JP2022174509A - 積層体 - Google Patents

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祥一 前川
Shoichi Maekawa
敦史 佐々木
Atsushi Sasaki
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Abstract

【課題】透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れた積層体を提供する。【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)層とアクリル系樹脂(B)層が交互に積層されてなる積層体であって、以下の(I)および(II)の条件を満足することを特徴とする積層体。(I)厚み方向の層数が7~800層の範囲である(II)積層体の厚みが0.3~10mmの範囲である【選択図】なし

Description

本発明は、透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れた積層体に関するものである。
ポリカーボネート樹脂シートは透明性、耐熱性、耐衝撃性、機械的強度に優れ、OA・電子機器のディスプレイやタッチパネル前面板、自動車銘板等に用いられている。しかしポリカーボネート樹脂は表面硬度が低いため樹脂表面に傷がつきやすく、更に耐候性が低いため屋外での使用時に変色が起こりやすいという欠点がある。
また、ポリカーボネート樹脂はアクリル樹脂や環状オレフィン樹脂などに比べると光弾性係数が高く応力によって位相差が発現しやすい材料であるため、車載ディスプレイ前面板やモバイルディスプレイなどに使用する場合、偏光サングラスでディスプレイを見た場合に虹ムラと言われる偏光外観問題が生じやすい。
また、近年の自動車に搭載され始めているヘッドアップディスプレイ装置は、装置本体からガラス等の投影部に画像を投影する投斜口から埃やゴミが入り込まないようにするための防塵カバーが必要とされている。ポリカーボネート樹脂製のカバーを用いる場合、カバー自体の位相差が高いと投影された画像にゆがみが生じたりする場合があるため、低位相差化が必要であった。
そこで、上記問題への対策として様々な手法が検討されている。低位相差化の一つとして、ビスフェノールAと9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンポリカーボネート共重合体は、高耐熱性が得られることが提案されている(特許文献1、2)。
また、該9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンからなるポリカーボネート樹脂を用いてなるフィルムを、位相差フィルム用や偏光板の保護フィルム用に使用すること(特許文献3~6)、さらに、フルオレン構造を有するものとして9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンとスピログリコールからなるポリカーボネート樹脂を溶融製膜法でフィルム化することが提案されている(特許文献7)。
しかしながら、上記の9,9-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンとスピログリコールからなるポリカーボネート樹脂は、熱分解温度が低いため、溶融製膜が困難で、製膜中に分解が起こり、気泡やゲルが発生する問題があり、フィルムやシートの透明性や耐衝撃性も低く課題があった。
また、特許文献8には、携帯電話のカメラレンズ用の低位相差・高屈折率材料として、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンと3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンの共重合ポリカーボネート樹脂が提案されているが、シート化すると非常に脆く使用するには困難であった。
また、別の対策として、ポリカーボネート樹脂からなる層(以下、PC層と省略することがある)に表面硬度や耐候性、耐薬品性に優れたメタクリル樹脂からなる層(以下、PMMA層と省略することがある)を積層することが提案されている(特許文献9)。しか
しながら、かかる積層体は表面硬度、耐候性、耐薬品性、耐衝撃性、耐熱性に優れるけれども、位相差が高くなり、偏光外観の改善は不十分であった。
一方、アクリル樹脂シートの位相差は低いが、耐衝撃性、耐熱性が低く、全ての特性を満たすシートは未だ提案されていない。
特開2004-331688号公報 特開平8-134199号公報 国際公開第2000/026705号 国際公開第2001/009649号 特開2001-296423号公報 特開2001-194530号公報 国際公開第2008/156186号 国際公開第2017/10318号 特開2007-160892号公報
本発明の目的は、透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れた積層体を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂を交互に特定条件を満たすように積層させることで、透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、発明の課題は、下記により達成される。
