JP2000025144A - 繊維強化樹脂製単位板 - Google Patents

繊維強化樹脂製単位板

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JP2000025144A
JP2000025144A JP10198647A JP19864798A JP2000025144A JP 2000025144 A JP2000025144 A JP 2000025144A JP 10198647 A JP10198647 A JP 10198647A JP 19864798 A JP19864798 A JP 19864798A JP 2000025144 A JP2000025144 A JP 2000025144A
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smc
curing catalyst
unit plate
fiber
weight
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JP10198647A
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Tetsuo Watanabe
哲夫 渡辺
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Mitsubishi Plastics Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維マット上に従来配合のSMCのみ
を複数枚重ねたものを金型内に載置して、1)例えば大
きさが約1m角で厚さが約5mm以下の薄物の繊維強化
樹脂製単位板を成形しようとする場合、充填不良が顕著
に発生する、2)薄物、薄物以外を問わず生産サイクル
時間を短縮することができない、という問題点がある。 【解決手段】 少なくとも不飽和ポリエステル樹脂と低
収縮化樹脂と硬化触媒と無機充填剤とを配合した樹脂コ
ンパウンドをガラスロービングのチョップ繊維に含浸さ
せてなる未硬化状のSMCを複数枚重ねたものを加熱加
圧して得られる繊維強化樹脂製単位板において、一方又
は両方の最外層に前記硬化触媒が第1の硬化触媒である
未硬化状の第1のSMCを配し、前記最外層以外の層に
前記硬化触媒が第2の硬化触媒である未硬化状の第2の
SMCを複数枚配してなるとともに、第1のSMCの第
1のゲル化時間特性値を第2のSMCの第2のゲル化時
間特性値より10〜25%長くしたものであることを特
徴とする繊維強化樹脂製単位板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は効率的生産に適した
繊維強化樹脂製単位板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、四周にフランジを立設した浅い箱
状の繊維強化樹脂製単位板を組み立てたタンク等の大型
容器が知られている。これらの繊維強化樹脂製単位板は
使用目的に合わせて平面寸法や板厚を変えて製作される
が、SMCの重ね枚数を変えたりSMC1枚当たりのS
MC量を変えたりすることにより板厚を変更しており、
また繊維強化樹脂製単位板の経済性を考慮して、SMC
1枚当たりのSMC量をできるだけ減じて材料費を安価
にすることや、加熱加圧成形における成形サイクル時間
を極力短縮した効率的な生産が要求されている。
【0003】従来、表1に示すような硬化触媒Aを添加
した配合のSMCを複数枚重ねたものをコンティニュア
スストランドのガラス繊維マット上に配したものを金型
内に載置して、例えば大きさが約1m角の浅い箱状の繊
維強化樹脂製単位板を成形している。
【表1】
【0004】表1のSMCは、80重量部の不飽和ポリ
エステル樹脂と20重量部の低収縮化樹脂であるポリス
チレン樹脂とからなる100重量部の樹脂成分に対し
て、1.0重量部の有機過酸化物であるtーブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートからなる硬化触媒Aと
5重量部の内部離型剤であるステアリン酸亜鉛と120
重量部の無機充填剤である炭酸カルシウムと3重量部の
トーナと0.7重量部の増粘剤である酸化マグネシウム
とからなるその他成分を配合して樹脂コンパウンドを
得、この樹脂コンパウンド70重量パーセントを強化材
であるガラスロービングチョップ繊維30重量パーセン
トに含浸させたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
のSMCを複数枚重ねたものをコンティニュアスストラ
ンドのガラス繊維マット上に配したものを金型内に載置
して、例えば大きさが約1m角の浅い箱状の繊維強化樹
脂製単位板を成形しようとする場合、第1に硬化触媒A
の影響によってゲル化時間(図5にGTで示す時間値。
詳細は[発明の実施の形態]に記載する。以下同じ。)
