JP2022166959A - 半導体加工用粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】チップへの負荷を軽減することが可能な半導体加工用粘着テープを提供する。【解決手段】基材1と、基材の一方の面に配置された粘着層2を有する半導体加工用粘着テープ10であって、基材の製造時における流れ方向に対して垂直な方向の100%伸長時の応力に対する、基材の製造時における流れ方向の100%伸長時の応力の比が1.3以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、半導体加工用粘着テープに関する。
半導体の製造工程では、例えば、電子回路が高集積で形成されたウェハを半導体加工用粘着テープに貼り付けた後、ウェハをチップに切断(ダイシング)するダイシング工程と、切断されたチップ同士の間隔を広げるエキスパンド工程と、チップをピックアップするピックアップ工程と、ピックアップされたチップを基板等に接着するマウント(ダイボンディング)工程と、が行われる。
ダイシング工程においては、ダイシングテープと呼ばれる半導体加工用粘着テープが使用される。ダイシングテープは、ダイシング工程からピックアップ工程までの間、ウェハおよびチップを保護および固定するためのものである。
ダイシングテープには、例えば、ウェハおよびチップを十分な粘着力で固定できること;エキスパンド工程においてチップ間隔を広げるために十分なエキスパンド性を有すること;ピックアップ工程においてチップを破損することなくチップを容易に剥離できる、つまり良好なピックアップ性を有すること;等が要求される。
このような要求に応えるために、ダイシングテープの粘着力や柔軟性を制御することが検討されている。
例えば特許文献1には、基材フィルム上に粘着剤層を有する半導体加工用粘着テープであって、上記半導体加工用粘着テープの5%モジュラスが3.0~15.0MPaであり、UV照射前のSiに対するせん断接着力が30~400N/cmであり、UV照射後のSiに対するせん断接着力が150~700N/cmである、半導体加工用粘着テープが提案されている。
また、例えば特許文献2には、100%強度が、3~14N/15mmであり、復元率が、75~100%である、半導体加工用シートが提案されている。
特許第6535047号公報 特許第6539336号公報
近年、電子機器の高機能化に伴い、ウェハの薄型化やチップの小型、薄型、高集積化が進んでおり、製造工程においてチップの欠けや割れの破損およびチップ飛びが発生しやすくなっており、歩留り低下の要因となっている。このため、半導体加工用粘着テープには、ダイシング工程からピックアップ工程までの間におけるチップへの負荷を軽減することが求められている。
しかしながら、ダイシングテープの粘着力や柔軟性を制御するだけでは、チップへの負荷を軽減するには不十分であった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、チップへの負荷を軽減することが可能な半導体加工用粘着テープを提供することを主目的とする。
本開示の一実施形態は、基材と、上記基材の一方の面に配置された粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が1.3以下である、半導体加工用粘着テープを提供する。
本開示における半導体加工用粘着テープは、チップへの負荷を軽減することが可能であるという効果を奏する。
本開示における半導体加工用粘着テープの一例を示す概略断面図である。 ピックアップ工程を例示する工程図である。 ピックアップ工程を例示する工程図である。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープについて、詳細に説明する。
本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と、上記基材の一方の面に配置された粘着層と、を有し、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が1.3以下である。
図1は、本開示の半導体加工用粘着テープを例示する概略断面図である。図1における半導体加工用粘着テープ10は、基材1と、基材1の一方の面に配置された粘着層2とを有している。半導体加工用粘着テープ10においては、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の値以下である。
本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の値以下であり、等方的な引張特性を有する。このため、エキスパンド工程では、半導体加工用粘着テープをMD方向およびTD方向に均一に拡張することができ、チップ間隔を均一に広げることができる。また、エキスパンド工程において半導体加工用粘着テープを拡張することによってチップに応力がかかった場合でも、半導体加工用粘着テープがMD方向およびTD方向に均一に拡張することにより、チップにかかる応力を均一にすることができ、チップへの負荷を軽減し、チッピング(チップの欠け)やチップ飛びを抑制することができる。また、ピックアップ工程では、半導体加工用粘着テープをニードル等により突き上げて拡張するが、この際、半導体加工用粘着テープをMD方向およびTD方向に均一に拡張することができる。これにより、ピックアップ工程において、チップの位置ずれや脱落を抑制し、ピックアップ不良を抑制することができる。また、ピックアップ工程において、チップにかかる応力を均一にすることができ、チップへの負荷を軽減し、チップの割れや欠け等の破損を抑制することができる。したがって、チップの加工精度や歩留りを向上させることができる。
ここで、近年、電子機器の高機能化に伴い、ウェハの薄型化やチップの小型、薄型、高集積化が進んでおり、チップの強度が低下している。このため、ピックアップ性の観点から、エキスパンド工程では、チップ間隔を十分に広げること、すなわち半導体加工用粘着テープを十分に拡張することが望ましい。例えば、エキスパンド工程において、半導体加工用粘着テープを100%程度拡張させることが想定される。
また、ピックアップ工程では、半導体加工用粘着テープのチップが貼付された面とは反対側の面からチップを個々に突き上げることで、ピックアップを行いやすくしており、突き上げの方式としては、例えば、図2(a)~(b)に示すようなニードル12を用いて点でチップ11を突き上げる方式と、図3(a)~(b)に示すようなブロック14を用いて面でチップ11を突き上げる方式とがある。点で突き上げる方式では、チップの強度が低いとチップが破壊される懸念があるのに対して、面で突き上げる方式では、チップの破壊を抑制することができる。一方で、面で突き上げる方式では、点で突き上げる方式と比べて、半導体加工用粘着テープにかかる負荷が大きくなる傾向にある。例えば、ニードルを用いて点でチップを突き上げる場合、図2(a)~(b)に示すように、半導体加工用粘着テープ10は、ニードル12の先端の位置と、突き上げられるチップ11に隣接するチップ11の端部の位置との間の領域13で主に伸長する。これに対し、ブロックを用いて面でチップを突き上げる場合、図3(a)~(b)に示すように、半導体加工用粘着テープ10は、ブロック14の端部の位置と、その位置に最も近い、隣接するチップ11の端部の位置との間の領域13で主に伸長し、点で突き上げる方式と比べて、狭い領域で伸長することになる。そのため、面で突き上げる方式の場合、従来の半導体加工用粘着テープを使用すると、半導体加工用粘着テープが伸長する余裕が不十分となり、適切な高さまで突き上げを行うことができなくなるおそれがある。よって、面で突き上げる方式の場合には、半導体加工用粘着テープは十分に伸長することができるものであることが望ましい。このように例えばブロックを用いて面でチップを突き上げる場合、上述したように、半導体加工用粘着テープは、ブロックの端部の位置と、その位置に最も近い、隣接するチップの端部の位置との間の領域で主に伸長することになり、例えば、この領域の伸長率が100%程度になることが想定される。
そこで、本開示の半導体加工用粘着テープにおいては、100%伸長時の応力を規定している。
なお、一般的に、半導体加工用粘着テープにおいては、伸長率が大きくなるほど、MD方向およびTD方向の応力差が増大し異方性が大きくなる傾向がある。このため、例えば、MD方向およびTD方向の30%伸長時の応力差が小さかったとしても、MD方向およびTD方向の100%伸長時の応力差が小さくなるとは限らず、MD方向およびTD方向の100%伸長時の応力比が所定の範囲になるとは限らない。本開示においては、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の範囲であることが重要である。