1.ポリカーボネート樹脂(A)層とアクリル系樹脂(B)層が交互に積層されてなる積層体であって、以下の(I)および(II)の条件を満足することを特徴とする積層体。
(I)厚み方向の層数が7~800層の範囲である
(II)積層体の厚みが0.3~10mmの範囲である
2.ポリカーボネート樹脂(A)層の1層の厚みが1~200μmである前項1に記載の積層体。
3.アクリル系樹脂(B)層の1層の厚みが1~150μmである前項1または2に記載の積層体。
4.ポリカーボネート樹脂(A)層の厚みの合計が積層体の総厚みの95~40%であり、アクリル系樹脂(B)層の厚みの合計が積層体の総厚みの5~60%である前項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
5.ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度が90~150℃である前項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
6.アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度が90~140℃である前項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
7.アクリル系樹脂(B)層が、積層体の少なくとも一方の最外層となる前項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
8.ポリカーボネート樹脂層(A)層とアクリル系樹脂(B)層が共押出によって積層された前項1~7のいずれか1項に記載の積層体。
9.前項1~8のいずれか1項に記載の積層体の少なくとも一方の面に硬化被膜を備えてなる積層体。
本発明は、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂を交互に特定条件を満たすように積層させることにより、透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れる積層体を提供することが可能となった。そのため、その奏する工業的効果は格別である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
ポリカーボネート樹脂は、例えば二価フェノールまたは二官能性アルコールとカーボネート前駆体とを反応させて製造することができる。反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。ポリカーボネート樹脂はいかなる製造方法によって製造されたものでもよい。
二価フェノールの代表的な例として2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン等があげられる。好ましい二価フェノールはビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、特にビスフェノールAが好ましい。
二官能性アルコールとしては、脂肪族ジオール化合物や脂環式ジオール化合物が挙げられる。
脂肪族ジオール化合物としては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1.9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサングリコール、1,2-オクチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,3-ジイソブチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジイソアミル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールなどが挙げられる。
脂環式ジオール化合物としては、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジオールなどのシクロヘキサンジオール類、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサンジメタノール類、2,3-ノルボルナンジメタノール、2,5-ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3-アダマンタンジオール、2,2-アダマンタンジオール、デカリンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、イソソルビド、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂は前記二価フェノールまたは二官能性アルコールに加えて、3官能以上の多官能成分を重合させた分岐ポリカーボネートであってもよい。さらに、脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸、ポリオルガノシロキサン成分、並びにビニル系単量体を共重合させた共重合ポリカーボネートであってもよい。
