JPH0144138B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は打抜き機構を有する射出成形機、就
中射出成形品を成形後金型内で一定圧力で挟持し
ながら切断する精密打抜きを可能にした射出成形
機に関するものである。

（従来技術） 従来より、射出成形品に貫通孔を設けた成形品
を成形する方法としては、キヤビテイ内に貫通
孔に相当する突起を予め設けておき、成形品に貫
通孔を形成する方法或は、例えば、特開昭54−
69169号公報に記載されている如く、成形品を成
形後金型内で貫通孔を打抜き加工する方法等が公
知である。

（従来技術の問題点） 前記の方法においてはキヤビテイ内に突起を
設けるため、該突起により樹脂の流れが分流され
た後、裏側で再度合流することになるから樹脂流
が不均一となり、いわゆるウエルドラインが発生
すると共に機械的強度の不均一、寸法精度及び平
面度の低下をきたす等の不具合を免れない。

また、前記の方法においては一旦成形した後
貫通孔を打抜き加工するため前記の不具合は解
消できるものの、この方法では湯道プツシング
（スプルーブツシユ）に対して工具（金型）を移
動させることによつて成形品の一部を打抜き加工
するものであるから金型構造が極めて複雑となり
成形品の大きさに比し金型が大きくなるため必然
的に大型の射出成形際が必要となると共に、打抜
き加工に際しては、金型の型締力が殆んど解除さ
れているから成形品が完全に冷却固化した後でな
ければ打抜き加工が行なえず、成形サイクルも長
くならざるを得ない等の不具合を免れなかつた。

（問題点を解決するための手段） この発明は上記の不具合を解決するためになさ
れたものであり、固定側金型と可動側金型とによ
りキヤビテイを形成し、該キヤビテイ内に材料樹
脂を射出して成形品を成形する射出成形機の可動
側金型に先端部が少くともキヤビテイを貫通して
進退可能な打抜ダイスを嵌挿すると共に、固定側
金型に前記打抜ダイスと同一断面形状を有し、か
つ、該ダイスと対向し固定側金型に対し摺動可能
な受ダイス兼スプルーブツシユを装着し、該スプ
ルーブツシユを打抜ダイスの打抜動作時、該ダイ
スに同調させ固定側金型に対して受ダイス兼スプ
ルーブツシユを後退させるようにしたことにより
成形品を成形後金型内で貫通孔を打抜き加工が可
能で、しかも比較的簡単な金型構造を有する射出
成形機を提供することを可能としたものである。

（実施例） 以下図面に示した実施例に沿い説明する。

第１図はこの発明の１実施例を示す断面図であ
り、１は固定プラテン、２は可動プラテン、３は
固定プラテン１に装着した固定側割金型、４は可
動プラテン２に装着した可動側割金型、５は前記
金型３，４により形成されたキヤビテイ、６はキ
ヤビテイ５内に射出された成形品である。

７は前記固定側金型３を貫通し、かつ、内部に
スプルーランナー８も形成した受ダイス兼スプル
ーブツシユで、該ブツシユ７には前記固定側金型
３に形成した摺動溝９に嵌合し、前記ブツシユ７
の移動を規制する鍔７′が形成されている。

１０は前記受ダイス兼スプルーブツシユ７の固
定プラテン１側に当接した射出ノズル、１１は該
ノズル１０に連設した射出機である。

１２は一端を固定プラテン１に、他端を射出機
１１に装着した移動シリンダで、該シリンダ１２
は三位置方向切換弁１３の切換により、射出機１
１を固定プラテン側に進退させる。

１４はノズル１０の押付力調整用リリーフ弁、
１５はノズル１０の後退速度調整用絞り弁、１６
は油圧源である。

１７は前記スプールブツシユ７と略同一断面形
状を有しており、可動側金型４内にキヤビテイ５
を横切つて一定間隔移動可能にスプルーブツシユ
７に対向して配設された打抜ダイスで、該ダイス
１７には反キヤビテイ５側に可動プラテン２に装
置されたシリンダ１８のロツド１９が可動プラテ
ン２を貫通して連設されている。

２０はシリンダ１８を制御する二位置方向切換
弁、２１は打抜力調整用減圧弁、２２は打抜速度
調整用絞り弁である。第２図及び第３図はこの発
明の他の実施例を示す断面図で第２図Ａは射出完
了状態第２図Ｂは打抜完了状態を示す図で、第１
図の実施例と同一物には同一符号を付している。

