に示すようにベルト周回方向における長さWがベルト幅方向基端253からベルト幅方向先端254に向かうに連れて漸減するテーパー形状になっている。
凸面部324、325とベルト31と加圧ローラー39のベルト幅方向における位置関係は、図6に示されている。すなわち、ベルト幅方向一方端側(同図左端側)では、凸面部324のベルト幅方向基端243、ベルト31のベルト幅方向の一方端(端縁)318、加圧ローラー39の軸方向一方の端部398、凸面部324のベルト幅方向先端244が、この順にベルト幅方向一方端から中央に向かう方向(矢印Z方向)に並んでいる。
同様に、ベルト幅方向他方端側(同図右端側)では、凸面部325のベルト幅方向基端253、ベルト31のベルト幅方向の他方端(端縁)319、加圧ローラー39の軸方向他方の端部399、凸面部325のベルト幅方向先端254が、この順にベルト幅方向他方端から中央に向かう方向(矢印Zの逆方向)に並んでいる。
ここで、加圧ローラー39とベルト31とが接する領域3dは、定着ニップ3のニップ形成領域を示しており、加圧ローラー39の軸方向の端部398、399は、ニップ形成領域3dのベルト幅方向の端縁に等しい。
図6から、凸面部324、325のベルト幅方向基端243、253がベルト幅方向にベルト31の外側に出ている。
また、凸面部324のベルト幅方向先端244がベルト幅方向にニップ形成領域3dの一方の端縁(加圧ローラー39の一方の端部)398よりもニップ形成領域3dの中央(加圧ローラー39の軸方向中央)に近い位置まで延出されている。
同様に、凸面部325のベルト幅方向先端254がベルト幅方向にニップ形成領域3dの他方の端縁(加圧ローラー39の他方の端部)399よりもニップ形成領域3dの中央(加圧ローラー39の軸方向中央)に近い位置まで延出されている。
図7は、図2の矢印Xa方向から加圧ローラー39を透視した状態でベルト31と固定パッド32を見たときの概略側面図であり、実線3dで示す矩形領域は、ニップ形成領域を示している。
図7に示すようにニップ形成領域3dのベルト幅方向長さをL1、ベルト31のベルト幅方向長さをL2、固定パッド32のベルト幅方向長さをL3としたとき、L1<L2<L3の大小関係を有する。ニップ形成領域3dのベルト幅方向長さL1は、加圧ローラー39の軸方向長さに等しい。
加圧ローラー39がベルト31を介して固定パッド32をプリント時での正規の圧力で押圧している通常状態において、ベルト幅方向に異なる3箇所の位置α、β、γでのベルト31と固定パッド32間に生じる圧力の大小関係を図8の模式図に示す。この圧力は、ベルト31の内周面311に垂直な方向に作用する押圧力を単位面積で除した値に相当する。
ここで、位置αは、ベルト幅方向においてニップ形成領域3dの外側の位置である。
位置βは、ベルト幅方向においてニップ形成領域3d内かつニップ形成領域3dの一方端398と凸面部324のベルト幅方向先端244との間の領域内の位置、または、ニップ形成領域3dの他方端399と凸面部325のベルト幅方向先端254との間の領域内の位置である。
位置γは、ベルト幅方向においてニップ形成領域3d内かつ凸面部324のベルト幅方向先端244、254よりも中央寄りの位置である。
図8に示すように位置αでは、ベルト31と上流側ガイド321間の圧力PがPaになっており、被押圧部322におけるベルト31との圧力PがPeになっている。
位置αは、ニップ形成領域3dから外れているので、圧力Pa、Peは、加圧ローラー39による押圧力ではなく、固定パッド32と加熱ローラー35とガイド部材33とにより張架されているベルト31に作用する張力により生じるものになる。
上記のようにベルト31の内径は、ベルト幅方向にどの位置でも同じである。従って、上流側ガイド321に凸面部324、325が設けられている箇所(ベルト幅方向端部:位置α)と設けられていない箇所(ベルト幅方向中央部:位置γ)とを比較すると、凸面部324、325が設けられていない中央部よりも凸面部324、325が設けられている端部の方が、凸面部324、325の厚みの分だけ、凸面部324、325がベルト31を内周面側から外周面側に押す力が増すことになる。この押す力が増した分、その反作用としてベルト31に作用する張力が、凸面部324、325の設けられていない中央部よりも増え、その張力が増えた分、圧力Pが大きさPaとなって現れている。
