JP2022162536A - 絞り成形方法及びそのプレス型 - Google Patents

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和樹 矢賀
Kazuki Yaga
健司 堀脇
Kenji Horiwaki
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Abstract

【課題】素材の歩留り率を向上させつつ、絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法を提供する。【解決手段】ポンチ1とダイ2とシワ押さえ部3とを有し、ダイの外周部とシワ押さえ部とが素材を把持して絞り成形する方法である。シワ押さえ部には、ダイ側へ加圧されたシワ押さえ台3Dと、シワ押さえ台に支持され後退位置と前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部31とを備え、ダイには、可動シワ押さえ部と共に後退位置から前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部21を備えた。可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが素材を把持する箇所には、可動絞りビード3aが形成され、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とは、絞り成形開始時に後退位置にて素材の外縁部を把持し、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、絞り成形完了時に前進位置まで移動する。【選択図】 図3

Description

本発明は、絞り成形方法及びそのプレス型に関し、詳しくは、絞りビードの形状痕が成形パネルの製品領域内へ流入することを回避できる絞り成形方法及びそのプレス型に関する。
一般に、素材(鋼板)の外縁部を把持しながらプレス加工して、絞り成形する板金プレスのプレス型では、素材の流入制御のために、素材の外縁部を把持するシワ押させ面に凸状の絞りビードが形成されている場合が多い。
例えば、図20に示すように、ポンチ101とダイ102とポンチ101の外周側でプレス方向へ上下動可能に加圧支持されたシワ押さえ部(クッションリング部)103とを備えた絞り成形用のプレス型100において、図20(A)に示すように、シワ押さえ部103がポンチ101に対して所定のストローク量だけダイ102側へ上昇した位置で、ダイ102の外周部とシワ押さえ部103とが素材Wの外縁部W1を把持し、図20(B)に示すように、素材Wを把持したダイ102とシワ押さえ部103とが絞りビード103a、103bを介して素材Wに張力を掛けた状態で、ダイ102とポンチ101とが近接して素材Wを絞り成形することによって、所定の形状の成形パネルSPを形成する。
この絞り成形用のプレス型100では、素材Wの絞り成形時において成形パネルSPにキレツやシワ等が発生するのを回避するため、絞りビード103a、103bの高さや断面Rを調整することによって、素材Wの流入量L1(絞り成形開始前の素材端末W01が絞り成形後の素材端末W02まで移動した距離)を調節することが行われている。そのため、絞り成形時に、素材Wの流入に伴って絞りビード103a、103bの形状痕が、成形パネルSPの中で製品面SHとなる領域にも形成されることがあった。
しかし、特に自動車のボディを構成するプレス部品の内、面品質が重視される外板部品では、上記絞りビード103a、103bの形状痕が製品面SH内に侵入すると面品質不良となるので、素材Wの流入量L1(≒絞りビードによる形状痕の移動量L2)を考慮して、シワ押さえ部103に形成する絞りビード103a、103bの位置を、ポンチ101の外周縁101P(ポンチプロファイル)から離間させておく必要があった。ところが、絞りビード103a、103bの位置がポンチ101の外周縁101Pから遠くなればなるほど、成形パネルSPに残るスクラップSKの量が増加することになり、その分、製品に対する素材Wの歩留り率が低下し、素材費が高くなるという問題があった。
このような問題に対する絞り成形方法として、例えば、特許文献1には、図21に示すように、素材Wが絞り成形される時に、素材Wに張力を与える絞りビード202bの高さを変えることによって、素材Wに生ずる張力を制御しながら絞り成形する絞り成形方法が開示されている。具体的には、カムドライバ201aが下方に突出した上型ポンチ201と、カムドライバ201aと当接する受動カム202aを有し、受動カム202aの進退に伴って絞りビード202bが上下動する下型ダイ202と、上型ポンチ201の外周側に形成されたシワ押さえ部203と、を備えた絞り成形用のプレス型200において、絞り成形の途中からカムドライバ201aが受動カム202aを前進させ、絞りビード202bをシワ押さえ部203側へ突出させるように形成されている。
特開昭63-60728号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された絞り成形方法及びそのプレス型200では、絞り成形の開始初期において、絞りビード202bがシワ押さえ部203側へ突出していないので、絞り成形初期における素材Wの流入量が大きくなる。そして、流入量が大きい分、素材Wをあらかじめ大きく設定せざるを得ない。
また、シワ押さえ部203には、絞りビード202bを受容する凹溝203aが形成されているので、下型ダイ202とシワ押さえ部203とが素材Wを把持したときに、凹溝203aによる形状痕が生じ得る。そして、絞り成形初期では、素材Wの流入量が大きくなるので、素材Wの流入量(≒凹溝203aによる形状痕の移動量)を考慮して、絞りビード202bの位置を上型ポンチ201の外周縁201Pから大きく離間させておく必要が生じることになる。したがって、素材Wの歩留り率が低下し、素材費が高くなるという問題を十分解決することができない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、素材の歩留り率を向上させつつ、絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる領域に形成されることを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法及びそのプレス型を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る絞り成形方法及びそのプレス型は、次のような構成を有している。
(1)ポンチとダイと前記ポンチの外周側で加圧支持されたシワ押さえ部とを有し、前記ダイの外周部と前記シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持すると共に絞りビードを介して前記素材に張力を掛けながら、前記ポンチと前記ダイとが近接して前記素材を所定の形状に絞り成形する絞り成形方法であって、
前記シワ押さえ部には、前記ポンチに対して所定のストローク量だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台と、当該シワ押さえ台に支持され前記ポンチの外周縁から離間した後退位置と前記ポンチの外周縁と近接した前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部と、前記シワ押さえ台と一体化された固定シワ押さえ部とを備え、
前記ダイには、前記可動シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持した状態で、前記可動シワ押さえ部と共に前記後退位置から前記前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部と、前記固定シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持する固定ダイ部とを備え、
前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記素材を把持する箇所には、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部と共に移動する可動絞りビードを備え、
前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に前記後退位置にて前記素材の前記外縁部を把持し、前記可動絞りビードにおける前記素材の滑りを抑制した状態で、前記素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前記前進位置まで移動することを特徴とする。
本発明においては、シワ押さえ部には、ポンチに対して所定のストローク量だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台と、当該シワ押さえ台に支持されポンチの外周縁から離間した後退位置とポンチの外周縁と近接した前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部と、シワ押さえ台と一体化された固定シワ押さえ部とを備え、ダイには、可動シワ押さえ部との間で素材の外縁部を把持した状態で、可動シワ押さえ部と共に後退位置から前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部と、固定シワ押さえ部との間で素材の外縁部を把持する固定ダイ部とを備え、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが素材を把持する箇所には、可動ダイ部と可動シワ押さえ部と共に移動する可動絞りビードを備え、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に後退位置にて素材の外縁部を把持し、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置まで移動するので、絞り成形開始時に後退位置にて可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持することによって素材に形成された可動絞りビードの形状痕と可動絞りビードとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。そのため、素材に形成された可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する位置から素材と共にポンチ側へ流入して、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
また、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に後退位置にて素材の外縁部を把持し、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置まで移動するので、素材の大きさは、可動ダイ部と可動シワ押さえ部の後退位置にて可動絞りビードが素材の外縁部を拘束できる程度の大きさであれば良い。また、素材の外縁部を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、後退位置から前進位置へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ側の素材をキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持した素材のポンチ側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが移動する前後方向における素材の大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材の歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本発明によれば、素材の歩留り率を向上させつつ、可動絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法を提供することができる。
(2)(1)に記載された絞り成形方法において、
絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記前進位置にて前記素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とがそれぞれ前記前進位置から前記後退位置へ移動することを特徴とする。
本発明においては、絞り成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが前進位置にて素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とがそれぞれ前進位置から後退位置へ移動するので、絞り成形された成形パネルが変形することなく、正規の状態で成形パネルをポンチから離型させることができる。したがって、成形パネルの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。よって、可動絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることの面品質不良のみならず、成形パネルの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
(3)(1)又は(2)に記載された絞り成形方法において、
前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、前記素材Wの幅方向外方まで形成されていることを特徴とする。
本発明においては、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、素材の幅方向外方まで形成されているので、素材の幅方向における外縁部全体を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、後退位置から前進位置へ移動することができる。そのため、絞り成形時におけるポンチに対する素材の流入量を幅方向で略均一化させることができ、素材がポンチ側へ局部的に流入することを阻止できる。その結果、素材に形成された可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する位置から素材と共にポンチ側へ流入して、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることをより一層回避できる。
(4)(3)に記載された絞り成形方法において、
前記ポンチの幅方向両端部には、前記固定シワ押さえ部と前記可動シワ押さえ部との間に挟まれ前記素材の肉余りを吸収する余肉形状部を有する突起部を備えたことを特徴とする。
本発明においては、ポンチの幅方向両端部には、固定シワ押さえ部と可動シワ押さえ部との間に挟まれ素材の肉余りを吸収する余肉形状部を有する突起部を備えたので、絞り成形時にポンチの突起部に当接した素材を余肉形状部によって伸長させることによって、成形パネルにシワ等が生じるのを回避できる。すなわち、素材の幅方向における外縁部全体を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、後退位置から前進位置へ移動するので、素材に対する張力を幅方向で調節することは難しいが、ポンチの突起部に当接した素材を余肉形状部が伸長させることによって、成形パネルにおける肉余りによるシワ等の発生を阻止しつつ、成形パネルに面品質不良が生じることを回避できる。
また、可動シワ押さえ部と固定シワ押さえ部との間には、ポンチの突起部を挟んで上下方向の段差を形成することができる。そのため、固定シワ押さえ部とダイの外周部とが把持する素材の絞り深さを浅くして、ポンチ側への素材の流入量を低減し、素材の幅方向の寸法を縮小させることができる。その結果、製品に対する素材の歩留り率が向上し、素材費が高くなるのをより一層抑制できる。
(5)(1)又は(2)に記載された絞り成形方法において、
前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、前記素材の幅方向における所定範囲の境界線で、前記素材の幅方向と直交する方向に前記固定ダイ部と前記固定シワ押さえ部とから分割して形成され、
前記固定ダイ部と前記固定シワ押さえ部とが前記素材の外縁部を把持する箇所には、前記素材のポンチ側への流入量を部位に応じて調節可能に形成された固定絞りビードを備えていることを特徴とする。