が長いため加圧時間が長くなり成形サイクル時間(図5
の”サイクル時間”で示す時間値。以下同じ。)を短縮
できないという問題点があり、第2にゲル化時間が型締
め時間より短いと充填不良が発生し、特に仕上がり厚さ
が5mm以下の薄物の繊維強化樹脂製単位板を成形する
場合、表面側のみが加熱の影響を早めに受け、更に下側
に敷いた前記ガラス繊維マットによりSMCが流動阻害
されることなどにより充填不良が顕著に発生してしまう
ために成形サイクル時間の短縮ができないという問題点
がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
みなされたものであって、本発明の繊維強化樹脂製単位
板は、少なくとも不飽和ポリエステル樹脂と低収縮化樹
脂と硬化触媒と無機充填剤とを配合した樹脂コンパウン
ドをガラスロービングのチョップ繊維に含浸させてなる
未硬化状のSMCを複数枚重ねたものを加熱加圧して得
られる繊維強化樹脂製単位板において、一方又は両方の
最外層に前記硬化触媒が第1の硬化触媒である未硬化状
の第1のSMCを配し、前記最外層以外の層に前記硬化
触媒が第2の硬化触媒である未硬化状の第2のSMCを
複数枚配してなるとともに、第1のSMCの第1のゲル
化時間特性値を第2のSMCの第2のゲル化時間特性値
より10〜25%長くしたものであることを特徴とす
る。
【0007】更に本発明の繊維強化樹脂製単位板は、第
1の硬化触媒が有機過酸化物であるtーブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネートであるとともに、第2の硬
化触媒が70重量%の有機過酸化物であるtーブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネートと30重量%の有機
過酸化物であるt−ヘキシルパーオキシシクロヘキサン
とを混合したものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、表1の従来配合のSM
Cを最外層(片面または両面)に配し、最外層以外(以
下、内部層と称する。)に後述表2に示すような硬化触
媒Bを添加した内部層用SMCを複数枚重ねてなるSM
C積層物を用いた繊維強化樹脂製単位板である。そして
前記SMC積層物の特徴は、第1に前記内部層用SMC
のゲル化時間を最外層用SMCのゲル化時間よりも短く
し、即ち換言すれば、最外層用SMCのゲル化時間を内
部層用SMCのゲル化時間よりも伸長されたものとする
ことにより、これらが合成された繊維強化樹脂製単位板
全体の成形サイクル時間を従来の成形サイクル時間より
短縮できるようにし、第2に最外層用SMCの硬化時間
を内部層用SMCの硬化時間より長くすることにより、
最外層用SMCの流動性を良くしておいて、例えば仕上
がり厚さが5mm以下の薄ものの繊維強化樹脂製単位板
においても充填不良を発生させないようにしている。
【0009】表2を用いて本発明に用いられる内部層用
SMCの基本配合処方を説明する。
【表2】
【0010】表2の内部層用SMCは、80重量部の不
飽和ポリエステル樹脂と20重量部の低収縮化樹脂であ
るポリスチレン樹脂とからなる100重量部の樹脂成分
に対して、1.0〜1.3重量部の有機過酸化物である
tーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート70w
t%とtーヘキシルパーオキシシクロヘキサン30wt
%との混合物である硬化触媒Bと5重量部の内部離型剤
であるステアリン酸亜鉛と120重量部の無機充填剤で
ある炭酸カルシウムと5重量部のトーナと0.7重量部
の増粘剤である酸化マグネシウムとからなるその他成分
を配合して樹脂コンパウンドを得、この樹脂コンパウン
ド70重量パーセントを強化材であるガラスロービング
チョップ繊維30重量パーセントに含浸させたものであ
る。
【0011】即ち、表2の内部層用SMCと表1の最外
層用SMCとの差異は、表1の硬化触媒である硬化触媒
Aが有機過酸化物であるtーブチルパーオキシイソプロ
ピルカーボネートでありかつその添加量が1.0重量部
であるのに対して、表2の硬化触媒である硬化触媒Bが
有機過酸化物であるtーブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート70wt%とtーヘキシルパーオキシシク
ロヘキサン30wt%との混合物に変わりかつその添加
量が1.0〜1.3重量部の範囲を有するものに変わっ
ている点である。
【0012】以下、図1乃至図5を用いて本発明の繊維
強化樹脂製単位板を詳細に説明する。図1は本発明の繊
維強化樹脂製単位板用の積層物の第1の実施例の断面模
式図であり、図2は同じく第2の実施例の断面模式図で
あり、図3は同じく繊維強化樹脂製単位板の一実施例の
斜視図であり、図4は図3のA−A線断面図である。そ
して図5はゲル化時間と成形サイクル時間を説明するた
