JP2754756B2 - 複合同時成形金型及びその金型を用いた複合材の成形方法 - Google Patents

複合同時成形金型及びその金型を用いた複合材の成形方法

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JP2754756B2
JP2754756B2 JP16983689A JP16983689A JP2754756B2 JP 2754756 B2 JP2754756 B2 JP 2754756B2 JP 16983689 A JP16983689 A JP 16983689A JP 16983689 A JP16983689 A JP 16983689A JP 2754756 B2 JP2754756 B2 JP 2754756B2
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有道 福田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は複合同時成形金型及びその金型を用いた複
合材の成形方法に関するもので、更に詳細には、一対の
金属板間に合成樹脂層を充填したいわゆるサンドイッチ
構造の複合材を成形する金型及び金型を用いてサンドイ
ッチ状複合材を成形する方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、2枚の金属板の間に合成樹脂層を形成する複合
材は、例えば、押出しにより板状に形成した合成樹脂の
両面を接着剤により金属板と接合して製造されている。
このような方法にて製造される複合材は、サンドイッチ
鋼板と称されるもので、その構造は、単に金属板の間に
樹脂層が形成されたもので、平面板材であり、曲げや絞
り等の形状をなすものではない。
そこで、この発明の発明者等は、板金のプレス加工と
樹脂の射出成形とを組合せて種々の形状の複合材の製法
を提案している(特願昭61−224223号、特願昭62−2113
22号)。具体的には、対になるプレス加工用のパンチ、
ダイ等の凹凸面部を形成した移動型と固定型との間に被
成形板となる金属板を2枚重ねた状態で配置し、移動型
の移動による型締めを行って、まず、プレス加工を行
い、その後、各型に金属板を1枚ずつ保持した状態で移
動型を型締め解除方向に移動して両金属板間に所定幅の
キャビティ、あるいは、プレス加工による穴を通して金
属板の外側にキャビティを形成し、そのキャビティ内に
溶融樹脂を射出注入して樹脂層を形成する。そして、樹
脂層が固化した後に複合材成形品を取出すようにしてい
る。また、複合材の別の製法として、出願人等は2枚の
被成形板を分離した状態で同時にプレス加工を行い、そ
の分離した状態でプレス加工のなされた両被成形板間に
樹脂層を形成する製法を提案すると共に、その成形用金
型を提案した(特願昭63−11873号)。この成形用金型
は、第9図に示すように、互いに接離可能に対峙すると
共に当接した型締め状態の際に対向する面に共働してキ
ャビティ部fを形成する固定金型体a及び可動金型体b
と、これら固定及び可動金型体a,b間に進退自在に配設
されると共に固定及び可動金型体a,bと共働して同時型
締め可能な中間金型体cとで構成され、上記固定金型体
aと中間金型体c及び可動金型体bと中間金型体cの対
向面にそれぞれ対をなすプレス加工用の凹凸面部d,dを
形成すると共に、上記固定金型体a及び可動金型体bの
凹凸面部dにはプレス加工済みの各被成形板を保持する
進退可能な保持部eを設け、かつ、上記固定金型体aと
可動金型体bの凹凸面部d,dのいずれか一方d(固定金
型)に上記キャビティ部fに溶融樹脂を注入するための
射出通路gを有する穴抜きパンチ兼スプルhを設けた構
造となっている。
上記のように構成される金型を用いてサンドイッチ構
造の複合材を成形するには、第10図(a)ないし(e)
に示すように、まず、固定金型体a、可動金型体b及び
中間金型体cをそれぞれ対峙した状態にセットした後、
固定金型体aと中間金型体cとの間及び可動金型体bと
中間金型体cとの間にそれぞれ被成形板i,iを配置す
る。この状態で固定金型体a、可動金型体b及び中間金
