JP2022165438A - 塀 - Google Patents

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哲哉 吉田
Tetsuya Yoshida
秀敏 中村
Hidetoshi Nakamura
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Abstract

【課題】寸法調整が容易で、緩みが生じにくいコーナー部材を備えた塀を提供する。【解決手段】塀パネル10同士がコーナー部材20を介して連結された塀100であって、コーナー部材20は、前後方向に重合する前板部21及び後板部22を備え、前板部21の側端部は一方の塀パネル10に、後板部22の側端部は他方の塀パネル10に回動可能に接続され、前板部21と後板部22とは締結装置40に締結されている。締結装置40は、頭部51と角根部52とねじ部53とを有し、前板部21及び後板部22の孔部に挿通されるねじ部材50と、ねじ部53に挿通されるばね部材60と、ねじ部53に螺合されるナット部材70とを備え、ばね部材60は、上端部が折り返されて角根部52に係止可能な折り返し部62と、下端部が折り曲げられた折り曲げ部63とを有し、折り返し部62及び折り曲げ部63が後板部22に当接可能となされるように構成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、塀パネルの側端部が任意の角度で連結された塀に関する。
一般に、敷地境界部や隣地境界部に沿って設置される塀において、特にコーナー部の塀パネルどうしを連結する方法としては様々なものが提案されている。例えば、パネルの側端部から側方に向けて接続部材を延設し、接続部材同士を連結したものや、パネルの側端部から接続部材を延設し、接続部材を連結部材で連結したものである。前者は接続部材の連結箇所で軸支されており、後者は連結部材の両側端部において接続部材が軸支されたものである。
後者については、例えば、縦長の壁素体の側端に枢支した第1蝶番部材の軸部から断面略コ字状の溝型部を延出し、上記壁素体に隣合う壁素体の対向する側端面に枢支した第2蝶番部材の軸部からスライド片を延出し、このスライド片を上記溝型部内にスライド自在に挿入し、先端をスライド片に押付け得るビスを溝型部の外面から螺合した間仕切り壁の寸法調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人においても、適宜間隔で地面に立設された支柱に取付けられた複数の塀パネルが連結部材を介して横方向に連結され、前記連結部材は、縦長状の基板の両側部に嵌合部を介してパネル取付部材が回動可能に接続されると共に、該パネル取付部材に形成された横断面コ字状のカバー部が塀パネルの側端部を覆って取付けられ、該カバー部は塀パネルに対して上下方向にスライド可能に取付けられると共に、カバー部の下方向のスライドは、パネル取付部材の上端部に設けられた端部材により阻止される塀を提案している(例えば、特許文献2参照)。
実公昭59-3111号公報 特開2009-1968号公報
ところで、塀のコーナー部においては、施工時に生じる各種寸法誤差を吸収する構造を有する方が好ましいので、前述の寸法調整装置においては、溝型部とスライド片との嵌合構造であってビスにより固定できるので施工性に優れているが、単にビスで螺合するだけでは、経年的にビスの緩みが生じるおそれがある。一方、前述の連結部材では、基材をひとつの部材で形成しているため、寸法調整作業により吸収できる誤差が相対的に少なくなってしまう。
本発明は、前記の如き問題点を解消し、寸法調整が容易で、緩みが生じにくいコーナー部材を備えた塀を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち本発明に係る塀は、塀パネル同士がコーナー部材を介して連結された塀であって、前記コーナー部材は、前後方向に重合する前板部及び後板部を備え、前記前板部の側端部は、一方の塀パネルに回動可能に接続され、前記後板部の側端部は、他方の塀パネルに回動可能に接続され、前記前板部と後板部とは締結装置によって締結され、前記締結装置は、頭部と角根部とねじ部とを有し、前記前板部及び後板部に形成された前後に貫通する孔部に挿通されるねじ部材と、前記ねじ部に挿通されるばね部材と、前記ねじ部に螺合されるナット部材とを備え、前記ばね部材は、上端部が折り返されて前記角根部に係止可能な折り返し部と、下端部が前記折り返し部と同方向に折り曲げられた折り曲げ部とを有し、前記折り返し部及び折り曲げ部がそれぞれ前記後板部に当接可能となされていることを特徴とするものである。
