JP2022176742A - 振れ検出装置およびクレーン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出精度に優れコンパクトな構成の振れ検出装置および当該振れ検出装置を備えたクレーン装置を提供する。【解決手段】振れ検出対象と係合し、振れ検出対象の振れに追随する検出子5と、検出子5の第一方向d1の変位を検出する第一方向変位検出手段10と、検出子5の第一方向d1と交差する第二方向d2に沿う揺動角変位を検出する第二方向変位検出手段20と、第一方向d1の変位および第二方向d2の揺動角変位に基づいて検出子5の変位を算出する演算部40と、を備える振れ検出装置Uおよびこの振れ検出装置Uを備えたクレーン装置C。【選択図】図2

Description

本発明は、振れ検出対象に係合して追随する検出子と、検出子の第一方向の変位および第二方向の変位を検出する二つの変位検出手段と、これら変位検出手段の検出結果に基づいて検出子の変位を算出する演算部と、を備えた振れ検出装置および当該振れ検出装置を備えたクレーン装置に関する。
従来、このような振れ検出装置としては例えば特許文献1に示すものがある(〔0007〕~〔0009〕および図1、図2参照)。
この振れ検出装置は、クレーンの一部に取り付けられた支持体2に、水平面内において移動可能な移動体3が保持され、この移動体3が振れ検出の対象であるロープの振れに追随して移動する際の変位を二つの変位検出手段で計測するものである。
具体的には、移動体3の中央部に形成された貫通孔3aに吊り荷用のロープが挿通され、この移動体3が、支持体2に設けられた環状空間2aの内部に保持されている。環状空間2aは支持体2に形成された凹部である。移動体3は当該凹部に配置され、蓋4によって覆われる。これにより、移動体は、環状空間2aの内部で水平方向のみに移動可能となる。尚、凹部の底部および蓋4には、ロープが干渉することなく挿通可能な孔部が設けられている。
環状空間2aの側壁には、水平面内において互いに直交する二つの変位計が設けられている。これら変位計は直動タイプのものであり、夫々が移動体3の外側面に当接している。これにより、ロープの振れに追随して移動体3が水平面内において移動する際の変位が計測される。
本構成によれば、安価でかつ動的精度に優れ、ロープの前後左右の振れ角を絶対角として検出することができるクレーンの荷振れ検出装置およびこの荷振れ検出装置を備えたクレーンの提供が可能とのことである。
特開平8-231184号公報
上記従来の振れ検出装置では、ロープが挿通する移動体3の外側に二つの変位計を設けるため、ロープの位置に対して少なくとも二方向に振れ検出装置の機構部が存在することとなる。よって、クレーンの他の構成と干渉することなく振れ検出装置を配置するには空間的な制限を受ける場合がある。
また、二つの変位計は直動タイプのものであり、所定の移動ストロークを確保する必要がある。特に検出感度を高めるにはストロークが長い程有利である。このため、ロープの周りには所定の機構部が配置されることとなり振れ検出装置の体格が大きくなる。
このように、従来の振れ検出装置は装置自体の体格が大きくなり易く、特に変位計の検出感度を高めたい場合には装置が過大とならざるを得ない。このように従来の振れ検出装置では種々の解決すべき課題を有している。
そこで本発明は、これら従来技術の課題を解決し、検出精度に優れコンパクトな構成の振れ検出装置と当該振れ検出装置を備えたクレーン装置の提供を目的とする。
(特徴構成)
本発明の請求項1に係る振れ検出装置の特徴構成は、
振れ検出対象と係合し、前記振れ検出対象の振れに追随する検出子と、
前記検出子の第一方向の変位を検出する第一方向変位検出手段と、
前記検出子の前記第一方向と交差する第二方向に沿う揺動角変位を検出する第二方向変位検出手段と、
前記第一方向の変位および前記第二方向の前記揺動角変位に基づいて前記検出子の変位を算出する演算部と、を備えた点にある。
(効果)