本発明においては、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、素材の幅方向における所定範囲の境界線で、素材の幅方向と直交する方向に固定ダイ部と固定シワ押さえ部とから分割して形成され、固定ダイ部と固定シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持する箇所には、素材のポンチ側への流入量を部位に応じて調節可能に形成された固定絞りビードを備えているので、所定範囲の幅方向内方において、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、可動絞りビードを介して素材の流入量を均一化しながら、素材をポンチ側へ供給することによって、絞り成形に伴う素材不足に起因するキレツの発生を回避させることができる。一方、所定範囲の幅方向外方において、固定ダイ部と固定シワ押さえ部とが、固定絞りビードを介して部位に応じて素材のポンチ側への流入量を調整しながら、素材をポンチ側へ供給することによって、絞り成形に伴う素材過剰に起因するシワの発生を回避させることができる。
そのため、絞り成形に伴い、素材不足に起因するキレツと素材過剰に起因するシワとが隣接した領域で発生する場合、その領域の境界線で、可動ダイ部及び可動シワ押さえ部と固定ダイ部及び固定シワ押さえ部とを分割することによって、絞り成形に伴うシワ・キレツの発生を効果的に阻止することができる。その結果、絞り成形に伴うシワ・キレツの発生を効果的に阻止しつつ、素材に形成された可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する位置から素材と共にポンチ側へ流入して、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
例えば、所定範囲の幅方向内方においては、ポンチの成形面における素材流入方向(前後方向)の周長が長くその変化率が小さい場合において、所定範囲の幅方向外方においては、ポンチの成形面における素材流入方向(前後方向)の周長が短くその変化率が大きい場合には、可動ダイ部及び可動シワ押さえ部と固定ダイ部及び固定シワ押さえ部とを、素材の幅方向における所定範囲の境界線で分割することによって、素材の流入量を所定範囲の内外で調整して、絞り成形に伴うシワ、キレツの発生を阻止しつつ、素材に形成された可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する位置から素材と共にポンチ側へ流入して、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
(6)(5)に記載された絞り成形方法において、
前記固定ダイ部には、前記可動シワ押さえ部との間で前記素材を押圧する素材押圧面を、ダイ肩R部と可動絞りビードとの間に形成したことを特徴とする。
本発明においては、固定ダイ部には、可動シワ押さえ部との間で素材を押圧する素材押圧面を、ダイ肩R部と可動絞りビードとの間に形成したので、絞り成形開始時に素材の外縁部を、後退位置の可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する際、固定ダイ部の素材押圧面が所定範囲におけるダイ肩R側の素材表面を押圧して、所定範囲における素材の変形を抑制させることができる。そのため、絞り成形時における素材の変形に伴う傷が、素材と共にポンチ側へ流入して、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されて面品質不良となることを効果的に回避できる。
(7)(6)に記載された絞り成形方法において、
前記素材押圧面は、絞り成形開始時に前記可動シワ押さえ部との間で前記素材を押圧可能に形成されていることを特徴とする。
本発明においては、素材押圧面は、絞り成形開始時に可動シワ押さえ部との間で素材を押圧可能に形成されているので、絞り成形開始時から固定ダイ部の素材押圧面が所定範囲におけるダイ肩R側の素材Wを、後退位置の可動シワ押さえ部との間で押圧して、素材をシワ押さえ部になじませることができる。そのため、シワ押さえ部の素材当接面が3次元的に湾曲している場合でも、絞り成形時における素材の傷付きを抑制して、傷等が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
(8)(5)乃至(7)のいずれか1つに記載された絞り成形方法において、
前記可動絞りビードと前記固定絞りビードとは、前記境界線の手前でそれぞれ徐々に低くなって高さゼロに形成されていることを特徴とする。
本発明においては、可動絞りビードと固定絞りビードとは、境界線の手前でそれぞれ徐々に低くなって高さゼロに形成されているので、可動ダイ部と可動シワ押さえ部との間で挟持された素材のポンチ側への流入量と、固定ダイ部と固定シワ押さえ部との間で挟持された素材のポンチ側への流入量との差を、境界線の周辺で略ゼロに調整することができる。そのため、境界線において、素材の流入量の差による型摩耗等を低減して、絞り成形時における型摩耗による素材の傷付きを抑制し、傷等が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
(9)ポンチとダイと前記ポンチの外周側で加圧支持されたシワ押さえ部とを有し、前記ダイの外周部と前記シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持すると共に絞りビードを介して前記素材に張力を掛けながら、前記ポンチと前記ダイとが近接して前記素材を所定の形状に絞り成形するプレス型であって、
前記シワ押さえ部には、前記ポンチに対して所定のストローク量だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台と、当該シワ押さえ台に支持され前記ポンチの外周縁から離間した後退位置と前記ポンチの外周縁と近接した前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部と、前記シワ押さえ台と一体化された固定シワ押さえ部とを備え、
前記ダイには、前記可動シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持した状態で、前記可動シワ押さえ部と共に前記後退位置から前記前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部と、前記固定シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持する固定ダイ部とを備え、
前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記素材を把持する箇所には、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部と共に移動する可動絞りビードを備え、
前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に前記後退位置にて前記素材の外縁部を把持し、前記可動絞りビードにおける前記素材の滑りを抑制した状態で、前記素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前記前進位置まで移動し、絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記前進位置にて前記素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とがそれぞれ前記前進位置から前記後退位置へ移動するように形成された駆動機構を備えたことを特徴とする。
本発明においては、シワ押さえ部には、ポンチに対して所定のストローク量だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台と、当該シワ押さえ台に支持されポンチの外周縁から離間した後退位置とポンチの外周縁と近接した前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部と、シワ押さえ台と一体化された固定シワ押さえ部とを備え、ダイには、可動シワ押さえ部との間で素材の外縁部を把持した状態で、可動シワ押さえ部と共に後退位置から前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部と、固定シワ押さえ部との間で素材の外縁部を把持する固定ダイ部とを備え、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが素材を把持する箇所には、可動ダイ部と可動シワ押さえ部と共に移動する可動絞りビードを備え、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に後退位置にて素材の外縁部を把持し、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置まで移動し、絞り成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが前進位置にて素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とがそれぞれ前進位置から後退位置へ移動するように形成された駆動機構を備えたので、絞り成形開始時に後退位置にて可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持することによって素材に形成された可動絞りビードの形状痕と可動絞りビードとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。そのため、素材に形成された可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する位置から素材と共にポンチ側へ流入して、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
また、駆動機構は、絞り成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが前進位置にて素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とがそれぞれ前進位置から後退位置へ移動するように形成されたので、絞り成形された成形パネルの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルをポンチから離型させることができる。したがって、成形パネルの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。よって、可動絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成される面品質不良のみならず、成形パネルの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
また、駆動機構によって、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に後退位置にて素材の外縁部を把持し、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置まで移動するので、素材の大きさは、可動ダイ部と可動シワ押さえ部の後退位置にて可動絞りビードが素材の外縁部を拘束できる程度の大きさであれば良い。また、素材の外縁部を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、可動絞りビードにおける素材の滑りを抑制した状態で、素材に張力を掛けながら、後退位置から前進位置へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ側の素材をキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持した素材のポンチ側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが移動する前後方向における素材の大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材の歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本発明によれば、素材の歩留り率を向上させつつ、可動絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できるプレス型を提供することができる。
(10)(9)に記載されたプレス型において、
前記駆動機構には、前記ポンチが形成されたポンチ型台に上下方向へ移動可能に装着されダイ側へ付勢された可動カムドライバと、
前記ダイが形成されたダイ型台に前後方向へ移動可能に装着され前記可動カムドライバの付勢力に打ち勝つ付勢力で後退方向へ付勢されると共に、前記可動ダイ部が形成された第1受動カムと、
前記シワ押さえ台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、前記可動シワ押さえ部が形成された第2受動カムとを備え、
前記第1受動カムには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面と、垂直状に形成された垂直ガイド面と、前記第2受動カムを前進方向へ押圧する押圧面とが形成され、
前記可動カムドライバには、前記第1受動カムの傾斜カム面と当接し前記可動ダイ部を前記後退位置から前記前進位置へ移動させる傾斜ドライバ面と、絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、前記第1受動カムの垂直ガイド面と当接し前記可動ダイ部を前進位置に保持させる垂直ドライバ面とが形成されていることを特徴とする。
本発明においては、駆動機構には、ポンチが形成されたポンチ型台に上下方向へ移動可能に装着されダイ側へ付勢された可動カムドライバと、ダイが形成されたダイ型台に前後方向へ移動可能に装着され可動カムドライバの付勢力に打ち勝つ付勢力で後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部が形成された第1受動カムと、シワ押さえ台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部が形成された第2受動カムとを備え、第1受動カムには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面と、垂直状に形成された垂直ガイド面と、前記第2受動カムを前進方向へ押圧する押圧面とが形成され、可動カムドライバには、第1受動カムの傾斜カム面と当接し可動ダイ部を後退位置から前進位置へ移動させる傾斜ドライバ面と、絞り成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、第1受動カムの垂直ガイド面と当接し可動ダイ部を前進位置に保持させる垂直ドライバ面とが形成されているので、絞り成形開始時にポンチとダイとが近接する際、後退位置へ付勢された第1受動カムの傾斜カム面によって、ダイ側へ付勢された可動カムドライバの傾斜ドライバ面が押されて、可動カムドライバはポンチ型台と当接する原位置まで後退し、可動カムドライバが後退した状態で、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、後退位置にて素材の外縁部を把持することができる。
そして、ポンチとダイとが、シワ押さえ台のストローク量だけ更に近接することによって、素材の外縁部を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とは、第1受動カムの傾斜カム面が原位置に後退した可動カムドライバの傾斜ドライバ面に案内され、また、第2受動カムが第1受動カムの押圧面に押圧されて、後退位置から前進位置へ移動して、絞り成形を完了することができる。そのため、絞り成形開始時に素材の外縁部に形成された可動絞りビードの形状痕は、可動絞りビードと一緒に後退位置から前進位置へ移動することができる。その結果、可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する素材の位置からポンチ側へ流入し、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形の完了時点で、第1受動カムの傾斜カム面が可動カムドライバの傾斜ドライバ面から外れるので、ダイ側へ付勢されている可動カムドライバは、所定のストローク分だけダイ側へ移動する。そのため、絞り成形完了後、素材の外縁部を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とは、ポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、第1受動カムの垂直ガイド面が可動カムドライバの垂直ドライバ面に規制されて、前進位置に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルをポンチから離型させることができる。
さらに、ポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間した後では、第1受動カムの垂直ガイド面が可動カムドライバの垂直ドライバ面から離間するので、後退方向へ付勢された第1受動カムは、可動ダイ部の後退位置へ移動し、後退方向へ付勢された第2受動カムは、可動シワ押さえ部の後退位置へ移動することができる。その結果、成形パネルの離型後にも、成形パネルに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
