JP5963578B2 - 壁パネル取付方法及び壁パネル取付構造 - Google Patents

壁パネル取付方法及び壁パネル取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、建物の壁パネルを取り付ける壁パネル取付方法及び壁パネル取付構造に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の壁パネル取付構造が知られている。この構造は、パネルの下端を載置する受けプレートと、ボルトを挿通する孔を上下端部に有するバックプレートと、を備えている。そして、梁に溶接固定した定規アングルにバックプレートが溶接され、受けプレートはバックプレートを跨ぐようにして定規アングルに溶接されている。下段のパネルの上端部にボルトが植設されており、このボルトがバックプレートの下端部の孔に挿通締結される。一方、上段のパネルは受けプレートに載置され、上段のパネルの下端部に植設されたボルトがバックプレートの上端部に形成された孔に挿通締結される。
特開平10−169056号公報
しかしながら、上記の取付方法及び取付構造では、受けプレートとバックプレートと定規アングルに溶接で固定するので、作業性に優れているとは言えず施工容易性が高いとは言えない。また、溶接による固定は、品質が作業者のスキルに比較的左右されやすいので、品質の安定性も十分であるとは言えない。
このような問題に鑑み、本発明は、施工を容易にし、品質の安定性を高める壁パネル取付方法及び壁パネル取付構造を提供することを目的とする。
本発明の壁パネル取付方法は、建物の壁パネルとして上下に隣接して配置される上段パネルと下段パネルとを建物の所定のパネル支持部材の外側に取り付ける壁パネル取付方法であって、下段パネルの内面の上部に取付金具を取り付ける取付金具装着工程と、下段パネルに取り付けられた取付金具をパネル支持部材の外側にボルト類で固定する下段パネル設置工程と、上段パネルの自重を受けるための自重受金具をパネル支持部材の外側に取り付ける自重受金具取付工程と、パネル支持部材に固定された取付金具に上段パネルの内面の下部を固定する上段パネル設置工程と、を備え、取付金具は、上段パネル設置工程において上段パネルが外側に取り付けられる上段取付部と、取付金具装着工程において下段パネルが外側に取り付けられる下段取付部と、上段取付部と下段取付部との間に位置し、下段パネル設置工程においてパネル支持部材の外側に固定されるパネル支持部材固定部と、を有しており、パネル支持部材固定部が上段取付部及び下段取付部に対して内側に膨出するように屈曲されており、下段パネル設置工程においてボルト類の頭は、パネル支持部材固定部の外側に配置されることを特徴とする。
この壁パネル取付方法によれば、取付金具をパネル支持部材に対しボルト類で固定することとしている。よって、溶接等に比較して作業性がよく施工が容易になる。また、ボルト類を用いた固定によれば、固定部の品質が作業者のスキルに比較的左右されにくいので、品質の安定性を向上することができる。また、取付金具のパネル支持部材固定部が、上段取付部及び下段取付部に対して内側に膨出するように屈曲されているので、パネル支持部材固定部から外側に突出するボルト類の頭が、壁パネルに干渉し難い構造を採用にすることができる。よって、取付金具とパネル支持部材との固定にボルト類を好適に使用することができる。
また、本発明の壁パネル取付方法は、下段パネル設置工程の後、取付金具のビス穴にビス類を挿入することによって、取付金具を更にビス類でパネル支持部材に固定し取付金具の回り止め処理を行う回り止め処理工程を備えることとしてもよい。この構成によれば、取付金具の回転方向の位置が固定されるので、壁パネルの位置が確実に固定される。
また、下段パネル設置工程においてボルト類が挿通される取付金具のボルト穴とパネル支持部材のボルト穴とのうち少なくとも何れか一方は、上下に延在する長穴であることとしてもよい。この構成によれば、取付金具のパネル支持部材に対する上下方向の取付位置を調整して、壁パネルの上下方向の設置位置を調整することができる。
また、自重受金具は、パネル支持部材との間隙で取付金具を上下に挿通させる切欠き状の逃げ部を有する形状をなしており、取付金具を水平方向に挟む2箇所の位置でパネル支持部材に固定されることとしてもよい。
