JP2022163499A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】順方向電圧および基板電流を低く維持でき、かつ逆方向リーク電流特性を向上することができるショットキーバリアダイオードを備える半導体装置を提供する。【解決手段】ショットキーバリアダイオード100は、半導体基板15と、半導体基板の第1主面11側の表層部に形成される第1導電型の第1領域16と、第1領域のショットキー接合領域24との間にショットキー接合部39を形成する第1導電層35と、第1領域の第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型のコンタクト領域25と、前記コンタクト領域に接続された第2導電層36と、前記第1領域に形成され、前記第1主面に対して前記コンタクト領域の深さD2よりも深い深さD3を有し、前記第1不純物濃度との差が2桁以内の値である第3不純物濃度を有する第2導電型の第2領域40とを含む。【選択図】図3

Description

本開示は、半導体装置に関する。
たとえば、特許文献1は、n型半導体基板と、n型半導体基板上に形成されたn型エピタキシャル層と、n型エピタキシャル層の一部を利用して形成されたn型ダイオード領域と、n型ダイオード領域に電気的に接続されたn型不純物領域と、n型ダイオード領域において比較的に低いn型不純物濃度を有する表層領域との間にショットキー接合を形成するアノード電極層と、n型不純物領域に電気的に接続されたカソード電極層とを備える、ショットキーバリアダイオードを開示している。
特開2018-93185号公報
ショットキーバリアダイオードの利点は、低い順方向電圧(V)、高速なスイッチング速度、および低い基板電流を含む。一方、pn接合ダイオードと比較すると、ショットキーバリアダイオードの逆方向リーク電流特性(I)は、一般的にはpn接合ダイオードよりも劣っている。
本開示の一実施形態は、順方向電圧および基板電流を低く維持でき、かつ逆方向リーク電流特性を向上することができるショットキーバリアダイオードを備える半導体装置を提供する。
本開示の一実施形態に係る半導体装置は、第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する半導体基板と、前記半導体基板の前記第1主面側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域と、前記半導体基板の前記第1主面上に形成され、前記第1領域の表層部の一部を含むショットキー接合領域との間にショットキー接合部を形成する第1導電層と、前記第1領域の前記表層部に形成され、前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型のコンタクト領域と、前記半導体基板の前記第1主面上に形成され、前記コンタクト領域に接続された第2導電層と、前記第1導電層の直下において前記第1領域に形成され、前記第1主面に対して前記コンタクト領域の第1深さよりも深い第2深さを有し、前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が2桁以内の値である第3不純物濃度を有する第2導電型の第2領域とを含む。
本開示の一実施形態に係る半導体装置によれば、順方向電圧および基板電流を低く維持でき、かつ逆方向リーク電流特性を向上することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る半導体装置の模式的な斜視図である。 図2は、図1のダイオード領域の平面拡大図(第1形態)である。 図3は、図2に示すIII-III線に沿う断面図である。 図4Aは、図3のショットキーバリアダイオードの製造工程の一部を示す図である。 図4Bは、図4Aの次の工程図である。 図4Cは、図4Bの次の工程図である。 図4Dは、図4Cの次の工程図である。 図4Eは、図4Dの次の工程図である。 図4Fは、図4Eの次の工程図である。 図5は、図3のショットキーバリアダイオードに順方向電圧を印加したときの状態を示す図である。 図6は、図3のショットキーバリアダイオードに逆方向電圧を印加したときの状態を示す図である。 図7は、図1のダイオード領域の平面拡大図(第2形態)である。 図8は、図7に示すIII-III線に沿う断面図である。 図9Aは、図8のショットキーバリアダイオードの製造工程の一部を示す図である。 図9Bは、図9Aの次の工程図である。 図9Cは、図9Bの次の工程図である。 図9Dは、図9Cの次の工程図である。 図9Eは、図9Dの次の工程図である。 図9Fは、図9Eの次の工程図である。 図10は、図8のショットキーバリアダイオードに順方向電圧を印加したときの状態を示す図である。 図11は、図8のショットキーバリアダイオードに逆方向電圧を印加したときの状態を示す図である。 図12は、サンプル1~5の順方向電流特性を示す図である。 図13は、サンプル1~5の逆方向リーク電流特性を示す図である。 図14は、サンプル1~5の順方向基板電流特性を示す図である。
<本開示の実施形態>
まず、本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)は、第1主面(11)および前記第1主面(11)の反対側の第2主面(12)を有する半導体基板(4,15)と、前記半導体基板(4,15)の前記第1主面(11)側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域(16)と、前記半導体基板(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記第1領域(16)の表層部の一部を含むショットキー接合領域(24)との間にショットキー接合部(39)を形成する第1導電層(35)と、前記第1領域(16)の前記表層部に形成され、前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型のコンタクト領域(25)と、前記半導体基板(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記コンタクト領域(25)に接続された第2導電層(36)と、前記第1導電層(35)の直下において前記第1領域(16)に形成され、前記第1主面(11)に対して前記コンタクト領域(25)の第1深さ(D)よりも深い第2深さ(D,D)を有し、前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が2桁以内の値である第3不純物濃度を有する第2導電型の第2領域(40,60)とを含む。
この構成によれば、第2領域(40,60)が、第1導電層(35)の直下において第1領域(16)に形成され、コンタクト領域(25)の第1深さ(D)よりも深い第2深さ(D,D)を有している。また、第2領域(40,60)は、第1領域(16)の第1不純物濃度と同じであるか、または第1不純物濃度との差が2桁以内の値である第3不純物濃度を有している。これにより、ショットキー接合部(39)を含むショットキーバリアダイオード(100,200)の順方向電圧および基板電流を低く維持でき、かつ逆方向リーク電流特性を向上することができる。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記第2領域(40,60)は、前記ショットキー接合領域(24)において前記第1導電層(35)に接続され、かつ前記半導体基板(4,15)の厚さ方向において前記第1主面(11)から前記第2主面(12)に向かって延びる第1接続領域(40)を含み、前記第1接続領域(40)は、前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が1桁以内の値である前記第3不純物濃度を有していてもよい。
この構成によれば、第2領域(40,60)が第1導電層(35)に接続された第1接続領域(40)であるが、その第3不純物濃度が、第1領域(16)の第1不純物濃度と同じであるか、または第1不純物濃度との差が1桁以内の値である。そのため、第1接続領域(40)と第1領域(16)との間のpn接合部(58)を含むpn接合ダイオードの動作を抑制することができる。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード単独の挙動に近づけることができる。また、第3不純物濃度が第1不純物濃度と同等であるため、第1接続領域(40)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、基板電流の増加を抑制することができる。
また、第1接続領域(40)がショットキー接合領域(24)から第2主面(12)に向かって延びている。そのため、半導体基板(4,15)の厚さ方向において、ショットキー接合領域(24)から第1接続領域(40)の底部までの全範囲にわたって、第1接続領域(40)と第1領域(16)との間のpn接合部(58)が形成されている。これにより、ショットキー接合領域(24)から第1接続領域(40)の底部までの全範囲にわたって、当該pn接合部から半導体基板(4,15)の厚さ方向に交差する横方向に沿って空乏層(57)を広げることができる。したがって、第3不純物濃度が第1不純物濃度と同等であって空乏層(57)が第1領域(16)側に大きく広がりにくい条件でも、半導体基板(4,15)の厚さ方向における空乏層(57)の広がり範囲が大きい。その結果、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)は、前記第1領域(16)の前記表層部に埋め込まれ、前記第1深さ(D)よりも大きな厚さ(T)を有し、かつ前記ショットキー接合領域(24)と前記コンタクト領域(25)とを分離する埋め込み絶縁層(18)をさらに含み、前記第1接続領域(40)は、前記埋め込み絶縁層(18)の厚さ(T)よりも大きな前記第2深さ(D)を有していてもよい。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記第1接続領域(40)は、前記半導体基板(4,15)の厚さ方向において前記第1主面(11)から前記第2主面(12)に向かって前記埋め込み絶縁層(18)の側面(20)に沿って形成された第1部分(47)と、前記半導体基板(4,15)の厚さ方向に交差する方向において前記第1部分(47)から前記埋め込み絶縁層(18)の底面(21)に沿って形成され、前記埋め込み絶縁層(18)の前記底面(21)を前記第2主面(12)側から覆う第2部分(48)とを一体的に含んでいてもよい。
この構成によれば、埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)が、第1接続領域(40)の第1部分(47)および第2部分(48)に一体的に覆われている。そのため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記半導体基板(4,15)の厚さ方向に交差する方向において、前記第2部分(48)は、前記第1部分(47)の第1幅(W)よりも広い第2幅(W)を有していてもよい。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記埋め込み絶縁層(18)の前記底面(21)からの前記第1接続領域(40)の第3深さ(D)は、前記埋め込み絶縁層(18)の厚さ(T)よりも小さくてもよい。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記第1接続領域(40)の前記第2深さ(D)は、前記埋め込み絶縁層(18)の厚さ(T)の2倍以下であってもよい。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記第2領域(40,60)は、前記ショットキー接合領域(24)から前記第2主面(12)側に離れるように前記第1領域(16)に埋め込まれ、電気的にフローティングされたフローティング領域(60)を含み、前記フローティング領域(60)は、前記第1不純物濃度よりも高い前記第3不純物濃度を有していてもよい。