二価フェノールとホスゲンとの界面重縮合の場合は、末端停止剤として通常使用される単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。前記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、m-メチルフェノール、p-メチルフェノール、m-プロピルフェノール、p-プロピルフェノール、1-フェニルフェノール、2-フェニルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-クミルフェノール、イソオクチルフェノール、p-長鎖アルキルフェノール等が挙げられる。
カーボネート前駆物質として例えば炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120~350℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を促進するために通常エステル交換反応に使用される触媒を使用することもできる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は好ましくは10,000~30,000であり、より好ましくは15,000~28,000であり、さらに好ましくは18,000~25,000である。かかる粘度平均分子量の範囲であると、実用上十分な機械的特性が得られ、成形加工性にも優れる。
本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、90℃~150℃の範囲が好ましく、100℃~148℃の範囲がより好ましく、110℃~146℃の範囲がさらに好ましく、120℃~145℃の範囲が特に好ましい。上記範囲内であると積層体の耐熱性、強度および成形加工性が良好となる。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂には、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、衝撃改質剤等の添加剤を配合することができる。
<アクリル系樹脂(B)>
本発明に用いるアクリル樹脂としては、熱可塑性樹脂としてのアクリル樹脂が使用され
る。アクリル樹脂に使用される単量体として以下の化合物が挙げられる。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロオクチルメタクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロドデシルメタクリレート、シクロドデシルアクリレート等が例示される。
これらは、単独で重合して使用してもよく、2種類以上を重合して使用してもよい。特にメタクリル酸メチルおよび/またはアクリル酸メチルを含むことが好ましい。モノマー成分として、メタクリル酸メチルを50~99mol%、アクリル酸メチルを1~50mol%含むことが好ましく、メタクリル酸メチルを60~99mol%、アクリル酸メチルを1~40mol%含むことがより好ましく、メタクリル酸メチルを70~99mol%、アクリル酸メチルを1~30mol%含むことがよりいっそう好ましい。モノマー成分として、メタクリル酸メチルが99mol%より多い場合、耐熱分解性が劣り、成形時にシルバー等の成形不良が発生することがある。モノマー成分として、メタクリル酸メチルが50mol%より小さい場合、熱変形温度が低下することがある。また、これらのアクリル系単量体と重合され得る他の単量体、例えばポリオレフィン系単量体、ビニル系単量体等を0~30重量%併用してもよい。
本発明に用いるアクリル樹脂(B)は市販品を用いることも可能であり、例えば三菱ケミカル(株)製の商品名「Acrypet」や、ダイセル・エボニック(株)製の商品名「PLEXIGLAS」、住友化学(株)製の商品名「SUMIPEX」、(株)クラレ製の商品名「PARAPET」などが例示できる。
前記アクリル樹脂の分子量は特に限定されるものではないが、重量平均分子量で3万以上、30万以下の範囲であれば、フィルムとして成形する際に流れムラ等の外観不良を生じることがなく、機械特性、耐熱性に優れたフィルムを提供することができる。
また、本発明に使用されるアクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは90~140℃、より好ましくは95~135℃、さらに好ましくは100~130℃である。Tgが上記範囲内であると、耐熱性および成形性が良好であり好ましい。
ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
本発明に用いるアクリル樹脂は、特に限定されるものではないが、JIS K7210
に準拠し、230℃、3.8kg荷重にて測定したメルトフローレートが0.5~30g/10minであるアクリル樹脂が好ましい。より好ましくは、メルトフローレートが0.7~27g/10min、さらに好ましくは、メルトフローレートが1.0~25g/10minである。メルトフローレートが当該範囲であるアクリル樹脂は成形性が良好である。