以下、本開示の半導体加工用粘着テープの各構成について説明する。
1.半導体加工用粘着テープの特性
本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比は、1.3以下であり、好ましくは1.28以下、より好ましくは1.26以下である。上記応力比が上記範囲であることにより、等方的な引張特性を得ることができる。一方、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比は、例えば、0.8以上であり、0.9以上であってもよく、1.0以上であってもよい。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、MD方向の100%伸長時の応力と、TD方向の100%伸長時の応力との差は、例えば、4.0MPa以下であり、好ましくは3.1MPa以下である。上記応力差が上記範囲であることにより、より等方的な引張特性を得ることができる。一方、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、MD方向の100%伸長時の応力と、TD方向の100%伸長時の応力との差の下限については、特に限定されない。
本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、MD方向の100%伸長時の応力は、上記の応力比を満たしていれば特に限定されないが、例えば、20MPa以下であり、好ましくは18MPa以下、より好ましくは16MPa以下である。MD方向の100%伸長時の応力が上記範囲であることにより、エキスパンド性を向上させることができ、低負荷で半導体加工用粘着テープを拡張することができる。一方、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、MD方向の100%伸長時の応力は、例えば、3.0MPa以上であり、好ましくは4.0MPa以上、より好ましくは5.0MPa以上、さらに好ましくは7.0MPa以上、特に好ましくは10MPa以上である。MD方向の100%伸長時の応力が小さすぎると、柔軟性が高くなりすぎて、安定したダイシング加工を行うことが困難になる可能性がある。
また、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、TD方向の100%伸長時の応力は、上記の応力比を満たしていれば特に限定されないが、例えば、16MPa以下であり、好ましくは14MPa以下、より好ましくは12MPa以下である。TD方向の100%伸長時の応力が上記範囲であることにより、エキスパンド性を向上させることができ、低負荷で半導体加工用粘着テープを拡張することができる。一方、本開示の半導体加工用粘着テープにおいて、TD方向の100%伸長時の応力は、例えば、2.0MPa以上であり、好ましくは3.0MPa以上、より好ましくは4.0MPa以上、さらに好ましくは7.0MPa以上、特に好ましくは10MPa以上である。TD方向の100%伸長時の応力が小さすぎると、柔軟性が高くなりすぎて、安定したダイシング加工を行うことが困難になる可能性がある。
ここで、半導体加工用粘着テープのMD方向およびTD方向の100%伸長時の応力はそれぞれ、JIS K7127に準拠して測定することができる。具体的な測定条件については、実施例の項に記載する。
また、MD方向とは、基材の製造時における流れ方向をいい、TD方向とは、MD方向に対して垂直な方向をいう。例えば、半導体加工用粘着テープが長尺状である、または枚葉状であり矩形状である場合、MD方向は半導体加工用粘着テープの長さ方向、TD方向は半導体加工用粘着テープの幅方向を示す。
MD方向の100%伸長時の応力およびTD方向の100%伸長時の応力を調整する方法としては、例えば、基材の製膜方法、基材の製膜条件、基材の組成等を調整する方法が挙げられる。例えば、基材の製膜方法がキャスト法である場合、上記の応力の差を小さくすることができ、上記の応力の比を所定の範囲にすることができる。また、例えば、基材の製膜方法がカレンダー法または押出成形法である場合、製膜時の張力を調整することにより、上記の応力を調整することができる。具体的には、製膜時の張力を小さくすることにより、上記の応力の差を小さくすることができ、上記の応力の比を所定の範囲にすることができる。また、例えば、基材が無延伸フィルムである場合、上記の応力の差を小さくすることができる。また、例えば、基材が二軸延伸フィルムである場合、MD方向およびTD方向の延伸倍率を等しくし、同時二軸延伸を行うことにより、上記の応力の差を小さくすることができる。また、基材が可塑剤を含有する場合、可塑剤の含有量が多くなると、製膜時の張力の影響が少なくなり、上記の応力の差が小さくなる傾向がある。
3.基材
本開示における基材は、上記粘着層を支持する部材である。
基材は、エキスパンド可能であればよく、中でも、柔軟性を有することが好ましい。具体的には、基材のヤング率は、500MPa以下であることが好ましく、300MPa以下であることがより好ましく、150MPa以下であることがさらに好ましい。基材のヤング率が高すぎると、エキスパンド性が低下する可能性がある。また、基材のヤング率は、例えば、20MPa以上であることが好ましく、30MPa以上であることがより好ましく、40MPa以上であることがさらに好ましい。基材のヤング率が低すぎると、基材が極端に柔らかくなり、半導体加工用粘着テープをMD方向およびTD方向に均一に拡張することが困難になる可能性がある。
ここで、基材のヤング率、JIS K7127に準拠して測定することができる。具体的な測定条件については、実施例の項に記載する。
基材は、エキスパンド可能であり、柔軟性を有し、半導体加工用粘着テープの上記応力比を満たすことが可能なものであれば特に限定されない。基材の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂;ウレタン樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;フッ素樹脂等が挙げられる。また、基材の材質としては、例えば、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー、アミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマー;イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム等のゴム系材料を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、オレフィン系樹脂または塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル樹脂がより好ましい。すなわち、基材は、オレフィン系樹脂または塩化ビニル樹脂を含有することが好ましく、塩化ビニル樹脂を含有することがより好ましい。塩化ビニル樹脂は可塑剤を添加することにより軟化するため、いわゆる軟質塩化ビニル樹脂を用いることにより、後述するように降伏点を有さない基材とすることができる。
塩化ビニル樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-スチレン共重合体、塩化ビニル-イソブチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-スチレン-無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル-スチレン-アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-イソプレン共重合体、塩化ビニル-塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-各種ビニルエーテル共重合体等の塩素含有樹脂;それらの塩素含有樹脂の混合物;それらの塩素含有樹脂と他の塩素を含まない樹脂との混合物、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。他の塩素を含まない樹脂としては、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン三元共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等が挙げられる。