被押圧部322には、凸面部324、325が設けられておらず、被押圧部322は、凸状の湾曲面であるガイド321とは異なり、凹状の湾曲面なので、圧力Peがガイド321の圧力Paよりもかなり小さくなっている。
位置βでは、圧力PがPb(<Pa)になっており、被押圧部322におけるベルト31との圧力PがPc(>Pb)になっている。位置βは、ニップ形成領域3d内であるので、加圧ローラー39の押圧力により圧力Pc(ニップ圧)がかなり大きくなっている。同図では、図示の都合上、圧力Pの大きさPcがPbの2倍程度で示されているが、実際には10倍程度またはこれ以上である。なお、ニップ圧が高すぎると、潤滑剤Jがベルト31と固定パッド32間に全く進入できなくなることがあるので、必要な量の潤滑剤Jがベルト31と固定パッド32間に進入できる範囲内で、定着に適したニップ圧が予め実験などにより設定されている。
一方、位置βでの圧力Pbは、位置αでの圧力Paよりも小さくなっている。これは、位置βにおける凸面部324、325のベルト周回方向の長さWbが、位置αにおける凸面部324、325のベルト周回方向の長さWaよりも短いことによる。すなわち、位置βでも、位置αと同様に、定着ニップ3の直前位置では加圧ローラー39の押圧力が作用しないので、ベルト31に作用する張力の大きさが圧力Pbの大きさに影響を与える。凸面部324、325の厚みは、上記のようにベルト幅方向においてどの位置でも同じであるが、ベルト周回方向の長さWが短いほど、ベルト31が内周面側から外周面側に押される領域のベルト周回方向の長さも短くなり、その分、凸面部324、325がベルト31を内周面側から外周面側に押す力が減ることになる。この押す力が減った分、ベルト31に対して作用する張力が減って、その張力が減った分、位置βでの圧力Pbが位置αでの圧力Paよりも小さくなる。
位置αと位置βの間については圧力Pを図示していないが、図7に示すように凸面部324、325が平面視で直角三角形状をしており、凸面部324、325は、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて、凸面部324、325のベルト周回方向長さWが漸減している形状に形成されている。この凸面部324、325の長さWの漸減により、上流側ガイド321とベルト31間の圧力Pが図9の実線のグラフに示すように、ベルト31のベルト幅方向の端縁から中央に向かう(ベルト幅方向の端部側から中央側に向かう)に連れて漸減する圧力分布になる。この圧力分布は、ベルト31が凸面部324、325により押されている領域では、ベルト幅方向に異なる任意の位置においてどの2点の位置を比較しても端部側(外側)の方が中央側(内側)よりも圧力Pが高いという関係を有することに等しい。
この圧力Pの大きさは、例えば1~200kPaの範囲内が望ましい。圧力Pが1kPa未満であれば、ベルト31と上流側ガイド321との接触状態が不安定になり易く、ベルト幅方向の一方端から他方端までの間で押圧力の強い箇所と弱い箇所ができると、ベルト幅方向の温度ムラが生じ、定着後の画像ムラが生じるおそれがある。一方で、圧力Pが200kPaを超えると、圧力が高くなりすぎてベルト31と上流側ガイド321間に潤滑剤Jが入り込み難くなり、ベルト31や摺動用部材37の摩耗が促進され、耐久性が低下するおそれがある。なお、装置構成によっては、圧力Pの大きさが上記とは異なる範囲内の値に設定される場合もあり得る。
図8に戻って、位置γ(ベルト幅方向中央部)では、上流側ガイド321におけるベルト31との圧力PがPd(<Pb)になっており、被押圧部322におけるベルト31との圧力PがPcになっている。位置γは位置βと同様にニップ形成領域3d内であるので、被押圧部322の圧力Pcが位置βと同じ大きさのニップ圧Pcになっている。
ベルト31と上流側ガイド321間の圧力Pdは、かなり小さくなっている。位置γは、凸面部324、325が設けられていない中央部の領域内なので、凸面部324、325が設けられている端部の領域よりもベルト31に作用する張力が低くなるからである。
上流側ガイド321のガイド面320において、凸面部324、325の間に介在する中央部の領域(凸面部324、325が設けられていない領域:図5の326)の圧力Pは、ベルト幅方向にどの位置でもPd(>0)と略同じ大きさになっている。