この構成によれば、壁パネルの水平幅方向において、壁パネルと取付金具との係合部分と、壁パネルと自重受金具との係合部分とが近い位置になるので、壁パネルのロッキング動作が阻害されにくい。
また、取付金具の上段取付部には、上段パネルの内面の下部から突出させた止め具を上方から差し込むための溝が設けられていることとしてもよい。この構成によれば、上段パネルの設置時において、上段パネルの止め具を取付金具の溝に上から差し込むことができるので、作業性が向上する。また、パネル支持部材固定部が上段取付部に対して内側に膨出することによって形成されるパネル支持部材固定部と上段取付部との段差は、パネル支持部材固定部から突出するボルト類の頭の突出量よりも大きくてもよい。
本発明の壁パネル取付構造は、建物の壁パネルとして上下に隣接して配置される上段パネルと下段パネルとを建物の所定のパネル支持部材の外側に取り付ける壁パネル取付構造であって、上段パネルが外側に取り付けられた上段取付部と、下段パネルが外側に取り付けられた下段取付部と、上段取付部と下段取付部との間に位置しパネル支持部材の外側にボルト類で固定されたパネル支持部材固定部と、を有する取付金具と、パネル支持部材の外側に取り付けられ上段パネルの自重を受ける自重受金具と、を備え、取付金具は、パネル支持部材固定部が上段取付部及び下段取付部に対して内側に膨出するように屈曲されており、ボルト類の頭は、パネル支持部材固定部の外側に配置されることを特徴とする。
この壁パネル取付構造によれば、取付金具をパネル支持部材に対しボルト類で固定することとしている。よって、溶接等に比較して、壁パネルの取付時の作業性がよく施工が容易になる。また、ボルト類を用いた固定によれば、固定部の品質が作業者のスキルに比較的左右されにくいので、品質の安定性を向上することができる。また、取付金具のパネル支持部材固定部が、上段取付部及び下段取付部に対して内側に膨出するように屈曲されているので、パネル支持部材固定部から外側に突出するボルト類の頭が、壁パネルに干渉し難い構造を採用にすることができる。よって、取付金具とパネル支持部材との固定にボルト類を好適に使用することができる。
本発明によれば、施工を容易にし、品質の安定性を高める壁パネル取付方法及び壁パネル取付構造を提供することができる。
本発明に係る壁パネル取付構造の第1実施形態を示す斜視図である。 (a)は、図1のパネル取付構造において取付金具7の中心を通る鉛直断面の断面図、(b)は、自重受金具9よりも外側を通る鉛直断面の断面図である。 (a)は、取付金具の斜視図、(b)は、自重受金具の斜視図である。 壁パネル取付方法における取付金具装着工程を示す斜視図である。 (a)は、壁パネル取付方法における下段パネル設置工程を示す斜視図であり、(b)は、その鉛直断面図である。 (a)は、壁パネル取付方法における回り止め処理工程を示す斜視図であり、(b)は、その鉛直断面図である。 (a)は、壁パネル取付方法における自重受金具取付工程を示す斜視図であり、(b)は、その鉛直断面図である。 (a)は、壁パネル取付方法における上段パネル設置工程の前半を示す斜視図であり、(b)は、その鉛直断面図である。 (a)は、壁パネル取付方法における上段パネル設置工程の後半を示す斜視図であり、(b)は、その鉛直断面図である。 (a)〜(c)は、本発明に係る壁パネル取付構造の第2実施形態を示す鉛直断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係るパネル取付方法及び壁パネル取付構造の実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1〜図3に示されるように、壁パネル取付構造1は、建物100の外壁をなす壁パネルP1,P2を、横架材3に取り付ける構造である。例えば、横架材3は、木造の建物100における木質の梁である。壁パネルP1,P2は、例えば、高さ3000mm、幅600mm、厚さ100mmといった寸法をもつALCパネル(Autoclaved Lightweight aerated Concrete panels)であり、壁パネルP1と壁パネルP2とは、建物100の外壁面において上下に隣接している。以下の説明においては、上記2枚の壁パネルP1,P2のうち、上方に位置する方を「上段パネルP1」、下方に位置する方を「下段パネルP2」と区別して称する場合がある。また、各部位の位置関係の説明で用いる「外」、「内」の語は、建物100の外側、内側に対応するものとする。
