JP2022183578A - シート処理装置、製本システム及び制御プログラム - Google Patents

シート処理装置、製本システム及び制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】処理対象のシート材を断裁しない場合であっても、折り目が膨らむことを抑制可能なシート処理装置を提供する。【解決手段】シート材Sの折り目SFの停止位置を決める位置決め手段7と、シート材Sにおける折り目SFの近傍を押圧する押圧手段8と、押圧手段8に押圧されたシート材Sの折り目SFとは反対側の辺を断裁する断裁手段2と、を備えるシート処理装置において、停止位置から断裁手段2までの距離である停止断裁間距離を調整する距離調整手段と、共通の駆動源によって押圧手段8の押圧動作と断裁手段2による断裁動作とを制御する制御手段と、を備え、制御手段は、押圧手段8でシート材Sを押圧して断裁手段2で断裁する押圧断裁モードと、押圧手段8でシート材Sを押圧して断裁手段2で断裁は行わない押圧非断裁モードと、を切り替えて制御し得る。【選択図】図4

Description

本発明は、シート処理装置、製本システム及び制御プログラムに関する。
従来、折り処理されたシート材の折り目の停止位置を決める位置決め手段と、位置決めされた前記シート材における前記折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する押圧手段と、前記押圧手段に押圧された前記シート材の前記折り目とは反対側の辺を断裁する断裁手段と、を備えるシート処理装置が知られている。この種のシート処理装置として、例えば、中綴じ折り冊子を作成する製本システム(特許文献1等)の小口断裁装置が知られている。このような製本システムでは、シート材(用紙)の中央部に折り目を形成し、折り目が重なるように複数のシート材を重ねて蓄積し、重ねたシート束に対して折り目の位置で中綴じ処理をして冊子を作成する。このような製本システムによって作成された冊子は、シート材の中央部同士を重ねているため、小口側のシート材の端部は略そろった状態となるが、中綴じ後の冊子における小口側では、折り曲げたシート束の内側のシート材ほど突き出す僅かなずれが生じる。このずれに対して、小口断裁装置で冊子の小口を断裁することで冊子を形成するシート材の小口側の端部を揃えることができる。
特開2021-042074号公報 特開2020-040742号公報
特許文献1に記載の製本システムでは、シート材の小口を揃えた冊子を作成する製本の他に、シート材の小口側の端部を階段状にずらし、この階段状にずらした各シート材の小口側の端部近傍を上方から一目で視認できる冊子を作成する製本(以下、「インデックス製本」という)も行うことができる。そして、インデックス製本等で小口断裁を行わなかった場合、小口断裁を行った場合に比べて、冊子の折り目が膨らんで見栄えが悪くなるという不具合が生じることがあった。
このような問題は、処理対象であるシート材が複数枚のシート材の折り目を重ねて中綴じした冊子である場合に限らず、綴じられていない複数枚のシート材を折り目で重ねたシート束や折り処理がされた一枚のシート材でも同様に生じ得る問題である。
上述した課題を解決するために、本発明は、折り処理されたシート材の折り目の停止位置を決める位置決め手段と、位置決めされた前記シート材における前記折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する押圧手段と、前記押圧手段に押圧された前記シート材の前記折り目とは反対側の辺を断裁する断裁手段と、を備えるシート処理装置において、前記停止位置から前記断裁手段までの距離である停止断裁間距離を調整する距離調整手段と、共通の駆動源によって前記押圧手段の押圧動作と前記断裁手段による断裁動作とを行わせる連動駆動手段と、前記距離調整手段と前記連動駆動手段とを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記押圧手段で前記シート材を押圧して前記断裁手段で断裁する押圧断裁モードと、前記押圧手段で前記シート材を押圧して前記断裁手段で断裁は行わない押圧非断裁モードと、を切り替えて制御し得るものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、シート材の折り目とは反対側の辺を断裁する断裁手段を備えるシート処理装置であって、処理対象のシート材を断裁しない場合であっても、折り目が膨らむことを抑制可能なシート処理装置を提供できる、という優れた効果がある。