また、本発明に用いるアクリル系樹脂は、アクリルゴム成分を含有していてもよく、アクリルゴム成分の含有量としては、アクリル系樹脂100重量部に対して1~10重量部が好ましい。
さらにアクリル系樹脂に、一般的な熱安定剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、着色剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、艶消し剤等の各種添加剤を加えても良い。
<積層体>
本発明の積層体は、ポリカーボネート樹脂(A)からなる層とアクリル系樹脂(B)からなる層が交互に積層された積層体である。
そして、(I)厚み方向の層数が7~800層の範囲であり、好ましくは8~700層の範囲であり、より好ましくは9~600層の範囲であり、さらに好ましくは10~500層の範囲である。厚み方向の層数が7層より小さくなると、耐衝撃性と低位相差の両立が困難となり好ましくなく、800層を超えると成形加工性に劣り好ましくない。
また、(II)ポリカーボネート樹脂(A)層とアクリル系樹脂(B)層を合わせた総厚み、すなわち積層体の厚みが0.3~10mmの範囲であり、0.4~9mmの範囲が好ましく、0.5~8mmの範囲がより好ましく、0.6~7mmの範囲がさらに好ましく、0.7~6mmの範囲が特に好ましい。積層体の厚みが0.3mm未満の場合耐衝撃性に劣り、10mmを超えると低位相差の発現が困難になる。
ポリカーボネート樹脂(A)層の1層の厚みは、1~200μmが好ましく、5~150μmがより好ましく、10~120μmがさらに好ましく、15~110μmが特に好ましい。
また、アクリル系樹脂(B)層の1層の厚みは、1~150μmが好ましく、3~130μmがより好ましく、5~110μmがさらに好ましく、8~100μmが特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A)層の1層の厚みとアクリル系樹脂(B)層の1層の厚みとが上記範囲であると、優れた表面硬度、耐衝撃性および低位相差をバランスよく有する積層体を得ることができる。
また、ポリカーボネート樹脂(A)層の厚みの合計が積層体の総厚みの好ましくは95~40%、より好ましくは90~45%、アクリル系樹脂(B)層の厚みの合計が積層体の総厚みの好ましくは5~60%、より好ましくは10~55%とすることにより、さらに優れた表面硬度、耐衝撃性および低位相差をバランスよく有する積層体を得ることができる。
さらに、アクリル系樹脂(B)層を積層体の少なくとも1つの最外層とすることで、表面硬度、耐候性および耐薬品性のバランスに優れるため好ましい。
本発明の積層体は、透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れる。そのため、本発
明の積層体の用途は特に制限されるものではないが、例えば、建材、自動車内装部品、車載ディスプレイカバー、スマートフォン背面カバー、ヘッドアップディスプレイ装置等の透明シート等に好適に使用できる。
(積層体の製造方法)
本発明の積層体を製造する方法としては、ダイから溶融押し出した溶融樹脂組成物を、第1冷却ロール、第2冷却ロールおよび第3冷却ロールの順に3つの冷却ロールに順次外接させて冷却した後に引き取る溶融製膜法により製造されることが好ましい。上記溶融押出しに使用される押出機は、樹脂組成物を供給するホッパー部、樹脂組成物を溶融するシリンダ部、樹脂組成物をシリンダ内にかみ込み溶融樹脂組成物を移動させるスクリュー、溶融樹脂組成物を一定量移動させるギアポンプ、溶融樹脂組成物中の異物を除去するためのフィルターおよび溶融樹脂組成物を押し出すダイを有することが好ましい。また、積層化するための手段としては、2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された溶融樹脂をダイへ供給する手前でフィードブロックやミキサー等を用いて樹脂を分断・分配し積層化することができる。またマルチマニホールドダイを用いた積層方法を使用することもできる。特に本発明では、フィードブロックやミキサー等を用いて積層化することが好ましい。溶融押出しに先んじて、樹脂組成物を十分に乾燥して水分および内部の空気を除去しておくことが好ましい。事前に乾燥処理を施すことにより、得られる積層体の発泡や樹脂組成物の熱劣化を防ぐことができるため好ましい。
本発明の積層体の製造方法において好適に使用されるペレットの含水率は、1,000ppm以下とすることが好ましく、より好ましくは500ppm以下である。ペレットは除湿機能を有する乾燥機を用いて乾燥することが乾燥時間の短縮効果があり好ましい。ペレットの乾燥温度は樹脂組成物のガラス転移温度より低く設定することが好ましく、(Tg-20)~(Tg-15)℃が好ましく、より好ましくは(Tg-15)~(Tg-5)℃である。乾燥温度をTg℃以上に設定すると、ペレットが半溶融化し、ペレット同士が固着してしまうことがある。また、乾燥温度が低いと乾燥が不十分となる。