(11)(9)に記載されたプレス型において、
前記駆動機構には、前記ダイが形成されたダイ型台に装着され駆動手段によって上下方向へ移動可能に形成された可動カムドライバと、
前記ダイ型台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、前記可動ダイ部が形成された第1受動カムと、
前記シワ押さえ台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、前記可動シワ押さえ部が形成された第2受動カムとを備え、
前記第2受動カムには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面と、前記第1受動カムを前進方向へ押圧する押圧面とが形成され、
前記可動カムドライバには、前記第2受動カムの傾斜カム面と当接し前記可動シワ押さえ部を前記後退位置から前記前進位置へ移動させる傾斜ドライバ面が形成され、
前記駆動手段の駆動ロッドが短縮した状態で、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記後退位置で前記素材の外縁部を把持した後に、前記ポンチと前記ダイとが、前記シワ押さえ台のストローク量だけ近接する際に、前記駆動ロッドを伸長させ、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とを前記前進位置へ移動させて絞り成形を完了し、絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間した後に、前記駆動ロッドを短縮させることを特徴とする。
本発明においては、駆動機構には、ダイが形成されたダイ型台に装着され駆動手段によって上下方向へ移動可能に形成された可動カムドライバと、ダイ型台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部が形成された第1受動カムと、シワ押さえ台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部が形成された第2受動カムとを備え、第2受動カムには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面と、第1受動カムを前進方向へ押圧する押圧面とが形成され、可動カムドライバには、第2受動カムの傾斜カム面と当接し可動シワ押さえ部を後退位置から前進位置へ移動させる傾斜ドライバ面が形成され、駆動手段の駆動ロッドが短縮した状態で、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが後退位置で素材の外縁部を把持した後に、ポンチとダイとが、シワ押さえ台のストローク量だけ近接する際に、駆動ロッドを伸長させ、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とを前進位置へ移動させて絞り成形を完了し、絞り成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間した後に、駆動ロッドを短縮させるので、絞り成形開始時にポンチとダイとが近接する際、駆動ロッドが短縮しダイ型台と当接する原位置まで可動カムドライバが後退した状態で、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが、後退位置にて素材の外縁部を把持することができる。
そして、ポンチとダイとが、シワ押さえ台のストローク量だけ更に近接すると共に、駆動ロッドが伸長することによって、素材の外縁部を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とは、第2受動カムの傾斜カム面が可動カムドライバの傾斜ドライバ面に押圧され、また、第1受動カムが第2受動カムの押圧面に押圧されて、後退位置から前進位置へ移動して、絞り成形を完了することができる。そのため、絞り成形開始時に素材の外縁部に形成された可動絞りビードの形状痕は、可動絞りビードと一緒に後退位置から前進位置へ移動させることができる。その結果、可動絞りビードの形状痕が、可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが把持する位置からポンチ側へ流入し、成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間した後に、駆動ロッドを短縮させるので、素材の外縁部を把持した可動ダイ部と可動シワ押さえ部とは、ポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、第2受動カムの傾斜カム面が可動カムドライバの傾斜ドライバ面に規制されて、前進位置に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルをポンチから離型させることができる。
さらに、ポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間した後では、駆動ロッドが短縮して可動カムドライバの傾斜ドライバ面が第2受動カムの傾斜カム面から離間するので、後退方向へ付勢された第2受動カムは、可動シワ押さえ部の後退位置へ移動し、後退方向へ付勢された第1受動カムは、可動ダイ部の後退位置へ移動することができる。その結果、成形パネルの離型後にも、成形パネルに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
本発明によれば、素材の歩留り率を向上させつつ、可動絞りビードの形状痕が成形パネルの中で製品面となる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法及びそのプレス型を提供することができる。
本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法によって形成した成形パネルの部分斜視図である。 図1に示すA部詳細断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において可動ダイ部と可動シワ押さえ部とが後退位置へ移動したときの断面図を示す。 本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法に使用する第1のプレス型の成形完了直前の概略断面図である。 図3に示す第1のプレス型において、上死点で素材をセットした状態の要部断面図である。 図3に示す第1のプレス型において、絞り成形開始時の要部断面図である。 図3に示す第1のプレス型において、絞り成形完了時の要部断面図である。 図3に示す第1のプレス型において、成形パネルの離型時の要部断面図である。 図3に示す第1のプレス型において、成形パネルの取出し時の要部断面図である。 図3に示す第1のプレス型の変形例(第1変形例)において、絞り成形完了時の要部断面図である。 本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法によって形成した成形パネルの部分斜視図である。 図10に示すC部における詳細断面図である。 図10に示すD-D断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において可動ダイと可動シワ押さえ部とが後退位置へ移動したときの断面図を示す。 図10に示すE-E断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において固定ダイ部と固定シワ押さえ部とが上下方向で離間する上死点の断面図を示す。 本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法に使用する第2のプレス型であって、図10に示すD-D断面の上死点で素材をセットした状態の要部断面図である。 図14に示す第2のプレス型において、絞り成形開始時の要部断面図である。 図14に示す第2のプレス型において、絞り成形完了時の要部断面図である。 図14に示す第2のプレス型において、成形パネルの離型時の要部断面図である。 図14に示す第2のプレス型において、成形パネルの取出し時の要部断面図である。 図14に示す第2のプレス型の変形例(第2変形例)において、絞り成形完了時の要部断面図である。 従来の絞り成形用のプレス型の要部断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形完了時の断面図を示す。 特許文献1に記載された絞り成形方法に用いるプレス型の要部断面図である。
次に、本発明の最適な実施形態に係る絞り成形方法及びそのプレス型について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る第1実施例、第2実施例の絞り成形方法の具体例について説明する。また、本実施形態に係る第1実施例、第2実施例の絞り成形方法に使用するプレス型について、各構成及び各構成の動作方法を説明し、その変形例(第1変形例、第2変形例)について簡単に説明する。
<第1実施例の絞り成形方法>
まず、本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法を、図1~図3を用いて説明する。図1に、本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法によって形成した成形パネルの部分斜視図を示す。図2に、図1に示すA部詳細断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において可動ダイと可動シワ押さえ部とが後退位置へ移動したときの断面図を示す。図3に、本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法に使用するプレス型の成形完了直前の概略断面図を示す。
図1~図3に示すように、本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法は、ポンチ1とダイ2とポンチ1の外周側で加圧支持されたシワ押さえ部3とを有し、ダイ2の外周部(21、23)とシワ押さえ部3とが素材Wの外縁部W1を把持すると共に絞りビード3a、3bを介して素材Wに張力を掛けながら、ポンチ1とダイ2とが近接して素材Wを所定の形状に絞り成形する絞り成形方法である。
ここでは、ポンチ1は、プレス方向の下方に位置し、ダイ2は、プレス方向の上方に位置し、シワ押さえ部3は、ダイクッション装置4のクッションピン41を介して加圧支持されているが、ポンチ1とダイ2を上下逆転しても良い。その場合、シワ押さえ部3を加圧支持する加圧装置(図示しない)をポンチ型台1D又はプレス機械(図示しない)に設けることになる。
また、シワ押さえ部3には、ポンチ1に対して所定のストローク量T1だけ上下動可能にダイ2側へ加圧されたシワ押さえ台3Dと、当該シワ押さえ台3Dに支持されポンチ1の外周縁1Pから離間した後退位置P1とポンチ1の外周縁1Pと近接した前進位置P2との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部31と、シワ押さえ台3Dと一体化された固定シワ押さえ部32とを備えている。
なお、シワ押さえ台3Dは、ポンチ1の外周縁1Pに沿ってリング状に形成されている。シワ押さえ台3Dには、可動シワ押さえ部31を前進位置P2から後退位置P1まで移動させる付勢手段531(例えば、弾性部材)が装着されている。可動シワ押さえ部31は、絞り成形時におけるポンチ1側への素材Wの流入量が多い箇所に形成すると良い。また、シワ押さえ部3には、シワ押さえ台3Dと固定され又は一体に形成された固定シワ押さえ部32を備えている。固定シワ押さえ部32は、絞り成形時におけるポンチ1側への素材Wの流入量が零又は少ない箇所に形成すると良い。ここでは、可動シワ押さえ部31は、素材Wの幅方向Q2と直交する前後方向Q1へ移動する。
また、ダイ2には、可動シワ押さえ部31との間で素材Wの外縁部W1を把持した状態で、可動シワ押さえ部31と共に後退位置P1から前進位置P2まで移動可能に形成された可動ダイ部21と、固定シワ押さえ部32との間で素材Wの外縁部W1を把持する固定ダイ部23とを備えている。なお、可動ダイ部21は、ダイ2が固定され又は一体に形成されたダイ型台2Dに前後方向Q1へ移動可能に形成されている。ダイ型台2Dには、可動ダイ部21を前進位置P2から後退位置P1まで移動させる付勢手段524(例えば、ガスシリンダ)が装着されている。また、ダイ型台2Dには、ポンチ1との間で素材Wを成形するダイ成形部22が形成されている。ここでは、可動ダイ部21の前端部には、ポンチ1との間で素材Wを成形するダイ成形部の一部が形成されている。可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、素材Wの外縁部W1を把持して、後退位置P1から前進位置P2まで移動する移動量は、絞り成形時において素材Wに伸び割れ(キレツ)が発生しない範囲で、素材Wをポンチ1側へ供給し得る最小の距離であることが好ましい。
また、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが素材Wを把持する箇所には、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31と共に移動する可動絞りビード3aを備えている。ここでは、可動絞りビード3aは、ポンチ1の外周縁1Pに近接する位置で、可動シワ押さえ部31に形成されている。また、可動ダイ部21には、可動絞りビード3aを受容する凹溝2aが形成されている。可動絞りビード3aは、素材Wの滑りを抑制可能に形成された形状のビードであれば特に限定されないが、微小な角Rで角型に形成された角ビード(ロックビード)が好ましい。ただし、角ビードであっても、絞り成形時における素材Wの伸び率等を考慮して、角Rの大きさを部分的に拡大しても良い。
また、図2(A)~(C)に示すように、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するように形成されている。そのため、絞り成形開始時に後退位置P1にて可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが素材Wの外縁部W1を把持することによって、素材Wに形成された可動絞りビード3aの形状痕3akと可動絞りビード3aとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。
すなわち、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3aの形状痕3akは、可動絞りビード3aと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動させることができる。そのため、可動絞りビード3aの形状痕3akが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する素材Wの位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの前後方向における外縁部W1を把持し、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するので、素材Wの前後方向の大きさは、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31の後退位置P1にて可動絞りビード3aが素材Wの外縁部W1を拘束できる程度の大きさであれば良い。
また、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ1側の素材Wをキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持した素材Wのポンチ1側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが移動する前後方向Q1における素材Wの大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法によれば、素材Wの歩留り率を向上させつつ、可動絞りビード3aの形状痕3akが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法を提供することができる。
また、本第1実施例の絞り成形方法においては、図2(D)、(E)に示すように、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動することが好ましい。この場合、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。したがって、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。