基材は、降伏点を有さないことが好ましい。すなわち、基材は、応力-歪み曲線において、弾性変形を示すことが好ましい。応力-歪み曲線は、引張試験により得られる応力と歪みの関係曲線であり、歪み(%)を横軸に、応力(MPa)を縦軸にとって描かれる。応力-歪み曲線における降伏点までの領域は、弾性変形領域とみなせ、応力-歪み曲線における降伏点以降の領域は、塑性変形領域とみなせる。そのため、基材が降伏点を有さない場合には、基材は弾性変形を示すということができる。基材が降伏点を有さない場合には、エキスパンド工程およびピックアップ工程において、半導体加工用粘着テープをより均一に拡張させることができる。また、基材が降伏点を有さない場合には、基材を伸長させても復元性を失わないため、半導体の加工をしやすくすることができる。
ここで、「降伏」とは、応力-歪み曲線で見られるように、物体に働く応力が弾性限度を超えると応力の増大がないのに変形が徐々に進行する現象のことをいい、「降伏点」とは、弾性挙動の最大応力値における点のことをいう。
降伏点の有無は、以下の方法により確認することができる。基材についてMD方向およびTD方向にそれぞれ引張試験を行い、基材が破断するまでの応力と歪みを測定し、歪みを横軸、応力を縦軸にそれぞれプロットする。その際、傾きが正の値からゼロまたは負の値に変化する応力値をとる場合を降伏点を有する、傾きが正の値からゼロまたは負の値に変化する応力値をとらない場合を降伏点を有さないとする。引張試験は、JIS K7127に準拠して行うことができる。引張試験機としては、例えば、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いることができる。基材は、MD方向およびTD方向の引張試験のいずれの場合においても、降伏点を有さないことが好ましい。
基材は、必要に応じて、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、難燃剤、着色剤等の各種の添加剤を含有していてもよい。
基材が可塑剤を含有する場合には、上述したように、可塑剤の添加量によって、半導体加工用粘着テープの上記応力比を調整することができる。可塑剤の添加量が多くなると、製膜時の張力の影響が少なくなり、半導体加工用粘着テープの上記応力差が小さくなる傾向がある。基材が塩化ビニル樹脂を含有する場合には、通常、可塑剤が添加される。可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等のフタル酸系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジピン酸系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコールと、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸との重縮合物を、必要により一価アルコールやモノカルボン酸で処理した、ポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤等が挙げられる。
また、可塑剤の含有量としては、例えば、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、15質量部以上70質量部以下とすることができる。可塑剤の含有量が上記範囲内であると、半導体加工用粘着テープの上記応力比を所望の範囲に調整しやすい。なお、上述したように、可塑剤の含有量が多くなると、半導体加工用粘着テープの上記応力差が小さくなる傾向があるが、可塑剤の含有量が多すぎると、基材から粘着層に可塑剤が移行しやすくなるため、粘着層の粘着力が低下する可能性がある。また、可塑剤の含有量が多すぎると、基材の復元性が低下する可能性がある。
基材は、例えば、単層であってもよく、多層であってもよい。
また、基材は、例えば、無延伸フィルムであってもよく、二軸延伸フィルム等の延伸フィルムであってもよい。無延伸フィルムでは、等方的な引張特性を有する基材が得られやすい。
基材は透明性を有していてもよい。例えば、上記粘着層がエネルギー照射により粘着力が低下する粘着層である場合には、基材はエネルギー線を透過するものであることが好ましい。
基材の粘着層側の面には、粘着層との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、特に限定されず、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、蒸着処理、アルカリ処理等が挙げられる。
基材の厚さとしては、特に限定されず、例えば、20μm以上500μm以下であり、40μm以上350μm以下であってもよく、50μm以上200μm以下であってもよい。基材の厚さが上記範囲内であれば、エキスパンド工程において拡張しやすく、またピックアップ工程において破断しない程度の十分な強度を有する基材とすることができる。
基材の製膜方法としては、半導体加工用粘着テープの上記応力比を満たすことができる基材を製造可能な方法であれば特に限定されず、例えば、キャスト法、カレンダー法、押出成形法等、従来公知の製膜方法を用いることができる。中でも、キャスト法が好ましい。キャスト法の場合、等方的な引張特性を有する基材が得られやすい。
また、カレンダー法および押出成形法の場合、上述したように、製膜時の張力を小さくすることにより、半導体加工用粘着テープの上記応力比を所望の範囲にすることができる。例えば、カレンダー法の場合、製膜時の張力は2kg/cm以上8kg/cm以下程度とされることがあり、上記範囲の中でも製膜時の張力を小さくすることにより、あるいは、製膜時の張力を上記の通常の製膜時の張力よりも小さくすることにより、半導体加工用粘着テープの上記応力比を所望の範囲にすることができる。
また、基材の製造においては、延伸を行ってもよい。延伸を行う場合、上述したように、MD方向およびTD方向の延伸倍率を等しくし、MD方向およびTD方向に同時に延伸する同時二軸延伸を行うことが好ましい。このような同時二軸延伸では、等方的な引張特性を有する基材が得られやすい。
3.粘着層
本開示における粘着層としては、ダイシング工程ではウェハおよび分割されたチップを十分に固定することができ、ピックアップ工程ではチップを破壊せず、容易に剥離することができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に半導体加工用粘着テープに用いられる粘着層を使用することができる。粘着層としては、例えば、微粘着性を示す粘着層や、エネルギー線照射により粘着力が低下する粘着層を挙げることができる。以下、それぞれの粘着層に分けて説明する。
(1)粘着層の第1態様
本態様の粘着層は、微粘着性を示す粘着層である。
本態様の粘着層においては、初期粘着力が低いものの、ダイシング工程ではウェハおよび分割されたチップを十分に固定することができ、また、初期粘着力が低いことから、再剥離性に優れており、ピックアップ工程ではチップを容易に糊残りなく剥離することができる。
ここで、粘着層が微粘着性を示すとは、ダイシング工程ではウェハおよび分割されたチップを十分に固定することができ、ピックアップ工程ではチップを破壊せず、容易に剥離することができる程度の粘着力を示すことをいう。
具体的には、粘着層の初期粘着力は、6N/25mm以下であり、好ましくは3N/25mm以下、より好ましくは2N/25mm以下である。一方、粘着層の初期粘着力は、例えば、0.05N/25mm以上であることが好ましい。
ここで、粘着層の粘着力は、JIS Z0237に準拠し、幅25mm、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、試験片の長さ方向に剥がすことにより、測定することができる。
粘着層の材料としては、上述の初期粘着力を示すことが可能であれば特に限定されないが、中でも、粘着層はアクリル系樹脂を少なくとも含むことが好ましく、アクリル系樹脂および硬化樹脂を含むことがより好ましい。粘着層がアクリル系樹脂および硬化樹脂を含むことで、耐熱性や耐薬品性を高めることができ、またアウトガスの発生を低減することができる。
ここで、本態様において、粘着層がアクリル系樹脂を含むとは、層内において、アクリル系樹脂が架橋を形成せずに単体で存在していてもよく、アクリル系樹脂間もしくはアクリル系樹脂と他の樹脂との間で架橋形成されてなる架橋体として存在していてもよく、上記単体および上記架橋体の両方が存在していてもよい。