この構成によれば、第2領域(40,60)がフローティング領域(60)であるため、フローティング領域(60)と第1領域(16)との間のpn接合部(61)を含むpn接合ダイオードが動作しない。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード単独の挙動に近づけることができる。また、フローティング領域(60)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、基板電流の増加を抑制することができる。
一方、フローティング領域(60)が第1導電層(35)から電気的に分離されているため、逆方向電圧印加時に、空乏層(73)におけるエネルギーバンドの障壁が大きくなりにくく、空乏層(73)が広がりにくい。しかしながら、この実施形態では、フローティング領域(60)の第3不純物濃度が、第1領域(16)の第1不純物濃度よりも高い。そのため、第3不純物濃度が第1不純物濃度と同等である場合に比べて、フローティング領域(60)と第1領域(16)との濃度差が比較的大きい。これにより、フローティング領域(60)と第1領域(16)との間のpn接合部(61)から第1領域(16)側に、空乏層(73)をより大きく広げることができる。したがって、空乏層(73)におけるエネルギーバンドの障壁が大きくなりにくい条件でも、フローティング領域(60)と第1領域(16)との濃度差が比較的大きいので空乏層(73)を大きく広げることができる。その結果、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)は、前記第1領域(16)の前記表層部に埋め込まれ、前記第1深さ(D)よりも大きな厚さ(T)を有し、かつ前記ショットキー接合領域(24)と前記コンタクト領域(25)とを分離する埋め込み絶縁層(18)をさらに含み、前記フローティング領域(60)は、前記埋め込み絶縁層(18)から前記第2主面(12)側に離れており、前記埋め込み絶縁層(18)の厚さ(T)よりも大きな前記第2深さ(D)を有していてもよい。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記フローティング領域(60)は、前記半導体基板(4,15)の厚さ方向において前記ショットキー接合領域(24)に対向する第1部分(68)と、前記半導体基板(4,15)の厚さ方向において前記埋め込み絶縁層(18)に対向する第2部分(69)とを一体的に含んでいてもよい。
この構成によれば、埋め込み絶縁層(18)が半導体基板(4,15)の厚さ方向においてフローティング領域(60)の第2部分(69)に対向しているため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記フローティング領域(60)の前記第2深さ(D)は、前記埋め込み絶縁層(18)の厚さ(T)の3倍以上であってもよい。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)は、前記半導体基板(4,15)に形成され、前記ショットキー接合部(39)を含むショットキーバリアダイオードを制御する集積回路素子(13)を含んでいてもよい。
この構成によれば、前述のように、順方向電圧および基板電流を低く維持できるショットキーバリアダイオードの特性と、逆方向リーク電流特性を向上できるpn接合ダイオードの特性とを両立することができる。その結果、順方向特性および逆方向特性の両方に優れる信頼性が高い集積回路(13)を含む半導体装置(1)を提供することができる。
本開示の一実施形態に係る半導体装置(1)では、前記半導体基板(4,15)は、p型半導体基板(4,15)を含み、前記第1領域(16)は、前記p型半導体基板(4,15)の表層部に選択的に形成されたn型領域(16)を含んでいてもよい。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する詳細な説明における対応構成要素の参照符号を表す。しかしながら、これらの参照符号によって、上記の各構成要素を後述の各構成要素の均等物として限定する趣旨ではない。
<本開示の実施形態の詳細な説明>
次に、本開示の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の詳細な説明において、序数が付された名称の構成要素が複数存在するが、当該序数と、特許請求の範囲に記載の構成要素の序数とは、必ずしも一致するものではない。
[半導体装置1の全体構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る半導体装置1の模式的な斜視図である。
半導体装置1は、この実施形態では、いわゆるSOP(Small Outline Package)である。半導体装置1は、封止樹脂2、ダイパッド3、半導体チップ4、導電接合材5、複数のリード端子6および複数の導線7を含む。
封止樹脂2は、たとえばエポキシ樹脂を含んでいてもよい。封止樹脂2は、樹脂パッケージと言い換えてもよい。封止樹脂2は、直方体形状に形成されている。封止樹脂2は、一方側の第1主面8、他方側の第2主面9、ならびに、第1主面8および第2主面12を接続する4つの側面10A,10B,10C,10Dを含む。4つの側面10A~10Dは、具体的には、第1側面10A、第2側面10B、第3側面10Cおよび第4側面10Dを含む。第1側面10Aおよび第2側面10Bは、互いに対向している。第3側面10Cおよび第4側面10Dは、互いに対向している。
ダイパッド3は、封止樹脂2内に配置されている。ダイパッド3は、第2主面9から露出していてもよい。ダイパッド3は、直方体形状に形成された金属板を含む。ダイパッド3は、Fe、Au、Ag、CuおよびAlの少なくとも1つを含んでいてもよい。ダイパッド3は、Niめっき層、Auめっき層、Agめっき層およびCuめっき層のうちの少なくとも1つが形成された外面を有していてもよい。
複数のリード端子6は、第1リード端子6A、第2リード端子6B、第3リード端子6C、第4リード端子6D、第5リード端子6E、第6リード端子6F、第7リード端子6Gおよび第8リード端子6Hを含む。リード端子6の個数は、半導体チップ4の機能に応じて調節され、図1に示された個数に限定されない。
4つのリード端子6A~6Dは、封止樹脂2の第1側面10A側に配置されている。4つのリード端子6A~6Dは、ダイパッド3から間隔を空けて配置されている。4つのリード端子6A~6Dは、第1側面10Aが延びる方向に間隔を空けて配列されている。4つのリード端子6A~6Dは、封止樹脂2内から第1側面10Aを横切って封止樹脂2外に引き出されている。
4つのリード端子6E~6Hは、封止樹脂2の第2側面10B側に配置されている。4つのリード端子6E~6Hは、ダイパッド3から間隔を空けて配置されている。4つのリード端子6E~6Hは、第2側面10Bが延びる方向に間隔を空けて配列されている。4つのリード端子6E~6Hは、封止樹脂2内から第2側面10Bを横切って封止樹脂2外に引き出されている。
複数のリード端子6は、Fe、Au、Ag、CuおよびAlの少なくとも1つを含んでいてもよい。複数のリード端子6は、Niめっき層、Auめっき層、Agめっき層およびCuめっき層のうちの少なくとも1つが形成された外面を有していてもよい。
半導体チップ4は、たとえば、LSI(Large Scale Integration)チップを含む。半導体チップ4は、ダイパッド3の上に配置されている。半導体チップ4は、一方側の第1主面11および他方側の第2主面12を有している。半導体チップ4の第1主面11には、LSIの回路を構成する素子が作り込まれた複数の素子領域13が形成されている。複数の素子領域13は、たとえば、ダイオード領域13A、トランジスタ領域13B、抵抗素子領域13Cなどを含んでいてもよい。半導体チップ4の第1主面11には、複数のパッド14が形成されている。複数のパッド14は、半導体チップ4の第1主面11において、4つのリード端子6A~6Dおよび4つのリード端子6E~6H側に配列されている。複数のパッド14は、素子領域13に形成された各種機能素子(LSIを構成する回路素子)に電気的に接続されている。
導電接合材5は、半導体チップ4およびダイパッド3の間に介在し、半導体チップ4をダイパッド3に接合させている。導電接合材5は、半田または導電ペーストを含む。半田は、鉛フリー半田であってもよい。半田は、SnAgCu、SnZnBi、SnCu、SnCuNiおよびSnSbNiのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。金属ペーストは、Au、AgおよびCuのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。導電接合材5は、銀ペーストからなることが好ましい。銀ペーストは、焼結銀ペーストを含むことが特に好ましい。焼結銀ペーストは、ナノサイズまたはマイクロサイズのAg粒子を有機溶剤に分散させたペーストを含んでいてもよい。
複数の導線7は、半導体チップ4の機能に応じて調節され、図1に示された個数に限定されない。複数の導線7は、複数のリード端子6と複数のパッド14とを電気的に接続している。複数の導線7は、この実施形態では、ボンディングワイヤの一例としてのアルミニウムワイヤを含む。複数の導線7は、アルミニウムワイヤに代えて、金ワイヤまたは銅ワイヤであってもよい。
なお、半導体装置1のパッケージ形態は、SOP以外の形態であってもよい。たとえば、半導体装置1は、TO(Transistor Outline)、QFN(Quad For Non Lead Package)、DFP(Dual Flat Package)、DIP(Dual Inline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SIP(Single Inline Package)もしくはSOJ(Small Outline J-leaded Package)、または、これらに類する種々のパッケージ形態を有していてもよい。
[ショットキーバリアダイオード100(第1形態)の説明]
図2は、図1のダイオード領域13Aの平面拡大図(第1形態)である。図3は、図2に示すIII-III線に沿う断面図である。図2では、明瞭化のため、第1導電層35(アノード導電層)および第2導電層36(カソード導電層)にハッチングを付して示している。また、平面視で埋め込み絶縁層18の下方に隠れている不純物領域16,17の境界部26を破線で示している。
まず、ダイオード領域13Aは、この実施形態では、ショットキーバリアダイオード100が形成された領域である。ショットキーバリアダイオード100は、たとえば、トランジスタ領域13Bに形成されたスイッチング素子(たとえば、MOSFETなど)によって制御されてもよい。
図3を参照して、半導体チップ4は、半導体基板15を含む。半導体基板15は、たとえばSiを含むベース基板と、ベース基板上に成長したエピタキシャル層とを含むエピタキシャル基板であってもよい。また、半導体チップ4は、層状に形成されていることから、半導体層と言い換えてもよい。半導体基板15は、この実施形態では、p型半導体基板であってもよい。
半導体チップ4の第1主面11および第2主面12は、半導体基板15の第1主面11および第2主面12であってもよい。半導体基板15の第1主面11側の表層部には、第1領域16が形成されていてもよい。図2を参照して、第1領域16は、平面視略楕円形状に形成されていてもよい。第1領域16の周囲には、半導体基板15のベース領域17(半導体基板15のp型の領域)が存在している。これにより、第1領域16は、その底部および側部においてp型のベース領域17とpn接合部を形成している。
第1領域16は、この実施形態では、p型の半導体基板15に選択的に拡散したn型拡散領域であってもよい。第1領域16のn型不純物濃度(第1不純物濃度)は、たとえば、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であってもよい。また、第1領域16の深さDは、たとえば、半導体基板15の第1主面11から2μm以上5μm以下であってもよい。なお、図3では、半導体基板15の厚さに対する第1領域16の深さDの比率を大きくして、第1領域16を示している。