めの金型内圧力経時特性を示す図である。
【0013】本発明の繊維強化樹脂製単位板(以下、単
位板と略称する。)を成形するために金型内に載置する
積層物の第1の例は、図3に示すような1m角の平面部
4と四周のフランジ5からなる浅い箱状の単位板3を一
体形成できる大きさを有する表1の配合の最外層用SM
Cと表2の配合の内部層用SMCとコンティニュアスス
トランドのガラス繊維マットとを用意し、図1に示すよ
うに予めコンティニュアスストランドのガラス繊維マッ
ト20をプレス機の下側金型(図示せず)に載置し、そ
の上に最下層のみに最外層用SMC11を配しその上に
複数枚の内部層用SMC12を重ねてなるSMC積層物
10Aを配した積層物1Aである。
【0014】本発明の単位板を成形するために金型内に
載置する積層物の第2の例は、図3に示すような1m角
の平面部4と四周のフランジ5からなる浅い箱状の単位
板3を一体形成できる大きさを有する表1の配合の最外
層用SMCと表2の配合の内部層用SMCとコンティニ
ュアスストランドのガラス繊維マットとを用意し、図2
に示すように予めコンティニュアスストランドのガラス
繊維マット20をプレス機の下側金型(図示せず)に載
置し、その上に、最下層と最上層とに最外層用SMC1
1,11を配し、前記最外層用SMC11,11の間に
複数枚の内部層用SMC12を重ねてなるSMC積層物
10Bを配した積層物1Bである。尚、内部層用SMC
12の枚数は、図1,2に限定されるものではなく、任
意であってよい。
【0015】図4に示す単位板の仕上がり厚さtは、S
MCの重ね枚数を変えたり、SMC1枚当たりのSMC
量を変えたりすることにより変更が可能である。
【0016】以下、表3乃至表5を用いて実施例1〜1
2と比較例1〜6とを説明する。以下説明する各例にお
いて、金型内に載置される積層物は図1に示すような積
層物を共通に使用した。即ち、予めコンティニュアスス
トランドのガラス繊維マットをプレス機の下側金型(図
示せず)に載置し、その上に最下層のみに最外層用SM
Cを配しその上に複数枚の内部層用SMCを重ねてなる
SMC積層物を配した積層物の方式とした。次に成形し
た単位板は大きさが1m角で四周のフランジの高さが5
0mmのものに統一し、仕上がり厚さは適宜変更してい
る。また成形条件は上側金型温度を140℃、下側金型
温度を130℃とし、加圧条件は50kg/cm2 で加
圧保持時間は5分として運転条件を統一している。尚、
この加圧保持時間5分は成形サイクル時間の短縮を狙
い、従来の加圧保持時間よりも短縮した時間としてい
る。
【0017】ここで以下用いられる”ゲル化時間”の定
義を予め図5を用いて説明する。図5の太線グラフはS
MCの金型内圧力の経時特性である。型締開始で金型内
圧力は急上昇し昇圧完了し、ここからSMCは溶融状態
(ゲル化状物)となり、時間値[矢印のGT]を経過後
硬化発熱を開始し最大金型内圧力に至る。このGTの時
間値(秒)がゲル化時間である。次にSMCは硬化収縮
し金型内圧力は下降し、硬化終了でほぼ一定レベルを維
持しつつ冷却される。図5の横軸(時間軸)の0点から
図5の終端迄の所用時間をサイクル時間(秒)又は成形
サイクル時間(秒)という。以下、表1の配合のSMC
単独のゲル化時間をGTa(秒)で表し、表2の配合の
SMC単独のゲル化時間をGTb(秒)で表し、表1の
配合のSMCを最外層用SMCとしかつ表2の配合のS
MCを内部層用SMCとして使用した本発明の単位板全
体としてのSMC積層物のゲル化時間をGTp(秒)で
表す。
【0018】最初に表3を用いて実施例1〜4を説明す
る。
【表3】
【0019】<実施例1>…内部層用SMCとして、表
2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.0重量部とし
たものを複数枚使用し、下側最外層用SMCとして表1
の配合のSMCを使用し、単位板の仕上がり厚が3mm
となるように内部層用SMCの枚数などを調整し、加熱
加圧して単位板を得た。この時の単位板全体としてのS
MC積層物のゲル化時間GTpは60秒であった。又、
別に測定した内部層用SMC単独のゲル化時間GTbは
57秒、最外層用SMC単独のゲル化時間GTaは63
秒であった。ここで、ゲル化時間の伸長率を[GTa−
GTb]÷GTb×100で表すと、本実施例の伸長率
は11(%)である。作製された単位板を評価したとこ
ろ前記伸長率の作用によりSMCは十分に流動して充填
不良は認められず成形性が良好であるとともに、単位板
全体のゲル化時間GTpが従来のゲル化時間GTaより
3秒間短縮されている。表中の評価欄の○印は”成形性
が良好”の意味である。
【0020】<実施例2>…上記実施例1との差異のみ
を述べると、内部層用SMCとして、表2の配合のうち
硬化触媒Bの添加量を1.1重量部としたものを用いた
点にある。この時の単位板全体としてのSMC積層物の
ゲル化時間GTpは57秒であった。又、別に測定した