実施形態に係る製本システムの斜視図。 小口断裁装置の概略説明図。 小口断裁機のブロック図。 小口断裁装置での第一モードと第二モードとの比較説明図。 第一モードの制御の前半の説明図。 第一モードの制御の後半の説明図。 第二モードの制御の前半の説明図。 第二モードの制御の後半の説明図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
図1は、実施形態に係る製本システム10の斜視図である。製本システム10は、文字や画像が印刷された用紙に丁合、折り、綴じ、断裁などの後処理を施す。製本システム10は、三つの丁合装置12(12A、12B、12C)(以下、特に区別しない場合には「丁合装置12」と呼ぶ)、方向変換装置14、折り装置16、中綴じ装置18、小口断裁装置20、天地断裁装置22、ベルトスタッカ24及び統合制御装置26を備える。丁合装置12の数は特に限定されない。
三つの丁合装置12はそれぞれ、複数の給紙部を含む。それぞれの三つの丁合装置12は、複数の給紙部のそれぞれから用紙を給紙しながら用紙を重ね合わせる。三つの丁合装置12は直列に配置されており、上流側に配置された丁合装置12によって作成された用紙束に下流側に配置された丁合装置12によって作成された用紙束を重ね合わせることが可能となっている。
方向変換装置14は、丁合装置12から搬入された用紙束または一枚の用紙を、搬送方向を90[°]方向変換し、折り装置16に搬出する。
折り装置16は、方向変換装置14から搬入された用紙束または用紙に折り筋を付け、その折り筋に沿って用紙束または用紙を山折り状(すなわち断面形状が逆V字状)に折り畳んで折り目を付ける。折り装置16は、折り畳んだ用紙束を中綴じ装置18に搬出する。
中綴じ装置18は、折り装置16から搬入された、山折り状に折りたたまれた用紙束を、製本すべき一冊の冊子を構成する一セットの用紙束となるまで蓄積させる。中綴じ装置18は、蓄積(作成)された一セットの用紙束を折り目で綴じて中綴じ折り冊子を作成する。以下、中綴じ折り冊子を単に「冊子」と呼ぶ。中綴じ装置18は、作成した冊子を小口断裁装置20に搬出する。
小口断裁装置20は、中綴じ装置18から搬入された冊子の小口を断裁し、天地断裁装置22に搬送する。天地断裁装置22は、小口断裁装置20から搬送された冊子の天地を断裁し、ベルトスタッカ24に搬送する。ベルトスタッカ24は、天地断裁装置22から搬送された冊子を順次蓄積する。丁合装置12、方向変換装置14、折り装置16、中綴じ装置18、天地断裁装置22及びベルトスタッカ24は、特許文献1の製本システム10が備えるものと同様の構成等、公知の技術を用いて構成すればよい。
統合制御装置26は、情報処理装置28、ディスプレイ30及び入力装置32を有する。情報処理装置28は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)であり、各種演算処理を実行するCPU(中央処理装置)、各種制御プログラムを格納するROM(リードオンリーメモリ)、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM(ランダムアクセスメモリ)を有する。入力装置32は、キーボードまたはマウスを含む。ディスプレイ30としてタッチパネル式のディスプレイが採用されてもよい。この場合、ディスプレイ30が入力装置としても機能する。統合制御装置26は、製本システム10を統合的に制御する。
図2は、小口断裁装置20を、図1の矢印「A」方向から見た概略説明図である。
図2に示すように、小口断裁装置20は、入口ローラ対1、断裁上刃2、断裁下刃3、後端側押圧板4、下搬送ベルト5、上搬送ベルト6、ストッパ7、先端側押圧板8、先端側支持板9及び冊子センサ11を備える。
図3は、小口断裁装置20の制御系を示すブロック図である。
入口ローラ対1は、駆動ローラである下側のローラが搬送モータ41からの駆動伝達によって図2中の反時計回り方向に回転することで、従動ローラである上側のローラが図2中の時計回り方向に連れ回る。断裁上刃2は上方の待機位置と下方の断裁位置との間を移動可能であり、断裁モータ43の駆動により待機位置から断裁位置へと下降し、装置に固定された断裁下刃3との間で冊子の小口部分を挟んで断裁する。後端側押圧板4及び先端側押圧板8は、上方の待機位置と下方の押さえ位置との間を移動可能であり、断裁モータ43の駆動が不図示の連動機構を介して伝達されて上下方向に移動する。