型体cの同時型締めを行って被成形板i,iの所定のプレ
ス加工を行い、次に、プレス加工済みの被成形板i,iを
保持しつつ固定金型体a及び可動金型体bを離隔した状
態で中間金型体cを固定及び可動金型体a,b間から後退
移動させ、そして、固定金型体aと可動金型体bとの型
締めにより形成されたキャビティ部f内に溶融樹脂を注
入充填して両被成形板i,i間に合成樹脂製心材層jを形
成し、最終工程として、合成樹脂注入部(ゲート部)の
穴抜き等の後処理を行っている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のような製法によって製造される
複合材は、被成形板のいずれか一方にのみ溶融樹脂注入
用のゲート部を設けるため、ゲート部をカットするのが
面倒であるばかりか穴抜き加工された貫通穴の精度等を
出すための後処理が面倒となる等の問題がある。
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、その目
的とするところは、一対の金属板を分離した状態で同時
プレス加工を行い、その分離した状態でプレス加工のな
された両被成形板間に合成樹脂層を充填注入した後、成
形品の合成樹脂注入用ゲート部の後処理を容易に行える
ようにした複合同時成形金型を提供するものであり、更
に、この複合材の成形を簡単にすると共に、複合材製品
の品質の向上等を図れるようにした複合材の成形方法を
提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、この発明の複合同時成形
金型は、互いに接離可能に対峙すると共に当接した型締
め状態の際に対向する面に共働してキャビティ部を形成
する第1の金型体及び第2の金型体と、これら第1及び
第2の金型体間に進退自在に配設されると共に第1及び
第2の金型体と共働して同時型締め可能な第3の金型体
とから成る複合同時成形金型を前提とし、上記第1の金
型体と第3の金型体及び第2の金型体と第3の金型体の
対向面にそれぞれ対をなすプレス加工用の凹凸面部を形
成すると共に、上記第1の金型体及び第2の金型体の凹
凸面部にはプレス加工済みの各被成形板を保持する進退
可能な保持部を設け、上記第1の金型体と第2の金型体
の凹凸面部のいずれか一方に上記キャビティ部に溶融樹
脂を注入するための射出通路を有する穴抜きパンチ兼ス
プルを設けると共に、他方には上記穴抜きパンチ兼スプ
ルと対向すると共に上記キャビティ部の形成状態におい
て上記穴抜きパンチ兼スプルの近接部位に位置する貫通
穴用穴抜きパンチを設けて成るものである。
また、この発明の複合材の成形方法は、上記第1、第
2及び第3の金型体を用意した後、上記第1の金型体と
第3の金型体との間及び第2の金型体と第3の金型体と
の間にそれぞれ被成形板を配置する第1の工程と、この
状態で上記第1、第2及び第3の金型体の同時型締めを
行って被成形板のプレス加工を行う第2の工程と、上記
第2の工程の後にプレス加工済みの被成形板を保持しつ
つ上記第1及び第2の金型体を離隔した状態で上記第3
の金型体を第1及び第2の金型体間から後退移動させる
第3の工程と、第1の金型体と第2の金型体との型締め
により形成されたキャビティ部内に溶融樹脂を注入充填
して両被成形板間に合成樹脂層を形成する第4の工程
と、上記合成樹脂層が固化した後に上記第1の金型体と
第2の金型体との型締め解除により取出された複合材に
おける上記穴抜きパンチ兼スプルと貫通穴用穴抜きパン
チとの間に形成された薄肉部を穴抜きする第5の工程と
から成るものである。
この発明の複合同時成形金型において、上記第1の金
型及び第2の金型体の凹凸面部と第3の金型体の凹凸面
部にて絞り加工及び所定のプレス加工を行うものであれ
ば、その凹凸面部は任意の形状に設定しても差支えな
い。
また、上記第1及び第2の金型体の被成形板保持部は
進退可能な構造であれば任意のものでよいが、好ましく
は進退移動手段を介して進退可能に形成する方がよい。
加えて、上記穴抜きパンチ兼スプルと貫通穴用穴抜き
パンチの先端面は剪断用エッジ部を有するものであれは
平坦状であってもよく、あるいは、中央部が隆起する凸
状の段部を有するものであってもよい。