また、本態様において、粘着層に含まれる硬化樹脂とは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が熱や光照射を受けて硬化されたものをいう。
粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物は、上述したように、アクリル系樹脂および硬化性樹脂を含むことが好ましく、中でも、アクリル系樹脂、エポキシ熱硬化性樹脂、および硬化剤を含み、エポキシ熱硬化性樹脂の含有量がアクリル系樹脂100質量部に対して20質量部以上60質量部以下であるもの、あるいは、アクリル系樹脂、架橋剤、光硬化性樹脂、および光開始剤を含むものであることが好ましい。このような粘着剤組成物により形成される粘着層は、ウェハおよび分割されたチップを固定するのに十分な初期粘着力を有することができる。また、上記粘着剤組成物により形成される粘着層においては、粘着力が初期からほとんど変化しないため、優れた剥離性を示すことができる。このため、ピックアップ工程において、チップを容易に糊残りなく剥離することができる。さらに、上記粘着剤組成物により形成される粘着層は、エポキシ熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が硬化した硬化樹脂を含むことから、アクリル系樹脂単独の場合と比較して、耐熱性や耐薬品性を高めることができ、またアウトガスの発生を低減することができる。
以下、本態様の粘着層の形成に用いられる粘着剤組成物の好ましい態様について説明する。
(a)粘着剤組成物の第1態様
本態様の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、エポキシ熱硬化性樹脂、および硬化剤を含み、上記エポキシ熱硬化性樹脂の含有量が上記アクリル系樹脂100質量部に対して20質量部以上60質量部以下である。
粘着剤組成物を用いて形成される粘着層は、アクリル系樹脂の単体およびエポキシ硬化樹脂を含む。また、粘着層は、アクリル系樹脂の架橋体や、アクリル系樹脂とエポキシ熱硬化性樹脂とが反応した架橋体を含む場合もある。
(i)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステル共重合体において(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするとは、共重合体において、他の単量体よりも(メタ)アクリル酸エステルの割合が30質量%よりも多いことをいい、具体的には、共重合割合が51質量%以上であることをいう。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方をいうものとする。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1以上30以下の直鎖状または分岐状のアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等を使用することができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、特開2014-101457号公報で開示されるものが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは1種または2種以上を含んでいてもよい。中でも、炭素数1以上18以下、特に炭素数1以上8以下の(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。アクリル系樹脂のガラス転移点を後述する範囲内とすることができ、粘着層の粘着性および耐熱性を向上させることができる。
上記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルとモノマーまたはオリゴマーとの共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸エステルの他に必要に応じて他のモノマーまたはオリゴマーを共重合成分として含むことで、凝集力、耐熱性等の改質を図ることができる。上記共重合成分は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な官能基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、芳香族ビニル化合物等が挙げられる。また、共重合成分として、シアノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー等の窒素含有モノマーを用いてもよい。上記共重合成分は、アクリル酸エステル重合体に共重合成分として含まれてもよい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、10万以上200万以下であることが好ましく、より好ましくは20万以上100万以下である。重量平均分子量が上記範囲よりも小さいと、粘着層の粘着力が劣る場合がある。一方、重量平均分子量が上記範囲よりも大きいと、粘着剤組成物の塗工性が悪化する場合や、エポキシ熱硬化性樹脂との相溶性が低下して、粘着層が所望の粘着性を得ることが困難となる場合がある。
ここで、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した際のポリスチレン換算値である。重量平均分子量は、例えば、測定装置に東ソー株式会社製のHLC-8220GPCを、カラムに東ソー株式会社製のTSKGEL-SUPERMULTIPORE-HZ-Mを、溶媒にTHFを、標準品として分子量が1050、5970、18100、37900、96400、706000の標準ポリスチレンを用いることで測定することができる。
アクリル系樹脂のガラス転移点は、例えば、-20℃以上30℃以下であることが好ましく、-15℃以上20℃以下であることがより好ましい。ガラス転移点が上記範囲にあるアクリル系樹脂を粘着剤組成物の主剤として用いることにより、凝集力を維持しながら、アクリル系樹脂と他の成分との相溶性を向上させることができる。
アクリル系樹脂のガラス転移点は、使用するモノマー単位の種類や、組み合わせるモノマー単位の比率等を変更することにより、適宜調整することができる。アクリル系樹脂は、モノマーを単独重合した重合体(ホモポリマー)の場合であってもガラス転移点が上記範囲となるものもあるが、ホモポリマーのガラス転移点が上記範囲にないようなモノマー単位の使用が制限されるわけではなく、種々のモノマー単位を組み合わせて共重合した共重合体のガラス転移点が上記範囲内にあればよい。
ここで、本明細書において、ガラス転移点は、損失正接(tanδ)のピークトップの値に基づく方法(DMA法)により測定された値を意味する。また、損失正接は、損失弾性率/貯蔵弾性率の値により決定される。これら弾性率は、重合体または共重合体に対して一定の周波数で力を付与したときの応力を動的粘弾性測定装置を用いて測定される。
アクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸エステル、モノマー、オリゴマー等の単量体を、通常の溶液重合、塊状重合、乳化重合または懸濁重合等の方法により重合させることにより得ることができる。
(ii)エポキシ熱硬化性樹脂
エポキシ熱硬化性樹脂は、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有する。エポキシ熱硬化性樹脂は、後述する硬化剤との併用により架橋重合反応により硬化して、エポキシ硬化樹脂となる。
エポキシ熱硬化性樹脂のエポキシ当量は、例えば、100g/eq.以上2000g/eq.以下であることが好ましい。エポキシ熱硬化性樹脂のエポキシ当量が上記範囲に満たないと、硬化に際し架橋密度が高くなりすぎて、粘着層の粘着力が所望の範囲よりも低下してしまう場合がある。一方、エポキシ当量が上記範囲を超えると、粘着層の耐熱性が不十分となる場合がある。なお、エポキシ当量は、JIS K7236に準拠した方法により測定した1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
エポキシ熱硬化性樹脂の重量平均分子量は、特に制限はないが、アクリル系樹脂との相溶性の観点から、一般的には300以上5000以下であることが好ましい。粘着層の耐熱性等の観点からは、上記範囲内において高分子量のエポキシ熱硬化性樹脂を使用することがより好ましい。