つまり、定着ニップ3の直前位置では、ベルト31の張力により、ベルト31のベルト幅方向の一方端から他方端までの全域のどの位置においても、上流側ガイド321のガイド面320との間に所定の押圧力が作用している。この押圧力の作用により、定着ニップ3の直前位置において、ベルト31のベルト幅方向の一方端318から他方端319までの全域が摺動用部材37を介して上流側ガイド321と接する状態になっている。
これにより、例えば、櫛歯形状のガイドのようにベルト31の内周面311と接している部分と接していない部分とが交互にある構成において、接している部分ではベルト31の熱が逃げ、接していない部分ではベルト31の熱が逃げないことにより生じるベルト幅方向の温度ムラが発生することが防止される。なお、圧力の大きさPe、Pdの大小関係は、任意であるが、Pe<Pdの場合や略同じ場合もあり得る。
ここで、凸面部324、325を有しない構成を従来相当の構成(比較例)とした場合、位置α、β、γにおける圧力Pの大きさを図10の模式図に示す。凸面部324、325を有しない上流側ガイドを921で示しており、被押圧部922と下流側ガイド923は、上記の被押圧部322と下流側ガイド323と基本的に同じものに相当する。
図10に示すように比較例において、被押圧部922と下流側ガイド923の圧力Pの大きさについては、図8に示す圧力Pの大きさと略同じになっている。一方、上流側ガイド921では、凸面部324、325を有しないので、位置α、β、γのどの位置でもベルト31との圧力Pが同じ大きさのPdになっている。位置α、β以外の位置についても同様であり、ベルト幅方向の一方端から他方端までの全域においてどの位置でもPdで略一定になる(図9の波線のグラフ)。
図7と図8に示すベルト31のベルト幅方向の端縁から中央に向かうに連れて圧力が漸減する圧力分布を有する構成(実施例)と、図10に示すベルト幅方向に圧力が一定である圧力分布を有する従来相当の構成(比較例)とで、ベルト31の周回走行に伴って潤滑剤Jがどのように流れるのか図11(a)、(b)を用いて説明する。
ここで、図11(a)の実施例は、図2の矢印Xa方向から加圧ローラー39とベルト31と摺動用部材37を透視して固定パッド32を見たときの概略側面図であり、ベルト31の内周面311に塗布された丸印で示す潤滑剤Jがベルト31の周回走行によって固定パッド32の上流側ガイド321とベルト31との間に進入してきた様子を模式的に示しており、同図では、下から上に向かう方向がベルト周回方向に相当する。
実施例に示すように、ベルト幅方向の位置328において、潤滑剤Jが上流側ガイド321の凸面部324に至ると、潤滑剤Jの一部Jaは、そのままベルト周回方向(下から上の方向)に沿って凸面部324とベルト31間を通過してニップ形成領域3dに入るが、残りの一部Jbは、ベルト周回方向に対してベルト幅方向中央寄りに少し斜めに傾いた向きに進行して、凸面部324とベルト31間を通過し、位置328よりもベルト幅方向中央寄りの位置329でニップ形成領域3dに入っていく。
これは、上記の図9に示す圧力分布によるものであり、ベルト31と凸面部324間の圧力Pが高くなっている位置328よりも低くなっている位置329の方がベルト31と凸面部324間を潤滑剤Jが通過し易いからである。図9に示す圧力分布、つまりベルト31のベルト幅方向の端縁318から中央に向かうに連れてベルト31と凸面部324間の圧力Pが漸減するという圧力分布により、定着ニップ3の直前位置においてベルト幅方向の端部に存する潤滑剤Jがベルト幅方向の中央寄りに搬送されてニップ形成領域3dに入るようになる。なお、凸面部325については、潤滑剤Jの流れの様子を図示していないが、凸面部324と同様にベルト幅方向の端縁319から中央寄りに潤滑剤Jが搬送される。また、ベルト幅方向の中央部に存する潤滑剤Jについても図示していないが、この潤滑剤Jはそのままニップ形成領域3dに入っていく。
これに対して、比較例では、上流側ガイド921に凸面部324、325が設けられておらず、定着ニップ3の直前位置においてベルト31と上流側ガイド921間の圧力Pがベルト幅方向一方端から他方端の全域に亘って同じ大きさになっている。
