JP2022163873A - 成形構造体の製造装置および製造方法 - Google Patents

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【課題】成形構造体の製造に係る作業工数および製造コストを減らすことが可能であり、かつ、意匠性に優れる成形構造体を製造可能な製造装置および製造方法を提供する。【解決手段】上型41および下型51が型締めされた状態において、下型51に設けられた下型凹部53に対してインバース型58が退避位置から侵出位置に水平方向に変位することで、上型突出部43により下型凹部53内に押し込まれた成形構造体10の基となる板材10Pの一部をその板厚方向に剪断するとともに、剪断された板材10Pをインバース型58と下型凹部53との間で押圧することで、突出部20を立ち上げ形成可能としている。【選択図】図6

Description

本明細書に開示される技術は、成形構造体の製造装置および製造方法に関する。
従来、成形構造体として、板状体にその板面から突出する突出部を設けるために、板状体に突出部となる樹脂部材を取り付けたものが知られている(下記特許文献1)。特許文献1には、車両のアッパーボード(板状体)の裏面に、クリップを固定するためのブラケット(樹脂部材、突出部)を取り付けた構成のものが記載されている。
特開2014-205390号公報
上記構成のものでは、板状体と樹脂部材とをリベット留めや溶着などにより一体化させる作業が必要となり、作業工数が増えるという問題点がある。また、材料費や取付加工費がかかるため、製造コストが高くなる。
そこで、板状体をプレス成形することにより、板状体に突出部(例えばクリップ座)を一体に形成することが考えられる。
しかし、板状体をプレス成形した場合には、形成された突出部の反対面に突出部に沿った形状の凹状の孔部が形成されることになる。つまり、突出部の反対面が意匠面とされる場合であって、意匠面に表皮材を貼付した場合に、表皮材のうち孔部が形成された部分が周囲から窪んで、意匠性が損なわれるという問題がある。
本明細書で開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、成形構造体の製造に係る作業工数および製造コストを減らすことが可能であり、かつ、意匠性に優れる成形構造体を製造可能な製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
本明細書に開示される技術は、繊維および熱可塑性樹脂を含み、板状の本体部と、 前記本体部と一体で連続する板材からなり、前記本体部の板面から当該板面に沿う断面がU字形状となるように立ち上がる立壁と、前記立壁の突出端を繋いで前記本体部と対向する対向壁とを有する突出部と、を備える成形構造体を製造する製造装置であって、上型と、前記上型に対して鉛直方向の下方に位置する下型とを備え、前記上型は、水平方向に延びる上型基部と、前記上型基部から前記下型に向けて扁平な突出面を有して突出する上型突出部とを備え、前記下型は、当該下型の主体となり、水平方向に延びる下型基部と、前記上型突出部の下方に位置して前記上型突出部の突出寸法より大きい寸法で下方に向けて窪んで前記上型突出部を受け入れ可能な下型凹部とを有する下型主分割型と、当該下型凹部内に侵出した侵出位置と、前記下型凹部内から退避した退避位置との間で水平方向に変位可能なインバース型とを備えており、 前記インバース型の上面は、前記上型および前記下型が型締めされた状態における前記上型突出部の前記突出面から、前記成形構造体の基となる板材の板厚より小さい寸法、下方に離れた位置に配されるとともに、前記インバース型の下面は、前記下型凹部の底部から上方に離れた位置に配される高さとされており、前記上型および前記下型が型締めされた状態において、前記インバース型が前記退避位置から前記侵出位置に変位することで、前記上型突出部により前記下型凹部内に押し込まれた前記成形構造体の基となる板材の一部をその板厚方向に剪断するとともに、剪断された前記板材を前記インバース型および前記下型凹部との間で押圧することで、前記突出部を立ち上げ形成可能としている。
上記製造装置によれば、突出部が本体部と同材料にて一体に形成された成形構造体を製造することができる。上記製造装置により製造された成形構造体は、従来のように、別体とされた部材を本体部に取り付ける作業が不要となり、作業工数および製造コストを減らすことができる。