半導体基板15の表層部には、埋め込み絶縁層18が埋め込まれている。埋め込み絶縁層18は、たとえば、半導体基板15の第1主面11に選択的に形成されたトレンチ19に埋め込まれた絶縁層(たとえば、SiOなど)であってもよい。トレンチ19は、埋め込み絶縁層18の側面20および底面21を区画する。埋め込み絶縁層18の側面20および底面21は、図3では互いに直角に交差しているが、鈍角に交差していてもよい。この場合、側面20は、トレンチ19の開口端部(第1主面11側の端部)に向かってトレンチ19の幅が広がるように、底面21に対する傾斜面であってもよい。また、底面21は、第1主面11に対して略平行な面であれば平坦面である必要はなく、たとえば、第2主面12側に少し湾曲した湾曲面であってもよい。また、埋め込み絶縁層18の上面は、図3に示すように、半導体基板15の第1主面11と一致する(面一な)平坦面であってもよいし、第1主面11から突出した凸面であってもよいし、第1主面11に対して窪んだ凹面であってもよい。
埋め込み絶縁層18は、第1領域16を、半導体基板15に形成された他の素子領域(たとえば、前述のトランジスタ領域13B、抵抗素子領域13Cなど)から絶縁分離する素子分離層であってもよい。この実施形態では、埋め込み絶縁層18は、シャロートレンチアイソレーション構造を有していてもよい。この場合、埋め込み絶縁層18の厚さT(第1主面11から埋め込み絶縁層18の底面21までの距離)は、たとえば、0.2μm以上0.4μm以下であってもよい。なお、底面21が湾曲面である場合、底面21を基準に測定される物理量(厚さTなど)の底面21における基準位置は、底面21において第2主面12に最も近い位置であってもよい。
埋め込み絶縁層18は、第1主面11に沿う横方向において互いに物理的に分離された第1絶縁層22および第2絶縁層23を含む。第1絶縁層22の内方領域にショットキー接合領域24が区画され、第1絶縁層22と第2絶縁層23との間にコンタクト領域25が区画されている。
この実施形態では、第1絶縁層22は、第1主面11における第1領域16とベース領域17との境界部26(第1領域16の外周縁)から第1領域16の内側に間隔を空けて形成されている。第1絶縁層22は、ショットキー接合領域24を露出させる内側開口27を中央部に有する平面視環状に形成されている。より具体的には、第1絶縁層22は、平面視において、互いに平行に延びる一対の直線部28と、一対の直線部28の各端部を接続するように内側開口27の外側に向かって膨らむ一対の曲線部29とを一体的に含む。なお、直線部28および曲線部29は、それぞれ、第1絶縁層22の第1部分および第2部分と言い換えてもよい。
直線部28および曲線部29は、第1絶縁層22の周方向に沿って互いに同じ一定幅W(第1絶縁層22の内周縁30と外周縁31との距離)で連続している。これにより、第1絶縁層22は、直線部28の長手方向(延出方向)において細長い環状に形成されており、その中央部の内側開口27も同様に細長い略楕円形状に形成されている。ショットキー接合領域24は、第1絶縁層22の内周縁30で区画された内側開口27から露出する半導体基板15の一部であってもよい。より具体的には、ショットキー接合領域24は、内側開口27から露出する第1領域16の表層部の一部を含む。したがって、ショットキー接合領域24は、第1領域16と同じn型不純物濃度を有する部分を含んでいてもよい。以下では、一対の直線部28の対向方向を第1方向Xとし、第1方向Xに直交する方向(直線部28の長手方向)を第2方向Yとする。
図2を参照して、第2絶縁層23は、環状の第1絶縁層22から外側に間隔を空けて形成され、平面視において第1絶縁層22を取り囲んでいる。第2絶縁層23は、第1絶縁層22の直線部28および曲線部に対して、互いに同じ一定幅W(第1絶縁層22の外周縁31と第2絶縁層23の内周縁32との距離)の間隔を空けて形成されている。これにより、第1絶縁層22と第2絶縁層23との間には、周方向に沿って一定幅Wを有し、かつ第2方向Yに沿って細長い略楕円環状の外側開口33が形成されている。コンタクト領域25は、第1絶縁層22の外周縁31と第2絶縁層23の内周縁32で区画された外側開口33から露出する半導体基板15の一部であってもよい。
より具体的には、コンタクト領域25は、第1領域16の表層部に形成され、第1領域16のn型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有する領域であってもよい。図3では、これらの濃度差を視覚的に区別するため、第1領域16を「n型」と示し、コンタクト領域25を「n型」と示している。なお、「n型」および「n型」は、特定の範囲の不純物濃度を有する導電型ではなく、あくまでも第1領域16とコンタクト領域25との間に濃度差が存在することを示すために、便宜的に設定されたものである。たとえば、コンタクト領域25のn型不純物濃度(第2不純物濃度)は、たとえば、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下であってもよい。
また、コンタクト領域25は、外側開口33の深さ方向全域にわたって形成されていなくてもよい。言い換えれば、コンタクト領域25の深さDは、埋め込み絶縁層18の厚さTよりも小さくてもよい。図示は省略するが、コンタクト領域の深さDは、埋め込み絶縁層18の厚さTと同じであってもよいし、厚さTよりも大きくてもよい。なお、コンタクト領域25は、ショットキーバリアダイオード100のカソード側のコンタクト領域であるため、カソードコンタクト領域と言い換えてもよい。
また、第2絶縁層23は、境界部26に対して第1領域16およびベース領域17の両側に跨っている。つまり、平面視において、第2絶縁層23は、第1領域16およびベース領域17の両方に重なっている。第2絶縁層23に覆われ、コンタクト領域25よりも外側に存在する第1領域16の部分は、第1領域16の外周領域34と称してもよい、外周領域34は、たとえば、外側開口33の周方向に沿って平面視略楕円環状に形成されていてもよい。
半導体基板15の第1主面11上には、第1導電層35および第2導電層36が形成されている。第1導電層35は、ショットキーバリアダイオード100のアノード導電層と言い換えてもよく、第2導電層36は、ショットキーバリアダイオード100のカソード導電層と言い換えてもよい。
第1導電層35は、図2に示すように、内側開口27の形状に沿って、細長い平面視略楕円形を有している。図3を参照して、第1導電層35は、第1主面11から順に積層された第1層37および第2層38を含む。第1層37は、ショットキー接合領域24において第1領域16に直接的に接しており、第1領域16との間にショットキー接合部39を形成している。第1層37を構成する金属材料は、n型の第1領域16とショットキー接合を形成可能な材料であれば特に制限されず、たとえば、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)などを使用できる。
第2層38は、第1層37上に直接的に積層されており、第1層37に電圧を供給する。第2層38を構成する金属材料は、たとえば、Al(アルミニウム)などを使用できるが、ポリシリコンなどの多結晶材料を使用することもできる。第2層38の厚さは、たとえば、第1層37よりも大きくてもよい。
第2導電層36は、図2に示すように、外側開口33の形状に沿って、細長い平面視だ円環状を有している。図3を参照して、第2導電層36は、単層構造を有していてもよい。第2導電層36は、コンタクト領域25に直接的に接しており、コンタクト領域25との間にオーミックコンタクトを形成している。第2導電層36を構成する金属材料は、たとえば、Al(アルミニウム)などを使用できるが、ポリシリコンなどの多結晶材料を使用することもできる。
第1領域16には、さらに第2領域40が形成されている。第2領域40は、この実施形態では、n型の第1領域16に選択的に拡散したp型拡散領域であってもよい。第2領域40は、第1領域16との間にpn接合部58を形成している。第2領域40のp型不純物濃度(第3不純物濃度)は、たとえば、第1領域16のn型不純物濃度と同じであるか、または第1領域16のn型不純物濃度との差が2桁以内の値である。第2領域40のp型不純物濃度は、好ましくは、第1領域16のn型不純物濃度との差が1桁以内の値であり、かつ第1領域16のn型不純物濃度よりも低い。つまり、0<(第1領域16のn型不純物濃度)-(第2領域40のp型不純物濃度)≦10であることが、好ましい。また、第2領域40のp型不純物濃度は、ベース領域17のp型不純物濃度よりも高いことが好ましい。たとえば、第2領域40のp型不純物濃度は、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であってもよい。
なお、図3では、第2領域40とベース領域17と濃度差を視覚的に区別するため、第2領域40を「p型」と示し、ベース領域17を「p型」と示している。なお、「p型」および「p型」は、特定の範囲の不純物濃度を有する導電型ではなく、あくまでも第2領域40とベース領域17との間に濃度差が存在することを示すために、便宜的に設定されたものである。
第2領域40は、ショットキー接合領域24において第1導電層35に接続され、かつ半導体基板15の厚さ方向において第1主面11から第2主面12に向かって延びている。第2領域40は、第1導電層35に直接的に接続される領域であることから、p型の接続領域と言い換えてもよい。
図2を参照して、第2領域40は、平面視において、内側開口27の周囲に沿って環状に形成されている。第2領域40は、この実施形態では、埋め込み絶縁層18(第1絶縁層22)の内周縁30に対して内側開口27の内外の両側に跨っている。これにより、第2領域40の一部は、平面視において、埋め込み絶縁層18に重なっている。より具体的には、第2領域40は、内側開口27の内側に露出する内周部41と、内周部41の外側に形成されており、埋め込み絶縁層18に重なる外周部42とを一体的に含んでいてもよい。内周部41は、内周縁30の全周にわたって内側開口27から露出した一定幅Wを有する平面視閉環状に形成されていてもよい。外周部42も同様に、内周縁30の全周にわたって埋め込み絶縁層18で被覆された一定幅Wを有する平面視閉環状に形成されていてもよい。
内周部41と外周部42との幅を比較すると、内周部41の幅Wは、外周部42の幅Wよりも狭くてもよい。さらに、内周部41の幅Wは、内周部41に囲まれてショットキー接合領域24から露出する第1領域16の部分(アノード領域43)の幅W(第1方向Xにおける幅)よりも狭くてもよい。これにより、ショットキー接合領域24における第2領域40(内周部41)の占有範囲をアノード領域43よりも小さくできるので、ショットキーバリアダイオード100の順方向電流の流路幅を広く確保することができる。
また、第2領域40は、平面視において、互いに平行に延びる一対の直線部44と、一対の直線部44の各端部を接続するように内側開口27の外側に向かって膨らむ一対の曲線部45とを一体的に含む。直線部44および曲線部45は、第1絶縁層22の周方向に沿って互いに同じ一定幅(W+W)で連続している。これにより、第2領域40は、第2方向Yにおいて細長い環状に形成されている。なお、直線部44および曲線部45は、それぞれ、第2領域40の第3部分および第4部分と言い換えてもよい。
図3を参照して、第2領域40の断面構造について説明する。第2領域40は、ショットキー接合領域24において第1導電層35に接続され、断面視において、埋め込み絶縁層18(第1絶縁層22)の側面20から底面21に回り込むカーブ形状を有している。また、第2領域40は、埋め込み絶縁層18(第1絶縁層22)の側面20および底面21から、それぞれ、半導体基板15の厚さ方向に交差する方向および半導体基板15の厚さ方向に膨出する形状を有していてもよい。これにより、第2領域40は、コンタクト領域25および埋め込み絶縁層18よりも第2主面12側に突出した突出部46を有している。
また、第2領域40は、第1絶縁層22の側面20および底面21に直接的に接している。第2領域40は、第1絶縁層22の側面20および底面21に接する内側面49と、その反対側の外側面50との両面が、第1絶縁層22の側面20および底面21に倣うように層状に形成されていてもよい。他の言い方では、第2領域40の外側面50が側面20および底面21に対して略平行となるように、第2領域40は層状に形成されていてもよい。