本構成の振れ検出装置によれば、第一方向変位検出手段により、検出子を介して振れ検出対象の第一方向の変位、および第二方向変位検出手段により、第一方向と交差する第二方向の変位角を検出することができる。これらにより、検出子の振れ変位を算出することができ、例えば、クレーンの索体(ワイヤロープ)を振れ検出対象とすれば、索体の横行方向、および走行方向のそれぞれの振れを検出することができる。
特に、第二方向変位検出手段は、検出子の第一方向と交差する第二方向に沿う揺動角変位に基づいて検出子の第二方向の変位角を検出する構成であるため、第二方向の変位を直接的に検出する構成のものよりもコンパク化を図ることができる。
従って、本構成の振れ検出手段であれば、第一方向変位検出手段および第二方向変位検出手段を含む装置全体を従来の振れ検出装置よりもコンパクにすることができる。
(特徴構成)
本発明の請求項2に係る振れ検出装置にあっては、前記第一方向変位検出手段が、前記第一方向に延出して前記検出子に連結され、前記検出子の前記第一方向の振れに応じて往復移動するアーム部と、前記アーム部の前記往復移動を許容しつつ前記アーム部を保持する第一保持部と、前記アーム部の前記往復移動による前記検出子の前記第一方向の変位を検知する第一センサと、を備え、前記第二方向変位検出手段が、前記第一保持部が前記第二方向に沿って揺動自在となるよう前記第一保持部を支持する枢支軸と、前記枢支軸を保持する第二保持部と、前記枢支軸の回動変位角を検知する第二センサと、を備えていると好都合である。
(効果)
本構成の振れ検出装置では、アーム部の往復移動による変位を検知する第一センサと、当該アーム部等の回転による回動変位角を検知する第二センサとを組み合わせている。このうち、特に、検出子の往復移動を検知する第一センサは長尺状となり、所定の長さを要することとなる。しかし、回動変位角を検知する第二センサは比較的コンパクトな構成で済む。このように、二方向の変位要素を検知するために、所定の体格を有するセンサを一方のみに用いているから、振れ検出装置全体の体格をコンパクト化することができる。
(特徴構成)
本発明の請求項3に係る振れ検出装置においては、前記第一保持部が当該第一保持部の一部から延出する吊り部を備えると共に、前記吊り部の先端に転動部材が設けられ、前記第二保持部に、当該第二保持部の一部から前記吊り部に向けて突出し、前記第一保持部の前記枢支軸を中心とする揺動に際して前記転動部材の転動を許容しつつ前記転動部材に当接する受部が設けられていると好都合である。
(効果)
本構成の振れ検出装置では、第一保持部から延出する吊り部を、第二保持部に形成された受部によって保持することで、第一保持部およびアーム部の荷重の一部が受部に伝達される。この結果、枢支軸が負担すべき荷重が減少し、例えば、枢支軸をより細く構成できるなど、枢支軸の構成をコンパクト化することができる。これにより、第二センサの構成も縮小することができ、第二保持部の近傍の装置サイズが更にコンパクト化される。
(特徴構成)
本発明の請求項4に係る振れ検出装置においては、前記第一センサを直動センサとし、前記第二センサをロータリエンコーダとすることができる。
(効果)
本構成の振れ検出装置であれば、直動センサおよびロータリエンコーダの何れもが高精度を備えつつ機構が比較的簡便であり、耐久性にも優れている。また、何れも汎用センサであって低コストである。よって、本構成であれば、合理的な振れ検出装置を得ることができる。
(特徴構成)
本発明の請求項5に係る振れ検出装置にあっては、前記検出子を、前記第一方向に沿う軸心の周りおよび/または前記第1方向および前記第二方向を含む平面内において前記第1方向に直交する軸心の周りに傾動可能に構成しておくことができる。
(効果)
本構成の振れ検出装置によれば、振れ検出対象である索体等が第一方向および/または第二方向に傾いたとしても、検出子がその傾きに追随することができる。これにより、振れ検出対象が検出子に対して摺動する場合でも、振れ検出対象と検出子との間に生じる摩擦力を低減することができ、検出子の変位を円滑にすることができる。よって、第一センサおよび第二センサによる検出子の検出がより高精度なものとなる。
また、検出子が傾動することで振れ検出対象との摺動による検出子の偏摩耗を抑えることができ、検出子の耐久性を高めることができる。
(特徴構成)
本発明の請求項6に係るクレーン装置にあっては、