また、従来のように、板材を単にプレス成形することで、本体部と一体に連なる突出部を形成する場合、本体部のうち突出部の反対面は、突出部の突出寸法分凹状に窪んだ穴部とされる。しかし、上述した製造装置によれば、板材の一部を板厚方向に剪断し、剪断された部分を立ち上げることで突出部を形成する構成であるから、本体部のうち突出部の反対面に、突出部の突出寸法と比較して小さい深さ寸法の凹部が形成されるだけである。したがって、本体部のうち突出部が設けられた面の反対面に表皮材を貼付する場合、従来、穴部により表皮材に窪みができ易かった部分に比較的に窪みが形成され難く、成形構造体の意匠性を向上させることができる。
前記インバース型の前記退避位置から前記侵出位置への変位方向における先端面は、下方から上方に向けて前記変位方向の前方に向けて傾斜する傾斜面とされていてもよい。
上記構成によれば、インバース型の先端面の上端が変位方向の前方に突出した状態とされるから、板材の板厚方向における剪断を容易に行うことができる。また、インバース型の侵出位置側への変位に伴って、剪断された板材を傾斜面に沿って下方に案内することができる。
また、本明細書に開示される他の技術は、上述した製造装置を用いて前記成形構造体を製造する方法であって、繊維および熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型によって熱プレスしてプレボードを成形するプレボード成形工程と、前記上型の型面と前記下型の型面とにより前記プレボードをプレスして、板状の前記本体部と、前記本体部の板面から扁平な状態で突出する中間突出部と、を備える中間成形構造体を成形する突出プレス工程と、前記インバース型を前記退避位置から前記侵出位置に変位させることで、前記中間突出部の一部をその板厚方向に剪断するとともに剪断された部分をプレスして前記本体部の板面から立ち上げる剪断プレス工程と、前記侵出位置とされた前記インバース型を前記退避位置に変位させる退避工程と、を順に実行する。
上記製造方法によれば、突出部を本体部と同材料にて一体に形成可能であるから、従来のように、別体とされた部材を本体部に取り付ける作業が不要となり、成形構造体の製造に係る作業工数を減らすことができる。また、上記製造方法によれば、本体部のうち突出部の反対面に、突出部の突出寸法と比較して僅かに窪む穴部が形成されるだけである。したがって、本体部のうち突出部が設けられた面の反対面に表皮材を貼付する場合、従来、窪みができ易かった穴部が形成された部分で表皮材に窪みができ難くなり、意匠性が向上する。。
前記マットにおける前記熱可塑性樹脂の含有割合は、板厚方向において相対的に外側に位置する両外側部よりも、両外側部に挟まれて相対的に内側に位置する内側部において小さくなっていてもよい。
上記構成によれば、マットは比較的に繊維の含有割合が高い部分で板厚方向に剪断されるから、比較的に剪断が容易である、一方、剪断された部分は、熱可塑性樹脂の含有割合が高い部分で支持されることになり、形状を保持することができる。
本明細書に開示される技術によれば、成形構造体の製造に係る作業工数および製造コストを減らすことが可能であり、かつ、意匠性に優れる成形構造体を製造可能な製造装置および製造方法を提供することができる。
一実施形態のシートバックボードのクリップ座周辺の拡大断面図 ボード本体の一部拡大断面を模式的に示した説明図 プレボード成形工程を説明するための図であって、繊維マットをプレス型によってプレスしている最中の状態を示す断面図 成形型にプレボードを設置した状態を示す一部拡大断面図(上型及び下型が型開き状態) 突出プレス工程を説明するための図であって、図4に示す状態から成形型を型締めした状態を示す一部拡大断面図 剪断プレス工程を説明するための図であって、図5に示す状態から、インバース型を退避位置から侵出位置に変位させて中間突出部を剪断した状態を示す一部拡大断面図 退避工程を説明するための図であって、図6に示す状態から、インバース型を侵出位置から退避位置に変位させた状態を示す一部拡大断面図 図7に示す状態から上型及び下型を型開きして第2シートバックボード中間体が脱型された状態を示す一部拡大断面図
一実施形態を図1から図8によって説明する。本実施形態では、成形構造体として、乗物用部材である車両用のシートバックボード10を例示する。シートバックボード10は、車両のシートを構成するものであって、図1の一部拡大断面図に示すように、ボード本体11(本体部の一例)と、クリップ座20(突出部の一例)と、図示しない表皮材とを備える。シートバックボード10は、クリップ座20に取り付けられたクリップ60を介して、車両のシートが備えるシートフレーム(図示せず)に取り付けられる。なお、以下の説明では、図1の下側をシートの内側とし、上側を車室内側(意匠面側)とする。表皮材は、ボード本体11の車室内側に貼付される。