第2領域40は、第1主面11に対して、コンタクト領域25の深さDおよび埋め込み絶縁層18の厚さTよりも、大きな深さDを有している。たとえば、厚さTが0.2μm以上0.4μm以下であるのに対して、深さDは0.3μm以上0.6μm以下であってもよい。深さDが第1領域16の深さD(たとえば2μm以上5μm以下)の約1/10程度であることを考慮すると、第2領域40は、第1領域16の第1主面11近傍に形成されていることになる。つまり、第2領域40は、第1領域16の表層部に形成されていると言える。
また、埋め込み絶縁層18の底面21に対する突出部46の深さD(底面21からの突出量)は、埋め込み絶縁層18の厚さTよりも小さくてもよい。たとえば、深さDは、厚さTの2倍以下であってもよい。より具体的には、厚さTが0.2μm以上0.4μm以下であるのに対して、深さDは0.1μm以上0.2μm以下であってもよい。
また、第2領域40は、半導体基板15の第1主面11に沿う横方向において区別し得る構成として、第1部分47および第2部分48を一体的に含んでいてもよい。第1部分47は、半導体基板15の厚さ方向において第1主面11から第2主面12に向かって埋め込み絶縁層18の側面20に沿って延びる第2領域40の部分であってもよい。第2部分48は、半導体基板15の厚さ方向に交差する方向において第1部分47から埋め込み絶縁層18の底面21に沿って形成され、埋め込み絶縁層18の底面21を第2主面12側から覆う第2領域40の部分であってもよい。第1部分47および第2部分48は、いずれも埋め込み絶縁層18の側面20および底面21に直接的に接している。
また、半導体基板15の厚さ方向に交差する方向において、第2領域40の第1部分47の幅および第2部分48の幅は、それぞれ、図2の幅Wおよび幅Wに一致していてもよい。つまり、図2の内周部41の幅Wが図3の第1部分47の幅Wであり、図2の外周部42の幅Wが図3の第2部分48の幅Wであってもよい。したがって、第2部分48は、第1部分47の幅Wよりも広い幅Wを有していてもよい。
図4A~図4Fは、図3のショットキーバリアダイオード100の製造工程の一部を示す図である。以下では、ショットキーバリアダイオード100の作製に関連する工程のみを示すが、図4A~図4Fに示す工程と並行して、または独立して、ダイオード領域13A以外の素子領域13(トランジスタ領域13B、抵抗素子領域13Cなど)の機能素子が形成されてもよい。
ショットキーバリアダイオード100を製造するには、図4Aを参照して、p型の半導体基板15に、n型の第1領域16が形成される。第1領域16は、半導体基板15の第1主面11に対してn型不純物を選択的に導入することによって形成することができる。
次に、図4Bを参照して、半導体基板15の表層部に、埋め込み絶縁層18が形成される。たとえば、半導体基板15の第1主面11に対してトレンチ19を選択的に形成し、トレンチ19を絶縁材料で埋め戻すことによって、埋め込み絶縁層18が形成される。
次に、図4Cを参照して、第2領域40の形成のためのp型不純物が、第1領域16に導入される。たとえば、第2領域40を形成すべき領域に対応する開口51を有する第1マスク52(SiOなどのハードマスク、レジストなど)が第1主面11上に形成される。開口51から、ショットキー接合領域24の一部および埋め込み絶縁層18(第1絶縁層22)の一部が露出する。次に、開口51を介して、第1主面11に対してp型不純物が注入される。注入時の加速電圧(第1加速電圧)は、p型不純物イオンが埋め込み絶縁層18を突き抜けて埋め込み絶縁層18の下方まで達するように、適宜設定すればよい。これにより、第2領域40用の第1不純物イオン53が第1領域16の表層部に導入される。
この際、第1不純物イオン53の注入深さを、第1領域16の表層部(図3の第1領域16の深さDに対して1/3未満の深さまでの範囲程度)に留める。これにより、第1不純物イオン53の注入領域から第1主面11までの距離Dを、第1不純物イオン53の注入領域で囲まれたアノード領域43の幅Wよりも小さくすることができる。そのため、後述する不純物イオンの熱拡散時に、第1不純物イオン53が半導体基板15の厚さ方向に拡散して第1主面11まで広がったときに、アノード領域43がp型の第2領域40で狭められることを抑制することができる。その結果、ショットキー接合領域24における第2領域40(内周部41)の占有範囲をアノード領域43よりも小さくできるので、ショットキーバリアダイオード100の順方向電流の流路幅を広く確保することができる。
次に、図4Dを参照して、コンタクト領域25の形成のためのn型不純物が、第1領域16に導入される。たとえば、コンタクト領域25を形成すべき領域に対応する開口54を有する第2マスク55(SiOなどのハードマスク、レジストなど)が第1主面11上に形成される。開口54から、第1領域16の一部が露出する。次に、開口54を介して、第1主面11に対してn型不純物が注入される。これにより、コンタクト領域25用の第2不純物イオン56が第1領域16の表層部に導入される。
次に、図4Eを参照して、熱処理によって、第1不純物イオン53および第2不純物イオン56を第1領域16内で拡散させる。これにより、第1不純物イオン53に基づく第2領域40と、第2不純物イオン56に基づくコンタクト領域25が形成される。
次に、図4Fを参照して、半導体基板15の第1主面11に、第1導電層35および第2導電層36が形成される。第1導電層35および第2導電層36は、たとえば、スパッタ法、蒸着法、めっき法などの公知の導電層の形成方法によって形成することができる。以上の工程を経て、前述のショットキーバリアダイオード100が得られる。
図5は、図3のショットキーバリアダイオード100に順方向電圧を印加したときの状態を示す図である。図6は、図3のショットキーバリアダイオード100に逆方向電圧を印加したときの状態を示す図である。
図5を参照して、ショットキーバリアダイオード100では、第1導電層35(アノード導電層)が正側、第2導電層36(カソード導電層)が負側となるように、第1導電層35と第2導電層36との間に電圧が印加される。これにより、ショットキー接合部39に順方向電圧が印加され、第1導電層35と第2導電層36との間に順方向電流Iが流れる。
この際、第2領域40が第1導電層35に接していることから、pn接合部58にも順方向電圧が印加される。しかしながら、この実施形態では、第2領域40のp型不純物濃度が、第1領域16のn型不純物濃度と同じであるか、または第1領域16のn型不純物濃度との差が1桁以内の値である。つまり、第2領域40のp型不純物濃度が、第1領域16のn型不純物濃度と同等である。そのため、pn接合部58に順方向電圧が印加されても、第2領域40のp型不純物濃度が第1領域16のn型不純物濃度よりも比較的高い場合に比べて、pn接合部58の動作を抑制することができる。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード100単独の挙動に近づけることができる。また、第2領域40が第1領域16の表層部に形成されている。これにより、第1領域16の第2主面12側に深くまで順方向電流Iを迂回させる必要がないので、順方向電流Iを効率よく流すことができる。
さらに、第2領域40のp型不純物濃度が第1領域16のn型不純物濃度と同等であるため、第2領域40(p型)、第1領域16(n型)およびベース領域17(p型)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、半導体基板15に流れる基板電流の増加を抑制することができる。
一方、第1導電層35(アノード導電層)が負側、第2導電層36(カソード導電層)が正側となるように電圧が印加されることによって、ショットキー接合部39に逆方向電圧が印加され、ショットキー接合部39を介した導通が遮断される。この際、pn接合部58にも逆方向電圧が印加されるので、pn接合部58から空乏層57を広げることができる。
ここで、この実施形態では、ショットキーバリアダイオードの利点を優先して、第2領域40のp型不純物濃度が第1領域16のn型不純物濃度と同等である。これにより、低い順方向電圧(VF)、高速なスイッチング速度、および低い基板電流というショットキーバリアダイオードの利点を達成することができる。一方で、第2領域40と第1領域16との濃度差が小さくなるので、濃度差が比較的大きい場合に比べて、pn接合部58から第1領域16側に空乏層57が広がりにくくなる。
そこで、この実施形態では、第2領域40が、第1主面11から第1絶縁層22の側面20および底面21を被覆するように形成されている。これにより、pn接合部58の範囲が、埋め込み絶縁層18の表層部付近(たとえば、コンタクト領域25が形成されている深さ程度)に留まらず、埋め込み絶縁層18よりも第2主面12側の下方領域にまで至っている。そのため、逆方向電圧印加時に、第1主面11から第2領域40の底部(突出部46の第2主面12側の端部)までの範囲、さらには、第1絶縁層22の底面21の直下の範囲まで空乏層57を広げることができる。つまり、空乏層57を、第2領域40の外側面50を起点に、半導体基板15の厚さ方向(縦方向)および当該縦方向に交差する方向(横方向)の広範囲に広げることができる。これにより、第2領域40のp型不純物濃度が第1領域16のn型不純物濃度と同等であって空乏層57が大きく広がりにくい条件でも、半導体基板15の縦方向および横方向における空乏層57の広がり範囲を大きくすることができる。その結果、広範囲に広がる空乏層57によって、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
[ショットキーバリアダイオード200(第2形態)の説明]
図7は、図1のダイオード領域13Aの平面拡大図(第2形態)である。図8は、図7に示すIII-III線に沿う断面図である。
次に、ダイオード領域13Aの第2形態について説明する。なお、以下では、図2および図3を参照して述べた構造に対応する構造については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第2形態のショットキーバリアダイオード200では、第2領域40に代えて、第2領域60が形成されている。第2領域60は、この実施形態では、n型の第1領域16に選択的に拡散したp型拡散領域であってもよい。第2領域60は、第1領域16との間にpn接合部61を形成している。第2領域60のp型不純物濃度(第3不純物濃度)は、たとえば、第1領域16のn型不純物濃度と同じであるか、または第1領域16のn型不純物濃度との差が2桁以内の値である。第2領域60のp型不純物濃度は、好ましくは、第1領域16のn型不純物濃度との差が2桁以内の値であり、かつ第1領域16のn型不純物濃度よりも高い。つまり、0<(第2領域60のp型不純物濃度)-(第1領域16のn型不純物濃度)≦100であることが、好ましい。また、第2領域60のp型不純物濃度は、ベース領域17のp型不純物濃度よりも高いことが好ましい。たとえば、第2領域60のp型不純物濃度は、1×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であってもよい。
なお、図8では、第2領域60とベース領域17と濃度差を視覚的に区別するため、第2領域60を「p型」と示し、ベース領域17を「p型」と示している。なお、「p型」および「p型」は、特定の範囲の不純物濃度を有する導電型ではなく、あくまでも第2領域60とベース領域17との間に濃度差が存在することを示すために、便宜的に設定されたものである。
第2領域60は、ショットキー接合領域24から第2主面12側に離れるように、第1領域16に埋め込まれた埋め込み層である。第2領域60は、第1導電層35から物理的に分離され、第1導電層35の電位の影響を受けない領域であることから、p型のフローティング領域と言い換えてもよい。