本発明に係る塀において、ねじ部材の角根部は、前記ねじ部側に該角根部よりも大形の鍔部を有するようにしてもよい。
本発明によれば、前板部及び後板部により幅方向の寸法調整が良いになり、しかも、締結装置によって、前板部と後板部とを強固に連結することができる。
図1は本発明に係る塀の実施の一形態を示す説明図である。 図1のコーナー部材の説明図である。 図1のA矢視図である。 図3においてコーナー部材と締結部材との関係を示す説明図である。 締結装置のねじ部材の説明図である。 締結装置のばね部材の説明図である。 ねじ部材とばね部材との関係を示す説明図である。 ねじ部材、ばね部材及びナット部材の関係を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。図1は本発明に係る塀の実施の一形態を示す説明図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。図面において、10は塀パネル、20は塀パネル10同士を接続するコーナー部材であって、本発明に係る塀100は、塀パネル10同士がコーナー部材20を介して連結されている。ここで、横方向とは、図1における塀パネル10の幅方向と同じ方向であり、上下方向とは、図1における上下方向と同じ方向である。また、前後方向とは、図1において、塀パネル10を境界として、塀パネル10を取付ける支柱30が設置されている側を後側、その反対側を前側としたときの前後方向である。
塀パネル10は、矩形状の枠体11に平板状のパネル材12が取付けられており、本形態では、横方向に複数連結され、上下方向には2段積み重ねられたものであって、設置面に立設する支柱30に取付けられている。図1の(a)に示す様に、図面上、左右方向に沿って配置された塀パネル10と、上下方向に沿って配置された塀パネル10とがコーナー部材20を介して連結されている。
図2は図1のコーナー部材20の説明図であって、(a)は図1の(a)におけるコーナー部材20付近の部分拡大図、(b)はコーナー部材20の拡大横断面図である。コーナー部材20は、縦板状の前板部21と後板部22とが前後方向に重合して配置されている。前板部21は、図2における左上の一方の塀パネル10に回動可能に接続されている。具体的には、一方の塀パネル10の側端部に取付けられた側板部23と前板部21の側端部とが上下方向を軸とするヒンジ部24によって回動可能に接続されている。また、後板部22は、図2における右下の他方の塀パネル10に接続されている。具体的には、他方の塀パネル10の側端部に取付けられた側板部25と後板部22の側端部とが上下方向を軸とするヒンジ部26によって回動可能に接続されている。
これにより、前板部21はR1方向、後板部22はR2方向に位置変更できるので、一方の塀パネル10の幅方向と、他方の塀パネル10の幅方向とがなす角度に応じて前板部21及び後板部22の位置を変更して前後方向に重合することが可能となり、コーナー部材20によって、塀パネル10同士の連結箇所付近にめかくし機能を付与することができる。前板部21と後板部22とは、重合箇所において締結装置40によって締結されている。締結装置40は、ねじ部材50と、ばね部材60とナット部材70とを備えており、ねじ部材50と、これに取付けられるばね部材60とナット部材70とによって前板部21と後板部22とが締結されている。
次に前板部21と後板部22との締結構造について説明する。図3は図1のA矢視図であって締結装置40付近の拡大図、図4は図3においてコーナー部材20と締結装置40との関係を示す説明図、図5は締結装置40のねじ部材50の説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。図3に示す様に、ねじ部材50は、前板部21の前後に貫通する前孔部21aと、後板部22の前後に貫通する後孔部22aとに挿通されている。