下搬送ベルト5は、ベルト駆動プーリ5aと従動プーリ5bとによって張架され、搬送モータ41からの駆動伝達によってベルト駆動プーリ5aが図2中の反時計回り方向に回動し、下搬送ベルト5も図2中の反時計回り方向に回動する。上搬送ベルト6は、上ベルト上流側プーリ6aと上ベルト下流側プーリ6bとによって張架されて、直接または冊子を挟んで接触する下搬送ベルト5が回転することで、図2中の時計回り方向に従動回転する。ストッパ7は、突き当てモータ44の駆動によってストッパ軸7aを中心に回動することで、図2中の実線で示す突き当て位置と、一点鎖線で示す退避位置との間を移動する。上ベルト上流側プーリ6a、上ベルト下流側プーリ6b及び上搬送ベルト6は、上搬送ベルト6が下搬送ベルト5に接触する接触位置と、離間する離間位置との間で移動可能であり、搬送接離モータ45の駆動により上下方向に移動する。先端側支持板9は、冊子の先端側の下面を支持し、待機位置から押さえ位置に下降してくる先端側押圧板8との間で冊子を挟む。冊子センサ11は、検知位置での冊子の通過を検知する。
また、ストッパ7、先端側押圧板8及び冊子センサ11は、冊子搬送方向に平行な方向(図2中の左右方向)に移動可能な不図示のスライドユニットに支持されており、スライドモータ42の駆動を制御することで、ストッパ7、先端側押圧板8及び冊子センサ11の冊子搬送方向の調整することができる。
小口断裁制御部40は、先端側押圧板8で冊子を押圧して断裁上刃2及び断裁下刃3で断裁する第一モードと、先端側押圧板8で冊子を押圧して断裁上刃2及び断裁下刃3で断裁は行わない第二モードと、を切り替えて制御し得るものである。
図4は、小口断裁装置20での第一モードと第二モードとの違いを説明する説明図である。
図4(a)は、第一モードを示しており、図4(b)は、第二モードを示している。断裁上刃2と先端側押圧板8とは機械的に連動する構成である。
第一モードでは、図4(a)の左図で示すように、冊子Sの後端が断裁上刃2よりも搬送方向上流側になるようにストッパ7の位置を設定する。冊子Sの先端となる折り目SFがストッパ7に突き当たった状態で、断裁モータ43を駆動することで、待機位置にあった断裁上刃2及び先端側押圧板8が下降する。そして、図4(a)の右図に示すように、先端側押圧板8が冊子Sの先端近傍の膨らみを押さえるように冊子Sを押圧する押さえ位置に到達した後、断裁上刃2が断裁位置に到達し、冊子Sの後端部分を切断して小口断裁を行う。
第二モードでは、図4(b)の左図で示すように、冊子Sの後端が断裁上刃2よりも搬送方向下流側になるようにストッパ7の位置を設定する。すなわち、冊子Sの長さが同じ場合は、図4(b)中の矢印「α」で示すように、ストッパ7と先端側押圧板8とを第一モードの場合よりも搬送方向下流側に移動させた設定とする。冊子Sの折り目SFがストッパ7に突き当たった状態で、断裁モータ43を駆動することで、待機位置にあった断裁上刃2及び先端側押圧板8が下降する。そして、図4(b)の右図に示すように、先端側押圧板8が押さえ位置に到達した後、断裁上刃2が断裁位置に到達する。このとき、冊子Sの後端は断裁上刃2よりも搬送方向下流側に位置するため冊子Sの後端部分は切断されない。すなわち、第二モードでは断裁上刃2は断裁位置まで移動するが、冊子Sの断裁は行わない。このように、第二モードでは、冊子Sの先端近傍の膨らみを先端側押圧板8によって押さえることができ、冊子Sの小口断裁は回避できる。
次に、第一モード及び第二モードでの処理動作についてより詳しく説明する。
図5及び図6は、図2に示す小口断裁装置20の冊子搬送路の拡大図であり、小口断裁装置20が第一モードで冊子Sの増し折りと小口断裁とを行う過程を示す説明図である。
統合制御装置26から小口断裁制御部40に、小口断裁処理を行う設定信号が入力されるとともに、冊子サイズ情報または断裁後長さ情報が入力される。小口断裁制御部40は、入力された冊子サイズ情報または断裁後長さ情報に基づいて、スライドモータ42を駆動し、入力された情報に応じたストッパ7が位置するようにスライドユニットを移動させる。第一モードでは、ストッパ7から断裁上刃2までの距離である断裁後長さCLが、冊子長さSLよりも短くなるようにスライドユニットの位置を制御する。
中綴じ装置18から冊子Sが搬送されてくる前に、小口断裁制御部40は突き当てモータ44を制御して、ストッパ7を突き当て位置に移動させる。なお、ストッパ7を付勢部材によって突き当て位置に位置決めし、突き当てモータ44を駆動することによって、突き当て位置から待機位置に移動させる構成の場合は、突き当てモータ44の駆動は不要である。また、断裁モータ43を制御して、断裁上刃2、後端側押圧板4及び先端側押圧板8を上方の待機位置に位置させるとともに、搬送接離モータ45を制御して上搬送ベルト6を接触位置に位置させる。
