JPH08118379A - 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 - Google Patents
繊維強化プラスチック成形体の製造方法Info
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- JPH08118379A JPH08118379A JP6252374A JP25237494A JPH08118379A JP H08118379 A JPH08118379 A JP H08118379A JP 6252374 A JP6252374 A JP 6252374A JP 25237494 A JP25237494 A JP 25237494A JP H08118379 A JPH08118379 A JP H08118379A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 強化繊維チョップ及び熱硬化性樹脂を含む混
合体を混練してバルクモールディングコンパウンド(BM
C)23となし、該BMC 23をシート状に形成し、切断した
後、これを金型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラ
スチック成形体を形成することを特徴とする繊維強化プ
ラスチック(FRP)成形体の製造方法。 【効果】 従来 SMC(シートモールディングコンパウン
ド)圧縮成形法で問題であった複雑で装置コストの高い
抄紙工程や含浸工程を不要化し得る共に、成形自動化を
困難としていた成形材料の必要量計量・カット工程を自
動化し得、同時に、従来 BMC射出圧縮成形法で免れ得な
かった強化繊維の切損による耐衝撃性及びEMI(電磁
波)シールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧縮成形法
による場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシールド性を
有するFRP 成形体が得られる。
合体を混練してバルクモールディングコンパウンド(BM
C)23となし、該BMC 23をシート状に形成し、切断した
後、これを金型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラ
スチック成形体を形成することを特徴とする繊維強化プ
ラスチック(FRP)成形体の製造方法。 【効果】 従来 SMC(シートモールディングコンパウン
ド)圧縮成形法で問題であった複雑で装置コストの高い
抄紙工程や含浸工程を不要化し得る共に、成形自動化を
困難としていた成形材料の必要量計量・カット工程を自
動化し得、同時に、従来 BMC射出圧縮成形法で免れ得な
かった強化繊維の切損による耐衝撃性及びEMI(電磁
波)シールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧縮成形法
による場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシールド性を
有するFRP 成形体が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
成形体の製造方法に関し、特に、パソコン等のOA機器又
はヘッドホンステレオ等の音響機器におけるキャビネッ
ト材や内部部材に用いて好適な繊維強化プラスチック成
形体を製造する方法に関する。
成形体の製造方法に関し、特に、パソコン等のOA機器又
はヘッドホンステレオ等の音響機器におけるキャビネッ
ト材や内部部材に用いて好適な繊維強化プラスチック成
形体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パソコンやワープロ等に代表さ
れるOA機器、或いはヘッドホンステレオやCDプレーヤ等
に代表される音響機器は、近年ますます小型化及び軽量
化が求められるようになってきている。かかる電子機器
の軽量化を最も効果的に行う方法は、最大重量を占める
キャビネットを軽量化することであり、それには内部部
品を保護するのに必要な剛性を損なわない範囲で肉厚を
薄くすることが有効である。尚、キャビネットとしては
上記剛性の他に、難燃規制や電磁波妨害(EMI)規制等の
各種要求に応える特性が必要である。
れるOA機器、或いはヘッドホンステレオやCDプレーヤ等
に代表される音響機器は、近年ますます小型化及び軽量
化が求められるようになってきている。かかる電子機器
の軽量化を最も効果的に行う方法は、最大重量を占める
キャビネットを軽量化することであり、それには内部部
品を保護するのに必要な剛性を損なわない範囲で肉厚を
薄くすることが有効である。尚、キャビネットとしては
上記剛性の他に、難燃規制や電磁波妨害(EMI)規制等の
各種要求に応える特性が必要である。
【0003】従来、これらの小型電子機器のキャビネッ
トには ABS樹脂等の熱可塑性樹脂の射出成形品が用いら
れてきた。しかし、この材料は、薄肉成形性が劣る他、
弾性率が小さく薄肉成形体に加工した場合にキャビネッ
ト材に必要な剛性が不充分となり、内部部品等を保護す
ることができない。更に、材料が不導体であるので、EM
I シールド性付与のためにメッキ加工が不可欠である。
トには ABS樹脂等の熱可塑性樹脂の射出成形品が用いら
れてきた。しかし、この材料は、薄肉成形性が劣る他、
弾性率が小さく薄肉成形体に加工した場合にキャビネッ
ト材に必要な剛性が不充分となり、内部部品等を保護す
ることができない。更に、材料が不導体であるので、EM
I シールド性付与のためにメッキ加工が不可欠である。
【0004】そこで、最近は熱硬化性樹脂をマトリック
スとして炭素繊維で強化した繊維強化プラスチック成形
体がキャビネット材として普及し始めている。この材料
は、マトリックスに熱可塑性樹脂よりも流動性の高い熱
硬化性樹脂を用いているために薄肉成形性に優れ、又、
炭素繊維を強化材としているために弾性率が高く、薄肉
成形体に加工しても充分な剛性を確保でき、更に、炭素
繊維が導電性のためにメッキ加工をしなくても EMIシー
ルド性があるという特長を有している。
スとして炭素繊維で強化した繊維強化プラスチック成形