荷物を昇降自在に吊る索体と、
前記索体を出退させる巻取機と、
前記索体の垂下位置を水平方向に沿う少なくとも二つの方向に移動させる駆動部と、
前記駆動部を駆動制御する制御部と、を備え、
さらに、前記索体と係合し前記索体の振れに追随する検出子と、
前記検出子の第一方向の変位を検出する第一方向変位検出手段と、
前記検出子の前記第一方向と交差する第二方向に沿う揺動角変位を検出する第二方向変位検出手段と、
前記第一方向の変位および前記第二方向の揺動角変位に基づいて前記検出子の変位を算出する演算部と、を有する振れ検出装置を備え、
前記制御部が、前記演算部の算出結果に基づいて前記索体の振れを防止するよう前記駆動部の駆動制御を行うクレーン装置。
(効果)
本構成のクレーン装置にあっては、これに用いられる振れ検出装置が、吊り荷等の索体の振れを高精度に検出でき、耐久性に優れて安価であるため、吊り荷の搬送時の振れを防止するクレーン装置を合理的に構成することができる。
また、吊り荷の振れを低減できるため、運搬作業の迅速性および安全性に優れたクレーン装置を得ることができる。
図1は、第一実施形態に係る振れ検出装置の使用状態を示す説明図である。 図2は、第一実施形態に係る振れ検出装置の外観を示す斜視図である。 図3は、検出子の外観を示す斜視図である。 図4は、第一実施形態に係る振れ検出装置の外観を示す側面図である。 図5は、第一実施形態に係る振れ検出装置の外観を示す背面図である。 図6は、振れ検知態様および振れ修正態様を示すフローチャートである。 図7は、検出子の変位の検出態様を示す説明図である。 図8は、第三実施形態に係る振れ検出装置の使用状態を示す説明図である。
以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることは意図しない。
〔第一の実施形態〕
(概要)
本発明に係る振れ検出装置Uは、各種のクレーン装置Cに取り付けることができる。例えば、図1に示すごとく工場建屋等に設けた天井クレーンCaに使用することができる。また、振れ検出装置Uの外観を図2に示す。
振れ検出装置Uを取り付ける天井クレーンCaとしては例えば汎用タイプのものを用いることができる。天井クレーンCaは、工場建屋の縦方向(Y方向)に沿って配設された走行レールRyと、当該走行レールRyに沿って移動する梁部材Bとを備え、さらに梁部材Bに設けられた横行レールRxに沿って移動するホイストHを備えている。
ホイストHの走行・横行を行う駆動部Mとしては、走行レールRyに沿って転動するよう梁部材Bに取り付けられた走行輪Gyを駆動する走行駆動部Myと、横行レールRx上を転動するようホイストHに取り付けられた横行輪Gxを駆動する横行駆動部Mxとを備えている。
ホイストHには、吊り荷1aの吊り上げに用いる索体1を出退させる巻取機2と、当該巻取機2および走行駆動部My、横行駆動部Mxの駆動制御を行う制御部3とを備えている。巻取機2および走行駆動部My、横行駆動部Mxの操作は、工場建屋の一画にある操作室に設けられた操作ボックス4、あるいは、ホイストHから下方に垂下している操作ボックス4により行う。
〔振れ検出装置〕
本実施形態の天井クレーンCaには、図2に示すような索体1の振れ検出装置U(以下、単に検出装置Uと称する)が設けられている。これは、吊り荷1aを吊り上げた状態でホイストHを移動させたときに生じる索体1の振れを検出するものである。
この検出装置Uは、索体1の振れを、水平面内において互いに交差する二つの方向について検出する。そのために、第一方向変位検出手段10と第二方向変位検出手段20を備えている。詳細は後述するが、第一方向変位検出手段10は、索体1の振れに追随するアーム部11の伸縮方向(第一方向d1)の変位を測定するものである。一方、第二方向変位検出手段20は、アーム部11が枢支軸21(軸心X0)の周りに回動する回動変位角を測定するものであり、この時の第二方向d2は、アーム部11の先端の回転方向である。これら二つの検出手段による検出値に基づいて、索体1が何れの方向に振れているかを演算し、この振れを解消するように横行駆動部Mxおよび走行駆動部Myを駆動制御するものである。
