JP2022172697A - 屋根材及び屋根構造 - Google Patents

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【課題】下葺き材の緊結釘が貫通する部位に雨水が溜まることを防止できる屋根材及び屋根構造を提供すること。【解決手段】傾斜する野地板110と、野地板110上に設けられる下葺き材120と、を有する屋根構造1に複数設けられ、下葺き材120上に、野地板110の棟11から軒先12に向かう方向、及び、棟11から軒先12に向かう方向と直交する幅方向に並べて配置されるとともに、上下方向で一部が重ねて配置され、野地板110に緊結釘140で緊結される屋根材130は、緊結釘140を配置する複数の孔131を有し、上端部が、上方に重ねて配置される屋根材130を緊結する複数の緊結釘140が隣接する部位をそれぞれ頂部130aとして幅方向で、上端部から下端部側に向かって傾斜する。【選択図】 図4

Description

本発明は、野地板上に配置される屋根材及び屋根構造に関する。
住居等に用いられる建築物として、例えば、木造軸組、木造枠組、鉄筋造、RC造等の建築構造が用いられる技術が知られている。このような建築物は、屋根形状として、屋根面が平面である屋根により形成された屋根構造が知られている。このような屋根構造として、例えば、複数の板状の屋根材が上面に防水紙等の下葺き材が設けられた野地板に緊結釘によって緊結される技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、屋根構造において、上下方向で最大で3枚の屋根材が部分的に積層して野地板に緊結される。また、屋根材は、それぞれ緊結釘で野地板に緊結されるため、緊結釘を配置する孔を有する。例えば、野地板側から一枚目の屋根材の軒側に二枚目の屋根材が積層され、一枚目の屋根材の軒側の端部に隣接する位置において、二枚目の屋根材が野地板に緊結される。そして、二枚目の屋根材を野地板に緊結する緊結釘を覆うように、三枚目の屋根材が二枚目の屋根材に積層される。
特開2016-089541号公報
上述した複数の屋根材は、一部が重ねて配置されるが、緊結釘の頭部が重なる屋根材の間に存することから、上下で重なる屋根材の軒先側に隙間が生じる。このため、上下で重なる屋根材の隙間から雨水が浸入し、毛管現象や風によって上下で重なる屋根材の隙間を上昇する。そして、緊結釘まで雨水が上昇すると、雨水は緊結釘と屋根材の孔との隙間から下方へ流れ落ちる。このとき、緊結釘は、下方の屋根材の棟側の端部と隣接することから、下葺き材と下方の屋根材の棟側の端部の端面とにより生じる隅部に溜まる。
このように、下葺き材上に雨水が溜まると、下葺き材が緊結釘で貫通している部分に水分が溜まるため下葺き材と緊結釘との間から雨水が下方へ通過しやすくなる。
そこで本発明は、下葺き材の緊結釘が貫通する部位に雨水が溜まることを防止できる屋根材及び屋根構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、屋根材は、傾斜する野地板と、野地板上に設けられる下葺き材と、を有する屋根構造に複数設けられ、前記下葺き材上に、前記野地板の棟から軒先に向かう方向、及び、前記棟から前記軒先に向かう方向と直交する幅方向に並べて配置されるとともに、上下方向で一部が重ねて配置され、前記野地板に緊結釘で緊結される屋根材であって、前記緊結釘を配置する複数の孔を有し、上端部が、上方に重ねて配置される前記屋根材を緊結する複数の前記緊結釘が隣接する部位をそれぞれ頂部として幅方向で、前記上端部から下端部側に向かって傾斜する。
本発明の一態様によれば、屋根構造は、傾斜する野地板と、野地板上に設けられる下葺き材と、複数の孔を有し、前記下葺き材上に配置して前記野地板に緊結され、前記野地板の棟から軒先に向かう方向、及び、前記棟から前記軒先に向かう方向と直交する幅方向に並べて配置されるとともに、上下方向で一部が重ねて配置される複数の屋根材と、前記孔に挿入され、前記屋根材を前記野地板に緊結する複数の緊結釘と、を備え、前記屋根材の上端部は、上方に重ねて配置される前記屋根材を緊結する複数の前記緊結釘が隣接する部位をそれぞれ頂部として幅方向で、前記上端部から下端部側に向かって傾斜する。