体がキャビネット材として普及し始めている。この材料
は、マトリックスに熱可塑性樹脂よりも流動性の高い熱
硬化性樹脂を用いているために薄肉成形性に優れ、又、
炭素繊維を強化材としているために弾性率が高く、薄肉
成形体に加工しても充分な剛性を確保でき、更に、炭素
繊維が導電性のためにメッキ加工をしなくても EMIシー
ルド性があるという特長を有している。
【0005】かかる繊維強化プラスチックの成形方法と
して、圧縮成形法を用いることができる(特願平1-2455
10、同4-99822 、同4-180973、同4-190735号)。この方
法は、繊維長10〜100mm の炭素繊維チョップを不織布に
加工する抄紙工程と該不織布にマトリックス樹脂を含浸
する工程とにより作られたシートモールディングコンパ
ウンド(以下 SMC)を、金型を用いて圧縮成形し、所望
形状のキャビネット材の如き成形体を得る方法(以下、
従来 SMC圧縮成形法という)である。この圧縮成形法
は、成形途中で長い炭素繊維が切損することが殆どない
ため、機械的性質の優れた成形体が得られる。しかし、
複雑で装置コストの高い抄紙工程や含浸工程が不可欠で
あり、又、SMC を必要量計量しカット・積層する工程が
煩雑で、連続自動成形が困難であるという問題点を含ん
でいた。
して、圧縮成形法を用いることができる(特願平1-2455
10、同4-99822 、同4-180973、同4-190735号)。この方
法は、繊維長10〜100mm の炭素繊維チョップを不織布に
加工する抄紙工程と該不織布にマトリックス樹脂を含浸
する工程とにより作られたシートモールディングコンパ
ウンド(以下 SMC)を、金型を用いて圧縮成形し、所望
形状のキャビネット材の如き成形体を得る方法(以下、
従来 SMC圧縮成形法という)である。この圧縮成形法
は、成形途中で長い炭素繊維が切損することが殆どない
ため、機械的性質の優れた成形体が得られる。しかし、
複雑で装置コストの高い抄紙工程や含浸工程が不可欠で
あり、又、SMC を必要量計量しカット・積層する工程が
煩雑で、連続自動成形が困難であるという問題点を含ん
でいた。
【0006】この問題点の解消策として、抄紙工程や含
浸工程が不要で安価に製造できるバルクモールディング
コンパウンド(以下 BMC)を、連続自動成形化し易い射
出成形機により成形する射出圧縮成形法(以下、従来 B
MC射出圧縮成形法という)も提案されている(特願平5-
164019号)。一般に、強化繊維を含んだ成形材料を射出
成形すると、(a) シリンダ内部でのせん断、(b) ゲート
通過時、(c) 型内に材料が流れ込むときの圧力変化等の
理由で強化繊維の切損が起こり、機械的特性が低下す
る。そこで、上記射出圧縮成形法では、(A) シリンダ内
の材料にせん断がかかり難いスクリュー形状にする、
(B) ゲートの材料通路断面積を大きくする、(C) 材料射
出時に金型を成形体厚さの 1.1〜10倍に開いておくこと
で、材料にかかる圧力を緩和し、これにより繊維長を保
存する工夫がなされている。しかし、かかる工夫によっ
ても繊維の切損は免れるものではなく、圧縮成形法で得
られる成形体と比較すると、繊維長の影響を受け易い耐
衝撃性及び EMIシールド性の低下は避けられない。
浸工程が不要で安価に製造できるバルクモールディング
コンパウンド(以下 BMC)を、連続自動成形化し易い射
出成形機により成形する射出圧縮成形法(以下、従来 B
MC射出圧縮成形法という)も提案されている(特願平5-
164019号)。一般に、強化繊維を含んだ成形材料を射出
成形すると、(a) シリンダ内部でのせん断、(b) ゲート
通過時、(c) 型内に材料が流れ込むときの圧力変化等の
理由で強化繊維の切損が起こり、機械的特性が低下す
る。そこで、上記射出圧縮成形法では、(A) シリンダ内
の材料にせん断がかかり難いスクリュー形状にする、
(B) ゲートの材料通路断面積を大きくする、(C) 材料射
出時に金型を成形体厚さの 1.1〜10倍に開いておくこと
で、材料にかかる圧力を緩和し、これにより繊維長を保
存する工夫がなされている。しかし、かかる工夫によっ
ても繊維の切損は免れるものではなく、圧縮成形法で得
られる成形体と比較すると、繊維長の影響を受け易い耐
衝撃性及び EMIシールド性の低下は避けられない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は、前記従
来の繊維強化プラスチック成形体の製造方法(従来 SMC
圧縮成形法、従来 BMC射出圧縮成形法)の有する問題点
を解消し、、従来 SMC圧縮成形法において問題となって
いた複雑で装置コストの高い抄紙工程や含浸工程を不要
化し得ると共に、成形自動化を困難としていた成形材料
の必要量計量・カット工程を自動化し得、同時に、従来
BMC射出圧縮成形法において免れることができなかった
強化繊維の切損による耐衝撃性及び EMIシールド性の低
下を防止し得、従来SMC 圧縮成形法による場合と同等水
準の耐衝撃性及び EMIシールド性を有する繊維強化プラ
スチック成形体が得られる繊維強化プラスチック成形体
の製造方法を提供しようとするものである。
に着目してなされたものであって、その目的は、前記従
来の繊維強化プラスチック成形体の製造方法(従来 SMC
圧縮成形法、従来 BMC射出圧縮成形法)の有する問題点
を解消し、、従来 SMC圧縮成形法において問題となって
いた複雑で装置コストの高い抄紙工程や含浸工程を不要
化し得ると共に、成形自動化を困難としていた成形材料
の必要量計量・カット工程を自動化し得、同時に、従来
BMC射出圧縮成形法において免れることができなかった
強化繊維の切損による耐衝撃性及び EMIシールド性の低
下を防止し得、従来SMC 圧縮成形法による場合と同等水
準の耐衝撃性及び EMIシールド性を有する繊維強化プラ
スチック成形体が得られる繊維強化プラスチック成形体
の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る繊維強化プラスチック成形体の製造
方法は次のような構成としている。即ち、請求項1記載
の方法は、強化繊維チョップ及び熱硬化性樹脂を含む混
合体を混練してバルクモールディングコンパウンドとな
し、該コンパウンドをシート状に形成した後、これを金
