JP2012025122A - 繊維強化プラスチック平板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SMCやBMCによる繊維強化プラスチック平板の成型の際に、成型時の意匠面と最裏面との温度差に起因する、これらの面での収縮速度の違いによる反りを低減することができる繊維強化プラスチック平板の製造方法を提供する。
【解決手段】シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)による成型品である繊維強化プラスチック平板の製造方法において、その成型時にSMCまたはBMCを金型に設置する際に、最裏面に意匠面のSMCまたはBMCよりも線膨張の大きなSMCまたはBMCを設置する工程と、意匠面の温度を最裏面の温度よりも高くして成型する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチック平板の製造方法に関するものである。
繊維強化プラスチック(FRP)は複合材料であり、一般に熱硬化性樹脂、無機充填剤、強化繊維としてのガラス繊維等から構成される。
繊維強化プラスチック成型品のうち、特にシートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)を用いた成型品では、高温高圧のプレス工程により非常に短サイクルでの成型品の作製が可能となっている(特許文献1、2参照)。そのため、一般家庭に多く用いられる浴槽、洗い場床、洗面カウンター等のSMCやBMCによる繊維強化プラスチック成型品が商品化されている。
SMCやBMCの成型品は一般に、意匠面の欠陥を抑制したり、金型の面転写性を良くしたりするために、意匠面側の温度を最裏面側に比べて5〜15℃高くして成型されることが多い。
特開2006−231641号公報 特開2005−232408号公報
しかしながら、この温度差に起因して、金型取り出し(脱型)後、材料収縮量の差により成型面内のうねりや成型品全体としての反り等を生じる傾向がある。
そのため、特に平板に近い成型品をSMCやBMCを用いて成型する際には、反りを抑制するために、リブ構造を設けて補強したり、肉厚を増したりすることにより材料剛性を上げ、脱型後の線膨張差による反りを低減することが多い。
しかしながら、例えばキッチンに用いられる天板(キッチンカウンター)等に用いられる繊維強化プラスチック平板の場合には、収納部位との兼ね合いにより、上述のようなリブ構造を設けることが難しい。そのため、成型後に材料収縮が終了するまで、すなわち成型温度から常温に下がるまで繊維強化プラスチック平板を矯正治具に取り付け、反りを矯正することが多い。
また、材料全体の線膨張を小さくし、脱型後の熱収縮を小さくするために、大量の無機充填剤を配合することや、大量のポリスチレンやブタジエンゴム等の低収縮剤を配合することにより低収縮化を図る場合もある。
しかしながら、大量の無機充填剤を配合すると、金型内の樹脂流動性が低下することにより成型不良が発生する場合がある。また、大量の低収縮剤を配合すると、低収縮剤に起因するボイドによる白濁等により、透明性が低下して意匠性の低下を生じる場合がある。そのため、キッチンカウンター等では、無機充填剤や低収縮剤は必要最低限の量しか配合されないのが通常である。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、SMCやBMCによる繊維強化プラスチック平板の成型の際に、成型時の意匠面と最裏面との温度差に起因する、これらの面での収縮速度の違いによる反りを低減することができる繊維強化プラスチック平板の製造方法を提供することを課題としている。
本発明の繊維強化プラスチック平板の製造方法は、シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)による成型品である繊維強化プラスチック平板の製造方法において、その成型時にSMCまたはBMCを金型に設置する際に、最裏面に意匠面のSMCまたはBMCよりも線膨張の大きなSMCまたはBMCを設置する工程と、意匠面の温度を最裏面の温度よりも高くして成型する工程とを含むことを特徴とする。
この繊維強化プラスチック平板の製造方法において、前記最裏面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂は、意匠面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂よりもガラス転移温度が低い樹脂であることが好ましい。
この繊維強化プラスチック平板の製造方法において、前記最裏面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂は、植物原料由来の飽和カルボン酸を含有する酸成分を用いて合成された不飽和ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、SMCやBMCによる繊維強化プラスチック平板の成型の際に、成型時の意匠面と最裏面との温度差に起因する、これらの面での収縮速度の違いによる反りを低減することができる。