この検出装置Uは、図3に示すように、索体1と係合し索体1の振れに追随する検出子5を備えている。検出子5は、索体1を挿通させる孔部50を備えており、索体1の揺れに従って水平面内において第一方向d1および第二方向d2に沿って移動する。本実施形態では、検出子5の二方向に沿った変位を検出し、三角関数を用いた演算によって検出子5の変位、例えば移動距離と移動方向を算出する。この算出結果に基づき、検出子5から所定距離だけ下方にある吊り荷1aの振れ状態を判定し、当該振れ状態を解消するべくホイストHの走行速度を調節する。
検出子5は、図3に示す如く、傾動第一軸心X1および傾動第二軸心X2の周りに回転して傾動可能である。傾動第一軸心X1は第一方向d1に沿う軸心であり、傾動第二軸心X2は、第1方向d1および第二方向d2を含む平面内において第1方向d1に直交する軸心である。具体的には、平面方向視でコ形に形成した基端部51とU字形に形成した先端部52とを組み合わせて構成する。基端部51の底面はアーム部11の端部に回転可能に軸支される。また、基端部51の二つの対向面に対して先端部52の二つの対向面を外側から重ね、これらの重ね合わせ部を貫通するようボルト部材53を取り付ける。ボルト部材53には円筒形状のスリーブ54をボルト部材53との間にガタ付きのない状態で外挿してある。先端部52のU字状の内面には低摩擦係数を有する摺動部材55を取り付けておくと良い。摺動部材55の内面は索体1の長手方向に沿った両端部に至るほど索体1から遠ざかるような曲面に構成してある。
先端部52のU字状の内面とスリーブ54との間に索体1を挿通する。このとき索体1と、先端部52の内面およびスリーブ54の外面との間には、検出子5の感度を高めるべく隙間がないのが望ましい。図1に示すように、検出子5を外挿させるのは索体1のうち吊り荷1aを上下動させる際に移動しない側であるから、検出子5と索体1との隙間がなくても問題はない。また、吊り荷1aの上下動に伴い、索体1の位置が僅かにずれる場合には、検出子5が傾動第一軸心X1の周り、およびボルト部材53の傾動第二軸心X2の周りに回転可能である。尚、本構成のスリーブ54は省略可能であり、摺動部材55を省略して先端部52の内面形状を凸状に形成しても良い。
検出子5をこのように構成することで、索体1の挿通角度が変化した場合でも検出子5が傾き、先端部52のU字状の部位の曲面によって索体1と先端部52との接触面積が縮小化される。よって、両者間の摩擦力が軽減され、索体1のガイドが円滑なものとなる。また、検出子5が傾動することで索体1との摺動による検出子5の偏摩耗が低減し、検出子5の耐久性を高めることができる。
〔第一方向変位検出手段〕
第一方向変位検出手段10は、検出子5の横行方向xに沿った変位を検出する。具体的には、第一方向d1に延出して検出子5に連結され、検出子5の第一方向d1の変位に応じて往復移動するアーム部11と、アーム部11を往復移動可能に保持する第一保持部12と、アーム部11を介して検出子5の第一方向d1の変位を検知する第一センサ13と、を備えている。
図2および図4、図5に示すように、アーム部11および第一保持部12は、索体1が振れていない状態において、アーム部11の往復方向すなわち第一方向d1が横行方向xに沿う状態に配置される。第一センサ13としては、例えば直動センサが用いられ、アーム部11の移動距離が測定される。この移動距離は、第一センサ13の出力値そのものであっても良いし当該出力値から算出した絶対距離であっても良い。
〔第二方向変位検出手段〕
第一保持部12は、さらに第二保持部22に回転自在に保持され、第二保持部22に対する第一保持部12の回動変位角が第二方向変位検出手段20によって計測される。図2および図4に示すように、第二方向変位検出手段20は、第一保持部12が第一方向d1と交差(直交)する第二方向d2に沿って揺動自在となるよう第一保持部12を支持する枢支軸21と、この枢支軸21を保持する第二保持部22と、枢支軸21の回動変位角を検知する第二センサ23と、を備えている。枢支軸21は、ベアリング24およびカップリング25を介して第二保持部22に固定された第二センサ23に回転可能に接続される。第二保持部22に設けられる第二センサ23は、例えば、ロータリエンコーダが用いられる。
