JP2022162816A - 積層剥離ブロー成形容器、積層ブロー成形容器の製造方法、及び分割金型 - Google Patents

積層剥離ブロー成形容器、積層ブロー成形容器の製造方法、及び分割金型 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な形状の成形金型を必要とすることなく成形でき、容器の底部に、外殻と内袋との係止と外気導入口とを備えており、容器底部の外観不良が抑制され、容器肩部の設計に自由度を有する、積層剥離ブロー成形容器、積層ブロー成形容器の製造方法、及び分割金型を提供すること。【解決手段】積層剥離ブロー成形容器を成形するための金型として、成形される容器底部の樹脂接合部に位置する金型パーティングラインの一部に段差を有するものを用いて、金型を閉じる際の型締め圧力により、当該段差部分において、金型キャビティの外側から内側に向かって成形材料である溶融樹脂を押し上げる。これにより、容器底部の容器内側に、樹脂溜まりによる係止を作製することができ、同時に、金型パーティングラインの残部の段差を有さない部分に位置する容器パーティングラインには、外気導入口を作製できる。【選択図】図2

Description

本発明は、積層剥離ブロー成形容器、積層ブロー成形容器の製造方法、及び分割金型に関する。
医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品等を収納する容器として、外容器を形成している外殻と、この外殻の内側に収められ、減容変形自在の内容器を形成している内袋とを備え、外殻と内袋との間に外気の導入を可能にすることで、内袋が外殻から剥離する二重容器が知られている(特許文献1、2参照)。
このような二重容器は、使用の際に内容物を吐出すると、吐出容積に応じて内容器のみが減容し、内容器に空気が導入しない態様となっている。これにより、内容器内に残存する未使用の内容物と、空気との直接の接触を回避することができ、内容物の酸化劣化を防ぐことができる。
ここで、二重容器は、内容物の減少に伴い内袋が収縮する際に、内容物の流路を閉塞しないよう、内袋の一部を外殻に係止する構造となっている(特許文献3参照)。
特許文献3においては、二重容器の製造時に、金型のピンチオフ部によって成形される底シール部を突条に形成するとともに、それぞれの融着層に他方の融着層が圧入する喰込み部を形成し、外殻と内袋が相互に噛み合うよう融着させる(係合させる)ことで、外殻からの内袋の脱離を抑制した二重容器が提案されている。
特開2016-101966号公報 特開2016-179822号公報 特開平08-216238号公報
特許文献3では、ピンチオフ部に設けられた複数の食い込み部により相互に噛合うように内袋を係止させるため、このような構成を実現するための金型構造が複雑になり、生産コストの増大が懸念されていた。
また、特許文献3の方法では、外殻と内袋との間に外気を導入するための外気導入部を、ピンチオフ部に設けることができなかった。
更に、係合部が、容器底部の容器外部に作製されるため、容器底部において、係合部は接地部より高く設計する必要があり、これに伴い、成形後に金型から容器を取り外す際に、底部が金型と擦れて外観不良を起こしたり、容器肩部の形状が制限されたりするという問題があった。
上記の問題を、図6を用いて説明する。図6は、係合部を、容器底部の容器外部に備える容器を製造する工程を示す図である。図6(a)は、成形直後の金型の断面図である。図6(b)は、成形後、金型の解放を開始したときの断面図である。図6(c)は、更に金型の解放を継続したときの断面図である。
図6(a)に示されるように、容器の成形直後は、分割金型を構成する部分型E及び部分型Fが閉じることで形成された空間内に、部分型E及び部分型Fの壁に沿って容器が作製されている。そして、容器の底部において容器外側に、金型のピンチオフ部によって係合部が形成される。
この容器外部に形成される係合部において外殻と内袋とを相互に噛み合わせて、外殻からの内袋の脱離を抑制する場合には、係合部はある程度の大きさを有する必要があり、したがってこの係合部が底面から必要な高さにて突出することになる。そして、容器を立てて置いたときにこの係合部が接地面に接触しないようにするためには、容器底部には、比較的大きい上げ底構造を備えさせる必要がある。
このように容器底部が比較的大きい上げ底構造を有する場合、作製した容器を金型キャビティから取り出すために部分型Eと部分型Fを解放し始めると、図6(b)に示されるように、破線で囲われた領域(容器の底部)においては、左右に解放移動する部分型E及び部分型Fの底部の凸部に、容器の底部が擦れてしまい、容器の外観不良を招来していた。
更に金型の解放を継続すると、図6(c)に示されるように、破線で囲われた領域(容器の肩部)においては、左右に解放移動する部分型E及び部分型Fの底部の凸部によって、容器が上方向に押し上げられる。これにより、破線で囲われた領域(容器の肩部)においては、部分型E及び部分型Fの上部に容器肩部が押し潰されてしまい、成形不良を招来していた。このため、例えば、容器の肩部を傾斜のあるなで肩形状にして押圧力を減少させるなど、容器の肩部形状が制約される状況であった。