一方、この発明の複合材の成形方法において、所定の
プレス加工として被成形板の絞り加工とゲート部以外の
穴抜き加工を行うことも可能である。
[作 用] 上記技術的手段は次のように作用する。
上記のように構成される第1、第2及び第3の金型体
を対峙させて、各金型体間に被成形板を配置した状態
で、これら金型体を同時型締めを行うことにより、被成
形板の凹凸面に沿った所定のプレス加工が行われる。こ
のプレス加工等が行われた後、型締めが解除されて第3
の金型体が後退した後、第1の金型体と第2の金型体と
の型締めにより形成されたキャビティ部内に溶融合成樹
脂を注入充填することにより、穴抜きパンチ兼スプルと
貫通穴用穴抜きパンチとの間が薄肉状となる合成樹脂製
心材層が形成される。そして、取出された被成形板の上
記薄肉部に連結する残留樹脂をもって薄肉部の穴抜きを
行うことにより、ゲート部が貫通された複合材が得られ
る。
[実施例] 以下にこの発明の実施例を図面に基いて詳細に説明す
る。
第1図はこの発明の金型の断面図が示されている。
この発明の金型は、第1の金型体10(以下に固定金型
体という)と、この固定金型体10に対して接離可能に対
峙する第2の金型体20(以下に可動金型体という)と、
これら固定及び可動金型体10,20の間に進退自在に配設
されると共に固定及び可動金型体10,20と共働して同時
型締めを行う第3の金型体30(以下に中間金型体とい
う)とで構成されている。
上記固定及び可動金型体10,20は、互いに当接した型
締め状態における対向面に共働して後述するキャビティ
部40を形成するようになっており、また、これら固定及
び可動金型体10,20と中間金型体30との対向面にはそれ
ぞれ対をなすプレス加工用の凹凸面部42,42;42,42が形
成されている。この際、固定及び可動金型体10,20の凹
凸面部42,42の一部にはプレス加工済みの各被成形板44,
44を保持する保持部43,43が形成されている。この保持
部43,43はそれぞれ固定及び可動金型体10,20に対して進
退可能なノックアウトにて形成されている。すなわち、
保持部43は固定及び可動金型体10,20の対向面に形成さ
れる狭隘状開口部46の拡開室48内に摺動自在に嵌合され
るピストン部43aを具備することにより固定金型体10又
は可動金型体20に対してそれぞれ進退可能に形成されて
いる。この場合、図示しないシリンダ等によりノックア
ウト43とパンチプレート45との隙間47分、保持部43が進
退移動する。この場合、上記説明では、ピストン部43a
の往復移動によりノックアウト43を進退移動させている
か、必ずしもこの構造に限定されるものではなく、例え
ば第6図に示すように、パンチプレート45に埋設される
油圧シリンダ72のピストンロッド73にてノックアウト43
を進退移動することもできる。
また、上記固定金型体10の凹凸面部42には保持部43の
進退移動に伴って出没可能となる穴抜きパンチ兼スプル
11が設けられている。この穴抜きパンチ兼スプル11は先
端に剪断用エッジ部を有すると共に、その中心部には溶
融樹脂をキャビティ部40内に案内する射出通路12が設け
られている。
上記可動金型体20には、保持部43の背後から表面外方
側に向って突出し得る貫通穴用穴抜きパンチ50が設けら
れている。この貫通穴用穴抜きパンチ50は、先端に剪断
用エッジ部を有すると共に、固定金型体10と可動金型体
20とが共働してキャビティ部40を形成する状態におい
て、上記穴抜きパンチ兼スプル11の先端面の近接部位に
位置し得るようになっている。したがって、穴抜きパン
チ兼スプル11の射出通路12を介してキャビティ部40内に
注入される溶融樹脂が固化すると、穴抜きパンチ兼スプ
ル11の先端面と貫通穴用穴抜きパンチ50の先端面との間
に形成される僅かな隙間lにより合成樹脂製の心材層60
のゲート部が薄肉状に形成されるようになっている。
一方、上記中間金型体30の固定金型体10と対向する凹
凸面部42には穴抜きパンチ兼スプル11のダイ31が設けら
れ、また、可動金型体20と対向する凹凸面部42には貫通
穴用穴抜きパンチ50のダイ32が設けられている。なお、
上記ダイ31,32は中間金型体30の中心部に設けられた打
