JP2022177086A - 厚さ1mm以下の樹脂成形体 - Google Patents

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尚幸 田辺
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Abstract

【課題】剛性を有し、複雑形状に賦形可能な薄肉な繊維強化樹脂複合成形体の提供を目的とする。【解決手段】剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層11と、剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから剛性層11の少なくとも一面に形成された賦形層21と、賦形層21の表面に付着した液状樹脂から形成された樹脂31とよりなり、剛性層用繊維強化樹脂材と賦形層用コンパウンドと液状樹脂が、積層状態で加熱圧縮硬化したものである構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化樹脂複合成形体とその製造方法に関する。
従来、繊維強化樹脂成形体は、高強度且つ高剛性であるという点から、スポーツ、レジャー、航空機などの幅広い産業分野で使用されている。
繊維強化樹脂成形体の製造方法として、補強繊維に熱硬化性樹脂を含浸したプリプレグや、シートモールディングコンパウンドなどを圧縮成形する方法が、多くの分野で採用されている。
プリプレグは補強繊維として長繊維を用いるため、高強度・高剛性の成形体が得られる反面、複雑な形状に賦形し難い。それに対して、シートモールディングコンパウンドは、補強繊維として短い繊維を用いるため、成形品の強度はプリプレグより低くなるものの、成形時の流動性に優れ、リブやボスなどの複雑な形状にも賦形し易い。
また、プリプレグとシートモールディングコンパウンドの双方の利点を取り入れて剛性を維持しつつ、複雑な形状な賦形を可能にするため、プリプレグとシートモールディングコンパウンドを積層して圧縮成形することが提案されている(特許文献1)。
特開2009-083441号公報
しかし、プリプレグとシートモールディングコンパウンドを積層して圧縮成形した複合成形体は、シートモールディングコンパウンドから形成された層の厚みを、圧縮成形前のシートモールディングコンパウンドの厚みに対して70%程度にしかできないため、成形品全体の厚みを薄くすることができず、剛性を有し、複雑形状に賦形可能な薄肉な成形体を得ることができなかった。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、剛性を有し、複雑形状及び薄肉に賦形可能な繊維強化樹脂複合成形体と、その製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層と、前記剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから、前記剛性層の少なくとも一面に形成された賦形層と、前記賦形層の表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂と、よりなり、前記剛性層用繊維強化樹脂材と前記賦形層用コンパウンドが、積層状態で前記液状樹脂と共に加熱圧縮硬化したものであることを特徴とする繊維強化樹脂複合成形体に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記剛性層用繊維強化樹脂材はプリプレグであり、前記賦形層用コンパウンドはシートモールディングコンパウンドであり、前記液状樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴する。
請求項3の発明は、剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層と、前記剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから、前記剛性層の少なくとも一面に形成された賦形層と、前記賦形層の表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂とよりなる繊維強化樹脂複合成形体の製造方法であって、前記賦形層用コンパウンドの表面に液状樹脂を塗布し、または該賦形層用コンパウンドの表面を押圧することになる金型の型面に液状樹脂を塗布し、前記剛性層用繊維強化樹脂材と前記賦形層用コンパウンドを、積層状態で前記液状樹脂と共に前記金型で加熱圧縮し、硬化させることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3において、前記剛性層用繊維強化樹脂材はプリプレグであり、前記賦形層用コンパウンドはシートモールディングコンパウンドであり、前記液状樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴する。