その後、製本システム10での製本処理の開始と同時に、または、中綴じ装置18等の小口断裁装置20よりも上流側の処理装置の所定の位置に冊子Sが到達したときに、搬送モータ41からの駆動の伝達を開始して、入口ローラ対1、下搬送ベルト5及び上搬送ベルト6の回転を開始する。
中綴じ装置18から受け渡された冊子Sを入口ローラ対1が小口断裁装置20の内部に向けて搬送し、さらに、回動する下搬送ベルト5上面上を、従動する上搬送ベルト6に案内されて搬送される。搬送ベルト(5,6)に搬送される冊子Sの先端部分の通過を冊子センサ11が検知すると、小口断裁制御部40は、冊子Sの先端がストッパ7に当接して停止するように、搬送モータ41またはその駆動伝達経路を制御し、下搬送ベルト5の回動を停止させる(図5(a)参照)。
下搬送ベルト5の回動を停止させた後、搬送接離モータ45を制御し、上搬送ベルト6を離間位置に移動させる(図5(b)参照)。
上搬送ベルト6の離間後、小口断裁制御部40によって断裁モータ43が駆動を開始し、待機位置に位置していた先端側押圧板8、後端側押圧板4及び断裁上刃2が下降を開始する。まず、先端側押圧板8が押さえ位置に到達し、冊子Sの先端となる折り目近傍の膨らみを強く押圧する(図5(c)参照)。この押圧によって、図5(b)に示す冊子Sの折り目近傍の膨らみが圧縮されて、図5(c)に示すように平坦化し、冊子Sに対して増し折り処理を施すことができる。
さらに、断裁モータ43を駆動し続けることで、後端側押圧板4が押さえ位置に到達し、冊子Sの後端の反りを矯正して密着させる(図5(d)参照)。引き続き、断裁上刃2が下降して断裁位置に到達することで冊子Sの冊子後端部分Sbが切断され、冊子Sの小口断裁処理が行われる(図6(a)参照)。
さらに断裁モータ43を制御して、先端側押圧板8、後端側押圧板4及び断裁上刃2を上昇させ待機位置まで移動させる(図6(b)参照)。
次に、搬送接離モータ45を制御して、離間位置にある上搬送ベルト6を接触位置に移動させるとともに、突き当てモータ44を制御して突き当て位置にあるストッパ7を退避位置に移動させる(図6(c)参照)。
次に、搬送モータ41を制御して、下搬送ベルト5を回動し、上搬送ベルト6との間で挟んだ冊子Sを図6(d)の矢印「β」で示すように排出口に向けて搬送する。これにより、小口断裁装置20で、増し折り処理と小口断裁処理とを行った冊子Sを、搬送方向下流側に位置する天地断裁装置22に受け渡すことができる。
その後、小口断裁制御部40は突き当てモータ44を制御して、退避位置に移動させたストッパ7を次に冊子Sが到達するまでに突き当て位置に移動させて、次の冊子Sの到達に備える。
図7及び図8は、小口断裁装置20が第二モードで冊子Sの増し折りを行う過程を示す説明図である。なお、図7及び図8に示す冊子Sは、小口断裁ができないインデックス製本が成されたものであり、小口側の端部が階段状となっている。小口断裁を行わない冊子Sとしては、インデックス製本等の小口側の端部に特徴があるものに限らない。例えば、特許文献2に記載された一つの冊子に異なるサイズの用紙を含める冊子を作成する製本(「マルチサイズ製本」ともいう)や、小口側に折り目を有する用紙を含む冊子を作成する製本の場合にも、小口断裁を行わない場合がある。
統合制御装置26から小口断裁制御部40に、増し折り処理を行い、小口断裁処理は行わない設定信号が入力されるとともに、冊子サイズ情報または断裁後長さ情報が入力される。小口断裁制御部40は、入力された冊子サイズ情報または断裁後長さ情報に基づいて、スライドモータ42を駆動し、入力された情報に応じたストッパ7が位置するようにスライドユニットを移動させる。第二モードでは、ストッパ7から断裁上刃2までの距離である断裁後長さCLが、冊子長さSLよりも長くなるようにスライドユニットの位置を制御する。第二モードは、断裁後長さCLが冊子長さSLよりも長くなるように制御する点で第一モードと異なり、他の点は共通するため、共通する構成については適宜省略して説明する。
冊子Sが搬送されてくる前に、ストッパ7を突き当て位置に移動させ、断裁上刃2、後端側押圧板4及び先端側押圧板8を上方の待機位置に位置させ、上搬送ベルト6を接触位置に位置させる。
入口ローラ対1、下搬送ベルト5及び上搬送ベルト6の回転を開始して、入口ローラ対1が冊子Sを内部に向けて搬送し、さらに、下搬送ベルト5及び上搬送ベルト6で搬送する。冊子センサ11が冊子Sの先端部分の通過を検知すると、冊子Sの先端がストッパ7に当接して停止するように、下搬送ベルト5の回動を停止させる(図7(a)参照)。
