JP2022174919A - 電子機器、冷却装置、及び冷却装置の製造方法 - Google Patents

電子機器、冷却装置、及び冷却装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却能力を確保しつつ薄型化を図ることができる冷却装置を備えた電子機器、冷却装置、及び冷却装置の製造方法を提供する。【解決手段】電子機器は、筐体と、筐体内に設けられた発熱体と、冷却フィンと、前記冷却フィンと発熱体とを接続するヒートパイプと、ヒートパイプを発熱体に対して押し付ける押付部品とを有し、筐体内に設けられた冷却装置と、を備える。ヒートパイプは、発熱体が発生する熱を吸熱する吸熱部と、吸熱部よりも板厚が薄い薄板部と、を有する。押付部品は、筐体に対して相対的に固定されるベース部と、ベース部と一体に設けられ、ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態で薄板部の表面に配置されるブリッジ部と、を有する。【選択図】図3A

Description

本発明は、電子機器、冷却装置、及び冷却装置の製造方法に関する。
ノート型PCのような電子機器には、CPU等の発熱体を冷却するための冷却装置が搭載されている(例えば特許文献1参照)。
特許第6469183号公報
上記のような電子機器は筐体の薄型化に対する要望が大きい。一方、筐体内に搭載されるCPU等の半導体チップは、処理能力の向上のため、発熱量や板厚が増加する場合がある。このため、冷却装置は、冷却能力を維持又は向上させつつ、さらなる薄型化を達成することが求められている。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、冷却能力を確保しつつ薄型化を図ることができる冷却装置を備えた電子機器、冷却装置、及び冷却装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る電子機器は、筐体と、前記筐体内に設けられた発熱体と、冷却フィンと、前記冷却フィンと前記発熱体とを接続するヒートパイプと、該ヒートパイプを前記発熱体に対して押し付ける押付部品とを有し、前記筐体内に設けられた冷却装置と、を備え、前記ヒートパイプは、前記発熱体が発生する熱を吸熱する吸熱部と、前記吸熱部で吸収した熱を前記冷却フィンに放熱する放熱部と、前記吸熱部から見て前記放熱部側とは逆側の端部に設けられ、前記吸熱部よりも板厚が薄い薄板部と、を有し、前記押付部品は、前記筐体に対して相対的に固定されるベース部と、前記ベース部と一体に設けられ、前記ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態で前記薄板部の表面に配置されるブリッジ部と、を有する。
本発明の第2態様に係る冷却装置は、冷却フィンと、第1端部が前記冷却フィンと接続されたヒートパイプと、前記ヒートパイプの第2端部に固定され、該ヒートパイプを冷却対象に対して押し付けるための押付部品と、を備え、前記ヒートパイプは、前記冷却対象の熱を吸熱するための吸熱部と、前記吸熱部で吸収した熱を前記冷却フィンに放熱するための放熱部と、前記第2端部における前記吸熱部よりも先端側に設けられ、前記吸熱部よりも板厚が薄い薄板部と、を有し、前記押付部品は、前記ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態で前記薄板部の表面に配置されたブリッジ部を有する。
本発明の第3態様に係る冷却装置の製造方法は、ヒートパイプの一端部を板厚方向に潰して薄板部を形成する第1工程と、前記ヒートパイプを冷却対象に対して押し付けるための押付部品を前記ヒートパイプに固定する第2工程と、を有し、前記第2工程では、前記薄板部の表面に対して前記押付部品のブリッジ部を配置すると共に、該ブリッジ部が前記ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態に配置した後、前記押付部品と前記ヒートパイプとを固定する。
本発明の一態様によれば、冷却能力を確保しつつ薄型化を図ることができる。