本発明によれば、繊維強化樹脂複合成形体は、剛性層用繊維強化樹脂材と賦形層用コンパウンドと液状樹脂が、積層状態で液状樹脂と共に加熱圧縮硬化したものであるため、繊維強化樹脂複合成形体を製造する際の金型による加熱圧縮時に、液状樹脂が、賦形層用コンパウンドと金型の型面間で断熱層として作用し、賦形層用コンパウンドの硬化反応が遅れることから、硬化完了までの間における賦形層用コンパウンドの流動量が大になり、賦形層用コンパウンドから形成される賦形層を薄肉にできる。さらに、液状樹脂が、賦形層用コンパウンドと金型の型面間で潤滑剤の作用をして賦形層用コンパウンドの流動性を向上させるため、それによっても賦形層を薄くすることができる。その結果、剛性層による剛性を有し、かつ賦形層によって複雑な形状に賦形でき、さらに薄肉な繊維強化樹脂複合成形体を得ることができる。
本発明における繊維強化樹脂複合成形体の一実施形態の断面図である。 金型の一実施形態の断面図である。 各実施例と各比較例における塗布樹脂の構成と成形後の厚み等を示す表である。
以下、本発明の繊維強化樹脂複合成形体とその製造方法について説明する。
図1に示す繊維強化樹脂複合成形体10は、剛性用繊維強化樹脂材から形成された剛性層11と、賦形層用コンパウンドから形成された賦形層21と、賦形層用コンパウンドの表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂31とよりなる。
剛性層11は、剛性層用繊維強化樹脂材が加熱圧縮されて硬化したものからなる。
剛性層用繊維強化樹脂材は、繊維シートに熱硬化性樹脂が含浸したものである。繊維シートとしては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維から構成されたものを挙げることができる。特に、軽量化と剛性向上の点から炭素繊維が好ましい。繊維シートは、織物、編み物、不織布等であってもよい。織物としては、平織、綾織、朱子織、三軸織等がある。また、繊維シートは、一方向あるいは複数方向に配向した繊維で構成されていてもよい。繊維シートは、剛性向上の点から、繊維織物が好ましい。
繊維シートを構成する繊維は、後記の賦形層用コンパウンドに含まれる繊維よりも繊維長が長いものが好ましく、例えば連続繊維あるいは不連続繊維からなるものが挙げられる。
繊維シートに含浸する熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、またはこれらの混合樹脂等が挙げられる。繊維シートに熱硬化性樹脂が含浸した剛性層用繊維強化樹脂材としては、プリプレグが好ましい。
賦形層21は、剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドが加熱圧縮されて硬化したものからなる。賦形層21の表面形状は、繊維強化樹脂複合成形体10の用途等に応じて適宜の凹形状、凸形状、凹凸形状を有するものであってもよい。
賦形層用コンパウンドに含まれる繊維の長さは、成形性の点から30mm以下が好ましく、また、剛性向上の点からは5mm以上が好ましい。賦形層用コンパウンドに含まれる繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維等の短繊維が挙げられる。特に軽量化と剛性向上の点から炭素繊維が好ましい。
賦形層用コンパウンドに含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、またはこれらの混合樹脂等が挙げられる。
賦形層用コンパウンドとしては、シートモールディングコンパウンド(以下SMCと記す)が好ましい。SMCは、熱硬化性樹脂に充填材や硬化剤などを含んだコンパウンドを、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維材に含浸させたシート状の成形材料をいう。
樹脂31は、液状樹脂が硬化したものからなる。液状樹脂は、熱硬化性樹脂からなる。液状樹脂は、繊維強化樹脂複合成形体10を製造する際、賦形層用コンパウンドと共に加熱圧縮されることにより、賦形層用コンパウンドに含まれる熱硬化性樹脂の硬化剤と混ざり合うため、硬化剤を含まなくても硬化することができる。
液状樹脂を構成する熱硬化性樹脂としては、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等のラジカル重合型の熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤、分散剤、難燃剤、UV吸収剤等を添加してもよい。また、液状樹脂には、熱硬化性樹脂と共に溶媒が配合され、塗布可能な粘度に調製してもよい。
剛性層11と賦形層21と樹脂31は、繊維強化樹脂複合成形体10を製造する際の加熱圧縮によって、剛性層用繊維強化樹脂材と賦形層用コンパウンド、及びその表面の液状樹脂が、積層状態で硬化することにより一体化して形成されている。
繊維強化樹脂複合成形体10の製造方法について説明する。繊維強化樹脂複合成形体10の製造方法は、塗布工程と、加熱圧縮工程とからなる。