次に、上搬送ベルト6を離間位置に移動させ(図7(b)参照)、断裁モータ43の駆動を開始する。先端側押圧板8が押さえ位置に到達し、冊子Sの先端となる折り目近傍の膨らみを強く押圧する(図7(c)参照)。この押圧によって、図7(b)に示す冊子Sの折り目近傍の膨らみが圧縮されて、図7(c)に示すように平坦化し、冊子Sに対して増し折り処理を施すことができる。断裁モータ43を駆動し続けることで、後端側押圧板4が押さえ位置に到達して断裁下刃3の上面に接触し(図7(d)参照)、断裁上刃2が下降して断裁位置に到達する(図8(a)参照)。このとき、冊子Sの後端は断裁上刃2よりも下流側に位置するため、冊子Sは断裁されず、冊子Sの小口断裁は回避される。
さらに断裁モータ43を制御して、先端側押圧板8、後端側押圧板4及び断裁上刃2を上昇させ待機位置まで移動させる(図8(b)参照)。次に、搬送接離モータ45及び突き当てモータ44を制御して、上搬送ベルト6を接触位置に移動させるとともに、ストッパ7を退避位置に移動させる(図8(c)参照)。
次に、下搬送ベルト5を回動し、冊子Sを排出口に向けて搬送する(図8(d)参照)。これにより、小口断裁装置20で、増し折り処理のみを行った冊子Sを、天地断裁装置22に受け渡すことができる。その後、ストッパ7を突き当て位置に移動させて、次の冊子Sの到達に備える。
上述した第二モードのように、断裁後長さCLが、冊子長さSLよりも長くなるように制御することで、増し折りを行うことができる押圧手段と小口断裁を行う断裁手段とが同じ筐体内に配置された構成で、断裁処理を行わずに、増し折り処理のみを行うことができる。
図5(c)及び図7(c)に示すように、先端側押圧板8は上搬送ベルト6の内側に位置し、押さえ位置に移動するときに、上搬送ベルト6を内側から押圧し、変形させている。上搬送ベルト6は不図示のテンションローラにも掛け回されており、先端側押圧板8が内側から押圧しても張力を一定に保つことが可能となっている。
先端側押圧板8は、冊子Sの上面との間で上搬送ベルト6を挟んだ状態で増し折りを行っている。増し折りを行う構成としては、これに限るものではなく、先端側押圧板8を上搬送ベルト6の搬送方向下流側に配置して、冊子Sの上面との間に上搬送ベルト6を挟むことなく増し折りを行う構成としてもよい。
本実施形態の小口断裁装置20は、断裁上刃2、後端側押圧板4及び先端側押圧板8を連動させる機械式の連動機構を備える。断裁上刃2、後端側押圧板4及び先端側押圧板8を一つの駆動源の駆動によって連動させる機構としては、株式会社デュプロ製の小口断裁装置であるDBMS-Tが備える連動機構と同様のものを用いることができるが、これに限るものではない。
上述した実施形態では、ストッパ7と冊子センサ11とが冊子Sの搬送経路の下方に位置する構成を説明したが、これらを搬送経路の上方に配置する構成としてもよい。この構成であれば、スライドユニットが支持する先端側押圧板8とストッパ7と冊子センサ11とを搬送経路の上方のみに配置することができ、スライドユニットが搬送経路に跨らない構成となり、装置の小型化を図ることが可能となる。
小口断裁装置20は、小口断裁を行う第一モード及び増し折りを行う第二モードだけでなく、小口断裁も増し折りも行わず冊子Sを通過させる第三モードも設定可能である。
小口断裁装置20が実行する処理が、第一モード、第二モードまたは第三モードの何れの処理かの設定は、入力装置32を用いてユーザーが入力する。これに限らず、上述したインデックス製本やマルチサイズ製本のように、小口断裁を行わない製本条件が入力された場合に、情報処理装置28が自動的に第二モードや第三モードを選択する構成としてもよい。
第二モードの際に、先端側押圧板8によって押圧する動作を複数回実行してもよい。これにより、折り目が膨らむことをさらに抑制できる。また、第一モードのように、断裁モータ43を駆動して小口断裁を行った後に、ストッパ7の位置を下流側に移動させ、冊子Sが突き当たるまで搬送し、再度、断裁モータ43を駆動して増し折りを行う制御を行ってもよい。この場合、次の冊子Sが到達するまでに、ストッパ7の位置を、小口断裁を行う位置に戻すように制御する。断裁後に行う増し折りは、一回でもよいし、複数回でもよい。