型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラスチック成形
体を形成することを特徴とする繊維強化プラスチック成
形体の製造方法である。
めに、本発明に係る繊維強化プラスチック成形体の製造
方法は次のような構成としている。即ち、請求項1記載
の方法は、強化繊維チョップ及び熱硬化性樹脂を含む混
合体を混練してバルクモールディングコンパウンドとな
し、該コンパウンドをシート状に形成した後、これを金
型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラスチック成形
体を形成することを特徴とする繊維強化プラスチック成
形体の製造方法である。
【0009】請求項2記載の方法は、前記強化繊維チョ
ップの長さが10mm以上であり、前記バルクモールディン
グコンパウンドの最短辺長さが10mm以上である請求項1
記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法である。
請求項3記載の方法は、前記成形体中に含まれる強化繊
維の繊維長が5〜100mm である請求項1又は2記載の繊
維強化プラスチック成形体の製造方法である。請求項4
記載の方法は、前記成形体中での強化繊維の含有率が10
〜50wt%である請求項1、2又は3記載の繊維強化プラ
スチック成形体の製造方法である。請求項5記載の方法
は、前記強化繊維チョップが炭素繊維チョップである請
求項1、2、3又は4記載の繊維強化プラスチック成形
体の製造方法である。請求項6記載の方法は、前記成形
体が肉厚1mm以下の部分を有している請求項1、2、
3、4又は5記載の繊維強化プラスチック成形体の製造
方法である。
ップの長さが10mm以上であり、前記バルクモールディン
グコンパウンドの最短辺長さが10mm以上である請求項1
記載の繊維強化プラスチック成形体の製造方法である。
請求項3記載の方法は、前記成形体中に含まれる強化繊
維の繊維長が5〜100mm である請求項1又は2記載の繊
維強化プラスチック成形体の製造方法である。請求項4
記載の方法は、前記成形体中での強化繊維の含有率が10
〜50wt%である請求項1、2又は3記載の繊維強化プラ
スチック成形体の製造方法である。請求項5記載の方法
は、前記強化繊維チョップが炭素繊維チョップである請
求項1、2、3又は4記載の繊維強化プラスチック成形
体の製造方法である。請求項6記載の方法は、前記成形
体が肉厚1mm以下の部分を有している請求項1、2、
3、4又は5記載の繊維強化プラスチック成形体の製造
方法である。
【0010】
【作用】本発明に係る繊維強化プラスチック成形体の製
造方法は、前記の如く、強化繊維チョップ及び熱硬化性
樹脂を含む混合体を混練してバルクモールディングコン
パウンドとなし、該コンパウンドをシート状に形成した
後、これを金型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラ
スチック成形体を形成するようにしている。
造方法は、前記の如く、強化繊維チョップ及び熱硬化性
樹脂を含む混合体を混練してバルクモールディングコン
パウンドとなし、該コンパウンドをシート状に形成した
後、これを金型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラ
スチック成形体を形成するようにしている。
【0011】従って、この圧縮成形前のもの(成形材
料)はBMC をシート状に形成することにより得ているの
で、SMC を得るのに抄紙工程及び含浸工程を必要とする
従来 SMC圧縮成形法の場合と異なり、抄紙工程及び含浸
工程が不要である。更に、かかるシート状材料を金型内
に配置して圧縮成形するので、強化繊維の切損による耐
衝撃性及びEMI シールド性の低下を免れることができな
かった従来 BMC射出圧縮成形法の場合と異なり、従来 S
MC圧縮成形法の場合と同様に強化繊維の切損による耐衝
撃性及び EMIシールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧
縮成形法による場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシー
ルド性を有する繊維強化プラスチック成形体が得られ
る。又、上記BMC からシート状材料を形成する際、この
形成は押し出し法等の加工方法により行うことができ、
このとき得られるシート状材料を一定長さにカットする
だけで一定重量のシート状材料を得ることができるの
で、従来SMC 圧縮成形法の場合と異なり、成形材料(シ
ート状材料)の必要量計量・カット工程を自動化し得、
引いては成形自動化を図ることができる。
料)はBMC をシート状に形成することにより得ているの
で、SMC を得るのに抄紙工程及び含浸工程を必要とする
従来 SMC圧縮成形法の場合と異なり、抄紙工程及び含浸
工程が不要である。更に、かかるシート状材料を金型内
に配置して圧縮成形するので、強化繊維の切損による耐
衝撃性及びEMI シールド性の低下を免れることができな
かった従来 BMC射出圧縮成形法の場合と異なり、従来 S
MC圧縮成形法の場合と同様に強化繊維の切損による耐衝
撃性及び EMIシールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧
縮成形法による場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシー
ルド性を有する繊維強化プラスチック成形体が得られ
る。又、上記BMC からシート状材料を形成する際、この
形成は押し出し法等の加工方法により行うことができ、
このとき得られるシート状材料を一定長さにカットする
だけで一定重量のシート状材料を得ることができるの
で、従来SMC 圧縮成形法の場合と異なり、成形材料(シ
ート状材料)の必要量計量・カット工程を自動化し得、
引いては成形自動化を図ることができる。
【0012】故に、本発明に係る繊維強化プラスチック
成形体の製造方法によれば、従来 SMC圧縮成形法におい
て問題となっていた複雑で装置コストの高い抄紙工程や
含浸工程を不要化し得ると共に、成形自動化を困難とし
ていた成形材料の必要量計量・カット工程を自動化し