本発明によれば、下葺き材の緊結釘が貫通する部位に雨水が溜まることを防止できる屋根材及び屋根構造を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る屋根構造の構成を示す斜視図。 同屋根構造の構成を示す断面図。 同屋根構造の構成を示す断面図。 同屋根構造に用いられる屋根材の構成を示すとともに、複数の屋根材及び緊結釘の配置を示す説明図。 同屋根材の変形例を示す説明図。 同屋根材の変形例を示す説明図。 従来の技術に係る屋根材の構成を示す説明図。 従来の技術に係る屋根構造の構成を示す説明図。
以下に、一実施形態に係る屋根材130を用いた屋根構造1の構成について、図1乃至図8を参照して説明する。また、各図において説明のため、適宜構成を拡大、縮小又は省略して示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る屋根構造1の構成を示す斜視図である。図2は、屋根構造1の構成を拡大して示す断面図であり、図3は、屋根構造1の構成を拡大して示すとともに、雨水の流れの一例を矢印で示す説明図である。図4は、屋根構造1に用いられる屋根材130の構成を示すとともに、複数の屋根材130及び緊結釘140の例を示す説明図。図5及び図6は、屋根材130の変形例を示す説明図である。
図1に示すように、屋根構造1は、棟11から軒先12に向かって傾斜する。なお、屋根構造1は、建築物の形状によって、適宜、けらば、差棟、本谷等を有する。
図1乃至図4に示すように屋根構造1は、野地板110と、下葺き材120と、複数の屋根材130と、複数の緊結釘140と、備える。また、屋根構造1は、例えば、軒先水切と、けらば水切と、棟包と、を備える。
なお、屋根構造1は、野地板110と屋根材130との間に下葺き材120以外の遮熱シートや通風用の部材等の他の部材を有していてもよい。
野地板110は、釘等によって垂木に留め付けられる。野地板110は、例えば、構造用合板により形成される。なお、野地板110は、MDF(Medium Density Fiberboard)、パーティクルボード、OSB(Oriented Strand Board)であってもよく、また、杉ムク材等の一枚の板材であってもよい。
下葺き材120は、防水性を有する所謂防水紙やルーフィングシートである。例えば、下葺き材120は、基材にアスファルトを含浸及び/又は塗布させることで形成される。下葺き材120は、例えば、野地板110に留め付けられる。具体例として、下葺き材120は、野地板110の表板上に設けられる。
複数の屋根材130は、棟11から軒先12に向かう野地板110の傾斜方向(縦方向)である第1方向と、第1方向に直交又は交差する幅方向(横方向)である第2方向と、においてそれぞれ複数が並べて配置される。例えば横方向において隣り合う屋根材130は、隙間を空けずに突き合わせて並べて配置されるが、隙間を開けて配置される構成であってもよい。
複数の屋根材130は、棟11から軒先12に向かう傾斜方向で一部が積層される。複数の屋根材130は、それぞれ、下葺き材120が留め付けされた野地板110上に緊結釘140により緊結される。例えば、屋根材130は、野地板110上において、上下方向で中層となる屋根材130の上下のそれぞれに他の屋根材130の一部が積層され、結果として3層の屋根材130となる。即ち、具体例として、図2及び図3に示すように、1枚の野地板110に重なる屋根材130は、上下方向で最大3枚が部分的に積層されるが、平面視では、図4に示すように、1枚の屋根材130の下方及び上方に積層される屋根材130は、それぞれ2枚となる。即ち、上下方向の層毎に、屋根材130を第2方向にずらして配置させることから、一枚の屋根材130に2枚の屋根材130の一部が重ねて配置される。
また、図4に示すように、重ねて配置される複数の屋根材130のうち、上方に配置される屋根材130は、下方に配置される屋根材130の下穴131及び緊結釘140を覆う位置に配置される。
図4に示すように、屋根材130は、矩形の板状に形成される。屋根材130は、所謂化粧スレートである。図2乃至図4に示すように、屋根材130は、例えば、第1方向の中央側に、第1方向と直交する幅方向に並んだ複数の下穴(孔)131を有する。図2及び図3に示すように、下穴131は、緊結釘140の頭部141の外径よりも小径であって、且つ、緊結釘140の釘部142の外径よりも大径に形成される。即ち、下穴131は、緊結釘140の釘部142を挿通させる開口である。
下穴131は、例えば屋根材130の幅方向(第2方向)において3箇所以上に形成される。本実施形態の例では、下穴131は、第2方向に並んで4箇所に設けられる。例えば、図4に示すように、4つの下穴131は、屋根材130の第1方向で中央側に配置されるとともに、4つの下穴131のうち2つの下穴131は、幅方向(第2方向)で一方側に、残り2つの下穴131は幅方向で他方側に配置される。
