JP6454856B2 - 姿勢検出装置及び姿勢検出方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、自動運転されるクレーンにおいて、吊具の旋回装置で吊荷を旋回する際、旋回に起因する吊荷の捩れ運動を短時間で減衰させる技術が、記載されている。
特許文献1では、クレーンは、建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ上を移動可能な桁状のクレーンガーダと、クレーンガーダ上を横行するクラブと、クラブに備えられた巻き上げドラムと、ドラムのワイヤロープによって吊り下げられる吊具とを、備えている。
旋回装置は、吊具を、上下方向の軸を中心軸として旋回させることができる。
フックシーブの上方の中心に、ジャイロセンサが設けられ、ジャイロセンサの検出結果を用いて、クラブに対するフックシーブの捻れ角度が、検出される。さらに、吊荷及び吊具それぞれの慣性モーメントと、吊荷を吊り下げるワイヤロープの長さ等からも、上記捻れ角度が推定される。
検出された捻れ角度と推定された捻れ角度とを併用して、旋回装置による吊具の旋回時における吊荷の捩れ運動を減衰させる制御が行われる。
演算部は、直線速度の算出では、差異速度に移動体の固有振動数に関連する要素を組み合わせたものを、検知直線加速度データを時間積分して得られる速度から除去してよい。
直線速度の算出では、差異速度に移動体の固有振動数に関連する要素を組み合わせたものを、直線加速度データを時間積分して得られる速度から除去してよい。
クレーン1は、間隔をあけて配置された2つの支持台2それぞれの上に配設された走行レール等のランウェイ3を備えている。支持台2及びランウェイ3は、図1の紙面に対して奥行き方向であり且つ水平方向である方向に平行に延在している。
さらに、クレーン1は、ランウェイ3に配設されたトロリ5を備えている。トロリ5は、ランウェイ3上を、ランウェイ3の軸方向であるX軸方向に沿って横行することができる。ここで、トロリ5は、吊上げ装置を構成している。
巻取ドラム5aから延びるワイヤロープ6の先端は、下方にある吊フック7aを備えたフックシープ7に通された後、トロリ5の底面5bに固定されている。つまり、ワイヤロープ6は、巻取ドラム5aからフックシープ7へと下方に向かって延在した後、フックシープ7からトロリ5へと上方に向かって延在し、フックシープ7を吊り下げている。
フックシープ7のフック7aには、吊具8が掛けられている。吊具8は、吊り荷である鋼板、紙等が巻回されたドラム9を吊るためのものである。
なお、フック位置検知装置10は、上記構成に限定されるものでなく、光波、超音波、電磁波等の発信部とその受信部とをトロリ5とフックシープ7とに設けることによって、フックシープ7の吊り下げ長さを検出する構成であってもよく、トロリ5の底面からのフックシープ7の吊り下げ長さを検出可能な構成であれば、いかなるものであっても構わない。
クレーンガーダ4には、ランウェイ3の延在方向に沿ったランウェイ3に対するクレーンガーダ4の相対速度を検知するガーダ速度検知装置12が、設けられている。ガーダ速度検知装置12は、無線通信を介して、検知結果を、姿勢検出ユニット101と図3に示すクレーン1の操作部200とに送ることができるように構成されている。
姿勢検出ユニット101は、基板102と、CPU回路等によって構成される演算部103と、3軸ジャイロセンサ110と、3軸加速度センサ120と、無線通信機104とを備えている。演算部103、3軸ジャイロセンサ110、3軸加速度センサ120及び無線通信機104は、基板102上に実装されている。
本実施の形態では、姿勢検出ユニット101は、フックシープ7が静止した状態で吊り下げられているときに基板102が水平になるように、フックシープ7に取り付けられている。ここで、3軸ジャイロセンサ110及び3軸加速度センサ120はそれぞれ、角速度センサ及び加速度センサを構成している。