すなわち、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持することによって、可動ダイ部21と固定ダイ部23とを含むダイ2全体と、可動シワ押さえ部31と固定シワ押さえ部32とを含むシワ押さえ部3全体とが、それぞれ一体となった状態で、絞り成形された成形パネルSPをポンチ1からシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離型させることができる。そのため、成形パネルSPをポンチ1から離型させる際には、後退位置P1へ移動しようとする可動ダイ部21及び可動シワ押さえ部31からの外力が、成形パネルSPに対して作用しない。
一方、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とがそれぞれ後退位置P1へ移動するので、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とがそれぞれ後退位置P1へ移動する際には、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とがそれぞれ上下方向に離間し、成形パネルSPを変形させる力は作用しない。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPの変形による面品質不良が生じることを回避できる。よって、可動絞りビード3aの形状痕3akが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることの面品質不良のみならず、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
また、本実施形態に係る第1実施例の絞り成形方法においては、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、素材Wの幅方向Q2外方まで形成されていることが好ましい。
この場合、素材Wの幅方向Q2における外縁部W1全体を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P1へ移動することができる。そのため、絞り成形時におけるポンチ1に対する素材Wの流入量を幅方向Q2で略均一化させることができ、素材Wがポンチ1側へ局部的に流入することを阻止できる。その結果、素材Wに形成された可動絞りビード3aの形状痕3akが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることをより一層回避できる。
ここでは、ポンチ1の外周縁1Pには、平面視で素材Wの幅方向Q2外方まで略直線状に形成された直線状外周縁1PTを備え、可動シワ押さえ部31は、後退位置P1と前進位置P2との間を、直線状外周縁1PTに対して直交する方向Q1へ移動する。
この場合、素材Wの前後方向における外縁部W1全体を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、ポンチ1の直線状外周縁1PTに対する離間距離T2を幅方向Q2で均等に保ちながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動することができる。そのため、絞り成形時におけるポンチ1に対する素材Wの前後方向Q1における伸び量を幅方向Q2でより一層均一化させることができ、素材Wがポンチ1側へ局部的に流入することを阻止できる。
また、本第1実施例の絞り成形方法においては、図1に示すように、ポンチ1の幅方向両端部には、固定シワ押さえ部32と可動シワ押さえ部31との間に挟まれ素材Wの肉余りを吸収する余肉形状部1Sを有する突起部1Tを備えたことが好ましい。
この場合、絞り成形時にポンチ1の突起部1Tに当接した素材Wを余肉形状部1Sによって伸長させることによって、成形パネルSPにシワ等が生じるのを回避できる。すなわち、素材Wの幅方向Q2における外縁部W1全体を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動するので、素材Wに対する張力を幅方向Q2で調節することは難しいが、ポンチ1の突起部1Tに当接した素材Wを余肉形状部1Sが伸長させることによって、成形パネルSPにおける肉余りによるシワ等の発生を阻止しつつ、成形パネルSPに面品質不良が生じることを回避できる。
また、可動シワ押さえ部31と固定シワ押さえ部32との間には、ポンチ1の突起部1Tを挟んで上下方向の段差を形成することができる。そのため、固定シワ押さえ部32とダイ2の外周部(固定ダイ部)23とが把持する素材Wの絞り深さを浅くして、ポンチ1側への素材Wの流入量を低減し、素材Wの幅方向Q2の寸法を縮小させることができる。その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのをより一層抑制できる。
<第1実施例の絞り成形方法に使用する第1のプレス型>
次に、上述した第1実施例の絞り成形方法に使用する本他の実施形態に係る第1のプレス型を、図3~図9を用いて説明する。図3に、本実施形態に係る絞り成形方法に使用するプレス型の成形完了直前の概略断面図を示す。図4に、図3に示すプレス型において、上死点で素材をセットした状態の要部断面図を示す。図5に、図3に示すプレス型において、絞り成形開始時の要部断面図を示す。図6に、図3に示すプレス型において、絞り成形完了時の要部断面図を示す。図7に、図3に示すプレス型において、成形パネルの離型時の要部断面図を示す。図8に、図3に示すプレス型において、成形パネルの取出し時の要部断面図を示す。図9に、図3に示すプレス型の変形例(第1変形例)において、絞り成形完了時の要部断面図を示す。なお、図4~図9は、図1に示すB-B断面における図3に示すプレス型の断面図である。
図3~図9に示すように、本プレス型10、10Bは、ポンチ1とダイ2とポンチ1の外周側で加圧支持されたシワ押さえ部3とを有し、ダイ2の外周部23とシワ押さえ部3とが素材Wの外縁部W1を把持すると共に絞りビード3a、3bを介して素材Wに張力を掛けながら、ポンチ1とダイ2とが近接して素材Wを所定の形状に絞り成形するプレス型である。
また、シワ押さえ部3には、ポンチ1に対して所定のストローク量T1だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台3Dと、当該シワ押さえ台3Dに支持されポンチ1の外周縁1Pから離間した後退位置P1とポンチ1の外周縁1Pと近接した前進位置P2との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部31と、シワ押さえ台3Dと一体化された固定シワ押さえ部32とを備えている。また、ダイ2には、可動シワ押さえ部31との間で素材Wの外縁部W1を把持した状態で、可動シワ押さえ部31と共に後退位置P1から前進位置P2まで移動可能に形成された可動ダイ部21と、固定シワ押さえ部32との間で素材Wの外縁部W1を把持する固定ダイ部23とを備えている。
また、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが素材Wを把持する箇所には、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31と共に移動する可動絞りビード3aを備え、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動させ、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するように形成された駆動機構5、5Bを備えている。
したがって、絞り成形開始時に後退位置P1にて可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが素材Wの外縁部W1を把持することによって素材Wに形成された可動絞りビード3aの形状痕3akと可動絞りビード3aとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。そのため、素材Wに形成された可動絞りビード3aの形状痕3akが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、駆動機構5、5Bは、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するように形成されている。
したがって、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。そのため、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。よって、可動絞りビード3aの形状痕3akが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成される面品質不良のみならず、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
また、駆動機構5、5Bによって、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するので、素材Wの大きさは、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31の後退位置P1にて可動絞りビード3aが素材Wの外縁部W1を拘束できる程度の大きさであれば良い。
また、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ1側の素材Wをキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持した素材Wのポンチ1側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが移動する前後方向における素材Wの大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本プレス型10、10Bによれば、素材Wの歩留り率を向上させつつ、可動絞りビード3aの形状痕3akが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる。
また、本プレス型10において、駆動機構5には、ポンチ1が形成されたポンチ型台1Dに上下方向へ移動可能に装着されダイ2側へ付勢された可動カムドライバ51と、ダイ2が形成されたダイ型台2Dに前後方向Q1へ移動可能に装着され可動カムドライバ51の付勢力F2に打ち勝つ付勢力F1で後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部21が形成された第1受動カム52と、シワ押さえ台3Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部31が形成された第2受動カム53とを備え、第1受動カム52には、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面521と、垂直状に形成された垂直ガイド面522と、第2受動カム53を前進方向へ押圧する押圧面523とが形成され、可動カムドライバ51には、第1受動カム52の傾斜カム面521と当接し可動ダイ部21を後退位置P1から前進位置P2へ移動させる傾斜ドライバ面511と、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第1受動カム52の垂直ガイド面522と当接し可動ダイ部21を前進位置P2に保持させる垂直ドライバ面512とが形成されていることが好ましい。
ここでは、可動カムドライバ51は、第2受動カム53の後方に配置され、成形開始前では、付勢部材(例えば、バネ部材)513が伸長して、原位置に移動(上昇)している。また、第1受動カム52は、ダイ型台2Dに装着された付勢手段524(例えば、ガスシリンダ)によって後方へ付勢され、成形開始前では、可動ダイ部21の後退位置P1に移動して、後端部526がダイ型台2Dの止め部525と当接している。また、第2受動カム53は、シワ押さえ台3Dに装着された付勢手段531(例えば、弾性部材)によって後退方向へ付勢され、成形開始前では、可動シワ押さえ部31の後退位置P1に移動している。また、第1受動カム52の付勢手段524(例えば、ガスシリンダ)は、シリンダロッド524Rが伸長するときの付勢力F1が、可動カムドライバ51の付勢部材(例えば、バネ部材)の付勢力F2に打ち勝つように形成されている。第1受動カム52の下端部には、第2受動カム53の上端部と当接するディスタンスブロック527が装着されている。
この場合、絞り成形開始時にポンチ1とダイ2とが近接する際、後退位置P1へ付勢された第1受動カム52の傾斜カム面521によって、ダイ2側へ付勢された可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511が押されて、可動カムドライバ51はポンチ型台1Dと当接する原位置まで後退し、可動カムドライバ51が後退した状態で、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持することができる。
そして、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ更に近接することによって、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とは、第1受動カム52の傾斜カム面521が原位置に後退した可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511に案内され、また、第2受動カム53が第1受動カム52の押圧面523に押圧されて、後退位置P1から前進位置P2へ移動して、絞り成形を完了することができる。
そのため、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3aの形状痕3akは、可動絞りビード3aと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動させることができる。その結果、可動絞りビード3aの形状痕3akが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する素材Wの位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形の完了時点で、第1受動カム52の傾斜カム面521が可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511から外れるので、ダイ2側へ付勢されている可動カムドライバ51は、所定のストローク分だけダイ2側へ移動する。そのため、絞り成形完了後、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とは、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第1受動カム52の垂直ガイド面522が可動カムドライバ51の垂直ドライバ面512に規制されて、前進位置P2に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。
さらに、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後では、第1受動カム52の垂直ガイド面522が可動カムドライバ51の垂直ドライバ面512から離間するので、後退方向へ付勢された第1受動カム52は、可動ダイ部21の後退位置P1へ移動し、後退方向へ付勢された第2受動カム53は、可動シワ押さえ部31の後退位置P1へ移動することができる。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
(第1変形例)
また、図9に示すように、第1変形例の本プレス型10Bにおける駆動機構5Bには、ダイ2が形成されたダイ型台2Dに装着され駆動手段513B(例えば、流体圧シリンダ)によって上下方向へ移動可能に形成された可動カムドライバ51Bと、ダイ型台2Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部21が形成された第1受動カム52Bと、シワ押さえ台3Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部31が形成された第2受動カム53Bとを備えている。
また、第2受動カム53Bには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面532Bと、第1受動カム52Bを前進方向へ押圧する押圧面533Bとが形成されている。また、可動カムドライバ51Bには、第2受動カム53Bの傾斜カム面532Bと当接し可動シワ押さえ部31を後退位置P1から前進位置P2へ移動させる傾斜ドライバ面511Bが形成されている。
そして、駆動手段513Bの駆動ロッド513BR(例えば、流体圧シリンダのピストンロッド)が短縮した状態で、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが後退位置P1で素材Wの外縁部W1を把持した後に、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ近接する際に、駆動ロッド513BRを伸長させ、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とを前進位置P2へ移動させて絞り成形を完了する。