溶融押出しに使用される押出機において、ホッパー内の空気(酸素)による樹脂組成物の熱劣化の促進を防ぐため、ホッパー内の雰囲気を熱窒素ガスで置換するか、熱窒素ガスを流通させる方法やホッパーを真空状態にする事で無酸素状態にする事も好ましく採用される。窒素流量は、2~6l/minが好ましい。より好ましくは、3~5l/minであり、ホッパー内が陽圧になることが好ましい。下限未満である場合、ホッパーを十分に陽圧にできないことがある。また、上限を超える場合、ホッパー外への流出量が増し、外部漏洩による酸素濃度低下等の懸念がある。真空状態にする場合は、スクリューバレル部に樹脂が充填されている状態において、真空度を-100kPa以下とすることが好ましい。真空度が不十分である場合、ホッパーを含むフランジおよび他接合部等に隙間があることがあり、無酸素状態とならなくなることがある。
ホッパーに投入された樹脂組成物は、次いで供給口においてスクリューのかみ込み部(供給部)により押出機内にかみ込まれる。このとき、スクリューのかみ込み開始部とバレル部との間で樹脂が粘着状となってスクリューに絡みついてその後の樹脂組成物の供給が阻害され、樹脂組成物が押出機内の同一地点に長時間滞留することにより徐々に茶色や黒色の熱劣化物が生じたり、吐出量変動を起こすことがある。このような不具合を避けるため、スクリューかみ込み部近傍のバレル部を水冷することが好ましい。次いで押出機のスクリューの運動により、押出機内をダイ方向へと移動する。このとき、例えば押出機先端部とギアポンプとを接続するフランジ部、溶融樹脂組成物の導管、フィルターハウジングと押出しダイとを接続する導管、フィルターハウジング部等において樹脂組成物の熱劣化物が極力生じないようにすることが好ましい。そのため、例えば導管が急激に屈曲しないような構造として、樹脂組成物の局所的な滞留を防ぐことが好ましく行われる。
また、押出機には樹脂組成物が溶融した後に真空脱気させるベント機能を有さない構造の押出機であることが滞留部を設けない観点から好ましい。押出機の吐出能力は、上記の好ましい滞留時間を勘案のうえ設定される。工業的な観点からは、例えば幅約1,000mm程度で厚さ約50μm程度の積層体を形成するためのフィルムを製造する場合、吐出量が最高130kg/h程度の押出機を選ぶことが好ましい。かかる押出機を用いれば、幅1,200mmのダイを用い、幅1,100mm、厚み50μmのフィルムを速度約30m/分で製膜することができる。スクリューは樹脂組成物を溶融押出しするために通常用いられるスクリューを使用することができ、中でも単軸のスクリューが好ましい。また、スクリュー形状は、フルフライト構造やダブルフライト構造を適用でき、押出機シリンダ内で発生したガスをホッパー方向へ効率よく排出するために十分な溝深さを有しておくことが好ましい。スクリューのペレット供給部における溝深さは5~10mmが好ましく、より好ましくは6~8mmである。溝深さが10mmよりも深いと、ペレット噛み込みが過度となり、スクリュートルク上昇によって、スクリュー破損の原因となることがある。また、溝深さが5mmよりも浅い場合、ペレットの噛み込みが不安定となり、吐出量が安定しなくなることがある。この時、押出機シリンダおよび配管の設定温度は吐出された樹脂組成物の温度との差が+15℃以内となるように設定することが好ましい。より好ましくは+10℃以内である。+15℃を超えるような温度差が生じている場合、スクリューせん断によって樹脂組成物が異常に発熱していることを示しており、せん断による樹脂の低分子化、ゲル化が促進されることになる。また、スクリューをせん断がかかりにくい構造とすることも好ましく、スクリューの圧縮比を2.50未満とすることが好ましい。スクリューの圧縮比はより好ましくは1.30以上2.50未満であり、さらに好ましくは1.50以上2.30以下である。スクリューの圧縮比が1.30未満だと樹脂組成物の混練が不十分となり、溶融状態が不安定となる。スクリュー先端部における混練部、計量部は圧縮比に影響しないため、その形状を自由に選択する事ができる。ただし、マドックなどに代表される未溶融ペレットを強制的に溶融させる構造は、発熱を促すことにつながるため好ましくない。
フィルターとしては、必要なろ過面積を持ったリーフディスク状、または、プリーツ状のフィルターエレメントおよびこれを保持する円筒形のハウジングからなる構成を有するものが好ましい。フィルターエレメントとしては公知のものを用いることができるが、市販されている焼結金属型や極細金属繊維の集合体型等の金属製の耐熱、耐圧性のフィルターエレメントを用いることが好ましい。
本発明に用いる溶融押出しダイとしては、ダイの幅方向の中央部から樹脂組成物を供給するタイプのT-ダイ(コートハンガー型ダイ)またはT-ダイを樹脂組成物の流入部で二分した形状とし、ダイの幅方向の一端部から樹脂組成物を流入させるタイプのI-ダイ等の公知のものを用いることが好ましい。なお、押出しダイにおいて樹脂組成物が吐出される部分であるリップは十分に平滑な形状に仕上げることが好ましい。本発明においてリップ開度(ダイの開度)は、所望のフィルム厚みをtとしたときに、5t~25tの範囲とすることが好ましく、7t~20tの範囲がより好ましい。具体的には例えば厚み100μmのフィルムの場合には、リップ開度を0.5~2.5mmとすることが好ましく、0.7mm~2.0mmとすることがより好ましい。かかる範囲にリップ開度を調整することにより、吐出する樹脂組成物がダイリップで受ける剪断応力が軽減され、複屈折率、特に面内の複屈折率を小さく抑えることができる。またかかるリップ開度はフィルム厚みに対して十分に広いため、ダイリップのキズや付着物等との接触により生じるダイ筋が軽減されるという有利な効果もある。光学用途等に使用する場合、フィルムのダイ筋は可能な限り抑制することが望ましい。厚み斑の自動調整にはダイのリップボルトを機械的に回転させて、リップ開度を調整する方式やダイリップに一定間隔で加熱装置をつけ、それらを個別に温度調整して溶融樹脂の粘度の温度変化を利用してフィルム厚みを調整する方式(温度リップ)を採ることが好ましい。