図1は、一実施形態に係る電子機器を上から見下ろした模式的な平面図である。 図2は、筐体の内部構造を模式的に示す底面図である。 図3Aは、冷却装置の押付部品及びその周辺部を拡大して下側から見た斜視図である。 図3Bは、図3Aに示す押付部品及びその周辺部を異なる角度から見た斜視図である。 図4は、図2中のIV-IV線に沿う模式的な断面図である。 図5は、図2中のV-V線に沿う模式的な断面図である。 図6Aは、薄板部を形成する前のヒートパイプを示す模式的な側面図である。 図6Bは、図6Aに示す状態から薄板部を形成した直後の状態を示す側面図である。 図7Aは、第1変形例に係る押付部品及びその周辺部を拡大して下側から見た斜視図である。 図7Bは、図7A中のVIIB-VIIB線に沿う模式的な断面図である。 図8は、第2変形例に係る押付部品及びその周辺部を拡大した模式的な側面断面図である。
以下、本発明に係る電子機器及び冷却装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る電子機器10を上から見下ろした模式的な平面図である。図1に示すように、電子機器10は、ディスプレイ筐体12と筐体14とをヒンジ16で相対的に回動可能に連結したクラムシェル型のノート型PCである。本発明に係る電子機器は、ノート型PC以外、例えば平板型のタブレット型PC、携帯電話、スマートフォン、又は携帯用ゲーム機等でもよい。
ディスプレイ筐体12は、薄い扁平な箱体である。ディスプレイ筐体12には、ディスプレイ18が搭載されている。ディスプレイ18は、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)や液晶で構成される。
以下、筐体14及びこれに搭載された各要素について、筐体12,14間を図1に示すように開き、キーボード20を操作しながらディスプレイ18を視認する姿勢を基準とし、手前側を前、奥側を後、幅方向を左右、高さ方向を上下、と呼んで説明する。
筐体14は、薄い扁平な箱体である。筐体14は、上面及び四周側面を形成する上カバー材14aと、底面を形成する下カバー材14bとで構成されている。筐体14の上面には、キーボード20及びタッチパッド21が設けられている。筐体14の内部には、本実施形態に係る冷却装置22が搭載されている。筐体14は、後端部14cがヒンジ16を用いてディスプレイ筐体12と連結されている。
図2は、筐体14の内部構造を模式的に示す底面図である。図2は、下カバー材14bを取り外して上カバー材14aの内面側から筐体14内を見た図である。
図2に示すように、筐体14の内部には、マザーボード24と、バッテリ装置25と、冷却装置22とが設けられている。筐体14の内部には、さらに各種の電子部品や機械部品等が設けられる。
マザーボード24は、電子機器10のメインボードである。マザーボード24は、筐体14の後方寄りに配置され、左右方向に亘って延在している。マザーボード24は、CPU(Central Processing Unit)26等が実装されたプリント基板である。CPU26は、電子機器10の主たる制御や処理に関する演算を行う。CPU26は、筐体14内に搭載された電子部品中で最大級の発熱体である。マザーボード24には、さらにGPU(Graphics Processing Unit)、SSD、通信モジュール、DC/DCコンバータ等が実装されている。マザーボード24は、キーボード20の下に配置され(図4参照)、キーボード20の下面或いは上カバー材14aの内面にねじ止めされている。マザーボード24は、上面が上カバー材14aに対する取付面となり、下面がCPU26等の電子部品の実装面となる。
バッテリ装置25は、電子機器10の電源となる充電池である。バッテリ装置25は、マザーボード24の前方に配置され、筐体14の前方略半分の面積を占めている。
次に、冷却装置22の構成を説明する。
本実施形態に係る冷却装置22は、CPU26が発生する熱を吸熱して輸送し、筐体14外へと排出する装置である。冷却装置22の冷却対象となる電子部品は、CPU26以外、GPU)等であってもよく、2つ以上の冷却対象を同時に冷却してもよい。冷却装置22は、マザーボード24の下面(CPU26等の実装面)に積層される。
図3Aは、冷却装置22の押付部品34及びその周辺部を拡大して下側から見た斜視図である。図3Bは、図3Aに示す押付部品34及びその周辺部を異なる角度から見た斜視図である。図4は、図2中のIV-IV線に沿う模式的な断面図である。図5は、図2中のV-V線に沿う模式的な断面図である。