壁パネル取付構造1においては、上段パネルP1の下端部と下段パネルP2の上端部とが、1つの同じ横架材3に固定されている。具体的には、横架材3の上面3aに下地鋼材(パネル支持部材)6が設置され、上段パネルP1の下端中央部と下段パネルP2の上端中央部とが、取付金具7を介して下地鋼材6に外側で固定されている。更に、下地鋼材6には自重受金具9が取り付けられており、自重受金具9が上段パネルP1の自重を受けている。なお、上段パネルP1の上端中央部は、横架材3の上方に位置する他の横架材(図示せず)に固定され、下段パネルP2の下端中央部は、横架材3の下段に位置する他の横架材(図示せず)や基礎立上がり(図示せず)等に固定される。
下地鋼材6は、横架材3に平行に延びる鋼製のアングル材であり、横架材3の水平な上面3aに固定される水平フランジ4と、水平フランジ4の縁部から鉛直上方に延びる鉛直フランジ5と、を有する。水平フランジ4が横架材3の上面3aにビス止めされることで、下地鋼材6が横架材3に固定されている。鉛直フランジ5は、横架材3の上面3aから僅かに外側にはみ出した位置にある。この鉛直フランジ5のはみ出し量が、下地鋼材6の設置時に調整されることで、壁パネルP1,P2の設置位置を水平方向に出入り調整することができる。
取付金具7は、図3(a)にも示されるように、上下方向に延びる短冊状の金具である。取付金具7の上部には、上段パネルP1を取り付けるための上段取付部21が設けられ、取付金具7の下部には、下段パネルP2を取り付けるための下段取付部23が設けられている。上段取付部21と下段取付部23との間には、下地鋼材6の鉛直フランジ5に接合されるフランジ固定部(パネル支持部材固定部)22が設けられている。
フランジ固定部22には、上下方向に延在する長穴をなすボルト穴22aが形成されている。これに対応して、下地鋼材6の鉛直フランジ5にも水平方向に延在する長穴をなすボルト穴5a(図5参照)が形成されている。そして、ボルト穴22a及びボルト穴5aを挿通するボルト(ボルト類)11a及びナット11bを用いて、取付金具7が鉛直フランジ5の外面にボルト止めされている。ボルト穴22aが上下方向に延在する長穴であるので、取付金具7の取付位置を上下方向に調整することができ、ひいては、壁パネルP1,P2の設置位置を上下方向に調整することができる。一方、鉛直フランジ5のボルト穴5aは水平方向に延在する長穴であるので、取付金具7の取付位置を下地鋼材6の延在方向にも調整することができ、ひいては、壁パネルP1,P2の設置位置を幅方向にも調整することができる。
更に、フランジ固定部22には、ボルト穴22aの両側に左右一対のビス穴22c,22dが設けられている。取付金具7の回り止め処理として、このビス穴22c,22dの少なくとも一方にビス13が挿通され、フランジ固定部22が鉛直フランジ5にビス止めされている。この回り止め処理により、ボルト11aを中心とした取付金具7の回転方向の位置が固定され、その結果、壁パネルP1,P2の位置が確実に固定される。また、上記のビス13としてドリリングタッピンビスを採用することにより、事前に鉛直フランジ5に下穴を準備する必要がなくなる。なお、一方のビス穴22cのみでビス止めがされているが(図1参照)、フランジ固定部22の回り止めを確実にする観点からは、両方のビス穴22c,22dにおいてビス止めを行うことが好ましい。
上段取付部21の上端縁部には、上下方向に延在するU溝21aが形成されている。これに対応し、上段パネルP1の内面の下端中央部には、円筒状の植設ナット17が埋設されている。上段パネルP1の取付時には、植設ナット17にボルト(止め具)15の先端部が螺合され、ボルト15の頭部が上段パネルP1の内面から離間した状態になっている。そして、ボルト15の後端部がU溝21aに上から挿入されることで上段パネルP1が取付金具7に引掛けられ、その後、ボルト15を締め込むことで上段取付部21に上段パネルP1が固定される。上段取付部21の外面は、上段パネルP1の内面に密着する上段パネル受面21bとして機能している。
下段取付部23には、ボルト穴23aが形成されている。これに対応し、下段パネルP2の内面の上端中央部には、円筒状の植設ナット18が埋設されている。下段パネルP2の内面の上端中央部が、植設ナット18、ボルト16及びボルト穴23aを用いて下段取付部23にボルト止めされている。下段取付部23の外面は、下段パネルP2の内面に密着する下段パネル受面23bとして機能している。上段パネル受面21bと下段パネル受面23bとが、互いに同一の鉛直面内に位置していることで、上段パネルP1の外面と下段パネルP2の外面とが、互いに同一の鉛直面内に揃うことになる。