内部層用SMC単独のゲル化時間GTbは55秒であっ
た。ここで、本実施例の伸長率は15(%)である。評
価は実施例1と同様に良好であるとともに単位板全体の
ゲル化時間GTpが従来のゲル化時間GTaより6秒間
短縮されている。
【0021】<実施例3>…上記実施例1,2との差異
のみを述べると、内部層用SMCとして、表2の配合の
うち硬化触媒Bの添加量を1.2重量部としたものを用
いた点にある。この時の単位板全体としてのSMC積層
物のゲル化時間GTpは54秒であった。又、別に測定
した内部層用SMC単独のゲル化時間GTbは52秒で
あった。ここで、本実施例の伸長率は21(%)であ
る。評価は実施例1,2と同様に良好であるとともに単
位板全体のゲル化時間GTpが従来のゲル化時間GTa
より9秒間短縮されている。
【0022】<実施例4>…上記実施例1〜3との差異
のみを述べると、内部層用SMCとして、表2の配合の
うち硬化触媒Bの添加量を1.3重量部としたものを用
いた点にある。この時の単位板全体としてのSMC積層
物のゲル化時間GTpは51秒であった。又、別に測定
した内部層用SMC単独のゲル化時間GTbは50秒で
あった。ここで、本実施例の伸長率は26(%)であ
る。評価は実施例1〜3と同様に良好であるとともに単
位板全体のゲル化時間GTpが従来のゲル化時間GTa
より12秒間短縮されている。
【0023】以上、表1の実施例1〜4をまとめると、
最下部に表1の従来配合による最外層用SMC1枚とそ
の上に表2の内硬化触媒Bの添加量が1.0〜1.3重
量部の範囲の内部層用SMCを複数枚重ねたSMC積層
物を更にコンティニュアスストランドのガラス繊維マッ
ト上に配した積層物を加熱加圧して仕上がり厚さが3m
mの薄物の単位板を成形する場合であっても、前記伸長
率の作用によりSMCは十分に流動して充填不良は認め
られず成形性が良好な単位板を成形することができた。
更に実施例1〜4における前記伸長率の範囲は11〜2
6%であった。
【0024】次に表4を用いて比較例1,2と実施例5
〜12を説明する。この表4の各例が前記表3と異なる
点は、単位板の仕上がり厚さを2.5mmから6.0m
mの範囲で変化させた点と、各厚さにおいて内部層用S
MCとして表2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.
0重量部と1.3重量部の2通りとした点である。尚、
比較例1,2と実施例5〜12とには表1の配合の最外
層用SMCも使用されているが、表4ではこの最外層用
SMCの記載を省略している。
【表4】
【0025】<比較例1,2>…仕上がり厚さ2.5m
m(即ち単位板1枚当たりの重量が約7.5kgとな
る。)の単位板を形成するために、内部層用SMCとし
て、表2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.0重量
部としたものと1.3重量部としたものの2通りとし、
前者を比較例1、後者を比較例2としている。単位板を
評価したところ、最外層用SMCが十分に流動せずに硬
化してしまい充填不良が顕著に認められた。表中の評価
欄の×印は”充填不良により成形性が不良”の意味であ
る。
【0026】<実施例5,6>…仕上がり厚さ3.0m
m(即ち単位板1枚当たりの重量が約8.5kgとな
る。)の単位板を形成するために、内部層用SMCとし
て、表2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.0重量
部としたものと1.3重量部としたものの2通りとし、
前者を実施例5、後者を実施例6としている。単位板を
評価したところ、上述した実施例1,4に説明した通り
最外層用SMCが十分に流動し充填不良は発生せず成形
性は良好であった。
【0027】<実施例7,8>…仕上がり厚さ4.0m
m(即ち単位板1枚当たりの重量が約9.5kgとな
る。)の単位板を形成するために、内部層用SMCとし
て、表2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.0重量
部としたものと1.3重量部としたものの2通りとし、
前者を実施例7、後者を実施例8としている。単位板を
評価したところ、上述した実施例1,4に説明した通り
最外層用SMCが十分に流動し充填不良は発生せず成形
性は良好であった。
【0028】<実施例9,10>…仕上がり厚さ5.0
mm(即ち単位板1枚当たりの重量が約10.5kgと
なる。)の単位板を形成するために、内部層用SMCと
して、表2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.0重
量部としたものと1.3重量部としたものの2通りと
し、前者を実施例9、後者を実施例10としている。単
位板を評価したところ、最外層用SMCが十分に流動し
充填不良は発生せず成形性は良好であった。
【0029】<実施例11,12>…仕上がり厚さ6.