塗布工程では、賦形層用コンパウンドの一側表面、あるいは金型の型面に、未硬化の液状樹脂を塗布する。図2に示す金型60は、上型61と下型63とからなる。金型の型面に、未硬化の液状樹脂を塗布する場合は、次の加熱圧縮工程で賦形層用コンパウンドを押圧することになる型面、例えば上型61の型面に対して液状樹脂を塗布する。なお、賦形層用コンパウンドの一側表面への液状樹脂の塗布は、金型60の下型63に、剛性層用繊維強化樹脂材と賦形層用コンパウンドを積層配置し、その賦形層用コンパウンドの表面に液状樹脂を塗布してもよい。塗布方法は、刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー塗り等を挙げることができ、何れの方法でもよい。また、液状樹脂を塗布する範囲は、賦形層用コンパウンドの表面全体に限られず、その一部であってもよい。
賦形層用コンパウンドは、繊維強化樹脂複合成形体10において説明したとおりである。ここで使用する賦形層用コンパウンドの大きさは、製品(繊維強化樹脂複合成形体10)に対して平面寸法が30~100%の大きさが好ましい。
また、液状樹脂は、繊維強化樹脂複合成形体10において説明したとおりである。液状樹脂の塗布量は、賦形層用コンパウンドの表面に対して20~200g/mとなるようにするのが好ましい。
加熱圧縮工程では、金型60の上型61の型面と下型63の型面間に、剛性層用繊維強化樹脂材と、賦形層用コンパウンドと、液状樹脂を積層状態で配置し、その状態で上型63の型面と下型61の型面で加熱・圧縮する。下型63には、繊維強化樹脂複合成形体10の賦形用キャビティが形成されている。賦形用キャビティの平面サイズは、繊維強化樹脂複合成形体10の平面サイズと等しくされている。
加熱・圧縮により、剛性層用繊維強化樹脂材が圧縮されると共に賦形層用コンパウンドが圧縮されて金型60内で流動し、剛性層用繊維強化樹脂材と賦形層用コンパウンドがキャビティ形状に賦形されて硬化する。その際、賦形層用コンパウンドと型面間に液状樹脂が存在するため、液状樹脂が賦形層用コンパウンド表面で潤滑剤の作用をし、金型60内で賦形層用コンパウンドの流動性が向上し、賦形層用コンパウンドは薄く賦形される。また、賦形層用コンパウンドと型面間で液状樹脂が断熱層の作用をして、型面からの伝熱による賦形層用コンパウンドの硬化反応を遅らせ、硬化完了するまでの間における賦形層用コンパウンドの流動量を大にするため、これによっても賦形層用コンパウンドは薄く賦形される。
また、加熱・圧縮時、賦形層用コンパウンドの表面の液状樹脂は、型面で押圧されて、賦形層用コンパウンドの表面及びその付近の熱硬化性樹脂と混ざり合って硬化する。その際、液状樹脂は、硬化剤が含まれていなくても、賦形層用コンパウンドに含まれている硬化剤と混ざり合うことで硬化することができる。
加熱圧縮工程時の加熱は、金型に設けた電熱ヒータ等の加熱手段により、あるいは予め金型を加熱炉等に収容して加熱しておく方法などにより行う。加熱温度は、剛性層用繊維強化樹脂材及び賦形層用コンパウンドに含まれる熱硬化性樹脂及び液状樹脂が硬化する温度とされる。
加熱圧縮工程により、剛性層用繊維強化樹脂材が圧縮されて硬化した剛性層と、賦形層用コンパウンドが圧縮されて薄く賦形された状態で硬化した賦形層と、その表面で液状樹脂が硬化してなる樹脂とが一体化し、図1に示した剛性層11と賦形層21とその表面の樹脂31とからなる厚みの薄い繊維強化樹脂複合成形体10が得られる。
フェノール樹脂溶液(住友ベークライト株式会社製、品名:PR-55791B、樹脂濃度60wt%エタノール溶液)中に、炭素繊維織物(帝人株式会社製、品名:W-3161L、厚み0.22mm)を400×400mmに裁断したものを漬け、取り出した後に、25℃の室温で2時間自然乾燥し、その後、60℃の雰囲気下で1時間乾燥させて剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)を形成した。
金型の下型の成形面に、剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)の1枚を配置し、その上に300×300mmのサイズに切り出した賦形層用コンパウンド(SMC、三菱ケミカル株式会社製、品名:STR120N131、厚み2mm、繊維含有率53%)を積層し、その賦形層用コンパウンドの表面に、図3の各実施例に示す液状の未硬化の塗布樹脂(熱硬化性樹脂)を刷毛で塗布し、その後に金型を閉じて150℃×20分間、圧力200kgf/cmで加熱圧縮し、剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)と賦形層用コンパウンド及び塗布樹脂を積層圧縮状態で硬化させた。それにより、剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)から形成された剛性層と、賦形層用コンパウンドから形成された賦形層と、塗布樹脂から形成された樹脂との積層一体品からなる繊維強化樹脂複合成形体を製造した。金型は下型と上型とよりなり、横460×縦460mmの成形面が形成されている。
また、賦形層用コンパウンドの表面に熱硬化性樹脂を塗布しないで加熱圧縮成形することにより、比較例1~3の繊維強化樹脂複合成形体を製造した。
各実施例及び各比較例の繊維強化樹脂複合成形体について、成形後の厚みを測定した。その結果を図3に示す。なお、図3のチャージ率[%]は、賦形層用コンパウンドの元厚(2mm)に対する賦形層の厚みの割合である。チャージ率の計算において、賦形層の厚みは、加熱圧縮によって剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)の厚み(0.22mm)が変化しないとして、成形後の厚み(繊維強化樹脂複合成形体の厚み)から剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)の厚み(0.22mm)を引いて得た値を用いた。