また、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、駆動ロッド513BRを短縮させるので、絞り成形開始時にポンチ1とダイ2とが近接する際、駆動ロッド513BRが短縮しダイ型台2Dと当接する原位置まで可動カムドライバ51Bが後退した状態で、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持することができる。
そして、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ更に近接すると共に、駆動ロッド513BRが伸長することによって、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とは、第2受動カム53Bの傾斜カム面532Bが可動カムドライバ51Bの傾斜ドライバ面511Bに押圧され、また、第1受動カム52Bが第2受動カム53Bの押圧面533Bに押圧されて、後退位置P1から前進位置P2へ移動して、絞り成形を完了することができる。
そのため、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3aの形状痕3akは、可動絞りビード3aと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動させることができる。その結果、可動絞りビード3aの形状痕3akが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、駆動ロッド513BRを短縮させるので、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とは、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第2受動カム53Bの傾斜カム面532Bが可動カムドライバ51Bの傾斜ドライバ面511Bに規制されて、前進位置P2に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。
さらに、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後では、駆動ロッド513BRが短縮して可動カムドライバ51Bの傾斜ドライバ面511Bが第2受動カム53Bの傾斜カム面532Bから離間するので、後退方向へ付勢された第2受動カム53Bは、可動シワ押さえ部31の後退位置P1へ移動し、後退方向へ付勢された第1受動カム52Bは、可動ダイ部21の後退位置P1へ移動することができる。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
なお、可動カムドライバ51Bは、第1受動カム52Bの後方に配置され、成形開始前では、駆動手段513Bの駆動ロッド513BR(例えば、流体圧シリンダのピストンロッド)が短縮して、ダイ型台2Dに当接する原位置に移動(上昇)している。また、第1受動カム52Bは、ダイ型台2Dに装着された付勢手段524B(例えば、弾性部材)によって後方へ付勢され、成形開始前では、可動ダイ部21の後退位置P1に移動して、後端部526Bがダイ型台2Dの止め部525Bと当接している。また、第2受動カム53Bは、シワ押さえ台3Dに装着された付勢手段531B(例えば、弾性部材)によってブラケット534Bを介して後退方向へ付勢され、成形開始前では、可動シワ押さえ部31の後退位置P1に移動して、後端部536Bがシワ押さえ台3Dの止め部535Bと当接している。また、駆動手段513Bは、駆動ロッド513BRが伸長するときの付勢力F3が、各付勢手段524B、531Bの総付勢力(F4+F5)に打ち勝つように形成されている。
<第2実施例の絞り成形方法>
次に、本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法を、図10~図14を用いて説明する。図10に、本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法によって形成した成形パネルの部分斜視図を示す。図11に、図10に示すC部における詳細断面図を示す。図12に、図10に示すD-D断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において可動ダイと可動シワ押さえ部とが後退位置へ移動したときの断面図を示す。図13に、図10に示すE-E断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において固定ダイ部と固定シワ押さえ部とが上下方向で離間する上死点の断面図を示す。図14に、本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法に使用する第2のプレス型であって、図10に示すD-D断面の上死点で素材をセットした状態の要部断面図を示す。
図10~図14に示すように、本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法は、ポンチ1とダイ2とポンチ1の外周側で加圧支持されたシワ押さえ部3Cとを有し、ダイ2の外周部(21C、23C)とシワ押さえ部3Cとが素材Wの外縁部W1を把持すると共に絞りビード3Ca、3Cbを介して素材Wに張力を掛けながら、ポンチ1とダイ2とが近接して素材Wを所定の形状に絞り成形する絞り成形方法である。ここでは、第1実施例の絞り成形方法と相違する内容を中心に説明し、共通する構成は、共通の符号を付して原則としてその説明を割愛する。
また、第2実施例の絞り成形方法では、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、素材Wの幅方向Q2における所定範囲Q3の境界線KSで、素材Wの幅方向Q2と直交する前後方向Q1に固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとから分割して形成されている。また、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが素材Wの外縁部W1を把持する箇所には、素材Wの流入量を部位に応じて調節可能に形成された固定絞りビード3Cbを備えている。
具体的には、図12(A)~(C)に示すように、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて所定範囲Q3の素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、ポンチ1側(矢印Q1の方向)へ移動し、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するように形成されている。そのため、絞り成形開始時に後退位置P1にて可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが所定範囲Q3の素材Wの外縁部W1を把持することによって、素材Wに形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakと可動絞りビード3Caとの位置ずれを抑制させながら、また、キレツの発生を阻止しながら、絞り成形することができる。
また、図12(D)、(E)に示すように、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが前進位置P2にて所定範囲Q3の素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31とがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動する。この場合、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。したがって、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。
また、図13(A)~(C)に示すように、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが、絞り成形開始時に所定範囲Q3の幅方向Q2外方の素材Wの外縁部W1を把持し、固定絞りビード3Cbを介して素材Wの流入量を調節しながら、絞り成形を完了する。そのため、絞り成形時における素材Wの過剰な流入を阻止して、成形パネルSPにシワ等の発生を回避させることができる。
また、図13(D)、(E)に示すように、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが所定範囲Q3の幅方向Q2外方の素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが上下方向に離間する。したがって、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。
したがって、所定範囲Q3の幅方向Q2内方において、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、可動絞りビード3Caを介して素材Wの流入量を均一化しながら、素材Wをポンチ1側へ供給することによって、絞り成形に伴う素材不足に起因するキレツの発生を回避させることができる。一方、所定範囲Q3の幅方向Q2外方において、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが、固定絞りビード3Cbを介して部位に応じて素材Wの流入量を調節させながら、素材Wをポンチ1側へ供給することによって、絞り成形に伴う素材過剰に起因するシワの発生を回避させることができる。
そのため、絞り成形に伴い、素材不足に起因するキレツと素材過剰に起因するシワとが隣接した領域で発生する場合、その領域の境界線KSで、可動ダイ部21C及び可動シワ押さえ部31Cと固定ダイ部23C及び固定シワ押さえ部32Cとを分割することによって、絞り成形に伴うシワ・キレツの発生を効果的に阻止することができる。その結果、絞り成形に伴うシワ・キレツの発生を効果的に阻止しつつ、素材Wに形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
例えば、図10、図11に示すように、所定範囲Q3の幅方向Q2内方においては、ポンチ1の成形面SM1における素材流入方向(前後方向Q1)の周長M1が長くその変化率が小さい。これに対して、所定範囲Q3の幅方向Q2外方においては、ポンチ1の成形面SM2における素材流入方向(前後方向Q1)の周長M2が周長M1より短く、周長M2の変化率が周長M1の変化率より大きい。なお、周長M1、M2の変化率は、ポンチ1の成形面SMにおける素材流入方向(前後方向Q1)の周長を、素材Wの幅方向Q2において連続的に計測したとき、その最大値と最小値との差を最大値の周長で割ったときの比率を意味する。
この場合には、可動ダイ部21C及び可動シワ押さえ部31Cと固定ダイ部23C及び固定シワ押さえ部32Cとを、素材Wの幅方向Q2における所定範囲Q3の境界線KSで分割することによって、素材Wの流入量を所定範囲Q3の内外で調整して、絞り成形に伴うシワ、キレツの発生を阻止しつつ、素材Wに形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、本第2実施例の絞り成形方法において、図11に示すように、固定ダイ部23Cには、可動シワ押さえ部31Cとの間で素材Wを押圧する素材押圧面23C1を、ダイ肩R部23C2と可動絞りビード3Caとの間に形成したことが好ましい。この場合、図12(A)に示すように、絞り成形開始時に、所定範囲Q3の幅方向Q2内方にて素材Wの外縁部W1を可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する際、固定ダイ部23Cの素材押圧面23C1が所定範囲Q3におけるダイ肩R側の素材表面を押圧して、所定範囲Q3における素材Wの変形を抑制させることができる。そのため、絞り成形時における素材Wの変形に伴う傷が、素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されて面品質不良となることを効果的に回避できる。なお、固定ダイ部23Cには、ポンチ1との間で素材Wを成形するダイ成形部の一部が形成されている。
また、本第2実施例の絞り成形方法において、素材押圧面23C1は、絞り成形開始時に可動シワ押さえ部31Cとの間で素材Wを押圧可能に形成されていることが好ましい。この場合、絞り成形開始時から固定ダイ部23Cの素材押圧面23C1が所定範囲Q3におけるダイ肩R側の素材Wを、後退位置P1の可動シワ押さえ部31Cとの間で押圧して、所定範囲Q3の幅方向Q2内方にて素材Wをシワ押さえ部3Cになじませることができる。そのため、シワ押さえ部3の素材当接面が3次元的に湾曲している場合でも、絞り成形時における素材Wの傷付きを抑制して、傷等が成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、図10に示すように、本第2実施例の絞り成形方法において、可動絞りビード3Caと固定絞りビード3Cbとは、境界線KSの手前で徐々に低くなって高さゼロに形成されていることが好ましい。この場合、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとの間で挟持された素材Wのポンチ1側への流入量と、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとの間で挟持された素材Wのポンチ1側への流入量との差を、境界線KSの周辺で略ゼロに調整することができる。そのため、境界線KSにおいて、素材Wの流入量の差による型摩耗等を低減して、絞り成形時における型摩耗による素材Wの傷付きを抑制し、傷等が成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
<第2実施例の絞り成形方法に使用する第2のプレス型>
次に、上述した第2実施例の絞り成形方法に使用する本他の実施形態に係る第2のプレス型を、図10~図19を用いて説明する。図10に、本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法によって形成した成形パネルの部分斜視図を示す。図11に、図10に示すC部における詳細断面図を示す。図12に、図10に示すD-D断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において可動ダイと可動シワ押さえ部とが後退位置へ移動したときの断面図を示す。図13に、図10に示すE-E断面図であって、(A)は成形開始時の断面図を示し、(B)は成形途中の断面図を示し、(C)は成形完了時(下死点)の断面図を示し、(D)は成形完了後にポンチとダイとがシワ押さえ台のストローク量だけ離間したときの断面図を示し、(E)は上死点において固定ダイ部と固定シワ押さえ部とが上下方向で離間する上死点の断面図を示す。図14に、本実施形態に係る第2実施例の絞り成形方法に使用する第2のプレス型であって、図10に示すD-D断面の上死点で素材をセットした状態の要部断面図を示す。図15に、図14に示す第2のプレス型において、絞り成形開始時の要部断面図を示す。図16に、図14に示す第2のプレス型において、絞り成形完了時の要部断面図を示す。図17に、図14に示す第2のプレス型において、成形パネルの離型時の要部断面図を示す。図18に、図14に示す第2のプレス型において、成形パネルの取出し時の要部断面図を示す。図19に、図14に示す第2のプレス型の変形例(第2変形例)において、絞り成形完了時の要部断面図を示す。
図10~図19に示すように、第2実施例の絞り成形方法に使用する第2のプレス型10C、10Dは、ポンチ1とダイ2とポンチ1の外周側で加圧支持されたシワ押さえ部3Cとを有し、ダイ2の外周部(21C、23C)とシワ押さえ部3Cとが素材Wの外縁部W1を把持すると共に絞りビード(3Ca、3Cb)を介して素材Wに張力を掛けながら、ポンチ1とダイ2とが近接して素材Wを所定の形状に絞り成形するプレス型10C、10Dである。
また、シワ押さえ部3Cには、ポンチ1に対して所定のストローク量T1だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台3Dと、当該シワ押さえ台3Dに支持されポンチ1の外周縁1Pから離間した後退位置P1とポンチ1の外周縁1Pと近接した前進位置P2との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部31Cと、シワ押さえ台3Dと一体化された固定シワ押さえ部32Cとを備えている。また、ダイ2には、可動シワ押さえ部31Cとの間で素材Wの外縁部W1を把持した状態で、可動シワ押さえ部31Cと共に後退位置P1から前進位置P2まで移動可能に形成された可動ダイ部21Cと、固定シワ押さえ部32Cとの間で素材Wの外縁部W1を把持する固定ダイ部23Cとを備えている。