ボード本体11は板状をなし、繊維と熱可塑性樹脂とを含んで構成されている。具体的には、ボード本体11は、交絡した繊維間が熱可塑性樹脂により結着された構成とされている。従って、ボード本体11は、所定の剛性を保ちつつ、軽量な部材となっている。
本実施形態のボード本体11は、板厚方向において、熱可塑性樹脂の含有割合が不均一となっている。具体的には、熱可塑性樹脂の含有割合は、板厚方向において相対的に外側に位置する両外側部よりも、両外側部に挟まれて相対的に内側に位置する内側部において低くなっている。より詳細には、熱硬化性樹脂の含有割合は、両外側部から内側部にかけて徐々に低くなる傾斜組成とされている。図2はその様子を模式的に示した説明図であって、斜線で示す両外側部が熱可塑性樹脂の含有割合が高いことを示し、両外側部に挟まれた内側部が繊維の含有割合が高いことを示している。
なお、上述した繊維としては、木材等を解織して得た木質繊維、ケナフ等の靭皮植物繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、合成樹脂繊維等を採用することができる。また熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂)等を例示することができる。
クリップ座20は、ボード本体11と同材料にて、ボード本体11と連続して一体に形成されている。図1に示すように、クリップ座20は、ボード本体11から立ち上がり、ボード本体11の板面に沿う断面がU字形状とされた立壁25と、立壁25の立ち上がり方向の先端(図1の下方)においてボード本体11の板面と平行に配され、クリップ60を取り付けるための板状の取付座21(対向壁の一例)と、を備えて構成されている。
立壁25は、ボード本体11に対し、ボード本体11側から取付座21側に向けて先細りとなる方向に傾く傾斜状に配されている。取付座21は略半円形の板状をなし、その中央部に、クリップ60の軸部61を挿通させるクリップ挿通孔22が形成されている。取付座21には、立壁25と連なっていない縁部からクリップ挿通孔22まで連なる挿通溝23が形成されており、クリップ60の軸部61は、挿通溝23を通してクリップ挿通孔22に挿通可能とされている。
ボード本体11のうち、U字形状の立壁25の内側に位置する部分は、取付座21側に向けて扁平な段差状に突出した扁平突出部12とされている。この扁平突出部12は、周辺領域(立壁25の外側に位置する部分)より板厚が薄く形成されている(図1参照)。扁平突出部12の反対面は、ボード本体11の室内面11Aから浅く窪む凹状部13とされている。凹状部13の深さ寸法は、ボード本体11の板厚と同等とされている。
次にシートバックボード10の製造方法の一例について説明する。本実施形態のシートバックボード10の製造方法は、プレボード10Pを成形するプレボード成形工程と、プレボード10Pを上型41および下型51によってプレスして所定部分を扁平な段差状に突出させる突出プレス工程と、突出プレス工程によりプレス成形された第1シートバックボード中間体10M1(中間成形構造体の一例)の突出部分の一部を板厚方向に剪断するとともに所定の形状にプレス成形する剪断プレス工程と、退避工程と、が順に実行されるものである。
まず、図4を参照して、突出プレス工程および剪断プレス工程を実行するための成形型40(製造装置の一例)について説明する。成形型40は、プレボード10Pを上下方向からプレスするための一対の型41,51を有している。一対の型41,51は、上方に配され、プレボード10Pを室内面11Aとなる面側(図4の上面側)からプレスする上型41と、上型41に対向するように下方に配され、プレボード10Pをシートの内面11Bとなる面側(図3の下面側)からプレスする下型51と、を備えて構成されている。
上型41は、水平方向に延びる上型基部42と、上型基部42から下方に向けて扁平な段差状に突出する上型突出部43とを備えて構成されている。上型突出部43の上型基部42からの突出寸法は、上述したボード本体11の板厚寸法(後述するシートバックボード成形空間S1の高さ寸法)と同等とされている。
上型突出部43は、突出面43Aが略半円形の平面状とされており、その外側面43Bは、平面状の平外側面43B1と、平外側面43B1の両端部からU字形状に湾曲して連なる湾曲外側面43B2とから構成されている。これら上型突出部43の平外側面43B1および湾曲外側面43B2は、上型基部42から突出方向における先端側(図4の下方)向けて先細りとなる方向に傾く傾斜状とされている。上型41は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等)によって、上下方向へ移動が可能な可動型とされる。