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、複雑な形状の成形金型を必要とすることなく成形でき、容器の底部に、外殻と内袋との係止部、及び外気導入口を備えており、容器底部の外観不良が抑制され、容器肩部の設計に自由度を有する、積層剥離ブロー成形容器、積層ブロー成形容器の製造方法、及び分割金型を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った。そして、積層剥離ブロー成形容器を成形するための金型として、成形される容器底部の容器パーティングラインに対応する金型パーティングラインの一部に、段差を有するものを用いて、金型を閉じる際の型締め圧力により、当該段差部分において、金型キャビティの外側から内側に向かって成形材料である溶融樹脂を押し上げれば、容器底部の容器内側に樹脂溜まりによる係止を作製することができ、同時に、金型パーティングラインの残部の段差を有さない部分に対応する容器パーティングラインには、外気導入口を作製できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
《態様1》
外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器であって、
前記積層剥離ブロー成形容器の底面における容器パーティングラインは、段差を有する段差部と段差を有さない平坦部とを備え、
前記段差部では、前記積層剥離ブロー成形容器の前記底面の容器内側において、前記外殻及び前記内袋を形成する材料が、前記容器パーティングラインの両側について非対称に成形されており、それよって前記内袋が前記外殻に対して係止されており、
前記平坦部では、前記積層剥離ブロー成形容器の前記底面の容器内側において、前記外殻及び前記内袋を形成する材料が、前記容器パーティングラインの両側について対称に成形されており、それによって前記内袋が前記外殻に対して係止されておらず、前記外殻と前記内袋との間に外気を導入する外気導入口を形成可能である、
積層剥離ブロー成形容器。
《態様2》
前記内容物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、調味料、及び塗料からなる群より選ばれる、態様1に記載の積層剥離ブロー成形容器。
《態様3》
態様1又は2に記載の積層剥離ブロー成形容器と、前記内容物と、を含む、内容物入り積層剥離ブロー成形容器。
《態様4》
筒状の外層と内層とを有する多層パリソンを、分割金型の間に配置し、前記分割金型を閉じることにより形成した金型キャビティの底部において、前記多層パリソンを圧し潰してピンチオフ部を形成する、積層ブロー成形容器の製造方法であって、
前記ピンチオフ部の一部に、段差を有する段差部を形成するとともに、前記ピンチオフ部の残部に、段差を有さない平坦部を形成し、
前記段差部においては、前記分割金型を閉じる際に、前記金型キャビティの外側から内側に向かって、前記多層パリソンを構成する溶融樹脂を押し上げて、前記金型キャビティの内側の金型パーティングラインの両側について前記溶融樹脂を非対称に成形し、それよって前記内層を前記外層に対して係止する、
積層ブロー成形容器の製造方法。
《態様5》
前記段差部は、前記金型キャビティの底部の金型パーティングラインが、高低差を有することによって形成される、態様4に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
《態様6》
前記溶融樹脂の押し上げは、前記段差部において、前記金型キャビティの外側に樹脂流動部を設け、前記分割金型を閉じる際の型締め圧力により、前記多層パリソンを構成する前記溶融樹脂を、前記樹脂流動部から前記金型キャビティの内側に移動させることで行う、態様4又は5に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
《態様7》
前記段差部は、前記ピンチオフ部の略中央に位置する、態様4~6のいずれか一態様に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
《態様8》
前記積層ブロー成形容器は、外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器であり、
前記外層から前記外殻が形成され、
前記内層から前記内袋が形成され、
前記係止により、前記内袋が前記外殻に対して係止されている、態様4~7のいずれか一態様に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
《態様9》
前記平坦部において、前記外殻から前記内袋を引き抜くことにより、前記外殻と前記内袋層との間に外気を導入するための外気導入口を作製する、態様8に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
《態様10》
積層ブロー成形容器を製造するための分割金型であって、
前記分割金型を閉じることで形成される金型キャビティは、底面における金型パーティングラインの一部に、前記分割金型を構成する複数の部分型の不整合による不整合部を有し、
前記不整合部の前記金型キャビティの外側に、前記分割金型を閉じる際の型締め圧力により、前記積層ブロー成形容器の材料である溶融樹脂を、前記金型キャビティの外側から内側に押し上げるための樹脂流動部を備える、
分割金型。
《態様11》
前記不整合部は、前記底面における前記金型パーティングラインの略中央に位置する、態様10に記載の分割金型。
《態様12》
前記積層ブロー成形容器は、外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器である、態様10又は11に記載の分割金型。