図7を参照して、第2領域60は、平面視において、内側開口27の周囲に沿って環状に形成されている。第2領域60は、この実施形態では、埋め込み絶縁層18(第1絶縁層22)の内周縁30に対して内側開口27の内外の両側に跨っている。これにより、第2領域60の一部は、平面視において、埋め込み絶縁層18に重なっている。より具体的には、第2領域60は、内側開口27の内側領域に重なる内周部62と、内周部62の外側に形成されており、埋め込み絶縁層18に重なる外周部63とを一体的に含んでいてもよい。内周部62は、内周縁30の全周にわたって内側開口27の内側領域に重なる一定幅Wを有する平面視閉環状に形成されていてもよい。外周部63も同様に、内周縁30の全周にわたって埋め込み絶縁層18に重なる一定幅Wを有する平面視閉環状に形成されていてもよい。
内周部62と外周部63との幅を比較すると、内周部62の幅Wは、外周部63の幅Wよりも狭くてもよい。一方で、第2領域60がショットキー接合領域24から離れた埋め込み層であるため、ショットキー接合領域24から露出する第1領域16の部分(アノード領域64)の幅W(第1方向Xにおける幅)は、内側開口27の全範囲にわたって確保される。つまり、ショットキー接合領域24に、アノード領域64および第2領域40の一部が共存する第1形態とは、この点で異なっている。これにより、ショットキー接合領域24におけるアノード領域64の占有範囲を広く確保できるので、ショットキーバリアダイオード100の順方向電流の流路幅を広く確保することができる。
また、第2領域60は、平面視において、互いに平行に延びる一対の直線部65と、一対の直線部65の各端部を接続するように内側開口27の外側に向かって膨らむ一対の曲線部66とを一体的に含む。直線部65および曲線部66は、第1絶縁層22の周方向に沿って互いに同じ一定幅(W+W)で連続している。これにより、第2領域60は、第2方向Yにおいて細長い環状に形成されている。なお、直線部65および曲線部66は、それぞれ、第2領域60の第3部分および第4部分と言い換えてもよい。
図8を参照して、第2領域60の断面構造について説明する。第2領域60は、ショットキー接合領域24から第2主面12側に離れるように、第1領域16に埋め込まれた埋め込み層である。したがって、半導体基板15の厚さ方向において、第2領域60とショットキー接合領域24との間には、第1領域16の一部がさらに介在している。第2領域60とショットキー接合領域24とで挟まれた第1領域16の中間部分は、中間領域67であってもよい。中間領域67は、埋め込み絶縁層18に取り囲まれて区画されたショットキー接合領域24とは異なり、埋め込み絶縁層18よりも第2主面12側に広がる埋め込み絶縁層18の下方領域であってもよい。第2領域60は、半導体基板15の厚さ方向において、中間領域67を介して、ショットキー接合領域24および第1導電層35に対向している。
第2領域60は、第1主面11に対して、コンタクト領域25の深さDおよび埋め込み絶縁層18の厚さTよりも、大きな深さDを有している。また、深さDは、厚さTの3倍以上であってもよい。たとえば、厚さTが0.2μm以上0.4μm以下であるのに対して、深さDは1μm以上2μm以下であってもよい。深さDが第1領域16の深さD(たとえば2μm以上5μm以下)の約1/2程度であることを考慮すると、第2領域60は、第1領域16の第1主面11近傍に形成されているのではない。つまり、第2領域60は、半導体基板15の厚さ方向において、第1領域16の表層部ではなく、第1領域16の中間部または中間部よりも深い位置に形成されていると言える。
また、第2領域60は、半導体基板15の第1主面11に沿う横方向において区別し得る構成として、第1部分68および第2部分69を一体的に含んでいてもよい。第1部分68は、半導体基板15の厚さ方向において、ショットキー接合領域24および第1導電層35に対向する部分であってもよい。第2部分69は、半導体基板15の厚さ方向において、埋め込み絶縁層18に対向する部分であってもよい。
また、半導体基板15の厚さ方向に交差する方向において、第2領域60の第1部分68の幅および第2部分69の幅は、それぞれ、図7の幅Wおよび幅Wに一致していてもよい。つまり、図7の内周部62の幅Wが図8の第1部分68の幅Wであり、図7の外周部63の幅Wが図8の第2部分69の幅Wであってもよい。したがって、第2部分69は、第1部分68の幅Wよりも広い幅Wを有していてもよい。
図9A~図9Fは、図3のショットキーバリアダイオード200の製造工程の一部を示す図である。以下では、ショットキーバリアダイオード200の作製に関連する工程のみを示すが、図9A~図9Fに示す工程と並行して、または独立して、ダイオード領域13A以外の素子領域13(トランジスタ領域13B、抵抗素子領域13Cなど)の機能素子が形成されてもよい。
ショットキーバリアダイオード200を製造するには、図9Aを参照して、p型の半導体基板15に、n型の第1領域16が形成される。第1領域16は、半導体基板15の第1主面11に対してn型不純物を選択的に導入することによって形成することができる。
次に、図9Bを参照して、半導体基板15の表層部に、埋め込み絶縁層18が形成される。たとえば、半導体基板15の第1主面11に対してトレンチ19を選択的に形成し、トレンチ19を絶縁材料で埋め戻すことによって、埋め込み絶縁層18が形成される。
次に、図9Cを参照して、コンタクト領域25の形成のためのn型不純物が、第1領域16に導入される。たとえば、コンタクト領域25を形成すべき領域に対応する開口54を有する第2マスク55(SiOなどのハードマスク、レジストなど)が第1主面11上に形成される。開口54から、第1領域16の一部が露出する。次に、開口54を介して、第1主面11に対してn型不純物が注入される。これにより、コンタクト領域25用の第2不純物イオン56が第1領域16の表層部に導入される。
次に、図9Dを参照して、熱処理によって、第2不純物イオン56を第1領域16内で拡散させる。これにより、第2不純物イオン56に基づくコンタクト領域25が形成される。
次に、図9Eを参照して、第2領域60の形成のためのp型不純物が、第1領域16に導入される。たとえば、第2領域60を形成すべき領域に対応する開口70を有する第1マスク71(SiOなどのハードマスク、レジストなど)が第1主面11上に形成される。開口70から、ショットキー接合領域24の一部および埋め込み絶縁層18(第1絶縁層22)の一部が露出する。次に、開口70を介して、第1主面11に対してp型不純物が注入される。注入時の加速電圧(第2加速電圧)は、ショットキーバリアダイオード100の第2領域40の形成時の第1加速電圧よりも高く設定される。これにより、第2領域60用の第1不純物イオンが、半導体基板15の厚さ方向における第1領域16の中間部に導入される。これにより、p型の第2領域60が形成される。
第2領域60の形成に際しては、前述の第2領域40の形成と異なり、不純物イオンの注入後、熱処理によって不純物イオンを拡散させなくてもよいか、第2領域40の場合よりも熱処理時間を短くすることが好ましい。後述するように、第2領域60は、ショットキー接合領域24から物理的に離れていても、順方向電圧および基板電流を低く維持できるショットキーバリアダイオードの特性と、逆方向リーク電流特性を向上できるpn接合ダイオードの特性とを両立できる。したがって、熱処理時間を増やすことによって、不純物イオンをショットキー接合領域24まで拡散させる必要がない。むしろ、熱処理時間を増やすと、第1主面11に沿う横方向にも拡散するので、それにより第2領域60の占有範囲が広くなりすぎ、順方向電流の流路幅が制約されるおそれがある。つまり、熱処理の省略によって、工程数の削減に加え、ショットキー接合領域24におけるアノード領域64の占有範囲を広く確保することができる。
次に、図9Fを参照して、半導体基板15の第1主面11に、第1導電層35および第2導電層36が形成される。第1導電層35および第2導電層36は、たとえば、スパッタ法、蒸着法、めっき法などの公知の導電層の形成方法によって形成することができる。以上の工程を経て、前述のショットキーバリアダイオード200が得られる。
図10は、図8のショットキーバリアダイオード200に順方向電圧を印加したときの状態を示す図である。図11は、図8のショットキーバリアダイオード200に逆方向電圧を印加したときの状態を示す図である。
図10を参照して、ショットキーバリアダイオード200では、第1導電層35(アノード導電層)が正側、第2導電層36(カソード導電層)が負側となるように、第1導電層35と第2導電層36との間に電圧が印加される。これにより、ショットキー接合部39に順方向電圧が印加され、第1導電層35と第2導電層36との間に順方向電流Iが流れる。
この際、第2領域60が、ショットキー接合領域24から離れた埋め込み層であるため、pn接合部61が動作しない。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード200単独の挙動に近づけることができる。また、第2領域60とショットキー接合領域24との間にn型の中間領域67が確保されている。これにより、第1領域16の表層部に、順方向電流Iを効率よく流すことができる。さらに、第2領域60(p型)、第1領域16(n型)およびベース領域17(p型)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、半導体基板15に流れる基板電流の増加を抑制することができる。
一方、この第2形態では、第1形態よりもさらにショットキーバリアダイオードの利点を優先して、アノード領域64の占有範囲をより広く確保するため、ショットキー接合領域24から離れた位置にp型の第2領域60が形成されている。そのため、第1形態とは異なり、第1領域16の表層部には、逆方向電圧印加時のリーク電流を抑制するpn接合部が形成されていない。しかも、第2領域60が第1導電層35から電気的に分離されているため、逆方向電圧印加時に、空乏層におけるエネルギーバンドの障壁が大きくなりにくく、空乏層が広がりにくい。
そこで、この第2形態では、第2領域60のp型不純物濃度を、第1領域16のn型不純物濃度よりも高くしている。そのため、第1形態のように第2領域40と第1領域16の不純物濃度が同等である場合に比べて、第2領域60と第1領域16との濃度差が比較的大きい。これにより、pn接合部61から第1領域16側に、空乏層73をより大きく広げることができる。したがって、空乏層73におけるエネルギーバンドの障壁が大きくなりにくい条件でも、第2領域60と第1領域16との濃度差が比較的大きいので空乏層73を大きく広げることができる。その結果、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
[ショットキーバリアダイオード100,200の効果]
次に、図12~図14を参照して、ショットキーバリアダイオード100,200の効果について説明する。具体的には、サンプル1~5を作製し、各サンプルの順方向電流特性、逆方向リーク電流特性および順方向基板電流特性を比較した。
サンプル1は、前述のショットキーバリアダイオード100と同様の構造を有するダイオードである。サンプル2は、前述のショットキーバリアダイオード200と同様の構造を有するダイオードである。サンプル3は、通常のショットキーバリアダイオードである。サンプル4は、通常のpn接合ダイオードである。サンプル5は、ショットキーバリアダイオードにpn接合ダイオードを組み合わせたものである。より具体的には、サンプル5は、ショットキーバリアダイオードのショットキー接合部に隣接するようにp型領域(n型領域の不純物濃度よりも3桁以上高い不純物濃度を有しているp型領域)を形成し、当該p型領域とアノード導電層との間にオーミックコンタクトを形成した構造を有している。
図12は、サンプル1~5の順方向電流特性を示す図である。図12において、横軸は順方向電圧(V)の大きさを示し、縦軸は順方向電流(I)の大きさを示している。図12では、サンプル1、サンプル2、サンプル4およびサンプル5の順方向電圧(V)および順方向電流(I)の大きさを、サンプル3に対する相対値で示している。
図13は、サンプル1~5の逆方向リーク電流特性を示す図である。図12において、横軸は逆方向電圧(V)の大きさを示し、縦軸は逆方向リーク電流(I)の大きさを示している。図13では、サンプル1、サンプル2、サンプル4およびサンプル5の逆方向電圧(V)および逆方向電流(I)の大きさを、サンプル3に対する相対値で示している。