エポキシ熱硬化性樹脂としては、例えば、特開2011-202045号公報に開示されるエポキシ系樹脂が挙げられる。中でも、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格等の剛直構造を主鎖に持つエポキシ系樹脂が好ましく、より好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、特に好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
エポキシ熱硬化性樹脂のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体のものと常温で固体のものとが存在する。主鎖の炭素数が1以上3以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体であり、主鎖の炭素数が2以上10以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、機械的強度および耐熱性の観点から、ガラス転移点が50℃以上150℃以下であるものが好ましい。常温で液体である主鎖の炭素数が1以上3以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂、および常温で固体である主鎖の炭素数が2以上10以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、特開2011-202045号公報に開示されるものが挙げられる。
初期粘着力が低く、且つ、高温において粘着力を維持でき、糊残りの発生の少ない粘着層を形成するためには、エポキシ熱硬化性樹脂の含有量は、アクリル系樹脂に100質量部に対して、20質量部以上60質量部以下であり、中でも30質量部以上50質量部以下であることが好ましい。エポキシ熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲よりも少ないと、粘着層の初期粘着力が増加したり、高温において粘着力が増加する傾向にある。一方、エポキシ熱硬化性樹脂の含有量が上記範囲を超えると、初期粘着力が低下して、常温においてウェハや分割されたチップとの密着性が十分に得られない場合がある。
(iii)硬化剤
上記エポキシ熱硬化性樹脂は、加熱等により反応が進行して硬化するが、通常は、硬化反応を促進するための硬化剤が粘着剤組成物中に含まれる。硬化剤は、エポキシ熱硬化性樹脂と当量で反応可能なものであればよく、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤を好適に使用することができる。また、エポキシ熱硬化性樹脂を単独で硬化(重合)させることが可能な硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤やカチオン系硬化剤等が挙げられる。中でも、エポキシ熱硬化性樹脂の骨格由来の性能を期待でき、添加量が少なくてもエポキシ熱硬化性樹脂を単独で硬化させ得るイミダゾール系硬化剤やカチオン系硬化剤を使用することが好ましい。
硬化剤の含有量は、エポキシ熱硬化性樹脂の重合態様に応じて適宜設定することができる。例えば、エポキシ熱硬化性樹脂を単独で重合させ硬化させる場合、硬化剤の含有量は、例えば、エポキシ熱硬化性樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。一方、エポキシ熱硬化性樹脂と硬化剤とを当量で重合反応させて硬化させる場合、硬化剤の含有量は、例えば、エポキシ熱硬化性樹脂のエポキシ当量に対して0.7以上1.2以下であることが好ましい。エポキシ熱硬化性樹脂に対する硬化剤の含有量が少ないと、粘着剤組成物を硬化させる際にエポキシ熱硬化性樹脂の硬化時間が長くなる等の硬化不足が生じ、粘着層が所望の粘着力を示さない場合がある。一方、硬化剤の含有量が過剰になると、粘着剤組成物の保存安定性が低下したり、エポキシ熱硬化性樹脂の硬化密度が高くなり過ぎて、本態様の粘着層が所望の粘着力を示さない場合がある。
(iv)その他の材料
本態様の粘着剤組成物には、架橋剤が含まれていてもよい。粘着剤組成物により形成される粘着層内において、アクリル系樹脂は、通常、架橋を形成せずに単体として存在するが、粘着剤組成物に架橋剤を添加することにより、得られる粘着層は、アクリル系樹脂間で架橋形成された架橋体を一部に含むものとなる。これにより、粘着層を、粘着力を維持しながらベタつきが改善されたものとすることができる。
架橋剤は、従来公知のものを使用することができ、例えば、多官能エポキシ化合物やイソシアネート化合物が挙げられる。
さらに、本態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤等の任意の添加剤を含んでいてもよい。また、態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、シラン系、チタン系、アルミニウム系等のカップリング剤を含むことができる。
(b)粘着剤組成物の第2態様
本態様の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、架橋剤、光硬化性樹脂、および光開始剤を含むものである。上記粘着剤組成物により形成される粘着層は、アクリル系樹脂の架橋体および光硬化性樹脂が硬化してなる硬化樹脂を少なくとも含むが、アクリル系樹脂の架橋体と共にアクリル系樹脂の単体を含んでいてもよい。
本態様の粘着剤組成物は、光硬化性樹脂が含まれることにより、粘着層の形成に際し、エネルギー線の照射によって粘着剤組成物の塗布膜中で光硬化性樹脂が硬化して硬化樹脂となるため、上記塗布膜が適度に硬くなり、アクリル系樹脂の架橋反応が進行しても、糊残りが生じにくい剥離性に優れた粘着層になると考えられる。なお、光硬化性樹脂の硬化の際に用いられるエネルギー線の種類については、後述の粘着層の第2態様の項で説明するものと同様とすることができる。
(i)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂としては、特に限定されず、上記の粘着剤組成物の第1態様におけるアクリル系樹脂と同様に、アクリル酸エステル重合体や(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする(メタ)アクリル酸エステル共重合体が用いられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、粘着性および塗工性の観点から、5万以上100万以下であることが好ましく、より好ましくは10万以上80万以下である。
アクリル系樹脂における(メタ)アクリル酸エステル、モノマー、およびオリゴマー、ならびにこれらの重合方法等については、上記の粘着剤組成物の第1態様の項で説明した内容と同様とすることができる。
アクリル系樹脂のガラス転移点、および上記ガラス転移点を示すことによる効果についても、上記の粘着剤組成物の第1態様の項で説明した内容と同様とすることができる。
(ii)光硬化性樹脂
光硬化性樹脂は、エネルギー線照射により重合可能なラジカル重合性の化合物であれば特に制限なく使用することができ、例えば、アクリレート基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマー等が挙げられる。このような化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系の光硬化性化合物を好ましく使用することができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、2官能性のモノマーまたはオリゴマーを好適に使用することができる。
また、アクリル系樹脂との相溶性の観点から、例えば、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシ(メタ)アクリレート類や、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタン(メタ)アクリレートを好適に使用することができる。
光硬化性樹脂の含有量は、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であり、好ましくは5質量部以上80質量部以下である。光硬化性樹脂を上記の範囲で含むことにより、粘着層の初期粘着力および凝集力を向上させ、高温での粘着力の変化を抑制することができる。