(a)は、最裏面に意匠面のSMCよりも線膨張の大きなSMCを設置した本発明の繊維強化プラスチック平板の製造方法の一例を示す説明図である。(b)は、最裏面に意匠面のSMCと同じSMCを設置した場合の同様な説明図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において、意匠面に設置されるSMCまたはBMC用のコンパウンド(樹脂組成物)としては、ガラス繊維等の強化繊維を配合した熱硬化性樹脂組成物、例えば、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いた熱硬化性樹脂組成物を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、熱硬化性樹脂としては不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂を用いたコンパウンドとしては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、低収縮剤、無機充填剤、および強化繊維を配合したものを用いることができる。
不飽和ポリエステル樹脂は、脂肪族不飽和ポリカルボン酸、脂肪族飽和ポリカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸等の不飽和または飽和のポリカルボン酸と、ジオール、トリオール、テトラオール等の有機ポリオールとの縮合反応により得られる熱硬化性樹脂である。
脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、例えば、(無水)マレイン酸、フマル酸等を用いることができる。脂肪族飽和ポリカルボン酸としては、例えば、セバシン酸、(無水)コハク酸、アジピン酸等を用いることができる。芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機ポリオールとしては、例えば、脂肪族ポリオール、芳香族ポリオール等を用いることができる。脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチレングリコール、グリセリン、水素化ビスフェノールA等を用いることができる。芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合性単量体としては、特に限定されず、一般に繊維強化プラスチックに用いられるもの、例えば熱硬化性樹脂と架橋可能な不飽和単量体等を用いることができる。例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、アクリル酸エステル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等)、メタクリル酸エステル(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等)を用いることができる。
低収縮剤は、不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を低減させる目的で配合されるものであり、通常は熱可塑性樹脂が用いられる。低収縮剤としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、セルロース・アセテート・ブチレート、ポリカプロラクタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン酢酸ビニル共重合体等のポリスチレン変性共重合体等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
低収縮剤の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、および低収縮剤の混合物を100質量部とした場合に、固形分として3〜20質量部が好ましい。低収縮剤の配合量が少な過ぎると、不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を十分に抑制することができない場合がある。また、その結果として成型時のクラック発生や表面外観不良が生じる場合がある。低収縮剤の配合量が多過ぎると、コンパウンド粘度が上昇して含浸不良等が発生し、成型品にピンホールや強度欠陥部を生じてしまう場合がある。また、粘度を低下させるために希釈溶剤を多量に添加すると、増粘不良による分離に起因する成型時の色むら等が発生する場合がある。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、マイカ、ガラスビーズ等の無機物を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。例えば、無機充填剤として平均粒径2〜20μmの粒子状無機物を用いることができる。
無機充填剤の配合量は、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体、および低収縮剤の混合物を100質量部とした場合に、100〜250質量部が好ましい。無機充填剤の配合量が少な過ぎると、SMC、BMC中におけるガラス繊維等の強化繊維の流動時の分散が均一になりにくいため、強度バラツキが大きくなり易くなる。無機充填剤の配合量が多過ぎると、コンパウンドの粘性が高くなり過ぎ、ガラス繊維等の強化繊維への樹脂含浸が悪くなり、繊維強化プラスチックとしての強度が発現されにくくなる。
強化繊維としては、例えば、従来より不飽和ポリエステル樹脂による繊維強化プラスチックの強化繊維として用いられているガラス繊維を用いることができる。また、ガラス繊維の代替物として、例えば、炭素繊維、金属繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等も用いることができる。
強化繊維の配合量は、最終成型品の10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。強化繊維の配合量が少な過ぎると強化繊維による補強作用が十分に発現しない場合があり、強化繊維の配合量が多過ぎると外観の低下等が生じる場合がある。