このため、ベルト幅方向の端部において高圧力のニップ形成領域3dに至った潤滑剤Jの一部Jcがニップ形成領域3dを通過できずにベルト幅方向の端縁に向かう方向(同図の左方向)に逃げて、やがてベルト31の端縁からベルト31の外に漏れ出ることが生じてしまう。
実施例では、定着ニップ3の直前位置で上流側ガイド321のベルト幅方向の両端部に設けられた凸面部324、325により、ベルト幅方向の端部に存する潤滑剤Jがベルト幅方向の中央寄りに搬送された上でニップ形成領域3dを通過するので、比較例のようにベルト幅方向の端部に存する潤滑剤Jがベルト31の外に漏れ出ることを防止できる。
潤滑剤Jがベルト31の外に漏れ出ることがなくなるので、ベルト31の内周面311上の潤滑剤Jの量を安定して維持でき、摺動用部材37を介するベルト31と固定パッド32間の摩擦抵抗の増大を防止できる。この摩擦抵抗の増大の防止により、ベルト31の摩耗の進行が早まることや、ベルト31を駆動するトルクの上昇を防止でき、長期に亘ってベルト31や加圧ローラー39のスムーズな回転を維持でき、記録シートSの搬送性の低下を防止できる。
また、ベルト幅方向の両端部のみに凸面部324、325を設けているので、ベルト31の内周面311との摺動抵抗を抑制しつつ潤滑剤Jをベルト幅方向端部から中央に戻すことができる。そして、凸面部324、325のベルト周回方向の長さJをベルト31のベルト幅方向の端縁から中央に向かうに連れて漸減する形状にしている。これにより、凸面部324、325がベルト31の内周面311と接触する領域がベルト幅方向の中央に向かうに連れて少なくなり、それだけベルト31の内周面311との摺動抵抗の抑制を図れる。
<変形例>
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、凸面部324、325のベルト幅方向先端244の角度θの大きさを30°としたが、これに限られない。潤滑剤Jをベルト幅方向の端部から中央に戻すのに必要な上記の圧力分布を形成できる角度であれば良い。角度θを大きくしすぎると、凸面部324、325の面積が大きくなって、ベルト31との摺動抵抗が大きくなる。逆に、角度θを小さくしすぎると、上記の圧力分布を確保し難くなる。ベルト31との摺動抵抗と上記の圧力分布の確保との両方の観点から適した範囲の角度が予め実験などから決められる。
(2)上記実施の形態では、上流側ガイド321の凸面部324、325の平面視における形状を直角三角形状としたが、これに限られない。上記の圧力分布を形成できる形状であれば良い。
例えば、図12に示すような平面視形状の凸面部424を設けることもできる。凸面部424は、ベルト幅方向先端444とベルト周回方向上流端445とを結ぶ端縁442がベルト周回方向に凸の弧状(実線)を形成してなるテーパー形状になっている。
このような弧状の端縁442でも上記の圧力分布を形成できれば適用することができる。また、端縁442を破線で示すようにベルト周回方向とは逆方向に凸の弧状に形成することも可能であろう。
さらに、図13(a)、(b)に示す構成の凸面部524とすることもできる。図13(a)は、凸面部524を平面視した概略図であり、図13(b)は、図13(a)のQ-Q断面を示す図である。図13(a)に示すように凸面部524は平面視で矩形状であり、図13(b)に示すように凸面部524は、厚み方向(ベルト31に近づく方向)の高さIがベルト幅方向(矢印G方向)の基端545からベルト幅方向先端544に向かうに連れて漸減する形状になっている。この高さIの漸減が上記の圧力分布を形成する。上記では、ベルト幅方向の一方端側の凸面部だけを示したが、ベルト幅方向の他方端側の凸面部についても同形状とすることができる。
(3)上記実施の形態では、図7に示すように上流側ガイド321の凸面部324、325のベルト幅方向先端244、254がベルト幅方向にニップ形成領域3dの一方端(端縁)398、他方端(端縁)399よりも中央寄りに位置している構成例を説明したが、これに限られない。
例えば、図14に示すように凸面部324、325のベルト幅方向先端244、254がニップ形成領域3dの端縁398、399よりも、ベルト31のベルト幅方向の端縁318、319寄りに位置している構成、つまりニップ形成領域3dの端縁398、399のベルト幅方向における位置まで延出されていない構成とすることもできる。定着ニップ3の直前位置におけるベルト31のベルト幅方向の端部の圧力が上記の圧力分布のようになれば、ベルト31の端縁から潤滑剤Jが漏れ出すことを防止できる。