図14は、サンプル1~5の順方向基板電流特性を示す図である。図14において、横軸は順方向電圧(V)の大きさを示し、縦軸は順方向基板電流(I)の大きさを示している。図14では、サンプル1、サンプル2、サンプル4およびサンプル5の順方向電圧(V)および順方向基板電流(I)の大きさを、サンプル3に対する相対値で示している。
まず図12を参照して、サンプル1は、サンプル3とほぼ同じ順方向電圧(V)で立ち上がっており、順方向電圧(V)の増加に対応して、サンプル3とほぼ同じ挙動を示している。サンプル2も同様に、サンプル3とほぼ同じ順方向電圧(V)で立ち上がっている。一方、サンプル2は、サンプル1に比べて、立ち上がり後の順方向電圧(V)の増加に対する順方向電流(I)の増加比が小さい。これは、pn接合部61からの空乏層73の影響により、順方向電流(I)の流路幅が、サンプル1よりも狭くなっていると考えられる。この結果から、前述のショットキーバリアダイオード100,200に相当するサンプル1,2では、通常のショットキーバリアダイオードと同様に、低い順方向電圧(V)を達成できることを確認できた。
これに対し、サンプル5は、n型領域内にp型領域を有する点でサンプル1,2と共通し、サンプル3とほぼ同じ順方向電圧(V)で立ち上がっている。しかしながら、立ち上がり後は、pn接合ダイオードであるサンプル4とほぼ同じ挙動を示している。このように、サンプル5とサンプル4とを組み合わせたような2段の順方向特性となるため、実用上、有効活用することが難しい。これは、p型領域が、n型領域の不純物濃度よりも3桁以上高い不純物濃度を有するp型領域であることが要因であると考えられる。
次に図13を参照して、逆方向リーク電流特性に関しては、サンプル1,2ともに、pn接合ダイオードであるサンプル4およびpn接合ダイオードの機能を有するサンプル5と比べて劣る結果となった。しかしながら、ショットキーバリアダイオードであるサンプル3と比べると、逆方向リーク電流特性が大幅に改善されており、サンプル3よりもサンプル4,5に近い特性を示していた。この結果から、前述のショットキーバリアダイオード100,200に相当するサンプル1,2では、通常のショットキーバリアダイオードに比べて、逆方向リーク電流特性を向上できることを確認できた。
次に図14を参照して、サンプル1,2は、サンプル3と同様に、順方向電圧印加時の基板電流がほとんど検出されなかった。この結果から、前述のショットキーバリアダイオード100,200に相当するサンプル1,2では、通常のショットキーバリアダイオードと同様に、低い基板電流を達成できることを確認できた。これに対し、サンプル4,5では、順方向電圧(V)が、ある閾値電圧を超えると、基板電流が流れ始めることが確認できた。
以上、図12~図14の結果から、前述のショットキーバリアダイオード100,200に相当するサンプル1,2では、順方向電圧および基板電流を低く維持でき、かつ逆方向リーク電流特性を向上することができることが分かった。
本開示の実施形態について説明したが、本開示は他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、ショットキーバリアダイオード100を含む素子チップの一例として、LSIチップを取り上げたが、ショットキーバリアダイオード100の特徴的な構造は、たとえば、ディスクリート型のショットキーバリアダイオードなどに採用することもできる。
以上、本開示の実施形態は、すべての点において例示であり限定的に解釈されるべきではなく、すべての点において変更が含まれることが意図される。
この明細書および図面の記載から以下に付記する特徴が抽出され得る。なお、下記において、括弧内の数字等は、前述の詳細な説明における対応構成要素の参照符号を表す。しかしながら、これらの参照符号によって、下記の各構成要素を前述の各構成要素の均等物として限定する趣旨ではない。
[付記1-1、第1実施形態、図2、図3]
第1主面(11)および前記第1主面(11)の反対側の第2主面(12)を有する半導体チップ(4,15)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域(16)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記第1領域(16)の表層部の一部を含むショットキー接合領域(24)との間にショットキー接合部(39)を形成するアノード導電層(35)と、
前記第1領域(16)の前記表層部に形成され、前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型のカソードコンタクト領域(25)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記カソードコンタクト領域(25)に接続されたカソード導電層(36)と、
前記ショットキー接合領域(24)において前記アノード導電層(35)に接続され、前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向において、前記カソードコンタクト領域(25)よりも前記第2主面(12)側に突出した突出部(46)を有し、かつ前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が1桁以内の値である前記第3不純物濃度を有する第2導電型の第2領域(40)とを含む、半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(40)が、アノード導電層(35)に接続され、半導体チップ(4,15)の厚さ方向において、カソードコンタクト領域(25)よりも第2主面(12)側に突出した突出部(46)を有している。また、第2領域(40)は、第1領域(16)の第1不純物濃度と同じであるか、または第1不純物濃度との差が1桁以内の値である第3不純物濃度を有している。そのため、第2領域(40)と第1領域(16)との間のpn接合部(58)を含むpn接合ダイオードの動作を抑制することができる。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード単独の挙動に近づけることができる。また、第3不純物濃度が第1不純物濃度と同等であるため、第2領域(40)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、基板電流の増加を抑制することができる。
また、第2領域(40)がショットキー接合領域(24)から第2主面(12)に向かって延びている。そのため、半導体チップ(4,15)の厚さ方向において、ショットキー接合領域(24)から第2領域(40)の底部までの全範囲にわたって、第2領域(40)と第1領域(16)との間のpn接合部(58)が形成されている。これにより、ショットキー接合領域(24)から第2領域(40)の底部までの全範囲にわたって、当該pn接合部(58)から半導体チップ(4,15)の厚さ方向に交差する横方向に沿って空乏層(57)を広げることができる。したがって、第3不純物濃度が第1不純物濃度と同等であって空乏層(57)が第1領域(16)側に大きく広がりにくい条件でも、半導体チップ(4,15)の厚さ方向における空乏層(57)の広がり範囲が大きい。その結果、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
[付記1-2]
前記ショットキー接合領域(24)を取り囲むように前記第1領域(16)の前記表層部に埋め込まれ、前記ショットキー接合領域(24)と前記カソードコンタクト領域(25)とを分離する埋め込み絶縁層(18)をさらに含み、
前記第2領域(40)は、前記埋め込み絶縁層(18)の側面(20)から底面(21)に回り込むカーブ形状を有している、付記1-1に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)が、第2領域(40)に一体的に覆われている。そのため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記1-3]
前記ショットキー接合領域(24)を取り囲むように前記第1領域(16)の前記表層部に埋め込まれ、前記ショットキー接合領域(24)と前記カソードコンタクト領域(25)とを分離する埋め込み絶縁層(18)をさらに含み、
前記第2領域(40)は、前記埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)から、それぞれ、前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向に交差する方向および前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向に膨出する形状を有している、付記1-1に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)が、第2領域(40)に一体的に覆われている。そのため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記1-4]
前記埋め込み絶縁層(18)は、前記ショットキー接合領域(24)を露出させる開口(27)を中央部に有する平面視環状に形成されており、
前記第2領域(40)は、平面視において、前記開口(27)の周囲に沿って環状に形成されており、前記開口(27)の内側に露出する環状の内周部(41)を含む、付記1-2または付記1-3に記載の半導体装置(1)。
[付記1-5]
前記第2領域(40)は、平面視において、互いに平行に延びる直線部(44)と、前記一対の直線部(44)の各端部を接続する一対の曲線部(45)とを一体的に含む、付記1-4に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(40)の長手方向の両端部が曲線状であるため、第2領域(40)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記1-6]
前記埋め込み絶縁層(18)は、0.2μm以上0.4μm以下の厚さを有するシャロートレンチアイソレーション構造を有している、付記1-2~付記1-5のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記1-7]
前記第1不純物濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であり、
前記第2不純物濃度が、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下であり、
前記第3不純物濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下である、付記1-1~付記1-6のいずれか一項に半導体装置(1)。
[付記1-8]
前記半導体チップ(4,15)に形成され、前記ショットキー接合部(39)を含むショットキーバリアダイオード(100)を制御する集積回路素子(13)を含む、付記1-1~付記1-7のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、前述のように、順方向電圧および基板電流を低く維持できるショットキーバリアダイオードの特性と、逆方向リーク電流特性を向上できるpn接合ダイオードの特性とを両立することができる。その結果、順方向特性および逆方向特性の両方に優れる信頼性が高い集積回路(13)を含む半導体装置(1)を提供することができる。
[付記1-9]
前記半導体チップ(4,15)は、p型半導体基板(4,15)を含み、
前記第1領域(16)は、前記p型半導体基板(4,15)の表層部に選択的に形成されたn型領域(16)を含む、付記1-1~付記1-8のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記2-1、第1実施形態、図2、図3]
第1主面(11)および前記第1主面(11)の反対側の第2主面(12)を有する半導体チップ(4,15)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域(16)と、