冷却装置22の説明に先立ち、CPU26の構成例を説明する。図4及び図5に示すように、CPU26は、ダイと呼ばれる半導体チップ26aと、マザーボード24に実装するための基板であるサブストレート(Substrate)26bと、補強材であるスティフナー26cとを有する。CPU26は、特に半導体チップ26aが発熱部となる。このため冷却装置22は半導体チップ26aの熱を吸熱するように設置される。
図2に示すように、冷却装置22は、ヒートパイプ28と、冷却フィン30と、送風ファン32と、押付部品34と、を備える。
図2及び図4に示すように、ヒートパイプ28は、パイプ型の熱輸送装置である。ヒートパイプ28は、金属パイプ36に形成した密閉空間36aに作動流体を封入したものである。金属パイプ36は、アルミニウム、銅、又はステンレスのような熱伝導率が高い金属によって形成され、楕円状の断面形状を有する扁平なパイプである。密閉空間36aは、封入された作動流体が相変化を生じながら流通する流路となる。作動流体としては、例えば水、代替フロン、アセトン又はブタン等を例示できる。密閉空間36aには、凝縮した作動流体を毛細管現象で送液するウィック37が配設されている。ウィック37は、例えば金属製の細線を綿状に編んだメッシュや多孔質層等で形成される。
図2に示すように、ヒートパイプ28は、マザーボード24の下面側で略左右方向に沿って延在している。ヒートパイプ28は、第1端部28aが冷却フィン30に接続され、第2端部28bがCPU26と接続されている。図2に示す構成例では、冷却フィン30が筐体14の左側面に面して前後方向に沿って設置され、CPU26が筐体14の略中央に設置されている。そこでヒートパイプ28は、平面視で略L字状に形成され、冷却フィン30とCPU26とを接続している。
ヒートパイプ28は、第1端部28aに放熱部38を有し、第2端部28bに吸熱部39を有する。放熱部38は、吸熱部39で吸収され、蒸発した作動流体によって搬送された熱を外部に放熱する部分である。放熱部38は、冷却フィン30と接合されている。吸熱部39は、半導体チップ26aが発生する熱を吸熱する部分である。吸熱部39は、押付部品34によって半導体チップ26aの頂面に押し付けられている。吸熱部39の上面28cと半導体チップ26aの頂面とは、熱伝導グリース等を挟んで密着している。
ところで、ヒートパイプは、一般的に、一端部が機械成形によって閉塞され、他端部は作動流体を密閉空間に注入後に半田付け等で封止される。このため両端から一定の範囲内は、金属パイプ36が変形して所定の密閉空間36aを形成できず、ウィック37も設置されない。つまり本実施形態のヒートパイプ28についても、端部28a,28bの先端及びその近傍は、熱伝達や熱輸送にほとんど寄与しないデッドスペースとなっている。そこで、吸熱部39は、第2端部28bの先端から第1端部28a側に多少オフセットした位置に設けられる。なお、放熱部38は、吸熱部39に比べて冷却フィン30に対する接触面積が大きいため、吸熱部39のようなオフセット配置はしていない(図2参照)。
図3A、図3B及び図5に示すように、ヒートパイプ28は、このような第2端部28bのデッドスペースに薄板部40を有する。
薄板部40は、吸熱部39よりも先端側に設けられている。つまり薄板部40は、吸熱部39から見て放熱部38側とは逆側の端部に設けられている。ヒートパイプ28は、吸熱部39から薄板部40にかけて、その下面28dが裏側の上面28cに向かって一段低くなっている。これにより薄板部40の板厚は、吸熱部39の板厚よりも薄い。なお、本実施形態のヒートパイプ28は、薄板部40以外は略同一の板厚で構成され、薄板部40の板厚だけが他の部分よりも薄く構成されている。薄板部40は、下面28dを上面28c側に圧し潰した構造となっている。
図2に示すように、冷却フィン30は、筐体14の左側面に形成された排気口に面して配置される。冷却フィン30は、アルミニウム、銅、又はステンレスのような熱伝導率が高い金属のブロックに筐体14の内外方向(左右方向)に貫通する複数のスリットを形成したものである。冷却フィン30は、ヒートパイプ28の上面28cに接合されている。筐体14の排気口及び冷却フィン30は、筐体14の右側面や後側面に設けられてもよい。