本発明の積層剥離ブロー成形容器は、容器底部の容器内部にて、内袋が外殻に対して係止されるとともに、内袋と外殻との間に外気を導入するための外気導入口とを備えたものとなる。また、複雑な形状の成形金型を必要とすることなく成形することができ、容器底部の外観不良が抑制され、容器肩部の設計に自由度を有するものとなる。
本発明の積層剥離ブロー成形容器の一実施形態を示す図である。 本発明の積層剥離ブロー成形容器の底面の断面写真である。 本発明の一実施形態に係る分割金型の概略図である。 本発明の積層剥離ブロー成形容器の製造工程を示す概略図である。 本発明の積層剥離ブロー成形容器の胴部の一部の積層構成の断面図である。 従来の実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器の製造工程を示す概略図である。
《積層剥離ブロー成形容器》
本発明の積層剥離ブロー成形容器は、外殻と、外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って内袋が外殻から剥離して収縮する容器である。そして、外殻は、単層又は積層体からなり、内袋は、一般的に積層体からなっており、内袋の最外層は、バリア性を維持し、内袋に充填された内容物の酸化劣化をより防止する目的で、例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含有するEVOH層であってもよい。
<底面における容器パーティングライン>
本発明の積層剥離ブロー成形容器は、容器の底面における容器パーティングラインに、段差を有する段差部と段差を有さない平坦部とを備える。
段差部では、容器の底面の容器内側において、外殻及び内袋を形成する材料が、容器パーティングラインの両側について非対称に成形されており、それよって内袋が前記外殻に対して係止されている。
平坦部では、容器の底面の容器内側において、外殻及び内袋を形成する材料が、容器パーティングラインの両側について対称に成形されており、それによって内袋が外殻に対して係止されておらず、この構造により、外殻と内袋との間に外気を導入する外気導入口を形成可能となっている。
外気導入口の作製は、平坦部において、外殻から内袋を引き抜くことで行う。外殻から内袋の引き抜きについては、例えば、製造後、外殻から内袋を剥離する予備剥離と呼ばれる操作が挙げられる。引き抜きにより、内袋が存在していた位置が空隙となり、この空隙を外気導入口として使用することができる。
本発明の積層剥離ブロー成形容器は、例えばブロー成形で製造した状態そのままの、外殻及び内袋が剥離されておらず接触した状態の容器であってもよいし、使用時に内袋が外殻から剥離しやすい状態にしておく目的で、製造後、外殻と内袋との間に空気を挿入する操作を実施して、外気導入口を形成した状態の容器であってもよい。
図1に、本発明の積層剥離ブロー成形容器の一実施形態を示す。図1(a)は、積層剥離ブロー成形容器1の底面3から斜めに見た斜視図であり、図1(b)は、積層剥離ブロー成形容器1の底面3の拡大図であり、図1(c)は、積層剥離ブロー成形容器1の底面3を、容器外側から撮影した写真である。なお、図1(b)におけるX-Xラインと、Y-Yラインは、図1(c)におけるX-Xライン、及びY-Yラインと、それぞれ対応している。
一実施形態である図1(a)に示される積層剥離ブロー成形容器1は、胴部2と底面3とを有する。底面3には、容器パーティングライン4を有しており、容器パーティングライン4は、ブロー成形の際に用いられる分割金型から形成される金型パーティングラインに対応して形成されるラインである。
一実施形態である図1(a)に示される積層剥離ブロー成形容器1は、底面3における容器パーティングライン4に、段差を有する段差部41と、段差を有さない平坦部42とを備える。底面3の外周は、容器を倒立させる際に地面等と接する設置部となっている。
図1(a)に示される積層剥離ブロー成形容器1は、製造直後のものであり、底面3には、段差部41から連結して突出している樹脂片43が付着している。なお、樹脂片43は、積層剥離ブロー成形容器1の材料である樹脂が固化した製品バリであり、軽微な力によって、積層剥離ブロー成形容器1の底面3から取り除くことが可能である。
図1(b)は、図1(a)に示される積層剥離ブロー成形容器1の底面3の拡大図であり、容器パーティングライン4が有する、段差を有する段差部41、段差を有さない平坦部42、段差部41から連結して突出している樹脂片43、及び底面外周の設置部を、拡大して明示している。
図1(b)におけるX-Xラインは、段差を有する段差部41において、容器パーティングライン4に対して垂直方向を示すラインであり、Y-Yラインは、段差を有さない平坦部42において、容器パーティングライン4に対して垂直方向を示すラインである。
図1(c)は、積層剥離ブロー成形容器1の底面3を、容器外側から撮影した写真である。なお、図1(b)におけるX-Xラインと、Y-Yラインは、図1(b)におけるX-Xライン、及びY-Yラインと、それぞれ対応している。
図2に、一実施形態に係る本発明の積層剥離ブロー成形容器の底面の断面写真を示す。図2(a)及び図2(b)は、図1に示した積層剥離ブロー成形容器1の底面3において、異なる2か所の断面写真である。