上述した実施形態では、第一モードと第二モードとで同じサイズの冊子Sに対して処理を施す場合に、第一モードよりも第二モードの方がストッパ7と先端側押圧板8とが搬送方向下流側に位置するように設定とする。小口断裁処理を行わずに増し折り処理のみを行う制御としては、これに限るものではない。例えば、断裁上刃2と断裁下刃3とを小口断裁処理を行う場合よりも搬送方向上流側に移動させることで、小口断裁を行わない構成としてもよい。
また、断裁モータ43から断裁上刃2までの駆動伝達のON/OFFの切り替えを可能とし、小口断裁を行うときには駆動伝達をONにし、増し折りのみを行うときには駆動伝達をOFFにする。駆動伝達をOFFにして断裁モータ43を駆動すると、先端側押圧板8は待機位置から押さえ位置に移動するが、断裁上刃2は待機位置のままとなり、増し折り処理を行いつつ、小口側が断裁されることを回避できる。駆動伝達のON/OFFの切り替えを行う構成としては、小口断裁制御部40の制御によって、自動で切り替えを行う構成としてもよいし、ユーザーが駆動伝達機構の一部を操作して手動で切り替えを行う構成としてもよい。
上述した実施形態では、位置決め手段であるストッパ7に向けて冊子Sを搬送する搬送手段を備える構成について説明したが、搬送手段を備える構成に限らない。冊子S等のシート材の長さの入力と、断裁または非断裁の選択とに基づいて、位置決め手段と断裁手段との相対距離を自動で調整可能な構成であればよい。
また、上述した実施形態のように、搬送手段を備える構成での位置決め手段は、ストッパ7のように冊子Sの先端が突き当たる突き当て部材を備えるものに限らず、搬送ベルトの停止タイミングを制御する制御手段でもよい。搬送ベルトの停止タイミングで冊子Sの先端位置を決める構成では、小口断裁処理を行う構成よりも増し折り処理のみを行う構成の方が搬送ベルトの停止タイミングが遅くなるように制御する。これにより、停止した冊子Sの後端の位置が断裁手段よりも搬送方向下流側となり、小口断裁を回避できる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
〔態様1〕
折り処理された冊子S等のシート材の折り目SF等の折り目の停止位置を決めるストッパ7等の位置決め手段と、位置決めされたシート材における折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する先端側押圧板8等の押圧手段と、押圧手段に押圧されたシート材の折り目とは反対側の辺(小口側の辺)を断裁する断裁上刃2等の断裁手段と、を備える小口断裁装置20等のシート処理装置において、停止位置から断裁手段までの距離である停止断裁間距離(断裁後長さCL等)を調整するスライドモータ42等の距離調整手段と、断裁モータ43等の共通の駆動源によって押圧手段の押圧動作と断裁手段による断裁動作とを行わせる機械式の連動機構等の連動駆動手段と、距離調整手段と連動駆動手段とを制御する小口断裁制御部40等の制御手段と、を備え、制御手段は、押圧手段でシート材を押圧して断裁手段で断裁する第一モード等の押圧断裁モードと、押圧手段で前記シート材を押圧して断裁手段で断裁は行わない第二モード等の押圧非断裁モードと、を切り替えて制御し得るものであることを特徴とする。
このシート処理装置によれば、処理対象のシート材を断裁しない場合であっても、押圧手段による押圧を行うことができ、折り目が膨らむことを抑制できる、という優れた効果がある。
〔態様2〕
態様1のシート処理装置において、シート材を搬送する下搬送ベルト5及び上搬送ベルト6等の搬送手段を備え、位置決め手段は、停止位置で搬送手段によって搬送されたシート材の先端が突き当たるストッパ7等の突き当て部材を有し、距離調整手段は、突き当て部材と断裁手段との少なくとも一方を搬送手段の搬送方向に平行な方向に移動させることで、停止断裁間距離を調整することを特徴とする。
これによれば、所望の停止断裁距離となるように、突き当て部材と断裁手段との少なくとも一方を移動させることで、押圧非断裁モードのときにシート材を断裁せずに、折り目が膨らむことを抑制する構成を実現できる。
〔態様3〕
態様1または2のシート処理装置において、制御手段は、押圧断裁モードでは、シート材における折り目から折り目とは反対側の端部までの長さである折りシート長さ(冊子長さSL等)よりも停止断裁間距離の方が短くなるように距離調整手段を制御し、押圧非断裁モードでは、折りシート長さよりも停止断裁間距離の方が長くなるように距離調整手段を制御することを特徴とする。
これによれば、距離調整手段を制御することで、押圧断裁モードではシート材の折り目とは反対側の端部を断裁し、押圧非断裁モードではシート材を断裁せずに折り目が膨らむことを抑制する構成を実現できる。
〔態様4〕