取付金具7は2箇所の屈曲部7a,7bにおいて側面視で台形状をなすように屈曲されており、フランジ固定部22は、上段取付部21及び下段取付部23に対して内側に膨出している。この形状により、フランジ固定部22の外面22bが、上段パネル受面21b及び下段パネル受面23bよりも内側に位置することになる。従って、外面22b上に突出するボルト11aの頭やビス13の頭が、上段パネルP1及び下段パネルP2に干渉しないようになっている。また、上段パネルP1の下端は屈曲部7aよりも下方まで延びており、下段パネルP2の上端は屈曲部7bよりも上方まで延びている。
図3(b)にも示されるように、自重受金具9は、両端に鉛直に設けられた取付フランジ9a,9bと、取付フランジ9a,9bの間で水平に延びるパネル受け部9cとを有している。自重受金具9は、平面視でU字状をなしており、取付金具7を跨ぐように鉛直フランジ5の外面に取り付けられる。すなわち、自重受金具9は、取付金具7を水平方向に挟む位置において、取付フランジ9a,9bで鉛直フランジ5にビス止めされる。取付フランジ9a,9bの間には、切り欠き状の逃げ部9dが形成されている。この逃げ部9dの存在により、パネル受け部9cと鉛直フランジ5との間に間隙が形成され、この間隙に取付金具7が挿通されている。また、逃げ部9dの存在により、パネル受け部9cとボルト11aの頭との干渉が回避されている。なお、取付金具7の位置が、図1及び図2に例示する位置よりも下方にずれた場合には、ビス13とパネル受け部9cとが同じ高さに位置する場合もあるが、この場合にも、逃げ部9dの存在により、パネル受け部9cとビス13の頭との干渉が回避される。
パネル受け部9cは、取付金具7の屈曲部7aと屈曲部7bとの間の高さに位置している。上段パネルP1の下端面がパネル受け部9cに当接することにより、上段パネルP1が上下方向に位置決めされると共に、上段パネルP1の自重が自重受金具9に支持される。前述のように自重受金具9が取付金具7を跨ぐ構造により、パネル受け部9cが上段パネルP1の下端面の中央に当接することになる。その結果、自重受金具9が、上段パネルP1の下端の中央を支持するので、自重受金具9が上段パネルP1のロッキング動作を阻害することが避けられる。
続いて、上述の壁パネル取付構造1を構築すべく壁パネルP1,P2を下地鋼材6に取り付けるためのパネル取付方法について、図4〜図9を参照し説明する。パネル取付方法は、以下に説明する取付金具装着工程、下段パネル設置工程、回り止め処理工程、自重受金具取付工程、及び上段パネル設置工程を備えている。なお、下地鋼材6は、事前に、基準墨を基準として位置調整され横架材3に取り付けられている。
(取付金具装着工程)
まず、図4に示されるように、下段パネルP2の内面P2bの上端中央部に取付金具7をボルト止めで取り付ける。具体的には、ボルト16を取付金具7のボルト穴23aに挿通させて下段パネルP2の植設ナット18に緊結する。これにより、取付金具7の下段パネル受面23bが下段パネルの内面P2bに密着した状態となり、下段パネルP2に取付金具7が取り付けられる。
(下段パネル設置工程)
次に、図5に示されるように、下段パネルP2が取り付けられた取付金具7を、下地鋼材6の外側にボルト止めで固定する。具体的には、ボルト11aを取付金具7のボルト穴22aと下地鋼材6のボルト穴5aとに挿通させ、ナット11bで緊結する。これにより、取付金具7は鉛直フランジ5の外面にボルト止めされ、下段パネルP2が取付金具7を介して下地鋼材6に設置される。前述したように、ボルト穴22aが鉛直長穴でありボルト穴5aが水平長穴であるので、下段パネルP2の幅方向及び上下方向の位置を調整しながら上記のボルト止めを行うことができる。
(回り止め処理工程)
次に、図6に示されるように、取付金具7の回り止め処理を行う。具体的には、下地鋼材6に固定された取付金具7のビス穴22cに、ビス穴22cと略同径のドリリングタッピンビス13を挿入し鉛直フランジ5にねじ込むことにより、フランジ固定部22を下地鋼材6にビス止めする。これにより、ボルト11aを中心とする取付金具7の回転方向の位置が固定される。ここではドリリングタッピンビス13を採用しているので、鉛直フランジ5に下穴を準備する必要はなく、下穴とビス穴22cとの位置合わせも不要である。なお、取付金具7の回り止めを更に確実にするために、もう一つのビス穴22dにおいても同様のビス止めを行ってもよい。