抜きかす取出し通路34に連通されている。また、中間金
型体30の本体30aの周囲には、固定金型体10側に第1の
ストリッパプレート36が可動金型体20側に第2のストリ
ッパプレート37がそれぞれ設けられ、これらストリッパ
プレート36,37と中間金型体本体30aとの間の隙間30b,30
bにはそれぞれスプリング(図示せず)が配設されてい
る。
次に、上記のように構成されるこの発明の金型を用い
て複合材を成形する手順を第2図(a)ないし(e)を
参照して説明する。
*第1の工程 まず、固定金型体10と可動金型体20との間に中間金型
体30を対峙させた状態に用意した後、固定金型体10と中
間金型体30の間及び可動金型体20と中間金型体30との間
にそれぞれ金属板製の被成形板44,44を配置する(第2
図(a)参照)。ここでセットされる被成形板44は、例
えば接着フィルムが表面に張付けられたラミネート鋼板
が用いられる。
この場合、固定金型体10はプランジャ、スクリュー等
の射出成形機52に固定され、可動金型体20は油圧等の作
用により型締め、型開きが行われるようになっている。
このような固定金型体10と可動金型体20との間に配置さ
れる中間金型体30は、第3図に示すように、中間金型体
30の移動方向(図面において左右方向)に順次並設され
るローラ54,54…を備えた第1のローラコンベア55と、
このローラコンベア55に載置され、それと直交する方向
(図面に対して垂直方向)に順次並設されるローラ56,5
6…を備えた第2のローラコンベア57とで構成され、第
2のローラコンベア57上に配置される中間金型体30が図
示しないエアーシリンダによって固定金型体10と可動金
型体20の間に配設されるようになっている。
*第2の工程 上記のように被成形板44,44をセットした状態で、可
動金型体20を固定金型体10に向けて移動させると共に、
その過程で中間金型体30を押して固定、可動及び中間金
型体10,20,30の同時型締めを行う(第2図(b)参
照)。この型締めの際、上記のようにセットされた被成
形板44,44が凹凸面部42,42;42,42に沿ってプレス加工さ
れる。具体的には、固定金型体10と可動金型体20の各保
持部43,43が板押えの役割をし、固定及び中間金型体10,
30の移動に伴って保持部43,43がパンチプレート45,45と
の隙間47,47の分だけ後退して、パンチプレート45,45と
当接した状態で完全な型締め、プレス加工がなされる。
このとき、固定金型体10側では、穴抜きパンチ兼スプル
11が保持部43の表面から突出して被成形板44に対応する
穴明けがなされ、可動金型体20側では、貫通穴用穴抜き
パンチ50が保持部43の表面から突出して被成形板44に対
応する穴明けがなされる。また、各被成形板44,44の周
辺部は、固定金型体10の周辺部と中間金型体30の周辺部
の部分、可動金型体20の周辺部と中間金型体30の周辺部
の部分によりそれぞれ打抜かれ、第1及び第2のストリ
ッパプレート36,37により押出される。
*第3の工程 上記のようにして、各被成形板44,44のプレス加工が
終了すると、可動金型体20が固定金型体10と反対方向に
移動し、固定金型体10と可動金型体20と中間金型体30と
がそれぞれ離れる位置まで型開きを行い、その後、中間
金型体30を型締め方向と垂直方向に後退させる(第2図
(c)参照)。この際、加工済みの被成形板44,44は固
定及び可動金型体10,20の狭隘開口部46と穴抜きパンチ
兼スプル11、貫通穴用穴抜きパンチ50等との剪断部分で
の擦り合せ抵抗等により保持部43の表面に密着した状態
で保持される。また、中間金型体30のストリッパプレー
ト36,37にはブラング材38,38が残留し、更に、固定及び
可動金型体10,20の穴抜きパンチ兼スプル11、貫通穴用
穴抜きパンチ50等に対応した穴部分には抜きかす44a,44
aが残留する。
*第4の工程 上記のように中間金型体30を後退させた後、固定金型
体10と可動金型体20との型締めを行う(第2図(d)参
照)。この際、各保持部43,43はパンチプレート45,45の
位置まで後退しており、固定金型体10の周辺部と可動金
型体20の周辺部の当接により、加工済み被成形板44,44