態様1または2のシート処理装置において、制御手段は、押圧断裁モードでは、押圧手段が押圧動作を行い、断裁手段が断裁動作を行うように連動駆動手段を制御し、押圧非断裁モードでは、押圧手段が押圧動作を行い、断裁手段は断裁動作を行わないように、断裁手段への駆動を伝達しないように連動駆動手段を制御することを特徴とする。
これによれば、断裁手段への駆動の伝達を切り替えることで、押圧断裁モードではシート材の折り目とは反対側の端部を断裁し、押圧非断裁モードではシート材を断裁せずに折り目が膨らむことを抑制する構成を実現できる。
〔態様5〕
折り処理された冊子S等のシート材の折り目SF等の折り目の停止位置を決めるストッパ7等の位置決め手段と、位置決めされたシート材における折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する先端側押圧板8等の押圧手段と、押圧手段に押圧されたシート材の折り目とは反対側の辺(小口側の辺)を断裁する断裁上刃2等の断裁手段と、を備える小口断裁装置20等のシート処理装置において、停止位置から断裁手段までの距離である停止断裁間距離(断裁後長さCL等)を調整するスライドモータ42等の距離調整手段と、断裁モータ43等の共通の駆動源によって前記押圧手段の押圧動作と前記断裁手段による断裁動作とを行わせる機械式の連動機構等の連動駆動手段と、を備え、連動駆動手段の駆動源から断裁手段への駆動の伝達と非伝達とを手動で切り替えることができることを特徴とする。
これによれば、押圧手段と共通の駆動源から断裁手段への駆動を手動で非伝達とすることで、処理対象のシート材を断裁しない場合であっても、押圧手段による押圧を行うことができ、折り目が膨らむことを抑制できる、という優れた効果がある。
〔態様6〕
シート材を供給する丁合装置12等のシート供給手段と、シート供給手段から供給された複数枚のシート材からなるシート束に綴じ処理を行い、綴じ処理を行った綴じ部で二つ折りして冊子S等の冊子を作成する中綴じ装置18等の中綴じ折り手段と、中綴じ折り手段で中綴じ折りされた冊子の小口を断裁する小口断裁装置20等の小口断裁手段と、を備える製本システム10等の製本システムにおいて、小口断裁手段として、態様1乃至5の何れかの態様に係るシート処理装置を備えることを特徴とする。
これによれば、小口断裁を行わない冊子に対して、小口断裁手段で増し折りを行うことができ、作成した冊子の折り目が膨らむことを抑制でき、見栄えの良い冊子を作成できる、という優れた効果がある。
〔態様7〕
折り処理された冊子S等のシート材の折り目SF等の折り目の停止位置を決めるストッパ7等の位置決め手段と、位置決めされたシート材における折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する先端側押圧板8等の押圧手段と、押圧手段に押圧されたシート材の折り目とは反対側の辺(小口側の辺)を断裁する断裁上刃2等の断裁手段と、を備える小口断裁装置20等のシート処理装置を制御する制御プログラムにおいて、シート処理装置は、停止位置から断裁手段までの距離である停止断裁間距離を調整するスライドモータ42等の距離調整手段と、共通の駆動源によって押圧手段の押圧動作と断裁手段による断裁動作とを行わせる機械式の連動機構等の連動駆動手段と、を備え、押圧手段でシート材を押圧して断裁手段で断裁する第一モード等の押圧断裁モードと、押圧手段でシート材を押圧して断裁手段で断裁は行わない第二モード等の押圧非断裁モードと、を切り替えて制御し得るものであることを特徴とする。
これによれば、本発明に係る制御プログラムを、小口断裁制御部等の制御手段の制御に用いることで、処理対象のシート材を断裁しない場合であっても、押圧手段による押圧を行うことができ、折り目が膨らむことを抑制できる、という優れた効果がある。
1 :入口ローラ対
2 :断裁上刃
3 :断裁下刃
4 :後端側押圧板
5 :下搬送ベルト
6 :上搬送ベルト
7 :ストッパ
8 :先端側押圧板
9 :先端側支持板
10 :製本システム
11 :冊子センサ
12 :丁合装置
14 :方向変換装置
16 :折り装置
18 :中綴じ装置
20 :小口断裁装置
22 :天地断裁装置
24 :ベルトスタッカ
26 :統合制御装置
28 :情報処理装置
30 :ディスプレイ
32 :入力装置

Claims (7)

  1. 折り処理されたシート材の折り目の停止位置を決める位置決め手段と、
    位置決めされた前記シート材における前記折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する押圧手段と、