得、同時に、従来 BMC射出圧縮成形法において免れるこ
とができなかった強化繊維の切損による耐衝撃性及び E
MIシールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧縮成形法に
よる場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシールド性を有
する繊維強化プラスチック成形体が得られる。即ち、従
来 BMC射出圧縮成形法に比して、成形時の強化繊維の切
損による耐衝撃性及び EMIシールド性の低下を小さくで
きる。
成形体の製造方法によれば、従来 SMC圧縮成形法におい
て問題となっていた複雑で装置コストの高い抄紙工程や
含浸工程を不要化し得ると共に、成形自動化を困難とし
ていた成形材料の必要量計量・カット工程を自動化し
得、同時に、従来 BMC射出圧縮成形法において免れるこ
とができなかった強化繊維の切損による耐衝撃性及び E
MIシールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧縮成形法に
よる場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシールド性を有
する繊維強化プラスチック成形体が得られる。即ち、従
来 BMC射出圧縮成形法に比して、成形時の強化繊維の切
損による耐衝撃性及び EMIシールド性の低下を小さくで
きる。
【0013】前記強化繊維チョップの長さを10mm以上に
し、前記バルクモールディングコンパウンド(BMC)の最
短辺長さを10mm以上にすると、このBMC は従来 BMC射出
圧縮成形法で用いる BMC、即ち、比較的短い長さの強化
繊維と樹脂、充填剤等を混練して数mm程度の大きさの塊
状としたものに比し、強化繊維の繊維長が長く、それに
起因して成形体としたときの耐衝撃性が更に向上する
(請求項2記載の方法)。ここで、BMC の最短辺長さと
は、BMC の最も短い辺又は径の長さのことであり、BMC
が方形の場合は最も短い辺の長さ、玉状の場合は最も短
い径となる。
し、前記バルクモールディングコンパウンド(BMC)の最
短辺長さを10mm以上にすると、このBMC は従来 BMC射出
圧縮成形法で用いる BMC、即ち、比較的短い長さの強化
繊維と樹脂、充填剤等を混練して数mm程度の大きさの塊
状としたものに比し、強化繊維の繊維長が長く、それに
起因して成形体としたときの耐衝撃性が更に向上する
(請求項2記載の方法)。ここで、BMC の最短辺長さと
は、BMC の最も短い辺又は径の長さのことであり、BMC
が方形の場合は最も短い辺の長さ、玉状の場合は最も短
い径となる。
【0014】本発明においては、従来 BMC射出圧縮成形
法に比し、成形時の強化繊維切損が生じ難いが、若干生
じることがある。このような場合においても、上記の如
く強化繊維チョップ、BMC の寸法を調整しておくと、強
化繊維の繊維長:5mm以上の成形体が得られ、かかる成
形体は耐衝撃性が優れていてよいが、この繊維長が100m
m 超では強化繊維同士が絡みあって強化繊維の分散性が
悪いものとなるので、成形体での強化繊維の繊維長とし
て5〜100mm にすることが望ましい(請求項3記載の方
法)。
法に比し、成形時の強化繊維切損が生じ難いが、若干生
じることがある。このような場合においても、上記の如
く強化繊維チョップ、BMC の寸法を調整しておくと、強
化繊維の繊維長:5mm以上の成形体が得られ、かかる成
形体は耐衝撃性が優れていてよいが、この繊維長が100m
m 超では強化繊維同士が絡みあって強化繊維の分散性が
悪いものとなるので、成形体での強化繊維の繊維長とし
て5〜100mm にすることが望ましい(請求項3記載の方
法)。
【0015】前記成形体中での強化繊維の含有率として
10wt%未満とすると、強化繊維が充填されない部分が生
じ易くなり、一方、50wt%超にすると成形材料の流動生
が悪くなり、薄肉成形体を得ることが困難になるので、
成形体中での強化繊維の含有率として10〜50wt%となる
ようにすることが望ましい(請求項4記載の方法)。
10wt%未満とすると、強化繊維が充填されない部分が生
じ易くなり、一方、50wt%超にすると成形材料の流動生
が悪くなり、薄肉成形体を得ることが困難になるので、
成形体中での強化繊維の含有率として10〜50wt%となる
ようにすることが望ましい(請求項4記載の方法)。
【0016】前記強化繊維チョップとして炭素繊維チョ
ップを用い、成形体中の強化繊維を炭素繊維とすると、
更に EMIシールド性をもった成形体にすることができる
(請求項5記載の方法)。前記成形体が肉厚1mm以下の
部分をできるだけ多く有する場合、軽量化の程度が大き
くてよい(請求項6記載の方法)。
ップを用い、成形体中の強化繊維を炭素繊維とすると、
更に EMIシールド性をもった成形体にすることができる
(請求項5記載の方法)。前記成形体が肉厚1mm以下の
部分をできるだけ多く有する場合、軽量化の程度が大き
くてよい(請求項6記載の方法)。
【0017】本発明において、前記熱硬化性樹脂として
は、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ビニルエス
テル樹脂、ビスマレイド樹脂等、或いはこれら樹脂の混
合物を使用できる。前記強化繊維チョップ及び熱硬化性
樹脂を含む混合体としては、これら繊維チョップ及び樹
脂の他に、充填剤、着色剤、離型剤等を添加でき、更に
必要ならば溶媒を添加する。前記混合体の混練はニーダ
ー等の混練機を用いて行えばよい。
は、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ビニルエス
テル樹脂、ビスマレイド樹脂等、或いはこれら樹脂の混
合物を使用できる。前記強化繊維チョップ及び熱硬化性
樹脂を含む混合体としては、これら繊維チョップ及び樹
脂の他に、充填剤、着色剤、離型剤等を添加でき、更に
必要ならば溶媒を添加する。前記混合体の混練はニーダ
ー等の混練機を用いて行えばよい。
【0018】前記の如く、 BMCとして最短辺長さ:10mm
以上のものを使用することが望ましい。この場合、従来
BMC射出圧縮成形法で用いる BMCよりも大きく、従っ