図2(a)は、図1(b)及び図1(c)におけるX-Xラインの断面図である。すなわち、一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器1の底面3の段差部41を通過するように、容器パーティングライン4に対して垂直方向に切断した、積層剥離ブロー成形容器1の底面3の断面写真である。
一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器1は、底面3における容器パーティングライン4の段差部41では、積層剥離ブロー成形容器1の底面3の容器内側において、外殻5及び内袋6を形成する材料が、容器パーティングライン4の両側について非対称に成形されており、それよって内袋6の外殻5に対する係止7が作製された構造となっている。
図2(b)は、図1(b)及び図1(c)におけるY-Yラインの断面図である。すなわち、一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器1の底面3の平坦部42を通過するように、容器パーティングライン4に対して垂直方向に切断した、積層剥離ブロー成形容器1の底面3の断面写真である。
一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器1は、底面3における容器パーティングライン4の平坦部42では、積層剥離ブロー成形容器1の底面3の容器内側において、外殻5及び内袋6を形成する材料が、容器パーティングライン4の両側について対称に成形されており、それによって内袋6が外殻5に対して係止されておらず、外殻5の接合部にて内袋6の挟み込み部8が作製されている。
そして、挟み込み部8において、外殻5の接合部から内袋6を引き抜けば、内袋6が存在していた位置に空隙を作製することができ、この空隙は、外殻5と内袋6との間に外気を導入するための外気導入口となる。
<積層剥離ブロー成形容器の積層構成>
本発明の積層剥離ブロー成形容器の積層構成は、外殻と内袋が存在している状況であれば、特に限定されるものではない。図5に、本発明の一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器の胴部の一部の積層構成の断面図を示すが、本発明の積層剥離ブロー成形容器の積層構成は、これに限定されるものではない。
図5に示される一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器用積層体100は、外殻10と、外殻10の内側に積層配置された内袋20と、を備えており、内容物の減少に伴って内袋20が外殻10から剥離して収縮する。外殻10は、最外層11と最内層12とからなる積層体であり、内袋20は、最外層21、中間層22、及び最内層23からなる3層の積層体となっている。
(外殻)
本発明の積層剥離ブロー成形容器を構成する外殻は、特に限定されるものではないが、単層又は積層体からなる。
外殻を構成する樹脂としては、積層剥離ブロー成形容器の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、ブロー成形が可能であり、復元自在な可撓性を有する合成樹脂からなる層が挙げられる。また、外殻が積層体である場合には、層間に配置されて接着の役割を果たす接着層等が存在していてもよい。
材料としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらは、1種のみならず、2種以上がブレンドされていてもよい。また、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
(内袋)
本発明の積層剥離ブロー成形容器を構成する内袋は、一般的に、積層体からなる。そして、一般的に、内袋を構成する層の少なくとも1つが、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含有するEVOH層である場合が多い。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、優れた酸素バリア性を有することから、積層剥離ブロー成形容器において、内袋を構成する層の少なくとも1つをEVOH層とすることにより、内袋に充填された内容物と酸素との接触を遮断することができ、内容物の酸化劣化を抑制することができる。
また、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、極性を有する樹脂であることから、隣接する層となる外殻の最内層が、極性が低いか極性を有しない樹脂で構成される場合には、積層剥離ブロー成形容器をブロー成形する際に、隣接する樹脂との相溶性が低くなる。このため、例えば、外殻の最内層がポリオレフィン系樹脂等で構成される場合には、内袋の最外層がEVOH層であることにより、外殻と内袋との間の剥離性が高いものとなる。
図5に示される一実施形態に係る積層剥離ブロー成形容器用積層体100においては、内袋20は、最外層21、中間層22、及び最内層23からなる3層の積層体であり、例えば、内袋20の最外層21を、エチレン-ビニルアルコール共重合体を含有するEVOH層としてもよい。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)層以外の内袋を構成するとしては、例えば、ブロー成形が可能であり、薄く設計することで減容変形が自在となる合成樹脂等からなる層や、層間に配置されて接着の役割を果たす接着層等が挙げられる。