前記第1領域(16)の前記表層部に埋め込まれ、前記第1領域(16)の表層部にショットキー接合領域(24)を区画する埋め込み絶縁層(18)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記ショットキー接合領域(24)との間にショットキー接合部(39)を形成するアノード導電層(35)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記第1領域(16)に接続されたカソード導電層(36)と、
前記ショットキー接合領域(24)において前記アノード導電層(35)に接続され、前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向において、前記埋め込み絶縁層(18)よりも前記第2主面(12)側に突出した突出部(46)を有し、かつ前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が1桁以内値である前記第2不純物濃度を有する第2導電型の第2領域(40)とを含む、半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(40)が、アノード導電層(35)に接続され、半導体チップ(4,15)の厚さ方向において、埋め込み絶縁層(18)よりも第2主面(12)側に突出した突出部(46)を有している。また、第2領域(40)は、第1領域(16)の第1不純物濃度と同じであるか、または第1不純物濃度との差が1桁以内の値である第2不純物濃度を有している。そのため、第2領域(40)と第1領域(16)との間のpn接合部(58)を含むpn接合ダイオードの動作を抑制することができる。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード単独の挙動に近づけることができる。また、第2不純物濃度が第1不純物濃度と同等であるため、第2領域(40)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、基板電流の増加を抑制することができる。
また、第2領域(40)がショットキー接合領域(24)から第2主面(12)に向かって延びている。そのため、半導体チップ(4,15)の厚さ方向において、ショットキー接合領域(24)から第2領域(40)の底部までの全範囲にわたって、第2領域(40)と第1領域(16)との間のpn接合部(58)が形成されている。これにより、ショットキー接合領域(24)から第2領域(40)の底部までの全範囲にわたって、当該pn接合部(58)から半導体チップ(4,15)の厚さ方向に交差する横方向に沿って空乏層(57)を広げることができる。したがって、第2不純物濃度が第1不純物濃度と同等であって空乏層(57)が第1領域(16)側に大きく広がりにくい条件でも、半導体チップ(4,15)の厚さ方向における空乏層(57)の広がり範囲が大きい。その結果、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
[付記2-2]
前記第2領域(40)は、前記埋め込み絶縁層(18)の側面(20)から底面(21)に回り込むカーブ形状を有している、付記2-1に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)が、第2領域(40)に一体的に覆われている。そのため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記2-3]
前記第2領域(40)は、前記埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)から、それぞれ、前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向に交差する方向および前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向に膨出する形状を有している、付記2-1に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、埋め込み絶縁層(18)の側面(20)および底面(21)が、第2領域(40)に一体的に覆われている。そのため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記2-4]
前記埋め込み絶縁層(18)は、前記ショットキー接合領域(24)を露出させる開口(27)を中央部に有する平面視環状に形成されており、
前記第2領域(40)は、平面視において、前記開口(27)の周囲に沿って環状に形成されており、前記開口(27)の内側に露出する環状の内周部(41)を含む、付記2-1~付記2-3のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記2-5]
前記第2領域(40)は、平面視において、互いに平行に延びる一対の直線部(44)と、前記一対の直線部(44)の各端部を接続する一対の曲線部(45)とを一体的に含む、付記2-4に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(40)の長手方向の両端部が曲線状であるため、第2領域(40)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記2-6]
前記埋め込み絶縁層(18)は、0.2μm以上0.4μm以下の厚さを有するシャロートレンチアイソレーション構造を有している、付記2-1~付記2-5のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記2-7]
前記第1領域(16)の前記表層部に形成され、前記埋め込み絶縁層(18)によって前記ショットキー接合領域(24)から分離されており、かつ前記第1不純物濃度よりも高い第3不純物濃度を有する第1導電型のカソードコンタクト領域(25)をさらに含む、付記2-1~付記2-6のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記2-8]
前記第1不純物濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であり、
前記第2不純物濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であり、
前記第3不純物濃度が、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下である、付記2-7に記載の半導体装置(1)。
[付記2-9]
前記半導体チップ(4,15)に形成され、前記ショットキー接合部(39)を含むショットキーバリアダイオード(100)を制御する集積回路素子(13)を含む、付記2-1~付記2-8のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、前述のように、順方向電圧および基板電流を低く維持できるショットキーバリアダイオードの特性と、逆方向リーク電流特性を向上できるpn接合ダイオードの特性とを両立することができる。その結果、順方向特性および逆方向特性の両方に優れる信頼性が高い集積回路(13)を含む半導体装置(1)を提供することができる。
[付記2-10]
前記半導体チップ(4,15)は、p型半導体基板(4,15)を含み、
前記第1領域(16)は、前記p型半導体基板(4,15)の表層部に選択的に形成されたn型領域(16)を含む、付記2-1~付記2-9のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記3-1、第2実施形態、図7、図8]
第1主面(11)および前記第1主面(11)の反対側の第2主面(12)を有する半導体チップ(4,15)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域(16)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記第1領域(16)の表層部の一部を含むショットキー接合領域(24)との間にショットキー接合部(39)を形成するアノード導電層(35)と、
前記半導体チップ(4,15)の前記第1主面(11)上に形成され、前記第1領域(16)に接続されたカソード導電層(36)と、
前記ショットキー接合領域(24)から前記第2主面(12)側に離れるように前記第1領域(16)に埋め込まれ、前記半導体チップ(4,15)の厚さ方向において前記第1領域(16)の一部(67)を介して前記ショットキー接合領域(24)に対向し、前記第1不純物濃度との差が2桁以内の値であり、かつ前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第2導電型の第2領域(60)とを含む、半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(60)が、ショットキー接合領域(24)から離れた埋め込み層であるため、第2領域(60)と第1領域(16)との間のpn接合部(61)を含むpn接合ダイオードが動作しない。これにより、順方向電圧印加時の挙動をショットキーバリアダイオード単独の挙動に近づけることができる。また、第2領域(60)を含む寄生pnpトランジスタの動作を抑えることもできる。これにより、基板電流の増加を抑制することができる。
一方、第2領域(60)がアノード導電層(35)から電気的に分離されているため、逆方向電圧印加時に、空乏層(73)におけるエネルギーバンドの障壁が大きくなりにくく、空乏層(73)が広がりにくい。しかしながら、また、第2領域(60)の第2不純物濃度が、第1領域(16)の第1不純物濃度よりも高い。そのため、第2不純物濃度が第1不純物濃度と同等である場合に比べて、第2領域(60)と第1領域(16)との濃度差が比較的大きい。これにより、第2領域(60)と第1領域(16)との間のpn接合部(61)から第1領域(16)側に、空乏層(73)をより大きく広げることができる。したがって、空乏層(73)におけるエネルギーバンドの障壁が大きくなりにくい条件でも、第2領域(60)と第1領域(16)との濃度差が比較的大きいので空乏層(73)を大きく広げることができる。その結果、逆方向電圧印加時のリーク電流を効果的に抑制することができる。
[付記3-2]
前記ショットキー接合領域(24)を取り囲むように前記第1領域(16)の前記表層部に埋め込まれ、前記ショットキー接合領域(24)を露出させる開口(27)を中央部に有する平面視環状の埋め込み絶縁層(18)をさらに含み、
前記第2領域(60)は、平面視において、前記開口(27)の内側領域および前記埋め込み絶縁層(18)に重なるように形成されている、付記3-1に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(60)の一部が半導体チップ(4,15)の厚さ方向において埋め込み絶縁層(18)に対向しているため、逆方向電圧の印加時に、埋め込み絶縁層(18)の周囲を空乏化することができる。これにより、埋め込み絶縁層(18)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記3-3]
前記第2領域(60)は、平面視において、前記開口(27)の周囲に沿って環状に形成されており、前記開口(27)の前記内側領域に重なる内周部(62)を含む、付記3-2に記載の半導体装置(1)。
[付記3-4]
前記第2領域(60)は、平面視において、前記内周部(62)の外側に形成されており、前記埋め込み絶縁層(18)に重なる外周部(63)を含む、付記3-3に記載の半導体装置(1)。
[付記3-5]
平面視において、前記第2領域(60)の前記外周部(63)は、前記第2領域(60)の前記内周部(62)の第1幅(W)よりも大きな第2幅(W)を有している、付記3-4に記載の半導体装置(1)。
[付記3-6]
前記第1幅(W)および前記第2幅(W)の少なくとも一方は、前記開口(27)の周囲に沿って一定である、付記3-5に記載の半導体装置(1)。
[付記3-7]