0mm(即ち単位板1枚当たりの重量が約11.5kg
となる。)の単位板を形成するために、内部層用SMC
として、表2の配合のうち硬化触媒Bの添加量を1.0
重量部としたものと1.3重量部としたものの2通りと
し、前者を実施例11、後者を実施例12としている。
単位板を評価したところ、最外層用SMCが十分に流動
し充填不良は発生せず成形性は良好であった。
【0030】以上、表2の比較例1,2及び実施例5〜
12をまとめると、最下部に表1の従来配合による最外
層用SMC1枚とその上に表2の配合(硬化触媒Bの添
加量が1.0〜1.3重量部の範囲を特徴とする。)の
内部層用SMCを複数枚重ねたSMC積層物を更にコン
ティニュアスストランドのガラス繊維マット上に配した
積層物を加熱加圧して、仕上がり厚さtが2.5mmの
単位板を成形する場合は薄すぎるためにSMCが十分に
流動せずに硬化してしまい充填不良が顕著に認められた
が、仕上がり厚さが3.0mm以上の単位板を成形する
場合は最外層用SMCが十分に流動し充填不良は発生せ
ず成形性が良好となることが判明した。即ち薄物の単位
板を成形できることが判明した。
【0031】次に表5を用いて比較例3〜6を説明す
る。表5の各例の特徴は、単位板の仕上がり厚さを2.
5mmから5.0mmの範囲で変化させた点と、使用し
たSMCが表1の従来配合のもののみとした点である。
【表5】
【0032】<比較例3〜6>…本比較例の共通の特徴
はSMC積層物が全て表1の従来配合のSMCからなる
ことである。このSMCの枚数を調整したものをコンテ
ィニュアスストランドのガラス繊維マット上に配した積
層物を加熱加圧して単位板を成形した。そして、単位板
の仕上がり厚さを2.5mm(即ち単位板1枚当たりの
重量が約7.5kgとなる。)としたものが比較例3で
あり、単位板の仕上がり厚さを3.0mm(即ち単位板
1枚当たりの重量が約8.5kgとなる。)としたもの
が比較例4であり、単位板の仕上がり厚さを4.0mm
(即ち単位板1枚当たりの重量が約9.5kgとな
る。)としたものが比較例5であり、単位板の仕上がり
厚さを5.0mm(即ち単位板1枚当たりの重量が約1
0.5kgとなる。)としたものが比較例6である。こ
の結果、本例の全ての単位板においてSMCが十分に流
動できずに硬化してしまい充填不良が顕著に認められ成
形性が不良であった。
【0033】上記表5の比較例3〜6をまとめると、仕
上がり厚さが5mm以下の単位板の成形に際し、表1の
従来配合のSMCのみを使用する場合は、サイクル時間
が長くなってしまう(表3のGTa値を参照のこと。)
とともに上記したように充填不良が顕著になり成形性が
不良となってしまうことが判明した。
【0034】以上説明してきた表3〜5の各実施例と比
較例とをまとめると、(1)表1の従来配合のSMCの
みを複数枚用いて仕上がり厚さが5mm以下の単位板を
加熱加圧成形しようとしても良品が成形できないが、
(2)本発明のように表1の従来配合のSMCを最外側
層とし、表2の新規の配合のSMCを複数枚用いて内部
層としたSMC積層物を用い、かつ最外側層SMCのゲ
ル化時間GTaが内部層SMCのゲル化時間GTbより
も大きな値である程度、即ちゲル化時間伸長率=[GT
a−GTb]÷GTb×100=11〜26(%)の関
係を維持できるようにしておけば、仕上がり厚さが3m
m〜5mmの単位板であっても良品を問題なく成形でき
るようになる。即ち、単位板全体のゲル化時間GTpを
短縮でき、結局は図5のサイクル時間が短縮でき、効率
的な生産が可能となることが判明した。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明では、少なくと
も不飽和ポリエステル樹脂と低収縮化樹脂と硬化触媒と
無機充填剤とを配合した樹脂コンパウンドをガラスロー
ビングのチョップ繊維に含浸させてなる未硬化状のSM
Cを複数枚重ねたものを加熱加圧して得られる繊維強化
樹脂製単位板において、一方又は両方の最外層に前記硬
化触媒が第1の硬化触媒である未硬化状の第1のSMC