また、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが素材Wを把持する箇所には、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cと共に移動する可動絞りビード3Caを備え、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動させ、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するように形成された駆動機構5C、5Dを備えている。
したがって、絞り成形開始時に後退位置P1にて可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが素材Wの外縁部W1を把持することによって素材Wに形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakと可動絞りビード3Caとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。そのため、素材Wに形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、駆動機構5C、5Dは、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21Bと可動シワ押さえ部31Cとが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するように形成されている。
したがって、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。そのため、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。よって、可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成される面品質不良のみならず、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
また、駆動機構5C、5Cによって、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するので、素材Wの大きさは、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cの後退位置P1にて可動絞りビード3Caが素材Wの外縁部W1を拘束できる程度の大きさであれば良い。
また、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、可動絞りビード3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ1側の素材Wをキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持した素材Wのポンチ1側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが移動する前後方向における素材Wの大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本プレス型10C、10Dによれば、素材Wの歩留り率を向上させつつ、可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる。
また、図14~図18に示すように、本プレス型10Cにおいて、駆動機構5Cには、ポンチ1が形成されたポンチ型台1Dに上下方向へ移動可能に装着されダイ2側へ付勢された可動カムドライバ51と、ダイ2が形成されたダイ型台2Dに前後方向Q1へ移動可能に装着され可動カムドライバ51の付勢力F2に打ち勝つ付勢力F1で後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部21Cが形成された第1受動カム52Cと、シワ押さえ台3Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部31Cが形成された第2受動カム53Cとを備え、第1受動カム52Cには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面521と、垂直状に形成された垂直ガイド面522と、第2受動カム53Cを前進方向へ押圧する押圧面523とが形成され、可動カムドライバ51には、第1受動カム52Cの傾斜カム面521と当接し可動ダイ部21Cを後退位置P1から前進位置P2へ移動させる傾斜ドライバ面511と、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第1受動カム52Cの垂直ガイド面522と当接し可動ダイ部21Cを前進位置P2に保持させる垂直ドライバ面512とが形成されていることが好ましい。
ここでは、図14、図15に示すように、可動カムドライバ51は、第2受動カム53の後方に配置され、成形開始前では、付勢部材(例えば、バネ部材)513が伸長して、原位置に移動(上昇)している。また、第1受動カム52Cは、ダイ型台2Dに装着された付勢手段524(例えば、ガスシリンダ)によって後方へ付勢され、成形開始前では、可動ダイ部21Cの後退位置P1に移動して、後端部526がダイ型台2Dの止め部525と当接している。また、第2受動カム53Cは、シワ押さえ台3Dに装着された付勢手段531(例えば、弾性部材)によって後退方向へ付勢され、成形開始前では、可動シワ押さえ部31Cの後退位置P1に移動している。また、第1受動カム52Cの付勢手段524(例えば、ガスシリンダ)は、シリンダロッド524Rが伸長するときの付勢力F1が、可動カムドライバ51の付勢部材(例えば、バネ部材)の付勢力F2に打ち勝つように形成されている。第1受動カム52Cの下端部には、第2受動カム53Cの上端部と当接して、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとのクリアランスを一定に保持するディスタンスブロック527が装着されている。
この場合、図15に示すように、絞り成形開始時にポンチ1とダイ2とが近接する際、後退位置P1へ付勢された第1受動カム52Cの傾斜カム面521によって、ダイ2側へ付勢された可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511が押されて、可動カムドライバ51はポンチ型台1Dと当接する原位置まで後退し、可動カムドライバ51が後退した状態で、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持することができる。
そして、図16に示すように、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ更に近接することによって、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとは、第1受動カム52Cの傾斜カム面521が原位置に後退した可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511に案内され、また、第2受動カム53Cが第1受動カム52Cの押圧面523に押圧されて、後退位置P1から前進位置P2へ移動して、絞り成形を完了することができる。
そのため、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakは、可動絞りビード3Caと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動させることができる。その結果、可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する素材Wの位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形の完了時点で、第1受動カム52Cの傾斜カム面521が可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511から外れるので、ダイ2側へ付勢されている可動カムドライバ51は、所定のストローク分だけダイ2側へ移動する。そのため、図17に示すように、絞り成形完了後、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとは、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第1受動カム52Cの垂直ガイド面522が可動カムドライバ51の垂直ドライバ面512に規制されて、前進位置P2に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。
さらに、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後では、図18に示すように、第1受動カム52Cの垂直ガイド面522が可動カムドライバ51の垂直ドライバ面512から離間するので、後退方向へ付勢された第1受動カム52Cは、可動ダイ部21Cの後退位置P1へ移動し、後退方向へ付勢された第2受動カム53Cは、可動シワ押さえ部31Cの後退位置P1へ移動することができる。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
(第2変形例)
また、図19に示すように、第2変形例の本プレス型10Dにおける駆動機構5Dには、ダイ2が形成されたダイ型台2Dに装着され駆動手段513D(例えば、流体圧シリンダ)によって上下方向へ移動可能に形成された可動カムドライバ51Dと、ダイ型台2Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部21Cが形成された第1受動カム52Dと、シワ押さえ台3Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部31Cが形成された第2受動カム53Dとを備えている。
また、第2受動カム53Dには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面532Dと、第1受動カム52Dを前進方向へ押圧する押圧面533Dとが形成されている。また、可動カムドライバ51Dには、第2受動カム53Dの傾斜カム面532Dと当接し可動シワ押さえ部31Cを後退位置P1から前進位置P2へ移動させる傾斜ドライバ面511Dが形成されている。
そして、駆動手段513Dの駆動ロッド513DR(例えば、流体圧シリンダのピストンロッド)が短縮した状態で、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが後退位置P1で素材Wの外縁部W1を把持した後に、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ近接する際に、駆動ロッド513DRを伸長させ、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとを前進位置P2へ移動させて絞り成形を完了する。
また、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、駆動ロッド513DRを短縮させるので、絞り成形開始時にポンチ1とダイ2とが近接する際、駆動ロッド513DRが短縮しダイ型台2Dと当接する原位置まで可動カムドライバ51Dが後退した状態で、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持することができる。
そして、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ更に近接すると共に、駆動ロッド513DRが伸長することによって、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとは、第2受動カム53Dの傾斜カム面532Dが可動カムドライバ51Dの傾斜ドライバ面511Dに押圧され、また、第1受動カム52Dが第2受動カム53Dの押圧面533Dに押圧されて、後退位置P1から前進位置P2へ移動して、絞り成形を完了することができる。
そのため、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakは、可動絞りビード3Caと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動させることができる。その結果、可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、駆動ロッド513DRを短縮させるので、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとは、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第2受動カム53Dの傾斜カム面532Dが可動カムドライバ51Dの傾斜ドライバ面511Dに規制されて、前進位置P2に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。
さらに、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後では、駆動ロッド513DRが短縮して可動カムドライバ51Dの傾斜ドライバ面511Dが第2受動カム53Dの傾斜カム面532Dから離間するので、後退方向へ付勢された第2受動カム53Dは、可動シワ押さえ部31Cの後退位置P1へ移動し、後退方向へ付勢された第1受動カム52Dは、可動ダイ部21Cの後退位置P1へ移動することができる。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
なお、可動カムドライバ51Dは、第1受動カム52Dの後方に配置され、成形開始前では、駆動手段513Dの駆動ロッド513DR(例えば、流体圧シリンダのピストンロッド)が短縮して、ダイ型台2Dに当接する原位置に移動(上昇)している。また、第1受動カム52Dは、ダイ型台2Dに装着された付勢手段524D(例えば、弾性部材)によって後方へ付勢され、成形開始前では、可動ダイ部21Cの後退位置P1に移動して、後端部526Dがダイ型台2Dの止め部525Dと当接している。また、第2受動カム53Dは、シワ押さえ台3Dに装着された付勢手段531D(例えば、弾性部材)によってブラケット534Dを介して後退方向へ付勢され、成形開始前では、可動シワ押さえ部31Cの後退位置P1に移動して、後端部536Dがシワ押さえ台3Dの止め部535Dと当接している。また、駆動手段513Dは、駆動ロッド513DRが伸長するときの付勢力F3が、各付勢手段524D、531Dの総付勢力(F4+F5)に打ち勝つように形成されている。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る絞り成形方法によれば、シワ押さえ部3、3Cには、ポンチ1に対して所定のストローク量T1だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台3Dと、当該シワ押さえ台3Dに支持されポンチ1の外周縁1Pから離間した後退位置P1とポンチ1の外周縁1Pと近接した前進位置P2との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部31、31Cと、シワ押さえ台3Dと一体化された固定シワ押さえ部32、32Cとを備え、ダイ2には、可動シワ押さえ部31、31Cとの間で素材Wの外縁部W1を把持した状態で、可動シワ押さえ部31、31Cと共に後退位置P1から前進位置P2まで移動可能に形成された可動ダイ部21、21Cと、固定シワ押さえ部32、32Cとの間で素材Wの外縁部W1を把持する固定ダイ部23、23Cとを備え、可動ダイ部2121Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが素材Wを把持する箇所には、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cと共に移動する可動絞りビード3a、3Caを備え、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3a、3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するので、絞り成形開始時に後退位置P1にて可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが素材Wの外縁部W1を把持することによって素材Wに形成された可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakと可動絞りビード3a、3Caとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。そのため、素材Wに形成された可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3a、3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するので、素材Wの大きさは、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cの後退位置P1にて可動絞りビード3a、3Caが素材Wの外縁部W1を拘束できる程度の大きさであれば良い。また、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、可動絞りビード3a、3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ1側の素材Wをキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが把持した素材Wのポンチ1側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが移動する前後方向Q1における素材Wの大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本実施形態によれば、素材Wの歩留り率を向上させつつ、可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するので、絞り成形された成形パネルSPが変形することなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。したがって、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。よって、可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることの面品質不良のみならず、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