一方、下型51は、水平方向に延びる下型基部52と、上型41の上型突出部43に対向する位置において、上型突出部43の形状に対応して下型基部52から下方に向けて窪む下型凹部53とを有する下型主分割型54と、下型主分割型54に対して水平方向に変位可能なインバース型58とを備えて構成されている。
下型凹部53の内側面53Bは、上型41の上型突出部43の外側面43Bに対応するべく、平面状の平内側面53B1と、平内側面53B1の両端部からU字形状に湾曲して連なる湾曲内側面53B2とを備えている。
下型基部52は、上型41および下型51が型締めされた状態において、上型基部42との間に所定の間隔が設けられるように設定されている(図5参照)。また、下型凹部53の内側面53Bは、上型41および下型51が型締めされた状態において、上型突出部43の外側面43Bとの間に所定の間隔が設けられるように設定されている。この下型凹部53の内側面53Bは、下型基部52から下型凹部53の底部53Aに向けて(下方に向けて)先細りとなる方向に傾く傾斜状とされている。一方、下型凹部53の底部53Aは、上型41および下型51が型締めされた状態において、上型突出部43の突出面43Aから下方に向けて大きく離れた位置に設けられている。つまり下型凹部53は、上型突出部43の上型基部42からの突出寸法より大きい寸法で下型基部52から下方に向けて窪んでいる。
なお、上型41および下型51が型締めされた状態において、上型基部42と下型基部52との間、および、上型突出部43の外側面43Bと下型凹部53の内側面53Bとの間に形成される空間を、以下、シートバックボード成形空間S1とする(図5参照)。
下型主分割型54には、下型基部52の下方において、下型凹部53の平内側面53B1から水平方向に延びてインバース型58を収容可能なインバース型収容部55が設けられている。
インバース型58は、下型主分割型54に対して水平方向に変位可能とされ、下型凹部53内に侵出した侵出位置(図6参照)と、下型凹部53から退避してインバース型収容部55内に収容された退避位置(図4および図5参照)との間で変位可能とされている。下型凹部53の平内側面53B1は、周縁部を残して、中央部がインバース型58を挿通可能な開口部56とされている。
インバース型58は、退避位置から下型凹部53内への変位方向(図5の矢印Dが指す方向)における先端側の外周面(以下、先端面58Aとする)が、下型凹部53の湾曲内側面53B2に対応する形状をなしている。具体的には、変位方向Dにおける先端面58Aは、下型凹部53の湾曲内側面53B2に沿うように、断面がU字形状となるように湾曲している。また、インバース型58の先端面58Aは、下型凹部53の底部53A側(下方)から下型基部52側(上方)に向けて変位方向Dの前方に傾斜する傾斜状とされている。
図5に示すように、インバース型58の上面58Bは、上型41および下型51が型締めされた状態において、上型突出部43の突出面43Aよりも下方に位置するとともに、下型凹部53内に押し出された後述する突出プレス後のプレボード(第1シートバックボード中間体10M1とする)の下面10MBよりも上方に位置する高さに設定されている。換言すると、インバース型58の上面58Bは、型締めされた上型41の上型突出部43の突出面43Aと、下型凹部53内に押し出された第1シートバックボード中間体10M1の下面10MBとの間に位置する高さに設定されている。つまり、インバース型58の上面58Bは、型締めされた上型41の上型突出部43の突出面43Aから、プレボード10P(成形構造体の基となる板材の一例)の板厚より小さい寸法、下方に離れた位置に配される高さに設定されている。
なお、本実施形態では、インバース型58の上面58Bは、型締めされた上型41の上型突出部43の突出面43Aと下型凹部53内に押し出された第1シートバックボード中間体10M1の下面10MBとの、丁度中間に位置するように設定されている。
またインバース型58の下面58Cは、下型凹部53の底部53Aよりもやや高い位置に配されている。やや高い位置とは、後述するように、第1シートバックボード中間体10M1がインバース型58の先端によって剪断された際に、剪断された状態の第2シートバックボード中間体10M2の、下方に案内された部分が、インバース型58の下面58Cと下型凹部53の底部53Aとの間で上下方向からプレス可能な高さを指すこととする(図6参照)。
シートバックボード10は、上述した成形型40を使用して、次の手順で製造される。
<プレボード成形工程>