不飽和ポリエステル樹脂を用いたコンパウンドには、上記の成分以外に、必要に応じて他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、増粘剤、不飽和ポリエステル樹脂の硬化条件を調整するための硬化剤、硬化促進剤、重合禁止剤等が挙げられる。その他、着色剤、離型剤等の有機系、無機系の添加剤を必要に応じて配合することができる。
本発明において、成型時に意匠面とは反対側の最裏面に設置されるSMCまたはBMC用のコンパウンドとしては、上述の意匠面に設置されるSMCまたはBMC用のコンパウンドと同様の材料による樹脂組成物を用いることができる。ただし、成型時の加熱による線膨張が意匠面よりも大きくなるように配合を適切に変更することが必要である。
最裏面に設置されるSMCまたはBMCの線膨張を調整するために、例えば、最裏面に設置されるSMCまたはBMC用のコンパウンドとして、意匠面のコンパウンドからガラス繊維等の強化繊維の配合量を変更し、あるいは強化繊維を配合しないものを用いることができる。また、無機充填剤の配合量を変更したものを用いることができる。
また、最裏面に設置されるSMCまたはBMCの線膨張を調整するために、最裏面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂として、意匠面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂よりもガラス転移温度が低い樹脂を用いることができる。成型品の反りを十分に低減するために、例えば、意匠面のSMCまたはBMCと最裏面のSMCまたはBMCとのガラス転移温度の差を10〜50℃とすることができる。
最裏面に設置されるSMCまたはBMCに用いられるガラス転移温度が低い樹脂として、例えば、植物原料由来の飽和カルボン酸を含有する酸成分を用いて合成された不飽和ポリエステル樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、例えば、セバシン酸、(無水)コハク酸、アジピン酸等を用いることができる。
また、不飽和ポリエステル樹脂のガラス転移温度を下げるために、グリコール成分として従来より汎用されているプロピレングリコール等に代えて、1,3−プロパンジオールを用いることが考慮される。
意匠面および最裏面のそれぞれにSMCを設置して繊維強化プラスチック平板を成型する場合には、例えば、次のようにして行うことができる。
SMCは、例えば、公知のSMC製造装置を用いて、上述した成分を含むコンパウンドの塗布等により、1〜5mm程度の所定厚みのシート状にすることができる。これを例えば35℃〜50℃程度で一定期間熟成させ、コンパウンドを増粘させることにより、SMCを得ることができる。
このSMCを用いて成型を行う際には、例えば、図1(a)に示すように、上金型(キャビティ)2および下金型(コア)3を備えた金型1を用いて行うことができる。最初の工程として、下金型3側には最裏面のSMC5として意匠面のSMC4よりも線膨張の大きなSMC5を設置し、上金型2側には意匠面のSMC4を設置してSMC積層体6とする。なお、意匠面のSMC4と最裏面のSMC5との間に1枚または複数枚のSMCを設置し、3枚以上のSMC積層体6とすることもできる。
次の工程として、上金型2および下金型3によりSMC積層体6を加熱加圧することにより成型を行い繊維強化プラスチック平板7の成型体を得ることができる。このとき、意匠面の欠陥を抑制したり、金型の面転写性を良くしたりするために、SMC積層体6の意匠面の温度を最裏面の温度よりも高くして成型を行う。例えば、意匠面側の温度を最裏面側に比べて5〜15℃高くして成型することができる。
成形条件は、特に限定されないが、例えば、成形圧力3〜10MPa、金型温度125〜150℃、成形時間3〜7分で行うことができる。
このようにして、意匠面の外観を損なうことなく反りの少ない繊維強化プラスチック平板7を得ることができる。すなわち、図1(a)に示すように最裏面のSMC5として意匠面のSMC4よりも線膨張の大きなSMCを設置することで、成型時において意匠面と最裏面との温度差による熱収縮の差を相殺し、反り量を低減させることができる。これに対して図1(b)に示すように最裏面にも意匠面のSMC4と同一のSMCを設置して同様に成型を行うと、成型時において意匠面と最裏面との温度差による熱収縮の差により大きな反りが発生する。
以上に、意匠面および最裏面のそれぞれにSMCを設置して繊維強化プラスチック平板を成型する場合について説明したが、意匠面および/または最裏面のコンパウンドとしてBMCを用いる場合も、上述したSMCの場合と同様に、BMCを金型に設置して成型することができる。
上述したような成型条件において反りを十分に低減する点からは、意匠面のSMCまたはBMCと最裏面のSMCまたはBMCとの線膨張の差は、後述の実施例の方法で測定した寸法収縮率の値に換算すると0.05〜0.15%が好ましい。
本発明の方法により得られる繊維強化プラスチック平板は、反りが少なく、また従来のような成型後の反り矯正、リブ構造、厚肉化による剛性向上等を必要としないため、例えば、浴槽、洗面化粧台、キッチンのカウンター等の住宅設備機器等に好適である。
以上に、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、図1(a)の例では、下金型3側に最裏面のSMC5を設置し上金型2側に意匠面のSMC4を設置して上金型2の温度を下金型3よりも高くして成型している。しかし、これに限らず、下金型3側に意匠面のSMC4を設置し上金型2側に最裏面のSMC5を設置して下金型3の温度を上金型2よりも高くして成型するようにしてもよい。BMCを用いた場合も同様である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