(自重受金具取付工程)
次に、図7に示されるように、自重受金具9を下地鋼材6の外側に取り付ける。自重受金具9の取付フランジ9a,9bに、それぞれビス穴9fが設けられている。ビス穴9fにドリリングタッピンビス19を挿入し鉛直フランジ5にねじ込むことにより、両方の取付フランジ9a,9bを下地鋼材6にビス止めする。図に示す例では、各取付フランジ9a,9bに2つずつのビス穴9fが設けられ、そのうち1つずつのビス穴9fで各取付フランジ9a,9bがビス止めされているが、すべてのビス穴9fを用いてビス止めされてもよい。2つの取付フランジ9a,9bは、下地鋼材6の延在方向において取付金具7を挟むように取り付けられる。
自重受金具9の逃げ部9dの存在により、自重受金具9は取付金具7を跨ぐように配置され、取付金具7と自重受金具9とは互いに干渉しないようになっている。ここではドリリングタッピンビス19を採用しているので、鉛直フランジ5に下穴を準備する必要はない。また、基準墨を基準として自重受金具9の取付位置を調整しながらビス止めを行うことができ、ひいては、自重受金具9で位置決めされる上段パネルP1を正確な位置に設置することができる。
(上段パネル設置工程)
次に、図8及び図9に示されるように、取付金具7に上段パネルP1の内面P1bの下部を固定する。具体的には、まず図8に示されるように、上段パネルP1の植設ナット17にボルト15の先端部を螺合し、ボルト15の頭部が上段パネルP1の内面P1bから離間した状態にする。そして、上段パネルP1を下方に移動させながら、内面P1bに突出するボルト15の軸を取付金具7のU溝21aに上から挿入して、上段パネルP1を取付金具7に引掛ける。
その後、図9に示されるように、上段パネルP1の下端面P1cをパネル受け部9cの上面に当接させた状態で、ボルト15を締め込む。これにより、取付金具7の上段パネル受面21bが上段パネルP1の内面P1bに密着した状態となり、取付金具7に上段パネルP1が固定される。
以上の工程を備えるパネル取付方法により、壁パネルP1,P2が1つの同じ取付金具7を介して下地鋼材6に取り付けられ、前述のパネル取付構造1が完成する。
続いて、上述したパネル取付構造1及びパネル取付方法による作用効果について説明する。
上述のパネル取付構造1及びそのパネル取付方法によれば、ボルト類(例えば、ボルト11a)を用いて取付金具7を下地鋼材6に取り付けることとしている。よって、溶接等で結合する場合に比較して作業性がよく施工が容易になる。また、ボルト類を用いた固定によれば、固定部の品質が作業者のスキルに比較的左右されにくいので、壁パネル取付構造1の品質の安定性を向上することができる。ここで、「ボルト類」とは、例えば、いわゆる六角ボルトに限られず、角根ボルト、ワンサイドボルト、リベット、セルフタップビス、ドリリングタッピンビス、ビス、ラグスクリュー等を含む。
また、取付金具7のフランジ固定部22が、上段取付部21及び下段取付部23に対して内側に膨出するように屈曲されているので、フランジ固定部22から外側に突出するボルト11aの頭やビス13の頭が、壁パネルP1,P2に干渉し難い構造を採用にすることができる。よって、取付金具とパネル支持部材との固定にボルト類を好適に使用することができる。すなわち、取付金具7を屈曲させない場合には、例えば、壁パネルP1,P2の内面に凹加工を設けるなどしてボルトの頭との干渉を避ける必要があるので、作業の手間が増加したり、凹加工によって壁パネルP1,P2の強度が低下したりする問題が考えられる。このような問題を、取付金具7を屈曲させる構成により低減することができる。
更に、図1〜図9に例示したパネル取付構造1では、上段パネル受面21b(及び下段パネル受面23b)とフランジ固定部22の外面22bとの段差が、ボルト11aの頭の突出量及びビス13の頭の突出量よりも大きくなっている。この構成は、壁パネルの内面P1b,P2bの凹加工をまったく不要とする点で好ましい。なお、ボルト11a(ビス13)の頭の突出量とは、座金を使用しない場合においてはボルト11a(ビス13)の頭の厚さに相当し、座金を使用する場合においてはボルト11a(ビス13)の頭の厚さと座金の厚さとの和に相当する。