て、それを射出成形機又は押出機によりシート状に形成
するに際し、該成形機の通常ホッパーではブリッジング
を起こして供給性能が悪くなるが、この問題点は駆動系
を有する供給方式を採用することにより解決できる。こ
の供給機の例としては、実施例1で後記される如きプラ
ンジャー型フィーダや、スクリュー型強制フィーダ、或
いは二軸スクリューフィーダ等が使用できる。特に、か
かるスクリュー型フィーダの場合は、 BMCの長軸長さよ
りも大きなフライトピッチもしくは溝深さを持つ供給ス
クリューを用いることにより強化繊維の切損を最小限に
とどめることができる。換言すれば、本発明法は、装置
的には上記の如く強化繊維の切損がほとんどなく、 BMC
を安定供給できる供給装置により、可能となる。
以上のものを使用することが望ましい。この場合、従来
BMC射出圧縮成形法で用いる BMCよりも大きく、従っ
て、それを射出成形機又は押出機によりシート状に形成
するに際し、該成形機の通常ホッパーではブリッジング
を起こして供給性能が悪くなるが、この問題点は駆動系
を有する供給方式を採用することにより解決できる。こ
の供給機の例としては、実施例1で後記される如きプラ
ンジャー型フィーダや、スクリュー型強制フィーダ、或
いは二軸スクリューフィーダ等が使用できる。特に、か
かるスクリュー型フィーダの場合は、 BMCの長軸長さよ
りも大きなフライトピッチもしくは溝深さを持つ供給ス
クリューを用いることにより強化繊維の切損を最小限に
とどめることができる。換言すれば、本発明法は、装置
的には上記の如く強化繊維の切損がほとんどなく、 BMC
を安定供給できる供給装置により、可能となる。
【0019】上記供給装置からシリンダーへ送り込まれ
たBMC は、更に、深溝スクリューにより低せん断状態で
可塑化を進めながら、シリンダー先端部へ送り出され、
この先端部に取り付けられたシートダイよりシート状の
中間材料(SMC)として押し出される。このとき、シート
ダイ開口部の厚さは1〜10mm、更に望ましくは2〜5mm
がよい。これは、シートダイ開口部の厚さが大きすぎる
と押し出された材料が厚くなりすぎ、次の予熱工程で均
一な予熱ができず、成形品に膨れ等の欠陥が生じるため
であり、一方、シートダイ開口部が薄すぎるとシートの
押出加工生が低下し、ダイ内部での抵抗が大きく残存繊
維長が短くなるためである。ダイ内部の抵抗を圧力で評
価すると、内部圧力が1000MPa(100kgf/mm2) を超えると
繊維の切損が激しくなり、150MPa(15kgf/mm2) 未満の場
合はシートの密度が不充分であり、押出加工性が損なわ
れる。内部圧力は更には300MPa(30kgf/mm2) 〜600MPa(6
0kgf/mm2) にすることが望ましい。
たBMC は、更に、深溝スクリューにより低せん断状態で
可塑化を進めながら、シリンダー先端部へ送り出され、
この先端部に取り付けられたシートダイよりシート状の
中間材料(SMC)として押し出される。このとき、シート
ダイ開口部の厚さは1〜10mm、更に望ましくは2〜5mm
がよい。これは、シートダイ開口部の厚さが大きすぎる
と押し出された材料が厚くなりすぎ、次の予熱工程で均
一な予熱ができず、成形品に膨れ等の欠陥が生じるため
であり、一方、シートダイ開口部が薄すぎるとシートの
押出加工生が低下し、ダイ内部での抵抗が大きく残存繊
維長が短くなるためである。ダイ内部の抵抗を圧力で評
価すると、内部圧力が1000MPa(100kgf/mm2) を超えると
繊維の切損が激しくなり、150MPa(15kgf/mm2) 未満の場
合はシートの密度が不充分であり、押出加工性が損なわ
れる。内部圧力は更には300MPa(30kgf/mm2) 〜600MPa(6
0kgf/mm2) にすることが望ましい。
【0020】上記シート状材料は、従来 SMC圧縮成形法
の場合と同様に、圧縮成形法により成形体に加工され
る。しかし、ここで従来 SMC圧縮成形法の場合と大きく
異なる点があり、それは従来 SMC圧縮成形法の場合には
一定重量になるようにSMC をカット、秤量及び積層する
工程が必要であって自動化し難いが、本発明法では一定
重量にカットされた一枚物のシート材(SMC)を自動的に
得ることができ、これら工程を自動化できることであ
る。即ち、本発明では、押出工程に用いる押出機に、例
えばその先端に、押し出された材料の長さをセンサーに
よって検知して直ちにカットする機構を有する自動計量
カッターを取り付け、シート材を一定長さにカットする
だけで一定重量のシート材が得られ、従って、一定重量
にカットする工程を自動化できる。又、上記押出機に代
えて射出成形機の射出ユニットを用いることもでき、こ
の場合は通常の射出成形で材料軽量を行う場合と同様
に、スクリューを回転させながら一定距離バックさせる
ことにより材料を一定量計量し、その後スクリューを前
進させることで計量された材料を押し出すことができ
る。このように一定重量にカットされたシート状材料を
得る工程を自動化でき、又、該シート状材料の圧縮成形
用金型への供給工程も容易に自動化でき、従って、BMC
形成から成形体形成に至る工程を自動化することが可能
となる。
の場合と同様に、圧縮成形法により成形体に加工され
る。しかし、ここで従来 SMC圧縮成形法の場合と大きく
異なる点があり、それは従来 SMC圧縮成形法の場合には
一定重量になるようにSMC をカット、秤量及び積層する
工程が必要であって自動化し難いが、本発明法では一定
重量にカットされた一枚物のシート材(SMC)を自動的に
得ることができ、これら工程を自動化できることであ
る。即ち、本発明では、押出工程に用いる押出機に、例
えばその先端に、押し出された材料の長さをセンサーに
よって検知して直ちにカットする機構を有する自動計量
カッターを取り付け、シート材を一定長さにカットする
だけで一定重量のシート材が得られ、従って、一定重量
にカットする工程を自動化できる。又、上記押出機に代
えて射出成形機の射出ユニットを用いることもでき、こ
の場合は通常の射出成形で材料軽量を行う場合と同様
に、スクリューを回転させながら一定距離バックさせる
ことにより材料を一定量計量し、その後スクリューを前
進させることで計量された材料を押し出すことができ
る。このように一定重量にカットされたシート状材料を