第1冷却ロールの周速度R1に対する第2冷却ロールの周速度R2の比R2/R1は、1.050~1.100が好ましい、更に好ましくは1.050~1.080の範囲である。熱成形時に問題となるドローダウン現象は、フィルムの熱収縮を大きくする事により、抑制する事ができる。フィルムの熱収縮率は、未延伸フィルムを延伸する際の延伸倍率によって調整できるが、未延伸フィルム製膜時の冷却ロール温度を適当な範囲に制御し、冷却ロール間に速度差を付け、微延伸する事によっても調整できる。冷却ロール間に速度差をつける方法は、縦延伸設備を必要とせず、簡便な方法であるため、好適に用いられる。比R2/R1が小さすぎるとフィルムの熱収縮率が小さくなりすぎ、加熱成型時にドローダウンを誘発してしまうことがある。比R2/R1が大きすぎると、フィルムの熱収縮率が大きくなりすぎ、熱成型品に収縮応力が残り、歪みが発生する場合がある。冷却ロールの速度比率を精密に制御するために、各冷却ロールは周速度を0.01%の精度で制御できる設備であることが好ましい。
本発明の積層体の製造方法において使用される第1冷却ロールの温度は、樹脂組成物のガラス転移温度を(Tg)℃としたときに、(Tg-7)~(Tg)℃が好ましく、(Tg-5)~(Tg)℃の範囲がより好ましい、更に好ましくは(Tg-3)℃~(Tg-1)℃の範囲である。第1冷却ロールの温度は上記範囲を超えて低くすると、積層体のロールへの密着性が低下し、その結果空気の巻き込みが起こりやすくなり、ロールと積層体間に微妙な滑りが生じることがある。そのため、積層体が過度に冷却され膜厚を均一化できなくなる現象が生じることがある。一方で冷却ロールの温度が上記範囲を超えて高い場合には、積層体のロールへの粘着性が高くなりすぎ、積層体がロールから剥離する時に積層体に傷や歪み等が生じやすくなることがある。第2冷却ロールの温度は(Tg-25)℃~(Tg-15)℃の範囲内が好ましい。第2冷却ロールの温度は上記範囲を超えて低くすると、積層体のロールへの密着性が低下し、その結果空気の巻き込みが起こりやすくなり、ロールと積層体間に微妙な滑りが生じる。そのため、冷却された積層体表面に擦りキズが発生することがある。
さらに第3ロールの温度は第2冷却ロールの温度より5~10℃低い温度設定とすることが好ましい。第1~第3冷却ロールの表面温度は均一に制御できるものを用いることが好ましい。ロールの表面温度を均一に保つために、内部に温度を制御した冷却媒体を流すことが好ましい。また冷却ロール表面は鏡面であるものを用いることが好ましく、硬質クロームやセラミック等の素材からなるものが好ましく用いられる。
積層体の製膜速度は、積層体の物性を満足する範囲で適宜に設定することができる。生産性の点からは製膜速度は速い方が望ましいが、速すぎるとキャスト部分でのエアーの巻き込み等によりロールへの密着性が低下し、積層体の均質性が損なわれるおそれがある。好ましい製膜速度は、第1冷却ロールの周速度R1として2~50m/分であり、より好ましくは5~30m/分である。
(表面処理)
本発明の積層体には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート(硬化被膜)、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。ハードコートは特に好ましくかつ必要とされる表面処理であり、積層体の少なくとも一方の面に施されることが好ましい。
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、何らこれに限定されるものではない。積層体の評価方法は次のとおりである。
1.各層厚み
ミクロトームを用いて断面を切り出した積層体サンプルを使って、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察から、各層厚みを測定した。
2.総厚み
実施例で得られた積層体から長さ50mm、幅40mmの試験片を切り出し、アンリツ(株)製の電子マイクロ膜厚計で幅方向に連続的に測定し、フィルム幅方向に平均した値を総厚みとした。
3.偏光外観(低位相差評価)
実施例で得られた積層体から長さ100mm、幅100mmの試験片を切り出し、白表示した液晶モニターと、液晶モニターとは別に準備した偏光板の間に積層体を挟んで、偏光板側から目視で色ムラを確認した。表示がブラックアウトしないように、液晶モニターに具備されている偏光板の吸収軸と、別に準備した偏光板の吸収軸が並行となるように配置した。積層体の位相差が低く視認性・明度に全く影響を与えないものを◎、視認性に影響はないが僅かに色ムラが見えるものを〇、位相差が高く色ムラが強く視認性・明度に影響を与えるものを×とした。