との間にキャビティ部40が形成され、また、穴抜きパン
チ兼スプル11の先端面と貫通穴用穴抜きパンチ50の先端
面との間に薄肉部形成用の隙間lが形成される。このよ
うな状態において、射出成形機52から射出される溶融樹
脂がスプル11の射出通路12を通ってキャビティ部40内に
注入される(第2図(d)一点鎖線矢印)。このように
樹脂がキャビティ部40内に充填されると、加工済み被成
形板44,44の内面を覆う接着フィルムによって加工済み
被成形板44,44と注入樹脂とが接着状態となる。この場
合、第4図に示すように、穴抜きパンチ兼スプル11の先
端面と貫通穴用穴抜きパンチ50の先端面とで構成される
隙間lによりゲート部に薄肉部61が形成されている。
*第5の工程 次に、保圧、冷却の工程を経た後、可動金型体20を固
定金型体10と逆方向に移動させて型開きを行って被成形
品である複合材62が取出される(第2図(e)参照)。
金型体10,20から取出された複合材62は、一対の金属板
製被成形板44,44間に合成樹脂層60が充填されたサンド
イッチ状に形成され、そして、穴抜きパンチ兼スプル11
の先端面と貫通穴用穴抜きパンチ50の先端面との隙間l
により形成される薄肉部61に射出通路12に沿った形状の
残留樹脂64が連結されているので、この残留樹脂64を手
あるいはニッパ等の工具にて折曲げるようにして薄肉部
64の穴抜きを行うことにより、ゲート部に貫通穴63を有
するサンドイッチ構造の複合材62が形成される(第5図
(a)、(b)参照)。
なお、上記複合材62を成形するに際して、使用される
材料、成形条件は、例えば、以下に示すようなものであ
る。
被成形板 電気亜鉛メッキ鋼板(新日本製鉄(株)製「ボンデ鋼
板、ジンコート鋼板」等)ステンレス鋼板、鋼板、アル
ミニウム板 接着フィルム 1)ポリプロピレンタイプ:アドマーQE305 (東セロ化学(株)製) 2)ポリエチレンタイプ:アドマーNE050 (東セロ化学(株)製) 3)ナイロンタイプ:エスダインHMフィルム F−7B(積水化学(株)製) 4)ポリエステルタイプ:ケミットKF−2000 ((株)東レ製) 合成樹脂 ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ABS プレス圧力…20ton程度 射出圧力…240kg/cm2程度 上記実施例によれば、被成形板44として接着フィルム
にて覆ったラミネート鋼板を用いても、各接着フィルム
を当接した状態で、プレス加工がなされないことから、
鋼板が重なって樹脂の注入が不可能となることはない。
なお、固定金型体10と中間金型体30と対向する面、可
動金型体20と中間金型体30と対向する面の形状は、穴抜
きパンチ兼スプル11、貫通穴用穴抜きパンチ50とダイ3
1,32を有するものであれば、各種の曲げ加工を実現する
形状等、成形される複合材の目的により各凹凸面部42の
形状を任意に設定することができる。
上記実施例では、穴抜きパンチ兼スプル11と貫通穴用
穴抜きパンチ50の先端面が平坦状に形成されている場合
について説明したが、必ずしもこの形状である必要はな
く、例えば第7図に示すように、穴抜きパンチ兼スプル
11及び貫通穴用穴抜きパンチ50の先端面に中央部が膨隆
する凸状の段部13,53を形成することにより、貫通穴63
の心材層60を被成形板44より内方に突出させたシール部
65を形成することができる。したがって、シール部65を
利用して例えばベアリング66等をがたつきなく固定保持
することができる(第8図参照)。
また、上記実施例では、被成形板44にラミネート鋼板
を使用した場合について説明したが、必ずしも被成形板
44はラミネート鋼板である必要はなく、通常の鋼板を用
いた場合にも適用できることは勿論である。
[発明の効果] この発明は、以上に説明したように構成されているの
で、プレス成形、射出成形を円滑に行うことができると
共に、成形後のゲート部のカット及びゲート部の穴抜き
加工等の後処理を容易に行うことができるなどの優れた
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の複合同時成形金型の断面図、第2図