得る工程を自動化でき、又、該シート状材料の圧縮成形
用金型への供給工程も容易に自動化でき、従って、BMC
形成から成形体形成に至る工程を自動化することが可能
となる。
【0021】本発明法により得られた成形体中の強化繊
維は、従来 BMC射出圧縮成形法による場合に比し、繊維
の切損が著しく少ないものとなっている。これは、本発
明法で前記シリンダー先端に取り付けるシートダイの開
口部面積を、従来 BMC射出圧縮成形法の場合にシリンダ
ー先端に取り付けるノズルの開口部面積よりも、充分に
大きくでき、又、従来 BMC射出圧縮成形法では材料を高
速高圧で射出するのに対して本発明法では比較的低速で
押し出すため、本発明法の場合は従来 BMC射出圧縮成形
法の場合に比して材料への負荷が非常に小さくなるため
である。
維は、従来 BMC射出圧縮成形法による場合に比し、繊維
の切損が著しく少ないものとなっている。これは、本発
明法で前記シリンダー先端に取り付けるシートダイの開
口部面積を、従来 BMC射出圧縮成形法の場合にシリンダ
ー先端に取り付けるノズルの開口部面積よりも、充分に
大きくでき、又、従来 BMC射出圧縮成形法では材料を高
速高圧で射出するのに対して本発明法では比較的低速で
押し出すため、本発明法の場合は従来 BMC射出圧縮成形
法の場合に比して材料への負荷が非常に小さくなるため
である。
【0022】
(実施例1)繊維長15mmの炭素繊維(炭素繊維チョッ
プ)、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂及び炭酸カルシ
ウム等の充填材からなる混合体にアセトン等の溶媒を添
加し、ニーダにてを混練して BMCを得た。次に、該 BMC
を連続乾燥機にて乾燥調節後、射出成形機の射出ユニッ
トを用いて射出押出し、長さ80, 幅50, 厚さ3mmのシー
ト状物(SMC)を得た。次に、該SMC を予熱して乾燥調節
した後、170 ℃の金型内に配置して圧縮成形して成形体
を得た。これは本発明の実施例1に係る方法により得ら
れた炭素繊維強化プラスチック成形体である。
プ)、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂及び炭酸カルシ
ウム等の充填材からなる混合体にアセトン等の溶媒を添
加し、ニーダにてを混練して BMCを得た。次に、該 BMC
を連続乾燥機にて乾燥調節後、射出成形機の射出ユニッ
トを用いて射出押出し、長さ80, 幅50, 厚さ3mmのシー
ト状物(SMC)を得た。次に、該SMC を予熱して乾燥調節
した後、170 ℃の金型内に配置して圧縮成形して成形体
を得た。これは本発明の実施例1に係る方法により得ら
れた炭素繊維強化プラスチック成形体である。
【0023】一方、比較例1として従来 SMC圧縮成形法
により成形体を作製し、又、比較例2として従来 BMC射
出圧縮成形法により成形体を作製した。ここで、材料に
よる物性値の違いが現れないようにするため、比較例2
での BMCには上記実施例1の場合と同様の BMCを用い、
又、比較例1での SMCには上記実施例1の場合と同様の
配合の樹脂及び充填材を炭素繊維不織布に含浸してなる
プリプレグを用いた。
により成形体を作製し、又、比較例2として従来 BMC射
出圧縮成形法により成形体を作製した。ここで、材料に
よる物性値の違いが現れないようにするため、比較例2
での BMCには上記実施例1の場合と同様の BMCを用い、
又、比較例1での SMCには上記実施例1の場合と同様の
配合の樹脂及び充填材を炭素繊維不織布に含浸してなる
プリプレグを用いた。
【0024】このようにして得られた成形体について、
機械的特性及び電気的特性を測定した。ここで、機械的
特性は JIS K7055準拠の3点曲げ試験及びJIS K7110-84
準拠のノッチ付きアイゾット試験で評価した。又、電気
的特性としてはロレスタ4端子法により抵抗値を測定し
た。尚、抵抗値は成形体の EMIシールド性に関係する値
であり、抵抗値が低いほど EMIシールド性が高くなる。
更に、これら測定の他に、成形サイクル(成形所要時
間)の測定も行った。
機械的特性及び電気的特性を測定した。ここで、機械的
特性は JIS K7055準拠の3点曲げ試験及びJIS K7110-84
準拠のノッチ付きアイゾット試験で評価した。又、電気
的特性としてはロレスタ4端子法により抵抗値を測定し
た。尚、抵抗値は成形体の EMIシールド性に関係する値
であり、抵抗値が低いほど EMIシールド性が高くなる。
更に、これら測定の他に、成形サイクル(成形所要時
間)の測定も行った。
【0025】上記測定、試験の結果を表1に示す。本発
明の実施例1に係る方法により得られた成形体は、比較
例1に係る従来 SMC圧縮成形法により得られた成形体と
比べても機械的特性、電気的特性のいづれも遜色無い値
であり、しかも、成形サイクルは比較例1に係る従来 S
MC圧縮成形法よりも短縮されている。このことは、本発
明法は従来 SMC圧縮成形法と比べて製造工程の煩雑さを
改善していることを示している。一方、比較例2に係る
従来 BMC射出圧縮成形法により得られた成形体と比べる
と、本発明の実施例1に係る方法により得られた成形体
は、特に、耐衝撃性が高く、抵抗値が低い。これら特性
値はいづれも成形体中の炭素繊維の繊維長(残存繊維
長)に影響される値であることから、本発明法は従来 B
MC射出圧縮成形法に比べて強化繊維の切損が少ないこと
がよく分かる。以上のことから、本発明法は従来法(従
来 SMC圧縮成形法、従来 BMC射出圧縮成形法)よりも性
能−コスト・バランスに富んだ方法であり、全体的にみ
て優れているといえる。
明の実施例1に係る方法により得られた成形体は、比較
例1に係る従来 SMC圧縮成形法により得られた成形体と
比べても機械的特性、電気的特性のいづれも遜色無い値
であり、しかも、成形サイクルは比較例1に係る従来 S
MC圧縮成形法よりも短縮されている。このことは、本発
明法は従来 SMC圧縮成形法と比べて製造工程の煩雑さを
改善していることを示している。一方、比較例2に係る
従来 BMC射出圧縮成形法により得られた成形体と比べる
と、本発明の実施例1に係る方法により得られた成形体
は、特に、耐衝撃性が高く、抵抗値が低い。これら特性
値はいづれも成形体中の炭素繊維の繊維長(残存繊維