(iii)光開始剤
光開始剤は、光照射によりリビングラジカル重合開始能を発揮することができ、光硬化性樹脂を硬化させることが可能なものであれば特に限定されず、公知の光開始剤から光硬化性樹脂の種類に応じて、1種または2種以上を適宜選択することができる。具体的には、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、α-ヒドロキシケトン類、ベンジルメチルケタール類、α-アミノケトン類、ビスアシルフォスフィンオキサイド類が挙げられる。光硬化性樹脂としてウレタンアクリレートを使用する場合には、光開始剤がビスアシルフォスフィン系光開始剤であることが好ましい。上記光開始剤は耐熱性を有し、基材に粘着剤組成物を塗布して光照射を行う際に、基材を介して光照射を行う場合であっても確実に光硬化性樹脂を硬化させることができる。
(iv)架橋剤
架橋剤は、アクリル系樹脂を架橋させることが可能なものであればよく、例えば、多官能エポキシ系化合物やイソシアネート系化合物等の従来公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、特開2012-177084号公報に開示される多官能エポキシ系化合物やイソシアネート系化合物が挙げられる。
架橋剤の含有量は、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であり、好ましくは0.3質量部以上10質量部以下である。得られる粘着層の初期粘着力を抑えながら凝集性を高めることができ、容易に貼り直しが可能であり、また、浮きや剥がれの発生を抑制することができる。
さらに、本態様の粘着剤組成物は、必要に応じて、上記の粘着剤組成物の第1態様と同様に、任意の添加剤やカップリング剤を含むことができる。
(c)粘着剤組成物の調製方法
粘着剤組成物は、上述の各成分を混合し、必要に応じて混練ないし分散して調製することができる。混練ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、例えば特開2014-234460号公報で開示される従来公知の混練分散機等が適用できる。また、粘着剤組成物は、粘度調整のため希釈溶剤を加えて各成分を混合してもよい。
(d)その他
本態様の粘着層の厚さは、所望の粘着力を示すことが可能な厚さであればよく、例えば、3μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上40μm以下である。
本態様の粘着層の形成方法としては、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗布し、必要に応じて加熱硬化または光硬化する方法が挙げられる。
(2)粘着層の第2態様
本態様の粘着層は、エネルギー線照射により粘着力が低下する粘着層である。本態様の粘着層においては、その初期粘着力によりダイシング工程ではウェハや分割されたチップを十分に固定することが可能であり、また、ピックアップ工程ではエネルギー線を照射することで粘着力が低下して剥離性が向上するため、チップを容易に糊残りなく剥離することが可能となる。
本態様の粘着層においては、エネルギー線照射前の粘着力は、例えば、0.5N/25mm以上20N/25mm以下であることが好ましく、エネルギー線照射後の粘着力は、例えば、2.0N/25mm以下であることが好ましい。
ここで、粘着力の測定方法は、上記の粘着層の第1態様の項に記載した粘着力の測定方法と同様である。
エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が挙げられる。中でも、汎用性等の観点から、紫外線が好ましい。
粘着層の材料は、エネルギー線照射前後で上述の粘着力を示すものであればよく、例えば、樹脂(粘着主剤)、エネルギー線重合性オリゴマー、および重合開始剤を少なくとも含むことができる。このような組成とすることで、エネルギー線の照射により粘着層に含まれるエネルギー線重合性オリゴマーが硬化して、粘着力を低下させることができ、また、このとき凝集力が高まるため、剥離が容易になる。
樹脂(粘着主剤)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂等、一般に粘着剤の主剤として用いられる樹脂が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂の耐熱性により、粘着層が、高温に十分に耐え得る高耐熱性および低アウトガス性を示すことができる。
したがって、粘着層は、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤および架橋剤を含むことが好ましい。粘着層内において、上記アクリル系樹脂は、通常、上記架橋剤によりアクリル系樹脂間が架橋されてなる架橋体として存在するが、上記架橋体と共にアクリル系樹脂の単体が含まれていてもよい。
(a)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを単独重合させた(メタ)アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリル酸エステルを主成分として(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体とを共重合させた(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルおよび他の単量体の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。他の単量体は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、ここでの主成分とは、共重合割合が51質量%以上であることを意味し、好ましくは65質量%以上である。
中でも、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体、または(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られる(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。
共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとしては、特に限定されず、例えば特開2012-31316号公報に開示される水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーが用いられる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量としては、例えば、20万以上100万以下であることが好ましく、20万以上80万以下であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量を上記範囲内とすることで、十分な初期粘着力を発揮でき、高温に耐え得る高耐熱性および低アウトガス性を示すことが可能な粘着層とすることができる。
また、アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの(メタ)アクリル酸エステル共重合体である場合、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比としては、例えば、51:49~100:0であることが好ましく、中でも75:25~100:0であることが好ましい。各モノマーの質量比が上記範囲内であれば、ピックアップ工程においてエネルギー線照射による効果的な粘着力の低下が期待でき、糊残りの発生を抑制することができる。また、高温に対して高耐熱性および低アウトガス性を示すことができる。
(b)エネルギー線重合性オリゴマー
エネルギー線重合性オリゴマーは、エネルギー線の照射を受けて重合するものであれば特に限定されず、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、光アニオン重合性等のオリゴマーが挙げられる。中でも、光ラジカル重合性オリゴマーが好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、更には、硬化前の粘着性や硬化後の剥離性等の物性を容易に制御することができる。光ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エネルギー線重合性オリゴマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば、250以上8000以下であることが好ましく、250以上5000以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量が上記範囲内であれば、粘着層がエネルギー線照射前には所望の粘着性を示し、ピックアップ工程におけるエネルギー線照射後では、糊残りの発生が抑制され、容易に剥離可能となる。