また、壁パネルP1,P2用の2つの取付金具の機能を1つの取付金具7に持たせているので、金具点数を減らすことができる。また、取付金具が集約され、壁パネルP1,P2と横架材3との間の狭い領域でも壁パネル取付構造を構築し易い。
また、パネル取付構造1では、下段パネルP2の上端は屈曲部7bよりも上方まで延びている。この構成によれば、下段パネルP2の上端面と内面P2bとの角部(以下、「上端角部」)が、フランジ固定部22の外側に位置することになり、上端角部は取付金具7の下段パネル受面23bには接触しない。
ここで、仮に、下段パネルP2の上端が屈曲部7bよりも下方に位置し上端角部が下段パネル受面23bに接触する形態を考える。この形態においては、地震時等に、下段パネルP2が下段パネル受面23bに対して傾斜するような外力が作用した場合に、下段パネル受面23bから下段パネルP2の上端角部に応力が集中する可能性がある。これに対し、パネル取付構造1では、下段パネル受面23bには、下段パネルP2の上端角部が接触しないので、上記のような上端角部への応力集中の問題が避けられる。
また、同様に、パネル取付構造1では、上段パネルP1の下端は屈曲部7aよりも下方まで延びている。この構成によれば、上記と同様の理由で、上段パネルP1の下端面と内面P1bとの角部への応力集中が避けられる。
また、パネル取付構造1及びそのパネル取付方法では、取付金具7を下地鋼材6にボルト止めするときに、ボルト穴22a,5a(図5参照)といった一対のみのボルト穴が使用されている。この構成によれば、2対以上のボルト穴でボルト止めする場合に比較して、要求されるボルト穴の位置精度が緩和され、取付金具7と下地鋼材6との位置合わせも容易である。但し、ボルト穴を一対のみ使用する構成では、ボルト11aを中心とする取付金具7の回転方向の位置ずれが懸念される。これに対し、回り止め処理工程においてビス類で取付金具7の回り止めを行うので、取付金具7の回転方向の位置も確実に固定され、その結果、壁パネルP1,P2の位置を確実に固定することができる。回り止め処理に用いるビス類は、上述のようなドリリングタッピンビスに限られず、下穴を必要とするビスでもよく、ボルトでもよい。
また、ボルト穴22aが上下方向に延在する長穴であるので、取付金具7の取付位置を上下方向に調整することができ、ひいては、壁パネルP1,P2の設置位置を上下方向に調整することができる。なお、取付金具7の上下方向の位置調整を可能にするためには、ボルト穴5aを上下方向に延在する長穴としてもよい。更に、鉛直フランジ5のボルト穴5aは水平方向に延在する長穴であるので、取付金具7の取付位置を下地鋼材6の延在方向にも調整することができ、ひいては、壁パネルP1,P2の設置位置を幅方向にも調整することができる。なお、上記の作用効果を得るためには、ボルト穴22aを水平方向に延在する長穴としボルト穴5aを上下方向に延在する長穴としてもよい。また、取付金具7を、横架材3に直接取り付けるのではなく、下地鋼材6を介して横架材3に取り付ける構造であるので、下地鋼材6の事前の位置調整により、壁パネルP1,P2の出入り調整も可能である。
このような位置調整が可能であるので、横架材3の高さ誤差や、壁パネルP1,P2と取付金具7との取付位置誤差等の種々の誤差を吸収して、壁パネルP1,P2を正確な位置に設置することができる。従って、取付金具7や下地鋼材6への穴あけに要求される位置精度を緩和することができる。また、上下方向に延在する長穴(ボルト穴22a)と、水平方向に延在する長穴(ボルト穴5a)とを対にすることで、穴あけ位置精度を更に緩和することができる。上記のような穴あけ位置精度の緩和は、各部のボルト穴あけがパネル割付に合わせて施工現場で実行される場合においては、特に効果的である。
また、自重受金具9は、取付金具7を跨ぎ、水平方向に挟む2箇所の取付フランジ9a,9bで下地鋼材6に取り付けられている。更に、自重受金具9は、切欠き状の逃げ部9dを有し、逃げ部9dによって下地鋼材6との間に形成される間隙に取付金具7を上下に挿通させている。この構成によれば、上段パネルP1の水平幅方向において、上段パネルP1と取付金具7との係合部分(ボルト15)と、上段パネルP1と自重受金具9との係合部分(パネル受け部9c)とがほぼ同じ位置になる。すなわち、ボルト15とパネル受け部9cとは、両方とも、上段パネルP1の下端中央部のほぼ同じ位置で上段パネルP1を支持することになる。従って、ボルト15を中心とする上段パネルP1の搖動が、自重受金具9によってはほとんど制限されず、その結果、地震時等における上段パネルP1のロッキング動作が阻害されにくい。