実施例1は、賦形層用コンパウンドの表面に、塗布樹脂(熱硬化性樹脂)として、ビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:リポキシR-806)を、50g/m塗布した例である。実施例1は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが0.95mm、チャージ率37%であった。なお、賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(0.95mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=0.73mmであり、賦形層が薄肉に形成されている。
実施例2は、賦形層用コンパウンドの表面に、塗布樹脂(熱硬化性樹脂)として実施例1と同じビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:リポキシR-806)を、75g/m塗布した例である。実施例2は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが0.93mm、チャージ率36%であった。賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(0.93mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=0.71mmであり、塗布樹脂の塗布量を実施例1よりも増加させたことにより、賦形層が実施例1よりも薄肉に形成された。
実施例3は、賦形層用コンパウンドの表面に、塗布樹脂(熱硬化性樹脂)として実施例1及び実施例2と同じビニルエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:リポキシR-806)を、100g/m塗布した例である。実施例3は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが0.91mm、チャージ率35%であった。賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(0.91mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=0.69mmであり、塗布樹脂の塗布量を実施例1及び実施例2よりも増加させたことにより、賦形層が実施例1及び実施例2よりもさらに薄肉に形成された。
実施例4は、賦形層用コンパウンドの表面に、塗布樹脂(熱硬化性樹脂)として不飽和ポリエステル樹脂(昭和電工株式会社社製、品名:RIGOLAC T-543TPA)を、50g/m塗布した例である。実施例4は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが1.00mm、チャージ率39%であった。賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(1.00mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=0.78mmであり、薄肉に形成された。
このように、実施例1~4は、剛性層用繊維強化樹脂材(プリプレグ)に積層した賦形層用コンパウンドの表面に液状の熱硬化性樹脂を塗布して加熱圧縮成形したことにより、賦形層用コンパウンドから形成される賦形層の厚みを、0.69~0.78mmと薄肉に賦形でき、厚み1mm以下の薄い繊維強化樹脂複合成形体を得ることができた。
比較例1は、賦形層用コンパウンドの表面に、液状の熱硬化性樹脂を塗布しなかった例であり、加熱圧縮条件は実施例1~4と同様である。比較例1は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが1.12mm、チャージ率45%であった。賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(1.12mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=0.90mmであり、賦形層用コンパウンドの表面に液状の熱硬化性樹脂を塗布しなかったことにより、賦形層が実施例1~4よりも厚肉に形成された。
比較例2は、比較例1における賦形層用コンパウンド面積を10%増加し、液状の熱硬化性樹脂を塗布しなかった例である。比較例2は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが1.30mm、チャージ率54%であった。賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(1.30mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=1.08mmであり、賦形層用コンパウンドの量を増加したことにより、賦形層が比較例1よりも厚肉に形成された。