プレボード成形工程では、図3に示すように、繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維マット10Fを、一対の平坦なプレス型30,31によって加熱プレスする。これにより、繊維マット10Fが圧縮されると共に、繊維マット10Fに含まれる熱可塑性樹脂が溶融することで互いの接触面において混ざり合う。その後、繊維マット10Fに含まれる熱可塑性樹脂が冷却固化することで、プレボード10Pが成形される。
<突出プレス工程>
突出プレス工程では、プレボード10Pを、上型41および下型51の間の所定位置に配置する(図4参照)。続いて、加熱装置(図示せず)によって加熱された状態の上型41および下型51を、図5に示すように型締めすることで、プレボード10Pを上型41および下型51によってプレス成形する。これにより、プレボード10Pのうち上型突出部43の突出面43Aに対応する部分以外の部分(上型基部42および上型突出部43の外側面43Bに対応する部分)が、シートバックボード成形空間S1の形状に倣う形状となる。
プレボード10Pのうち上型突出部43の突出面43Aに対応する部分は、突出面43Aにより下型凹部53内に押し込まれ、下型凹部53内に突出する扁平な中間突出部20Mが一体に突出形成された第1シートバックボード中間体(中間成形構造体の一例)10M1が形成される。中間突出部20Mの下面は、下型凹部53の平内側面53B1に形成された開口部56の上端(すなわちインバース型58の上面58B)より下方に配されている。
<剪断プレス工程>
次に、退避位置とされたインバース型58を侵出位置に変位させる(図6参照)。インバース型58は、変位の過程で中間突出部20Mの側面に当接し、さらに変位することで、中間突出部20Mをその板厚方向に剪断する。剪断された部分のうち下方部分は、インバース型58の傾斜状の先端面58Aに沿って下方に向けて案内され、やがて、インバース型58と下型凹部53の内面(湾曲内側面53B2および底部53A)との間に押圧されることで、クリップ座20の立壁25および取付座21が立ち上げ形成される。つまり、下型凹部53の底部53Aは、インバース型58の下面59Cとの間で、プレボード10Pの剪断された部分のうち下方部分を押圧可能な高さに設定されている。
また、プレボード10Pの剪断された部分のうち上方部分は、インバース型58の上面58Bと上型突出部43の突出面43Aとの間に押圧されることで、上述した扁平突出部12が形成される。この扁平突出部12の板厚は、ボード本体11(シートバックボード成形空間S1の形状に倣った部分)の板厚と比較して、小さい寸法とされている。このようにして、第2シートバックボード中間体10M2が形成される。
<退避工程>
次に、侵出位置とされたインバース型58を退避位置に変位させる(図7参照)。そして、第2シートバックボード中間体10M2に含有されている熱可塑性樹脂が冷却固化した後、図8に示すように、上型41及び下型51を開いて脱型し、その後、取付座21にクリップ挿通孔22と挿通溝23を切削形成することで、シートバックボード10が完成する。
次に、作用効果について説明する。本実施形態は、繊維および熱可塑性樹脂を含み、板状のボード本体11と、ボード本体11と一体で連続する板材からなり、ボード本体11の板面から当該板面に沿う断面がU字形状となるように立ち上がる立壁25と、立壁25の突出端を繋いでボード本体11と対向する取付座21とを有するクリップ座20と、を備えるシートバックボード10を製造する成形型40であって、上型41と、上型41に対して鉛直方向の下方に位置する下型51とを備え、上型41は、水平方向に延びる上型基部42と、上型基部42から下型51に向けて扁平な突出面43Aを有して突出する上型突出部43とを備え、下型51は、当該下型51の主体となり、水平方向に延びる下型基部52と、上型突出部43の下方に位置して上型突出部43の突出寸法より大きい寸法で下方に向けて窪んで上型突出部43を受け入れ可能な下型凹部53とを有する下型主分割型54と、下型凹部53内に侵出した侵出位置と、下型凹部53内から退避した退避位置との間で水平方向に変位可能なインバース型58とを備えており、インバース型58の上面58Bは、上型41および下型51が型締めされた状態における上型突出部43の突出面43Aから、プレボード10Pの板厚より小さい寸法、下方に離れた位置に配されるとともに、インバース型58の下面58Cは、下型凹部53の底部53Aから、上方に離れた位置に配されており、上型41および下型51が型締めされた状態において、インバース型58が退避位置から侵出位置に変位することで、上型突出部43により下型凹部53内に押し込まれたシートバックボード10の基となる第1シートバックボード中間体10M1の一部(中間突出部20M)をその板厚方向に剪断するとともに、剪断された第1シートバックボード中間体10M1(中間突出部20M)の下方部分をインバース型58および下型凹部53との間で押圧することで、クリップ座20を立ち上げ形成可能としている。