また、取付金具7の上段取付部21にはU溝21aが形成されており、このU溝21aを用いて上段パネルP1が取付金具7に結合されている。この構成によれば、上段パネルP1に予めボルト15を突出させておき、上段パネルP1を降下させながらボルト15の軸をU溝21aに上から差し込むことができるので、作業性が向上する。すなわち、U溝21aに代えてボルト穴を採用した場合には、上段パネルP1を所定位置に配置した後に取付金具7の内面側からボルトを挿通するといった作業が必要になるので、特に、柱裏等の狭い場所では上段パネルP1の取付作業が困難になってしまう。これに対して、U溝21aを採用する構成によれば、狭い場所においても作業性が良い。なお、ボルト15のU溝21aへの挿入をより容易にする観点からは、U溝21aを、上に行くほど幅広になるような形状とすることが好ましい。
〔第2実施形態〕
続いて、図10を参照し、本発明の第2実施形態に係るパネル取付構造201とそのパネル取付方法について説明する。だだし、本実施形態において、前述の第1実施形態と同一又は同等な構成部分には図面に同一符号を付し重複する説明を省略する。
図10(a)に示されるように、パネル取付構造201は、下地鋼材6のような下地材を使用せずに、取付金具7を横架材(パネル支持部材)203の外面203bに直接取り付けるものである。この場合、横架材203には、ボルト211aを水平に挿通させるボルト穴203cが設けられ、ボルト211a及びナット211bにより、取付金具7と横架材203とが緊着される。
パネル取付構造201を構築するためのパネル取付方法は、第1実施形態で説明したパネル取付方法に倣って実行すればよい。すなわち、第1実施形態との相違点のみ述べれば、下段パネル設置工程においては、下段パネルP2が取り付けられた取付金具7を、ボルト211a及びナット211bにより、横架材203の外面203bにボルト止めする。また、回り止め処理工程においては、取付金具7のビス穴22c(図6(a)参照)に挿入したドリリングタッピンビス13を横架材203の外面203bにねじ込む。また、自重受金具取付工程においては、自重受金具9の取付フランジ9a,9bを横架材203の外面203bにビス止めする。
また、横架材203が木質材であれば、図10(b)に示されるように、ボルト211a及びナット211bに代え、ビス類(例えば、ビス、ラグスクリュー等)213を用いて取付金具7を横架材203の外面203bに止め付けてもよい。この場合、横架材203の外面203bには、予めビス類213用の下穴を設けてもよい。また、図10(c)に示されるように、横架材203内部に埋設された雌ねじ部材215とボルト217とによって取付金具7を横架材203の外面203bに締結してもよい。
図10(a)〜(c)に例示したパネル取付構造201では、取付金具7の上段パネル受面21b(及び下段パネル受面23b)とフランジ固定部22の外面22bとの段差(図3(a)参照)が、取付金具7からのボルト16の頭の突出量よりも大きくなっている。この構成により、ボルト16の頭が横架材203の外面203bに干渉することが避けられる。なお、ボルト16の頭の突出量とは、座金を使用しない場合においてはボルト16の頭の厚さに相当し、座金を使用する場合においてはボルト16の頭の厚さと座金の厚さとの和に相当する。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。例えば、実施形態における回り止め処理工程は、省略することもできる。また、自重受金具9は、取付金具7を水平方向に挟んで両側に取り付けられる2つのピースで構成するようにしてもよい。また、本発明は、横架材が木質材である木造建築物に限られず、横架材が鋼材である鉄骨造の建築物にも適用することができる。また、以上説明した各壁パネル取付構造及び各壁パネル取付方法の構成要素は、適宜組み合わせてもよい。