比較例3は、比較例1における賦形層用コンパウンド面積を20%増加し、液状の熱硬化性樹脂を塗布しなかった例である。比較例3は、成形後の繊維強化樹脂複合成形体の厚みが1.60mm、チャージ率69%であった。賦形層用コンパウンド(厚み2mm)から形成された賦形層の厚みは、繊維強化樹脂複合成形体の厚み(1.60mm)-剛性層用繊維強化樹脂材の厚み(0.22mm)=1.38mmであり、賦形層用コンパウンドの量を増加したことにより、賦形層が比較例1及び比較例2よりも厚肉に形成された。
このように、本発明によれば、剛性層による剛性と、賦形層による薄肉で複雑形状に賦形可能との両者を有する線維強化樹脂複合成形体を得ることができる。
10 繊維強化樹脂複合成形体
11 剛性層
21 賦形層
31 樹脂
60 金型
61 上型
63 下型
第1の発明の態様は、剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層と、前記剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから、前記剛性層の少なくとも一面に形成された賦形層と、前記賦形層の表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂と、よりなり、前記剛性層用繊維強化樹脂材と前記賦形層用コンパウンドが、積層状態で前記液状樹脂と共に加熱圧縮硬化したものであることを特徴とする繊維強化樹脂複合成形体に係る。
第2の発明の態様は、第1の発明の態様において、前記剛性層用繊維強化樹脂材はプリプレグであり、前記賦形層用コンパウンドはシートモールディングコンパウンドであり、前記液状樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴する。
第3の発明の態様は、剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層と、前記剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから、前記剛性層の少なくとも一面に形成された賦形層と、前記賦形層の表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂とよりなる繊維強化樹脂複合成形体の製造方法であって、前記賦形層用コンパウンドの表面に液状樹脂を塗布し、または該賦形層用コンパウンドの表面を押圧することになる金型の型面に液状樹脂を塗布し、前記剛性層用繊維強化樹脂材と前記賦形層用コンパウンドを、積層状態で前記液状樹脂と共に前記金型で加熱圧縮し、硬化させることを特徴とする。
第4の発明の態様は、第3の発明の態様において、前記剛性層用繊維強化樹脂材はプリプレグであり、前記賦形層用コンパウンドはシートモールディングコンパウンドであり、前記液状樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴する。

Claims (4)

  1. 剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層と、
    前記剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから、前記剛性層の少なくとも一面に形成された賦形層と、
    前記賦形層の表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂と、
    よりなり、
    前記剛性層用繊維強化樹脂材と前記賦形層用コンパウンドが、積層状態で前記液状樹脂と共に加熱圧縮硬化したものであることを特徴とする繊維強化樹脂複合成形体。
  2. 前記剛性層用繊維強化樹脂材はプリプレグであり、
    前記賦形層用コンパウンドはシートモールディングコンパウンドであり、
    前記液状樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴する請求項1に記載の繊維強化樹脂複合成形体。
  3. 剛性層用繊維強化樹脂材から形成された剛性層と、前記剛性層用繊維強化樹脂材に含まれる繊維よりも短い繊維と熱硬化性樹脂とよりなる賦形層用コンパウンドから、前記剛性層の少なくとも一面に形成された賦形層と、前記賦形層の表面に付着した液状樹脂が硬化した樹脂とよりなる繊維強化樹脂複合成形体の製造方法であって、
    前記賦形層用コンパウンドの表面に液状樹脂を塗布し、または該賦形層用コンパウンドの表面を押圧することになる金型の型面に液状樹脂を塗布し、
    前記剛性層用繊維強化樹脂材と前記賦形層用コンパウンドを、積層状態で前記液状樹脂と共に前記金型で加熱圧縮し、硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂複合成形体の製造方法。
  4. 前記剛性層用繊維強化樹脂材はプリプレグであり、
    前記賦形層用コンパウンドはシートモールディングコンパウンドであり、
    前記液状樹脂は熱硬化性樹脂であることを特徴する請求項3に記載の繊維強化樹脂複合成形体の製造方法。
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