屋根材130の棟11側となる端部(上端部)は、部分的に傾斜して形成される。具体例として、屋根材130は、上方に重ねて配置される屋根材130を緊結する緊結釘140と第1方向で隣接する部位に第2方向で隣接する部位を要部として、屋根材130の上端部から下端部側に向かう方向で、野地板110の第1方向及び第2方向に対して傾斜する。
屋根材130の棟11側となる端部についてより具体的に説明する。図4に示すように、屋根材130は、上端部に、重ねて上方に配置される屋根材130の下穴131と下穴131に挿入され、該屋根材130を緊結する緊結釘140とに、第1方向で隣接する部位に複数の頂部130aを有する。このため、複数の頂部130aは、下穴131と同数、又は、上方に重ねて配置される屋根材130に設けられた下穴131のうち、第1方向で隣接する領域に設けられた下穴131と同数となる。
また、屋根材130は、上端部に、各頂部130aを頂点として、第1方向及び第2方向に対して傾斜する複数の傾斜部130bを有する。また、屋根材130は、上端部の第2方向で隣り合う頂部130aの間に、単数又は複数の切欠部130cを有する。
頂部130aは、第2方向又は第2方向に交差する方向に延びる平面状の端面を有する形状であってもよく、角状に形成され、稜部が先端を形成する形状であってもよい。例えば、図4に示す例では、頂部130aは、第2方向に交差する方向に延びる平面状の端面を有する構成であり、図5及び図6に示す変形例では、頂部130aは、角状に形成され、稜部が先端を形成する構成である。
なお、屋根材130の配置の具体例としては、図4に示すように、屋根材130は、上方に二枚の屋根材130の一部が第2方向に突き合わせた状態で重ねて配置される。このため、ある一つの屋根材130の上端部には、方に配置される二枚の屋根材130のそれぞれに形成された4つの下穴131のうち2つの下穴131がそれぞれ隣接する。よって、屋根材130の上端部に形成される頂部130aは、上方に配置される二枚の屋根材130のそれぞれ2つの下穴131(合計で4つの下穴131)と隣接する位置に4つ配置される。
傾斜部130bは、上端部の頂部130aから屋根材130の軒先12側となる端部(下端部)に向かって傾斜すればよく、その角度は適宜設定できる。また、複数の傾斜部130bは、傾斜角度が同じであっても異なっていてもよい。また、例えば、複数の傾斜部130bのうち、幅方向で両端側の傾斜部130bの傾斜角度を同じとし、残りの傾斜部130bの傾斜角度を同じとし、両端側とその他の傾斜部130bの傾斜角度を異なる角度としてもよい。また、1つの傾斜部130bにおいて、異なる二つ以上の傾斜角度を有する構成としてもよい。
切欠部130cは、V字状(角状)の切り欠きである。切欠部130cは、傾斜部130bの一部、又は、隣り合う傾斜部130bの間に設けられる。例えば、図4及び図5に示すように、隣り合う頂部130aの間に設けられた隣り合う傾斜部130bの間に一つの切欠部130cを設ける構成としてもよい。
また、図6に示すように、幅方向で屋根材130の両端側に設けられる頂部130aに幅方向外側に隣接する傾斜部130bの中途部に一つの切欠部130cを設ける構成としてもよい。また、図6に示すように、隣り合う頂部130aの間に二つの切欠部130cを設ける構成としてもよい。
このような切欠部130cは、雨水が溜めることで、溜まった雨水が流れる位置を規定することができる。このため、例えば、切欠部130cは、図4に矢印で示すように、切欠部130cに溜まった雨水が流れる方向(第1方向)に屋根材130の下穴131が存しないように、屋根材130の幅方向(第2方向)で下穴131とずれた位置に設けられる。換言すると、切欠部130cは、第1方向において下穴131を避けた位置となるように、屋根材130の第2方向の位置が設定される。
緊結釘140は、図2及び図3に示すように、屋根構造1において、例えば、屋根材130を野地板110に緊結するために用いられる。
緊結釘140は、例えば、野地板110の厚さ方向、換言すると、野地板110の主面の面方向に直交する方向で、野地板110に打ち込まれる。なお、緊結釘140の打ち込み方向は、野地板110の厚さ方向に限定されない。
緊結釘140は、例えば、頭部141と、釘部142と、を備える。
頭部141は、円板状に形成される。
釘部142は、頭部141の一方の主面に一体に成形される。釘部142は、円柱状に形成される。また、釘部142は、例えば、釘部142の軸方向(長手方向)に等間隔に複数形成されたリング状の突起142aを複数有する。