4.耐衝撃性
積層体を70mm×70mmの大きさに切り出し、中央部が中空になっている支持台に積層体の4辺を支持させ、その後に支持台上にある試験片の中空部分に80cmの高さから重さ130gの鋼球を落下させた。試験後に積層体の表面のクラック有無を確認し、クラックが無いものを○、クラックが発生したものを×とした。
5.表面硬度
JIS K5400に基づき、雰囲気温度23℃の恒温室内で80mm×60mmに切り出した積層体サンプルの表面に対して、鉛筆を45度の角度を保ちつつ750gの荷重をかけた状態で線を引き、表面状態を目視にて評価した。
実施例、及び比較例で使用した樹脂は、以下の2種類である。
ポリカーボネート樹脂: 帝人株式会社製 商品名:パンライト(登録商標)L-1250(ビスフェノールAを原料とするポリカーボネート樹脂、ガラス転移温度(Tg)145℃、粘度平均分子量2.2×10
アクリル樹脂:三菱ケミカル株式会社製 商品名:アクリペット(登録商標)VH001(メタクリル酸メチル95モル%とアクリル酸メチル5モル%を共重合したアクリル樹脂、ガラス転移温度(Tg)110℃、)
[実施例1]
<積層体の製造>
ポリカーボネート樹脂はスクリュー径65mmの280℃に設定した単軸押出機で、またアクリル系樹脂はスクリュー径40mmの260℃に設定した単軸押出機でそれぞれ溶融させた。ギアポンプとフィルターを介した後、フィードブロックに合流させた。合流したポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂は、ミキサーに供給し、ポリカーボネート樹脂(A)層が25層、アクリル系樹脂(B)層が26層でからなる厚み方向に交互に積層させ、積層体の両最外層がアクリル系樹脂となる構造とした。ここで、ポリカーボネート樹
脂(A)層およびアクリル系樹脂(B)層の各々の厚みが20μmとなるように、各吐出量で調整した。このように得られた51層の積層体をT-ダイに供給し、冷却ロールで固化し積層体シートを得た。積層体シートの総厚みは、冷却ロールの引取り速度で1mmとなるように調整した。得られた積層体シートの各種評価結果を表1に記載した。
[実施例2~8、比較例1~3]
ポリカーボネート樹脂(A)層とアクリル系樹脂(B)層の各層数、各厚み、積層体シートの総厚みを表1の通りに変更した以外は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。
[比較例4]
ポリカーボネート樹脂をスクリュー径65mmの280℃に設定した単軸押出機で溶融させた。ギアポンプとフィルターを介し、T-ダイに供給し冷却ロールで固化させ、単層シートを得た。実施例1と全く同様の評価を行った。
[比較例5]
アクリル系樹脂をスクリュー径65mmの260℃に設定した単軸押出機で溶融させた。ギアポンプとフィルターを介し、T-ダイに供給し冷却ロールで固化させ、単層シートを得た。実施例1と全く同様の評価を行った。
Figure 2022174509000001
本発明の積層体は、透明性、表面硬度、耐衝撃性、低位相差に優れるため、建材、自動車内装部品、車載ディスプレイカバー、スマートフォン背面カバー、ヘッドアップディスプレイ装置等の透明シートとして極めて有用である。

Claims (9)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)層とアクリル系樹脂(B)層が交互に積層されてなる積層体であって、以下の(I)および(II)の条件を満足することを特徴とする積層体。
    (I)厚み方向の層数が7~800層の範囲である
    (II)積層体の厚みが0.3~10mmの範囲である
  2. ポリカーボネート樹脂(A)層の1層の厚みが1~200μmである請求項1に記載の積層体。
  3. アクリル系樹脂(B)層の1層の厚みが1~150μmである請求項1または2に記載の積層体。
  4. ポリカーボネート樹脂(A)層の厚みの合計が積層体の総厚みの95~40%であり、アクリル系樹脂(B)層の厚みの合計が積層体の総厚みの5~60%である請求項1~3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. ポリカーボネート樹脂(A)のガラス転移温度が90~150℃である請求項1~4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度が90~140℃である請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. アクリル系樹脂(B)層が、積層体の少なくとも一方の最外層となる請求項1~6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. ポリカーボネート樹脂層(A)層とアクリル系樹脂(B)層が共押出によって積層された請求項1~7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体の少なくとも一方の面に硬化被膜を備えてなる積層体。
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