図2に示すように、枢支軸21は第一保持部12の端部近傍に設けられている。そのため、単に枢支軸21によって第一保持部12およびアーム部11を吊り下げる構成とすると、枢支軸21に曲げ力が作用し、枢支軸21の回転動作が損なわれる可能性がある。それを防止するべく、第一保持部12の自重の一部を吊り部30によって第二保持部22に負担させている。
図2に示すように、第一保持部12の一部に、ここから上方に延出する吊り部30を設けておく。吊り部30の先端には水平方向に向く折曲部31を設けておき、この折曲部31の下面に転動部材32を取り付けておく。転動部材32としては、例えばボール部材を用いる。
また、第二保持部22には、転動部材32の下方に張り出した平面状の受面33aを有する受部33を設けておく。これにより、転動部材32は、第一保持部12の荷重を受面33aに負担させつつ第一保持部12の回動に伴って受面33aの上で転動する。
尚、吊り部30の位置は、第一保持部12およびアーム部11を一体としてみた場合の重心の近傍に設定すると、枢支軸21における第一保持部12の重量負担が最小となる。この結果、枢支軸21が負担すべき荷重が減少し、第一保持部12の回転動作が円滑化されて、回動変位角の検出感度が向上する。併せて、枢支軸21をより細く構成できるなど合理的な構造の振れ検出装置Uを得ることができる。
ただし、吊り部30は第一保持部12等の重心以外の場所に設けるものであっても良い。吊り部30の設置位置によっては、第一保持部12が回動する際の転動部材32の転がり態様が異なるものとなる。よって、転動部材32の回転抵抗等を勘案して、吊り部30は第一保持部12の回動が安定化する場所に設置されるのが良い。
〔検出子の変位の演算〕
このように、本構成の振れ検出装置Uでは、第一センサ13により検出された変位および第二センサ23で検出された回動変位角に基づき、振れ検出装置Uが備える演算部40が検出子5の変位を演算する。以下には、振れ検出および振れ止めの具体例を示す。
図6には演算手順に係るフローチャートを示し、図7には、振れ検出の演算に係る説明図を示す。例えば、平面視において検出子5がA点(D1,θ1)からB点(D2,θ2)に移動した場合を示す。A点およびB点の座標は、第一センサ13の第一方向d1に沿った位置と、第二センサ23の第二方向d2に沿った回動変位角とで表している。因みに、枢支軸21の位置を原点(0,0)とする。
例えば、天井クレーンCaの搬送操作において、操作者が操作ボックス4に設けられた振れ止めスイッチ41をONにしたときから振れ検出が開始される。その後、演算部40は、まず、所定時間間隔の時刻t1およびt2において第一センサ13および第二センサ23の値を検出する(♯10)。
次に演算部40は、A点とB点との検出値の変化量を演算し、振れ防止処理を行うか否かを判定する。具体的には、D1からD2に至る変位量が第一しきい値DTを越えたか否か、およびθ1からθ2に至る回動変位角が第二しきい値θTを越えたか否かを演算する(♯20)。
この結果、双方の変化量が共にしきい値以下である場合には、吊り荷1aの揺れは生じていないとして振れ防止処理には移行せず、引き続き第一センサ13および第二センサ23による測定を行う。一方、何れかの変位がしきい値を越えていた場合には振れ防止処理を開始する。
尚、しきい値を越えた場合でも、A点からB点への変位方向が、ホイストHを進ませようとしている方向と逆の場合には、振れ防止処理は行わず、引き続き変位量の測定を持続する(♯30)。これはつまり、ホイストHの走行を開始する場合には、吊り荷1aは一旦ホイストHから遅れるものであり、その後の振れ戻しによってホイストHを追い越すこととなる。よって、吊り荷1aを追いかけるようにホイストHを加速させて振れ防止処理を行う方が吊り荷1aの搬送効率が高まるからである。
振れ防止処理としては、まず、水平面内における検出子5の位置変位量Δx,Δyを算出する。Δxは、ホイストHの横行方向xに沿った変位量であり、Δyは、ホイストHの走行方向yに沿った変位量であって、以下のように求めることができる(♯40)。