複数の突起142aは、緊結釘140を野地板110に打ち込んだときに、屋根材130を野地板110に緊結する緊結力を向上させる。換言すると、複数の突起142aは、野地板110に打ち付けられたときに、野地板110から緊結釘140が抜ける方向の保持力である引張強度を向上させる。複数の突起142aは、例えば、野地板110及び屋根材130の緊結力を向上可能に、野地板110内に配置される部位に少なくとも設けられる。なお、突起142aの数及び形状は、緊結力を向上可能であれば適宜設定できる。
このように構成された屋根材130及び屋根材130を用いた屋根構造1によれば、屋根材130の上端側の、上部に重ねて配置される屋根材130を緊結する緊結釘140が隣接する部位に頂部130aを設け、頂部130aに隣接して傾斜部130bを設ける構成である。
このため、重ねられた屋根材130の隙間から雨水が浸入し、下穴131及び緊結釘140の隙間から雨水が下方の屋根材130側へ移動したときに、下方の屋根材130の端部の頂部130aにおいて雨水が溜まる前に、傾斜部130bに移動し、傾斜部130bの傾斜によって、雨水が軒先12側に移動する。よって、上方の屋根材130の下穴131から下方に流れた雨水が下方の屋根材130の棟11側の端部に溜まることを防止できる。よって、下葺き材120上に配置された屋根材130の端部に雨水が留まることを防止できるので、緊結釘140が貫通して下葺き材120に形成された開口から雨水が野地板110側へ移動することを防止できる。
以下、この効果について、上下方向で三枚の屋根材130が積層された場合の例を、図3、図4、図8及び図9を用いて説明する。なお、図8及び図9は、従来の技術の屋根材530であり、この従来の屋根材530と比較して屋根材130の効果を説明する。
ここで、下葺き材120上に棟11側の端部が配置される屋根材130を下層屋根材130Aとする。下層屋根材130A上に配置され、野地板110に緊結釘140によって緊結される屋根材130を中層屋根材130Bとする。中層屋根材130B上に配置され、軒先12側の端部によって中層屋根材130Bを緊結する緊結釘140を覆う屋根材130を上層屋根材130Cとする。
なお、図2及び図3の各屋根材130において下層、中層、上層と説明したが、これは、図2及び図3に示す屋根材130の配置関係を説明するために便宜上用いたが、これら用語は屋根材130の配置を限定するものではない。即ち、一つの屋根材130は、部位によって下層、中層及び上層に配置されることがあるためである。より具体的に説明すると、一つの屋根材130の下穴131が形成される中央部が中層屋根材130Bを構成するが、該屋根材130の棟11側の端部は、下葺き材120上に配置されることから、棟11側の端部が下層屋根材130Aを構成し、該屋根材130の軒先12側の端部が他の屋根材130を緊結する緊結釘140を覆うことから、軒先12側の端部が上層屋根材130Cを構成する。よって、一つの屋根材130は、部分的に、他の屋根材130と積層されることで、各位置において三層の屋根材130の下層、中層及び上層を構成する。
先ず、複数の屋根材130を積層して配置すると、少なくとも、中層屋根材130B及び上層屋根材130Cの間には微小の隙間が生じる。この微小の隙間は、緊結釘140の頭部141の厚さ、中層屋根材130B及び上層屋根材130Cの角度差、緊結釘140から上層屋根材130Cの軒先12側の端部までの距離等の要素によって生じる。
なお、説明の便宜上、図2及び図3において、各屋根材130間の隙間を適宜拡大、縮小、省略又は簡略化して示すが、実際の屋根構造1において生じる隙間とは異なることは勿論のことである。
そして、雨水は、中層屋根材130B及び上層屋根材130Cの隙間から浸入する。これは、水頭、風、毛細管作用等によるものである。そして、中層屋根材130B及び上層屋根材130Cの隙間から浸入した雨水は、種々の条件が揃うと、毛細管作用等によって中層屋根材130Bの下穴131まで移動することがある。
下穴131まで到達した雨水は、下穴131と緊結釘140との間に生じる隙間から、下方、即ち、野地板110上の下葺き材120へと移動する。野地板110は傾斜することから、下葺き材120に移動した雨水は、下層屋根材130A側に移動する。