上記成形型40によれば、クリップ座20がボード本体11と同材料にて一体に形成されたシートバックボード10を製造することができる。上記成形型40により製造されたシートバックボード10は、従来のように、別体とされた部材をボード本体に取り付ける作業が不要となり、作業工数および製造コストを減らすことができる。
また、従来のように、板材を単にプレス成形することで、ボード本体と一体に連なる突出部を形成する場合、ボード本体のうち突出部の反対面は、突出部の突出寸法分凹状に窪んだ穴部とされる。しかし、上述した成形型40によれば、第1シートバックボード中間体10M1の一部(中間突出部20M)を板厚方向に剪断し、剪断された部分の片方(下方部分)を立ち上げることでクリップ座20を形成する構成であるから、ボード本体11のうちクリップ座20の反対面(室内面11A)に、クリップ座20の突出寸法と比較して小さい深さ寸法の、浅い凹状部13が形成されるだけである。したがって、ボード本体11のうちクリップ座20が設けられた面の反対面(室内面11A)に表皮材を貼付する場合、従来、穴部により表皮材に窪みができ易かった部分に比較的に窪みが形成され難く、シートバックボード10の意匠性を向上させることができる。
また、インバース型58の退避位置から侵出位置への変位方向Dにおける先端面58Aは、下方から上方に向けて変位方向Dの前方に向けて傾斜する傾斜面とされている。
上記構成によれば、インバース型58の先端面58Aの上端が変位方向Dの前方に突出した状態とされるから、第1シートバックボード中間体10M1(中間突出部20M)の板厚方向における剪断を容易に行うことができる。また、インバース型58の侵出位置側への変位に伴って、剪断された第1シートバックボード中間体10M1(中間突出部20M)の下方部分を傾斜面に沿って下方に案内することができる。
また、本実施形態は、上述した成形型40を用いてシートバックボード10を製造する方法であって、繊維および熱可塑性樹脂を含む繊維マット10Fをプレス型30,31によって熱プレスしてプレボード10Pを成形するプレボード成形工程と、上型41の型面と下型51の型面とによりプレボード10Pをプレスして、板状のボード本体11と、ボード本体11の板面から扁平な状態で突出する中間突出部20Mと、を備える第1シートバックボード中間体10M1を成形する突出プレス工程と、インバース型58を退避位置から侵出位置に変位させることで、中間突出部20Mの一部をその板厚方向に剪断するとともに剪断された部分をプレスしてボード本体11の板面から立ち上げる剪断プレス工程と、侵出位置とされたインバース型58を退避位置に変位させる退避工程と、を順に実行する。
上記製造方法によれば、クリップ座20をボード本体11と同材料にて一体に形成可能であるから、従来のように、別体とされた部材をボード本体に取り付ける作業が不要となり、シートバックボード10の製造に係る作業工数を減らすことができる。
また、上記製造方法によれば、ボード本体11のうちクリップ座20の反対面(室内面11A)に、クリップ座20の突出寸法と比較して小さい寸法、すなわち、僅かに窪む凹状部13が形成されるだけである。したがって、ボード本体11のうちクリップ座20が設けられたシートの内面11Bの反対面(室内面11A)に表皮材を貼付する場合、従来、窪みができ易かった穴部が形成された部分で表皮材に窪みができ難くなり、シートバックボード10の意匠性が向上する。
また、繊維マット10Fにおける熱可塑性樹脂の含有割合は、板厚方向において相対的に外側に位置する両外側部よりも、両外側部に挟まれて相対的に内側に位置する内側部において小さくなっている。
上記構成によれば、繊維マット10Fは比較的に繊維の含有割合が高い部分で板厚方向に剪断されるから、比較的に剪断が容易である、一方、剪断された部分は、熱可塑性樹脂の含有割合が高い部分で支持されることになり、形状を保持することができる。
<他の実施形態>
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、立壁25は、ボード本体11からボード本体11の板面に沿った断面が略U字形状に湾曲する例を示したが、立壁は、例えば、ボード本体から立ち上がる少なくとも3つの平板がU字形状に連なる構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、中間突出部20Mがその板厚方向における丁度中央で剪断される構成を示したが、板厚方向において室内面あるいはシート内面のどちらかに偏った位置で剪断される構成とすることもできる。