Δx = D1・cosθ1-D2・cosθ2
Δy = D1・sinθ1-D2・sinθ2
この水平面内における検出子5の変位量に基づき、次に、ホイストHの横行方向xおよび走行方向yに沿って(t2-t1)時間における索体1の角度変化量φx1,φy1を算出する(♯50)。
φx1 = tan-1(|Δx|/ h)
φy1 = tan-1(|Δy|/ h)
吊り荷1aの振れ周期は索体1の長さHによって決まるから、例えば、A点における索体1の角度が鉛直方向にあるとして、索体1の長さHと(t2-t1)時間における索体1の角度変化量φx1,φy1との関係から、その後に到達する索体1の最大振れ角φx2,φy2(♯60)と、そのときの吊り荷1aの平面上における位置Lx,Lyを以下のように算出(♯70)し、併せて到達時刻t3を算出(♯80)する。
Lx ≒ H・sinφx2
Ly ≒ H・sinφy2
これ等の算出を行うには、例えば、索体1の長さHごとに(t2-t1)時間と索体1の角度変化量φx1,φy1と、その後に到達する最大振れ角φx2,φy2および到達時刻t3との関係を実験などによって求めてマップ化しておくと良い。
索体1の長さHの測定は、図1に示すように、ホイストHの側部に設けた光学式の測定器60と、索体1を巻き取るリール63の外周面に沿って複数設けたミラー64とで行う。測定器60はミラー64に対して発光・受光を行う発光部61と受光部62を備えており、回転するミラー64での反射による受光回数を計測して索体1の長さHが算出される。
尚、時刻t1における索体1の角度が常に鉛直方向にあるとは限らないが、ホイストHの走行開始時における索体1の振れ角度は極端に変化することはない。よって、マップ化した値を参照することでも所期の精度を得ることができる。ただし、さらに精度を高めるには、所定時間における索体1の角度の変化を連続測定することで、角変化の加速度を知ることができ、索体1の最大振れ角をより正確に算出することができる。
算出された吊り荷1aの到達位置に対し、制御部3は、横行駆動部Mxおよび走行駆動部Myを加速する。つまり、現在の時刻t2から到達時刻t3に至る間に、ホイストHを位置LxあるいはLyに向けて走行させる(♯90)。
この横行加速駆動および走行加速駆動が終了したとき、索体1の振れが収まっていれば作業者は振れ止めスイッチ41をOFFにする。制御部3は振れ止めスイッチ41がOFF状態であるかを確認し、OFF状態になっていれば振れ止め処理を終了する。一方、ON状態が維持されていれば、引き続き振れ検出を継続する(♯100)。
尚、ホイストHの加速駆動の態様としては、これとは別に、得られた位置LxあるいはLyに基づき、吊り荷1aの直上位置に対して所定距離だけ手前の位置でホイストHを減速させ、その後、緩やかな第二速度で駆動制御することとしてもよい。
以上のごとく、本実施形態の振れ検出装置Uでは、検出子5の往復移動を検知する第一センサ13は長尺状となり所定の長さを要する。しかし、回動変位角を検知する第二センサ23は比較的コンパクトな構成で済む。このように、二方向の変位要素を検知するために、特に第二センサ23を小さく構成することで、振れ検出装置Uの全体をコンパクト化することができる。
また、第一センサ13および第二センサ23の何れもが、比較的簡単な構成のセンサを用いることで足りる。さらに、直動センサやロータリエンコーダ等のセンサは高精度でありながら耐久性を備え且つ安価であるため、合理的な振れ検出装置Uを得ることができる。
このような振れ検出装置Uを取り付けたクレーン装置Cであれば、吊り荷1aの振れを速やかに解消することができ、迅速性および安全性に優れた運搬作業を実現することができる。
〔第二の実施形態〕
図示は省略するが、第一保持部12に吊り部30を設ける代わりに、枢支軸21を挟んでアーム部11と反対側に延出部70を設け、アーム部11等との重量バランスをとる構成としてもよい。その場合には、所定重量のバラストを設けても良い。尚、バラストの量を少なくするために、第一センサ13の取付位置を工夫することも可能である。これにより、第一保持部12およびアーム部11等を合せた回動部位の重心位置を枢支軸21により近付けることができる。