    前記押圧手段に押圧された前記シート材の前記折り目とは反対側の辺を断裁する断裁手段と、を備えるシート処理装置において、
    前記停止位置から前記断裁手段までの距離である停止断裁間距離を調整する距離調整手段と、
    共通の駆動源によって前記押圧手段の押圧動作と前記断裁手段による断裁動作とを行わせる連動駆動手段と、
    前記距離調整手段と前記連動駆動手段とを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記押圧手段で前記シート材を押圧して前記断裁手段で断裁する押圧断裁モードと、前記押圧手段で前記シート材を押圧して前記断裁手段で断裁は行わない押圧非断裁モードと、を切り替えて制御し得るものであることを特徴とするシート処理装置。
  2. 請求項1のシート処理装置において、
    前記シート材を搬送する搬送手段を備え、
    前記位置決め手段は、前記停止位置で前記搬送手段によって搬送された前記シート材の先端が突き当たる突き当て部材を有し、
    前記距離調整手段は、前記突き当て部材と前記断裁手段との少なくとも一方を前記搬送手段の搬送方向に平行な方向に移動させることで、前記停止断裁間距離を調整することを特徴とするシート処理装置。
  3. 請求項1または2のシート処理装置において、
    前記制御手段は、前記押圧断裁モードでは、前記シート材における前記折り目から前記折り目とは反対側の端部までの長さである折りシート長さよりも前記停止断裁間距離の方が短くなるように前記距離調整手段を制御し、前記押圧非断裁モードでは、前記折りシート長さよりも前記停止断裁間距離の方が長くなるように前記距離調整手段を制御することを特徴とするシート処理装置。
  4. 請求項1または2のシート処理装置において、
    前記制御手段は、前記押圧断裁モードでは、前記押圧手段が押圧動作を行い、前記断裁手段が断裁動作を行うように前記連動駆動手段を制御し、前記押圧非断裁モードでは、前記押圧手段が押圧動作を行い、前記断裁手段は断裁動作を行わないように、前記断裁手段への駆動を伝達しないように前記連動駆動手段を制御することを特徴とするシート処理装置。
  5. 折り処理されたシート材の折り目の停止位置を決める位置決め手段と、
    位置決めされた前記シート材における前記折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する押圧手段と、
    前記押圧手段に押圧された前記シート材の前記折り目とは反対側の辺を断裁する断裁手段と、を備えるシート処理装置において、
    前記停止位置から前記断裁手段までの距離である停止断裁間距離を調整する距離調整手段と、
    共通の駆動源によって前記押圧手段の押圧動作と前記断裁手段による断裁動作とを行わせる連動駆動手段と、を備え、
    前記連動駆動手段の前記駆動源から前記断裁手段への駆動の伝達と非伝達とを手動で切り替えることができることを特徴とするシート処理装置。
  6. シート材を供給するシート供給手段と、
    前記シート供給手段から供給された複数枚の前記シート材からなるシート束に綴じ処理を行い、前記綴じ処理を行った綴じ部で二つ折りして冊子を作成する中綴じ折り手段と、
    前記中綴じ折り手段で中綴じ折りされた冊子の小口を断裁する小口断裁手段と、を備える製本システムにおいて、
    前記小口断裁手段として、請求項1乃至5の何れか一項に記載のシート処理装置を備えることを特徴とする製本システム。
  7. 折り処理されたシート材の折り目の停止位置を決める位置決め手段と、位置決めされた前記シート材における前記折り目とその近傍との少なくとも一方を押圧する押圧手段と、前記押圧手段に押圧された前記シート材の前記折り目とは反対側の辺を断裁する断裁手段と、を備えるシート処理装置を制御する制御プログラムにおいて、
    前記シート処理装置は、前記停止位置から前記断裁手段までの距離である停止断裁間距離を調整する距離調整手段と、共通の駆動源によって前記押圧手段の押圧動作と前記断裁手段による断裁動作とを行わせる連動駆動手段と、を備え、
    前記押圧手段で前記シート材を押圧して前記断裁手段で断裁する押圧断裁モードと、前記押圧手段で前記シート材を押圧して前記断裁手段で断裁は行わない押圧非断裁モードと、を切り替えて制御し得るものであることを特徴とする制御プログラム。
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