図4に示す様に、前孔部21aは縦長孔であって、後孔部22aは横長孔であるので、前孔部21aと後孔部22aとが前後方向に重合する位置であって、更にねじ部材50が挿通可能であれば、締結装置40によって前板部21と後板部22とを締結することができる。すなわち、ねじ部材50が挿通可能な範囲において、前板部21と後板部22との高さ方向と幅方向の位置調整が可能となる。
図5に示す様に、ねじ部材50は、頭部51と断面矩形状の角根部52と外周部に雄ねじが形成されたねじ部53とがこの順で配置されている。これに対して、図4に示す様に、前孔部21aは、ねじ部材50の頭部51が挿通可能な広幅部21bと、頭部51は通過できないが、ねじ部53が通過可能で角根部52の軸周り回転が規制される細幅部21cとを有しており、広幅部21bが上部に細幅部21cが下部に配置されている。後孔部22aは、本形態では、上下の寸法が前孔部21aの上下の寸法と同程度となされている。
これにより、作業者は、支柱30が立設された塀100の後側から、後孔部22a及び前孔部21aに頭部51側からねじ部材50を挿通することができる。その後、角根部52を細幅部21cに沿って下方に移動させることで、ねじ部材50は、長手方向を軸とする回動が抑制され、かつ、頭部51が前孔部21aに係止され、前板部21及び後板部22に仮止めされた状態とすることができる。
次に、前板部21と後板部22との締結方法について説明する。図6は締結装置40のばね部材60の説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のB-B線拡大断面図、図7はねじ部材50とばね部材60との関係を示す説明図、図8はねじ部材50、ばね部材60及びナット部材70との関係を示す説明図である。図7の(a)に示す様に、前板部21及び後板部22にねじ部材50を挿通した後にばね部材60を取付ける。図6に示す様に、ばね部材60は金属製の縦板状の基板部61と、基板部61の上端部を折り返して形成された折り返し部62と、基板部61の下端部を折り返し部62の折り返した向きと同じ側に折り曲げた折り曲げ部63とを有している。基板部61は、厚さ方向に貫通する孔部61aを有している。折り返し部62は、下方に垂下されて、その下端部は上方に向けて切り欠かれた切り欠き部62aを有しており、切り欠き部62aが角根部52に嵌合可能である。
これにより、図7の(b)に示す様に、ねじ部材50のねじ部53を基板部61の孔部61aに通して、折り返し部62の切り欠き部62aを角根部52に係止することができる。つまり、折り返し部62を上側、折り曲げ部63を下側に容易に配置できるので、締結作業時にばね部材60の位置ずれの修正や位置調整をする必要がない。
本形態では、ねじ部材50は、角根部52のねじ部53側には角根部52よりも大形の鍔部54を有している。
これにより、図7の(b)に示す様に、ねじ部材50が前板部21及び後板部22に仮止めされた状態では、ねじ部材50は、ねじ部53側が斜め下向きに傾斜する可能性もあるが、切り欠き部62aを角根部52に係止した後、ねじ部53側に滑っても鍔部54で止まるので、ばね部材60がねじ部材50から外れることがなく、仮止めすることができる。
ねじ部材50の折り返し部62及び折り曲げ部63は、切り欠き部62aを角根部52に係止した状態において、後板部22と対向しており、折り返し部62から折り曲げ部63までの上下の寸法は、後孔部22aの上下の寸法より長い。
これにより、折り返し部62は、後孔部22aの上方の後板部22に対向し、折り曲げ部63は、後孔部22aの下方の後板部22に対向した状態にすることができる。
図8の(a)に示す様に、ねじ部材50のねじ部53にナット部材70を螺入すると、図8の(b)に示す様に、ナット部材70がばね部材60の基板部61に当接する。螺入作業を続けると、ばね部材60が後板部22側に移動するので、折り返し部62は後孔部22aより上方の後板部22に当接し、折り曲げ部63は後孔部22aよりも下方の後板部22に当接する。更に螺入作業を続けると、図8の(c)に示す様に、折り返し部62及び折り曲げ部63が後板部22を前板部21側に押圧する。これにより、締結装置40によって、後板部22と前板部21とを強固に締結することができる。