図2に示すように、送風ファン32は、マザーボード24の右端部を切り欠いた部分に配置されている。送風ファン32は、上下面に空気取込口が形成され、右側面に空気排出口が形成され、空気排出口が冷却フィン30に面した側面に開口している。送風ファン32は、筐体14内から吸い込んだ空気を冷却フィン30のスリットを通して筐体14外へと排気する。
図2~図5に示すように、押付部品34は、ヒートパイプ28の吸熱部39をCPU26に対して押し付けるための部品である。押付部品34は、ベース部42と、第1ブリッジ部44と、第2ブリッジ部45と、を有する。
ベース部42は、押付部品34をマザーボード24に固定するための取付部である。ベース部42は、マザーボード24に固定されることで、相対的に筐体14に固定される。ベース部42は、マザーボード24ではなく、筐体14又は筐体14に固定されたブラケット等に直接的に固定されてもよい。ベース部42は、ベースプレート42aと、一対の板ばね42b,42cとを有する。
ベースプレート42aは、割れ目42dで2分割された金属プレートである。分割されたプレート同士はブリッジ部44,45で一体化されている。割れ目42dは、ヒートパイプ28の第2端部28bをほとんど隙間なく挿入可能な幅寸法で構成されている。ベースプレート42aは、アルミニウム、銅、又はステンレスのような熱伝導率が高い金属で形成されている。ベースプレート42aは、割れ目42dの内側で対向する内壁面が半田付け等でヒートパイプ28と接合される。
板ばね42b,42cは、弾性を持った薄い金属プレートである。板ばね42bは、例えば平面視で略ブーメラン形状に形成され、長手方向の中央部がベースプレート42aに固定されている。板ばね42cは、例えば略矩形状に形成され、一端部がベースプレート42aに固定されている。板ばね42b,42cのベースプレート42aに対する固定構造は、例えば板ばね42b,42cに設けた孔部にベースプレート42aの表面から突出したピンを嵌合させた構造である。板ばね42b,42cは、ねじ止め又は溶接等でベースプレート42aに固定されてもよい。
板ばね42bは、両端部にそれぞれ孔部46を有する。板ばね42bは、各孔部46と、各孔部46と同軸配置される各スペーサ47とに通されたねじ49を用いてマザーボード24と締結される(図4参照)。板ばね42cは、ベースプレート42aからの突出方向の先端部に孔部48を有する。板ばね42cは、板ばね42bと同様に、スペーサ47及びねじ49を用いてマザーボード24と締結される(図4参照)。
第1ブリッジ部44は、ベースプレート42aと一体に形成され、割れ目42aを跨ぐように設けられた薄い帯状のプレートである。第1ブリッジ部44は、ベースプレート42aと別部品で構成し、ねじ止めや半田付け等でベースプレート42aに一体に固定されてもよい。第1ブリッジ部44は、ヒートパイプ28の下面28d側を幅方向に跨ぐように配置される。第1ブリッジ部44は、薄板部40の表面(下面28d)に配置される。第1ブリッジ部44の裏面44aは、薄板部40の表面に半田付け等で接合される。第1ブリッジ部44の表面44bは、吸熱部39の表面(下面28d)と面一か又は低い位置にあることが好ましい(図5参照)。つまり薄板部40の表面(下面28d)は、吸熱部39の表面(下面28d)よりも第1ブリッジ部44の高さ分以上低い。
第2ブリッジ部45は、ベースプレート42aと一体に形成され、割れ目42aを跨ぐように設けられた薄い帯状のプレートである。第2ブリッジ部45は、ベースプレート42aと別部品で構成し、ねじ止めや半田付け等でベースプレート42aに一体に固定されてもよい。第2ブリッジ部45は、ヒートパイプ28の長手方向を基準として、第1ブリッジ部44との間に吸熱部39を挟むように配置される。つまり吸熱部39は、ブリッジ部44,45間に配置される。第2ブリッジ部45は、ヒートパイプ28の上面28c側を幅方向に跨ぐように配置される。第2ブリッジ部45は、ヒートパイプ28の裏面(上面28c)に半田付け等で接合される。
このような押付部品34は、板ばね42b,42cの付勢力により、ベースプレート42a及びブリッジ部44,45と固定されたヒートパイプ28(吸熱部39)を半導体チップ26aに強く押し付ける。これにより吸熱部39は、CPU26と熱的に接続され、CPU26が発生する熱を効率よく吸熱する。