本構成であれば、吊り部30と受部33との間に生じる転動部材32の転がり抵抗が解消され、検出子5の回動がより円滑化される。よって、特に第二センサ23の検出精度が向上する。
〔第三の実施形態〕
図8に示すように、クレーン装置Cとしては、自走式のクレーン車Cbであっても良い。この場合には、振れ検出装置Uはクレーンアーム81の頂部に備える。また、第一センサ13に係る第一方向d1は、平面視におけるクレーンアーム81の延出方向とし、これに直交する旋回方向を第二センサ23に係る第二方向d2とする。
第一方向d1の振れ防止は、クレーンアーム81の傾き操作で行い、第二方向d2の振れ防止はクレーンヘッド82の回転操作によって行う。これら二カ所の操作は、振れ検出装置Uの出力に応じて自動的に修正されるものとする。
本構成であれば、仮に運転操作の未熟な操作者が作業を行う場合にも、吊り上げ作業を容易に且つ安全に行うことができる。
本発明の振れ検出装置およびクレーン装置は、振れ検出対象に係合して追随する検出子と、検出子の第一方向の変位および第二方向の変位を検出する二つの変位検出手段と、これら変位検出手段の検出結果に基づいて検出子の変位を算出する演算部と、を備えたものに広く用いることができる。
1 索体
1a 吊り荷
2 巻取機
3 制御部
5 検出子
10 第一方向変位検出手段
11 アーム部
12 第一保持部
13 第一センサ
20 第二方向変位検出手段
21 枢支軸
22 第二保持部
23 第二センサ
30 吊り部
32 転動部材
33 受部
40 演算部
d1 第一方向
d2 第二方向
M 駆動部
U 振れ検出装置

Claims (6)

  1. 振れ検出対象と係合し、前記振れ検出対象の振れに追随する検出子と、
    前記検出子の第一方向の変位を検出する第一方向変位検出手段と、
    前記検出子の前記第一方向と交差する第二方向に沿う揺動角変位を検出する第二方向変位検出手段と、
    前記第一方向の変位および前記第二方向の前記揺動角変位に基づいて前記検出子の変位を算出する演算部と、を備える振れ検出装置。
  2. 前記第一方向変位検出手段は、
    前記第一方向に延出して前記検出子に連結され、前記検出子の前記第一方向の振れに応じて往復移動するアーム部と、
    前記アーム部の前記往復移動を許容しつつ前記アーム部を保持する第一保持部と、
    前記アーム部の前記往復移動による前記検出子の前記第一方向の変位を検知する第一センサと、を備え、
    前記第二方向変位検出手段は、
    前記第一保持部が前記第二方向に沿って揺動自在となるよう前記第一保持部を支持する枢支軸と、
    前記枢支軸を保持する第二保持部と、
    前記枢支軸の回動変位角を検知する第二センサと、を備えている請求項1に記載の振れ検出装置。
  3. 前記第一保持部が当該第一保持部の一部から延出する吊り部を備えると共に、前記吊り部の先端に転動部材が設けられ、
    前記第二保持部に、当該第二保持部の一部から前記吊り部に向けて突出し、前記第一保持部の前記枢支軸を中心とする揺動に際して前記転動部材の転動を許容しつつ前記転動部材に当接する受部が設けられている請求項2に記載の振れ検出装置。
  4. 前記第一センサが直動センサであり、前記第二センサがロータリエンコーダである請求項2又は3に記載の振れ検出装置。
  5. 前記検出子は、前記第一方向に沿う軸心の周りおよび/または前記第1方向および前記第二方向を含む平面内において前記第1方向に直交する軸心の周りに傾動可能に構成されている請求項1~4の何れか一項に記載の振れ検出装置。
  6. 荷物を昇降自在に吊る索体と、
    前記索体を前記振れ検出対象とする請求項1~5の何れか一項に記載の振れ検出装置と、
    前記索体を出退させる巻取機と、
    前記索体の垂下位置を水平方向に沿う少なくとも二つの方向に移動させる駆動部と、
    前記演算部の算出結果に基づいて前記索体の振れを防止するよう前記駆動部を駆動制御する制御部と、
    を備えるクレーン装置。

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