例えば、図8に示す従来の技術の屋根材530のように、複数の緊結釘140と隣接する棟11側の端部が平面状である場合には、矢印に示すように雨水が移動し、図8中に500で示すように、下葺き材120と屋根材530との隅部に雨水が溜まる。このとき、屋根材530の棟11側の端部は、上方に重ねられる中層屋根材となる屋根材530を緊結する緊結釘140と隣接することから、下葺き材120の緊結釘140で貫通している部分に雨水溜まり500が生じることになる。
また、一度溜まった雨水溜まり500の雨水は、屋根材530と下葺き材120との間から徐々に下方へ移動するが、その移動量は少なく、長時間滞留することになる。このため、下葺き材120の劣化を早めることになり、また、下葺き材120及び屋根材530の間に広がった雨水が下葺き材120全体の劣化の要因となる。加えて、下葺き材120の緊結釘140が貫通している部分から野地板110側に雨水が通過しやすくなり、野地板110に雨水が移動すると、野地板110の腐食や、雨漏りが生じる虞がある。
しかしながら、図2乃至図4に示すように、本実施形態の屋根材130は、重ねられる屋根材130を緊結する緊結釘140と隣接する位置に頂部130aが形成され、そして、頂部130aに隣接して傾斜部130bが設けられる。よって、図3及び図4に矢印で示すように、下葺き材120と下層屋根材130Aの頂部130aとの隅部にした雨水は、頂部130aから傾斜部130bへと移動する。
そして、雨水は、傾斜部130bに沿って、下葺き材120上を軒先12側に向かって移動する。また、傾斜部130bに切欠部130cが形成されていることから、下葺き材120上を傾斜部130bに沿って移動した雨水は、切欠部130cに集中して溜まることになる。このため、雨水は、第2方向に広がることが抑制されるため、切欠部130cに溜まり、少ない水量で水位が高くなる。
このため、下層屋根材130Aの上面まで水位が上昇すると、雨水は、下層屋根材130A及び中層屋根材130Bの間の隙間に移動し、下層屋根材130A及び中層屋根材130Bの間から軒先12側へ移動する。また、切欠部130cの下端と頂部130aの上端とは第1方向及び第2方向で離間するため、雨水溜まり500が緊結釘140までの範囲に渡ることを抑制できる。
このように、屋根材130によって、下葺き材120の緊結釘140が貫通している部分に水が溜まることを防止できるため、野地板110側に雨水が移動することを防止できる。よって、屋根材130は、野地板110の腐食や雨漏りの発生を防止できる。また、切欠部130cに雨水溜まり500を生じさせて軒先12側に効率的に雨水を排出することができるため、下葺き材120の劣化を抑制するとともに、下葺き材120及び下層屋根材130Aの間に雨水が移動すること低減できることから、下葺き材120の全体の劣化を抑制できる。
また、本実施形態の屋根材130によれば、屋根材130は、上部に重ねて配置される屋根材130の下穴131に隣接する位置に頂部130aが設けられる。よって、屋根材130を緊結釘140で緊結するときに、下方に配置される屋根材130の頂部130aが上方の屋根材130を支持することになり、緊結釘140を打ち込むときに、上方の屋根材130が破損することを防止できる。
この効果を具体的に説明する。先ず、緊結釘140は、ハンマーで打ち込まれるため、頭部141が下穴131の周囲と当たる。このとき、下方の屋根材130の端部が上方の屋根材130の下穴131の周囲に存しないと、上方の屋根材130に緊結釘140の打ち込みによって生じた衝撃(荷重)によって、撓むことになるが、上方の屋根材130に印加された荷重によって生じる応力は、下方の屋根材130の上端部と同位置に集中することになる。このため、応力が集中する位置が下穴131から離れると、緊結釘140で緊結される上方の屋根材130が割れやすくなる。
しかし、本実施形態の屋根材130は、頂部130aを有し、この頂部130aに隣接して傾斜部130bが設けられる構成である。よって、屋根材130に傾斜部130bが形成されていても、下方となる屋根材130(下層屋根材130A)の頂部130aは、上方となる屋根材130(中層屋根材130B)の下穴131に隣接する。このため、緊結釘140を打ち込んだときの衝撃が生じても、下方の屋根材130の頂部130aは、上方の屋根材130の下穴131近傍で上方の屋根材130を支持することができ、上方の屋根材130が破損することを防止できる。