以上のように、本実施形態に係る電子機器10及びこれに搭載される冷却装置22は、ヒートパイプ28の第2端部28bの先端に向かって順に設けられた吸熱部39と薄板部40とを有する。そして、ヒートパイプ28の吸熱部39をCPU26に押し付ける押付部品34は、ヒートパイプ28を幅方向に跨いだ状態で薄板部40の表面に配置される第1ブリッジ部44を有する。
従って、図4及び図5に示すように、電子機器10は、筐体14の板厚方向で下から上に向かって順に、ヒートパイプ28の吸熱部39とCPU26とが積層される。この際、押付部品34は、ベースプレート42aが吸熱部39の側方に配置され、第1ブリッジ部44が薄板部40の下面28dに配置される。これにより押付部品34は、ヒートパイプ28の下面28dよりも下方に突出せずにヒートパイプ28をCPU26に押し付けることができる。その結果、図5に示すように、筐体14の下カバー材14bの内面14dと、吸熱部39及び押付部品34の最下面(第1ブリッジ部44の表面44b)との間に形成されるクリアランスCを所定値以上に確保することができる。また押付部品34は、従来の押付部品のようにヒートパイプとCPUとの間に挟まれる銅板等を持たないため、その分薄くなる。
このように電子機器10は、冷却装置22の薄型化を図ることができるため、筐体14も薄型化することができる。しかも電子機器10は、十分なクリアランスCを確保できるため、筐体14の底面(下カバー材14aの外面)にCPU26やヒートパイプ28の熱による局所的な高温部(ホットスポット)が形成されることも抑制できる。また、冷却装置22は、押付部品34が筐体14の内面14d側に突出しない構造であることで、ヒートパイプ28の板厚を従来の同等製品よりも薄く構成せずに全体として薄く構成できる。その結果、冷却装置22は、冷却能力を従来の同等製品と同一以上に確保しつつ、体として薄型化を達成できる。
なお、第1ブリッジ部44は、吸熱部39の表面(下面28d)よりも多少高い位置にあってもよい。第1ブリッジ部44は、吸熱部39の表面(下面28d)よりも僅かに突出したとしても、その表面積は小さく、ホットスポットに対する影響は小さいためである。
薄板部40は、平面視でCPU26と重ならない位置に配置されることが好ましい。薄板部40は、上記した通り、ヒートパイプ28の熱輸送に関与しないデッドスペースであるため、吸熱対象であるCPU26に当接すると、吸熱部39による吸熱が抑制されるためである。なお、CPU26は、実際の発熱部は半導体チップ26aであるため、薄板部40は少なくともこの半導体チップ26aと重ならない位置に配置されればよい。
押付部品34は、さらに第2ブリッジ部45を備えることで、ヒートパイプ28を一層均等に且つ安定してCPU26に押し付けることができる。図5に示す構成例では、第2ブリッジ部45は、ヒートパイプ28の上面28c側に配置されている。これにより第2ブリッジ部45は、筐体14の内面14d側に突出することなく、その下面に接合されたヒートパイプ28をCPU26に向かって引き寄せることができる。
図5中に2点鎖線で示すように、第2ブリッジ部45は、ヒートパイプ28の下面28d側に配置されてもよい。この場合、ヒートパイプ28と共に高温になる第2ブリッジ部45が内面14dに近接することになる。しかしながらその表面積は最小限であるため、ホットスポットに対する影響も最小限で済む。なお、押付部品34は、ベース部42と第1ブリッジ部44とで十分な押付力を発揮できるため、第2ブリッジ部45は設けなくてもよい。
次に、冷却装置22の製造方法の一手順を説明する。図6Aは、薄板部40を形成する前のヒートパイプ28を示す模式的な側面図である。図6Bは、図6Aに示す状態から薄板部40を形成した直後の状態を示す側面図である。
冷却装置22の製造に際しては、先ず薄板部40を持たない一般的なヒートパイプ28と、押付部品34とを準備する。次に薄板部40を成形する。先ず、ヒートパイプ28の第2端部28bを所定の治具にセットする。次いで、図6A及び図6Bに示すように、所定のプレス金型50で第2端部28bの先端を含む所定範囲を圧し潰す。これにより第2端部28bに薄板部40が形成される(図6B参照)。