(4)上記実施の形態では、上記の圧力分布を形成するための圧力付与部としての凸面部324、325を固定パッド32の上流側ガイド321のベルト幅方向両端部に設ける構成例を説明したが、これに限られない。
固定パッド32に凸面部324、325を設けない構成において、例えば図15(a)に示すような円錐台形状の押圧ローラー111、112を有する圧力付与部100をベルト31の外周側に設ける構成をとることも可能である。
図15(a)は、本変形例に係るベルト31と固定パッド32と加圧ローラー39と圧力付与部100を上から見たときの概略平面図である。
同図に示すように圧力付与部100は、円錐台形状の押圧ローラー111、112と、押圧ローラー111、112をその円錐台の中心を通る軸線周りに回転自在に支持する回転軸113、114を有する。
円錐台形状の押圧ローラー111、112は、ベルト31のベルト幅方向の端部を、定着ニップ3の直前位置でベルト31を介して固定パッド32の上流側ガイド321に押圧するものであり、ベルト幅方向において、加圧ローラー39の軸方向端部398、399よりもベルト31の端縁318、319に近い側、かつ、加圧ローラー39よりも少しベルト周回方向上流(シート搬送方向上流)の位置に配置されている。この配置により、加圧ローラー39の軸方向から見たとき、加圧ローラー39の端部と押圧ローラー111(または112)の端部の一部がオーバーラップした状態になる。
回転軸113は、ベルト幅方向に平行であり、先端側115に押圧ローラー111が回転自在に嵌め込まれており、基端側116がフレームに固着されている。回転軸114も回転軸113と同様にベルト幅方向に平行であり、先端側115に押圧ローラー112が回転自在に嵌め込まれており、基端側116がフレームに固着されている。
図15(b)は、押圧ローラー111の拡大図であり、ベルト幅方向の一方の端部118の径Daが他方の端部119の径Dbよりも大きいという関係を有する円錐台形状になっている。他方の押圧ローラー112も同様に、端部118の径Daが端部119の径Dbよりも大きい円錐台形状になっている。押圧ローラー111、112は、大径の端部118がベルト幅方向の端部側、小径の端部119がベルト幅方向の中央側を向く姿勢で回転軸113、114に嵌め込まれている。
押圧ローラー111、112が円錐台形状をしていることにより、押圧ローラー111、112がベルト31を介して固定パッド32の上流側ガイド321を押圧したときの押圧力のベルト幅方向における圧力が、上記の図7の実線で示すような圧力分布になる。これにより、実施の形態と同様に、ベルト31の端縁から潤滑剤Jが漏れ出るのを防止することができる。
(5)上記実施の形態では、ベルト幅方向の一方と他方の端部に凸面部324、325を設けるとしたが、これに限られない。例えば、ベルト幅方向のいずれかの端部のみに凸面部を設ける構成をとることもあり得る。具体的には、ベルト31が周回走行中にベルト幅方向の一方端側と他方端側のどちらかに徐々に寄って行く構成がある。
このような構成では、ベルト31の内周面に塗布されている潤滑剤Jも定着ニップ3の直前位置においてベルト31が寄って行く方向と同方向に流れ易くなって、ベルト31から潤滑剤Jが漏れ出ることが生じ易くなる。一方で、ベルト31が寄って行く方向とは逆方向には、潤滑剤Jがベルト31から漏れ出ることがほとんどなくなる。
従って、ベルト31が寄って行く方向の端部にのみ凸面部を設けることでも、ベルト31から潤滑剤Jが漏れ出ることを防止できる。
(6)上記実施の形態では、ベルト31を固定パッド32とともに張架する張架部材として加熱ローラー35とガイド部材33を用いる構成例を説明したが、これに限られない。例えば、ガイド部材33を備えない構成もあり、この構成例では、加熱ローラー35が張架部材となる。また、電磁誘導方式や抵抗発熱方式において、ヒーター36を有しない構成では、加熱ローラー35に代えて他の従動ローラーを張架部材として配置する構成をとり得る。また、図15(a)に示す変形例に係る構成では、ベルト31が自立して略円筒形を保持できる弾性の自己形状保持可能なベルトあれば、ベルト31を張架する部材を配しない構成とすることもできる。また、自己形状保持可能なベルトを上記の実施例に用いた場合に、張架部材を設けなくても上記同様の圧力分布を形成できるような場合には、実施例においても張架部材を設けない構成をとることもできる。