X軸周り角速度検知部111は、X軸周りの姿勢検出ユニット101つまりフックシープ7のロール角の変化速度であるロール角速度を検知する。Y軸周り角速度検知部112は、Y軸周りの姿勢検出ユニット101つまりフックシープ7のピッチング角の変化速度であるピッチング角速度を検知する。Z軸周り角速度検知部113は、Z軸周りの姿勢検出ユニット101つまりフックシープ7のヨー角の変化速度であるヨー角速度を検知する。演算部103は、3軸ジャイロセンサ110が検知するフックシープ7のロール角速度、ピッチング角速度及びヨー角速度の情報を受け取るように構成されている。
図1〜図4をあわせて参照すると、クレーン1の稼働中、フック位置検知装置10は、巻取ドラム5aからのワイヤロープ6の引き出し量を連続的に検知して、検知結果を姿勢検出ユニット101の演算部103及びクレーン1の操作部200に送る。トロリ速度検知装置11及びガーダ速度検知装置12はそれぞれ、トロリ5及びクレーンガーダ4の移動速度を連続的に検知して、検知結果を演算部103及びクレーン1の操作部200に送る。3軸加速度センサ120は、フックシープ7の3軸周りの角速度を連続的に検知し、検知結果を演算部103に送る。3軸加速度センサ120は、フックシープ7の3軸方向の加速度を連続的に検知し、検知結果を演算部103に送る。
そして、成分αX、αY及びαZと、姿勢角θの成分θX、θY及びθZと用いて座標変換することによって、直線加速度αは、成分αX’、αY’及びαZ’を有する直線加速度α’となる。
なお、成分θX、θY及びθZはそれぞれ、X軸、Y軸及びZ軸に対する姿勢角の角度成分である。さらに、成分αX’は、X軸を水平面に投影したものであるX’軸の成分であり、成分αY’は、X’軸と同一の水平面上でX’軸に垂直なY’軸の成分であり、成分αZ’は、X’軸及びY’軸に垂直である鉛直方向のZ’軸の成分である。
このとき、演算部103は、直線加速度α’(αX’,αY’,αZ’)に対して、3軸加速度センサ120の特性に起因する検出結果の誤差の影響と重力による影響とを排除して、直線加速度を時間積分し、直線速度V(VX’,VY’,VZ’)を算出する。
さらに、演算部103は、直線速度Vと、この直線速度Vの時点に対応する時点でのフックシープ7の実際の移動速度とを比較する。このとき、演算部103は、フックシープ7の実際の移動速度として、この直線速度Vの時点に対応する時点でトロリ速度検知装置11及びガーダ速度検知装置12によって検知される速度νT及びνGを用いる。
なお、フックシープ7のX’軸方向の移動速度成分は、νTであり、Y’軸方向の移動速度成分は、νGである。トロリ5又はクレーンガーダ4の移動時、巻取ドラム5aは静止しているため、フックシープ7のZ’軸方向の移動速度成分は0である。
VdX’=VX’−νT
VdY’=VY’−νG
VdZ’=VZ’−0
このとき、演算部103は、直線加速度α’(αX’,αY’,αZ’)と重力加速度gと用いた加速度α’g(αX’,αY’,αZ’+g)を時間積分して補正前直線速度V1(V1X’,V1Y’,V1Z’)を算出する。これにより、重力による影響が排除される。
さらに、演算部103は、補正前直線速度V1に対して、以下の計算式による補正計算を行って、直線速度Vを求める。これにより、3軸加速度センサ120の特性に起因する検出結果の誤差による影響が排除される。
V=V1−Vd’×K1
よって、直線速度Vでは、3軸加速度センサ120の特性に起因する検出結果の誤差による影響に、フックシープ7を吊るワイヤロープ6がフックシープ7の動作に与える影響を加味した影響が、排除されることになる。
ωdX=(VdY 2+VdZ 2)1/2/r
ωdY=(VdX 2+VdZ 2)1/2/r
ωdZ=(VdX 2+VdY 2)1/2/r
ωaX=ωX−K2×ωdX
ωaY=ωY−K2×ωdY
ωaZ=ωZ−K2×ωdZ
ω0 2=(2πf0)2=K2×g/R0
なお、R0は、定数K1及び定数K2に依らない不変な定数である。
さらに、定数K1と定数K2との間には、以下の関係がある。
ζ=K1/(2×ω0)=(K1/2)×{R0/(K2×g)}1/2