材料としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂や、ナイロン等のポリアミド樹脂等が挙げられる。これらは、1種のみならず、2種以上がブレンドされたものであってもよい。また、必要に応じて、機能性等を付与するための添加剤等が配合されていてもよい。
なお、積層剥離ブロー成形容器を構成する内袋においては、内容物を充填する空間を形成する最内層として、耐内容物性を有する樹脂が用いられることが好ましい。耐内容物性を有する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。
《積層剥離ブロー成形容器の内容物》
本発明の積層剥離ブロー成形容器に充填される内容物は、ジェルやゲル、更にはペースト等を含む液体物であれば、特に限定されるものではない。液状物としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、塗料等が挙げられる。
医薬品及び医薬部外品としては、例えば、注射薬、点滴薬、輸液薬、灌流薬、煎剤等が挙げられる。化粧品としては、例えば、シャンプー、コンディショナー、整髪料(例えば、ヘアウォーター、ヘアリキッド、グリース等)等が挙げられる。洗剤としては、例えば、中性洗剤、アルカリ性洗剤、及び酸性洗剤が挙げられる。食品としては、例えば、飲料、食用油、スープ、クリーム、液体調味料(例えば、醤油、酢、麺つゆ、割下、みりん、ウスターソース、ケチャップ、タバスコ、甘味料等)等が挙げられる。塗料としては、例えば、ペンキ、ニス、オイルステイン等が挙げられる。
なお、本発明においては、ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物であってもよい。ジェル状やゲル状、又はペースト状の内容物としては、例えば、歯磨き粉、ワサビ、ゼリー、ジャム、味噌等が挙げられる。
《内容物入り積層剥離ブロー成形容器》
本発明の内容物入り積層剥離ブロー成形容器は、本発明の積層剥離ブロー成形容器と、積層剥離ブロー成形容器を構成する内袋に充填された内容物と、を含む。
《積層ブロー成形容器を製造するための分割金型》
本発明の分割金型は、積層ブロー成形容器を製造するための分割金型であり、例えば、上記の本発明の積層剥離ブロー成形容器を作製することができる。
積層ブロー成形容器の製造においては、最外層から最内層までが順番に配置された溶融状態の多層パリソンを押出成形し、溶融状態の多層パリソンをブロー成形用の分割金型にセットし、分割金型を閉じ、積層ブロー成形容器本体の口部となる開口部にブローノズルを挿入する。型締めを行った状態で、分割金型の金型キャビティ内にエアーを吹き込み、最外層から最内層までが積層されたブロー成形品を成形する。成形後、分割金型を開いて、ブロー成形品を取り出す。
本発明の分割金型は、少なくとも2個以上の部分型からなる分割金型であり、これら複数個の分割金型を閉じることで積層ブロー容器を形成するための金型キャビティを形成する。例えば、2つの部分型によるもの、4つの部分型によるもの等であってよい。
そして、形成される金型キャビティの底面における金型パーティングラインの一部に、分割金型を構成する複数の部分型の不整合による不整合部を有する。具体的には、不整合部は、分割金型を閉じて金型キャビティを形成した際に、金型同士の間に段差が存在しており、この段差により、金型同士の間に隙間が形成される。
そして、不整合部の金型キャビティの外側に、分割金型を閉じる際の型締め圧力により、積層ブロー成形容器の材料である溶融樹脂を、金型キャビティの外側から内側に押し上げるための樹脂流動部を備えている。
本発明の分割金型においては、この不整合部と樹脂流動部とが存在することにより、分割金型を閉じる際の型締め圧力により金型キャビティの外側から内側に押し上げられた溶融樹脂が、形成される積層ブロー成形容器の底面の容器内側において、容器パーティングラインの両側について非対称に成形される。
これにより、積層されている層同士が、形成される容器の底面の容器内側で係止され、例えば、外殻と、外殻の内側に積層配置された内袋とを備え、内容物の減少に伴って内袋が外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器を成形した場合には、容器の底面の容器内側で、内袋を外殻に対して係止することができる。
キャビティ底面における金型パーティングラインの不整合部は、例えば、不整合部となる位置の分割金型の大きさを異ならせることで、形成することができる。
不整合部の金型キャビティの外側に存在する樹脂流動部の構成は、特に限定されるものではない。例えば、金型キャビティの外側となる位置に、不整合部に連結する溶融樹脂溜まりが形成できるように、不整合部に連結する凹部としてもよい。凹部に積層ブロー成形容器の材料である溶融樹脂の溜まりを作製し、分割金型を閉じる際の型締め圧力により、金型キャビティ外側の凹部からキャビティ内側に、溶融樹脂を押し上げることができる。
キャビティ底面における金型パーティングラインの不整合部の位置は、特に限定されるものではない。例えば、金型パーティングラインの略中央であってよい。略中央部に不整合部を配置することにより、形成される容器底面の略中央部に、非対称に成形される係止を作製することができ、例えば、積層剥離ブロー成形容器を成形した場合には、使用時に内袋を略均一に収縮させていくことが可能となる。
また、本発明の分割金型は、分割金型を閉じることで形成される金型キャビティの底面における金型パーティングラインにおいて、上記の不整合部以外の部分は、整合部としてよい。