次に、ヒートパイプ28に押付部品34を固定する。先ず、第2端部28bを先頭にしてヒートパイプ28をベースプレート42aの割れ目42dに挿入する。この際、ヒートパイプ28は、第2ブリッジ部45の表面(下面)側に通し、最先端の薄板部40を第1ブリッジ部44の裏面44a側に通す。そして、ベースプレート42aとブリッジ部44,45とヒートパイプ28とを半田付け等で固定する。なお、ブリッジ部44,45をいずれも備えた構成では、例えばベースプレート42aとヒートパイプ28との接合工程を省略してもよい。また、第1ブリッジ部44は、ヒートパイプ28を押さえ込む位置に配置されるため、ヒートパイプ28との接合工程を省略してもよい。
これらの各工程と前後してヒートパイプ28の第1端部28aと冷却フィン30及び送風ファン32とを半田付け等で固定する。これにより冷却装置22の製造が完了する。
図7Aは、第1変形例に係る押付部品52及びその周辺部を拡大して下側から見た斜視図である。図7Bは、図7A中のVIIB-VIIB線に沿う模式的な断面図である。
図7A及び図7Bに示すように、押付部品52は、上記した押付部品34の第1ブリッジ部44とは構成の異なる第1ブリッジ部54を備える。第1ブリッジ部54は、薄板部40の表面(下面28d)及び幅方向両側面を包み込むカバー形状を有する。これにより第1ブリッジ部54はヒートパイプ28の下面28d側を幅方向に跨ぐように配置される。第1ブリッジ部54の裏面54a及び幅方向両側面は薄板部40に半田付け等で接合される。第1ブリッジ部54の表面54bは、吸熱部39の表面(下面28d)と面一か又は低い位置にある。
このような押付部品52は、上記した押付部品34と比べて第1ブリッジ部54とヒートパイプ28との接合強度や保持剛性が一層高い。このため、押付部品52は、第1ブリッジ部44による吸熱部39の押付力が一層安定する。従って、押付部品52は、例えば第2ブリッジ部45を省略した場合に、強固に且つ安定して吸熱部39をCPU26に押し付けることができる。
図8は、第2変形例に係る押付部品56及びその周辺部を拡大した模式的な側面断面図である。
図8に示すように、押付部品56は、上記した押付部品34の第1ブリッジ部44とは構成の異なる第1ブリッジ部58を備える。上記した第1ブリッジ部44は、ヒートパイプ28の下面28d側を幅方向に跨ぐように配置されている。これに対して、図8に示す第1ブリッジ部58は、ヒートパイプ28の上面28c側を幅方向に跨ぐように配置されている。
押付部品56は、上面28c側に薄板部40を設けたヒートパイプ28に対して使用される。図8に示す薄板部40は、上面28cを下面28d側に圧し潰した構造となっており、図5に示す構成例と上下反転構造となっている。つまり第1ブリッジ部58は、下面側の裏面58aが薄板部40の表面(上面28c)に半田付け等で接合される。第1ブリッジ部58は、上面側の表面58bが、CPU26のサブストレート26b、スティフナー26c又はマザーボード24等と対向する。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 電子機器
12 ディスプレイ筐体
14 筐体
22 冷却装置
26 CPU
28 ヒートパイプ
30 冷却フィン
32 送風ファン
34,52,56 押付部品
38 放熱部
39 吸熱部
40 薄板部
42 ベース部
44,54,58 第1ブリッジ部
45 第2ブリッジ部
50 プレス金型

Claims (11)

  1. 電子機器であって、
    筐体と、
    前記筐体内に設けられた発熱体と、
    冷却フィンと、前記冷却フィンと前記発熱体とを接続するヒートパイプと、該ヒートパイプを前記発熱体に対して押し付ける押付部品とを有し、前記筐体内に設けられた冷却装置と、
    を備え、
    前記ヒートパイプは、
    前記発熱体が発生する熱を吸熱する吸熱部と、
    前記吸熱部で吸収した熱を前記冷却フィンに放熱する放熱部と、
    前記吸熱部から見て前記放熱部側とは逆側の端部に設けられ、前記吸熱部よりも板厚が薄い薄板部と、
    を有し、
    前記押付部品は、
    前記筐体に対して相対的に固定されるベース部と、
    前記ベース部と一体に設けられ、前記ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態で前記薄板部の表面に配置されるブリッジ部と、