1.意匠面のSMCの作製
意匠面側に用いられるSMC用のコンパウンドの材料およびガラス繊維として次のものを用いた。
(不飽和ポリエステル樹脂)
昭和高分子株式会社製、M−580
(重合性単量体)
スチレン、三菱化学株式会社製、CAS(100−42−5)準拠スチレンモノマー
(無機充填剤)
水酸化アルミニウム、住友化学株式会社製、CW−308
(低収縮剤)
昭和高分子株式会社製、M−5590−2
(増粘剤)
酸化マグネシウム、協和化学株式会社製、キョーマグ#40
(ガラス繊維)
日東紡績株式会社製、RS480PB−549
まず、不飽和ポリエステル樹脂80質量部と低収縮剤/重合性単量体溶液15質量部(質量比35/65)と、水酸化アルミニウム200質量部とを混合して樹脂組成物を得た。また、酸化マグネシウム1質量部と低収縮剤5質量部とを予備混合して増粘材料を得た。この増粘材料を上述の樹脂組成物と本混合し、ガラス繊維をSMC作製工程により含浸させ(15質量%)、このコンパウンドを40℃、24時間養生させて意匠面のSMC1を得た。
2.最裏面のSMCの作製
ガラス繊維を配合しなかった以外は上述の意匠面のSMC1と同様の材料および配合量でコンパウンドを調製し、これを40℃、24時間養生させて最裏面のSMC2を得た。
[寸法収縮率]
線膨張の異なるSMCを同時に成型する場合、成型品としての線膨張差、収縮率差は表裏面で発生する。そのため、これらを評価する手段として、意匠面のSMC1および最裏面のSMC2を単独で成型した際の寸法収縮率を用いた。
寸法収縮率は次のようにして測定した。SMC1、2のそれぞれを意匠面側/最裏面側:140℃/140℃の平板プレス機により成型して300mm角、5mm厚の成型品を作製した時の成型後の寸法を測定し、その成型品の寸法収縮率とした。
[平均反り量]
SMC1、2を200mm角に切断し、それぞれの質量比が4:1(全量820g)となるように調整し、意匠面側にSMC1、最裏面側にSMC2が設置されるようにこれらを積層した。意匠面側/最裏面側:145℃/130℃の平板プレス機により300mm角、5mm厚の成型品を作製し評価板を得た。
評価板の反りの測定は、常盤上に評価板を設置し、評価板の中心から上下左右方向および対角方向の辺の近傍位置における合計8箇所において中心との厚み方向の変位を測定することにより各点の反り量とし、変位量の8点平均値を評価板の平均反り量とした。
<実施例2、3>
実施例1において、SMC2の無機充填剤およびガラス繊維の配合量を変更し、表1に示す寸法収縮率になるように配合を変更した。それ以外は実施例1と同様の配合により評価板を作製した。
<実施例4>
実施例1において、SMC2に用いる不飽和ポリエステル樹脂をガラス転移温度が10℃低い樹脂に変更し、表1に示す寸法収縮率になるようにした。それ以外は実施例1と同様の配合により評価板を作製した。
<実施例5>
実施例1において、SMC2に用いる不飽和ポリエステル樹脂をガラス転移温度が20℃低い樹脂に変更し、表1に示す寸法収縮率になるようにした。それ以外は実施例1と同様の配合により評価板を作製した。
<実施例6>
実施例1において、SMC2に用いる不飽和ポリエステル樹脂に植物原料由来のコハク酸、セバシン酸、アジピン酸を配合し、表1に示す寸法収縮率になるようにした。それ以外は実施例1と同様の配合により評価板を作製した。
<比較例1、2>
実施例1において、SMC2の無機充填剤およびガラス繊維の配合量を変更し、表1に示す寸法収縮率になるように配合を変更した。それ以外は実施例1と同様の配合により評価板を作製した。
その評価結果を表1に示す。
Figure 2012025122
表1より、最裏面に意匠面のSMC1よりも線膨張の大きなSMC2を設置して成型した実施例1〜6の繊維強化プラスチック平板は、最裏面に意匠面のSMC1の線膨張と同等またはそれ未満のSMC2を設置して成型した比較例1、2に比べて反りが大きく低減した。
1 金型
4 意匠面のSMC
5 最裏面のSMC
7 繊維強化プラスチック平板

Claims (3)

  1. シートモールディングコンパウンド(SMC)またはバルクモールディングコンパウンド(BMC)による成型品である繊維強化プラスチック平板の製造方法において、その成型時にSMCまたはBMCを金型に設置する際に、最裏面に意匠面のSMCまたはBMCよりも線膨張の大きなSMCまたはBMCを設置する工程と、意匠面の温度を最裏面の温度よりも高くして成型する工程とを含むことを特徴とする繊維強化プラスチック平板の製造方法。
  2. 前記最裏面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂は、意匠面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂よりもガラス転移温度が低い樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化プラスチック平板の製造方法。
  3. 前記最裏面に設置されるSMCまたはBMCに用いられる樹脂は、植物原料由来の飽和カルボン酸を含有する酸成分を用いて合成された不飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の繊維強化プラスチック平板の製造方法。
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