1…パネル取付構造、5a…ボルト穴、6…下地鋼材(パネル支持部材)7…取付金具、9…自重受金具、9a,9b…取付フランジ、9d…逃げ部、11a…ボルト(ボルト類)、11b…ナット、13…ドリリングタッピンビス、15…ボルト(止め具)、21…上段取付部、21a…U溝、22…フランジ固定部(パネル支持部材固定部)、22a…ボルト穴、23…下段取付部、100…建物、203…横架材(パネル支持部材)、211a…ボルト(ボルト類)、211b…ナット(ボルト類)、213…ビス類、217…ボルト、P1…上段パネル(壁パネル)、P1b…上段パネルの内面、P2…下段パネル(壁パネル)、P2b…下段パネルの内面。

Claims (7)

  1. 建物の壁パネルとして上下に隣接して配置される上段パネルと下段パネルとを前記建物の所定のパネル支持部材の外側に取り付ける壁パネル取付方法であって、
    前記下段パネルの内面の上部に取付金具を取り付ける取付金具装着工程と、
    前記下段パネルに取り付けられた前記取付金具を前記パネル支持部材の外側にボルト類で固定する下段パネル設置工程と、
    前記上段パネルの自重を受けるための自重受金具を前記パネル支持部材の外側に取り付ける自重受金具取付工程と、
    前記パネル支持部材に固定された前記取付金具に前記上段パネルの内面の下部を固定する上段パネル設置工程と、を備え、
    前記取付金具は、
    前記上段パネル設置工程において前記上段パネルが外側に取り付けられる上段取付部と、
    前記取付金具装着工程において前記下段パネルが外側に取り付けられる下段取付部と、
    前記上段取付部と前記下段取付部との間に位置し、前記下段パネル設置工程において前記パネル支持部材の外側に固定されるパネル支持部材固定部と、を有しており、
    前記パネル支持部材固定部が前記上段取付部及び前記下段取付部に対して内側に膨出するように屈曲されており、
    前記下段パネル設置工程において前記ボルト類の頭は、前記パネル支持部材固定部の外側に配置されることを特徴とする壁パネル取付方法。
  2. 前記下段パネル設置工程の後、前記取付金具のビス穴にビス類を挿入することによって、前記取付金具を更に前記ビス類で前記パネル支持部材に固定し前記取付金具の回り止め処理を行う回り止め処理工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の壁パネル取付方法。
  3. 前記下段パネル設置工程において前記ボルト類が挿通される前記取付金具のボルト穴と前記パネル支持部材のボルト穴とのうち少なくとも何れか一方は、上下に延在する長穴であることを特徴とする請求項1又は2に記載の壁パネル取付方法。
  4. 前記自重受金具は、
    前記パネル支持部材との間隙で前記取付金具を上下に挿通させる切欠き状の逃げ部を有する形状をなしており、
    前記取付金具を水平方向に挟む2箇所の位置で前記パネル支持部材に固定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の壁パネル取付方法。
  5. 前記取付金具の前記上段取付部には、
    前記上段パネルの内面の下部から突出させた止め具を上方から差し込むための溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の壁パネル取付方法。
  6. 前記パネル支持部材固定部が前記上段取付部に対して内側に膨出することによって形成される前記パネル支持部材固定部と前記上段取付部との段差は、前記パネル支持部材固定部から突出する前記ボルト類の頭の突出量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の壁パネル取付方法。
  7. 建物の壁パネルとして上下に隣接して配置される上段パネルと下段パネルとを前記建物の所定のパネル支持部材の外側に取り付ける壁パネル取付構造であって、
    前記上段パネルが外側に取り付けられた上段取付部と、前記下段パネルが外側に取り付けられた下段取付部と、前記上段取付部と前記下段取付部との間に位置し前記パネル支持部材の外側にボルト類で固定されたパネル支持部材固定部と、を有する取付金具と、
    前記パネル支持部材の外側に取り付けられ前記上段パネルの自重を受ける自重受金具と、を備え、
    前記取付金具は、
    前記パネル支持部材固定部が前記上段取付部及び前記下段取付部に対して内側に膨出するように屈曲されており、
    前記ボルト類の頭は、前記パネル支持部材固定部の外側に配置されることを特徴とする壁パネル取付構造。
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