長)に影響される値であることから、本発明法は従来 B
MC射出圧縮成形法に比べて強化繊維の切損が少ないこと
がよく分かる。以上のことから、本発明法は従来法(従
来 SMC圧縮成形法、従来 BMC射出圧縮成形法)よりも性
能−コスト・バランスに富んだ方法であり、全体的にみ
て優れているといえる。
【0026】(実施例2)実施例1と同様の BMCを用
い、単軸押出機にてシートダイの厚さをパラメータとし
て変化させてシート押出を行い、シートダイの厚さによ
る押出加工性の違いを調べた。又、得られたシート状材
料を用いて、実施例1と同様法により成形体の成形加工
を行い、成形体の外観を調べた。これらの結果を表2に
示す。シート押出加工性はダイの内部形状にも依存する
が、シートダイ厚さが1mm未満の場合はシート自体の保
持力が不足するため、安定した押出加工はできなかっ
た。これに対し、シートダイ厚さが大きくなると押出加
工性が良くなるが、10mmを超えると、シート内部のガス
抜きが不充分となるため、外観の良い成形体を得ること
ができなかった。
い、単軸押出機にてシートダイの厚さをパラメータとし
て変化させてシート押出を行い、シートダイの厚さによ
る押出加工性の違いを調べた。又、得られたシート状材
料を用いて、実施例1と同様法により成形体の成形加工
を行い、成形体の外観を調べた。これらの結果を表2に
示す。シート押出加工性はダイの内部形状にも依存する
が、シートダイ厚さが1mm未満の場合はシート自体の保
持力が不足するため、安定した押出加工はできなかっ
た。これに対し、シートダイ厚さが大きくなると押出加
工性が良くなるが、10mmを超えると、シート内部のガス
抜きが不充分となるため、外観の良い成形体を得ること
ができなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】本発明法において BMCを製造し、 BMCから
シート状材料を得るに際して適用する具体的な装置とし
ては、例えば図1に示す如き BMC製造装置、図2に示す
如きBMC からのシート状材料の製造装置を挙げることが
できる。これら装置によれば、図1に示す如く、計量器
11, 12より所定量の熱硬化性樹脂16、強化繊維チョップ
17が混練槽13に投入され、混練されて BMCとなる。そし
て、この BMCはピン付きローラ14等により適当な大きさ
にほぐされ、コンベア15上に広げられ、乾燥機18で乾燥
調整され、BMC 23として容器内に落下する。次に、この
BMC 23は、図2に示す如く、プランジャー供給機4のホ
ッパー5に投入され、補助ヒータ99により予熱され、成
形機3(射出又は押出成形機)のフィーダー部7に供給
された後、スクリュー8によりシリンダ内を前方へ送ら
れ、ヒータ9により加熱されて可塑化し、次いでシリン
ダ先端に取り付けられたシートダイ2で必要形状に賦形
され、シートダイ2から押し出され、自動計量カッター
1にて適当量にカットされる。ここで、ヒータ9による
シリンダ温度調節はヒータ温度調節、媒体温度調節のい
づれでも行い得るが、媒体温度調節による方が望まし
い。
シート状材料を得るに際して適用する具体的な装置とし
ては、例えば図1に示す如き BMC製造装置、図2に示す
如きBMC からのシート状材料の製造装置を挙げることが
できる。これら装置によれば、図1に示す如く、計量器
11, 12より所定量の熱硬化性樹脂16、強化繊維チョップ
17が混練槽13に投入され、混練されて BMCとなる。そし
て、この BMCはピン付きローラ14等により適当な大きさ
にほぐされ、コンベア15上に広げられ、乾燥機18で乾燥
調整され、BMC 23として容器内に落下する。次に、この
BMC 23は、図2に示す如く、プランジャー供給機4のホ
ッパー5に投入され、補助ヒータ99により予熱され、成
形機3(射出又は押出成形機)のフィーダー部7に供給
された後、スクリュー8によりシリンダ内を前方へ送ら
れ、ヒータ9により加熱されて可塑化し、次いでシリン
ダ先端に取り付けられたシートダイ2で必要形状に賦形
され、シートダイ2から押し出され、自動計量カッター
1にて適当量にカットされる。ここで、ヒータ9による
シリンダ温度調節はヒータ温度調節、媒体温度調節のい
づれでも行い得るが、媒体温度調節による方が望まし
い。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る繊維強化プラスチック成形
体の製造方法によれば、従来 SMC圧縮成形法において問
題となっていた複雑で装置コストの高い抄紙工程や含浸
工程を不要化し得ると共に、成形自動化を困難としてい
た成形材料の必要量計量・カット工程を自動化し得るよ
うになり、同時に、従来 BMC射出圧縮成形法において免
れることができなかった強化繊維の切損による耐衝撃性
及び EMIシールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧縮成
形法による場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシールド
性を有する繊維強化プラスチック成形体が得られるよう
になる。即ち、従来 BMC射出圧縮成形法に比して、成形
時の強化繊維の切損による耐衝撃性及び EMIシールド性
の低下を小さくできるという効果を奏する。
体の製造方法によれば、従来 SMC圧縮成形法において問
題となっていた複雑で装置コストの高い抄紙工程や含浸
工程を不要化し得ると共に、成形自動化を困難としてい
た成形材料の必要量計量・カット工程を自動化し得るよ
うになり、同時に、従来 BMC射出圧縮成形法において免
れることができなかった強化繊維の切損による耐衝撃性
及び EMIシールド性の低下を防止し得、従来SMC 圧縮成
形法による場合と同等水準の耐衝撃性及び EMIシールド
性を有する繊維強化プラスチック成形体が得られるよう
になる。即ち、従来 BMC射出圧縮成形法に比して、成形
時の強化繊維の切損による耐衝撃性及び EMIシールド性
の低下を小さくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るバルクモールディングコンパウ
ンドの製造装置の一例を説明する図である。
ンドの製造装置の一例を説明する図である。