(7)上記実施の形態では、ベルト31の内周面311に潤滑剤Jを塗布する潤滑剤供給部材38を設ける構成例を説明したが、これに限られず、例えば潤滑剤供給部材38を設けない構成もあり得る。この構成では、定着部30の製造段階やメンテナンス時などに作業員によりベルト31の内周面311に潤滑剤Jが塗布される。
また、摺動用部材37を設ける構成例を説明したが、これに限られず、ベルト31の安定した周回走行を維持できるのであれば、摺動用部材37を設けない構成をとるとしても良い。この構成では、定着ニップ3の直前位置において、ベルト31のベルト幅方向の一方端318から他方端319までのベルト幅方向の全域が、固定パッド32の上流側ガイド321に直に接することになる。
(8)上記実施の形態では、固定パッド32が支持部材34により固定支持され、加圧ローラー39がベルト31を介して固定パッド32を押圧する構成としたが、これに限られない。固定パッド32は、ベルト31の周回走行に伴って回転しない非回転体であれば良く、例えば固定パッド32がバネなどの付勢部材の付勢力によりベルト31を介して加圧ローラー39を押圧する構成でも良い。いずれにしても、加圧ローラー39と固定パッド32間に押圧力が作用するので、加圧ローラー39が固定パッド32を押圧する構成に含まれる。
(9)上記実施の形態では、本開示に係る画像形成装置をタンデム型のカラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。無端状のベルトを有する定着装置およびこれを備える画像形成装置に適用できる。画像形成装置としては、カラー画像形成を実行可能なものやモノクロ画像形成のみが実行可能なものに適用でき、またプリンターに限られず、例えば複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等の画像形成装置に適用できる。
上記の各部材の大きさ、形状、材料、個数や各数値などは一例であり、装置構成に応じて適した各部材の大きさ、形状、材料、個数や各数値などが予め決められる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしてもよい。本開示の効果を得られる範囲で、定着部などの各部の機構や各部材を別の機構や別の形状の部材に代えて適用することとしても良い。
本開示は、無端状のベルトを有する定着装置に広く適用することができる。
1 プリンター
3 定着ニップ
30 定着部
31 ベルト
32 固定パッド
34 支持部材
35 加熱ローラー
36 ヒーター
37 摺動用部材
38 潤滑剤供給部材
39 加圧ローラー
111、112 円錐台形状の押圧ローラー(圧力付与部)
241 第1の辺
242 第2の辺
243 凸面部の、ベルト幅方向端部側の基端
244、254 凸面部の、ベルト幅方向中央側の先端
311 ベルトの内周面
320 ガイド面
318 ベルトのベルト幅方向の一方端(端縁)
319 ベルトのベルト幅方向の他方端(端縁)
321 固定パッドの上流側ガイド
324、325、424、524 上流側ガイドにおける凸面部(圧力付与部)
326 上流側ガイドのガイド面における凸面部以外の領域
333 定着ニップの直前位置
398、399 ニップ形成領域のベルト幅方向の端縁(加圧ローラーの軸方向端部)
B ベルト周回方向
G ベルト幅方向
J 潤滑剤
P ベルトと上流側ガイド間の圧力
S 記録シート
W 凸面部におけるベルト周回方向の長さ(幅)

Claims (15)

  1. 潤滑剤が内周面に塗布された無端状のベルトをベルトの外周側に配された加圧ローラーで押圧して形成された定着ニップにシートを通して、シート上の未定着画像を定着させる定着装置であって、
    ベルトの内周側でベルトを介して加圧ローラーに押圧される被押圧部と、前記被押圧部よりもベルト周回方向の上流側に設けられ、前記定着ニップにベルトを案内するガイドと、を有する非回転体のパッドと、