前記第2領域(60)は、平面視において、互いに平行に延びる一対の直線部(65)と、前記一対の直線部(65)の各端部を接続する一対の曲線部(66)とを一体的に含む、付記3-3~付記3-6のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、第2領域(60)の長手方向の両端部が曲線状であるため、第2領域(60)に電界が集中することを抑制することができる。
[付記3-8]
前記埋め込み絶縁層(18)は、0.2μm以上0.4μm以下の厚さを有するシャロートレンチアイソレーション構造を有している、付記3-2~付記3-7のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記3-9]
前記第1領域(16)の前記表層部に形成され、前記埋め込み絶縁層(18)によって前記ショットキー接合領域(24)から分離されており、かつ前記第1不純物濃度よりも高い第3不純物濃度を有する第1導電型のカソードコンタクト領域(25)をさらに含む、付記3-2~付記3-8のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
[付記3-10]
前記第1不純物濃度が、1×1016cm-3以上1×1017cm-3以下であり、
前記第2不純物濃度が、1×1017cm-3以上1×1019cm-3以下であり、
前記第3不純物濃度が、1×1019cm-3以上1×1020cm-3以下である、付記3-9に記載の半導体装置(1)。
[付記3-11]
前記半導体チップ(4,15)に形成され、前記ショットキー接合部(39)を含むショットキーバリアダイオード(200)を制御する集積回路素子(13)を含む、付記3-1~付記3-10のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
この構成によれば、前述のように、順方向電圧および基板電流を低く維持できるショットキーバリアダイオードの特性と、逆方向リーク電流特性を向上できるpn接合ダイオードの特性とを両立することができる。その結果、順方向特性および逆方向特性の両方に優れる信頼性が高い集積回路(13)を含む半導体装置(1)を提供することができる。
[付記3-12]
前記半導体チップ(4,15)は、p型半導体基板(4,15)を含み、
前記第1領域(16)は、前記p型半導体基板(4,15)の表層部に選択的に形成されたn型領域(16)を含む、付記3-1~付記3-11のいずれか一項に記載の半導体装置(1)。
1 :半導体装置
2 :封止樹脂
3 :ダイパッド
4 :半導体チップ
5 :導電接合材
6 :リード端子
6A :第1リード端子
6B :第2リード端子
6C :第3リード端子
6D :第4リード端子
6E :第5リード端子
6F :第6リード端子
6G :第7リード端子
6H :第8リード端子
7 :導線
8 :第1主面
9 :第2主面
10A :第1側面
10B :第2側面
10C :第3側面
10D :第4側面
11 :第1主面
12 :第2主面
13 :素子領域
13A :ダイオード領域
13B :トランジスタ領域
13C :抵抗素子領域
14 :パッド
15 :半導体基板
16 :第1領域
17 :ベース領域
18 :埋め込み絶縁層
19 :トレンチ
20 :側面
21 :底面
22 :第1絶縁層
23 :第2絶縁層
24 :ショットキー接合領域
25 :コンタクト領域
26 :境界部
27 :内側開口
28 :直線部
29 :曲線部
30 :内周縁
31 :外周縁
32 :内周縁
33 :外側開口
34 :外周領域
35 :第1導電層
36 :第2導電層
37 :第1層
38 :第2層
39 :ショットキー接合部
40 :第2領域
41 :内周部
42 :外周部
43 :アノード領域
44 :直線部
45 :曲線部
46 :突出部
47 :第1部分
48 :第2部分
49 :内側面
50 :外側面
51 :開口
52 :第1マスク
53 :第1不純物イオン
54 :開口
55 :第2マスク
56 :第2不純物イオン
57 :空乏層
58 :pn接合部
60 :第2領域
61 :pn接合部
62 :内周部
63 :外周部
64 :アノード領域
65 :直線部
66 :曲線部
67 :中間領域
68 :第1部分
69 :第2部分
70 :開口
71 :第1マスク
73 :空乏層
100 :ショットキーバリアダイオード
200 :ショットキーバリアダイオード
:深さ
:深さ
:深さ
:深さ
:深さ
:距離
:順方向電流
:厚さ
:一定幅
:一定幅
:幅
:幅
:幅
:幅
:幅
:幅
X :第1方向
Y :第2方向

Claims (20)

  1. 第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する半導体基板と、
    前記半導体基板の前記第1主面側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域と、
    前記半導体基板の前記第1主面上に形成され、前記第1領域の表層部の一部を含むショットキー接合領域との間にショットキー接合部を形成する第1導電層と、
    前記第1領域の前記表層部に形成され、前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型のコンタクト領域と、
    前記半導体基板の前記第1主面上に形成され、前記コンタクト領域に接続された第2導電層と、
    前記第1導電層の直下において前記第1領域に形成され、前記第1主面に対して前記コンタクト領域の第1深さよりも深い第2深さを有し、前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が2桁以内の値である第3不純物濃度を有する第2導電型の第2領域とを含む、半導体装置。
  2. 前記第2領域は、前記ショットキー接合領域において前記第1導電層に接続され、かつ前記半導体基板の厚さ方向において前記第1主面から前記第2主面に向かって延びる第1接続領域を含み、
    前記第1接続領域は、前記第1不純物濃度と同じであるか、または前記第1不純物濃度との差が1桁以内の値である前記第3不純物濃度を有している、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1領域の前記表層部に埋め込まれ、前記第1深さよりも大きな厚さを有し、かつ前記ショットキー接合領域と前記コンタクト領域とを分離する埋め込み絶縁層をさらに含み、
    前記第1接続領域は、前記埋め込み絶縁層の厚さよりも大きな前記第2深さを有している、請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1接続領域は、前記半導体基板の厚さ方向において前記第1主面から前記第2主面に向かって前記埋め込み絶縁層の側面に沿って形成された第1部分と、前記半導体基板の厚さ方向に交差する方向において前記第1部分から前記埋め込み絶縁層の底面に沿って形成され、前記埋め込み絶縁層の前記底面を前記第2主面側から覆う第2部分とを一体的に含む、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体基板の厚さ方向に交差する方向において、前記第2部分は、前記第1部分の第1幅よりも広い第2幅を有している、請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記埋め込み絶縁層の前記底面からの前記第1接続領域の第3深さは、前記埋め込み絶縁層の厚さよりも小さい、請求項3~5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記第1接続領域の前記第2深さは、前記埋め込み絶縁層の厚さの2倍以下である、請求項3~6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記第2領域は、前記ショットキー接合領域から前記第2主面側に離れるように前記第1領域に埋め込まれ、電気的にフローティングされたフローティング領域を含み、
    前記フローティング領域は、前記第1不純物濃度よりも高い前記第3不純物濃度を有している、請求項1に記載の半導体装置。
  9. 前記第1領域の前記表層部に埋め込まれ、前記第1深さよりも大きな厚さを有し、かつ前記ショットキー接合領域と前記コンタクト領域とを分離する埋め込み絶縁層をさらに含み、
    前記フローティング領域は、前記埋め込み絶縁層から前記第2主面側に離れており、前記埋め込み絶縁層の厚さよりも大きな前記第2深さを有している、請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記フローティング領域は、前記半導体基板の厚さ方向において前記ショットキー接合領域に対向する第1部分と、前記半導体基板の厚さ方向において前記埋め込み絶縁層に対向する第2部分とを一体的に含む、請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記フローティング領域の前記第2深さは、前記埋め込み絶縁層の厚さの3倍以上である、請求項9または10に記載の半導体装置。
  12. 前記半導体基板に形成され、前記ショットキー接合部を含むショットキーバリアダイオードを制御する集積回路素子を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の半導体装置。
  13. 前記半導体基板は、p型半導体基板を含み、
    前記第1領域は、前記p型半導体基板の表層部に選択的に形成されたn型領域を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体装置。
  14. 第1主面および前記第1主面の反対側の第2主面を有する半導体チップと、
    前記半導体チップの前記第1主面側の表層部に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1領域と、
    前記半導体チップの前記第1主面上に形成され、前記第1領域の表層部の一部を含むショットキー接合領域との間にショットキー接合部を形成するアノード導電層と、
    前記半導体チップの前記第1主面上に形成され、前記第1領域に接続されたカソード導電層と、
    前記ショットキー接合領域から前記第2主面側に離れるように前記第1領域に埋め込まれ、前記半導体チップの厚さ方向において前記第1領域の一部を介して前記ショットキー接合領域に対向し、前記第1不純物濃度との差が2桁以内の値であり、かつ前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第2導電型の第2領域とを含む、半導体装置。
  15. 前記ショットキー接合領域を取り囲むように前記第1領域の前記表層部に埋め込まれ、前記ショットキー接合領域を露出させる開口を中央部に有する平面視環状の埋め込み絶縁層をさらに含み、
    前記第2領域は、平面視において、前記開口の内側領域および前記埋め込み絶縁層に重なるように形成されている、請求項14に記載の半導体装置。
  16. 前記第2領域は、平面視において、前記開口の周囲に沿って環状に形成されており、前記開口の前記内側領域に重なる内周部を含む、請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記第2領域は、平面視において、前記内周部の外側に形成されており、前記埋め込み絶縁層に重なる外周部を含む、請求項16に記載の半導体装置。
  18. 平面視において、前記第2領域の前記外周部は、前記第2領域の前記内周部の第1幅よりも大きな第2幅を有している、請求項17に記載の半導体装置。
  19. 前記第1幅および前記第2幅の少なくとも一方は、前記開口の周囲に沿って一定である、請求項18に記載の半導体装置。
  20. 前記第2領域は、平面視において、互いに平行に延びる一対の直線部と、前記一対の直線部の各端部を接続する一対の曲線部とを一体的に含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の半導体装置。
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