【図2】 本発明に係るバルクモールディングコンパウ
ンドをシート状にする成形装置の一例を説明する図であ
る。
ンドをシート状にする成形装置の一例を説明する図であ
る。
1--自動計量カッター、2--シートダイ、3--成形機、
4--プランジャー供給機、5--ホッパー、6--プランジ
ャー、7--フィーダー部、8--スクリュー、9--ヒー
タ、 11,12--計量器、13--混練槽、14--ピン付きロー
ラ、15--コンベア、16--熱硬化性樹脂、17--強化繊維チ
ョップ、18--乾燥機、23--BMC(バルクモールディングコ
ンパウンド)、99--補助ヒータ。
4--プランジャー供給機、5--ホッパー、6--プランジ
ャー、7--フィーダー部、8--スクリュー、9--ヒー
タ、 11,12--計量器、13--混練槽、14--ピン付きロー
ラ、15--コンベア、16--熱硬化性樹脂、17--強化繊維チ
ョップ、18--乾燥機、23--BMC(バルクモールディングコ
ンパウンド)、99--補助ヒータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 5/02 J 7301−4E // B29K 101:10 105:12 B29L 31:34
Claims (6)
- 【請求項1】 強化繊維チョップ及び熱硬化性樹脂を含
む混合体を混練してバルクモールディングコンパウンド
となし、該コンパウンドをシート状に形成した後、これ
を金型内に配置して圧縮成形して繊維強化プラスチック
成形体を形成することを特徴とする繊維強化プラスチッ
ク成形体の製造方法。 - 【請求項2】 前記強化繊維チョップの長さが10mm以上
であり、前記バルクモールディングコンパウンドの最短
辺長さが10mm以上である請求項1記載の繊維強化プラス
チック成形体の製造方法。 - 【請求項3】 前記成形体中に含まれる強化繊維の繊維
長が5〜100mm である請求項1又は2記載の繊維強化プ
ラスチック成形体の製造方法。 - 【請求項4】 前記成形体中での強化繊維の含有率が10
〜50wt%である請求項1、2又は3記載の繊維強化プラ
スチック成形体の製造方法。 - 【請求項5】 前記強化繊維チョップが炭素繊維チョッ
プである請求項1、2、3又は4記載の繊維強化プラス
チック成形体の製造方法。 - 【請求項6】 前記成形体が肉厚1mm以下の部分を有し
ている請求項1、2、3、4又は5記載の繊維強化プラ
スチック成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6252374A JPH08118379A (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6252374A JPH08118379A (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08118379A true JPH08118379A (ja) | 1996-05-14 |
Family
ID=17236424
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6252374A Pending JPH08118379A (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 繊維強化プラスチック成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08118379A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101013692B1 (ko) * | 2008-10-06 | 2011-02-10 | 덕양산업 주식회사 | 합성수지와 화이바의 혼합장치 |
KR102045311B1 (ko) * | 2018-12-24 | 2019-11-15 | 한화글로벌에셋(주) | 하이브리드 섬유 복합재 제조용 섬유 결집장치 및 결집방법 |
CN112706341A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-27 | 卢吉武 | 一种挤压式玩具塑料锤制造装置 |
JP2022177086A (ja) * | 2019-09-11 | 2022-11-30 | 株式会社イノアックコーポレーション | 厚さ1mm以下の樹脂成形体 |
US11584835B2 (en) | 2016-09-14 | 2023-02-21 | Mitsubishi Chemical Corporation | Laminated substrate and method for manufacturing the same |
-
1994
- 1994-10-18 JP JP6252374A patent/JPH08118379A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101013692B1 (ko) * | 2008-10-06 | 2011-02-10 | 덕양산업 주식회사 | 합성수지와 화이바의 혼합장치 |
US11584835B2 (en) | 2016-09-14 | 2023-02-21 | Mitsubishi Chemical Corporation | Laminated substrate and method for manufacturing the same |
KR102045311B1 (ko) * | 2018-12-24 | 2019-11-15 | 한화글로벌에셋(주) | 하이브리드 섬유 복합재 제조용 섬유 결집장치 및 결집방법 |
JP2022177086A (ja) * | 2019-09-11 | 2022-11-30 | 株式会社イノアックコーポレーション | 厚さ1mm以下の樹脂成形体 |
CN112706341A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-27 | 卢吉武 | 一种挤压式玩具塑料锤制造装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040309 |