また、本実施形態によれば、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、素材Wの幅方向Q2外方まで形成されているので、素材Wの幅方向Q2における外縁部W1全体を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P1へ移動することができる。そのため、絞り成形時におけるポンチ1に対する素材Wの流入量を幅方向Q2で略均一化させることができ、素材Wがポンチ1側へ局部的に流入することを阻止できる。その結果、素材Wに形成された可動絞りビード3aの形状痕3akが、可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることをより一層回避できる。
また、本実施形態によれば、ポンチ1の幅方向両端部には、固定シワ押さえ部32と可動シワ押さえ部31との間に挟まれ素材Wの肉余りを吸収する余肉形状部1Sを有する突起部1Tを備えたので、絞り成形時にポンチ1の突起部1Tに当接した素材Wを余肉形状部1Sによって伸長させることによって、成形パネルSPにシワ等が生じるのを回避できる。すなわち、素材Wの幅方向Q2における外縁部W1全体を把持した可動ダイ部21と可動シワ押さえ部31とが、可動絞りビード3aにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動するので、素材Wに対する張力を幅方向Q2で調節することは難しいが、ポンチ1の突起部1Tに当接した素材Wを余肉形状部1Sが伸長させることによって、成形パネルSPにおける肉余りによるシワ等の発生を阻止しつつ、成形パネルSPに面品質不良が生じることを回避できる。
また、可動シワ押さえ部31と固定シワ押さえ部32との間には、ポンチ1の突起部1Tを挟んで上下方向の段差を形成することができる。そのため、固定シワ押さえ部32とダイ2の外周部(固定ダイ部)23とが把持する素材Wの絞り深さを浅くして、ポンチ1側への素材Wの流入量を低減し、素材Wの幅方向Q2の寸法を縮小させることができる。その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのをより一層抑制できる。
また、本実施形態によれば、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、素材Wの幅方向Q2における所定範囲Q3の境界線KSで、素材Wの幅方向Q2と直交する前後方向Q1に固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとから分割して形成され、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが素材Wの外縁部W1を把持する箇所には、素材Wのポンチ1側への流入量を部位に応じて調節可能に形成された固定絞りビード3Cbを備えているので、所定範囲Q3の幅方向Q2内方において、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが、可動絞りビード3Caを介して素材Wの流入量を均一化しながら、素材Wをポンチ1側へ供給することによって、絞り成形に伴う素材不足に起因するキレツの発生を回避させることができる。一方、所定範囲Q3の幅方向Q2外方において、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとが、固定絞りビード3Cbを介して部位に応じて素材Wのポンチ1側への流入量を調整しながら、素材Wをポンチ1側へ供給することによって、絞り成形に伴う素材過剰に起因するシワの発生を回避させることができる。
そのため、絞り成形に伴い、素材不足に起因するキレツと素材過剰に起因するシワとが隣接した領域で発生する場合、その領域の境界線KSで、可動ダイ部21C及び可動シワ押さえ部31Cと固定ダイ部23C及び固定シワ押さえ部32Cとを分割することによって、絞り成形に伴うシワ・キレツの発生を効果的に阻止することができる。その結果、絞り成形に伴うシワ・キレツの発生を効果的に阻止しつつ、素材Wに形成された可動絞りビード3Caの形状痕3Cakが、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、本実施形態によれば、固定ダイ部23Cには、可動シワ押さえ部31Cとの間で素材Wを押圧する素材押圧面23C1を、ダイ肩R部23C2と可動絞りビード3Caとの間に形成したので、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1を、後退位置P1の可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとが把持する際、固定ダイ部23Cの素材押圧面23C1が所定範囲Q3におけるダイ肩R23C2側の素材表面を押圧して、所定範囲Q3における素材Wの変形を抑制させることができる。そのため、絞り成形時における素材Wの変形に伴う傷が、素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されて面品質不良となることを効果的に回避できる。
また、本実施形態によれば、素材押圧面23C1は、絞り成形開始時に可動シワ押さえ部31Cとの間で素材Wを押圧可能に形成されているので、絞り成形開始時から、固定ダイ部23Cの素材押圧面23C1が、所定範囲Q3におけるダイ肩R23C2側の素材Wを、後退位置P1の可動シワ押さえ部31Cとの間で押圧して、素材Wをシワ押さえ部3Cになじませることができる。そのため、シワ押さえ部3Cの素材当接面が3次元的に湾曲している場合でも、絞り成形時における素材Wの傷付きを抑制して、傷等が成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、本実施形態によれば、可動絞りビード3Caと固定絞りビード3Cbとは、境界線KSの手前でそれぞれ徐々に低くなって高さゼロに形成されているので、可動ダイ部21Cと可動シワ押さえ部31Cとの間で挟持された素材Wのポンチ1側への流入量と、固定ダイ部23Cと固定シワ押さえ部32Cとの間で挟持された素材Wのポンチ1側への流入量との差を、境界線KSの周辺で略ゼロに調整することができる。そのため、境界線KSにおいて、素材Wの流入量の差による型摩耗等を低減して、絞り成形時における型摩耗による素材Wの傷付きを抑制し、傷等が成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、本他の実施形態に係るプレス型10、10B、10C、10Dによれば、シワ押さえ部3、3Cには、ポンチ1に対して所定のストローク量T1だけ上下動可能にダイ2側へ加圧されたシワ押さえ台3Dと、当該シワ押さえ台3Dに支持されポンチ1の外周縁1Pから離間した後退位置P1とポンチ1の外周縁1Pと近接した前進位置P2との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部31、31Cと、シワ押さえ台3Dと一体化された固定シワ押さえ部32、32Cとを備え、ダイ2には、可動シワ押さえ部31、31Cとの間で素材Wの外縁部W1を把持した状態で、可動シワ押さえ部31、31Cと共に後退位置P1から前進位置P2まで移動可能に形成された可動ダイ部21、21Cと、固定シワ押さえ部32、32Cとの間で素材Wの外縁部W1を把持する固定ダイ部23、23Cとを備え、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが素材Wを把持する箇所には、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cと共に移動する可動絞りビード3a、3Caを備え、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3a、3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動し、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するように形成された駆動機構5、5B、5C、5Dを備えたので、絞り成形開始時に後退位置P1にて可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが素材Wの外縁部W1を把持することによって素材Wに形成された可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakと可動絞りビード3a、3Caとの位置ずれを抑制させながら、絞り成形することができる。そのため、素材Wに形成された可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが把持する位置から素材Wと共にポンチ1側へ流入して、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、駆動機構5、5B、5C、5Dは、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが前進位置P2にて素材Wの外縁部W1を把持した状態を維持し、その後に、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとがそれぞれ前進位置P2から後退位置P1へ移動するように形成されたので、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。したがって、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良を回避できる。よって、可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成される面品質不良のみならず、成形パネルSPの離型に伴う変形による面品質不良をも回避できる。
また、駆動機構5、5B、5C、5Dによって、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、絞り成形開始時に後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持し、可動絞りビード3a、3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、絞り成形完了時に前進位置P2まで移動するので、素材Wの大きさは、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cの後退位置P1にて可動絞りビード3a、3Caが素材Wの外縁部W1を拘束できる程度の大きさであれば良い。また、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、可動絞りビード3a、3Caにおける素材Wの滑りを抑制した状態で、素材Wに張力を掛けながら、後退位置P1から前進位置P2へ移動することによって、絞り成形時におけるポンチ1側の素材Wをキレツの発生を回避しつつ伸長させ、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが把持した素材Wのポンチ1側への流入量を極力低減できる。そのため、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが移動する前後方向Q1における素材Wの大きさを縮小でき、その結果、製品に対する素材Wの歩留り率が向上し、素材費が高くなるのを抑制できる。
よって、本他の実施形態によれば、素材Wの歩留り率を向上させつつ、可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを含む面品質不良を回避できるプレス型10、10B、10C、10Dを提供することができる。
また、本他の実施形態によれば、駆動機構5、5Cには、ポンチ1が形成されたポンチ型台1Dに上下方向へ移動可能に装着されダイ2側へ付勢された可動カムドライバ51と、ダイ2が形成されたダイ型台2Dに前後方向へ移動可能に装着され可動カムドライバ51の付勢力F2に打ち勝つ付勢力F1で後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部21、21Cが形成された第1受動カム52、52Cと、シワ押さえ台3Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部31、31Cが形成された第2受動カム53、53Cとを備え、第1受動カム52、52Cには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面521と、垂直状に形成された垂直ガイド面522と、第2受動カム53、53Cを前進方向へ押圧する押圧面523とが形成され、可動カムドライバ51には、第1受動カム52、52Cの傾斜カム面521と当接し可動ダイ部21、21Cを後退位置P1から前進位置P2へ移動させる傾斜ドライバ面511と、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第1受動カム52、52Cの垂直ガイド面522と当接し可動ダイ部21、21Cを前進位置P2に保持させる垂直ドライバ面512とが形成されているので、絞り成形開始時にポンチ1とダイ2とが近接する際、後退位置P1へ付勢された第1受動カム52、52Cの傾斜カム面521によって、ダイ2側へ付勢された可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511が押されて、可動カムドライバ51はポンチ型台1Dと当接する原位置まで後退し、可動カムドライバ51が後退した状態で、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持することができる。
そして、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ更に近接することによって、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとは、第1受動カム52、52Cの傾斜カム面521が原位置に後退した可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511に案内され、また、第2受動カム53、53Cが第1受動カム52、52Cの押圧面523に押圧されて、後退位置P1から前進位置P2へ移動して、絞り成形を完了することができる。そのため、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakは、可動絞りビード3a、3Caと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動することができる。その結果、可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが把持する素材Wの位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形の完了時点で、第1受動カム52、52Cの傾斜カム面521が可動カムドライバ51の傾斜ドライバ面511から外れるので、ダイ2側へ付勢されている可動カムドライバ51は、所定のストローク分だけダイ2側へ移動する。そのため、絞り成形完了後、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとは、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第1受動カム52、52Cの垂直ガイド面522が可動カムドライバ51の垂直ドライバ面512に規制されて、前進位置P2に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。