整合部は、金型パーティングラインに段差や隙間が存在せず平坦となっているため、形成される積層ブロー成形容器の底面の容器内側において、容器を形成する材料が、容器パーティングラインの両側について対称に成形される。これにより、積層されている層同士が、形成される容器の底面の容器内側で係止されない。
本発明の分割金型により、上記の本発明の積層剥離ブロー成形容器を作製する場合には、整合部から形成される平坦部において、外殻から内袋を引き抜くことにより、外殻と内袋との間に外気を導入するための外気導入口を作製することができる。外殻から内袋を引き抜く方法としては、例えば、積層剥離ブロー成形容器を製造し、容器使用前に実施する、予備剥離が挙げられる。
キャビティ底面における金型パーティングラインの整合部の位置は、特に限定されるものではない。例えば、金型パーティングラインにおいて、略中央に不整合部を設ける場合には、整合部は、不整合部の両側に存在させてもよい。
図3に、一実施形態に係る本発明の分割金型を示す。図3に示される分割金型は、部分型Aと部分型Bの2つの部分型から構成され、部分型Aと部分型Bを閉じることにより、1つの金型キャビティを形成する。
図3(a)は部分型Aであり、図3(c)は部分型Bであり、図3(b)は、部分型Aと部分型Bとを閉じることで形成した金型キャビティの中央部を、部分型Aと部分型Bを横切るラインで切断した断面図である。すなわち、図3(a)の部分型Aと、図3(c)の部分型Bをそれぞれ90度回転させて閉じることで金型キャビティを形成し、形成した金型キャビティの中央部の断面図が図3(b)である。
図3(a)に示される一実施形態に係る分割金型の部分型Aにおいては、図3(c)に示される部分型Bと閉じることで金型キャビティを形成したときに、金型キャビティの底面における金型パーティングラインにおいて、不整合を形成する不整合部C11を有する。図3(a)に示される一実施形態に係る分割金型においては、不整合部C11は、金型パーティングラインにおいて、略中央部に位置している。
また、図3(a)に示される一実施形態に係る分割金型の部分型Aにおいては、不整合部C11に連結する金型キャビティの外側に、樹脂流動部D1を備える。
また、図3(a)に示される一実施形態に係る分割金型の部分型Aにおいては、図3(c)に示される部分型Bと閉じることで金型キャビティを形成したときに、金型キャビティの底面における金型パーティングラインにおいて、部分型Bと整合する整合部C21を有する。整合部C21は、金型パーティングラインにおいて、不整合部C11の両側に存在している。
図3(c)に示される一実施形態に係る分割金型の部分型Bにおいては、図3(a)に示される部分型Aと閉じることで金型キャビティを形成したときに、金型キャビティの底面における金型パーティングラインにおいて、不整合を形成する不整合部C12を有する。
また、図3(c)に示される一実施形態に係る分割金型の部分型Bにおいては、不整合部C12に連結する金型キャビティの外側に、樹脂流動部D2を備える。
また、図3(c)に示される一実施形態に係る分割金型の部分型Bにおいては、図3(a)に示される部分型Aと閉じることで金型キャビティを形成したときに、金型キャビティの底面における金型パーティングラインにおいて、部分型Aと整合する整合部C22を有する。整合部C22は、金型パーティングラインにおいて、不整合部C12の両側に存在している。
図3に示される一実施形態に係る分割金型においては、図3(a)の部分型Aと、図3(c)の部分型Bをそれぞれ90度回転させて閉じることで、金型キャビティを形成する。形成した金型キャビティの中央部の断面図である図3(b)に示されるように、部分型Aと部分型Bとで形成される金型キャビティの底部の金型パーティングラインは、部分型Aの不整合部C11と、部分型Bの不整合部C12との高低差により、段差を備える。そしてこの段差により、部分型Aと部分型Bとの間に隙間が形成されることとなる。
また、部分型Aの不整合部C11に連結している樹脂流動部D1と、部分型Bの不整合部C12に連結している樹脂流動部D2は、金型キャビティの外側に備えられた凹部であり、積層ブロー成形容器を製造する際には、当該凹部に、その材料である多層溶融パリソンが挿入される。
そして、部分型Aの樹脂流動部D1と、部分型Bの樹脂流動部D2では、部分型Aと部分型Bを閉じる際の型締め圧力により、積層ブロー成形容器の材料である多層溶融パリソンを、樹脂流動部D1及び樹脂流動部D2から、すなわち金型キャビティの外側から、金型キャビティの内側に押し上げるように移動させる。
部分型Aと部分型Bを閉じる際の型締め圧力により金型キャビティの外側から内側に押し上げられた多層溶融樹脂は、形成される積層ブロー成形容器の底面の容器内側において、不整合部C11と不整合部C12とで形成される容器パーティングラインの両側について非対称に成形される。これにより、多層溶融樹パリソンを構成していた樹脂の層同士が、形成される積層ブロー成形容器の底面の容器内側で係止されることとなる。
《積層ブロー成形容器の製造方法》
本発明の積層ブロー成形容器の製造方法は、筒状の外層と内層とを有する多層パリソンを、分割金型の間に配置し、分割金型を閉じることにより形成した金型キャビティの底部において、多層パリソンを圧し潰してピンチオフ部を形成するものである。
そして、形成されるピンチオフ部の一部に、段差を有する段差部を形成するとともに、ピンチオフ部の残部に、段差を有さない平坦部を形成する。