エネルギー線重合性オリゴマーの量を調整することにより、エネルギー線照射後の粘着層の粘着力の制御が可能となる。エネルギー線重合性オリゴマーの含有量としては、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下であることが好ましく、20質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。上記含有量が上記範囲内であれば、エネルギー線照射後の粘着層の架橋密度が十分となるので、所望の剥離性を実現することができる。また、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制することができる。
(c)重合開始剤
重合開始剤としては、一般的な光重合開始剤を用いることができる。中でも、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下、特に20%以下である光重合開始剤が好ましい。このような光重合開始剤を選択することで、粘着層が高温に曝されても粘着力の低下を抑制することができる。
ここで、重量減少率は、市販の熱重量測定装置、例えば、島津製作所社製のDTG-60Aを用いて重量を測定することで求めることができる。具体的には、重量減少率は、重合開始剤を、雰囲気ガス:窒素、ガス流量:50ml/min、温度範囲:30℃以上190℃以下、昇温条件:10℃/minの条件で分析し、30℃における重合開始剤の重量(W1)と、190℃に到達して30分経過後における重合開始剤の重量(W2)とを測定し、下記式から算出することができる。
重量減少率(%)=[(W1(g)-W2(g))/W1(g)]×100
このような重合開始剤の市販品としては、例えば、Omnirad 754(BASF ジャパン社製)、Omnirad 2959(BASF ジャパン社製)等が挙げられる。
重合開始剤の含有量は、例えば、アクリル系樹脂およびエネルギー線重合性オリゴマーの合計100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。重合開始剤の含有量が上記範囲に満たないと、エネルギー線重合性オリゴマーの重合反応が十分起こらず、エネルギー線照射後の粘着層の粘着力が過剰に高くなり、剥離性を実現することができない場合がある。一方、重合開始剤の含有量が上記範囲を越えると、エネルギー線照射面の近傍にしかエネルギー線が届かず、粘着層の硬化が不十分となる場合がある。また、凝集力が低下し、糊残りの発生の原因となる場合もある。なお、粘着層がエネルギー線重合性オリゴマーと後述するエネルギー線重合性モノマーとを含有する場合には、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、およびエネルギー線重合性モノマーの合計100質量部に対して、重合開始剤の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
(d)架橋剤
記架橋剤は、少なくともアクリル系樹脂間を架橋するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤等が挙げられる。イソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の具体例としては、特開2012-31316号公報に開示されるものが挙げられる。架橋剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いることができ、アクリル系樹脂の種類等に応じて、適宜選択することができる。
架橋剤の含有量としては、架橋剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.01質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲に満たないと、密着性が劣る場合や、チップを剥離する際に粘着層が凝集破壊を起こして糊残りが生じる場合がある。一方、架橋剤の含有量が上記範囲を超えると、エネルギー線照射後の粘着層中に架橋剤が未反応モノマーとして残留することで、凝集力の低下により糊残りの発生の原因となる場合がある。
(e)任意の成分
粘着層は、上述のエネルギー線重合性オリゴマーに加えてエネルギー線重合性モノマーを含有してもよい。エネルギー線を照射した際に、粘着層を3次元架橋により硬化させて粘着力を低下させるとともに、凝集力を高めてチップ側へ転着させないようにすることができる。エネルギー線重合性モノマーとしては、光ラジカル重合性モノマーが好ましく、中でも、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能性アクリレートや多官能性メタクリレートが好ましい。具体的には、特開2010-173091号公報に記載のエネルギー線重合性モノマーが挙げられる。
粘着層がエネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーとを含有する場合には、エネルギー線重合性オリゴマーおよびエネルギー線重合性モノマーの合計含有量としては、例えば、アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下であることが好ましく、20質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。エネルギー線照射後の架橋密度が十分になり、適正な剥離性を実現することができ、また、凝集力の低下による糊残りの発生を抑制することができる。
粘着層は、必要に応じて、シランカップリング剤、粘着付与剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、着色剤、耐電防止剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。また、粘着層の再剥離性を向上させるために、粘着層は、フッ素系樹脂等の樹脂を含んでいてもよい。
(f)好ましい粘着剤組成物
本態様の粘着層を形成する粘着剤組成物は、例えば、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含むことが好ましいが、中でも、以下に示す第1の粘着剤組成物または第2の粘着剤組成物であることが好ましい。
第1の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含み、上記アクリル系樹脂が、重量平均分子量が20万以上100万以下であり、且つ、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合により得られるものであり、上記重合開始剤が、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下である。
また、第2の粘着剤組成物は、アクリル系樹脂、エネルギー線重合性オリゴマー、重合開始剤、および架橋剤を含み、上記アクリル系樹脂が、重量平均分子量が20万以上100万以下であり、且つ、アクリル酸エステルを主成分とし、上記アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られるものであり、上記水酸基含有モノマーと上記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49~100:0の範囲内であり、上記重合開始剤が、昇温速度10℃/minで30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下である。
第1の粘着剤組成物または第2の粘着剤組成物を用いることにより、粘着層が、高温に十分に耐え得る高耐熱性および優れた低アウトガス性を示すことができる。
(g)粘着剤組成物の調製方法
粘着剤組成物の調製方法は、上記の粘着層の第1態様の項で説明した粘着剤組成物の調製方法と同様とすることができる。
(h)その他