さらに、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後では、第1受動カム52、52Cの垂直ガイド面522が可動カムドライバ51の垂直ドライバ面512から離間するので、後退方向へ付勢された第1受動カム52、52Cは、可動ダイ部21、21Cの後退位置P1へ移動し、後退方向へ付勢された第2受動カム53、53Cは、可動シワ押さえ部31、31Cの後退位置P1へ移動することができる。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
また、本他の実施形態によれば、駆動機構5B、5Dには、ダイ2が形成されたダイ型台2Dに装着され駆動手段513B、513Dによって上下方向へ移動可能に形成された可動カムドライバ51B、51Dと、ダイ型台2Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動ダイ部21、21Cが形成された第1受動カム52B、52Dと、シワ押さえ台3Dに前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、可動シワ押さえ部31、31Cが形成された第2受動カム53B、53Dとを備え、第2受動カム53B、53Dには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面532B、532Dと、第1受動カム52B、52Dを前進方向へ押圧する押圧面533B、533Dとが形成され、可動カムドライバ51B、51Dには、第2受動カム53B、53Dの傾斜カム面532B、532Dと当接し可動シワ押さえ部31、31Cを後退位置P1から前進位置P2へ移動させる傾斜ドライバ面511B、511Dが形成され、駆動手段513B、513Dの駆動ロッド513BR、513DRが短縮した状態で、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが後退位置P1で素材Wの外縁部W1を把持した後に、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ近接する際に、駆動ロッド513BR、513DRを伸長させ、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとを前進位置P2へ移動させて絞り成形を完了し、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、駆動ロッド513BR、513DRを短縮させるので、絞り成形開始時にポンチ1とダイ2とが近接する際、駆動ロッド513BR、513DRが短縮しダイ型台2Dと当接する原位置まで可動カムドライバ51B、51Dが後退した状態で、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが、後退位置P1にて素材Wの外縁部W1を把持することができる。
そして、ポンチ1とダイ2とが、シワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ更に近接すると共に、駆動ロッド513BR、513DRが伸長することによって、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとは、第2受動カム53B、53Dの傾斜カム面532B、532Dが可動カムドライバ51B、51Dの傾斜ドライバ面511B、511Dに押圧され、また、第1受動カム52B、52Dが第2受動カム53B、53Dの押圧面533B、533Dに押圧されて、後退位置P1から前進位置P2へ移動して、絞り成形を完了することができる。そのため、絞り成形開始時に素材Wの外縁部W1に形成された可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakは、可動絞りビード3a、3Caと一緒に後退位置P1から前進位置P2へ移動させることができる。その結果、可動絞りビード3a、3Caの形状痕3ak、3Cakが、可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとが把持する位置からポンチ1側へ流入し、成形パネルSPの中で製品面SHとなる箇所に形成されることを回避できる。
また、絞り成形完了後にポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後に、駆動ロッド513BR、513DRを短縮させるので、素材Wの外縁部W1を把持した可動ダイ部21、21Cと可動シワ押さえ部31、31Cとは、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間するまで、第2受動カム53B、53Dの傾斜カム面532B、532Dが可動カムドライバ51B、51Dの傾斜ドライバ面511B、511Dに規制されて、前進位置P2に保持されることができる。その結果、絞り成形された成形パネルSPの変形を伴うことなく、正規の状態で成形パネルSPをポンチ1から離型させることができる。
さらに、ポンチ1とダイ2とがシワ押さえ台3Dのストローク量T1だけ離間した後では、駆動ロッド513BR、513DRが短縮して可動カムドライバ51B、51Dの傾斜ドライバ面511B、511Dが第2受動カム53B、53Dの傾斜カム面532B、532Dから離間するので、後退方向へ付勢された第2受動カム53B、53Dは、可動シワ押さえ部31、31Cの後退位置P1へ移動し、後退方向へ付勢された第1受動カム52B、52Dは、可動ダイ部21、21Dの後退位置P1へ移動することができる。その結果、成形パネルSPの離型後にも、成形パネルSPに変形に伴う面品質不良が生じることを回避できる。
本発明は、絞りビードの形状痕を成形パネルの製品内へ流入することを含む面品質不良を回避できる絞り成形方法及びそのプレス型として利用できる。
1 ポンチ
1D ポンチ型台
1P 外周縁
1PT 直線状外周縁
1T 突起部
1S 余肉形状部
2 ダイ
2D ダイ型台
3、3C シワ押さえ部
3a、3Ca 可動絞りビード
3b、3Cb 固定絞りビード
3D シワ押さえ台
5、5B、5C、5D 駆動機構
10、10B、10C、10D プレス型
21、21C 外周部、可動ダイ部
23、23C 外周部、固定ダイ部
31、31C 可動シワ押さえ部
32、32C 固定シワ押さえ部
51、51B、51D 可動カムドライバ
52、52B、52C、52D 第1受動カム
53、53B、53C、53D 第2受動カム
511、511B、511D 傾斜ドライバ面
512 垂直ドライバ面
513B、513D 駆動手段
513BR、513DR 駆動ロッド
521 傾斜カム面
522 垂直ガイド面
523 押圧面
532B、532D 傾斜カム面
533B、533D 押圧面
KS 境界線
P1 後退位置
P2 前進位置
Q2 幅方向
Q3 所定範囲
T1 ストローク量
W 素材
W1 外縁部

Claims (11)

  1. ポンチとダイと前記ポンチの外周側で加圧支持されたシワ押さえ部とを有し、前記ダイの外周部と前記シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持すると共に絞りビードを介して前記素材に張力を掛けながら、前記ポンチと前記ダイとが近接して前記素材を所定の形状に絞り成形する絞り成形方法であって、
    前記シワ押さえ部には、前記ポンチに対して所定のストローク量だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台と、当該シワ押さえ台に支持され前記ポンチの外周縁から離間した後退位置と前記ポンチの外周縁と近接した前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部と、前記シワ押さえ台と一体化された固定シワ押さえ部とを備え、
    前記ダイには、前記可動シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持した状態で、前記可動シワ押さえ部と共に前記後退位置から前記前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部と、前記固定シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持する固定ダイ部とを備え、
    前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記素材を把持する箇所には、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部と共に移動する可動絞りビードを備え、
    前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に前記後退位置にて前記素材の前記外縁部を把持し、前記可動絞りビードにおける前記素材の滑りを抑制した状態で、前記素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前記前進位置まで移動することを特徴とする絞り成形方法。
  2. 請求項1に記載された絞り成形方法において、
    絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記前進位置にて前記素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とがそれぞれ前記前進位置から前記後退位置へ移動することを特徴とする絞り成形方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された絞り成形方法において、
    前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、前記素材Wの幅方向外方まで形成されていることを特徴とする絞り成形方法。
  4. 請求項3に記載された絞り成形方法において、
    前記ポンチの幅方向両端部には、前記固定シワ押さえ部と前記可動シワ押さえ部との間に挟まれ前記素材の肉余りを吸収する余肉形状部を有する突起部を備えたことを特徴とする絞り成形方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載された絞り成形方法において、
    前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、前記素材の幅方向における所定範囲の境界線で、前記素材の幅方向と直交する方向に前記固定ダイ部と前記固定シワ押さえ部とから分割して形成され、
    前記固定ダイ部と前記固定シワ押さえ部とが前記素材の外縁部を把持する箇所には、前記素材のポンチ側への流入量を部位に応じて調節可能に形成された固定絞りビードを備えていることを特徴とする絞り成形方法。
  6. 請求項5に記載された絞り成形方法において、
    前記固定ダイ部には、前記可動シワ押さえ部との間で前記素材を押圧する素材押圧面を、ダイ肩R部と可動絞りビードとの間に形成したことを特徴とする絞り成形方法。
  7. 請求項6に記載された絞り成形方法において、
    前記素材押圧面は、絞り成形開始時に前記可動シワ押さえ部との間で前記素材を押圧可能に形成されていることを特徴とする絞り成形方法。
  8. 請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載された絞り成形方法において、
    前記可動絞りビードと前記固定絞りビードとは、前記境界線の手前でそれぞれ徐々に低くなって高さゼロに形成されていることを特徴とする絞り成形方法。
  9. ポンチとダイと前記ポンチの外周側で加圧支持されたシワ押さえ部とを有し、前記ダイの外周部と前記シワ押さえ部とが素材の外縁部を把持すると共に絞りビードを介して前記素材に張力を掛けながら、前記ポンチと前記ダイとが近接して前記素材を所定の形状に絞り成形するプレス型であって、
    前記シワ押さえ部には、前記ポンチに対して所定のストローク量だけ上下動可能にダイ側へ加圧されたシワ押さえ台と、当該シワ押さえ台に支持され前記ポンチの外周縁から離間した後退位置と前記ポンチの外周縁と近接した前進位置との間を移動可能に形成された可動シワ押さえ部と、前記シワ押さえ台と一体化された固定シワ押さえ部とを備え、
    前記ダイには、前記可動シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持した状態で、前記可動シワ押さえ部と共に前記後退位置から前記前進位置まで移動可能に形成された可動ダイ部と、前記固定シワ押さえ部との間で前記素材の外縁部を把持する固定ダイ部とを備え、
    前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記素材を把持する箇所には、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部と共に移動する可動絞りビードを備え、
    前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが、絞り成形開始時に前記後退位置にて前記素材の外縁部を把持し、前記可動絞りビードにおける前記素材の滑りを抑制した状態で、前記素材に張力を掛けながら、絞り成形完了時に前記前進位置まで移動し、絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記前進位置にて前記素材の外縁部を把持した状態を維持し、その後に、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とがそれぞれ前記前進位置から前記後退位置へ移動するように形成された駆動機構を備えたことを特徴とするプレス型。
  10. 請求項9に記載されたプレス型において、
    前記駆動機構には、前記ポンチが形成されたポンチ型台に上下方向へ移動可能に装着されダイ側へ付勢された可動カムドライバと、
    前記ダイが形成されたダイ型台に前後方向へ移動可能に装着され前記可動カムドライバの付勢力に打ち勝つ付勢力で後退方向へ付勢されると共に、前記可動ダイ部が形成された第1受動カムと、
    前記シワ押さえ台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、前記可動シワ押さえ部が形成された第2受動カムとを備え、
    前記第1受動カムには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面と、垂直状に形成された垂直ガイド面と、前記第2受動カムを前進方向へ押圧する押圧面とが形成され、
    前記可動カムドライバには、前記第1受動カムの傾斜カム面と当接し前記可動ダイ部を前記後退位置から前記前進位置へ移動させる傾斜ドライバ面と、絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間するまで、前記第1受動カムの垂直ガイド面と当接し前記可動ダイ部を前進位置に保持させる垂直ドライバ面とが形成されていることを特徴とするプレス型。
  11. 請求項9に記載されたプレス型において、
    前記駆動機構には、前記ダイが形成されたダイ型台に装着され駆動手段によって上下方向へ移動可能に形成された可動カムドライバと、
    前記ダイ型台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、前記可動ダイ部が形成された第1受動カムと、
    前記シワ押さえ台に前後方向へ移動可能に装着され後退方向へ付勢されると共に、前記可動シワ押さえ部が形成された第2受動カムとを備え、
    前記第2受動カムには、プレス方向に対して傾斜状に形成された傾斜カム面と、前記第1受動カムを前進方向へ押圧する押圧面とが形成され、
    前記可動カムドライバには、前記第2受動カムの傾斜カム面と当接し前記可動シワ押さえ部を前記後退位置から前記前進位置へ移動させる傾斜ドライバ面が形成され、
    前記駆動手段の駆動ロッドが短縮した状態で、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とが前記後退位置で前記素材の外縁部を把持した後に、前記ポンチと前記ダイとが、前記シワ押さえ台のストローク量だけ近接する際に、前記駆動ロッドを伸長させ、前記可動ダイ部と前記可動シワ押さえ部とを前記前進位置へ移動させて絞り成形を完了し、絞り成形完了後に前記ポンチと前記ダイとが前記シワ押さえ台のストローク量だけ離間した後に、前記駆動ロッドを短縮させることを特徴とするプレス型。
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