段差部においては、分割金型を閉じる際に、金型キャビティの外側から内側に向かって、多層パリソンを構成する溶融樹脂を押し上げて、金型キャビティの内側の金型パーティングラインの両側について溶融樹脂を非対称に成形し、それよって内層を外層に対して係止する。
段差部の位置は、特に限定されるものではない。例えば、ピンチオフ部の略中央に位置するように形成してもよい。略中央部に段差部を配置することにより、成形される積層ブロー成形容器底面の略中央部に、非対称に成形された係止を作製することができ、例えば、積層剥離ブロー成形容器を成形した場合には、使用時に内袋を略均一に収縮させていくことが可能となる。
段差部の形成方法は、特に限定されるものではない。例えば、成形に用いる金型キャビティとして、キャビティ底部の金型パーティングラインに、高低差を有するものを用いることによって、段差を形成することができる。
金型キャビティの底部の金型パーティングラインが、高低差を有する金型としては、例えば、上記した本発明の分割金型が挙げられる。すなわち、分割金型を閉じることで形成される金型キャビティの底面における金型パーティングラインの一部に、分割金型を構成する複数の部分型の不整合による不整合部を形成することで、金型同士の間に段差を形成する。そして、この段差により、金型同士の間に隙間を形成する。
段差部における溶融樹脂の押し上げ方法は、特に限定されるものではない。例えば、段差部に対応する金型パーティングラインの金型キャビティの外側に、樹脂流動部が設けられた分割金型を用いて、分割金型を閉じる際の型締め圧力により、材料となる多層パリソンを構成する溶融樹脂を、樹脂流動部から金型キャビティの内側に押し上げて移動させてもよい。
このような樹脂流動部としては、例えば、上記した本発明の分割金型の構成が挙げられる。
ピンチオフ部の残部に形成する、段差を有さない平坦部においては、多層パリソンを構成する溶融樹脂を、金型キャビティの内側の金型パーティングラインの両側について対称に成形する。これにより平坦部は、内層が外層に対して係止されない箇所となる。
平坦部の形成方法は、特に限定されるものではない。一般的には、成形に用いる金型キャビティとして、キャビティ底部の金型パーティングラインに高低差を設けることなく、整合させたものを用いることで、形成することができる。
平坦部は、キャビティ底部の金型パーティングラインに段差や隙間が存在しない状態で成形するため、金型キャビティの内側の金型パーティングラインの両側について溶融樹脂が対称に成形されており、それよって内層が外層に対して係止されていない。
平坦部の位置は、特に限定されるものではない。例えば、ピンチオフ部の略中央に段差部を設ける場合には、平坦部は、段差部の両側に存在させてもよい。
本発明の積層ブロー成形容器の製造方法によって、積層剥離ブロー成形容器を作製することも可能である。すなわち、外殻と、外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って内袋が外殻から剥離して収縮する容器を形成することができる。
本発明の積層ブロー成形容器の製造方法によって、積層剥離ブロー成形容器を作製する場合には、筒状の外層と内層とを有する多層パリソンの、外層から外殻を形成し、内層から内袋を形成する。そして、ピンチオフ部の段差部に形成される係止により、内袋が外殻に対して係止される。
また、ピンチオフ部の平坦部においては、積層剥離ブロー成形容器を作製の後に外殻から内袋を引き抜くことにより、外殻と内袋との間に外気を導入するための外気導入口を作製することができる。外殻から内袋を引き抜く方法としては、例えば、積層剥離ブロー成形容器を製造し、容器使用前に実施する、予備剥離が挙げられる。
図4に、一実施形態に係る本発明の積層ブロー成形容器の製造方法を示す。図4は、図3に示される分割金型を用いて、積層ブロー成形容器を製造する工程を示したものである。
積層ブロー成形容器の製造にあたっては、先ず、図4(a)に示されるように、最外層から最内層までが順番に配置された溶融状態の多層パリソン9を、分割金型の部分型Aと部分型Bとの間に配置する。分割金型の部分型Aは不整合部C11を備え、部分型Bは不整合部C12を備えており、部分型Aと部分型Bとを閉じて金型キャビティを形成した際には、不整合部C11と不整合部C12とから、金型キャビティには段差が作製されることとなる。
続いて、図4(b)に示されるように、部分型Aと部分型Bとを閉じ始めると、溶融状態の多層パリソン9は、部分型Aの不整合部C11と、部分型Bの不整合部C12によりピンチオフされ、金型キャビティの外部に存在している多層パリソンは、部分型Aの不整合部C11に連結している樹脂流動部D1(図示せず)と、部分型Bの不整合部C12に連結している樹脂流動部D2(図示せず)のそれぞれの凹部に、嵌め込まれるようにして移動する。
更に、部分型Aと部分型Bとを閉じることにより、金型キャビティを形成する際には、図4(c)に示される状態となる。部分型Aと部分型Bを閉じる際の型締め圧力(図中、矢印で示す)により、パリソン9を構成する溶融樹脂を、部分型Aの樹脂流動部D1と部分型Bの樹脂流動部D2から、形成された金型キャビティの内側に移動させる。そして、移動させた溶融樹脂により、部分型Aの不整合部C11と部分型Bの不整合部C12によって形成されている段差部分に、係止7を作製する。