折り返し部62及び折り曲げ部63は、後板部22に当接する箇所は平坦に形成されているので、後板部22を前板部21側に確実に押圧して強固に締結することができる。
角根部52の厚さ寸法、つまり、頭部51から鍔部54までの寸法は、前板部21、後板部22及びばね部材60の折り返し部62の総厚と同程度となされているので、後孔部22a及び前孔部21aにねじ部材50を挿通して、折り返し部62の切り欠き部62aを角根部52に係止させた仮止め状態を容易になすことができる。
本形態では、図1に示す様に、締結装置40はコーナー部材20に対して、上下方向の異なる2箇所に用いられているが、コーナー部材20の上下の長さに応じて、締結装置40の使用数を適宜設定することができる。
本発明に係る塀100は、塀パネル10同士がコーナー部材20を介して連結された塀100であって、コーナー部材20は、前後方向に重合する前板部21及び後板部22を備え、前板部21の側端部は、一方の塀パネル10に回動可能に接続され、後板部22の側端部は、他方の塀パネル10に回動可能に接続され、前板部21と後板部22とは締結装置40によって締結され、締結装置40は、頭部51と角根部52とねじ部53とを有し、前板部21及び後板部22に形成された前後に貫通する孔部に挿通されるねじ部材50と、ねじ部53に挿通されるばね部材60と、ねじ部53に螺合されるナット部材70とを備え、ばね部材60は、上端部が折り返されて角根部52に係止可能な折り返し部62と、下端部が折り返し部62と同方向に折り曲げられた折り曲げ部63とを有し、折り返し部62及び折り曲げ部63がそれぞれ後板部22に当接可能となされていることを特徴とするものである。
これにより、締結装置40のねじ部材50が挿通可能な範囲で、前板部21及び後板部22の幅方向の寸法調整が容易となる。また、ばね部材60は、上端部が折り返されて角根部52に係止可能な折り返し部62を有しているので、締結装置40の操作時にばね部材60の位置ずれの修正や位置調整をする必要がない。更に、ばね部材60の折り返し部62と折り曲げ部63とが後板部22に当接可能であるので、後板部22を前板部21側に押圧して、前板部21と後板部22とを強固に締結することができる。
本発明に係る塀100において、ねじ部材50の角根部52は、ねじ部53側に角根部52よりも大形の鍔部54を有したものとしてもよい。
これにより、ばね部材60を角根部52に係止した後、ねじ部53側に滑っても鍔部54で止まるので、ばね部材60がねじ部材50から外れることがなく、仮止めすることができる。
10 塀パネル
11 枠体
12 パネル材
20 コーナー部材
21 前板部
21a 前孔部
21b 広幅部
21c 細幅部
22 後板部
22a 後孔部
23 側板部
24 ヒンジ部
25 側板部
26 ヒンジ部
30 支柱
40 締結装置
50 ねじ部材
51 頭部
52 角根部
53 ねじ部
54 鍔部
60 ばね部材
61 基板部
61a 孔部
62 折り返し部
62a 切り欠き部
63 折り曲げ部
70 ナット部材
100 塀

Claims (2)

  1. 塀パネル同士がコーナー部材を介して連結された塀であって、
    前記コーナー部材は、
    前後方向に重合する前板部及び後板部を備え、
    前記前板部の側端部は、一方の塀パネルに回動可能に接続され、
    前記後板部の側端部は、他方の塀パネルに回動可能に接続され、
    前記前板部と後板部とは締結装置によって締結され、
    前記締結装置は、
    頭部と角根部とねじ部とを有し、前記前板部及び後板部に形成された前後に貫通する孔部に挿通されるねじ部材と、
    前記ねじ部に挿通されるばね部材と、
    前記ねじ部に螺合されるナット部材とを備え、
    前記ばね部材は、上端部が折り返されて前記角根部に係止可能な折り返し部と、下端部が前記折り返し部と同方向に折り曲げられた折り曲げ部とを有し、
    前記折り返し部及び折り曲げ部がそれぞれ前記後板部に当接可能となされている
    ことを特徴とする塀。
  2. 前記ねじ部材の角根部は、前記ねじ部側に該角根部よりも大形の鍔部を有している
    ことを特徴とする塀。

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