以下に第１図と相違する点について説明する。
なお、第２図では射出機及び打抜ダイス制御のた
めの切換弁、リリーフ弁及び絞り弁等は割愛して
いるが、これらは第１図のものと同一である。

２３は打抜ダイスで一端にピストン２３′を形
成し、該ピストン２３′を固定側金型４に形成し
たシリンダ２４に嵌入すると共に、反ピストン２
３′側を受ダイス兼スプルーブツシユ７に対向す
るように配置しており、図示しないダイス制御装
置によりシリンダ２４内へ圧油を給・排すること
により打抜ダイス２３をキヤビテイ５を横切りス
プルーブツシユ７側に進退させる点で第１図とは
相違している。

また、第３図は射出機１１の進退を制御する他
の実施例を示すもので第１図の実施例では移動シ
リンダ１２を固定プラテン１と射出機１１との間
に配設したのに対し、シリンダ２５，２５′を固
定プラテン１に装着し、該シリンダのロツドをス
プルーブツシユ７の鍔７′に装着し、スプルーブ
ツシユ７を介して射出機１１の進退を制御するよ
うにした点で第１図と相違している。

この発明は以上の如き構成である。

次にその作用を説明する。

可動プラテン２を移動し、固定側金型３と可動
側金型４とを型締し、打抜ダイス１７，２３を反
キヤビテイ５側に後退させると共にシリンダ１
２，２５により射出機１１を固定側金型３側に前
進し、受ダイス兼スプルーブツシユ７と射出ノズ
ル１０とを当接した状態で材料樹脂をキヤビテイ
５内に射出し、該キヤビテイ５内で冷却固化させ
成形品を成形する。（第１図及び第２図Ａの状態）
この成形後、保圧、冷却工程中の前記金型３，４
を型締した状態で、切換弁１３と２０の切換タイ
ミング及びリリーフ弁１４，２１及び絞り弁１
５，２２の設定圧及び絞り量を制御し、受ダイス
兼スプルーブツシユ７と打抜パンチ１７とをこの
間の成形品を挟圧状態に保持し乍らノズル１０側
に移動させ、固定側金型３と打抜ダイス１７，２
３との間で剪断して打抜く（第２図Ｂの状態）打
抜きが完了すると打抜ダイス１７，２３と受ダイ
ス７は、共に打抜き前の位置まで戻す。打抜
ダイス１７，２３のみを打抜き前の位置に戻す。
或は打抜いた状態のままに保持し、型開きして
離型し、再度前記の工程をくり返し成形する。

（発明の効果） 以上の通り、この発明によれば、略同一断面形
状を有する受ダイス兼スプルーブツシユと打抜ダ
イスとをキヤビテイを挟んで対向して配設し、射
出成形の保圧あるいは冷却工程中に、金型を型締
したまま受ダイスと打抜ダイスとをこの間の成形
品を挟圧状態に保持したまま受ダイスと打抜ダイ
スとを同期して剪断し打抜くので剪断面のきれい
な精密打抜きが可能であると共に、金型に対して
打抜ダイスとスプルーブツシユを兼用した受ダイ
スを移動させるだけであるため金型構造が簡単と
なると共に、成形品が完全に冷却・固化される前
に打抜作業を開始することが可能であるから成形
サイクルを短縮することも可能となる。更に受ダ
イスの進退の制御を射出機を進退制御して行なう
ことにより、射出機の進退制御装置を有する射出
成形機の場合、それを兼用することが可能である
等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す断面図、第
２図は同他の実施例を示す断面図、第３図は同他
の実施例の一部を示す断面図である。 ３：固定側金型、４：可動側金型、５：キヤビ
テイ、７：受ダイス兼スプールブツシユ、１７：
打抜ダイス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定側金型と可動側金型とによりキヤビテイ
   を形成し、該キヤビテイ内に材料樹脂を射出して
   成形品を成形する射出成形機の可動側金型に先端
   部が少くともキヤビテイを貫通して進退可能な打
   抜ダイスを嵌挿すると共に、固定側金型に前記打
   抜ダイスと同一断面形状を有し、かつ、該ダイス
   と対向し、固定側金型に対して摺動可能な受ダイ
   ス兼スプルーブツシユを装着し、該スプルーブツ
   シユを打抜ダイスの打抜動作時、該ダイスに同調
   させ、固定側金型に対して受ダイス兼スプルーブ
   ツシユを後退させるようにしたことを特徴とする
   打抜き機構を有する射出成形機。