この後、積層ブロー成形容器本体の口部となる開口部に、ブローノズルを挿入し、金型キャビティ内にエアーを吹き込むことで、外層と内層とが積層された積層ブロー成形容器を成形することができる。成形後は、分割金型の部分型Aと部分型Bとを開いて、積層ブロー成形容器を取り出す。
1 積層剥離ブロー成形容器
2 胴部
3 底面
4 容器パーティングライン
41 段差部
42 平坦部
43 樹脂片
5 外殻
6 内袋
7 係止
8 挟み込み部
9 多層パリソン
A、B、E、F 部分型
C11、C12 不整合部
C21、C22 整合部
D1、D2 樹脂流動部
100 積層剥離ブロー成形容器用積層体
10 外殻
11 最外層
12 最内層
20 内袋
21 最外層
22 中間層
23 最内層

Claims (12)

  1. 外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器であって、
    前記積層剥離ブロー成形容器の底面における容器パーティングラインは、段差を有する段差部と段差を有さない平坦部とを備え、
    前記段差部では、前記積層剥離ブロー成形容器の前記底面の容器内側において、前記外殻及び前記内袋を形成する材料が、前記容器パーティングラインの両側について非対称に成形されており、それよって前記内袋が前記外殻に対して係止されており、
    前記平坦部では、前記積層剥離ブロー成形容器の前記底面の容器内側において、前記外殻及び前記内袋を形成する材料が、前記容器パーティングラインの両側について対称に成形されており、それによって前記内袋が前記外殻に対して係止されておらず、前記外殻と前記内袋との間に外気を導入する外気導入口を形成可能である、
    積層剥離ブロー成形容器。
  2. 前記内容物は、医薬品、医薬部外品、化粧品、洗剤、食品、調味料、及び塗料からなる群より選ばれる、請求項1に記載の積層剥離ブロー成形容器。
  3. 請求項1又は2に記載の積層剥離ブロー成形容器と、前記内容物と、を含む、内容物入り積層剥離ブロー成形容器。
  4. 筒状の外層と内層とを有する多層パリソンを、分割金型の間に配置し、前記分割金型を閉じることにより形成した金型キャビティの底部において、前記多層パリソンを圧し潰してピンチオフ部を形成する、積層ブロー成形容器の製造方法であって、
    前記ピンチオフ部の一部に、段差を有する段差部を形成するとともに、前記ピンチオフ部の残部に、段差を有さない平坦部を形成し、
    前記段差部においては、前記分割金型を閉じる際に、前記金型キャビティの外側から内側に向かって、前記多層パリソンを構成する溶融樹脂を押し上げて、前記金型キャビティの内側の金型パーティングラインの両側について前記溶融樹脂を非対称に成形し、それよって前記内層を前記外層に対して係止する、
    積層ブロー成形容器の製造方法。
  5. 前記段差部は、前記金型キャビティの底部の金型パーティングラインが、高低差を有することによって形成される、請求項4に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
  6. 前記溶融樹脂の押し上げは、前記段差部において、前記金型キャビティの外側に樹脂流動部を設け、前記分割金型を閉じる際の型締め圧力により、前記多層パリソンを構成する前記溶融樹脂を、前記樹脂流動部から前記金型キャビティの内側に移動させることで行う、請求項4又は5に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
  7. 前記段差部は、前記ピンチオフ部の略中央に位置する、請求項4~6のいずれか一項に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
  8. 前記積層ブロー成形容器は、外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器であり、
    前記外層から前記外殻が形成され、
    前記内層から前記内袋が形成され、
    前記係止により、前記内袋が前記外殻に対して係止されている、請求項4~7のいずれか一項に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
  9. 前記平坦部において、前記外殻から前記内袋を引き抜くことにより、前記外殻と前記内袋との間に外気を導入するための外気導入口を作製する、請求項8に記載の積層ブロー成形容器の製造方法。
  10. 積層ブロー成形容器を製造するための分割金型であって、
    前記分割金型を閉じることで形成される金型キャビティは、底面における金型パーティングラインの一部に、前記分割金型を構成する複数の部分型の不整合による不整合部を有し、
    前記不整合部の前記金型キャビティの外側に、前記分割金型を閉じる際の型締め圧力により、前記積層ブロー成形容器の材料である溶融樹脂を、前記金型キャビティの外側から内側に押し上げるための樹脂流動部を備える、
    分割金型。
  11. 前記不整合部は、前記底面における前記金型パーティングラインの略中央に位置する、請求項10に記載の分割金型。
  12. 前記積層ブロー成形容器は、外殻と、前記外殻の内側に積層配置された内袋と、を備え、内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離して収縮する積層剥離ブロー成形容器である、請求項10又は11に記載の分割金型。
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