(a)〜(e)はこの発明の金型の加工手順を示す説明
図、第3図はこの発明における中間金型体の進退移動手
段を示す説明図、第4図はこの発明における穴抜きパン
チ兼スプルと貫通穴用穴抜きパンチにより形成される薄
肉部の拡大断面図、第5図(a)、(b)は成形された
複合材の断面図及び断面斜視図、第6図はこの発明の金
型の別の実施例を示す断面図、第7図はこの発明におけ
る穴抜きパンチ兼スプルと貫通穴用穴抜きパンチの別の
形態を示す拡大断面図、第8図はこの発明の金型により
成形される複合材の別の形態の使用例を示す断面斜視
図、第9図は従来の複合同時成形金型の断面図、第10図
(a)〜(e)は従来の金型の加工手順を示す説明図で
ある。 符号説明 (10)……第1の金型体(固定金型体) (11)……穴抜きパンチ兼スプル (12)……射出通路 (20)……第2の金型体(可動金型体) (30)……第3の金型体(中間金型体) (31,32)……ダイ (40)……キャビティ部 (42)……凹凸面部 (43)……保持部(ノックアウト) (50)……貫通穴用穴抜きパンチ (61)……薄肉部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎須 尚男 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社海老名事業所内 (56)参考文献 特開 平3−431(JP,A) 特開 昭60−253520(JP,A) 特開 昭59−215843(JP,A) 特開 昭54−122672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに接離可能に対峙すると共に当接した
    型締め状態の際に対向する面に共働してキャビティ部を
    形成する第1の金型体及び第2の金型体と、これら第1
    及び第2の金型体間に進退自在に配設されると共に第1
    及び第2の金型体と共働して同時型締め可能な第3の金
    型体とで主要部が構成され、上記第1の金型体と第3の
    金型体及び第2の金型体と第3の金型体の対向面にそれ
    ぞれ対をなすプレス加工用の凹凸面部を形成すると共
    に、上記第1の金型体及び第2の金型体の凹凸面部には
    プレス加工済みの各被成形板を保持する進退可能な保持
    部を設け、上記第1の金型体と第2の金型体の凹凸面部
    のいずれか一方に上記キャビティ部に溶融樹脂を注入す
    るための射出通路を有する穴抜きパンチ兼スプルを設け
    ると共に、他方には上記穴抜きパンチ兼スプルと対向す
    ると共に上記キャビティ部の形成状態において上記穴抜
    きパンチ兼スプルの近接部位に位置する貫通穴用穴抜き
    パンチを設けて成ることを特徴とする複合同時成形金
    型。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の第1、第2及び第3の金
    型体を用意した後、上記第1の金型体と第3の金型体と
    の間及び第2の金型体と第3の金型体との間にそれぞれ
    被成形板を配置する第1の工程と、この状態で上記第
    1、第2及び第3の金型体の同時型締めを行って被成形
    板のプレス加工を行う第2の工程と、上記第2の工程の
    後にプレス加工済みの被成形板を保持しつつ上記第1及
    び第2の金型体を離隔した状態で上記第3の金型体を第
    1及び第2の金型体間から後退移動させる第3の工程
    と、第1の金型体と第2の金型体との型締めにより形成
    されたキャビティ部内に溶融樹脂を注入充填して両被成
    形板間に合成樹脂層を形成する第4の工程と、上記合成
    樹脂層が固化した後に上記第1の金型体と第2の金型体
    との型締め解除により取出された複合材における上記穴
    抜きパンチ兼スプルと貫通穴用穴抜きパンチとの間に形
    成された薄肉部を穴抜きする第5の工程とから成ること
    を特徴とする複合同時成形金型を用いた複合材の成形方
    法。
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