を配し、前記最外層以外の層に前記硬化触媒が第2の硬
化触媒である未硬化状の第2のSMCを複数枚配してな
るとともに、第1のSMCの第1のゲル化時間特性値を
第2のSMCの第2のゲル化時間特性値より10〜25
%長くしたものであることを特徴とする繊維強化樹脂製
単位板、更には前記第1の硬化触媒が有機過酸化物であ
るtーブチルパーオキシイソプロピルカーボネートであ
るとともに、前記第2の硬化触媒が70重量%の有機過
酸化物であるtーブチルパーオキシイソプロピルカーボ
ネートと30重量%の有機過酸化物であるt−ヘキシル
パーオキシシクロヘキサンとを混合したものであること
を特徴とする繊維強化樹脂製単位板を提供できるから、
厚さが約5mm以下の薄物の繊維強化樹脂製単位板を成
形する場合であっても、充填不良が発生することはなく
良品を生産できるととともに、生産サイクル時間を短縮
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の繊維強化樹脂製単位板用の積層
物の第1の実施例の断面模式図である。
【図2】図2は同じく第2の実施例の断面模式図であ
る。
【図3】図3は同じく繊維強化樹脂製単位板の一実施例
の斜視図である。
【図4】図4は図3のA−A線断面図である。
【図5】図5はゲル化時間と成形サイクル時間を説明す
るための金型内圧力経時特性を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B 積層物 10A,10B SMC積層物 11 最外層用SMC 12 内部層用SMC 20 ガラス繊維マット 3 繊維強化樹脂製単位板 4 平面部 5 フランジ t 厚さ GT ゲル化時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E070 AA02 DA08 LA01 4F072 AA04 AB09 AB22 AD38 AE02 AF01 AG03 AH04 AH14 AH21 AL01 AL09 4F100 AA01A AG00A AK01A AK44A AL05A BA01 BA11A CA23A DG06A DH01A JK08A JL08A 4F205 AA13 AA41 AB03 AB11 AD04 AD16 AG03 AR11 AR17 HA06 HA33 HA34 HA39 HA44 HB11 HC02 HC16 HF01 HF02 HG03 HK02 HK05 HK14 HK28 HT16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも不飽和ポリエステル樹脂と低収
    縮化樹脂と硬化触媒と無機充填剤とを配合した樹脂コン
    パウンドをガラスロービングのチョップ繊維に含浸させ
    てなる未硬化状のSMCを複数枚重ねたものを加熱加圧
    して得られる繊維強化樹脂製単位板において、一方又は
    両方の最外層に前記硬化触媒が第1の硬化触媒である未
    硬化状の第1のSMCを配し、前記最外層以外の層に前
    記硬化触媒が第2の硬化触媒である未硬化状の第2のS
    MCを複数枚配してなるとともに、第1のSMCの第1
    のゲル化時間特性値を第2のSMCの第2のゲル化時間
    特性値より10〜25%長くしたものであることを特徴
    とする繊維強化樹脂製単位板。
  2. 【請求項2】第1の硬化触媒が有機過酸化物であるtー
    ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートであるとと
    もに、第2の硬化触媒が70重量%の有機過酸化物であ
    るtーブチルパーオキシイソプロピルカーボネートと3
    0重量%の有機過酸化物であるt−ヘキシルパーオキシ
    シクロヘキサンとを混合したものであることを特徴とす
    る前記請求項1記載の繊維強化樹脂製単位板。
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