(3)また上記実施形態では、繊維マット10F(ひいてはシートバックボード110)における熱可塑性樹脂の含有割合が板厚方向において異なる構成を示したが、熱可塑性樹脂の含有割合が板厚方向において同等とされたものにも本明細書に開示される技術を適用可能である。
10:シートバックボード(成形構造体)、10M1:第1シートバックボード中間体(中間成形構造体)、10MB:下面、10P:プレボード(成形構造体の基となる板材)11:ボード本体(本体部)、11A:室内面(反対面)、20:クリップ座(突出部)、20M:中間突出部、21:取付座(対向壁)、25:立壁、40:成形型(製造装置)、41:上型、42:上型基部、43: 上型突出部、43A:突出面、51:下型、52:下型基部、53:下型凹部、53A:底部、54:下型主分割型、55:インバース型収容部、58:インバース型、58A:先端面、58B:上面、58C:下面、D:変位方向、S1:シートバックボード成形空間

Claims (4)

  1. 繊維および熱可塑性樹脂を含み、
    板状の本体部と、
    前記本体部と一体で連続する板材からなり、前記本体部の板面から当該板面に沿う断面がU字形状となるように立ち上がる立壁と、前記立壁の突出端を繋いで前記本体部と対向する対向壁とを有する突出部と、
    を備える成形構造体を製造する製造装置であって、
    上型と、前記上型に対して鉛直方向の下方に位置する下型とを備え、
    前記上型は、水平方向に延びる上型基部と、前記上型基部から前記下型に向けて扁平な突出面を有して突出する上型突出部とを備え、
    前記下型は、当該下型の主体となり、水平方向に延びる下型基部と、前記上型突出部の下方に位置して前記上型突出部の突出寸法より大きい寸法で下方に向けて窪んで前記上型突出部を受け入れ可能な下型凹部とを有する下型主分割型と、当該下型凹部内に侵出した侵出位置と、前記下型凹部内から退避した退避位置との間で水平方向に変位可能なインバース型とを備えており、
    前記インバース型の上面は、前記上型および前記下型が型締めされた状態における前記上型突出部の前記突出面から、前記成形構造体の基となる板材の板厚より小さい寸法、下方に離れた位置に配されるとともに、前記インバース型の下面は、前記下型凹部の底部から上方に離れた位置に配される高さとされており、
    前記上型および前記下型が型締めされた状態において、前記インバース型が前記退避位置から前記侵出位置に変位することで、前記上型突出部により前記下型凹部内に押し込まれた前記成形構造体の基となる板材の一部をその板厚方向に剪断するとともに、剪断された前記板材を前記インバース型と前記下型凹部との間で押圧することで、前記突出部を立ち上げ形成可能としている成形構造体の製造装置。
  2. 前記インバース型の前記退避位置から前記侵出位置への変位方向における先端面は、下方から上方に向けて前記変位方向の前方に向けて傾斜する傾斜面とされている請求項1に記載の成形構造体の製造装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の製造装置を用いて前記成形構造体を製造する方法であって、
    繊維および熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型によって熱プレスしてプレボードを成形するプレボード成形工程と、
    前記上型の型面と前記下型の型面とにより前記プレボードをプレスして、板状の前記本体部と、前記本体部の板面から扁平な状態で突出する中間突出部と、を備える中間成形構造体を成形する突出プレス工程と、
    前記インバース型を前記退避位置から前記侵出位置に変位させることで、前記中間突出部の一部をその板厚方向に剪断するとともに剪断された部分をプレスして前記本体部の板面から立ち上げる剪断プレス工程と、
    前記侵出位置とされた前記インバース型を前記退避位置に変位させる退避工程と、を順に実行する成形構造体の製造方法。
  4. 前記マットにおける前記熱可塑性樹脂の含有割合は、板厚方向において相対的に外側に位置する両外側部よりも、両外側部に挟まれて相対的に内側に位置する内側部において小さくなっている請求項3に記載の成形構造体の製造方法。
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