本態様の粘着層の厚さとしては、十分な粘着力が得られ、且つ、エネルギー線が内部まで透過することが可能な厚さであればよく、例えば、3μm以上50μm以下であり、好ましくは5μm以上40μm以下である。
本態様の粘着層の形成方法としては、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗布する方法が挙げられる。
4.その他の構成
本開示の半導体加工用粘着テープは、上記の基材および粘着層の他に、必要に応じて、他の構成を有することができる。
本開示の半導体加工用粘着テープは、粘着層の基材とは反対側の面にセパレータを有していてもよい。セパレータにより粘着層を保護することができる。
また、本開示の半導体加工用粘着テープは、基材と粘着層との間にプライマー層を有していてもよい。プライマー層により基材および粘着層の密着性を高めることができる。
5.用途
本開示の半導体加工用粘着テープは、ダイシングテープとして好適に用いることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を示し、本開示をさらに説明する。
[実施例1]
(1)基材の作製
塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤40質量部と、安定剤0.5質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、キャスト法により製膜し、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルムを作製した。
(2)粘着層の形成
アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製 商品名:SKダイン1838)100質量部、エネルギー線重合性オリゴマー(三菱ケミカル株式会社製 商品名:柴光UV-7620EA)60質量部、重合開始剤(BASFジャパン株式会社製 商品名:Omnirad 819)6.0質量部、アクリル樹脂(クラレ株式会社製 商品名:LA4285)1質量部、および架橋剤(綜研化学株式会社製 商品名:E-AX)0.35質量部を、トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒(DICグラフィックス株式会社製 商品名:KT-11)で固形分20%となるように希釈し、十分に分散させて、粘着剤組成物を調製した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)セパレータ(ニッパ株式会社製 商品名:PET50×1-M-J2 厚さ50μm)上に、乾燥後の厚さが20μmとなるように、上記粘着剤組成物をコンマコートにより塗工し、乾燥させて、粘着層を形成した。
(3)粘着テープの作製
上記粘着層上に上記基材をラミネートし、半導体加工用粘着テープを得た。
[実施例2]
下記のようにして基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして半導体加工用粘着テープを作製した。
塩化ビニル樹脂70質量部と、可塑剤25質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルムを作製した。この際、得られる基材のTD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の値となるように、製膜時の張力を調整した。
[実施例3]
下記のようにして基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして半導体加工用粘着テープを作製した。
塩化ビニル樹脂75質量部と、可塑剤20質量部と、安定剤0.4質量部と、ノニルフェノール0.3質量部とを含有する樹脂組成物を用いて、カレンダー法により製膜し、厚さ70μmのポリ塩化ビニルフィルムを作製した。この際、得られる基材のTD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の値となるように、製膜時の張力を調整した。
[実施例4]
下記のようにして基材を作製したこと以外は、実施例1と同様にして半導体加工用粘着テープを作製した。
エチレン-プロピレン共重合体60質量部、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体40質量部を含有する樹脂組成物を用いて、押出成形法により製膜し、厚さ100μmのポリオレフィンフィルムを作製した。この際、得られる基材のTD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の値となるように、製膜時の張力を調整した。
[比較例1]
基材として、厚さ80μmのポリ塩化ビニルフィルム(オカモト社製 梨地クリア)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして半導体加工用粘着テープを作製した。
[評価]
(1)MD方向およびTD方向の100%伸長時の応力
半導体加工用粘着テープについて、JIS K7127に準拠し、試験片:試験片タイプ5、チャック間距離:60mm、引張速度:100mm/分の条件で、MD方向およびTD方向の100%伸長時の応力をそれぞれ測定した。引張試験機としては、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いた。
(2)基材のヤング率
基材について、JIS K7127に準拠し、試験片:試験片タイプ5、チャック間距離:60mm、引張速度:100mm/分の条件で、ヤング率を測定した。引張試験機としては、エー・アンド・デイ社製「テンシロンRTF1150」を用いた。
(3)ピックアップ性
半導体加工用粘着テープを用いて、8インチ径、厚さ100μmのシリコンウェハを3mm×3mmのチップサイズで下記の条件にてダイシングした後、チップを下記の条件にてピックアップし、チップ3200個のうちピックアップ可能なチップ個数をカウントした。
(ダイシング)
ダイシング装置:DFD6361(DISCO社製)
条件:ブレード Z1♯3500(巾 40μm)
回転数 Z1 40,000rpm
送り速度 30mm/sec
(ピックアップ)
ピックアップ装置:CAP-300(キヤノンマシナリー社製)
条件:φ0.7mm
先端R 150μmR
超硬ニードル
テープ非突き破り
ピックアップ性は下記基準にて評価した。
A:ピックアップ可能な個数の割合が95%以上である。
B:ピックアップ可能な個数の割合が80%以上95%未満である。
C:ピックアップ可能な個数の割合が80%未満である。
Figure 2022166959000002
実施例1~4では、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が所定の範囲であるため、ピックアップ性が良好であった。一方、比較例1では、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が大きいため、ピックアップ性に劣っていた。
なお、半導体加工用粘着テープについて、MD方向およびTD方向の30%伸長時の応力をそれぞれ測定したところ、実施例1~4および比較例1のいずれも、TD方向の30%伸長時の応力に対するMD方向の30%伸長時の応力の比は同程度であった。このことから、TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比を所定の範囲とすることが重要であることが示唆された。
1 … 基材
2 … 粘着層
10 … 半導体加工用粘着テープ

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材の一方の面に配置された粘着層と、を有する半導体加工用粘着テープであって、
    TD方向の100%伸長時の応力に対するMD方向の100%伸長時の応力の比が1.3以下である、半導体加工用粘着テープ。
  2. 前記基材が塩化ビニル樹脂を含有する、請求項1に記載の半導体加工用粘着テープ。
  3. 前記MD方向の100%伸長時の応力と、前記TD方向の100%伸長時の応力との差が3.1MPa以下である、請求項1または請求項2に記載の半導体加工用粘着テープ。
  4. 前記基材が降伏点を有さない、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の半導体加工用粘着テープ。
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