    前記定着ニップよりもベルト周回方向の上流側の直前位置において、ベルトのベルト幅方向の端部と前記ガイド間に、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて漸減するような圧力を付与する圧力付与部と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ガイドは、ベルトの前記端部に対応する位置に、ベルトの内周面に向かって盛り上がる凸面部を有し、
    前記圧力付与部は、前記凸面部であり、
    前記凸面部は、前記漸減する圧力が付与されるように、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて前記凸面部のベルト周回方向の長さが漸減するテーパー形状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ガイドは、ベルトの前記端部に対応する位置に、ベルトの内周面に向かって盛り上がる凸面部を有し、
    前記圧力付与部は、前記凸面部であり、
    前記凸面部は、前記漸減する圧力が付与されるように、ベルト幅方向の端部側から中央側に向かうに連れて前記凸面部の高さが漸減する形状に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記凸面部の、ベルト幅方向の中央側の端部が、加圧ローラーの軸方向端部よりも、ベルト幅方向において、加圧ローラーの軸方向中央に近い位置まで延出されていることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記テーパー形状は、ベルト幅方向に平行な第1の辺と、これよりもベルト周回方向上流において前記第1の辺に対して傾斜する第2の辺とにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  6. 前記凸面部の、ベルト幅方向の端部側の基端が、ベルト幅方向にベルトの外側に出ていることを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記圧力付与部は、前記直前位置において、ベルトの外周側からベルトの前記端部を前記ガイドに押圧する円錐台形状の押圧ローラーであり、
    前記押圧ローラーは、大径の端部がベルト幅方向の端部側、小径の端部がベルト幅方向の中央側を向く姿勢で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  8. ベルトのベルト幅方向の端縁よりも加圧ローラーの軸方向端部の方が、ベルトのベルト幅方向の中央に近いことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. ベルトは、前記直前位置において、ベルト幅方向の一方端から他方端までの全域が前記ガイドと接していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. ベルトと前記パッドとの間に介在する低摩擦シートを備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 前記ベルトは、前記直前位置において、ベルト幅方向の一方端から他方端までの全域が前記低摩擦シートを介して前記ガイドと接していることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. ベルトの内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材を備えることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記圧力付与部による圧力は、1~200kPaの範囲内の大きさであることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記凸面部の高さは、0.1~0.5mmの範囲内の大きさであることを特徴とする請求項2または5に記載の定着装置。
  15. 搬送される記録シート上に形成された未定着画像を定着させる定着部を備える画像形成装置であって、
    前記定着部として、請求項1~14のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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