    を有する
    ことを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器であって、
    前記ヒートパイプは、前記吸熱部から前記薄板部にかけて、その第1面が裏側の第2面に向かって一段低くなることで、前記薄板部の板厚が前記吸熱部よりも薄く形成されており、
    前記ブリッジ部は、前記薄板部の前記第1面側の表面に配置され、
    前記ブリッジ部の表面は、前記吸熱部の前記第1面と面一か又は低い位置にある
    ことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項2に記載の電子機器であって、
    前記ヒートパイプは、前記第2面が前記発熱体と接続され、前記第1面が前記筐体の内面と対向している
    ことを特徴とする電子機器。
  4. 請求項2又は3に記載の電子機器であって、
    前記押付部品は、前記ヒートパイプの長手方向を基準として、前記ブリッジ部との間に前記吸熱部を挟むように配置され、前記ヒートパイプを幅方向に跨ぐ第2ブリッジ部をさらに有する
    ことを特徴とする電子機器。
  5. 請求項4に記載の電子機器であって、
    前記第2ブリッジ部は、前記ヒートパイプの前記第2面側に配置されている
    ことを特徴とする電子機器。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の電子機器であって、
    前記薄板部は、平面視で前記発熱体と重ならない位置に配置されている
    ことを特徴とする電子機器。
  7. 冷却装置であって、
    冷却フィンと、
    第1端部が前記冷却フィンと接続されたヒートパイプと、
    前記ヒートパイプの第2端部に固定され、該ヒートパイプを冷却対象に対して押し付けるための押付部品と、
    を備え、
    前記ヒートパイプは、
    前記冷却対象の熱を吸熱するための吸熱部と、
    前記吸熱部で吸収した熱を前記冷却フィンに放熱するための放熱部と、
    前記第2端部における前記吸熱部よりも先端側に設けられ、前記吸熱部よりも板厚が薄い薄板部と、
    を有し、
    前記押付部品は、前記ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態で前記薄板部の表面に配置されたブリッジ部を有する
    ことを特徴とする冷却装置。
  8. 請求項7に記載の冷却装置であって、
    前記ヒートパイプは、前記吸熱部から前記薄板部にかけて、その第1面が裏側の第2面に向かって一段低くなることで、前記薄板部の板厚が前記吸熱部よりも薄く形成されており、
    前記ブリッジ部は、前記薄板部の前記第1面側の表面に配置され、
    前記ブリッジ部の表面は、前記吸熱部の前記第1面と面一か又は低い位置にある
    ことを特徴とする冷却装置。
  9. 請求項7又は8に記載の冷却装置であって、
    前記押付部品は、前記ヒートパイプの長手方向を基準として、前記ブリッジ部との間に前記吸熱部を挟むように配置され、前記ヒートパイプを幅方向に跨ぐ第2ブリッジ部をさらに有し、
    前記第2ブリッジ部は、前記ヒートパイプの前記第2面側に配置されている
    ことを特徴とする冷却装置。
  10. 冷却装置の製造方法であって、
    ヒートパイプの一端部を板厚方向に潰して薄板部を形成する第1工程と、
    前記ヒートパイプを冷却対象に対して押し付けるための押付部品を前記ヒートパイプに固定する第2工程と、
    を有し、
    前記第2工程では、前記薄板部の表面に対して前記押付部品のブリッジ部を配置すると共に、該ブリッジ部が前記ヒートパイプを幅方向に跨いだ状態に配置した後、前記押付部品と前記ヒートパイプとを固定する
    ことを特徴とする冷却装置の製造方法。
  11. 請求項10に記載の冷却装置の製造方法であって、
    前記第2工程では、前記ヒートパイプに対して前記ブリッジ部を接合する
    ことを特徴とする冷却装置の製造方法。
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