ζは、3軸ジャイロセンサ110の応答周波数と、3軸ジャイロセンサ110における入力と出力との比であるゲイン(単位:dB)との関係における減衰定数であり、3軸ジャイロセンサ110の特性に依存する定数である。
このため、演算部103は、補正角速度ωaを算出する際、ワイヤロープ6の引き出し量Lwからフックシープ7の吊り下げ長さLを算出し、定数K2を算出する。さらに、演算部103は、算出した定数K2と、減衰定数ζとから、定数K1を算出し、直線速度Vの算出に使用する。
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100では、演算部103による演算において、フックシープ7の直線速度とフックシープ7の実際の移動速度との差異速度を求める際、フックシープ7の移動速度の鉛直方向成分を0としていたが、これに限定されるものでなく、フックシープ7の移動速度の鉛直方向成分は、0以外であってもよい。
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100では、3軸ジャイロセンサ110と3軸加速度センサ120とは、同じのX軸、Y軸及びZ軸を共有していたが、互いのX軸、Y軸及びZ軸が異なっていてもよい。この場合、演算部103は、演算時、3軸ジャイロセンサ110及び3軸加速度センサ120のうちの一方に対して、検知データの座標変換をしてもよい。
また、実施の形態に係る姿勢検出装置100の姿勢検出ユニット101は、フックシープ7に取り付けられていたが、いかなる吊り下げられる移動体に設けられてもよい。
Claims (6)
- 移動可能な吊上げ装置から吊り下がる移動体の姿勢を検出する姿勢検出装置において、
前記移動体に設けられ、直交する3軸に沿った直線加速度を検知する加速度センサと、
前記移動体に設けられ、直交する3軸まわりの角速度を検知する角速度センサと、
前記加速度センサ及び前記角速度センサから検知データを受け取るように構成され、前記移動体の姿勢を演算する演算部と
を備え、
前記演算部は、
前記吊上げ装置による前記移動体の移動速度を用いた補正を伴って、前記加速度センサからの検知直線加速度データを用いて前記移動体の直線速度を算出し、
前記直線速度と前記移動速度との差異である差異速度と、前記吊上げ装置からの前記移動体の吊り下げ長に基づく前記移動体の固有振動数とを用いて、前記角速度センサからの検知角速度データを補正して、前記移動体の姿勢角を算出する、姿勢検出装置。 - 前記演算部は、前記角速度センサからの検知角速度データの補正では、前記差異速度の角速度成分に前記移動体の前記固有振動数に関連する要素を組み合わせたものを、前記角速度センサからの検知角速度データから除去する請求項1に記載の姿勢検出装置。
- 前記演算部は、前記直線速度の算出では、前記差異速度に前記移動体の前記固有振動数に関連する要素を組み合わせたものを、前記検知直線加速度データを時間積分して得られる速度から除去する請求項1または2に記載の姿勢検出装置。
- 移動可能な吊上げ装置から吊り下がる移動体の姿勢を検出する姿勢検出方法において、
直交する3軸に沿った前記移動体の直線加速度データと、直交する3軸まわりの前記移動体の角速度データと、前記吊上げ装置による前記移動体の移動速度と、前記吊上げ装置からの前記移動体の吊り下げ長とを取得し、
前記移動速度を用いた補正を伴って、前記直線加速度データを用いて直線速度を算出し、
前記直線速度と前記移動速度との差異である差異速度と、前記吊り下げ長に基づく前記移動体の固有振動数とを用いて、前記角速度データを補正して、前記移動体の姿勢角を算出する方法。 - 前記角速度データの補正では、前記差異速度の角速度成分に前記移動体の前記固有振動数に関連する要素を組み合わせたものを、前記角速度データから除去する請求項4に記載の方法。
- 前記直線速度の算出では、前記差異速度に前記移動体の前記固有振動数に関連する要素を組み合わせたものを、前記直線加速度データを時間積分して得られる速度から除去する請求項4または5に記載の方法。
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