本実施形態の屋根材130によれば、切欠部130cは、雨水を溜めることで、切欠部130cに溜まった雨水を溢れさせて屋根材130上を流すことができる。また、切欠部130cは、屋根材130の第2方向の位置によって、雨水が流れる位置を自由に設定できる。このため、上述したように、切欠部130cを、屋根材130を固定する緊結釘140が配置される下穴131と第2方向でずれた位置、即ち、下穴131を避けた位置とすることで、図4に矢印で示す雨水の流れのように、切欠部130cから溢れた雨水が下穴131及び緊結釘140にかかりにくくすることができ、切欠部130cから溢れ、屋根材130上を流れる雨水が、再び下穴131から野地板110及び下葺き材120側へ移動することを防止できる。
上述したように、本実施形態に係る屋根材130及び屋根構造1によれば、屋根材130の棟11側の端部に、頂部130a及び頂部130aから軒先12側に傾斜部130bを主受けることで、下葺き材120の緊結釘140が貫通する部位に雨水が溜まることを防止できる。また、屋根材130は、切欠部130cを設けることで、傾斜部130bを流れた雨水を効果的に、雨水を軒先12側に移動させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した屋根材130の頂部130a、傾斜部130b及び切欠部130cの形状及び配置、並びに、傾斜部130b及び切欠部130cの数は適宜設定できる。また、複数の傾斜部130b及び切欠部130cを設ける場合には、一部又は全部を異なる形状としてもよく、想定される流れる雨水に応じてその傾斜角度、数、深さを適宜変更してもよい。
また、これら頂部130a、傾斜部130b及び切欠部130cの一例として、図4乃至図6に屋根材130の3つの例を示したが、これらの例に限定されない。例えば、屋根材130の上方に二枚の屋根材130が第2方向に並んで重ねられ、二枚の屋根材130の突き合わせた隙間から雨水が浸入する虞が有る場合等のように、想定される雨水によっては、例えば、図6の幅方向で中央側の頂部130a間以外にも2つの切欠部130cを設ける構成としてもよく、また、切欠部130cの深さを大きくしてもよいし、部分的に切欠部130cを複数設けても良く、各頂部130a間のそれぞれにおいて、複数の切欠部130cを設ける構成としてもよい。
また、屋根材130は、上述した形状以外の屋根材、例えば、軒用屋根材や棟用屋根材に積層される構成であってもよい。即ち、屋根材130は、複数が部分的に積層される部位に配置される構成であれば適宜設定される。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…屋根構造、11…棟、12…軒先、13…けらば、110…野地板、120…下葺き材、130…屋根材、130a…頂部、130b…傾斜部、130c…切欠部、131…下穴、140…緊結釘、141…頭部、142…釘部、142a…突起。

Claims (6)

  1. 傾斜する野地板と、野地板上に設けられる下葺き材と、を有する屋根構造に複数設けられ、前記下葺き材上に、前記野地板の棟から軒先に向かう方向、及び、前記棟から前記軒先に向かう方向と直交する幅方向に並べて配置されるとともに、上下方向で一部が重ねて配置され、前記野地板に緊結釘で緊結される屋根材であって、
    前記緊結釘を配置する複数の孔を有し、
    上端部が、上方に重ねて配置される前記屋根材を緊結する複数の前記緊結釘が隣接する部位をそれぞれ頂部として幅方向で、前記上端部から下端部側に向かって傾斜する、屋根材。
  2. 前記屋根材は、前記上端部の隣り合う前記頂部の間の一部に形成された複数の切欠部を有する、請求項1に記載の屋根材。
  3. 前記切欠部は、前記孔と、幅方向にずれた位置に配置される、請求項2に記載の屋根材。
  4. 傾斜する野地板と、
    野地板上に設けられる下葺き材と、
    複数の孔を有し、前記下葺き材上に配置して前記野地板に緊結され、前記野地板の棟から軒先に向かう方向、及び、前記棟から前記軒先に向かう方向と直交する幅方向に並べて配置されるとともに、上下方向で一部が重ねて配置される複数の屋根材と、
    前記孔に挿入され、前記屋根材を前記野地板に緊結する複数の緊結釘と、
    を備え、
    前記屋根材の上端部は、上方に重ねて配置される前記屋根材を緊結する複数の前記緊結釘が隣接する部位をそれぞれ頂部として幅方向で、前記上端部から下端部側に向かって傾斜する、屋根構造。
  5. 前記屋根材は、前記上端部の隣り合う前記頂部の間の一部に形成された複数の切欠部を有する、請求項4に記載の屋根構造。
  6. 前記切欠部は、前記孔と、幅方向にずれた位置に配置される、請求項5に記載の屋根構造。
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